Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月8日 

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20170408317354.html
町立津南病院、赤字が過去最高に
2017/04/08 12:50 新潟日報

 津南町の町立津南病院の2016年度決算で、赤字が過去最高の約5億8千万円になることが分かった。赤字相当分は、町の一般会計予算で穴埋めする。赤字が膨らむ中、町は、町立病院運営審議会に諮問しながら、将来の病院の在り方について探っていく考えだ。

 津南病院は現在、一般病床は62床。内科、外科、整形外科、小児科など9診療科を持つが、うち産婦人科は医師が確保できず15年3月から休止となっている。

 赤字は、15年度に初の5億円台(5億1373万円)となっており、16年度はさらに膨らんだ。11~15年度の赤字は平均で4億600万円。91~95年度の平均1億5020万から約2.7倍に増えている。

 病院稼働率でみると、1990年代半ばは70%台だったが、その後40%台に落ち込んだ。2003年度に一般病床を130床から62床に減らしたためいったん90%台になったが、04年度以降は再び減少。近年は40~50%台で推移している。

 入院、外来ともに患者数の減少が続き、赤字を膨らませている。人口減少に加え、道路などの交通アクセスが良くなったことで、他地域の病院を利用する町民が増えたことなどが要因とみられる。15年に魚沼基幹病院(南魚沼市浦佐)が開院したことも背景の一つとの指摘もある。

 また、常勤医師の減少にともない、東京からの非常勤医師の人件費も膨らんでいるという。

 少しでも経営を好転させようと、16年2月に療養病床(52床)を休止し、同3月には歯科を廃止した。ただ、少子高齢化が続く中、抜本的な解決策がないのが実情だ。

 町に諮問された審議会では、魚沼地域の医療環境の変化などを考慮しながら解決策を探り、年内に答申をまとめる方向だ。

 上村憲司町長は「町立病院の在り方などを総合的に導き出す必要がある。持続可能な町民への医療提供というのが基本だ。関係者と一丸となって地域医療の再構築に挑む」と述べた。

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  1. 2017/04/09(日) 07:17:42|
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4月7日 

http://www.medwatch.jp/?p=13171
外科と精神科、初期臨床研修で「必修の診療科」とすべき—四病協
2017年4月6日|医療・介護行政全般 MedWatch

 医師の初期臨床研修において、外科と精神科を必修科目とすべき—。

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院の4団体で構成される四病院団体協議会(四病協)は3月31日に、このような要望を厚生労働省医政局の神田裕二局長に宛てて行いました。

現在、内科と救急は必修、外科・精神科などは選択必修

 2004年度から新たな臨床研修医制度がスタートし、臨床現場に立つ医師には、すべて2年間以上の初期臨床研修を受けることが必修化されました。臨床に携わる医師は、自分が専門とする診療科だけでなく、すべての診療科について基本的な診断・治療技術を持つべきとの考えに基づくものです。

 必修化によって「医師の資質向上」という大きな成果が得られましたが、研修医が研修先を選べる(マッチングシステムの下で)ため地域の医師偏在が進むなどの問題も発生しました。また、▼多くの診療科で研修を課すため研修医のモチベーションが下がる(お客さんで終わってしまうケースもある) ▼病院ごとの特色ある研修が難しい—といった課題も指摘されていました。そこで厚労省は検討会を設置して、研修内容について議論し、2010年から ▼必修の診療科は内科(6か月以上)、救急(3か月以上)にとどめる ▼外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科は選択必修とし、この中から2診療科を選択する―などの見直しを行いました。

 しかし、この見直しによって「外科」医師が減少していると四病協は指摘。例えば、2010年に比べ、2014年に外科後期研修に入った医師は73%に減少しています。

 四病協は「小児科・産婦人科では医師不足が顕在化し待遇改善などがなされて、医師が増加傾向に転じたが、外科では医師不足が顕在化せず、このままでは救急医療現場が崩壊につながる可能性がある」「全人的医療を実践する医師養成のためには精神科の初期研修が必要である」と訴え、外科と精神科について初期臨床研修での「必修化」を強く要望しています。

 

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0406506920/
外科必修化で救急医療の崩壊を防げ!〔CBnews〕
臨床研修制度、関連団体が医政局長に要望書

CBnews | 2017.04.06 07:25

 日本病院会や日本精神科病院協会などは、厚生労働省の神田裕二医政局長に対し、初期臨床研修制度の見直しを求める要望書を提出した。外科医の減少に伴い救急医療の現場が崩壊する恐れがあることを挙げ、臨床研修における外科の扱いを格上げし、医療現場の改善につなげるよう求めている。

 2004年4月から始まった臨床研修制度では、幅広い診療能力を修得することを目的に2年以上の臨床研修が義務付けられている。しかし、10年の臨床研修制度の見直しに伴い、全研修医が学ぶ「必修科目」となっていた外科と精神科などは、5科目の中から2科目を選択する「選択必修科目」となり、外科を選ばない研修医も出てきた。

要望書では、初期研修(2年間)を終えて外科の後期研修に入った医師数が減少傾向となっていることに触れ、外科が「選択必修科目」になったことも減少の「大きな要因」と説明。小児科や産婦人科は医師不足が社会問題化されたことで待遇の改善が図られた一方、外科は減少傾向が表面化しなかったため、対応が図られなかったとの見解を示している。

また、高齢者の救急対応などを担う二次救急の現場で外科医が大きな役割を占めていることを挙げ、「このままの状況では、救急医療現場の崩壊につながる可能性がある」とし、「必修科目」に外科を位置付ける必要があるとしている。

このほか、精神科についても「全人的医療を実践する医師の養成のために不可欠」として「必修科目」に戻すよう求めている。

(2017年4月4日 新井哉・CBnews)



http://digital.asahi.com/articles/ASK463VG9K46ULBJ001.html?_requesturl=articles%2FASK463VG9K46ULBJ001.html&rm=373
20代勤務医、週55時間労働 さらに当直…12時間超
野中良祐
2017年4月7日01時52分 朝日新聞

 20代の勤務医は週平均55時間勤務し、これに当直や緊急時に備えた待機が12時間以上加わる――。厚生労働省研究班(研究代表者=井元清哉・東大医科学研究所教授)が、6日発表した初の大規模調査で、多くの医師が長時間働いている実態が浮かんだ。同省の検討会は同日、偏在対策や他職種との業務分担を盛り込んだ働き方を提言する報告書を塩崎恭久厚労相に提出した。

 全国約1万2千の施設に勤める10万人の医師に調査票を送付。昨年12月の1週間に、何時間働いたかの記入を依頼し、1万5677人が郵送で回答した。

 常勤の20代男性の平均勤務時間は、週に57・3。同女性は53・5。年代が上がるにつれ、勤務時間は減少の傾向だった。週60時間以上勤務していたのは男性の27・7%、女性の17・3%。診療科別では、救急科が最長の55・9。精神科は43・6と差がみられた。
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 ログイン前の続き医師の地域偏在の解消が課題となる中、地方勤務の意思を問うと、20代の60%、全体の44%が「ある」と答えた。「ない」と答えた人にその理由を聞くと、「労働環境への不安」が各年代で上位だった。厚労省の担当者は「休みを確保できるなど環境を整えれば偏在は解消できる」と話す。

 調査は、文書作成や予約業務などは他職種と分担が可能で、実現すれば医師の労働時間を1日に約47分軽減できると分析する。

 これらの結果を踏まえ、有識者らでつくる検討会は、看護師や事務職との業務の分担や同じ薬であれば診察なしで薬を処方できる仕組み、情報通信技術(ICT)の活用による効率化を提言。医師を増やさなくても、高齢化がさらに進む社会のニーズに応えられるよう、工程表をつくって実現するよう求めている。

 検討会座長の渋谷健司・東大教授は「現場が疲弊しないシステム作りは待ったなしだ。世の中全体で働き方を見直している時期でもあり、医療にもメスを入れる」と話した。

 厚労省は、介護職員の勤務実態についても、大規模な全国調査を始める。2025年までに約38万人足りなくなると見込まれる介護職の働き方を把握し、人材確保策に生かしたい考えだ。(野中良祐)



https://www.m3.com/news/iryoishin/518004
新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
医師10万人調査、結果公表!
男性医師27.7%が「週60時間以上」、地方勤務意向は44%

2017年4月6日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 常勤勤務医では男性27.7%、女性17.3%が、「週60時間以上」勤務し、1カ月当たりの時間外労働は「過労死ライン」の80時間を超える計算になる――。

 依然として一定数の勤務医が厳しい勤務を強いられている現状が、4月6日に発表された「医師10万人調査」から明らかになった。個人による差も大きく、週の勤務時間が100時間以上に上る医師も見られた一方、常勤でも40時間未満との回答もあった。

 「医師10万人調査」の正式名は、厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(『医師10万人調査がスタート!厚労省』を参照)。厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の議論や今後の医師需給推計の基礎データとなるため、昨年来、注目されていた調査だ。調査票は約10万人の医師に配布、回収できた1万5677人の回答を集計した。年代別などの勤務実態や勤務意向が明らかになり、政府が進める「働き方改革」にも影響し得る結果とも言える(資料は、厚労省のホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html)。

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(研究班資料による)

 週平均勤務時間を年代別に見ると、最も長いのは20代で55時間程度で、内訳は男性57.3時間、女性53.5時間。年代が上がるにつれて減少し、60代では男性45.5時間、女性39.3時間。

 診療科別では「救急科」(55.9時間)、「外科系」(54.7時間)、「臨床研修医」(53.8時間)などで長い傾向がある。一方、「精神科」(43.6時間)、「麻酔科」(49.1時間)などでは短い。

 医師の働き方改革や医師の地域偏在解消を進めるため、「他職種(看護師や事務職員等のコメディカル職種)との分担の可能性」、地方勤務の意向なども聞いている。「患者への説明・合意形成」「医療記録」など計5つの作業に費やした時間は、1日当たり平均約240分、うち20%弱(約47分)は他業種に分担が可能という結果だった(50代以下の常勤医師の場合)。

 また医師の44%は、地方勤務の意思があり、年代別に見ると最も割合が高かったのは20代で60%だった。地方勤務の期間は、20代では2~4年間を希望する割合が多く、30代以上では10年以上の希望者が増える傾向が見られた。一方、地方勤務の意思がない理由として、どの年代でも、「労働環境への不安」「希望する内容の仕事ができない」を挙げた回答が高かった。

 研究代表者を務めた東京大学医科学研究所ヘルスインテリジェンスセンター健康医療データサイエンス分野教授の井元清哉氏は、調査票が1週間の勤務実態を記録するなど、記入に手間がかかることから、「ハードな負担を強いる調査。時間に余裕がある医師だけが回答するというバイアスがかかると懸念されたが、回答内容を見ると、しっかり自分のデータを記載しており、信頼性が高い内容だと考えている」と説明した。

 なお、ここで言う「勤務時間」は、「診療」(外来、入院、在宅)と「診療外」(教育、研究・自己研鑽、会議・管理業務等)の時間の合計。これに「当直・オンコール」が別途加わるが、「当直・オンコール」中に行った診療等は、「勤務時間」に含めて計算している。例えば、20代の男性常勤勤務医の場合、「当直・オンコール」18.8時間のうち、待機時間は約16時間で、残る2.8時間を含めて「週平均勤務時間」(57.3時間)を計算。もっとも、「当直・オンコール」はその実態により、より多くの時間が勤務時間と見なされる場合もある一方、「診療外」の自己研鑽をどの範囲まで勤務と見なすかという問題は残る。

 本調査の概要と、主な調査結果は以下の通り。

【調査概要】

・医師調査:約10万人を対象に実施、1万5677人の回答を集計。男性74.6%、女性22.7%。回答者の男女割合、診療科の分布は、「医師・歯科医師・薬剤師調査」とほぼ同一。勤務形態は、常勤69.4%、非常勤12.6%、病院・診療所の開設者16.2%。
・医療施設調査:1万2035施設(うち病院2331施設)を対象に実施、3126施設の回答を集計。
・調査期間:2016年11月末から2017年1月。タイムスタディは、2016年12月8日から12月14日の1週間について、「診療」「診療外」「当直・オンコール」の時間について記録。

【調査結果】

◆勤務時間について、性別、診療科別などで大きく異なる。
・20代勤務医(常勤)の勤務時間(診療+診療外)の時間は、週平均55時間程度。これに当直・オンコールの待機時間(男性約16時間、女性約12時間)が加わる。
・勤務医(常勤)の勤務時間は、内科系51.7時間、外科系54.7時間、産婦人科50.6時間、小児科50.2時間、救急科55.9時間、麻酔科49.1時間、精神科43.6時間、放射線科51.9時間、臨床研修医53.7時間。

◆他職種との分担可能な業務について、調査した5種の業務に要する時間のうち、1日当たり平均47分を分担可能。
・「患者への説明・合意形成」、「血圧などの基本的なバイタル測定・データ取得」、「医療記録」(電子カルテの記載)、「医療事務」(診断書等の文書作成、予約業務)、「院内の物品の運搬・補充、患者の検査室等への移送」の業務に要する時間は、1日当たり約240分。中でも「患者への説明・合意形成」(82分)、「医療記録」(93分)が長い。しかし、他職種に分担できる割合は、「医療事務」(33%)、「院内の物品の運搬等」(30%)などで高く、「患者への説明・合意形成」(8%)、「医療記録」(14%)では低い。

◆地方勤務する意思がある医師の割合は44%。
・地方(東京都23区、政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外)で勤務する意思が「ある」のは、44.1%、「ない」は51.3%。年代別で差があり、最も高いのは20代勤務医で、60%が「ある」と回答。
・50代以下の勤務医のうち、約半数は地方勤務の意思がある。半年(0.4%)や1年(2.3%)を希望する割合は低く、10年以上を希望する割合は27.1%。
・地方勤務の意思がない理由として、どの年代でも、「労働環境への不安」「希望する内容の仕事ができない」を挙げた回答が高かった。年代別では、キャリアの変化に応じて、理由が異なっていた。20代では「医局人事のため選択の余地がない」のほか、「専門医の取得に不安」があることも特徴。30代、40代では「子供の教育環境が整っていない」「家族の理解が得られない」が高くなる一方、「専門医の取得に不安」は低くなり、50代では「家族の理解が得られない」は依然高いものの、「子供の教育環境が整っていない」は減少。

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(研究班資料による)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H5T_W7A400C1EE8000/
医師の偏在対策、強制に反対 厚労省検討会
2017/4/6 20:52 日本経済新聞

 医師の働き方などについて話し合う厚生労働省の検討会が6日、医師の偏在解消のために強制的な手段を使うことに反対する考えを示した報告書をまとめた。報告書では過酷な労働環境など支障を取り払えば、多くの医師が地方で働くと指摘した。ただ厚労省は過去に、別の会議で「偏在解消には規制が必要」との中間報告をまとめており、議論が混乱する懸念も浮かんでいる。

 検討会は団塊世代の高齢化に伴う「多死社会」への対応や、長時間労働が常態化する医師や看護師の働き方の見直しにつなげるために昨年10月に設置された。

 報告書で強調したのが医師の偏在問題への対応だ。偏在は都道府県によって人口あたりの医師の人数に大きな差があったり、特定の診療科に医師が偏っていたりする問題。救急患者のたらい回しや地域医療を支える医療機関の閉鎖・縮小に直結するため、国民にとっても放置できない課題だ。たとえば都道府県別の10万人あたりの医師数でみると、京都が307.9人と最多で、最少の埼玉と2倍の差があるなど地域差は大きい。

 これに対し報告書では全国1万6千人の医師への実態調査をもとに、44%の医師が地方勤務の意思があると指摘した。一方で想定通り医師の地方勤務が進まない理由として、極端に少ない休日や長時間勤務といった「過重労働」と「希望する仕事ができない」という2点を挙げた。

 そのうえで「支障が除かれれば、地方に従事する可能性が多く秘められている」と強調。「『規制的手段によって医療従事者を誘導・配置すれば足りる』との発想に依存すべきではない」と結論づけた。

 だが偏在対策を専門に検討する厚労省の医師需給分科会では昨年6月、偏在の解消には「規制を含む対策が必要」との中間報告を公表している。医師がどこでも自由に開業できる「自由開業」や、法律で定められた診療科であれば何を標榜してもよい「自由標榜」の見直しにも踏み込んでおり、有識者の間では「画期的だ」と期待する声もあった。

 それと比べると今回の報告書は、偏在対策が後退している印象が拭えない。厚労省内には「(6日の)報告書への塩崎厚労相のこだわりは強い」(同省幹部)との声もあり、今後の議論でどちらの考えが優先されるのかは見通せない状況だ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/518222
新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」
報告書公表、渋谷座長「医療者の働き方にメス」

2017年4月6日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は4月6日、「敢えて医師数を増やす必要がない環境作り」の重要性を打ち出した報告書をまとめ、塩崎恭久厚労相に提出した。

 2008年度以降、医学部の定員増が続いていたが、この傾向に歯止めをかけ、医師数の「量」の議論から、医療の在り方や医師の働き方の議論、それを踏まえた施策の実現への転換を求める報告書と言える。今後、5~10年程度を基本軸とし、着手可能な施策からの具体化を提言。医師偏在対策については、「成果を出すラスト・チャンス」と位置付け、強制力ではなく、地域と医療機関、医師の主体的な取り組みを求めている(資料は、厚労省のホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html)。

 検討会後に会見した座長の渋谷氏は、「大きく、そして急速な変化の中で、どのような未来を描いていくべきか、戸惑い、時に立ちすくんでいる医療従事者たちへのメッセージとなることを目的としている。医療者の働き方については、ある意味、メスを入れるような形で、さまざまな観点から議論した」と説明。特に喫緊の課題として、医師偏在対策に取り組むことを求めた。

 報告書を受け取った塩崎恭久厚労相は、ビジョン検討会が「医師10万人調査」(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)を踏まえて議論してきたとし、「ファクトに基づいた分析を踏まえて、大変画期的な医療介護のビジョンと働き方を示していただいた。いろいろ物議も醸すかもしれないが、それくらいでないと日本は変わらない。ありがたく検討させていただきたい」と労った。

 「ビジョン実行推進本部(仮称)」も提言
 報告書のキーワードは「高生産性、高付加価値」。喫緊の課題である医師偏在対策に加えて、外来医療の在り方の見直し、プライマリ・ケア機能の担い手の確保、医師から看護師等へのタスク・シフティング、「診療看護師」(仮称)や「フィジシャン・アシスタント」の創設など、さまざまな改革を進めるべきと提言。医師需給推計や2020年度以降の医学部定員増は、これらを実施した後に検討すべきとしている。

 医師偏在対策については、「不足する地域に強制的に人材を振り向ける」などの発想ではなく、「いかに医療・介護の質と従事者個々人の意欲と能力を引き出し、生産性と付加価値を高めて、国民の求める保健医療サービスの価値を提供していくかという方向性を重視すべき」と提言。

 「医師10万人調査」(「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」)で、地方勤務の意思がある医師も一定数いることなどを踏まえ、派遣医師と受入医療機関のマッチング支援、週4日勤務制の導入、休日の代替医師の派遣など医師の負担軽減、複数医師によるグループ診療、遠隔診療支援などを施策として盛り込んだ(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)。「遠回りかもしれないが、勤務医が働き続けることができる地道な環境作りが必要だろう」(渋谷座長)。

 本ビジョン検討会は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の議論をいったん停止してスタートした経緯がある(『「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長』を参照)。両検討会・分科会の2016年6月の中間報告で打ち出された保険医の配置・定数の設定など規制色が強い施策は、今回は盛り込まれていない(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 「外来医療の最適化に向けた枠組みの構築」を打ち出したことも注目点。2025年の「病床の必要量」を推計する地域医療構想に、外来医療の要素を加え、需給ギャップを把握、最適化を段階的に進めるとともに、「地域における効率的医療提供体制を構築し、診療報酬におけるアウトカム評価と医療費の定額払いを行うことによって、その地域の医療機関全体にメリットが生じるような医療保険制度の見直しを検討」、「自由標榜制の仕組みについても、例えば日本専門医機構の認定する専門医と標榜とを関連付けるなど、患者に分かりやすく、適切な選択に資する標榜の在り方を検討」なども求めた。

 さらに「地域を支えるプライマリ・ケアの構築」に向け、「日本専門医機構の認定するプログラムにより育成された総合診療専門医の育成を強化していく」など、プライマリ・ケア機能の担い手をまず確保していくことが重要なステップであるとした。その後、一定期間後には、日常の健康問題に関する資料は、まずプライマリ・ケアを担う医師をまず受診し、その紹介を通して専門診療を受診する仕組みも提言している。

 タスク・シフティングについては、「チーム医療」を発展させる形で有効活用すべきと指摘。まず2015年10月から創設された看護師の特定行為研修制度を充実させ、現時点で研修対象となっている医行為を拡大し、「診療看護師」(仮称)の養成を提案している。さらに、簡単な診断や処方、外科手術の助手、術後管理などができる「フィジシャン・アシスタント」の新設も検討すべきとしている。

 そのほか、遠隔医療、ICTにも言及するなど、医師の働き方改革に留まらず、医療提供体制全般にわたる課題を取り上げている。

 報告書の最後には、本提言を実現するため、厚労省内に「ビジョン実行推進本部(仮称)」を設置し、5~10年程度の政策工程表を作成、内閣としての政府方針に位置付け、進捗管理を行うよう求めている。実現困難な提言等については、「国家戦略特区の枠組み等を用いつつ、厚労省が主体となって着実に取り組みが進むようにすべき」とした。

 さらに喫緊の課題となる、医師偏在対策については、「医師需給分科会で、本報告書の内容を踏まえ、その具体化に向けた検討を行い、短期的な方策を精査し、必要な制度改正案を速やかに取りまとめるべき」と提言。その後に、働き方調査に基づく精緻な医師需給推計を行った上で2020年度以降の医学部入学定員の検討に着手すべきとしている。

 もっとも、報告書に盛り込まれた施策は、過去に議論になっては反対意見が上がり、議論が難航したり、実施が見送られたものも少なくない。塩崎厚労相が「いろいろ物議も醸すかもしれない」と発言したのも、この点が念頭にあったと思われる。さらに、医師偏在対策は、前述の通り、「医師需給分科会」などで議論しており、「ビジョン検討会は、大臣の私的検討会。政策につなげるためには、正式な審議会・検討会で議論していくべき」(日本医師会会長の横倉義武氏)などの意見は根強く、ビジョン検討会報告書の内容がどの程度、具体的検討の場に進むか、今後が注目される。

 「これからの医療政策の基本哲学」
 ビジョン検討会は2016年10月に設置、4月6日まで計15回の検討を重ねた。2016年12月には、中間報告をまとめている(『具体的な政策提言、「医師10万人調査」の結果待ち』を参照)。

 報告書はまずその位置付けとして、「これからの医療政策の基本哲学」であるとし、「若手や女性をはじめとして、医療従事者の誰もが将来の展望を持ち、新たな時代に即応した働き方を確保するための指針となることを目指した」と明記。

 その上で、医療を取り巻く構造的な変化、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」に触れた後、「新たなパラダイムと実現すべきビジョン」と「ビジョンの方向性と具体的方策」を列挙する体裁だ。

 「新たなパラダイムと実現すべきビジョン」では、根幹に据えるべき方向性として下記を提示。その実現に向け、「働き方」「医療の在り方」「ガバナンスの在り方」「医師等の需給・偏在の在り方」のそれぞれについて、パラダイムの転換を図ることを求めている。

・それぞれの医療・介護従事者が持つ力量を最大限に発揮できる環境を目指す。
・均一化・規格化されたサービスを大量かつ一方的に提供する(「プッシュ型」)モデルから、脱却し、住民・患者の能動的な関与とニーズに合わせて多様なサービスを設計し、創造する(「プル型」)モデルの確立を目指す。
・医療・介護従事者の役割や機能が、加速する社会的・経済的・技術的な時代の変化に、柔軟かつ迅速に適応できる環境作りを進め、進化できるシステムを目指す。

 「ビジョンの方向性と具体的方策」として、(1)能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方をフル・サポートする、(2)地域の主導により、医療・介護人材を育み、住民の生活を支える、(3)高い生産性と付加価値を生み出す――の3つの柱を立て、それぞれ「目指す姿」と「具体的アクション」を打ち出している。



  1. 2017/04/08(土) 06:02:00|
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4月4日 

https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0404/jbp_170404_1163417522.html
日本の医療崩壊を救った若き女性医師
JBpress4月4日(火)6時8分

 新専門医制度の議論が急展開しそうだ。3月9日の参院厚生労働委員会で、塩崎恭久厚労大臣は「必要に応じて、地域医療に従事する医師、地方自治体の首長を含めた場で、日本専門医機構に対して、抜本的な対応を求めていきたい」とコメントした。
 厚労省関係者は「(日本専門医機構が拠り所とする)2013年度の専門医の在り方に関する検討会の報告書を上書きするための審議会を設置する方向で調整が進んでいる」と言う。
 彼らが問題視するのは、プロフェ  ッショナル・オートノミーを錦の御旗に、大学教授たちが独善的に医療制度を変更しようとしていることだ。
 彼らの主張は、「すべての医師は専門医になるべきで、そのためには後期研修が必要。研修の場は大学病院が中心になるべきで、専門医の質を統制するため、統一した基準を儲けねばならない」というものだ。

日本の医療界における伏魔殿
 いずれも大学教授たちの「妄想」で、彼らの主張を支持するエビデンスは希薄だ。
 このような統制は、まさにカルテルと言える。自由主義国家である我が国では独禁法など、様々な法律に抵触する可能性が高い。「プロフェッショナル・オートノミー」とは対極の行為だ。
 こんなメチャクチャが通用したのは、大学教授が密室で議論を進めたからだ。日本専門医機構のホームページをご覧になるとお分かりいただけるが、理事の大部分が大学教授か経験者である。議事内容の詳細は一切公開されていない。
 また、財務諸表が公開されていないので、このような組織に誰がカネを出しているかも分からない。こんな組織に、我が国の医療の将来を左右する巨大な権限を与えてはならない。
 新専門医制度の議論を正常化させるために必要なのは、日本専門医機構の幹部に制度の見直しをお願いする「陳情」ではない。情報開示と公での議論だ。最近、そのような動きが出つつある。
 きっかけは、2月に立谷秀清・相馬市長を中心とした医系市長会が、塩崎厚労大臣や菅義偉官房長官に「中・小規模病院が危機に陥る懸念」および「地方創生に逆行する危険と医師偏在を助長」などの意見を伝えたことだ。
 この動きをいくつかのメディアが報じ、全国の市町村長たちも問題を認識し、専門医制度が政治課題となった。
 医療は社会的な営みだ。その中心は住民である。住民を代表するのが首長であり、議会だ。彼らの意向を無視して、医師、特に大学教授だけで決めていい問題ではない。
 ただ、市町村長であれ、大臣であれ、政治家が介入するには世論が必要だ。この世論作りが難しい。
 では、誰が世論を作ったのだろう。私は、南相馬市立総合病院の3年目の研修医である山本佳奈氏の果たした役割が大きいと思う。
 山本医師は滋賀医大を卒業し、今春、南相馬市立総合病院で初期研修を終えた。大学在学中から私どもの研究室で学び、新聞やウェブ媒体に文章を発表した(JBpressの記事はこちら。1、2、3、4、5)。一昨年には『貧血大国・日本』を光文社から出版した。

産科医不足に悩む病院が産科医を拒否
 将来の夢は「女性のための総合医」。そのために貧血も勉強し、3年目以降は南相馬に残り産科研修を希望していた。ところが、彼女の希望は通らなかった。
 南相馬は産科医不足だ。市をあげて産科医の招聘に取り組んでいる。なぜ、山本医師が産科医として採用されなかったのだろうか。彼女の前に立ちはだかったのが新専門医制度と大学医局、さらに彼らの意向を忖度する南相馬市だ。
 新専門医制度では、福島県の産婦人科の基幹施設は福島県立医大だけだ。南相馬市立総合病院は連携施設という位置づけになる。福島県で産婦人科専門医を取得したければ、福島県立医大のプログラムに沿って研修するしかない。
 彼女は、福島県立医大の教授に、「南相馬で産婦人科医として働きながら専門医を取得したい」と相談した。ところが、その回答は「南相馬の市立病院は指導医が1人しかいないから、福島県立医大に所属したとしても派遣されることはない」とつれなかった。
 彼女は悩んだ末、専門医の資格を諦めた。そして、病院幹部に「南相馬で働きたい」と希望を伝えた。
 ところが、しばらく経って、福島医大の医局に属する40代の指導医が「忙しくて指導できない。山本さんは自由時間を求めて、ずっと病院にいないから、ここで研修するのは無理」と言っていることを伝え聞いた。
 私も幹部から直接話を聞いた。そして、呆れ果てた。確かに、この医師は1人医長としてよく働いている。ただ、20代の女性を雇用しない理由として、「ずっと病院にいない」ことを挙げるのは尋常ではない。明白な労基法違反だ。本当の理由は別にあるのだろう。
 実は、南相馬市立総合病院で勤務を希望する産科医は、これまでにもいた。直近では福島医大の幹部が仲介して、県外から医師が来る予定だった。ところが、これも南相馬市立総合病院から断ってしまった。山本医師に対する対応と同じだ。
 ところが、最近になって、福島医大の後期研修医が急遽派遣されることになった。指導医は、今回は「多忙で指導できない」と断らなかったらしい。この指導医は、自分が務める病院よりも医局の方が大切なようだ。
 このような対応は、住民のためにならない。住民の立場に立ち、このような医師の対応に苦言を呈するのは、南相馬市立総合病院の院長、および市長の仕事だろう。ところが、彼らは、その役割を果たさなかった。
 驚いたのは、桜井勝延・南相馬市長の対応だ。

桜井勝延・南相馬市長の不可思議な行動
 院長が指導医と山本医師の間を懸命に取り持とうとしているのを傍目に、3月中旬になって桜井氏は「福島医大を批判する医師は雇用できない(南相馬市関係者)」と院長に伝えたのだ。さらに「雇用するなら誓約書を書かせる(いずれも南相馬市関係者)」と迫った。
 院長は、産婦人科で研修できるか否かはともかく、山本医師に新年度の雇用を約束していた。新年度まで2週間あまりの段階で、雇用関係を破棄するのは「労基法に抵触する可能性が高い(知人の弁護士)」という。
 桜井市長が問題視したのは、山本氏が医師専用のサイト「エムスリー」で「福島医大の産科体制を批判したこと(別の南相馬市関係者)」らしい。
 医師専用サイトを桜井市長が見るはずがなく、誰が彼に情報提供したかは明らかだ。公で議論する研修医に対して、卑怯な手段を弄したことになる。また、医師同士のサイトでの言論を、市長が人事権をひけらかして抑制するなど前代未聞だ。
 実は、桜井市長の対応に「最も怒ったのが、福島医大の竹之下誠一理事長(福島医大関係者)」だ。
 竹之下氏は、桜井市長に電話し、「山本医師を雇用するように迫った(福島医大関係者)」。そして、山本医師や及川友好・南相馬市立総合病院院長に対し、「希望する研修ができるように全面的に支援する」と伝えている。
 この結果、4月から山本医師は、南相馬市立総合病院の嘱託となり、神経内科に勤務する。「将来的には産科をはじめ、女性を診療する科で学びたいと考えています」と話す。
 紆余曲折があったものの、山本医師は何とか後期研修をスタートできた。福島医大の医局員と市長による圧力と戦って、彼女が何とかポジションを確保できたのは、様々な媒体でこの問題を報告してきたからだ。
 「そんなことをすると君のためにならない」と忠告してくれた医師もいたが、多くの人が問題点を理解することになった。南相馬市の地域医療にとって、彼女を追い出すか、迎え入れるか、いずれが良いかは議論の余地がない。先入観なく、話を聞けば、みな、真っ当な判断をする。
 実は、その中の1人が塩崎厚労大臣だ。塩崎氏にとっても、被災地の医療、地域医療は重大関心事だ。南相馬市の産科医療には大きな関心を寄せている。

若き女性医師の意志が厚労大臣動かす
 彼は山本さんの話を聞いて、直接連絡した。そして、面談した。面談の実現には、地元選出の森まさこ議員も尽力した。そして、冒頭の塩崎厚労大臣への発言へと繋がった。
 また、竹之下氏は今春、理事長に昇格した。私もおつき合いがあるが、極めて真っ当な人物だ。彼が理事長となり、これまで批判されることが多かった福島医大は変わるだろう。事実、今回の問題は、彼なしでは解決しなかった。
 塩崎氏であれ、竹之下氏であれ、彼らが問題を知ったのは、山本医師の発信がきっかけだ。山本医師は実に大きな役割を果たした。
 福島の医師不足の緩和には、東京や西日本のような医師の多い地域からの流入が必須だ。ところが、このケースが示すように、時に、医局は部外者を徹底的に排除する。それを地元の市長までが後押しする。
 地方の医療を充実させるために必要なのは、医局の独走を防ぐ仕組みを作ることだ。そのためには、徹底的な情報公開と適切な人事だ。
 今回の件での桜井・南相馬市長の振る舞いは、やがて多くの市民が知ることになるだろう。桜井氏は年内に改選を迎える。彼を評価する際の1つの基準になるだろう。かくのごとく、政治家に対しては住民が評価できる仕組みがある。
 ところが、多くの地方で医局は医師派遣の実権を独占しており、学会は医局を仕切る教授の集まりだ。学会の幹部たちは専門医制度から多くの利益を受ける。彼らが立ち上げたのが日本専門医機構だ。形式的に単なる任意団体だ。
 強大な権限を持つのに、住民はもちろん、政府のチェックも受けない。この組織が独走すれば、我が国の医療は決定的なダメージを受ける。抜本的な見直しが必要である。
筆者:上 昌広



The Mainichi Medical Journal
February 2017, Vol 13. No.1. p38
弁護士が語る医療の法律処方箋
第71回 言論抑圧の背景事情
東千葉メディカルセンターをめぐる医療講演会

井上清成  弁護士:医療法務弁護士グループ代表

1. 東千葉メディカルセンター問題
 この1月15日、東千葉メディカルセンターを心配する会(代表・前嶋靖英氏)の主催で、千葉県東金市にある東金文化会館において、「東千葉メディカルセンターを巡る医療講演会」が開催された。講演者は、小松秀樹医師(元亀田総合病院副院長、元虎の問病院泌尿器科部長)と吉田実貴人公認会計士(いわき市議会議員)の2人。小松医師は東千葉メディカルセンター問題の背景を、吉田公認会計士は東千葉メディカルセンターの病院経営分析を、それぞれ講演した。
 なお、東千葉メディカルセンター問題は、国家公務員・地方公務員がその私的行為によって小松医師に対して言論抑圧を行った背景事情の1つであったとも目されている。言論抑圧の対象となったほどの重大問題だとも評することができようか。

2. 毎年20億円ずつの大赤字
 東千葉メディカルセンターは、人口合計約7万7000人にすぎない東金市と九十九里町とで設立した「地方独立行政法人東金九十九里地域医療センター」として平成26年4月に開院した、3次救急をも行う病床数314床の救急医療・急性期医療などの病院である。千葉大学の医局によって支えられ、奮闘して地域医療に貢献していると評してよい。
 しかし、東千葉メディカルセンターの開設計画には、もともと無理があり、千葉県の大失政の1つに数えられてもよいであろう。問題は、毎年約20億円ずつの大赤字を、平成26年4月の開院以来、出し続けていて、今後も改善する見込みがない。さらに毎年約20億円ずつの赤字が、今後も積み重なっていくであろう。
 現在の累積した実質年間負担額は、3年間で合計約70億9000万円である。平成26年度実質負担は約23億円、平成27年度実質負担はまた約23億3000万円、平成28年度実質負担はさらに増えて約24億6000万円(予想)であり、たつた3年で赤字が70億円を超えてしまった。

3. 公認会計士もびっくり
 東千葉メディカルセンターの決算状況は、毎年、千葉県・東金市・九十九里町からの補助金を入れても、最終損益が10億円以上ずつの赤字となっている。補助金で補った後の決算状況は、平成26年度決算が約15億4000万円マイナス、平成27年度決算が約16億5000万円マイナス、平成28年度決算(予想)が約13億円マイナスで、すでに3年間の累積損失額が約44億9000万円に達してしまった。
 講演者の吉田公認会計士も、財務諸表を見て医業損失の大きさにびっくりした、過去の9市町村による計画が2市町に縮小したにもかかわらず新病院が建設されたことに驚いた、平成29年度以降のバラ色の計画(注・行政がこの度、計画し直して変更したバラ色の第2期中期目標のこと)の根拠が見えない、と驚いていたくらいである。
 確かに、医業損益ベースで赤字が垂れ流しの状態であり、民間病院なら破産しかない。これをこのまま放置しておくと、東金市民や九十九里町民が甚大な回復しえない被害を受けてしまう。東金市や九十九里町の財政破綻だけは、何としても避けなければならない。


東千葉メディカルセンターの経営状況(抜粋)
 1. 決算状況
  平成26年度決算 ▲ 15,4億円 実績 累計額
  平成27年度決算 ▲ 16.5億円 実績 約▲44。9億円
  平成28年度決算 ▲ 13.0億円 予想

 2. 実質年間負担額(東金市+九十九里町)
  平成26年度実質負担 ▲2380億円 実績 累計額
  平成27年度実質負担 ▲23.3億円 実績 約▲70.9億円
  平成28年度実質負担 ▲24.6億円 予想
     (東干葉メディカルセンターを心配する会作成)


4. ゲリマンダーばりの医療圏の区割り変更
 こういった状況に立ち至ると、往々にして過去の責任を追及したくなるものであろう。もちろん、これだけの大赤字になってしまったのだから、過去の計画策定の過程に道義的責任、社会的責任、行政責任が問われがちなのは、やむをえない。ただし、ただちに法的責任につながるわけではなく、今さら責任追及しても詮ないことも多いと思われる。
 しかし、そもそも3次救急に需要がないことは、最初から明らかだったでぁろう。東金市や九十九里町は人口が過疎になっていくトレンドとも言えようし、そもそも千葉市内まで高速道路で20分の場所に3次救急の病院需要はない。しかも、東千葉メディカルセンターのすぐ西側には千葉大があるし、すぐ北東側には旭中央病院があるし、すぐ南側には亀田総合病院もある。ところが、そのような地域に、2次保健医療圏の区割りをゲリマンダーのように作り変えてまで、3次救急医療機関を開設しようとしたのであった。
 余談であるが、選挙区割りを特定の政党や候補者に有利になるように恣意的に作ることをゲリマンダーと言う。昔、米国のゲリー知事がサラマンダー(イモリやサンショウウオのような両生類)のような異様な形の地理的レイアウトの選挙区割りをしたことから、ゲリマンダーとかゲリマンダリングと呼ばれるようになる。
 もともと千葉市を中心とする千葉医療圏の北から東にかけては「印旛山武」医療圏が接していて、そのうちの「印旛」地域には成田赤十字病院などの立派な3次救急医療機関があった。他方、千葉医療圏の南側に位置する「長生夷隅」医療圏には3次救急医療機関が無かったものの、時に「夷隅」の人々は、すぐ南側に接する安房鴨川にある亀田総合病院に特に不便もなく通っていたのである。そうしたところ、3次救急医療機関たる東千葉メディカルセンターを無理してでも作らんがため、「印旛山武」医療圏から「山武」を行院に切り離し、「長生夷隅」医療圏と合併させて、「山武長生夷隅」医療圏という千葉医療圏の北東から南にかけて長々と接する、異様に南北に長い形をしたゲリマンダーのような2次保健医療圏を作り上げた。そして、その上で、「山武長生夷隅医療圏」に3次救急医療機関がない」との政治的キャッチフレーズで、3次救急医療機関たる東千葉メディカルセンターを開設したのである。
 つまり、もともとの成り立ちからして、ゲリマンダーのように、不自然に無理な開設だったと言えよう。

5. 将来の財政破綻は回避を
 すでに述べたように、大切なことは、東金市や九十九里町の財政破綻を避けることである。このまま経営や財務の状況をあいまいにしていたり、臭い物に蓋をしていたりして、東金市民や九十九里町民に被害を与えるようなことがあってはならない。財政破綻が生じて被害が生じないよう、諸々の責任者たちは今後は前向きに対策に取り組むべきであろう。
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旧医療圏と新医療圏 複数のソースよりG3作成


  1. 2017/04/05(水) 06:18:28|
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ご挨拶

ドクター爺さん より ご挨拶

ブログの役割の変化
 2010年8月20日にこのブログを開設して6年7ヶ月余りが経ちました。医師不足と医師育成に係る話題を中心に自分が興味を持った記事の紹介、あるいは自分のための記録として始めたものです。
 しかし、翌2011年3月11日の東日本大震災を契機に、被災地の医療の被害状況、復興状況を毎日記録することにしました。そして4月になって、震災のみならず、医療崩壊の危機に関連する記事を収集してきました。さらには医療に関連したスキャンダルまで範囲をひろげてきました。スキャンダル記事では、マスコミの先走りのために実名報道されたものの、後日裁判で無罪になった方から削除依頼を受けたことがあり、対応個所の削除をしましたし、最近のスキャンダル記事では、元記事が実名報道でも有罪判決が確定していない場合には匿名に変更するなどの対応をしてきました。
 ブログトップにあるように、医師不足のニュース中心に医師育成に関わるニュースを追いかけてきましたが、最近は報道される記事が激減しました。地域枠卒業生の活躍はこれからです。地域医療計画は医療過疎地を見なくてもよい空白地域にみなしてしまう政策です。専門医制度(担当者は「制度」ではなく「仕組み」と言い換える詭弁を使います)は、医師供給の都市偏在を促すものでしかありません。医療提供の「ハコ」をつぶし、マクロで医師供給状況を評価することで、みかけの医師不足は解消します。政策的には数字としての医師不足が解消することになります。そのためにマスコミも報道量が激減してしまいました。
 「総合診療医」は、発言者によって様々な解釈が異なり、専門医制度のなかでも未だに形が見えてきていません。基本領域に据え付ける総合医というのは、これまでの議論の内容を集約すると「医療者の基本知識、基本技能」として求められるべき能力のことを指し、「専門」とするべきものではないと感じています。これからも「総合医」の定義にむけて様々な議論が進むと思いますが、屋上屋を重ねるようなことにならないように願っています。総合医の定義をややこしくした一番の戦犯は内科学会の「総合内科専門医」だと考えます。内科学会が専門医の呼称から「総合」を撤廃しないかぎり、総合医の定義の混乱は解消しません。それ以上に総合医を専門医とすることは笑止千万です。


ブログ継続の負担
 国内の学会や出張、家族旅行の間、そして海外出張の期間中も毎日記録を残してきました。ホテルや空港でネット接続して記事を収集し,ブログを更新してきました。出張期間中の更新は睡眠時間にも影響がありました。ホテルの部屋で家族が寝息をたてている傍らでノートパソコンにかじりついていたこともあります。海外の空港のロビーやラウンジから更新したことも少なくありません。唯一、ネット環境の悪い某国に出張した時は数日間にわたってネット環境から隔絶されてしまい、更新ができませんでした。
 このブログの維持のために。毎日1.5時間強の時間を割いてきましたが、そろそろ潮時と思い、3月31日の記事をもって毎日の更新をやめることにしました。記事収集のための時間は、本業への影響を避けるために、睡眠時間の削減としてやってきました。睡眠や休息の時間を削りながらも、幸いに病気をすることもなく続けてくることができましたが、それだけの労力を割く意義が薄れてしまったことから、ここでこのブログの更新は気が向いたときだけに減らすことにしました。


情報源の変化
 ネット記事も徐々に閲覧制限が厳しくなり、有料会員にならないと見られないものが増えてきました。試し読みとして月に数件まで、あるいは一日1件しかみられなくなったサイト、コピペができないサイトなどが増えてきました。そのような記事でも、孫引きのようにして辿り着くことができたものもありました。しかしネット上では、学術論文のように引用元を明記するだけでは著作権をクリアできない状況になってきたようです。あるメディアからは著作権侵害で訴えると言われた引用がありました。たいした内容ではありませんでしたので、トラブル回避のために速やかに削除してしまいました。著作権の解釈が難しい時代になってきています。
 しかし、気がついたら、m3の記事との重複が多くなってしまい、このブログを継続することの意義が薄れてきてしまったように思います。日経メディカル、MRIC、MedWatchなども常連になりました。唯一m3等で扱わないのは月末に記載する海外の医師不足 (Doctor shortage) の話題位でしょうか。
 DeNAのまとめサイトWELQは、このブログとは無縁のものですが、他の記事を引用したまとめサイトという観点では似たところがあります。奇妙な拡大解釈をして当方に攻撃的なことをする人が出てくるともかぎりません。そんなことへの警戒感も継続意欲をおおきく削ぐ要因です。ちなみにWELQとはMERCKをもじったものでしょうか。


海外情勢
 毎月月末に、海外情勢として “Doctor shortage” をキーワードに検索される1ヶ月以内のニュースの最初の5件の一部、次の5件の発信地を記録してきました。英語で報道されるニュースということで、英語圏に限定される情報ですが、米国、カナダ、オーストラリア・ニュージーランド、インドなどを中心に情報が集まりました。米国というと、長期滞在経験のあるDr.G3でもイメージが浮かばない僻地がたくさんあることに衝撃を受けています。あの広大な国土の中にどのように医療提供体制を構築するのか、大変なことだろうと思います。これまでは英語での医学教育をうけた世界中の医師を強力なマグネットのように医師を集めているとG3が認識していたのですが、それでも不足しているのが現実です。トランプ政権はマグネットに蓋をしてしまうことを考えているのが心配です(蓋をすることは実現できないようですが)。
 医師免許があれば、障壁がなく条件の良いところに流れるのは当然です。東欧から西欧、英国へ、欧州から米国への流れ、インドパキスタンから英国、豪州、米国へ、東南アジアから豪州米国へ、豪州から米国へ、という一定の流れができあがっています。これを国内にあてはめでも、僻地から都会へとのながれと重なるのは明白です。国内の医師不足、医師偏在の解決には、世界の流れも考慮するべきでしょう。


最後に
 ちなみに一日あたりのアクセス数はコンスタントに60から80人/日を維持していましたが、先月(2017年3月)は50.0人/日となり、この数年間の最低になってしまいました。このブログの役割がうすれてきたことを反映しているのでしょう。
 ブログの役割は終わったとは思いますが、医師育成および医師適正配置に関してはまだまだ監視を続ける必要があり、日医にも、行政にも、注文を付けたいことが山積しています。どちらも充分な対応をしているとも思えず、個人的に活動をしていきたいと考えて居ます。
 ブログ主名の「ドクターG3」の「G3」は「爺さん」と読んでください。昔のマックにG3 (Gスリー) というのがありましたが。

 これからもたまに更新することがあるので、時々はのぞいてみてください。



これまでの統計
曜日別 月・火>水・木・金>>土・日
日別最高記録:2015年5月18日 597人/日
   (この前後3日間は200人/日以上、1ヶ月にわたり100人/日以上の特異現象があった)
    震災後の2011年4月〜8月は連日100人/日以上のアクセスあり
月別最高記録:2011年5月 120.3人/日
月別最小記録:2012年8月 38.5人/日(開設月)
(最近の傾向 65〜70人/日、月に数回100人/日を超えることあり)

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  1. 2017/04/01(土) 09:37:23|
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Google Newsでみる医師不足 2017年3月31日

Proposed OK Bill Intends To Help Rural Doctor Shortage With Tax Breaks
BY: ANNIE CHANG
Oklahoma’s Own News : On 6. Mar 31, 2017 12:05 PM JST (米国、オクラホマ州)

A bill making its way through the Oklahoma Legislature could help fight the state's health care shortage, especially in rural areas. If passed, House Bill 2301 would give rural doctors an income tax break of $25,000 a year. It's an incentive that Oklahoma desperately needs.


Doctor shortage could hurt Ohio rural areas
Randy Tucker Staff Writer
Dayton Daily News‎ 9:32 a.m. Wednesday, March 29, 2017 (米国、オハイオ州)

President Donald Trump's travel ban could exacerbate a looming shortage of primary care doctors in the United States, which may hit the Dayton area harder than other regions because of its high concentration of medically under-served areas that have historically attracted foreign-born doctors.


Fruitland native to help fill doctor shortage in rural Idaho
Morgan Boydston, KTVB 2:02 PM. MDT March 30, 2017 (米国、アイダホ州)

FRUITLAND -- Idaho has suffered from a lack of doctors for years, especially in rural parts of the state. Our shortage can be attributed to a number of things: from lower salaries, to a lack of a medical school, to the fact that Idaho is so rural, which makes it tough to recruit and retain physicians in those areas.


Rural doctor shortage: GPs considered 'lesser beings'
Radio New Zealand‎ - 8:41 am on 29 March 2017 (New Zealand)

He said being the only doctor within an hour's drive might deter some, but it made life fun. "One of the ... The shortage of rural doctors drove the Waikato District Health Board and Waikato University to propose a new graduate medical school.



Doctor Deficit: HSC experts tackle doctor shortage issue
By: Reece Nations, Staff Writer
The Daily Toreador - Mar 28, 2017 Updated Mar 28, 2017 (米国、テキサス州)

The demand for physicians has intensified nationwide, and it has led some communities to experience doctor shortages. According to a 2017 study conducted by the Association of American Medical Colleges, by the year 2030, the U.S. will face a shortage of between 40,800 and 104,900 physicians.


(他に10位以内のニュースは、米国 (Assoc Amer Med Coll (2), Amer Coll Rheumatol, )、米国・オハイオ州、カナダ・ブリティッシュコロンビア州、からも)


  1. 2017/04/01(土) 05:48:45|
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3月31日 

https://www.m3.com/news/general/516477
元教授のパワハラ行為認定 准教授の研究妨害、金沢大
2017年3月31日 (金) 共同通信社

 2006年に上司の不正を内部告発したためパワーハラスメントを受けたとして、金沢大大学院の男性准教授(54)が上司だった元教授と大学に損害賠償を求めた訴訟の判決で、金沢地裁(藤田昌宏(ふじた・まさひろ)裁判長)は30日、元教授と大学に計385万円の支払いを命じた。

 藤田裁判長は判決理由で「研究室の利用を制限するなど准教授へのいやがらせ行為があった」と判断し、権限の乱用による違法行為と認定。元教授が准教授に殴られたと石川県警に被害届を出していたことについても「内容が虚偽で名誉毀損(きそん)に当たる」と判断した。内部告発との因果関係については言及しなかった。

 大学に対しては、パワハラを認識していたとした上で「環境改善に具体的な対応をしていたとはいえない」と述べた。

 金沢大は「判決を把握していないが適切に対応する」とコメントした。

 判決によると、准教授は大学院の医薬保健学総合研究科に所属。06年1月、元教授が業者との架空取引で裏金を作っていると告発し、大学は07年3月、不正があったとして元教授を出勤停止(2カ月)の懲戒処分とした。その後、元教授は退職する15年7月まで研究室の利用を制限。授業を受け持たせず学生に教育する機会を奪うなどした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/516603
シリーズ 群馬大学腹腔鏡死亡事故
群大、不正請求で病院と医師3人に行政措置
指摘された不正・不当請求金額は8000万円

2017年3月31日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学は3月31日、診療請求の不正・不当請求があったとして厚生労働省関東甲信越厚生局から、病院と医師1人に「戒告」、医師2人に「注意」の行政措置を受けたと発表した。処分は3月29日付け。厚生局の監査で指摘されたのは計342件で、内訳は不正請求65件、不当請求277件。金額は8000万円5495円だった。病院は今後、2010年4月から2015年3月までの5年間の診療報酬について再点検をし、返還額を確定した上で保険者へ返還する。

 3人の医師に対しては、聞き取りなどを行ったが「故意」はなかったという。行政措置を受けた医師が、一連の腹腔鏡事故を起こした医師かどうかは明らかにしていない。

 不正請求の内容は、(1)手術、(2)麻酔、(3)画像診断、(4)病理診断、(5)検査の5項目。不当請求では、算定要件を満たさないなど医科41項目、歯科13項目の指摘があった。

 会見した田村遵一病院長は「保険医療機関として二度と同じ誤りを繰り返さないよう適切な保険診療・保険請求を行うべく改善を進めているが、さらなる改善・再発防止に努める」と謝罪した。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10832
診療報酬不正請求で戒告=群馬大病院、腹腔鏡手術でも
2017年3月31日 (金)  時事通信

 群馬大病院(前橋市)は31日、患者が死亡した腹腔鏡(ふくくうきょう)手術などで診療報酬を不正請求したとして、厚生労働省から戒告の処分を受けたと発表した。処分は29日付。
 同病院によると、病院と医師1人が戒告、別の医師2人が注意の処分を受けた。厚労省は監査の結果、2010~15年に約340件、計約8000万円の不正、不当請求があったと指摘した。不正請求と認定された65件には、保険適用外の肝臓の腹腔鏡手術を、保険適用手術として請求した事例もあった。
 同病院では、同じ男性医師(退職)による腹腔鏡手術で患者8人が相次いで死亡したことが判明しているが、このうち複数の手術が不正請求の事例に含まれるという。同病院は、この男性医師が処分対象か明らかにしていない。
 田村遵一病院長は「不適正請求に当たる行為が悪いことではないとの認識の積み重ねが背景にある。診療報酬制度の理解の徹底に努める」と述べた。 【時事通信社】



https://www.m3.com/news/general/516559
組長カルテ、改ざんなしと報告 京都府医大問題で調査委
2017年3月31日 (金) 京都新聞

 京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が生体腎移植手術を受けた暴力団組長の収監見送りを巡り、検察庁に虚偽の病状を記した文書を提出したとされる事件で、府の外部調査委員会は30日、組長の病状を記した電子カルテなどに、改ざんなどの不審な点はなかったことを明らかにした。

 非公開の会合で報告した。府医療課によると、移植直前の2014年7月から約2年間のカルテなどを調べた結果、移植後に表れた拒絶反応や血液検査の数値などは、一般的な移植後の症例と比べて、大きな差異はなかったと報告された。

 病院側が検察庁への回答書に「(組長が)拘禁に耐えられない」と記した根拠の一つとしていた「BKウイルス腎炎の併発」については、「病理医の確定診断が出ており、併発は確かだ」と結論づけた。

 ただ、捜査の焦点となっている組長が拘禁に耐えられない状態だったかどうかについては不明で、今後、かるてや回答書の写しと、組長の病態との整合性を調べて明らかにする方針。組長の診察に関わった医師への聞き取りも検討している。



https://www.m3.com/news/general/516594
【福島】高野病院:新院長に阿部医師 常勤医不在の懸念解消 
2017年3月31日 (金) 毎日新聞社

高野病院:新院長に阿部医師 常勤医不在の懸念解消 /福島

 東京電力福島第1原発事故後も避難せず診療を続けた前院長が昨年末に火災で死亡し、常勤医が一時不在となった広野町の「高野病院」は30日、4月からの新院長に、長野県大町保健福祉事務所長を務める阿部好正医師(64)が就任すると発表した。2月からの2カ月限定で就任した中山祐次郎院長(36)は31日で退任する。

 小児科専門の阿部さんと、県立医大が派遣する内科医の常勤医2人体制となる。県立矢吹病院から精神科の非常勤医2人も加わり、院長不在の懸念は解消した。

 阿部さんは、新潟、長野の病院に勤務し、岐阜などでは保健所長も務めた。約30年前に高野病院で診療の手伝いを経験。震災後、高野英男前院長(当時81歳)が1人で入院患者約100人の診療を続ける窮状を知り、昨年11月、現職を退任後に常勤医として手伝いたいと申し出た。病院によると、面会した高野前院長は、阿部さんを後任にしたい意向を示していたという。

 阿部さんは「高野先生はまさに超人。精神科が専門なのに膝が痛い、肩が痛いという患者も治療していた。『内科や精神科ではなく人科である』を方針としていきたい」と抱負を述べた。小児科医として、双葉郡に帰還する子どもへの医療提供にも尽力するとした。

 中山さんは「避難生活で健康を損なった患者があまりに多い。環境の変化や避難前の医師にかかれないことが医療の質を下げる」と被災地医療の課題を語った。4月から郡山市の総合南東北病院に勤務する。【乾達】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170331_63037.html
<高野病院>新院長「小児科も検討」
2017年03月31日金曜日 河北新報

 東京電力福島第1原発事故後に避難せず診療を続けた院長が昨年12月に死去した福島県広野町の高野病院で30日、4月1日付で院長に就任する阿部好正医師(64)が記者会見し、「院長として地域医療のために努めていく」と抱負を述べた。
 阿部氏は小児科医。新潟、長野両県の病院に勤務し、岐阜、長野両県で保健所長も務めた。会見では「地域に戻ってくる働き手の子どもにも役割を果たせればいい」と述べ、小児科開設を検討する考えも示した。
 病院は高野英男院長=当時(81)=が自宅の火災で死亡後、一時存続が危ぶまれた。阿部氏は高野病院関係者が友人で、診療を手伝ったことがあり、院長が亡くなる直前、病院の窮状を知り勤務を申し出ていた。
 高野病院は4月以降、新院長の阿部氏と福島県立医大から派遣される内科医の常勤医2人となる。非常勤医は計11人で、双葉郡唯一の入院機能を維持する。
 会見には「高野病院を支援する会」事務局長の尾崎章彦医師(南相馬市立総合病院)や2、3月限定で院長を務めた中山祐次郎医師らが同席した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/516527
業務上過失致死傷罪に当たる医療事故、「類型化」目指す
厚労省、2017年度から「医療行為と刑事責任」の研究会

2017年3月31日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療行為と刑事責任」に関する準備会(座長:樋口範雄・東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授)は3月30日、2017年度から刑法211条に定める業務上過失致死傷罪と医療事故の関係について、エビデンスに基づき学術的見地から類型化を進めるための研究会を立ち上げることで合意した。同準備会は厚生労働科学研究として開催したが、2017年度の研究は厚労省の予算事業で進める。

 研究メンバーは、医療者、法律実務家、法学者のそれぞれの立場を交え、計10人程度で構成予定。準備会のメンバーを軸に調整をしている。厚労省、法務省、警察庁も、準備会に引き続き研究支援に当たる。今春、実際にはゴールデンウイーク明け以降に、初回の研究会が開かれることになる見通し。予算事業なので単年度事業だが、研究状況を踏まえ、2018年度も継続、研究期間は複数年にわたることも想定される。「一定の成果が出た時点で、中間的な取りまとめを行うこともあり得る」(厚労省医政局担当者)。

 医療事故の類型化、「場面」や「結果の重大性」など
 30日に開催された準備会は、3月10日に続いて2回目(『「医療行為と刑事責任」の関係、厚労省研究開始』を参照)。2017年度からの研究会のメンバーや研究の進め方について議論した。準備会は終了し、2017年度からの研究会に引き継ぐ。

 準備会のメンバーは、樋口氏のほか、日本医師会常任理事の今村定臣氏、虎の門病院顧問の山口徹氏、東京大学大学院法学政治学研究科教授の佐伯仁志氏のほか、弁護士、裁判官OB、検事OB、警察OBら。追加などの調整を行い、研究会のメンバーを決める。

 研究の目的は、業務上過失致死傷罪に当たる医療事故の類型化。異状死体の届出を定めた医師法21条は取り扱わない。

 医療事故の類型化の在り方は今後の検討課題で、「場面」と「結果の重大性」をはじめ、さまざまな軸が考えられるという。「場面」とは、診察、検査、処置、手術、麻酔など、診療行為を行う場面別のイメージ。「結果の重大性」とは、死亡、あるいは重大な後遺症などが残った場合など。

 「エビデンスに基づく学術的研究」と掲げているのは、過去に日本で刑事訴訟に発展した医療事故、海外の事例などを参考に研究を進めるという意味だ。海外については、日本と刑法体系が近いドイツを主に検討する。第1回の準備会では、米国や英国について検討する案も出ていたが、刑法体系や過失の捉え方などが異なるため、参考程度にとどめる予定。

 研究に当たっては、刑事裁判になった医療事故の判決文、関係法令・制度や解釈、刑事捜査の実務などの国内資料のほか、ドイツの制度に関するものなど、さまざまな資料が必要になる。厚労省、法務省、警察庁が研究支援に当たるため、充実した資料に基づく研究が可能になると期待される。

 「在るべき論」に発展するかは今後の課題
 注目されるのは、類型化という研究成果に加え、その後の動きだ。研究会が進めるのは、あくまで過去の事例についての類型化。どんな医療事故を業務上過失致死傷罪とすべきか、あるいはそもそも医療事故を業務上過失致死傷罪の適用除外とするかなど、「在るべき論」まで踏み込むかどうかは現時点では未定だという。ただし、類型化が進めば、それを基にさまざまな場で議論がわき起こるとのは必至だろう。



http://www.sankei.com/west/news/170331/wst1703310052-n1.html
金沢医大医師らを不起訴 大麻事件で福岡地検
2017.3.31 15:55 産経ニュース

 福岡地検久留米支部は31日までに、大麻取締法違反(共同所持)の疑いで逮捕された金沢医科大病院の男性医師(32)ら男2人を不起訴処分とした。地検久留米支部は「起訴するに足りる証拠がなかった」としている。処分は30日付。

 男性医師らは高校の同級生だった男性看護師(大麻取締法違反罪で起訴)と共謀し、昨年10月5日、久留米市にある男性看護師の自宅アパートで大麻1包を所持したとして逮捕された。



http://digital.asahi.com/articles/ASK302T30K30UBQU00H.html?rm=350
離島の診療所医師、今月末で退任 山口県
三沢敦 2017年3月31日08時39分 朝日新聞

 山口県光市の離島、牛島(うしま)の診療所で約10年間、診療にあたっていた医師の佐々田孝美さん(70)が体調不良のため31日で退任する。後任は見つからず、市は週4日の診療を1日に減らし、市立光総合病院の医師を交代で派遣して対応する。

 市健康増進課によると、診療所ができたのは1961年。旧光市民病院や市医師会による巡回診療の時代を経て、72年からは佐々田さんまで計5人が常勤医として診療を続けてきた。佐々田さんは2007年7月に光総合病院から派遣されて着任し、本土から船で週4日間通った。4月からの診療は土曜日の午前9時半~11時半だけとなる。

 光市室積の沖合8.4キロに浮かぶ牛島の人口は42人で、65歳以上が9割以上。15年度に診療所を受診した島民は延べ874人で、1日あたり4.7人だった。

 島と室積港を結ぶ船は1日3往復あり、急病人は船に乗せ、港で待ち受ける救急車で病院へ搬送する。だが、持病や軽いけがの治療など、診療所は島民にとって欠かせない存在だ。

 診療日数の縮小に伴い、約18年間勤めてきた看護師も4月末で退任する予定。市は医師と同様に派遣して対応する。後任の常勤医探しも続けるという。

 診療所を運営する牛島衛生組合の鍵元咲子組合長(77)は「高齢者ばかりの島なので診療日が減る不安はある。後任の先生が見つかって診療体制が戻ればうれしいが、診察に来てもらえるだけでもありがたいと思わなければ」と話した。



https://www.m3.com/news/general/516616
滋賀医大、事件事故遺族に相談窓口 来月開設、長期的な心のケアも
2017年4月1日 (土) 毎日新聞 /滋賀

 滋賀医科大に4月、県内で事故や事件などで亡くなった人の遺族を対象とした相談窓口がオープンする。「県死因究明等推進協議会」会長も務める一杉正仁教授(法医学)が厚生労働省からの補助を受けて開設。突然家族を失い、戸惑い悲しむ人に対し、死因やその究明に関する制度を説明したり、心のケアの専門家につないだりして支援するという。【衛藤達生】

 一杉教授によると、県内の年間死亡数は約1万2000人。このうち事件や事故、自殺のほか自宅で病死した人なども含めて約1600人が変死の疑いのある「異状死」と判断され、警察の要請で医師が遺体をみて死因や死亡時刻などの確認(検案)をする。こうした手続きや死因などの説明が十分ではない場合、死別のショックに苦しむ遺族にさらに心理的な負担が加わることもある。

 4月に開設する相談窓口では大学の担当者が電話で応対。心のケアが必要な人は県精神保健福祉センターに取り次ぐ他、事件の被害者遺族でさまざまな支援が必要な人には県警と連携している「おうみ犯罪被害者支援センター」を、自殺者の遺族には県自死遺族の会をそれぞれ紹介する。死因に疑問を持っていたり、さらに詳しく知りたい人に対しては、窓口から検案を行った医師や警察に説明を促すようにする。

 一杉教授は3月9日、大津市内であった県法医会の研修会で窓口について「事件や事故などで突然家族を失った人たちの心のケアはこれまで十分ではなかった。家族の突然の死の直後から長期的な心のケアができるような仕組みを作っていきたい」と話した。今後、対象となる遺族には警察などを通じて連絡先を記した案内冊子を配布するという。



https://www.m3.com/news/general/516548
医療企業に研究空間提供 神戸・ポーアイに新施設
2017年4月1日 (土) 神戸新聞

 医療関連企業に研究スペースを貸し出す施設「神戸医療イノベーションセンター」が神戸・ポートアイランド2期の医療産業都市に完成した。同都市エリアでは貸し出し用の研究スペースが飽和状態だったため、受け皿となる空間を広げ誘致を加速させる。

 地上5階建てで、延べ床面積は約9500平方メートル。建設費は約34億円で、神戸市の第三セクターOMこうべが整備運営を担う。ポートライナー京(けい)コンピュータ前駅の北側に位置し、スーパーコンピューター「京」の後継機を開発する理化学研究所のチームも入居する。

 医療研究スペースは「ウェットラボ」と呼ばれ、実験時に薬品や機器を水で洗い流すため、壁や床が耐水性になっている。また、3~5階のラボは細胞培養施設に対応し、高さ6・3メートル、広さ約190平方メートル以上のゆったりした空間を提供することで、入居者が用途に応じて内部を整備できる。

 30日の式典で、久元喜造市長は「事業スペースの提供は、企業成長につながる。センター完成を機に、企業集積をさらに高めたい」とあいさつした。(長尾亮太)



https://www.m3.com/news/general/516532
福島医大、がん治療「核種」製造に成功 20年度にも臨床試験へ
2017年4月1日 (土) 福島民友新聞

 福島医大は29日、がん治療に使う放射性核種「アスタチン」の製造に成功したと発表した。体内に投与し、がん細胞に直接放射線を照射する「放射性同位元素(RI)内用療法」に使う放射性薬剤の材料となる。2020年度にも人を対象に臨床試験を始めたい考え。

 アスタチンはアルファ線を放出する半減期約7時間の放射性核種。同大の先端臨床研究センターにある住友重機械工業製の最先端機器「サイクロトロン」を使って製造した。昨年から製造試験を行ってきたが、医療応用に適した品質を必要な量だけ製造することに成功した。治療法が確立していない希少ながんを中心に、標的とするがんの選定を進める。

 RI内用療法は、放射性核種を特定のがんに集まる物質に付けて放射性薬剤とし、体内で直接がん細胞を攻撃する。正常な細胞に与える害が少ないため、治療の副作用が少ないメリットがある。

 医大によると、アルファ線核種を使ったRI内用療法は国内では、前立腺がんが骨転移した際に使用される1種類が承認されているのみ。欧州、米国ではアルファ線核種を利用した臨床試験が行われている。

 アスタチン製造を担当する稲野彰洋臨床研究・治験ユニットリーダー(45)は「RI内用療法を巡っては国際的に競争状態にある。医大には日本を代表する設備が整っているので、責任を持って開発を進めたい」と意欲を語った。「治療法が確立し多くの患者に適用されるようになれば、新たに製造施設が必要になり、地元の雇用拡大にもつながり得る」とも述べた。



http://mainichi.jp/articles/20170401/ddm/012/040/122000c
報酬不正請求
群馬大病院で 厚労省が処分

毎日新聞2017年4月1日 東京朝刊

 群馬大医学部付属病院(前橋市)は31日、厚生労働省の監査で、2010年4月~15年3月に342件、計約8000万円分の診療報酬の不正・不当な請求が見つかったと発表した。厚労省は29日付で病院と医師1人を戒告、医師2人に注意の行政処分を出した。

 病院によると、見つかったのは▽肝臓の腹腔(ふくくう)鏡手術で保険適用外の手術の診療報酬を不正請求▽カルテに記載がない治療で不当請求--など。病院側は「いずれも故意ではなく過失」としている。

 同病院では、同一の男性医師の肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡。保険適用外の手術が含まれており、厚労省が監査していた。【鈴木敦子】



http://www.kanaloco.jp/article/241590
医師試験、助成で初合格 相模原市、医学生に修学資金
|神奈川新聞|:2017/04/01 02:00 更新:2017/04/01 02:00

 相模原市が2013年度に総合診療医(総合医)の育成助成を目指して創設した修学資金が初の成果を出した。さまざまな症状の患者に対応可能な総合医を目指す医学部生に対し、卒業後に市内医療機関で一定期間勤務することを条件に修学資金を最高で全額貸し付ける仕組み。この制度を利用した「1期生」に当たる北里大学医学部6年の女子学生3人が30日、加山俊夫市長に医師国家試験合格を報告した。

 30日に市役所を訪れたのは総合診療医学を指導してきた赤星透教授をはじめ5人。赤星教授は市の幹部を前に「皆さんのご理解のおかげで、第1弾の成果を出せた。このうれしい結果を市長に報告したかった」とあいさつ。24~25歳の女子学生たちは医師として働く喜びと不安を口にしながら「将来は自分が育ってきた相模原に貢献できる医師になりたい」などと話し、地域に寄り添う医療にまい進する意欲を語った。

 加山市長は「皆さんは1期生なので、先輩に続けと機運が高まってほしい。地域医療のモデルケースになる。ぜひ研さんを進めてください」と祝福した。

 この制度は市内唯一の医師養成機関である北里大学の医学部生に限定。貸付金額は6年間(1~6学年)で計3890万円、4年間(3~6学年)で2350万円の2種類。試験と面接の選考を経て決まる。今回の3人は3年次から4年間が適用された。

 条件は卒業後に市内の指定医療機関での勤務が義務付けられている。期間は貸し付け6年の場合に9年、同4年が6年で、期間を満たすと貸付金の返還が免除される。医師法に定められた臨床研修(2年間)、後期研修(3年間)が含まれるため、実質の市内勤務は1年間、または4年間となる。一方、著しい成績不良や中退などの場合、貸付金の全額返還を求める仕組み。

 市地域医療課によると、17年3月現在、1~6年の男子6人、女子7人の計13人が制度を利用しており、新年度も2人を募集する。


  1. 2017/04/01(土) 05:47:53|
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3月30日 

http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14907962106842
県厚生連 病院間で医師派遣 赤字縮小へグループ制
2017年3月30日(木) 茨城新聞

県厚生農業協同組合連合会(JA県厚生連)は4月から、運営する県内6病院を2グループに編成し、病院間で医師を派遣するなど診療体制の充実と効率化を図る。29日、事業計画を明らかにした。2016年度収支報告によると、当期損益は45億円の赤字を見込む。グループ化などの改善策により、17年度は赤字額25億円に縮小するとしている。

事業計画によると、6病院について、3病院ずつ2グループに分ける。グループ内で医師不足を補うなど効率化を図り、経営基盤の安定を目指す。6病院は独立して運営し、これまで病院間の医師派遣はほとんどなかったという。

「水戸グループ」は水戸協同病院(水戸市)▽県北医療センター高萩協同病院(高萩市)▽茨城西南医療センター病院(境町)の3カ所。「土浦グループ」は土浦協同病院(土浦市)、JAとりで総合医療センター(取手市)、土浦協同病院なめがた地域医療センター(行方市)の3カ所。

水戸グループでは、水戸協同病院から、高萩、西南に内科医を派遣する。高萩には常勤3人を派遣する予定。西南には平日、交代で1人派遣する。

土浦グループは、土浦となめがたの連携を強化し、一体的運営を目指す。なめがたは回復期リハビリ病棟の増床、患者の紹介率向上を図り、土浦から内科、消化器系、循環器系の医師派遣を受ける。

収支報告によると、土浦協同病院の移転新築など大型投資や消費増税が響き、15〜16年度では全6病院で赤字となった。16年度は職員の賞与を大幅削減しているが、当期損益は45億円の赤字。17年度計画では総収入を前年度より32億円増やし、赤字額を25億円に圧縮するとしている。

事業計画などはこの日、県厚生連の臨時総会で可決された。担当者は「改善策により、満足できる地域医療を提供したい」としている。 (磯前有花)



http://www.asahi.com/articles/ASK3Z5J2QK3ZUBQU00F.html
無資格で中絶手術 医師を書類送検 警視庁
2017年3月30日16時45分 朝日新聞

 警視庁は30日、東京都武蔵野市の産婦人科病院「水口病院」=休院中=の男性医師(58)と女性医師(34)を業務上堕胎容疑で書類送検し、発表した。2人は「院長が資格を持っていれば、大丈夫だと思った」と説明しているという。

急死女性の夫「原因を明らかに」 無資格医師の中絶手術
 捜査1課によると、2人の送検容疑は昨年5月~同9月、都医師会の指定を受けないまま、男性医師が17件、女性医師が5件の中絶手術をしたというもの。

 人工妊娠中絶手術は、医師会の指定医しかできないと母体保護法で規定され、指定は勤務する病院ごとに受ける必要がある。2人は非常勤の医師で、ほかの病院での勤務経験もあるが、これまでに指定を受けたことはなかったという。

 この問題をめぐっては昨年7月、この男性医師の中絶手術を受けた東京都西東京市の女性(当時23)が急性うっ血性心不全で死亡。遺族が刑事告訴していたが、同庁が捜査した結果、手術と死亡の因果関係は認められなかったという。



http://mainichi.jp/articles/20170330/ddl/k27/040/411000c
懲戒処分
同僚にセクハラ 30代医師を減給 阪大 /大阪

毎日新聞2017年3月30日 地方版 大阪府

 大阪大は29日、同僚の女性医師にセクハラ行為をしたとして、医学部付属病院の30代男性医師を減給(平均賃金の半日分)の懲戒処分にしたと発表した。

 阪大によると、男性医師は昨年4月、当直勤務中の女性医師が眠っていた病院内の当直室に入り、ドアを施錠して消灯。女性医師のベッドに入り、抱きついてキスしようとするなどしたという。女性医師が同年5月、学内のセクハラ相談室に申し立てて発覚した。

 阪大は調査委員会を設置して調べ、男性医師は「事実ではないので話したくない」などと聞き取り調査を拒否したが、女性医師や関係者への聞き取りなどからセクハラ行為と認定した。【鳥井真平】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170330_63055.html
先進医療地域で学ぶ 東北大、共立病院と協定
2017年03月30日木曜日 河北新報

 東北大大学院医学系研究科と福島県いわき市立総合磐城共立病院は28日、医師資格を持つ大学院生が地域医療の場で先進医療を学ぶ「地域先進医療学講座」の設置に関する連携協定を締結した。

 2013年に設置した消化器系の連携講座を発展的に解消、診療・研究分野を拡充した。講座は医学系研究科に置き、共立病院の医師5人が客員教授・准教授として大学院生を指導する。

 仙台市青葉区の東北大大学院医学系研究科であった締結式で、下瀬川徹研究科長は「協定を機に人事交流や研究活動を活発化させたい」と話した。

 清水敏男いわき市長は「共立病院は東京電力福島第1原発事故後、さらに医師が来なくなった。講座の拡充はありがたい」と期待した。



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0330506852/
日医会長「医師が労働者」に違和感〔CBnews〕
検討の場の議論に積極関与

CBnews | 2017.03.30 13:15(2017年3月30日 君塚靖・CBnews)

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は29日の記者会見で、政府が前日にまとめた長時間労働を是正する方策などを盛り込んだ「働き方改革実行計画」について、「医師が労働者なのかと言われると違和感がある。(労働時間に罰則付き上限を設けることに)医師は5年間の猶予をいただいたので、そもそも医師の雇用を労働基準法で規定するのが妥当なのかを抜本的に考えていきたい」と述べた。

 政府は医師の働き方改革を「検討の場」で議論していく方針で、「検討の場」は厚生労働省に設置される見通しだ。日医は、その「検討の場」に関与していく考えで、横倉会長は、「医療界も参加することになるので、日医も積極的に参加して議論をリードしていきたい」とした。

 さらに横倉会長は、医師の長時間労働を是正するためには、医療機関などが医師の採用を増やすことも必要になるため、「検討の場」では医師増員に伴う診療報酬の財源の手当てなども併せて検討すべきとの見解も示した。



http://mainichi.jp/articles/20170330/ddm/012/040/093000c
バルサルタン
データ改ざん 東京地検が控訴

毎日新聞2017年3月30日 東京朝刊

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件で、東京地検は29日、薬事法(現医薬品医療機器法)違反に問われた元社員、***被告(66)を無罪とした東京地裁判決(16日)を不服として控訴した。地裁は元社員による意図的なデータの改ざんを認定したものの、医師に発表させた論文は「薬事法が規制する広告に当たらない」として無罪を言い渡していた。

G3註:原文は実名報道


https://www.m3.com/news/general/516191?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170330&dcf_doctor=true&mc.l=214081698&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
千葉大医学部生に有罪 集団乱暴事件、準強姦罪で
2017年3月30日 (木) 共同通信社

 千葉大医学部生らが飲み会に参加した女性を集団で乱暴したとされる事件で、準強姦(ごうかん)罪に問われた医学部5年***被告(23)に、千葉地裁(吉村典晃(よしむら・のりあき)裁判長)が30日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。

 事件を巡っては、いずれも医学部5年の***(23)、***(23)の両被告が集団強姦罪で、千葉大病院の元研修医***被告(30)が準強制わいせつ罪で公判中。***被告の判決は4人の中で初めて。

 吉村裁判長は判決理由で「繰り返し拒絶する被害者を乱暴した」と指摘した。一方で、被害者に飲酒させて抵抗できなくしたのは他の被告で、飲み会中に乱暴するつもりはなかったと判断。「犯行は衝動的で計画性はない。反省しており、更生が期待できる」と執行猶予を付けた理由を説明した。

 吉村裁判長は最後に「2度目のチャンスはない。社会にどのように貢献していくかが重要。心に刻んでほしい」と説諭した。

 判決によると、***被告は昨年9月21日未明、飲み会で酒に酔った女性を千葉市中央区の自宅に連れて行き、乱暴した。

G3註:原文は実名報道



https://www.m3.com/news/general/516125
群大病院、診療報酬340件不正請求…戒告処分
2017年3月30日 (木) 読売新聞

 群馬大学病院の手術死問題で、保険適用外の手術に診療報酬を不正請求していたなどとして、厚生労働省が同病院に対して戒告の行政処分を出したことが、同病院などへの取材で分かった。

 処分は29日付。

 同病院や関係者によると、厚労省は2015~17年、計17日間にわたって監査を実施。カルテの確認や、同病院の医師らへの聞き取り調査を行ったところ、計約340件、約8000万円の不正・不当請求があったと認定した。これをもとに同病院は今後、過去に遡って調査し、不正請求額を確定して返還する見通し。

 同病院の調査によると、問題の起きた旧第二外科では、10年12月~14年6月に保険適用外とみられる腹腔ふくくう鏡手術が計58例行われ、うち35例で診療報酬が請求されていた。



https://www.m3.com/news/general/516188
投薬ミスの損害4兆円超 WHO、5年で半減目指す
2017年3月30日 (木) 共同通信社

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は29日、投薬ミスによる損害が世界で年間420億ドル(約4兆7千億円)に上るとの試算を明らかにし、今後5年間で全ての国で投薬ミスによる損害を半減させる取り組みを開始したと発表した。

 WHOは薬の処方や服用のミスに伴う損害は各国で報告されていると指摘し、米国だけでも年間130万人が被害に遭っていると説明。世界の損害額は医療費の1%に当たるとみられるという。

 ミスは医療従事者の疲労やスタッフ不足、訓練の不十分、さらに患者の知識不足などが原因で、いずれも防止可能と強調した。

 特に誤って使用した場合、害となる危険性の高い薬の取り扱いや、さまざまな疾患で複数の投薬を受けている患者の扱いが鍵になるとして各国に早期の対策を求めた。

 WHOのチャン事務局長は「投薬ミスに伴う出費は莫大(ばくだい)かつ不必要なものだ。ミスの防止は人命を救うだけでなく医療費削減にもなる」と訴えた。



https://www.m3.com/news/general/516131
能力不足、初歩的ミス原因 移植患者選定誤りで報告書
2017年3月30日 (木) 共同通信社

 脳死での心臓移植を受ける患者の選定に誤りがあった問題で、日本臓器移植ネットワークは29日、「システム開発会社の初歩的なプログラムミスと移植ネット含めた双方の能力不足が原因」とする第三者調査チーム(委員長・江川裕人(えがわ・ひろと)日本移植学会理事長)の報告書を発表した。

 チームは再発防止策として移植ネットにシステム担当責任者を配置し、患者選定の順位付けをする部門を独立するよう提言した。報告書を受けて会見した移植ネットの門田守人(もんでん・もりと)理事長は「ミスをなくすことに全力を注ぎ、一日も早く信頼回復できるよう再発防止に努めたい」と謝罪した。

 報告書によると、双方のシステム担当者の能力不足から開発に時間がかかり、患者を検索する新システムの最終テスト期間が約1カ月と短くなったため事前にミスを発見できなかった。

 選定ミスは1月末に発覚。昨年10月から今年1月にかけてプログラムに誤りがある検索システムを使ったため、本来移植を受けるはずだった患者2人が手術を受けられなかった。

 移植ネットは2014~15年にも腎臓の脳死移植で選定ミスが相次ぎ、昨年10月に新しい検索システムを導入したばかりだった。



https://www.m3.com/news/general/516208
「地域医療の担い手に」 医師志す4人 懇親会で活躍誓う
2017年3月30日 (木) 山陰中央新報

 今春の大学医学部受験と医師国家試験に合格した島根県浜田市出身者を招いた懇親会が27日、同市殿町の浜田公民館であった。医師を志す参加者4人が、地域医療への思いを語り、医師不足に直面する地元での活躍を誓った。

 参加したのは、国家試験に合格し、3月に島根大医学部を卒業した藪田愛さん(24)=浜田市下府町=と、いずれも同学部に入学する浜田高校出身の床並亜有子さん(19)=同市日脚町=と小松原悠生(ゆうき)さん(19)=同市内田町、石見智翠館高校出身の木村碩達(ひろと)さん(18)=同市黒川町=の4人。

 懇親会では一人一人が自己紹介し、「信頼される医師になりたい」「地域医療を担っていきたい」と力強く抱負を語った。会食に参加した久保田章市市長は「医療の担い手として立派に成長し、地域を支えてほしい」と激励した。

 小松原さんは「医学部での6年間で、知識だけでなく、医師としての自覚も育み、成長したい」と意気込みを述べた。

 県の2016年10月の調査によると、浜田圏域で必要とされる医師の充足率は、県内7圏域で最も低い66・9%だった。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170330_75051.html
研究に情熱輝く業績 国立大定年退職教授
2017年03月30日木曜日 河北新報

 東北の国立大で研究や教育に携わってきた教授が31日、定年を迎える。東北大大学院医学系研究科の大内憲明教授は乳がん治療研究や教育環境の改善に取り組んだ。文学研究科の鈴木岩弓教授は東日本大震災を機に「臨床宗教師」の養成講座開設に尽力した。宮城教育大の小金沢孝昭教授は東北の農村の活性化に貢献した。3人が長年の研究や取り組みを振り返った。

◎乳がん診断・治療に尽力/東北大大学院医学系研究科 大内憲明教授(65)腫瘍外科学

 「がんへの挑戦」を掲げ、乳がんを30年以上研究してきた。再発率が低く美容面でも優れた乳房温存手術の開発、ナノ・バイオ技術によるがん診断法の確立など成果は多岐にわたる。
 「若い女性が命を落とすのを見てきた。患者の無念を晴らしたい一心でここまできた」と振り返る。
 マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)の必要性を説き、日本での導入を実現した。乳がんの大規模研究では、マンモと超音波の併用で乳がん発見率が上がることを明らかにし、論文は昨年1月、英医学誌ランセットの表紙を飾った。
 胆道閉鎖症治療の権威、故葛西森夫氏の元で学んだ。心臓外科が専門だったが、研修医時代に多くのがん患者を診療し、がん研究に転向した。
 医学系研究科長を務めた2012年から3年間、キャンパスを大改修。学生のサポート体制を強化し、教育環境を充実させた。「全国から集まった医学部生の7割が東北に残る。大学に魅力があれば地域医療の向上につながる」と説明する。
 医療過疎の福島県飯舘村で育ち、村の奨学金などで進学した。その村は東京電力福島第1原発事故で全村避難を余儀なくされ、母は避難先で他界した。震災復興への思い入れは強い。
 4月に登米市の病院事業管理者に就任する。「最後のミッションとして地域医療の推進を図りたい」と使命感を燃やす。

<おおうち・のりあき>51年福島県飯舘村生まれ。東北大大学院医学研究科博士課程修了。米国立がん研究所研究員を経て99年から現職。大学病院副病院長、医学系研究科長を歴任。国のがん検診の在り方に関する検討会座長を務める。

◎臨床宗教師定着目指す/東北大大学院文学研究科 鈴木岩弓教授(65)宗教民俗学、死生学

 日本人の死生観を長く探求してきた。多くの命が突然奪われた震災では、宗教者が宗派や教派の違いを超えて人々に寄り添う姿を見た。
 2012年4月、心のケアを担う「臨床宗教師」を養成する「実践宗教学寄付講座」を学内に設置した。他大学に先駆けた試みで、修了生はこれまで152人に上る。
 「震災を機に始まった臨床宗教師は『超高齢多死社会』の今、自己の死を見詰める人のケアにまで発展している。臨床宗教師が病院などで定着し、僕自身が安心して最期を迎えられる世の中になればうれしい」
 小中学生の頃、ジャーナリスト本多勝一氏の探検ルポを読み、異文化に憧れた。東北大文学部に進学、宗教学者の故楠正弘氏、山折哲雄氏に師事した。
 研究の原点は学生時代のアドベンチャークラブ(探検部)の活動。「山登りの口実に山岳信仰を研究テーマにした」と笑う。関心は次第に死を巡る諸問題へと広がった。墓の守り方や遺産相続などに悩む人は多く、さまざまな団体からの講演依頼が引きも切らない。
 脚本家の内館牧子さんは03年から3年間、神事としての相撲を学ぶため研究室に在籍した。「熱心で学生の刺激になったし、顧問を務めた相撲部は強くなった。思い出深い教え子だ」
 4月に総長特命教授に就き、教育研究と寄付講座の運営を続ける。

<すずき・いわゆみ>51年東京都生まれ。東北大大学院文学研究科博士課程単位取得退学。島根大助教授を経て93年東北大助教授、97年から現職。日本民俗学会理事、東北民俗の会会長を歴任。日本宗教学会常務理事を務める。

◎地域の活性化策を探究/宮城教育大教育学部 小金沢孝昭教授(65)農業地理学、経済地理学

 東北の農山漁村で長く、住民と共に活性化策を探る「地域調査運動」に取り組んだ。「里山、里海という宝を守るのは人間。人脈をつくって地域をいかに良くするかを考えてきた」
 ゼミや講義の中からアイデアやプロジェクトが生まれた。名取市の洞口家住宅で子どもが昔の生活を体験する「いぐねの学校」、福島県西会津町の集落に交流拠点をつくる「天空の郷」など、学生と現場を歩いて具体化させた事業が多い。
 1991年から市民と共に農薬削減キャンペーンを展開。翌年ブラジル・リオデジャネイロで開催された「地球サミット」で国際社会にも提唱した。
 この運動をきっかけに、地産地消を実践する仙台市の「朝市・夕市ネットワーク」や農薬・化学肥料に極力頼らない「環境保全米」が生まれ育った。
 学生時代に仲間と長野県佐久市で農村工業の調査を実施して以来、45年近く農村研究に関わった。「サークル活動を続けてきたようなもの」と振り返る。
 震災後、農村の高齢化と農業担い手不足に拍車が掛かった。世界農業遺産の申請認定が今月決まった宮城県大崎地方の「大崎耕土」はこれからの農村のモデルになるという。「そこで暮らすみんなが農業を守る仕掛けを作った。復興も地域振興も住民視点が大切だ」と力説する。
 退任後は学長付特任教授となる。「声が掛かれば地域活性化を手伝いたい」

<こがねざわ・たかあき>52年東京都生まれ。東京都立大(現首都大学東京)大学院理学研究科博士課程単位取得退学。北海道大で農学博士号取得。82年宮城教育大講師。97年から現職。みやぎ食の安全安心推進会議会長を務める。



https://community.m3.com/v2/app/messages/news/2682896?pageNo=1&portalId=mailmag&mmp=RK170330&mc.l=214089074&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「腕利き医師」「病院のヤクザ担当」逮捕に困惑 京都
17/03/30 朝日新聞 


 暴力団組長の虚偽診断書作成容疑で民間大手「康生会・武田病院」(京都市下京区)の医師や元職員らが逮捕された事件で、京都府警は29日、医師ら3人を同容疑などで京都地検に送検した。容疑がかけられているのは、医療界でも「腕利き」と評判の医師と、院内で暴力団担当だった元職員。府内有数の病院グループで何が起きていたのか。
 
 「気さくな人で職員や患者に人気がある」「全先生がやめたら、武田病院をやめる若い医者もいるんちゃうかな」
 
 逮捕された医師の***容疑者(61)について、同僚の医師らはそろってその人柄を表現する。
 
 そんな医師が、暴力団組長の高山義友希受刑者(60)が刑務所に収容されるのを免れさせようと、大阪高検に虚偽の健康状態を記した意見書を作り、提出した疑いが持たれている。
 
 気さくな人柄だけでなく、その腕前も評判が高い。循環器の医師たちは、「不整脈治療の第一人者」と評する。
 
 複数の医師によると、***容疑者は1980年代に海外で始まった、心臓の不整脈を引き起こす部分を焼き切って治療する手術法「カテーテルアブレーション」を、日本で先駆けて手がけた医療チームの一員だったという。
 
 武田病院に着任後は同手術を数多く手がけ、その名が知られるようになった。そうした実績から、同病院は現在、「心臓の武田」と知られるまでになったという。
 
 近年は、後進の育成にも力を入れていたという***容疑者。武田病院グループの病院などでは、「門下生」たちが治療に当たっている。逮捕について武田病院関係者は、「なぜ虚偽の意見書を書いたのか。動機や背景が知りたい」と疑問を投げかける。
 
■「丁寧な対応、ヤクザに好まれたかも」
 
 総務部長のような役割でトラブルを起こす患者の対応を担っていた。全容疑者とともに逮捕された武田病院元医事部長の***容疑者(45)について、府警はそう説明する。
 
 「ようするにヤクザ担当や」。武田病院関係者は、***容疑者が暴力団関係者の患者の窓口だったと明かす。一方で、「いつもにこにこした温和な人で、とてもそうした担当の人とは思えなかった」という。
 
 京都駅前に中核病院を構える武田病院グループの医療機関を山口組や会津小鉄会の幹部も利用していたと、この関係者は話す。「丁寧な応対をするし融通がきくから、ヤクザに好まれたのかもしれない」
 
 捜査関係者によると、高山受刑者は2011年2月、武田病院で腎臓病の治療を開始。その後、不整脈がみつかった。***容疑者が窓口を務め、***容疑者が治療に当たるうち、関係を深めていったとみている。
 
 高山受刑者が刑務所に収容されないように取りはからってほしい。高山受刑者と関係の深い暴力団組員から依頼された***容疑者は、***容疑者に相談。2人は、実際は発症していないのに「重症心室性不整脈」と診断した虚偽の意見書を作ったとされる。府警は、見返りに少なくとも数十万円相当の現金と商品券が2人に渡ったとみている。
 
 病院関係者は、「高山受刑者と飲食したことがある」と話す医師は他にもいると明かす。武田病院グループ本部は28日、「医師や職員がどのような行動をとっていたのか、把握できていない。事実関係が明らかになり次第、信頼回復に全力で取り組みたい」などとコメントを出した。

G3註:原文は実名報道


  1. 2017/03/31(金) 05:51:06|
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3月29日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/515760?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170329&dcf_doctor=true&mc.l=213909334&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「罰則付き規制で、応招義務果たせぬ懸念」働き方改革大臣
時間外労働の上限規制、医師は5年間の猶予

2017年3月29日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 政府は3月28日、働き方改革実現会議を開催し、時間外労働を原則月45時間、特例として労使が合意した場合年720時間(月平均60時間)を上限とすることなどを盛り込んだ「働き方改革実行計画」をまとめた。4月以降、労働政策審議会で議論した後、秋の臨時国会に関連法の改正案を提出、2019年度からの実施を目指す。

 ただし、医師については時間外労働の上限規制が5年間猶予された。会議後の記者会見で加藤勝信・働き方改革担当大臣は「罰則付き上限規制で応招義務が果たせなくなる懸念があった」と説明した(資料は官邸ホームページ)。

 働き方改革実行計画の中では、医師の働き方について、「医師については、時間外労働規制の対象とするが、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である。具体的には、改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る」と記されている。

 加藤大臣は「医師には医師法上、応招義務があり、時間外労働規制、特に罰則付きの上限規制によって現場の実情や地域の医療体制によっては応招義務を果たせなくなる懸念があった。時間外労働の上限規制の対象とするも、会議には医療関係者がいないので、まずは医療界の参加を得た上で、検討の場を設けていただき、2年後を目途に規制の在り方、労働時間の短縮について検討し、結論を得るという中身になっている」と説明した。

 安倍晋三首相は会議の席で「働き方改革実行計画の決定は、日本の働き方を変える改革にとって、歴史的な一歩であると思う。戦後日本の労働法制史上の大改革であるとの評価もあった。かつては、特に時間外労働については、この間にある溝は埋められないのではないかと思われていたわけだが、本当に労使で合意に達していただいたこと、改めて敬意を表したいと思う」と挨拶した。

 そのほか、医療者が、医療提供に当たって関連する内容は以下の通り。

■病気の治療と仕事の両立
 病気の治療と仕事の両立を社会的にサポートする仕組みを整え、病を患った方々が、生きがいを感じながら働ける社会を目指す。具体的には、治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築する。とりわけ、両立支援コーディネーターは、主治医と会社の連携の中核となり、患者に寄り添いながら継続的に相談支援を行いつつ、個々の患者ごとの治療・仕事の両立に向けたプランの作成支援などを担う。両立支援コーディネーターには、医療や心理学、労働関係法令や労務管理に関する知識を身に付け、患者、主治医、会社などのコミュニケーションのハブとして機能することが期待され、こうした人材を効果的に育成・配置し、全国の病院や職場で両立支援が可能となることを目指す。

■労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化
 治療と仕事の両立支援に当たっての産業医の役割の重要性に鑑み、治療と仕事の両立支援に係る産業医の能力向上や相談支援機能の強化など産業医・産業保健機能の強化を図る。また、過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化する。加えて、産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備する。これにより、働く人々が健康の不安なく、働くモチベーションを高め、最大限に能力を向上・発揮することを促進する。



https://www.m3.com/news/general/515819
東京女子医大病院 「薬16倍投与で妻死亡」 脳腫瘍女性夫が提訴
2017年3月29日 (水) 毎日新聞社

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年9月に抗てんかん薬を過量投与された女性が重い副作用で死亡した問題で、遺族が28日、病院の運営法人と医師2人を相手取り、総額約4300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。遺族側によると脳腫瘍を患う長浜さんは14年1月から同病院の処方で抗てんかん薬を服用。同8月には短期間で薬効を高めるとして、別の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を追加され、添付文書で定められた量の16倍の1日200ミリグラムを連日投与された。

 薬剤師が医師に「量は正しいのか」と照会したが見直されず、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。投与開始から20日後に肺出血を併発して死亡した。遺族側は「医学的な必要性がないのに、説明もないまま添付文書に反する危険な処方をした」と訴えている。

 医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた日本医療安全調査機構の報告書は、処方を「標準的な選択とは言えず、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るべきだった」と指摘した。同大学広報室は「訴状を見ておらず具体的なコメントはできないが、誠意をもって対応する」としている。【伊藤直孝】

 ◇副作用のリスク「説明なかった」

 「なぜ死ぬリスクのある処方をしたのか」。亡くなった長浜裕美さんの夫、明雄さん(42)は記者会見で悔しさをにじませた。投与開始から20日後、皮膚がはがれ妻は変わり果て、痛みと絶望の中で亡くなった。主治医は「投与量よりも体質の問題」などと説明。だが、薬の添付文書は用法や用量を守らなければ重篤な皮膚障害が表れることがあると警告していたのを後に知った。

 医師から副作用リスクの説明はなかったというが、病院側は「リスクは説明した」と責任を認めなかった。明雄さんは「問題を繰り返させないためにも裁判で原因と責任を明らかにしたい」と強調した。【銭場裕司】



https://www.m3.com/news/general/515815
バルサルタン データ改ざん 東京地検が控訴へ
2017年3月29日 (水) 毎日新聞社

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件で、東京地検は28日、薬事法(現医薬品医療機器法)違反に問われた元社員、白橋伸雄被告(66)を無罪とした東京地裁判決を不服として控訴する方針を固めた。関係者への取材で分かった。

 16日の地裁判決は元社員が意図的にデータの水増しや改ざんをしたと認定する一方、医師に発表させた論文は「薬事法が規制する広告に当たらない」として無罪を言い渡した。検察側は控訴審で、バルサルタンを処方する医師が論文を読めば広告要件の「顧客を誘引する手段」に当たると改めて主張するとみられる。【石山絵歩】



https://www.m3.com/news/general/515832
外来診察同席で薬剤費減 - レジデント人件費の2倍に 国立がん研究センター東病院薬剤部
2017年3月29日 (水) 薬事日報

削減効果は年1300万円

 薬剤師レジデントが医師の外来診察に同席して処方提案等の臨床業務を行った効果を検討したところ、3カ月間で337万円の薬剤費削減効果が得られたことが、国立がん研究センター東病院薬剤部の研究で明らかになった。薬剤師レジデントの時給と外来診察に同席した労働時間から人件費の2.2倍の効果が得られ、これを1年間続けて実施したと仮定すると、年間1300万円の薬剤費削減効果が期待できることが推定された。これまで薬剤師の外来同席業務の効果については明らかになっていなかったが、薬剤費削減効果のエビデンスが得られたことで、薬剤師の外来業務に弾みがつきそうだ。
 米国では医師の外来診察に薬剤師が関与し、臨床業務を行っている。日本では2007年に、国立がん研究センター東病院薬剤部が初めて医師の外来診察に薬剤師が同席する業務を開始。現在、薬剤師レジデント3年目の研修の一環として外来診察同席業務を行っている。
外来診察同席業務は、診察前、診察中、診察後の時点で介入を実施。診察前は採血結果が出る前に待合室で患者の症状やアドヒアランス、残薬を確認して医師に情報提供し、診察中には診察室で医師の説明内容や治療方針を共有したり、処方設計を支援する。

 さらに、診察後は待合室や通院治療センターで治療の理解度確認や服薬指導、質問への対応などを行っている。必ず3点で介入するのではなく、医師の希望する方法で患者に応じて柔軟に対応している。ただ、外来診察同席業務は、新規性の高い取り組みではあるものの、その有益性は明らかになっていなかった。

 そこで、同センター薬剤部では、薬剤師レジデント課程3年目に実践している外来同席による薬剤費削減効果を明らかにするため、昨年6月6日~8月31日までの61日間で薬剤師レジデント6人が介入した患者を対象に調査を行った。抗癌剤S-1製剤の減量開始を提案し、本来処方されるはずだった薬剤と差し引いた金額など、カルテから前後の経過を確認し、削減された薬剤費を算出した。

 その結果、61日間で薬剤師レジデントが外来同席に従事した時間は1034時間、対象患者数は4582人、介入した患者は2508人だった。処方提案が行われたのは456件、そのうち薬剤費に関わる提案136件、最終的に採用された提案は119件と採用割合は88%に上った。

 介入した理由についてみると、残薬調整が59%と最も多く、次いで中止提案が26%と、これら残薬調整と中止提案が8割以上を占めた。処方提案によって削減された薬剤は、抗癌剤以外の定期内服薬が69%と7割を占め、抗癌剤が14.6%、支持療法薬が0.4%などとなった。3カ月間で削減された薬剤費は336万8224円となり、そのうち抗癌剤が299万3151円とほとんどを占めた。

 時給1490円の薬剤師レジデントが外来同席に従事した1034時間の労働時間から人件費を算出したところ、154万0660円となった。これを削減された薬剤費336万8224円と比較すると、薬剤師レジデントにかかった費用の2.2倍の薬剤費削減効果が得られたことが明らかになった。さらに、薬剤師レジデントが外来診察同席業務を1年間続けたと仮定すると、年間1300万円の薬剤費を削減できることが考えられた。同センター薬剤部では、「外来診察同席業務は薬剤費の削減に貢献しており、医療経済的に有益」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515910
シリーズ 中央社会保険医療協議会
薬価調査「医療機関は対象外に」、中川日医副会長
支払側は慎重な検討求める、医療機関と卸の間で齟齬も

2017年3月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、3月29日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、医療機関の負担軽減を狙い、「医療機関は、医薬品卸と交渉して、品目ごとに納入価を決めている。薬価調査は医薬品卸への調査で十分」と述べ、薬価調査の対象から医療機関を外すことを検討するよう求めた。

 一方で、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「薬価調査の正確性が担保されているのは、(医薬品卸と医療機関双方への調査結果を)突合しているために担保されている。正確性が破壊される恐れがあるので、慎重に検討した方がいい」と指摘。厚労省も過去に双方への調査で、過去に齟齬が生じたことがあると説明しており、医療機関を調査対象から外すことに合意を得られるかは微妙だ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 調査方法の見直し、2017年度から

 2018年度改定に向けた薬価調査についての議論は、2月8日に続き2回目(『薬価の「中間年」の調査、本調査とは別』を参照)。29日の論点は下記だ。

(1)調査の正確性
○ 調査結果の正確性を担保する観点から、調査データをさらに検証する仕組みとして、どのようなことが考えられるか。
○ 調査結果の精度を高めるため、より回収率を上げるための工夫を講じるべきではないか。
(2)調査手法
○ 調査の効率性の観点から、本調査については、都道府県を経由せず、厚生労働省から直接客体に調査票を配布し、回収を行うこととしてはどうか。
※この際、調査客体を確定するための調査、訪問調査については、これまでどおり許可権者である都道府県に依頼する。
○ 調査データを検証する仕組みをどう考えるか。
○ 上記について、2017度本調査から適用してはどうか。

 薬価調査は、医薬品卸(約6000客体)については全数調査、病院・診療所・薬局については抽出調査し、医薬品の品目ごとに市場実勢価格を調査。薬価との乖離を把握が目的だ。

 議論になったのは、(1)。中川氏はまず薬価調査の回収率について質問。厚労省医政局経済課長の大西友弘氏は、医薬品卸72.3%、病院75.6%、診療所61.8%、薬局76.5%と回答。そのうち日本医薬品卸売業連合会に加盟している医薬品卸では9割を超す回答がある一方、加盟していない小規模の卸などは回収率が低いとした。

 「医薬品卸からの回答は、信頼性は高いのではないか」との中川氏の質問に対し、専門委員の吉村恭彰氏(株式会社アステム代表取締役社長)は、「信頼関係があるという前提に正確なデータを出している」と回答。それを踏まえて、中川氏は、医薬品卸の回答に信頼性があれば、医療機関への調査は不要ではないかと提案した。

 これに対し、大西経済課長は、「歴史的には、医療機関の調査が中心だった時代もあり、4者への調査を総合して薬価調査と言っている」と説明しつつ、可能な限り負担軽減を図るために、どんな方法がいいかを検討していくとした。

 「調査データの正確性担保のためにやっているのだったら、齟齬がこれまであったのか」「調査データを検証する仕組みはどう考えているのか」と質したのは、全国健康保険協会理事の吉森俊和氏。大西課長は、「齟齬がある事例は過去にあった。ある薬剤の金額について、(医薬品卸と医療機関等の額が)マッチせず、不整合が発生することはこれまでもあった」とし、調査データを検証する仕組みについては、「今は考えていない」と答えた。

 一方、(2)については、了承が得られた。連合総合政策局長の平川則男氏は、厚労省が直接調査することによる回収率への影響を質問。厚労省医政局経済課長の大西友弘氏は、コールセンターから催促するなど、きめ細かい措置を講じて、回収率が低下しないように対応すると回答。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10805
男性医師を減給=女性医師へのセクハラ認定-大阪大
2017年3月29日 (水)  時事通信

 大阪大は29日、女性医師にセクハラ行為をしたとして、医学部付属病院の30代男性医師を減給処分にしたと発表した。
 同大によると、男性医師は昨年4月、女性医師が寝ていた当直室のベッドに入り、抱き付いてキスをしようとするなどした。同5月に女性医師から申し立てがあり、調査の結果セクハラと認定した。男性医師は懲戒処分の文書は受け取ったが、事実関係を認めていないという。 【時事通信社】



http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20170329/CK2017032902000043.html
地域医療、貢献必ず 金大、自治医大「医師の卵」を知事激励
2017年3月29日 中日新聞 石川

 金沢大医学類の地元医師確保推薦枠(特別枠)の合格者十人と、地域医療の人材を育成する自治医科大(栃木県)医学部の地元合格者三人が二十八日、県庁を訪れた。いずれも六年間の勉学と二年間の臨床研修を経て医師となったあかつきには、能登など県内の医師不足エリアで勤務すると約束している学生たちだ。(梅本秀基)

 特別枠は県が二〇〇九年に創設した、知事が指定する公立病院に七年間勤めれば、在学中に支給する月二十万円の修学資金(六年で計千四百四十万円)の返還を免除する制度で、今春には一期生がいよいよ医師としての活躍を始める。同様の資金援助で都道府県の選抜学生を受け入れている自治医科大とともに、医師不足解消の切り札となることが期待されている。

 谷本正憲知事の激励を受けた医師の卵たちは「父の命を救ってくれた医師にあこがれ、外科医を目指すようになった」「終末期医療の担い手になりたいと考えている」などと語りつつ、将来の地域貢献を誓っていた。

 地方の医師不足は、新卒医師が自分で研修先を選べるようになった〇四年以降、全国で生じた。従来は大学病院の医局で研修を受けた後、地方の関係病院に派遣されるケースが多かったのに対し、現在は医療経験を数多く積める都市部の大病院に集中しがちで、過疎地を抱える多くの県が対策に力を入れている。



http://www.asahi.com/articles/ASK3Y6RSFK3YUBQU011.html
医師=労働者?労基法の規制に日医会長が違和感
寺崎省子
2017年3月29日20時18分 朝日新聞

 政府の働き方改革実行計画で、医師の残業時間の具体的な規制内容が今後検討されることについて、日本医師会の横倉義武会長は29日の会見で、「医師の雇用を労働基準法で規律することが妥当なのかも含めて考えていきたい。医師が労働者と言われると、(意識したことがなく)少し違和感もある」と述べた。

 医師には、原則として診療を拒めない「応召義務」がある。実行計画では、医師は規制の適用が5年程度猶予されるが、2019年3月末までに具体的な内容を検討する。新年度に厚生労働省内に検討会が設けられる予定だ。

 横倉会長は、検討課題として医師の健康や応召義務を挙げ、「(残業時間の)上限を超えても、患者の状態が悪くなったとき放っておけず、仕事をしてしまう。罰則を与えるのか、応召義務を外していいのか、大変な議論になる」と話した。



http://www.huffingtonpost.jp/tetsuo-ando/new-medical-speciality-system_b_15672248.html
「角を矯めて牛を殺す」新専門医制度
安藤哲朗  安城更生病院 副院長/神経内科部長
投稿日: 2017年03月29日 17時45分 JST 更新: 4時間前 ハフィントンポスト

角を矯めて牛を殺す――。

この言葉は、小さな欠点を無理に直そうとすると、かえって全体がダメになってしまうという意味である。新専門医制度を評するのに、この諺がふさわしい。

新専門医制度の原点ともいえる平成25年の「専門医の在り方に関する検討会報告書」によると、基本的な考え方は「専門医制度を持つ学会が乱立して、制度の統一性、専門医の質の担保に懸念を生じる専門医制度も出現するようになった結果、現在の学会主導の専門医制度は患者の受診行動に必ずしも有用な制度になっていないため、質が担保された専門医を学会から 独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みが必要である。」と記載されている。

「専門医制度の乱立、制度の不統一」という"小さな欠点"が気になったことがそもそもの出発点のようだ。

また、後半の患者の受診行動と専門医制度の関わりについては、たとえ新制度が始まったとしても限定的であると私は考える。

日本にはかかりつけ医という文化があり、かかりつけ医が、自分の信頼する医師に患者を紹介するシステムが広く行き渡っている。その場合、かかりつけ医からみて、紹介先の医師の専門医資格はほとんど関係ない。地理的条件に加えて、個人的に信頼していること、あるいはこれまでの紹介状に対する回答書、さらには学会発表や論文などを考慮して紹介することが多いと思われる。

救急疾患の場合は、近くの救急病院に行くか搬送される。それも専門医資格の有無は全く関係ない。

つまり新専門医制度は、小さな欠点を矯正し、ほとんど意味のない目的を持ったものであるといえる。一応「質の担保」という謳い文句もあるが、質の担保に寄与しそうな内容は皆無であり、基本領域―subspecialty構造による「管理」、専攻医の地域別、領域別の人数の「管理」、基幹施設―連携施設構造による「管理」と、「管理」、「管理」「管理」が並び、これがよい医師を育てることにどう繋がるのか、全く理解ができない。

むしろ、医療の柔軟な発展を阻害し、若手医師のキャリア形成を阻害し、地域医療を支えている指導医のmotivationを低下させ、専攻医のon the job trainingを劣化させる。新専門医制度がもしこのまま開始されると日本の地域医療と将来を担う若手医師達に不可逆的なダメージを与えるだろう。そして多くの地域で、大学医局はこの新制度に乗じて大学復権を目指している。そのことがより事態を複雑にし、地域医療の危機を高めている。

専門医機構および厚労省は平成30年の制度開始を優先せずに、原点に立ち返って、すなわち平成25年の「専門医の在り方に関する検討会報告書」に立ち返って、再検討すべきである。議論が机上の空論で終わらないようにするためには、地域医療の現場で働く指導医や、研修医、女性医師を議論に加える必要がある。

(2017年3月29日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



http://www.sankei.com/region/news/170329/rgn1703290044-n1.html
福島・高野病院長に大町保健所長 長野
2017.3.29 07:03 産経ニュース

 東京電力福島第1原発事故後も福島県双葉郡内で唯一、避難せずに診療を続けた院長が自宅の火災で死亡した高野病院に、県大町保健福祉事務所の阿部好正所長(64)が4月から院長として就くことが関係者の話で分かった。すでに31日付の退職願を県に提出した。

 高野病院は、昨年12月に自宅の火災で亡くなった高野英男さん=当時(81)=が昭和55年に福島県広野町に開業した。原発事故後、常勤医は高野さん1人だった。現在は100人ほどの入院患者を受け入れており、非常勤や同県立医大、県内外からのボランティアなどの医師の支援を受けて診療体制を維持している。

 阿部氏は岐阜県恵那保健所長を経て平成28年に大町保健福祉事務所長兼大町保健所長に就いた。



https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=627624
医学部新設の国際医療福祉大、那須で地域医療実習 新病棟建設
2017/3/29 7:01日本経済新聞 電子版

 4月に千葉県成田市に医学部を新設する国際医療福祉大学(栃木県大田原市)は、医学部生の実習受け入れに向け関連施設の拡充に乗り出す。2018年度までに約100億円を投じ、栃木県那須塩原市の同大学病院の新病棟などを建設。既存のグループ施設なども使い、学生が地域の医療・福祉を包括的に学べる環境を整える。雇用など地域活性化にもつなげる。

 医学部の新設に政府は従来慎重だったが、国際医療福祉大は成田市と共同で国家戦略特区の事業指定を受けることで、4月に開設する。同月入学する第1期生(140人)が4年目に行う臨床実習では、半数の70人ずつを半年交代の形で、栃木・那須地域と東京都内の各大学病院で受け入れる。うち那須は地域医療を学ぶ場と位置づける。

 那須には医学部はないが、看護やリハビリ、放射線、薬学、医療経営などが学べる大学キャンパスや大学病院のほか、リハビリ患者を受け入れる塩谷病院(矢板市)、看護専門学校(同)、系列の社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム(特養)など介護関連もそろう。「医療・福祉がワンストップで学べる」(大友邦学長)ため、実習の中核となるという。

 具体的には大学病院で4月以降、新たな施設を着工する。新病棟は6階建てで、延べ床面積は1万平方メートル。ベッド(病床)数が現在の353床から55床増え408床となり、栃木北部の高度医療を担える規模を整える。

 研究棟は5階建ての約3000平方メートルで、臨床実習に入る医学部生らが利用する。宿泊棟(5階建て、約5300平方メートル、客室数116)は学生や教員のほか、一般の宿泊客も受け入れられるようにレストランや大浴場、会議室なども備える。

 またグループの社会福祉法人が那須塩原市内で17年度中に病院職員らの子どもを受け入れる認定こども園を設け、特養の増床も計画。これら施設の拡充全体で約250人の新規雇用を見込む。

 成田から実習で那須に入る医学部生は、これら新施設を利用して診療に参加するほか、既存のグループ施設で看護やリハビリ関連などの職種と組み行う「チーム医療・チームケア」にも参画。実践的に地域医療を学ぶ。



http://www.sankei.com/west/news/170329/wst1703290080-n1.html
医療審会長、大阪府と大阪市を批判 住吉市民病院跡地2年「空白」で
2017.3.29 20:21 産経ニュース

 平成30年3月末で閉鎖される大阪市立住吉市民病院(住之江区)跡地に誘致された民間病院の開業が32年4月まで2年遅れ、小児科・産科を含む100病床分の空白が生じる問題で、大阪府府医療審議会の茂松茂人会長(府医師会会長)は29日、「この誘致計画には問題があると審議会では以前から提起していた。駄目でした、では済まない」と府市の対応を批判した。

 府は住吉市民病院が担っている医療機能を、住之江区内で南港病院を運営する社会医療法人三宝会が跡地に建設する新病院と、府立急性期・総合医療センター(住吉区)に振り分けて継承させる再編計画を策定。

 これに対し、知事の諮問機関の府医療審議会は27年10月、「南港病院では市民病院の医療機能を継続できない」などとして計画に反対したが、松井一郎知事が国に承認を申請。その後、三宝会の設計ミスが発覚し、新病院の開業が2年遅れることになった。

 茂松会長は「府立センターは高度医療を担う。(小児科や産科など)市民病院が果たしてきた機能がなくなるわけで、早急に対応策を考えてもらいたい」と指摘した。



http://mainichi.jp/articles/20170329/ddl/k26/040/625000c
舞鶴赤十字病院
休日救急、小児科不在で担当 来月2日間 /京都

毎日新聞2017年3月29日 地方版 京都府

 舞鶴市は28日、舞鶴共済病院、舞鶴医療センター、舞鶴赤十字病院で実施している「休日救急医療」の、4月分のローテーションを発表した。小児科医不在となる赤十字病院はこれまで通り月2回の担当とし、子供の患者は内科医か外科医が診療するが、入院が必要な重症患者は他の2病院に紹介の形で引き継ぐことで、暫定的に体制を維持した。

 舞鶴市の土・日・祝日と年末年始の診療は、市の委託を受け公的3病院が輪番で担当。担当病院には内科系、外科系、小児科の医師が待機し患者を受け入れ、重症であればそれぞれ入院させることになっている。

 赤十字病院は3月末で小児科医が退職するが後任の補充が無いため、4月以降小児科診療を休止する。小児患者受け入れが不可能になれば輪番の維持が困難になるため、市は医師確保に努力しているが見通しは立っていない。4月は15日(土)と16日(日)が赤十字病院の担当だが、それぞれ非小児科医が子供の患者を診察し、重症者は15日はセンター、16日は共済病院の小児科医に引き継ぐ“間に合わせ”の形で行うことにした。

 5月以降の輪番体制もめどが立っておらず、市地域医療課では「軽症など緊急でない場合は、できるだけ平日の診療時間内に受診して」と市民に呼び掛けている。【鈴木健太郎】

〔丹波・丹後版〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/515935
シリーズ 中央社会保険医療協議会
院外と院内処方、調剤報酬に6.6倍の開き
かかりつけ薬剤師、医薬分業に厳しい改定予想

2017年3月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 解熱鎮痛剤・抗生剤を7日分処方した場合、院内調剤では27点だが、いわゆる門前薬局の調剤では105~110点、かかりつけ薬剤師・薬局での調剤は178点で、約6.6倍の開きがある……。

 2018年度の調剤報酬改定に向けてキックオフとなった、3月29日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で提出されたのが、院内処方と院外処方の調剤報酬の差が大きいことを示す資料だ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

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(2017年3月29日中医協総会資料による)

 2016年度診療報酬改定では、大型門前薬局の点数は引き下げになったほか、「かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局」が評価され、単なる調剤業務がメーンの薬局には厳しい改定となった。2018年度改定でも、「対物業務」から「対人業務」へという流れが続くほか、院内処方と院外処方の調剤報酬の差に厳しい目が向けられ、医薬分業そのものに懐疑的な意見も診療側から出され、薬局にとって厳しい改定になる様相を早くも呈している。

 29日の総会で具体的に上がったのが、患者の服薬情報の一元的・継続管理などを評価する点数として2016年度改定で新設された「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」の要件見直し。患者の同意を得ることが前提だが、安易に算定されている現状もあるとされ、多剤投与や高齢者など、自身で服薬管理をしにくい患者に算定対象を限定する案が出された。

 松本氏「医薬分業ありきで議論しなければならないのか」
 2016年度調剤報酬改定では、患者の服薬情報の一元的・継続管理、重複投薬・残薬管理などを行う、薬剤師の「対人業務」が評価された(『「薬局改革の元年」、2016年度改定』、『「かかりつけ薬剤師」の有無で点数に大差』を参照)

 厚労省は、「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」の施設基準の届出や、「重複投薬・相互作用防止加算」の算定回数が増加するなど、「対人業務」の充実が進みつつある現状を示すデータを提示。しかし、診療側と支払側、それぞれから厳しい意見が出た。

 特に診療側が問題視したのは、前掲の「調剤報酬の比較について」のほか、下記の「薬局の特徴ごとの機能」だ。

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(2017年3月29日中医協総会資料による)

 日本医師会常任理事の松本純一氏は、これらの資料に対し、「患者に向き合って丁寧に向き合って対応する、かかりつけ医のモチベーションを下げ、傷つけるものだ。『患者本位の医薬分業』というが、『患者本位の調剤』を目指すのではないか。医薬分業ありきで議論しなければならないのか」と問題提起した。2剤以上の内服薬を一包化した場合などに算定できる「一包化加算」も、院内処方には設定されていないなどの問題も指摘。院内処方と院外処方の調剤に係る報酬が整合性に欠ける問題は、日医副会長の松原謙二氏、全日本病院協会副会長の猪口雄二氏からも挙がった。

 こうした指摘に対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏は、医療機関の全体業務における調剤の評価と、独立した薬局における調剤業務の評価については、「少し観点が違う部分があり、その点を踏まえて検討していく」と回答。「薬局の特徴ごとの機能」の資料については、患者の服用情報の一元的・継続的管理、残薬管理、重複投薬の防止などにつなげ、患者本位の医薬分業に取り組むべきという視点からまとめたと説明した。

 松本氏の発言に、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の花井十伍氏は、「医薬分業は患者本位になるという前提を覆す議論」と指摘。医薬分業を推進してきた中で、患者本位ではない部分もあり、その問題点は当然議論すべきだが、「医薬分業が目指すべき形であることを前提に、事務局(厚労省)が毅然として対応しないと、ぶれた議論になる」(花井氏)。

 中川氏「抜けていたのは、分業の担い手は営利企業という視点」

 これを受けて発言したのは、日医副会長の中川俊男氏。「医薬分業は患者のためになる、という思いで仕組みを作ってきたが、決定的に抜けていたのは、分業の担い手が、営利企業であるという点だ。製薬企業も同様だが、公的な国民皆保険のプレーヤーとしての自覚があるかどうかが、(非営利の医療機関と)決定的に違う」などと述べ、昨今の調剤医療費の伸び、特に大手調剤薬局チェーンに財源が集中し、莫大な内部留保があることを問題視。「薬局の特徴ごとの機能」の資料についても、副作用のフォローアップをはじめ、より適切にできるのは院外処方より院内処方であると指摘。

 さらに中川氏は、「かかりつけ薬剤師指導料」の算定は、かかりつけ薬剤師が対応する場合に限られることを踏まえ、かかりつけ薬剤師以外が対応した場合でも同指導料を算定しているケースなどがあれば、「ゆゆしき問題だ。算定要件が甘かったのか」とコメントした。

 中山管理官は、「かかりつけ薬剤師指導料」は、あくまでかかりつけ薬剤師しか算定できないとし、個別指導などの場で確認していく方針を表明した。

 幸野氏「調剤報酬の目的と現場が乖離」

 調剤報酬には、支払側も厳しい目を向けた。全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、「多剤投与や重複投与は非常に悩ましい問題」と指摘。薬局による服薬管理は重要だとし、「かかりつけ薬剤師指導料」が実際にどんな成果を挙げているのか、そのデータを丁寧に分析する必要があると指摘。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏も、「かかりつけ薬剤師指導料」について、「調剤報酬の目的と現場の動きが乖離していると聞く。かかりつけ薬剤師を『取りに行く』のではなく、患者の方から『あなたにかかりつけ薬剤師になってもらいたい』と言われるのが、本来の在り方」と指摘。さらに同指導料の対象は、多剤投与、認知症、高齢者など自身で服薬管理しにくい人を対象にすべきとし、「たまたま風邪で来た患者に対し、かかりつけ薬剤師になるよう、同意を求めることがあってはいけない」(幸野氏)。

 一連の指摘に対し、日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、「患者から選ばれる薬局」になる動きが高まるなど、2016年度調剤報酬改定で薬局は変わりつつあることに理解を求めた上で、「実態調査を踏まえて、さらに伸ばすべきところ、あるいは見直すべきところはどこかを十分に議論してもらいたい」とエビデンスを基にした議論を求めた。

 そのほか幸野氏は残薬問題についても言及。2016年度改定で、医療機関が発行する処方せんに、薬局で残薬を確認した場合、どう対応すべきかを医療機関が指示するチェック欄が新設された(「医療機関へ疑義照会した上で調剤」もしくは「(残薬調整後に)医療機関へ情報提供」のいずれかにチェック)。「疑義照会しないと処方変更できないのはおかしい。まず処方変更して、後から医療機関に報告すればいい」と見直しを要望。

 松原氏は「残薬が出る場合、飲み忘れたのか、薬が合わなかったのかなどの理由が考えられ、単に量を調整すればいいという問題ではない」とし、それは薬の作用等も理解して医師が行うべきであり、チェック欄は必要と答えた。安部氏も、薬局から医療機関に疑義照会をするのが基本とし、「医師と薬剤師が情報を共有することが重要であり、それをどう効率的に行うかが課題」との考えを示した。


  1. 2017/03/30(木) 05:42:13|
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3月28日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/515415
シリーズ 医師不足への処方せん
岩手県知事が緊急メッセージ、医師偏在対策の議論停滞を受け
地域医療基本法(仮称)の制定を求める

2017年3月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 医師地域偏在対策に関する議論が進んでいなことを受けて、岩手県の達増拓也知事はこのほど、緊急メッセージと提言「地域医療基本法(仮称)の制定で医師の地域偏在の解消を ~地域医療の未来、そして日本の医療の未来を守るために~」を公表した。提言は3月9日付け。

 提言では厚生労働省の医師需給分科会や「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の議論が停滞していることを指摘しつつ、「地域医療、そして日本の医療の未来を守るためには、一刻も早く具体的な医師偏在対策を実現すべきであり、グランドデザインとしての基本法を制定することが不可欠である」と訴えている。特設ウェブサイトで掲載し、ウェブ広告などを通じて一般向けにピーアールしている。

 岩手県は2009年度から「地域医療再生のためには、国を挙げた総合的な政策が必要である」として、自県の医師確保対策に留まらず医療政策提言などを行っている。2011年度に公表した地域医療基本法(仮称)の草案では、関係者の責務を下記のように記載している。

  国:地域医療再生に関する施策を策定し実施する義務を負う
  地方公共団体:地域特性に応じた施策を策定し実施する義務を負う
  医療機関:国および地方公共団体が講ずる施策に協力するよう努める
  国民:疾病に対する正しい知識を持ち予防に努め、医療サービスの適正利用に留意する
  医師等:国および地方公共団体が講ずる施策に協力し、地域医療再生に寄与するよう努める

 また、医師の適正配置について、国および地方公共団体が必要な施策を策定することを義務づけ、医師に関連しては「配置に協力した場合においては、当該医師の待遇の適性及び研修の充実を図らなければならない」としている。

 今回の緊急メッセージでは、地域医療は医師達の献身と志によって支えられているとして、「現状よりも過剰な負担や過酷な勤務にさらされることになれば、地域医療は崩壊しかねません。国全体で地域医療を守る仕組み、そして、地域医療に関わることで医師が成長し、研鑽を積むことにも繋がる仕組みが必要です」と記載。また、医師のキャリア形成に当たっては「成長過程にある若い医師が、将来、自身が目指すキャリアパスにかかわらず、地域医療に従事する経験を得ることは、医師の偏在解消という観点のみならず、将来の医療需要に対応できる医師を養成するためにも有益であるという視点で、施策の具体化を進める必要があります」と指摘している。

 同県医療政策室によると、厚労省の医師需給分科会やビジョン検討会の取りまとめが延期されるなどの状況を受けて、知事の意向で緊急的に提言を公表することになったという。広く世間に知ってもらう必要があるとして、広告代理店を通じて、ウェブ広告も掲載している。



https://www.m3.com/news/general/515507
医師が虚偽診断認める 百数十万円相当、見返りか 京都、組長収監逃れ
2017年3月28日 (火) 共同通信社

 指定暴力団山口組淡海一家の総長高山義友希(たかやま・よしゆき)受刑者(60)を巡る虚偽診断書作成事件で、京都府警に逮捕された民間大手「康生会武田病院」(京都市)の医師***容疑者(61)が取り調べに、虚偽の診断を認めていることが28日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、全容疑者は武田病院グループ職員の***容疑者(45)とともに、暴力団関係者から現金約100万円や数十万円分の商品券を受け取ったと認めたことも判明。府警は虚偽診断の見返りだった可能性があるとみて捜査している。

 ***容疑者は逮捕前の任意聴取に「医師として普通のことをした」とも話しており、慎重に供述内容を調べる。全容疑者は***容疑者から収監を免れたいとする暴力団側の意向を聞き、大阪高検の病状照会に対する回答書を作成していた。

 ***容疑者は当時、トラブルを起こす患者との窓口役で、病院にかかっている暴力団関係者にも対応。2人と一緒に逮捕された指定暴力団会津小鉄会系組員の山田英志(やまだ・ひでし)容疑者(48)が組長側の依頼を伝えていた。

 高山受刑者の実父が会津小鉄会トップで武田病院でも治療を受けたことがあった。府警は山田容疑者と病院側が知り合った経緯を調べる。

 高山受刑者に関し、武田病院と協力関係にある京都府立医大病院(京都市)の医師らも虚偽の診断をした疑いがあるとして、2月に家宅捜索した。

 武田病院グループの担当者は28日、「医療に対する不信を招いてしまったことを深くおわびする」とした上で、虚偽診断や金品のやりとりについて「把握していない。本人たちからも虚偽で書いたことはないと説明を受けている」と話した。

 ***容疑者らは共謀し、2016年1~2月、大阪高検の病状照会に「心室性不整脈はかなり重篤」などと虚偽を記載し、回答書として提出した疑いが持たれている。

G3註:原文は実名報道



https://www.m3.com/news/iryoishin/515416
シリーズ 日医代議員会
「医師偏在や専門医制対策、日医の組織強化が不可欠」
第139回日医代議員会、横倉会長「医学会とも協力」

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武会長は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、「医師の偏在対策や、新たな専門医の仕組みなどの問題解決の基盤として、医師会の組織をさらに強化していくことが不可欠」と述べ、医師会は「3層構造」であることから、群市区医師会の会員は、都道府県医師会会員に、さらに日医会員になるよう、今後も組織強化に取り組んでいく方針を表明した。

 また一般社団法人日本医学会連合の事務所が今春、日医会館から離れることについては、「連合という別法人が動いたということ。日本医学会はあくまで、日医内にとどまるという整理をしている」と説明、医学会と日医は従来通り協力して活動していくとした。

 日医会員は、2016年12月1日現在で、16万8533人。横倉会長が2012年に就任した当初、日医会員数は減少傾向だったが、「医師会組織強化検討委員会」を中心に取り組んできたとし、組織強化の必要性が広く認識され、さまざまな取り組みが全国の医師会で展開されてきたと説明。例に挙げたのが、和歌山医師会で、研修医の会費無料化をはじめ、臨床研修医の歓迎会の開催、広報誌の発行などの取り組みを行っているという。

 日医としても、勤務医や女性医師の登用に向けた理事定数の増員、医師資格証の普及、会員情報システムの再構築、入会メリットを紹介するパンフレット作成や医学生向けの情報誌『DOCTOR-ASE』の発行などを行ってきたとし、「ようやく下げ止まり、昨年は1500人が入会した。しかし、1年間に新たに医師になるのは、8000人を超えているので、決して十分とは言えない。全国の群市区医師会は約20万人であり、医師の約3分の2は医師会に加入していることになる」(横倉会長)。

 横倉会長は、「日医の組織率を上げるためには、都道府県医師会と郡市区等医師会の協力が不可欠。組織強化に関する各種調査を実施し、その結果を各医師会に返すなどして、各地域の実情に配慮した組織強化に向けた協力を依頼したい」と語った。

 医師の組織強化に向けた取り組みについて、ブロック代表質問したのは、和歌山県代議員の寺下浩彰氏。2015年12月の日医「組織強化検討委員会」の報告書に盛り込まれた内容の実行状況を質問。

 関連して、奈良県代議員の大澤英一氏は、日本医学会とは別に、2014年に一般社団法人「日本医学会連合」が設置され、この春から連合の事務所も日医会館から出ることについて、「(日医内の組織として位置付けられている)医学会が、もぬけの殻になる可能性がある」と述べ、日医の見解を質した。

 横倉会長は、連合として法人化した理由は、日本専門医機構など、法人格を持たないと社員になれない組織があるためであるとし、その上で現状を次のように説明。「今の場所が手狭になり、医学会連合として事務所を持つことになった。しかし、日本医学会会長は現在も日医会館におり、医学会の事務局も日医内にある。連合という別法人が動いたということであり、日本医学会はあくまで、日医内にとどまるという整理をしている。日本医学会と日医は定期的に会合を開き、相互に協力して活動している」。

 「医師の平均寿命、一般より約10歳短い」
 日医の組織強化については、個人質問でも徳島県代議員の大塚昭広氏が、「魅力ある医師会作りを行う方策」としての日医の見解を質した。「医師の平均寿命は、一般人よりも約10年短い」などの現状も提起し、医師の健康管理にも配慮した組織作りの必要性を訴えた。

 常任理事の市川朝洋氏は、横倉会長の答弁を繰り返し説明したほか、今期は「医師の団体の在り方検討委員会」を設置するなど、時宜にかなった課題ごとに委員会を設置し、課題解決を図ってきたとし、理解を求めた。

 そのほか、フロアから組織強化に向けた提案や意見が幾つか出された。

◆長野県代議員の関健氏
 発想を少し変えて行くことが必要ではないか。それには医師資格証を活用する。医師国家試験に合格した人全員にプレゼント、臨床研修が終わったら、医籍に修了登録するが、それも書き込む。また発行から5年後の更新時には、更新料を無料にすることなどを検討すべき。

◆宮城県代議員の橋本省氏
 たびたび代議員会で勤務医の組織強化について質問しているが、医師会員でない医師が約16万人いる。そのほとんどが勤務医であり、組織強化のためには、勤務医が医師会に入るような施策を打つよう要望している。しかし、いまだに直接的に勤務医が「日医が自分たちの見方だ」と思う施策は打たれていない。直接かつ確実に「日医は勤務医の見方だ」という施策を打ってもらいたい。

◆富山県代議員の馬瀬大助氏
 日医に入る動機づけがしっかりないといけない。富山県医師会では、医学会を開催して、専門医制度では必須、共通項目になっている医療倫理の講習を実施したところ、それまで約250人の参加だったが、今回は405人に増えた。日本整形外科学会、日本産科婦人科学会、日本小児科学会の3学会は、シラバスを決めて実施するならいいとして、専門医取得の単位として認めてもらった。医師資格証を持って、講習会に出ないと単位がもらえない、というくらいのインセンティブを付けて運営すると組織強化につながる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515414
医師の残業規制猶予、「医療の特殊性、理解された」日病
専門医機構「情報共有できていない」と指摘

2017年3月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会会長の堺常雄氏は、3月27日の定例記者会見で、2019年度からの導入が検討されている時間外労働の上限規制について、医師では5年間猶予される見通しになったことを受けて、「例外を認めないかなり厳しい改革だが、(政府・働き方改革実現委員会の)委員にも医療の特殊性に対するご理解を得られたと個人的に思っている」と述べた。一方で、病院勤務の医師の「超過勤務の多さは異常だと思う」として、医師に対する規制はさらにその5年後になる見通しだが、2019年度までには可能な限りの対応が必要との考えを示した。

 四病院団体協議会および日本医師会はこれまで、医師を適用除外とするよう要望していた(『「医師は適用除外を」、時間外労働の上限規制』を参照)。今年度中に公表される予定の働き方改革実現会議の「働き方改革実行計画」では、医師に対しての罰則を伴う残業規制は、法施行から5年間猶予される見通しとなった。堺会長は、新たな残業規制の運用が開始される2019年度までの2年間で「できることできないことのタイムテーブルを組んで我々から、(対応策を)言っていかないと行けない。その中で、行政、国民のご理解を得ていきたい」と述べた。

 また、時間外労働の在り方を定める労働基準法についても、「日本の病院は、長い歴史の中で三六協定が何かを明確に理解されていないところがある。医師も労働者となれば、雇用関係の中で『当直業務はこういうもの』『学会参加時は勤務か』といったことをしっかり契約に盛り込み、記録に残す必要がある」と話した。

新たの検討の場を予想、専門医
 3月23日の日本専門医機構社員総会で予定していた「専門医制度新整備指針」の運用細則が審議されなかったことについては、「機構としては予定通り進めたいという意向があるが、いろいろなステイクホルダーの間で情報共有ができていない」と指摘。前執行部体制に比べたらできているとしたが、それでも関係者、特に地方自治体の首長などから「地域医療崩壊」の懸念が出ている背景には、情報伝達不足があると述べた。

 混乱の背景には「医師が一人前になるまでの(卒前、卒後研修、専門研修など)各段階の連携がどうなっているのか。どこが責任を持つのか」が定まっていないことがあるとも指摘。社会保障審議会医療部会での議論が停滞しているとし、今後について「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」のような会議体ができるのはと予想し、「いずれにしても後期研修は、市中病院の関わりが大きく注目していきたい」と述べた。

 3月25日の理事会では、日病独自に養成を検討している「総合診療医」について(『日病が「総合診療医」養成を検討』を参照)、2018年4月からスタートさせる方針を確認したと報告した。



https://www.m3.com/news/general/515513
宙に浮く尊厳死法制化 「今の案では不完全」 「私たちの最期は」「解探る政官学」
2017年3月28日 (火) 共同通信社

 尊厳死の法制化を目指す超党派の国会議員連盟が、法案をまとめ上げたのは2012年だ。

 医師が人工呼吸器などの延命措置を中止しても、刑事、民事、行政上の責任を免除するとの内容。医師の独断で患者の命が左右されないよう、患者本人が正常な判断ができる間に意思を書面にしていること、2人以上の医師が判断に参加することを条件に付けた。

 だが5年たった今も法案は宙に浮いたままだ。

 「いろんな立場や思いがあり、各党とも党内合意がなかなか得られない。機が熟さない」と議連会長で民進党参院議員の増子輝彦(ましこ・てるひこ)(69)。

 人の生死の在り方を法律で規定することに賛否は分かれ、特に障害者や難病患者の支援団体から「命の切り捨てにつながりかねない」との声が上がった。議連は「障害者の尊厳を害することのないように留意しなければならない」との条文を加え、「本人が望まなければ法律は適用しない」と繰り返し説明した。

 増子は「これだけ速いスピードで社会の高齢化が進んでいる。国会も責任を果たす必要がある」と話すが、法案提出の見通しは立っていない。

 議連と伴走する形で法制化を目指してきたのが日本尊厳死協会(東京)。設立は1976年で、自らの意思で無用な延命措置を受けず、自然な死を迎えたいと願う市民約11万人が入会する。終末期医療を巡って医師が刑事責任を問われるたびに関心が高まり、会員数を伸ばしてきた。意思表示ができなくなった場合に備えて書面に残す「リビングウイル」の普及も呼びかけてきた。

 だがここに来て、理事長の岩尾総一郎(いわお・そういちろう)(69)は「議連の現法案のままで法制化を求めるのはやめよう」と考えるようになった。「今となってはあの法案では不完全。社会情勢に内容がそぐわなくなってきた」。この5年間にも高齢化はさらに急速に進み、認知症患者や身寄りのない独居高齢者が増加。終末期での本人の意思確認が困難を極めるケースが増えている。

 「尊厳死が本当に自らの意思なのか、時間がたっても気持ちが変わっていないか。第三者が患者の尊厳を守る仕組み作りが必要。時代に合った法案にしないといけない」

 岩尾は厚生労働省勤務が長く、最後は医政局長を務めた。岩尾の古巣は終末期医療にどう対応しているのか。(敬称略)



https://www.m3.com/news/general/515503
受刑中の国保料、減免に差 自治体への周知要請
2017年3月28日 (火) 共同通信社

 総務省は28日、受刑中も国民健康保険(国保)の保険料を支払うかどうか、自治体によって対応が割れているとして、減免可能なことを周知するよう厚生労働省に要請した。総務省は、減免により出所後の生活に必要な資金が確保され、円滑な社会復帰、再犯防止につながるとしている。

 刑務所や拘置所などに収容されている場合、国保や介護保険は適用されず、医療費などは全額を国が負担。こうした事情などから、自治体が条例で規定すれば、受刑者らの保険料を減免できる。

 総務省は全国64市町村を抽出し、昨年8月時点の状況を調査。国保では3自治体、介護保険では25自治体が減免していなかった。条例に規定がないためで、小規模な自治体が多かった。

 総務省の有識者会議では「法律で減免を定めるのが望ましいが、法定しなくても運営主体間で不均等にならないようにすることが適当」との意見があった。

 これを受け同省は、厚労省に対し、自治体に示している条例のひな型に減免規定を盛り込むことを検討したり、制度上は減免可能であることを自治体に伝えたりするよう要請。減免される場合も、受刑者ら本人からの申請が必要なため、周知を求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515559
シリーズ 日医代議員会
「受動喫煙対策、各医師会も協力を」、今村副会長
第139回日医代議員会、各医師会から推進求める声

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の今村聡氏は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、受動喫煙対策について、「2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、屋内完全禁煙を定める罰則付きの受動喫煙防止法や条例の制定を求めていく」と述べ、国民の健康を守るためにも、受動喫煙対策強化に向けた取り組みを邁進していく必要性を強調した。この問題については、対策強化を求める声が各医師会から多数挙がった。

 今村副会長は、低所得者で喫煙率が高く、「所得格差」が「健康格差」になっている現状を問題視。さらに例えば、飲食店では、利用者にとっての問題にとどまらず、そこで働く従業員には若いアルバイトが少なくないことから、「働く人」の健康を守る視点からの受動喫煙対策が重要とし、日医だけでなく、都道府県医師会レベルでの活動が求められるとした。

 ただし、一方で、受動喫煙対策強化には難しさもあるとした。今村副会長は、「たばこ税収が年間2兆円を超え、国や地方にとって大きな財源になっている。財政収入の安定的確保を目的としているたばこ事業法は根本から改めなければいけないが、たばこ税に代わる安定的な財源確保が当然必要になってくる。現在、巨額な債務残高を抱える我が国にとって決して容易なことではない」と説明。

 日本禁煙学会がインターネット上で実施している、受動喫煙防止に関する署名では、「反対が約60万件で、賛成が1万という状況。国民的な支援がない限り、なかなか簡単には行かない」と今村副会長は述べ、関係機関、関係団体が連携し、啓発活動などを継続して行うことが重要であり、その中で医師会が果たす役割は大きいとした。

 「たばこ規制法」の制定が必要
 受動喫煙対策について質問したのは、東京都代議員の蓮沼剛氏。都医師会では従来から受動喫煙対策に力を入れており、「タバコ対策委員会」を設置し、歯科医師会、薬剤師会、看護協会などの団体も巻き込み、対策に取り組んでいる。蓮沼氏は、「たばこ事業法」に代わり、「たばこ規制法」の制定が必要とし、日医の考えを質した。

 今村副会長は、「たばこ規制法」の制定は、「目指すべきゴール」と支持。受動喫煙対策は重要であるとしたものの、健康増進法の改正案について、「多くの国会議員から法案に対する反対意見、あるいは慎重論が出たために、当初の厚生労働案からかけ離れた内容が示されたことについては、国民の健康増進という視点からは容認されるべきものではない」と語気を強めた。

 その上で、受動喫煙により影響を受ける国民全体で問題意識を共有してもらうため、日医としては、国民向けの啓発資料として、『禁煙は愛』という冊子を作成するなど、さまざまな啓発活動に取り組んでいることを紹介。

 今村副会長は、2016年12月、厚労省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の資料にも言及。「40歳代男性の喫煙率は400台と非常に高い結果だった。さらに保険者ごとに違いがあり、所得の低い被保険者が多い協会けんぽにおいては喫煙率が高く、所得格差が健康格差につながる原因になっていると示唆された」。また、健康日本21(第二次)では、たばこが原因とされるCOPDの認知度を向上させることが盛り込まれていることを踏まえ、「都道府県の健康増進計画に位置付けることになっているが、10カ所の県でいまだ位置付けがなされていない。この点については確認し、ぜひ医師会から行政に働きかけをしてもらいたい」と求めた。

 関連で多数の質問
 受動喫煙対策については関連で、以下の通り、多数の質問や意見が出た。

◆東京都代議員の橋本雄幸氏
 東京都医師会では、東京都出身の議員にロビー活動をしているが、今国会で受動喫煙防止法の成立が危ぶまれている状況を鑑み、今後、JTやたばこ栽培農家、あるいは飲食店経営者、自民党のたばこ議連など、法案に反対する団体を圧倒する国民的な運動が必要ではないか。国民の8割くらいはサイレントマジョリティー、つまりたばこを吸わない世の中。日医が医療関係団体の先頭に立って活動することは考えているのか。

◆岡山県代議員の清水信義氏
 日医単独よりも、各都道府県医師会が禁煙宣言を出す方が、国民的な意見としてまとまっているという印象がある。日医は各都道府県医師会にそれを推進するよう働きかけてもらいたい。

◆群馬県代議員の川島崇氏
 サービス産業では、受動喫煙は、客の問題に矮小化されている。職員を守ることが必要であり、職場における受動喫煙対策を実施すると、国民の支援が得られるのではないか。

◆兵庫県代議員の橋本寛氏
 日医として、受動喫煙対策に関する意見広告を全国紙に出してもらいたい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515039
シリーズ 日医代議員会
「医師偏在解消、強制的な仕組み極力排除」、釜萢常任理事
第139回日医代議員会、「医師需給分科会の議論が最優先」

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、医師の地域・診療科偏在について、「国は、開業制限、外来受診時制限など、より厳しい規制を強制的に行ったり、医師以外の職種へのタスクシフティングを導入する可能性がある」との懸念を表明、日医としては、医師の自発的な意思を尊重し、強制的な仕組みを極力排除しながら、医師偏在が解消する着地点を探っていく方針であるとした。3月36日の第139回日医臨時代議員会で説明した。

 釜萢常任理事は、日医では「医師の団体の在り方検討委員会」で議論を深めており、同時に厚生労働省の「医師需給分科会」における医師偏在解消の議論が最優先されるべきと主張。横倉義武会長も同日の代議員会で、同分科会の早急な再開を求めていた(『「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長』を参照)。厚労省は「医師需給分科会」の議論を2016年10月にストップ、代わりに同じく10月に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」を立ち上げて議論を進めており、近く最終報告をまとめる予定。

 医師偏在対策、日医執行部で見解の違い?
 「日医執行部の考える医師偏在対策についての明確な回答」を求めたのは、奈良県代議員の大澤英一氏。質問の背景として、2016年9月20日の第1回都道府県医師会長協議会で、常任理事の羽鳥裕氏が、経済財政諮問会議で塩崎恭久厚労相による「診療所等の管理者要件として、特定地域・診療科での診療を義務付ける」との発言について、「2015年12月の日医・全国医学部長病院長会議の合同提案の一つ」と回答、2016年11月15日の第2回都道府県医師会長協議会で、常任理事の釜萢敏氏もその方針を大筋で認めるとしたものの、中川俊男氏と今村聡氏の両副会長は、「あくまで本人の意思を優先し、国の強制ではない」と答え、執行部の意見統一が図られていないことを指摘した。

 釜萢常任理事はまず、2004年度の臨床研修制度の導入が、医師の地域・診療科偏在に大きく影響したと認めた。政府は、2008年度から医師全体の養成数を増やす対応を取り、大幅な医学部定員増が行われてきたものの、「さらに新たな医学部の開設が浮上したため、2015年12月に全国医学部長病院長会議との合同緊急提言に至った」(釜萢常任理事)。

 2016年11月の都道府県医師会長協議会では、国の医師偏在対策についての議論の中で、医療計画においてデータに基づく医師不足地域を設定し、医師確保目標を設定、対策の策定を行い、その上で医師不足地域での勤務経験を、保険医登録の条件としてではなく、管理者要件にする案が出されていたことから、「合同緊急提言を踏まえて、大筋認めている」と説明したとし、理解を求めた。

 その上で、釜萢常任理事は、「国は開業制限、外来受診時制限など、より厳しい規制を強制的に行ったり、医師以外の職種へのタスクシフティングを導入する可能性がある。医学部定員についても、適正な水準への修正が延期される恐れがあることから、日医は医師自ら偏在対策についての具体策を提言する必要がある」との認識から、「医師の団体の在り方検討委員会」を設置、議論を深めていると説明。

 2008年度からの医学部定員拡大は、今後、その効果が現れることが期待される。「医師偏在対策は長期の展望に立ち、医学部入学時、臨床研修時、専門研修時など、各局面において一貫性を持って行う必要がある。そのためには、各地域の医師需給の実態を客観的指標に基づいて把握する。その際には、勤務医と開業医別、また診療科別のデータを検証するとともに、地域に暮らす人たちが現状を実際にどう評価しているかが重要。この結果は、地域住民、行政、医療関係者が納得できるとともに、国全体として整合性が取れなければならない」(釜萢常任理事)。

 「医師需給分科会」では、医学部入学時の地域枠の活用、臨床研修を出身大学と同じ都道府県で実施することによる定着など、具体化に向けた方向性が示されたことなどから、「まずは医師需分科会における議論が最優先されるべきと考える」と釜萢常任理事は述べ、医師偏在が実際に解消する着地点を探っていくとした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515188
シリーズ 日医代議員会
「個別指導の8000件目標、既に期限切れ」、松本常任理事
第138回日医代議員会、指導大綱は見直さず運用で対応

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「個別指導の年間8000件という目標は、既に期限が過ぎているものの、政府答弁で引用され、行政のノルマとなり、件数をこなすことが目的化している」

 3月26日の第139回日本医師会代議員会で、常任理事の松本純一氏はこう説明、この目標を掲げた「経済財政改革の基本方針2007」の考え方が継続されている現状を、再検討すべきと主張する日医方針を説明した。「基本方針2007」は、2007年5月の「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」で掲げた「個別指導年8000件」の実施を求めているが、これは2008年から2012年までの5年間の目標だ。

 保険診療に関する指導をめぐっては、レセプト1件当たりの平均点数が高い医療機関を対象に行う集団的個別指導、高点数が続いた場合の個別指導の実施を問題視する声も根強い。松本常任理事は、「高点数、イコール悪ではないと主張しているため、個別指導で高点数を下げる旨の指導は行われていないと理解している」と説明したものの、「高点数」を指標とした指導は萎縮診療を招くことから、「本来は診療内容で指導すべき医療機関を選定すべき」とし、さまざまな方策を検討していると説明。

 ただし、現行の指導大綱には問題はあるが、日医としては抜本的な法改正ではなく、厚生労働省当局と協議し、運用見直しにより、できるだけ是正していく方針だという。

 「高点数」を指標とした指導では、各都道府県の診療科別の平均点数、選定された医療機関の平均点数が分からず、「なぜ指導の対象に選定されたのかが、分からない」との問題もある。この点について、大阪府代議員の武本優次氏からは、近畿厚生局への申し入れにより、点数等が分かるような運用にしているとの紹介もあった。武本氏は、医師会の社会保険指導者講習会を、集団的個別指導に変えて医師同士で指導した方が、知識が広がるメリットがあると提案した。

 「高点数、イコール悪ではない」
 集団的個別指導・個別指導等について質問したのは、岡山県代議員の松山正春氏。(1)2007年に閣議決定された、個別指導年間8000件の目標をいつまで引きずるのか、(2)集団的個別指導後の個別指導は、岡山県では「高点数」についての教育的指導は行われず、一般的な指導に終始、通常の個別指導の指摘事項による返還等を求められるだけでは、指導に不信感を持つだけ、(3)1996年に改正された指導大綱を、現実に即した大綱に改める必要がある、(4)地方厚生局の医療指導官は、定年延長、専門医取得が可能になるような柔軟な運用にすべき――と提言。

 松本常任理事は、「保険医と保険医療機関が指導を受けることについては、健康保険法に規定されている」と説明。「保険医療機関の指定時には集団指導と個別指導が行われるが、あくまで教育的なものであり、懇切丁寧に行うこととなっている。その後、レセプト1件当たりの平均点数が高い医療機関は、集団的個別指導の対象となるが、実質的には集団指導のみとなっている。集団的個別指導を受けた医療機関のうち、翌年度もなお高点数の医療機関は、個別指導の主な対象となる。高点数という指標は問題だが、日医は『高点数、イコール悪ではない』と主張しているので、個別指導で高点数を下げる旨の指導は行われていないと理解している」。

 さらに、個別指導の中には、何らの疑義があり、実施されるものもあり、一定の返還金が発生するケースがあるが、「返還目的の指導は厳に慎むべきと主張している」とした。現行の指導大綱には問題があるものの、運用の見直しで是正するよう厚生労働省と協議を行うとし、「2017年度においても、2016年度に引き続き、医療機関の負担軽減の観点から見直しを行ったところ」と述べ、何らかの問題があれば、日医まで連絡するよう求めた。

 松山氏が求める指導医療官の定年延長や、専門医取得が可能になるような柔軟な運用についても、厚生労働省当局との協議で申し入れていくと答えた。

 関連で質問した愛知県代議員の加藤雅通氏は、「高点数で呼ばれる医療機関が、なぜ自院が高点数になったのかが分かるように、愛知県ではレセプトの平均点数を出すようにしている」と説明、ただし、院外処方と院内処方ではレセプト平均点数は異なるが、その辺りの調整がどのように行われているかが不明だとし、ロジックを明確にするよう求めた。

 松本常任理事は、「高点数」の根拠については、日医としても地方厚生局や厚労省に明らかにするよう申し入れているが、なかなか明確な回答が得られないと述べるにとどまった。



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0328506828/
「日病版総合医」、来年春にも研修医募集へ〔CBnews〕
日病・堺会長が方針

CBnews | 2017.03.28 13:00

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は27日の定例記者会見で、日病が内部で検討している「総合診療医」について、6月にも研修プログラムを策定した上で、来年4月にも研修医を募集する方針を明らかにした。【敦賀陽平】

 日病は昨年10月の理事会で、病院の総合診療医について検討する委員会を設置することを決定。患者の高齢化に対応できる医師を増やすことが主眼で、同委では、病院の医師を有効活用するための方策などについて協議している。新年度の事業計画でも、人材育成の一環として、重点項目の一つとなっている。

 堺会長はまた、政府の働き方改革に関して、「日本の病院は古い流れの中で、三六協定が何なのかがあまり明確に理解されていないところもある」と指摘した。

 その上で、「雇用関係の中で、『当直業務はこういうものだ』とか、学会に行く時は、『これは業務だが、これ以上は無理だ』とか、そういうことをしっかりと契約し、記録に残す必要がある」と述べ、勤務内容を正確に記録するためのシステムづくりの必要性を示した。

(2017年3月28日 敦賀陽平・CBnews)



http://mainichi.jp/articles/20170329/k00/00m/040/149000c
東京女子医大病院
「薬過量投与で死亡」で賠償提訴

毎日新聞2017年3月28日 22時06分(最終更新 3月28日 22時06分)

脳腫瘍女性遺族、総額4300万円の損害賠償求める
 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年9月に抗てんかん薬を過量投与された女性が重い副作用で死亡した問題で、遺族が28日、病院の運営法人と医師2人を相手取り、総額約4300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。遺族側によると脳腫瘍を患う長浜さんは14年1月から同病院の処方で抗てんかん薬を服用。同8月には短期間で薬効を高めるとして、別の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を追加され、添付文書で定められた量の16倍の1日200ミリグラムを連日投与された。

 薬剤師が医師に「量は正しいのか」と照会したが見直されず、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。投与開始から20日後に肺出血を併発して死亡した。遺族側は「医学的な必要性がないのに、説明もないまま添付文書に反する危険な処方をした」と訴えている。

 医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた日本医療安全調査機構の報告書は、処方を「標準的な選択とは言えず、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るべきだった」と指摘した。同大学広報室は「訴状を見ておらず具体的なコメントはできないが、誠意をもって対応する」としている。【伊藤直孝】

「医師から副作用のリスクの説明はなかった」
 「医師はなぜ死ぬリスクのある処方をしたのか」。東京女子医大病院による薬の過量投与後に亡くなった長浜裕美さんの夫、明雄さん(42)は記者会見で悔しさをにじませた。

 投与開始から20日後、皮膚がはがれて妻は変わり果て、痛みと絶望の中で亡くなった。主治医は「投与量よりも体質の問題」などと説明した。だが、薬の添付文書は用法や用量を守らなければ重篤な皮膚障害が表れることがあると警告していたのを後に知った。「妻の身に起きたことがそのまま書かれていた」

 医師から副作用のリスクの説明はなかったという。第三者機関も過量投与を認めたのに、病院側は「リスクは説明した」と責任を認めなかった。明雄さんは「安易な処方が招く結果を考えてほしい。問題を繰り返させないためにも裁判で原因と責任を明らかにしたい」と強調した。【銭場裕司】



http://news.livedoor.com/article/detail/12859723/
文春に360万円賠償命令=徳洲会元事務総長が勝訴-東京地裁
2017年3月28日 20時11分 時事通信社

 医療法人「徳洲会」グループの資金3000万円を着服したとして業務上横領罪に問われた元事務総長能宗克行被告(60)=一審で有罪、控訴=らが、週刊文春の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋に計6600万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(伊藤正晴裁判長)は28日、同社に計363万円の支払いを命じた。

 問題となったのは、2013年10月に「徳洲会マネー100億円を貪(むさぼ)る『わるいやつら』」などの見出しで掲載された2本の記事。

 伊藤裁判長は、能宗被告が引き出した資金の相当額は、徳洲会グループなどの政治や選挙活動に支出したと推認されると指摘。同被告が私的に流用したとする記事内容は真実とは認められないなどと判断した。

 文芸春秋の話 承服し難い判決で、直ちに控訴する。 



http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170328000028
口からビー玉、入院患者への虐待疑い謝罪 京都・舞鶴市民病院印刷用画面を開く
2017年03月28日 09時40分 京都新聞

 舞鶴市立舞鶴市民病院(京都府舞鶴市倉谷)は27日、60代の男性入院患者2人について、体にあざや口の中からビー玉が見つかったと発表した。相談を受けた舞鶴署は虐待の疑いがあるとして捜査している。

 病院によると、1人の患者は2月24日から今月11日の間に4回、手の爪に変色や、左脇や胸にあざが確認された。服用する薬剤の影響であざができやすかったが、短期間に複数できるのは不自然という。別の患者は12日の歯磨きなどの際、直径1・5センチの青色のビー玉1個が口に入っているのが見つかった。

 2人は3階の同じ4人部屋にいて、寝たきりの状態だった。ビー玉が見つかった患者は25日に亡くなったが、病院は持病の悪化で今回の件とは無関係としている。院内には防犯カメラは設置されていないという。

 看護師らへの聞き取りでは全員が関与を否定。舞鶴署には21日に相談した。入院患者や家族への説明を28日以降行う。井上重洋病院長は会見で「偶発か故意かは分からなかった。患者や家族、市民に不安な思いをさせて申し訳ない」と謝罪した。病院は医療療養型で100床。

 病院前では、患者の家族から驚きや不安の声が聞かれた。市内の80代男性は「妻が入院しているが、いつも対応が良いので信じられない。悪い話は聞いたことがなく、本当だろうか」と驚いた様子。義父が入院している市内の50代女性は「義父の容体は良くないので不安だ」と心配した。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10793
横浜逓信病院を売却=日本郵政
2017年3月28日 (火)  時事通信

 日本郵政は28日、横浜逓信病院(横浜市)を4月1日付で社会福祉法人、恩賜財団済生会(東京)に譲渡すると発表した。同会は病院を一時閉鎖し、施設を改修した上で2018年以降の開業を目指す。
 日本郵政は全国の10カ所で逓信病院を運営。このうち札幌市、徳島市の病院も4月1日付でそれぞれ別の医療法人に売却することを決定している。 【時事通信社】



http://www.47news.jp/feature/medical/2017/03/post-1672.html
核医学推進へ国民会議設立
深刻な専用病床不足
専門医、患者が参加

2017.03.28 共同通信

 がん治療の一つとして、放射性物質を利用した薬剤を投与し、がん細胞に取り込ませてがんをたたく方法がある。全身に行き渡るので転移がんにも有効で、患者への負担が小さいのも利点だ。だが、日本では入院治療に必要な専用病床が少なく、1年以上待たされる患者がいる。改善に向け、医師や患者、製薬企業などが核医学診療推進国民会議を昨年末に設立し、国などへの働き掛けを強めている。

▽保険適用も
 絹谷清剛・金沢大教授(腫瘍核医学)によると、医薬品に用いる放射性物質には、甲状腺がんなどに対するヨウ素131、骨転移したがんの痛みを抑えるためのストロンチウム89、ある種のリンパ腫に対するイットリウム90、前立腺がんに対するラジウム223があり、それぞれが保険の対象だ。日本では保険適用ではないが、褐色細胞腫など内分泌系腫瘍へのヨウ素131入り医薬品も使われている。

 これらの医薬品は狙ったがん細胞に集まる性質を持たせてあり、がんに至近から放射線を浴びせられる。絹谷さんは「各学会の診療ガイドラインで推奨されている、確立した治療法です」と話す。

 多くは外来治療が可能だが、甲状腺がんや内分泌系腫瘍に対するヨウ素131を用いた医薬品だけは、周囲への放射線量が高くなるため放射線管理のできる専用の病室への入院が必要だ。甲状腺がんの場合、手術で甲状腺を摘出した後、取り残したり転移したりしたがんをたたくためにヨウ素を含む薬のカプセルを飲む。

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▽地域的な偏り
 放射線医学総合研究所の東達也・分子イメージング診断治療研究部長(腫瘍核医学)は「国内に専用施設が少なく、地域差も大きい」と指摘する。

 日本核医学会の2015年のまとめでは、専用病床は全国で計135床。現行制度では採算性が厳しく、廃止が相次いだ結果だ。茨城、岐阜、滋賀、奈良、和歌山、佐賀各県には1床もないか、使われていない。都市部にも少ないという。日本の1床当たりの人口は約94万人で、ドイツの約8万人、フランスの約44万人、英国の約75万人(いずれも1999年当時)と比べて不足が目立つ。

 一方で、社会の高齢化や超音波診断の進歩に伴って甲状腺がん患者は増え、治療までの待ち時間が延びている。

 2013年の同学会のアンケートでは、手術後1カ月未満でこの治療を受けた患者は3%だけ。半年~1年未満が28%、1年以上が56%に達した。半年以上遅れると死亡リスクが4・2倍に増えるとの研究結果があり、制度や設備の限界が患者の不利益になっている。

▽新薬導入にも必要
 東さんは「世界では30を超える放射性医薬品の臨床試験が進行中で、そうした新薬を国内で使うためにも病床が必要。改善が急がれる」と話す。厚生労働省によると、現在進んでいるがん対策推進基本計画の見直しでは、放射線治療の一つとして体制整備を盛り込む方向だが、政策の具体化はまだ先だ。

 こうした現状に、患者団体、患者を支援する団体も危機感を募らせ、国民会議に名を連ねる。

 その一人、NPO法人がんサポートコミュニティー(東京)の大井賢一事務局長は「多くの患者が、こうした治療法があることさえ知らない」と嘆き、「患者に治療法の情報を提供するとともに、治療を受けられない患者の声を国に伝えて改善を求めていく」と話す。

 国民会議代表の絹谷さんも「世界の患者が受けている治療が日本では受けられない状況を解消するため、国民会議の場で患者会とも協力して訴えていきたい」としている。
(共同通信 由藤庸二郎)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/57339/Default.aspx
医療ICT世論調査 遠隔診療への応用は「患者負担に配慮を」 日本医療政策機構
2017/03/29 03:50 ミクスオンライン

日本医療政策機構は3月28日、一般消費者を対象とした「2016年医療ICTに関する世論調査」の結果を発表した。遠隔医療など、インターネットを用いた医師の診療については、「未治療群」の過半数で前向きに受け止めていることが分かった。遠隔診療を受ける理由は、「通院の手間が削減され、治療の継続が楽になる」が全体の580を占めた。このほか生活習慣病治療の中断理由について聞いたところ、年収400万円未満世帯で「費用面の負担」をあげていた。この調査結果を受け同機構は、政策面での課題に言及し、遠隔診療などに医療ICTを活用する場合は、「患者の個人負担などに配慮する必要がある」と強調した。

同調査は、①遠隔診療、②健康・医療データの共有、③人工知能の臨床応用-をテーマに、2016年11月~12月にインターネットを通じ、全国の男女1191人から回答を得た。

インターネットを用いて医師の診療を受ける「遠隔診療」については、850が「受けてみたい」と回答した。その内容については、予防的な相談や慢性疾患のケアに関するものが多く、さらに回答の内訳をみると、健康体よりも、慢性疾患を指摘された「未治療群」で期待が高いことが分かった。遠隔診療に対する関心度を地域別にみると、離島や山村に限らず、都市部においても関心の高さが浮かび上がり、その理由として「通院の手間」をあげる回答が全体の約6割を占めた。なお、遠隔診療に用いるコミュニケーションツールとしては、テレビ電話をメインにチャットを補助的に用いるが480で最も高かった。

◎ICT活用の遠隔診療は治療中断の障壁を取り除く 政策的には「費用負担軽減を」

生活習慣病の治療中断の理由について聞いたところ、年収400万円未満世帯では「費用面の負担」が340となり、通院の手間や、仕事や家庭環境の変化といった項目を上回った。この結果に対し同機構は、「遠隔診療は治療中断の障壁を取り除く可能性がある」と指摘しており、今後の保険導入に際しての議論では、「個人の費用負担を抑えることも同時に検討する必要がある」と分析した。

◎人工知能の臨床応用「導入段階は医師のサポート」

医療・健康データの取り扱いについては、その管理者や所有者について世代間ギャップのあることが分かった。人工知能の臨床応用については、「診断精度が高ければ人工知能を診断に活用して欲しい」との回答が600と最も高かった。そのほか人工知能の活用については「医師の補助」が510だったのに対し、「メインで使用」が290と、22ポイントの差が見られた。同機構はこの結果について、「人工知能は導入段階ではあくまで医師のサポート役であり、最終的な判断は医師が下すという使われ方の方が受け入れられやすい」と結論づけた。


  1. 2017/03/29(水) 05:46:35|
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3月27日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/514886?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170327&dcf_doctor=true&mc.l=213245699&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ 日医代議員会
「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長
第139回日医代議員会、「専門医取得は必須でない」との発言も

2017年3月26日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は、3月26日の第139回日本医師会臨時代議員会で、医師の偏在対策は喫緊の課題であるものの、新専門医制度だけで解決できるものではないと指摘し、現在は議論がストップしている厚生労働省の「医師需給分科会」の早急な再開を求めた。

 「医師需給分科会」が休会となっているのは、塩崎恭久厚労相が2016年10月に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」を設置し、医師偏在対策も含めて議論しているため。横倉会長は、日医代議員会の冒頭挨拶でも「政府内での議論の進め方も含めて、大変危惧している」とコメントし、厚労省の医師偏在対策の議論の進め方を問題視していることがうかがえた(『「かかりつけ医の普及と定着、日医の最大課題」、横倉会長』を参照)。

 さらに横倉会長は、専門医取得の考え方について、「全ての医師が専門医にならなければいけない理由はない。また専門医を取得するか否かは、あくまで医師の自律性に基づき実践されるものであり、国の介入による法的な規制を求めるものではない」との見解を表明。

 「総合診療専門医を19番目の基本領域の専門医とすることは不適切」との質問には、「総合診療専門医とかかりつけ医を明確に区分したい」と答弁した。総合診療専門医に限らず、専門医は、あくまで学術的な位置付けであり、医師の生涯にわたる自己研鑽の一手段であるとした。一方、医療提供体制において位置付けるのは、かかりつけ医で、その担い手は内科、外科などの各領域の医師であり、そこに総合診療専門医も含まれるという考え方だ。総合診療専門医は、厚生労働省の2013年4月の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書で、19番目の基本領域専門医に位置付けられたことから、「これを外すには、もう一度、検討会を開催して、書き直さなければいけない」(横倉会長)。

 専門医の関連では、日医から日本専門医機構への運営資金の貸し付けに関する質問も出た。横倉会長によると、日医として「1億円を上限として貸し付けることで了解をしているほか、各学会も負担している」と説明。松原謙二副会長がその詳細を次のように説明した。「当初5000万円を貸し付け、3、4年内に、日本専門医機構の運営が軌道に乗れば返却してもらう。そのほか、学会の中に負担できないところがあり、3000万円ほど貸し付けており、この年度末までの返却予定だったが、少し延長することになるだろう。つまり現在、1億円のうち、8000万円まで貸し付けている」。

26日の代議員会は、8つのブロック代表質問と、12の個人質問が出された。

 総合診療専門医、19番目の基本領域は「不適当」
 新専門医制度についてブロック代表質問したのは、和歌山県代議員の寺下浩彰氏。(1)医師の偏在対策は、新専門医制度と切り離して、別の組織で議論すべき、(2)19番目の基本領域の専門医として、総合診療専門医を設定するのは不適当――と述べ、日医の見解を質した。これらに対する横倉会長の答弁は、下記の通り。また関連で、三重県代議員の青木重孝氏が総合診療専門医の位置付けを問題視、兵庫県代議員の橋本寛氏が貸し付けについて質問。

 なお、総合診療専門医については、個人質問でも、大阪府代議員の加納康至氏からも、「総合診療専門医は、サブスペシャルティとして位置付けるよう、制度設計の見直しを図るべき」との質問が出た。答弁した羽鳥裕常任理事は、「内科や外科のサブスペシャルティにした方が合理的ではないか、という意見も多数聞いている。一方、医師不足地域では、基本領域に総合診療専門医を位置付け、当該地域での活躍を期待する声もある。調整が極めて難しい状況にあり、最終的な取りまとめには、もう少し時間がかかる」と回答した。

1.医師の偏在対策と新たな専門医の仕組みについて

 昨年12月に、日本専門医機構は、「専門医制度新整備指針」を策定、その中で、専門医制度確立の基本理念の一つとして、医師の地域偏在等を増長することがないよう、地域医療に十分に配慮した制度設計とすることが明記されている。これは新たな専門医の仕組みにより、偏在が解消するのではなく、これ以上、偏在等を増長することないよう、柔軟な対応をするという趣旨と理解している。

 日医は昨年11月に、日本専門医機構に対して、(1)基幹施設の基準は、大学病院のみ認定されるような基準とすることなく、原則として複数の基幹施設が認定されるようにする、(2)専攻医の採用は基幹施設だけではなく、連携施設でも行えるようにする、(3)研修プログラムの認定に当たっては、各都道府県協議会において、医師会、大学病院、病院団体など、地域医療の関係者の了解を得る――など7項目の要望書を提出した。これらの趣旨は、「専門医制度新整備指針」および運用細則において反映されることになり、最終的な検討が今行われている。

 一方、2月には全国医系市長会が、厚生労働大臣に対して、医師偏在を増長することがないよう、拙速な議論を避けるとともに、基礎自治体の意見反映などを求める要望書を提出している(『「新専門医制度を危惧、拙速は反対」、全国医系市長会』を参照)。

 昨年、新たな制度について、一度立ち止まって再検討することになった最大の要因は、地域医療への影響に対する懸念であったことを鑑み、今後も日本専門医機構の適切な運営、都道府県における協議の場が実務的に機能するように、引き続き日本医師会としても努力していく。

 医師の地域偏在対策は、社会保障審議会医療部会、「医療従事者の需給に関する検討会」の下に設置された「医師需給分科会」で、昨年9月から具体的な議論を開始した。この分科会においては、医学部入学、臨床研修、専門研修など、それぞれの局面で有効な具体的対策、その前提となる各地域の現状の客観的データに基づく検証などの議論を深め、昨年末までに一定の結論を得る予定だった(『医師確保対策は“未定”、医療計画の「作成指針」』を参照)。

 しかしながら、昨年10月に、厚生労働大臣の私的な検討会として、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が設置されて以降、政府審議会の下部組織である「医師需給分科会」は開催されていない。

 医師の偏在対策は喫緊の課題であり、日本専門医機構の対策だけでは、偏在解消はできないので、「医師需給分科会」の早急な再開を求め、地域の実情に応じ、医師の個人の意思を尊重した上で偏在が解消できるような仕組み作りを分科会で検討していく。

2.総合診療専門医について

 総合診療専門医については、2013年4月に厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書において、19番目の基本領域の専門医に位置付けられている。高齢化が加速する我が国の状況において、多様な疾患を持つ高齢者の特性等に応じて、臓器別診療能力に加えて、総合的な診療能力が期待されていると認識している。

 総合診療領域に限らず、専門医の仕組みはあくまで医師の生涯にわたる自己研鑽の一手段として、学際的かつ自律的なものと位置付けることが肝要。全ての医師が専門医にならなければいけない理由はなく、また専門医を取得するか否かは、あくまで医師の自律性に基づき実践されるものであり、国の介入による法的な規制を求めるものではない。

 総合診療専門医の養成も、学術的に高いレベルが担保されるべきであり、他の専門領域と比べると、養成課程もまだ不十分であり、このことは日本専門医機構での議論に反映されるように対応していく。

 地域医療や地域包括ケアを支える重要な柱は、医療提供機能としてのかかりつけ医であり、全国各地域でかかりつけ医が十分な機能を発揮できる環境整備が必要。今後ともかかりつけ医が定着するよう鋭意努力していく。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201703/550691.html
臨床研修病院はマッチング時に「地域枠医師」かどうかの確認を
地域枠義務放棄の医師採用は研修補助金を減額

2017/3/27 加納 亜子=日経メディカル

 都道府県や大学により卒後一定期間、所定の医療機関で勤務することなどを条件に設けられた入試枠(地域枠)を活用して医学部に入学した医師を、指定されている場所以外の臨床研修病院が採用した場合、その病院への臨床研修費補助金を減額することなどを記した「医師臨床研修制度における地域枠医師への対応(案)」を3月24日、厚生労働省は医道審議会医師臨床研修部会で提示。大筋で了承された。2017年度以降、補助金の目的として「地域における医師不足の是正」を明示することで、地域枠医師の卒後の義務履行を促したい考えだ。

 地域枠とは、地域医療に従事する明確な意志を持った学生の選抜枠として設けられた入試枠のこと。様々な形態の地域枠があるが、卒後一定期間、地元の医療機関に勤めることを条件とする都道府県の修学資金(奨学金)制度を活用する枠が多い(参照:「医師不足解消の救世主?『地域枠』の実像」)。

 しかし、地域枠を活用して医学部に入学した医師が、卒後に都市部の臨床研修病院を選ぶケースが相次いでおり、何らかの対処をすべきとする意見が示されていた。こうした意見を受け、厚労省は対応策を提示した。

 厚労省が提案したのは、(1)マッチングの規約改正、(2)臨床研修病院への採用前の確認の要請、(3)地域枠医師へのフォロー体制整備――の3つ。

(1)マッチングの規約改正
・ 所定の医療機関での勤務といった臨床研修期間中の義務要件が課せられている地域枠を卒業した医師は、マッチングの選考手続き時に病院に申し出る。
・ 各都道府県は地域枠の学生について、氏名、大学、義務要件のリストを作成し、厚生労働省を経由して臨床研修病院に情報提供する。
・ 研修希望者が地域枠の場合に、臨床研修病院が該当する都道府県に照会できる仕組みを設ける。

(2)臨床研修病院への採用前の確認の要請
・ 臨床研修病院は、マッチング前に研修希望者が地域枠卒業生かどうかを確認する。
・ 研修希望者が地域枠卒業生であった場合、義務履行要件と研修プログラムに齟齬がないかどうかを確認した上で順位登録をする。

(3)地域枠医師へのフォロー体制整備
・ 各都道府県は、地域枠を卒業した医師について採用先病院を調べ、義務履行要件と研修プログラムに齟齬がないかどうかを確認して厚生労働省に提出する。
・ 2017年度から、臨床研修費補助金の目的として「地域における医師不足の是正」を追加。義務履行要件に反する研修医を、臨床研修病院が採用している場合、当該病院に対する臨床研修費補助金を減額する。さらに、当該病院については、今後、募集定員を削減することも検討する。



http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-467714.html
<社説>北部基幹病院整備 県は構想を早期実現せよ
2017年3月27日 06:02 琉球新報

 健康で豊かな生活に医療の充実は欠かせない。地域によって医療体制に差があってはならない。県は北部全12市町村など関係者と連携し、速やかに北部の医療体制の充実を進めるべきだ。

 県立北部病院と北部地区医師会病院を再編・統合し、基幹病院とする構想の実現を求める北部12市町村住民総決起大会が名護市であった。離島を含む北部全域から約3200人(主催者発表)が参加し、500病床の機能集約病院設置などを求める大会決議を全会一致で採択した。
 北部地域では救急対応などの急性期医療は北部病院と医師会病院が担っている。両病院は多くの診療科が重複している一方で、ともに医師が少なく、医師の過重負担が生じ、慢性的な医師不足に悩まされている。
 心筋梗塞や頭部損傷など重篤な3次医療に対応できないこともあり、入院患者の約2割が中南部へ転院せざるを得ない。
 さらに両病院での分散や医療機能の縮小が症例数を少なくし、医師の育成を困難にして新たな医師を確保できないという「負の連鎖」も起きている。
 北部地区では2006年に北部病院の産婦人科が医師不足による休止に追い込まれたことをきっかけに、医療体制構築が喫緊の課題となった。議論の末、14年には県の研究会が両病院の統合を提言した。
 しかし県は今年2月の県議会定例会でも「統合する際の課題の抽出作業に取り組んでいる」と答弁し、統合は見通せない。
 経営形態の違う病院の統合に課題が多いことは理解できる。しかし時間をかけ過ぎることにより、負の連鎖が進んでいるのではないか。
 今回、採択された「やんばるの医療を守る宣言」は行政と医療機関の責務に加え、「安易な夜間診療を控える」など住民の責務を盛り込んだことが特徴だ。限られた医療資源の中で住民自らが努力して地域医療を守るという気概を感じる。
 北部の代表は27日、決議と11万人余の署名を持って県知事や県議会議長に要請する。
 沖縄21世紀ビジョンの将来像5本柱の一つは「心豊かで、安心・安全に暮らせる島」というものだ。その中に「誰もが生きがいをもち、十分な医療や福祉が受けられる沖縄」との項目が含まれる。お題目にしてはならない。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170315-OYTET50036/
編集長インタビュー
原発事故後の福島で住民と共に歩む医師・坪倉正治さん
坪倉正治さん(4)原発事故後の地域医療 現場からの改革を目指して

2017年3月27日 読売新聞

 暮れも押し詰まってきた2016年12月30日の深夜。丸一日の外来が終わり、自宅でくつろいでいた坪倉正治さん(35)の携帯電話が鳴った。電話の主は、東京電力福島第一原子力発電所から22キロ南にある福島県広野町の民間病院「高野病院」の事務長、高野 己保さんだった。

 「『院長の自宅が燃えています。火事です。おそらく院長はもう助かりません』と言われた。ショックでしたがすぐに医療体制が気になりました。『入院患者さん、当直はどうするんですか?』と聞きました。『1月1日、2日はいつも来てくださっている大学の非常勤医師が来ます。3日は来ません』と言われたので、『3日の当直は僕が行きます。1月中に医師が入っていないのはどこですか?』と返しました。医師がいない日に南相馬市立総合病院などの病院から若手が手伝いに行けるよう調整を始めました」

 高野病院は、原発のある双葉郡内で唯一残った民間病院だ。81歳だった院長の高野英男さんが唯一の常勤医として、週3~4回当直勤務もこなしながら、118床(療養病棟65床、精神科病棟53床)の患者を引き受けてきた。昨年末の火災で院長が急死し、1本の屋台骨でぎりぎり支えてきた医療体制が一気に崩壊する危機に見舞われた。

 坪倉さんはその3年ほど前から事務長と交流があった。

 「浜通り(福島県沿岸部)にある病院が、震災直後どんな状況だったか、今後の対策に役立てるためにインタビューをして冊子にまとめようとしていたんです。原発事故の初期の問題は、医学・医療ではなくて、国家による危機管理の問題です。地域医療が事故当初の3か月でどうなったのかを残しておく必要があると思っていました。対象病院の中で、高野病院は、『双葉郡で一つだけ残り、高齢の医師が孤軍奮闘している』という印象しかありませんでした」

 会いに行ってじっくり話してみると、町の人口は激減し、その後の産業構造も変化している。民間病院という理由で行政の支援も手厚くなかった同病院は、医療スタッフの確保にも経営的にも非常に苦労していた。

 「事務長の己保さんに、『あなた自身が、あなたの言葉で今までの病院の現状を世間に伝えるのなら、お手伝いさせてください』と伝えました。そして、己保さんは2016年から『高野病院奮戦記』というメールマガジンの連載を始め、僕もその内容にアドバイスしていました。それでも、来年院長が82歳になるからもう限界という話になり、知り合いの記者を通じて、新聞に窮状を投書しようと準備していたのが昨年12月。年明けに掲載も決まり、『良かった、良かった。これで仕事納めですね。それでは来年また』と話してから1週間後に、あの火事があったんです」

若手医師らで「高野病院を支援する会」設立

 すぐに南相馬市立総合病院をはじめ周辺病院に勤務する若手医師6、7人の日程を調整し、交代で医師を派遣するシフトを組んだ。翌朝の大みそかには、後輩医師の尾崎章彦さんが事務局長になり「高野病院を支援する会」を設立。ボランティアの医師やそのための資金の寄付を全国に呼びかけた。

 「2か月間ぐらいの短期間をボランティアの医師で回しても、それはただの応急処置。原発事故で町内の人口は減り、代わりに除染復興作業員が多く居住し、その結果、救急が増えました。患者構成が変わっていく中で、これまでのように経営を維持するのは非常に困難だと思います。4月からの常勤医もめどがつき良かったと思います。しかし、それで安定して医療が回るかと言えば、高野元院長の代わりに必死に働かないといけない次の医師が見つかったというだけ。根本から、医療提供体制を見直さないと先はないです」

 東日本大震災と原発事故で一気に医師不足が加速した浜通りで、坪倉さんは若手医師が進んで働きにくる場所になるよう、そして研究や論文発信などの学術的な活動ができる体制を整えてきた。高野病院を含め医療過疎となったこの地もまた、工夫次第で若手に魅力のある医療現場になり得ると考えている。

 「在宅診療や慢性期(症状は安定しているが長期的な療養が必要な状態)のケアを勉強し、地域の中でどうやって一番良い医療を提供するかを実践するなら、格好の場所でしょう? 若い家族が出ていき、自宅に1人ではいられないから病院に入院を続けるという社会的入院も多い。そういう社会の一部としての病院の役割を勉強したいならうってつけの現場です。ただそのためには、診療の指導体制がしっかりし、研究して論文を書いたりする学術的サポート体制がしっかりしていることが必要ですし、そしてお金も必要です。若者がここで勉強するために投資しようという考えが医療行政や病院経営者になくてはなりません」

 「福島県浜通りで起きた医療問題は、ほかの産業の課題と同じで、地域消滅と地方創生の話です。少子高齢化や過疎化など元々抱えていた問題が原発事故で加速し、2030年ぐらいになった状態に置かれています。ほかの産業では、地域の連携強化、ブランド化、ITの導入、病院や役所などの生活に必要な機能が近隣にまとめられたコンパクトシティーなど、いくつかの成功した事例があります。結局、そうした成功事例が目指したのは、旧体制からの脱却です。防波堤や防潮堤、除染のような公共事業にトップダウン的に金が落ちてバラマキが行われ、土建国家型の復興や都市の一極集中、例えば都心部の現場にいない人が全てを決めたり、建設業や土着の限られた企業だけが潤ったりという古い仕組みから脱け出す。自前で将来像を見いだし、ボトムアップの新しい仕組みを 創つく り出すことでしか未来はないはずです。医療も同じ岐路に立たされています」

若手が働きたい場所にするために 医療での挑戦

 そして、医療の世界で地方創生を果たすため、坪倉さんは若手医師が魅力を感じる職場作りに腐心してきた。

 「震災のどのような影響でどのような患者が増えたのかを見極め、診療し医療も産業として成り立つ。かつ、僕ら若手医師はここに来れば新しい勉強ができて、それは将来に役立つ。そして海外に発信することができる――。そんな成功事例を積み重ねることで、この場所をブランド化しようともがいてきたのがこの3年です。一方で、地元の大学病院や有力病院に予算が落ち、そこに新しい建物がどんどん建って、教授職などのポストが増え、そこから地域の病院に若手医師が派遣され、地方からはお礼参りをしないとシステムが回らないというのが典型的な旧体制。高野病院の件でも、トップダウン的に予算が落ち、大きな組織から派遣される形を取るのか、地元が団結して新しい価値を創造し、そちらに予算がつくかという引っ張り合いがなされましたが、結局、関係者で問題認識は共有されたものの、この危機をきっかけに新しい医療体制を作ろうという動きにはならなかった。高齢化で医療が大変、忙しくて人手不足とみんな言っていますが、超高齢社会の地域医療は現在の産業と同じで、一極集中型の土建国家型復興ではどうしようもない。大きな病院からトップダウン型に予算が落ちる仕組みに、なぜみんな違和感や危機感を持たないのか不思議です」

 坪倉さんは週の半分、浜通りの病院に通っているが、夜は、診療後に自主的に坪倉さんのもとに集まる若手医師に対し論文の書き方や研究の進め方の指導をしている。終わるのはいつも日付が変わった後。かつて20代だった坪倉さんが、東京大学で指導教官にしてもらったことを、福島で後輩医師に行っている。

 「自分の専門技能やキャリアを築けるという魅力がないと、若手医師は地方に来る意味を見いだせないし、10年後にここに来る人はいない。今いる平均年齢50~60代の開業医が引退する頃には、誰も帰ってきません。若手が1人来たら、『当直要員が1人増えた!』とロートルが喜ぶようなところには、絶対来ません」

 坪倉さん自身、福島に支援に入った当初は、東大の同期の医師たちに、「キャリアを捨ててもったいないな」「いつまでそんなことやるんだ?」「そんなのは医者の仕事じゃない」と心配されたり、冷笑されたりしてきたという。

 「でもずっとここでやっていて、ある程度学術的な発表をし、良くも悪くもマスコミで取り上げられたりすることが増えると、今度は『お前は現場があって、ちゃんと学術テーマもあっていいな』『羨ましいよ』という声に変わりました。3年目ぐらいで完全に逆転しました。後に続く後輩医師もそれぞれが進路に迷っているはずです。彼らにもやりがいを見いだせるように、環境を整えてあげたい」

 そして、坪倉さんは、自身の人脈や、支援を惜しまない大先輩の東大教授らの協力によって、海外の大学や市町村との連携を図り、様々な挑戦を仕掛けている。

 「ここで診療もしながら公衆衛生をやりたい若手に来てもらえるといいし、それを指導できるような立場になれればいいと思うのです。要は、若手にとってここに来る面白みをどんどん増やすことが必要です。福島に来てから、僕らのチームで発表した論文は約70本。まだこれから残さなければならないデータ、調べなければならないことはその2倍以上あります。イギリスのエジンバラ大学とは、格差など健康の社会的な決定要因についての共同研究を組んで、研究者を受け入れています。大地震の起きたネパールとも行き来し、上海の復旦大学にはうちの医師が1か月間留学し、介護要員不足の問題を共同研究しています。また、南相馬市がドローン(小型無人機)の特区になったので、過疎地医療の対策としてドローンを使った遠隔医療を試してみるといった案も出ています。いろいろ考えています」

さらに成長し、福島に関わり続ける

 支援に入った当初は20代だった坪倉さんも、現在35歳。6年間、無我夢中で走ってきたが、自身の医師、研究者としてのキャリアを考えると、留学も必要となる。

 「6年たってどうするの?と最近よく聞かれます。福島に関わり続けるとしても、そのためにも僕自身、勉強が足りません。教養もないし、ステップアップを図らなくてはいけません。学術的な地位もなく、国の研究費を申請するのも一苦労です。海外とも交流しながら公衆衛生を学ぶのか、放射線防護について学ぶのか、危機における医療コミュニケーションについて学ぶのかなど決められていませんが、自分の専門性を高めるためにも、いったんここを離れて留学することも必要だろうと思っています」

 原発事故後の福島に放り込まれるようにやってきて、住民と共に悩み、新たな地域医療を創り出そうと走り続けてきた坪倉さん。6年たって、自分の将来を考えながら立ち止まり、その先の未来は、何をやろうとしているのだろう。「やはり、若い頃に思い描いていたように政策やシステムを作る仕事をしたいのですか?」と尋ねると、こう返ってきた。

 「政策やシステムを作る仕事をするのは面白そうだと思う反面、そういう仕事を専門で行うようになると、現場を持たなくなりますよね? それにはすごく違和感があります。いつでも現場にはいたい。結局つらいとき、迷ったとき患者さんや地元の人がかけてくれる声に救われて、助けられ、力をもらって前に進むことができました。福島の現場でいろいろな人に出会えたことは一生の財産です。多くのご縁をいただきました。そう思える医者でいられることは、本当に幸せなことです。ここで働けたことに感謝していますし、だからこそ、結果を住民の皆さんに返していきたい。これからもずっと福島に関わり続けたいと思っています」

 (終わり)



https://www.m3.com/news/iryoishin/515025
シリーズ 日医代議員会
「物から人に財源移転を」、横倉会長
第139回日医代議員会、「政治への働きかけ」各医師に協力要請

2017年3月27日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は3月26日の第139回日医臨時代議員会で、2018年度診療報酬改定に向けて、「物から人への財源調整、アベノミクスの成果を社会保障の財源に使う」ことを求めていく方針を表明、6月の「骨太の方針」、12月の予算編成がそれぞれ節目になるとし、政治への働きかけも必要であることから、各医師への協力を求めた。

 横倉会長はまず、消費税率の8%から10%への引き上げが延期されたことを挙げ、「極めて厳しい状況の中で、さまざまな活動をせざるを得ない。特に次年度は診療報酬と介護報酬の同時改定であり、地域包括ケアを何としてでも作り上げなければ、高齢化が進む我が国の将来はないのではないか、というくらいの危機感を持っている」との認識を説明。

 その上で、6月に「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太方針)が決まることから、「その前に、しっかりと対応をしていかないといけない。ゴールデンウイークをはさみ、関係の政治家には医療界全体の意見として申し入れしていくために、今、準備を始めているところ」とした。さらに12月20日頃には次年度の予算編成が決まることから、「それに向けて全国の先生方の協力のもとで、やっていかなければいけない」と呼びかけた。

 横倉会長は、2014年から2015年にかけて国民医療費は3.8%増加したことを説明、「例年は2%前後なので、非常に伸びが高い。特に調剤医療費は9.4%、その中で薬剤費は11.3%伸びている。『物から人へ』の財源の移動を求めているが、『人から物』に動きすぎているのが実態。まずは物の値段を適正な価格にして、その分を人件費に充てていくことが重要」と訴えた。

 安倍政権は、「一億総活躍」「地方創生」を挙げている。「全国に普遍的にあるのは、医療機関。そこで働く人は、300万人を超えるが、実はこの6年間、適切なベースアップができない状況にある。このことをしっかり主張していく」。横倉会長はこう指摘し、物ではなく人に対し、アベノミクスの成果を社会保障の財源に使うよう求めていく決意を表明した。

 以上は、兵庫県代議員の豊田俊氏による質問への答弁。横倉会長は、同代議員会の冒頭挨拶で、2018年度診療報酬改定で「人に対する十分な財源を手当てするよう、政府与党に強く求めていく」などと述べたのに対し、「地域包括ケアシステムの実現は非常に難しいと考えている」とし、財源手当ての見通しを改めて質したことへの回答だ(『「かかりつけ医の普及と定着、日医の最大課題」、横倉会長』を参照)。



https://www.m3.com/news/general/515150
延命中止は犯罪か 医師捜査で混乱、議連動く 「私たちの最期は」「解探る政官学」
2017年3月27日 (月) 共同通信社

 「終末期医療が雑誌の特集で話題になるのは一つの時代の流れ。問題提起してもらうのは決して悪いことではない」

 今年3月、国会内で取材に応じた民進党参院議員の増子輝彦(ましこ・てるひこ)(69)はこう語った。「平穏死」を提唱する動きや、静かに広がる「終活」ブームも念頭にあるのだろう。

 増子は超党派の国会議員約200人でつくる「終末期における本人意思の尊重を考える議員連盟」の会長。患者自らが「尊厳死」を選ぶ権利を法律で定めようと、2005年に発足した。

 当初は「尊厳死法制化を考える議員連盟」という名称だったが、「安楽死を容認する政治活動だ」と誤解されやすく、15年に現在の名称に改めた。増子は「われわれが目指すのはあくまでも尊厳死。安楽死は全く選択肢にない」と強調する。

 尊厳死と安楽死。明確な定義があるわけではないが、安楽死が薬物投与などで積極的に死をほう助することを指すのに対し、尊厳死の場合は、死期を引き延ばすだけの延命措置をしない、または中止し、自然な死を迎えるといった意味合いだ。

 議連の発足前後、終末期医療の在り方を巡り医師が刑事責任を問われるケースが相次いでいた。

 05年5月、心肺停止状態で搬送されてきた90歳の男性の人工呼吸器を外して死亡させたとして、北海道立羽幌病院に勤務していた医師が殺人容疑で書類送検。06年3月には富山県の射水市民病院で末期がん患者の呼吸器が医師2人に取り外され、亡くなっていたことが発覚。2人は08年に殺人容疑で書類送検された。

 1990年代には医師が患者に薬剤を投与し死亡させた「東海大安楽死事件」や「川崎協同病院事件」が起き、2事件とも「法律上許される治療中止」とは認められず有罪が確定した。

 だが羽幌病院や射水市民病院では患者の呼吸器を外しただけで、東海大事件のように薬剤を投与したケースとは様相が異なる。実際、羽幌と射水の場合は呼吸器外しと死亡との因果関係が認められず、嫌疑不十分で不起訴処分となっている。

 死期が迫った患者への延命措置中止は犯罪行為なのか―。捜査の手が相次いで医師に及んだことで臨床現場は混乱。終末期医療のルール作りを求める声が高まった。

 そんな中、議連も尊厳死法制化への動きを加速させていく。(敬称略)



https://www.m3.com/news/iryoishin/515111
シリーズ 日医代議員会
「かかりつけ医研修、2017年度から一部見直し」、鈴木常任理事
第139回日医代議員会、医師資格証の利用も呼びかけ

2017年3月27日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、「かかりつけ医機能には、医学的機能と、社会的機能がある」と指摘、2017年度から「地域包括診療加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会」は医学的機能を中心に、「日医かかりつけ医機能研修制度応用研修会」では地域包括ケアシステムの構築に向けて、社会的機能を中心に、それぞれ研修できるよう見直す方針を説明した。両研修会は、内容が一部重複しており、目的が分かりにくいとの指摘があった。

 研修受講に当たっては、「医師会研修管理システム」の利用で、受講履歴の管理が容易になるほか、医師資格証があれば、自分専用のホームページにログインすることで、受講履歴や単位の取得状況が確認でき、地域包括診療加算・地域包括診療料の研修実績の証明にすることも可能であるとし、利用を呼びかけた。

 ただし、研修会のe-learning化は、「診療報酬の算定要件を満たさない」とされていることなどから、その導入は難しいと説明、理解を求めた。

 医学的機能と社会的機能に分けて講義

 「在宅医リーダー研修」「地域包括診療加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会」と、2016年度からスタートした「日医かかりつけ医機能研修制度」について、一部内容が重複しており、会員の間で理解不足や混乱があるなどの現状と指摘したのは、秋田県代議員の佐藤家隆氏。(1)各研修の履修項目に互換性や統一性を持たせる、(2)医師会員各自が研修内容が分かるようにするため、「かかりつけ医研修手帳」の作成、(3)e-learningの導入、医師資格証を利用した一括管理システムの開発――を要望した。

 鈴木常任理事は、3つの研修は、地域における在宅医療のリーダーの育成、診療報酬の算定要件、日医独自のかかりつけ医機能の維持・向上と、それぞれ目的別に実施しているが、佐藤氏の指摘の通り、在宅医療や慢性疾患に関する講義など、重複する部分もあると認めた。特に「地域包括診療加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会」と「日医かかりつけ医機能研修制度」は、ともにかかりつけ医機能に関する講義であり、一方の研修会を受講することが、他方の要件にも活用可能な制度設計であることなど、違いが分かりにくい部分もある。

 「かかりつけ医機能には、医学的機能と、社会的機能がある」とし、2017年度からは、「地域包括診療加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会」では医学的機能を中心として、各疾患についてエビデンスに基づく最新の知見を学習できる内容に、「日医かかりつけ医機能研修制度応用研修会」では地域包括ケアシステムの構築に向けて、社会的機能も理解してもらう内容になるよう、全体調整を図っているところだという。

 e-learningの導入は困難

 次に鈴木常任理事は、各種研修の受講管理ができるよう、新たに「全国医師会研修管理システム」を導入したことを説明。「医師資格証を用いた出欠管理システムとも連動しており、研修会の出欠をオンラインで登録すれば、受講履歴に反映させることができるだけなく、医師資格証があれば、自分専用のホームページにログインすることで、受講履歴や単位の取得状況が確認でき、これを地域包括診療加算・地域包括診療料の研修実績の証明にすることも可能」。

 ただし、e-learningの導入については、診療報酬の算定に係る疑義解釈において、「e-learningの受講では要件を満たさない」とされていることから、「地域包括診療加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会」での導入は難しいとした。「日医かかりつけ医機能研修制度応用研修会」についても、本研修制度の社会的信頼性を確保するために、医師会が座学による研修の受講管理を厳密に行う点も、質の担保を図る一環として考えているとし、理解を求めた。

 「医師資格証による管理」への懸念も
 関連して発言した奈良県代議員の大澤英一氏は、「講習会の受講と医師資格証をリンクさせるのは、別問題」と述べ、「国が医師をコントロールしようとして力を注いでおり、日医がその代役を果たすことになりかねない。医師資格証をもって受講資格とすることには、少し危険がある」と指摘した。

 鈴木氏は、「医師資格証を持っていると単位の管理が便利」であり、持っていないと受講できないわけではないと説明。

 続いて日医会長の横倉義武氏は、「政府が医師をコントロールすることは、絶対我々は否定する。しかし、医師の団体として、自律的にいろいろなことをチェックしていくことは必要ではないか、その点はいかがか」と、大澤氏に質した。

 大澤氏は、「プロフェッショナルオートノミーで、医師のグループをコントロールすることは分かる。しかし、たがが外れた場合に、コントロールしすぎると困るという危惧がある。あまり制度化することがないようにお願いしたい」と答えた。

 横倉会長は、「もちろん、制度化は考えていないが、医師資格証をそうしたこと(研修受講管理など)に利用していくことは、医師会としては自律的にやっていくべきではないか、と思っている」と述べ、引き取った。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515029
シリーズ 日医代議員会
「受診時定額負担、かかりつけ医普及に水差す」、松本常任理事
第139回日医代議員会、「応能負担の議論も必要」

2017年3月27日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会常任理事の松本吉郎氏は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、かかりつけ医以外を受診した場合の「受診時定額負担」について、「導入されれば、かかりつけ医の普及に水を差すことになり、今後の医療提供に重大な影響を及ぼす」とし、反対していくことを表明した。

 一方で、厳しい財政状況を鑑み、2016年度診療報酬改定で導入された、特定機能病院などの大病院に紹介状なく受診した場合の定額負担については、その対象要件や負担額の検討も必要とし、「それにより生じた財源を地域連携の推進やかかりつけ医の評価に充てていくことも一考に値するのではないか」と提案した。さらに受診時定額負担の前に、社会保障の理念に基づき、応能負担の議論を進めていくべきことも主張していく方針を説明した。

 2016年末から2017年末に結論先送り
 受診時定額負担について質したのは、北海道代議員の今眞人氏。2017年末までに社会保障審議会医療保険部会で、「かかりつけ医の普及の観点から、かかりつけ医以外を受診した場合における定額負担を導入すること」について、結論を得ることとなっていることを踏まえ、日医の考えを質すとともに、「どのような医師がかかりつけ医なのか」と提起し、フリーアクセスを阻害する登録医制度につながる懸念を呈した。

 松本常任理事はまず、受診時定額負担については当初、2016年末までに結論を出すとされていたものの、日医は繰り返し反対し、2016年11月に横倉義武日医会長が、安倍晋三首相と会談した際にも、「国民一人一人がまだかかりつけ医を持つ段階に至っておらず、現在は廃止されている後期高齢者診療料を導入した時のような混乱を招くことから、受診時定額負担は導入すべきではない」と説明したことを紹介。その結果、経済財政諮問会議で2016年12月に決定された「経済・財政再生計画 改革工程表2016改定版」で、2017年末までに結論を得ると先送りされた。「財政健全化の主張もあり、議論は避けられないが、受診抑制につながる受診時定額負担が導入されることのないよう、引き続き政府に厳しく働きかけていく」(松本常任理事)。

 大病院の定額負担、対象要件や負担額検討の余地
 次に、松本常任理事は、日医が、かかりつけ医機能研修制度を通じて、地域住民から信頼されるかかりつけ医を養成し、その普及に努めていると説明。かかりつけ医の評価としては、2014年度診療報酬改定で、地域包括診療料と地域包括診療加算が新設され、2016年度改定ではその要件が緩和された。「かかりつけ医普及の制度的裏付けは、始まったばかりであり、受診時定額負担が導入されれば、かかりつけ医普及に水を差すことになり、今後の医療提供に重大な影響を及ぼす」。

 「わが国の特徴であるフリーアクセスはしっかり守っていかなければならない」としたものの、一方で、「大病院と中小病院、診療所の外来の機能分化の観点から、大病院の直接受診には是正も必要」と主張。2016年度診療報酬改定で「紹介状なし」で大病院を受診した場合の選定療養による定額負担については、対象要件や負担額について、現状を分析した上で検討が必要とした。今は、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院が対象。その結果、生じた財源を地域連携の推進やかかりつけ医の評価に充てていくことも一考に値するとした。

 関連で発言した東京都代議員の市川尚一氏は、「受診時定額負担という考え方自体に、ノーと言わなければいけない」と訴えた。消費税がいったん導入されると税率が3%、5%と上がっていくことを例に挙げ、「受診時定額負担は100円で導入されても、いつの日か500円、1000円と上がっていくことが懸念される」と市川氏は指摘し、「かかりつけ医とは何かがはっきりしないうちに導入すると、医師の内部が混乱する」とも述べ、受診時定額負担の導入阻止を主張した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515028
シリーズ 日医代議員会
「最高の医療を提供」との表現はNG、松原副会長
第138回日医代議員会、医療法改正でHPも規制対象に

2017年3月27日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の松原謙二氏は、今国会に提出された医療法改正法案で、医療機関のホームページも規制対象となったとし、「ホームページでも虚偽、誇大など、不適切な表現をする場合には、規制の対象になった」と説明する一方、基本的には広告やホームページの内容は医療機関の自主性に委ねられるとし、それ故に医療機関や医師が自律的にその内容に責任を持つことが大切だと訴えた。

 現行では「最高の医療を提供します」「日本一の手術件数です」といった、いわゆる比較優良広告は、規制の対象。「今回のホームページ規制案でも、他の病院や診療所として優良である旨を広告しないこととされており、現行の解釈も引き継がれ、規制対象になるものと考えている」(松原副会長)。

 日医は2016年10月、「医師の職業倫理指針」を改訂した。松原副会長は、「今後ともホームページを含む医療広告に関して、医師の職業倫理指針を遵守するよう、その普及啓発に務めていく」方針を表明。同指針は、「医の倫理綱領」として、「医師はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるように心掛ける」と掲げ、「広告・宣伝」の項で、「国民・患者がその内容を理解し、適切な治療等の選択ができるよう、客観的で正確な情報が提供されなければならない」と記載している。

 問題ホームページが社会問題化
 新潟県代議員の堂前洋一郎氏は、2012年9月に厚生労働省は「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針」(医療機関ホームページガイドライン)を作成したが、各医療機関のホームページを見ると、同指針では掲載してはいけないとされている、「他との比較など自らの優良性を示した内容」などが記載されていると指摘。医療法上の広告規制の対象外のホームページや医療広告についての日医の見解を質した。

 これに対し、松原副会長はまず医療機関のホームページの規制をめぐる経緯を説明。バナー広告を除いて医療広告規制の対象外とされてきたものの、このたびの医療法改正法案で規制の対象になった。「ごく一部の医療機関で、ホームページ上で、虚偽、誇大な表現での利用者の勧誘が行われ、強引な契約締結、ひいて医療事故が発生して、社会問題化したことがある」(松原副会長)。

 2012年9月に厚生労働省は「医療機関ホームページガイドライン」をまとめたものの、2015年7月、政府の消費者委員会から、「美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議」が出された。その後、厚労省の「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」と社会保障審議会医療部会を経て、医療法改正法案の提出に至った。

 次に松原副会長は、日医の医療広告に対する考え方を説明。「インターネットは、社会に欠かせない技術になっている。それぞれの医療機関のホームページでは、医師自身の診療の理念などを分かりやすく情報発信している。患者、国民にとっても、有益な取り組みだと思う。自由度を守りつつ、氾濫する情報から患者の生命や健康を守り、国民からの信頼を築いていく必要がある」。この観点から、「医師の職業倫理指針」を遵守することが求められるとした。

 医療機関のホームページに対しては、監視体制も必要になる。「厚労省も監視体制の強化を予算化している。ただし、実際に規制を運用するのは、都道府県が基本であり、新たな規制を具体化するには、都道府県が医師会とも連携しながら、監視を行い、問題事例が起きれば、適切に対処できる仕組みにしなければいけない」。松原副会長はこう説明し、日医は今後、詳細な規制内容を検討する場にも参画して、具体的な規制の枠組み作りと、国や都道府県の監視体制の強化を支えていくとし、都道府県医師会に対しても、行政と連携した対応を行い、情報提供を行うよう求めた。



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0327/ym_170327_3137124550.html
医療事故、過去最多の3882件…昨年
読売新聞3月27日(月)19時5分

 「日本医療機能評価機構」(東京)は27日、昨年1年間に報告された医療事故の件数は全国1031医療機関で、過去最多の計3882件だったと発表した。
 調査は2005年に始まり、9年連続で増え続けている。
 内訳は、医療事故の報告が義務づけられている大学病院など計276医療機関からの報告が8割超の3428件。このほか、任意で755の医療機関が、同機構に454件の事故を報告した。移動時の転倒や手術後に異物が体内に残っていた事故などが目立った。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20170325-OYT1T50058.html
新病院、市議会が3度目「ノー」…住民投票へ
2017年03月27日 15時38分 読売新聞

 滋賀県野洲市が2020年にJR野洲駅南口で開院を目指す新市立病院計画について、市議会は24日、新年度予算案から関連事業費を削減する議員提案の修正案2件を可決した。


 過去2度の関連予算案の否決を経て動き出していた事業は、再び暗礁に乗り上げることになり、山仲善彰市長は「これで計画の命脈が絶たれるなら、市の歴史の大汚点となる」として、建設推進の是非を問う住民投票を実施する考えを表明した。

 市は、老朽化が進む民間の「野洲病院」の資産と事業を19年7月に引き継いで暫定的に市直営とし、20年10月に駅南口の市有地で整備する新市立病院へ移行する事業費86億円の計画を進めている。

 今回、市議から提案された修正案は、一般会計から関連事業費5700万円をカットし、病院用地取得費を計上した土地取得特別会計から約11億円を削減する内容。22日の予算常任委員会では修正案が賛成8、反対9で否決され、市が提案した原案が可決されていた。

 本会議では、駅南口での開院や市直営に反対する市議4人が修正案を提案。採決前の討論で、「他市の公立病院の厳しい現状も見渡し、計画を見直すべきだ」、「駅南口への設置に疑問を持つ市民の意見を排除すべきではない」と強調した。これに対し、市の計画を支持する市議からは「すでに病院設置条例案が可決されている」、「連携する滋賀医大との関係が崩れ、この機会を逃せば市は中核医療を失ってしまう」と主張した。

 修正案に対する採決は記名投票で実施。2件とも賛成9、反対9の同数となったため、坂口哲哉議長の裁決で修正案が可決された。

 市が提案した病院事業会計予算案は、同様に議長裁決で否決した。

 この結果、市は用地取得や実施設計を進められなくなり、事業は凍結状態になった。

 山仲市長は閉会後の記者会見で、「議員や市民の同意を得るため、丁寧に何度も説明してきたが、反対議員がさらに市民の合意が必要と指摘している。残された道は住民投票しかない」と強調。6月議会に実施のための議案や病院関連予算案を提案する考えを示した。

 病院計画を巡っては、市議会が、関連予算案を15年5月と11月の2度否決。その後、市民団体などによる署名集めや要望活動を経て、16年の2月議会で可決した。

 同年10月の市長選では、山仲市長が計画反対派2人を破って3選。同12月議会では病院設置条例案が、総務常任委員会で賛成2、反対4で否決されたが、本会議では賛成10、反対8で可決されていた。(名和川徹)



http://www.asahi.com/articles/ASK3W6WL0K3WPTIL04H.html
組長側の依頼受け、虚偽診断書作成か 男性医師ら逮捕へ
2017年3月27日22時28分 朝日新聞

 暴力団組長をめぐる虚偽診断書作成容疑事件で、民間大手「康生会・武田病院」(京都市下京区)の男性医師が、心臓病の症状を実際より重く見せかける虚偽の意見書を作り、大阪高検に提出した疑いが強まったとして、京都府警は27日、同容疑で逮捕状を取った。捜査関係者への取材でわかった。

 府警は医師のほか、当時の武田病院職員や、暴力団関係者も意見書作成に関わったとみており、容疑が固まり次第、3人を逮捕する方針。

 捜査関係者によると、意見書は、2015年6月に恐喝事件で懲役8年の実刑が確定した山口組系暴力団組長の高山義友希受刑者(60)=今年2月に刑務所収容=の心臓病の症状が記載されていた。

 これまでの調べでは、男性医師は、武田病院で組長の心臓病の診断、治療を担当。16年2月8日には、「重症心室性不整脈」との病名を記し、「今後も不整脈が頻発する」などと実際の症状より重篤に見せかけた虚偽の意見書を作り、大阪高検に提出したという。

 捜査関係者によると、意見書作成に際し、暴力団関係者が医師らに対し、刑務所に組長が収容されないよう取りはからうよう依頼したとの情報があり、心電図などのデータを調べたところ、医師が虚偽の意見書を作った疑いが強まったという。



http://mainichi.jp/articles/20170328/k00/00m/040/062000c
京都府立医大事件
医師ら3人逮捕へ 虚偽診断書作成容疑

毎日新聞2017年3月27日 21時20分(最終更新 3月27日 22時47分)

 京都府立医大付属病院(京都市上京区)などが暴力団組長の病状を偽る書類を作成し検察に提出したとされる事件で、京都府警が虚偽診断書作成などの容疑で「康生会 武田病院」(同市下京区)の男性医師(61)と元病院職員(45)、暴力団組員(48)の逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材で分かった。容疑が固まり次第逮捕する。

 組長は、恐喝罪などで懲役8年の実刑判決が確定した指定暴力団・山口組の直系組織「淡海(おうみ)一家」総長、高山義友希(よしゆき)受刑者(60)。捜査関係者によると、医師らは不整脈を患っていた高山受刑者について、「突然死する恐れがあり、収監には耐えられない」とする虚偽の診断書類を検察に提出したなどの疑いが持たれている。

 府立医大病院も、高山受刑者が腎臓病で収監に耐えられないとする書類を作成。これらをもとに大阪高検は2016年2月に高山受刑者の刑の執行を停止した。高検は今年2月14日に高山受刑者を大阪刑務所へ収監し、府警は府立医大病院や武田病院などを家宅捜索した。

 大学関係者らによると、高山受刑者は指定暴力団・会津小鉄会(京都市)の会長だった父の登久太郎氏(故人)が武田病院で診察を受けていたことなどから、武田病院グループで受診するようになった。

 府立医大とは医師派遣などで協力関係にあり、府立医大側は武田病院グループからの紹介で高山受刑者を診察したと説明している。吉川敏一学長は2月の記者会見で、武田病院グループの武田隆久理事長と「古いつきあい」だと話していた。

 府警はこれまで、両病院の複数の医師らから任意で事情を聴取した。このうち府立医大の主治医(44)は「『収監が可能』と判断したが、吉村了勇(のりお)病院長から『拘禁に耐えられない』とするよう指示された」という趣旨の説明をしているという。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27HC3_X20C17A3CC1000/
京都府医大の協力病院、医師ら3人を逮捕 虚偽診断疑い
2017/3/28 1:19 日本経済新聞

 暴力団組長を巡る虚偽診断書作成事件で、京都府警は27日、虚偽の回答書を作り、大阪高検に提出したとして、京都府立医大(京都市)と協力関係にある民間病院「康生会武田病院」(同市)の韓国籍の担当医、***容疑者(61)=同市左京区=ら3人を、虚偽診断書作成・同行使容疑で逮捕した。

 ***容疑者らが、暴力団関係者から商品券や現金を受け取っていたことも同日、捜査関係者への取材で分かった。

 逮捕容疑は共謀し、暴力団山口組淡海一家の総長、高山義友希受刑者(60)についての大阪高検からの病状照会に、2016年1月27日ごろから2月5日ごろまでの間、「心室性不整脈はかなり重篤」「症状が重篤化することが容易に予測できる」などと虚偽の事実を記載し、提出した疑い。

 高山受刑者は13年6月に京都地裁で恐喝罪などにより懲役8年の判決を受け、15年7月に判決が確定した。この回答書が出された16年2月に大阪高検が刑の執行を停止。今年2月まで収監されなかった。

 他に逮捕されたのは、病院職員の***容疑者(45)=大津市=と、暴力団会津小鉄会系組員の山田英志容疑者(48)=京都府宇治市。

 府警によると、山田容疑者は高山受刑者と親交があり、虚偽診断書を病院側に依頼したとみて調べている。***容疑者は武田病院の不整脈治療センター所長、***容疑者は当時、患者の窓口となる医事部長だった。

 府警は2月、府立医大病院とともに武田病院を家宅捜索。腎臓移植手術を受けた高山受刑者が「BKウイルス腎炎」などの影響で、収監に耐えられないとする回答書を作成した府立医大病院の***院長(64)らについても、虚偽がなかったか捜査する。

 府立医大は武田病院に医師派遣などをしており、同病院が高山受刑者を府立医大に紹介していた。〔共同〕

G3註:原文は実名報道



http://www.sankei.com/west/news/170328/wst1703280009-n1.html
【京都府立医大疑惑】
「心臓の武田」の腕利き医師逮捕…府立医大病院の関係性は 暴力団幹部の虚偽診断書作成事件

2017.3.28 00:33 産経ニュース

 家宅捜索から1カ月あまりを経て、医療機関の“闇”を映し出す事件がついに動き出した。病気を理由に収監を免れた暴力団幹部の病状について、京都府立医大病院(京都市)などが検察に虚偽の報告をしたとされる事件。京都府警が27日に逮捕したのは、府立医大病院と関係が深く、「心臓の武田」ともいわれる民間大手「康生会武田病院」(同市)の担当医らだった。

 虚偽診断書作成・同行使の疑いで逮捕されたのは、武田病院の医師、***容疑者(61)=京都市左京区▽同病院の元医事部長、***容疑者(45)=大津市▽暴力団組員、山田英志容疑者(48)=京都府宇治市=の3人。「業界では腕がいいことで有名な医師だ」。ある医者は、***容疑者をこう評する。

 病院関係者によると、***容疑者は武田病院の特色の一つである「不整脈治療センター」のトップ。***容疑者の治療を受けるために京都府外からも患者が受診に訪れていたという。

 だが、過去には収賄事件で逮捕され、有罪判決を受けたこともあった。

 ホームページによると、武田病院グループは京都府内で9病院のほか、検診施設、介護・福祉施設などを経営。不整脈治療センターは「心臓の武田」を代表する「京都では有数の施設」(医療関係者)だった。

 「もともとは京都大学系の病院だったが、最近では府立医大出身の医師が増えていた」。武田病院を知る関係者によると、同病院を開業したグループ会長(86)が京大出身で、長らく京大系の医師派遣を受け入れていた。だが、現在の理事長(56)に代わってから、府立医大からの医師を積極的に受け入れるようになったという。

 指定暴力団山口組系淡海(おうみ)一家総長、高山義友希(よしゆき)受刑者(60)を患者とし、府立医大側に紹介したのも武田病院グループの医療機関だった。高山受刑者の父親で指定暴力団会津小鉄会(京都市)の故・高山登久太郎(とくたろう)元会長が武田病院で診察を受けていたといい、その縁で高山受刑者も診察を受けたとみられる。

 ***容疑者の逮捕容疑は、高山受刑者が収監されるのを免れさせるため、診断書に虚偽の事実を記載したという内容だ。武田病院を知る医師は、高山受刑者だけでなく、「患者として暴力団組員が出入りしているとの話は耳にしていた」と打ち明ける。

 府立医大と武田病院をめぐっては、武田側から府立医大幹部へ多額の不明朗な現金が渡っていた疑惑も浮上している。京都を代表する民間病院と大学病院が暴力団とどのような関係にあったのか。府警の捜査は本格化する。

G3註:原文は実名報道



http://www.excite.co.jp/News/world_g/20170327/NewsWeekJapan_E189203.html
トランプは張り子の虎、オバマケア廃止撤回までの最悪の一週間
ニューズウィーク 2017年3月27日 17時30分 (2017年3月28日 05時18分 更新)

<トランプは今や、得票数でクリントンに及ばなかった大統領どころではなく、ロシアに当選させてもらった大統領、目玉公約のオバマケア廃止法案さえ通せない大統領、つまり「まぐれの大統領」だ>

ドナルド・トランプ米大統領にとって大きな敗北だ。3月24日、オバマケア(医療保険制度改革)の廃止代替案を議会採決直前に撤回せざるをえなくなったのだ。共和党の「フリーダム・コーカス(下院議員連盟)」と呼ばれる保守強硬派の支持が得られず、賛成票が足りなかった。これで、選挙戦中あれほど強く廃止代替を公約していたオバマケアは予見可能な将来、ずっと続くことになった。上下院を共和党が支配する状況下でさえ、最重要法案を採決に持ち込めない──トランプ米大統領と共和党の驚くべく無能さがさらけだされた瞬間だった。

それだけではない。先週の数日間に、FBI(米連邦捜査局)は米大統領選へのロシアの関与とトランプ陣営の関係について捜査中であることを認め、トランプが指名した最高裁判事候補の議会承認は躓き、極めて良好だったイスラエルとの関係も壁にぶつかった。「最強の交渉役」を自任してきたトランプの面目は丸つぶれだ。フェイク(偽)ニュースや大ぼらでこれまでも散々世間を振り回してきたトランプだが、フロリダでの休暇を取り止めて記者たちへの弁明に終始した今回は、完全にコントロールを失って見えた。

「オバマが盗聴」はでっち上げ

トランプの大統領就任以来続いていた中傷や根拠のない非難、フェイクニュースの嵐を静まらせたのは、先週月曜、FBIのジェームズ・コミー長官が米下院情報特別委員会の公聴会に出席し、米大統領選をトランプ有利にしようと工作したロシアのスパイとトランプ陣営スタッフの関係について捜査中だと証言したときだ。もし本当なら、トランプはロシアに当選させてもらった大統領ということになりかねない。またコミーは、バラク・オバマ前大統領がトランプのことを盗聴していたというトランプの根拠なき主張についても、そんな証拠はとこもないとにべもなく否定した。

それでも、最高裁判事に指名したニール・ゴーサッチが上院に無事承認されていれば、少しは政治的な暗雲も晴れただろう。だが民主党が承認阻止を宣言し、トランプと上院共和党は難しい立場に追い込まれている。民主党が「フィリバスター(議事妨害)」に打って出れば、共和党は8人の民主党議員を味方につけなければゴーサッチを承認できなくなる。

外交面でも傷を負った。ジャンクロード・ユンケル欧州委員長はEUのローマ条約締結60周年の演説で、ナショナリスト的な運動を煽る「いまいましい」トランプへの警戒を呼びかけた。極右など一部を除けば、ヨーロッパは、トランプのポピュリスト的レトリックにうんざりしているのだ。

熱々だったイスラエルとの関係にもヒビが入った。二国家共存という中東外交の大原則に引き戻されるうちに、トランプも歴代大統領を苦しめたのと同じ立場に陥ったのだ。イスラエルに入植活動を停止し、和平合意を尊重するよう説得する立場だ。

散々な一週間の後、トランプは深刻なイメージダウンを被った。共和党の穏健派も保守強硬派も、共和党員の反乱分子は許さないというトランプの脅しをものともせず公然と歯向かった。上下両院で多数を握る共和党は本来、民主党の意思とは無関係に法案を通せるはずだが、内部の亀裂ゆえにそれができない。医療改革、税制改革、インフラ投資などの大型法案をこれからどうすれば成立をさせられるのかも見通せない。

トランプは、大統領就任式の参加者が史上最大だったという嘘をショーン・スパイサー報道官に押し付けた日から、毎日嘘をつくリズムを身に付けたのかもしれない。就任一週目にはそのどさくさに紛れてトランプ自身の支持者が喜ぶ大統領令に署名することができた。だがそんな蜜月は、もう終わったのかもしれない。

このままだと、トランプは「まぐれの大統領」であり続ける。一般の得票数ではヒラリー・クリントン民主党候補に負けた大統領。ロシアに当選させてもらったかもしれない大統領。与党・共和党の8年越しの公約でもあったオバマケア廃止もできない大統領だ。

ニコラス・ロフレド



http://mainichi.jp/articles/20170328/k00/00m/040/089000c
がんのゲノム医療
促進 拠点病院指定、機能や人材拡充へ

毎日新聞2017年3月27日 23時06分(最終更新 3月27日 23時06分)

 厚生労働省は27日、個人の遺伝情報に基づいたがんのゲノム医療を担う拠点病院を指定する方針を明らかにした。同日の有識者懇談会の初会合で、拠点病院に必要な機能や体制などを夏までにとりまとめる考えを示した。

 ゲノム医療は個人の遺伝情報を基に、その人に応じた病気の診断や治療、予防を行うこと。効果が高く副作用の少ない治療が期待される。現在も一部のがんで実施されているが、幅広いケースに対応するまでには至っていない。

 このため、政府は今夏に、がんのゲノム医療の実用化に向けたプロジェクト「がんゲノム医療推進計画」を策定する予定。その中で、ゲノム医療拠点病院や大学、研究機関によるがんゲノム医療推進体制の構築が柱の一つになる。

 一方で、がんゲノム医療を担える医療機関や人材は限られている。厚労省は、人材などを拠点病院に集約することで、質を確保したい考えだ。遺伝子検査によって幅広くデータを集める役割も担う。

 懇談会では、幅広いがんの遺伝子検査への保険適用の必要性や、がんゲノム情報の集約・管理のあり方などについて検討する。【細川貴代】

  1. 2017/03/28(火) 05:51:32|
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