FC2ブログ

Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月21日 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190417-OYTET50005/
大津市民病院 分娩休止へ…医師不足で6月から  
2019年4月17日 読売新聞

 地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市)で6月1日から当面の間、医師不足を理由に 分娩ぶんべん の取り扱いを休止することがわかった。滋賀県医師会などと連携し、近隣の医療機関で出産できるよう対処する方針。

 産婦人科医6人のうち、1人が3月末に退職し、2人も5月末に辞めるという。近隣の大学に医師の派遣を要請したが、確保できない状況だという。

 同病院の昨年度の分娩実績は218件。6月以降に出産する妊婦66人には他の医療機関を紹介する。分娩以外の診察などは続ける。

 大津市民病院は「迷惑をかけて申し訳ない。態勢が整い次第、再開したい」とコメントしている。



https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190416000028
産科医の半数退職、お産休止へ 全国的不足も影響、大津市民病院印刷用画面を開く  
【 2019年04月16日 10時00分 】京都新聞

 地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市本宮2丁目)が6月1日から当分の間、院内での分娩(ぶんべん)(お産)を休止することが15日、分かった。産婦人科医の退職が相次ぎ後任が確保できないためで、受診者には近隣で分娩できるよう他の医療機関を紹介するという。

 昨年度の分娩実績は218件。同病院は「ご迷惑をおかけする。態勢を整えて、再開できるよう努めたい」としている。

 同病院によると、6人の産婦人科医のうち1人が3月末に退職し、さらに2人が5月末に退職することになった。大学医局に医師の派遣を要請しているが、全国的な産科医不足もあって後任が決まらないという。

 現在受診中で6月以降に出産を予定する妊婦66人には、他病院を紹介する。周産期医療を担当する滋賀県健康寿命推進課は「近隣の医療機関でカバーできる」とみている。分娩以外の婦人科の診療などは続ける。

 同病院は、生活保護受給世帯などを対象に市が出産費用を助成する「助産制度」の指定施設。市内には他に指定施設がないため、休止の間、制度利用者は他市の指定病院で出産することになるという。

 同病院は2017年4月、大津市が100%出資して地方独立行政法人に移行した。分娩の休止は産婦人科を開設した1949年以来初めて。



https://www.m3.com/news/iryoishin/672637
シリーズ 真価問われる専門医改革
新専門医制、偏在解消に向けマッチング導入すべきか
第119回日本外科学会定期学術集会「特別企画」、演者提案
 
レポート 2019年4月19日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 国立国際医療研究センター病院医学教育部門の村岡亮氏は、4月18日に大阪市で開催された第119回日本外科学会定期学術集会の特別企画「新専門医制度の開始により見えてきたその現状と課題」で、医師の診療科・地域偏在を緩和するため、将来の適正な専門医数に基づき、医師養成数とほぼ同数の専攻医募集定員を設定した上で、専攻医マッチングを行うべきとの持論を紹介した(『「新専門医制度、募集定員設定しマッチング導入を」』を参照)。偏在問題にできるだけ早く道筋を付け、専門医制度の本質である「専門医の資質・能力向上」にエネルギーを集中すべきと指摘している。

 もっとも、フロアからは診療科へのマッチング導入について、他科を希望していた医師が定員の関係から外科専攻医を選ばざるを得ない場合も想定し得るとして、研修や専門医の質の低下を懸念する声が挙がった。

 村岡氏は新専門医制度の現状の問題点として、(1)専攻医の募集定員総数が採用実員総数の2.2倍(2018年度の場合、外科では2.56倍)であり、診療科・地域偏在が生じる余地がある、(2)一人の専攻医が登録できる研修プログラムが一つのため、応募者側は志望プログラムの選択肢が限定され、病院側も限定された登録者の中から選抜しなければならず、青田刈り、囲い込みが起きる――などを挙げた。

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師専門研修部会では、専攻医数の上限(シーリング)の方法を見直し、「都道府県別、基本領域別」に設定することを議論している(『専攻医のシーリング、「県、基本領域別」への変更検討』を参照)。その方法論として、19の基本領域の必要専門医数を維持するための専攻医数を推計し、臨床研修と同様にマッチングの導入を検討すべき、というのが村岡氏の提案。19の基本領域別、あるいは一括して実施するという2つの選択肢があるとした。「約9000人をいかに19の基本領域に振り分けるかという議論がこれまでなかった」。

 司会を務めた名古屋大学消化器外科教授の小寺泰弘氏によると、新専門医制度のスタートに先立ち、外科専門医の研修プログラムを募集したところ、専攻医の募集定員数は合計4000人を超えていたという。「自分の研修プログラムに人が欲しいという施設が当然多かった。これを減らすのは大変で、とりあえず半分に減らすということで、2000人強となった」。

 外科専攻医は2018年度、2019年度ともに800人強。「外科専攻医の800人が適正かだが、そもそも今足りないのだから、もっと増やさなければいけない。『毎年800人だから、これからも800人』と決められてしまうことは問題」と述べ、新専門医制度の一期生が3年間の研修プログラムの中で、どの基幹病院と連携病院で研修するかを把握、検証し、今後の募集定員の在り方などを検討していく必要性を指摘した。「名前だけは連携していても、全然専攻医が行っていない連携病院があるのではないか、と厚労省は懸念している。その辺りのデータが3年間で出てくる。先生方がプロフェッショナル・オートノミーを発揮し、地域に配慮した研修を指導していくかが、問われる」と注意を喚起した。

 フロアからは、診療科別のマッチングの導入について、「外科の研修は、専攻医の高いモチベーションと決意で支えられている」とし、他科の定員がうまり、外科専攻医になったとしても頑張れないとし、「研修の質、さらには専門医の質の低下を大変懸念する」との指摘が挙がった。

 村岡氏は、「その点は十分に承知している。マッチングは、オールマイティーではなく、そうした問題は出てくる。議論を尽くしていくことが必要。専攻医の定数は必要だと思うが、かなり時間をかけて検討しなければならない」と答えた。

 弘前大、新専門医制度以前から外科は集約
 特別企画では、大学病院や市中病院、都市部や地方など、さまざまな立場の医師が、外科専門医の養成状況を報告した。複数の病院で、従来は別々に実施していた外科系診療科の研修を、連携あるいは統合し、外科領域全般を幅広く学べる体制に変更していた。基幹病院と連携病院が連携するに当たって、専攻医の研修実績を「見える化」して共有するなど、研修の質を上げるさまざまな工夫も行われている。

 弘前大学の現状を紹介したのが、消化器外科教授の袴田健一氏。新専門医制度初年度の2018年度の専攻医は5人、2019年度は11人へと増加した。

 新専門医制度の開始に当たって、従来は旧第1外科系と旧第2外科系が独自に研修していた体制を見直し、両者が連携して研修するために「外科専門研修プログラム管理委員会」を設置した。

 プログラム管理委員会では、(1)手術経験数・内容、(2)修練技能の自己評価、指導医評価、(3)研修施設間の意見交換――などについて検討、実施している。例えば、(1)では、どんな症例をどのくらい経験しているかを詳細に記録。(2)では、経験すべき手技・処置について、専攻医と指導医がそれぞれ5段階で評価、研修施設が移る場合はそれを提供している。「これらは従前になかった非常にいいシステム。専攻医の経験を可視化することで、研修施設群全体で経験症例不足などを把握できる」(袴田氏)。外科系診療科が横断的に研修に取り組むことで、専攻医の満足度が高まっている一方、症例経験が重視され、それ以外の点に目が向きにくくなる側面もあるとした。

 また従来は研修カリキュラム制だったが、新専門医制度のスタートを機に、研修カリキュラム制に移行した。「現時点で、女性医師等からプログラム制の困難さについては指摘されていない」と袴田氏。

 袴田氏によると、青森県では、1989年から約30年間で、手術施設と若手中堅外科医を集約化して、研修・医療の質を高めるための「計画的医療再編」と、人口減少・手術ニーズの減少、外科医や麻酔科医不足による「受動的医療再編」という二つの再編が進んでいた。したがって、「新専門医制度による負の影響は見られていない」と袴田氏は説明。地域医療の責任を専攻医に課すのではなく、ベテラン医師が勤務している地方の病院に、若手医師が日当直や救急の支援などに行く体制で、診療支援をしているという。



https://www.yomiuri.co.jp/local/oita/news/20190415-OYTNT50080/
竹田市、今月中に意思確認 こども診療所 所長の男性医師に  
2019/04/16 05:00 読売新聞

 竹田市立こども診療所の運営にあたる指定管理者が見つからず、所長の男性医師も運営継続に難色を示している問題で、同市の首藤勝次市長は15日、今月中に男性医師に運営継続の意思があるかどうかを確認し、継続意思がない場合は別の医師を探す意向を示した。

 市保険健康課によると、同市飛田川の診療所は3月末で閉鎖され、市が約1億7000万円をかけて同市玉来に建設した新しい診療所で診療ができるよう準備を進めてきた。ただ、男性医師が今月8日以降、欠勤しているため、休診が続いているという。

 15日に記者会見した首藤市長は診療再開の見通しが立っていないことを明らかにし、「指定管理を巡る意見の違いや説明不足でこのような事態を招いたことを市民におわび申し上げる」と謝罪した。



https://oita-press.co.jp/1010000000/2019/04/18/JD0057992608
こども診療所22日再開 竹田市「医師が留任」  
2019/04/18 03:00 大分合同新聞

 竹田市唯一の小児医療機関「市立こども診療所」で所長の男性医師(51)が辞意を表明して今月初めから休診している問題で、市は17日、医師が引き続き所長を務めることになったと明らかにした。留任を求める市の説得に応じたという。診療は22日から再開する。
 非公開で17日に市議会対策委員会があり、首藤勝次市長が経緯を報告した。市議らによると、市長は15日に医師と会って「コミュニケーション不足が誤解や不信感を生んだ」と謝罪。医師は「ご迷惑をお掛けしました」と述べたという。
 市によると、診療所は今月から市内玉来に新築移転。診療予約は18日から受け付ける。
 小児科の再開方針を受け、娘4人を育てる同市玉来の主婦吉住枝里さん(38)は「近くに病院があれば安心。良かった」。医師の留任を求めて署名活動を展開した市民団体の古森佳代代表(50)は「子どもの命を守ることから懸け離れた感情のぶつかり合いに翻弄(ほんろう)された。まだ安心できない」と述べた。
 首藤市長は「問題が長期化して申し訳ない。二度と同じようなことが起きないように組織体制を整える」と話した。




https://www.asahi.com/articles/ASM4K42VDM4KTPJB006.html
休診続いた「こども診療所」22日開所へ 大分・竹田市  
矢鳴秀樹 2019年4月18日14時49分 朝日新聞

 大分県竹田市は17日、新しい建物の完成後も「休診」が続いていた市立こども診療所を、22日に開所させると発表した。所長の男性医師(51)が診療を継続する意思を示した。当初の予定から約1カ月遅れの開所となり、18日から診療予約の受け付けを始める。

 市によると、15日に首藤勝次市長と医師が面会。首藤市長はこれまでの市側の対応について、医師も混乱した現状についてそれぞれが謝罪した。医師からは診療について「継続します」との言葉があったという。

 新築した建物での診療継続をめぐり、医師が市に不信感を持ったことから、開所は当初予定していた3月中旬からずれ込んでいた。医師は22日から診療を行う。市は地域医療を支える態勢づくりへ、大分大医学部にも協力を求める。

 首藤市長は「市民を置き去りにして解決が長引いたことへの不満の声も聞いている。いずれ市と医師がそろっておわびをしたい」と話した。

 診療継続を求める署名を集めた「竹田の小児医療を守る会」の古森佳代代表は「継続できてホッとしている。市は医師をサポートして竹田の医療充実に尽くしてもらいたい」と話した。(矢鳴秀樹)



https://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_mixi201904_post-15164/
4月から「無駄な医療」根絶の動き本格化…医師の過重労働是正、従来並み医療維持は困難  
ビジネスジャーナル 2019年4月16日 21:00 1

 私は3月に『続 ムダな医療』(日経BP社/以下、「本書」という)を上梓しました。5月、日本では元号が平成から令和へと改まりますが、今年は「ムダな医療」元年ともいえる転換点になるかもしれません。なぜなら、大きな制度変更がたて続けに予定されているからです。今回は本書の内容もひきつつ、「ムダな医療」について改めて考えてみたいと思います。

 前回もお伝えしましたが、私は20年近く医療や生命科学の分野で取材活動をしてきました。獣医学を学び、情報収集の経験もあるため、身近な人から病気について相談を受けることがよくあります。
 
 病気になると、今ではまずインターネットを使って医学的な知識を深めようとする人が多いです。ネット上には玉石混淆の膨大な量の情報があふれています。日本語の医療情報は多いですが、本当に悩む人にとって役立つ情報は多くありません。

 2013年、私は米国で「チュージング・ワイズリー」という、医学会が「ムダな医療」を列挙する動きを知りました。当時、その数はおよそ250項目。CT検査を行うな、特定の薬は使うな、などの内容です。なぜ米国では、こんな有用な情報、しかも米国の医学会にとって自分の首を絞めるような情報が公開されているのか疑問に思い、その実態を追ってきました。

 医療のムダは3パターンに分けて考えられます。1番目は、デメリットがメリットを上回るような医療行為。たとえばCT検査では、検査によって得られる情報の価値よりも、放射線被ばくによる発がんリスク上昇のほうが問題視される場合があります。2番目は、メリットがそもそもないケース。細菌にしか効かない抗菌薬を、ウイルス感染の治療に使うようなケースです。3番目は、デメリットが大きすぎる場合で、医療行為の効果がないのに副作用が大きいケースです。

●「医療技術評価」は一つの転機

 ムダな医療の視点から見ると、転機になりそうな動きがいくつかあります。直接的に影響するかは未知数ですが、注目したいと考えています。
 
 4月11日付日本経済新聞朝刊の社説にも紹介されていましたが、4月から日本で「医療技術評価(HTA)」と呼ばれる、主に医薬品の費用対効果を評価する制度が本格的に始まりました。医療技術評価は世界的にも重要視されるようになっています。例えば、これまでは医薬品は発売後、その効果が厳しく評価されていませんでした。医薬品が本当に命を延ばしたのか、病気を治したのかが今後は評価を受けることになります。

 原則的には、効果のある薬は保険適用されて幅広く使われるべきと判断され、効果のない薬については、必要性が低いと見なされ、場合によっては保険適用外となる可能性もあります。日本において、当初は、一部の医薬品価格の上げ下げが行われるにとどまります。ですが、英国などでは保険適用を外すような動きにまで踏み込んでいます。医療行為の価値に目が注がれ、ムダな医療への関心は従来よりも高まることになります。

 個別の病院や医師に関わる変化も生まれています。一つは、4月以降本格化している「働き方改革」です。かねて日本の医療機関は医師不足が深刻でした。その背景にあるのは、病院数の多さと医師の少なさです。OECDのデータによると2017年、人口1000人当たりの医師数は日本は36カ国中の28位。一方で、人口1000人当たりの病院数は韓国に次いで35カ国中の2位。病院ベッド数は40カ国中の1位。病院1施設当たりの医師の数はどうしても低水準にならざるを得ません。

 過剰なベッドに、少ないスタッフ。しかも、スタッフは働き過ぎ。今後は働き過ぎの部分が是正され、これまでのような医療サービスを提供することは難しくなります。4月に働き方改革関連法が施行され、医師にも2024年から適用されます。適用まで時間はありますが、医療現場も準備に着手することになります。医療の現場でも、人的資源活用の観点からムダが再点検されていくでしょう。

 もう一つは、10月の消費増税です。患者が払う医療費に消費税はかかりませんが、医療機器や医薬品の購入には消費税がかかり、医療機関の経営は圧迫されます。医療機関はムダにより敏感になると考えられますが、医療機関が提供する医療サービスにはムダがむしろ増える恐れもあります。

 このほかにも政府の掲げる地域医療構想の下、2025年に向けて日本の医療提供体制は大きく変わっていきます。さまざまな動きが関係して、医療のムダへの注目はより高まってくると考えています。

●良かれと思った医療に潜む「落とし穴」

 こうした時勢に、米国発の「チュージング・ワイズリー」が国際的にも広がりつつあり、たとえばオーストラリアなどは本腰を入れ始めています。チュージング・ワイズリーにはざっと550項目のムダと考えられる医療が列挙されています。がん、高齢者、子供、妊婦、心臓循環、腎臓、胃腸、脳神経、精神、骨や筋肉、血液など、カバーする領域は多岐にわたる、まさに驚異的なリストです。

 本書においては、最新のおよそ300項目を整理し、99節にわたってまとめています。14年に『絶対に受けたくない無駄な医療』(日経BP社)を刊行したときには250項目程度でしたので、大幅に項目が増えました。「ムダな医療」と言われてもなかなかイメージしづらいですが、それが目で見えるようになるので、具体的な行動を取りやすくなる点は重要です。

「チュージング・ワイズリー」には、次のような項目が見られます。

「定期的に行う検査は慎重に決める」
「入院中の寝たきりや座りっぱなしは禁物」
「妊婦に安易に安静を勧めない」
「古くなったというだけで、歯の詰め物を替えない」
「膝の痛みには手術以外の方法でまず対処する」
「耳や鼻のトラブルは問診や身体検査から十分に判断できる」
「平均寿命マイナス5歳を超えた年齢からはマンモグラフィー不要」
「乳がんの治療で避けるべき医療行為」
「子宮頸がんの治療は絞り込む」
「子宮内膜がんの子宮全摘後の放射線は勧められないこともある」
「甲状腺にはしこりが見つかるが、がんでないことが多い」
「早期がん発見を目的にした検診はやめる」
「病気を防ぐマルチビタミン、ビタミンE、βカロテンはやめる」
「高齢者を認知症と決めつけない」
「十分な強度のトレーニングを行う」
「子供にCTやMRIをやらない」
「子供への安易な薬の使用は禁物」
「出産後の母子を無理に引き離さない」
「5つ以上薬を使っている人にさらに薬を使わない」
「外反母趾や足底筋膜炎で安易に手術しない」
「皮膚の診断や治療にも無駄あり」
「末梢神経に異常があるだけでCTやMRIをしない」
「目覚める必要がないなら無理に起こさない」
「胃腸で必要性を疑うべき検査とは」

 これから日本においても医療行為の効果に関心が集まり、過剰な医療は減らして、余計な費用は削り、入院は減らすような動きが強まるわけです。良かれと思って行う医療に、落とし穴が潜んでいるというのが怖いところです。医学会が自らそれを指摘しており、信頼性の高さもあり、米国中に広がることになったのです。

 私は渡米して現地での無駄な医療をめぐる状況の変化についても取材をしてきました。チュージング・ワイズリーを始めた当事者にも会いました。14年に最初の書籍で問うたときは、日本では医療機関のムダへの意識は今ほど高まっていませんでした。むしろ、一般の人々の間で無駄な医療への関心が高まり始めた時期だったかもしれません。ムダな医療に関連した動きが前述のように続く今年は、チュージング・ワイズリーはより重く受け止められるようになったと思います。今年、ムダな医療の書籍を再び世に問うのは、必然だと考えています。
(文=室井一辰/医療経済ジャーナリスト)



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43974600Z10C19A4L01000/
郡山、民間病院すくすく成長 国公立大手なく独自性競う
(東奔北走)
 
2019/4/19 20:16 日本経済新聞 ヘルスケア 北海道・東北

医師や病院の不足、公的負担の大きさに悩む自治体が多い中、福島県郡山市の民間病院の成長ぶりが目立つ。南東北グループは世界最先端のがん治療に挑戦し、星総合病院、寿泉堂綜合病院などは東日本大震災を乗り越えて自力で病院を刷新した。国公立の大手病院がないことで、民間病院が独自性を競い合う好循環につながっている。

「夢のがん治療の実現に挑戦したい」。3月30日、南東北グループの渡辺一夫理事長は合同入社式に出席した医師、職員らに意欲を語った。

グループ中核の脳神経疾患研究所(郡山市)が進めるのが、ホウ素を取り込ませてがん細胞を狙い撃ちにするホウ素中性子捕捉療法(BNCT)という世界最先端の試験。陽子線治療装置という国内で十数カ所しかない設備を持つが、さらに高度な治療に挑む。

南東北グループは開院から38年で全国100施設、医師職員約8千人に成長した。郡山本部の一般病院(461床)も今後200億円をかけて建て替える計画だ。

郡山市には先端治療で評価を得て業容を拡大した先例がある。1980年代に心臓カテーテルを使った冠動脈の手術を取り入れた星総合病院だ。優秀な医師が集まり、循環器系の専門医を多く育てた。最先端の治療法を医師らの集まった会場にライブ配信する研究会を20年以上続けている。

2013年には土地代を含め総額120億円を投じた430床の新病院を郡山駅の東側に建設して移転した。

「意欲の高い医師に集まってもらえるよう最新の設備を整える努力をしている」と太田綜合病院の太田善雄・副理事長は語る。グループの中心の太田西ノ内病院の許可病床数は1086と県立医科大付属病院(福島市)の778を上回り、県内最大だ。

多くの地方では国公立の病院が中核的な役割を担う。安定感はあるが人材が一極集中したり、大学の医局中心の硬直的なヒエラルキーをつくったりしがちといわれる。

ところが郡山は明治以来、民間病院主体だった。日本赤十字社など公的な大病院もない。04年に国立郡山病院が国の行革で市外の病院に統合され、民間が群雄割拠で競う構図が鮮明になった。

県の担当者は「(郡山のように)民間病院が自力で投資をしてくれるのは自治体の財政上ありがたいこと」と語る。

人口が郡山市と同規模の福島県いわき市の場合、18年開設のいわき医療センター(700床)の投資額は約444億円にのぼった。一部は県の補助があったものの市は大きな負担を抱えた。

郡山市の大手病院で最も長い歴史を持つ寿泉堂綜合病院。2011年開業の新病院は上層階にタワーマンションを併設し関係者を驚かせた。ただ近接の繁華街にもう一棟タワーマンションを建てる当初の計画はリーマン危機後に凍結された。予定地には旧病院の建物が残されたままだ。

そこから徒歩数分の場所には太田綜合病院が09年に閉鎖した旧病院がある。「街づくりの計画があれば協力したい」というが、今のところ周辺に再開発の動きはない。自力開発には数億円とみられる解体費用が足かせだ。

星総合病院も郡山駅西側に旧病院4棟が震災で損壊したまま残る。「大企業」の扱いとされ、震災後の公費解体の対象外になった。解体費用は震災直後に比べほぼ3倍の10億円近くになるもよう。3病院とも遊休不動産の再活用が重い課題だ。

(郡山支局長 村田和彦)



https://www.toonippo.co.jp/articles/-/180792
弘前市立病院、一般外科医ゼロに  
2019年4月19日 東奥日報

 弘前市立病院の一般外科医が今年4月から不在となり、厳しい運営を強いられていることが18日、同病院への取材で分かった。医師減少に伴い、外来、入院数ともに、さらに減ることが予想される。市立病院と国立病院機構弘前病院は2022年に統合し、新中核病院としてスタートする予定だが、統合まで病院経営の効率化、医療の質の確保が課題となっている。



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12280-248731/
「働き方改革」が国を滅ぼす――企業成長に停滞懸念、病院すらも“診療お断り”?  
2019年04月16日 05時59分 デイリー新潮

■「働き方改革」が国を滅ぼす(2/2)

 この4月1日より、働き方改革関連法が順次施行されていく。残業時間などを規制するこの法には、現場から嘆きの声も少なくない。仕事をする場所が会社から家に移っただけ、業務量は変わらないのに“残業するな”は不可能だetc. 一方的な「帰れ」「休め」は、さながら仕事妨害の時短ハラスメントの様相を呈している。

 ***

 仕事があるのに、取り組むことを拒まれる状況が続けば、日本の衰退は避けられないのではないか。

 もっとも、大手商社や保険会社など、財務能力も人的資源も豊富で、実質的に残業を減らせる企業もある。たとえば、大手生命保険会社勤務の40代男性は、

「早く帰宅しても、子供の世話をしろとか皿を洗えとか言われるだけなので、漫画喫茶や飲み屋で時間をつぶし、家族が寝るころに帰るようにしています。そうしておかないと、仕事で疲れたのを言いわけに、土日にゴロゴロすることもできなくなりますからね」

 と愚痴をこぼすが、些細な“痛み”である。だが、こうした企業にも“痛み”の魔の手は迫っている。別の大手生命保険会社の、30代の社員が語る。

「うちは以前から勤務時間の把握には厳しかったのですが、昨年夏からさらに拍車がかかりました。それまで20時をすぎると、社内パソコンが一斉に強制ログアウトする仕組みでしたが、それが30分繰り上がり、19時半に強制ログアウトされ、画面に退社を促すメッセージが出ます。19時をすぎると社員はほとんどいませんね。また、社内会議もスカイプを使ったオンライン会議が中心になって、相手の顔色をうかがいながら相談する機会は減りました。個人が過剰な営業をしないように、社用携帯で新規契約やコンサルティングができるようになった反面、社用携帯の使用時間は制限されている。“これまで人一倍汗をかいて頑張ってきた人もいるのに、営業活動がワンパターン化してしまう”と嘆く人もいます」

 仕事の質の低下については、過労自殺で残業規制の流れを作った電通の社員も、

「クリエイティブな仕事だと、今週はどうしても残業したい、ギリギリまで粘りたい、と思う作業もあるし、夜中に海外と連絡を取る必要があるプロジェクトもあるのに、許されません」

 と訴えるのである。


■能力が身につかない

「働き方改革によって、社員や企業の成長が滞ってしまいかねない、という懸念は、多くの企業の社長から寄せられています」
 と説くのは、経営コンサルタントの横山信弘氏だ。

「いまの40代、50代の社員は、若いころから長時間労働に慣れ、時間をかけたからこそ身につけられた能力をもっています。一方、入社したばかりの新人が最初から時短を目標にした働き方をして、はたして成長に結びつくのか、能力を開発できるのか、非常に疑問です。剣道に喩えれば、達人と呼ばれる人は、どこで力を入れるのか、どこで力を抜くのか、という判断ができます。始めたばかりの人は動きすぎてしまうものですが、徐々に無駄をそぎ落とすことで洗練されていく。でも、最初から“動かない”を前提にしていると、なにが必要な動きであるかさえ判断できません」

 改革の“痛み”として、他人の成長が、ひいては企業の成長が損なわれるとしたら、なんのための改革か。横山氏が続ける。

「若手のなかには、体力があるうちにバリバリ働いて能力を磨きたい、と考える人もいます。そういう人は、日本の企業では、残業を望んでも帰されてしまうので、より融通がきき、海外で働く機会が得られる可能性がある外資系企業に流れます。優秀な人材がどんどん外資に流れてしまうのは、大きな損失です」

 経済産業省はいま、「国際競争力強化」の旗を必死に振っているが、それを横目に、厚労省は、自身にも不可能な数字の達成に遮二無二突っ走る。あまりに滑稽だが、到底笑えない。


■病院に断られる…

 国の発展を阻害する働き方改革だが、実は、国民の命さえも奪いかねない。

 というのも、厚労省の検討会は3月28日、2024年4月から勤務医の残業上限も、一般労働者並みの年960時間にするという方針を決めたのだ。もっとも、地域医療を担う勤務医や、集中して技能を向上させる必要がある研修医にかぎって、しばらく上限を年1860時間にするというが、ともあれ、

「ほとんどの勤務医の残業時間は、年960時間を優に超えているはずです。昨今の医師不足のまま、医師の労働時間を大幅に削減しろということは、単純に診療時間の短縮につながるほかありません。急患や、病院の少ない地方の患者さんは、病院から“うちは今月はもう診ることができません”と、断られることにさえなりかねません」

 と、首都圏のとある病院に勤務する内科医は危惧する。だが、別の病院に勤めるベテランの内科医によれば、すでに危機は始まっているという。

「うちの病院にかぎらず、どこも同じだと思いますが、若い医師たちは土日はまず出勤せず、当直明けも休みます。でも現実には、そうしていたら、入院患者を継続して診療することなど不可能なのですが、若い医師を休ませるのがいま至上命令である以上、出勤を促すことなど、まずできません。ですから、休日や夜遅くに容体が急変したりすると、以前にくらべて厄介だというのが現状です」

 働き方改革のおかげで、日本人はいよいよ、病気にもなれない状況に追い込まれようとしているのだ。内科医である秋津医院の秋津壽男院長が言う。

「患者が減るわけではないのに、医師の残業時間に上限を設けるのは、まったくの見当違いです。残業をなくせば診療時間が減り、患者の生命に関わります。現実には、患者の命を預かっている医師が仕事を減らすことは不可能でしょう。ただ、いままではタイムカードで勤務時間を正確に把握できていたのが、今後、罰則を受けないためにタイムカードを早めに押すことになれば、把握しにくくなってしまいます」

 秋津院長によれば、アメリカなどでは手術中に「これからゴルフ」と帰る医師もいるそうだが、そんな医療現場を、いったいだれが望んでいるというのか。

 折しも安倍総理は、新元号「令和」への思いを語る談話で、「いかに時代が移ろうとも、日本には決して色あせることのない価値がある」と述べた。額に汗して働くことを尊ぶ勤労感謝の精神もまた、長く日本人の美徳の一つであったはずだが、同じ総理の肝煎りである働き方改革によって、その精神や価値が破壊されようとしているのは、なんという皮肉であろう。

 働き方改革を通じて、日本人はいま、総じて、イソップ寓話の「アリとキリギリス」におけるキリギリスになろうとしているかのようである。しかし、キリギリスの末路については、あらためて本を開いてみるまでもないだろう。

「週刊新潮」2019年4月11日号 掲載



https://www.iga-younet.co.jp/2019/04/15/14278/
13期ぶり黒字の見通し 上野総合市民病院  
2019年4月15日 1828 伊賀タウンニュースYOU

 上野総合市民病院(伊賀市四十九町)の2018年度決算は、純損益が約1億3千万円の黒字となる見通しとなった。黒字は05年度以来13期ぶり。政府が定めた基準の他に、市が一般会計から経費を投入する「基準外繰入金」分を純損益から除いた実質単年度収支でも、約4千万円の黒字を見込む。【繰入金推移のグラフを示す諦乗事務部長=伊賀市四十九町で】

 昨年4月から入院費の計算方法を出来高払い方式から、最も医療資源を投入した一つの傷病を選んで計算するDPC(診断群分類包括評価)方式に転換。診療行為の標準化と、収益の増加を目指してきた。

 同時に、西館3階の療養病棟を、退院後の生活に不安のある患者に対し、在宅復帰に向けた医療の管理やリハビリを行う「地域包括ケア病棟」(40床)として新たに開設。入院期間60日以内という制限の中、院内の一般病棟から移動してくる患者の他、転院してくる患者も増え、稼働率が向上したという。

基準外繰入金ゼロを目標
「職員の意識変化」

 同病院では2005年から、医師や看護師の不足などにより病棟の一部を閉鎖し始め、12年までの8年間で、68%だった病床稼働率が23%まで低下。5病棟のうち3病棟が閉鎖する状況下、12年には純損益が最大8億2631万円の赤字となった。その後、周辺地域の医大などから支援を得て、医師数、看護師数ともに徐々に回復。16年には全病棟の稼働再開を果たし、徐々に赤字を減らしてきた。

経営状況を共有
 現在、同病院の常勤医師数は18人。18年4月から19年2月までの1日平均入院患者数は約199人で、病床稼働率の平均は70・9%となっている。

 経営が改善してきた要因として、「経営改善会議の活用で職員の意識が変化した」ことが大きいという。会議は以前から開催されていたが、数年前からは医師や看護師を含む各部署の担当者約40人に出席を呼び掛け、図や表などを交えた経営実績についての詳細な資料を配布。単月ごとの数値やキャッシュフローの推移などを確認し合い、経営状況を全部署が共有した。結果、診療報酬の算定に関する知識が向上、DPC方式の特徴を踏まえ、診療内容を算定に反映させたことも収益上昇につながったという。

 また16年3月から、看護師1人に対する入院患者の割合を7人から10人に変更。現場の負担増に対応するため業務内容を見直し、配膳やシーツ交換など委託可能なものを仕分け、効率化を進めた。

信頼関係の構築
 その他、地域の開業医からの紹介を積極的に受け、専門治療によって患者の状態が改善したら、速やかに開業医に患者を紹介するよう徹底。信頼関係の構築により入院患者数が増え、病床稼働率の上昇に貢献した。

 経営改革を担う諦乗正事務部長は「20年度には基準外繰入金をゼロとするのが目標。新院長のもと、キャッシュフローを改善して基準内繰入金のみで安定した病院経営を進めていきたい」と話した。

2019年4月6日付745号1、10面から



https://gentosha-go.com/articles/-/20812
廃院には1000万円以上のコストも…地方開業医の後継者問題  
井元 章二2019.4.16 幻冬舎ゴールドオンライン

地方開業医の後継者不足が問題となっている。最終的に、病院解散・廃院になると、1000万円以上のコストがかかるケースもあるようだ。また、地域によっては、「病院にかかりたいけど諦める」という医療難民の増加も懸念される。本記事では、井元章二著『相続破産を防ぐ医師一家の生前対策』から一部を抜粋し、地方開業医の後継者問題について取り上げる。

息子が後継を拒否 宙に浮いた承継問題の行く末は…
地方都市で内科を開業しているDさんには息子が2人います。長男は東京の医学部に進み、そのまま大学病院に残って勤務医をしています。専門はDさんと同じ内科です。二男は医学部の4年生です。

Dさんは前々から自身の引退は70歳と決めており、そのつもりで準備を整えていました。70歳を数年後に控え、病院を長男に継がせる時期だと思ったDさんは、正月で家族全員が揃った機会をみて、長男に「そろそろこっちに戻ってきて病院を手伝ってくれないか」と持ちかけました。

ところが、長男から返ってきた答えは「NO」でした。長男の言い分は、「今では結婚もして、生活の基盤はすでに東京になっている。家族を養っていくのに十分な収入もあるし、何より勤務医は気楽でいい。今さらこっちに戻って、経営の苦労を背負い込みたくない」というものでした。

てっきり長男が継いでくれるものと思っていたDさんは、「それは話が違うだろう。ゆくゆくはこっちに戻ってくるという約束だったではないか」と言いましたが、「それは昔の話で、今は事情が違う」と言い返されてしまいました。

それなら二男にと話を向けましたが、二男は二男で「自分も無理だ」と言います。なぜなら、「自分は心臓血管外科の道に進みたい。多くの症例に触れて腕を磨くには、やはり東京でなくてはならないし、将来的には海外留学も考えている。そもそも父の病院は内科で、自分が継ぐには無理がある」というのが理由でした。

息子は2人とも間違ったことは言っていません。むしろ自分の生き方や使命というものを真面目に考えています。Dさんはそういう息子たちを頼もしく思い、また、その意思を尊重してあげたい気持ちもありました。

突然、後継者のあてを失ってしまったDさんは、自分のリタイアどころではなくなってしまい、病院の存続に頭を抱えてしまいました。

その後、私はDさんから相談を受け、「息子さんに継がせることは諦めて、誰か病院を欲しいという人に譲る方向に切り換えませんか」と提案しました。Dさん自身もそれは考えていて、知人の医師などに声をかけたりはしていたのですが、やはり一個人の情報網では限界があり、適当な候補者を見つけることができませんでした。

そこで、私もお手伝いをして各方面の協力を得ながら情報を集めました。すると、幸いなことに、地元出身の30代の若い医師が、東京から地元に帰って開業したいと希望していることが分かりました。しかも診療科目も内科と理想的でした。

さっそくM&Aの専門家を紹介し、Bさんの側に立って具体的な譲渡の話し合いを進めてもらっているところです。両者とも前向きな交渉ができており、近々M&Aが成立する見込みです。

70歳引退という当初の予定よりは少し遅れてしまいますが、Dさんのハッピーリタイアはもう間もなくです。

病院解散・廃院は地域全体を巻き込む大問題
Dさんは息子からの想定外の承継拒否に遭って、危うく後継者不在になってしまうところでした。一時はDさんも「自分が続けられるところまで続けて、死んだら病院は閉じる」と覚悟を決めていました。

最初に紹介したAさんもそうでしたが、病院を閉じるということは、世の中にとって実は開業医自身が考えているより、ずっと大きな問題です。

都会なら近くに別の病院があるかもしれませんが、田舎に行けば病院の数は減ります。地域に1軒あるだけで、その次に近いのは車で20分以上離れたところという町村も多いと思います。そういう地域では、「そこに病院がある」「何かあったら駆け込める」ということが、人々にとってとても大きな安心材料になります。

特に、これからはますます少子高齢化が進み、ひとり暮らしの老人が増えていきます。今まで歩いて通っていた病院がなくなると、彼らは車やバスや電車で遠くの病院まで行かなければなりません。若い人ならいざ知らず、高齢者にとっては大きな負担となるでしょう。

ただでさえ「病院にかかりたいけれど諦める」という医療難民が増えていくことが懸念されているのです。後継者不在で病院を潰してしまうことで、こうした問題に拍車をかけてしまうことになります。

病院はもちろん開業医のものではありますが、それと同時に〝地域の財産である〟ということをいま一度、心に留めていただきたいと思います。

廃院するには、1000万円以上のコストがかかることも
病院を潰すにも次のようなお金がかかります。

登記や法手続きの費用

廃業にあたっては各方面に届け出をしなくてはなりません。従業員を雇用していて、社会保険の適用を受けている場合は、その手続きも必要です。医療廃棄物の処分費用医療器具や薬剤などは専門業者に依頼して、医療廃棄物として処分してもらわなくてはなりません。

医療用検査機器の処分費用

CTやMRI、レントゲンなどの検査機器は、まだ使えるものは中古品として買い取りしてもらえますが、古いものは廃棄になります。リース代が残っているものについては、その清算もする必要があります。

建物の取り壊し、原状回復の費用

テナントを借りて開業している場合などは、建物を元の状態に戻して返還しなくてはなりません。土地を借りて自前の建物を建てている場合は、建物を取り壊して借地を返還することになります。契約の内容によっては、解約金・違約金などがかかってきます。

従業員の退職金

雇っていたスタッフを解雇することになるので、各人に退職金を支払わなくてはなりません。

借入金の残債の清算

病院に借金があれば、廃院までに清算が必要です。

病院の規模や診療科目などにもよりますが、場合によってはトータルで1000万円以上かかるケースもあります。

病院を潰すよりは第三者への承継を考えるべき
後継者不在になってしまう理由として、Dさんのように「医師の子が跡を継ぎたがらない」というほかに、「医師免許を持つ子がいない」「そもそも子がいない」ケースがあります。

そういうときは、
① 養子をとって医師に育てる
② すでに医師になっている者を養子に迎える
③ 子が医師と結婚し、配偶者に継がせる
といったこともできます。ただし、養子を迎える場合は、実子との間で感情のもつれが生じやすいという問題があります。

親族のなかに医師免許を持つ人がいれば、その人を招いて理事長になってもらうとか、まったくの他人に理事長を継いでもらうことも可能です。そういう場合は、役職だけ「理事長」を継いでもらいます。いわゆる、雇われ理事長です。そして、出資持分は相続人に持たせます。理事長は医師免許がないとなれませんが、平理事なら免許がなくてもなることができます。

これらができない場合は、DさんのようにM&Aという選択肢もあります。M&Aは、希望する相手に出資持分を買い取ってもらうことで、病院を承継する方法です。これなら廃院にかかるコストが必要ないだけでなく、病院の売却利益が入ってきます。また、病院を潰すことなく地域に存続させられます。

ほかにもM&Aをすることにはいくつものメリットがあり、最近は積極的・前向きな意味合いで〝あえてM&Aを選択する〟開業医も増えてきました。近い将来、M&Aは医業承継のトレンドになるだろうともいわれています。

親子で承継できないからと病院を潰してしまうより、誰か第三者に病院を継いでもらうほうが多方面でメリットが大きいですから、最後まで承継を諦めないことが大切です。



https://blogos.com/article/371021/
自治体病院が破綻する日  
藤田哲朗2019年04月15日 10:44 BLOGOS

旭川市が運営する旭川病院で、赤字を理由に職員給与の削減が行われるという報道があった。一般に、自治体病院は一般会計からの繰入れで赤字が補填されるため、職員給与に手を付けてまで収支改善しようとするケースはあまり聞いたことがない。

北海道旭川市は11日、市立旭川病院の医師や看護師らの給与を2年間、削減する方針を決め、関連議案を定例市議会に提出した。同病院は深刻な赤字が続き、経営改善が喫緊の課題だ。給与削減で年約1億3千万円の節減を見込む。

市立旭川病院の損益状況
総務省が取りまとめている病院事業決算状況から旭川病院の経営状況を見ると、平成29年度は医療の提供による売上である医業収益が97億円に対し、医業費用が109億円であり、一般企業でいえば12億円の営業赤字となっている。これは、100円稼ぐのに費用が110円かかっている計算で、確かに大きい問題。

旭川市内の病院市場環境
病床機能報告をみると、旭川市を含む上川中部医療圏は高度急性期病床の比率が高く、急性期病院がタブついている地域となっている。

旭川市内には400~500床規模の急性期病院が旭川病院を含めて4病院ある。公開情報から病床稼働率を計算すると、旭川医科大病院や旭川赤十字病院が稼働率90%前後なのに対し、旭川病院は70%を下回る水準。供給過多の中で、市場シェアを獲得できていない状況にある。

給与削減の妥当性は
先のP/Lに戻ると、旭川病院のコスト構造を見ると人件費率が売上対比で53.8%となっている。一般に病院の適正な人件費率の目安は50%と言われており、それと比較すると若干高いものの、コスト高体質になりがちな自治体病院としては必ずしも高い数値ではない。

今回の給与削減による支出の抑制効果は1.3億円ということなので、人件費率の引き下げ効果は1%程度。確かに小さい額ではないものの、これによって12億円の赤字が抜本的に改善できるわけもない。

また、医師・看護師・薬剤師等の医療専門職は技能がポータブルで雇用の流動性が高いため、給与水準には一定程度の相場観がある。今回、最大で基本給20%程度の削減ということで、かなり踏み込んだ内容になっているが、一時の収支改善のために相場から外れた給与をセットしてしまうと大量離職の引き金にもなりかねない。

旭川病院は現在7:1看護*1で、かなりの数の看護師を確保しておかないといけない状況なので、仮に離職者が多発して7:1を維持できなくなると単価が下がって収支がさらに悪化するリスクもある。

病院経営の王道は一にも二にも稼働率をどう高めるか。旭川病院は許可病床数の1/3が稼働していない状況なので、人件費に手を付けて不稼働病床を増やすリスクを負うよりも、回復期病棟への転換も含めて既存の病棟を埋めることにエネルギーを注ぐべきだったのではないかと思う。

そう考えると、今回の給与引き下げは、リスクが大きい割に大したリターンが見込めないので、あまりいいアプローチではないと思う。給与カットからの大量離職⇒病棟運営困難⇒収入激減⇒補填不可能なほどの赤字⇒経営破綻という最悪のストーリーも視野に入りかねない。

自治体病院が破綻する日
旭川市は2019年度の予算で自治体の「貯金」にあたる「財政調整基金」から13億円を財源不足の穴埋めに取り崩す予定という。2018年度の財政調整基金の残高が約30億円のはずなので、このペースではあと3年で基金が底をつくことになる。母体である旭川市の財政がおぼつかなくては市立病院の支援もできない、というのが背景にあるのだろう。

自治体病院がこれまで「公益性」を錦の御旗に放漫経営をできていたのは、最後に赤字を補填してくれる自治体があったから。ところが、昨今の自治体財政の状況は、たとえ「公益性」があったとしても無限の赤字補填を許容できなくなってきているということだろう。

「自治体病院は絶対につぶれない」という神話はいつまで守られるか。自治体が自治体病院をこれまでどおり維持できなくなったとき、自治体病院がどうあるべきか。「破綻の日はいつかやってくる」を前提に考える時期がやってきている。

*1:看護師1人あたり7人の患者を看る体制。入院基本料では最も手厚い配置で最も入院単価が高い。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201904/560556.html
リポート◎ついに動き出す「医師の働き方改革」
医師の労働時間短縮と地域医療維持は両立するか
 
2019/4/15 満武里奈=日経メディカル

 3月28日、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が最終報告書を取りまとめた。これを受け、医療界は残業時間の削減など、働き方の改革にようやく動き出すことになる。医師の過重労働解消の一方で、地域医療の崩壊を懸念する声も根強い。

 医師の働き方改革が議論されるきっかけとなったのは、2017年3月に安倍晋三首相の肝煎りで策定された「働き方改革実行計画」だ。それまで36協定※を結べば事実上、青天井だった時間外労働に制限が設けられるようになった。だが、応召義務のある医師については別途議論が必要として、厚労省に「医師の働き方改革に関する検討会」を設置。検討会では「医師も労働者である」と確認した上で、医師の労働時間短縮に向けた議論を進めてきた。

 1年8カ月の議論を経て、2019年3月28日に取りまとめられた報告書では、原則として勤務医の時間外労働の上限時間を年間960時間・月100時間(休日労働含む)とした。遵守できない場合は雇用する医療機関に対して6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることになる。ここまでは一般の会社員の時間外労働の規定と同等だ。

 ただし医師には一部例外が認められた。例外は(ⅰ)から(ⅲ)の3種類。(ⅰ)地域医療に影響があると認められる場合、(ⅱ)初期・後期研修中や(ⅲ)6年目以降の医師で高度技能習得など技能向上のための診療が必要な場合─については特例として、年間の時間外労働を1860時間(月155時間)以下と基準を緩めた。また、罰則を伴う働き方改革法案は、大企業では2019年4月から、中小企業では2020年4月から施行されるが、医師は2024年4月。医師だけが4~5年遅れで改革が進むことになる。

 もっとも、厚労省は2018年2月末、法改正を待たずに今すぐ全医療機関で取り組むべき事項をまとめた「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」を提示。医療機関の管理者に対し、(1)医師の労働時間管理の適正化に向けた取り組み、(2)36協定などの自己点検、(3)既存の産業保健の仕組みの活用、(4)タスク・シフティング(業務の移管)の推進、(5)女性医師などに対する支援、(6)医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取り組み─の6項目を求めている。

特例「1860 時間」が認められるのはどんなとき?
 地域医療特例(ⅰ)や、初期・後期研修中の医師に適用される特例(ⅱ)の対象医療機関は、どちらも都道府県が指定する。

 特例(ⅰ)の認定要件は右の通りで、約1500の医療機関が対象となる見込み。特例が適用される施設は2023年度中に設定され、2035年度末を「終了目標年限」とする。

 特例(ⅱ)については、病院ごとの臨床研修プログラムや専門研修プログラムにおける時間外労働の想定最大時間数(直近の実績)が参照される。

 特例(ⅲ)は、医師本人が「高度特定技能育成計画」を作成し、所属医療機関に申し出た後、医療機関が承認を受ける形式。今後指定される第三者機関に申請し、審査を受けた上で認められることになる。

 これらの特例では例外的に、長時間の時間外労働が認められるが、その代わりに勤務間の休息時間の確保や連続勤務時間に制限を設けるなど、健康に配慮する措置が義務付けられる。

 具体的には、連続勤務は28時間までに制限され、勤務間のインターバル時間は9時間(当直時は18時間)を確保。連続勤務時間制限とインターバル時間が確保できなかった場合、遅くともその翌月末までに時間単位での休息の取得を義務付けた。

 ただし、特例(ⅱ)が適用されている初期研修医については、連続勤務時間を15時間に制限(勤務間インターバルは9時間。指導医の勤務に合わせ24時間の連続勤務が必要な場合は24時間)。連続勤務時間制限、勤務間インターバルを徹底する。

04211_20190421103316f3d.jpg
表A  地域医療特例(ⅰ)が認められる医療機関

地域の「1860時間」は10年限定
 3月末の報告書を受けて今後、各医療機関は具体的なアクションを開始することになる。期限は2024年3月末。まずは自院の現状を分析し、年間の時間外労働時間が960時間以下となるよう「医師労働時間短縮計画」を作成し、短縮を図っていく。各医療機関における労働時間短縮の達成を支援するため、都道府県は地域内の医療機関の役割分担を再考するなど、医療提供体制のあり方を検討する。

 今後は報告書をベースに細部を詰め、2024年3月末までに、医療法・医師法のなどの改正が行われたり、労働基準法の省令が発出される見込みだ。また、今のところ労働時間に含めるかどうか曖昧なところが残っている「宿日直」や「自己研鑽」についても明確に定義し、早ければ今年4月にも厚労省通知として発出される。

※用語解説
【36(サブロク)協定】 労働基準法第36条に基づく労使協定。法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超える場合や休日に労働させる際には、36協定を結ぶことで、1カ月45時間、1年で360時間を上限に時間外労働をさせることが可能になる。さらに、「特別条項付き36協定」を結ぶと、例外的に45時間を超える形で上限時間を設定可能で、年間6カ月間まで適用できる。

 今回の報告書に対して、現場の医師の反応はどうか。一部の例外の扱いとはいえ、労災認定される過労死ラインである「月80時間(複数月平均)」を大きく上回る「月155時間」が示されたことで、若手産婦人科医師を中心とした「医師の働き方を考える会」などが反対の署名活動を実施した。一方で、現場の医師からは「アルバイトの時間を入れると妥当な時間」「今よりは労働環境が間違いなく改善する」「今まで支払われていなかった残業代が支払われる」と好意的に捉える向きもある。

 医師の労働環境が白日の下にさらされることで、診療科間の医師偏在が加速するとの意見もある。「産婦人科のように夜勤が多く、時間外労働が960時間では収まらない診療科を志望する医師は減ってしまうだろう」(大学に所属する産婦人科医)。

大学病院から医師が逃げ出す?

 偏在のリスクを抱えるのは診療科だけではない。医療機関ごとの労働環境が明らかになれば、「働きやすい病院」に医師が集中する可能性があるからだ。例えば、聖路加国際病院(東京都中央区)は労働基準監督署の立ち入り調査が入ったことを契機に、救命救急センターを残して土曜外来を廃止したり、夜間に配置する医師数を縮小するなどの改革を行った。結果、医師の時間外労働平均時間は、月95時間から35時間まで縮小。それを受け、「これまで十分数集められなかった救急部、集中治療科、麻酔科にも計8人の医師が入職し、今春からはシフト制を敷くことができるようになった」(病院長の福井次矢氏)。ただ、裏返せば、それ以外の病院から医師が抜けたということでもある。

 働き方改革に伴う医師の移動で影響を受けそうなのは大学病院だ。時間外労働の上限時間は、アルバイト時間を含んだもの。年間960時間以下の時間外労働を達成するために、外勤が制限される可能性がある。大学の薄給をアルバイトで補ってきた大学勤務医が、収入減を避けるため、市中病院に大移動する可能性もある。国立大学附属病院長会議で代表理事を務める千葉大学病院病院長の山本修一氏は、「大学の使命は診療だけでなく、教育と研究もある。研究と教育に十分に携われる環境を整えることで大学の魅力をアピールしたい」と話す。

 医療提供体制への影響も懸念される。時間外労働時間を960時間以内に抑えるために、夜間の救急対応を中止する病院が出てくると、「それだけで地域医療が崩壊する可能性がある」と相澤病院最高経営責任者で日本病院会会長の相澤孝夫氏は懸念を示す。救急対応を中止することで、特定の病院に救急患者が集中。その病院は医師数を増やすことが必要になる。だが、「救急患者増加に伴う収入よりも人件費による支出の方が多くなり、救急体制の維持が困難になる病院が続出するのではないか」と相澤氏は指摘する。

 病棟の医師数を減らすことによる医療安全面への悪影響もある。昭和大学病院では労務管理を徹底し、17時以降に一般病棟で当直する医師数を20人から4人に減らした。結果、医師の残業時間は削減できたものの、「これまでは察知できていた急変前に患者の変化が分からなくなった」と副院長の小林洋一氏と大嶽浩司氏は口をそろえる。結果として、患者の容態が急変してから対応する例が増えてしまったという。

 そこで昭和大ではICU専門医を中心とした「迅速対応チーム(RRT)」を結成。急変しそうな患者を予め拾い上げて報告し、RRTが巡回・重点的に対応する体制を整備した。RRTの整備により、月平均3.5例だった急変後の対応例を月3.2例に減らすことができたという。ただ、これは改革前の月2.2例には届いていない。働き方改革を実践する上では、こうした医療安全体制への配慮も必要となる。

残る、揺り戻しの可能性

 医師自身の健康を守るためにも働き方改革を進めるのは必須だ。だが、これまで日本の医療は、医師の長時間労働という表に出てこない犠牲の下に成り立っていた。医師の長時間労働を制限することで、地域医療の崩壊などの問題が噴出すれば、改革の流れが揺り戻される可能性もある。

 事実、自由民主党厚生労働部会「医師の働き方改革に関するプロジェクトチーム」の座長を務めた羽生田俊氏は、上限時間を含め、報告書の内容をこれから変更する可能性についても含みを持たせる。「せっかく2024年3月末まで猶予があるのだから、他職種への業務移管など、2月末に示された『緊急的な取り組み』の効果を含めて検証した上で修正していけばよいのではないか」(羽生田氏)。

 今回の報告書は、医師の働き方改革の方向性を示したにすぎない。今後の議論や取り組みに注目したい。 

「医師の働き方改革」報告書を理解するための6つのポイント
(1) 労務管理が各医療機関で徹底されるようになる
(2) 2024年4月からは時間外労働年間1860時間を超える医師がゼロに
(3) 2024年4月からは、特例(ⅰ)~(ⅲ)を除き、時間外労働を上限年間960時間に(アルバイト勤務を含む)
(4) 「地域医療提供体制確保の観点からの特例(ⅰ)」や「一定期間、集中的に技能向上のための診療が必要な場合の特例(ⅱ)(ⅲ)」を適用された場合は、年間の時間外労働の上限時間が1860時間(休日労働含む)になる
(5) 特例(ⅰ)~(ⅲ)で時間外労働1860時間が認められた場合は代わりに、勤務間インターバルの確保(9時間、当直時は18時間)や連続勤務時間制限(28時間まで)などの追加的健康確保措置が義務付けられる
(6) 地域医療特例(ⅰ)の適用は暫定的なもの。終了目標は2035年度末



https://www.m3.com/news/iryoishin/672556
自治体病院、10連休の開院は2日間が最多
4月30日、5月2日に集中
 
レポート 2019年4月19日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会は4月18日の記者会見で、10連休中の開院状況についてのアンケート結果を発表し、通常通りの開院は「2日間」が165病院中82病院で最多だった。外来の一部や入院、透析、手術などの「一部開院」も合わせると10連休中に何らかの形で開院するのは355病院中283病院で、うち「2日以上」は220病院だった。開院日別では4月30日が199病院、5月2日が253病院で、この両日に集中していた。アンケートは3月7日に開始し、4月16日時点で1093のうち406施設から回答があり、回答率は37.1%。

04212_201904211033184f8.jpg
提供:全自病
 10連休中に全く開院しないという回答もあったが、いずれも通常の救急対応は行うとの回答だった。また、化学療法や放射線治療など患者の必要に応じた対応をする病院もあった。

04213_20190421103319d85.jpg
提供:全自病
 開院日別では、例年であれば平日の4月30日、5月1日、2日のうち新天皇が即位する5月1日を除く2日間が最も多かった。

「中小病院の経営を考える事務PT」設置

 記者会見では事務部門の活性化や質の向上策を練る「中小病院の経営を考える事務プロジェクトチーム」の設置も発表した。事務部門の長や職員などから公募して集まった6人に地域バランスなどを考慮して全自病が選んだ6人を加え、外部から経営の専門家もアドバイザーとして招いた。3月21日に準備会合を開き、委員長に公立神崎総合病院(兵庫県)事務長の藤原秀明氏が就いた。4月12日には事務部門の課題などを問うアンケートの依頼を会員病院に出しており、この結果も踏まえて今年度中に何らかの事業を企画する。全自病会長の小熊豊氏は「自治体病院の約6割が200床以下だが、なかなか経営がうまくいかないし、人も集まらない。それを解決する一端として行う」と話した。

偏在解消、働き方改革の提言を提出

 4月4日には全自病も加盟している「地域医療を守る病院協議会」から根本匠厚生労働大臣宛ての提言を、同省医務技監の鈴木康裕氏に提出した。総合診療医の育成や管理者要件の全ての医療機関への拡大などの6項目で、鈴木氏からは「成果を見ながら取り組んでいきたい」などの回答があったという。



https://www.medwatch.jp/?p=25920
入院日数の短縮、病床ダウンサイジングを支援し、医療費の地域差縮小を―経済財政諮問会議で有識者議員  
2019年4月15日|医療・介護行政全般 MedWatch

 医療費・介護費の地域差縮小に向けて、▼消費税財源を活用した病床ダウンサイジング支援の拡充▼入院日数の短縮▼介護医療院への計画的な転換支援―などを実施せよ―。

 4月10日に開催された経済財政諮問会議で、有識者議員からこういった提言が行われました。

ここがポイント!
1 次期診療報酬改定(2020年度改定)や次期介護保険制度改革に向けた提言も
2 2040年までに医師の生産性を7%、他職種の生産性を5%以上改善


次期診療報酬改定(2020年度改定)や次期介護保険制度改革に向けた提言も

 画期的な抗がん剤をはじめとする医療技術の高度化、高齢化の進行(2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる)などに伴って医療費を含めた社会保障費は、今後も増加を続けます。

一方、2025年以降、高齢者人口の増加度合いそのものは鈍化しますが、社会保障を支える「生産年齢人口」が急激に減少していきます。このため社会保障制度の基盤が極めて脆くなることから、安倍晋三内閣では、さらなる「社会保障改革」の検討を進めています。

 経済財政諮問会議の有識者議員(▼竹森俊平議員:慶應義塾大学経済学部教授▼中西宏明議員:日立製作所取締役会長兼執行役▼新浪剛史議員:サントリーホールディングス代表取締役社長▼柳川範之議員:東京大学大学院経済学研究科教授)は、4月10日の会合で、「新経済・財政再生計画の着実な推進に向けて―社会保障制度改革―」として、次のような事項を進言しました。

(1)地域医療構想の実現
(2)2020年度診療報酬改定
(3)介護保険制度の見直し
(4)次世代型行政サービスの推進
(5)保険者機能の強化

 このうち(2)「2020年度診療報酬改定」に関しては、とくに「調剤」「医薬品」に焦点を合わせ、▼薬価制度抜本改革の推進▼院内・院外の調剤報酬の価格差是正、調剤料などの技術料、かかりつけ薬局、健康サポート薬局などの検証に基づく適正化(正当性が疑われる場合)▼病状が安定している患者等への「リフィル処方」(一定期間内に反復使用できる処方箋の活用など)推進の検討▼医薬品産業構造の転換(高い創薬力の保持)に向けた「長期収載品の価格引下げまでの期間の在り方」などの検討―などに言及しています。

 中央社会保険医療協議会でも、2020年度の次期診療報酬改定に向けた議論が本格スタートしており、今後、各所でさまざまな「提言」が行われることでしょう(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

 また2021年度に改正が予定される(3)「介護保険制度」については、第8期介護保険事業(支援)計画期間中(2021-23年度)に団塊の世代が後期高齢者となり始め、介護サービス利用者が急増すると見込まれることから、▼ICT、AIなどの活用による介護現場の生産性向上▼予防・自立支援を軸としたサービス給付・報酬体系の構築(要介護度の維持・改善につながる取り組みや、ADL改善などのアウトカムに基づく支払いを大胆に推進する)▼住所地特例制度(施設に入所した場合、元の住居で介護保険料の納付や給付管理などを行うことで、施設住所地の過重負担を抑える仕組み)の利用実態等把握と在宅介護への適用範囲拡大―などを検討するよう求めています。

 こちらも社会保障審議会・介護保険部会で、制度改革に向けた議論が始まっており、今後の動きに注目が集まります(関連記事はこちらとこちら)。


 さらに(1)「地域医療構想の実現」についても、2018年度で公立病院・公的病院等の機能改革論議が完了することになっており、議論が次のフェーズに入ることになります。有識者議員は、「医療・介護費の極めて大きな地域差の縮小に取り組む必要がある」とし、▼消費税財源を活用した病床のダウンサイジング支援の拡充▼入院日数の短縮(とくに精神病床について)▼介護医療院への計画的な転換に向けた支援―を行うよう求めています(関連記事はこちらこちらとこちら)。

04214_20190421103337d24.jpg
経済財政諮問会議1 190410
 
このうち介護医療院については、「療養病床から転換した場合、介護給付費が増加し、介護保険料の高騰につながってしまう」として転換にストップをかける市町村(介護保険者)もあるといいます。ただし、医療療養から介護医療院への転換は、社会保障費という面でみれば「適正化」につながるものであり、市町村関係者の正しい理解に向けて厚労省が全国ブロック会議等を実施しています。この会議の中で「必要な支援策」が浮上してくるかもしれません。

 
 このほか、(4)では「全国保健医療ネットワークの本格稼働」(2020年度からスタート予定の、保健・医療・介護データの連結と、その活用)、(5)では「働き盛りの 40~50 歳台の特定健診・がん検診受診率の向上」などが重要と強調しています。

2040年までに医師の生産性を7%、他職種の生産性を5%以上改善

 なお、臨時議員として出席した根本匠厚生労働大臣は、▼健康寿命延伸プラン(2019年夏策定予定)で「2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸し(2016年比)、75歳以上とする」▼医療・福祉サービス改革プラン(2019年夏策定予定)で「2040年時点において、医療・福祉分野の単位時間当たりのサービス提供(生産性)を5%(医師では7%)以上改善する―考えを提示しました。

 前者(健康寿命延伸プラン)では、(I)次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成等(II)疾病予防・重症化予防(III)介護予防・フレイル対策、認知症予防―に取り組み、とくに後2者では「保険者インセンティブ(医療保険者へのインセンティブ、介護保険における市町村・都道府県へのインセンティブ交付金など)」を拡充していく方向性が示されています。

 また後者(医療・福祉サービス改革プラン)では、まず介護現場の業務を「介護の専門職でなければ担えない部分」と「間接業務」とに仕分けし、後者については「元気高齢者」や「ロボット・センサー・ICT」などが担当することで、介護専門職が本来業務に専念し(介護サービスの質公助にもつながる)、その負担を軽減していく方向性が明確にされています。



https://www.medwatch.jp/?p=25942
3割程度の救急病院で医師の働き方改革が「困難」、医師増員での対応は実現可能か―日医  
2019年4月16日|医療現場から MedWatch

 2024年4月から医師の時間外労働上限(原則960時間以下、救急病院等では1860時間以下など)が適用される。しかし、「年間960時間以下」が適用される、年間救急車受け入れ台数1000台未満の2次救急では、3割程度が「年間960時間以下の達成」が難しい。また3次救急等の3割程度では「9時間以上の勤務間インターバル確保」が難しい―。

 日本医師会が4月10日に公表した「医師の働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査の結果」から、こういった状況が明らかになりました(日医のサイトはこちら http://www.med.or.jp/nichiionline/article/008560.html)。

 多くの救急医療機関では「医師の増員」で対応する考えを示していますが、医師の少ない地域では難しく、また多くの医療機関で「医師の増員」に動くため、競争が激化する可能性もあります。地域で「医療提供体制の再編・統合」等を進めていくことが、これまで以上に求められそうです。

ここがポイント!
1 救急車1000台未満の2次救急、3割程度で年間960時間以下の達成が困難
2 半数近くの救急病院が「医師増員で対応」するとしているが、実現可能性は?
3 3次救急等の3割、「9時間以上の勤務間インターバル確保」が困難
4 救急病院の3-7割、大学病院の医師引きあげで救急医療に支障が出る可能性
5 7割の救急病院、タスク・シフティングについて「十分な検討が必要」との考え


救急車1000台未満の2次救急、3割程度で年間960時間以下の達成が困難
 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が3月末(2019年3月末)に報告書をとりまとめ、次のような方針が明確になりました(関連記事はこちら)。

▽2024年4月から「医師の時間外労働上限」を適用し、原則として年間960時間以下とする(すべての医療機関で960時間以下を目指す)

▽ただし、「3次救急病院」や「年間に救急車1000台以上を受け入れる2次救急病院」など地域医療確保に欠かせない機能を持つ医療機関で、労働時間短縮等に限界がある場合には、期限付きで医師の時間外労働を年間1860時間以下までとする

▽また研修医など短期間で集中的に症例経験を積む必要がある場合には、時間外労働を年間1860時間以下までとする

▽2024年4月までの間、全医療機関で「労務管理の徹底」(いわゆる36協定の適切な締結など)、「労働時間の短縮」(タスク・シフティングなど)を進める
 
 日医では、▼2次救急医療機関等(救急告示病院などを含む)▼3次救急医療機関および小児救命救急センター▼総合周産期母子医療センターおよび地域周産期母子医療センター―を対象に、「今後5年間で、医師の時間外労働を年間960時間以下にすることは可能か」などの点について緊急調査を実施。1739施設が回答を寄せています(2次救急等:1568施設、3次救急や周産期母子医療センター:171施設)。

 まず「今後5年間で、医師の時間外労働を年間960時間以下にすることは可能か」という点については、次のように40-70%の医療機関で「すでに概ね対応できている」と答えていますが、難しい医療機関、さらに「分からない」との回答も少なくありません。

【すでに概ね対応できている】
▼救急車1000台未満の2次救急等:70.9%
▼救急車1000台以上の2次救急等:48.4%
▼3次医療救急・小児救急:41.4%
▼周産期母子医療センター:44.4%
▼その他:70.1%

【医師の半数程度は可能】
▼救急車1000台未満の2次救急等:7.8%
▼救急車1000台以上の2次救急等:18.2%
▼3次医療救急・小児救急:20.4%
▼周産期母子医療センター:22.2%
▼その他:11.9%

【医師の3分の1程度は可能】
▼救急車1000台未満の2次救急等:3.1%
▼救急車1000台以上の2次救急等:6.2%
▼3次医療救急・小児救急:3.7%
▼周産期母子医療センター:11.1%
▼その他:1.5%

【ほぼ不可能】
▼救急車1000台未満の2次救急等:4.9%
▼救急車1000台以上の2次救急等:7.2%
▼3次医療救急・小児救急:12.3%
▼周産期母子医療センター:―
▼その他:7.5%

【わからない】
▼救急車1000台未満の2次救急等:13.3%
▼救急車1000台以上の2次救急等:20.1%
▼3次医療救急・小児救急:22.2%
▼周産期母子医療センター:22.2%
▼その他:9.0%

 年間960時間以下が適用される「救急車1000台未満の2次救急等」でも、3割が「5年間での960時間以下達成が難しい」状況が再確認できます。国や都道府県、医療勤務環境改善支援センターによる支援が求められるほか、地域の医療提供体制の再編を進めていく必要がありそうです。例えば、地域において、患者のアクセスに配慮した上で、複数の「救急車1000台未満の2次救急等」の救急医療機能を特定の病院に集約(救急医も集約)することなどを、地域医療構想調整会議などで検討していくことが重要でしょう。
 

半数近くの救急病院が「医師増員で対応」するとしているが、実現可能性は?
 「5年間での960時間以下の達成が難しい」救急部門に対し、今後の対応方針を聞いたところ、▼現状維持:25%▼医師の増員:48%▼救急患者の受入制限、救急対応時間の制限:17%▼救急医療機関の返上:1%▼その他(医師間の業務調整、タスク・シフティングなど):3%▼未回答:6%―となっています(2次救急等に限定しても同様の傾向)。
 
 また、多くの勤務医は「他院での勤務」(アルバイト等)を行っています。この点、「自院と他院の勤務時間を通算するのか」という点については今後の検討課題に位置付けられていますが、仮に「通算」が行われた場合には、「今後5年間で、医師の時間外労働を年間960時間以下にすること」への見通しは少し厳しいものとなり、▼現状維持:17%▼医師の増員:52%▼救急患者の受入制限、救急対応時間の制限:21%▼救急医療機関の返上:0%▼その他(医師間の業務調整、タスク・シフティングなど):3%▼未回答:7%―となっています。
 
医師の増員を検討している救急部門がありますが、地域によっては医師確保が困難なこともあり、また多くの病院で「医師確保」競争を行うことになるため、今後、救急医療の制限(患者受入れ制限や救急医療機関の返上)をする医療機関が増えてくることも予想されます。これは、地域の住民・患者にとっては不幸な状況を生むことになります。個別医療機関ではなく、地域の医療機関・行政(広域の都道府県や国も含めて)全体で適切な医療提供体制の確保に向けた検討を急ぐ必要があるでしょう。

3次救急等の3割、「9時間以上の勤務間インターバル確保」が困難
 また、医師の時間外労働上限は一般の労働者より長くなる(年間960時間であっても、いわゆる過労死ラインに近い)ことから、医療機関には▼連続勤務時間は28時間以内とする▼勤務と勤務との間に9時間以上のインターバルを設ける―ことが求められます(年間960時間以下の医療機関では努力義務、年間1860時間以下の医療機関では義務)。

 「9時間以上の勤務間インターバル」の実現可能性については、次のような状況が分かりました。

【すでに概ね対応できている】
▼救急車1000台未満の2次救急等:68.2%
▼救急車1000台以上の2次救急等:51.5%
▼3次医療救急・小児救急:51.2%
▼周産期母子医療センター:44.4%
▼その他:62.7%

【医師の半数程度は可能】
▼救急車1000台未満の2次救急等:6.5%
▼救急車1000台以上の2次救急等:12.2%
▼3次医療救急・小児救急:14.2%
▼周産期母子医療センター:22.2%
▼その他:4.5%

【医師の3分の1程度は可能】
▼救急車1000台未満の2次救急等:2.0%
▼救急車1000台以上の2次救急等:6.2%
▼3次医療救急・小児救急:6.2%
▼周産期母子医療センター:―%
▼その他:1.5%

【ほぼ不可能】
▼救急車1000台未満の2次救急等:10.7%
▼救急車1000台以上の2次救急等:12.9%
▼3次医療救急・小児救急:6.8%
▼周産期母子医療センター:11.1%
▼その他:19.4%

【わからない】
▼救急車1000台未満の2次救急等:12.6%
▼救急車1000台以上の2次救急等:17.3%
▼3次医療救急・小児救急:21.6%
▼周産期母子医療センター:22.2%
▼その他:11.9%
 
 「救急車1000台以上の2次救急等」「3次医療救急・小児救急」「周産期母子医療センター」の多くでは、「9時間以上の勤務間インターバル」が義務化されると考えられますが、現状では3割程度で「難しい」状況が伺えます。
 
 
勤務間インターバルの確保が難しいと答えた医療機関を対象に、今後の対応方針を聞いたところ、▼現状維持:28%▼医師の増員:46%▼救急患者の受入制限、救急対応時間の制限:13%▼救急医療機関の返上:1%▼その他(医師間の業務調整、タスク・シフティングなど):2%▼未回答:10%―となっています。
 
しかし、前述のように「医師増員」はそう容易ではなく(医師数がそもそも少ない地域もあり、また各医療機関が医師増員を考えるため競争が激化する)、やはり救急医療の制限を考える医療機関が今後増加してくる可能性があります。

救急病院の3-7割、大学病院の医師引きあげで救急医療に支障が出る可能性
 また、大学病院からは多くの医師が地域の医療機関へ派遣されています。この点、大学病院でも時間外労働上限規制や勤務間インターバルの確保などが求められることから、医師の増員が必要となり、「地域への医師派遣を制限する(医師を引きあげる)のではないか」とみられています。

この点について救急医療機関の3-7割程度で、「救急医療に支障が出るような引きあげが行われるおそれがある」と見通していることが分かりました。

【医師引きあげで自院の救急医療が成り立たなくなる恐れあり】
▼2次救急等:11.4%
▼3次救急等:2.4%
▼周産期母子医療センター:0%
▼その他:4.5%

【医師引きあげで自院の救急医療を相当程度縮小せざるを得ない恐れあり】
▼2次救急等:17.8%
▼3次救急等:12.1%
▼周産期母子医療センター:22.2%
▼その他:10.4%

【医師引きあげで自院の救急医療に支障を来す恐れあり】
▼2次救急等:27.4%
▼3次救急等:21.2%
▼周産期母子医療センター:22.2%
▼その他:23.9%

【影響なし、大学からの医師派遣なし】
▼2次救急等:29.6%
▼3次救急等:32.7%
▼周産期母子医療センター:33.3%
▼その他:47.8%

【自院が大学病院で派遣元である】
▼2次救急等:0.8%
▼3次救急等:15.1%
▼周産期母子医療センター:11.1%
▼その他:―%

【不明】
▼2次救急等:13.0%
▼3次救急等:14.5%
▼周産期母子医療センター:11.1%
▼その他:13.4%

 この点、個別医療機関と大学病院との交渉・依頼等に委ねていたのでは、地域の救急医療が確保できなくなる恐れもあり、自治体等も交えた協議等が必要となってきそうです。
 

7割の救急病院、タスク・シフティングについて「十分な検討が必要」との考え
 さらに、労働時間短縮に向けたタスク・シフティング(医師でなくとも可能な業務を看護師等の他職種へ移管する)の可能性については、下図のように、7割程度の医療機関が「どのような業務を、どのように委ねるのか、十分な検討が必要」と考えていることが分かりました。
 
 この点、「特定行為研修を修了した看護師」へのタスク・シフティングが注目を集めていますが、研修修了者は2018年3月時点で1006名にとどまっており、厚労省の目標値「2025年までに10万人」とは大きな隔たりがあります。

 研修機関は2019年2月には39都道府県・113機関に増えていますが、さらなる研修施設の増加等が待たれます(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20190419125557
医薬品プロモーションと距離置く学術講演を
神奈川県内科医学会、学術組織を設立
 
2019年04月19日 13:20 CB News

 製薬企業による医薬品のプロモーションを目的とした講演会とは一線を画した医師の“本音”による学術講演会の実現と展開を目指す―。神奈川県内科医学会が18日に開いた記者会見で、宮川政昭会長はこうした意気込みを語った。学会独自の学術組織を設立し、スポンサーを付けずに講演会を継続開催していく。【吉木ちひろ】

 神奈川県内科医学会が立ち上げた学術組織「知の羅針盤」は、学会を構成する「糖尿病対策委員会」「肝・消化器疾患対策委員会」「認知症対策委員会」など疾患に対する活動を行う委員会と、「禁煙推進委員会」「医薬品評価検討委員会」「在宅医療委員会」など地域医療や医師と患者の関係の問題に関わる委員会が、単独あるいは連携して講演会を開催していくという。製薬企業との共催による講演会でも、企業による事前のスライドチェックなど、日本製薬工業協会が定める医療用医薬品プロモーションコードの適用を認めない。

 宮川会長は学術組織の設立の経緯について、呼吸器の疾患をテーマとした講演会を例に取って説明。一般的に行われている製薬企業協賛の講演会では、患者の状態に合わせた呼吸器疾患治療薬の吸入器の選択についての提案や意見交換が困難であるとして、医薬品の情報について「広告」と「情報」を区別して論じ、必要な情報を医師に届ける必要性を訴えた。

 約70人が参加したという3月の初の講演会(肝疾患がテーマ)について宮川会長は、医薬品の副作用の問題など「真に迫るような質問が飛んでいた」と手応えを口にした。今年度は5月、6月、7月、9月、11月に講演会を開催する。呼吸器疾患やリウマチ・膠原病対策をテーマにした講演のほか、秋下雅弘東京大教授や田村功一横浜市立大教授を講師に招いた「日常診療への本音」をテーマとした企画を予定している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/671280
シリーズ m3.com意識調査医師の勤務環境「変わらない」54%
働き方改革「予定なし」が33%
 
レポート 2019年4月15日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」は3月28日の第22回会議で、「地域医療確保暫定特例水準」と「集中的技能向上水準」として時間外労働上限を年1860時間、それ以外の医師は年960時間とするなどの報告書をまとめた。4月1日に施行された改正労働基準法は医師に関して適用が猶予され、2024年4月からこれらの上限時間が適用される。「働き方改革」について、今後の勤務環境変化の見通しをm3.com勤務医会員に聞いたところ、54.4%が「変わらない」と回答した。「良くなる」は13.1%にとどまり、「悪くなる」も15.2%という結果だった。

Q1:勤務先では既に医師の時間外労働の短縮に向けた取り組みが始まっているでしょうか。
04215.jpg

 「3月から始まっている」、「4月から始まった」、「今後始まる予定」を合わせても半分に満たず、「予定はない」が最多の33.1%に上った。

Q2: 今後、ご自身の勤務環境は良くなるとお考えでしょうか。
04216.jpg

Q3: 医師の働き方改革について、ご自由にご意見をお書きください。

【賛成】
賛成。家庭やプライベートな時間が確保されると、心にゆとりができ良い医療につながる。収入を得たい場合は、余った時間を副職や別のスキルアップに費やせばよい。遠隔医療などもっと積極的に取り入れてほしい。【35歳女性内科】

【なんとかしたい】
当直明けの連続勤務の異常さや不必要な長時間労働などを少しでも改善できるように、自分でも改善に向けた取り組みをしていきたい。【42歳男性内科】

【良くなってはいる】
ようやくだが、20年以上前より時間に関して意見が言えるようにはなっていて良いと思います。【57歳男性外科系】
休みは取りやすくなった。【66歳男性外科系】

【変わらない】
医師数を増やして計画的に休日を取らせるしかないので、今のままでは全然変わらないと思っている。【55歳女性外科系】

【悪くなる】
医師不足の地方医療機関にとって、働き方改革の導入は医療の質の低下につながりかねないです。【57歳男性外科系】
ママさんだけ既に始まり、我々は改悪されている。【54歳女性外科系】
結局、報告する見た目の勤務時間だけが減り、自己研鑽という名のサービス残業が増えるだけの「働き方改悪」です。【34歳女性外科系】
バイト制限が厳しくなって、時給単価の安い病院で働く時間が増えそう。【31歳男性外科系】
机上の改革のみで 医師不足の地域には改善どころかしわ寄せが来る(つてを頼りに来ていたアルバイトの医師が働き方改革を上司から言われ、4月よりアルバイトを辞退された)。【61歳男性内科】

【無理】
各領域の医師が充足していないのに、「働くな」と言っても、そりゃあ無理。【53歳男性外科系】
理想を掲げるのはよいが、実現は困難と思える。【64歳男性外科系】
一人医長で病院からのバックアップがないので夏休みすら取れない。有給5日は絶対に取れないと思う。【49歳男性外科系】
高齢者が増え患者が多すぎ、医療が高度化し、コンビニ受診も増えて時間内に診療が終わらないことが問題。【54歳男性内科】
一般職とは異なり生命に直接関与するため、主治医として自分の納得の行く医療を行いたいと思うので、信頼のおける医師にも自分と全く同じことを行うことは不可能であるので、最終的に自分で最後まで診療を行うので時間的に制限はできない。【64歳男性小児科系】

【代償は?】
勤務環境改善に伴い時間外の救急医療の質は下がる可能性高い。が、仕方ないのかもしれない。【54歳男性外科系】
コメディカルがどんどん休み始めるから大変です。【59歳男性循環器科系】

【賃金支払え!】
賃金を正しく支払う。必要なのはこれだけです。【34歳男性呼吸器科系】
完全にブラックカンパニー。働いても給料も出ない。【35歳男性呼吸器科系】
今さら感がありますが、欧米と比較して時間給にして考えると雲泥の差がある給与体系が変わらないとダメでしょうね。背負わされている責任に対してあまりにも給与が安いでしょう。自由診療の拡大も含めて考えないといけないかもしれませんね。【47歳男性外科系】
どこの病院でもしっかり残業代、オンコール代を出すようにしてほしい。電話による問い合わせも勤務時間外は補填をするべきである。【52歳男性内科】

【対策は?】
医師に限らず、総合病院の看護師、薬剤師も働きすぎ。勝手に働いてくれていたので、それを基に診療報酬も決まっている面があると思う。医師・看護師・薬剤師に、急性期病院が適正に給与を払えば、急性期病院の診療報酬を上げざるをえなくなる。どんぶり勘定で、なんとなく病院というところから、人的資源を投入せざるを得ない急性期病院とそうでない病院を分けていくようになるのではないでしょうか?【42歳男性腎泌尿器科系】
ただ勤務時間を短くしろというのは無理な話。そのための体制をどうやって整えるかに力を注いでほしい。【31歳男性循環器科系】
主治医制をなくして複数体制による診療を定着させれば、定時で帰れるかもしれない。【58歳男性外科系】
主治医制度の廃止、グループ主治医制、開業医ではカルテ共有(閲覧)がカギと考えます。【60歳男性呼吸器科系】
患者の意識が改革されないと働き方は大きく変わらないと思う。入院時以外は時間外のICは有料にするとか禁止する、書類は、医師は了承するのみで良いなどしないと無理だろうと思う。【35歳男性小児科系】
病院の集約化、チーム主治医制の徹底、当直の夜勤認定などが必要と考えます。【33歳女性外科系】
勤務医の賃金を上げるのと同時に、開業医の必要経費を勤務医並みに変更して勤務医⇨開業医の流れを止めること。【64歳男性糖尿病】
医療事務が代行できる業務を増やして、医師免許の要らない作業はさせないでほしい。【37歳女性内科】
仕事の重みを加味したインセンティブ付与含む勤務医の給与体制の見直し、開業医主体の予防医療の強化、その他同時に解決すべき問題が山積です。【49歳女性循環器科系】

【論点が違う】
医師や働き方だけをフォーカスするのではなく、無駄の多い社会保障制度を見直すことが必要。【38歳女性外科系】

【医師は特殊】
医師の仕事は、他の分野のものとは異なるので、働き方改革は当てはまらない。【45歳男性内科】

【調査の概要】
調査期間:2019年4月1日 (月)~4月8日 (月)
対象:m3.com勤務医会員
回答者数:1946人
回答結果画面:「医師の働き方改革」展望は?



https://www.m3.com/news/iryoishin/672234
医師の働き方改革、四病協「慌てて動かない」
供給過多のPT・OT、開業は「反対」
 
レポート 2019年4月17日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 四病院団体協議会は4月17日に総合部会を開き、医師の働き方改革や医師の需給、PTやOTの在り方について議論した。部会後に記者会見した日本病院会会長の相澤孝夫氏は、医師の働き方改革については今後宿日直や研鑽の扱いで通知が厚生労働省から出るため、「今慌てて動かない方がいいのではないか。病院団体としてはこれから通知を見て、この5年間でどうしていくかを決めていくのがいいのではないかということだ」と話した。

 医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会については、2022年度で大学医学部定員の臨時増員が終了することや女性医師が増加している状況から、「今後どうやっていくのか、注視していかなくてはいけない」と述べた。医師の偏在だけでなく、外来医療と入院医療のすみ分けをどうしていくかも重要だと指摘した。

 PTやOTに関しては、4月5日の「医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会」で需給推計が厚労省から出されているが、供給過多となっており、部会では「地域偏在のデータはないのか」という意見が出た。また、供給過多となって「開業」という方向に行くと、「病院団体としてはゆゆしき事態。反対していく」という意見がまとまった。現状は訪問看護ステーションで勤務するPT、OTが多いが、開業できるようになるとそちらに流れて病院でリハビリテーションに従事する人が少なくなることを懸念しているという。



https://www.m3.com/news/general/671977
地域医療向上に貢献を 熊本大病院が天草市に拠点  
大学 2019年4月16日 (火)配信熊本日日新聞

 熊本大病院は、熊本県天草市の天草地域医療センターに「地域医療・総合診療実践学寄付講座天草教育拠点」を設置、13日に開所式があった。

 同拠点は天草の地域医療と同大の教育体制を、ともに充実させるのが狙い。2015年の公立玉名中央病院(玉名市)に続き、2カ所目。

 さまざまな症状がある患者を特定の疾患と限定せず、多角的に診察する「総合診療科」を設置。寄付講座特任助教の高杉香志也さんと鶴田真三さんの2人が常駐し、研修医らを指導しながら診療に当たる。

 開所式で、高杉さんら2人が「一緒に学びながら天草の地域医療の向上に貢献したい」などとあいさつ。玄関前の看板除幕もあった。同講座の松井邦彦特任教授は「高齢化が進んでいる地域では、高血圧や糖尿病など複数の病気を抱える患者が多い。広い視野を持った医師を育てたい」と話した。


  1. 2019/04/21(日) 10:47:12|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<4月28日  | ホーム | 4月14日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する