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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月24日 

医師不足220地域で2万4千人、36年推計 偏在対策を拡充へ  
2019/2/18 22:41 日本経済新聞

厚生労働省は18日、複数の市町村を1つの地域単位として医療提供体制を整備する「二次医療圏」(全国に335)をめぐり、2036年時点の医師数の過不足を公表した。医師が必要数に足りないのは約220地域。計2万4千人が不足するとした。必要数を満たす約60地域では約4万2千人が過剰になる。

医師の少ない地域に医師を配分する偏在の解消対策を拡充する必要がありそうだ。厚労省は人口あたりの医師数を基に、地域住民の人口構成などを考慮したうえで必要な医師数を算出した。偏在の解消をめざす36年時点で二次医療圏の過不足を推計した。

推計では医師が足りない地域で、需要をすべて満たすよう医師を配置しても全体で1万8千人が余る。厚労省は二次医療圏のうち下位3分の1の約110の地域を「医師少数区域」と定め、20年度から都道府県を主体にした偏在対策を始める。医師の派遣を求めやすくしたり、地元で一定期間勤務する大学医学部の「地域枠」を拡充したりして対策を強化する。



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO4164360022022019EA5000/
2.4万人 医師不足、2036年に「220地域」 
2019/2/23付日本経済新聞 朝刊

厚生労働省は地域ごとの医師の過不足の将来推計を18日に公表した。都道府県内の複数の市町村からなる「二次医療圏」(全国に335)でみると、2036年時点で医師が必要数を下回るのは約220地域で、計2万4千人が不足する。一方、必要数を満たせるのは少なくとも約60の地域で、計4万2千人が過剰になる。偏在を是正する対策が急務だ。

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全体で見れば1万8千人は余る計算だが、医師の配置に偏りがある。医師が少ない地域の患者は必要な医療を受けにくく、多い地域では過剰受診につながる恐れがある。

対策にあたり厚労省は人口あたりの医師数をベースに、地域の人口構造なども考慮した新たな指標を作成。現時点の都道府県ごとの指標も公表した。東京、京都など上位16を「多数」とし、岩手や新潟など下位16を「少数」と位置づけた。

4月1日に施行される改正医療法・医師法に基づき、各都道府県は19年度中に医師確保計画を作成。20年度から少数地域への医師の派遣や、少数地域で働く医師の養成など対策を拡充させる。だが偏在を解消できるかは不透明だ。



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00000114-jij-pol
「医師少数」16県を公表=偏在是正を促進-厚労省 
2/18(月) 22:50配信 時事通信

 厚生労働省は18日、都道府県や各地域の医師数の偏りの度合いを示す「医師偏在指標」について、現時点の推計を公表した。

 都道府県別では下位の岩手や新潟など16県を「医師少数3次医療圏(都道府県)」として、重点的に医師不足解消を促進する方針。同日開いた医師需給に関する有識者検討会の分科会で示した。

 推計によると、16県は岩手、新潟、青森、福島、埼玉、茨城、秋田、山形、静岡、長野、千葉、岐阜、群馬、三重、山口、宮崎。

 厚労省は2036年度の医師偏在解消を目指している。19年4月施行の改正医療法では、都道府県が複数の市区町村などで設定する「2次医療圏」ごとに、医師数や人口などを基に算出する医師偏在指標に応じ、医師少数区域・多数区域を指定。少数区域の医師確保のため重点的に対策を進める。 



https://www.m3.com/news/iryoishin/658180
シリーズ 一介の外科医、憧れの人に会いに行く:中山祐次郎・対談企画
医師不足対策は医師同士夫婦の禁止? - 外科医/漫画家・さーたり氏◆Vol.2
「仕事のためバリキャリの女性と結婚するのは無理だと思っていた」
 
スペシャル企画 2019年2月17日 (日)配信まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

さーたり
医学部を卒業後、外科医を志し早数年。専門は消化器外科、時に肝臓・胆道・膵臓、移植外科。同期の夫と結婚し出産。現在3人の子どもの絶賛子育て中。
※コミックエッセイ『腐女医の医者道』より引用

中山:今、女性医師が増えているのは紛れもない事実で、女性医師を活用するような医療現場にさっさと変えるしかないと僕は思っていますが、それが全然動いてないという印象があります。ある特定の病院の医師は残業上限2000時間にするという案が出ていましたが(『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)、家庭のある人を想定しているとは到底思えませんね。

さーたり:男女関係なく。

中山:そうです。結婚しているとしても、パートナーが完全に家のことだけやってくれている専業主婦・主夫でないと2000時間の時間外労働はできない。女性活躍のまだ2段階、3段階ぐらい手前にいるんだろうなと思っていますけど。

さーたり:それに関連していうと、医師不足対策として、女性医師が男性医師と結婚しなければいいという意見もあるんです。

中山:女性医師が?男の医師と結婚しなければいい?

さーたり:そう、男の医師と結婚するとみんな辞めちゃうから。

中山:なるほど、両方ともフルタイムだと仕事と家庭を両立することができない。だから女性医師は、専業主夫をしてくれそうな男性と結婚すべきと。

さーたり:男も女も、医師以外と結婚すればいいんじゃないかという意見を目にして、へ?と思ったけど……。

中山:極端ですね。

さーたり:でも、実際周りを見てフルタイムで頑張っている女性医師は、やっぱり、ご主人が医師以外の人が多い。男性も奥さんが専業主婦だったり、違う業種の人の方が無茶ができそうな印象もあります。


中山:いや、それは結構、まじでそうですよね。僕も一昨年、35歳で結婚したのですが、なかなか結婚に踏み切れなかったのは、結婚して家事や育児が自分に来たら、外科医として仕事できねえな、とびびり続けていたというのが正直あります。自分が仕事するためには、フルタイムでバリキャリの女性と結婚するのは無理だろうと思っていました。

さーたり:だから難しいです。共働きの夫婦も増えているのに、医師の世界だけそれでいいのかというと良くない。医療現場をどうにかしないといけないですよね。

中山:だから、さーたり先生は外科医同士の結婚をされて、お子さんも3人いて、漫画も書いていて、もう、死ぬほど大変そうじゃないですか。どうやってこの5年とか10年を生きてきたのだろうと思うぐらい。すごいです。

さーたり:結局は私自身のキャリアや働き方を犠牲にせざるを得なかったということです。1人目の時は結構やれたんです。病院の近くに住んでいて、病院の近くの保育園に朝7時から夜7時まで12時間預けていました。夜の7時でも、「すいません、早く帰らせてもらいます」みたいな申し訳ない意識でした。12時間働いたから十分じゃないの?と今は思うんですけど。

中山:世間一般的には、超フルタイムですよね。

さーたり:で、2人目の時に無給になるという話を聞いて、それでも私は復帰しようと思ったんですけど、夫や周囲の人にすごい反対されて。高い保育料を払って12時間も子ども預けて、無給で、それで何が得られるのかと……。

中山:旦那さんからも?

さーたり:そうです。大学病院は、やはりちょっと異常な、周りもすごく働くし、もうそれだけという働き方しかない環境だから、無理にこだわらなくてもいいだろう、しかもお金ももらえないしという。私は戻ろうとしたんですけど……。

中山:それもすごいですね。僕も旦那さんと同じことを思います。他の病院でいいんじゃないかと。

さーたり:今となっては私もそう思います。当時は、私もそういう環境に毒されていたというか、もう、朝から夜中までいて当直もやるのがフルタイムの仕事だと思っていたので、当直免除されて12時間しか病院にいない私は時短をしているという意識でした。

中山:いや、すごい。ちょっと、だんだん目まいがしてきました。今、無給というお話がありましたが、妊娠出産とは関係あるのですか。

さーたり:2人目は9月に出産予定で、8月で産休に入ることになります。当時は有給ポジションで、産休もらって復帰するつもりでしたが、3月の時点で医局長に呼ばれて、「ポストが足りない」と言われました。後輩が何人か大学に戻ってくるけど、その子たちが無給になってしまう。だから、後輩に譲る気はないかと。

その場では「嫌です」と言ったんですけど、親しい後輩だし、医局長も別に意地悪で言っているわけではなくて、もう苦肉の策というのが分かるし、すごく悩みました。確かに私は出産で休んで、復帰後も当直とかもすぐできるわけではないので、その分やってくれる後輩に給料が行った方がいいなと思って、結局、ポストを譲る形で私は無給になったんです。

私的には、まあ、しょうがないかなという感じですが、客観的にも見たら、妊娠出産があるから降格になったという形です。実際、妊娠出産の予定がなければ、そのまま有給枠でフルタイムで働いていたはずなので。

しかも、無給医になったら給与明細がなくて、私の就労実態が証明できない。すると、保育園の申請ではねられちゃうんです。だから、バイトやブログの収入とかの書類をかき集めて出しましたが、フルタイムにはならず、待機児童になってしまいました。

中山:そんな話あります? ひどい。

さーたり:ちなみに1人目の時に引っ越しで保育園を転園するときは、夫婦とも大学院生でした。実際はフルタイムで働いてバリバリやってるはずなのに、書類上は学生扱いで、保育認定の点数が下がっちゃう。じゃあ、もう大学院辞めますと言ったら、新卒社会人扱いになると言われて、それもまた点数が下がってしまいます。引っ越し先は保育園激戦区だったので、どこにも引っ掛からないとなって幼稚園に入れました。だから、お金だけじゃなくて、地位とかそういうのも絡んでくるんで、結構、難しいんです。ちゃんと労働者として認めてほしい。

中山:恐ろしいな、ほんとですよね。その無給医問題で言うと、昨年(2018年)、NHKがニュースで取り上げて、さーたり先生も出て発言していましたよね。どのような経緯だったのですか。

さーたり:最初の入試男女差別の話で、女性医師向けメディアで発言をしたところ、NHKから取材できる人を探していると言われて、お会いしました。その時に、流れの中で無給医の話をしたらとてもびっくりされて。「え?って。今、何て言いました? 無給ってどんな字書くんですか」と(笑)。そこでNHKの記者が取り上げてくれました。

中山:ちなみに、顔出しで発言して、大学に怒られたりすることはなかったのですか?

さーたり:分院にいるからか、直接はないです。センシティブな時期だからあんまり悪口は言うなよとは直の上司には言われましたが。

中山:さーたり先生が証言をしてNHKが無給医を取り上げたので、そのことで僕もYahoo!ニュース個人に記事を書いたら、NHKが取材に来ました。

さーたり:そうですよね。

中山:僕も、友人たちから無給の話や窮状を聞いていたんですけど、1人で声を上げるのは怖過ぎてずっと黙っていました。ですが、今しか無給医問題を顕在化させるチャンスはないと思い、取材を受けました。今、文部科学省が調査していますね。大学を通した調査ですから、どこまで踏み込めるか分かりませんが。

さーたり:報道を受けて、時給1000円を払いますと言い出したらしいです。でも、私の後輩とかは、そんなお知らせ聞いていないと(笑)。でも、陰ながら私の活動を応援しますという声はたくさん来ています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/660420
シリーズ 医療従事者の需給に関する検討会
医師最多は東京都、最少は岩手県、2倍の格差
厚労省、三次医療圏別、二次医療圏別の「医師偏在指標」公表
 
レポート 2019年2月19日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 医師多数区域(16都府県):1位 東京都(329.0)、2位 京都府(314.9)、3位 福岡県(300.5)……

 医師少数区域(16県):47位 岩手県(169.3)、46位 新潟県(169.3)、45位 青森県(172.1)……

 厚生労働省は2月18日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第28回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)に、三次医療圏別(47都道府県別)、355の二次医療圏別の「医師偏在指標」を公表。三次医療圏別では、医師が最も多い東京都(329.0)と、最も少ない岩手県(169.3)では、1.9倍の差があることが明らかになった。医師偏在指標の全国平均は238.3(いずれも数値は、精査中。資料は、厚労省のホームページ)。

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三次医療圏別の医師偏在指標。上位16都府県が「医師多数区域」、下位16県が「医師少数区域」(2019年2月18日の医師需給分科会資料)
 「医師偏在指標」とは、2036年に向けて医師偏在解消を目指すための指標。人口10万人当たりの医師数に加えて、5つの要素〔医療ニーズおよび将来(2036年)の人口・人口構成の変化、患者の流出入、へき地の地理的条件、医師の性別・年齢分布、医師偏在の単位(区域、診療科、入院/外来)〕を加味している。従来、医師の地域偏在を表わす指標としては、人口10万人当たりの医師数が用いられてきたが、これらの5要素を加えることで精緻化した。

 二次医療圏別でも、最多の東京都の区中央部(759.7)と、最少の秋田県の北秋田(69.6)では、10.9倍の開きがある。

二次医療圏別の医師偏在指標の上位10医療圏(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

二次医療圏別の医師偏在指標の下位10医療圏(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

 二、三次医療圏のいずれについても、「医師偏在指標」の上位33.3%を「医師多数区域」、下位33.3%を「医師少数区域」として、それぞれ位置付ける。三次医療圏は、16都府県が「医師多数区域」、16県が「医師少数区域」。二次医療圏は、335医療圏のうち、「医師多数区域」と「医師少数区域」はそれぞれ112医療圏。

 さらに厚労省は、二次医療圏別の外来医師偏在指標の公表(数値は精査中)。全国平均は105.8。上位3位は、いずれも東京都で、区中央部192.3、区西部181.2、区西南部164.9。下位3位は、福島県・相双48.1、香川県・小豆48.4、岩手県・宮古54.6。

外来医師偏在指標(上位10の二次医療圏)(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

外来医師偏在指標(下位10の二次医療圏)(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

 都道府県ではこの4月から、医師偏在指標などを用いて、医師偏在対策などを盛り込んだ「医師確保計画」を策定、2020年度から対策を本格化する。目標年度は2036年で、3年ごとに進捗状況を確認、医師の地域偏在解消を目指す。具体的な施策としては、「医師少数区域等」で勤務する医師を認定、評価する仕組みの導入や、大学医学部の地域枠の活用などが想定されている(『「医師少数区域」は「下位33.3%」、111の2次医療圏』を参照)。

 外来については、「外来医師多数区域」を設定、可視化することで開業のハードルを高めるとともに、同区域で開業する場合には、在宅医療をはじめ、「地域で不足する医療機能」を担うことなどを求める(『「外来医師多数区域」での新規開業、2020年度以降厳しく』を参照)。

 医師偏在解消進むも、12道県では5323人不足、医学部定員で調整へ
 もっとも、2036年時点で、医師偏在解消が最も進んだ場合(上位推計)でも12道県では5323人分が不足、偏在解消が進まない場合(下位推計)では34道県で2万3739人分の不足(他の都府県は、いずれも医師過剰)。都道府県を越えた医師偏在対策に加え、2021年度で期限が切れる医学部の臨時定員増をどのように設定するかが、今後の重要課題となる。

 医学部の臨時定員増は、2020年度と2021年度については、「暫定的に現状の医学部定員をおおむね維持しつつ、トータルとして現状程度の医学部定員を超えない範囲」とされた(『2018年度の地域枠充足率81.6%、24府県が「8割未満」』を参照)。2019年度の臨時定員(地域枠関係)は906人。厚労省の上位推計では、恒久定員のうち1402人を地域枠とし、加えて全国で計243人の臨時定員を行えば、都道府県レベルでの医師不足は解消されると見込んでいる。



https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0221519066/
地域勤務医の残業時間上限、年1860時間...厚労省が見直し案〔読売新聞〕 
2019年02月21日 15:08 (読売新聞)

 医師の働き方改革について厚生労働省は20日、特例で「年1900~2000時間(休日労働含む)」としていた地域医療に従事する勤務医の残業時間の上限について、年1860時間とする見直し案を有識者検討会に提示した。当初案は過労死ラインの2倍を超える水準にあたり、批判が相次いでいた。

 特例の対象は、地域の救急医療などを担う病院で都道府県が指定する。厚労省は全国で約1400か所程度が対象になるとみている。期間は、医師不足の解消が見込まれる2035年度末まで。それ以降は、一般の医療機関や一般労働者と同じ「年960時間(休日労働含む)」とする方針だ。年960時間は、脳卒中などで労災認定される目安の「過労死ライン」(月80時間超)を踏まえている。

 厚労省は1月に特例の当初案を示したが、「過労死を招く」などとする批判が噴出。医師が自分の勉強にかける時間を除くなど、当初案の根拠とした調査を再集計した。

 また厚労省はこの日、集中的に技能を磨く研修医らに対する残業時間の上限案も示した。初期研修医や専門医を目指して研修中の医師などが対象で、本人の申し出に基づいて適用する。特例病院の上限と同じ年1860時間とし、将来に向け減らす方向としている。

 残業の上限規制は24年度から。厚労省は今年3月末までに規制の全体の枠組みをまとめる方針だ。



https://www.medwatch.jp/?p=24990
救急病院などの時間外労働上限、厚労省が「年間1860時間以内」の新提案―医師働き方改革検討会(1) 
2019年2月21日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2024年4月から適用する「勤務医の時間外労働上限」について、▼原則として年960時間以内・月100時間未満▼救急医療機関など地域医療確保のために必要な特例水準として年1860時間以内―としてはどうか―。

厚生労働省は2月20日の「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)に、新たにこういった提案を行いました。
 
ここがポイント!
1 勤務医の時間外労働は「年間960時間以下」が原則、救急医療機関などでは長い上限を
2 データ精査(労働から研鑽を除外)し、「救急医療機関等で年間1860時間」の新提案
3 B水準・1860時間にも賛否両論
4 医師働き方改革が、地域の医師偏在等を助長しないか

勤務医の時間外労働は「年間960時間以下」が原則、救急医療機関などでは長い上限を

 この4月(2019年4月)より「時間外労働の限度を、1か月当たり45時間、かつ1年当たり360時間とする原則を設け、これに違反した場合には、特例の場合を除いて罰則を課す」「労使が合意して協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間(特例)を年720時間(=月平均60時間)とする」といった改正労働基準法が適用されます(看護師などにも適用される)。

ただし医師(勤務医)については応召義務などの特殊性があることから、今年(2019年)3月までに「規制の在り方」を検討会で固め、その適用を5年後(2024年4月から)とすることになっています。

検討会では、「医師でなくとも実施可能な業務を、他職種に移譲していく(タスク・シフティング)」「労働と研鑽の切り分けを明確化していく」などの方針を固め、現在、「時間外労働の上限をどの程度に設定するべきか」という詰めの議論を行っています。

この時間外労働上限(仮に労使が合意したとしても、超過が認められない)については、これまでに次のような提案が厚労省からなされていました(関連記事はこちら)。

【原則(A水準)】
年間960時間以下・月100時間未満(やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」ことを義務化し、あわせて連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などの努力義務を課す)

【地域医療を確保するための特例(B水準)】(地域医療確保暫定特例水準、救急医療機関など)
年間1900-2000時間以内(やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」こと、連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などを義務化する)

【技能向上のための特例(C水準)】(研修医や専攻医など)
A水準よりも長い上限を設定する(やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」こと、連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などを義務化する)

 2月20日の検討会では、B水準・C水準について新たな提案がなされ、非常に活発な議論が行われました。本稿では「B水準」についてお伝えし、C水準については別稿で紹介します。

データ精査(労働から研鑽を除外)し、「救急医療機関等で年間1860時間」の新提案
 B水準の旧提案である「1900-2000時間」は、勤務医の10%程度が「脳・心臓疾患の労災認定基準における時間外労働の水準」の2倍となる年間1920時間を超えて労働を行っている(さらに1.8%の勤務医は、「脳・心臓疾患の労災認定基準における時間外労働の水準」の3倍となる年間2880時間超)とのデータを踏まえ、こうした超過重労働(上位10%)を「まず1900-2000時間程度以内に抑え、健康確保に努める必要がある」との考えに基づいて設定されました。

 検討会では、このデータについて「労働時間の中に、労働に該当しない研鑽などが含まれているのではないか」との指摘があり(関連記事はこちら)、厚労省で精査。具体的には、これまでの議論で「労働は管理者や上席の指示を受けるもの、研鑽は指示なしに行うもの」という一定のラインが引かれつつあることを踏まえ、「時間外のうち、指示のない時間」を削除しています。この結果、勤務医の労働時間はわずかながら「短い」方向にシフトしました(上位10%の時間外労働は、旧データでは1944時間、精査後の新データでは1904時間)。

これを受け、今般、厚労省はB水準の時間外労働上限として「年1860時間以下」という新たな提案を行いました(1904時間を下回り、12か月で割り切れる、切りの良い数字というイメージ)。旧提案に比べて一定程度「短い上限」となりましたが、これは、上述のようにデータの精査に基づくものと言えます。
 
 また、繰り返しになりますが、B水準の医療機関では「勤務医すべてが年1860時間の時間外労働をしなければならない」わけではありません。当該病院において、例えば「救急医療に従事する医師を対象として、年間●●時間の時間外労働が可能」という協定(36協定)を結ぶことになり、その●●時間の上限が「1860時間」となるのです(病院によって「1500時間」のことも、「1000時間」のこともある)。

 なお、B水準の対象医療機関は、都道府県で特定することになりますが、その目安として、厚労省は、(1)3次救急医療機関(2)2次救急医療機関かつ「年間救急車受入台数1000台以上」かつ「医療計画で5疾病5事業確保のために必要と位置付けられた医療機関」(3)在宅医療で特に積極的な役割を担う医療機関(4)都道府県知事が地域医療の確保のために必要と認める医療機関(小児救急医療機関や、へき地の中核医療機関など)(5)特に専門的な知識・技術や高度かつ継続的な疾病治療・管理が求められ、代替することが困難な医療を提供する医療機関(高度がん治療、移植医療等極めて高度な手術・病棟管理、児童精神科等)―というより詳しい例示を行いました(案)。(1)から(4)で約1400施設が該当する((5)は推計が困難)とみられます。

B水準・1860時間にも賛否両論

この新提案(B水準・1860時間以内)に対し、検討会委員からはさまざまな意見が出されました。

若手医師の代表とも言える三島千明構成員(青葉アーバンクリニック総合診療医)は、健康確保措置(連続勤務28時間以内や9時間以上の勤務間インターバルなど)の確実な実行などを条件に、B水準(年間1860時間以内)は「許容できる水準である。制度の建付けとしては良い」と厚労省案を評価。

他方、病院経営者でもある馬場武彦構成員(社会医療法人ペガサス理事長)は、大阪府で実施した独自調査結果(救急搬送の4割程度は、大学病院等からのアルバイト医師がいることで対応できている)も踏まえ、「地域医療を守るためには、旧提案である1900-2000時間程度の上限設定が必要である」と強く訴えました。

これに対し、労働組合の立場として参画する森本正宏構成員(全日本自治団体労働組合総合労働局長)は、「B水準は、現状の労働(超過重労働)を追認するもので、容認できない」と明確に反対しました。

賛否両論があり、今後も意見調整を進める必要があるでしょう。

 
さらに、時間外労働上限の設定をめぐって渋谷健司副座長(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は、「病院経営者サイドは『地域医療を守る』と言うが、それは患者を人質にとって、若手医師に苛酷な労働を強いているだけではないか」「そもそも、なぜ『上位10%』ラインを上限に設定するのか、その根拠が明確でない」「若手勤務医がこの上限をどう捉えているのか、きちんと検討すべきだ」と強い口調で指摘しました。

この指摘に対し厚労省大臣官房の迫井正深審議官(医政、医薬品等産業振興、精神保健医療、災害対策担当)(老健局、保険局併任)は、「勤務医の労働実態に関するデータを精査し、また地域医療の実態を踏まえて、『ここまでなら実現できる』というライン(上限)が1860時間である」「地域医療の確保と医師の健康確保は渋谷副座長の指摘するようにトレードオフの関係にはない。ただし、働き方改革を進めると同時に、守らなければならないものもある(地域医療が崩壊することは許されない)」「全病院において労務管理等を適切に行ってもらう必要がある」旨を述べ、厚労省提案への理解を求めました。しかし、渋谷副座長は「このままの議論では、副座長を辞させてもらう」とも述べており、議論が大詰めを迎える中、どのように調整が行われるのか、を進めるのか注目が集まっています。

 
働き方改革に限らず、政策には「解」がありません。仮に「解」があれば、関係者が貴重な時間を使って議論する必要はないのです。可能な限りのエビデンスに基づいて選択肢を用意し、その中から、より「納得感の高い」もの、より「実現可能性が高い」ものを探り、さらに効果を検証して「選択肢を修正していく」しかないのです。

 その「実現可能性が高い」選択肢として、今回「B水準・1860時間」が導きだされたものですが、未来永劫「B水準・1860時間」が続くわけではありません。継続した実態調査が行われ、徐々に時間短縮を行い、さらに現時点では「2036年の解消を目指す」こととされています。労働法制の研究者である荒木尚志構成員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は「スタートとして悪くない水準ではないか。実態法規として、健康確保措置などが盛り込まれたことは非常に大きい」と厚労省案の実現可能性の高さを評価しています。

 また岩村正彦座長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)も、「働き方改革後の行動変容は読み切れない。まず最も苛酷な労働を行っている医師の救済に絞って、上限の設定や健康確保措置を組み合わせて医師の健康を守り、あわせて地域医療への影響も検証していく方向で検討すべきではないか」とコメントしています。

医師働き方改革が、地域の医師偏在等を助長しないか

 ところで、勤務時間の長い医師が多く在籍している医療機関として「大学病院」があげられます。大学病院長である山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院院長)は、「これまで大学病院では労務管理の意識が薄かった。現在、個々の病院でも、大学病院の集まり(医学部長病院長会議など)でも労務管理に努めている」ことを説明しています。
 
 ただし、大学病院で徹底した労務管理を行うとすれば、「大学病院本院において、より多くの医師が必要となり、地域の病院から派遣医師を引き揚げる」ことにつながるのではないか、との懸念もあります(検討会では今村聡構成員(日本医師会副会長)が指摘)。そうした場合、「医師偏在が助長されないか」という別の問題も出てくるため、地域医療への影響を十分に見ていく必要があるでしょう。この点、地域の病院の合併・統合が極めて重要な選択肢となります。

 
 また、中井修参考人(日本病院会常任理事、岡留健一郎構成員(日本病院会副会長)の代理出席)は、「勤務医の労働時間が長くなる背景には、医師不足があり。この一因として、勤務医でいるよりも、診療所を開業したほうが、収入が良くなることがあげられると思う。病院への診療報酬財源を手厚くし、勤務医の処遇改善を図る必要がある」と述べ、医師の働き方改革は、▼医師需給▼診療報酬―とも関連する問題であると指摘しています。

たしかに、医師の働き方改革論議が決した後には、「上限を守りながら(つまり医師の健康を確保しながら)、地域医療を守るためには、医師の増員が必要である」といった方向が示される可能性もあるかもしれません。



https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201902/0012091745.shtml
赤字積みあがる三田市民病院 審議会、規模拡大促す 
2019/2/24 05:30神戸新聞NEXT 三田

 兵庫県三田市は19年度予算案で、一般会計から17億円を市民病院に投入する。

 このうち9割以上の15億7千万円は、救急(3億6千万円)や小児医療(7千万円)など市民の命を守るため、もうからなくて当然の部分に充てられる。病院の建設費を30年かけて分割返済する資金(10億円)も含まれる。こうした支出は国の基準で決まっている。

 一方、補助金を投入しても赤字額が大きいため、市は国の基準外で独自に補助金を上積みしている。07年度に医師不足などから年間10億円超の赤字となり、市は経営を安定させるため、09年度から毎年約2億円を“援助”している格好だ。

 ところが18年度は約7千万円、19年度予算案では約2千万円をそれぞれ前年度から減らした。財政再建を進める市が、病院にも歳出カットを求めたからだ。

 病院はカテーテルや注射器など診療材料の調達に医師が関与し、より価格を抑えるなど地道なコストカットを進める。その一方で、ここ数年は「稼ぐ力」も高めてきた。

 開業医と連携を深め、患者を市民病院に紹介してもらうほか、より診療報酬の高い急性期の患者を多く受け入れようと「断らない救急」を徹底。70%台だった病床の利用率は16年度以降、80%を超えている。こうした取り組みは成果を挙げているが、黒字経営には至っていない。

 ただ、ベッド数が300という中規模病院には構造的な課題がある。病院経営の専門家らが1年間にわたり、市民病院の将来像を議論した審議会では「24年前の開業当初は十分な規模だったが、現状では中途半端」との声が上がった。

 若手医師の研修制度が変わり、大規模で多くの経験を積める病院に志望者が集まるようになった。大学が地域の病院に医師を派遣する時代ではなくなっている。

 また、中規模では救急対応ができる医師や診療科が限られる。三田市民病院は循環器や消化器科はいつでも受け入れ可能だが、脳神経外科は土日は対応できない。

 市内の救急搬送に占める同病院の割合は65%(17年度)にとどまり、20%以上の患者は神戸市内の病院に運ばれている。審議会は今月「現状のままでは将来にわたる存続は難しい」と結論づけ、統合・再編による規模の拡大を促した。

 病院が市から借りる5億円には返済義務がある。赤字が積み上がっても、いずれ市が面倒を見てくれる-。そんな時代は終わった。(高見雄樹)



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190223-353705.php
福島県・内科医...5年後579人「不足」 厚労省、外科医は136人 
2019年02月23日 12時00分 福島民友

 厚生労働省は22日、2024年に診療科ごとに必要とされる医師数に達するには、現状では内科医が1万4468人、外科医が5831人不足しているとする推計結果をまとめた。同省が診療科ごとに将来必要となる医師数を算出するのは初めて。

 47都道府県ごとの推計結果も公表。本県の診療科ごとの必要医師数で内科医は、2024年には現状より579人多い1953人が必要とされ、達成には年間97人の養成が必要。外科医は現状より136人多い523人で、年間28人を養成するべきだとしている。必要医師数の達成に向けてはこのほか、整形外科で年間19人、小児科で年間11人の養成が必要とされた。
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https://www.medwatch.jp/?p=24959
2036年の医療ニーズ充足には、毎年、内科2946名、外科1217名等の医師養成が必要―医師需給分科会(3) 
2019年2月20日|医療・介護行政全般 MedWatch

 医師偏在対策に向けた医師需給分科会(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)の論議が大詰めを迎える中で、厚生労働省は2月18日の会合に「診療科別の必要医師数の見通し」(たたき台)を提示しました。

 今後、「医師の働き方改革」や「総合診療専門医」の動向なども踏まえながらブラッシュアップし、将来的に、専門医資格取得を目指す専攻医の基本領域別定員上限の設定などに活用していくことを狙います。
 
ここがポイント!
1 診療科と疾患の紐づけを行い、将来の患者数を勘案して「必要医師数」を推計
2 診療科の偏在是正、新専門医制度の「専攻医定員」での厳格な調整が必要
3 喫緊の課題である産科・小児科の医師確保は、暫定的指標に基づいて実施

診療科と疾患の紐づけを行い、将来の患者数を勘案して「必要医師数」を推計

 地域の医師偏在対策の解消が重視され、医師需給分科会では、各地域(都道府県・2次医療圏)の医師配置状況を可視化するとともに、各都道府県で新たに「医師確保計画」を定め、実行し、2036年度に偏在を解消する方向に向けた検討を進めています(関連記事はこちらとこちら)。

しかし、「例えば産科医師が不足している地域に、皮膚科医師がどれだけ派遣されても、本当の意味での医師不足解消にはならない」ことから、「診療科別の医師偏在対策」を進める方針も確認されています。

診療科別の医師偏在を解消するためには、「診療科別の必要医師数」と「診療科別の供給医師数」を推計し、その差を埋めていくことが必要となります。

ただし、例えば脳梗塞であれば、脳神経外科や内科、さらにはリハビリテーション科で対応するなど、1つの疾患を複数の診療科で診ている実態があることから、「●●診療科の医師がどれだけ必要なのか」を推計することには多くの苦労が伴います。そこで、「診療科別の医師偏在対策」は、将来的な課題に位置付けられ、2020年度から本格スタートする医師偏在対策と同時並行的に「研究」が進められることとなりました。ただし、後述するように「産科」と「小児科」については医師確保が喫緊の課題となることから「暫定的な対策を一先ずとる」ことになっています(関連記事はこちら)。

2月18日の医師需給分科会には、「診療科別の必要医師数」の推計に関する、いわば「これまでの研究結果」が厚労省から提示されました。

上記のとおり、同じ疾患であっても、異なる診療科で対応している状況があることを踏まえ、厚労省はまずDPCデータなどを用いて、「どの疾患には、どの診療科が対応しているのか」を分析しました。例えば、脳梗塞であれば▼脳神経外科:48%▼内科:46%▼リハビリテーション科:4%▼外科:1%▼救急科:1%―などとなっています。

これを裏返しに見ると、どの診療科が、どういった割合で疾患を診ているのかが分析できます(内科では、A疾患を●%、B疾患を●%、C疾患を●%診ている、というイメージ)。

ここに、「医師・歯科医師・薬剤師調査による診療科別の医師数」や「厚生労働科学研究で明らかにされた診療科別の医師の勤務時間および全体との比率」などを組み合わせることで、「2016年時点における診療科別の必要医師数(ニーズ量)」を推測できます。

さらに、「患者調査と人口動態推計から導かれる将来の疾患別医療ニーズ」などを加味することで、「将来時点における診療科別の必要医師数(ニーズ量)」を推計することが可能となります。

大雑把なイメージを示すと、「内科の医師は2016年時点で●名いる」→「内科では、脳梗塞患者を●%、心疾患患者を●%診ている」→「内科の勤務時間を医師全体の勤務時間と比較・調整し、2016年に必要な内科医数は●名と分かる」→「脳梗塞の患者は将来◆%増加し、心疾患患者は◆%増加することが統計から推測されるので、この増加ニーズに対応するためには、内科医師は◎名必要と考えられる」といったロジックで推計する、と言えるでしょう。

また推計に当たっては「診療科別の医師の勤務時間」が、「医師全体の平均になる」方向での検討も一部行われています。例えば、救急科の医師は全体平均よりも1.21倍勤務時間が長いことが厚生労働科学研究結果から明らかになりました。これを将来、1.00倍にするためには、「より多くの救急科医師(単純計算では1.21倍の医師)が必要になる」ことから、その点も勘案した推計がなされています。ただし、現在議論中の「医師の働き方改革」については、結論が出ていないことから、現時点では勘案されず、今後の研究課題の1つに位置付けられています。

こうしたロジックに基づいて機械的に推計された結果を見ると、例えば内科や外科では、次のように大幅な医師不足状況にあるようです。
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【内科】
▽2016年時点では12万2253名分の内科医が必要だが、実際には11万2978名しかおらず、9275名分不足している

▽2024年時点では12万7446名分の内科医が必要となり、これを充足するには「年3910名分の内科医養成」が必要となる

▽2030年時点では12万9204名分の内科医が必要となり、これを充足するには「年3246名分の内科医養成」が必要となる

▽2036年時点では12万7167名分の内科医が必要となり、これを充足するには「年2978名分の内科医養成」が必要となる

【外科】
▽2016年時点では3万4741名分の外科医が必要だが、実際には2万9085名しかおらず、5656名分不足している

▽2024年時点では3万4916名分の外科医が必要となり、これを充足するには「年1587名分の外科医養成」が必要となる

▽2030年時点では3万4605名分の外科医が必要となり、これを充足するには「年1323名分の外科医養成」が必要となる

▽2036年時点では3万3448名分の外科医が必要となり、これを充足するには「年1217名分の外科医養成」が必要となる

 
 一方、皮膚科や精神科などでは、すでに医療ニーズに対し医師数が過剰となっている状況が分かります。

【皮膚科】
▽2016年時点で8376名分の皮膚科医が必要であるのに対し、実際には8685名おり、309名分過剰となっている

▽2036年時点では皮膚科医師は7270名分必要になると見込まれ、1414名の過剰になると推計される

【精神科】
▽2016年時点で1万5437名分の精神科医が必要であるのに対し、実際には1万5691名おり、254名分過剰となっている

▽2036年時点では精神科医は1万4003名分必要になると見込まれ、1688名の過剰になると推計される

 皮膚科や精神科において「現時点で医師数が過剰」と推計される背景には、「皮膚科や精神科では医師全体の平均に比べて勤務時間数が短い」ことがあります。皮膚科では医師全体平均の85%、精神科では同じく91%となっています。つまり、皮膚科医・精神科医が医師全体平均と同水準の勤務を行うと仮定すれば、計算上は同じ仕事量を85%・91%の医師数で回せる計算になるのです。

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診療科の偏在是正、新専門医制度の「専攻医定員」での厳格な調整が必要

 こうした「診療科別の必要医師数」をもとに、偏在を解消するためには、「専門科を選択する時点・場面での対策」をとるよりありません。すでに精神科として活躍している医師に、「外科が不足しているので、外科に転向してほしい」と要請することは、現実的には極めて困難でしょう。この点、医師多数地域で働くA医師に、「医師の不足するB地域で勤務してほしい」と要請する、地域偏在解消とは大きく様相が異なる点に留意が必要です。

 医師が専門科を選択する時点・場面としては、「新専門医の資格取得に向けた専攻医登録」が考えられます。この専攻医登録の時点で、「貴殿は皮膚科の専門医資格を目指し専攻医登録しているが、医師が不足している外科専門医を目指し、専攻医登録の内容を変えてはどうか」などと勧奨すること、あるいはさらに強力に「皮膚科の専攻医登録定員数を減員し、その分を不足する内科や外科に振り向ける」ことなども考えられるかもしれません。

 ちなみに、日本専門医機構が明らかにした、今年度(2018年度)の専攻医採用状況(2018年3月15日時点)と、上述の「必要医師数を充足するために、年間に養成すべき診療科別医師数」とを比較とする、次のような状況が分かります。

【内科】
2018年度専攻医採用数は2671名で、▼2016年度の維持水準(2289名)に比べ382名過剰▼2024年度の必要数充足水準(3910名)に比べ1239名不足▼2030年度の必要数充足水準(3246名)に比べ575名不足▼2036年度の必要数充足水準(2978名)に比べ307名不足―

【外科】
2018年度専攻医採用数は807名で、▼2016年度の維持水準(907名)に比べ100名不足▼2024年度の必要数充足水準(1587名)に比べ780名不足▼2030年度の必要数充足水準(1323名)に比べ516名不足▼2036年度の必要数充足水準(1217名)に比べ307名不足―

【皮膚科】
2018年度専攻医採用数は275名で、▼2016年度の維持水準(193名)に比べ78名過剰▼2024年度の必要数充足水準(115名)に比べ160名過剰▼2030年度の必要数充足水準(147名)に比べ128名不足▼2036年度の必要数充足水準(159名)に比べ116名過剰―

【精神科】
2018年度専攻医採用数は430名で、▼2016年度の維持水準(293名)に比べ137名過剰▼2024年度の必要数充足水準(208名)に比べ222名過剰▼2030年度の必要数充足水準(243名)に比べ187名過剰▼2036年度の必要数充足水準(257名)に比べ173名過剰―

 例えば、皮膚科や精神科の定員をより厳しくし(100名程度減員)、その分を内科や外科に振り向けると、計算上は「診療科別の偏在」が解消されていく見込みです。後述するように精緻化に向けた課題があるものの、「たたき台となる数字が示されただけでも非常に大きなステップである」との賞賛の声が福井次矢構成員(聖路加国際大学学長)らから相次ぎました。

  
 もちろん、このロジックの中には、「医師の働き方改革」や「総合診療専門医の動向」(総合診療専門医が増えることで、他診療科で診る疾患等の構成も変わってくる)などが勘案されていません。こうした点も研究しながら、より精緻な「診療科別の必要医師数」「診療科別の養成が必要な医師数」を推計し、新専門医制度において「診療科別の専攻医定員上限(シーリング)」設定論議の基礎資料としていくことなども検討していくことになるでしょう。

 なお、厚労省はさらに「都道府県別」の「診療科別の必要医師数」なども推計していく予定を示しています。

喫緊の課題である産科・小児科の医師確保は、暫定的指標に基づいて実施

 前述したように、「産科」「小児科」については医師確保が喫緊の課題とされていることから、両科に特化した「医師偏在指標」(産科の医師偏在指標、小児科の医師偏在指標)を暫定定期におき、新たな「医師確保計画」の中で、「産科・小児科医の確保」に向けた方針や目標数を設定し、具体的な施策を実施していく方針が2月18日の医師需給分科会で了承されています。

 将来的に、「診療科別の必要医師数」などが精緻に設定されれば、産科・小児科についてもその中で「専攻医増加」などの対策を打っていくことになるでしょう

 産科の医師偏在指標は、都道府県別・2次医療圏別の「分娩件数1000件当たりの産科・産婦人科医師数」をベースに設定され、小児科の医師偏在指標は、同じく都道府県別・2次医療圏別の「15歳未満の年少人口10万人当たりの小児科医師数」をベースに設定されます。
医師需給分科会(3)の4 190218(略)
医師需給分科会(3)の3 190218(略)
 
 この産科・小児科の医師偏在指標をもとに、下位●%(今後、設定する)を「相対的医師少数三次医療圏(都道府県)」「相対的医師少数区域(2次医療圏)」に定め、産科医・小児科医の確保を進めていくことになります。ただし、全国的に産科医・小児科医が不足している状況なども勘案し、例えば「医療圏の見直し(広域化)」や「産科医・小児科の勤務環境改善」など、幅広い医師確保策を各都道府県で検討・実施することが求められます。
医師需給分科会(3)の5 190218(略)
 
 この点に関連して鶴田憲一構成員(全国衛生部長会会長)は、産科医確保のために「適正な分娩費用の設定」(分娩費用が低すぎれば、産科医を確保する原資が不足する)などを要望しています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/661023
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
「働き方改革」への姿勢で激論、厚労省検討会
「上限引き下げ反対」「現状維持と経営者の視点ばかり」
 
レポート 2019年2月21日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は2月20日の第19回「医師の働き方改革に関する検討会」に、地域医療を適切に確保するための「地域医療確保暫定特例水準」を「年1860時間、月100時間(例外あり)」として再提案し、構成員の一人が「非現実的な労働時間上限設定」などとして引き下げに反対。これをきっかけに激論となった。(資料は、厚労省のホームページ。提案の詳細は『時間外上限「年1860時間」で再提案』を参照)。

「大阪でさえ、大学依存」と上限引き下げに反対

 社会医療法人ペガサス理事長で日本医療法人協会副会長の馬場武彦氏は参考資料として、医法協を含む四病院団体協議会が大阪府内の会員病院を対象に実施したアンケートの結果を提出。回答した26の医療機関で1カ月の当直のうち平均約39.5%、延べ人数ベースでは約28.9%を大学病院からの非常勤医師に頼っているとして、「比較的医師の数が恵まれていると思われている大阪府でさえ、夜間の救急は多くの部分を大学病院からの非常勤医師で支えている。非現実的な労働時間上限設定は即、非常勤医師派遣の大幅な縮小を招き、患者の生命に直接関わる。当初の事務局案通り1900~2000時間でお願いしたい」と主張した。


 これに対し、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、「頑張る人が頑張れるようにするためには適切な労務管理が必要で、本来は医療界自らが対策をしなければならなかったにもかかわらず、できていない現状がある。だからこそ刑事罰で抑止しようという方向になっている」との認識を示した。その上で馬場氏の主張に対し、医療機関が24時間365日患者のために使命を全うする特殊性と、医師に過重労働させることを「同じ状況で議論すること自体が間違っている。医療機関のキャパシティーを超えて医療ニーズが発生しているのならそれは地域医療計画の話だ。むしろ単独の施設に責任を負わせるのは先生方が強く反対しなければいけない。患者の命を人質にして神風特攻隊的な話ばかり、現状維持と経営者の視点ばかりで、そこには医師や患者の姿がない」と厳しく指摘した。

 また、事務局案が病院勤務医の10%が1920時間以上の時間外労働をしているというデータを基にして上限時間案を提示していることについて、なぜ10%で区切ったのかを質したが、事務局からはその根拠は示されなかった。

 馬場氏は勤務間インターバルや連続勤務時間制限、医師による面談などの健康確保措置については「かなり厳しい条件だが、受け入れなければいけない」とした上で、「1900~2000時間でも絶対大丈夫とは言えないが、実現可能でかつ国民が死なないラインと思っている。絶対に医療が守られるという根拠なしに引き下げるのはおかしい。施行後に検討するべきだ。兼業も考えると、かなり高い水準が必要だ」と反論した。

 日本医師会常任理事の城守国斗氏は「今までやってこなかったから強制的にという意見も分からなくはないが、現場の人間からすると医療提供体制が一度壊れると数十年以上かかるという不可逆性がある。やってみればいいじゃないかという問題ではない」と発言。これに対し渋谷氏が、「やってみればいいなどと無責任なことは一言も言っていない。崩壊するかもしれないし、しないかもしれない。分からないので、神学論争にしかならない。どうなるか根拠が知りたいということだ。そこは誤解を解いておきたい」と述べると、城守氏は即座に「お言葉だが、全く分からないということではない。非常に過酷な労働条件の人が最大限カバーしようという割合が一定程度いて、その中で10%だと思う。決して生ぬるい改革案だとは私は思わない」と反論した。

 日本医師会副会長の今村聡氏は「何時間なら大丈夫だ、何時間なら医療崩壊するのかというエビデンスもない中の議論なので、まずは少しずつ上限を設定して、特例は必ずなくなるので、スタートの時点では余裕を持った方がいいのではないか」と長めの設定にする方がいいと提案。
「僕ではない人を副座長に選んでまとめを」と渋谷氏

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は「これまで無制限に強制労働させていた実態にメスを入れる。メスを強く入れすぎると当然出血多量になるが、何もせず放置するのが医療界をますます悪化させるのは間違いない」と述べた。渋谷氏は「960時間がゴールだというのは総意だと思う。1860時間に納得できるロジックがあるわけではないので、前に進めるのならば僕ではない人を副座長に選んでまとめていただきたいと思っている」と辞意を示した。
 岩村座長は「上位10%であるか20%であるかはおいても、いずれにせよどこかで線を引いたときに医療機関、そこで働く医師、関連職、患者たちの行動がどう変わるかが完全には読めないのがこの問題の難しいところだ。私個人は最も長時間働いていて過酷な労働条件にある方にターゲットを絞って、医師の健康と生命を守る。他方で地域医療体制の整備、これは政策の問題だと思うがそこに対応していく、その組み合わせで考えていくしかない」と述べた。

大学による医師引き揚げの懸念も

 今村氏は大学病院医師のアルバイトについて、「大学病院が労務管理をしっかりやるようになるとどうなるか。自分の病院を犠牲にして外の病院を支えることはしなくなる。今までも医師を引き揚げて地域医療に大きな影響が出るということがあった」と指摘。また、労務管理が厳格化して大学病院がアルバイトをさせない方向に向かったとすれば、若手医師が収入を得るために「(大学に)分からないところでアルバイトをするようになれば何のための働き方改革かということにもなってしまう」とも述べた。東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏も、「大学病院も背に腹は代えられないので、全く出さないわけではないが、絞ると思う」と同調した。



https://www.medwatch.jp/?p=24929
90学会・領域がサブスペシャリティ領域を希望、2019年9月には全体像固まる見込み―日本専門医機構 
2019年2月18日|医療現場から MedWatch


 現在、新専門医制度におけるサブスペシャリティ領域に、90の学会・領域(複数学会で1つの領域を構成するケースもある)から認定希望が出ている。日本専門医機構の理事会で定めた要件等に合致しているかの審査(事前審査、本審査)を行い、今年(2019年)9月にはサブスペシャルティ領域を決定し、その後に次のステップに進みたい―。

 日本専門医機構の寺本民生理事長は、2月18日に定例記者会見を行い、こうした考えを示しました(関連記事はこちら)。
 
2019年中に循環器内科など基本的学会・領域をサブスペシャリティ領域として認定
 新専門医制度は、以下の19「基本領域」(1階部分)と「サブスペシャリティ領域」(2階部分)の2層構造となっています。

【基本領域】(1)内科(2)外科(3)小児科(4)産婦人科(5)精神科(6)皮膚科(7)眼科(8)耳鼻咽喉科(9)泌尿器科(10)整形外科(11)脳神経外科(12)形成外科(13)救急科(14)麻酔科(15)放射線科(16)リハビリテーション科(17)病理(18)臨床検査(19)総合診療—の19領域

基本領域の多くでは、2年間の研修期間を設けていますが、外科や内科では「基本領域とサブスペシャリティ領域とを連動させる」構造も認められ(例えば基本領域の「内科」とサブスペシャリティ領域の「消化器内科」の研修を連動させ、基本領域の研修期間を短くし、サブスペシャリティ領域の研修を早期から長期にわたって実施する、など)、早ければ今秋(2019年秋)から「サブスペシャリティ領域」の研修がスタートすることになります(関連記事はこちら)。

日本専門医機構では、昨年12月にサブスペシャリティ領域の認定要件を次のように定め、関連医学会等に「当該要件に合致するか否か」の事前評価(自己評価)を行うよう要請しました。既に大枠は示されていますが、今回、要件等の内容が詳細に明らかにされています(関連記事はこちら)。

【サブスペシャリティ領域への認定要件】(概要)
(1)▼社会的使命▼対象となる患者像と推定数▼専門医の素養と必要な知識、実施可能となる手技▼現状で該当する社会的役割(例えば難病指定医の要件となっているか、など)―について説明可能であること【必須要件】

(2)基本領域の承認・同意があること(基本領域とサブスペシャリティ領域が1対1対応にあるカテゴリーA(内科と循環器内科など)、1つのサブスペシャリティ領域に複数の基本領域が関連するカテゴリーB(リハビリテーション科と整形外科が1つのサブスペシャリティ領域を形成するなど)、多くの基本領域が関連するカテゴリーC(緩和ケアなど)が考えられ、それぞれに承認・同意のあること)【必須要件】

(3)サブスペシャリティ領域として社会的認知に認知されていること(例えば、大学病院本院や主管型臨床研修指定病院、地域医療支援病院などの一定数で独立した診療科・部門がある、など)

(4)すべての大学病院本院に1名以上の当該サブスペシャリティ領域専門医が常勤し、全都道府県に当該サブスペシャリティ領域専門医が2名以上いることなど

(5)全都道府県に研修施設が1施設以上あり、かつ各研修施設に指導医が必要数配置されていることなど【必須要件】

(6)専門医制度創設から10年以上が経過し、明確な基準で1回以上資格更新した専門医数が一定程度いることなど

(7)日本専門医機構に承認された「客観的な試験」を行い、専門医の診療能力の質が担保できること

(8)更新基準に十分な診療実績を含めること

また、(3)の「社会的認知」については、例えば「小児がん」や「指定難病」などの希少疾患では、臨床研修指定病院や地域医療支援病院には独立した診療科・部門が設置されていないことも多いでしょう。しかし、こうした疾患の専門医がどこにいるのかと言う情報を患者・国民は渇望しているため、柔軟な要件設定(例えば地方ブロック単位で、当該診療科・部門が存在するなど)も可能となる見込みです。

さらに、具体的な指導体制や経験症例数などについては、日本専門医機構で検討中の「専門研修整備基準」で定められることになります。

 
今般、1月31日までに、90の学会・領域から「当該基準に概ね合致している」旨の返答が日本専門医機構に寄せられていることが寺本理事長から明らかにされました(基本領域学会の推す23学会も含まれる)。今後、日本専門医機構で事前審査(上記項目への記載が不十分な場合などには問い合わせも行う)・本審査を行い、4月以降、順次、サブスペシャリティ領域としての認定を進め、9月には全体像が固められる見込みです。したがって、当面、サブスペシャリティ領域は90学科・領域以下となります。

事前評価(自己評価)結果の返答を行っていない学会も16ほどあり、これらは少なくとも、今年(2019年)10月からのサブスペシャリティ領域には認定されません。寺本理事長は、「国民に分かりやすい専門医制度という考えに立ち返れば、基本的な学会(循環器内科や呼吸器内科)はサブスペシャリティ領域として認めなければならない。今年(2019年)は、このような地固めをして、後に次のステップ(今回、認定されなかった学会について、サブスペシャリティ領域として認定していくかの検討など)に進みたい」との考えを示しています。

 
なお、今年(2019年)4月からの専攻医(新専門医資格取得を目指す研修医)登録について、寺本理事長は「8500名強になる見込みで。今年度(2018年度)よりも若干増加しそうだ。新専門医制度の安定運営が一定程度行えていると考えている」旨の説明も行っています(2月15日で2次登録が完了し、現在、採否決定中。3月15日まで、空席があれば、未採用者は登録可能)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/660479
シリーズ 今どきU35ドクター調査2018
医師偏在、新専門医制度で拍車 ◆ Vol.11
若手医師の意見、「医療崩壊が必要かもしれない」との声も
 
医師調査 2019年2月23日 (土)配信大西裕康(m3.com編集部)

 「今どきU35ドクター調査2018」として35歳以下の若手医師に考えや意見を聞いた結果をお届けしてきたシリーズ最終回は、未来の自分へのメッセージなど、今回の同調査に協力して感じたことなどについて寄せてもらった自由回答を紹介する。新専門医制度が医師偏在に拍車をかけているとの意見や、患者の受療行動を適正化するため何らかの強制力が必要との意見があったほか、今後の進路について自分自身にエールを送る回答などもあった。

Q、同調査に関するご意見・ご感想、未来の自分へのメッセージなどを、ご自由にお書きください。

【医療のあるべき姿とは】
医師の負担を平準化するべきであるが、現状は難しい。[大学勤務]
年功序列などの制度は廃止を。有害な金儲け医療をする開業医をどうにかしてほしい。[開業医]
新専門医制度では、3~5年目医師は多岐にわたる症例を集めるため都市部の大規模病院で働かざるを得なくなっており、新専門医制度が医師の地域偏在に拍車をかけているように感じます。後期研修のうち1年は地方の基幹病院も回るようにするなど、何かしら対策が必要ではないでしょうか。[大学勤務]
時間外に受診する患者が多いことは、医師の首を少なからず絞めている感じる。応召義務の解釈を広げるなどして、どうにかそこを抑制することはできないか。また、2交代制などのシフト化を進めて、体を壊さず働ける勤務形態を国全体で早くつくってほしい。というかそういう風潮をもっと推し進めていくべき。[大学勤務]
今の保険料で高額医療も受けられるのでは、今後も医療保険制度を維持するのは厳しいだろう。[病院勤務]
一度医療崩壊というきっかけが必要かもしれません。[病院勤務]
診療科別に給料を変えるべきである。[大学勤務]
AI(人工知能)の進化で医師の働き方や在り方が変わってくるのではないかと思っている。[病院勤務]
大学とは月40時間の非常勤契約しかしてないのに、当直に外来にと使われてブラックす過ぎます。[病院勤務]
透析、生保、母子家庭の医療費無料は逆差別だと思います。[病院勤務]
若手として色々意見はあるが、結局全ての決定権を掌握しているのは60歳以上の大御所であり、大御所は往々にして根性論を展開しがちなので、常に諦めの気持ちになる。[病院勤務]

【今の自分、未来の自分へ】
大学病院を辞めようとしている私、きっと良かったと思えるはず。[大学勤務]
明るい話題の少ない時代だが、未来でも楽しく働けていることを願いたい。[大学勤務]
初心忘るべからず。[病院勤務]
無理せず家族を大切に。[病院勤務]
ワークライフバランスを大事にしつつ、働いていきたい。[病院勤務]
ドロップアウトしないようにしたい。[病院勤務]
先行きは全く想像できず、今を生きています。[病院勤務]

【編集部に要望です】
結果をまとめて厚労省に送ってください。[大学勤務]
こういった若手対象のアンケートを増やしてほしい。[大学勤務]
(完)



  1. 2019/02/24(日) 09:24:45|
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