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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月10日

https://www.toonippo.co.jp/articles/-/150300
むつ病院の常勤医5人増の見通し 市長発表 
2019年2月8日 東奥日報

 青森県むつ市の宮下宗一郎市長は8日、慢性的な医師不足が続いている同市のむつ総合病院に、2019年度末までに、新たに常勤医5人が赴任する見通しになったと明らかにした。弘前大学医学部から派遣を受ける。ほかに、弘大などからの非常勤医の診療応援も増える見込み。常勤医が不在だった脳神経外科は手術対応が可能になるほか、新たに腎臓内科の診療ができるようになる。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190209-349714.php
小高病院唯一の常勤医が退職届 入院機能再開を巡り市長と相違 
2019年02月09日 10時25分 福島民友

 南相馬市の門馬和夫市長が目指す市立小高病院の入院機能再開を巡り、同病院の管理者で唯一の常勤医を務める藤井宏二医師(63)が、市に退職届を提出したことが8日、分かった。藤井医師は「医療過疎地域で入院機能を再開させることは非現実的」とし、小高の医療の在り方について門馬市長の考えと相違があることが理由としている。

 藤井医師は入院機能の再開を望む患者はいないとし、「在宅医療など新たな診療体制の充実を図る方が重要だ」と話し、3月いっぱいで退職する意向。

 市立病院改革プラン策定委員会が6日、医師確保などの条件付きで同病院の入院機能を再開させるとする市立病院病床再編計画の素案を門馬市長に提出。これを受けて、藤井医師は辞意を固め、市は7日に退職届を受け取った。

 市によると、医療法では病院の管理者を務める常勤医がいない場合は診療行為ができないとし、藤井医師が退職した場合、市は4月までに小高病院の常勤医を確保できなければ診療は休止となる。

 藤井医師は京都府から同市に移住し、2016(平成28)年4月に小高病院などの非常勤医として着任。翌17年4月から同病院の常勤医として勤務している。

 小高病院は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故前、7診療科と99床を備えていた。14年に外来診療を再開させた。入院機能は医療従事者不足などにより再開していないが、遠隔診療システム(オンライン診療)の運用など在宅医療の充実を図ってきた。同病院では現在、常勤の藤井医師のほか、非常勤の医師3人が診療に当たっている。

 門馬市長は8日、「(藤井医師に)引き続き小高の地域医療のためにご尽力いただけるようお願いしたい」とコメントを発表。管理者の任命権を持つ門馬市長は今後、藤井医師と話し合いを進めながら対応を検討する。



https://www.sankei.com/region/news/190205/rgn1902050020-n1.html
桐生など3地域に医師優先配置 県や群大など不足深刻化で提案 
2019.2.5 07:04 産経新聞 地方群馬

 県や群馬大などは、県内の医療関係団体が参加する「ぐんま地域医療会議」にて、平成31年度に向けた県内の医師の適正配置方針をまとめた。医師不足が特に深刻化し、緊急の対応が必要とみられる県内3地域に医師を優先的に配置することを提案した。

 会議は、県内の医師の適正配置などに向けた方針を協議する場として、昨年3月に発足。これまでに4回会合を開き、群馬大が県内の130病院に対して行った医師の勤務実態に関する調査や県内病院からの医師配置の要望を基に意見交換などを行ったという。

 会議では、桐生厚生総合病院の外科医が流出する恐れがある桐生市▽当直可能な医師の不足で、小児二次救急輪番体制の維持が困難になっている西毛圏域(高崎・安中・藤岡・富岡)▽県立小児医療センターで産科医が不足する渋川市-の3地域に関して緊急の対応を実施することが提案された。

 調査では、消化器や循環器などの内科分野でも医師配置の要望が多かったことが判明。総合診療や整形外科の医師配置を求める要望も寄せられたという。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190209_11041.html
<栗原市>産婦人科・小児科開業に助成 新年度予算案、宮城県内で初めて 
2019年02月09日土曜日 河北新報

 深刻な産婦人科、小児科医不足に対応するため、宮城県栗原市は2019年度、市内で開業する産婦人科医と小児科医を対象に開設経費の一部を助成する方針を決めた。上限額は1億円で、19年度当初予算案に同額の債務負担行為を設定する。市によると、開業経費を自治体が負担して民間医を招請する試みは県内で初めて。
 対象は施設整備や医療機器の購入などで、助成額は経費の2分の1以内。新規開業のほか、現在ある施設を活用して診療所を継続する際も充当できる。期間は19~23年度で、市は各年度に1億円の債務負担行為を設定する。
 市内には産婦人科と小児科を専門とする診療所が一つずつしかなく、ともに医師が60代で、後継者の確保が課題だ。市は18年4月に助成事業の検討を始め、北海道北広島市が導入した同様の施策を参考に事業化を決めた。
 千葉健司市長は「民間医の再生は大きな課題だ。自身が選挙公約にした市立病院への産婦人科設置に向けた取り組みは継続しつつ、市民の不安払拭(ふっしょく)を図っていきたい」と述べた。



https://dot.asahi.com/toyo/2019020400056.html
「病院大淘汰」都心立地ですら安泰じゃない過酷 
井艸 恵美2019.2.5 10:30東洋経済  #病院
週刊東洋経済 2019年2/9号 [雑誌](病院が消える)

実需次第で再編すれば今の半分でも成り立つ

「医は仁術」というが、経営が安定しなければ医療の質は保てない。赤字経営を放置すれば、病院の存続自体が危うくなる。

 2月4日発売の『週刊東洋経済』は、「病院が消える」を特集。人口減少や医師不足、コスト上昇で病院の経営は厳しい。診療中止や民事再生に至った病院を追っている。

 今年1月、東京都中央区の石川島記念病院は白い仮設の壁で囲まれていた。壁には診療中止を知らせる貼り紙があり、道行く近隣住民が足を止めて眺めていた。近くのマンションに住む女性は、「自分もかかったことがあるが、休院とは知らなかった」と驚く。

 この病院は47床の入院病床があり、内科や整形外科、心臓病センターなどの診療科を設けていた。が、昨年12月から経営悪化を理由に診療を休止していた。近くに住む男性は、「突然診療をやめて困っている。この地域は高齢者が多いが、整形外科が少ない。腰を痛めた母親が通っていたが、ほかの病院を探さなければいけなくなった」。また、中央区に3つある2次救急指定病院の1つだったが、9月から救急患者の受け入れも中止していた。

 中央区医師会の遠藤文夫会長は、「廃止は寝耳。医師会にも直前まで連絡がなかった。中央区は治療後のリハビリや療養が必要な患者に対応する病院が不足している。石川島記念病院は、こうした患者の受け皿になっていた」

 昨年9月、病院側から東京都に連絡があった時点で、病院は休止ではなく廃止の予定だった。石川島記念病院は、もともと大手重工業メーカー・IHIの健康保険組合が運営していた病院だ。それが2012年、医療法人社団健育会に特例で譲渡されていた。それにもかかわらず、たった6年で休止になったのだ。病院に対し東京都は再開を要請しているが、都の担当者は憤りを隠せない。

「健育会に引き継がれたのは、特例措置だった。本来なら病院を廃止したうえで開業という流れになるが、この地域はすでに病床数が多かったため、新しい病院を設立できなかった。しかし、『地域医療を守る責任を果たす』という条件で、特例的に引き継ぎが認められた」

『週刊東洋経済』は、法人の直近3期分の財務諸表を入手した。2015年は約5億円の最終赤字、2016年は約1200万円の黒字を出しているものの2017年は17億円の最終赤字に転じていた。健育会は石川島記念病院以外にも、板橋区の竹川病院や静岡県の熱川温泉病院、神奈川県の湘南慶育病院など7病院を運営している。健育会の担当者は、病院ごとの財務の詳細は明かせないというが、石川島記念病院について「2014年に新設した心臓病センターが地域のニーズに合わず、患者が集まらなかった」と説明した。

 この病院の元職員は、こう実情を明かす。

「診療中止には驚かなった。石川島記念病院の赤字によって法人が運営する他の施設の黒字を帳消しにする状態だった。もともと高齢者向けのリハビリや療養の病院に強い法人で、心臓病治療に関しては素人。近くに聖路加国際病院などの有力病院がある中で、素人集団が心臓病センターを構えても儲からないのは当たり前だ。心臓病を手術する医師とのつながりがないから有力な医師を確保できず、周りの診療所からの紹介も得られない」

 東京都と医師会からの要請を受けて同院は、心臓病治療からリハビリや整形外科を中心にした診療に切り替えて、今年9月以降に再開を予定している。

●病院数が過剰な日本、再編と淘汰の時代へ

 この病院のように地域のニーズを見誤れば、たちまち経営が傾いて存続不可能になる。個別の経営だけが問題なのではない。日本は、世界の中で圧倒的に病院数が多い「病院過剰」国だ。人口当たりの病院数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国中2位。しかも、患者数(人口)は長期的に減少する。一方で、人口当たりの医師数はOECDの中で26位と、医師の数は多くない。

 日本病院会の相澤孝夫会長は、「日本の病院は天空の城」だと言い切る。「地上で何が起こっているかは見ていない。アンバランスな供給体制を実需に合わせて再編すれば、病院は多くても今の半分の4000病院あれば成り立つ」。

 厚生労働省は地域医療体制の再編を目指す「地域医療構想」を掲げ、人口動態を基に2025年のあるべき日本の病床数を試算した。それによると13年度対比で約15万床過剰とされている。多くの地域で再編と淘汰は避けられない。

 日本の病院経営は厳しい。医療法人は全体の約34%が赤字経営だ。自治体立病院は自治体からの繰入金を含めなければ約9割が赤字、含めても約6割が赤字である。

 社会保障費抑制の流れを受けて、医療サービスの価格(診療報酬)は伸びない。だが消費増税によって病院側のコスト負担は増えた。患者が支払う医療費には消費税がかからないが、薬剤費など病院が払うコストには消費税がかかるためだ。

 追い打ちとなるのは、働き方改革関連法だ。医師への本格的な適用は2024年4月からだが、これまで青天井だった医師の時間外労働が是正されることになる。年々低下してきた利益率がさらに圧迫されると予想される。コスト削減や業務の効率化など生産性を上げる努力が急務である。

●患者減少、医師不足…消耗戦の末共倒れに

2017年に民事再生法の適用申請に至った岐阜市の医療法人社団誠広会は、医師不足と患者数の激減が経営悪化の一因となった。この法人が運営する岐阜中央病院は、ピーク時の2008年は年間11万人だった患者数が6万人まで激減した。「最盛期は警備員が必要なほど駐車場が埋まっていたが、最後にはがら空きになった」と元職員は話す。

 大学病院から派遣されていた医師が徐々に引き挙げられ、内科の医師は2人にまで減っていた。周囲の診療所から患者を紹介されても入院を受け付けられず、別の病院に紹介するという事態まで起こっていた。「残った常勤医師は70代。372床の病床数はとても回せない。いつまでもつかという状況だった」(元職員)。

 現在は医療法人清光会に譲渡され、岐阜清流病院として再起を図っている。清光会理事長の名和隆英医師は、「急性期病院から回復期に移行する患者の受け皿となるように、リハビリ機能を強化している」と話す。名和医師は元大学病院の勤務医で、大学とのつながりが強い。医師の確保に尽力し、現在は徐々に患者が戻ってきているという。

 日本は急病や重症患者に対応する急性期の病院が多い。地方都市では急性期の病院がひしめき合っているが、実際は患者数上位の5~6病院が大部分のシェアを占めている。中位以下の病院は現在のままの病院形態に固執すると生き残りが難しい。郊外ではすでに上位の病院でも患者数減少が始まっている。今後も消耗戦を続ければ、共倒れしかねない。

「命のために」という大義があっても、すべての病院は生き残れない。病院大淘汰の時代が迫ってきている。

(井艸 恵美 : 東洋経済 記者)



http://yamagata-np.jp/news/201902/06/kj_2019020600095.php
分娩が20年2月で終了・天童 市民病院、医師定年で妊婦健診のみに 
2019年02月06日 07:26 山形新聞

 天童市民病院が2020年2月をもって、分娩(ぶんべん)の取り扱いを終了することが5日、分かった。2人いる産婦人科医が19年度いっぱいで定年退職するため。産婦人科の医師不足を踏まえ、県と山形大医学部が始めたモデル事業「県産科セミオープンシステム」に参加し、妊婦健診のみを担う。

 同病院産婦人科の常勤医は現在、高橋秀幸医師と金子尚仁医師。外科のベテラン医師の協力を得ながら、年間170件ほどの出産に当たっている。2人とも19年度で65歳の定年退職を迎える。

 県産セミオープンシステムは「妊婦検診は近くの病院・診療所で、お産は体制が整った総合病院で」をコンセプトとした周産期システム。妊婦は妊娠した段階で共通診療ノートの発行を受け、妊娠33週までの通常健診は自宅や職場から近い病院・診療所で行い、34週以降は分娩準備のため総合病院で健診を受ける。

 今年1月、村山地域で運用を開始。市によると、分娩施設は県立中央病院、山形済生病院、山形市立病院済生館、山形大医学部付属病院の4施設、通常の健診施設は山形、天童、上山、東根、寒河江の5市の12施設からなる。通常健診を担う公立施設には、天童市民病院のほか、18年4月に分娩を休止した北村山公立病院(東根市)も名を連ねている。

 同市民病院は常勤医がいなくなる20年3月以降は、現在の常勤医2人を非常勤で再任用する方針で、妊婦健診と婦人科業務を担う。同病院事務局は「産婦人科医の不足は全国的な流れであり、分娩終了はやむを得ない。病院の機能分担により分娩は医師や設備が整った施設に任せ、われわれにできることに専念したい」としている。



https://www.medwatch.jp/?p=24685
「将来においても医師少数の都道府県」、臨時定員も活用した地域枠等の設置要請が可能―医師需給分科会(3) 
2019年2月4日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2022年度以降、医学部の臨時定員増などを改めて議論することとなるが、その際には「医師が少数の都道府県では、知事が臨時定員も活用した地域枠・地元枠の設置を要請できる」が、「医師が多数の都道府県で、医師が少数の2次医療圏がある場合には、知事は恒久定員を活用した地域枠・地元枠の設置のみ要請できる」こととする―。

 1月30日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)では、こういった点が議論されました(関連記事はこちらとこちら)。
 
将来の医師の多寡については、必要医師数と供給数で判断する
地域の医師偏在を解消する最も有効な手段の1つとして、大学医学部の地域枠・地元枠(以下、地域枠等)があげられます。一定期間、当該都道府県での勤務を条件に、奨学金等が支給される仕組みで、2018年の改正医療法・医師法では、都道府県知事に地域枠等の設置要請権限を付与しています。

ただし、医師養成には10年程度かかる(医学部6年、初期医師臨床研修2年など)ことから、その効果が現れるまでには一定の時間が必要です。このため、新たな「医師確保計画」に基づく医師偏在対策の中では、「長期的な偏在対策」に位置付けられています(短期的な偏在対策として医師派遣や医師少数地域等での勤務認定などがある)。
 
現在、地域枠等は、医学部入学定員のうち「臨時定員増」(下図の赤色部分)の中で設けられていますが、この臨時定員増は2021年度の入学者で一旦終了し、2022年度以降の定員をどう考えていくかは、新たな需給推計に基づいて別途議論していくこととなっています(関連記事はこちら)。
 
ただし、その議論のベースとなる考え方、つまり「どの都道府県知事に、地域枠等の設置要請権限を認めるか」については、医師需給分科会で、これまでに次のような方針が固められています(関連記事はこちら)。

【後述する考えに基づいて「医師が少数である」と判断された都道府県】
▽うち、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県
→都道府県知事が大学医学部に対して、▼地域枠(恒久定員:上記青色部分)の設置・増員▼地元出身者枠の設置・増員▼地域枠(臨時定員:上記赤色部分、詳細は今後議論))の設置・増員―を要請できる

▽うち、「医師が少数の2次医療圏」のない都道府県
→該当なし

【後述する考えに基づいて「医師が多数である」と判断された都道府県】
▽うち、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県
→都道府県知事が大学医学部に対して、▼地域枠の設置・増員(恒久定員:上記青色部分)―のみ要請できる

▽うち、「医師が少数の2次医療圏」のない都道府県
→地域枠等の設置・増員要請はできない
 
 ここで、医師の「少数、多数」を判断する際には、「現時点で少数なのか、多数なのか」それとも、「将来において少数なのか、多数なのか」によって、異なる考え方をする点に留意が必要です。

 前者の「現時点で少数なのか、多数なのか」は、すでにメディ・ウォッチでお伝えしたように、新たな医師偏在指標(人口10万対医師数に地域住民・医師の高齢化などを勘案)を用いて判断します(下位33.3%が医師少数地域と判断される、関連記事はこちら)。一方、後者の「将来において少数なのか、多数なのか」を判断する際には、新たな偏在指標を「2036年時点」に置き換えることが必要です。地域枠等を考える際には、この考え方で「医師が少数・多数の地域」を判断していきます。
 
 このような考えに基づいて、「都道府県全体が医師少数か多数か」「当該都道府県の中に医師少数2次医療圏はあるか、ないか」を組み合わせ、上記の4分類となるのです。

 
 「医師が少数である」と判断され、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県では、前述のように、都道府県知事が大学医学部に対して地域枠等の設置を要請できます。その際に、「地域枠等を何名程度にするのか」については、2次医療圏ごとの「必要数と供給数との差」の累計で考えることになります。

 医師の必要数は、▼高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能ごとの推計患者数▼医師の働き方改革(時間外労働上限が厳しくなれば、必要な医師数は増加する)―などを勘案して地域ごとに推計します。一方、医師の供給数は、「医学部入学定員」をベースに推計します。

 例えばX県にA・B2つの医療圏があり、A医療圏では「必要数が供給数を10名上回っている」(将来、10名の医師不足となる)、B医療圏では「必要数が供給数よりも5名下回っている」(将来、5名の過剰となる)といった場合には、X県知事は大学医学部に対し「5名(10-5)の地域枠等を設定してほしい」と要望することが可能です。

恒久定員(上記青色部分)はもちろん、臨時定員(上記赤色部分、具体的な数等は今後検討)も活用して、地域枠等を設置することが可能です。恒久定員100名の大学であれば、例えば、恒久定員の中で3名分の、臨時定員2名分の地域枠を設けるようなイメージで、この場合、当該大学の定員は102名に増員されます(通常枠97名(100-3)、恒久定員の地域枠3名、臨時定員の地域枠2名)。
 
 
一方、「医師が多数である」都道府県のうち、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県では、当該2次医療圏について地域枠等設置が可能ですが、この場合には、当該県全体で見れば多数の医師が配置されているため、臨時定員を活用することはできません。恒久定員(上記青色部分)を活用してのみ、「医師が少数の2次医療圏」対応を行うことが可能となります(恒久定員が100名の大学に対し、10名の地域枠等設置を要請した場合、当該大学では通常枠90名、地域枠等10名となる)。

 
 地域枠等と医学部入学定員をクロスされた議論は、少々複雑なため、1月30日の医師需給分科会では「完全了承」とまではいかず、次回以降、改めて整理して議論することになっています。もっとも、既に医師需給分科会(2018年10月24日の会合等)で議論済の内容であり、この方向で了承されることになるでしょう。



https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15495360609455
なめがた地域医療センター 病院規模、大幅縮小へ JA茨城県厚生連検討 
2019年2月8日(金) 茨城新聞

■入院や夜間救急中止

JA茨城県厚生連が「土浦協同病院なめがた地域医療センター」(行方市)の大幅な規模縮小を検討していることが7日、関係者への取材で分かった。今春からの入院病棟の段階的な閉鎖や、夜間救急の受け入れ中止案が浮上している。同病院は医師不足が顕著な鹿行地域に2000年開院し、救命救急を含む地域医療の中核的な役割を担っており、規模縮小となれば地域住民に深刻な影響を与えそうだ。

関係者によると、今年4月から急性期病棟を1カ所閉鎖し、20年4月からは入院患者の受け入れ自体の取りやめを視野に入れている。夜間救急の取りやめも検討している。背景には運営状況の悪化などがあるとみられる。

厚生労働省調査(16年時点)の人口10万人当たりの医師数別で見ると、鹿行医療圏は95・7人と県内で最も少なく、全国的に見てもワーストクラスとなっている。同地域の医師を確保するため、県とJA県厚生連、筑波大が連携して筑波大に寄付講座を設置し、同病院は筑波大から医師の派遣を受けている。

同病院は24時間365日体制で重い症状の救急患者を受け入れる「地域医療センター」として県が指定。行方、鉾田両市などの救急医療の中核を担う。17年の救急受け入れ件数は約1600件で、このうち約800件が夜間救急だった。

行方市の鈴木周也市長は茨城新聞の取材に、同病院の規模縮小について「正直驚いている。鹿行地域は医療機関の体制が脆弱(ぜいじゃく)で、(同センターの)救急部門や入院機能などが撤退するとなると、地域の医療を守ることができなくなってしまう恐れがある」と危機感を示し、「今後、厚生連や県に対し、地域医療を守るための対策を講じてもらうよう要望活動を行っていきたい」と話した。(成田愛、石川孝明)

★土浦協同病院なめがた地域医療センター

JAグループ茨城の県厚生連が県内6番目の病院として2000年6月、行方市井上藤井に「なめがた地域総合病院」として開院。一般病床199床。06年4月には救命救急センターを開設。鹿行地域で唯一、重篤な救急患者に対応する三次救急医療機関として、救命救急センターに準じた「地域救命センター」に県から指定されている。16年3月、土浦協同病院の移転に伴い現名称に変更し、同病院との連携を強化した。



https://toyokeizai.net/articles/-/263911
日本で「病院が足りてない町」は一体どこなのか
市町村別の全国偏差値をマップで見てみよう
 
井艸 恵美 : 東洋経済 2019/02/05 5:10

病院は身近にあって当たり前。日本は、世界的に見ても「病院天国」といってよい。しかし、人口減少や医師の働き方改革によるコストアップなど、病院を取り巻く環境は年々、厳しくなっている。

いつも行っていた病院が突然なくなる――。そんな日が現実味を増している。2月4日発売の『週刊東洋経済』では、「病院が消える」を特集している。

患者が気になるのは、「自分の住む町の医療サービスは充実しているのか」ということ。日本は人口当たりの病院数が韓国に次いで多いが、国内では偏在が起きている。病院が足りていない地域、過剰な地域はどこか。

医療経営コンサルティングの「グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン」の協力で、①急性期病床(急患や重症な病気に対応)数、②回復期病床(急性期の後の治療に対応)数、③常勤医師数について、市町村ごとに偏差値形式で計算した。

郊外のベッドタウンで病院が不足
偏差値は、平均50と置いたうえで、それぞれのデータの平均からの隔たりを測るもの。今回の偏差値で、どの数値からが過剰あるいは不足とは言い切れないが、偏差値が70に近い、あるいは40に近いということは、医療資源(病院と医師)が全国平均よりかなり乖離(かいり)していることを示している。

本特集に併せて『週刊東洋経済プラス』で公開した二次医療圏マップ(https://toyokeizai.net/sp/visual/tkp/medicalarea/)は、人口10万人に対する、①急性期病床数、②回復期病床数、③常勤医師数、の3つについて、国の公開データを基に計算した。地域性を示すため、人口動態を基に都市区分を「大都市」「地方都市」「過疎」に分類している。

医療資源が不足している地域は、急性期病床、回復期病床、常勤医師数がいずれも、全国平均(偏差値50)より見劣りする地域だ。

埼玉県の川口市、蕨市、戸田市では、急性期が40.2、回復期が39.5、医師数は44.4といずれも偏差値が低い。また東京都八王子市、町田市、日野市、多摩市なども全国平均より低い。これらの地域はベッドタウンとして発展してきたが、病院や医師の供給が追いついていないことがわかる。

一方、病院数が過剰な地域は、急性期病床と回復期病床の偏差値が高い地域である。とくに回復期病床は西日本に多く、日本の医療の「西高東低」ぶりが表れた。

例えば、高知県の高知市、土佐市を中心とした地域の偏差値は、急性期が69.2、回復期が66.5と高い。高知県は、1日の平均外来患者数と1人当たりの医療費が全国1位になっている。過剰な供給体制が需要を生み出している可能性がある。

注目したいのは、病床数の偏差値が高いのに、医師数が低い地域だ。例えば、広島県の三原市を中心とする地域では、病床数はいずれも偏差値60を上回るが、医師数の偏差値は49.7。病院(病床)数に見合う医師がいないということだ。住民としてはやりきれないかもしれない。

千代田区、中央区、文京区…都心部で高齢者医療が不足
日本は高齢化社会がいっそう進む。今後増加する高齢者に対応する病院が不足している地域はどこか。

着目すべきは、急患や重症患者に対応する急性期病床は足りているが、治療が終えた後の回復期の病床が足りていない地域である。例えば、東京都の千代田区、中央区、港区、文京区、台東区などでは、回復期の偏差値が41.2と低い。

「国際的な統計を踏まえると、日本の急性期病床はOECD(経済協力開発機構)平均のほぼ倍だ。急性期病床が国内の平均より少ない地域であっても、国際比較では過剰という地域は多い。一方、回復期病床は、国際的な平均からすると圧倒的に足りていない。日本の平均を上回っていても、現実的には不足している地域がある点に注意したい」とグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの森本陽介氏は指摘している。 

体力が落ちている高齢者にとって、治療後に自宅に戻るまでの支援を行う回復期の病院は欠かせない。回復期が少ない地域では、今後、急性期病院の機能を回復期へと変えていく必要があるだろう。



https://www.medwatch.jp/?p=24721
地域医療提供体制の再編、データの背景を読まなければならない 
2019年2月5日|GHCをウォッチ  MedWatch

 地域医療提供体制の再構築を目指して、「地域医療構想」の実現に向けた議論が各地で進められているが、一般には十分な情報提供はなされていない。公表されている「病床機能報告」データからは地域における医療提供体制の「歪み」が明らかになるが、そのデータの背景までも十分に勘案した議論が必要である―――。

 こうした問題意識に基づき、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は公開データを用いた分析を実施。その結果が東洋経済新報社の発行する2月4日の「週刊東洋経済」(一部記事紹介はこちら)へ、5日の「東洋経済オンライン」へ掲載されました(データ詳細はこちら)。

ここがポイント!
1 「人口動態」「病床数」「医師数」をもとに、各地域の現状を分析
2 病床機能報告データは「病棟単位」で機能を決めるという限界がある
3 二次医療圏には合理性なし、根本から見直す必要がある
4 医療提供体制改革・働き方改革のカギ握る「IDS」

「人口動態」「病床数」「医師数」をもとに、各地域の現状を分析

 「週刊東洋経済」では「病院が消える」と題した特集を企画。そこではGHCによるデータ分析結果のほか、GHCが経営支援する相澤病院の相澤孝夫・日本病院会会長のインタビュー(記事詳細はこちら※無料会員限定記事)、旭川赤十字病院と社会医療法人宏潤会大同病院でのGHCによるデータ分析に基づく経営改善事例、GHCがサポートした魚沼基幹病院での病院統合の事例などが紹介されています。GHC創業者であるアキよしかわのインタビューも掲載されています(記事詳細はこちら※有料会員限定記事)。

 冒頭に述べたように、各地で地域医療構想の実現に向けた議論が進められています。そこでは、さまざまな診療実績データなどをもとに、医療提供体制の機能分化、連携の強化に向けた検討が行われていますが、そうしたデータは機微性が極めて高いことから一般には公開されません。

 そこでGHCでは、唯一の公開データとも言える「病床機能報告」結果をもとに、今後、各地域の動向を左右する変数と考えられる「人口動態」「病床数」「医師数」の3つを用いて地域の状況を可視化。今後の各地の動向を探る一助とすることを目指しました。データ分析結果の一部は「週刊東洋経済」の本誌に、全データ分析結果は「東洋経済オンライン」に掲載されています。

 具体的には、国勢調査の人口等基本集計と病床機能報告結果のデータをクロスさせ、人口10万人当たりの「急性期病床数」「回復期病床数」「医師数」を算出。さらに全国の二次医療圏を「大都市地域」「地方都市地域」「過疎地域」の3つに分類した上で、偏差値を用いて各二次医療圏の状況を可視化しています(文末にデータ出典と定義詳細を掲載)。その結果、各地の医療提供体制には大きな「歪み」「バラつき」のあることが再確認されました。

病床機能報告データは「病棟単位」で機能を決めるという限界がある
 ところで今回のデータ分析結果は、日本国内を対象にした相対評価であり、あくまで今後の地域の動向を占う上での参考として捉えるべきものです。このデータのみをもとに「自地域では他地域や全国平均に比べて病床が不足している。増床や病院の新設が必要である」と考えることは早計に過ぎます。

 国際統計を踏まえると、日本は先進諸国(OECD)の平均と比較して人口当たりの医師数が少なく、その一方で急性期病床数はOECD平均(人口千人当り3.7床)のほぼ倍(同7.8床※一般病床の回復期リハビリテーション病床と地域包括ケア病床を除くと7.0床)となっており、「ベッド数が多いために、患者1人当たりの医師数が少ない」状況にあることが分かっています。この、いわば「病床の分散」は、後述するように「医療の質」を低下させる要因となっています。国内平均と比べれば「急性期病床が少ない」(今回の分析結果では偏差値が低い)とされる地域であっても、国際比較すると「過剰である」という地域が多いのが実情なのです。

 ここで、データ分析結果を見る上での、重要なポイントを2点紹介しましょう。

 1つ目は、「病床機能報告」結果の限界です。病床機能報告に当たっては「当該病棟に最も多いと思われる患者の状態を、当該病棟の機能とする」というルールがあります。したがって、40床ある病棟で、21名の急性期患者が入棟し、19名の回復期患者が入棟している場合には、当該病棟の40床すべてが「急性期」と報告され、「19床分は実質的に回復期を担っている」といった点はおもてに出てこないのです(データ上は判別できない)。

 さらに、「病床機能報告」では、定性的な基準しかなく、病院自らが機能を選択します。したがって、「手術を月1に一度も実施していない急性期病棟」が存在してしまっているのです。

 一方で、地域医療構想は、地域の推計患者数をベースに、「2025年に必要となるベッド数」を算出しています。このため、病床機能報告結果と地域医療構想とは全く性質が異なり、両者を単純に比較して、「この地域では、○○機能が●●床不足している」と結論を出すのは早計に過ぎるのです。

 地域医療構想では、2025年の回復期病床ニーズは2013年度に比べて3.4倍必要と推計されており、(下図=医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会より抜粋=参照)、現状では絶対的な不足が指摘されています。極めて大きな乖離があることから、「急性期等から回復期機能への転換」が求められている点に疑う余地がありませんが、「どの程度、地域で回復期機能が不足しているのか」は、今回のデータからは明確になっていません。

二次医療圏には合理性なし、根本から見直す必要がある
 2番目に、「患者の流出入」の勘案をしなければならないという問題があります。これは、例えば「埼玉県の患者であっても、東京都へのアクセスがよい地域の居住者は、東京の医療機関を受診・入院する」ことが珍しくないといった問題です。埼玉県は病床が少ない地域として有名ですが、本当に病床が少なく、不足しているのかどうかは、東京都への患者流出などを十分に勘案しなければ判断できないのです。

 このため、医療提供体制を考えるにあたり、もはや「二次医療圏」という概念は不適切ではないか、という意見も少なくありません。日本病院会でも、こうした点について精力的な検討が進められています。

 さらに、国際的な医療経済学の草分けでもあるアキよしかわは、この問題について20年も前に指摘しています。アキは二次医療圏について、「病院間の競争や患者の流出入の観点から、その概念と定義は形骸化しており、単なる行政上の区分けに過ぎない」と強調。約20年前の1996年に出版された『Health Economics of Japan』(東京大学出版会)では、「患者統計の個票を使い、どこに住んでいる人が、どの病気で、どの病院を受診したかを考察し、二次医療圏の受診行動の流出入を疾病別に判別することができた。その結果、患者の流出入を勘案すれば約400(当時)の二次医療圏の区分けには合理的な意味がなく、医療圏の数はその3分の1程度で十分と結論付けることができた」と訴えています。

 残念ながら、20年前の政策決定者(厚労省官僚や審議会委員となる研究者ら)には、この指摘が「難しかった」ようで、十分に勘案されることのないまま、現在も「合理的でない二次医療圏」が政策のベースとなってしまっているのです。今後の医療提供体制改革にあたっては、こうしたベースとなる考え方の見直しも必要でしょう。

医療提供体制改革・働き方改革のカギ握る「IDS」
 今後の地域医療提供体制を考える上では、「医療の質向上」を忘れることは許されません。上述のとおり、我が国では先進諸国に比べて、「ベッド数が多く、患者1人当たり(1床当たり)の医師数が少ない」という問題点があります。これは、症例数が分散していることを意味します。GHCと米国メイヨ―クリニック、スタンフォード大学との共同研究では、「症例数と医療の質は相関する」、つまり症例数の分散は、医療の質を下げてしまう、ことが分かっています。

 データ分析結果だけを見て、「我が地域では、全国より病床が不足しているようだ。早急に病院の新設や増床が必要だ」と考えるのは、かえって「医療の質低下」を招きかねない点には最大の留意が必要です。医療へのアクセスも重要な要素であることはもちろんですが、アクセス偏重は「医療の質低下」というクリティカルな弊害にもつながりかねないことを、政治・国民が十分に理解する必要があります。

 逆に考えれば、こうした事態を是正するため、つまり医療の質を向上させるには、症例の集約化を進めることが必要です。そこでは、地域において病院の再編・統合を進めていくことが重要ポイントの1つとなります。病院の再編・統合は「医師の働き方改革」においても重要なテーマで、すでに地域によっては病院の再編・統合が進められており、GHCも地域の「医療の質向上」に向けて積極的な支援を行っています。

 米国ではこの病院統合を「IDS(Integrated Delivery System)」と呼んでおり、GHCではIDSが日本国内で展開されることの意義や有用性について議論し、どのように展開すれば成功に導けるのかを長年研究をしてきました。

 IDSは約20年前に米国の各地で発生した病院の再編・統合を実現してきたサービスメニューの総称です。GHCは、米国で最も多くのIDS案件をアキよしかわと手がけてきたベテラン医療経営コンサルタントのマーティー・マイケル氏(弊社顧問)、米国のトップ病院であるメイヨー・クリニックなどからIDSの知識やノウハウを学び、国内向けのカスタマイズを繰り返することで、サービスメニューを洗練させてきました。

 再編・統合を進めていく上、最も困難なことが「診療統合」です。2月4日の「週刊東洋経済」で掲載されている魚沼基幹病院内山聖院長のインタビューでは「診療統合による病院・地域・住民の混乱」が触れられています。

 現在、GHCでは、魚沼圏域における診療統合の最適化を支援しています。

 地域医療提供体制の再編のカギを握るIDSについて、以下の関連記事、事例紹介、関連サービスを是非ご覧ください。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190205_61004.html
診療所と医師マッチング 福島県「医業承継バンク」開設、後継者不足解消目指す 
2019年02月05日火曜日 河北新報 福島

 福島県は4日、県内での勤務を希望する県外の医師と、後継者がいない診療所をつなぐ「県医業承継バンク」を福島市の県医師会館に開設した。定住促進などの施策を紹介して医師を呼び込み、過疎地の医療を支える診療所の減少に歯止めをかける。県によると、東北での開設は初めて。
 バンクは県医師会に運営を委託。登録してもらう県内の診療所と、勤務を希望する医師に対し、マッチングの提案や支援を行う。
 まずは、県内の診療所に承継希望の有無といった意向を確認する予定。県外からの招請を想定する医師は専用のホームページなどで募る。診療所のある地元自治体と連携し、住まいなどの定住促進策も紹介していく。
 県は2008年1月、「ドクターバンクふくしま」を開設したが、病院勤務医の紹介やあっせんが中心だった。今回は診療所の医業承継に絞った窓口を設け、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で細った地域医療の基盤強化を図る。
 県地域医療課によると、県内の診療所医師は、60歳以上が52.2%(16年)で、全国平均を4.9ポイントも上回る。後継者不在なども加わり、診療所は10年の1457施設から、16年には87施設減った。
 県医師会の佐藤武寿会長は「郡部の医師確保が課題だ。県出身で古里に戻ろうと考えている医師を中心に働き掛けたい」と強調。県保健福祉部の佐藤宏隆部長は「医師会と連携を強め、地域医療全体の基盤強化につなげる」と話した。



https://digital.asahi.com/articles/ASM274449M27UBQU002.html?rm=622
医師の労働時間短縮へ、病院に計画作りの義務づけ検討 
姫野直行、阿部彰芳 2019年2月7日13時00分 朝日新聞

 勤務医に残業時間の罰則つき上限が5年後に適用されることを控え、厚生労働省は、勤務医の労働時間を短縮する計画の作成を医療機関に義務づける検討を始めた。残業が長くなる要因を医療機関ごとに客観的に評価、指導する体制づくりも進める。

 医師の働き方改革を議論する検討会で6日、提案した。計画を義務づける医療機関などの詳細は今後詰め、今年4月以降の開始を目指す。

 昨年成立の働き方改革関連法で、大企業は今年4月、中小企業は来年4月から罰則つきで残業が最大年960時間に規制される。ただ、勤務医は例外扱いで上限は別途決めることになり、2024年4月から適用される。

 厚労省は先月、一般勤務医の上限は年960時間と提案。この上限では地域医療を守れない場合があるなどとして、「年1900~2千時間」という特例を設ける案も示した。

 特例は35年度末までの期限つき。医療機関を特定し、次の勤務までの休息を9時間以上確保させたり、連続勤務を28時間までに制限したりする措置を条件としている。ただ、一般労働者の2倍とする案への異論は強く、今後5年間に労働時間の短縮を進め、特例の対象を絞り込む構えだ。

 厚労省案では、特例の対象になり得るかを医療機関が検討し、短縮に向けた計画をつくる。また、ひとつの医療機関だけの対応には限界があるため、地域の実情を踏まえて長時間労働の要因や取り組み状況を評価、指導する仕組みも設ける。評価結果は医療機関や都道府県に知らせる。

 また、これらの前提として、労働時間の適正管理や働き手に残業させるための労使協定の締結を医療機関に徹底させるとしている。

 厚労省の調査によると、残業が年1920時間超の病院勤務医は推定約2万人。2880時間超は約3600人いるとみられている。1920時間超の勤務医が1人でもいる病院は全体の3割あり、大学病院では9割、救命救急センター機能がある病院では8割に上る。



https://www.yomiuri.co.jp/local/tokushima/news/20190209-OYTNT50106/
「県立中央」「徳大」病院の壁撤去 
2019.2.10 読売新聞 徳島

道路開設 行き来便利
路線バス乗り入れ検討

 隣接する県立中央病院と徳島大病院が一体となって地域医療を担う「総合メディカルゾーン構想」の一環として、県と徳島大は両病院を隔てる壁を撤去し、車で往来できる「メディカルストリート」を開通させた。4月以降、新たにバス停を設け、路線バスの乗り入れを検討する。利便性の向上によって患者の増加が見込まれ、関係者は「医療の質を向上させ、多くの期待に応えていきたい」としている。(浅野榛菜)

 両病院は、県立中央病院が前身の国立病院だった時代から隣接し、国立病院は1953年、県に移管され、県立中央病院となった。県立中央は救命救急センターを備える急性期病院として機能。一方、徳島大は、高度医療の提供と、研究の場としての役割を担っている。

 連携して相乗効果を生み出そうと県と徳島大は2005年から数度にわたって合意書を締結。地域医療を担う医師の育成や、周産期医療で協力を続けている。さらに「総合メディカルゾーン」として施設面での一体化を図り、敷地を隔てていた壁を取り壊し、16年から道路を敷設する工事に着手し、今年1月に完成した。

 これまで患者らは、互いの病院を行き来する際、約200メートルを歩く必要があり、車の場合はいったん敷地外に出て、それぞれの離れた入り口から入り直す必要があった。また、両病院で異なっていた駐車場の料金は、開通を機に統一した。

 道路の開通式が今月2日にあり、出席した飯泉知事は「両病院の中をバスやタクシーで行き交うことができる」と、妊産婦や高齢者にとって優しい医療拠点になったことを改めて喜んだ。

 総合メディカルゾーンは、近い将来に発生が予想される南海トラフ巨大地震などを想定し、災害時の医療拠点としての役割も期待されている。県病院局は「医師や関係者の往来も緊密にし、高度で困難な要請に応じられる強い拠点に育んでいきたい」としている。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41038020X00C19A2L60000/
日光市と11医療機関、4月に連携法人設立へ 北関東初  
2019/2/7 22:00日本経済新聞 電子版 北関東・信越

栃木県日光市と市内の11医療機関は4月、地域医療連携推進法人を設立する。治療の段階に応じた患者の相互の紹介のほか、人材の融通や医療品の購入などに共同で取り組む。人口減・高齢化が急速に進むなか、市と医療機関が連携して地域医療を維持する狙いだ。

地域医療連携推進法人の設立は全国で8番目で、北関東では初となる。

市と市内の8病院、3つの診療所がメンバーとなって一般社団法人を設立する。事務局は日光市が務め、代表理事には設立総会を経て副市長が就任する見通し。合計病床数は1000床に迫る規模になる。

日光市の人口は2045年に15年比でほぼ半減する一方、高齢化率は50%に達すると予想されている。このため、急性期の医療需要が減る一方、がんや脳卒中からの回復期の患者は増加が見込まれる。

地域医療連携推進法人はこうした医療需要の変化に対し、各医療機関の役割を明確にする一方、患者の相互紹介や病床・人材の融通などで対応を図る。患者の奪い合いによる共倒れを避け、地域医療の維持を目指す。



https://www.medwatch.jp/?p=24756
勤務員の健康確保に向け、勤務間インターバルや代償休息、産業医等による面接指導など実施―医師働き方改革検討会(2) 
2019年2月7日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師は一般労働者に比べて長時間労働が生じやすいため、「健康確保」措置が極めて重要になる。このため、28時間以内の連続勤務時間制限や9時間以上の勤務間インターバルの設置が求められるが、医療現場の実態を踏まえれば、これらをクリアできない場面もでてくる。そうした際、事後に「代償休息」を付与することなどを医療機関に義務付けてはどうか―。

 2月6日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)では、こういった議論も行われました。構成員から出された意見・提案などを踏まえ、詳細な制度設計を行うことになります。
 
ここがポイント!
1 医療現場では勤務間インターバルの厳格実施が困難なケースも、代償休息制度が必要
2 月100時間超の時間外労働となる勤務医を対象に、産業医等が面接・指導
3 追加的健康確保措置はB水準医療機関の義務、未実施は「特定の取り消し」も

医療現場では勤務間インターバルの厳格実施が困難なケースも、代償休息制度が必要
 お伝えしているように、検討会では、「地域医療の確保」と「医師の健康確保」との両立を可能とする「医師の働き方改革案」策定に向けて議論を進めいます(2019年3月までに意見を取りまとめる)。これまでに、2024年4月から適用される「勤務医の時間外労働上限規制」について、厚生労働省は▼原則として年960時間・月100時間未満(いわゆるA水準)▼救急医療機関など地域医療確保のために必要な特例水準として年1900-2000時間程度以内(いわゆるB水準)―としてはどうか、との提案を行っています(関連記事はこちらとこちら)。
 
 医療には、▼不確実性(患者の急変等は完全に予見できない)▼公共性▼高度の専門性▼技術革新と水準向上—という特殊性があることから、当面、一般労働者よりも長時間上限を設定するものですが、医師の健康確保を確保するために、各医療機関に次のような措置(追加的健康確保措置)をとることを義務付けてはどうか、とも厚労省は提案しています。

【追加的健康確保措置1】
▼連続勤務時間を28時間までに制限する▼9時間以上の勤務間インターバルを設ける―ことを、A水準の医療機関では努力義務、B水準の医療機関では義務とする

【追加的健康確保措置2】
インフルエンザ流行などで「月100時間」を超える時間外労働となる勤務医に対しては、医師が「面談」を行い、その結果を踏まえて「勤務制限」(ドクターストップ)を行うことを全医療機関に義務付ける

  
2月6日の検討会では、この【追加的健康確保措置】について厚労省からより詳しい提案が行われ、これに基づく意見交換が行われました。

まず【追加的健康確保措置1】の連続勤務時間制限などは、「医師の健康を確保するためには、連続した6時間以上の睡眠が極めて重要である」との研究結果を踏まえたものと言えます。しかし、医療現場において、こうした仕組みを極めて厳格に運用することが難しい場面も出てきます。例えば、医師が手術中に「連続勤務時間が28時間となった」からといって、メスを置いてしまう、といった有り得ないケースを考えれば、厳格運用の難しさを理解できるでしょう。

このため厚労省は、やむを得ず連続勤務時間制限などをオーバーしてしまう場合には、「代償休息」を付与することを提案しています。具体的な制度設計はこれからですが、オーバー事例等が発生する都度に時間単位での休息を付与する(時間単位の休息や、インターバルの延長など)ことも、まとめて「1日分の休暇」とすることも可能ですが、オーバー事例発生の「翌月」に付与することが必要となる見込みです。

この提案に対し、労働組合を代表する立場で参画している村上陽子構成員(日本労働組合総連合会総合労働局長)は「連続勤務制限などを骨抜きにしてしまう」として、代償休息の仕組み導入に反対していますが、上述のような医療の特殊性に鑑みれば、現実的な健康確保措置の導入を考えるべきでしょう。勤務医代表として参画する猪俣武範構成員(順天堂大学附属病院医師)も「合理的な仕組みだ」と厚労省案を高く評価しています。

月100時間超の時間外労働となる勤務医を対象に、産業医等が面接・指導
 【追加的健康確保措置2】は産業医等が面接指導を行うもので、▼B水準の医療機関では、例えば月80時間の時間外労働となっている医師を対象に、「事前」に月100時間超となることを想定して面接スケジュール等を組む▼A水準の医療機関では、例えば月80時間の時間外労働となっている医師の疲労状況(睡眠負債、うつ、ストレスの状況)を検査し、基準値を超える(疲労の程度が重い)医師では事前に、そうでない医師では事後(月100時間超となった後)に面接を行う―こととしてはどうか、と厚労省は提案しています。

また、すべての医療機関で産業医を確保することが難しい状況に鑑み、当該医療機関の医師が一定の研修を受けた場合には、面接担当者になることを認めることになりそうです。ただし、院長などの「管理者」が面接を行うことは認められません(中立性を確保するため)。

この点について三島千明構成員(青葉アーバンクリニック総合診療医)は「医師にはヒエラルキーがあり、若い勤務医が上司に十分にものを言えないこともある」とし、中立性の担保を十分に行うことが重要と強調。また黒澤一構成員(東北大学環境・安全推進センター教授)は、「医師には『自分が休めば、誰が患者を診るのか』という思いがあり、実際の面接でもそう述べる」とし、「休んでも代わりの医師が確保されている」体制を組み、それを的確に伝えることが必要であると訴えています。

追加的健康確保措置はB水準医療機関の義務、未実施は「特定の取り消し」も
こうした健康確保措置は、医療機関の「義務」となります(追加的健康確保措置2は全医療機関での義務、追加的健康確保措置1はA水準では努力義務、B水準では義務)。この義務について厚労省は「医療法などの医事法制で規定してはどうか」と提案しています(医療現場は医事法制に馴染みが深く、関心も高いため、実効性が期待できる)。しかし、村上構成員らは「労働安全衛生法などの労働法制で規定するべきか」と再三指摘しています。この点、例えば「医事法制で規定されたとして、労働行政担当部局が追加的健康確保措置についてノータッチとなる」わけではなく、いずれの法制で規定されたとしても大きな違いはないようです。

別稿で述べたように、B水準医療機関として特定されていても、追加的健康確保措置が実施されていない場合には、「特定の取り消し」となります。したがって、都道府県では「追加的健康確保措置が確実に実施されているか」を確認する(例えば年1回の医療監視・指導の一環として確認するなど)ことが、各医療機関では確認のために「追加的健康確保措置の実施状況・内容を記録し、保存する」ことが求められます(関連記事はこちら)。

さらに、厚労省では、こうした記録確認等を行うことで、「産業医でない医師が面接を行う場合でも、一定の中立性が担保されるのではないか」と考えています。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t301/201902/559771.html
厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」
医師の健康確保措置、「代償休息」は翌月末までに取得を
 
2019/2/8 満武 里奈=日経メディカル

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が2月6日に開催され、地域医療提供体制の確保の観点から「時間外労働の年間上限960時間」を満たせないケース(地域医療確保暫定特例水準の適用施設)に対し義務付けられる「追加的健康確保措置」のあり方について、さらなる事務局案が提示された。

 事務局案では、28時間までの「連続勤務時間制限」と「勤務間インターバル」(次の勤務までに9時間のインターバルを確保、当直時は18 時間)を実行できなかった場合、(1)「代償休息」として1日の休暇(8時間分)が累積してからではなく、発生の都度、時間単位での休息をなるべく早く付与する、(2)所定労働時間中に「時間休」として付与する、もしくは「勤務間インターバル」時間を延長する、(3)取得期限は代償休息を生じさせる勤務が発生した日の属する月の翌月末までとする――などの考えを示した。

 また、「面接指導」については、(1)時間外労働が「月100時間未満」の水準を超えるよりも前に実施する、(2)地域医療確保暫定特例水準で働く医師は、月の時間外労働が100時間以上となることも少なくないため、前月に時間外労働時間が80時間超となった場合はあらかじめ面接指導のスケジュールを組んでおくことを推奨する、(3)面接指導を行う医師は講習を受けてから従事する(医療機関管理者は認められない)――とする案も示された。

 一方、地域医療確保暫定特例水準が適用されない、時間外労働が「年間960時間以内」の医師の時間外労働が月80時間超となった場合は、まず睡眠および疲労の状況(睡眠負債、うつ、ストレスの状況)を確認し、これらの指標の基準値を超える者に対して「事前面接」を必須とする案も示された。

 なお、面接指導の結果によって、当直・連続勤務の禁止や時間外労働の制限、就業日数の制限等をすべき場合、医療機関管理者は医師の健康確保のために必要な就業上の措置を最優先で講じることになる。追加的健康確保措置の実施状況は事後的に確認できるよう、医療機関管理者に記録を保存するように義務を課す。実施されない場合は、地域医療確保暫定特例水準の対象から除外する。

 1月の検討会では、地域医療提供体制の確保の観点から「時間外労働の年間上限960時間」を満たせないケースについては、追加的健康確保措置を義務化した上で、時間外労働時間の上限時間を休日労働込みで「年1900~2000時間以内」に設定する経過措置(地域医療確保暫定特例水準)を取ることが事務局案として示されていた(関連記事:医師の時間外労働の上限規制案は「1900~2000時間」)。

 同日には、罰則付き時間外労働の上限時間が適用される2024年4月までの各医療機関の取り組みイメージも示した(図1)。まず各医療機関は時間外労働の実態を的確に把握した上で、自施設に適用される上限時間がどれになるのかを検討し、時間外労働の短縮幅を見極めて、医師労働時間短縮計画を作成。PDCAサイクルによる短縮を図る。なお、医療機関の努力のみによって労働時間短縮を達成できる場合ばかりではないため、都道府県は各医療機関の役割分担を含めた医療提供体制のあり方を考え、支援する。

 代償休息に関する事務局案に対し、「勤務医の立場からは、『代償休息』は追加的健康措置の選択肢の1つとしてリーズナブルと感じる。連続勤務時間制限やインターバル時間確保などの定期的な休息に比べると、肉体的な休息の効果は弱いかもしれないが、『来月はオフィシャルに休める』ということでストレス軽減につながるのでは」(順天堂大学付属病院医師の猪俣武範氏)、「(産業医として)措置する立場からすると、時間休があるのは、休みの取り方に柔軟性が保てるのでありがたい」(東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏)などの賛成の意見が医師側から上がった。一方で、「(代償休息を設定することでインターバル時間の確保よりも)代償休息の方に流れてしまう恐れがあるので、代償休息はない方が良いのではないか」(全日本自治団体労働組合総合労働局長の森本正宏氏)、「『代償休息』の管理は煩雑で、取得できないのではないか。細切れで休んでも(追加的健康確保措置として)実効性がないのではないか」(日本労働組合総連合会総合労働局長の村上陽子氏)などの意見も出て、事務局が「『代償休息』は絶対必要なものと考えている。医療の世界では『この医師でないと救えない』という事態が起こり得るので、インターバル時間中であっても呼び出されてしまう可能性がある。実態が陰に隠れてしまう(呼び出されているのに呼び出されていないことにする)ことが起きないためにも、制度として作らせていただきたい」と理解を求める場面もあった。

 また日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏は、「今の案はどちらかというと面接指導によるメンタル面の評価を重要視していて、身体的な評価が少し弱いのではないか。面接の際に『大丈夫です』と言われたらそれで終わりになってしまう。客観的な評価ができるよう、身体的な指標を設定することが必要ではないか」と指摘。さらに黒澤氏は、「休むように指導しても『私が休んだらまわりに影響が出てしまうので休めない。変わりの医師はいない』と言われてしまうケースがある。その医師が休んでも大丈夫だと担保をしてあげることが必要では」と話した。
時間外労働上限規制の枠組み全体の整理(案)を提示
 なお同日には、36協定上の上限時間数の設定案も整理して提示された(図2)。一般則と同等の働き方を目指すという視点に立ち、地域医療確保暫定特例水準の対象を含む医師の「平日の時間外労働」を一般則と同じく「月45時間、年360時間」と記載する案を提示した。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t301/201902/559673.html
<シリーズ◎医師の働き方改革
このままでは産婦人科医がまた過労死してしまう
日本産科婦人科学会医療改革委員長の海野信也氏に聞く
 
2019/2/4 満武 里奈=日経メディカル

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」は1月11日、2024年4月から適用される罰則付き時間外労働の上限時間を、休日労働込みで年間960時間以内・月100時間未満とし、地域医療提供体制の確保の観点からやむを得ずこの水準を満たせない場合には「年間1900~2000時間」とする事務局案を提示した(関連記事:医師の時間外労働の上限規制案は「1900~2000時間」)。この案に対し、日本産科婦人会学会は1月18日、「『医師の働き方改革に関する検討会』へ意見と要望」を公表した。産婦人科医の労働環境改善を担当する日本産科婦人科学会医療改革委員長の海野信也氏(北里大学病院周産母子成育医療センター長)に話を聞いた。

うんののぶや氏〇1982年東京大学卒業。東京大学医学部附属病院、長野県立こども病院などを経て、2004年より北里大学医学部教授、2012年から2018年まで北里大学病院長、現在同病院周産母子成育医療センター長を務める。日本産科婦人科学会では、2005年から現・医療改革委員会の委員長。

――「『医師の働き方改革に関する検討会』へ意見と要望」を厚生労働省に出した経緯を教えてほしい。
海野 この意見と要望は、「時間外労働の上限設定においては、いわゆる過労死ラインを大きく超えないこと」を要望するものだ。

 日本産科婦人科学会は、国が医師確保総合対策を策定した2005年から産婦人科の医療提供体制の確保と労働環境改善のため、長年、検討を続けてきた。翌2006年には、福島県で妊婦が残念ながら亡くなった大野病院事件が発生したが、その年も、そしてその後も、学会として提言し続けてきた。今回、厚労省の事務局案を見て、産婦人科医の働き方の特性を踏まえた上で提言することが改めて必要と判断した。

――産婦人科医の働き方の特性とはどんなものか。
海野 産婦人科は分娩を取り扱うため、24時間体制を敷くことが求められる。しかし、そのための十分な医師数が確保できているわけではないので、当直など夜間帯の勤務拘束回数が他科よりも多く、時間外労働時間が最も長い診療科だ。

 あとは、ここ10年で女性医師が徐々に増え続け、今では45歳未満の学会会員の6割が女性となっているのも特徴だ。

 図1を見てほしい。これは日本産科婦人会学会の会員の勤務先を年齢別・男女別に調べたものだが、ハイリスク分娩と周産期救急を取り扱う「総合周産期母子医療センター」(※図表中の「総合男性」「総合女性」)と「地域周産期母子医療センター」(※図表中の「地域男性」「地域女性」)は、30代を中心とした若い世代が支えている。そして年齢を重ねるごとに分娩を取り扱わない施設で勤務する医師が増えることも分かった。

図1 日本産科婦人科学会の会員の年齢別・男女別分布(2014年時点)(略)
(2014年度の厚生労働省科学研究費補助で行われた「地域格差是正を通した周産期医療体制の将来ビジョン実現に向けた先行研究」のデータより)

 今回、厚労省が示した案は、時間外労働時間は原則960時間だが、地域医療提供体制の確保の観点からやむを得ずこの水準を満たせない場合には「年間1900~2000時間」という例外(地域医療確保暫定特例水準)を設けている。この例外が適用される対象医療機関としては「2次・3次救急医療機関」や「5疾病・5事業」に関わる医療機関などが想定されているが、「5疾病・5事業」には周産期医療が入っている。

 周産期医療体制は、各都道府県が地域医療計画に基づき、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターを指定している。つまり総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターはこの例外規定(地域医療確保暫定特例水準)が適用される可能性がある。検討会資料によると、時間外労働が1920時間を超えて働く医師は全体の1割ほどだと見積もられているが、産科婦人科領域だけを見れば、日本産科婦人科学会の若い先生が勤務する施設のほとんどが例外規定に該当し、そこで働く産婦人科医、つまり学会に所属する若い先生の時間外労働時間の上限が過労死水準を大幅に超えた「年間1900~2000時間」となってしまわないかと危惧するのだ。
 この例外規定の期限は2036年3月末と示されている。若い産婦人科医にしてみれば、地域医療確保暫定特例水準を適用された医療機関で働くということは、この先10年間は時間外労働1900~2000時間で働くことを強いられる可能性があるということだ。そのような仕事を続けられるだろうか。

 既に産婦人科医の過労死は発生している。2017年8月に、日本産婦人科医会とともに、分娩取り扱い病院における産婦人科勤務医の労働環境改善を求める声明を出したのも、東京都内の病院で産婦人科医専門医研修を行っていた医師が、長時間労働によって精神疾患を発症し、それを原因とする過労死が労災認定されたことを受けてのものだ。

 もし1900~2000時間という例外規定が設定されたら、2036年までは、とんでもなく長い時間外労働を許容する特別条項付き36協定を結べることになり、産婦人科医の過労死の可能性を残してしまうことになる。国としてこんな労働環境を認めるのはあまりにもひどい話ではないか。そもそも働き方改革の議論はいわゆる「過労死防止大綱」を基に、過労死を防ぐという観点から議論が始まったはず。その理念が今回の医師の働き方改革の議論からは抜け落ちていると言わざるを得ない。

 厚生労働省は医師の労働時間の実態について正確なデータを示していない。学会としても、時間外労働の上限を何時間にすべきなのか、根拠をもって答えることはできないのが実情だ。でも今、日本の分娩の現場を支えてくれている若い世代の医師は、大野病院事件の後に産婦人科医になってくれた医師たちだ。過酷な労働環境を承知の上で産婦人科医になってくれた彼らのことを守りたい。だから、今回改めて「過労死ラインを大きく超えないように」と厚労省に要望した。

 厚労省は2018年3月、他職種に業務移管(タスク・シフティング)することや、自院の36協定の点検を行うことなどを求める「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」を発出したが(関連記事:医師の時短に向け直ちに実施すべき事項を明示)、1つの医療機関だけの努力でタスクシフトを行うことは難しい。産科医療の働き方改革を行うためには施設の大規模・重点化や新規専門医の育成、チーム医療の推進が必要だ。だから2018年9月には日本産婦人科医会とともに「産婦人科医の働き方改革の宣言・提言」を出したし、我々自身も働き方改革に積極的に取り組んでいく。検討会も、診療科や地域ごとに異なる特性を踏まえた各論も十分に議論してほしい。

 繰り返しになるが、今の事務局案では過労死が起き得る状況が温存されてしまう危険がある。それを防ぐのが国の政策のはずだ。

□参考サイト(日本産科婦人科学会)
医師の働き方改革に関する検討会への意見と要望
http://www.jsog.or.jp/modules/news_m/index.php?content_id=572



https://www.medwatch.jp/?p=24698
2019年の10連休、医療機関等は休日加算等を算定可能、また処方日数制限を超えた処方も―厚労省 
2019年2月5日|医療保険制度 MedWatch

 2019年度の10連休において、医療機関は従前どおり休日加算等を算定できる。また、旅行等に出かける患者に対し、処方日数制限を超えた医薬品の処方を行うこともでき、その場合、処方箋に「理由」記載が求められる。

 厚生労働省が1月30日に通知「本年4月27日から5月6日までの10連休等の長期連休における診療報酬等の取扱いについて」を発出し、このような点を明確にしました(厚労省のサイトはこちら)。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000475441.pdf
  
 今上天皇陛下が今年(2019年)4月30日に退位され、皇太子殿下が5月1日に新たな天皇に即位されます。これに伴い、政府は4月27日から5月6日まで「10連休」とすることを決定しました(天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律)。

 この10連休における医療提供体制(とくに救急医療)の確保が重要となることから、厚生労働省は1月15日に通知を発出し、地域の医療提供体制を確認・調整し、情報提供することを都道府県知事に要請しました(関連記事はこちら)。

今般、厚労省は、当該10連休に医療機関等が保険診療等を行った場合、休日加算等を従前どおり算定できる旨を明確にしました(平日扱いなどとはならない)。

【A000 初診料】
▼注7の加算:時間外加算(85点、6歳未満の乳幼児では200点)、休日加算(250点、同365点)、深夜加算(480点、同695点)、夜間救急の加算(230点、同345点)
▼注8の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(200点)、休日加算(365点)、深夜加算(695点)

【A001 再診料】
▼注5の加算:時間外加算(65点、6歳未満の乳幼児では130点)、休日加算(190点、同260点)、深夜加算(420点、同590点)、夜間救急の加算(180点、同250点)
▼注6の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(135点)、休日加算(260点)、深夜加算(590点)

【A002 外来診療料】(200床以上の病院で算定)
▼注8の加算:時間外加算(65点、6歳未満の乳幼児では130点)、休日加算(190点、同260点)、深夜加算(420点、同590点)、夜間救急の加算(180点、同250点)
▼注9の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(135点)、休日加算(260点)、深夜加算(590点)

※歯科、調剤も同様

 
 ところで、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」では、投薬・処方箋について次のようなルールが定められています。

【投薬】
新薬や麻薬など厚生労働大臣の定める内服薬・外用薬・注射薬に関する14日・30日・90日の投与日数制限(第20条第2号ヘおよびト、第21条第2号ヘ)

【処方箋】
 処方箋の使用期間は「4日以内」とし、長期の旅行等特殊の事情があると認められる場合は、この限りでない

 10連休においては薬局等が閉まっていることも考えられ、また患者が長期間の旅行等に出かけることも少なくないでしょう。この場合、医薬品等について上記の制限を超えた日数分の投与(連休が明けるまでの日数分)を行わざるを得ないケースも出てくる可能性があります。こうした場合、医療機関等では、昭和51年(1975年)の厚生省通知「診療報酬請求書等の記載要領等について」に倣い、処方箋の「備考」欄に、当該投与日数制限を超えて投与する【理由】を記載することが求められます。

 また、処方箋の有効期間(使用期間)が4日以内のままでは、患者が当該処方箋を用いた調剤を受けられなくなることもあるでしょう。この場合、医療機関では、上記厚生省通知に倣い、処方箋の「使用期間」欄に、当該処方箋を有効とする【年月日】を記載することが求められます。

10連休対応通知(保険局) 190130の図表
0210_20190210105048579.jpg
 



https://www.m3.com/news/general/658660
塩釜市立病院:移転新築で安定経営 役割大きく存続念頭に 中間報告 /宮城 
地域 2019年2月9日 (土) 毎日新聞社

 塩釜市は、同市立病院(同市香津町)の老朽化対策や経営改善策の調査の中間報告をまとめ、議会に報告した。経営不振の最大の要因は「建物・設備の老朽化と狭隘(きょうあい)化」とし、「移転新築ができれば、安定した経営が十分可能」との方向性を示した。議会などの同意を得られれば来年度から移転先選定や新病院の構造、収支などの具体的計画に入る。

 報告によると同病院は、2014年度以降、医業収支が3億円前後の赤字で推移し、入院・外来患者数の減少も深刻▽建物3棟は建設から古くは59年、新しくても35年を経過し、老朽化による非効率性やイメージ悪化がネック▽収益ダウンの中で現場スタッフの業務負担だけが増加――と現状分析している。

 一方、塩釜地区2市3町唯一の公立病院で、急性期から在宅医療まで切れ目のない診療や「地域包括ケアシステム」の中心的病院として役割は極めて大きく医療水準も高いと評価し、病院の存続と移転を念頭に安定経営の方策を示した。

 その中で、正職員数は据え置き▽現在161床の病床を140床前後に縮小し稼働率アップ▽病棟編成を工夫し地域包括ケア病棟の拡大▽病棟の「全室個室化」検討▽診療科によらない「ユニバーサル外来」導入▽電子カルテなどICT活用――などを掲げている。規模は小さくとも特徴ある「キラリと光る病院」を目指す。

 移転新築の場合、設備・機器の更新だけでも約8億円の支出が見込まれ、建設費は少なくとも数十億円規模の大事業になる。同病院の荒井敏明・事務部長は「新病院実現には5~6年を要すると考えられる。市民の声を何より大切に、じっくり計画を練りたい」と話した。

 同病院は05年度、医業収益に対する不良債務比率が136・5%となり、全国ワースト4に悪化したのを機に有識者を交えた経営改革プランを開始。13年度に不良債務を解消できたが、その後も苦戦は続き、医業収支は17年度も2億8390万円の赤字だった。【渡辺豊】



  1. 2019/02/10(日) 10:56:21|
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