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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月3日 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201901/CK2019013102000169.html
【群馬】 医師不足 桐生は複数の外科医 県西部、小児科医確保へ 
2019年1月31日 東京新聞

 県内でも深刻化する医師不足に対応するため、県と群馬大病院や県内の医療関係団体でつくる「ぐんま地域医療会議」は三十日、二〇一九年度に向けた医師適正配置方針を発表した。桐生市の桐生厚生総合病院に複数の外科医、県西部の主要病院に一人の小児科医、渋川市の県立小児医療センターに一人の産科医をいずれも常勤で確保することを目指す。(菅原洋)

 同会議は昨年三月に設置され、県内の約百二十の病院を実態調査し、今回初めて方針を決めた。三十日に方針への協力を求めて各病院に通知を出した。

 桐生厚生総合病院は複数の外科医師の異動や退職が見込まれ、がん診療や救急・災害時への対応が懸念されるという。

 県西部では、高崎市の高崎総合医療センターなど設備が整った主要な三病院が小児救急の輪番体制を維持してきたが、小児科の産休や育休によって当直できる医師が不足している。

 県立小児医療センターでは、特に労働環境が厳しい産科医が全国的に不足する中、少なくとも一人を確保する必要がある。

 不足している医師は喫緊の課題とし、県内外に呼び掛けて一九年度中に充足できるように取り組む。中長期的な課題としては、総合診療、整形外科、消化器や循環器などの内科でも医師配置の要望が多かった。医師適正配置方針は今後も毎年度更新する予定。

 県庁で記者会見した群馬大病院の田村遵一院長は「大学病院だけではなく、県や医療団体と一丸になるのは全国的に先進的な取り組みだ。群馬大だけで医師不足に応じるのは不可能で、地域で安心できる医療環境を整えるため、県外へも働き掛けたい」と述べた。



https://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20190130-OYTNT50003/
医師不足解消進まず 
01/30 05:00 読売新聞

 投開票が2月3日に迫った愛知県知事選。県の抱える課題を現場から探る。

 「陣痛から出産まで時間があったから良かったが、早く生まれていたらどうなっていたか」

 愛知県設楽町の未就学児を持つ母親の子育てサークル「ひまわり」の会合。メンバーの女性(31)は、同町から車で約1時間半かけて浜松市の病院へ行き、次女(1)を出産した体験をこう振り返った。昨年次男を出産した女性(34)は、地元で産むのは諦め、静岡県に里帰りしたと打ち明けた。

 同町を含む東三河北部地域では、新城市民病院が2006年に産科を休止して以降、産科の空白状態が続く。受け入れ先の一つ、同県豊川市民病院産婦人科の保條説彦たつひこ主任部長(56)は「新城市からの出産は、全体の約2割を占める。新城市に産科が復活すれば良いが、一度休止すると、医師のほか助産師、看護師ら人材をゼロから確保しなければならず、再開は極めて厳しいだろう」と指摘する。

 不足しているのは、産科だけではない。県によると、県内の医師数は人口10万人あたり218・6人(2016年)で全国37位。全国平均の251・7人を大幅に下回る。名古屋市に隣接する尾張東部地域が最多の393・4人に対し、最少の東三河北部地域は128・9人で、偏在解消が課題だ。

 地方の医師確保を目的に医学部の定員を増やす「地域枠」を認めた国の方針を受け、県は09年度から、卒業後、指定地域で9年勤めれば返還免除となる修学資金制度を開始。「地域枠」で資金の貸与を受けてきた学生らは今年度で188人になった。研修を経て20年度以降、医師不足の公立病院に配置される見通しだが、初年度は5人。県によると、病院側の需要を満たすには10年以上かかるという。

 国は昨年、医療法と医師法を改正、今年4月以降は、都道府県が大学に地元出身者の定員枠の創設や増加を要請できるようになるなど、医師養成や配置に関する都道府県の権限が強化される。県は新年度、確保すべき医師数の目標などを定めた「医師確保計画」を策定する方針で「まずは現状を見極め、必要に応じて大学や病院に働きかけたい」としている。

 設楽町で開業する伊藤幸義・北設楽郡医師会長(71)は東京などで勤務後、故郷に戻り、05年に父親の後を継いで院長となった。自らの経験を踏まえ、技術を持つ勤務医らに定年後、地方で活動してもらう仕組みづくりを提案し、「子どもを産み育てられる環境がなければ若者は定着しない。地域医療の崩壊は、地域社会の崩壊につながりかねない」と警鐘を鳴らしている。(山下智寛)



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0130/kyo_190130_8888758702.html
医師不足地域勤務、最低6カ月に
厚労省案の優遇措置、偏在解消へ
 
2019/1/30 19:00 ©一般社団法人共同通信社

 医師が都市部などに集中する偏在問題の解消に向け、厚生労働省は30日、優遇措置の条件となる医師少数区域での勤務期間を「1年以上が望ましいが最低6カ月」とする案を有識者検討会に示した。こうした地域での勤務経験がある医師を認定する制度を設け、地域医療を担う一部病院の管理者になる際の評価項目とする方針。

 認定されるために必要な業務として、患者の生活背景を考慮し、継続的な診療をすることに加え、介護・福祉事業者との連携を図るための地域ケア会議などへの参加、地域住民の健康診査や保健指導を挙げた。



https://www.medwatch.jp/?p=24659
医師数順位が下位3分の1の地域を「医師少数区域」とし、集中的に医師派遣等進める―医師需給分科会 
2019年2月1日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 人口10万対医師数に高齢化状況などを加味した「新たな医師偏在指標」によって、地域の医師確保状況を順位付けし、下位3分の1(33.3%)を「医師少数区域」、上位3分の1を「医師多数区域」とする。今後、医師多数区域から医師少数区域への医師派遣を促したり、医師少数区域での勤務を評価するなどして、医師偏在対策を集中的に進める―。

 1月30日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)では、こういった点も固められました。
 
ここがポイント!
1 医師確保状況の低い、下位33.3%の地域を「医師少数区域」とする
2 外来医師の多い(上位33.3%)の地域での新規診療所開業、在宅医療等提供も必要

医師確保状況の低い、下位33.3%の地域を「医師少数区域」とする

 メディ・ウォッチでお伝えしているとおり、医師需給分科会では、都道府県が新たに作成する「医師確保計画」の拠り所となる指針を策定すべく、(1)医師少数区域・医師多数区域の設定(2)医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度(3)地域枠・地元枠の必要医師数(4)外来医師多数区域の設定—などに関し、詰めの議論を行っています(関連記事はこちら)。

 このうち(2)の「医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度」については、医師少数区域等での勤務期間を「最低6か月」とすることなどが固められています(関連記事はこちら)。

 今回は(1)(2)の「医師少数区域」等設定について詳しく見てみましょう。(3)の地域枠・地元枠については、別稿でお伝えします。

 医師偏在対策の大枠は、真に「医師が少数な地域」と「医師が比較的多数配置されている地域」を明確に定め、後者(多数の地域)から前者(少数の地域)への派遣などを促すとともに、医師が少数な地域に従事する医師を養成していく、と整理することができます。

 この「医師が少数な地域」などを判断するために、医師需給分科会では、人口10万対医師数に、▼地域の性・年齢別人口(年齢や性別によって受療率は大きく異なるため)▼地域医師の性・年齢別数(医師の年齢や性別によって医療提供量が異なるため)―などを加味した「新たな医師偏在指標」を設定しました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。
 
 3次医療圏(都道府県)・2次医療圏ごとに、この「新たな医師偏在指標」の計算式に基づいた数値を比べることで、「A県・医療圏では、B県・医療圏に比べて相対的に医師数が多い(少ない)」と判断することできます。

 厚労省が、具体的な数値を算出して、都道府県別・2次医療圏別の医師の多寡を見たところ、従前の「人口10万対医師数」を用いた場合に比べて、「医師が少ない地域」の順位が変わっており、「新たな医師偏在指標を用いたほうが、より的確に医師が少ない地域をあぶりだせる」ことが分かりました。住民・医師の高齢化が進んだ地域、患者流入の多い地域では、当然、医療ニーズが多くなるため、より「医師が少ない」と判断される傾向があります。
 
 1月30日の医師需給分科会では、さらに、この新たな医師偏在指標を用いて都道府県・2次医療圏の状況を比較し、▼上位33.3%を「医師多数区域」とする▼下位33.3%を「医師少数区域」とする―ことを決めました。全国を「医師多数」「中程度」「医師少数」に3等分する形です。

 新たな「医師確保計画」は3年を一期とします(当初のみ2020-24年度の5年計画)が、その計画期間の間に下位33.3%の医師少数区域で集中的に医師確保対策を進め、計画終了時点(つまり3年後)に「下位33.3%の医師少数区域のすべてが、下位33.3%ラインに到達する」ことを目指します。例えば、下位33.3%ラインとなる新たな医師偏在指標が「230人」であった場合、3年後に「新たな医師偏在指標の最低値が230人」となる(230人に満たない2次医療圏がなくなる)ように、集中的に医師確保を進めるというイメージです。これを5期繰り返し、2036年度に「全国で医療需要を満たせるだけの医師確保を完了する」スケジュールが描かれています。
 
 こう考えると、2020―2024年度を対象とする最初の「医師確保計画」で最も医師確保に労力を要し(4000人超の医師派遣等が必要と見込まれ、今後精査していく)、徐々にその労力が小さくなっていく、ことが分かります(医師偏在の度合いが徐々に解消していくため)。この点について厚労省は「2024年度は、地域医療構想の実現年度となる2025年度の1年前であり、あわせて新たな勤務医の時間外労働上限も適用される。このような重要な年度に向けて、計画当初から『医師確保を進めなければならない』という強いメッセージを打ち出す必要がある」との考えを提示。今村聡構成員(日本医師会副会長)もこの考えに賛同するとともに、「仮に各地域で同じ労力を投入していけば、医師偏在がより早期に解消できることになる」と見通しています。

 どの医療圏等が下位33.3%に該当するのか、などは2月中旬予定の次回会合で示される見込みです。ここに、各都道府県で「患者の流出入」を勘案し(都道府県同士の調整が必要)、「医師少数区域」等が確定します。
 
 なお、下位・上位の基準は5期間を通じて「33.3%」が維持される見込みですが、偏在解消の進捗を見て、設定しなおされる可能性もあります。

 具体的な医師確保策としては、例えば、既にお伝えした「医師少数区域等での勤務を認定する仕組み」(この仕組みにおける「医師少数区域」は、上述した医師少数区域である)を活用するほか、医師多数区域からの派遣促進などが考えられます(関連記事はこちら)。厚労省・都道府県・医療機関や大学が、協働して、▼医師少数区域でも研鑽を積める体制の整備▼子育てしながら働ける環境の整備▼医療機関の勤務環境改善の支援―などを進めることになります。この点について裵英洙構成員(ハイズ株式会社代表取締役社長)は、「特に医師が少数の区域(最下位近辺)には、より強力な医師確保策とその支援が必要である」との見解を示しています。
 
また、時間はかかるものの「大学医学部における地域枠・地元枠の設定」は、医師確保に向けて最も効果的な施策と考えられており、医師派遣促進などとセットで進められます。

外来医師の多い(上位33.3%)の地域での新規診療所開業、在宅医療等提供も必要

 ところで、医師需給分科会では「医師が不足している地域がある一方で、都市部では診療所の新規開業が事実上、自由に認められている。これが医師配置の不均衡是正を阻害しているのではないか」と指摘されます。

しかし、「自由開業の制限」には▼日本国憲法第22条から導かれる「営業の自由」に抵触する恐れがある(保険指定拒否でも同様)▼駆け込み開設が増加する恐れがある―といった問題点があります。

そこで、まず「地域のクリニック(診療所)開設状況などのデータを示し、新規開業を考える医師が、『この地域で開業すべきか、別の地域で開業すべきか』を判断できる環境を整える」「外来医療のあり方について、地域で関係者が協議する」ことから始める、こととなりました。

ある医師がA都市での開業を考える際に、「A都市ではすでにクリニック(診療所)が多数開設されている」「地域の人口は減少傾向に入っている」などのデータを目にすれば、「A都市での開業は控えたほうがよさそうだ。病院にとどまる、あるいは医師が不足しているB地区で勤務等も視野に入れよう」と考えなおしてもらえるのではないか、という期待があります。

 具体的には、▼外来医療機能の偏在・不足などを客観的に把握できる「指標」(外来医師偏在指標)によって、「外来医師多数区域」を設定する▼外来医師多数区域で新規開業を行う場合には、「在宅医療」「初期救急医療」「公衆衛生(学校保健や産業医、予防接種等)」の機能を担うよう求める▼すべての地域で、各医療機関が、今後どのような外来医療機能を担っていくのかを検討・協議する―ことになります(関連記事はこちら)。

1月30日の医師需給分科会では、「外来医師多数区域」について、「外来医師偏在指標が上位33.3%の地域とする」ことが決められました。

都道府県は、ホームページなどさまざまな機会を通じて、「2次医療圏ごとの外来医師偏在指標」や「診療所・病院の所在マップ」などを情報提供します。地域の患者数は一定程度決まっていることから、クリニック(診療所)数が多くなれば、競争が厳しくなり(1クリニック当たりの患者数が減る)、収益も相対的に悪くなります。こうした情報を得た医師が、上記のように「この地域はクリニック(診療所)激戦区であるな。ここでの開業は控えよう」などと判断する助けをするもので、いわゆる「ビル診」や「自由診療(美容整形など)のみのクリニック(診療所)」も同様の手続きを踏むことになります。

 この取り組みに対する反論はありませんが、「診療科別の開設状況を明らかにすることでより効果が上がる」(神野正博構成員:全日本病院協会副会長、山内英子構成員:聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長ら)、「クリニック(診療所)の開業・廃業は頻繁に発生しており、短期間(少なくとも1年毎)で情報更新を繰り返していくとよい」(裵構成員)―などといった注文も付いています。

 医師偏在については、「地域偏在」のみならず「診療科偏在」も指摘されており、現在、厚労省で「診療科と特定疾病等の紐づけ」(●●病患者は主に○○科で診ているなど)等を踏まえた偏在状況の可視化に向けた分析が進められている途中です(具体的な議論は、この分析を待つことになる)。外来の診療科となれば、複数科を標榜しているなど、さらに複雑なため、「将来の検討課題」となりそうです(関連記事はこちら)。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201901/20190131_11019.html
<涌谷町>財政非常事態を宣言 病院会計が圧迫、21年度にも財調赤字の恐れ 
2019年01月31日木曜日 河北新報

 宮城県涌谷町の大橋信夫町長は30日、町財政が危機的状況にあり、このままでは2021年度にも財政調整基金(財調)が赤字になる恐れがあるとして「財政非常事態」を宣言した。
 大橋町長や町企画財政課によると、町国保病院事業会計の繰り出しが15年度以降は毎年度4億円を超え、19年度以降も同様の予算編成を続けると、21年度には財調が約425万円の赤字になる試算だという。
 同町の標準財政規模は約50億円。町によると少子高齢化に伴い病院への繰り出し金が増えているほか、自主財源の伸び悩みと社会保障費の増額で、単年度収支に不足が出ているという。新年度に新たな財政健全化計画を策定するほか、事業見直しなどを行う方針。
 大橋町長は「病院側も医師不足の中、地域の医療に貢献している。町側も身の丈に合った財政を目指す上で、町民の協力をお願いしたい」と話した。
 町国保病院管理事業者の大友和夫町民医療福祉センター長は「町や医師会との連携を深め、思い切った改革を進めたい」と述べた。




https://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/483286/
竹田市小児科医不在の恐れ 診療所医師が辞意 市民5300人署名 [大分県]  
2019年01月31日 06時00分   西日本新聞

 竹田市の唯一の小児医療機関「市立こども診療所」で所長を務める男性医師(50)が市への不信感から辞意を示唆し、診療所が2月にも休診する恐れが出ている。市内から小児科医がいなくなることを危惧(きぐ)し、女性でつくる「竹田の小児医療を守る会」は30日、診療所の継続などを求める約5300人分の署名を首藤勝次市長と医師に提出した。

 こども診療所は市内に小児科の医療機関がなかったことから、市が2009年に開設。以来、現在勤務する医師が1人で診療を担ってきた。年約1万6千人が受診し、約1千万円の黒字。老朽化に伴い、現在建て替え工事が行われている。

 市は17年12月、人手不足が続く看護師の採用などで柔軟に対応できるよう、指定管理者が診療所の運営をできるように条例を改正。市によると、指定管理者による病院の運営条件などを巡って市と医師に確執が生じ、医師は今月21日の市議会で辞意を示唆したという。

 子どもを持ち、小児科医不在を恐れる市内の女性4人は23日、「竹田の小児医療を守る会」を発足させ、診療所の継続などを求める署名活動を実施。市の人口の約4分の1となる約5300人から賛同の署名を得て、30日に提出した。

 首藤市長は「コミュニケーション不足で医師とすれ違いが生まれ、不安を与えて申し訳ない」と謝罪。市は今月から特命課長を置いて医師との関係修復などを図っていることを明らかにした。

 関係者によると、診療所は2月からインフルエンザのワクチン接種を中止する予定で、アレルギーで定期的に受診する患者には他院への紹介状を渡すなどしているという。会の古森佳代代表(50)は「診療所が無くなると片道30分~1時間以上かけて市外の病院に行かないといけない。なんとか診療を続けてほしい」と訴えた。



https://www.asahi.com/articles/ASM213SPTM21UGTB003.html
福島)中山間地の診療所減に歯止め 県が医業承継バンク 
小泉浩樹 2019年2月2日03時00分 朝日新聞

 中山間地などの診療所の後継者不足を解決するため、県と県医師会は1日、「医業承継バンク」を設置すると発表した。後継者を探している診療所の医師を登録したデータベースを作る。開業を希望する医師とマッチングをはかり、診療所の減少に歯止めをかけたい考えだ。

 県地域医療課によると、2010年には1457施設があった診療所は16年には1370に減っている。主に高齢化による医師の引退が原因だという。県内の診療所医師の高齢化率は16年で52・2%と全国平均(47・3%)より5%近く高い。

 一方で、県内診療所の医師へのアンケートで「後継者が決まっているか」と尋ねたところ、233人中、7割以上の170人が「決まっていない」と答えたという。県地域医療課は「70、80代で診療を続ける医師は多く、5年、10年で一気に減る可能性がある」と話す。

 医業承継バンクは県が委託し、県医師会に設置。バンクに登録した医師に後継者候補を紹介し、マッチングをする。県医師会は2月~3月に医業承継を希望する医師を対象にセミナーを4回開くという。

 後継者は医師向けのメルマガやネット広告を通じて情報提供し、主に県外を対象に開業を希望する医師を探すという。ただ、中山間地の診療所を希望する医師は少ないのが現状で、うまく後継者が見つかるかは未知数だ。(小泉浩樹)



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201901/20190131_11021.html
登米市病院、独法化も検討 累積赤字膨張、経営形態見直し 
2019年01月31日木曜日 河北新報

 宮城県登米市は30日、2018年度末の市病院事業会計の累積赤字が、前年度より約6億円増えて157億円となり、資金不足が約2億4479万円増の10億4478万円に上る見通しを明らかにした。累積赤字は今後も増える見通しで、熊谷盛広市長は、病院事業の地方独立行政法人化も視野に入れ、経営形態を抜本的に見直す方針を示した。
 市医療局によると、18年度病院事業会計は医師不足などの影響によって入院・外来患者数が目標に届かず、医業収益が当初見通しより5億6561万円減の60億1005万円にとどまった。
 資金不足が新たに発生したため、金融機関から2億5000万円を一時借り入れして対応。穴埋めとして一般会計から2億3703万円を繰り入れる18年度補正予算案を2月定期議会に提出する。
 また市は19年度、一般会計から前年度比6.9%増の19億4304万円を病院事業会計に繰り入れる予算案を組んだ。
 定例記者会見で熊谷市長は「このままでは累積赤字が膨らむ一方で展望が開けない。独法化も一つの選択肢として経営形態を見直したい」と明言。医師確保の努力を続けるとともに、経営効率化や病院・診療所の集約、再編ネットワーク化を進めていく考えを示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/655801
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
産婦人科医の不安、疑問続出「5年でゼロにできるのか」
日本産科婦人科学会、働き方改革テーマに公開フォーラム
 
レポート 2019年1月28日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本産科婦人科学会は1月27日、2018年度「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革 公開フォーラム」を都内で開催した。テーマは「産婦人科医の働き方改革を実現させるための方策」。

 基調報告として登壇した、厚生労働省医政局医事課・医師養成等企画調整室室長の堀岡伸彦氏が、今まさに同省で議論の佳境を迎える医師の働き方改革について、「原則的には大多数の医師が一般の労働者と同じ考え方(休日労働込みで年間時間外960時間)の上限レベルとなる」と説明。「年1900~2000時間」の時間外労働が認められるのは、救急搬送件数が一定数以上といった「医療の不確実性」に対応しているなどの一部の医療機関で、管理者がマネジメント研修を受け、タスク・シフティングなどを行う要件を満たす場合であるとしたものの、出席者からは「5年後に、年1900~2000時間超の医師をゼロにすることは可能なのか」「宿日直の定義が曖昧」「そもそもどこまでが労働時間か」「タスクシフトは可能なのか」といった現場の不安、疑問が続出した。

 堀岡氏は「5年後にゼロにできるのか」との質問に、「できる、できない、といった話ではなく、やらなければいけない」と回答。

 「宿日直の定義が曖昧」と指摘したのは、日本産婦人科医会常務理事の中井章人氏(『「宿直」の定義が先決、時間外労働の議論に“注文” 』を参照)。「宿直」であれば、時間外労働にカウントされないが、「宿直」に該当しなければ時間外労働となる。堀岡氏は、厚労省の検討会で「病棟当直において、問診等の診察を行う」などの業務にとどまる場合は宿直に当たるなど、宿直の定義(詳細は、後述)を議論したと説明したが、中井氏は納得せず「ほとんどの産科では、(夜間の)分娩が常態化している。宿直として認められないのではないか」と問いかけた。

 日本産科婦人科学会医療改革委員会委員長の海野信也氏は、「そもそも労働時間の定義が分からない」と質問。「年1900~2000時間」を決める根拠となった厚労省研究班の調査は、「診療時間、診療外時間、待機時間の合計でありオンコールの待機時間は除外。医師が回答した勤務時間数であり、回答時間数全てが労働時間であるとは限らない」とされている。「労働時間」をベースにした検討が必要だとしたほか、実際の運用上、「労働基準監督署は、労働時間と勤務時間を分けて考えてくれるのか」との懸念も呈した。堀岡氏は、「研究班の調査は、医療機関ではなく、各医師に回答してもらった調査であること、また「就業構造基本調査」(2012年)の結果とも近いと説明。

 フロアから発言した全国医師ユニオン代表の植山直人氏は、「医師は非常に厳しい中で、努力している。憲法が守られていないのが一番の問題ではないか」と指摘し、長時間労働の現状を問題視。「医師の時間外労働の上限は、法律の趣旨に近いものであるべきで、勝手に省令で決めていいものではない」と述べたほか、学会に対しても「若手を必ず守るというメッセージを出せるのか」とも問いかけた。

 その他、「メディカル・クラークは非常に助かっているが、公的な病院だと定員の枠があり、常勤として雇用しにくい。タスク・シフティングされる人の立場も考えないといけない」、「大学ではアルバイトがなければ生活できない医師がほとんど。アルバイトも労働時間とカウントするのであれば、アルバイトができず、給与は下がる。大学から医師が去ってしまったり、大学の医師派遣先の医療機関が成り立たなくなる恐れがある」などの意見も出た。アルバイトの問題について、堀岡氏は「現状でも、アルバイトは労働時間に含まれる。今回の検討で始まったことではない」と答え、上限を超えるほどの時間外労働であれば、その分の時間外手当を受け取るはずであると指摘した。

「ポスト平成時代、サステナブルなのか」

 冒頭であいさつした日本産科婦人科学会副理事長の木村正氏は、産婦人科の特徴として、「予定が立たない、夜間のニーズがある、女性の比率が多い」などを挙げ、非常に厳しい勤務を昭和の時代に卒業した医師はこなしてきたものの、「ポスト平成の時代になって、この体制がサステナブルなのか」と問いかけた。

 「基調報告」として、最初に登壇したのが堀岡氏。厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」の議論の現状を説明。時間外労働の上限を「年1900~2000時間」とした根拠は、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査研究」(2016年度厚生労働科学特別研究班)。同研究では、医師の10.5%が時間外労働が「年1920時間」(月160時間)を超す水準だった。全国平均では26%の医療機関に該当医師がいることになるが、施設による差があり、大学病院では88%、救命救急機能を有する病院では82%と高い。

 現状で「年1920時間」を超す医師は、この4月の改正労基法施行から5年後には「年1900~2000時間」以内に短縮、さらに「年960時間」を目指して短縮することが必要だと説明した。

 堀岡氏は、原則は「年960時間」であるとし、どんな医療機関でも「年1900~2000時間」が認められるわけではないと強調。「管理者のマネジメント研修やタスク・シフティングを義務にしようと思っている。医師に点滴をやらせているけれど、時間外労働が長いケースなどは許されない。限界までマネジメントしても、どうしてもできないところが認められる。また5疾病・5事業を担っていたり、ある一定以上の救急搬送件数があるなど、医療の不確実性に対応している医療機関に限定している。今は定性的に説明しているだけなので今後、細かい要件について議論することを考えている」(堀岡氏)。

「特定行為研修制度のパッケージ化」、1万人の養成目指す

 労働時間の短縮方法は種々あるが、堀岡氏は、特に「特定行為研修制度のパッケージ化」と医学部の地域枠の卒業生の地域定着を挙げた。「特定行為研修制度のパッケージ化」とは、看護師の特定行為研修は現状では個別行為について実施しているが、「外来術後管理」「術中麻酔管理」「在宅・慢性期」の3つの領域について、各領域に関連した特定行為をまとめて研修する方法。あくまで医師の包括的指示の下で行うが、「包括的指示でできる行為の範囲が拡大する」(堀岡氏)。2020年度から養成を開始、2024年度までに1万人を目指し、「医師の働き方改革を進めるために、全ての大学病院が研修機関になってもらいたい。限界まで政策的な誘導をかける」(堀岡氏)。

 「よく受ける質問」として、(1)宿日直の扱い、(2)想定される働き方の変化――などについて説明。(1)の宿日直については、「病棟当直において、少数の要注意患者の状態の変動への対応について、問診等による診察、看護師等他職種に対する指示、確認を行うこと」、「外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動について、問診等による診察、看護師等他職種に対する指示、確認を行うこと」であるとし、「2次、3次救急の輪番は宿日直ではない」(堀岡氏)。

 (2)については、▽「連続勤務時間制限28時間、インターバル9時間」であることから、「当直の次の日、午前中で帰れる」、▽点滴や採血、尿道バルーン、診断書の作成等は医師が原則直接手を動かす仕事ではない、はっきりと断ってください、厚労省も明示している、(3)「眠れない」当直をした場合には、当直手当ではなく。時間外手当が支払われる――と説明。医師の働き方改革を進めるためには、「労務管理とタスクシフトが両輪」であるとした。

産婦人科医の医師偏在指標、「少数区域」のみ

 「基調報告」として続いて3人が登壇。海野氏は「産科医の地域偏在指標について」について講演。この4月から、都道府県で医師確保計画の策定が始まる。「医師多数区域」と「医師少数区域」を設定、「医師少数区域」での医師増を目指すのが狙い(『医師確保「少数区域は多数区域から」、可能か?』を参照)。その際、産婦人科と小児科に限っては、診療科別の「医師偏在指標」を作成、それを基に計画を講じる。

 海野氏は、厚労省の「産科における医師偏在指標作成検討委員会」のメンバー。産婦人科医の立場としては次のように考えているという。「もともと産婦人科医は総数が不足しているという認識。医師多数区域を設定することで、(ここから他の区域に医師が移動し)この区域の周産期医療が崩壊する危険性がある。医療需要は分娩数を用い、偏在指標としては、相対的医師少数三次医療圏、相対的医師少数区域を設定するが、医師多数区域は設定しない方針」。「他区域からの医師派遣のみを対策とするのは適当ではない。必要に応じて、医療圏の見直しや医療圏を超えた連携によって医師偏在解消を図ることを検討することが必要ではないか」(海野氏)。既に2回検討委員会を開催、1月31日にも第3回検討委員会を開催予定だ。

 中井氏は、「日本産婦人科医会施設情報調査2018」を説明。宿直を除く週平均労働時間は46.2時間のため、「宿直を除く勤務時間はほぼクリアしている。結局、問題なのは宿直。労基法上は週1回、月4.3回だが、2018年の調査では5.6回であり、これを上回っている」(『「宿直」の定義が先決、時間外労働の議論に“注文” 』を参照)。「そもそも、われわれが宿直と呼んでいるものが、本当に宿直なのか、定義を明確にした丁寧な議論が必要」。

当直明けは、半数以上の施設で「通常日勤」、

 日本産科婦人科学会・医療改革委員会の重見大介氏は、「第11回産婦人科動向意識調査・タスクシフト調査」の中間報告を担当。「動向意識調査」は、産婦人科専門研修施設を対象に、2008年から毎年実施している。2018年の調査は、2018年12月11日から2019年1月4日にかけて実施、978施設の回答を集計した。「1年前と比較して、全体としての産婦人科の状況」、「1年前と比較して、自施設産婦人科の状況」などは、前回(2017年調査)とほぼ同様の結果だった。

 今回の調査では新たに、「勤務環境の現状調査」と「タスクシフト現状調査」を実施。「勤務環境の現状調査」では、(1)大都市圏で約4割、地方で7割が勤怠管理システム未導入、(2)2割弱で「オンコール手当なし」、(3)2割の施設で「当直回数上限なし」、(4)7割の施設で「週1回以上の当直あり」、(5)当直明けは、半数以上の施設で「通常日勤」、「当直明けで終業」は地方でわずか2%――などという厳しい勤務の現状、労務管理の不徹底さが浮き彫りになった。

 「タスクシフト現状調査」では約60項目を調査。「ほとんどの施設で実施」が「説明代行関連〔服薬指導(入院)〕」、「実施は少ないがシフトに前向きなタスク」としては「説明ビデオ(動画等)」などが挙がった一方、「分娩にかかわる手技関連(会陰切開)」については「ほとんどの施設がシフトするつもりはない」と回答。

 公開フォーラムでは、「基調報告」に続いて、計6人の産婦人科医が働き方改革への取り組みを紹介。産婦人科医は、女性医師の割合が増加傾向にあることから、女性医師の就労支援に関する報告が大半だった。

 最後にあいさつした、日本産科婦人科学会理事長の藤井知行氏は、「医療の質を低下させないよう、働き方改革を進めるものの、医療の集約化や時短を進めると、サービスは低下しかねない」として、例として2018年末に政治主導で凍結が決定した「妊婦加算」を例に挙げ、医師の働き方改革は国民の理解を得ながら進める必要性を強調した。最近産婦人科に進む医師が増えているのは、医学部定員増の影響があるとし、「医師の総数が増えれば、この問題は解決する」とも指摘した。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190131-346925.php
「小高病院」入院機能再開へ 策定委素案、人材確保の条件付き 
2019年01月31日 09時20分    福島民友

 南相馬市の医療関係者らでつくる市立病院改革プラン策定委員会は30日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い休止している市立小高病院(小高区)の入院機能について「当面は市立総合病院(原町区)のサテライト診療所とし、医師確保などの課題を解決した上で、19床の有床診療所として再編する」との素案をまとめた。市は素案を踏まえ、課題を解決した上で入院機能を再開させる方針。



 素案では、99床あった小高病院の入院機能を19床に縮小し、総合病院との連携、在宅医療の強化を図るとした。条件として、〈1〉医師や看護師らの人材確保策を明確にする〈2〉市財政の負担額縮小を図る計画の策定〈3〉中長期的に介護サービスなどの機能を担う施設も想定した計画の策定―の三つの対応を求めた。総合病院は70床増の300床とすることも盛り込んだ。

 小高病院は震災と原発事故前、7診療科と99床を備えていた。2014(平成26)年に外来診療を再開させたが、入院機能は震災による建物の損壊や医療従事者不足により休止している。

 同病院の入院医療を巡っては、前市長が医療従事者不足や財政赤字などを理由に17年12月の市議会で「小高病院の99床を総合病院に移管、小高病院を無床診療所として再編」とする条例改正案を提出し、否決された。門馬和夫市長は前市長の方針を転換し、小高区内の入院機能再開に向けた協議を進めてきた。

 素案は2月上旬、策定委の樋口利行委員長が門馬市長に提出する。市はその後、地域協議会やパブリックコメントなど、市民の意見を踏まえ素案を修正した上で、3月議会で市立病院再編案を報告する考え。

 南相馬市小高区の住民でつくる小高区地域協議会は小高病院の入院機能再開について、「医療人材や財源の確保ができない場合は再開を希望しない」などとする提言書を門馬市長に提出している。



https://www.medwatch.jp/?p=24581
地域医療連携推進法人、病院の再編・統合や医師確保に向けた重要ツールの1つ―厚労省・地域医療連携推進法人連絡会議 
2019年1月28日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域医療連携推進法人は、病院の再編・統合を進める際、また地域での医師確保等において極めて有効なツールである。ただし、診療報酬算定などで壁もあり、柔軟な対応ができないか検討してほしい―。

 厚生労働省が1月25日に開催した「地域医療連携推進法人連絡会議」で、こうした議論が行われました。
 
ここがポイント!
1 これまでに7つの地域医療連携推進法人が発足、先達の意見踏まえて制度改善目指す
2 病院の再編・統合の前段階として地域医療連携推進法人を設立し、人事交流等を
3 大学と地域病院との間に地域医療連携推進法人が入り、医師派遣の調整を
4 パスの共有ヤフォーミュラリ構築を進め、医療・経営の質向上を狙う
5 地域医療連携推進法人への参加で、民間病院から自治体病院への医師派遣がスムーズに

これまでに7つの地域医療連携推進法人が発足、先達の意見踏まえて制度改善目指す

 2022年からは、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になりはじめ、2025年には、すべての団塊の世代が後期高齢者となります。その後、2040年にかけて高齢者の増加ペースそのものは鈍化するものの、現役世代の人口が急激に減少していきます。このように少子高齢化が進行すれば、医療従事者の確保などが困難になり、限られた医療資源を、これまで以上に効率的かつ効果的に活用することが求められ、「医療提供体制改革」が極めて重要なテーマとなります。

このため、病院・病床の機能分化・連携を強化する「地域医療構想」の実現や、高齢者の在宅限界を高めるための「地域包括ケアシステム」の構築が急務となっています。その一環として、厚労省は「地域医療連携推進法人」制度を2017年4月からスタートさせました(地域医療連携推進法人制度の詳細はこちら(厚労省サイト))(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
地域の医療機関等が、いわばホールディングカンパニーである「地域医療連携推進法人」を設立。そこで参加医療機関等が、それぞれ地域でどのような役割を担うかの方針を定め、その方針に沿って機能分化・連携を進めていきます。参加医療機関間では、「病床の融通」や「人事交流」「医薬品や医療機器などの共同購入」が可能となり、限られた医療資源をより効率的・効果的に活用することが可能となります。
これまでに、次の7つの地域医療推進法人が発足しています((1)-(4)は2017年度発足、(5)-(7)は2018年度発足)。
(1)尾三会(愛知県、藤田保健衛生大学病院などが参加)
(2)はりま姫路総合医療センター整備推進機構(兵庫県、兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院が参加)
(3)備北メディカルネットワーク(広島県、三次市立三次中央病院などが参加)
(4)アンマ(鹿児島県、瀬戸内町与路へき地診療所などが参加)
(5)日本海ヘルスケアネット(山形県、山形県・酒田市病院機構(日本海総合病院、日本海酒田さリハビリテーション病院)などが参加)
(6)医療戦略研究所(福島県、医療法人社団正風会などが参加)
(7)房総メディカルアライアンス(千葉県、富山国保病院、安房地域医療センターなどが参加)

1月25日の連絡会議初会合では、厚労省医政局の吉田学局長が「地域医療連携推進法人の普及・改善に向けて、先行者である7法人から、行政に期待するさらなる支援策や制度の深化などに関する提言・アドバイスをしてほしい」と要望しました。定期的に連絡会議を開き、アドバイス・提言等を踏まえて制度改善につなげていくことになります。

各法人の状況や提言などを紹介しましょう。

まず(1)の「尾三会」は、特定機能病院である藤田保健衛生大学病院が参画し、参加病院の中で高度急性期医療から回復期・在宅医療までを切れ目なく提供することを狙っています。すでに30の医療機関等が参画し、「人材育成」「人事交流」などによって医療水準の底上げ・標準化を進めるとともに、「医薬品等の共同購入」などによる経営の効率化も進めているといいます。

ただし、「地域医療構想の実現」や「地域医師会との連携」といった点に関しては、参加法人によって温度差もあるようです。また、「地域医療連携推進法人の業務において、医療連携推進業務(研修や共同購入、参加医療機関等への貸付、医療機関の開設など)の比率が50%以上」といった規定により、例えば「看護師の派遣」(大学病院から地域の中小病院等への派遣など)などにおいて若干の「使い勝手の悪さ」もあるようです。

病院の再編・統合の前段階として地域医療連携推進法人を設立し、人事交流等を

また(2)の「はりま姫路総合医療センター整備推進機構」は、兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の再編・統合に向けた前段階として設立された地域医療連携推進法人です。

病院の再編・統合に当たっては、「医療従事者の壁」「診療内容の違い」「風土の違い」などを解消するために、十分な準備期間が必要となるため、まず地域医療連携推進法人を設立して人事交流等を進め、機が熟すのを待ち、実際の再編・統合を行うこととしたものです。機構の八木聡理事は、「地域医療の中でどういった役割を果たすべきかを職員1人1人が考えて行動するようになってきている。再編・統合の推進に向けて、地域医療連携推進法人の設立は極めて有用である」と強調しています。

大学と地域病院との間に地域医療連携推進法人が入り、医師派遣の調整を

(3)の「備北メディカルネットワークでは、これまで「大学(広島大学)と個別病院との間では、医師派遣要請等の議論が必ずしも十分できていなかった」点を踏まえ、参加病院間での医師派遣等を円滑にするために発足。医師派遣について「大学 → 地域医療連携推進法人 → 個別医療機関」といった流れの構築に向けた取り組みが進められているといいます。

いくら大学医学部とは言え、数多ある地域の医療機関の要望をすべて吸い上げ、それを調整して医師派遣を行うことは、大変な労力を要します。また、個別医療機関側が大学へ医師派遣を要請するには大きなハードルがあることは想像に難くありません。そこで地域医療連携推進法人が間に入ることで、各医療機関の要望を吸い上げて調整することが可能となり、医師派遣が相当程度円滑に進むと期待されます。

地域医療連携推進法人は、医師偏在対策においても重要ツールの1つとなりそうです。

 
一方、(4)の「アンマ」は、へき地医療を支えるための連絡協議会を核として設立されました。へき地においては、医療・介護資源が極めて限られているため、連携を強化し、相互補完を行い、機能強化を図ることが必要不可欠です。

ただし、現時点では「病院」が参加していません(クリニックと介護施設のみが参加)。病院については、設立母体が研修等を実施しているため、「地域医療連携推進法人への参加メリットが現時点では薄い」との判断があるようです。このため、連絡協議会も残し、2本立て(地域医療連携推進法人と連絡協議会)で、地域の病院や薬局、助産所等との連携を図っているといいます。今後、「病院の参加」が重要な課題であると桂和久代表理事は強調しています。

パスの共有やフォーミュラリ構築を進め、医療・経営の質向上を狙う

また(5)の「日本海ヘルスケアネット」では、かねてから地域医療連携を進めている山形県・酒田市病院機構の栗谷義樹代表理事が音頭を取り、機能分化・連携を推し進めています。▼入退院に関するクリニカルパスの共有▼病床回転率の向上▼フォーミュラリ(医薬品の処方ルール)の構築▼ポリファーマシー(弊害のある多剤投与)の解消―などの成果が出始めており、医療内容の質向上・標準化が図られるとともに、経営の質も向上してきています(関連記事はこちらとこちら)。

栗谷代表理事は、「地域全体で黒字が達成できなければ、地域医療におけるキャスティングが難しい」(1病院だけ黒字では、地域医療連携は不可能である)と強調し、現在、地域医療連携推進法人の中で「費用の連結管理を可能とする手法」を検討しているといいます。医療提供体制はもちろん、経営面についても地域連携を進める時代に入ってきたと言えるかもしれません。

なお栗谷代表理事は、「フレイル高齢者の再入院の繰り返し」が地域医療において大きな問題となっていると指摘し、地域医療連携推進法人の中での対応や手続きの簡素化などが今後の検討課題になると指摘しています。

 
また(6)の「医療戦略研究所」では、東日本大震災により「地域医療が完全に崩壊した」地域における地域医療の再構築に取り組んでいるといいます。人間関係・信頼関係が構築されている地域医師会の有志が核となって、「地域における医療・介護連携モデル」を研究・構築し、それを県内に普及することを目指しています。そのために例えば、「電子カルテデータの連結」などに向けた研究も進めています。

石井正三代表理事は、そうした連携に当たってのハードルとして、診療報酬等の厳格な「施設基準」を例示しました。地域の医療機関が連携し、例えば、重症症例に対応するために「一時的な人材(医師や看護師等)の集中的配置」を行おうとしても、診療報酬の施設基準を満たさなくなるため(当然、診療報酬が算定できなくなる)実施が困難であると強調。一定の柔軟化を検討してほしいと要望しています。

地域医療連携推進法人への参加で、民間病院から自治体病院への医師派遣がスムーズに

他方(7)の「房総メディカルアライアンス」は、医師が数名ずつしか配置されていない自治体病院への医師派遣等を行うことを目指しています。民間病院から自治体病院への医師派遣には法令の壁等がありますが、地域医療連携推進法人を設立することで、参加病院間では、設立母体の壁を越えて医師や看護師等の派遣が比較的スムーズに実施できるためです。

この点について亀田信介代表理事は、「ICTを活用した遠隔診療が進んでいく。地域医療連携推進法人への参加については、距離よりも活動内容に重きを置いて認められるような仕組みとすべきではないか」との考えを示しました。地域医療連携推進法人への参加は、都道府県をまたぐことも可能ですが、どこまで柔軟な参加を認めるべきなのか、今後、より具体的に例示することなども検討する余地がありそうです。
 
 

https://www.medwatch.jp/?p=24604
【病院総合医】育成プログラム認定施設、2019年1月に134施設へ拡大―日病 
2019年1月30日|医療現場から MedWatch

 日本病院会はこのほど、「病院総合医育成プログラム認定施設」を更新。今年(2019年)1月11日時点で、全国134施設で「病院総合医」の育成を行う体制が整ったことが分かりました(病院総合医に関する日病のサイトはこちら)(2018年1月の認定状況に関する記事はこちら。

複数疾患を抱える患者への総合診療提供や術後管理を担う【病院総合医】を養成

 本年度(2018年度)から新たな専門医制度が全面スタートし、そこでは「総合診療専門医」の養成も始まっています。総合診療専門医は、専ら「かかりつけ医」として地域におけるプライマリケア提供のリーダーになると期待されますが、「『病院』において複数疾患を抱える患者への総合診療提供や、術後管理などを行う医師」の養成が可能か、という点には疑問を持つ医療関係者も少なくありません。

このため日本病院会(日病)では、「病院において総合診療を行う医師である【病院総合医】」を、総合診療専門医(新専門医制度)とは別に養成する方針を固めました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

【病院総合医】について、日病の相澤孝夫会長と末永裕之副会長は「将来、病院経営幹部の1ルートとなることが期待される」と強調し、次のような医師像を描いています。
(1)多様な状態を呈する患者に包括的かつ柔軟に対応できる総合的診療能力を持つ
(2)全人的に対応できる
(3)地域包括ケアシステムにおける医療・介護連携の中心的役割を担う
(4)多職種をまとめチーム医療を推進できる
(5)地域医療にも貢献できる

日病会員病院の中で、「自院の中堅医師を【病院総合医】として育成したい」と考える施設や、「【病院総合医】を目指す医師が勤務している」施設が手をあげ、必要な研修を行える体制等が整っているかが審査されます。

審査をクリアした施設(病院総合医育成プログラム認定施設)において、【病院総合医】を目指す医師(卒後6年目以上の医師を対象)に必要な指導を実施(医師からすれば研修を受講する形、もちろん他施設との連携指導も行われる)。

【病院総合医】を目指す研修医(病院総合専修医)は2年間、▼急性中毒▼意識障害▼全身倦怠感▼心肺停止▼呼吸困難リンパ節腫脹▼認知脳の障害▼失神▼言語障害▼けいれん発作▼胸痛▼吐血・下血▼熱傷▼外傷▼褥瘡▼歩行障害▼排尿障害(尿失禁・排尿困難)▼気分の障害(うつ)―などの症例などを経験した上で、日病で「当該医師が病院総合医としての能力を保有しているかどうか」が審査されます。

【病院総合医】を目指す研修医(病院総合専修医)審査では、▼インテグレーションスキル(包括的診療の展開・実践)▼コンサルテーションスキル(必要な場合に専門診療科へ速やかな相談・依頼)▼コーディネーションスキル(多職種の連携・調整)▼ファシリテーションスキル(チーム医療の促進・実践)▼マネジメントスキル(地域包括ケアシステムや日本全体を考慮した病院運営)―の5能力を評価し、「要件を満たす」と判断されれば、【病院総合医】の資格を手に入れることができます。

 
 今般、新たに43施設が「病院総合医の研修を行える体制が整っている」と判断され、合計134施設が「病院総合医育成プログラム認定施設」となりました。今年(2019年)2月頃に【病院総合医】を目指す研修医(病院総合専修医)の登録が始まります。

【北海道】
▽市立札幌病院 ▽市立千歳市民病院(新規) ▽砂川市立病院 ▽北見赤十字病院(北海道) ▽清水赤十字病院(新規) ▽済生会小樽病院(新規) ▽札幌徳洲会病院(北海道)
【青森県】
▽十和田市立中央病院 ▽八戸市立市民病院
【岩手県】
▽岩手県立中央病院
【宮城県】
▽仙台赤十字病院(新規)
【秋田県】
▽秋田県立脳血管研究センター(新規)
【福島県】
▽かしま病院
【茨城県】
▽水戸済生会総合病院 ▽鹿島病院(新規)
【栃木県】
▽足利赤十字病院 ▽済生会宇都宮病院
【埼玉県】
▽埼玉県済生会川口総合病院 ▽戸田中央総合病院 ▽丸山記念総合病院 ▽北里大学メディカルセンター(新規) ▽埼玉医科大学国際医療センター ▽自治医科大学附属さいたま医療センター
【千葉県】
▽千葉市立海浜病院 ▽成田赤十字病院 ▽板倉病院(新規) ▽柏厚生総合病院(千葉県) ▽幸有会記念病院 ▽東葛病院(新規) ▽安房地域医療センター(新規)
【東京都】
▽東京医療センター(新規) ▽東京城東病院(新規) ▽東京山手メディカルセンター ▽杏雲堂病院 ▽玉川病院 ▽多摩南部地域病院 ▽小豆沢病院 ▽世田谷中央病院(新規) ▽立川相互病院(新規) ▽藤﨑病院 ▽立正佼成会附属佼成病院(新規)
【神奈川県】
▽横須賀市立うわまち病院(新規) ▽湘南鎌倉総合病院 ▽湘南藤沢徳洲会病院 ▽総合川崎臨港病院 ▽東名厚木病院 ▽葉山ハートセンター ▽山近記念総合病院
【新潟県】
▽新潟県立十日町病院 ▽糸魚川総合病院 ▽上越総合病院(新潟県)
【富山県】
▽富山市民病院
【石川県】
▽石川県立中央病院
【長野県】
▽市立大町総合病院 ▽飯山赤十字病院 ▽諏訪赤十字病院 ▽相澤病院 ▽相澤東病院
【岐阜県】
▽総合病院中津川市民病院 ▽美濃市立美濃病院 ▽白川病院(新規)
【静岡県】
▽藤枝市立総合病院 ▽静岡済生会総合病院 ▽NTT東日本伊豆病院
【愛知県】
▽春日井市民病院 ▽小牧市民病院 ▽西尾市民病院(新規) ▽名古屋第一赤十字病院 ▽名古屋第二赤十字病院 ▽海南病院 ▽大同病院 ▽東海記念病院 ▽NTT西日本東海病院(新規) ▽トヨタ記念病院
【三重県】
▽伊勢赤十字病院 ▽田中病院 ▽津生協病院
【滋賀県】
▽市立大津市民病院 ▽彦根市立病院(新規)
【京都府】
▽京都民医連中央病院 ▽武田総合病院 ▽洛和会丸太町病院 ▽三菱京都病院
【大阪府】
▽大阪みなと中央病院(新規) ▽市立ひらかた病院(新規) ▽阪南市民病院 ▽大阪府済生会泉尾病院 ▽松下記念病院 ▽医誠会病院(新規) ▽北摂総合病院(新規) ▽森之宮病院(新規) ▽淀川キリスト教病院
【兵庫県】
▽北播磨総合医療センター(新規) ▽明石市立市民病院(新規) ▽加古川中央市民病院 ▽姫路赤十字病院 ▽兵庫医科大学ささやま医療センター ▽三菱神戸病院
【奈良県】
▽おかたに病院(新規) ▽土庫病院(新規) ▽吉田病院(新規)
【島根県】
▽浜田医療センター(島根県) ▽島根県立中央病院(新規) ▽六日市病院(新規)
【岡山県】
▽倉敷中央病院 ▽倉敷リバーサイド病院(新規) ▽金光病院(新規) ▽水島協同病院(新規) ▽岡山旭東病院(新規)
【広島県】
▽広島共立病院
【山口県】
▽小野田赤十字病院(新規) ▽昭和病院
【徳島県】
▽徳島県立中央病院 ▽徳島赤十字病院
【香川県】
▽四国こどもとおとなの医療センター ▽さぬき市民病院(新規) ▽KKR高松病院
【愛媛県】
▽HITO病院
【福岡県】
▽福岡市民病院(新規) ▽福岡赤十字病院▽福岡県済生会飯塚嘉穂病院(新規) ▽福岡県済生会福岡総合病院(新規) ▽聖マリア病院(新規) ▽福岡記念病院 ▽宗像水光会総合病院(新規)
【熊本県】
▽熊本赤十字病院 ▽済生会熊本病院 ▽済生会みすみ病院 ▽宇城総合病院 ▽菊池中央病院 ▽くまもと森都総合病院 ▽にしくまもと病院 ▽谷田病院
【鹿児島県】
▽種子島医療センター

 

https://www.medwatch.jp/?p=24576
医師働き方改革、宿日直許可基準や研鑽などの不確定要素も踏まえた上限設定論議を―日病協 
2019年1月28日|医療現場から MedWatch

 勤務医の時間外労働の上限について、一般では年間960時間未満、地域医療確保に必要な場合には年間1900-2000時間という数字の議論が進んでいるが、「宿日直許可基準」や「労働と研鑽の切り分け」「病院の再編・統合」などが明確にならないまま上限時間だけを設定して良いのだろうか。5年後の適用段階になって、地域医療が崩壊するようなことがあってはならない―。

 1月25日に開催された、日本病院団体協議会の代表者会議では、こういった点で意見が一致していることが山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長)から報告されました。
1月25日の日本病院団体協議会・代表者会議後に、記者会見に臨んだ山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長、向かって右)と長瀬輝諠副議長(日本精神科病院協会副会長、医療法人社団東京愛成会理事長・同会高月病院院長、向かって左)
1月25日の日本病院団体協議会・代表者会議後に、記者会見に臨んだ山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長、向かって右)と長瀬輝諠副議長(日本精神科病院協会副会長、医療法人社団東京愛成会理事長・同会高月病院院長、向かって左)
 
ここがポイント!
1 宿日直許可基準や研鑽と労働の切り分けなどは不明確、バッファー置いた上限設定を
2 10連休、一時的な重症患者割合の低下などにどう対応するのか

宿日直許可基準や研鑽と労働の切り分けなどは不明確、バッファー置いた上限設定を

 医師の働き方改革に向けた議論が進み、厚生労働省は「医師の働き方改革に関する検討会」に、2024年4月から、勤務医の時間外労働上限を▼原則として年960時間・月100時間未満▼救急医療機関など地域医療確保のために必要な特例水準として年1900-2000時間程度以内―としてはどうか、と提案。賛否両論がありますが、この「上限時間」をどう設定するかが最重要論点の1つとなっています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
 この点について国立大学附属病院長会議や日本病院会、全日本病院協会など15の病院団体で構成される「日本病院団体協議会」では、時間設定そのものよりも「不確定要素が多い中で、上限時間だけ先に設定してよいものか」という懸念を持っているようです。

 たとえば、「宿日直」については、「労働密度がまばらで、労働時間規制を適用しなくとも、必ずしも労働者保護に欠けることのない一定の断続的労働」として、労働基準監督署長の「許可」を受けた場合には労働時間規制の適用から除外されます(時間外労働に該当しない)こ。許可すべきかどうかの判断基準(宿日直許可基準)については、現代の医療にマッチするようなアップデートがなされる予定で、大筋の合意は得られていますが、その内容はまだ確定していません(関連記事はこちら)。

 また、勤務医が時間外に行う症例検討や術式の検討などについて、「労働」なのか「研鑽」なのかを明確にするため、例えば上司が「研鑽を行う」旨を確認した上で「通常と異なる場で研鑽を行う」「白衣の着用を避ける」などし、「労働時間」との混同を避けるような取り組みを行う方向は固められましたが、詳細は明らかになっていません(関連記事はこちら)。

さらに、医療資源を集約してオーバーラップする業務内容を効率化することが生産性向上に向けて不可欠なことから、「病院の再編・統合を進めるべき」との意見が検討会で散見されており、そうした観点での検討も進められる必要がありそうです(関連記事はこちら)。

これらの要素が固まらないままに上限時間のみを確定した場合、「2024年4月の適用時点で蓋を開けてみたら(厚労省通知などを確認してみたら)、地域医療確保がままならないものとなっていた」という事態が生じかねないと各病院団体の代表者は感じているといいます。山本議長は「助かる命が、働き方改革で助からなくなってはいけない。不確定要素の明確化には時間がかかるため、バッファーを置いた上限設定を考える必要があるのではないか」とコメントしています。

10連休、一時的な重症患者割合の低下などにどう対応するのか

なお、10連休問題については、厚労省医政局長が医療提供体制を確保するよう求める通知が発出していますが(関連記事はこちら)、保険制度面では、対応方針がクリアになっていないと山本議長は訴えます。

10連休中は稼働医療機関が減ることになるため、▼一時的に入院患者数が過剰になる可能性があるが、診療報酬はその場合でも減算されてしまうのか▼容態が比較的安定した患者でも退院先・退所先が確保できず、一時的に重症度、医療・看護必要度が下がる可能性があるが、どう考えるのか(2018年度改定で1割以内変動の救済措置が廃止されている)―などの問題が生じかねません。この点について日病協では、2月中に要望書をまとめ、厚労省に提示する考えです。
 


https://www.medwatch.jp/?p=24594
常勤医師が必要か、非常勤でもよいのかを明確にした上で、「医師確保計画」策定を―日医総研 
2019年1月29日|医療現場から MedWatch

 医師確保等のベースとなる医師・歯科医師・薬剤師調査には、現在「兼務医師を重複カウントしている」などの問題があり、「兼務状況の調整」「地元のリアルタイム情報による調整」が必要となる。また、医師偏在解消に向けて都道府県が策定する「医師確保計画」に向けて、各医療機関が求める医師の「業務形態」を明確にしておく必要がある―。

 日本医師会のシンクタンクである日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は1月22日にリサーチエッセイ「医師偏在の解消にむけたデータの活用について―『医師・歯科医師・薬剤師調査』をそのまま活用することの限界—」を公表し、このような提言を行いました(日医総研のサイトはこちら)。

三師調査の活用では、医師の「兼務」状況の調整や、地元情報に基づく調整が必要

医師の地域偏在・診療科偏在がこれまで以上にクローズアップされています。医師偏在はかねてから問題視され、さまざまな対策が採られてきましたが、必ずしも十分な効果を生んでいないと指摘されます。

このため、昨年(2018年)の通常国会で、医師偏在対策を柱の1つとする改正医療法・医師法が成立し、現在、施行に向けた詳細な制度設計が厚生労働省の「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)で行われています。都道府県が、地域の状況を踏まえた「医師確保計画」(●年までに○人の医師を、どのような方法で確保するのか)を策定し、医師派遣や地域枠・地元枠などを活用し、偏在を解消していく方向と、その詳細が固まりつつあります(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
ところで、医師偏在対策をはじめとした医師確保政策を議論する際、その基礎データの1つとして、厚労省が2年に一度実施する「医師・歯科医師・薬剤師調査」(以下、三師調査)が用いられます。施設の種類別、年齢別、性別、診療科別、都道府県別等に、医師等がどれだけ在籍しているのかを調べるものです。

例えば、医師需給分科会では、新たな医師偏在指標を固めましたが、このベースは三師調査の「人口10万対医師数」です。

また、今年度(2018年度)から全面スタートした新専門医制度については、「医師の地域偏在等を助長する恐れがある」との指摘を受け、三師調査結果との比較が行われました。

このように、非常に重要な基礎データとなる三師調査ですが、2014年までは、勤務地のみを補足するに過ぎず、例えば、A市の大学病院に勤務する医師が、B町の病院で週1回勤務するような場合、B町での勤務はカウントされていませんでした(関連記事はこちら(2014年調査に関する記事))。

そこで2016年調査では、上記例で「B町での勤務」もカウントすることとなりました(さらに2018年調査(本年(2019年)12月公表予定)では宿日直状況も把握)が、依然として次のような課題があると日医総研は指摘します(関連記事はこちら(2016年調査の関する記事))。

▽複数医療機関等で「兼務」している医師は全体の14.8%(4万6978人)おり、単純にカウント(重複カウント)すると、この分「医師が多く」なってしまう

▽重複カウントによって、2次医療圏別、市区町村別、診療科別に細分化していくと、実態との乖離が広がってしまう

 これらの課題は2018年調査では相当程度解消されますが、そのデータが示されるのは、今年(2019年)12月予定であり、当面の最新データは課題のある2016年調査となります。日医総研では、「地域別医師数の分析にあたっては兼務状況の集計結果も活用すべき」「地元(地域の自治体)が把握するリアルタイム情報をもとに三師調査を調整すべき」と提言。

さらに、前述した都道府県による「医師確保計画」策定に向けて、各医療機関で「どのような勤務形態の医師が必要なのか」(自前確保(常勤等)か、派遣(非常勤等)でよいのか、など)を明確にしておくことが重要とも付言しています。「当面は、非常勤の医師を確保できればよい」と考える医療機関が多ければ、確保すべき医師数は少なく済み、当然計画の内容も変わってくるためで、重要な視点と言えるでしょう。
 


  1. 2019/02/03(日) 10:34:08|
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