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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月27日 

http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20190126/CK2019012602000031.html
医師不足、ふるさと納税で支援を いなべ市が寄付募る 
2019年1月26日 中日新聞 三重

 いなべ市唯一の総合病院「いなべ総合病院」(北勢町阿下喜)の医師不足解消を目的に、市が「ふるさと納税」で、寄付金を募る取り組みを始めた。市担当者は「ぜひ支援を」と呼び掛けた。寄付募集は2月28日まで。
 医師の偏在化が進み、昨年、同病院の内科医は11人から3人にまで減少。市内に一つしかない総合病院が立ちゆかなくなれば、地域医療の崩壊につながる懸念があり、医師確保が急務となっている。
 同病院は医師確保の手段として近隣医療系大学に「寄付講座の開設」を依頼。寄付講座は、研究教育のために地域医療の現場を提供することで、医師派遣をしてもらう仕組み。市は寄付講座開設の予算措置を講じる方針だが、市の財政事情も厳しいことから、寄付金を原資の一部に充てたい考え。
 今回のふるさと納税は返礼品は伴わない。ただ、納税した寄付金は「地域医療を守る」ために使われることが明確なため、市健康推進課の担当者は「地域医療の支援をしたいという意識の高い人に共感してもらえると思う」と話す。
 寄付の受け付けは昨年11月末から始まり、1月25日時点で、165人から300万円余りが集まっている。
 (梅田歳晴)



https://www.asahi.com/articles/ASM1Q3JTFM1QULBJ007.html
小児科医2人の確保、最優先枠で 茨城県の医師不足対策 
佐藤仁彦 2019年1月22日14時00分 朝日新聞 茨城

 日立製作所日立総合病院(茨城県日立市)で休止が続いている地域周産期母子医療センターの再開に向け、県は、同院への小児科医2人の補充を、医師確保に取り組む最優先の枠に追加したと発表した。

 県は昨年、最優先で医師招請に取り組む県内の基幹医療機関を五つ(必要医師数は計15人)選んでおり、同病院はその一つ。

 同センターは、リスクの高い出産や新生児の治療に対応するため設けられたが、人手不足のため、2009年から休止している。県は先月、筑波大から同院に産婦人科医4人が派遣されることが決まったと発表。最優先枠の必要医師数は15人から11人に減ったが、今回の追加で13人になった。

 県医療政策課によると、同院で常勤の小児科医は現在5人。同課は「センター再開には、看護師など他のスタッフも充実させる必要があり、まだ数年かかる。まずは大学病院に狙いを定め、医師派遣の交渉を進めたい」と話している。



https://www.47news.jp/3193331.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(1)まるで野戦病院   連続30時間超、過酷勤務
 
2019.1.22 17:00 早川和慶、葛西謙  47news 共同通信

 「夏バテの症状は出ていませんか?」。北海道最南端の松前町にある町立松前病院。当直明けで外来診察に入った副院長の吉野光晴(43)が、高齢の男性患者に笑顔で語り掛けた。前日の午前8時からの勤務が続くが、疲れた表情を見せずに診察をこなす。

 かつて城下町として交易で栄えた同町だが、現在の人口は約7400人。1985年と比べると半数以下に減り、過疎が進む。近隣エリアを含め、町立病院が、24時間態勢で患者を受け入れている唯一の医療機関だ。

当直時間帯に訪れた女児を診察する町立松前病院副院長の吉野光晴
 入院患者約80人、外来患者も1日200人に上るが、常勤医師は5人だけ。他の病院からの応援がシフトに入るものの、週1回は泊まり勤務が回ってくる。急患が相次ぎ、仮眠が取れないことも珍しいことではない。

 この日、吉野が帰宅できたのは午後5時を過ぎてから。翌日は、午前8時からの通常勤務が待っている。この病院での勤務は2018年で15年目。「医師が少ないから仕方がない」と淡々と話すものの「年齢とともにきつく感じます」と苦笑いを浮かべた。

 病院も、人手不足を受け、外科や眼科などは月に数日、札幌医大などから専門医に来てもらっている。しかし、65歳以上の人口が増えるにつれ、心筋梗塞などで運び込まれる患者は増加しており、救急搬送は20年間で2倍になったという。

 常勤医師たちは「何でも科」と称して、専門外の診療にも当たる。入院患者の容体が急変すれば、当直でなくても駆け付ける。週末の呼び出しが重なると、1カ月近く休日が取れないこともある。過酷な勤務を、ある病院職員は「まるで野戦病院」と例えた。

 16年に前院長が運営方針を巡り、町と対立し退職した際には、7人いた常勤医師が4人となり、病院の存続が危ぶまれた。1人増えて5人になったとはいえ、綱渡りの状況が続いていることに変わりはない。

 松前病院がなくなれば、多くの患者は、車で約2時間かかる函館市まで通わなければいけない。「そうなれば、地域の生活が成り立たなくなる」と院長の八木田一雄(48)。「医師が減り、勤務が過酷になる。それを嫌って若い医師が都市部に集中する。悪循環が止まらない」。医師確保は難航している。(敬称略)
   ×   ×   ×
 毎年約4千人のペースで医師は増えているのに、都市部や特定の診療科目に集中し、必要とされるところに行き渡っていない。超高齢社会で医師の適正配置が求められる中、どうすれば問題を解決できるのか。現場を歩き、実情を探った。

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        最多の徳島県は最も少ない埼玉県の約2倍だ

 医師の偏在 医学部の定員増を受け、全国の医師は約31万9千人と30年前の1・7倍に増えたが、一部の地域や診療科目では医師不足が続いている。2004年から導入された臨床研修制度で、地方に医師を供給していた大学病院の医局の力が低下したことや、訴訟リスクや勤務の過酷さから産科など特定の診療科で志望者が減ったことが原因とされる。人口10万人当たりの医療機関で働く医師数は、最多の徳島県が315・9人で最下位の埼玉県の約2倍。診療科別では、内科医などは増えているが、産科医や外科医は横ばいが続く。厚生労働省は、一部の病院の管理者になる際の評価項目に不足地域での勤務経験を加えたり、地域ごとに将来の医師ニーズの見通しを明確化したりするなどの対策をまとめ、実行を進めている。



https://www.47news.jp/3193334.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(2)「新人」獲得に試行錯誤  研修先に選ばれる努力
 
2019.1.22 17:01 兼次亜衣子  47news 共同通信

 医師免許を取得して間もない新人医師が2年間、病院で働きながら学ぶ臨床研修制度。初任地として縁ができれば、定着も期待できるため、医療機関にとっては医師確保と密接に結び付く。研修先として選ばれようと、各地で試行錯誤が続けられている。

 「皆さんのバックアップはしっかりします」
「研修以外にもさまざまなイベントがあります」。秋田大(秋田市)で開かれた医学部生向けの臨床研修病院の説明会。秋田県内にある13の病院関係者がマイクを手に約40人の学生に訴えた。

 数分ずつのプレゼンテーションを終えると、それぞれのブースへ。「初期医療から重症患者まで診られる。経験が積める」「当直明けはしっかり休める。ホワイトな病院だよ」。研修中の先輩が優しく語り掛ける。病院関係者に話を聞くと「地元の医学生と接するチャンス」「今年はゼロだったから気合が入る」。言葉に切迫感がにじんでいた。

 かつて新人医師は、卒業した大学の付属病院で経験を積むのが一般的だった。大学病院では、教授を頂点とする医局が強い力を持ち、へき地に若手医師を送り出す役割も果たしていた。

 しかし、2004年に新制度が始まり、臨床研修先を希望できるようになると、研修医は診療機会に恵まれ、先端医療も学べる都市部の病院に集中。地方の医師不足の一因となったとされる。

 そんな中で増えているのが、卒業後の一定期間、その地方で勤務する代わりに奨学金が貸与されるなどの条件がある、大学医学部の「地域枠」だ。17年度時点で70以上の医学部が地域枠を設け、定員の2割を占めるようになった。

 ただ、地域枠の学生が他の地域に流出するケースも出始めている。地域枠で入学した人を、他地域の病院が研修医として採用した場合、補助金の減額を検討するとの通知を厚生労働省が出す事態となっている。

 秋田県と同じように高齢化が進む中山間地を抱える福島県では、県立医大が県、病院と連携。いろんな病院で経験を積むことができる自由度の高いプログラムを提供するほか、第一線で活躍している医師を県外から招いたセミナーも開催する。
 県立医大出身の研修医、宍戸理紗(24)は「充実している。地域枠じゃなくても、福島に残ったと思う」。教授の大谷晃司(54)は「地域枠制度がなくなったとしても選んでもらえるよう、魅力的な研修を続けるしかない」と話している。(敬称略、年齢・肩書は取材時点)



https://www.47news.jp/3193338.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(3) 紹介・派遣、行政が本腰  全国最少の埼玉
 
2019.1.22 17:02 清田拓  47news 共同通信

 人口10万人当たりの医師数が160・1人と全国で最少の埼玉県。県内でも、地域で医師数に偏りがあるだけでなく、産科医や小児科医が足りないという事情を抱える。地域、診療科の偏在解消に向け、県は確保対策に本腰を入れ始めている。

 10万人当たりの医師数を比べると、川越市を含む地域が約217人に対し、秩父地域は約143人。秩父は人口の3割を65歳以上が占めるようになり、高齢者医療のニーズも高まっているが、医師の平均年齢は50歳を超え、将来の医療に不安もささやかれる。

 2018年7月中旬の夜、地域医療の中核を担う秩父市立病院を訪れると、当直医の大坪隆(54)が電話に向かって声を張り上げている場面に出くわした。「ライン(静脈)を確保して」。間もなく、踏切事故で意識不明となった男性が運び込まれた。

 次々と指示が飛ぶ。男性の処置を終えても「頭を切った」「子どもの具合が…」などと救急の電話は鳴りやまない。大坪は「今日は眠れませんね」と言うと次の受け入れ準備に入った。

 不足地域で続く過酷な勤務。県も手をこまねいているわけではない。

 定められた期間を県内で勤務すれば、返還免除となる奨学金制度を整備し、10年間で医師を約2千人増やすことに成功。大学病院の医局が担っていた医師供給のコントロールタワーの役割を果たそうと、13年には「県総合医局機構」を創設し、医師会や県の主導で、医師の紹介・派遣に乗り出した。

産婦人科医らを対象にした研修会。妊婦の模型を使って処置の手順を確認した
 診療科偏在を解消しようという取り組みも始まっている。医師の割合が全国最下位の産科医、下から2番目の小児科医を育成しようと、17年4月に、地域医療教育センターをさいたま市中央区にオープン。県内で働きながら、先端医療に触れたり、スキルアップを図れたりする場を提供するようになった。

 18年7月にセンターで開かれた産婦人科医らを対象にした研修会。妊婦が異常出血をしたとの想定で訓練が行われ、参加者は割り当てられた立場に応じて処置の流れを確認していた。県の担当者は「あらゆる事態に対処できるようになれば、地域の医療水準の向上につながる」と話す。

 医師の育成には時間がかかり、問題は一気に解決できるものではない。「医師数は着実に増えている。これからは足りないところに配置することが重要となる」。知事の上田清司(70)が言葉に力を込めた。(敬称略、年齢・肩書は取材当時)



https://www.47news.jp/3193340.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(4) 枠を超え、羽ばたく人材を  「へき地専門」育成
 
2019.1.22 17:03 兼次亜衣子  47news 共同通信

 「内科の先生が勉強しに来ているから、一緒に見せてもらいますね」。島根県益田市の神崎耳鼻咽喉科医院。院長の神崎裕士(68)が高齢の女性患者に声を掛けると、そばにいた内科医、上垣内隆文(29)が内視鏡で鼻や喉の状態の確認を始めた。「そのまま続けて」。モニターを見ている神崎の指示に、上垣内が従った。

 へき地で働く医師の育成を目指す会社「ゲネプロ」(千葉県旭市)が益田市医師会と一緒に始めた医師研修「親父の背中プログラム」の一場面だ。若手医師が地元の病院で原則2年間働きながら、さまざまな診療科のベテラン開業医からノウハウを学ぶことができる。三重県内の病院で働いていた上垣内も応募し、医師6年目で赴任した。

 「来た球を全部打ち返すことができるような医師を育てたい」と話すのはゲネプロ代表の斎藤学(44)。自身も医師で、沖縄本島や鹿児島県の離島での勤務経験もある。「往診できないようなところにいる患者には、どうすればいいんだろう」。福岡県内の医療機関で働いていた時に感じた疑問が、同社を立ち上げるきっかけだ。

 斎藤は2015年、広大な国土を抱え「へき地医療の先進国」と言われるオーストラリアに飛んだ。現地では、初期医療から外科手術、分娩までこなす「へき地専門医」が存在し、時には飛行機やヘリコプターを使い「フライングドクター」として患者を搬送する。

 医療現場や同国のへき地専門医育成プログラムを目の当たりにし「(へき地医療をテーマにした人気漫画の主人公)Dr.コトーが、コトーチルドレンをたくさん育てている」と深い感銘を受けた。

 18年度から始めた「親父の背中」も、実践を通じ医師を育てるオーストラリアのやり方に通じるものがある。英語力をアップできるプログラムも用意。オーストラリアでの短期研修も受けられるようにしている。

 益田市で学ぶ上垣内も「診察技術がアップしてきた」と手応えを感じている。「病気だけでなく、生活背景もケアすることに興味がある」と話し、将来、へき地での勤務も希望する。

 「優しくて何でも診てくれる地元医師に憧れ、医療を志したケースは多い。へき地で働きたい人は一定数いるはずだ」と斎藤は語る。当面の目標は、地域医療を支える熱意と実力を兼ね備えた人材による全国的なネットワークをつくることだ。「離島やへき地へ行くハードルを下げ、医師が、地域の枠を超えて羽ばたけるようにしたい」(敬称略、年齢・肩書は取材当時)



https://www.47news.jp/3193369.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(5)全国自治体病院協議会・小熊豊会長   地域と歩む総合医増やせ
 
2019.1.22 17:04 早川和慶  47news 共同通信

 深刻化する医師の偏在問題について、約880の公立病院が加盟する全国自治体病院協議会の小熊豊(69)会長に聞いた。

 ―地方の医師不足が続いている。

 「へき地の病院を中心に、絶対的な人手不足による、悲鳴に近い声が聞こえてくる。実際に、外来の診療時間を減らすなど、診療を縮小する病院が相次いでいる。働き方改革を進める必要がある中で、地域医療をどう守るべきなのか。重要な局面となっている」

へき地を中心に絶対的な人手不足だ
 ―原因は何か。

 「2004年に臨床研修制度が始まり、新人医師が研修先を自由に選べるようになった影響は大きい。規模が小さい地方の病院では、予算や設備の関係で専門性の高い医療ができず、若い医師が、高度な症例を経験したいと考えて都市部に集中するようになった。18年4月から始まった新専門医制度で、その傾向が進まないか懸念している」

 ―解決策は。

 「以前は、大学の医局が半ば強制的に地方の病院に医師を派遣するケースが多かった。本人の意向を無視して地方で働かせることは許されないが、1~2年程度の短期間ならへき地に勤務してもいいという医師は一定数はいる。国が先導し、期限付きでもいいから医師を常に循環させ、不足する病院が出ないようにする制度を確立するべきだ」

 ―人手が足りない病院で働く医師にとって必要なことは何か。

総合診療医をより多く養成するべきだ
 「小規模な病院では『自分はこの分野しかやらない』という人がいては、治療が成り立たない。患者を幅広い時間帯で受け入れ、医師が休みを取るには、仕事をカバーし合うことが必要だ。小規模な病院では、手に負えない重症患者は大きな病院に移せばいい。さまざまな症状に対応できる総合診療医の充実が重要になる」

 ―高齢化が進む中、地域医療は、どんな役割が求められるのか。

 「高齢患者の特徴は、高血圧など慢性的な疾患で通院し続ける人が多いことだ。完全に治すというよりは、病気を持ちながら生きていく人たちの支えになる必要がある。複数の病気がある人もおり、幅広い知識でケアできる総合診療医をより多く養成するべきだ。患者や家族と信頼関係を築くなど、地域に密着した医療に幸せを感じられる医師が増えてほしい」

 おぐま・ゆたか 1950年生まれ。北海道早来町(現安平町)出身。北海道大医学部卒。砂川市立病院で院長を務め、2018年6月に全国自治体病院協議会会長に就任。



https://www.m3.com/news/iryoishin/655502
「7法人7色」、地域医療連携推進法人が初会合
厚労省、人材派遣等が主、病床再編はこれから
 
レポート 2019年1月25日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の地域医療連携推進法人連絡会議が1月25日開催され、全国7つの地域医療連携推進法人、地元自治体や医師会の代表者らが出席して現状を紹介、意見交換をした。同法人の制度は2017年度からスタート、各法人が集まる会議は初めて。

 もっとも、地域医療連携推進法人の制度創設から約2年が過ぎたが、認定されたのは7法人にとどまる上、人材派遣や人事交流、共同研修が主な事業で、病床に関する変動・病床の融通については計画中の法人があるものの、実現はこれからで、有効に機能しているとは言い難い。7法人の形態や運営の現状もそれぞれ異なる。法人の定義、役割の明確化を求める声も挙がった。

 地域医療連携推進法人は、「地域医療構想」達成のための選択肢の一つ。地域の医療機関相互の機能分担・連携を推進するのが創設趣旨。

 日本海ヘルスケアネット代表理事の栗谷義樹氏は、当初は、「非営利ホールディング(HD)カンパニー型医療法人」として議論がスタートした経緯を踏まえ、「選択肢が広くなった代わりに、趣旨が曖昧になった。しかし、既に始まっている地域の過疎化など、外部環境が厳しくなった時に、どんな役割を果たすべきなのかを明確にしないと、予算付けなども曖昧になる」と指摘した。同ネットは、栗谷氏が理事長を務める山形県・酒田市病院機構の日本海総合病院を中心に地元三師会も参加する法人で、地域の医療機関が共存しつつ、医療の効率化を図ることを目指す(『「迫り来る未来の危機」に対応、地域は運命共同体 -栗谷義樹・山形県・酒田市病院機構理事長に聞く◆Vol.1』などを参照)。

 備北メディカルネットワーク代表理事の中西敏夫氏は、地域医療連携推進法人は「地域医療構想調整会議よりも、ガバナンスが利いた形で病床機能の在り方を話し合う場」と指摘した。「法人の定款については、もう少し緩やかに考えてもらいたい。同じような形で実施できるところは他にもある」と述べたほか、日本赤十字社など本社機能を持つ法人が、地域医療連携推進法人にどのように参画するのかなどの課題もあるとした。

7つの地域医療連携推進法人、地元医師会、行政らが参加。
 1月25日の会議に出席したのは、下記の7法人(カッコ内は、認定年月日)。

山形県:日本海ヘルスケアネット(2018年4月1日)
福島県:医療戦略研究所(2018年4月1日)
千葉県:房総メディカルアライアンス(2018年12月1日)
愛知県:尾三会(2017年4月2日)
兵庫県:はりま姫路総合医療センター整備推進機構(2017年4月3日)
広島県:備北メディカルネットワーク(2017年4月2日)
鹿児島県:アンマ(2017年4月2日)

 厚労省医政局長の吉田学氏は、連絡会議開催の趣旨を、「意見交換が、後に続こうと議論しているところへの示唆になるのではないか。また今の制度の使い勝手はどうか、行政の支援が十分かどうか、さらに地域医療構想を各地域で進めるためのソリューションの一つとして作った制度を進化させてしていくために何をすればいいのか、ご意見をいただきたい」と説明。

 藤田医科大学らの「尾三会」、30法人に
 7法人の形態等はさまざまだ。尾三会以外は、人口減少や医師不足に悩むなど、地域の事情が異なり、おのずから取り組みも違う。

 藤田医科大学が中心となり、「大学発」の法人として注目されたのが尾三会。当初22法人でスタートしたが、現在は30法人に増加。

 理事の湯澤由紀夫氏(藤田医科大学病院の病院長)は、高度急性期から慢性期、在宅医療までの医療レベルの標準化を目指し、医師、看護師を含めた人材交流や育成に取り組んでいると紹介。地域医療連携推進法人には、各法人から徴収した会費の50%以上を、事務経費ではなく事業費用として使用しなければいけない規定があるため、医薬品の共同購入、医療事故調査等に関する業務連携などにも取り組んでいるとした。「最初の1年目は、法人としての事業をいかに立ち上げるかという焦りがあった。2年目以降は、患者の流れをどう作るかという本来業務の在るべき姿を見据えて取り組んでいる」(湯澤氏)。

 亀田が公的病院を支えるアライアンスも
 日本海ヘルスケアネットは公立病院が核となっているのに対し、房総メディカルアライアンスは、民間病院が公立病院を支える法人。代表理事を務めるのは、社会福祉法人太陽会理事長で、医療法人鉄蕉会亀田総合病院院長も務める亀田信介氏だ。

 亀田総合病院と太陽会が経営する安房地域医療センターの間にある3カ所の自治体立病院は、医師が3、4人しかおらず、疲弊しているという。その一つ、南房総市富山国保病院がアライアンスに参加。「以前から我々が医師派遣をしてきたが、公立に民間から医師を派遣するのは、面倒。地域医療連携推進法人によりスムーズになる」と亀田氏。今後、富山国保病院は一般病床から地域包括ケア病床に転換予定だ。

 亀田が公的病院を支えるアライアンスも
 「はりま姫路総合医療センター整備推進機構」は、県立姫路兵庫県立姫路循環器病センター(330床)と社会医療法人製鉄記念広畑病院(392床)を統合し、はりま姫路総合医療センター(一般病床720床+精神病床16床)を設立するのが目的。同機構理事の八木聡氏は、「県立病院と民間病院の統合に向けて、この法人を活用している。法人制度の本来の目的ではないかもしれないが、全く異なる設立主体が統合する場合には、この法人の制度は非常に有効ではないか」と説明。将来の院長候補が代表理事となり、両者の交流を進めていくことを通じて、一つにまとまっていくという機運が高まっているという。



https://mainichi.jp/articles/20190122/ddm/005/070/030000c
社説  医師の働き方改革案 これで過労死が防げるか 
毎日新聞2019年1月22日 東京朝刊

 厚生労働省は「地域医療の核となる医療機関の勤務医」の残業時間の上限を、「年1900~2000時間」とする案をまとめた。

 過労死の労災が認められる目安は年960時間なので、その2倍まで認めることになる。一般労働者の基準からかけ離れた案であり、容認できない。

 勤務医の長時間残業は常態化している。にもかかわらず是正の動きは鈍い。厳しい上限を定めると病院の運営に支障が出ることを懸念する医療界の反対が強いためだ。患者の立場からすれば、急に医師の残業時間を制限すると、必要なときに病院で受診できなくなる恐れがある。

 しかし、過労やストレスで毎年70~90人の医師が自殺していることを重く受け止めなければいけない。病死も含めると毎年100人もの医師が過労で死亡している。特に若い研修医のメンタルヘルスに関する調査では、4割程度が抑うつ状態にあるという調査結果がある。

 それなのに、厚労省案では「専門性や技能などを高めようとする若手医師」については、「検討中」として残業時間の上限を提示することすらできなかった。

 しかも「年1900~2000時間」は2035年度までの暫定措置とし、36年度以降は一般勤務医と同様年960時間にするという。暫定措置を長期間続けるのは許されない。段階的にでも改善すべきだ。

 医師は検査や治療だけでなく、診療報酬に関する事務、患者や家族への対応などにも多くの時間を割いている。事務職や医療ケースワーカーにもっと仕事を委ねるべきだ。

 高齢化に伴い、複数の慢性疾患を持った高齢の患者が多くなっている。米国では医師不足から単純な医療行為を行えるNP(ナースプラクティショナー)という上級看護師の制度がある。日本でも看護師の役割をもっと広げるべきではないか。

 患者の意識を変えることも必要だ。小児科の救急外来を受診する9割が入院の必要ない軽症の患者という調査結果もある。特に夜間や休日の対応で医師は疲弊している。

 緊急に治療が必要かどうかを判断する電話相談などの充実も有効だろう。さまざまな方策を駆使し、医師の負担軽減を図るべきだ。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190121-OYTET50009/
開業医多い地域での新規開業に新ルール、医師の偏在解消へ…来年4月から 
2019年1月21日 読売新聞

 医師が都市部に集中する「偏在」の解消を目指し、開業医が多い地域で新たに開業する医師に対して、地域で不足する在宅や救急などの医療への参加を求めることになった。厚生労働省がルールを定め、2020年4月から実施する。

 厚労省によると、診療所は全国で約10万に上り、全医療機関の9割以上を占める。近年、診療所数は増加傾向にあるが、新規開設は人口が多い都市部に偏る傾向がある。

 厚労省は19年度中に、医師の年齢なども加味した偏在指標を作成する。都道府県は、地域ごとにどの程度、医師が充足しているかを示し、開業を希望する医師が把握できるようにする。

 すでに医師が足りている地域で開業する場合、その地域で不足している医療に参加してもらう。強制力はないが、参加への同意が得られなければ、事情を聞いたうえで、診療所名や理由を都道府県のサイトなどで公表する方針だ。



https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201901/0012012356.shtml
浜坂病院のあり方、検討委が報告書 看護師集約など提言 
2019/1/27 05:30神戸新聞NEXT

 公立浜坂病院(兵庫県新温泉町二日市)の将来のあり方を考える検討委員会は26日、第4回会合を同町浜坂の町商工会館で開き、同町に提出する報告書をまとめた。医師や看護師不足の状況や厳しい町財政も踏まえ、周辺の医療機関との連携や地域の病院としての機能強化を求めた。また、具体策として、介護老人保健施設「ささゆり」の病床を減らし、浜坂病院に看護師を集約する案も提言した。

 報告書では、同病院を取り巻く現状や利用者が増加に転じていることなどを挙げている。近隣の鳥取市や豊岡市に高次機能病院があるため、「役割分担さえ明確にすれば、『ミニ総合病院』を作る必要から解放される」などとした。

 一方、同病院が担うべき役割として日常的な病気への対応や健診などを挙げた。また在宅での医療や介護を支える機能に特化する重要性も盛り込んだ。このほか、老健施設の病床を現在の80床から40床に減らし、看護師らを病院に集約。「住民の安心と安全を確保する」とも提言している。

 検討委員会は浜坂病院などに勤務経験のある石田岳史・さいたま市民医療センター副院長を委員長に、開業医や公立豊岡病院、町自治連合と町婦人会の代表ら11人で、昨年10月から議論を重ねてきた。会議の中で、昨年1月に休止した訪問看護を再開し、訪問リハビリに力を入れる方針なども確認された。この日は、報告書案の中身や文言などを了承した。

 石田委員長は「報告書をたたき台に、町や住民、議会などで十分に話し合い、より具体的な方針や進め方などを決め、取り組んでほしい」。西村銀三町長は委員の協力に感謝した後、「報告書を基にみんなで力を合わせ住民の安全や健康を守っていきたい」と話していた。(小日向務)



https://www.m3.com/news/iryoishin/655190
「あらゆる機会にかかり方啓発」が最重要
医療提供者に必要なアクション、「意識改革」
 
レポート 2019年1月26日 (土)配信岩崎雅子(m3.com編集部)

 医療危機への対策として、市民や医療提供者、行政がやるべきアクションを示した「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授)(『「国民全体が医療危機に取り組むべき」デーモン閣下、宣言発表』を参照)。本調査では、「医師・医療提供者がやるべきこと」に示した6つのアクションで最も取り組むべきものについて質問したところ、m3.com会員の29.4%が「あらゆる機会に医療のかかり方を啓発」と回答。「健康管理に努め、きちんと休暇を取る」が24.8%で続いた。

Q 懇談会が示した「医師・医療提供のアクション例」の中で、最も取り組むべきことは?
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 医師・医療提供者が最もやるべきアクションについて、医師会員の32.2%が「あらゆる機会に医療のかかり方を啓発」と回答。2番目に回答率が高かったのは、「健康管理に努め、きちんと休暇を取る」の24.2%だった。開業医と勤務医で最も選択率に差があったのは「健康管理に努め、きちんと休暇を取る」で、開業医の方が9ポイント高かった。勤務医は「電話相談や医療情報サイトの質を保つ」や「管理者が働き方改革と地域医療継続に取り組む」と答えた割合が開業医より高く、特に「タスク・シフティングの推進」を求める声は開業医よりも6.5ポイント高かった。

Q 上記以外で効果があると考えるもの、やってほしいこと、成果を上げている具体的な取り組みなど、ご意見があればお書きください。

【医療のかかり方の啓発を】
患者教育は大切な業務です。【勤務医】
できるだけ地域の相談会などで講演を行い、啓発活動をやるべき。【勤務医】
市民講座や学校などでの医療提供者による講座・講義をどんどん行う。【薬剤師】
病気の時だけではなく、健康管理のための医学知識などをかかりつけ医から常に学ぶ。【勤務医】
時間外の患者サービスには制約があることを、マスコミにもしっかり伝えていく必要がある。【勤務医】
人間は情報で動く。情報を流すことで人間の行動が変わる。【勤務医】
各職能団体に全員が加入して、現場の意見が政治の世界に届くようにしなければ、このままでは何も変わらない。【看護師】

【働き方に関する意識改革が必要】
慢性疲労や睡眠不足でまともな仕事ができるはずもないことを徹底すべきだ。【開業医】
自分の健康があってはじめて、他人への気遣いができると思う。【勤務医】
残業前提ではなく、定時に帰宅することを当然視するよう発想を転換する(特に上司側)。【勤務医】
長時間勤務の美徳化をやめてほしい。いつまで経っても男性主導の業界が変わらず困る。【勤務医】
働く側、雇用側に働き方改革を実践する意識を植え込む必要がある。【勤務医】
医師も人間である限りは、休息が必要であることを自覚すること。【勤務医】
医師が自ら過剰勤務をやめる。そうしないとこの国は動かない。【勤務医】

【変えてほしい仕組みは?】
悪意のある患者から医療従事者を守る取り組み。【開業医】
医療の集約化、効率化。医療費抑制が決まっている中、コスパを良くするより他ない。【勤務医】
無駄な薬や検査を減らす。【勤務医】
労働組合を作って、労働基準法遵守を訴えて活動する。【勤務医】
保育園の確保。学童保育の充実。当直をやってくれる人を金銭面でしっかり評価する。【勤務医】
医療コンサルティング専門部門を立ち上げてほしい。【勤務医】
チーム医療ができるところは行う。1次急患センターの初期診療に集中させ、そこから2次受診に回す体制づくり。【勤務医】
主治医制の廃止、チーム制の啓発。【勤務医】
高齢者医療の充実。往診を機能させて在宅死、施設死を増やす。病院死が多いのは資源の無駄遣い。【勤務医】
電子カルテの質を高める(さまざまな病院に外勤で行っていますが、ひどい病院の電子カルテは、非常に時間のロスが多いです)。【勤務医】
診療情報提供書の記載内容充実 or カルテ共有。【勤務医】
AI導入。【薬剤師】
医療事務などを充実させ、書類作成にかかる業務を軽減させてほしい。【勤務医】
患者「様」としての対応をやめる。【勤務医】
医師会や学会が団結して行う、国に対する正当な要請。【勤務医】

【まずは患者】
まずは患者の意識改革だと思う。【開業医】
患者の意識改革が必要です。【勤務医】

【諦めの言葉も】
分からない。【勤務医】
思い浮かばない。【勤務医】
特になし。やっぱり無理だから。【勤務医】
もう諦めました。【勤務医】
科目ごとで異なるので何とも意見が難しいです。【開業医】

【調査の概要】
調査期間:2018年12月26日(水)~2019年1月9日(水)
対象:m3.com会員
回答者数:2092人(開業医:313人/勤務医:1195人/歯科医師:15人/看護師:34人/薬剤師:472人/その他の医療従事者:63人)
回答結果画面:医療現場を守るために、医師・医療提供者がやるべきことは?



https://www.m3.com/news/iryoishin/654728
シリーズ m3.com意識調査
時間外上限「2000時間」、医師の半数が「長すぎる」
「医師だけ特別枠おかしい」「例外なき改革を」
 
レポート 2019年1月27日 (日)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省が1月11日、医師の働き方改革に関する検討会に、病院勤務医の時間外労働の上限として休日を含み年間960時間、さらに2035年度末までの経過措置として、「地域医療確保暫定特例水準」を設け、労働時間短縮や健康確保策の義務化など要件を付し、対象医療機関を限定した上で「1900~2000時間程度」に設定する案を提示した(『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)。

 この上限案についてm3.com医師会員に聞いたところ、全体で50.1%が「長すぎる」と回答。「長い」も12.8%、「特例を設けるべきではない」が17.0%で、一部の医師の長時間労働を許容する案に否定的な回答が多くを占めた。

Q1: 「地域医療確保暫定特例水準」の上限1900~2000時間についてどうお考えですか
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 「長すぎる」は勤務医が50.1%、開業医が50.3%とほとんど同じだったが、「長い」は勤務医13.8%、開業医8.6%と違いが出た。「適正」は勤務医7.0%、開業医6.1%で全体でも6.9%とわずかで、「短い」と「短すぎる」はほとんどいなかった。

Q2: 時間外労働の上限や長時間労働、地域医療提供体制の確保など今回のテーマについて、ご意見をご自由にお書きください。(任意)

【医師だけ特例はおかしい】
医師だけ特別枠は納得がいかない。【勤務医】
例外なき改革を望みます。【開業医】
長い目で見た早急な対策が必要なので、1割の無理している人を“救う”当たり前の基準が必要。【勤務医】
医師の命を軽視した地域医療なんぞ、速やかに崩壊させるべきだろう。【勤務医】
国が長時間労働を容認していることになる。医師はいくら働いても病気にならないと思っているのでしょうか。地方の救急病院は若手が行かなくなり、中堅の医師は疲弊して辞めていく。地方医療は崩壊しますね。【勤務医】
医師だけ特別扱いをしなければいけないということは制度に問題があるということ、そこを素直に認めた上で、どうしても制度を当てはめると立ち行かないのであれば、恒久的に医師には特別な特権(ないしは報酬)を付与して施行すべきでは、と思いますが。【開業医】

【やむを得ない】
上限2000時間は長すぎると思うが、地域医療体制の維持には必要。【勤務医】
医師の時間外労働の定義は極めて難しい。病院での勉強は時間外労働で、自宅での勉強は余暇、とか。嫌ならいつでも辞められるから、基本的に医者は労働者ではなく、病院勤務医も個人事業主に近い。医療は医師の善意で成り立っているのを理解しているので、世間の人たちは敬意を込めて医者を先生と呼んでいる。今の医師の社会的立ち位置を保ち続けたければ、医者はある程度は「医は仁術である」と自己犠牲の精神で仕事を続けた方がよいと思う。誤解を恐れずに、批判を覚悟の上で語ってみました。【勤務医】

【そんなところで働けるのか】
みんなが行きたがらないところへ行ったら、2000時間の時間外ありって悲しすぎる。【勤務医】
月に160時間以上の時間外勤務だと、地域医療を希望する医師がいなくなるんじゃないですか?【勤務医】
労働時間の規制がほとんどかからない地域に行きたいだろうか?医師不足になり、さらに深刻な問題が生じる可能性があると思う。上限を甘くするのであれば、一般の時間外労働時間を超えた部分については、国からの補助で通常よりも高い手当てを設けるなど何らかの対策を検討してもらいたい。【勤務医】

【時間外手当の議論が必要】
時間の上限だけ決めてもその計算方法や手当が曖昧なままでは、病院管理者がいくらでも恣意的に運用することが可能です。例えば、診療密度の高い当直、大学勤務医の外勤、オンコールなどの計算はきちんと決めておくべきでしょう。また、時間外勤務が適用されない管理者の定義、時間外手当ての額もきちんと決めておくべきです。【勤務医】
上限を設けることで、結果的に超過勤務手当が支給されないサービス残業が常態化する事を危惧する。【勤務医】

【勤務環境是正が必要】
時間外労働を考えるとき、主治医制にある医師のオンコール体制についても議論してほしい。いつなんどきも拘束される現状はかなり異常であり、是正が必要と考える。【勤務医】
長時間労働は医師を疲弊させるのみで、敢えて実行すれば医療の質が低下するのは明らかです。【勤務医】

【自分でやってみろ!】
こんなことを言い出した者や賛成したものが、2000時間の時間外労働をすべきである。【開業医】
【強制的な医師配置が必要】
地方病院勤務を、全ての若手医師の義務とする仕組みの確立。【勤務医】

【議論のためのデータが足りない】
医師過剰なのかどうか 救急体制に必要な人員はいくらなのか そのための医療費確保はどうするのか 明確にしないと何も議論できない。【開業医】

【厚生労働省ではだめだ】
「毎月勤労統計」もまともに調査できない厚労省に、こんな課題を任せるのは危険です。【開業医】

【短い】
示された時間で、現場は運営できるのでしょうか?現場の運営を考慮すれば「短い」ように思います。現在の状態をありのままに広く世に示し、それが是か非か、改善策も含めて議論すべきです。時間だけ示しても改善に繋つながりません。医療に関するさまざまな制度や仕組みが、医師を過労状態に留めているように思います。医師という特殊な専門的職務に付帯する医師の使命感や善意に依存している制度や仕組みもあるように思います。【開業医】

【調査の概要】
調査期間:2019年1月12日 (土)~1月19日 (土)
対象:m3.com医師会員
回答者数:2174人 (開業医 : 429人 / 勤務医 : 1745人)
回答結果画面:時間外「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間、どう思う? 



https://www.m3.com/news/iryoishin/654973
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
日医会長「全医師に暫定特例水準を強いるものではない」
「これまでおざなり、医師の健康確保により重きを」
 
レポート 2019年1月23日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本医師会会長の横倉義武氏は1月23日の定例記者会見で、厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」で提示した時間外労働上限の「地域医療確保暫定特例水準1900~2000時間」案について、「正しく伝わっていない側面があった。全ての医師に暫定特例水準で働くことを強いるものではないと確認したい 」と述べ、「2000時間働かされるのか」などの批判の打ち消しに努めた。

 2000時間という数字については、「(改正労働基準法が医師に適用されるまでの)5年間で減らすべきだ。5年後には960時間を上限とするくらいの環境を整備するべきだ」と述べた(厚労省案については『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』などを参照)。


 医師の働き方改革に当たっては、医師の健康への配慮と地域医療の継続性の2つを両立することが重要との考えを示し、「現状はものすごく地域医療の確保に重点を置いた形で、医師の働き方はおざなりになっていた。5年間で医師の健康管理の方により重きを置いていくことが必要だ」と述べた。環境改善には個々の医療機関の努力だけでは難しく、「地域ぐるみでやらないと、一つの病院ではなかなかできない。地域の医師会の役割も大きくなってくる」と説明した。

 厚労省案の基となった2016年の調査で、時間外労働が年間1920時間超の医師が勤務医の約10%に当たる約2万人いたことについては、「調査後の取り組みにより徐々に少なくなっていると思われる」と指摘。その上で、地域医療を守る最後の砦として頑張っている2万人を最優先で守ることに焦点を当て、追加的健康確保策を取りつつ、地域医療への影響を最小限に食い止めていかなくてはならない」と話した。

 改正労基法で規定された、上限を超えた場合の罰則については、「生命の危機に瀕している急病患者の受け入れ要請や、手術が通常より長時間に及んでしまった場合など、避けることができない状況では、上限を超えても罰則が適用されない仕組みが必要だ。罰則適用で地域医療が崩壊することがないような制度設計にするべきだ」と述べ、例外を設けることを求めた。

 日医に対し、「これでは勤務医の健康を守れない」、「5年間何も変わらないのではないか」、「2000時間も働かせるのか」などの声が多く寄せられていることも紹介。2009年に「医師が元気に働くための7カ条」と「勤務医の健康を守る病院7カ条」のリーフレットを作成して配布していることやワークショップの開催などで勤務環境改善に取り組んできており、「医療の安全と質を確保するために、勤務医の勤務環境改善をさらに進めるよう、改めて医療界に取り組み推進を求めていく」と強調した。

 医師の勤務環境改善の関連で、 いわゆる「無給医」の存在については、「私も大学時代のある時期は無給医であった。本来あるべきではないが、技能や知識を習得する対価として労働で払うというのが無給医だ。技術や知識を教えてもらう対価は払う、その代わり働いた分は給料をもらう仕組みにしていかなければいけない」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/654444
>「時間外上限2000時間」案、変更の可能性も
勤務時間は通算、「アルバイトも含む」
 
レポート 2019年1月22日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会は1月21日の第17回会議で、前回に引き続き時間外労働時間の上限について議論した。前回厚労省が提示した「年間1900~2000時間」の案を作る根拠となった2016年の調査データについて、集計時にその後の「働き方改革」での議論による「自己研鑽」の扱いの変化などが考慮されていないことから、こうした要素を反映すれば「1920時間超えの医師が1割」とされた分析に変化が出るのでは、との提案が構成員から出された。厚労省は集計を見直した上で、上限案を提示し直す可能性も示した(資料は厚労省のホームページ、前回の議論は『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)。

「上限2000時間」案、変更も
 副座長で東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、2016年の「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」について、「そのときは勤務時間=労働時間で集計したと思う。1920時間以上が1割だったが、もしかしたらその値が減ってきているのではないか、勤務時間の分布として過大評価されているのではないか。可能であれば再集計して報告をいただければ参考になる」と提案した(『「大学病院こそ危機意識を持ち、10年後に960時間を目指す」と宣言を - 渋谷健司・東大教授に聞く』を参照)。

 厚労省医政局医事課医師養成等企画調整室室長の堀岡伸彦氏は、「データは当時の実態を表していたが、確かに自己研鑽の議論などがないまま勤務時間を取っていて、法的な労働時間とある程度乖離があるのは事実だ」と回答。調査結果のデータを精査し直す考えを示した。会議後、報道陣から精査した結果次第で上限案の変更があり得るかどうかを問われ、変更の可能性があるとの認識を示した。

 渋谷氏はまた、時間外労働の上限規制を加えることで、医療機関の機能分化や集約化が進む可能性もあり、地域医療構想に対して補完的に働くことも考えられると指摘した。

上限はアルバイトも含んだ時間
 青葉アーバンクリニック総合診療医の三島千明氏は、「複数の医療機関で働く医師も多く、アルバイトなどが勤務時間に含まれずに2000時間にさらに上乗せされるという懸念も広まっている」として、上限はアルバイトなども通算したものになるのかどうかを事務局に質問。厚労省医政局医療経営支援課長補佐の渡邊由美子氏は、「労働時間は複数勤務の場合は通算した時間で考える。2000時間にはアルバイトは含まれる」と答弁した。

 これについて、千葉大学医学部附属病院病院長の山本修一氏は、大学病院医師のほとんどがアルバイトをしている現状を指摘。「大学病院は病床当たりの医師の数が多い一方で、人件費が低く抑えられることで経営が成り立つ仕組みに、診療報酬上なっている。アルバイトに行かないで食べていける仕組みになるならいいと思う」と指摘。また、アルバイトの医師で地域医療が支えられているという側面もあるため、「アルバイトも上限に含むのは当然だが、アルバイトに出せなくなったらそれはそれで困る」とも述べた。

「2000時間働かせるわけではない」
 塩原公認会計士事務所特定社会保険労務士の福島通子氏は、「上限2000時間」の数字に対して「そこまで働かせるのか」などと批判が強まっていることについて、「上限規制についてこの検討会で議論してきたことをきちんと理解した意見や報道ではない。2000時間の労働を容認するかのような話になっているが、36協定で違反にならないための上限時間だ」と指摘。

 労働基準法で認められているのは1日8時間、1週40時間の勤務であり、それを超える場合は36協定の締結が必要で、時間外勤務は原則1カ月45時間、1年360時間まで。「これを超えて特別な事情があり、労使が合意した場合に、刑事上の責任を問わないということであり、決してそこまで働かせていいと言っているのではない。労働時間を短くする努力を全力でしなければならないのは当然のことだし、絵に描いた餅にならないよう計画をきちんと出させてモニタリングするのが大事だ」と述べた。

 事務局の職員らはこの発言中に何度も深くうなずいており、渡邊氏は「暫定特例水準で指定された医療機関に勤務する医師が、全てその水準の労働を許容されるということではない。福島構成員の説明がその点で非常に分かりやすく、事実関係を間違いなくご説明していきたい」と述べた。

 日本医師会副会長の今村聡氏も、「この検討会の詳細な議論が現場に理解されていない。なかなか難しい。前回迫井(正深)審議官の厚労省の意見表明もあったが、そういうものも現場に伝わっていない。勤務医の健康な働き方のためにはでき得る限り早く一般労働者と同じレベルまで下げていくのは絶対に必要だと思っている」と述べた。

上限近くにとどまりかねない
 自治労総合労働局長の森本正宏氏は、年間1920時間という数字は月に160時間の時間外労働を12カ月続けることを意味すると強調。「現在1割を超える医師がその勤務をしているという実態を踏まえて話しているわけで、大きく体制が変わらない限り、地域医療を守るために懸命に働いており、上限に近い数字にとどまることになりかねない。暫定特例水準の解消が2035年度末とあるが、こういった長時間労働の状態にある医師への対応を早急にして、解消するべきだ」と主張した。



https://www.medwatch.jp/?p=24470
カリキュラム制での新専門医研修、必要な単位数と経験症例を基本領域学会で設定―日本専門医機構 
2019年1月22日|医療現場から MedWatch

 今年度(2018年度)から全面スタートした新専門医研修は、「プログラム制」が原則となっていますが、専攻医の状況を踏まえて「カリキュラム制」(単位制)での研修も可能とされています。

 ここで言う「プログラム制」とは、「年次ごとに定められた研修プログラムに則って研修を行う仕組み」で、基幹施設と連携施設で研修施設群を作り循環型の研修が行われます。プログラム制を原則としている理由について、日本専門医機構では、これまでに「初めての基本領域の研修では、集中的に必要な標準治療を学ぶ必要がある」と説明。「国民に分かりやすく、質の高い専門医を養成する」という新専門医制度の基本理念に則ったものと言えるでしょう(関連記事はこちら)。

ただし、医師免許取得後に定められた医療機関での勤務が求められる自治医大出身の医師や、出産・育児・介護などで一時休職しなければならない医師では、このプログラム制に沿った研修が困難となります。厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」では、こうした医師でも新専門医資格を取得できるよう、「カリキュラム制」(単位制)による研修も可能とすることを強く要望していました(関連記事はこちら)(後に「医道審議会・医師分科会・医師専門研修部会」でも要望、関連記事はこちら)。ここで言う「カリキュラム制」(単位制)とは、期限の定めを設けずに研修を受け、基準を充足した時点で専門医資格取得を可能とする仕組みのことです。

日本専門医機構では、この要望等を踏まえ「カリキュラム制」(単位制)による研修も可能であることを、新専門医制度の根幹規定である「新整備指針」に明記(関連記事はこちらとこちら)。ただし、カリキュラム制(単位制)研修の仕組みが明確でなかったため、1月18日の理事会で「考え方」を決定。この「考え方」に沿って、各基本領域学会で「カリキュラム制(単位制)の詳細を定める」ことになりました。

1月21日に記者会見を行った日本専門医機構の寺本民生理事長は、「カリキュラム制(単位制)の考え方」について、次のように説明しました。
 
【カリキュラム制(単位制)の概要】
(1)基本領域学会が専門医資格取得に必要な「単位数」「経験すべき症例」を決める
(2)専攻医は「必要な単位」を、期間を定めず取得できる
(3)専攻医が「必要な単位」を取得し、症例を経験をした時点で当該基本領域学会と日本専門医機構が、「研修修了」の旨と「新専門医の受験資格」を認定する
(4)(3)の認定を受けた専攻医はプログラム制の専攻医と同様に、新専門医の筆記・面積試験を受験する
 このうち(1)の「単位」については、「フルタイムで換算した1か月間の医療機関勤務」を「1単位」とカウントすることが決まりました。「3年間」の研修プログラムを設定している基本領域では(3年間が最も多い)、カリキュラム制(単位制)を選択した場合、「36単位以上」(フルタイムで換算して36か月(=3年間)以上)の医療機関勤務が必要となります。育児等でフルタイムでの勤務が難しい場合、例えば「半日勤務」が続く場合には、フルタイムに換算した場合には「2か月」間の医療機関勤務が「1単位」となります。このため、カリキュラム制(単位制)での研修は比較的長期間になると想定されます。この点、「カリキュラム制(単位制)では研修の期限を定めない」こととなっているものの、日本専門医機構では「10年、20年といった長期間の研修は好ましくない(医療技術、標準治療のあり方が大きく変化してしまう)。常識的な範囲(5年、6年程度)で研修を終えてもらうことが必要」との考えも示しています。

 また(1)の「経験すべき症例」の詳細なども、各基本領域学会で定めることになります。

 
【カリキュラム制(単位制)の対象】
▽義務年限を有する医科大卒業生(自治医科大学卒業生など)
▽地域枠等の出身医師(やはり地域の医療機関での勤務が求められる)
▽出産・育児・介護等で休職離職する医師
▽ダブルボード(2つ目以上の新専門医資格を取得する)を希望する医師(すでに1つ目の新専門医資格取得において原則プログラム制での研修を受けている)
▽留学を希望する医師
▽その他、相当の合理的理由あると認められる場合(例えば、パワーハラスメントなどの被害を受けているなど、日本専門医機構と各基本領域学会に相談することになる)

 地域枠出身者や、既に妊娠し出産予定のある医師などは、「初めからカリキュラム制(単位制)を選択する」ことになりますが、研修の途中でカリキュラム制(単位制)へ移行することも可能です。前者については専攻医の登録システムの中で把握可能ですが、後者は現行システムでの把握が困難であり、現時点で「カリキュラム制(単位制)の希望者」がどの程度になるかは未知数です。今後、システム改修なども検討される見込みです。

 
寺本理事長は、カリキュラム制(単位制)の概要等について、「新整備指針」の改訂も視野に、関連規定に組み込むことも考えています。

なお、すでにカリキュラム制(単位制)での研修を受けている専攻医についても、可能な限り「考え方」に沿った研修を受けることが求められます。



https://www.medwatch.jp/?p=24481
2019年のGW10連休、都道府県ごとに必要な医療提供体制の確保を―厚労省 
2019年1月23日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 今上天皇陛下が今年(2019年)4月30日に退位され、皇太子殿下が5月1日に新たな天皇に即位されます。これに伴い、政府は4月27日から5月6日まで「10連休」とすることを決定しました(天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律)。

 この点、10連休における医療提供体制(とくに救急医療)の確保が重要となることから、厚生労働省は1月15日に通知「本年4月27日から5月6日までの10連休における医療提供体制の確保に関する対応について」を発出し、都道府県知事に対し、地域の医療関係者等と十分に協議・調整し、以下のように医療提供に支障のない体制を確保するよう求めています(厚労省のサイトはこちら(通知本文)とこちら(情報共有シート))。

(1)10連休において必要な医療対応が可能な体制を構築する

(2)2月中旬を目途に、「都道府県内の10連休における医療提供体制に関する情報」(▼二次救急に対応する医療機関▼三次救急に対応する医療機関▼精神科救急に対応する医療機関▼在宅当番医制度や休日夜間急患センター等の初期救急提供体制▼外来診療を実施する医療機関▼開局する薬局に関する情報―など)を、2次医療圏ごとの協議会や地域医師会・個別医療機関等への照会などを行い、各医療機関等の承諾を得た上で、把握する
10連休対応通知 190115の図表
 
(3)「都道府県内の10連休における医療提供体制に関する情報」を、10連休までに、「医療機能情報提供制度」「都道府県・市町村等の行政機関のホームページ」「広報誌」などを通じて、医療関係者や卸売販売業関係者、住民等に十分に周知する。この点、医療関係者・卸売販売業関係者に対する情報共有は可能な限り早期に行うとともに、医療提供体制の確保に万全を期すため、「病院群輪番制度」「在宅当番医制度」などに参画していない医療機関等の参画を促すことなどが必要である

(4)医療機関等と協議の上で、「『病床が満床となり患者の引受先が必要になる』などの事態が発生した場合に備えた対応方針」を予め定めておくよう、各医療機関等に求める

(5)「10連休中に行政機関や地域の医療関係者等の間で連絡を取ることができる体制」(処方箋に疑義が生じた場合等の連絡・相談体制等も含む)を確保しておく

(6)在宅医療を実施する医療機関に対し「10連休中に自施設が休診する場合、往診等の対応を行ってくれる医療機関」を確保できるよう、地域医師会を通じて事前に調整する

(7)在宅医療を実施する医療機関に対し、在宅患者へ「10連休中の自施設の連絡先」「自施設が休診時の対応先である医療機関の連絡先」を周知しておくよう指導する。特に、▼人工呼吸器▼酸素供給装置―等を使用する在宅患者には「当該機器の取扱事業者の連絡先」も併せて周知するよう指導する

(8)必要な医薬品、医療機器等が医療機関等に供給されるよう、医療機関等と卸売販売業者等との間で適切な情報共有・連携を図るよう、関係者に周知する



https://www.m3.com/news/iryoishin/655313
2019年度医学部入試、センター試験速報!
東京医大など不適切入試の影響は?偏差値・志望者 最新動向
 
レポート 2019年1月25日 (金)配信m3.com編集部

 駿台予備校とベネッセコーポレーションは1月23日、1月19、20日の大学入試センター試験に関する自己採点集計「データネット2019」(45万3777人分を集計、センター試験の志望者数の78.7%)や判定基準の偏差値順位、倍率などを公表した。受験生はこれらの結果などを参考に、最終的な出願大学を決め、2月6日までに出願する。国公立大入試はこの後、2月25日から二次試験を開始し、3月中旬までに中期試験、後期試験が行われる。

東医大は、センター利用枠の志望者6割減
 2019年度の医学部医学科入試動向としては、文部科学省が入試に関する調査で「不適切な事案」「不適切である可能性が高い事案」として公表した計10大学の志望者数が注目される。センター試験が影響するのは国立の神戸大と、私立大の中でセンター利用枠の定員を設けている東京医大、昭和大、福岡大、順大の計5大学だ。

 特に注目を集めている東京医大では、44人の追加合格を認めたため2019年度入試の定員枠を同数減らし(センター利用定員は15人以内⇒12人以内)、センター枠の志望者数が2018年度(407人)比で60.0%(244人)減の163人となった。

 他の私立大を見ると、昭和大(センター利用定員12人)の志望者数は、2018年度比37人減(10.5%減)の314人で、文科省による「不適切判定」の影響を受けた可能性がある。

 一方、福岡大(センター利用定員10人)は2018年度比1人増(0.2%増)の492人と、「不適切判定」による変化が見られなかった。センター利用枠が8種類ある順大では、2018年度は設けていなかった「後期センター利用」(同定員5人、2019年度志望者数74人)を除く7枠中、併用枠(同定員20人、同志望者数 42人減の249人)と埼玉枠(同定員15人、志望者数は2018年度比6人減の9人)の2枠で志望者数が減った。


表1 2019年度大学入試センター試験後の私立大学(医学部医学科)の志望者(合算)の状況 (表 略)

 神戸大(センター利用定員92人)は、志望者の倍率が2018年度比0.7ポイント減の3.5倍とやや落としたものの、合格可能性60%以上を示す「B判定基準偏差値」では計50の国公立大医学部医学科中10位(他の6大学と同率) で、上位を維持した。

国公立大医学部、最高倍率は旭川医科大が2年連続
 センター試験受験者のうち、計50の国公立大学(前期入試)が第一志望の人数は、2018年度比692人減の1万4195人。全体の倍率は0.15ポイント減の3.91倍となった(2019年度前期入試の定員は計3635人)。

 定員に対する志望者数が多く、高い倍率を示したのは、一桁程度の定員になっている「地域枠」等を除くと、最高は、前年度に引き続き旭川医科大(定員40人)の7.9倍(2018年度9.6倍)だった。次いで弘前大(定員50人)の7.6倍(2018年度6.9倍)、 横浜市立大(定員58人)の6.6倍(2018年度6.4倍)、秋田大(定員55人)の6.5倍(2018年度8.6倍)、宮崎大(定員50人)の6.5倍(2018年度7.0倍)などと続いた。

 一方、志望者数が定員に満たなかったのは、志望者が「0人」だった鳥取大・鳥取枠(定員5人)のほか、横浜市立大学・医療枠(定員17人)0.1倍、筑波大学・全国枠(定員10人)の0.3倍、横浜市立大学・診療枠(定員5人)の0.4倍となった。昨年は志望者数が定員に満たず倍率が0.3倍だった大阪市立大学・指定枠(定員5人)は1.2倍。

 2018年度よりも倍率が上昇した大学は、定員が少ない地域枠等を除くと、九州大、鹿児島大、熊本大、愛媛大、徳島大、福島県立医科大などの順。地域枠等だけで見ると、筑波大・茨城県枠、弘前大・定着枠、香川大などが高かった。

B判定基準ベスト5以下に変化
 B判定基準の偏差値順位では、1位の東京大から2位の京都大、3位の大阪大、4位の東京医科歯科大と、ベスト4は昨年と同じだったが、5位以下は変化。5位は九州大で昨年から1つ順位を上げた。6位は同率で昨年9位だった名古屋大、同7位だった東北大、同4位だった広島大、同11位だった大阪市立大と、4大学が並んだ。


表2 2019年度大学入試センター試験後の国公立大学(医学部医学科)第一志望者の状況(前期日程) (表 略)

表3 2019年度大学入試センター試験後の国公立大学(医学部医学科)第一志望者の状況(後期日程) (表 略)
【掲載データについて】
1)データは、駿台予備校とベネッセコーポレーションが運営する大学入試センター試験自己採点集計「データネット」の公表数値より抜粋。「B判定基準」が高い順に掲載。 2) 今年度のデータネットの集計数は453,777人であり、センター試験の志望者数に対する集計率は78.7%。 3)各大学の学部は、医学科を持つ学部の前期入試を対象に集計。東京大学については、理科三類を集計。 4)定員数については、一部の募集単位については「約」の数値のため、上下する可能性がある。 5) 判定の基準は、A=合格可能性 80%以上 B=合格可能性 60%以上 C=合格可能性 40%以上。 4) 「B判定基準」は各募集単位の個別学力検査の教科・配点で集計した判定値を表示。※センター試験のみの場合や個別学力検査で教科試験以外のみを課す場合は空欄。 5)第一志望者数、「B判定基準」(合格可能性60%以上)は、ベネッセがセンター試験後に実施する自己採点結果と志望大学調査(参加者数453,777人)を集計した数値。私立大は、第一志望以外の登録数も合算して掲載。

 私立大学の一般入試についても、「データネット」上で今後最新の出願状況などが順次公開されていく予定となっている。

私立大学医学部難易度(偏差値)一覧 (表 略)



https://www.m3.com/news/iryoishin/581264
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
日病会長、「医師は普通の労働者と違う」
産婦人科学会フォーラム、現状を議論
 
レポート 2018年1月22日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本産科婦人科学会は1月21日、東京都内で「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」を開催し、産婦人科医や弁護士らが産婦人科の現状や医師の働き方改革について議論した。講演した日本病院会会長の相澤孝夫氏は「今の働き方改革で本当にいいのか。医師も労働者だが、高度な『知識労働者』。普通の労働者とは違うことを強調しなければいけない」と述べ、医師の特殊性に応じた改革が必要だと強調した。

 相澤氏は、病院の職員は医師を筆頭に、ピーター・ドラッガー の言う「知識労働者」(英語でKnowledgeworker、日本で言う『プロフェッショナル』)であり、労働時間や病院に忠誠を誓うのではなく、成果や達成に対して忠誠心があり、知識・思考を生産手段として問題解決を行うことを生きがいとして仕事をするもの、との考えを披露。その中でも特に医師は高度な知識労働者であって管理を忌避し、成果を出すためには働きがい、やりがいを持って働けるようにすることが大事だと強調した。

 一方で社会的な風潮として労務管理の重要性が高まっている中で、日病会長として各病院を回り、人事部門に「時間外労働が80時間を超えた医師と話をしているか」などと尋ねても、「人事が医師の所へなんて行けない、と答えが返ってくる」と言い、医師に関する労務管理が難しい現状を明らかにした。時間外勤務時間が長くなる要因の一つである当直・日直については、「これを労働時間に入れられたら、(時間外勤務手当の支払いで)病院はお手上げだ」と指摘する一方で、当直明けの勤務の軽減などの対策はすぐにでもできると述べた。

川人弁護士、「5年間猶予は疑問」
 過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博氏は、東京都内の公的医療機関の産婦人科に勤務していた30代男性医師が2015年7月に自死し、2017年7月に労災認定された件を改めて紹介(『産婦人科後期研修医の自死、労災認定 代理人弁護士「産婦人科医療がそうさせている」』を参照)。その上で、医師の働き方改革に向けて次のような提言をした。

 まず、「とりわけ過労死が出るのは建設業、運送業、そして医師ら医療従事者で、上限規制の例外を設けるのはおかしい。罰則付き上限規制を5年間猶予するのははなはだ疑問だ」と述べ、医師についても労働時間規制をしっかりとかけることを主張。また、医師の増員や医師以外でもできる業務の移譲、応召義務の削除または軽減のほか、「(時間外に説明を求めるなど医師の負担が大きい事例で)患者を聖域に置かずに 適切な対応をすること」や、「医療事故・訴訟に関連するストレスをいかに軽減するか」、「『俺たちの若い頃は…』などと言って長時間勤務を正当化するような医療機関側の意識の改革」などを挙げた。

 総合討論では、川人氏が改めて、「産婦人科は国家的な要請のある分野だ。診療報酬を改善し、産婦人科をやることが医療機関の安定につながるよう学会から厚生労働省に求めてはどうか」と提言。また、診療科の偏在を解消するためには、ある程度、誘導するような制度も必要との見解を示した。

 フロアからは、横浜市立大学の医師が「働き方改革をする前提として、医師は自分がどういう雇用条件で働いているのか、知らないケースが多すぎると思う。そこから始めないと、問題点すらあぶり出されてこない」と提案。宮崎県の県立病院医師が「産婦人科ってこんなに優遇されているよと若手に話しても、興味を示さない。就業の自由をあまり縛るのもどうかと思うが、ある程度国家政策として、数そのものを増やすことも含めてやってほしい」と述べた。

 最後は相澤氏が「『お上がそう言うならそうなのか』という感じで、こうしてほしいというようなことを医療界からあまり言ってこなかった。あれができない、これができないと言うばかりでなく、何をやっていけばいいのか議論して変えていくべきだと考えている」と総括した。



  1. 2019/01/27(日) 09:24:29|
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