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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月18日 

https://digital.asahi.com/articles/ASLCD3SLDLCDUBQU001.html?rm=851
病院統合、進まないワケは 医師不足背景、大学が提案
倉富竜太2018年11月12日14時00分 朝日新聞

 地域の病院への常勤医の派遣などで、筑後地方の医療の中核を担う久留米大(久留米市)が、近接する二つの自治体病院に統合を提案している。医師不足が深刻になっており、統合すれば限られた人材を集中的に派遣できるようになる。だが、経営状態の違いもあって、話は進んでいない。

地域医療支える公立病院減少、統合や民間譲渡で存続図る

 2016年10月17日付で1通の文書が出された。差出人は久留米大の学長と医学部長。送り先は公立八女総合病院(八女市、300病床)を運営する八女市、広川町と、筑後市立病院(筑後市、233病床)を運営する筑後市のそれぞれの首長、議長だった。

 両病院に多くの常勤医を派遣している久留米大は「近い将来、両病院での診療の維持が困難になり、地域に大きな迷惑をかけることになる」と指摘。その上で、両病院が統合して400病床以上の新病院になるよう提案した。

 内村直尚医学部長は「数年前から、診療科によっては、派遣する医師の人数を減らしたり、中止したりせざるを得ない状況になっている」と事情を語る。

 2004年に始まった「新医師臨床研修制度」の影響が大きいという。同制度の導入で、医師免許取得後の2年間の研修先が自由に選べるようになった。それまで卒業した大学の病院に残るのが一般的だったが、最新の医療設備を持ち、生活も便利な都心部の大学や大手病院に研修医が集中するようになった。

 実績を反映して決まる研修医の定員は、久留米大は04~06年度が108人だったのが、15年度は42人、来年度は41人にまで減る。

 一方で、筑後市立病院の診療科は20、公立八女総合病院は31。診療科の多くが重なっているという。久留米大から派遣している医師の数は、公立八女総合病院が常勤医47人のうち43人、筑後市立病院が常勤医33人のうち30人だ(いずれも10月1日現在)。

 研修医が減ることで、大学側に余裕がなくなり、これまでのように医師を派遣することが難しくなっているという。「両病院は距離も近い。統合すれば1カ所に優秀な医師を派遣できる」と内村医学部長は語る。

 ログイン前の続き久留米大の提案に、公立八女総合病院は前向きだった。経営状況はよくなく、14~16年度は毎年7億円前後の赤字が続いた。

 一方の筑後市立病院。11年に独立行政法人化し、黒字経営が続く。今年7月、筑後市の西田正治市長は八女市の三田村統之市長に、現状での統合は難しいと直接伝えた。公立八女総合病院の経営状況や、筑後市立病院を建て替えた際の債務が残っていることが理由だったという。

 公立八女総合病院をともに運営する広川町は昨年9月、民間への譲渡を八女市に提案したという。だが、三田村市長は今年9月21日、市議会全員協議会で、八女市単独でも公立病院として維持する考えを明らかにした。「民間病院は民間企業と一緒ですから、運営が厳しくなった時に切り捨てられる可能性がある。市独自で再整備し医療設備を充実することで、久留米大も協力してくれると思う」

 静岡県では13年、掛川市立総合病院(450床)と袋井市立袋井市民病院(400床)が統合し、「中東遠総合医療センター」(500病床、掛川市)になった。同センターは「両市立病院に多くの医師を派遣していた名古屋大と浜松医大の医師不足が影響した」と背景を説明する。二つの病院が統合し、最新の設備を備えることで、医師が確保しやすくなり、13年では93人だったのが、今年4月で121人になったという。

 久留米大による統合提案から2年が過ぎたが、こちらの話は進んでいない。内村医学部長は「10年後の地域医療を見据えて統合を提案した。関係者の協議の場が設けられたら、今後の厳しい状況が理解してもらえると思っています」。

 地域医療に詳しい城西大経営学部の伊関友伸教授(行政学)は、「研修体制が充実し、ある程度の規模がなければ医師は集まらないし、勤務したがらない」と話す。病床数が1千を超える久留米大病院や聖マリア病院がある久留米市内から車で約30分圏内に両病院がある点を踏まえ、「統合しなければ、患者を奪い合って、共倒れになる可能性もある」とも指摘する。「自治体によって事情はあるだろうが、新たに400病床規模になることで、魅力を感じた若い医師が集まる」と話す。



https://www.medwatch.jp/?p=23391
医師の健康確保、「労働時間」よりも「6時間以上の睡眠時間」が重要―医師働き方改革検討会
2018年11月12日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師の健康を確保するためには、「労働時間の短縮」よりも「睡眠時間の確保」が重要である。このため、「連続勤務時間制限」と「インターバル規制」をセットで実施することが重要である―。

 11月9日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)で、順天堂大学医学部公衆衛生学講座の谷川武教授からこういった報告が行われました。医師の働き方改革に向けて、極めて重要な報告と言えます。
 
ここがポイント!
1 睡眠時間確保に向け、連続勤務の制限や勤務間インターバル、振替休暇などをセットで整備せよ
2 医療提供体制の確保も考えれば「タスク・シフティング」が不可欠
3 育児休業を取得できない最大の理由は、育児休業制度の「未整備」

睡眠時間確保に向け、連続勤務の制限や勤務間インターバル、振替休暇などをセットで整備せよ

 安倍晋三内閣の進める「働き方改革」の一環として、勤務医も「罰則付き時間外労働規制」の対象となります。ただし、医師には応召義務が課されるなどの特殊性があるため、「医療界の参加の下で検討の場(検討会)を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る」こととされました。

検討会では、単に労働時間を規制するのみでなく、勤務環境の改善などさまざまな角度から「医師の働き方改革」を検討することが重要と考え、来年(2019年)3月の報告書取りまとめに向けて、次の3分野を併行的かつ統合的に議論していくこととしています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

(1)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿(▼国民の医療のかかり方▼タスク・シフティング等の効率化▼医療従事者の勤務環境改善—など)
(2)働き方改革の検討において考慮すべき、医師の特殊性を含む医療の特性(応召義務など)
(3)医師の働き方に関する制度上の論点(▼時間外労働の上限時間数の設定▼宿日直や自己研鑽の取扱い―など)
 
 11月9日の検討会では、(1)のうち「医療従事者の勤務環境改善」に焦点を合わせ、我が国の睡眠医学の第一人者である谷川教授から「エビデンスに基づく医師の健康確保措置」について発表が行われました。

 谷川教授は、▼外国の研究結果▼厚労省のタイムスタディ調査結果の解析―をもとに、医師の健康確保にあたっては、労働時間の短縮よりも「睡眠時間の確保」(6時間以上)が重要と訴えました。例えば、厚労省のタイムスタディ調査を解析したところ、「高ストレス・抑うつ」の割合は、就労時間が「60時間以上」と「60時間未満」との間で、また「80時間以上」と「80時間未満」との間で有意な差は見られませんが、睡眠時間については「6時間以上」に比べて「6時間未満」では有意に増加するのです。この結果からは、「医師のストレスや抑うつには、労働時間の長短は関係ない」「睡眠時間が6時間未満になると、ストレスが高く、抑うつ状態になりやすい」ことが分かります。

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 また、夜勤等で「短時間の仮眠→救急対応などの業務→短時間の仮眠」等を繰り返すケースでは、合計の睡眠時間こそ確保していても、睡眠時無呼吸症候群と同じように「質の良い睡眠」は確保されません。

さらに、慢性的な睡眠不足となると、「主観的な眠気は感じないものの、客観的な覚醒度は低下する」という研究結果も報告されました。
 
 ところで、長時間労働の中には、▼「やりがいを持っている」ケース(ワークエンゲイジメント)▼「強迫的に働いている」ケース(ワーカホリック)—とが混在していると谷川教授は指摘します。労働者自身では、両者の峻別が困難なこともあり、例えば産業医が面談するなどして両者を峻別し、後者のワーカホリックでは「業務停止を促し、リカバリーする」ことなども重要となってくるでしょう。
 
こうした点を総合し、谷川教授は、医師の健康を確保するために、▼「連続勤務時間の上限」と「勤務間インターバルの確保」(例えば米国では8時間のインターバルが必須で、10時間以上が望ましいとされている)をセットで実施する▼振替休暇などの仕組みを導入する▼医師が面談などを行い、客観的に「睡眠不足である」旨などを示すとともに、必要があれば就業制限などを提案する―という施策を組み合わせて実施することが重要と提案しています。

 検討会委員からは、谷川教授の発表に対し「感銘を受けた」「自身の経験に照らして納得できる」との意見が数多く出されました。「時間外労働の上限規制」は、そもそも勤務医も含めた労働者の健康確保が目的です。この点、「労働時間の短縮では、健康は確保できない」ことが確認されたと言え、今後、「時間外労働の上限」(医師の特例)だけでなく、セットで実施すべき方策(連続勤務時間の上限やインターバルなど)も併せて検討していくことになるでしょう。

もっとも、救急医療を始めたとした「医療提供体制の確保」との両立も、極めて重要な視点です。ただちに「全勤務医に勤務間インターバルを●時間確保しなければならない」となった場合、現在の医療提供体制を維持するには「医師の増員」が不可欠です。しかし、慢性的な医師不足地域で、新たな医師を確保することは極めて困難です。そのためには、例えば「病院の統合・再編」によって医師1人当たり負担を軽減することなども重要な選択肢になってくることでしょう。今後の具体策検討論議が注目を集めます。

医療提供体制の確保も考えれば「タスク・シフティング」が不可欠

前述のとおり、「連続勤務時間の制限」などを実現した上で、医療提供体制を確保するためには、「医師の増員」が必要となってきますが、地方では慢性的な医師不足状態と指摘されています。このため検討会では「タスク・シフトティング」にも注目が集まっています。医師は、「医師免許保持者でなければ実施できない」業務に集中し、他職種でも可能な業務は、他職種に移管していく、というイメージです。

例えば長時間勤務の代表例ともされる外科医では、▼手術▼自己研鑽(症例検討など)—を他職種に移管することは困難なため、例えば「ICUや病棟での管理」「外来業務」「当直待機」などについて、どの部分を他職種に移管できるかを具体的に検討していく必要があります。
 
この点については、例えば「特定行為研修を修了した看護師」(一定の医行為を医師・歯科医師の包括的指示の下で実施可能)の活用などが、さらに重要になってきます。関連して委員からは▼業務の標準化(工藤豊構成員:保健医療福祉労働組合協議会事務局次長)▼医師の指示なく一定の医行為を実施できる「診療看護師」の検討・創設(山本修一構成員:千葉大学医学部附属病院院長、国立大学附属病院長会議常置委員長)属人性の高い業務は移管が極めて困難)▼各職種の業務内容の精査とタスク・シフティングの可能性の検討・検証(岡留健一郎構成員:福岡県済生会福岡総合病院名誉院長、日本病院会副会長)—などを求める声が出ています。

タスク・シフティングについては、すでに今年(2018年)2月に検討会が「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」をまとめており、そこでは▼初療時の予診▼検査手順や入院の説明▼薬の説明や服薬指導▼静脈採血▼静脈注射▼静脈ラインの確保▼尿道カテーテルの留置(患者の性別を問わない)▼診断書等の代行入力▼患者の移動―などの業務は、原則として他職種に移管し、医師が行うべきではない、との考えが明確にされています(関連記事はこちら)。
 
もっとも、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の調査(2018年5・6月に実施)では、こうした緊急的な取り組みの実施は、▼一般病院では26.8%が実施済で、33.7%が実施予定▼大学病院では30.3%が実施済で、55.7%が実施予定―などにとどまっており(関連記事はこちら)、さらに積極的な姿勢が期待されます。

厚労省では、「緊急的な取り組み」をさらに推進するとともに、▼「時間」を意識した医療機関運営▼タスク・シフティング、タスク・シェアリング(業務の共同化)、国民の医療のかかり方、医療機関の機能分化・連携▼医療提供の維持(縮小を招かないように)—などを更なる検討課題に掲げています。

育児休業を取得できない最大の理由は、育児休業制度の「未整備」

なお、関連して女性医師支援策として厚労省は、▼院内保育・病児保育などの整備▼育児休業を取得できる環境の整備▼出産や育児における休暇を取得できるよう、新専門医制度における「カリキュラム制」の整備(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)▼外来における「オンライン診療」の進展などを踏まえた、「入院におけるICT活用やチーム医療推進」などの検討▼男性の育児参加推進―などを今後の論点として掲げました。

この点、日本医師会の2015年調査では、女性医師が育児休業を取得しなかった最大の理由(35.5%)として「育児休業制度が整備されていない」という驚愕の結果が出ています。
 
1995年より全事業所で「育児休業」制度を整備することが義務付けられています。零細事業所等で未整備なところがあると聞きますが、病院においては、その社会的役割等にも鑑み、早急な整備が必要でしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/640852
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
医師の働き方「死んだら元も子もない」
順大教授プレゼン、睡眠確保に留意した負担軽減策が必要

レポート 2018年11月11日 (日)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は11月9日に第11回会議を開催し、勤務環境改善策について議論した。順天堂大学医学部公衆衛生学講座教授の谷川武氏のプレゼンテーションでは、慢性的な睡眠不足状態にある場合には脳・心臓疾患やストレス反応、抑うつ度は睡眠と有意に関連があるなどの研究を紹介。「労働自体は医師にとっては楽しいことが多く、ついついやり過ぎてしまう。だが、働き過ぎて死んだら元も子もない。せめて睡眠だけは確保しようということだ」と述べ、連続勤務時間の制限やインターバル規制などで睡眠時間確保に留意した健康確保措置が必要だと訴えた(資料は、厚労省のホームページ)。


 谷川氏は、厚労省が2017年から2018年にかけて行った病院勤務医の勤務実態調査(タイムスタディ調査)によれば、当直時でも一睡もできないことは稀で、一定程度は眠れていることが多いことを改めて紹介。一方で、米国で行われた、ディスプレイに数字が表示されたらボタンを押して反応速度を測り、客観的な「覚醒度」を調べる調査で、睡眠8時間未満、6時間未満、4時間未満、全く眠らせない群の順に反応速度は悪くなり、「覚醒度」が低下し続ける一方で、主観的な「眠気」はそれほど強くならないとの結果が出たことを説明。「全く眠らせない場合は眠気が強くなるが、4時間未満や6時間未満などの場合は慣れてしまい、『軽い眠気を感じている』程度にしか思わない。これは非常に大事なポイントだ。多くの医師は『まだいける』と思いながら無理を重ねている」と述べた。

 2017年の「国民健康・栄養調査」(医師に限らない調査)では、40代と50代で男性、女性ともに睡眠時間5時間未満が10%を超えており、「これは恐ろしいことだ。なんとか6時間睡眠を確保できるような方策が必要だ。6時間未満のときには次の日になるべく7時間寝るなどの振り替えをやることが大事だ」と強調した。

 さらに、谷川氏は、北里大学一般教育部人間科学教育センター教授の島津明人氏の研究を紹介した。そこでは、「活力」「熱意」「没頭」の三つの尺度で、仕事に積極的に向かい活力を得ている状態を評価する「ワークエンゲイジメント」という考え方が示され、谷川氏は「I want to work なのか、I have to work なのか。ワークエンゲイジメントとワーカホリックとを峻別しなければいけない」と述べた。

 岩手県立久慈病院副院長の遠野千尋氏は、外科医である自身も睡眠が5~6時間程度で、「谷川先生のお話の通りの生活をしている」と述べた上で、地方の病院では医師確保が難しいことから、勤務と次の勤務のインターバル(間隔)が取れず、取ろうとすれば「予定手術をこれまで2件行っていたところが1件になる。地域では難しい」と懸念を示した。日本医師会副会長の今村聡氏は、医療以外でも業種によって特別なルールがある場合もあり、「医師の特性を考えて、法制上位置付けるのが大事だ。医療は不確実性が大きく、それを前提に休暇を別途取らせることが必要だ」と述べた。

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は、「時間外勤務の規制がこの検討会の『一丁目一番地』だと思っていたが、インターバルも大事だ。現場と齟齬がないような案を事務局が出していただけないか」と提案。東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏は、医師の睡眠の取り方が、まとまった時間よりも細切れである場合が少なくないことから、「睡眠の総時間よりも、細切れであることをどう考えたらよいか」と谷川氏に質問。同氏は、「細切れの睡眠を集めてもうまくいかない。非常に良くない。どこかでしっかり取らないといけない」と回答した。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111702000128.html
医学部長会議が入試規範 来春新入生対象に性や年齢差別除名も
2018年11月17日 朝刊 東京新聞

 医学部を置く国公私立の大学が参加する「全国医学部長病院長会議」は十六日、性別や浪人年数、年齢といった属性により、医学部入試の合否判定で扱いに差をつけることは認められないとする規範を公表した。強制力はないが、これに反する行為が判明した場合は同会議からの除名を含む処分の対象にし、来春の新入生を対象とした入試から適用するとした。

 医学部入試を巡っては、文部科学省の緊急調査で複数の大学で不正が疑われている。

 女子に不利な合格ラインを設定した疑惑が浮上している順天堂大は、同会議の規範を踏まえて医学部入試に関する見解を示すとしており、各大学の対応や今後の入試運用の指針となりそうだ。

 作成に当たった嘉山孝正・山形大医学部参与は記者会見で「常識的な内容。各大学に守ってほしい」と述べた。

 規範では(1)国民から見て公平であること(2)良い医療人になり得る人材を確保すること-の二つの尺度でルールを整理。これに反する入試運用は「国民の理解が得られない」との考えを示した。

 全ての入試で、性別で一律に合否判定基準に差異を設けることや得点操作をすることは許容されないと規定。一般入試では、浪人年数や年齢も同様の対応を求める。

 愛校心や意欲の高さを理由に設定する大学があるとして、卒業生の子弟枠を許容し、選抜方法を入試要項に明記し、国民の容認を得るよう求めた。推薦入試枠も評価基準の明示を求めた。

 不足地域での医師確保のために設けられた「地域枠」に関しては、自治体と地域医療に必要な人材を協議する必要があるため、入試要項に記載すれば、年齢で差をつけることも認める。

◆文科省は大学名公表を
 医学部のあるほぼ全ての大学が入る「全国医学部長病院長会議」が規範を作ったことは、長年不適切な入試を正当化してきた大学に、公正さを示す意味で評価できる。大学側の感覚が一般と乖離(かいり)していることが明らかなためだ。昭和大は不正操作を公表した際、「文科省や社会の皆さまとの理解が違った」と釈明した。一方、規範には強制力がなく、同会議に調査権限もない。小委員会の嘉山孝正委員長は会見で「除名処分は重い」「これを平気で破る学校はないと信じている」と述べたが、実効性に疑問は残る。

 また、十二月に一般入試の出願が始まり受験シーズンが本格化するが、入試不正を知り動揺する受験生への配慮は進んでいない。大学側の自主的な公表に期待するとして、文科省が不正をしていた疑いの強い大学名をいまだに公表しないためだ。順天堂大学のように規範ができてから不正への見解を示すと決めた大学もあり、自主公表は進んでこなかった。

 文科省は、今回の規範を「各大学が入試方法を判断する指標になる」と歓迎するだけでなく、自ら指導力を発揮するべきだ。 (原尚子)

<医学部の不正入試> 文部科学省の私大支援事業を巡り、同省の佐野太前科学技術・学術政策局長(59)=受託収賄罪で起訴=が東京医科大に便宜を図る見返りに息子を合格させてもらったとする贈収賄事件をきっかけに発覚。東京医大は特定の受験生への不正な加点のほか、女子や長期浪人生を得点操作で実質減点していた。昭和大も現役・1浪の受験生や卒業生親族の優遇を認めた。文科省は全国81大学の入試を緊急調査し、63校で過去6年間における女子の合格率が男子を下回っていたとの速報を公表。今年末までに調査結果をまとめる方針。
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https://www.medwatch.jp/?p=23474
検体を紛失等してしまい、「病理検査に提出されない」事例が頻発―医療機能評価機構
018年11月15日|医療・介護行政全般 MedWatch

 検査のために患者の組織など(検体)を採取したが、検体を紛失したり、破棄してしまったため、病理検査に提出されなかった―。

 こうした事例が、2014年1月から2018年9月までに19件も報告されていることが、日本医療機能評価機構が11月15日に公表した「医療安全情報 No.144」から明らかになりました(機構のサイトはa href=”http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_144.pdf” target=”_blank”>こちら)。
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再度の検体採取は患者に大きな負担、再採取できないケースもあることに注意

 日本医療機能評価機構は、全国の医療機関(国立病院や特定機能病院等については義務づけ)から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故に至る前に防いだが、ヒヤリとした、ハッとした事例)を収集し、その内容や背景を詳しく分析したうえで、事故等の再発防止に向けた提言等を行っています(医療事故情報収集等事業、関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。また事故事例などの中から、とくに留意すべき事例等を毎月ピックアップし、「医療安全情報」として公表し、医療現場に注意を促しています(最近の情報はこちらとこちらとこちら)。11月15日に公表された「No.144」では「病理検体の未提出」がテーマとなりました。

 ある病院では、骨生検の後、医師が病理検体とラベルを病棟看護師に渡しましたが、看護師は病理部の受付時間が過ぎていたことから、その検体を病棟で保管することにしました。しかし、そうした検体の置き場所が定められておらず、行方不明になってしまいました。1か月後に医師が骨生検結果を患者に説明する予定でしたが、結果が出ていないことから「病理検体が提出されていない」ことに気付いたといいます。
 
 また別の病院では、下垂体腫瘍摘出術を施行する場合、通常は「摘出した腫瘍を脳神経外科医師が病理検査に提出する」手順をとっていましたが、検体を処理する医師が手術室にいないことがありました。手術後に、器械出し看護師が執刀医に「腫瘍の処理」を確認したところ、執刀医は「すでに検体が病理検査に提出されている」と思い込み、「破棄してよい」と伝えました。看護師は、腫瘍を破棄してよいか疑問に思ったものの、すべて破棄。1週間後に、医師が「検査の結果が遅れている」と思い、問い合わせたところ、病理検査に提出されていないことが判明したといいます。

 患者の疾患・状態等を把握するために検査を行ったものの、その検体を滅失してしまっては意味がありません。再度の検査は患者の身心に大きな負担となります、上記の後者事例に至っては「再検査は不可能」なため、別の手法を取らなければなりません。

 こうした事態は、例えば▼手術終了時に病理検体の有無、個数、組織名を確認する▼病理検体の置き場所を(病棟内で)定め、検体提出手順を作成する―といったルールを明確にし、かつそれを遵守することで確実に防止できます。

 各病院において、自院において「ルールがそもそも定められていない」「ルールに不明確な部分がある」「スタッフ全員が適切に認識していない(1人でも認識していないスタッフがいれば意味はない)」「認識はあるが遵守されていない」といった事態が生じていないか、改めて確認する必要があります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642166
地域医療支援病院、「2つの機能」追加に向け議論開始
中川日医副会長「一定の役割を終えたのではないか」との指摘も

レポート 2018年11月16日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は11月16日の「第15回特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」(座長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)に、地域医療支援病院の見直しの方向性として、(1)地域でかかりつけ医等を支援するために必要とされる機能、(2)医師少数区域等を支援する機能――という2つの機能追加を提案した。承認要件とするか、通知等で努力義務規定とするかは未定。

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(2018年11月16日「第15回特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」資料)

 今年の医療法改正で、医師確保対策として「医師少数区域等での勤務経験を厚労大臣が評価、認定」し、そのインセンティブとして「認定医師等を、地域医療支援病院の一部の管理者とする仕組み」が創設された。(2)はその関連で議論が必要な機能。ただ、構成員からは、これら2つの機能にとどまらず、地域医療支援病院に関する根本的な議論を求める声が相次いだ(資料は、厚労省のホームページ)。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「(1997年の第3次医療法改正時の)設立の趣旨から考えて、地域医療支援病院は、一定の役割を終えたのではないかと思う。地域医療支援病院だけを取り上げて、『こうあるべき』などと議論するのではなく、地域医療構想の中で、どんな役割を果たすべきかを、一度、立ち止まって考えてはどうか」と提案した。地域医療支援病院の開設主体は、国公立、公的、民間のいずれもある。地域医療構想では、公立病院は「新公立病院改革プラン」、公的医療機関等は「公的医療機関等2025プラン」をそれぞれ策定し、調整会議で議論することから、「地域医療支援病院の機能は、他の公立・公的医療機関と、求められるものと同じ」であることをその理由として挙げた。「地域医療支援病院になることが、ステータスになる時代もあったが、冷静に考えると、現状ではそうではない」(中川氏)。

 政策研究大学院大学教授の島崎謙治氏も、昨年末にも本検討会で地域医療支援病院について集中的な議論をしたとし、厚労省提案の2機能の追加に限って議論するのか、既存の4つの承認要件も含めて一体的に議論するのか、疑問を呈したほか、診療報酬上での評価の在り方も射程に入れて議論していくべきだとした。

 日本病院会会長の相澤孝夫氏も、「地域医療支援病院は、病診連携を強め、地域医療を強化する目的でスタートしたが、病診連携は当たり前のことになった。今は増加する高齢患者の医療をどうするかが課題であり、そこを議論しないで旧態依然の地域医療支援病院を手直しする程度では、だめだと思う。抜本的に議論しないと、余計に変な方向に行ってしまう」と懸念を呈し、地域にどんな病院が必要で、どのように連携していくかなどを抜本的に考えることを求めた。

 健康組合連合会理事の本多伸行氏は、「中川氏から、地域医療支援病院が形骸化しているという指摘があった。地域医療支援病院によって機能にばらつきがあり、都市部と人口が少ない地域の地域医療支援病院が同じか、という疑問もある。類型化を考えているのか」と質問。厚労省医政局総務課は、「類型化は、医療法改正の医師少数区域等を支援する機能との関連で検討する課題。それ以外についても、今日いろいろ意見が出たため、整理する」と回答した。

 厚労省医政局総務課長の北波孝氏も、「昨年末に集中的に議論した内容を基に、議論を進めたいという姿勢に変わりはない」と説明。厚労科研で、「地域医療支援病院等の医療提供体制上の位置づけに関する研究」(研究代表者:伏見清秀・東京医科歯科大学)を2017年度と2018年度の2カ年にわたり実施している。本検討会は、2018年度の研究で行う調査結果がまとまる2019年3月以降に議論を深め、2019年夏に取りまとめを行うスケジュールを予定している。「3月まで検討会を開催しないわけではなく、必要に応じて日程調整し、深めるべき論点はあると思う」(北波課長)。

 16日の検討会では、厚労科研の調査票についても議論。本調査は、地域医療支援病院が担うべき4つの機能(紹介患者に対する医療の提供、医療機器の共同利用の実施、救急医療の提供、地域の医療従事者に対する研修の実施)の現状を浮き彫りするのが目的。対象は、都道府県と全地域医療支援病院。

 「同じ構想区域で、(公立・公的が多い)地域医療支援病院と民間病院の機能が競合していないか、調整会議で議論しているかなどについて、自由記載欄を設けて聞いてもらいたい」(中川氏)、「医師の派遣について、どんな機関と連携しているのかなどが分かればありがたい」(本多氏)、「紹介率、逆紹介率だけでなく、地域医療支援病院がどんな施設と連携し、ネットワークを組んでいるかが重要」(相澤氏)、「都道府県だけでなく、医師会を対象とした調査も加えてもらいたい」(産業医科大学教授の松田晋哉氏)などの意見が出た。研究班では、これらの意見を踏まえ、調査票を作成、12月にも発送予定。

 沖縄県立中部病院と茨城県にヒアリング

 地域医療支援病院である沖縄県立中部病院と、人口当たりの医師数が全国46位の茨城県へのヒアリングも実施。沖縄県立中部病院は「島医者養成プログラム」などで、離島医師の育成と派遣への取り組みの現状を紹介。茨城県は、筑波大学の地域臨床教育センターである県立中央病院や、同大の地域医療教育センターである総合病院水戸協同病院からの地域への医師派遣の取り組みなどを説明した。

 沖縄県立中部病院に対して、中川氏は、「発表はすばらしいが、地域医療支援病院だからできたのではなく、医師や県の行政が熱心だったからこそ可能なのでは」と述べ、「今後も地域医療支援病院であることが必要なのか」、「地域医療支援病院と民間病院の機能が競合していることはないか」などと質問。

沖縄県立中部病院副院長の玉城和光氏は、「地域医療支援病院であるべきかどうかは難しい」と述べ、離島支援は、同病院が5、6割が担い、他は琉球大学、県内の臨床研修病院、本州からの沖縄県勤務希望医師などで対応していると説明。地域医療構想の調整会議での議論については、「県の方からも必要なものに特化すべきという話が出ているが、どの機能をどこに集約すべきかという話はできていない」とした。
 日本医療機能評価機構専務理事の上田茂氏は、茨城県の9医療圏のうち、2医療圏には地域医療支援病院がない一方、水戸医療圏には4施設あることについて、「役割分担をしながら、機能しているのか」と質問。

 茨城県保健福祉部医療政策課長の須能浩信氏は、2医療圏については、開業医が少なく、紹介率、逆紹介率が低いことから、地域医療支援病院になれないと説明。水戸医療圏については、4カ所の地域医療支援病院、水戸協同病院など複数の施設があり、「どの病院も、建て替えの時期を迎えている。県立中央病院と水戸協同病院以外は、大学の後ろ盾がないので、再編統合も視野に入れて議論を進めている」と答えた。

 中川氏は茨城県が公立、公的病院を中心に議論しているように映るとし、地域医療構想調整会議の議論の様子を聞いたほか、「水戸協同病院が地域医療支援病院になりたくてもなれないと言うが、なぜなりたいのか」と尋ねた。

 須能氏は、「新公立病院改革プラン等は、全ての対象医療機関が策定し、今、構想会議で議論をしている。半数以上のプランが合意をされた」と説明。さらに医療資源が少ない地域では、公立、公的病院中心にならざるを得なかったとし、「公立、公的病院しか担えない医療をやるということで議論が進んでいる」とした。水戸協同病院が地域医療支援病院を目指す理由については、「やはり大きいのは、“看板”という部分と、診療報酬の点数が高い、ということだと思う」と述べた。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20181116140714
地域医療支援病院に医師少数区域の支援機能追加
厚生労働省が検討会に提示

2018年11月16日 14:45 CB News

 厚生労働省は16日、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」に対し、地域医療支援病院の見直しに関する方向性を示し、医師少数区域を支援する機能を追加することを論点の一つに挙げた。今後、地域医療支援病院の医師派遣や地域医療との連携などに関する調査を行い、2019年夏ごろまでに議論を取りまとめる見通しだ。【新井哉】

 地域医療支援病院については、▽紹介患者に対する医療の提供▽医療機器の共同利用の実施▽救急医療の提供▽地域の医療従事者に対する研修の実施―を「主な機能」として求めており、「紹介患者中心の医療を提供」「原則として200床以上の病床」などが承認の要件となっている。

 今回の機能追加は、医療法改正による医師少数区域で勤務した医師を評価する制度の創設を踏まえた措置。地域医療支援病院の管理者については、医師少数区域などでの勤務経験を厚労相から評価された「認定医」であることが要件とされている。

 この日の検討会の会合で、厚労省は「医師少数区域等を支援する機能を有する地域医療支援病院の類型を設けてはどうか」と提案。具体的な支援機能として、医師少数区域などの医療機関へ医師を派遣したり、地域の医療機関に技術的な助言(24時間対応)を行ったりすることなどを挙げた。検討会の構成員からは、調査の方法などに関する質問や指摘などがあったが、明確な反対意見は出なかった。



https://www.yakuji.co.jp/entry68578.html
【日本イーライリリー】日本初の訪問型治験開始‐医師が患者宅で検査
2018年11月16日 (金) 薬事日報

高齢患者に機会を提供
 日本イーライリリーは、医師が治験に参加した患者の自宅を訪問して検査を行い、治験による治療効果を確かめる日本初の訪問型治験を開始した。急性期から慢性期に回復した患者が病院を退院し、在宅での訪問型医療・介護が日本で増えることが予想される中、治験でも患者が来院して行う検査を在宅で対応可能なものについて、訪問型治験に転換させることで、高齢患者などに治験の参加機会を提供する。現在、中枢神経系疾患領域を対象とした第I相試験を実施中で、今回の結果を踏まえ後期開発相試験への拡大や、将来的にはオンライン診療やデジタル技術を組み合わせたバーチャル治験の実装も検討する構想もある。

 都道府県が策定する地域医療構想により、回復期・慢性期患者に対する訪問型医療・介護のニーズが高まるものと見られており、2025年には日本全体で約100万人が訪問型医療の対象となる見通し。こうした医療環境の変化を踏まえ、同社では地域の訪問看護センターなどに日本の訪問医療の実施状況に関する調査を行い、医師訪問型治験の実施可能性を検討してきた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/641617
シリーズ 中央社会保険医療協議会
「予約で患者負担徴収」は708施設、2割増加
選定療養の報告状況、予約料の最高額は5万4000円

2018年11月14日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は11月14日の中医協総会に、2017年7月時点での主な選定療養の報告状況や施設基準の届出状況を報告した。選定療養では、「予約に基づく診察」が708施設で、前年の579施設から129施設(22.3%)増加した。予約料の平均は2205円だが、最高額は5万4000円。「診療時間以外の時間における診療」も増加傾向にあり、2017年は411施設で、前年の357施設から54施設(15.1%)増えた。

 施設基準については、一般病棟入院基本料の届出病床数が年々減少傾向にある一方、療養病棟入院基本料の届出病床数は2016年よりは増加。ただ、2017年は診療報酬改定の中間年に当たるため、施設基準の届出傾向に大きな変化は見られない(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 「診療時間外の診療」で負担徴収、411施設

 「予約に基づく診察」は、2014年477施設、2015年511施設、2016年579施設、2017年708施設と推移。予約料(保険診療に係る定率負担とは別の患者負担)は平均2205円だが、最高5万4000円、最低70円と大きな開きがある。

 「診療時間以外の時間における診療」は、2014年323施設、2015年342施設、2016年357施設、2017年411施設と推移。患者からの徴収額は平均2789円、最高額は1万6200円、最低額は200円。

 200床以上の病院の場合、「紹介状なし」の患者からは初診時に患者負担を求めることが可能。2017年は1279施設で、2016年の1305施設よりも微減。平均2960円、最高額1万800円、最低額200円。ここには徴収が義務化されている、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院が含まれる。なお、2018年度診療報酬改定で、地域医療支援病院については、「許可病床400床以上」と徴収義務の対象が拡大されたことから、2018年7月報告では徴収施設の増加が想定される。

 200床以上の病院は、他の医療機関(200床未満)に対し文書による紹介を行う旨の申出を行ったにもかかわらず、当該病院を患者が再診した場合も、患者負担を求めることができる。2014年101施設、2015年103施設と横ばいだったが、2016年344施設、2017年363施設と増加傾向にある。患者からの徴収額は平均2244円、最高額は8640円、最低額は210円。

 医療クラーク、後発医薬品関連の加算増加

 施設基準の届出状況を見ると、一般病棟入院基本料の届出は、2017年は4980施設(2016年比33施設減)、61万7411床(同1万3978床減)。これに対し、療養病棟入院基本料の届出は、2017年は3456施設で、2016年よりも55施設減少したが、22万2344床で2016年よりも830床増加した。

 医師の働き方改革が議論される中、医師の負担軽減策として注目される「医師事務作業補助体制加算」の届出は、2015年2528施設、2016年2728施設、2017年2778施設と増加傾向にある(同加算1と2の合計)。

 後発医薬品については、「2020年9月までに、使用割合を80%とする」ことが2017年6月に閣議決定された。入院料に対する「後発医薬品使用体制加算」は、2669施設(2016年比465施設増。同加算1~3の合計)、院内処方の診療所が算定対象の「外来後発医薬品使用体制加算」は、8512施設(2016年比1281施設増)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642268
医療維新 シリーズ
無給医の実態2018
49歳以下の45.9%が 「無給医」経験あり◆Vol.1
直近5年間で無給、34大学 の名前挙がる

医師調査 2018年11月18日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

 医師の働き方改革を巡る議論の中で、「無給医」の存在について改めてスポットが当たっている。NHKは10月、ニュース番組の中で特集を放送した。m3.com医師調査ではその実態を探るため、49歳以下のm3.com医師会員に「無給医」経験の有無を尋ねた。

Q: いわゆる「無給医」として働いた経験はありますか?
※本調査では無給医を「医師免許を持ち、病院で診療行為を行っているにも関わらず、本給が出ていない医師のこと。部分的に手当(当直手当)が出ている場合も含む。身分は問わない(専攻医、研究生、大学院生なども含む)」と定義した。
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 調査はm3.comを通じて11月13日から16日の4日間で実施。431人から回答があり、無給医の経験があるのは45.9%(198人)だった。内訳は男性176人、女性22人、平均年齢は40.2歳だった。

Q:「無給医」として働いた経験があるのはいつ頃でしょうか?【複数選択】

※複数選択(人)
 無給医経験のある医師198人を対象に、複数選択でその時期を尋ねた。「現在」は15.7%に当たる31人、「直近から5年前(2013年ごろまで)」は56人(29.8%)だった。重複を除くと現在および直近5年間で83人(回答者全体の19.2%)が無給医を経験していた。

Q:「無給医」として働いた勤務先について教えてください。※以下、複数の勤務先で「無給医」として働いた場合は最も勤務時間が長かった勤務先での状況についてお答えください。
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 直近5年間で無給医経験のある医師83人を対象に分析すると、勤務先は74.7% が大学病院だった。勤務する大学病院は国立16大学、公立4大学、私立14大学の計34大学 の名前が挙がった。

Q:「無給医」として働いていた時の身分を教えてください。【複数選択】
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※複数選択(人)
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 複数選択で無給医時代の身分を尋ねたところ、「大学院生」が38人と最も多く、「後期研修医」と「医員」がいずれも16人で続いた。

Q:無給医にまつわる諸問題についてご意見をお聞かせください。
・健康保険も入れない。雇用保険もあるのかないのかわからない。当直手当と、病棟手伝ったときのわずかな手当のみが大学から支給。外勤でそこそこ収入はあるから良いが、体を壊したらそれが無くなり、非常に不安定。【現在・卒後10年目】

・無給医問題は必要悪だから外部のよく分かっていない人間(行政など)が口を出すとろくなことにならないと思います。名義貸し問題をすっぱ抜いた後、臨床研修制度ができた後、 地方の救急病院がどうなりましたか?【現在・卒後12年目】

・必要悪だと思う。大学病院が給料を出さない代わりにバイト先を提供して生活は十分できるようにしてくれている。バイト先も大学から医師を派遣してもらえていてWin-Winではある。この仕組がなくなるとどちらも潰れてしまう。【直近から5年前(2013年ごろまで)・卒後13年目】

・無給どころか研修費?の名目で大学にお金を払えと言われた記憶があります。医局が出してくれましたが。スーパーローテート導入時に大学院生が病棟で仕事していたり、当時は色々聞きましたが、未だに無給医がいるとは思いませんでした。【2004年度~2013年度・卒後21年目】

・賠償保険は学会のに加入済み。一番下っ端で受け持ちはするけど何の権限もなく執刀もさせてもらえない丁稚の時代でした。土日も順番で日直してました。毎朝の採血点滴当番があるので、早朝から晩まで勤務でした。まともに常勤で給料が貰えたのは関連病院に出た40前からです。大学研究室勤務は非常勤(日雇い)の身分でした。文部教官には任用されませんでした。【2004年度以前・卒後35年目】



https://www.m3.com/news/iryoishin/642110
6NC連携、1つに統合?内部で連携?
NCあり方検討会、次回で決着「研究推進の役割果たして」

レポート 2018年11月16日 (金)配信岩崎雅子(m3.com編集部)

 厚生労働省の「国立高度専門医療研究センター(NC)の今後の在り方検討会」(座長:永井良三・自治医科大学学長)は11月16日、第8回会議を開き、第7回に引き続き、組織の在り方や果たすべき役割について議論した(『6NC連携、どんな方式で? 』を参照)。

 組織の在り方として、6法人のNC(6NC)を1つの国立研究開発法人に統合する案と、6NCの各法人格を維持したまま研究業務の横断支援機能を新設する案で意見が分かれた。12月12日開催予定の次回会議で、NCの組織体制について結論を出す方針(詳細は、厚労省ホームページ)。
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(2018年11月16日「国立高度専門医療研究センターの今後の在り方検討会」資料)
 前回までの「NCが世界最高水準の研究開発をするため、横断的な取り組みにより、研究支援機能を強化する組織体制が必要」とする議論を踏まえ、厚労省はこの日、3つの組織案を示した。A案は、研究業務の横断支援機能を有する7つ目の新法人を設立。B案は、6NCを1つの国立研究開発法人として統合。C案は、6NCの法人格を維持しながら研究業務の横断的支援機能をNC内部に新設する。

 コストはA案が最も大きく、B案、C案と続く。A、B案は「高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律」を改正する必要があり、早くても2020年の通常国会を待っての動き出しとなるが、C案は決定次第組織の中身を整理し、2021年度から本格的に始動することが期待できる。

 A案は実現可能性が低いとして、この日はB案とC案に関して議論した。日本医療機器産業連合会会長の渡部眞也氏は、「産業界の視点からすると、B案のネガティブな面が強調されることに違和感がある。企業がHD(ホールディング・カンパニー)を形成するように、司令塔を作ることはより効率的に機能する形だ」と指摘。一方、日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、「これまでのNCの役割を見れば、独立した法人のメリットが大きい。上に新しい法人組織を作るのは現実的ではない」と反論した。

 おおむねC案に賛同する構成員が多数を占めたが、C案に対し、「中心として引っ張る役割が不明確。本当に横断研究が進むのか」など有効性を危惧する声もあった。日本医学会会長の門田守人氏が、「Bの形にして初めて統括的な研究ができる。最終的にはB案を目指すべきだ」と述べるなど、複数の構成員が、C案としてスタートしたとしても、「状況を見てB案を目指す」といった継続的議論を求めた。

 「NCの今後の在り方検討会」は6年ごとに開催されているが、本来開催頻度の規定はない。今回、C案で結論が出た場合、6年を待たずに再び検討会を開き、内部横断組織の成果を検討することもできる。座長の永井氏は「検討会をどの時期でやるかも重要。3年目などでもいいのでは」と提案した。

 NCの役割については、厚労省が今までの議論を踏まえてまとめた「NCでなければ確保できない基盤的研究に取り組む」とする報告書案におおむね合意した。東京大学医学系研究科教授の岡明氏は、「大学では難しいデータ共有を、NCにやってほしいという期待がある。データセンターの構造を打ち出してほしい」と要望。日本医療研究開発機構理事長の末松誠氏は、「データの蓄積だけではなく、データをシェアし、R&Dにつなげるシステムが必要」と述べた。

 また、組織の在り方に関わらず、「爆発的に研究推進ができるところまで持っていく必要がある」、「データシェアリングを実現するためには、強いリーダ―シップが必要」、「組織改革には明確なミッションを決める必要がある」などの声も上がった。

 座長の永井氏はこれらを受け、「データ共有という生易しいものではなく、『開発研究プラットフォームを作ろう』というもう少し強めの表現をミッションとして掲げてはどうか」と、報告書の書き方に関して要望した。

 12月12日に開催を予定している次回会議で、一定の結論を得る予定。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642028
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
全自病、労働と自己研鑽を整理、会員病院に周知
根本厚労相には要望書を提出

レポート 2018年11月16日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会は11月15日の記者会見で、「医師の労働と自己研鑽の考え方等について」とする文書を10月26日付けで会員病院に配布したことを明らかにした。厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」での議論の内容を踏まえ、労働と自己研鑽についての目安を示すもので、会長の小熊豊氏は「働くのが当たり前と思ってやってきたが、直さなければいけないと切実に考えている。改めるためには労働と非労働をどう考えるか」と、狙いを説明した。11月14日には、医師の働き方改革に関する要望書を厚生労働大臣の根本匠氏に提出した(要望書の内容は最下部に記載)。

 取りまとめに当たった副会長の望月泉氏は、「自己研鑽をしないと、医師の質を保てない。自己研鑽ができなくなるような働き方改革は困る」と説明。今回の文書はおおまかな目安を示すもので、病院ごと、地域毎に実情が異なるため、「グレーな部分は厚労省もなかなか決められないのでは」との見方も示した。

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(2018年11月16日全自病記者会見配布資料)

========  医師の働き方改革に関する要望  ========
 現在、国において行われている医師の働き方改革に関する検討に際しては、「医師の健康への配慮」と「地域医療の継続性」を両立することを基本理念とし、以下の事項にも十分留意の上、慎重な検討を行っていただきますようお願いいたします。

 なお、当協議会においては、別添のとおり「医師の労働と自己研鑽の考え方等」について会員病院に周知し、対応を図っておりますので「医師の働き方改革に関する検討会」においてもご参照いただければ幸いです。

- - - - - - - - - - - - - - -  記  - - - - - - - - - - - - - - -

1. 医療の質の確保の観点から、時間外労働の上限規制の適用が医師のプロフェッション性を形骸化させることや医師養成の妨げとなり、医療の質・医療安全を低下させてはならないこと。

2. 医師の応召義務について、医師個人に過重な負担を強いることがないよう、その解釈や範囲を整理し、体系的に示す必要があること。

3. 医師の自己研鑽について、自己研鑽と労働時間を区分する基準や運用を示す必要があるとともに、医師としての生涯学習を阻害することがないよう留意すること。
 また、特に研修医は学習者としての側面を併せ持ち、医師としてのキャリアパスを実現するために十分な研修時間と症例数の確保は必須であることから、例えば海外の規定等も参考にし、研修医の健康に配慮した時間外労働規制を検討する必要があること。

4. 宿日直の許可基準のあり方について、「医師、看護師等の宿日直許可基準」を現代の医療提供体制の実態にあった基準に見直す必要があること。また、その検討に際しては、医師数が少ない地域、医療機関における医療提供体制の確保を考慮し、医療安全の観点からも医師の健康に配慮した対応を図ること。

5. 時間外労働規制を医師の地域偏在、診療科偏在や病院機能の違い等を考慮せずに適用すれば、救急医療、周産期医療、休日夜間診療など地域医療に大きな負の影響が生じる。医師の労働量の議論のみならず、医師の需給バランスからの議論も同時進行させていく必要があること。

6. 医師の勤務負担軽減を図るための一つの例として、一人主治医制を見直すことが考えられるが、その実現には社会全体、つまり国民や患者、家族の理解の浸透が不可欠であること。このためには、義務教育等で医療に関する項目を増やし、水や空気のように考えられている国民皆保険の危機的現状の認識の共有が必要であること。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642029
シリーズ 医学部不適切入試
AJMC、「大学医学部入学試験制度に関する規範」公表
性差での差別は「NG」、多浪は一部容認、違反で除名も

レポート 2018年11月16日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)、大西裕康(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議(AJMC)は11月16日に記者会見を開き、「大学医学部入学試験制度に関する規範」を公表した。どんな入試枠であっても、性差で一律的に判定基準に差異を設ける事例は「不適切」であるとした。多浪についても一律的な差異は「不適切」だが、例えば地域枠では「各地域の状況を勘案し、社会に説明可能な範囲で入試要項に記載すれば実施可能」とした。規範は、16日の理事会で承認した。

 規範では、各大学がアドミッションポリシーに則り、入試を行う自治は認められるものの、「種々の法律や規則・通達等の広い意味での法を陵駕するものではなく、時代の社会通念や常識の域を超えてはならない」とした。この前提の下で、「公平性」(国民から見て公平であること)と「医療人確保」(国民にとって良い医療人、医学者になり得る人材を確保すること)という2つの尺度に照らし合わせ、公正な入試を行うことを原則としている。「全国の大部分の大学医学部が健全な法人として活動している中、一部の大学医学部が社会的に容認されない行為を行ってしまったことは大変遺憾」とも表明。

 2019年春の入学試験から適用する。今後、Q&A集を作成する予定。本規範を遵守しなかったと判断された場合には、同会議からの除名処分などの対象とする。東京医科大学について遡及して処分することはしない。なお、AJMCは全国80大学で組織。AJMCは医学部の新設に反対していたため、東北医科薬科大学、国際医療福祉大学は加盟していない。一期生が卒業し、医師になる時点で加盟を認める方向で検討している。

 規範を作成したAJMCの「大学医学部入学試験制度検討小委員会」委員長の嘉山孝正氏(山形大学医学部参与)は、「公平、いい医療人の確保のために、入試制度を変えてきた歴史がある。これら2つの尺度で考えることが柱。この他、アドミッションポリシーを勘案しながら、各事例(入試枠)について検証した」と説明した。「規範は、今後の社会の変遷の影響を受けると考える。本規範も経年的に検証されなければならない。今後、この規範に沿って、各大学で健全な入試が行われるだろう」(嘉山氏)。

 AJMCの「大学医学部入学試験制度検討小委員会」は、東京医科大学での入試不正問題を機に10月13日、検討を重ねてきた(『「公平 ・公正な医学部入試の在り方」、AJMCが検討』、『医学部入試、各大学が特色出せる「幅を示す」』を参照)。委員は、嘉山氏を含め、計8人から成る。

 議論になった「同窓生子弟枠」

 会長の山下英俊氏(山形大学医学部長)は、「皆の英知を集めて、自律作用を働かせて作成した。理事会で機関決定したことから、これは非常に重いものである」と位置付けを説明。嘉山氏は、「本規範は、文科省と厚労省と情報交換しながら作成した」と経緯を話し、「これを平気で破る大学はないと思う」と述べた。「規範の作成が遅かったのでは」との質問には、東京医大の件は、「われわれにとっては、“寝耳に水”」だったとし、それが規範作成にきかっけになったと答えた。

 議論になった一つが同窓生子弟枠。愛校心が強く、医師になるモチベーションがある、学力があるなどの条件で、従来から国民から認められているとし、「公平という点では満点ではないが、親が医師であれば、途中で脱落する可能性が低いと考えられる」(嘉山氏)。しかし、不正、不適切な要素が入る可能性があるため、「特定の人間の利益や権益に結び付かない制度を学内で確立する」ことで公平性の担保を求めた。「今後議論が起きれば、また議論になるだろう」(嘉山氏)。

 医学部入試の変遷も解説

 規範は、「はじめに」に続き、「1.大学医学部入学試験制度とアドミッションポリシー」、「2.大学医学部入学試験制度の歴史的概略」、「3.各論」、「4.本提言のまとめ」という構成。

 「はじめに」では、今後(2019年春の入学試験から)種々の検討を経て、AJMCの「大学医学部入学試験制度の規範」を遵守しなかったと「大学医学部入学試験制度検討小委員会」で判定された大学医学部(会員)は、検討と適切な手続きを踏み、AJMCから除名を含む処分の対象とすると明記。

 「1.大学医学部入学試験制度とアドミッションポリシー」では、医学部の特殊性として、▽卒業生のほぼ100%近くの学生が医師になり、医師国家試験に合格しなければ、製薬業界、行政などに行くにしても医学の分野においては活動がほぼ困難な学部である、▽教育費も他の学部と比較すると多額で、それを支える多くの税金が投じられている――を挙げ、理解を求めた。その上で、「入学した学生の一人の脱落もなく医療人、医学者として教育・育成しなければならない責務を負っている」とし、各大学はアドミッションポリシーに則り、入試ではさまざまな工夫をしているとの現状を説明。

 「2.大学医学部入学試験制度の歴史的概略」では、医学部入学定員や入試方法の変遷、学士編入試制度やAO入試など、入試の多様化を概観した上で、規範の基本的な考え方を提示した。

 入試の適不適の判定は、「公平性」と「医療人確保」という2つの尺度で行えば、問題点が整理できるとした。「学力試験のみの合否判定以外の要素は、時代背景や、社会の状況により変化した」とし、「不正」と「不適切」を明確に分けて考察する必要性も強調している。

「大学医学部入学試験制度に関する規範」における医学部入試の不正、不適正の例
「不正」:法令に違反した事例(贈収賄が絡むような事例、特定の人物が「枠」を使って金銭等のなにがしかの権益を得るような事例、学長や入試委員長等の特定の個人だけの判断で合否判定するような事例、合理的理由なく順番を飛ばして合否判定するような事例、合否判定以前に受験生および保護者に寄付金を依頼するような事例、など)。
「不適切」:「医療人確保」のためと考え、学内の承認を得ていても、社会的に「公平性」からかけ離れた事例、など。

 「3.各論」と「4.本提言のまとめ」では、(1)性差、(2)浪人年数(年齢)、(3)内部進学枠、同窓生子弟枠等、(4)その他の枠:推薦入試枠、学士編入枠、帰国子女枠等、(5)地域枠――に分けて、入試の適不適を整理している。

「大学医学部入学試験制度の規範」

(1)医学部入学試験においては、女性という属性を理由として合格基準に一律的に差異を設ける試験制度を施行してはなりません。試験制度としては不適切です。

(2)一般入学試験においては、入学者選抜に際して浪人年数(年齢)という属性を理由に一律的に判定基準に差異を設ける試験制度を施行してはなりません。試験制度としては不適切です。

(3)内部進学枠、同窓生子弟枠等などの選抜にあたっては、人数や選抜法などの選抜方法を入試要項に明記し、その内容が①「公平性」、②「医療人確保」に則り、内部進学枠や同窓生子弟枠等を行うに当たってのアドミッションポリシーが国民の容認が得られ、さらに、個人が金銭を含むなにがしかの利益を得ない制度を担保し、公正に行われることが必須です。さらに、特定の個人だけの判断で合否判定をすることは、いかに学内の承認があろうとも①「公平性」、②「医療人確保」の観点から国民に説明が困難ですので、不正あるいは不適切にあたります。

(4)その他の枠:推薦入試枠、学士編入枠、帰国子女枠等を採用するには、それぞれの評価方法をどの程度の比重で扱うのか等を具体的に示すことが求められている点を考慮し、入学試験要項に、試験内容を明確に記載することが必要です。さらに、特定の個人だけの判断で合否判定をすることは、いかに学内の承認があろうとも①「公平性」、②「医療人確保」の観点から国民に説明が困難ですので、不正あるいは不適切にあたります。

(5)地域枠については、学生の確実な確保のため一般枠とは別に公募しますが、その枠内での合否判定法は一般枠と同じ制度で運営されなければなりません。地域枠といえども性差で一律的に合否判定に差異をつけることは不適切となります。しかし、その他の要件に関しては、社会に説明できる範囲内で、入学試験要項に明確に記載すれば施行できます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/638236
シリーズ 医師・看護師に聞く「タスク・シフティング」
PAも外科系で期待◆Vol.6
「医師の業務であり反対」の意見も

医師調査 2018年11月17日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

Q: 医師の指示のもとで手術の助手など一定の医療行為を行う「フィジシャン・アシスタント(PA)」を新たな国家資格として検討することを求める意見も出てきています。 国家資格職としての創設について、どのようにお考えでしょうか?
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 医師全体では「創設するべき」が38.8%なのに対し、外科系に限ると57.7%と高い割合。看護師は31.2%で医師全体よりも低く、ナース・プラクティショナー(NP)と同様の傾向が出た。

Q: PAの国家資格としての創設について、お考えをお書きください
【任意】
【賛成】
国家資格となれば、国民に広く受け入れられやすく、安心感も増すでしょう。医療スタッフからもそのような職種として受け入れてもらいやすくなるとともに、信頼されるのではないでしょうか。【61歳男性、外科、開業医】
手術時に医師が1人の場合もあり、よい考えと思う。【57歳男性、内科、開業医】
手術スタッフの確保が大変な中において需要はあるかもしれない。【42歳男性、内科、開業医】
看護師に一定の研修と資格試験を課してPAにするのが最も近道かと思う。【68歳男性、精神科、開業医】
特定の分野に特化して普通の看護師ではできない処置を行える資格を作るのは良いと思う。医師の手助けになる。【51歳女性、看護師、民間病院】
オペ室(の業務)は特殊業務であり、オペ業務のスペシャリスト化の一環として賛成。【39歳男性、看護師、民間病院】
【反対】
これは完全に医師の業務の範疇であり反対。【54歳男性、内科、開業医】
手術は完全に看護師の領域を超えている。経験や立場などの関係性から、医師と看護師の立場が逆転することが考えられる。【35歳女性、看護師、民間病院】
【なんとも言えない】
どの程度の行為まで許可するかで違ってくると思うので、今のところはなんとも言えない。【65歳男性、外科、開業医】
手術という、何が起こるか分からない状況で、緊急事態も起こった時は特に、PAはどこまでやっていいのか混乱しそう。医師としても、どこまで求めていいのか混乱しそう。 そして、何か患者に不利益が生じた場合、医師に責任を押し付けられ、押し付けられたのでは無くても、訴訟になった場合、一般的に見て、看護師の技量不足などで看護師が訴えられそうで、不安で仕方ない。【37歳女性、看護師、公立病院】
【条件次第】
もし創設するなら手術看護師経験10年以上とかにした方がいい。【39歳女性、看護師、民間病院】
オペ室ナースは既にPA同様の業務を行っています。NP同様、働きながら資格を取得しやすい仕組みを考える必要があると思います。【45歳男性、看護師、公的病院】
【看護師が足りない】
看護師が不足していると言われている中で、現実感のない資格を増やすことに意味を感じない。【46歳女性、看護師、大学病院】



https://www.m3.com/news/iryoishin/641895
医師の地域偏在解消、「救急医の養成強化が急務」
大友・医科歯科大教授、自治体病院でも「救急医3.5人以上で常勤医増」

レポート 2018年11月15日 (木)配信大西裕康(m3.com編集部)

 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科救急災害医学分野教授の大友康裕氏(同大学医学部附属病院副病院長・救命救急センター長)は11月15日、同大学が開いた記者懇談会で講演し、医師の地域偏在を解消する有効策として、救急科専門医の養成強化が急務と改めて訴えた。日本救急医学会が2016年に実施した調査の結果として、救急医が3.5人以上いる病院では常勤医が増加する傾向にある状況などを示しながら、救急科専門医が救急当直を担う体制があれば他の診療科医師の負担軽減につながり、特に医師不足が顕著な地方の自治体病院でも常勤医が増えると強調した(日本救急医学会の2016年調査結果などは、『「医師に選ばれる」病院に「救急医の充実」』を参照)。

 大友氏は、医師の地域偏在解消のために取り組んだ医学部の定員増などのさまざまな施策で良い結果は出ていないと指摘。「医師不足が顕著なのは地方の中核市ではない地域に位置する自治体病院であり、公的な病院は救急診療をしなければならず、それが大変な負担になっている。一方、救急の体制がしっかりしているところでは、他の診療科医師数も増えている」と述べ、救急科専門医の増加を柱に据えるべきと訴えた。救急科専門医の具体的な意義については、以下の3点を挙げた。

1.救急医療の質を保証する
2.各種専門診療科の業務効率化が図れる
3.良質な救急初期診療研修の提供


 救急医療の質保証に関しては、「救急蘇生治療に習熟」、「各種の救急初期診療の標準化」、「診断ミスにつながりやすい救急診療上のピットフォールに精通」、「救急診療中に実施する各種処置・治療のトラブルを回避する手技と合併症発生時の対処法について習熟」の4つを利点として列挙。その上で、「広い診療範囲をカバーし、地域の救急医療を支える救急科専門医を多く養成することが、医師の地域偏在の有効な対策である」と述べ、医師偏在対策などを検討している厚労省の「医師需給分科会」でも議題として取り上げるべきとの考えをにじませた。

11月1日に「災害テロ対策室」を設置
 大友氏は講演で、同大学が11月1日に国立大学として初めて「災害テロ対策室」を設置したことも報告。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに備える一環として、自然災害のみならずテロや犯罪を含む多数傷病者の発生に対応する。JR東日本などとも連携しているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/641103
シリーズ 地域医療構想
「在宅医療充実に向けた都道府県の役割」、厚労省通知へ
厚労省WGが取りまとめ、かかりつけ医の記載求める声も

レポート 2018年11月12日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長:田中滋・埼玉県立大学理事長)の11月12日の第7回会議で、在宅医療の充実に向けて「都道府県が取り組むべき事項」を盛り込んだ、「議論の整理(案)」を提示、文言修正の上、座長一任で了承された。同省は年内もしくは年明けに都道府県に対し、通知する予定(資料は、厚労省のホームページ)。

 「都道府県が取り組むべき事項」は、下記の囲みの通り。全日本病院協会副会長の織田正道氏からは、在宅医療を進める上で、かかりつけ医が重要であるとし、その役割等の追記を求める意見が上がった。全国在宅療養支援診療所連絡会会長の新田國夫氏、日本医師会常任理事の松本吉郎氏も、織田氏の意見を支持、災害時の在宅医療対応やACP(アドバンス・ケア・プランニング)の取り組みのためにも、かかりつけ医が必要であるとした。

 金沢市保健局担当局長の越田理恵氏は、医療・介護の連携にはICTが必要になるが、市町村レベルでの整備は難しいとし、都道府県の役割として求められると提起。また「都道府県が取り組むべき事項」についての基本的考えとして、地域包括ケアシステムの構築は各地域一律ではなく、市町村がオーダーメイドで進めるべきで、都道府県はそれを支援する役割であると述べた。

 2018年度から開始した第7次医療計画では、地域医療構想において推計した将来必要となる訪問診療の需要に対応するための「訪問診療を実施している診療所・病院数に関する整備目標とその達成に向けた施策」のほか、「退院支援」「日常の療養支援」「急変時の対応」「看取り」という場面に応じた4つの医療機能を確保することが求められる。在宅医療の整備自体は、各市町村が進めるべき課題だが、それを支援する都道府県が取り組むべき事項を整理したのが今回の通知になる。12日に厚労省が提示した「議論の整理(案)」は、9月の本WGの議論を踏まえ修正した内容(『厚労省、「在宅医療の充実に向けた議論の整理」(案)を提示』を参照)。

 厚労省は通知発出後、通知内容の実施状況などをフォローアップしていくほか、2020年度の第7次医療計画の中間見直しに向けた整理、災害時の対策――について議論を続ける予定だ。

「都道府県が取り組むべき事項」
(1)第7次医療計画の改善(「訪問診療を実施する診療所・病院数に関する数値目標」を設定していない8府県については、第7次医療計画の中間見直しの際にその目標を設定、「在宅医療の整備目標及び介護のサービス量の見込み」を設定していない4府県については、中間見直しの際に按分の上、医療計画と介護保険事業(支援)計画に反映、など)
(2)都道府県全体の体制整備(本庁の医療政策部局と介護保険部局の連携の推進、年間スケジュールの策定、在宅医療の充実に向けた市町村支援)
(3)在宅医療の取組状況の見える化・データ分析(KDBシステムのデータ活用、医療機関や訪問看護ステーションへの個別調査、市町村や関係団体当との情報共有体制の整備)
(4)在宅医療に関する各種ルールの整備(入退院支援ルールの策定支援、後方支援病院等との連携ルールの策定、急変時の患者情報ルールの策定、運用)
(5)在宅医療に関する人材の確保・育成(医療従事者への普及・啓発事業やスキルアップ研修の支援、多職種連携に関する会議や研修の支援)
(6)住民の普及・啓発(人生の最終段階における医療・ケアについての意思決定支援に関する普及・啓発、在宅医療や介護に関する地域住民への普及・啓発)



  1. 2018/11/18(日) 13:11:03|
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