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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月28日 

https://this.kiji.is/426925911802610785?c=39546741839462401
新制度で医師不足の拍車懸念 長崎県内医療者がシンポ 
2018/10/22 11:1010/22 11:11updated 長崎新聞

 若手医師が分野ごとの高度な知識や技術を身に付けるため、本年度導入された新専門医制度について、県内の地域医療関係者が意見を交わすシンポジウムが13日、長崎市内であった。同制度では若手医師の研修先が大都市圏に集中しており、県内の医師不足や偏在に拍車が掛かることを懸念する声が上がった。
 同制度は2年間の初期臨床研修を終えた医師が、内科や外科など19の基本領域(診療科)から1領域を選び、専門医を目指す。全国で、大病院を基幹施設に複数の病院が連携する各領域の養成プログラム(3~5年程度)を用意しており、毎年度、専攻医を募集する仕組み。ただ、大病院が多い大都市に研修先が集中すれば地方の医師確保が一層難しくなるとの指摘があり、東京など5大都市圏では募集定員の上限がある。
 シンポは14日まで開かれた第40回県地域医療研究会(県病院企業団主催)の一環。同企業団運営の離島・へき地の病院などに勤める医師、看護師ら約200人が参加した。同制度では、長崎大学病院(長崎市)や長崎医療センター(大村市)が企業団の病院と連携したプログラムを展開しており、シンポでは関係者ら4人が講演した。
 同企業団が運営する県上五島病院(新上五島町)の八坂貴宏院長は、初年度の研修先が予想どおり東京などに集中したことを指摘。本県については専攻医83人が研修先に選んでいるが、眼科や皮膚科など誰も選ばなかった診療科があったことなども課題として挙げた。「地域偏在がどんどん進むかもしれず、医療が崩壊しない形の専門医制度にすべきだ」と述べた。
 県内で質の高い研修を展開することも課題。長崎医療センター総合診療科・総合内科の和泉泰衛医長は、連携先の同企業団側に対し「(医師や看護師、事務職員らが)制度に理解を深めると、専攻医はより良い研修ができる。専攻医がスムーズに専門医を取得できるよう協力していきたい」と呼び掛けた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/637310
シリーズ 医療従事者の需給に関する検討会
必要医師数「2036年」時点で推計、「地域枠」は別枠の入試で
「地域枠」義務年限履行、別枠方式95%、手挙げ方式86%
 
レポート 2018年10月24日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は10月24日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第23回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)で、将来的な「医師確保計画」について、「2036年」をターゲットとして「医師偏在指標」や「必要医師数」を設定、対策を講じる方針を提示し、おおむね了承を得た(資料は、、厚労省のホームページ)。

 将来的な計画は、「地域枠・地元枠設定の政策効果が一定程度蓄積」するのが前提。「地域枠」については、入試段階でそれ以外の入試枠と分け、特定の地域における診療義務がある「別枠方式」を原則とすべきだと提案している(下図の②で、「XX」年が2036年)。

 「地域枠」には、入試は同じ枠で行い、入学前後に地域枠希望者を募る「手挙げ方式」もある。2008年度以降の医学部の臨時定員増関連の「地域枠」を見ると、「手挙げ方式」の義務年限の推定履行率は86%で、「別枠方式」の95%よりも低い。24日に開催された自民党の「医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟」でも、「別枠方式」とすべきだと決議した(『「医学部の地域枠、一般枠と峻別を」、自民議連が決議』を参照)。

 「医師確保計画」は、早期に効果を発揮する短期的な対策も策定する(上図の①)。三次、二次医療圏間の医師偏在については、2019年度から各都道府県が「医師確保計画」(初回は2020~2023年度、以降は3カ年サイクル)を策定する。三次、二次医療圏のいずれについても、「計画終了時点」の医師偏在指標の値が、計画開始時点の医師少数医療圏の基準値(下位○%)に達することとなる医師数を、「目標医師数」として設定。都道府県内での医師派遣調整をはじめ、各種の対策を実施して偏在解消に努め、段階的に三次、二次医療圏間の医師偏在の解消を目指す。


 「地域枠」見直しの効果が十分に出るのは2036年度以降

 2036年度をターゲットとして将来時点の「医師偏在指標」や「必要医師数」を設定するのは、「地域枠」に「別枠方式」を2022年度から徹底しても、その効果が十分に出るのは2036年度以降と想定されることなどが理由だ。2020年度と2021年度の医学部定員は、「2019年度の医学部定員を超えない範囲」とすることが決まっている(『医学部定員、「2022年度以降、減員に向けた議論が必要」』を参照)。

 将来時点において全国の医師数が全国の医師需要に一致する場合の「医師偏在指標」の値(全国値)を算出し、地域ごとに将来時点の「医師偏在指標」が全国値と等しい値になる医師数を「必要医師数」とする方針。一方、都道府県別の供給推計は、「各都道府県の性・医籍登録後年数別の就業者の増減が、将来も継続するものとして推計をすることとしつつ、都道府県別の供給推計が、マクロの供給推計と整合するよう必要な調整を行う」ことなどを基本的な考え方とする。

 聖路加国際大学学長の福井次矢氏は、「区切りはいいが、その間に何らかの中間的な評価のポイントを設けるのはどうか」と発言。産業医科大学医学部教授の松田晋哉氏は、「マクロはいいが、高齢者自体が減っている地域がある。医療需要のピークは、都道府県によって差があるので、都道府県別の推計とモニタリングが必要」と指摘した。


 「地域枠」と「地元出身者枠」、区別して活用

 2017年7月に成立した改正医療法により、「都道府県知事から大学に対して、地対協の協議を経た上で、地域枠または地元出身者枠の創設、増加を要請できる」仕組みが新設された(2019年4月1日施行)。「地域枠」は、都道府県内でも特定の地域での勤務義務があるため「都道府県内の偏在調整機能」、一方、「地元出身者枠」は、当該大学の所在地である都道府県内に、長期間にわたり8割程度の定着が見込まれているが、特定の地域等での診療義務があるものではないため「都道府県間の偏在調整機能」がそれぞれ期待される(「地元出身者枠」は、他の都道府県の大学に創設・増加を求めることが可能)。

 これらの特性を踏まえ、厚労省は「地域枠」は都道府県内に「医師少数区域がある場合」に、「地元出身者枠」は都道府県が「医師少数都道府県である場合」に、都道府県知事が大学に対してそれぞれ要請できるようにすることを提案。さらに「地域枠」については、「原則、大学に対して、特定の地域における診療義務のある別枠方式を要請することとしてはどうか」とした。

 厚労省提案はおおむね支持されたが、問題視する声が相次いだのは、「地域枠」の現状について。厚労省がこの9、10月に都道府県に調査したところ、暫定的な集計結果として、「地域枠」で「手挙げ方式」の場合、義務年限の推定履行率は86%にとどまるなどのデータが提示された。

 臨時定員増の2008年度から2018年度までの11年間で、「地域枠」は合計で6533人。奨学金貸与実績は5689人。その差、844人は一般枠扱いとなった。

 慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、「普通の人が、日本語として理解できる仕組みにすることは賛成」と述べ、「地域枠」を「別枠方式」とすることを支持した。「モチベーションが高い人が入学すると、国家試験の合格率も高いので、その辺りのことも考慮して取り組むことが必要」。

 日本医師会副会長の今村聡氏は、「地域枠がこれまで有効に機能していなかった部分を検証する必要がある」と指摘し、厚労省調査の結果が都道府県単位だったことから、個別大学の「地域枠」のデータを基に、今後の方針を議論することが必要だとした。認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏も、「地域枠は、もともと別枠(の入試枠)だと思っていた。地域枠の名前で確保した学生を一般枠で教育してきたことではないか」と指摘した。

 文部科学省高等教育局医学教育課長の西田憲史氏は、「別枠方式でなければいけないわけではない」と断りつつ、地域枠のフォローアップが十分ではなかったことは認め、「大学の状況を今、調査している。地域枠の設定の仕方や、(2008年度以降の)臨時定員増との関係も議論できるよう、調査結果を報告する」と回答した。

 岩手医科大学理事長の小川彰氏は、入試要項に「地域枠」の定員を明記していなかったり、定員が充足していないケースがある現状を挙げ、「文科省にも責任があるのではないか」と質した。

 西田課長は、「別枠方式」の場合は、入試の段階で選抜を行っているので、募集要項に記載している一方、「手挙げ式」で入学後に選抜する場合であれば、「入試要項」に記載しないこともあり得るとした。文科省は今年8月、厚労省とともに各大学に対して、2019年度の入学定員について、「別枠方式」で定員を充足するよう努力することや、2020年度については「地域枠」の充足率の状況を踏まえ、入学定員を精査する旨を通知したと説明した。


 「まず医師が少ない地域をどうするか」

 短期的な施策は、「医師偏在指標の算出」⇒「医師多数区域・医師少数区域の設定」⇒「医師確保計画」を策定、その後、PDCAサイクルで回しながら計画を実行していく。「まず医師が少ない地域をどうするか、という議論をしていく」(厚労省医政局医事課長の佐々木健氏)。「医師多数区域・医師少数区域」の設定の仕方は、前回会議で議論した(『医師偏在指標、全国一律に「医師多数区域」「医師少数区域」を設定』を参照)。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は、「流れとしては賛成。うまくデータを活用することが必要」と述べた上で、三次医療圏(基本は都道府県単位)では充足していても、不足している二次医療圏がある都道府県もあることから、三次医療圏と二次医療圏で医師の多寡をマトリックスにして、施策を検討していくことが必要だとした。小川氏も、神野氏の指摘を支持。さらに大学病院のある二次医療圏から、医師不足の地域に診療応援に行っていることなども踏まえて、医師確保計画を策定するよう求めた。福井氏も同様の意見を述べた。

 具体的施策の一つが、今年7月に成立した改正医療法で新設された「医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度」。山口氏は、この制度を利用するインセンティブとして、「地域医療支援病院等の管理者として評価」等では不十分ではないかと問いかけ、再度議論をするよう要望した。今村氏からは「医師少数区域に派遣される医師のキャリア形成は重要だが、誰が責任を持つのか、それをある程度、明確にしていくことが必要」といった意見も上がり、厚労省は改めて議論すると回答。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181025-OYTET50012/
医学部「地域枠」、入試段階で「一般枠」と別枠に…厚労省が大学に要請へ 
2018年10月25日 読売新聞

 地方の医師確保を目的に、大学医学部の定員増を認める「地域枠」が、一部で「一般枠」扱いになっていた問題で、厚生労働省は24日、入試の段階で一般枠と分ける「別枠方式」でなければ認めないことを決めた。今後、実施時期を検討し、各大学に要請する。同日開かれた有識者会議で了承された。


 国は医学部定員の抑制策を閣議決定しているが医師不足が深刻な地域もあるため、臨時措置として2008年度から原則、地域枠に限り定員増を認めている。

 定員増の対象になるのは、地域で一定期間、勤務することを条件に奨学金を貸与する地域枠。厚労省が地域枠の実態を調べたところ、08~18年度の11年間で、定員の1割を超える800人余が埋まらず、その分、一般枠の学生が増えていた。

 調査で、定員が埋まりにくいのは、入試の段階では一般枠と区別せずに選抜し、入学後に地域枠の希望者を募る「手挙げ方式」と判明。厚労省と文部科学省は、これまで各大学に任されていた募集方法を別枠方式に統一すべきだと判断した。

【解説】地域枠の厳格運用だけでなく…魅力ある教育の充実を

 医師不足対策の切り札として設けられた地域枠の一部が、実際には機能していなかったことがわかった。定員が埋まりにくい「手挙げ方式」を大学が採用するのは、高い学力の学生を確保したいためだ。ただ、それでは、必ずしも地域医療に貢献する意志のある学生が集まるとは限らない。

 手挙げ方式を採用し、地域枠の欠員が多かった大学の中には、地域医療より研究に重点を置いている主要大学もある。希望者が集まらないなら、そもそも定員を増やす必要があったのか。ほかにもっと増やすべき大学はなかったのか。

 この地域枠の仕組みが始まって10年以上になるが、医師が都市部に集中する「医師偏在」は解消していない。地域枠で学びながら、都市部に流れる医師がいることも問題になっている。

 地域枠の厳格運用だけでなく、地域に関心を持つ受験生にとって魅力があり、しかも、実際に選択した場合に満足できる教育の充実も不可欠だ。学生や大学にとっても、よりよい仕組みづくりが求められている。

(医療部 加納昭彦)



https://japan-indepth.jp/?p=42624
仏で女性医急増、男性超えへ 
Ulala(ライター・ブロガー)
2018/10/26 Japan in Depth

フランスでは、現在、女性医師の割合が年々増加しています。2022年には女性医師の人数が男性医師の人数を追い抜くと予測される(参照:LA CROIX)ほど急速に増えており、「医者は女性向けの職業」と言われるほどです。30年前にはそんな状況は考えられないことでした。なぜそこまで女性医師が増えることになったのでしょうか?そこで、フランスで女性の医師が増加している理由を探ってみたところ、実は、政府が行った二つの改革が大きく関係していることが浮かび上がってきました。

■ 女性医師の割合増加要因となった改革

女性医師の割合が増加する要因の一つは、過去に医学を学ぶ学生数に制限を設けたことが大きく関係しているようです。

1972年以前は、研修を受ける医学生の数に制限はありませんでした。医学部に入るためには、試験に合格する実力があれば十分だったのです。しかし、制限しなかった結果、医者の数があまりにも増加してしまい、予算削減のためにも医学を学ぶ学生の数に制限を設けることとなったのです。

1972年に大学一年目の試験に合格した医学生は、現在60歳代の医者となっていますが、この年には8,588人の学生が試験に合格し、2年目に進んでいます。しかし、それでは多すぎるとされ、徐々に定員が削減されていきます。1982年には6,409人、1993年にはとうとう3,500人にまで減らされていきました。(参照:Cris et Chuchotements Médicaux)この厳しい定員の削減数と反比例するかのように、女性の占める割合が増加していきます。

図1は、2016年における年齢層別の医師の数のグラフです。これを見ると、定員削減により、数が激減したのはあきらかに男性であることが見てとれます。

女性の人数も確かに減ってはいますが、どちらかと言えば一定の数を保ち続けているとも言えるのではないでしょうか。55歳~60歳未満の男性医師が16,407人おり、同年代の女性医師の8,100人の約2倍の数であったのにもかかわらず、定員制限が行われた後の40代になると、男性医師は11,349人減少し、5,058人となっています。一方、女性医師は4,692人と、減少したのは3,408人で、割合にして男性医師は約70%減少しているのに対し、女性医師の減少は約40%に過ぎないのです。

これはいったいどういうことでしょうか。
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▲図1 フランスの 2016年における年齢層別の医師の数のグラフ 出典:CARMF

女性の方が男性よりも試験の結果がよく、男性の合格数が少なくなっただけでは?とも考えられますが、もちろんそうではありません。実際の話、女性の方が男性よりも合格率が低いのは事実です。

例えば、2010年頃から一年目の年にいる女性の割合は65%ほどですが、2年目に上がるための試験を受けた後は50%台にまで落ちます。(参照:資料のgraphique 2を参照)これは、35%しかいない男性の方が優秀で、多くが試験に受かることができており、女性の方が合格率が低いと言えます。

それならば、なぜ、男性が少なくなったのか。

その大きな疑問を、ナントのCNRSの研究員、アーディー・アン・シャンタル氏は、当時の男性が医学ではなく、金融や経営など他の分野に行ったからだと説明しています。(参照:仏Canal-U)

当時は景気も良くなってきており、男性にとっては狭き門の医学を目指すよりも、他の分野で管理職として活躍する方が魅力的だったのでしょう。

しかし、反対に多くの頭脳明晰な女性には医学の道に行くことの方が魅力的でした。自分の人生を考えた時に、会社の管理職になるよりも、医者の方が長く確実に使える資格であり、子供を育てながら働くのに適していると判断されたからでもあります。


■ 「一般医」資格取得方法の見直し

また、もう一つ女性の進出に大きく影響を与えた改革がありました。1982年に行われた改革は、さらに女性が医師として働く場を大きく広げたのです。その改革は、医学部での「一般医」の資格取得方法の見直し、及び「病院医」と「専門医」が二つに分かれていたものを、一つに編成し直したものです。

この頃は、「一般医」と「病院医」はとても男性が多い傾向にあり、反対に「専門医」は女性が多い傾向にあったため、同じ医師と言っても、男女が働く場に境界線のようなものが存在していたような形でした。しかし、改革後は一般医の試験がなくなり、あわせて病院医と専門医が同じ教育となったことで、男女の働く職場の境がなくなったのです。

この結果、女性医師の活躍する場が多様に広がり、男性を基準に作られていた職場も、女性も働きやすい環境やシステムに変えられるようになっていきます。一般医にしても、土日や深夜に出かけることがある職業であったのものを、何人かの一般医のグループで診療所を回すことで一人にかかる負荷を軽減させるなど経営形態を変えていき、女性向きの仕事に変えたり、フルタイムで働く代わりに女性は80%で働くシステムを採用したりすることで、子育て時間の確立と仕事を両立することを可能にしたのです。

そして、現在では、医者と言う職業は、すっかり女性に適した職業だと言われるようになり、さらに人気は高まりつつあるのです。


■ 女性医師は増加していくか?

これだけ高い女性の医学部の学生割合と、この何年かで多くの男性医師が退職をしていく状況の中、フランスでの女性医師の割合は男性を追い抜くことは間違いないと思われます。しかしながら、今年になって、もしかしたらその状況は長く続かないかもしない可能性がでてきました。

というのも、医師が多かった時代の60代以上の世代の医師が次々と退職し始めた結果、現在フランスでは医師不足に悩まされることとなり、マクロン政権は医学生の定員制限を撤廃するなどの改革を行い、医師を増やしていくことを発表したのです。

この改革が行われれば、決められた人数だけが医学を学べるのではなく、ある一定のレベルに到達していれば医学を学べるという、より自然な選抜が実施されることになります。また、他の分野にも行ける道を増やし、もし医師の試験に受からない場合でも容易に他の分野に進めるようになるとしています。

そうなると気になるのは男子学生の動向です。現在はすっかり女性が多い職場になったフランスの医学界ですが、学生の定員制限が撤廃され、失敗したとしても他の道にも行きやすいとなれば、もともと実力のある男子学生がまた医学の道を志すようになる可能性もでてくるのではないでしょうか。

実際どうなるかは蓋を開けてみなければわかりませんし、結果を知るのはまだまだ先の話になりますが、12年~15年後には男性医師が増大する可能性が大いに出てきたということです。しかし、いずれにしても、すでに作られた女性が働きやすい環境がこれからも持続する限りは、女性からの人気も衰えることがないことは間違いないでしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/637274
「医学部の地域枠、一般枠と峻別を」、自民議連が決議
文科・厚労両省に提出、地域枠の一般枠への振り替えを問題視
 
2018年10月24日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 自民の衆参両院の国会議員約180人で組織する「医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟」(会長:河村建夫・衆院議員)は10月24日の総会で、大学医学部入試において、地域枠は「別枠方式」、つまりそれ以外の入試枠と峻別して募集を行い、必要な地域枠学生の確保を確実にすることなど、3項目から成る医師偏在対策の決議文を採択した(文末を参照)。来週、柴山昌彦文科相、根本匠厚労相に提出予定。

 医学部の地域枠の定員は、2008年度の医学部定員増に伴い、増加してきた。医師偏在対策が目的だが、決議文では「地域枠による臨時定員増と称しながら、一部の大学において地域枠が充足されていない上、その不足分を一般枠等に用いてきたという実態が明らかになった」と問題視している。

 地域枠には、入試段階から別に行う「別枠方式」と、入試は同じ枠で行い、入学前後に地域枠希望者を募る「手挙げ方式」に大別できる。厚生労働省が都道府県に対して、この9月から10月にかけて実施した調査では、「別枠方式」は、募集数の91%に奨学金貸与実績(確保率)があり、義務年限(卒後9年相当)の推定履行率は95%(2008年度以降の医学部の臨時定員増関連)。一方、「手挙げ方式」の確保率は79%にとどまり、推定履行率も86%。決議文で、「別枠方式」を求めているのはこのためだ。同日開かれた厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の第23回医師需給分科会でも、都道府県知事は大学に対して、「別枠方式」の地域枠を要請することで意見の一致を見ている。

 議連後、事務局長を務める自見はなこ・参院議員は、「地域枠に関する実態が明らかになるのは今回が初めて」と断った上で、「地域枠卒の医師は、地域医療に従事していると思っていたが、手挙げ方式では思ったほど高くはなかった」と語った。地域枠として定員増が認められた部分を一般枠に振り替えることは「不誠実」であり、定員が埋まらなかった場合にはその分を返上すべきだと指摘。「文科省には、突っ込んだ対応をしてもらうことが必要」(自見氏)。

 議連では、宮下一郎・衆院議員は「地域枠として上乗せした分なので、希望者がなかったからといって、定数はそのまま(一般枠への振り替え)とするのは、焼け太り」と指摘し、別枠方式を求めた。一方で、「まず入学させて、その中から地域枠の学生を選ぶ方が、公平性が担保されるのではないか。医学部6年間でいろいろ考えも変わってくる」(三ツ林裕巳・衆院議員)といった意見もあったが、決議文は了承された。

 古川俊治・参院議員は、2021年度までは現行の医学部定員がほぼ維持される見通しであることから、「早く減らさないと大変」と指摘し、地域枠とそれ以外をどんな割合で減らすべきかを議論する必要性を強調(『医学部定員、「2022年度以降、減員に向けた議論が必要」』を参照)。厚労省医政局長の吉田学氏は、地域枠の現状などを踏まえて、検討していく方針を示した。

 冨岡勉・衆院議員は、「長崎県では、医師が余っている現状がある」と指摘し、医師不足や医師偏在の現状認識を質した。厚労省医政局医事課長の佐々木健氏は、「将来的には医師が過剰になっていくのは明らかだが、地域や診療科の偏在があるのは確かなので、偏在問題については引き続き是正をしていくことを考えている」と回答した。

「地域枠に関する入試のあり方について」
一、 文部科学省及び厚生労働省は、地域枠の充足や定着の状況について、引き続き精査をし、個別都道府県及び大学ごとの状況を早急に明らかにすること。

一、 臨時定員の要件である地域枠については、地域枠以外の入学枠と峻別した上で学生の募集を行うことにより、必要な地域枠学生の確保が確実になされるよう、文部科学省は大学に対して指導を行うとともに、厚生労働省は、各都道府県において今後の地域枠の需要を明らかにし、必要な地域枠が確実に設置されるよう、当道府県に対し指導及び支援を行うこと。

一、 これらは医学部医学科の入試に関わることであることから、地域医療に従事したい学生に対して公平な選択の機会が与えられるよう、現在入試の公平・公正なあり方について議論されている全国医学部長病院長会議・大学医学部入学試験制度検討小委員会においても、地域枠についての整理も行うこと。



https://resemom.jp/article/2018/10/25/47379.html
医学部の地域枠、2,594人定員割れ…厚労省調査 
リセマム 2018.10.25 Thu 13:15

 地域の医師不足解消を目的とした医学部の地域枠は、2008年度から2018年の11年間の合計募集数1万835人のうち、2,594人分が埋まらず定員割れしていたことが、厚生労働省の調査結果より明らかになった。

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地域枠の履行状況

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地域の医師確保を目的とした都道府県地域枠

 地域の医師不足解消を目的とした医学部の地域枠は、2008年度から2018年の11年間の合計募集数1万835人のうち、2,594人分が埋まらず定員割れしていたことが、厚生労働省の調査結果より明らかになった。

 地域枠は、地域の医師確保を目的に、都道府県が大学医学部の学生に奨学金を貸与する制度。医師免許取得後、都道府県内の特定の地域や医療機関に貸与期間のおおむね1.5倍(9年間)の期間従事した場合、奨学金の返還が免除される。

 地域枠履行状況等調査は、各都道府県が奨学金を貸与する代わりに地域医療へ従事する「地域枠」の履行状況を調べたもの。調査対象は47都道府県、調査対象期間は2008年度から2018年度の11年間。

 地域枠学生の選抜方法は、一般枠と別枠の募集定員を設ける「別枠方式」と、一般枠などと共通で選抜し、事前または事後に地域枠学生を募集する「手挙げ方式」とに大別される。

 地域枠の履行状況は、11年間の合計募集数1万835人のうち、貸与実績は8,241人(76%)で、2,594人分が埋まらず定員割れした。方式別にみると、別枠方式は募集数5,956人、貸与実績5,290人(89%)、手挙げ方式は募集数4,879人、貸与実績2,951人(60%)だった。

 地域枠の離脱状況は、別枠方式では93%が義務履行すると推定されるのに対し、手挙げ方式だと82%しか義務履行されないと推定される。手挙げ方式は、地域枠の履行状況や離脱状況がよくないことから、厚生労働省の検討会では、都道府県や大学に対して「別枠方式」による地域枠を要請するとしている。
《工藤めぐみ》



https://webronza.asahi.com/culture/articles/2018102400004.html
東京医科大学「性差別」入試から見えるもの
女性医師が増えて困ることは何もない
 
上野千鶴子 社会学者
2018年10月25日 朝日新聞

 東医大不正入試によって、ようやく医師の「働き方」が、問題視されてきた
拡大東京医大の不正入試によって、医師全体の「働き方」も問われるようになってきた

 医師が過重労働になるのは、人口当たりの病床数が多く、外来受診数が多く、保険診療点数が抑制されており、医師が不足しているからである、と日本の医療システムの構造的な原因を指摘するひともいる。個人的な問題の背後には構造的な問題が横たわっている。だが、その構造を厚生官僚と共に長期にわたるなれ合いのもとで維持してきたのは、医師会自身ではないのか。開業医と勤務医とのあいだには大きな格差がある、医師会は開業医主導だったというなら、それを放置してきたのは誰なのか。

 八つ当たりのように、医師の過重労働は国民健康保険制度のせいだという人すらいる。日本の医療は質が高く、相対的に安価で、病院のアクセスへのハードルが低い、だから病院へ患者が押し寄せる、と。だが5時間待ち3分診療の現実が、ほんとうに「質が高い」医療と言えるかどうかは疑問だし、何より病院へ好きで行くひとはいない。安価で民主的な国民皆保険は、日本の誇るべき財産だ。患者に診療抑制を求める前に、安易な診療行動を誘発したのは、これも誰なのか?

 診療の完全予約制を採用すれば、医療現場は医師にとっても患者にとっても劇的に改善するだろう。できないはずはない。歯科診療の多くはとっくにそうなっているのだから。予約がとりにくくなれば、自ずと診療行動は抑制される。今でもすでに専門病院の敷居は高くなっている。緊急性の判定は、家庭医が行えばよい。


つくられる医師不足

 医師が足りない、という。なら増やせばよい。だがそうすれば医療費が高騰する、という。「医師の賃金が現状のままならば」という前提なら、そうなる。医師の働き方改革を唱えるひとたちが、触れようとしないのは、医師の報酬問題だ。

 医師と並んで高給取りの専門職は弁護士だが、司法改革で弁護士業界は激変した。アメリカなみの司法サービス需要が増えると見込んで始まった司法改革によって司法試験合格者が増えたにもかかわらず、見通しを誤り、法曹市場は拡大しなかった。そのため、現在ではかえって司法試験合格者の引き締めに入った。法曹人口が増えても法曹市場が拡大しなければ、1人あたりの分配が減る。

 法曹養成のために導入した法科大学院は、合格率にばらつきが大きく、一部はすでに閉校に追い込まれた。苦労して合格した後にも、司法修習生は就職難に苦しむようになった。法曹のプロの平均所得は、これから低下するだろう。そうなれば弁護士は特権的な職業ではなくなる。弁護士がもうかる職業でなくなれば、経済動機ではなく、社会貢献動機で法曹を志す若者たちが参入してくれるだろう。これは弁護士に限らない。税理士、公認会計士など、士業一般のサービスの価格破壊は進行中である。(以後有料記事)



https://www.medwatch.jp/?p=23066
「成長なしコスト増時代」が到来、増収・増益戦略ない病院は生き残れない―GHCコンサルタントが警鐘 
2018年10月24日 | GHCをウォッチ MedWatch

 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC、ホームページはこちら)は10月20日、急性期病院の幹部向け講演会「GHCマネジャーが徹底解説!急性期病院経営、増収・増益セミナー―単価アップ・患者増の秘訣―」を開催しました。

 イントロダクションでGHCマネジャーの森本陽介は、「コンサルタントとして全国の病院の財務状況を俯瞰すると、コストが年々増加している一方で、収益がゼロ成長、マイナス成長という病院の事例が後を絶たない」と指摘。「こうした厳しい状況の中で、明確な増収・増益戦略がない急性期病院は生き残れない」と警鐘を鳴らしました。

ここがポイント!
1 5つの背景で厳しい環境を突破する3つの戦術
2 ハードとソフトに分け「改善できること」を推進
3 冷静なデータとウエットな関係の両輪が必要
4 聖域「職員の生産性」に踏み込む2つの切り口


5つの背景で厳しい環境を突破する3つの戦術

 本講演会は、「成長なしコスト増時代」には増収・増益の戦略が欠かせず、そのための具体的な戦術を提案。森本は、収益伸び悩みの背景として、▼市場規模の頭打ち・制度厳格化(顧客:Customer)▼競争環境の激化(競合:Competitor)▼医師等確保の難しさ・業務非効率(自院:Company)―のマーケティングにおける3Cが主因と指摘。費用増大の背景には、▼過剰投資(人・設備・IT)▼医療の高度化(薬剤・診療材料費率高騰)―の2点があると指摘しています。
 
 その上で、こうした環境下で増収・増益を実現するための戦術を、(1)医療の質向上と両立する「コスト削減」(2)急性期症例の「徹底的な集患」(3)院内マンパワーを最大限に活用する「生産性向上」―の3つに整理。それぞれを、多数の改善事例を支援してきたGHCコンサルタントが解説しました。

ハードとソフトに分け「改善できること」を推進

 (1)医療の質向上と両立する「コスト削減」については、マネジャーの冨吉則行が「診療部を巻き込んだコスト削減の手法(パスによる薬剤適正化、コスト削減)」について解説しました。
 
 診療部を巻き込んだコスト削減手法は、他病院の診療情報と比較するベンチマーク分析を用いて、在院日数の短縮や材料コストの最適化などを進めていく活動です。これについて冨吉は、ハード面(どこで)とソフト面(どのように)の大きく2つに分けて解説。例えば、ベンチマーク分析の結果に課題があれば、自院の入院医療の状況をチェックする機関としても機能するDPC委員会が、課題への対応を協議するのに最も適した場となります。その際、医事課職員などが同委員会に参画していれば、「医事課の一職員の意見にとどまらず、DPC委員会を代表した意見になる」(冨吉)ため、現場の医師たちも無視しづらくなります。こうしたハード面を意識することは、診療部を巻き込んだ活動をするには欠かせません。
 
ソフト面で重要となるのはパスの見直しなどです。DPC制度下では、「経営的にマイナス」のインパクトとなる要素は、(1)在院日数が長すぎる(1入院での複数疾患、合併症、過剰な検査や画像)、(2)在院日数が短すぎる(化学療法など)、(3)標準化できる疾病で診療にバラつきがある(パスが浸透していない)、(4)診断を要するまでに時間がかかる(救急患者の検査や画像など)、(5)DPCコーディングが間違っている(病名の選択、処置1と2漏れなど)――に集約できます。ただし、これらの課題には、(a)標準化、パス推進(エビデンスやベンチマークなどで)、(b)診療ガイドライン遵守、(c)適切なDPCコーディング―などの明確な改善策を明示することができるのです。これらは「改善すべきであり、改善が可能なこと」ゆえ、理解さえしてもらえれば、医師の関与と協力を格段に得やすくなります。自院の状況を再確認してみてください。

冷静なデータとウエットな関係の両輪が必要

 (2)急性期症例の「徹底的な集患」については、シニアマネジャーの塚越篤子が「患者増に直結する戦略的地域連携」について詳説しました。
 
「医療連携を実践するための8つのステップ」のテーマを軸にし、大きく▼データ分析▼ウエットな関係強化▼紹介先と患者を直接結び付けられる関係強化―の3つを重点項目として解説しました。
 
 まず欠かせないのが、勘や経験、度胸に頼らない「データ分析による診療内容の可視化」です。例えば、疾患ごとに入院患者がどの医療機関から紹介されているのか、その患者は手術あり症例なのか、などを可視化した上で、どの医療機関との連携を強化すべきかを判断します。その上で、手紙やメールだけではなく、電話や対面で直接、連携先の医療機関の医師と自病院の医師が話し合える関係を構築できれば、信頼を得て次につながるきっかけにもなりえます。これは逆紹介においても同じで、こうした「ウエットな関係」を下地に、逆紹介する患者と紹介先が電話で直接話をする場などをセットできれば、その患者が紹介先医療機関へ確実に訪れる可能性も高まります。
 これらを踏まえつつ、実践的な医療連携を推進するための8つのステップを解説していきました。中でも塚越は院内の「つまり」の解消が重要であると強調。「つまり」とは、在院日数の長期化などでベッドが埋まってしまい、新患を受け入れられないような状況を指します。経皮的冠動脈形成術(PCI)の症例が年間84件だったところ、データを可視化した上で在院日数の短縮などに取り組んだところ、症例数が182件に倍増した事例に触れて、地域連携と言えども「課題は院外だけではなく、むしろ院内にあることの方が多い」と塚越は強調しています。

聖域「職員の生産性」に踏み込む2つの切り口

 (3)院内マンパワーを最大限に活用する「生産性向上」については、シニアマネジャーの湯原淳平が「生産性の向上による収支改善」を詳しく紹介しています。
 
 生産性は、「アウトプットを高めながら、コストを下げる」ことで向上します。つまり病院経営において、生産性を向上させるには、職員1人当たり収益を増やしながら、患者1人当たりのコスト減らすことが必要となるのです。
 
 職員1人当たりの収益は、人手不足で悩む病院経営者が多い中、踏み込みづらい領域とも言えます。ただし、医師1人が1日に何人の患者を診療しているのか、薬剤師1人が何件の薬剤管理指導料を算定しているのかなどをベンチマーク分析すると、明確に他病院と比較することができます。比較の結果、平均から大きく下回っている場合には、「現場がいくら多忙にみえても、さまざまな視点で業務を見直していくことで、改善点が浮かび上がってくる」と湯原は指摘します。こうして患者数を増やし、ケースミックスを重くしたり、加算など出来高収益を増やすことで、職員1人当たりの収益増につながっていきます。

 他方、患者1人当たりコストを削減するためには、医師や看護師など人件費の高い職種の業務を軸に「業務移譲」(タスク・シフティング)することが欠かせません。また、仕組みによってコストを削減する手法も重要で、その代表的な例が、外来時点から患者の入退院を支援する「Patient Flow Management」(PFM)の導入です(関連記事『外来から患者の入退院を支援するPatient Flow Management(PFM)が急性期病院の将来を救う』)。

 PFMは、入退院支援センターを設置するなどし、在院日数の短縮や入院時の検査の外来化など「入院医療の最適化」を目指す手法です。外来時から予定入院患者に介入することで、直前の手術中止などの無駄を最小化することにもつながり、医療の質向上にも貢献します。こうした業務移譲や業務最適化を目指した仕組み化による人件費削減のほか、薬剤や医療材料コストの削減など、コスト削減の切り口は一つではありません。

 湯原は、こうした一連の生産性向上の流れを説明した上で、本セミナーの増収・増益戦略の重要性を改めて強調するため、近代看護教育の母であるフローレンス・ナイチンゲールの言葉を引用し、「あなた方は進歩し続けない限りは退歩していることになるのです。目的を高く掲げなさい」として、講演を締めくくりました。

 講演会では、高度急性期病院の4割が導入(DPC特定病院群を経験した病院と定義して算出)する「病院ダッシュボードχ(カイ)」の体験コーナーを設置。多数の人たちが訪れました。病院ダッシュボードχは近く、塚越の集患をテーマにした講演と大きく関係する新機能「地域連携」をリリース予定です。詳細については追ってご案内しますので、是非、ご検討ください。



https://www.m3.com/news/iryoishin/637826
シリーズ 地域医療構想
地域医療構想調整会議、「多数決で採決」はNG
厚労省WG、「役割変更なしの民間病院」は議論の対象外
 
レポート 2018年10月26日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・九州大学名誉教授)の第16回会議が10月26日開催され、地域医療構想調整会議について、「多数決」による採決ではなく、全会一致で進める方針が確認された。「担うべき役割」を大きく変更する以外の民間病院も調整会議に諮るが、「議論」ではなく、役割の「確認」にとどまるなど、調整会議の進め方について幾つかの認識合わせが行われた(資料は、厚労省のホームページ)。

 日本医療法人協会会長代行の伊藤伸一氏は、「進行を早めることに重きを置いて、多数決を採用している県もあるようだが、それはない。調整会議は自主的に医療機能を収れんさせることを目的としており、こうしたことが出ると、ゆがんだ形になる」と指摘。

 日本医師会副会長の中川俊男氏も、「調整会議の性質上、全会一致で合意しなければ、『合意できなかった』という結論。例えば、ある公立病院が方針を出し、合意をできなかったら、それを返すことになる。自主的に医療機能を収れんさせることが調整会議の目的なので、多数決は問題」と続いた。

 厚労省医政局地域医療計画課は、調整会議の趣旨にそって、適切な運用を都道府県に求めていくと説明。伊藤氏は、「合意をしないという考え方があることを伝えてもらいたい」と念を押した。

 その他、調整会議の進め方として、「地域医療構想の定量的な分析に当たっては、各都道府県の実態を把握した形で進めるべき。また病床機能報告と診療報酬とのリンクを危惧し、調整会議で議論が進まないことがあるので、リンクはないという指導をしてもらいたい」(伊藤氏)、「定量的な分析はあくまで例であり、必ず実施しなければならないわけではない。誤解のないようにしてもらいたい。定量的という言葉を安易に使わないでもらいたい」(中川氏)など、「自主的な収れん」で地域医療構想の実現を目指すべきとの意見が相次いだ。


 公立・公的と民間の扱い異なる

 地域医療構想の実現に向け、現在、各地域で調整会議が開催されている。その際、(1)公立病院、公的医療機関等は、「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」を策定し、2017年度中に協議、(2)その他の医療機関のうち、担うべき役割を大きく変更する病院などは、今後の事業計画を策定し、速やかに協議、(3)上記以外の医療機関は、遅くとも2018度末までに協議――が求められている。

 (1)については、協議を終えて「合意済み」が、公立病院は39%にとどまり、公的病院等はやや多いが52%(いずれも病床数ベース)。

 全日本病院協会副会長の織田正道氏は、(3)について、「役割を大きく変更する病院以外も、対象になるのか」と質問。厚労省医政局地域医療計画課は、「(調整会議で)病院の中身について一度、議論してもらうということ」と回答。

 これに対し、中川氏は、「議論というと、『A病院はどうするのか』といった話になる。県によっては、(状況を把握するために)あせってアンケートをやっているところもある」と指摘。「変更なく今の病床機能をやっていくことを確認」することが、「協議」に当たるとの解釈を示し、厚労省医政局地域医療計画課は中川氏の意見を支持した。


 中川氏「自由診療の病院増床、けん制」

 2019年4月から施行される改正医療法では、地域医療構想の達成を図るために、都道府県知事の権限が強化される。「既存病床数が基準病床数を下回るような地域であっても、許可病床数が既に将来の病床の必要量に達している場合には、必要な手続を経た上で、都道府県知事が許可を与えないこと(民間医療機関の場合には勧告)ができる」権限が加わった。

 尾形座長が、「これはあくまでも都道府県知事の権限。民間病院に対しては、勧告にとどまるので、追加的な整備(増床)ができないわけではないとの解釈か」と確認。厚労省医政局地域医療計画課は、保険医療機関の指定をしないといった対応は可能なものの、増床も可能とした。

 これを受け、中川氏は、本ワーキンググループの議論の範囲をやや超えると断りつつ、「全国で自由診療はどのくらい実施されているのか、その医療費はどのくらいなのかを、構想区域ごとに実態把握をしてもらいたい。最近、自由診療として、病床を作る動きがあるので、ぜひ関連部署と早急に考えてもらいたい」と要望した。伊藤氏は自由診療の病床の扱いを確認。厚労省医政局地域医療計画課は、地域医療構想の4機能のいずれに該当するかなどは、調整会議の議題になるとした。


 介護医療院への転換、2017年報告では低調

 26日の会議では、地域医療構想が定める4つの医療機能のうち、「慢性期機能を有する病床の機能分化・連携」についても議論した。2017年度病床機能報告では、約35万床の慢性期病棟のうち、「6年後」に介護保険施設等へ転換予定とした病床の詳細は、「介護医療院」約1万6000床、「介護老人保健施設」約1100床、「その他の介護サービス」約500床という内訳。

 奈良県立医科大学教授の今村知明氏は、介護医療院への移行数が少ないことを指摘。市町村が策定する介護保険事業計画に介護医療院が位置付けられていないことが、その理由として挙げた。第7期の同計画は2018年度から3カ年のため、次の計画策定まで3年待たなければいけない。「移行したくても、移れない状況は非常に問題。対策を取ってもらいたい」と求めた。

 厚労省医政局地域医療計画課長の鈴木健彦氏は、医療療養型から介護医療院への転換は介護保険事業計画の整備数の枠外になるという通知を発出していると説明。一方で一般病床からの介護医療院への転換は、事業計画の対象となるので、次の第8期の計画で検討することになるとした。また2017年病床機能報告は、2018年度介護報酬改定で、介護医療院の報酬が決まる前だったことから、2018年の病床機能報告の分析を進めるほか、転換事例を先行事例として分析し、対策を立てていくとした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/636706
シリーズ 真価問われる専門医改革
「厚労相の16の意見・要請」に回答・了承得る、日本専門医機構
東京の専攻医採用数の上限、今後2カ年は削減せず
 
2018年10月22日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構理事長の寺本民生氏は10月22日の記者会見で、同日12時から2019年度専門研修開始の専攻医の登録を開始したことを公表した。それに先立つ10月19日の理事会では、厚労相からの新専門医制度に対する意見・要請について議論、回答し、了承を得たという。1次登録は10月22日から11月21日まで(詳細は、『2019年度専門研修、専攻医登録は10月22日から』を参照。資料は同機構のホームページ)。

 厚労相からは16の意見・要望があり、情報提供の徹底のほか、シーリング(5都府県、14の基本領域の専攻医採用数の上限)体制、研修プログラム制と研修カリキュラム制の在り方、事務局体制の強化などについて回答した。

 理事会で最も議論になったのは、シーリング体制。5都府県のうち、東京都については、今年度のシーリングが昨年度から5%削減された。寺本理事長は、「機構として危惧しているところがある。5%減として理解してもらったが、東京都からも要請は来ており、これ以上の削減は厳しいという印象を持っている。2019年度と2020年度に行う専攻医登録の際のシーリングについては、現状を維持することを、厚労省に理解してもらっている」と説明。シーリングとして設定している数は適切なのか、シーリングが有効なのかを今後、専攻医のデータベースを使うなどして検証していく方針。

 「シーリングを遵守していなかった」とされる領域・地域がある点については、研修カリキュラム制を選んだ専攻医数を的確に把握できていなかったことが要因として考えられることから、2018年度の専攻医登録からは、研修プログラム制、研修カリキュラム制のいずれを選択したか、またシーリングの在り方と関係する地域枠の出身者であることが分かる形で行う。

 研修プログラム制については、専門医制度新整備指針の中で、連携施設でも「3カ月以上の研修」としているが、3カ月未満のケースがあることが指摘されている。寺本理事長は、「ある程度、柔軟な対応をするとしている」と断った上で、多くの事例が出てきた場合は事情を聴取した上で対応する方針。一方、研修カリキュラム制については、十分に理解されていない、あるいは採用していない基本領域もあることが問題視されている。「学会によって、研修カリキュラム制の捉え方が違うので、カリキュラム制の要件を整備する」と寺本理事長は語る。

 事務局体制の問題については、今年度中に、現在は不在の事務局長を採用するとともに、事務職員も増員する方針。「理事会では、ある一定の期限を決めて事務局体制を整備してもらいたい、という意見があった。この点についてもしっかりと対応していきたい。それ故(事務局体制が弱い故)に情報提供の徹底ができず、いろいろなところからの要望に対する対応も十分ではなかった」(寺本理事長)。

 事務局体制関連では、日本専門医機構の情報漏洩も問題になっており、第三者委員会で検証を進める。9月25日に委員が最初の顔合わせを行い、その場で今後の方針などを議論したという。「年内に報告してもらいたいと考えている」(寺本理事長)。

 さらにサブスペシャルティについては、サブスペシャルティ領域検討委員会で議論を進めている。今年内に基準を決め、今年度内には、研修プログラムの認定を行い、来年4月から募集を開始するスケジュールを想定している。

 新専門医制度については、今年の通常国会で成立した改正医師法・医療法に伴い、地域医療に重大な影響が及ぶ懸念がある場合などは、厚労相が「必要な措置」の実施を要請できる仕組みが創設された。10月15日の厚生労働省の医道審議会医師分科会医師専門研修部会でその内容を決定、日本専門医機構に通知され、同機構はその回答を求められていた(『厚労省、専門医機構に16の意見・要請を通知へ、基本領域学会にも』を参照)。


 「補助金の不正利用」は否定

 日本専門医機構は10月12日、ホームページ上で「補助金の取り扱いについて」との情報を掲載した。「この度、本機構が厚生労働省から受領致しました『補助金』につきまして、一部雑誌に誤った情報が掲載されましたが、下記のとおり、交付確定額と振込額(送金額)の相違はありませんのでお知らせいたします」との説明だ。

 問題視しているのは、9月28日付の業界紙(FAX)と10月1日発行の月刊誌の記事。日本専門医機構副理事長の今村聡氏は、「機構が、厚労省の補助金を不正に利用しているのではないか、という指摘がされた。機構に対する信頼性を失いかねず、誤解を招くことから、訂正記事を出した」と説明。厚労省から同機構に対しては、データベース構築費用として補助金が出ている。今村副理事長は、次のように補足した。「対象となる事業の2分の1の補助を受けている。例えば、4800万円の交付額が決定しても、実施した事業の額が少なく、補助額が4500万円になった場合は、確定額は4500万円となる。交付額と決定額の差は補助されないだけだが、機構に振り込まれた額と交付決定額との間に差額があるので、誤解を招いたのだろう。私は、財務担当の副理事長として責任を持っている。責任ある立場に確認してもらえば、こうした誤った認識にはならなかっただろう」。



https://www.medwatch.jp/?p=23034
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会 
2018年10月23日|2020年度診療報酬改定 MedWatch



 2018年度の診療報酬改定で再編・統合された【急性期一般入院基本料】や【地域包括ケア病棟入院料等】【回復期リハビリテーション病棟入院料】【療養病棟入院基本料】により、医療現場にはどのような影響が出ているのか―。

 10月17日に開かれた診療報酬調査専門組織の「入院医療等の調査・評価分科会」(以下、入院医療分科会)では、こういった点を把握するための調査票が概ね固められました(関連記事はこちら)。親組織である中央社会保険医療協議会の了承を待って、近く調査が開始されます。
 
ここがポイント!
1 入院医療に関する診療報酬改定、入院医療分科会の調査・議論がベース
2 「医師の指示の見直しの頻度」は、患者の状態とは相関しない


入院医療に関する診療報酬改定、入院医療分科会の調査・議論がベース

 2018年度の診療報酬改定では、さまざまな見直しが行われました。とくに、入院料については、「看護配置などに基づく基本部分」と「重症患者の受け入れ状況などに基づく実績評価部分」を組み合わせた評価体系に再編・統合するなど歴史的な大改定と言えます。

 また、急性期病棟における「重症患者」を評価するための「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)についても、▼基準の見直し(認知機能を低下した患者の評価)▼DPCのEF統合ファイルに基づく評価(看護必要度II)の導入—など、大きな見直しが行われています。

 こうした入院医療に関する診療報酬の見直しに関しては、中医協病棟で議論を行う前に、入院医療分科会で詳細な調査を行い、技術的な課題の整理等を行っていきます。例えば、上述の看護必要度IIについては、「看護必要度評価票に基づく評価結果」と「EF統合ファイルを用いた評価結果」の突合などを行い、実現可能性を慎重に検討していました。

 このように、入院医療に関する診療報酬改定について、入院医療分科会の議論は極めて重いものとなっており、2020年度以降の次期診療報酬改定でも、同様の構図になると考えられます。

 10月17日に開催された入院医療分科会では、2018年度改定によって医療現場にどのような影響が出ているのかを把握するために、次の4項目に関する調査(2018年度調査)の調査票が概ね固められました(関連記事はこちら)。

(1)急性期一般入院基本料、地域一般入院基本料等の評価体系の見直しの影響(その1)
(2)地域包括ケア病棟入院料および回復期リハビリテーション病棟入院料の評価体系の見直しの影響
(3)療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響(その1)
(4)医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態

 
 調査内容は多岐にわたりますが、例えば(1)のうち【急性期一般入院基本料】(従前の7対1・10対1一般入院料→新たに7種類の【急性期一般入院料】に再編)を眺めてみると、▼各病棟の届け出内容(急性期一般入院料1-7のいずれか、など)とベッド数、入院患者数▼過去3か月間における新入棟患者数・新退棟患者数と在院患者延日数▼看護必要度の種別(I、IIのいずれか)と選択の理由▼過去3か月間における重症患者割合▼過去3か月間における在宅復帰・病床機能連携率▼改定前後における病床利用率の変化▼夜間の看護体制、看護補助体制▼他病棟への転換意向とその理由▼入退院支援の状況(体制や加算の算定状況、入退院支援が困難なケースなど)▼患者の要介護状態や介護保険の活用状況―などを詳しく調べることになります。

 とくにメディ・ウォッチが注目したのは、「7対1一般病棟入院基本料→急性期一般入院料1」という届け出をした病院に対し、「急性期一般入院料1を届け出ている理由」を聞いている点です。

 2018年度改定では、いわば「旧7対1と旧10対1の中間に位置する、【急性期一般入院料2】【急性期一般入院料3】」の新設が行われました。7対1からの転換を促すための措置であり、例えば「看護配置を8対1や9対1として、急性期一般入院料2や3に転換する」という選択をした場合、旧7対1相当の【急性期一般入院料1】よりも利益率が向上します。地域での看護職員確保が困難さを増す中では、急性期一般入院料1(旧7対1)への固執は病院運営上、厳しさを増していくため、急性期一般入院料2・3は「極めて魅力的な選択肢」となります。

 この点、厚生労働省は、▼7対1看護配置が必要な入院患者が多い(医療需要がある)▼他に転換すると、地域の連携先医療機関からの要請に応えられない▼施設基準を満たしており、転換の必要性がない▼転換した場合、余剰人員が発生してしまう▼収益を上げやすい▼転換した場合、職員のモチベーションが低下する▼転換した場合、職員負担の増加が懸念される―といった選択肢を用意し、【急性期一般入院料2や3】に転換しない理由を探る考えです。


「医師の指示の見直しの頻度」は、患者の状態とは相関しない

 また、入院患者の状態については▼疾患▼入院時のADL▼認知機能▼栄養状態▼褥瘡▼医療提供▼手術▼リハビリ▼ケアマネジャーの有無▼今後の見通し―などを調べます。

 このうち「医療提供」については、前回改定より「医師による診察(処置、判断含む)の頻度」や「医師の指示の見直しの頻度」が調べられていますが、入院医療分科会委員からは「指示の見直しの頻度は、診察の頻度に包含される。調査する必要はない」との指摘が相次ぎました。
 
 この点については、過去に次のような変遷がありました。

▽2014年度・16年度改定に向けた調査:「医師の指示の見直しの頻度」を調べた
  ↓
改定論議の中で、「『指示の見直しの頻度が低い患者』=『状態が安定している患者』との誤解を生む。診察の結果、現在の指示を見直す必要はないと判断し、結果、指示の見直しの頻度が低くなるケースは往々にしてある」との指摘
  ↓
▽2018年度改定に向けた調査:「医師の指示の見直しの頻度」に加え、「医師による診察の頻度」を調べた(関連記事はこちら)

 さらに、今般の調査に関しては、神野正博委員(全日本病院協会副会長)や石川広己委員(日本医師会常任理事)らから、上記のような指摘があり、おり、「医師による診察の頻度」に包含して調査されることになったものです。この点、10月19日の日本病院団体協議会・代表者会議でも「指示の見直しの頻度は、決して患者の状態とは相関しない」ことが再確認されています。

 
調査結果は来年(2019年)6月頃から順次公開される見込みですが、その際の議論に注目が集まります。

 
 なお、入院医療分科会の調査では「回答率が低い」(3割程度のときもある)ことが問題視されており、委員からは「病院団体に早期から調査協力を依頼するべき」「調査項目を精査して負担軽減を図るべき」といった声が出ています。入院医療の診療報酬見直しに向けて、非常に重要な調査であり、多くの病院の協力に期待が集まります。



https://www.medwatch.jp/?p=23090
2018年6月の後発品割合は76.3%、徳島県のみ「70%」に到達せず―協会けんぽ 
2018年10月24日|医療保険制度 MedWatch

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽにおいて、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合は、今年(2018年)6月時点で76.3%となり、前月から0.3ポイント上昇した。都道府県別に見ると沖縄県・鹿児島県・岩手県の3自治体で、政府の第2目標「80%以上」をクリアし、第1目標「70%以上」を達成できていないのは徳島県のみ(67.3%)となった―。

 こうした状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が10月24日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 直近1年間の上昇ペースが続けば、来年(2019年)1月に後発品割合80%をクリア
2 80%以上クリアは沖縄・鹿児島・岩手、70%未達は徳島のみ


直近1年間の上昇ペースが続けば、来年(2019年)1月に後発品割合80%をクリア

 高齢化の進展や医療技術の高度化などによって医療費が増加する一方で、現役世代が減少していくため、公的医療保険制度の基盤が脆弱になってきています。公的医療保険制度が崩壊、つまり「誰でも保険証1枚あれば低額の自己負担で医療を受けられる」仕組みがなくなれば、医療へのアクセスが大きく阻害され、我が国の健康水準は大きく低下してしまいます。

 そこで、「医療費の伸びを我々国民の負担できる水準に抑える」(適正化)が非常に重要なテーマとなってきています。例えば▼平均在院日数の短縮による入院医療費の適正化▼後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進による薬剤費の圧縮▼医療機能の分化と連携の強化▼地域差(ベッド数、受療率、平均在院日数など)の是正▼健康寿命の延伸―などさまざまな角度から取り組みが進められています。

 このうち後発品については、政府が▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標値を設定するとともに、診療報酬・調剤報酬において各種加算の設定や充実などを行うなど、使用促進策が講じられています。

 「協会けんぽ」の運営主体である全国健康保険協会でも、従前から積極的に後発品使用促進に取り組んでおり、例えば、医療機関を受診し医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「医薬品を先発品から後発品に切り替えれば、あなたの自己負担額は○○円軽減されます」といった通知の発出や、毎月の後発品使用割合の公表などを行っています。10月24日には、今年(2018年)6月の後発品使用割合が公表されました(前月(2018年5月)の状況はこちら)。

 まず全体の後発品使用割合(新指標、調剤分)は、前月(2018年5月)から0.3ポイント上昇し、数量ベースで76.3%となりました。
 
 第2目標「80%以上」との間には、3.7ポイントの開きがあります。直近1年間(2017年7月から2018年6月)では、単純計算で「1か月当たり0.56ポイント」のペースで後発品割合が上昇しています。仮に、このペースが継続すると仮定すれば、計算上は来年(2019年)1月に第2目標「80%」をクリアできることになります。ただし、昨年(2017年)1年間のように「後発品の使用が思うように進まない」状況に陥る可能性も決して否定できず、今後の動向を注視していく必要があります。


80%以上クリアは沖縄・鹿児島・岩手、70%未達は徳島のみ

 後発品割合は協会けんぽ全体では着実に上昇していますが、都道府県別に見ると、まだまだ大きなバラツキがあります。

 最も後発品割合が高いのは沖縄県で86.3%(前月から0.4ポイント上昇)、次いで鹿児島県の82.3%(同0.1ポイント上昇)、岩手県の82.2%(同0.2ポイント上昇)で高くなっています。第2目標「80%以上」をクリアしているのは3自治体のままです(2018年3月から3自治体)。

 逆に、最も低いのは徳島県で67.3%(同0.1ポイント上昇)で、第1目標「70%以上」すらクリアできていない自治体は、ついに徳島県のみとなりました(山梨県は前月から0.5ポイント上昇し70.4%となった)。
 
 最高の沖縄県と最低の徳島県との間には、19.0ポイントの差があり、格差は広がってきています。医療費の膨張は、前述のように「医療保険制度の崩壊」をも引き起こす可能性があり、徳島県における一層の努力に注目が集まります。今年度(2018年度)からは、国民健康保険の財政責任主体が都道府県に移管されることから、「医療費適正化」はまさに「我が事」となります。先進県(沖縄県や鹿児島県、岩手県)の取り組みも参考に、後発品の使用促進に取り組むことが期待されます。



https://www.m3.com/news/general/637865
望まぬ受験生排除…根深い不正、あらゆる場面で 
2018年10月27日 (土) 読売新聞

 東京医科大が23日に公表した第三者委員会(委員長・那須弘平弁護士)の中間報告は、同大にはびこる不正入試の根深さを改めて浮かび上がらせた。受験生に対する差別は、性別や浪人回数にとどまらず出身校にも及び、特定の受験生を合格させる「個別調整」は一般、推薦入試を問わず、あらゆる場面で行われていた。同大は来週にも、不正によって不合格となった受験生の救済策を決める見通しだ。

 「自分たちが望まない受験生を内々に排除しようとしている」。医学部進学予備校「エースアカデミー」の高梨裕介代表はそう話す。

 同大は2006年から一般入試や大学入試センター試験利用の2次試験で小論文の得点を操作し、女子と浪人回数の多い男子を不利に扱ってきた。中間報告によると、今年と昨年は、合格ラインに達していたのに得点操作で不合格となった受験生が、女子55人と浪人回数の多い男子14人の計69人に上った。



  1. 2018/10/28(日) 09:30:31|
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