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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月2日 

https://www.sankei.com/west/news/180828/wst1808280080-n1.html
大分・国東の市立病院、医師勧誘で違法賞与 背景に医師不足も
2018.8.28 20:41 産経新聞

 大分県国東市などは28日までに、同市立国東市民病院で条例の定めがないのに医師の勧誘に携わる臨時職員に違法に賞与を支払うなど、少なくとも数百万円の不適切な公金支出があったと発表した。医師同士の意見交換会の2次会費なども公費で賄っていたという。

 地方の医師不足が深刻化する中、現場で必要な医師を確保しようと判断したとみられる。適切な待遇の在り方も含め、議論を呼びそうだ。

 市などによると、医師の市民病院への勧誘などを担っていた臨時職員の60代男性は平成27年4月に採用され、条例に定めのない年96万円の賞与を受け取っていたという。この臨時職員は医師不足を補うため、休日診療などに携わる医師二十数人を他の病院から集めていた。

 市民病院は他に、高額な交際費や病院職員の慶弔費なども公費で支払っていたという。

 市監査委員会の報告を受け、市が6月に組織した第三者委員会が調べていた。市は9月中旬までに聞き取り調査などで実態を把握し、関係者の処分などを検討する。



http://blogos.com/article/320677/
医師はブラックな労働状態を我慢しろ!医療の崩壊の流れをメディアはしっかり報告を!
中村ゆきつぐ2018年08月27日 00:00 BLOGOS

日経新聞記事です。(残業規制、医師は緩く 厚労省方針 救急・産科は上限見送りも)

医療の値段を絶対あげたくない日経ですからある程度仕方ないのですが、特に会議もなかった厚労省、どのような策略でこのような情報を日経にながしたのでしょうか。

“一般労働者と同じ規制だと医師不足などで医療現場が混乱しかねないため、独自のルールが必要だと判断した。”

まあ医師会と病院学会の意見です。繰り返しますが正直医療費を絶対にあげるわけにはいかない厚労省として、残業代含めて人件費を適正化することは絶対に認められないのはわかりますが、勤務医を全然代表していないこの学会のお偉いさんの意見を取り入れて、さらに現場と乖離させて一体どうするつもりなんでしょう。

“厚労省は医師の残業上限は一般労働者の年720時間よりも緩くする方向だ。厚労省内では「最大でも年960時間」との意見がある。”

いや医師の仕事は睡眠不足の状態でも、疲労している状態でも安心、安全に患者の治療をおこなえるのね(棒)

“さらに業務の性質上、長時間労働になりがちな救急や産科などで働く医師には例外規定を設け、規制を一段と緩める方向だ。こうした診療科には上限そのものの設定を見送る可能性がある。”

ああ、これでさらに全国の救急、産科が潰れる!いい、身の安全を守ってもらえない医師たちが患者の安全を守れる仕事ができる?いやそんな専門科をどんな医師が希望する?学会声明出さなきゃ!

“ただ例外扱いになる場合でも、産業医との面談など健康確保措置を義務付け、労働時間の正確な把握など長時間労働を抑える仕組みを整える。”

今まで通り我慢しなさい。その代わり法律の規制がない仕組みは作ります。そんな性善説で今までのブラック企業問題、長時間労働は抑えられたの?
一般労働者向けの枠組みでは努力義務となっている勤務間インターバル制度の導入も積極的に促す。

だから促しても法律、罰則なければ意味がありません。今でも出産明けで給料なしで働かされている大学病院の医師がいることを普通の人は信じられる?医師たちはそうやって教育のために我慢する人種なんだよ!だからブラックな状況を与えられても、心の優しいいい医師に限って上にこき使われるんだよ。
“厚労省は応召義務を「組織として果たすべき義務」に改める。複数の医師や看護師などが連携して対応するチーム医療を想定し、医師個人への負担を和らげる。”
医師の仕事の分配です。ここは評価したいと思いますが、ただ具体策が少し見えません。
“医療界の一部が要望している医師向けの裁量労働制などの仕組みの創設は見送る方向だ。”
当たり前だ!今より悪くしてどうする!

他のメディアの方にお願いします。NHKはじめ東京医大の女性入試問題で開放された医師の働き方問題。現状を変化させないで潰れることを良しとする厚労省の動き、医療界重鎮をしっかり報じてください。



https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180830/KT180829ATI090016000.php
医師派遣「拠点病院」 県が10病院指定 小規模医療機関支援へ
(8月30日)信濃毎日新聞

 県は29日の県地域医療対策協議会で、県内の医師確保に向けた本年度の新規事業「地域医療人材拠点病院支援事業」を巡り、小規模な病院や診療所に医師を派遣する「地域医療人材拠点病院」に10病院を指定したと明らかにした。拠点病院には派遣実績に応じて補助金を出し、県外の医師を紹介するなどして支援する。ただ、県内10の2次医療圏のうち、上田小県、木曽、大町北安曇の3医療圏は拠点病院の指定はない。

 同事業は医師の派遣を活発化させることで、特に医師不足が深刻な過疎地の医療を支える狙い。拠点病院は「病床数がおおむね400床以上」「後期研修医がおおむね10人以上在籍」などが条件。「病床数がおおむね200床以下」の小規模病院や診療所といった医療機関に医師を派遣し、医師の確保や養成に取り組む場合に補助対象となる。県は事前に該当する病院に意向調査を行った上で10病院を指定した。

 拠点病院に指定された10病院はこれまでも地域の医療機関に医師を派遣しており、本年度は延べ29の小規模病院や診療所といった医療機関に医師を派遣する計画。このうち、5医療機関は本年度から新たに医師の派遣を受ける診療科(計7診療科)がある。派遣日数は受け入れ先の医療機関によって異なり、多い医療機関では336日に上る。

 拠点病院のない3医療圏について、上小と木曽は他の医療圏にある拠点病院から医師派遣を受けるが、大北は医師派遣を受ける医療機関が現時点ではない。

 県は、県内での勤務を希望する医師と病院・診療所を結び付ける「ドクターバンク」を活用して拠点病院に医師を紹介。本年度は8人の紹介を見込んでいるという。県医師確保対策室は「拠点病院を支援することで、過疎地でも安心して医療を受けられるような支援のネットワークを構築したい」としている。



https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/446249/
九大、熊大女子合格率低く 九州10大学の医学部調査得点操作は否定
2018年09月02日 06時00分=西日本新聞朝刊=

 東京医科大による不正入試問題を受け、西日本新聞は医学部医学科のある九州の10大学を対象に、2013年度~18年度入試の男女別の受験者数や合格者数などについてアンケートを実施した。九州大と熊本大は6年度全てで女子の合格率が男子の合格率を下回っていた一方、残る8大学は年度によってばらつきがあった。10大学とも、東京医科大が認めた不正な得点操作は否定した。

 調査は8月中旬から実施。九州の7国立大、3私立大に(1)過去6年度の一般入試や推薦入試の男女別の受験者数と合格者数(2)男女の合格率に差が生じた理由(3)女子受験者の減点や卒業者の子の優遇といった得点操作の有無-を聞いた。

 それによると、本年度の一般、推薦など全ての試験の受験者は男子6554人、女子3802人に対し、合格者は男子885人、女子466人。合格率は男子13・5%、女子12・2%となり、男子の合格率を1とすると女子は0・91倍だった。

 大学別の合格率を同様に比較すると、九州大と熊本大が6年連続して女子が男子を下回り、それぞれ九州大が0・53~0・9倍、熊本大は0・64~0・94倍で推移。九州大の担当者は「男女の区分なく選抜している。男女別に分析しておらず、理由は把握していない」。熊本大も「得点調整は行っておらず、学力に基づく公平・公正な選抜結果」と回答した。

 女子の合格率が最低だったのは16年度の鹿児島大で0・52倍。最高だったのは同年度の産業医大で1・54倍だった。両大学の他の年度をみると、鹿児島大0・94~1・32倍、産業医大0・88~1・35倍と変動があった。鹿児島大は「受験生の質によるものと考える」、産業医大は「公正に試験を実施している」と回答した。一般入試に限ると17年度の佐賀大は0・6倍だが、推薦など全ての試験を加味すると0・91倍だった。

 東京医科大が特定の受験生の点数を不正に加算し、女子や3浪以上の合格を抑制する得点操作をしていた問題を受け、文部科学省は医学部医学科を置く全国の国公私立大81校を対象に緊急調査を実施。近く結果を公表する方針。東京医科大も、改めて事実関係や原因を調査するための第三者委員会を設置した。

   ◇    ◇

「男子優遇?」疑心暗鬼 女子離職の懸念根底に

 東京医科大入試で明らかになった不正な得点操作について、九州の10大学は西日本新聞のアンケートで明確に否定した。九州の現役医師らの間で不正への反発が広がる一方で、「入試における男子や卒業者の子の優遇は、暗黙の了解事項だ」という声もくすぶる。背景には女性医師の離職への過度な懸念や、過疎地域の医師確保の問題が浮かぶ。

 「入試が公正に行われなければ、受験生の努力は報われない。非常識だ」。30代の女性内科医は憤る。

 九州の国立大に現役で合格し、卒業後は内科医になった。「患者の容体によっては夜間も休日も呼び出される」。自らを顧みる余裕もなく働き体調を崩した。それでも「人の役に立ちたい、能力を生かしたいという一心で医師を目指した。自分がもし得点を操作されて不合格になっていたとしたら、絶対に許せない」。

 一方、福岡県内の私立大卒の女性医師の場合、東京医科大の不正発覚に驚きはなかったという。「根拠はないが、以前から何らかの得点操作が行われているのでは、と思っていた」

 九州10大学アンケートで分かるように、受験者自体は女子より男子の方が多いが、「一般に、男子よりも女子の方が成績は良い」(九州の大学幹部)という声は少なくない。単純な比較はできないが、文部科学省の2017年度学校基本調査によると、全国の社会科学系学部や工学系学部の志願者に対する入学者の割合はいずれも女子が男子を上回ったが、医学部は男子が上だった。

 女子の合格を抑制していた理由について、東京医科大の内部調査結果は、結婚や出産を念頭に「女性医師は年齢を重ねるごとに活動が低下する」と指摘した。

 医学部専門予備校の代表は、入試が系列病院も含めたグループの“入社試験”も兼ねていると説明。「まともに採点すれば女子の合格者が多くなるが、結婚や出産で離職する可能性が高い女子は働き手として計算できないとして敬遠されてきた」と打ち明ける。

 東京医科大のように点数を直接操作しなくても、例えば男子が得意な傾向にある数学、物理の試験を難しくすれば、女子の合格率は自然と下がるという。「科目設定などで男子に優しく、女子に厳しいと評される大学は昔からある」

     ××

 東京医科大は、卒業生の子も優遇していた。西日本の国立大学を卒業した福岡県在住の男性脳外科医は「受験生も織り込み済みのはず。必要悪だ」との見方を示す。

 過疎地域などでは医療機関が限られている。後継者不在を理由に病院の存続が難しくなれば、住民にとって影響は大きい。「医師の子どもだからといって、十分な学力があるわけではない。金を払えば合格できるのであれば、その地域にとってはプラスになる」

 さらに卒業生は母校への寄付を惜しまないといい「私立大学はいわば民間企業。ウィンウィン(相互利益)だ」と分析する。

     ××

 医師数の不足や医療の質が問われる中、東京医科大のような不正があるとすれば「時代遅れ」との印象は拭えない。九州の国立大で働く女性内科医は「今や女性を確保しないと現場は回らない。女性差別を続けると、大学や病院は苦しくなるだけだ」と強調する。

 医師不足の問題に詳しい信友浩一九州大名誉教授(医療システム学)は「離職を理由にした得点操作は単なる問題のすり替えであり、言語道断」と指摘。女性医師の出産などを踏まえたワークシェアリングを進めることで、医療のレベルは維持できると断言する。高額寄付者の子の優遇制度がある欧米の大学も参考に「各大学は疑いを持たれないためにも、入試のルールを明確にすべきだ」と話している。

   ×    ×

【ワードBOX】東京医科大入試不正問題

 私大支援事業を巡り、文部科学省の前局長が東京医科大側に便宜を図る見返りに、息子を不正に合格させてもらった疑いが浮上。その他にも卒業生の子を優遇したり、女子受験生や3浪以上の男子の得点を一律減点したりしていたことが発覚した。内部調査委員会の報告書によると、少なくとも2006年度入試以降は、男子の現役受験生らを優遇する不正が行われており、背景には寄付金集めの狙いや結婚、出産を踏まえた「女性の敬遠」があったとした。



https://www.zakzak.co.jp/lif/news/180828/lif1808280002-n1.html
【中原英臣 あの医療情報 ウソ?ホント!】過酷すぎる医師の勤務実態 「皮肉」に映る働き方改革
2018.8.28 ZakZak

 6月29日に正式には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」と呼ばれる働き方改革関連法案が、自民、公明、維新の会、希望の党、無所属クラブの賛成多数で成立しました。

 この働き方改革関連法案には重大な欠陥があります。それは医師の働き方についてほとんど検討されていないことです。

 総務省の調査によると、1週間の労働時間が60時間を超える割合がもっとも高いのは医師で40%を超えています。病院勤務医の割合が高く、とくに医師不足が問題になっている産婦人科、救命救急科、外科、小児科の数字が高いようです。

 ある大学病院が労働基準監督署から「宿直や日直は常態としてほとんど労働する必要のない勤務のこと」という是正勧告を受けました。

 このことは救急で搬送されてきた患者さんや時間外の患者さんの診察は、宿直や日直として認められないことを意味します。医師の宿直や日直は驚くほど多忙です。

 この勧告によれば、勤務医が当直を一晩したら2日分の業務とみなされますから、その勤務医は2日分の有給休暇をとらなくてはなりません。看護師は当直明けが休日ですが、医師は当直明けでも朝から診療しています。

 別の病院では、労働基準監督署からカンファレンスと呼ばれる早朝の勉強会や、患者さんの病状を説明する家族が仕事を終えてから来院するのを待つ時間も超過勤務にするという指導を受けています。

 そもそも医師の労働を時間だけでチェックするのは無理があります。昔の若い医師は「無休で無給」といわれたことを思うと隔世の感がしますが、それでも勤務医の仕事は昼休みもとれないほど過酷です。働き方改革関連法案の産業医の強化という項目が皮肉に感じるのは、私が医師だからなのでしょうか。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)



http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20180901/CK2018090102000031.html
市立湖西病院「3病棟に」 改革委会合
2018年9月1日 静岡新聞

 市立湖西病院の改革プラン評価検討委員会が三十一日、同市鷲津の同病院で開かれた。病院側は、全四病棟のうち二病棟が休止しているため、一病棟分の病床数を県に返還する案を出した。委員からは「一度返すと増やすことはできない。慎重な議論が必要」との意見も出た。

 同病院には百九十六床あるが、現在は百三床のみ稼働する。三月末に受けた全国自治体病院協議会の経営診断で、病床数や診療科数の多さが収支不均衡を招いていると指摘されている。

 医師不足で病棟再開は難しいため、一棟分の五十四床を返還し、将来的には三病棟体制で百二十五床ほどを稼働させる考えを示した。同病院の杉浦良樹事業管理者は「休眠病棟があるのは、県西部でここだけ。返還して空いたスペースを活用する方が効率的」と話した。本年度中に最終的な病床数を決定する方針。

 病床稼働率を上げるため、在宅療養を目指す患者を受け入れる地域包括ケア病棟の導入についても話し合った。ただ病院のシミュレレーションによると導入が収益アップにつながるとは限らないため、今後も検討を続ける。

 改革プランの見直しについては、市との連携、病院内での情報共有の強化、委託事業の見直しで経費節減を図ることなどを明記すると確認した。この日は、病院関係者や全国自治体病院協議会、自治会連合会などから九人が出席した。次回は十一月に開く予定。

(片山さゆみ)



https://news.yahoo.co.jp/byline/mamoruichikawa/20180829-00091924/
女性医師は「迷惑な存在」なのか?女性医師率45%ドイツのキレイゴトではない妥協
市川衛 | 医療の「翻訳家」
8/29(水) 7:30 Yahoo news

 今月、東京医大が、入学試験の際に女性受験生を一律に減点した問題が大きな話題になりました。この25日にも、被害対策弁護団が緊急ホットラインを開設したと報じられるなど、いまだに波紋を広げています。

 大学に対する厳しい指摘の声が多く出る一方で、いわば「必要悪」、つまり女性医師が増えると医療現場が回らなくなり、医療の質が保てなくなる、との意見も報じられました。

 実際のところ、どうなのでしょうか?

 筆者は去年、このヤフー個人の記事の中で、医療の質の高さなどを世界195か国で調べた研究を取り上げました。

 その研究によれば、確かに日本(女性医師率20%)の医療の質は、世界でも高いレベルに位置づけられています。

 しかし日本より「高い」とランクされた国、例えばスウェーデンの女性医師率は47%、フィンランドに至っては57%と、女性医師の割合が日本よりはるかに多くなっています。(※1)

 データを見る限りは、「女性医師が増えると医療の質が下がる」という因果関係は成立しないようです。

 もし、日本の医療界で「女性の比率が増えると質が下がる」という意見が根強いのであれば、それは「性別」ではなく「システム」に原因があるのではないか?ということが考えられます。

 何が背景にあるのか?それを考えるヒントとして、女性医師の比率が日本より高い国の医療機関で働く人にお話を伺いました。

女性医師率45%のドイツ 実態は

 お話を伺ったのは、ドイツのブランデンブルグ心臓センター(Brandenburg Heart Center)で働く、岡本真希さんです。

 岡本さんは、日本で循環器内科医として働いたのち、現在はドイツでリサーチ・フェロー(研究職)として勤務しています。

Q)働かれている病院の、現在の状況について教えてください

 いま所属しているブランデンブルグ心臓センターは、ドイツの首都ベルリンから北に電車で1時間ほどいった場所にある、ベッド数237床の病院です。心筋梗塞や狭心症、弁膜症、不整脈と言った循環器疾患の患者さんを主に受け入れており、外科/カテーテル手術や内科的な治療を行っています。

 循環器科に所属する医師は31人ですが、うち男性が12人、女性が19人と、女性のほうが多くなっています。

Q)女性と男性で、医師の働き方は変わりますか?

 女性の医師と男性の医師の働き方に違いはない、というのが実感です。

 通常、朝7時30分に全員が出席するカンファレンスがあり、夜勤の医師からの引継ぎを受けた後、手術や外来の業務を始めます。16時には業務を終えて帰宅します。

 そのほかに、月2~4回の当直があります。朝9時に出勤してそのまま当直業務に入り、翌朝9時に帰宅します。

Q)なるほど、通常の業務では、女性と男性で働き方に変わりはないのですね。では、出産や育児のタイミングではどうしているのでしょうか?

 ドイツでは、家事・育児の分担が徹底していて、育児休暇をとる男性が少なくありません。休暇の取り方も柔軟性があり、この月は父親が1か月休暇をとって母親が働き、次の月は父親が働く…。というように、夫婦で代わりばんこに育児休暇を取る人もいます。

 ワークシェアリングを行っている人も多いです。同じような年齢のお子さんがいる女性医師2人で話し合い、それぞれ週2.5日勤務することにして、1人分の給料を2人で分ける、という方法です。子どもが急に熱を出したら、もう1人の医師に急きょ代わってもらうとか、子育て中の若手の医師にはそんな働き方をしている人も多いですね。

 それから「パートタイム制度」のようなものもあって、勤務時間や仕事量を減らすこともできます。その場合、例えば普通の勤務の6割という人は、給料も6割になる代わりに、担当患者さんの数や当直の回数を減らせたり、残業にならずに早く帰れたりします。この制度を使って幼稚園が終わる15時までの仕事にしている人もいます。

 重要なのは女性だけでなく、男性も同様の制度で働くことが可能だということです。男女平等に、個人の状況に合わせて働き方を選択できる環境はとても素敵だと思います。

Q)妊娠や育児のときに、働く時間を短くしながらも働き続けることができれば、キャリアが分断されることを防げそうですね。

  ただワークシェアなどがあると、全体として働ける人数は減ってしまうわけですから、職場で問題が起きないのでしょうか?

 実は、ドイツでもその点は問題になっています。というのも、いまドイツでは女性医師の割合がどんどん高まっているんです。職業としての医師の人気が高まっていることと、ドイツの入試制度が関係しているように思います。

 こちらの場合、大学入試は日本のような一発受験ではなく、高校時代を通じての成績で評価されます。

 よく言われているのは、女性はコツコツまじめに授業を受ける人が多いので、入試に通りやすい傾向があるということです。先日聞いた講演では「いま大学の医学生は6-7割が女性」と言っていました。

 女性医師が増えてきたことで、妊娠出産や育児期に減るマンパワーをどうするかは問題になりつつあります。人気のある都市部の医療機関では、男性医師のほうが就職しやすいという話も聞きます。

海外パワーへの依存も

Q)人員が足りないところでは、どのような対策が行われているんですか?

 ドイツでも田舎では特に医師不足が深刻です。そういったところでは、海外出身の医師を採用しているところが多いです。

 ドイツでは海外で教育を受けた医師の資格を認定するシステムが整備されており、出身国の医学部の卒業証明書や、ドイツ語の語学試験の成績、さらに州ごとに行う医療面接の試験などを経れば働くことが認められます。

 最近では、ドイツ以外からのEU各国に加えて、ロシアやトルコなどの出身の医師も増え、海外出身の医師の割合は13%にまで達しています。ただ現実問題として言語の壁は大きく、「電話のやり取りでは何を言っているのかわからない」「手術中に、とっさのコミュニケーションがとれず困る」という話も聞かれます。

Q)すべてが理想的に回っているわけではない、ということなんですね。日本とドイツの両方の医療現場を体験して、印象に残ったことはありますか?

 日本との文化の違いは、強く感じます。こちらでは、女性医師が働くことによって生じる問題がある場合に、理想論を戦わせるのではなく、みんなで「妥協する」ことによって乗り越えようとする意識を感じます。

 たとえばドイツの病院では、予定されていた手術の開始時刻が何かの事情で遅れて、16時(医師の終業時間)までに終わらなさそうだとすると、緊急のものでなければ翌日以降に延期になります。

 日本の感覚からすると違和感があるかもしれませんが、ドイツでは当然のことと受け止められています。医療者だけでなく、患者を含めた皆の協力と理解があってこそ成り立っているんです。

 また医師側の文化も違います。日本では、仕事が終わらない場合は助け合う雰囲気があり 、仕事の遅い私は何度も上司の先生方に助けていただいた思い出がありますが、ドイツでは上下関係なく自分の仕事は自分の、他人の仕事は他人の、とドライに分担している印象があります。

Q)なるほど。日本とドイツ、医療に対する意識が、医師側も患者側も違うということですね。あえて伺いますが、岡本さんが患者側の立場になったとして、どちらで治療を受けたいですか?

 だんぜん日本です。ドイツでは、医療職と言ってもあくまで「仕事」と割り切って分担している感じを強く受けます。

 入院すると、担当の医師が毎日違う人に替わるのはよくあることです。手術についても、病棟や外来での担当医と、実際に手技を行う医師は異なることが少なくありません。

 ときには、手術の内容を説明した医師から「私は明日から休暇なので、執刀は別の人にお願いしておきますね」と言われることまであったりします。

 日本にいたころは、命に関わる手術に臨むのだから、患者さんは医師との信頼関係を結んだうえで信頼して身をゆだねる。だからこそ医師も、忙しい中に無理をしてでも手術をねじ込む、という意識があったように思います。

みんなで「妥協」する 理想論に陥らないことの大切さ

Q)日本において、ドイツのような働き方は導入可能でしょうか?

 パートタイム制度は導入出来たら良いと思います。日本では育児のために外来のみを担当して当直はしない医師も、当直をバンバンしている医師も基本的に給料(基本給)は一緒です。そのことで、不公平さが感じられることも少なくないと思います。

 パートタイム制度では、短時間の勤務の人は給料(基本給)もその分少なくなります。また、当直やオンコールも、少なくなるとはいえ決められた分を担当します。こうした、仕事量とその対価が明確で、平等性を感じられる制度があれば、かえって気兼ねしないで済むかもしれません。

 しかし、ドイツのような働き方を完全に導入することは、いまの日本の社会環境では難しい気もします。根本のメンタリティが違うというか…。

 例えば、ドイツでは子どもが病気になったとき、母親ないしは父親が休んで面倒を見るのは当然だし、それが「親としての義務」だと考えられています。一方、日本では家族より仕事が優先される風潮にあり、同僚や職場の上司からどう思われるか、患者さんに迷惑をかけていないか、やっぱり気になってしまうと思います。

 でも日本の医師が今のままの働き方を続けていたら、それこそ安全な医療を提供すること自体が難しくなってくると思います。男性医師を増やす、のではなく既存の女性医師も含めて、男女にかかわらず働きやすい環境を模索していくことが必要だと思います。

 医師側も、患者側も、そして日本社会全体としての要求水準も、全体として落としどころを見つけて「妥協」する、ということが出来なければ、女性医師の活用を進めていくのは難しいのではないでしょうか。不正を行った大学だけを悪者にして解決する問題ではないと感じます。

*****

取材協力  岡本真希さん
2005年に佐賀大学医学部入学。2011年に卒業後、洛和会音羽病院(京都府)で循環器内科医として働く。2017年4月からブランデンブルグ心臓病センター(ドイツ) リサーチ・フェロー

※1 女性医師率のデータはOECDのHealth at a Glance 2015より



https://www.sankeibiz.jp/econome/news/180901/ecd1809011600001-n1.htm
「制限より変革」を 東京医科大の合格抑制問題、女性医師はどう思う
2018.9.1 16:00 Sankei BIZ

 東京医科大(東京都新宿区)が、医学部医学科の一般入試で女子受験生の合格者数を抑制していたことが明らかになった。関係者によると、同大出身の女性医師が結婚や出産で離職し、系列病院の医師が不足する恐れを考慮した措置だったという。女性医師の「抑制」は広く行われているのか、また女性医師自身はどう思っているのか。

 根強い「3割まで」

 3人の子供を育てる大阪府内の小児科医の女性(35)は、かつて大学病院に勤務していた経験から大学側の“事情”を明かしてくれた。

 外科や小児科、産科などには当直勤務やオンコール(呼び出し)があるが、「人数が足りず、医師の体力と熱意に頼ってギリギリでやっている状況」。だが産後は、当直やオンコールに対応できない期間が必ずあり、他の医師に負担がかかる。当直ができないからと、病院を辞めたり、非常勤になったりするケースも多く、「それなら『最初から女性を入れない方がいい』となる。大学病院では『女性医師は3割まで』という考え方を、多くの人から聞く」と打ち明ける。

 自身の1人目の妊娠は大学病院の研修医時代。産後5カ月で復帰し小児科で研修したが、月6回以上の当直があり、「両親の全面的な協力がなければできなかった」。現在はサポートが手厚い地域の病院で小児科医として勤め、昨年3人目を出産した。当直はないが「当直医が足りず、大学病院から来てもらっている。結局カバーしてもらわなければならない」。

 超過勤務が常態化

 日本医師会が昨年2、3月、女性医師を対象に行った調査によると、1週間の勤務時間が40時間以内でおさまっているのは、時短、非常勤を含めても3分の1だけ。月の超過勤務は80~100時間が12%、100時間以上が13%など、過酷な実態が浮かび上がる。

 昨年の臨床研修修了者アンケートでは、子育てと勤務の両立に必要なものとして「職場の雰囲気・理解」がトップにあげられた。「当直や時間外勤務の免除」「子供の急病などの際に休暇がとりやすい」なども上位にランクされたが、現在の病院で、こうした状況に「満足している」とした女性の割合はいずれも30%を下回った。


 環境は変えられる

 病院の中には、女性医師が働きやすい環境を整えているところもある。岡山大学病院(岡山市)は、平成20年度から、子育てでいったん現場を離れた女性医師を子供1人につき最長3年間、短時間勤務で受け入れている。昨年度までに約130人を受け入れ、期間終了後は約8割の女性が同大病院や地域の病院などに就職した。

 ポイントは、短時間勤務の女性を、各科の定数にプラスする形で配属すること。フルタイムでなくても他の医師の負担は減り、本人も「迷惑を掛けている」という罪悪感を抱かずにすむ。復帰のハードルが下がり、育児休暇の取得者も増えたという。

 女性医師を支援する「岡山大学医療人キャリアセンターMUSCAT」センター長で臨床総合内科の片岡仁美医師(45)は「女性がどの科でも働けるように環境を工夫する方が、よほど生産的な解決方法では」と話す。

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 女性医師でつくる「日本女医会」(東京)の会長で、昭和大学病院泌尿器科の前田佳子医師は「離職するから雇わないというのは完全に間違っている」と強調する。同会では12年前から毎年、女性医師が働き続けるために必要な環境について考えるシンポジウムを開催。業界の意識改革を訴え続けてきた。

 前田医師は「医師は長時間労働が多く、子育てをしながら働き続けにくい。男女を問わず、全員が適正な時間で働けるシフト制度をきちんと確立すれば、現状は変えられる」と指摘。その上で、「母親に家事や育児の負担が偏っているのも問題。子育てをみんながサポートできるよう、社会全体を変えていく必要がある」と訴えている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/625419
シリーズ 真価問われる専門医改革
専攻医採用、2019年度も5都府県のシーリング継続
「東京のみ」「東京、神奈川のみ」優先削減、情報漏洩の第三者委員会も設置

レポート 2018年8月27日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は8月24日開催の理事会で、2019年度の専攻医採用においても、2018年度と同様に、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の5都府県では、シーリング(上限設定)を行うことを決定した。東京都では、2018年度の専攻医採用数から5%を目途に調整、それ以外の4府県については2018年度の専攻医採用に用いたシーリング数を使用する。東京都については、「東京のみ」「東京と神奈川のみ」で完結している専門研修プログラムから優先的に削減を依頼する。8月27日に開催した記者会見で、理事長の寺本民生氏(日本医学会連合理事)が明らかにした(資料は、同機構のホームページ)。

 寺本理事長は、各基本領域学会への意見聴取を踏まえ、「東京都の削減については、おおむね了解が得られたが、一律の5%削減については反対意見もあった」と説明。「私の感触としては、かなりのところまでは調整は可能なのではないかと考えている」と語った。

 専攻医登録開始のスケジュールは、現時点では「10月中旬」のままで、確定していない。今通常国会で成立した医療法・医師法改正で、都道府県が地域医療対策協議会(地対協)で新専門医制度による影響等を議論、厚生労働省が新たな審議の場で意見集約し、同省から日本専門医機構に意見を伝えるプロセスが加わったためだ。寺本理事長は「専攻医のことを考えると、忸怩たる思いがあり、できるだけ早く決めたいと思っている」と語った。

 8月24日の理事会では、今年5月に報道された日本専門医機構理事会の議事録などの情報漏洩問題を調査する、第三者委員会の設置も決定した。弁護士やITの専門家などから構成する。寺本理事長は、情報漏洩の報道について、「驚くとともに、非常に遺憾であり、深刻な問題と受け止めた」と説明。

 「全てが機構の情報なのかどうかは分からないが、一部は機構の情報」と漏洩を認めた上で、「きちんとした対応をすべきと考えている」と述べ、第三者委員会には情報漏洩の原因等についての独立した調査を依頼、“犯人捜し”をするのではなく、機構の在り方の議論につなげていく方針。「最終的な答申ができた段階で、委員会委員長から私の方に答申していただく形になる。その時に名前を出すかもしれいなが、委員に迷惑がかかることもしたくないため、委員名は当面伏せ、まっさらな形で検討していただく」(寺本理事長)。漏洩した情報を精査するため、時間がかかるとし、大変な作業としたものの、「希望としては、今秋までに調査を終えてもらいたい」と寺本理事長は述べた。

 「東京5%調整、達成可能な範囲」

 日本専門医機構は8月3日の理事会でも、シーリングについて議論、東京都については5%調整の方針で検討していた(『2019年度、東京の専攻医5%減が努力目標を参照』)。

 寺本理事長は、「東京都に一極集中したのではないかとされ、できるだけ少なくする方向にしたいが、数値目標がないと難しい。そのラインを決める時に、達成可能な範囲と考え、5%と数字が出てきた」と説明。東京都の医師の割合は、医師・歯科医師・薬剤師調査では、卒後3~5年目の医師の約15%であるのに対し、2018年度の専攻医採用では約20%。その差の5%も、後付けの根拠となったという。

 8月19日開催の「2018年度シーリングについての基本領域会議」において、各基本領域学会から意見を聞き、さらに23日までに各学会から回答を得、ある程度の理解が得られた。

 各基本領域学会からは、(1)5%調整の根拠は何か、(2)東京都から関東等の他県に医師を派遣しており、東京都の医師を減らすことは、これらの県の医師不足を招くのではないか、(3)専攻医数がかなり少ない基本領域については、一律に考えるのではなく、年次変動なども考えるべき、(4)さらなる東京都の専攻医数の削減案が出てくるのではないか――といった懸念や疑問が呈せられたという。

 そのほか8月24日の理事会では、各種委員会の委員等についても議論。9割程度は委員が決定しており、9月に予定している2回の理事会(9月7日と21日)までに、第1回の委員会開催を目指す。「まず委員会で議論。その意見を運営委員会で集約し、理事会に上げるという流れ(意思決定プロセス)を作っていきたい」(寺本理事長)。寺本理事長自身も、複数の委員会に加わる予定。

2018年度の専攻医採用数のシーリングについて(2018年8月27日)
・5都府県のシーリングは継続して行う。
・地域偏在については、特に東京への偏在を助長する恐れがあることから、他県等へのローテートの状況調査も踏まえながら、調整して行う。
・さまざまな調査結果を総合的に勘案し、今年度の東京の専攻医採用数から5%を目途に調整を行い、東京以外の4府県については前年度のシーリング数を使用する。5%の調整については、東京のみ、あるいは東京と神奈川のみで完結しているプログラムを優先的に削減のお願いをする。
・新専門医制度整備指針運用細則に基づき、外科、産婦人科、病理、臨床検査については、引き続きシーリングの対象としない。



https://www.m3.com/news/iryoishin/624809
シリーズ m3.com意識調査
「周知の事実」「問題外、働き方改革を」- 意識調査「女子受験生の点数一律減点」◆Vol.3-女性医師の回答編
「女性医師の支援体制が整っていない、医師の勤務体系がハードすぎる」

レポート 2018年8月26日 (日)配信長倉克枝(m3.com編集部)

 東京医科大学が医学科の一般入試で、女子受験者の点数を一律減点し、合格者数を調整したとされる問題(『シリーズ 東京医大・入試操作疑惑』などを参照)について、医学部(医学科)入試で女子受験者の点数一律減点についてどう思うか、自由回答でm3.com会員に聞いた(回答数=4657人、うち医師は3466人)。Vol.3では「女性医師」の回答を紹介する。

 医学部医学科入試で女子受験者の点数を一律減点し、合格者数を調整することについて女性医師の45.9%が「あり得ると思う」、42.9%が「あり得ないと思う」と回答した(『医師46.9%「あり得る」、42.5%「あり得ない」 - 意識調査「女子受験生の点数一律減点」◆Vol.1』を参照)。自由回答では、男性医師では「募集時に告知なしで一律減点をするのは良くないが、医療現場の現状を鑑みると女性合格者数の調整は仕方がない」とする意見が多かったのに対し、女性医師では、自身の経験を踏まえた上で「仕方がない」とする一方で、そもそもの医師の働き方改革を求める意見も見られた。

 主な自由回答は以下の通り。

【あり得ると思う】

皮膚科や眼科医が増えて外科系が不足してしまう現状からある程度、仕方ないのではないでしょうか。女子医大は女子のみというのがあるので、そちらは不公平ではないでしょうか。私学なので、最初から定員に男女比を設定していれば、問題ないのではなかったでしょうか。【開業医】
入試要項に明記すれば、私学ならありと思う。世間からたたかれて、入学希望者の数も質も落ちると思うが、それでも女性の合格者を減らしたいのならすればいい。【開業医】
働き方改革をしてこなかったツケを、女子学生に回すとはいかなる了見か。世界の笑いものです。【開業医】
女子受験生の減点は東京医大だけではな無く、特に私立医科大学では普通に行っていることだと思います。私が受験したかなり昔から普通にあったことです。その当時の受験指導でも、女子は不利であると言われていました。今は医学部受験の半数は女子なのに、入学するとせいぜい3割程度が女性です。今回のことは他の医大でも暗黙の了解で行われていることだと思います。【開業医】
女子は勤勉で成績もよいが、医学部には私立であっても莫大な私学助成金が投入されるのに、女性医師は途中で辞める者も出るから仕方ないと思う。【開業医】
女医は結婚相手によっても考え方が変わる。大学卒業した時に優秀だった女医さんがあまり仕事をバリバリやってないのを見ると、人数調整は必要かと思う。【開業医】
公立は不可、私立なら可。ただし、男女別定員を公表するべき。【開業医】
私の時代は1割に制限されていました。成績順にすると過半数を超えると言われていました。【開業医】
どこでもやっていると思います。今さら騒ぐ必要はないと思います。どうせ何をやっても、医者の社会は男性社会なんだから、合格者数は調整する方がいいです。【開業医】
その減点に打ち勝つ女子に入学してほしい。現役女医からの要望です。【開業医】
良くないことだとは思うが、そもそも今の現場にママさん女医を抱えるほどの余力がないので仕方ないとも思う。【開業医】
離職が多すぎて、女性上司の立場でも男性医師の方がいいです。【開業医】
不当。女子の入学 制限をするなら理由、定員、採点基準など募集要項に明記すべき。今や男子学生だってきつい、汚い、危険、給料安い診療科には行きたがらない。女子学生の入学制限をしても、地方の医師不足や、外科系の医師不足改善にはつながらないのは明らか。【勤務医】
抜本的な働き方改革を。医師もシフト制とか。それが無理なら今の働き方では家事育児を押し付けられた女子は出産後働けなくなるから、制限せざるを得ないのは分かる。医学部に入る前に制限してくれた方が、女子にとっても幸せなのでは。【勤務医】
通常通りに採点すると60%など過半数の合格者が女性となることが予想されます。それだと病棟が回らないから、人数を抑えているのでしょう。それをなぜ発言しないかが不思議です。女性医師が働きやすい環境を作らなければ、調整はやむを得ないように思います。差別とは違う問題だと思います。【勤務医】
男女で合格点数基準が違うのは、昔から周知の事実だと思っていた。明記すれば良いのでは。【勤務医】
大学病院などの診療体制を維持するには仕方ない。これは一大学の問題ではなく、日本全体の医療体制を見直さないと行けない。やはり、内科医や外科医になる女医が少ないのは事実である。【勤務医】
多くの学費補助を得て医師となることを意識している女子医学生が少なく、離職率が高い最近の傾向から、このような事態は、女医自体が招いているのが現実だと思っています。たくさんの頑張っている女医さんには、本当に認められないことだと思います。【勤務医】
全員ではないとしても女子の立場からすれば妊娠、出産など加味しても少なからず医療に貢献できない期間があるわけなので、女性合格者数を制限するのは分かる。国公立大は減点するなと言いたいが、私立ならいいと思う。【勤務医】
女性にのみ訪れる妊娠・出産時期である20歳代から40歳前後は、どうしても大学の勤務医として最前線で活躍は中々できなくなるのが現状である。その期間にモチベーションを保ち続けることは、競争も激しく、進歩が著しい外科系の世界で生き抜くには現実的には厳しいとは思う。 また、日本の患者意識として主治医制が根付いていることもあり、いつ何時何かあったときには駆けつけてほしいという期待が強い。医師も家庭を持っていて、生身の人間であることをあまり良しとされない風潮もいまだに根強くある。そのような世界で果たしてどれだけ多くの女性が一生嬉々として仕事を全うできるかどうか、である。 男女関係なく、妊娠・出産・育児に関わらない全ての医師にどうしても負担がかかるのは当然であるのは理解できる。 ただ、その分の給料の勾配は曖昧だし、大学の勤務医は給料が安く、それこそ一律なので、苦労したものの負け、損する仕組みになっている。それでは不公平感がどうしても出てくる。仕組みがないまま、今後女性医師が増えた結果、結局妊娠出産育児で現場を離れてしまうと、それ以外の人間に余計負担がかかって、疲弊してしまうのではないかと心配である。医学部受験して入ってくるのならば、ある程度自分の人生を犠牲にするくらいの覚悟がなければ、男性も女性も長くは大学に残らないと思う。【勤務医】
実際にあったことなので、「あり得る」と回答しましたが、本来あってはならないことだと思います。私は昭和の時代に医学部を卒業した女性医師ですが、当時は「女子学生は国費の無駄遣い」と実習中などに教官からたくさん言われました。出産・育児で離職せざるを得なかった時期もありました。 しかし、今となっては女性ならではの視点も重要と思いますし、70代、80代まで働けば、離職の時期はほんの一時のことです。逆に、「下駄をはかせてもらい、優遇されることに慣れ切った男性医師」には、もちろん個人的資質の差はあるものの、弱い立場の患者さんの気持ちが分かりにくいのではと思います。女性も男性も、無理なく仕事と生活が両立できる状況を目指すべきです。【勤務医】
現実問題として、出産・育児で休んだり時短で働く女性も多く、働く人数はそれなりにいても、当直は数人で回していたりする。当直・オンコールを担当する人への負担が大きくなることを考えれば、夜も働ける人を増やしたいと思うのは当たり前のことだと思う。【勤務医】
渦中の東京医大出身の女医ですが、まあ大学みたいな気持ちも分かる。しかしバレてしまったら大変ですね。【勤務医】
暗黙の了解だったはず地方国公立でも、女子の合格率を下げるために数学や物理の配点を高くしたり、面接で男子に加点しているので。減点したから目立っているだけです。これを機会に全て見直すべきです。【勤務医】

【あり得ない】

東京医大に限らず、どの医大でも良く聞く話です。【開業医】
男性の意識改革、サポート制度を整えるべき。【開業医】
世界中から女性の人権問題として非難を浴びてもおかしくないこの事件自体も恥ずかしいですが、それよりもこの事件に対して「面接でやればバレなかったのに」などと思っているドクターが少なくないという事実こそが、同業者として非常に恥ずかしい。【開業医】
女医ですが、私から見ても目に余る女医が多数いるので気持ちは分からないではないですが、入試での加点操作、原点操作で解決するべきものではないと思う。【開業医】
現代社会において、このような男女差別による不公平な採点が医学部入試でされていたとは、非常に驚き遺憾と思う。絶対にあってはならないことで、屁理屈を並べて言い訳をしている東京医科大学の方も猛省していただきたい。【開業医】
そんなことが存在するとは知りませんでした。女性が出産育児で一時期仕事から離れるのは仕方ないことです。諸外国のようにパートタイムでの労働が可能となるよう医師としての絶対数を増やし、いろいろな働き方ができるよう国が制度を整えるべきです。【開業医】
この現代において、あり得ないことであるはず。それを容認するかの意見もおかしい。やはり日本の医療界は、男性中心で、遅れている。【開業医】
論外です。女医が逃げる環境ならいずれ男の医者も逃げますよ。その反省もなく奴隷やれる男の医者だけが欲しいというのはいかがなものですかな。男性医師は人間以下の扱いでも逃げないと見くびられているのだから怒るべきですし、若い人は昔の女性医師ほども仕事に執着しません(まっとうな人間らしい生活を送りたいという当然の欲求を隠さないということです)。どんなに権威を振りかざしても、職業的魅力がなく若手が来ないというのは滑稽ですね。【勤務医】
優秀な女子が増えることにより、それでもやっていけるシステムが構築され、その結果男子も働きやすい環境になっていくと予想される。なぜなら、医師における女子率が高い国が存在するのだから。【勤務医】
問題外です。女医が増えると結婚とか出産とか仕事ができなくなりますので、仕事を回すのが難しくなると言うのはあるにしても、ワークライフバランスを考える上でもちゃんとやっていけるようなシステムを構築する方が先でしょう。【勤務医】
内容に問わず、非公開での点数調節は論外。そうすることが正義だと考えるなら、募集要項で公開すべき。陰でこそこそ行う=やましいところがあるから。男性何名・女性何名との募集ならばそもそも問題ない。個人的には東京医大は女子医大の存在をどう思っているのか興味があるが。【勤務医】
同じ受験料を払って受験しているのに、女子だけ受かりにくくされているのは納得できない。女子を3割に抑えたいなら、男女の定員を大学側が堂々と公表すればいい。陰で総裁選するのはフェアじゃない。女子が不利なのを分かった上で同大をどうしても志望する人だけ受験すればいいと思う。そもそも女性医師が働きやすい職場環境を整えていないから離職者が増えるのではないか。【勤務医】
恥ずべき男女差別。徹底的に調査し、女医がキャリアを全うできる制度確立を。【勤務医】
男女平等の社会であり、あってはならないことだと思う。女性医師が働きさす環境を整えることで解決可能だと思う。【勤務医】
大学の事情で女子の割合を抑えたいのならば、入試の募集要項に記載するべきです。裏で操作することが受験生やその関係者への裏切りです。【勤務医】
正直どこの医学部もやっているのだろうと思う。本来であれば女性も働き続けられるよう、環境の方を調整するべき。女性の数を調整してしまおうと考えるのは、その方がラクだからなのでしょうか。減点しようと考えた方は、ご自分が今人生を謳歌できているのは、母親の妊娠出産があってこそだということをもう一度よく考えてほしい。【勤務医】
人として平等に扱われないのが悲しい。【勤務医】
女性医師を差別しているように見えるが、本当は男性医師が差別されていることに気が付くべき。東京医科大学病院では、男性医師は奴隷のように働き、プライベートの充実を認められていないということである。【勤務医】
女性医師は実際、男性医師のようにずっと全力で働けません。私自身がそうであるように、出産育児で、出産前のような体制では働きたくても働けない状況です (そうでない女性医師も多数いると思いますが) 。男性医師が多くないと、業務が回らないのは事実だと思います。自然に医学部に男性合格者が多いならいいのですが、減点されたなんてひどいです。それなら、募集要項で男子何人、女子何人と記載されている方が良いと思います。【勤務医】
女性が結婚や出産のために休まなきゃならないからと、戦力にならないから採らないというのは今の時代には全くそぐわない考え。だから働きたい能力のある女性は、年々結婚しなくなるし、出産しなくなる。そうすると今度は、少子化は女のせいだ、子供を産めという。日本にはこのような男女差別の考えが根強く残っているから、欧米には負けるのだ。なんなら男が出産できるようにしてやればと思う。そういう自分も女性医師ですが、こういうことがあると結婚や出産は益々したくなくなります。結婚して出産したら女性は馬鹿になるとのたまった教授もいた。腹が立って仕方ない。【勤務医】
女医は(私も子育て中の女医)、確かに出産やら子育てやらで休むことはあるけれど、せいぜい半年くらいで復帰するし、出産前と同じレベルで働けないからみんながあまりやりたくない仕事も引き受ける。一般外来とか。こだわり強すぎて患者選ぶような男性医師よりよほど使えると思うが…。【勤務医】
女医が生涯勤務できる期間が男性医師と比較して短くなるのは妊娠出産の期間は仕方がないことであるが、出産後もフルタイムで働く女医が少ないのは、女性医師を取り巻くサポート体制が整っていないことや、そもそも医師の勤務体系がハードすぎることにあると思います。当直翌日も勤務があり、どんなに眠れなくても普段通りのパフォーマンスが求められ、そのアウトカムが生命に直結することは、年齢性別を問わずどの医師にとっても、多かれ少なかれ耐え難いのではないでしょうか。【勤務医】
事前に説明なくそのようなことをしてはいけない。男性医師が多い方が、当直も助かるし、整形外科・外科など体力勝負の科の存続がかかっていることも理解できる。東京医大の事件でも、減点されても合格できるほどの高い点数を取った女子学生がいる。結局、男性医師よりも3倍頑張らないといけない、男性医師と同じことをしていてもだめだと先輩女医から言われたことは本当だったと思う。【勤務医】
学生に対しては男性女性関係なくフェアであるべきだと思う。学生あるいは子供の時から、社会が女性に対しハードルを挙げていることを表している証拠だと思う。結婚、妊娠を契機に離職するからというのが理由とは問題だと考える。それだけ家庭に関して女性が束縛されていることを認めているわけで、男性ももっと関わるのが本来あるべき姿だと思う。ただ、女性も社会人として医師という仕事を生涯し続けることは当たり前のことであり、結婚、育児が理由で仕事をしないのは問題である、そのような女性医師が増えればこのような事件を助長させることになると思う。【勤務医】
もともと定員数を明示しておけばいいとは思うが、それでも働く環境を変えることが重要と思う。男性医師も労働環境を変えてあげるべきでは。【勤務医】

【どちらとも言えない】
入試要項に記載があれば、それも可かな 。【開業医】
女性医師です。批判されること覚悟で申しますと、男子学生を多く取りたいとの思惑が働くのは(時代に逆行しても)仕方がない選択だったのかもしれません。テスト勉強は女性の方が一生懸命やるので、何もしなければ女性ばかり増えるリスクがあります。女性医師は、患者さんが話しやすい、ガイドラインを順守する傾向が強いなど良い点もあります。 しかし同時に女性医師は妊娠出産を機に離職したり、体力がありません。病院で不足しがちな外科医や救急医師は女性医師では少ないのは事実です。また要領がよくて働かない女性医師も一定数存在し、私が以前基幹病院勤務していた際の同僚で循環器内科の女性医師は、救急を断ったり、緊急の心臓カテーテルを嫌がるので、心不全の患者のみ診ることになり輪番専門医と言われていました。他の女性医師で、脳梗塞の救急を嫌がる神経内科医は不勉強のためか不真面目なためか、肺がんに伴うイートンランバート症候群を見逃し糖尿病内科で診断するといった事態も発生したこともありびっくりしました(当の本人も平然としていることも驚いたことを記憶しております)。 私の卒業した大学では、男性医師以上に自覚を持って研究と仕事を頑張るといった先生が多くいらっしゃったのですが、時代の流れでしょうか。頑張ってもらいたいと思います。【開業医】
私立医大なら、どのような学生を求めるか、自分たちで選んでいいと思うが、女子の定員を明記してくれれば何も問題はないと思う。【開業医】
女性医師、男性医師の割合はある程度考慮する必要はあるが、公表せずにすることは問題。【勤務医】
私立大学であれば、その大学の経営方針や理念により調整することも可能と思う。ただし、それを受験生に事前に公表すべきと考える。【勤務医】
公表するか否か、明るみになるか否かの問題であり、現実には、大学医学部だけでなく、中高受験や就職にしても、かなりの頻度でそうしている、そういう世の中であると理解していました。急に今さら何を?ようやくやっとそれを問題視する社会に?でも一時的に盛り上がって、これからもそれは続くでしょう。残念ながら、今回の件を全く驚かない自分がいます。【勤務医】
ただいま産休中の眼科医です。大学に入った時は外科に憧れていました。研修していくうちに、女として当たり前と言われている妊娠出産という未来がある以上、メジャー外科に入るのは無理と実感し、眼科に入局しました。 妊娠は何が起こるかが分からず、予定日まで働くつもりでしたが、切迫早産になり医局に多大な迷惑をかけました。女性医師が増えれば増えるほど男性医師にしわ寄せが行く現状、痛いほど理解しているつもりです。ただ、人間として当たり前である女医の妊娠出産による負担を男性医師個人に押し付けることで回っているこの医師という労働環境を見直さなければこの問題は解決しないと思います。何も関係のない男性医師に仕事を押し付けざるを得ない、キャリアを積めないとレッテルを貼られる女医の立場も辛いのです。同じく人手不足と言われながらも妊娠出産が普通であり、男性も育児休暇を取れる看護師のような男女平等の環境が作られることを望みます。【勤務医】

【調査の概要】
調査期間:2018年8月2日(木)~8日(水)
対象:m3.com会員(医師、歯科医、看護師、薬剤師、その他医療従事者)
回答者数:4657人
回答結果画面:「医学部入試で女子受験生を一律減点、どう思う?」



https://www.m3.com/news/iryoishin/617885
シリーズ NCDで医療現場はどう変わったか?
外科医の働き方改革にもNCDデータ活用 - 馬場秀夫・日本外科学会理事に聞く
データ分析で改革に手術施設の集約化の検討も可能

スペシャル企画 2018年9月1日 (土)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 長時間労働の代表格が外科医であり、「医師の働き方改革」の議論が進む中、外科医の労働時間短縮は急務だ。NCDは、その改革を進める際にも役立つという。NCDを含む各種データの分析で、改革が必要な部分を同定したり、例えば手術時間の短縮に取り組む場合に、手術成績を落とさないことを確認しつつ進めることができるからだ。データの“見える化”で、手術施設の集約化を進める際に、関係者の理解を得ることにもつながる。日本外科学会の理事で、同学会の「外科医労働環境改善委員会」委員長を務める馬場秀夫氏(熊本大学大学院消化器外科学教授)に、外科医の働き方改革の視点からNCDについてお聞きした(2018年7月17日にインタビュー)。

――日本外科学会で、医師の働き方改革を担当されているとのことです。

 私は日本外科学会の理事で、この4月から「外科医労働環境改善委員会」委員長という立場で、外科医の働き方改革を担当することになりました。

 本委員会はこれまで、外科医の労働実態を調査し、問題点を浮き彫りにすることが中心でしたが、今やるべきことはその対策です。一時はなり手が減少していた小児科医や産婦人科医は増加傾向に転じた一方、外科学会の入会会員は減少傾向にあり、今後も急に増えることが予想しにくい状況です。

 「外科医」という言葉には、他の診療科と比べて労働環境が厳しく、医療訴訟のリスクを伴うイメージがあり、若い医師が避ける傾向があります。また今、女性医師が増えていますが、外科は多くの女性が目指す診療科ではありません。一方で、外科医の高齢化という問題もあり、40代、50代が今後、現役で働き続けられる時間を念頭に置いておく必要があります。

 その上、外科医療は非常に多様化しています。従来は開腹・開胸手術がメーンでしたが、腹腔鏡や胸腔鏡による手術、さらにはロボット支援手術が増えてきました。これら新たな術式は、出血量が少なく、患者からの痛みの訴えが少なく、在院日数が短いなどのメリットがある一方、手術時間は長くなる傾向にあります。外科医を目指す医師は減少しているにもかかわらず、手術は多様化、かつ併存疾患を持ち手術リスクが高い高齢の患者が増加しているのが現状です。

 労働基準監督署の指導が厳しくなる中、外科医のリクルートと健康管理、そして医療安全の面からも、外科医の労働環境を改善していくことが必要です。一朝一夕で、かつ個々人で対応できる問題ではなく、各施設で、また地域を挙げた体制整備、仕組みづくりが求められます。

――「今やるべきは対策」とのことですが、具体的にはどんな方法が考えられるのでしょうか。

 各施設レベルでは、例えば主治医制からチーム担当医制、あるいは交代勤務制への移行などのほか、会議の時間をできるだけ勤務時間内に実施するなど、さまざまな改革に取り組んでいます。

 手術時間についても、短縮に向けた工夫が進んでいます。例えば、手術では全身麻酔と硬膜外麻酔を併用することが多いですが、低侵襲手術であれば、術後の痛みはそう強くはないので、硬膜外麻酔をやらなくても済むケースがあり、それにより手術時間が短くなります。術式もできるだけ定型化し、時間をかけず、かつ安全・確実にできる手技の工夫にも取り組んでいます。一方で、外科医が手術に入る際には、その時間に病棟にいる医師が不足するので、タスクシフティングにより、必ずしも医師がやらなくてもいい仕事は、他の職種ができるようなシステムの構築を進めています。

 さらに地域という視点で見れば、外科医の働き方改革を考えると、手術施設の集約化も検討課題になります。

――そうした改革を進める際に、NCDデータやその他のデータをどのように活用されるのでしょうか。

 手術時間等を短くして、労働時間を短くするには、手術時間の短縮が必要。しかし、それに伴い、医療の質や患者満足度などを落としてはいけません。

 例えば、私の熊本大学では、電子カルテ等のデータを基に、全手術症例について一例ずつ、手術時間や麻酔時間、出血量、合併症発症率などを検討し、当院における平均からの外れ値の症例があれば、その原因分析をしています。なぜ手術時間が長くなったのか、若手に手術をさせたのか、あるいは手術の既往があり癒着を伴っていたのかなどを検討し、改善につなげています。

 こうした取り組みを進めるためには、全国平均との比較も必要です。NCDのデータを用いれば、術式ごとに手術時間をはじめ、各種データについて、全国平均と自施設の実績を比較することができます。それにより、「手術時間や麻酔時間を短縮する余地があるのはどの術式か」などを検討できる上、改善を進めていく過程で手術成績が悪くなっていないかなどを確認することが可能です。

 さらにNCDのデータを用いたこれまでの分析で、消化器系の癌の短期成績に最も影響するのは、各施設の手術症例数(ホスピタルボリューム)であることが分かっています。日本は、米国などと比較して、手術症例数の割には、手術を行う施設数が多く、結果として1施設当たりの症例数が少なくなっています。チーム担当医制などの体制を組むには、複数の外科医が必要であり、手術成績の向上や外科医の働き方改革の観点からも、手術施設の集約化が必要になってくるでしょう。NCDや人口動態の将来予測などのデータを使えば、地域別に年間の手術症例数と外科医数について、現状把握と将来推計が可能であり、集約化を検討する材料を揃えることが可能です。ただし、日本の医療機関の設立母体はさまざまあり、また患者さんの利便性も考える必要があり、集約化は慎重に検討する必要があります。

――「外科医労働環境改善委員会」では、今後、どんな取り組みを予定されているのでしょうか。

 委員会では、安全な医療を提供しながらも、時間外労働を減らすための取り組み事例を各施設から出してもらっています。これを成功事例として共有、この4月から新専門医制度が始まったので、その影響なども把握するため、来年度辺りに新たな勤務実態調査を実施する予定です。

 なお、できるだけ診療時間内に手術や患者説明などを終え、外科医の働き方改革を進めるためには、患者・家族の教育や、国民理解を得ることが必要です。メディアも、医療機関をバッシングするのではなく、今の医療界や医師の現状を報道していただきたいと考えています。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t301/201808/557563.html
シリーズ◎「医師の働き方改革」
杏林大病院、12診療科の夜間勤務体制を縮小
4月からはスマホで出退勤管理も

2018/8/28 満武 里奈=日経メディカル

 2017年7月に労働基準監督署による立入調査が行われ、同年10月に医師に対する長時間労働の改善と、割増賃金の不足分の支払いに関する是正勧告と指導を受けた杏林大学医学部付属病院。2018年2月に全医師に変形労働時間制を導入し、改革に着手したことは既報(関連記事:杏林大病院、診療体制維持での働き方改革に挑戦)の通り。その後の動きを追った。

 杏林大学医学部付属病院では2018年から、抜本的な働き方改革に乗り出している。2018年1月には、医師の業務の一部を看護師などの他職種に委譲するタスクシフティングに着手。高度救命救急センターでは、それまで研修医が行っていた採血の一部を1月から看護師が実施し、患者搬送は看護助手も補助する体制にした。医師事務作業補助者を17人配置し、書類作成などを担当。今後は、未読の検査結果がないかのチェックを行うことも検討している。

 翌2月には全医師にいわゆるシフト制である変形労働時間制も導入。週38時間20分の労働時間になるよう各診療科が毎月、医師の勤務予定表を作成するようにした。また、患者への説明を原則、診療時間内に行う方針に変更し、患者向けの貼り紙を各病棟の入り口に掲出、入院説明資料と一緒に渡している。

12診療科では1~2人を病棟に配置する形に

 4月からは、医師の勤務時間をより正確に把握するため、勤怠管理方法を変更した。それまで紙で管理していた出退勤時間を、医師個人のスマートフォンもしくは病院備え付けのパソコンで管理できるようにした。スマホからのアクセスで、「出勤」「退勤」のボタンを押すとGPSで位置情報も把握される。また、これまで用紙で申請していた時間外労働も、同じシステム(パソコンとスマホ)でできるようにした。紙ベースで計算してきたものが電子管理できるようになり、上長や事務職員の確認作業もスムーズになった。

 当初から検討していた夜間勤務体制の見直しは、5月のゴールデンウィーク明けに実行した。夜間の救急患者が比較的少ない12診療科(泌尿器科、眼科、腎臓内科、神経内科、腫瘍内科、糖尿病・内分泌・代謝内科、血液内科、呼吸器外科、リウマチ膠原病内科、乳腺外科、小児外科、皮膚科)で1、2次救急の夜間受け入れ(22時~翌8時)を原則中止。夜間帯はこれまで、各科から2~3人の夜間勤務医を配置してきたが、12診療科については1~2人を病棟に配置する形に変更した。

 同病院は東京・多摩地区の救急の中核施設。都内に4カ所ある高度救命救急センターの1つである同病院は、多摩地区では唯一のセンターで、都の人口の3分の1をカバーしている。同病院には軽症から重症まで1日に100人ほどの救急患者が搬送され、年間3万6000人を診療。「重症患者に適切に対応し、地域の救急医療の最後の砦としての使命を継続的に果たす観点から、全34診療科のうち、比較的緊急性の少ない診療科や患者数がさほど多くない診療科について夜間受け入れ中止を検討した。地元医師会にも理解をいただいた上で12診療科の夜間受け入れを中止することにした」と杏林大学医学部付属病院長の市村正一氏は説明する。ただし、救急総合診療科で対処できない患者がいた場合は病棟勤務医が診るようにしているという。

 その結果、12診療科の夜間患者はそれまで月平均で合計85人ほどだったものが、月50人台にまで減少した。

 ただし、もともと夜間勤務では救急患者だけでなく、病棟患者も診ている。12診療科の中には夜間、他科の病棟患者に対応することもあり、いったん縮小した診療科でも、実態に即し今後も夜間の勤務体制について検討を続ける方針だ。

「全体として時間外労働時間は減少傾向にある」

 いずれにせよ変形労働時間制や夜間勤務体制の変更で、「全体として時間外労働時間は減少傾向にある」と市村氏は話す。特に研修医の時間外労働時間が減少したという。「改革に着手してまだ間がなく、患者数の変動もあり、まだ様子を見ているところで具体的な数値としては示せないが、着実に成果は上がってきている。今後は研修医のスキルアップに影響が出ないようにすることが課題だ」。

 変形労働時間制も診療科ごとに徐々に最適化されつつある。「それまで自由裁量だったのに時間管理されることになるので戸惑いの声もあったが、説明会を繰り返し行い、意識改革をしてもらうようにした。当初は選択できる勤務シフトが限られていたが、医師の勤務実態にあわせて30分刻みで、かつ1日当たりの勤務時間も変更できるようにシフトを組んだところ、『働きやすくなった』とのリアクションも得られるようになった」(市村氏)。意識改革は業務全体にも好影響を与えており、院内の会議やカンファレンスも時間内に終わらせようという意識が徐々に浸透しているという。

 改革着手から半年。各診療科の特性を把握でき、勤怠管理についてある程度、見通しが立ったと市村氏は話す。経営面では、労基署からの勧告を受け、時間外労働の割増賃金を支払ったことで一時的に赤字になった。だが、システム導入のコストを抑えたほか、トータルの時間外労働時間に対する賃金支出も昨年よりも減少しており、今年度以降は収支も改善すると見ている。また、夜間の救急体制を一部制限するからといっても、以前から行っている土曜診療は今後も中止する予定はない。「患者さんのニーズあってこその病院だと思っている。今後も土曜診療を続ける方針だ」(市村氏)。

 今後はこれらの改革の定着を図ることが、目標だという。「医師が忙しいことを国民に理解してもらい、緊急でなければ夜間でなく通常診療時間内の日中に受診するなど、社会の理解が広がることも大切。心臓外科や救急科など診療負担の大きい分野については、診療報酬を引き上げることも必要だろう。例えば診療負担が大きい科の医師に給料として還元することで医師のモチベーションを上げる。その結果、診療負担が大きい科の医師数の増加につながり、1人当たりの時間外労働時間を減らせるだろう」(市村氏)。

「全体として時間外労働時間は減少傾向にある」

 いずれにせよ変形労働時間制や夜間勤務体制の変更で、「全体として時間外労働時間は減少傾向にある」と市村氏は話す。特に研修医の時間外労働時間が減少したという。「改革に着手してまだ間がなく、患者数の変動もあり、まだ様子を見ているところで具体的な数値としては示せないが、着実に成果は上がってきている。今後は研修医のスキルアップに影響が出ないようにすることが課題だ」。

 変形労働時間制も診療科ごとに徐々に最適化されつつある。「それまで自由裁量だったのに時間管理されることになるので戸惑いの声もあったが、説明会を繰り返し行い、意識改革をしてもらうようにした。当初は選択できる勤務シフトが限られていたが、医師の勤務実態にあわせて30分刻みで、かつ1日当たりの勤務時間も変更できるようにシフトを組んだところ、『働きやすくなった』とのリアクションも得られるようになった」(市村氏)。意識改革は業務全体にも好影響を与えており、院内の会議やカンファレンスも時間内に終わらせようという意識が徐々に浸透しているという。

 改革着手から半年。各診療科の特性を把握でき、勤怠管理についてある程度、見通しが立ったと市村氏は話す。経営面では、労基署からの勧告を受け、時間外労働の割増賃金を支払ったことで一時的に赤字になった。だが、システム導入のコストを抑えたほか、トータルの時間外労働時間に対する賃金支出も昨年よりも減少しており、今年度以降は収支も改善すると見ている。また、夜間の救急体制を一部制限するからといっても、以前から行っている土曜診療は今後も中止する予定はない。「患者さんのニーズあってこその病院だと思っている。今後も土曜診療を続ける方針だ」(市村氏)。

 今後はこれらの改革の定着を図ることが、目標だという。「医師が忙しいことを国民に理解してもらい、緊急でなければ夜間でなく通常診療時間内の日中に受診するなど、社会の理解が広がることも大切。心臓外科や救急科など診療負担の大きい分野については、診療報酬を引き上げることも必要だろう。例えば診療負担が大きい科の医師に給料として還元することで医師のモチベーションを上げる。その結果、診療負担が大きい科の医師数の増加につながり、1人当たりの時間外労働時間を減らせるだろう」(市村氏)。



https://hc.nikkan-gendai.com/articles/236439
年間600万円がタダに NY大学医学部「授業料無償化」の衝撃
2018年08月30日 by シェリー めぐみ 日刊ゲンダイ

 ニューヨーク大学医学部が、授業料を完全無償にすると発表しました。

 一部の優秀な学生に与えられる奨学金でもなければ、経済的に厳しい環境にある学生へのサポートでもありません。これから入学する学生約100人、そして在学中の学生約400人全員の授業料が免除されるのです。ニューヨーク大学医学部の授業料は年間約600万円ですから、その驚きが分かると思います。

 全米の医学部トップ10位以内にランキングされている大学として、無償化は初めての試み。踏み切った背景には、今後ますます深刻になると予測される医師不足があります。「高過ぎる授業料こそが、優秀な学生が医師になるのを妨げている」と、大学側は説明しています。

 たとえばアメリカの医学部の学生の4人に3人は、授業料をローンを組んで支払うために、多額の借金を抱えて卒業します。その平均額は2000万円とも報告されています。

「こうした負債を恐れて、学生が医学部を敬遠する傾向にある。その中にはがんの治療法を発見できる者が含まれているかもしれない。最高の能力を持った学生に入学してもらうために、無償化に踏み切った」

 ラファエル・リベラ医学部長はこうコメントしています。

 高額な授業料は医師になる学生の数を減らすだけでなく、卒業後の借金返済のために、報酬が少ない小児科医や内科医のなり手が減る傾向も懸念されています。これらが少しでも改善されることを、大学側は期待しているのです。

 アメリカでは医学部に限らず、大学授業料の高騰は社会問題となっており、公立の大学を中心に無償化に踏み切るところが少しずつ出てきています。

 そして今回のニューヨーク大学の英断に刺激されて、他のトップクラスの大学医学部も同じように無償化を打ち出すのではないかという推測もされています。



https://www.medwatch.jp/?p=22207
控除対象外消費税問題、「診療報酬で補填の上、個別に過不足を申告する」仕組みを提言―三師会・四病協
2018年8月29日|医療保険制度 MedWatch

 消費税に関する医療機関や薬局(以下、医療機関等)への補填について、現在の「特別の診療報酬プラス改定による補填」を維持した上で、個別医療機関等ごとに「診療報酬本体に含まれる消費税補填相当額」と「消費税負担額」(医薬品・特定保険医療材料を除く)とを比較し、申告に基づいて補填の過不足に対応してはどうか―。

 三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院会協会で構成、以下、四病協)は8月29日に、医療界が一致団結できる具体的対応として、こういった仕組みを提言しました(日医のサイトはこちら)。

2014年度の消費税率8%までの補填状況を、丁寧に検証し、是正を

 保険医療については「消費税は非課税」となっているため、医療機関等が納入業者から物品等を購入する際に支払った消費税は、患者や保険者に転嫁することはできず、医療機関等が負担しています(いわゆる「控除対象外消費税」と呼ばれる)。このため、物価や消費税率が上がれば、医療機関等の負担が大きくなるため、1989年の消費税導入時から「医療機関等の消費税負担を補填するために、特別の診療報酬プラス改定を行う」(以下、消費税対応改定)こととなっています(消費税導入時の1989年度、消費税率引き上げ時の1997年度、2014年度)。
 
しかし、診療報酬では個別医療機関の消費税負担を過不足なく調整することは極めて困難であり、また「結果的に患者負担増につながる」ことなどから、医療界ではかねてから「税制の見直しも含めた、抜本的な対応」の必要性を訴えてきました。あわせて三師会と四病協では、共同してこの問題について検討を行ってきており、今般、提言をまとめたものです。
提言の骨子は、冒頭に述べたように次のような仕組みを新たに創設するというもので、消費税非課税を維持したまま、還付を求める内容となっています。税制上、還付を求めるためには「消費税の課税」が前提となりますが、提言では「診療報酬に消費税を課税することは国民の理解が得られない」ことを訴え、本提案への理解を求めています。

(1) 特別の診療報酬プラス改定(消費税対応改定)による補填を維持する

(2) 個別の医療機関ごとに、▼診療報酬本体に含まれる消費税補填相当額▼控除対象外消費税の負担額(医薬品・特定保険医療材料を除く)—を比較し、医療機関の申告に基づいて「個別の過不足」に対応する

 
 このうち(1)の消費増税対応改定については、「消費税率10%への引き上げ時」(来年(2019年)10月予定)に、2014年度と同様、「基本診療料(初診料や再診料、各種入院料など)への上乗せ」で対応することを求めています。

ただし、その前提として、過去の消費増税対応について「医療機関等の種類別の補填のバラつきを丁寧に検証し、是正する」とともに、2020年度以降の診療報酬改定の折にも必要に応じて検証・是正を行う、ことを提案しています。

例えば、2014年度の消費増税(5%→8%)時には、基本診療料(初診料や再診料、各種入院料など)の引き上げを行うという消費税対応改定が行われましたが、その後の厚生労働省の検証により「医療機関の種類ごとに補填状況に大きなバラつきがある」ことなどが分かりました。例えば、2016年度で見ると、精神科病院では129.0%の補填がなされていますが、特定機能病院では、わずか61.7%の補填にとどまっています(関連記事はこちら)。

こうしたバラつきなどを検証・是正した上で、消費増税改定を適切に実施することを求めるものです。さらに、その後の診療報酬改定で点数に変動が起きた場合、補填状況に変化が生じる可能性があるため、これにも丁寧に対応するよう求めています。

なお、消費税率5%までに行われた消費税対応(1989年、1997年)については個別点数に上乗せがなされており、その後の点数の変動(改廃を含む)によって「消費増税対応分がどの程度なのか」が見えなくなっています。このため、例えば次のように補填額を算出して、補填状況を把握するなど、「マクロ的な比率での把握」を求めるにとどめています。

▼1989年度(消費税率3%、診療報酬本体への上乗せ率0.11%)の補填状況を把握する方法の1例
→診療報酬収入×診療種類別修正上乗せ率(不明であるため、新たに修正上乗せ率を計算する手法を確立したり、1997年度分と合わせて、2014年度の修正上乗せ率である「医科:0.48%、歯科:0.59%、調剤:0.12%」を用いる方法などが考えられ、早急な合意、決定が必要)

▼1997年度(消費税率5%、診療報酬本体への上乗せ率0.32%)の補填状況を把握する方法の1例
→診療報酬収入×診療種類別修正上乗せ率(例えば、1997年度の修正上乗せ率である「医科:0.32%、歯科:0.43%、調剤:0.15%」を用いる方法や、2014年度の修正上乗せ率である「医科:0.48%、歯科:0.59%、調剤:0.12%」を用いる方法などが考えられ、早急な合意、決定が必要)

一方、2014年度(消費税率8%、診療報酬本体への上乗せ0.63%)の消費増税対応改定については、個別医療機関ごとに、「基本診療料の上乗せ分(初診料であれば12点、再診料であれば3点など)×個別医療機関の該当基本診療料の算定回数」と言う計算式で、補填状況を正確に把握することができます。さらに、2019年度の消費税10%への引き上げ時以降も、同様に補填状況を把握することが可能でしょう。

 
 提言では、この新たな仕組みの適用対象を「消費税・所得税について実額計算で申告している医療機関等」に限定することとしており、次のいずれかに該当し、実額計算で申告しない医療機関等は、新たな仕組みではなく、現行通りの診療報酬での対応を行うよう求めています(実額計算を選択して新たな仕組みを選択できる道を用意すべきとも付言)。

▼消費税免税事業者(自由診療等収入が年間1000万円以下)
▼消費税の簡易課税事業者(自由診療等収入が年間5000万円以下)
▼所得税の概算経費特例(いわゆる4段階制)を利用している事業者(医業収入が年間7000万円以下、かつ診療報酬収入が年間5000万円以下)



https://www.m3.com/news/iryoishin/626182
中川日医副会長が厚労省に抗議「消費税補てん状況集計ミスは重大事案」
樽見保険局長「真摯にお詫び」、次回の分科会で回答

レポート 2018年8月30日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は8月30日、厚生労働省保険局長の樽見英樹氏と面談し、「控除対象外消費税補てん状況の集計ミスに対して厳重に抗議する」との文書を提出した。2014年度に消費税率が5%から8%に引き上げられた際に補てん率に集計ミスがあるなど、「各医療機関は過去4年にわたって、機会損失を被り、経営難にあえぐこととなった重大事案」であるとし、厳重に抗議するとともに、それを償うために速やかに対策を講じることを求めた内容だ。

 中川副会長は、樽見局長との面談後、記者団に対し、「大変な負担をかけたことに対して、真摯なお詫びをいただいた。一方で、今回の補てん率集計が大幅に間違っていたことは、言い訳はできず、そうしたことが今後ないように指導していくという強い決意もいただいた」と説明した。

 抗議文は、消費税担当副会長である中川氏の個人名だが、「もちろん横倉(義武)会長の指示に基づくものであり、三師会、四病協(四病院団体協議会)を代表してきたつもりだ」と説明。抗議文に対する回答は、次の中医協の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」の冒頭で、保険局長から出される予定だという。

 日医を含む三師会と四病協は8月29日、2019年10月の消費税率10%に向けた提言を公表した(『消費税率10%「新たな仕組み」で対応、三師会と四病協が提言』を参照)。「消費税率が10%になるまで、この状態が5年半続くが、さかのぼって個別の医療機関に対応することは事実上、不可能。昨日、三師会と四病協が一丸となって提言した新たな仕組みに対しては、厚労省として全力を挙げて努力をする、という答えもいただいた」(中川副会長)。

 「十分償うべく、速やかに対策を」

 補てん率の集計ミスは、今年7月の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で明るみになった(『中川日医副会長「厚労省の二重、三重の不手際」、消費税補てん率調査にミス』を参照)。

 抗議文では、2014年度の全体補てん率は、2015年に102.7%だったが、今回約90.6%だったと報告され、特に病院の補てん率は102.36%から82.9%と約20ポイントも下方修正されたと問題視。「2015年時点で、丁寧な確認作業が行われ、補てん不足が認識されていれば、2016年度、2018年度の診療報酬改定で適切な対応が取られたはずであった」と指摘。しかし、現実には厚労省は、「マクロでは概ね補てんされている」として、2017年11月にできたはずの2016年度の補てん率把握も行わなかったことから、「各医療機関は過去4年にわたって、機会損失を被り、経営難にあえぐこととなった重大事案である」と抗議、十分償うべく、速やかに対策を講じるよう求めた。

 さらに、2015年の集計ミスは、入院日数の重複カウントによるものとされるが、補てん率(102.36%)が想定範囲内の結果であったことから、確認作業がおろそかにされたとし、「貴管下の業務全体への信頼性をも揺るがすものであることから、「本件に限らず広く業務プロセスをチェックし、 再発防止に万全を期す」ことも求めている。

 抗議文では、「十分償うべく」としているが、具体的な要求はしていない。中川副会長は「三師会と四病協の提言が実現しても、100%償ったことにはならない」と断った上で、「どのようにしてもらいたいかは、あえては言わないようにした。政策や税制面での償い方もあり、まず向こうに考えてもらいたいということ。選択肢の幅を狭めたくはない」と説明している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/626491
消費税問題、働き方改革で要望へ
地域医療を守る病院協議会が厚労省宛てに提出

レポート 2018年9月1日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は8月31日の記者会見で、控除対象外消費税問題と医師の働き方改革に関する要望を近く厚生労働大臣宛てに提出することを明らかにした。9月の早い時期に提出することを目指し、内容は今後詰める(関連記事は『中川日医副会長「厚労省の二重、三重の不手際」、消費税補てん率調査にミス』を参照)。

 全国自治体病院協議会会長の小熊豊氏は、消費税問題について「全自病には課税にするべきという意見を言う会員もまだいるが、次善の策として三師会と四病院団体協議会の提案に歩調を合わせるのがいいのではないか」と述べ、要望書は新たな仕組みでの還付を求める内容になると説明した(『消費税率10%「新たな仕組み」で対応、三師会と四病協が提言』を参照)。

 働き方改革については、要望項目の一つに「総合診療医の養成」が入っており、地域包括ケア病棟協会会長の仲井培雄氏が「重要なポイントの一つ。セカンドキャリアとしての総合診療医を目指す方が増えれば、日本の医療が変わっていくと思う。ひいては、医師の労働時間にも影響を与えるのではないか」と指摘。

 全国国民健康保険診療施設協議会副会長の籾井眞二氏は、医師が4人程度の国保病院にも労働基準監督署が指導に入り、勤務医の当直を減らすために院長が週に3日も当直に入らざるを得ない例があると紹介。「院長は過労死してもかまわないというのが労基署の話のようだ。地域医療を守りながら医師の健康も守っていこうと進み始めている。その方向性を誤らないよう、拙速に決めないようにしていただきたい」と述べた。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3480376030082018L60000/
日光7病院で連携法人 栃木県が設立準備
北関東・信越  2018/8/30 21:30日本経済新聞 電子版

 栃木県が日光市内の7つの民間病院を核に地域医療連携推進法人を設立する準備を進めていることがわかった。同市では県全体を上回るペースで人口減、高齢化が進み、将来の医療需要の変化が予想される。県は急性期から慢性期まで切れ目ない医療体制を維持するため連携が必要だと判断した。ただ、経営の自由度が狭まると懸念する病院もあり合意形成には時間がかかりそうだ。

 日光市では6法人が7病院を運営している。県の構想では、この6法人を核に地域医療連携推進法人を設立する。将来の医療需要の変化を見据えて病院間の役割分担を明確にするほか、医師・看護師らスタッフの共同研修や医薬品・医療機器の共同購入にも取り組む。

 市の人口は2060年までに6割近く減少する一方、高齢化率は5割に達する見通しで、人口減少、高齢化ともに県平均を大幅に上回るペースで進行する。県は急性期や慢性期の患者は減り、がんや脳卒中といった疾患の回復期の病床の需要が高まると予測する。

 こうした医療需要の変化に個々の病院だけで対応するのは難しく、病院の廃業など医療機関の淘汰を招く可能性もある。県医療政策課は「病院間の役割分担をはっきりさせ、各病院の連携を深める必要がある」とみる。

 地域住民にとっても、連携推進法人の設立で地域医療の維持・向上が期待できる。

 ただ病院側の足並みはそろっていない。経営基盤が強化される半面、経営の自由が制限されると懸念しているからだ。県は18年に入り、7病院に医師会や日光市も交えた勉強会を5回開催。データを示しながら地域医療連携推進法人構想の趣旨を説明し、理解を求めてきた。

 勉強会に参加している病院関係者は「7病院が一堂に会して危機感を共有できた意義は大きい」と評価する。その一方で「法人設立後に経営の自由度がどこまで保障されるのか。機能のすみ分けをどう実現するのか道筋が見えない」と不安を隠さない。

 急性期医療を担う独協医科大学日光医療センターと今市病院がともに市内で移転を検討していることも合意形成を難しくしている。移転に合わせて市内の医療体制を再構築できる半面、患者の奪い合いにつながる懸念があるためだ。

 県は今後、市内の診療所などにも地域医療連携推進法人の設立趣旨を説明し参加を呼びかける。7病院については病床機能や診療科ごとに分かれて議論を深める。県は18年度中の法人設立を目標に掲げていたが、時間をかけて合意形成を図る方針だ。

     ◇

 ▼地域医療連携推進法人 医療機関が機能分担など連携を深めて地域の医療体制を維持するために設立する一般社団法人で、都道府県知事が認定する。2017年4月に制度が創設された。傘下に病院や介護施設などを経営する法人が入り、協議に基づいて診療科の再編や病床の融通、医療スタッフの共同研修、医薬品の共同購入などを主導する。国内では鹿児島、広島、兵庫など6県で設立されている。
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https://www.m3.com/news/iryoishin/623287
>臨床実習72週、充実に向け多彩な“仕掛け” - 札幌医大◆Vol.1
1年生はボランティア活動や刑務所見学、3年生は2泊3日で地域実習

スペシャル企画 2018年8月31日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 全国の医学部・医科大学が今、直面している課題の一つが、「2023年問題」、つまり世界医学教育連盟(WFME)の国際認証を取得するための対応だ。
 札幌医科大学では、認証取得の準備の一環として、2017年度の医学部4年生から臨床実習を計72週とした。時間の拡充だけでなく、実習に先立ち、臨床現場に触れ、医師としての素養を涵養することなどを目的に、1年生からさまざまなカリキュラムを取り入れている。同大医学部長の三浦哲嗣氏に、同大の取り組みを取材した(2018年8月1日に取材。全3回の連載)。

 医学部の1年生から、医療の現場に触れたり、医師を目指すモチベーションを高めるため「アーリー・エクスポージャー(早期体験学習)」をカリキュラムに取り入れる大学は多い。札幌医科大学でも早期体験学習に「地域滞在実習」として、道内各地域に学生が出向き、地域の医療体制、健康課題などについて、住民と交流する機会を設けている。

 同大の特徴は、それだけにとどまらず、医療に限らず、広く社会に目を向けてもらう機会を設けている点だ。 1年生では、カリキュラムの一環として、札幌医大附属病院内での市民ボランティア活動に参加する。病院ボランティアの会であるフローレンスの会員の方々とともに、外来患者の案内や支援、入院患者向けの移動図書館の運営などの活動を通じて、「患者として病院に来て遭遇する障害や、それを支援する人々の立場に気付いてもらう」(三浦氏)。

 また、1年生を対象に、4年前から「刑務所見学」の機会も設けている、受刑者と接することはしないが、刑務所の施設や隣接する医療施設などを、約3時間かけて見て回る。普段は目にしない社会の一端に触れることにより、さまざまな物事を考える契機、ヒントになると大学側は期待する。「受刑者という立場の人々の健康や疾病、さらには人権問題などについて、考察してもらいたい。医師のキャリアの一つとして、矯正医官という仕事を考える契機にもなる。今後も継続し、事前に十分なオリエンテーションを行うなど、見学をより実のあるものにしていきたい」と三浦氏は語る。

 2年生になると、チーム医療実践、多職種連携に取り組む前段階として、看護師の業務をシャドウィングする。「看護師の実際の仕事と、医師と看護師の患者に対する視点の違いを知ってもらうことが目的だ。『医師になるのだから、看護師の仕事を体験する必要があるのか』と考える学生もいる一方で、『大変意義がある、良い経験』と受け止める学生もいる」と三浦氏は語る。学生の受け止め方にも相違があり、それを学生同士で共有することでも、教育効果が生まれる。

 3年生全員、2泊3日の泊まり込みで実習

 3年生の実習はより実践的になり、「地域滞在実習」を組み入れている。3年前からスタートした。実習先は、道南、道央を中心に19施設で、その多くは200床未満という規模の小さい病院だ。

 その狙いについて、三浦氏は二つあると説明する。一つは、病院を拠点に、介護老人保健施設などの施設系サービスや在宅医療の現場を見ることで、地域包括ケアが現場でどのように展開しているかを肌で感じてもらうこと。もう一つは、実習先の地域の方となるべく接点を持つことだ。「実習を通じて、地域における医師の仕事や医療の有り様を理解してもらうだけでなく、地域に住む人たちとふれあい、その地域が抱える課題や人々の社会や生活背景などについて考えてもらうことを期待している」(三浦氏)。

 実習先訪問に先立ち、まずオリエンテーションを行う。医療保険や介護保険の仕組みなど、制度についての講義も組み込んでいる。その後、バス数台に分乗し、道南、道央の実習先に向かう。地域での実習期間は3日間。「実習の受け入れ先によって、体制や実施している医療はさまざま。大学としては実習の目的と基本的な内容、スケジュールの大枠を設定し、具体的な実習内容は、各病院の実情に合ったものをお願いしている」(三浦氏)。

 地域滞在の2日目には、地域の人々を相手に、健康教育セミナーを担当し、年度ごとに設定した基本テーマ(認知症、転倒予防など)について、学生がシナリオを考えてセミナーを行う。滞在最終日には、医療施設や介護施設の入所者との質疑応答の時間がある。実習先から大学に戻った後に、全体討論の場を設け、実習の振り返りを行う。

 各実習先には、教員も同行。実習が円滑に進むようサポートするほか、何らかのトラブルがあった場合に対応するためだ。「今年からは、実習のアウトカムを何らかの形で評価し、今まで以上に良い方法に変えることができないかを検討する予定」(三浦氏)。

 臨床実習は「ユニット制」で

 4年生の最後の8週間から始める臨床実習自体のカリキュラムも、2018年度から見直した。従来は全ての診療科を1~2週間ずつ回る臨床実習で、診療科間の関連性については余り配慮されていなかった。

 これに対して、新たな臨床実習は、関連する診療科を一つの「ユニット」としてまとめ、各ユニットを4週間ずつローテーションする仕組みだ。ユニットは計11ある。各ユニット内の診療科は2~3で、その中で特定の診療科を多めに実習したいとの希望があれば、対応している。「1人の患者に対する診療の全てに参加するには、診療科をまたがった一定の期間を必要とすることが多いが、これまでの方式では、それが難しかった。新たに導入した方式では、1人の患者を場合によっては最長で4週間診ることができる」(三浦氏)。

 新方式への変更に当たっては、カリキュラム委員会や教務委員会の議論に約1年かけて準備を行った。「これまで別々に実習を担当していた診療科をユニットにまとめることで、本当に実効性が高まるのか、という意見も出た」という。札幌医大附属病院の平均在院日数は約12日と短い。以前は、内科での検査・診断から外科での手術、退院という一連の流れで入院していたケースでも、今は内科で診断したらいったんは退院し、また手術の前日に入院するなど、患者の入退院の流れが変わっている。「学生が同じ一人の患者を継続的に診ることは確かに容易ではないが、各ユニットで実習することで、各患者の疾患の診療の流れについての理解が向上すると考えている。診療への参加を増やすことと、ユニット制の導入で学生のモチベーションが高まることを期待している」(三浦氏)。

札幌医大、「地域枠」は3種類

 札幌医科大学の医学部医学科の定員は110人で、3つの地域枠がある。一般入試の「北海道医療枠」55人、推薦入試の「地域枠」20人と「特別枠」15人だ。
 このうち北海道の修学資金貸与制度の対象は「特別枠」のみで、「初期臨床研修修了後7年間のうち、5年間、北海道知事が指定する道内の公的医療機関に勤務」が条件。
 一方、「北海道医療枠」は全国の高校の出身者、「地域枠」は道内の高校出身者が対象。それぞれ初期臨床研修の縛りはなく、後期研修において、札幌医大のプログラムに7年間従事することを確約するのが条件。「両プログラムには、『7年間を通して、道内の医療機関で勤務しなければいけない』といった誤解がある。本学のプログラムでは、道外の病院で研修、海外留学なども可能。北海道の医療を向上させるためには、道内のみで勤務し続けることが必ずしもいいとは限らず、他の研修医達と是非『他流試合』もしてもらいたい」(三浦氏)。
 入学後のカリキュラムは、一般枠か地域枠かを問わず、同じだ。また2018年度から、新専門医制度がスタートしたが、開始の数年前から、北海道、道医師会、道内の3医学部・医科大学が集まって、新専門医制度の運用の在り方を検討したという。「2004年度に臨床研修が必修化された際、大学から道内の医療機関に派遣できる医師が減り、道内の病院は医師不足に陥った。今回はそれを避けるための準備が行われ、今のところ大きな混乱は起きていない」(三浦氏)。



  1. 2018/09/02(日) 12:14:30|
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