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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月19日 

http://blogos.com/article/317988/
女子受験者差別は「医師不足」懸念 その根底にある発想とは
THE PAGE 2018年08月14日 18:00

 女性受験者と4浪以上の受験生には一切加点せず――。東京医科大の入試不正問題で、大学の内部調査委員会が8月7日に発表した調査結果では、女子らの合格者数を抑えるために10年以上前から点数操作を繰り返してきた実態が明らかになりました。「女性は出産などで医療の現場を離れることが多く、医師が不足する恐れがある」というのが理由でした。こうした点数操作は明らかな女性差別であり問題視されていますが、医療現場の現実として理解を示す見方も一部であります。

 労働社会学が専門の和光大学教授でジャーナリストの竹信三恵子氏は、そもそもこの問題の根底にある発想を変える必要があると指摘します。竹信氏に寄稿してもらいました。

         ◇
 東京医科大学の入試不正をめぐり、大学側が女性受験者の点数を一律に下げていたことが衝撃を与えています。女性であるだけで減点、というあまりにもあからさまな女性差別が批判を浴びるのは当然のことですが、その根にある「日本型女性活躍」の問題点は、見過ごされがちです。それは、政府の「働き方改革」の底流にもある「女性活躍=男性並みの働き方」という考え方です。

女性は「アクティビティ」が下がる

 7日に発表された同大の調査委員会報告書に、「女性は年齢を重ねると医師としてのアクティビティが下がる、というのがかかる得点調整を行っていた理由のようである」という記述があります。記者会見ではこの点について、「女性が結婚・出産で育児をしなければいけなくなると長時間勤務等ができなくなるという意味」(調査委メンバー・植松祐二弁護士)、と説明されました。

 日本企業の標準的な労務管理は、人員をぎりぎりまで削減して人件費を削り、仕事量は減らさずに社員の長時間労働で埋めるというものです。これでは、残業ができなかったり、子どもの病気で休まざるを得なかったりする社員が増えると、他の働き手の負担増で埋めるしかなく、手いっぱいの状況に新たな負担がのしかかることになります。

 日本特有と言われる「マタニティハラスメント(マタハラ=妊婦や母親社員に対する嫌がらせ)」も、人員削減の中で、育休の負担を社員たちの仕事量の増大と自助努力で解決させる労務管理が背景にあります。こうした労務管理の転換ができないため、様々な組織で暗黙の女性排除が起きることになります。

 10年ほど前まで働いていた新聞業界でも、女性記者から「人事担当者から、成績で採用すると女性が2割を超えてしまう、なんとか合法的に抑制できる手立てはないかと相談された」と聞いたことがあります。女性は育児などで転勤が難しいからというのです。いまでも若い女性記者たちから、そうした業界の空気はなくなっていないと聞きます。

 ここで問題なのは、まず、すべての女性の転勤が難しいわけではないということです。最近では地方の実情を取材したいと地方通信局に異動を希望し、ゆったりした自然の中で子育てした女性記者もいます。保育所も地方都市なら空きがあることが少なくありません。男性でも、介護を抱えて転勤が難しい記者はいます。重要なことは、面談で社員のライフスタイルをじっくり聞き出し、それに沿ったプランをつくること、さらに、地方転勤でその後のキャリアが不利にならないような人事システムにすることです。

平等求めるなら男性と同等に働くべき

 今回の不正入試は、そんな社会の「ニーズ」に、大学がきわめて素直に、臆面もなく応えてしまった結果といえるでしょう。

 背景には、人件費を下げることで国際競争に勝つ、という手法を繰り返してきた戦後の日本社会があります。人員を増やさずに長時間労働で対応させ、これをサービス残業とするやり方は、事実上の時給の引き下げです。

 日本の製造業は、1980年代までは、こうした手法を繰り返してかろうじて国際競争をしのいできました。ただ、それ以後のアジア諸国の工業化やグローバル化の中で、いまや同じやり方で人件費競争に勝とうとすれば、過労死覚悟の長時間労働を引き受けてもまだ足りません。

 1985年に制定された男女雇用機会均等法も、「平等を求めるなら男性と同じに働くべきだ」という経済界の要請で女性保護が撤廃され、家庭を顧みない男性と同じ働き方を受け入れる女性だけが「総合職」として、男性正社員並みの待遇を受けられるつくりになりました。そんな働かせられ方の中で子育てができないと退職してパートになる女性が増え、これも「低賃金のパート」として人件費の引き下げに貢献しました。

 少子高齢化が進み、働き手も育児や介護などのケア労働を同時並行で担わなければならない時代が来ています。にもかかわらず、妻がいなければやっていけない「妻付き男性モデル」や、ケア労働を考慮しない「ケアレス・パーソンモデル」の働き方に合わせることができる女性でなければ認めてもらえないという労務管理が、いまも基本的には続いています。

働き方改革が求める「女性活躍」の中身

 いや、日本も変わろうとしている、「女性活躍」政策を推進しているではないか、という意見もあるでしょう。確かに、そうした努力や工夫は、様々な職場で懸命に積み重ねられています。ただ、昨今の政府にはむしろ、「脱ケアレス・パーソンモデル」に逆行するような施策が目立ちます。

 「働き方改革」では、残業の上限規制として、2~6か月間の平均残業時間の上限が80時間まで、繁忙期は1か月100時間未満までという、過労死基準すれすれの残業時間規制が労基法に書き込まれました。

 労働時間規制から一定の条件の働き手を外す「高度プロフェッショナル人材制度」も導入されました。「高プロ」は、自由に働ける制度とPRされてきましたが、裁量労働と異なり、条文には自分の裁量で労働時間を選べることさえ規定されていません。4週に4日の休みを取ることは決められていますが、労基法で決められている1日の労働時間規制はもちろん、休憩時間や週末ごとの休みの義務付けからも外されています。

 家庭と仕事の両立には1日単位の労働時間規制が不可欠です。そのための制度として期待された「業務間インターバル規制」(1日の終業と翌日の始業の間に一定の間隔をあける規制)は、努力義務にとどまり義務化されませんでした。7月に閣議決定された新「過労死防止大綱」には、2020年までに企業の10%以上にこの制度を導入する目標が盛り込まれましたが、これではどの企業に勤めたかで働き手間の格差が開いていくことになります。

 この労働時間制度の下では、ケア責任を抱える多くの女性たちは働き続けられません。「年齢を重ねると女性はアクティビティが下がる」とは、こういう現象を指しています。高齢社会で介護負担が増大している今、今後、この現象は男性にも及ぶでしょう。

 一方、「同一労働同一賃金」は、国際的には職務内容で「同一」かどうかを判断するのが原則です。ところが「働き方改革」で示されたガイドラインでは、「職務内容」だけでなく、「職務内容・配置の変更範囲」(異動や転勤の範囲)、「その他の事情」に照らしても判断できるとされています。

 転勤の負担に対しては、転勤手当として賃金とは別建てで報いる方法もありますが、ガイドラインの考え方だと、転勤できなければ仮に業務内容が全く同じでも賃金全般に差がつくこともあり得るということになります。2016年に取材した自動車部品メーカーの太平洋工業のように、転勤の有無で賃金全体を決めることは社員の職務そのものに対するモチベーションを下げると考え、社員の面談を通じて転勤ができない状態かどうかを判断し、転勤については手当で報いるという方式を取っている例もあります。

 2016年の「パートタイム労働者総合実態調査」では、「正社員と職務(業務の内容及び責任の程度)が同じパート」のうち「人事異動等の有無や範囲が正社員と同じパート」は、1.5%(会社に対する調査)に過ぎません。家族のケア責任があるためにパートを選ぶことが多い女性は、ほとんど「同一賃金」の対象から外れてしまうことを、この数字は示唆しています。

 2015年6月に開かれた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」のサイトでは、トヨタの「カイゼン」方式を利用した「A病院」での生産性向上の事例が紹介されています。看護師など職員の作業時間や歩行を計測・録画し、作業ごとに1秒単位でグラフ化するなどして分析、無駄のない作業を実現するため導線(職場内での動く経路)を改善するといった製造業方式の効率アップ作戦です。

 男性型職場の製造業で行われてきた「無駄を省く」規律強化や人員削減などが、医療やスーパーなど女性の多いサービス業界でも求められ始めたということでしょう。効率化自体は決して悪いことではありませんが、問題解決の発想自体は「女性活躍=男性並みの働き方」であることが、ここからも見えてきます。

女性医師比率の国際比較

こうした女性の働かせ方は、グラフのように、35歳から44歳の働き盛りで女性医師の比率が極端に低い状況を生んでいます。そんな職場風土を解決しなければ、東京医科大のようなあからさま女性差別は見えなくなったとしても、女性排除は地下に潜って残り続ける恐れがあります。文科省は「入試の募集要項に男女比の調整を明記していれば、大学の責任で特定の受験者を優先して合格させることはできる」(8月3日付「朝日新聞」)としていますから、最悪の場合、男女別定員を明示してすませる医科大学が増えることさえあり得るでしょう。

人員不足を「根性」で埋める日本型の限界

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の津川友介助教授は、2016年12月19日投稿のブログで「女性医師の方が、男性医師よりも患者の死亡率・再入院率が低いことが明らかに」と題して、自らの調査を紹介しています。2011年から2014年の間に、米国の急性期病院に入院した65歳以上の患者約150万人の経過を分析した結果、女性医師が治療した方が男性医師より、入院後30日以内の死亡率や再入院率が低かったというものです。

 津川氏はさらに、過去の研究では女性医師の方が、ガイドライン遵守率が高く、患者とより良好なコミュニケーションを取り、より専門家にコンサルテーションすることなどが報告されているとし、これらが原因かもしれないと考察しています

 長時間の肉体労働に耐えられる力だけでなく、ケア的な能力の必要性を示唆する研究です。

 こうした多様性を実現する職場づくりのヒントになるのが、13年前に取材した、大阪厚生年金病院(現大阪病院)の試みです(2005年6月8日付「朝日新聞」)。当時の清野佳紀院長は「女性を敬遠しているだけでは解決にならない」と実態調査を行い、医師の子育て支援制度が不十分な日本では30代の女性医師の3~4割が退職していることを突き止めました。そして、女性医師の増加率が男性を年々上回るのに30代女性医師が働き続けられなければ、働き盛りの医師の不足が加速し、過重労働や病院の閉鎖もあり得ると危機感を抱きます。

 この解決を目指して、フレックスタイムや、希望に合わせてフルタイムと同等の待遇で短時間勤務ができる仕組みを導入した結果、女性の退職はほとんどなくなり、応募者も増えたというものでした。
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 こうした上層部による「上からの取り組み」によって女性の医師を3割以上確保できれば、次は一線で働く人々の「現場からの力」が動き出す可能性が高まります。1970年代に大手企業をコンサルタントとして観察した米国の研究者、ロザべス・モス・カンターは、少数派がその組織に影響力を及ぼすには3割以上は必要と述べています(Men & Women of the Corporation(1977年、邦訳『企業のなかの男と女』 生産性出版)。つまり、3割超えを達成することで、転勤、長時間労働、子どもが病気でも休まない、という働き方に否定的な人々が影響力を持てるようになり、女性目線での活躍しやすい働き方が可能になるということです。

 2018年8月9日付「BuzzFeed Japan」に掲載された日赤医療センター第一産婦人科部長、木戸道子医師へのインタビューは、その好例を示しています。ここでは、日勤から引き続き夜勤に入る過酷な勤務をやめ、夜勤は午後8時に出勤、翌朝9時まで、とします。そして、午後5時の日勤の終業時間から夜勤担当が来るまでの時間帯をつなぐため、午後8時までの居残り担当を決める「変則2交代勤務制」を取っています。「夜勤は医師の成長の機会」と前向きに位置づけて過酷な長時間労働を改善し、女性医師も参加しやすい仕組みづくりを行ったわけです。

 3人の子を持つ木戸医師の主張のポイントは「スーパーウーマン」を基準にしないこと。そのために、現場の工夫だけでなく、一定の人員の確保が不可欠として、国や行政の対応も求めています。人員不足の穴を社員が「根性」でふさぐ働き方に女性も合わせる「日本型女性活躍」の限界を実感したからこその意見、といえるでしょう。

 東京医科大事件の罪は、差別という人権侵害に加え、「活躍=男性並みの働き方」を前提にした病院側の「ニーズ」に応えるとして、入試という最初の関門で3割超えへの道を塞いでしまったことにあります。明らかになったのは、こうした男性並みの長時間労働を前提とした問題解決の発想や労働モデル自体を変え、働いている人たちの実状から始める必要があるということです。その意味で今度の事件は、入試の公正さと同時に、その出口となる職場の「活躍」のあり方の再考をも迫っているといえます。

■竹信三恵子(たけのぶ・みえこ) ジャーナリスト、和光大学教授(労働社会学)。1976年、朝日新聞社に入社。編集委員兼論説委員(労働担当)などを経て2011年から和光大学現代人間学部教授。2009年、貧困ジャーナリズム大賞。著書に「ルポ雇用劣化不況」(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)、「ピケティ入門~『21世紀の資本』の読み方」(金曜日)など



https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/16/new-york-university-medical-school-tuition_a_23503845/
医学部の学費が全額無料に。ニューヨーク大学が画期的な奨学金を発表
しかも、学生全員が対象です

2018年08月17日 12時30分 JST | 更新 2018年08月17日 12時55分 JST Haffington Post WORLD
Satoko Yasuda

アメリカの名門大学の一つとして知られるニューヨーク大学が、医学部の学生全員を対象に、学費を全額支援する奨学金を支給すると発表した。

現在在学中の学生と、今後入学する学生に支給され、成績や収入などに関係なく全ての学生が利用できる。ニューヨーク大学医学部の年間学費(2018年)約600万円が、実質全額無料になる。

このニュースは8月16日、臨床実習を始める医学部の学生たちに白衣を授与する「白衣授与式」で発表された。

■ 高い学費が、医師不足を招いている

アメリカ医科大学協会によると、2017年にアメリカの医師の75%が学費のために借金を抱えており、私立大学卒業の医師の借金は平均2240万円だった。

多大な借金を背負う可能性があることで、能力のある学生が医学部を避けるようになり、医師不足を招いているという。

「借金が原因で、医学部を避ける可能性があります。その中に、がんの治療法を見つける人材がいるかもしれません。私たちの大学にとっても社会にとっても、良い志願者を集めることはとても大切なことなのです」と、ニューヨーク大学の入学・学費支援部のラファエル・リヴェラ副部長は述べる。

高額な学費は医者の多様性不足も招いている。卒業後に高い収入を得られる分野へと進む人が増え、家庭医、地域診療、小児科医、研究など、高収入が望めない分野の人材不足を招く。

リヴェラ副部長は、奨学金でそういった問題に対処できると話す。

また、医学部長のロバート・グロスマン博士は「卒業後に実習期間もある医学部生は、医学部の学費を背負うことでとても厳しい状況におかれています。私たちは、(奨学金を)道義的な義務だと考えました」と述べる。

この奨学金の実現に、同大学は11年間取り組んできた。そして必要とされる660億円のうち、これまでに約498億円を集めた。そのうち約110億円は、大手ホームセンター「ホーム・デポ」の創立者による寄付だった。

同大学によると、学費を全額補助する奨学金は「アメリカのトップ10にランクインしている医学部で、ニューヨーク大学だけ」という。



https://www.oricon.co.jp/article/526572/
「病院大好き日本人」が招いた「医師のブラック労働」 東京医大問題は日本の縮図
2018-08-16 09:58 ORICON NEWS

東京医科大で行われていた、女子と3浪以上の受験生を不利にする得点調整。背景の1つには、勤務医の厳しい労働環境がある。

「残業代がかかるから、業界内では医師も『高プロ(高度プロフェッショナル制)』にすれば良いって意見も聞きました。でも、(要件の)104日も休みを取らせたら、現場が回りませんから。そんな声もなくなったようです」

こう語るのは、行田協立診療所の所長で全国医師ユニオンの植山直人代表。医師ユニオンは8月10日、東京医大の入試問題を受け、「女性医師も男性医師も働きやすい社会に変えていくべき」とする声明を発表し、医師の増員などを訴えた。

ユニオンによる勤務医の労働実態調査の結果も交え、東京医科大問題の背景を植山代表に聞いた。

●医師の完全な連休「新婚旅行と親類の葬式くらい」

ーー読売新聞の初期報道では、女性医師は出産などで離職しやすく、人手不足を補うための「必要悪」だったという病院関係者のコメントがありました。医師ユニオンも背景に「医師不足」があると指摘していますね。

人口千人あたりの臨床医の数を見ると、OECD平均3.3人(加重平均2.9人)に対し、日本は2.4人と少ない(2016)。1960年代はさほど差はなかったんです。しかし、日本は1980年代以降、医師の数を抑制してきました。

その結果、医師がバカンスを取れる国もあるのに対して、日本では常勤医の約4割が過労死ラインを超えて働いています。日本でちゃんとした連休が取れるのは、新婚旅行と身内が亡くなったときくらいでしょう。

厚労省の調査によると、子どものいる20~40代の女性医師の勤務時間は、他の医師と比べて短いようです。日本に限らず、各国で見られる傾向ですが、医師が足りていれば現場は回ります。

現在は、特に大学病院の人手が不足しており、それが今回の不正の背景にあると見ています。

●大学病院「タイムカード」利用はわずか5%

ーーなぜ大学病院の人手が足りていないのでしょう?

大学病院は、臨床・教育・研究の3つが求められるので業務量が多いのです。加えて、収入が少ないため外部のクリニックでアルバイトをしている医師もいます。

全国医師ユニオンでは2017年、5年ぶりに勤務医の労働実態調査を行い、今年2月に最終報告書を発表しました(母数1803人)。

たとえば、労働時間管理の方法を見ると、全体では「自己申告」が半数超で「タイムカード等」は27.5%でした。しかし、大学病院でのタイムカード利用はたったの5.5%でした。

労働基準法が守られているかという問いについても、「守られていない」は全体で38.5%でしたが、大学病院では59.4%もありました。

大学病院は高度医療に専念して、業務量を減らせると良いのですが、国からの補助は減っているので、研究費を稼ぐため、一般外来をなくせないという事情もあるようです。

補助の話でいくと、医師国家試験の合格率が低いと、減額される可能性があります。3浪以上の受験生の点数を下げた背景には、この点も含まれるかもしれません。

●若手は「労働環境」で診療科を選ぶ…診療科の偏在問題

ーー今回の入試不正問題を受けて、診療科によって女性医師の割合が違う「偏在」問題も指摘されています。働き方の過酷さやそれに由来する根強い女性差別が影響しているようですが…。

ユニオンのアンケートでは、9割以上が「診療科の偏在と労働環境に関係がある」と考えています。

その点を考慮して診療科を選んだ人は27.7%にとどまりましたが、若い世代になるほど割合が高い傾向にありました。50代だと20.9%なのですが、20代だと55.1%が労働環境を考慮したと答えているんです。

女性に限らず、労働環境を変えないと診療科の若手を揃えるのが難しくなっているといえそうです。

ーー環境改善のインセンティブにもなりそうですが、キツいところはよりキツくという悪循環にもなりそうですね。

成績順に診療科が振り分けられる国もあるようですが、日本では診療科の選択は自由です。労働環境の改善が前提になりますが、大学側が学生の適性を把握し進路指導を行うことも必要となるでしょうし、偏在が起こらないようなルールをつくる必要もあるでしょう。

偏在は、診療科レベルではなく地域レベルの問題もあります。しかし、現状では地域ごとにどの診療科に何人ぐらいの医師が必要なのか、という試算もありません。国民のために医療があるわけですから、ニーズを計測したうえで、納得いくような議論ができればと思っています。

そもそも「偏在」と言っても相対的なもので、医師が余っている地域や病院、診療科はないんですけどね。

●「ブラック社会」を支える医師のブラック労働 患者の意識改革も必要

ーー現状でできる改善策はありますか?

当直とオンコール(院外待機時間)はなくせないので、長期的には医師を増やして、看護師のような交代制勤務を確立するしかないと思います。

直近で行くと、まずは無駄な作業を減らすことです。ユニオンの調査で、この2年間の業務量の変化を聞いたところ、「増えた」が43.8%で「減った」(16.2%)を大幅に上回りました。なにが原因だったかというと、診療時間や文書作業、会議の増加です。

診療時間については、日本の医療へのアクセスの良さがあるでしょう。たとえば、海外だと自然治癒が大事にされることがあります。でも、日本では「とにかく病院」です。

インフルエンザの「タミフル」という薬がありますよね。あれは全世界の75%を日本で消費しています。使っても、熱が下がるのが1日短くなるくらいで、飲まなくてはいけない薬ではない。

でも、日本人は「会社を休めないから」と病院に行って、検査して、薬をもらわないと気が済まない。製薬業界との関係もありますが、医療費という点でも、国民の意識を少しずつ変えて行く必要があるでしょう。

ーー文書作業や会議についてはどうでしょう?

事務作業については、個人情報の承諾書など必要なものが増えています。また、診療報酬が変わっても、既存の数字がそのまま変化するわけではなく、新しいものが足される形が取られやすいので、作業が増えます。

事務作業などをアシストする「医療クラーク」といったスタッフの増加など、広い意味の医療補助が必要だと思っています。

医師と他職種間での「タスク・シフト(業務移管)」や「タスク・シェア(業務の共同化)」については、患者の理解が必要ですし、看護師など医療従事者は全体的に過重労働なので反対意見もあることに留意が必要でしょう。

●5年猶予された「医師の残業規制」 検討会への期待は薄く…

ーー「働き方改革関連法」の残業規制ですが、医師への適用は5年猶予となりました。

猶予期間を終えた後も、本当に単月100時間、複数月80時間などが適用されるかは不安に思っています。当直を何回かやれば、超えてしまうわけですから。

たとえば、トラックの運転手は現状でも1日13時間(例外でも16時間)を超える拘束は認められていません。しかし、医師は現状、「過労運転」状態で人の命を預かっています。

医療過誤の原因を勤務医に聞いたところ、1位は「スタッフの連携不足」(57.7%)でしたが、差のない2位は「疲労による注意力不足」(56.4%)でした(複数回答)。

現在、厚労省で「医師の働き方改革に関する検討会」が開かれていますが、出席している医者は病院経営者らで、医師の労働者代表がいません。病院としては、労基法が守られていなくても問題になりづらい、現在の方が都合が良いわけです。当然、研修医の声なんかは届きづらいでしょうね。

(弁護士ドットコムニュース)



https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20180815-00093152/
早稲田大学医学部の誕生も?~東京医大事件の今後のシナリオを検証してみた
石渡嶺司 | 大学ジャーナリスト
8/15(水) 2:46

裏口入学に続き不正入試まで

名門だった東京医科大はもはや、女性差別の象徴的な存在にまでなってしまいました。

7月4日に文部科学省・佐野太局長(当時)が逮捕。私立大学支援事業の見返りに自分の息子を入学させた、いわゆる裏口入学です。しかも大学理事長・学長(当時)が関与する組織的なものでした。

大学の経営幹部が関与する裏口入学事件は2001年の帝京大学事件、2004年の神奈川歯科大学事件以来のことです。

そもそも、裏口入学というキーワード自体、聞かなくなったところでの事件であり、大きな話題となりました。

この裏口入学事件が落ち着いたところに、出たのが女子・多浪の受験生に対する得点調整、いわゆる不正入試が8月に発覚。

この不正入試事件も理事長・学長(当時)が関与する、組織的なものであったことが明らかになっています。

裏口入学・不正入試、どちらも大学としてはあってはならない事件です。それがほぼ同時期に発覚してしまいました。

それでは東京医科大学は今後どうなるのでしょうか。

2001年の帝京大学事件では49億円の返還・減額

まず、補助金の返還・減額から。

2001年の帝京大学事件では、2003年の毎日新聞記事で49億円の返還命令が出た、とあります。

帝京大学寄付金事件 元会長に有罪判決 「口利き料隠し、悪質」--東京地裁

2003.04.14 毎日新聞大阪夕刊

帝京大学(東京都板橋区)の入試をめぐり、受験生側から集めた寄付金を隠し、所得税約1億4000万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた学校法人「帝京学園」(同)元会長、冲永嘉計(よしかず)被告(59)に対し、東京地裁は14日、懲役1年6月、執行猶予4年、罰金3500万円(求刑・懲役1年6月、罰金4200万円)を言い渡した。伊名波宏仁裁判長は「受験生の父母の心情につけ込み、口利き料を要求し、全額を秘匿した悪質な犯行」と非難した。

(中略)

冲永被告は、冲永荘一・元帝京大総長の実弟。国税当局は「帝京育英財団」(愛媛県大洲市)が集めた寄付金のうち、複数の関連財団に分散して簿外処理した約65億円を所得隠しと認定し、重加算税を含め約27億円を追徴課税した。「口利き」が発覚した宮路和明衆院議員は副厚生労働相を辞任、文部科学省は帝京大に対し、過去5年間の補助金49億円余の返還命令を出した。

東京医科大学の補助金は例年、約23億円。5年間で115億円。不正入試を実施していたとされる8年分だと184億円。

仮に50%減額でも57億円~92億円。

まして、裏口入学だけでなく、不正入試もあるため、全額カット、ということも考えられます。

そうなると、補助金の返還命令だけで、少なく見ても57億円。多ければ184億円にもなります。

損害賠償は受験料だけで10億円超えも

次に不正入試の損害賠償について。

関西テレビ8月12日配信 入試で“女子”や“多浪”の受験生を不利に…法律上、大学側に『詐欺』の可能性 受験料返還も

関西テレビ配信の動画記事(放送は関西テレビ8月8日『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジ」)では、菊地幸夫弁護士が詐欺罪から、

大学側は詐欺となる可能性があり、受験生は受験料を返してもらえると思います。
と、コメント。

受験料は6万円。東京医科大学は志願者数が例年3000人前後います。

1000人が返還を請求、認められれば、それだけで6000万円。これが8年間だと、4.8億円。1000人どころか2000人が返還請求をしてそれが8年分だと、9.6億円にもなります。

さらに人数が増えれば10億円を超える可能性すらあるのです。

不正入試被害者は数百万円どころではない

さらに深刻なのが、不正入試によって不合格扱いとなった受験生です。

こちらは少なくとも1人あたり数百万円(×8年分)はかかります。

過去の例で言えば、2017年に起きた大阪大学の採点ミス事件があります。一般入試の採点ミスで追加合格となった学生に対しては、「追加合格者にこれまで通った大学や予備校の授業料などの補償、慰謝料」(2018年3月7日付読売新聞夕刊)とあります。

この金額が数百万円程度と見ることができます。

同じ採点ミスだと、入学後の話として鹿児島大学歯学部事件があります。卒業試験の採点ミスから留年した元学生が鹿児島大学を提訴。

2015年3月4日朝日新聞西部本社版朝刊記事によると、

卒業試験の採点ミスで留年させられ歯科医になるのが遅れたとして、鹿児島大学歯学部の学生だった歯科医の男性=霧島市=が、鹿児島大を相手取って4159万円の損害賠償を求めた訴訟で、男性側は、大学に374万円の支払いを命じた2月18日の鹿児島地裁判決を不服として控訴した。3月2日付。
とあります。

その後、2016年に和解が成立。原告側の元学生、被告側の鹿児島大学とも和解内容は明らかにしていませんが、控訴後の損害賠償額が2200万円と当初の4159万円から減額しています。

それで和解ですから、鹿児島地裁判決の374万円と同額か、それ以上、と見るのが自然でしょう。

この鹿児島大学事件、他の元学生も提訴しており、こちらは2520万円の損害賠償に対して800万円で和解(2011年12月17日付熊本日日新聞朝刊「鹿児島大歯学部の卒業試験操作訴訟、800万円支払いで和解 鹿児島地裁 裁判」)。

しかも、採点ミスはまだしも、東京医科大学の不正入試事件は悪質さ、という点では前代未聞です。

そのため、1人あたり数百万円どころか500万円ないし1000万円以上となってもおかしくはありません。

仮に1人あたり500万円として、年10人×8年分で4億円。1人当たり1000万円なら8億円。人数が年20人であれば、16億円にもなります。

一時的には支払えるが、長期的には立て直しは困難?

まとめますと、補助金の返還が57億円~184億円。

損害賠償が受験料と合わせて14億円~26億円。

合計すると、71億円から210億円にもなります。

東京医科大学は今のところ預金が277億円あります。そのため、補助金返還・損害賠償の累計が210億円だったとしても支払いは可能です。

ただし、預金の相当額が消えることになりますし、長期的にはイメージの悪さから附属病院への来院者数も減少。医療収入が大きく落ち込むこともあり得ます。

そうなると、東京医科大学単独での生き残り・再建は長期的にはかなり難しいことが予想されます。

総合大との合併で偏差値上昇の例も

そこで考えられるシナリオが、総合大学による買収・合併です。

実際、2000年代に入ってからはいくつか、前例があります。

共立薬科大学(薬学部)
 2008年に慶應義塾大学と合併(構想は2006年発表)
 現・慶應義塾大学薬学部

聖和大学(教育学部)
 2009年に関西学院大学と合併(構想は2006年発表)
 現・関西学院大学教育学部

聖母大学(看護学部)
 2014年に上智大学と合併(構想は2011年発表)
 現・上智大学総合人間科学部看護学科

こうした合併は、結果としてはいずれも成功しています。

共立薬科、聖和、聖母の3校とも合併したことで、受験生の人気が上昇。偏差値が引き上がることになりました。

   駿台予備学校・河合塾偏差値/志願者数/競争率
2004年
共立薬科大学 57・60.0/3739/10.2
聖母大学 42・50.0/293/7.6
聖和大学教育学部 42・47.5/366/3.8

2018年
慶應義塾大学薬学部(6年制) 60・65.0/2440/4.0
上智大学総合人間科学部看護学科 57・57.5(学科別)/380(一般入試のみ)/4.6
関西学院大学教育学部 54・57.5(全学文系)/2316/3.9 

※データは『旺文社臨時増刊 全国大学内容案内号』2004年・2018年版から引用


合併した総合大学としても、多様な学部学科を揃えれば、それだけスケールメリットを出すことができます。

では、どの総合大学が合併に動くでしょうか。

そもそも、医学部の単科大学を総合大学が買収・合併する、という事例はこの30年間、ありません。前代未聞の事態といっていいでしょう。

そのため、関西や東北など他地域の私大、あるいは、東北・中四国・九州など医師不足に悩む地域の国公立大学が動くということも可能性としてはゼロではありません。

ちなみに、私立大→国公立大への転換は高知工科大学など公設民営大学では次々と進んでいます。公設民営大学以外の私立大学でも成美大学→福知山公立大学(2016年)などの例があります。

ただ、現実的な可能性で言えば、在京の総合大学でしょう。その中でも医療系学部・薬学部をすでに設置している大学だと、既存学部との連携効果が期待できます。

    医学部なし・医療系学部ありの総合大学
上智大学 総合人間科学部2005年/看護学科は2014年
駒澤大学 医療健康科学部2003年
創価大学 看護学部2013年
大東文化大学 スポーツ・健康科学部2005年
東京理科大学 薬学部1960年
文京学院大学 保健医療技術学部2006年
武蔵野大学 薬学部2004年 看護学部2006年
目白大学 保健医療学部2005年/看護学部2006年
帝京平成大学 ヒューマンケア学部2004年/健康メディカル学部2002年/健康医療スポーツ学部2008年
帝京科学大学 医療科学部2007年
東京医療保健大学 医療保健学部2005年/東が丘・立川看護学部2010年/千葉看護学部2018年/和歌山看護学部2018年

上記の大学11校のうち、帝京平成大学・帝京科学大学はグループ校の帝京大学に医学部があります。

ただ、同じ学校法人が医学部のある大学を複数経営してはならない、というわけではありません。

東京医療保健大学は総合大学ではないのですが、2005年の開設以降、看護系学部を拡大。2018年には千葉・和歌山にそれぞれ看護系学部を開設しています。

いずれも、既存学部との連携効果を考えれば、東京医科大学の買収・統合は十分にあり得ます。

早稲田は悲願で新総長も構想あり

医療系学部を持つ総合大学でなくても、もし東京医科大学を買収、医学部が新設できれば、他学部も含めて人気が上昇します。格も上がりますし、数百億円以上、買収費用がかかるとしても、それを高い、とは考えない総合大学は少なからずあります。

医療系学部がなくても、医学部新設が悲願でもある総合大学と言えば、私大の雄・早稲田大学。

大隈重信が早稲田大学を開設したときは資金難。その後も何度か、話が出ては消えています。

西原春夫元総長によると、約100年も前に、理工学部と医学部両方の開設を目指して募金を集めたところ金額が足りず、理工学部を選んだ経緯がある。西原氏が総長だった80年代も、多くの校友から「医学部を持ってくれ」「『早稲田付属病院』で死にたい」という声が寄せられていた、という。

「当時、複数の有力な単科医科大学から合併の申し入れがあったんです。ものすごく強く希望した大学もあったが、OBからの反対など相手側の要因でつぶれるのが常でした。ただ、当時と今の状況はまた違いますから、今後のことはわかりませんけどね」

「AERA」2006年12月4日号 「『慶応大薬学部』の実力 早慶『医薬』合併バトルと『次』の全予測」

が、早稲田大学は医学部新設の布石とも取れる動きを2000年代以降に進めています。

   早稲田大学と医学関連の動き
2000年 東京女子医科大学と学術交流協定を締結
→2010年に大学院共同教育課程を開設
2007年 先進理工学部生命医科学科を開設
2008年 筑波大学と連携協力協定を締結/理工系3学部と筑波大学医学群との連携で両分野に精通した人材養成
2011年 茨城県、早稲田大学・鎌田薫総長(当時)に新設医学部を同県内の県畜産試験場跡地(笠間市)に設置するよう橋本昌知事(当時)の書簡を提出
2011年 神戸大学医学部と連携協定を締結
2012年 茨城県議会、早稲田大医学部の県畜産試験場跡地への誘致を求める決議案を賛成多数で可決
2016年 稲門医師会を設立
2018年 医学部新設をマニフェストに盛り込んだ田中愛治教授が総長に当選

東京女子医科大学、筑波大学、神戸大学とそれぞれ協定を締結。理工系3学部と医学部(群)との人材交流・養成を進めています。

早稲田大学が医学部新設を表明していないのに、茨城県は誘致を県議会で決議しています。

2016年の稲門医師会とは、早稲田大学を卒業後、医学部に入り直し、医師となった卒業生を中心とした卒業生組織です。

早稲田大学はこの稲門医師会についてのリリースを出していますが、そのタイトルは「医学部のない早稲田大学に『稲門医師会』が誕生」

それぞれ細かい動きを見ていくと、医学部新設を相当意識していると見るのが自然でしょう。

そして、7月の総長選挙に当選した田中愛治教授はマニフェスト第3弾の「『世界で輝くWASEDA』に何が必要か? CHANGE for Waseda!」の中で「医学部の検討」という項目を入れています。

「世界で輝く WASEDA」を実現するためには、生命医科学の研究・教育を抜本的に拡充する必要があります。新たに医学部を本学が増設することは全国医学部長病院長会議の承認が必要なため、ほぼ不可能と言われています。したがって、実行可能性を見極めつつも、単科医科大学を吸収合併する戦略に絞って考えていく必要があります。

水面下で動く大学

すでに早稲田大学は東京女子医科大学、筑波大学、神戸大学と連携協定を締結。特に東京女子医科大学との合併は2000年代からずっと噂されていました。

が、そもそも大学合併は水面下では様々な動きがあります。

早稲田大学は2000年代以前、合併相手は日本医科大学と言われていましたし、共立薬科大学と合併した慶應義塾大学は、他の薬科大学と統合を検討していました。

慶應のケースだと、とある単科薬科大学と統合発表の直前まで話は進んだのですが、創業者一族の大反対でとん挫した、という経緯があります。

そのため、早稲田大学が東京医科大学と合併しても、それが不自然とか不義理、ということは特にないのです。

早稲田大学以外の総合大学も、東京医科大学の合併は検討に値します。

そのため、今後、水面下で様々な動きがあることでしょう。

あるいは、総合大学からのラブコールを振り切って、単独の生き残りを東京医科大学は検討するかもしれません。今後の展開に注目です。



https://dot.asahi.com/dot/2018080900083.html
連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」
東京医大「女子差別」で露わになった医学部の闇 現役女性医師が憤激

山本佳奈2018.8.15 07:00dot.

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は、東京医科大入試の「女子差別」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

*  *  *
 東京医大が入学試験において女子受験生を一律減点し、恣意的操作を行っていたことが発覚しました。それに加え、浪人生も不利に扱う点数操作が遅くとも2006年入試から続けて行なわれていたことも、調査によって報告されています。さらには、一般入試だけでなく、推薦入試や地域枠入試でも操作があった可能性があるといいます。裏口入学に続く、前代未聞の不祥事であり、海外でも報道され注目を集めているこの問題について、お話ししたいと思います。

 東京医大は、女子の合格者数を3割程度に抑えていた理由として、女性は結婚や出産で医師を離職するケースが多いことや、短時間勤務になりやすい女性医師を増やしたくないこと、さらには緊急手術が多く勤務体系が不規則な外科系の診療科では、「女3人で男1人分」と、出産や子育てを経験する女性医師は男性医師ほど働けないことをあげていました。系列の病院で勤務する医局員不足を懸念しての「必要悪」であり、「暗黙の了解」であったといいます。

■東京医大の言い分を聞いて愕然

 私は、東京医大の言い分を聞いて愕然としました。医学生を、自らが経営する病院で働く労働力としか考えていないと思ったからです。

 一般に、女性の労働力率は、結婚や出産期に当たる年代にいったん低下し、育児が落ち着いたころに再び上昇することが知られています。これを「M字カーブ」といいます。女性医師も例外ではありません。平成18年度厚生労働科学研究「日本の医師需給の実証的調査研究」によると、女子医師の就業率は、医学部卒業後減少傾向となり、卒後11年目(36歳)で76.0%まで落ち込んだ後、再び回復しています。

■同期医師との給与格差が3倍に

 確かに、結婚や出産を機に大学病院をやめる女性医師はいますが、多くは復職しています。ベビーシッターを雇いながら勤務を続ける医師もいれば、出産後すぐに復帰して第一線で働く医師もいます。さらに、多くの女性医師は、職場や働き方を変えながら医師を続けています。いや、生活を考えれば、そうせざるを得ないのです。東京医大の後期研修医の月収は20万円。残業代などがつくそうですが、これでは生活できないからです。東京医大の経営者にしてみれば「退職」なのですが、当事者の女性医師からしてみれば「転職」なのです。東京医大の経営者は、自分のところで働く医師にしか関心がないのでしょう。

 私の大学の同期の事例を紹介したいと思います。彼女は、初期研修医中に出産し、産休を取ったのち復職しました。現在、後期研修医4年目として大学病院に勤務していますが、月収は20万円ほど。子育て中であるため当直はせず、定時勤務にしてもらっているものの、定時では当然ながら帰宅できず、なんとか保育園のお迎えに行っているといいます。また、残業代は出ないため、生活はギリギリ。一方、同期の男性医師は、医局の関連病院に勤務しているため、給与は3倍ほどあるそうです。彼女の大学病院での仕事は、検査や手術の立会いと入院管理。専門医を取得するまで頑張りたいけれど、このままでいいのか不安だ、といっていました。

■「裏口入学させればずっと働く医局員を確保」

 今回の東京医大での事件を知り、私は、医学部の入試の目的は、労働力を選別し囲い込むことだと考える様になりました。大学経営者にとっては、卒業後医師として自らが経営する大学病院や系列病院で働いてくれる人を選ぶ採用試験なのです。入試の合否の基準に卒後の働き方が入っていることが、その証左です。この点で、裏口入学は意味があったのでしょう。コネ入社と同じで、医師になるための「切符」をくれた大学には頭が上がらず、医局員として一生働かざるを得ないのですから。大学の経営者にしてみれば、裏口入学させてあげるだけで、謝礼を得るだけでなく、ずっと働いてくれる医局員を確実に確保することができます。お安いご用なのでしょう。

 実は、これは入試に限った話ではありません。医学部は教育機関ですが、学生を「将来の労働力」と見なしていると感じることが多いのです。これは東京医大に限った話ではありません。

 こんなことがありました。

 医学生時代、各科で実習する度に入局説明会や歓迎会に誘われました。そこで、「女医は医局に入らないと仕事を続けられない」と繰り返し言われました。ある外科を研修しているときには、女性医師が「女を捨てた」と言われているのを耳にしました。外科は出産や子育てなどはできないのだな、と学生ながら感じました。別の科では、オンオフがはっきりしているから女性も働きやすいよ、としつこく言われたこともありました。一番驚いたのは、産婦人科の40代の女性医師が、「私が結婚した当時は、子どもは産まないで必死に仕事をしなさい、と結婚式のお祝いの言葉で言われるような時代。それに比べたら今は良くなったほうよ」と言っていたことでした。典型的な「男社会」の中で、女性医師が生きて行くのは大変だと、その時、肌で感じたことを覚えています。

 医局の勧誘だけでなく、今春導入された「専門医制度」も医師や医局員不足対策として「囲い込み」をしているにすぎません。専門医制度では、若手に「専門医」という肩書きをチラつかせ、医局員として働かせています。専門性とは一生かけて取得していくものではないのでしょうか。数年で取得できるはずがありません。まして、学会費を支払い、学会に参加し、決まった症例数と決まった年数をクリアすれば取得できるなんて、どう考えてもおかしな話です。「専門医」って何なのでしょうか。

 ただし、これは教授からすればありがたいことなのです。最も働いてくれる30代前半までの医師を、専門医取得と称して囲い込む。そして、後期研修を終えれば、「雇い止め」し、新たな若手を「教育」という名のもとで縛り付ける。一般的なら、こんな有期雇用は認められないでしょう。

■「女子差別」問題が浮き彫りにした医師の囲い込み

 女子受験生を一律減点し、恣意的に減らしていたことは「女子差別」であることに間違えはありません。けれども、根底に隠れている問題は、日本では「医学教育」という名の下、大学において入試や専門医の名を語った医師の囲い込みや就職活動が行われているという現状があることです。大学は本来、学生の味方です。優秀な人材を低コストで調達したい企業とは利益が相反することがあります。ところが、このことが全く認識されていないのです。

 そもそも、医学教育に大学附属病院は必須ではありません。周辺の病院に協力してもらえばいいのです。米国では当たり前に行われている医学部と大学病院との分離を考える時期にきているのではないでしょうか。



https://www.m3.com/news/iryoishin/623356
シリーズ 真価問われる専門医改革
総合診療の専攻医に上限設定、「1プログラム2人まで」
申請受付8月30日まで、5都府県は1年以上のへき地等勤務を条件

2018年8月17日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は8月16日、総合診療専門研修プログラムの申請受付を8月17日から開始することを公表した。期限は8月30日まで。「専攻医希望定員数」を原則、1プログラムにつき「2人/年」以内と制限が新たに加わるなど、2017年度の基準とは幾つか異なる点があるので、申請に当たっては注意が必要だ。2人以上の定員数を希望する場合は、希望する理由や根拠を「希望理由書」に記載、提出することを求めている(詳細は、日本専門医機構のホームページ)。

 2018年4月から総合診療の研修を開始した専攻医は、184人(2018年3月15日現在)。新専門医制度では、地域および診療科による専攻医偏在を防ぐため、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)に、14基本領域(19の基本領域から、外科、産婦人科、病理、臨床検査、総合診療を除く)に、専攻医の募集定員の上限がかかる。

 総合診療については、地域を問わず、募集定員の上限が新たに設定された上、加えて5都府県の定員数についても、「地域医療の配慮の観点から調整することがある」とされた。

 6月に公表された総合診療専門研修プログラムの整備基準では、「プログラム全体での、専攻医の年間受入数の上限は、総合診療専門研修IおよびIIを提供する施設で指導に当たる総合診療専門研修特任指導医の総数の2倍」などの基準はあったが、「2人/年」以内という制限はなかった(整備基準は、日本専門医機構のホームページ)。

 また地域医療に配慮するため、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県においては12カ月以上、他の都道府県においては6カ月以上の「へき地・過疎地域、離島、医療資源の乏しい地域での研修」を条件とする。総合診療専門研修プログラム整備基準では、「へき地・過疎地域、離島、医療資源の乏しい地域での1年以上の研修が望ましい」となっており、5都府県以外は基準が緩和されたと言える。「医療資源の乏しい地域」については、都道府県(地域医療対策協議会)の意見を受け、検討の予定。

 郵便およびE-mail双方での提出が必要。「新規申請」の場合は、新たに申請書類を提出、2017年度認定されたプログラムで修正箇所がある場合には、その箇所が分かるように修正して提出する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/617751
シリーズ 大学医学部「地域枠」の今
「地域枠」、義務年限なしでも「地元」に定着 - 旭川医科大学◆Vol.2
キャリアの多様性認め、柔軟な対応必要

スペシャル企画 2018年8月14日 (火)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

(旭川医科大学学長の吉田晃敏氏、同大入学センター・センター長の坂本尚志氏へのインタビュー。本文中、敬称略。経緯は、Vol.1を参照)

――旭川医大の「地域枠」は「入試の特別枠」で、義務年限付の奨学金貸与枠とは異なります。卒業後、地域に定着してもらうためには、入試における学生の選抜がまず重要になります。

坂本 地域枠には「AO入試北海道特別選抜」と、「推薦入試道北・道東特別選抜」があります。AO入試の2018年度の入学定員は37人で、160人の応募、推薦入試は10人定員に34人の応募です。いずれも、「卒後に原則として旭川医大病院で初期臨床研修を受け、後期臨床研修も同大病院を中心に受け、将来は北海道または道北・道東の地域医療に貢献する」ことを、入学生に「確約」してもらいます。

 AO入試は「面接配分の多い一般入試」と考えていただいていいと思います。一般入試では900点満点のうち面接点は150点満点。これに対し、AO入試では1900点満点のうち、個人・集団面接や課題論文は合計で700点満点、大学入試センター試験が1200点。この点数配分に本学の意思が表われており、本学のアドミッション・ポリシ-に沿っているか、北海道の医療に貢献する意思などを確認します。推薦入試は、センター試験を課し、本学の合格基準点(合計点900点中、675点)以上の者を対象とします。高校等の評点平均値が4.3以上、個人・集団面接で600点、課題論文300点で900点満点です。

吉田 本学の特徴は、AO入試の枠を多く取り、選抜方法も工夫していることです。集団面接では、行動力や実行力を試すために、グループワークをしてもらいます。毎年テーマを設定し、その中から課題を見付けるところから始まり、それを解決する能力を評価するのです。

 面接についても、推薦入試やAO入試をスタートした当初は2日間、泊まり込みで実施しました。複数の教員がチームを作り、複数回面接しました。その後、面接結果を教員の側にもフィードバックしたり、教員側のFD(ファカルティ・ディベロップメント)も繰り返し行いました。教員の側にもどんな視点で学生を選べばいいか、共通理解が得られるようになり、面接にも客観性が保たれるようになりました。

――入学後の教育においては、どんな工夫をされているのでしょうか。2009年度には地域医療教育学講座を設けています。

吉田 工夫には二つあると思います。一つは、皆が医学科の授業に付いていけるよう、特に理系の基礎学力の充実を図ること、もう一つは、地域枠で入学した志が変わらないようにフォローすることです。

 これは一般枠の学生も対象ですが、1年生と2年生を対象に、学年担任とは別に「グループ担任制度」を導入しています。学生10人程度を1グループとして、臨床医学の教員を一人ずつ配置し、いろいろな相談に乗るようにしています。加えて1年生から3年生までの各学年に、臨床系の教授を「アドバイザー」として配置、つまり学年担任、グループ担任、アドバイザーが協力しながら、キャリア支援に取り組んでいます。さらに私自身、学内で学生に気軽に声をかけたり、「地域枠の口約束は、反故にする」と言っていた学生を、懸命に引き留めたこともあります。

 さらに年に1回は、「合同入局地域枠説明会」も開催しています。主催は、復職・子育てなどを支援する二輪草センタ-と、卒後臨床研修センターです。今年も「女性医師として仕事を続けるコツ」「地域枠先輩医師はどうキャリアを積んでいる?」という講演などを行いました。

坂本 講義ですが、国立大学の場合、入試区分の違いによって差を付けてはいけないので、全く同等に扱います。将来、どんな地域で、どの専門分野の医師になるとしても、地域医療の基本は必要です。地域医療教育学講座が中心となり、1年、2年生の地域医療の早期体験実習をはじめ、6年間の一貫した地域医療教育に取り組んでいます。

――北海道の義務年限付の奨学金貸与を受けた学生の辞退率はどのくらいなのでしょうか。

吉田 2009年度入学から2018年度入学まで計143人が貸与を受け、これまでに辞退したのは5人にとどまります。本学の「地域枠」の卒業生はまだ出始めたばかりですが、ほとんどが旭川医大病院で臨床研修をしています。本学の地域枠の場合、キャリアの自由度は高いこと、また地元出身者は卒業後も地元に残る割合が高いことから、結果的に本学に残っているのだと思います。後期研修やその後も本学を含む北海道または道北・道東での医療に従事するのが基本ですが、継続して本学等にいる必要はなく、途中で東京の病院に行っても、あるいは海外留学しても構いません。臨床医学から基礎医学に進んでもいい。

 これに対し、北海道の奨学金を受けた卒業生は自由度が少なく、「卒後9年間のうち、5年間を知事が指定する医師確保が困難な道内の公的医療機関等(指定公的医療機関等)に勤務すること(その他4年間は、道内の臨床研修病院等で研修を行う)」という義務が付いています。3年目には多くの医師が自分の専門領域の研修に進みます。例えば、外科志望の医師が3年目に、200床未満など小規模の病院にいきなり出されても、指導医がいなければ専門研修はできず、また手術を任されても、盲腸の手術すらできないでしょう。私の専門領域の眼科でも同様で、指導医がいる病院は限られます。結果的に専門医取得が遅れかねません。

 義務年限を課すなら、多様なキャリアを選べるようにし、「卒後9年間」ではなく、「トータルで9年」で義務を果たす形にしないと、希望者を確保するのは容易ではないのです。この点は、何度も北海道に改善を働きかけているのですが、道内の自治体も奨学金の原資を拠出しているので、「早くうちの地域の病院に医師を」という要望が強いのでしょう、なかなか意見は通りません。意に沿わない病院に行かされたら、キャリアを犠牲にするか、奨学金を返済するかの選択を迫られるわけです。

坂本 本学には、先ほどの二輪草センタ-と卒後臨床研修センターのほか、専門医育成・管理センターがあり、地域枠か一般枠かを問わず、卒業生のキャリア支援を行っています。医師によって、希望や能力、キャリアに対する考え方は異なり、「親元に帰らなければならない」など、家族環境によって勤務地を変更しなければならない場合もあります。私は、各医局自体も、個々の医師のニーズに見合った研鑽が積めるよう、キャリアを支援できる組織だと考えています。

 さらに本学は、高大連携事業として「地域医療を支える人づくりプロジェクト事業」にも取り組んでいます。これは将来の地域医療を担う人材を養成するのが目的です。2008年度には、北海道大学医学部、札幌医科大学とともに、北海道教育委員会と調印を行いました。道内の高校に、講師を派遣して「医学部出前講座」を実施したり、毎年夏に道が開催する「メディカル・キャンプ・セミナー」では、大学病院を案内したり、現役医学生との交流や講演を行っています。高校が地元の医療機関と連携して学生にボランティア活動などをさせたくても、きっかけがつかめない場合もあります。そうした場合に本学がその間を取り持つこともあります。「地域の病院と高校との間で、学生を教育し、将来的に地元に戻ってもらえれば」という、息の長い取り組みです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/622728
医療維新 シリーズ m3.com意識調査
「募集時に方針明記すべき」「必要悪」「働かない女医が多すぎる」- 意識調査「女子受験生の点数一律減点」◆Vol.2-男性医師の回答編
「日本の医療を守るためには仕方が無い

レポート 2018年8月17日 (金)配信長倉克枝(m3.com編集部)

 東京医科大学が医学科の一般入試で、女子受験者の点数を一律減点し、合格者数を調整したとされる問題(『シリーズ 東京医大・入試操作疑惑』などを参照)について、医学部(医学科)入試で女子受験者の点数一律減点についてどう思うか、自由回答でm3.com会員に聞いた(回答数は4657人、うち医師は3466人)。Vol.2では「男性医師」の回答を紹介する。

 医学部医学科入試で女子受験者の点数を一律減点し、合格者数を調整することについて男性医師の47.5%が「あり得ると思う」、40.5%が「あり得ないと思う」と回答した。一方、自由回答では、「あり得ないと思う」「あり得ないと思う」「どちらとも言えない」のいずれでも、「募集時に告知なしで一律減点をするのは良くないが、医療現場の現状を鑑みると女性合格者数の調整は仕方がない」とする意見が多かった。

【あり得ると思う】

裏口入学は論外であるが、合否判定基準は大学の方針であるため、それを問題視すること自体論点がずれていると思います。【開業医】
問題の根本は医療の現場での労働環境の劣悪さ、人手不足にある。女性にも働きやすい環境をなんて医療の現場では夢のまた夢の話だ。【開業医】
本音は皆分かっているのに、建前は差別してはいけないという。男性医師は医局時代に、女性医師の尻拭いを少なからず経験しているはず。特に人事面で!!【開業医】
褒められたことではないが、日本の医療を守るためには仕方が無い。【開業医】
別に問題ないと考える。女医は、婦人科、乳腺外科、小児科に行ってください。国のため。男医のため。【開業医】
被害者ぶった論調ばかりだが、女性医師は扱いづらくすぐに辞めたがる人が多いことは事実。女性を減らすことには大賛成だが、そのためには入試での数学の比重を上げるだけでよい。姑息な点数操作は大反対。しかし、これでは 裏口入試もしにくくなってしまうのだろう。【開業医】
男性医師が女性医師のバックアップも担っている現在の医療環境を考えれば、男性医師が女性医師の4~5倍必要と思われても仕方がない。男性医師がバックアップしなくても良い医療環境に少しずつシフトさせ、それに伴い少しずつ女性医師を増やしていかなければいけない。それを無視して、いきなり女性医師を男性と同数にすると、医療現場が成り立たなくなる。従って、女性医師数を制限する必要があり、暗黙の了解のもとに女性受験者を減点していたと考えられる(これでも社会情勢・医療環境の変化に伴い、30年前に比べ多少は女性比率を増やしてきている)。しかし、黙って減点していることは反省する必要があり、来年度からは堂々と男女差を付けた男女別の募集人数を募集要項に載せて受験してもらえばよいと思います。【開業医】
男女関係なく夜勤、当直などをこなし、女医もいっぱい働けば医療水準は維持できるし、それがきつくて嫌なら医師にならなければよいのではないか。地域医療は維持するのは難しいと思うけど、特に離島は女医は行きたがらない。【開業医】
大本をたどれば、国の方針だから、全国の大学でやっていることです。女医がメインでは、日本の医療は崩壊しちゃいますが、国民の承諾は得られないでしょう。【開業医】
多くの私大医学部では入試の2次後の家族相談会で、当落線上の上・下20人以上を親と一緒に呼び出して、例えば「あと合格までに2点足りません。大学への賛助金や寄附金があればなんとかなるのですが」と言われます。1点いくらとは絶対言わないわけですが、どうしても医師になってほしい開業医の親としては、この話をされると必ずお金を出します。相場は1点1000万ー2000万円で、私の知り合いは合計3600万ほど寄附してめでたく合格したと言っていました。山の持ち主で一山売って工面したと言っていました。この息子はいま内科医をしております。あと2つの私大医学部も同じように2次試験後の相談会?で数千万円を払って合格しています。私大は、なんでもありだと思います。どこでも同じような調整は絶対にしています。【開業医】
女性医師の専攻科目に偏りがあり、女性医師の離職や休職が、残された医師に負担を与えることになることは事実。女性医師の労働環境の改善を図ることが重要であるが、それが困難で時間がかかる現実の政策を考えると入試による調整が必要となることもやむを得ない。女性医師の労働環境改善のためには医師を増やすしかないが、現状の給与水準を維持したまま医師を増やすことは医療費のさらなる支出は困難であることを考えると不可能。給与水準を下げると、訴訟のリスクなどのバランスから医師になることを志す者が確保できないだろう。【開業医】
女医の増加が医師不足の遠因であるので、数学物理必須の入試にすべきである。【開業医】
女医が増えれば、外科系の科は成り立たなくなる。夜間当直などで、外人や泥酔した患者に対応できるか。【開業医】
実際、同期生の半分以上の女医さんが、10年以内に勤務医を辞め、パート医になっている現実をみ見ると、制限して当然かと思いますが。【開業医】
私立大学であればその学校の方針で行うのだから、法的に違反しない限り外部から強制することはできない。女性よりも低点数の男性が合格しても卒業すれば国家試験があり、医師としての能力がなければ医師免許証がでないです。国立であれば国の方針に従うべきです。 【開業医】
私学は入学者を選択する権利がある。しかし秘密にしてはいけない。男性を入れない、女子医大もあるではないか。女性に対する一律のルールがあるならば、公表するべきであった。この問題の根は深い。女性を不利にした背景には、医師の長時間過重労働がある。医師数を抑制する政策、応召義務や24時間対応を歓迎する国民、医師の過労死を甘受してきた医療界。長期在職して長時間働く医師を求められた大学。結果としてであれ、女性を秘密裡に差別してきたことを正す、良い機会が得られた。抜本的な改革を期待する。【開業医】
私の娘は医学部生だが、娘が受験するときにそういったことは予備校での情報として流れており、既知の事実であった。今さら驚かない。女性だけでなくても浪人生などについても同様のことは言われていた。今さら、マスコミが大騒ぎすることでもない。そもそも、成績が良いから医学部などという選抜方法が間違っているのであり、医師に必要な才覚や人間性などの方が大切である。人間性というのは、見た目の取っ付きの良さや見せかけの優しさではなく、本当に医療としての真実を追求し、患者にとって何が必要なのかを真剣に考える能力であり、マスコミや評論家が持ち上げる見た目の優しさやその場しのぎの治療をするタレント性では断じてない!そういった意味で、学力ばかりを変重して女医が増えると、勉強だけができる医者が増えるばかりである。女子受験者の一律減点というのは、日本の医療を正常化する一つの方法であると考える。【開業医】
今の受験制度自体がコツコツ真面目にやる女性優位になっている。医師の枠を増やしても、女性医師が増え過ぎては医師不足は解消されないので、調整はありだと思う。【開業医】
医師を一人養成するのに、私立国公立を問わず、国民の税金が数千万円から1億円以上かかっていると聞いている。ならば医師は生涯全力で働き続け、40年くらいかけてそれを国民に還元する義務を負っているし、国民はそれを期待して税金を投入することを認めている。医者を途中でやめたり、間引き勤務したりするのは言語道断で、またあまりに長い浪人や年長者、入学してからの留年・国試浪人も望ましくないと言える。もちろん患者にとっては、女性医師が一定数必要だと思うが、生物学的に男性医師より労働量に負けるのはどうしようもない。 したがって、女医の比率が増えすぎると医師不足を招き、医療崩壊につながるのは必定だ。かといって女医の労働環境を整えるのは、それにもコストがかかり、医療費の増大を招く。かわりに医者の給与レベルを下げると、医師志願者のレベルが低下し、藪医者ばかりになって、医療の質が低下する。つまり国民は、それと引き替えに命の危険が増大する。いずれにせよ、医者を養成するのに莫大な税金が投入されていること、医者の労働環境を整備するにはコストがかかり、国民医療費の上昇に結び付くこと、医療の質を保証するには医者の報酬を下げるわけにはいかないこと、以上を踏まえて冷静に議論すれば、おのずと結論が導き出されるだろう。たまたま槍玉に上がった当事者を、世間の風潮に乗って一方的に非難し、あたかも正義の味方になった気分でいても、本質的な問題は何も解決できない。【開業医】
もし必要であればその旨を公開し、男子学生のみを募集すれば良い話。受験料を支払う側から見れば詐欺であり、損害賠償請求を起こされても文句は言えないだろう。また、このような問題は東京医大1校にたまたま見られた特殊な問題ではなく、広く(おそらく私学中心に)広がっている氷山の一角にすぎないのではないだろうかと推測される。【開業医】
55才男性開業医  我々の研修医の時代は毎晩12時まで病棟に残って、先輩医の患者さんの対応アシストするのが当たり前。月~土までそんな生活、日曜日は解剖に呼ばれて、ご遺体をお送りする役目をさせられました。時間外労働200時間なんて当たり前。当然女医さんは当医局には一人も入られませんでした。女医さん問題を議論するなら、絶対的な勤務医不足を議論するべきだが、消防士のように24時間勤務の後、48時間休み体制をすれば良いが、そのためには現在の勤務医師の3倍は医師数が必要になろう。医師を増やすイコール社会保障費の増大となることは国はやりたくない。永遠に解決しないと思います。女医さんを増やすと、過酷な当直をやる医師の数が相対的に減少し、現場は回らない。当直医不足で救急車受け入れ不可能な病院が多発し、医療崩壊が再発します。 【開業医】
理想だけを言えばダメである。ただし、女性医師のうち、無視できない割合がフルタイムで働けなくなることを考慮すれば、合格者数の調整はむしろ必要な対策である。 【勤務医】
優秀な女医もたくさんいるが、現状では男性医師の方が部下として助かることが多い事実は否めない。私学の発展を優先したい事情は分かるが、方法が間違っていたように思う。【勤務医】
問題なのは、男女関わらず縁故があれば優遇されて合格しているという事実。男女云々の議論は本当に重要な問題点から目を逸らさせるために利用されていると思われる。【勤務医】
目に見えるようにやっていたのは、すごいというか駄目でしょう。医師は気力・体力も必要な要素なので、医学部試験に800Mメートル走とかを入れて点数化するのがよいと思う。【勤務医】
面接で減点したり、女子受験生が苦手とする理数系の科目を多くすれば、目的は達成できたはず。学力試験での減点は不公平。【勤務医】
免許取得後の女医の下劣な在り方を見据えれば大賛成!【勤務医】
本来あってはならないこととは思うが、女性医師の増加により人員不足が生じ、負担が増えている方もいる現実もあることを考えると、全面的に非難できない部分もあると思われる。【勤務医】
病院経営の観点から行うのであれば、医師採用の時点で女性を排除すればよい。【勤務医】
必要悪だと思う。そうせざるを得ない社会的な状況も勘案するべき。【勤務医】
入学試験=就職試験なので、男女比を調整できるのは当然。世間の言う男女平等を振りかざして是正することは、最終的に国民の不利益につながる。【勤務医】
働き方改革が進まない限り、致し方ないと思う。男性医師への負担が多すぎる。【勤務医】
働かない女医が多すぎるという現実から鑑みて仕方ないことだと思います。 【勤務医】
働かない女医がわんさか増えても、患者に迷惑で同僚にも迷惑です。もっと女子を抑制すべきでした。税金の無駄使いです。【勤務医】
「当直はしません。救急は診ません」のような女医ははっきり言って迷惑。残された医師にしわ寄せが来るだけ。女医支援枠があること自体が、男性に対する差別である。女性の眼科や皮膚科の医師が増えるだけ。自分の家族の主治医が、当直や救急の経験が少なかったら、いざという時不安になりませんか?ということで、やる気のない女医ははじめから排除してほしい。【勤務医】
当然だろう。労力と多額の金銭を使って教育したのちに、研修後医師をやめて主婦になる女医には本当にな泣かされます。結婚し育児をしたいなら違う道を選ぶべきだろう。入学の段階で女子を一定数に減らすのは、私学の学風を維持するためには必要です。偽善的なマスコミの意見は聞きたくない。【勤務医】
東京医大が人材確保のために、と言っていた論理は私大においては許されるもののように思います。女子が一人も入れないなら、はじめから募集の段階で男子に限ればいいのでしょうが、入れる人もいるわけですから。企業の入社試験でも実際には男女の採用に差があるはずですし。【勤務医】
怒られると思いますが、医療の現場では逆セクハラ、マタハラで男性医師に負担がかかっています。入試時にきちんと働ける医師になれるか、自分の生活をある程度犠牲にしても患者のために出できるかが男女とも問われているのだと思います。ただ、一律は問題だと思います。【勤務医】
点数だけで合否を決めるとは規定しておらず、そもそも試験点数は面接や内申書なども含めそれぞれの大学の考えに会う人間をセレクションする一つの参考資料にすぎない。一律減点といえば聞こえは悪いが、東京医大が自前で育てられない、育てたくないと考えた層を入学させないと意思表示しただけで、医学界全体としての大きな問題だとは思わない。【勤務医】
男性医師に比べて女性医師の定着率が低いことは事実であるが、だからといって得点調整を行うことには同意できない。フェアでないばかりか旧態依然とした体制の崩壊をすこしでも先延ばしにするために行うことが目的であり、意味も見いだせない。社会構造や意識の変化によって、医療業界も構造変化を行うべきで、子育てをしながらでも病院に戻ってこられるような方策を考えるのが本来の道あろう。【勤務医】
男女平等社会がうたわれて久しいこの時代に、時代錯誤の典型のような事態とも思われるが、私学の個性を尊重するという観点から考えれば、一概に否定しない。独自の文化、建学の理念を明確に打ち出して、公表の下に存在するなら、時代や社会的背景の中で自然淘汰されてゆくものだと考える。親方日の丸の最高学府が多数存在するのであるから、独自の理念を掲げて、私学としての存在を確立して行かれるのであれば、それは否定しない。【勤務医】
男女平等のきれいごとから言えばあり得ない事ですが、現実現在の医療界は男性医師の犠牲の上に成り立っているのも事実です。私学であるので、入学者を種々選択するのは当たり前のことと思います。【勤務医】
大学の選考基準は大学が決めることで自由です。ただし、それを明示せず、女子学生から受験料を回収したことは、組織的な詐欺行為に当たる可能性があります。女子が多くなることで、専攻科に偏りが生じて、外科などの医師不足が加速している実態を示して、現行のまま、女性合格者を少なくすることが望ましいと考えます。【勤務医】
大学で医局長をやっていた時、医局員の7割りが女医になり、妊娠・子育てが重なり当直が組めなくなったことがある。患者さん側も建前だけで論じていると困ることになると思うんだけどな。【勤務医】
女性医師の働き方を考えるのが急務と考えられるが、現実的には、当直などの厳しい業務は男性医師が負担する割合が多いと思う。一律の男女平等をうたっても、影響を受ける現場のことは何も考えられていない。受験要項などに男女で定員を設ける、東京女子医大のような大学を増やすなどすれば良いのでは無いか。【勤務医】
女性医師が増えることによってますます、医師不足が助長されると思います。それは女性医師に能力があるとかないとかという問題ではなく、妊娠出産などで生物学的に働けない時期がありますし、育児中は子供の急病などで出務できなくなる可能性もあります。男性医師をある一定の割合で確保することは必要であると思います。女医さんと一緒に働いている男性医師からの悲鳴もたくさん、ここの投書欄にもありますしね。入口規制をしても仕方ないことではないでしょうか?なんでも平等という風潮もどうかと思われます。【勤務医】
女性が妊娠出産後に職場復帰しやすい環境が作れること。復帰する意欲があり、実際に復帰して仕事を全うする女医が増えること。労働環境が楽な科への偏りがないこと。これらがなされれば、調整などは必要ないだろう。地方の医者を増やそうと作っている地方枠からも結局都市へ出てくる者がいる。地方枠の受験者の留年率や国試合格率はその他の受験生に比べ低いという話も聞いたことがあり、女性云々でなく、そのような枠も有意義であるとは感じない。【勤務医】
受験者に知らせずに行うことはあってはならないことだが、経営面からみれば、分からなくもないと言える。しかし本来なら目先の受験者数調整をするのではなく、医師となった女医がどうしたらより良い環境で継続的に働けるのかを考え、そのような場を提供してあげるのが上層部の役割だと思う。【勤務医】
私立大学なので、そこは大学側の裁量に任せて良いのではないかと思う。もちろん、勝手にやるのは受験生側にとってはかなりの不利益になるので、その旨を公表することが前提だが。産休などで休まない医師確保のために男性医師を多めに作り出すことは、地元に残る医師を作るために地元採用枠を設けるのと50歩100歩だと思う。そして男性医師が育休をとる可能性がほぼないと考えられているところが悲しい。【勤務医】
現在では、多くの女医さんが市中病院や医局内にも在籍しておりますが、そのうち男性医師と同様にフルタイムや当直を含めて働いてくれる医師になる方は1-2割に満たないのでは無いでしょうか?女子は賢い(少なくとも入試制度という土俵においては優秀です)なので、普通に学力試験の素点勝負では女医が多くなってしまうのは仕方ないことですが、医師不足や働き方改革で激動する昨今において、最終的に子育てしながらアルバイト医師になったり、離職する可能性が極めて高い女医を多く育成することには、国の医師養成事業として問題が出てくると思います。私学国立に関わらず、医師育成には国費がかかっているので、受験・入学する側にも、ある程度の覚悟が必要とされる時代になるのではないでしょうか?【勤務医】
学問の自由、機会の平等という点からは、当然、あってはならない。しかし、医学部を職業訓練校の側面からみれば、眼科、皮膚科などへの偏在、休職、離職に対する対応・人員の確保の困難さ、年齢とともに低下する活動性などの統計上の数字があるとすれば、医療や病院機能の安全な維持を考慮することも必要かもしれない。しかし、もちろん、倫理的に許される方法においてである。【勤務医】
医師は、ほかの営業や販売などの業種と同様に考えるのではなく、時間外や緊急など、これからさらに高齢者社会を迎えるにあ辺り、これらの出動が増えると思われます。仕事環境の充実の努力がされていないなどの某団体のコメントもありますが、私たち、特に外科系は切り上げて帰るよりは、体力を持ってともに働いたり、交代ができる人材が必要です。女性の医師は必要ですが、それには結婚・出産の時期や配偶者の協力(医師では困難では)を考えて医師を目指せばいいと思います。これは、男女差別ではなく、区別です。【勤務医】
医学部入試は就職試験に近い一面があるので、大学毎、個別に検討した上で、男女別に合格者数を決めて明示し、それを法律上違反とならないことを裏付けさせれば良い。そのためには法律改正も必要かもしれない。【勤務医】
どこの医局も女性医局員の処遇については頭を悩ませていると思います。地方は嫌、自宅から楽に通える範囲など、希望は男性医局員以上に強いと思います。特に地方の国立大学医学部を卒業して、地元ではなく首都圏などに来られた女性医師の方は、この傾向が強いように思います。医療の公的な面を考慮すると、卒業後15年程度は社会貢献を考えて、ある程度は地方勤務や救急などもやっていただけないと将来的には日本の医療情勢は厳しいものになりますね。こうした意味で、私立大学については運営上、ある程度自由度が許されても致し方ない点がありますが。理想としては、一律減点は廃止し、面接などで卒業後の進路についてや、地域医療、救急医療、老人医療に対する考え方を質問して、判定材料の一つにする方法がベターでしょう。【勤務医】

【あり得ないと思う】

募集の段階から女子の合格者の人数を提示しておくべきです。【開業医】
秘密裏に行うから問題になるのであって、女子に対する敷居が高いことを、入試要項に盛り込んでおけば問題ないと思います。【開業医】
入試ではあり得ないことだが、医師採用の立場であれば、ある程度理解できる。【開業医】
男尊女卑そのもの。言語道断です。一般的に女子の方が成績が良いと聞いている。貴重な人材を無きものにしているのは日本の損失。出産・子育時の日本社会の対応・認識遅れが如実に出ている。これでは日本は発展していかない。家事・子供は夫婦二人で行うべき。【開業医】
大学が女子の入学を減らしたいのであれば、減点する旨を募集要項に記載するか、男女別々に募集すべきである。東医大は学生募集をいったん、中止して開学以来、過去の全ての入試結果を見直し明らかにして上で入試を厳格化した再出発してほしい。【開業医】
多くの優秀で真面目で有能な女医に対する無塾である。私(男)は多くの優秀で真面目で勤勉な女医を知っている。また受験は個人の資格であり、その資格の差を性別・人種・その他の違いにより一律原点というのは明らかな差別と考える。【開業医】
心臓カテーテルなんかには、使えないし、当直問題もあるけど、エコー、他レントゲンを要しない患者さんには女医さんの方が真面目で優れていることが多い気がします。【開業医】
女性医師はライフスタイルを考慮してもらえるが、男性医師はたとえ育児に参加したくてもまた激務で体調を崩しても勤務体系を一切考慮してもらえないことが多いと感じる。女性、男性に関わらず最低限の仕事はした上で、それ以上は各々の事情や体力などに合わせた勤務ができやすくすることを考えた方が良いと思った。【開業医】
女性医師が子育てをしながら働ける環境を作っていくことが必要。男女の入学試験で差別をすることは許されないという自覚が、大学関係者にか欠けている。教育に携わる資格はない。【開業医】
女性が多くなることで維持できない医局こそ改革が必要でしょう。【開業医】
女子大や男子校は認められているのであるから,募集時に合否の方針を明確にすれば男女差をつ付けることそのものは、全否定はされないと思う。しかしひそかに女子や多浪生に不利な操作をしていたのであるなら,あまりに不公平と思う。自分が受験生だったらたまらない。【開業医】
実際問題として、平均的な男女の就労可能時間が異なるので(当然個々の違いはあるが、9時5時の女医のために、大学病院時代は憤りを感じていたので)、その考えは理解できるが、それを実行するのは全く法的に許されるとはお思わない。よくこれが許されるような大学かと思う。【開業医】
歯科医師が定員を増やしても、女性を増やせば、開業するがほとんど男性であろうから、歯科医院は増えないと考えていた節がある。結果、歯科医師過剰時代となった。ペーパードクターも増えるだろう。しかし労働条件で性差をつ付けない風潮のもとでは、医療経済を変革してしまうことにつながる。【開業医】
一般入試での女子の一律減点は問題あり、面接などで合否を決定すべき。【開業医】
医療現場の現状、女性の社会進出、特に医師など特殊資格を持った女性の活躍が必要な時代なのに、その傾向に逆行した考え方で古臭い慣例(?)にとらわれている。【開業医】
医師不足の原因は女医が増えたためと思われるが、女医が勤務できる環境作りが不可欠であると思います。調整は本末転倒。【開業医】
以降の就労の見通しを確認してく必要があり、一律行うべきではないと思う。女性の比率が高くなっている現状もあり、志望科の限定勤務を条件(地域指定枠の科別版のようなもの)なども検討してもいいが、男性も同様に行うべき。【開業医】
いかにも日本的だと思う。建前としては平等性をうたい、本音のところではこういうことを平気で行う。女子は働かないから、などというのは論点のすり替えである。問題は、裏で恣意的に大学入試の操作をして良いのか、ということで、これが良いなら例えば親の職業を見て減点するなどということもまかり通ってしまう。ともあれ、今回は東医大を受験し落とされた女子は訴訟したら良いのではないかと思う。【開業医】
裏で不正をするのではなく、初めからそういう決まりで入試を行えば良い。おそらく誰も受験しに来ないだろうが・・・。【勤務医】
裏でやっていたことは大問題だが、今の日本の医療界をみ見ると、女子の合格数を制限することについて100%問題だと言えるかは難しいかもしれない。共学の学校としては問題あるのだろうが、医学部に入るのはそれ以降の就職までほぼ決まるような形なので、それを考慮して男女比を決めることについては道義的や法的にどうなのだろうか。【勤務医】
あらかじめ、男女別の定員を決めて対応しなくちゃいけない時代でしょう。【勤務医】
面接試験で適性などの項目で、判断すべき項目だと思う。【勤務医】
法的、倫理的、社会常識的に決して許されない。お産で辞められるから男性を優先などというのは、昭和の時代の企業経営者に囁かれた勝手な言い分。女性医師には、十分な産休を。男性医師にも、育児休暇を。医業には、ルーチンワークが多くある。業務の効率化による時間短縮により達成すべき。【勤務医】
募集要項の時点で、男女の定員数を個別に設定する、合否は性別も含めて総合的に判断すると明記しておく、などするのがよい。【勤務医】
募集要項にない操作を行ったのだから、どんな弁解をしても不正行為に違いない。明確な女性差別。憲法違反でもあると思います。裏口入学の件もあり、この大学の体質は人間を扱う学部として失格でしょう。医師不足への対策として(と弁解されていますが)こんな愚かな行為しか考えつかなかった大学理事会・教授会に、まともな人は誰もいなかったのだろうか、と空恐ろしくなります。同じ医師として、こんな無見識な連中が医学界の一翼を担っていることが恥ずかしい。過去の卒業生が気の毒ですが(差別されるべきではありませんね)、大学としては存在意義なし。ここまで腐っている大学は廃校でよいと思います。【勤務医】
物理と数学を必修にして生物を不可にすれば、自動的に女子の合格者は減る。【勤務医】
不公平きわまりないので、即刻中止かついままでの受験者に謝罪および受験料返金をすべき。【勤務医】
必要悪だというのなら、最低限入試要項等で説明しておく必要があります。そのう上で、批判されるならきちんと反論していく必要があると思います。【勤務医】
入試で性差により差別されることは、あり得ないことだと思う。ただ大学側が主張する女性医師の将来的な働き方に期待が出できないと言うことに関しては多くの男性医師も抱いている不満の一つであると理解している。女性医師側も自分たちのキャリア(働き方)に関して更に深く考えていかなければ成らないのでは?この問題は私たち医師側に一つも問題提起をしてくれていると思います。【勤務医】
点数減点や加点はあってはならない。しかし、女性医師は優秀であっても多くが実戦から離脱しあるいは効率の良いアルバイト医になっているのが現状。はっきり言って男性医師も含めてだが、国費の無駄になっている感が否めない。もちろん男性医師以上の業績を挙げ、子育てや家事も手を抜かないスーパーな人材も少なくはない。従って、調整はしかるべきだが、明言の上で2次試験で調整をするべきであった。【勤務医】
男性医師の中でも人間性に問題がある人がいる。女性、男性で区切るのでは無く、患者から求められる人材かどうかで区切るべき。どうしても男性女性の割合を決めたいなら受験の段階で女性枠、男性枠に分けて受験生を応募してやるべき。少なくとも裏でコソコソ点数調整されるのは間違っている。【勤務医】
男性医師が欲しいならその旨を公表して、点数減点することも公表すべき。勝手に減点するのは不公平すぎる。【勤務医】
単に点数だけで評価すると女子の方が割合が増え、調整が必要となることはやむを得ない。しかし一律の減点は不公平であり、例えば面接の点数を厳しくする、適性を厳格に評価するなどの方法を取るべきである。【勤務医】
大学側が欲しい人材を取るために、合格選考が不明瞭な部分があることは当然である。しかし女性というだけで一律に原点がなされていたこと、それが公になってしまったことは大きな問題であり、全国の医学部でもうこのような不明瞭な選考ができなくなると考えられる。背景には妻に家事と子育てを任せきりにできる男性医師しか、医療業界に入り込めない大きな壁を作っていることがある。多くの善良な、利他的、献身的な医師によって成り立っていた医療制度が変わろうとしている。子育て女性も働くことができる職場環境にすることが求められるが、給与そのままというわけにはいかず、一律給与は下がると考えた方がよいであろう。【勤務医】
女子の一律減点も、高額寄付者の裏口入学も、募集要項に明記して堂々とやればいい。それなら法律上は問題ないでしょう。ただし、そんな大学病院には、受験生も患者も医療者も集まらないでしょうけど。【勤務医】
女医は当直をしない、マイナー科に多く行くという問題を入学試験で調整するのは誤り。当直料を上げる、マイナー科の給与は下げるなどの方法で解決すべき。【勤務医】
女医のリタイア率を考えると、何らかの調整があって良い。現状では外科系など成り立たない。国がきちんと労務管理できるように指導すべき。【勤務医】
受験料が一律なのに差を付けることを前もって知らせていないのは詐欺です。最初から明示すべきです。他の私学にもありそうですね。数年間の補助金・入試中止勧告など厳罰が必要です。【勤務医】
医学部の女子学生数を制限することについては、さまざまな議論があると思う。女医の勤務環境を整えることが先決であるとは言え、現実的には女医の割合が50%を超えると問題があると思う。最近の男の子の覇気のなさを考えると、私学などでは、互角に戦わせると、女子学生が半数以上になることは間違いないと思う。このような背景のもとに何をすべきか考えると、入試要綱に女子学生枠を明記するのが正当と思う。それがだめなら、女子の不得意な物理、数学の出題を増やすならば、フェアに調整可能か。【勤務医】
どうしても人数制限したいなら男女別に入学者数を公表し、同数でないならば人数制限にする理由を明記して募集すべきである。募集要項に述べていない合格基準は全てだめ。【勤務医】
た確かに私の回りには仕事をしない女性医師がたくさんおり、そのため私の仕事が増えて迷惑を被っていますが、医学部医学科入試で女子受験者の点数を一律減点するというのはあり得ないと思います。現在の日本社会は男女平等です。時代錯誤だと思います。【勤務医】
そもそも、量的・質的な医師としての存在が男子の方が女子よりも大きいという前提がおかしい。【勤務医】
あり得ないことですし、あってはいけないことですが、現場を最も知っている医師の立場からすると、感覚的に理解できます(もちろんいけないことですが)。ならば、世の中に女子医大があるように、「男子医大」もしくは「ほとんど男子医大」でも作って募集要項に「当大学は諸般の事情により女性の受け入れを20%以内に制限しています」と書けばいい。【勤務医】
ありえ得ないのですが、子供の受験を考えて、今のシステムが本当に医者に向いている人間が合格するようになっていない。今の受験システムに女性は優位なのでしょうね。【勤務医】
【どちらとも言えない】
点数を減点するという行為がそもそも間違っている。女子の人数を制限したいなら女子の定員と男子の定員を決めて募集要項に明記すれば良いと思う。女子の定員を制限するのは時代遅れと言う人がいるが、逆に今となっては時代の最先端とも言える。女医が増えすぎて色々な科でやはり支障が出てきているのは否めない現実だからである。女性医師が増えすぎることに対する一つの警鐘を誰が鳴らすかという問題である。【開業医】
大学の方針であり自由だと思うが、あらかじめしっかり減点することを公表する必要はあると思う。男子学生を増やしたいのであれば、男子の定員、女子の定員をあらかじめ決めてもいいと思う。何事も透明性を高くして正々堂々とするのが大事ではないでしょうか。 東京医大は昔から同窓会がしっかりしているようだが、自分達の利益ばかり追求していては、大学は腐っていくであろう。大学はもう一度医科大学としての使命をしっかりと共有していく必要があるであろう。まずは普通の大学になりましょう。【開業医】
大学の入試については、問題の正解を公表しない大学、合格基準を公表しない大学は国立、公立、私立のいずれにも関わらず、何らかの操作をしている可能性があると思います。東京医大も合格基準を公表しているなら、このようなことはできなかったと思います。私学ですから、合格基準が女子に不公平でもやってよいと思いますが、その時点で社会的に批判されるでしょうね。【開業医】
女性医師が男性医師と全く同一の条件で働くことが結果的にできていないのであれば、入試要項に明記した上で合格者調整をすることは致し方ないと思います。【開業医】
女性の医師が多くなりすぎることには、問題がある。しかし、入学試験で女子だけ減点というやり方は、許容できない。入試の募集要項に、入学者、男子○名、女子○名募集、と男女採点基準に違いがあることを知らせるようにする、あるいは、女子医があるぐらいなので「東京男子医大」に名称変更しては。【開業医】
私たちの時代には女性医師が20-30%程度でした。なので当直、出張等でなってからはかなり優遇されていました。「差別的な意味ではなく、女子だからしょうがないね」(正月、連休は当直できない、遠い年単位の出張は嫌だとか)と。合格者を調整しないのならば、やはり昔のように医局年数に義務年限を入れて女性の”特権”をなくすしかありません。半分が女性医師だとそれを受け止めるのは無理ですから。やり方としては今はやりの地域枠的にして授業料を値上げし、奨学金で相殺する等が公平かも知れませんね。あとアドミッションポリシーに卒後10年以上は継続して医師を続ける等を入れて。ちなみにうちの子供は女子だけです(含む医学部)。【開業医】
医師となって将来的にどのように医療・医学に貢献できるかは、医療が社会的共有財産と言われる昨今では考えなくてはいけない問題です。また医師や所属科の偏在を生んでいる状況では、それなりに医師として公共的にも貢献できる医師が望まれます。また附属病院の多い大学はそれなりに医療に貢献しているわけですが、医師の確保も懸念材料です。分院の少ない私立大学病院では人材確保にはやや有利でしょう。女性医師の増加は、残念ながらこれらの問題に寄与していない部分も多いと考えます。女性医師の働く環境をうんぬんといいますが、人の命を預かる医療の現場で考慮できることには限界があります。試験制度を見直して、しっかりとした医師としての人格と姿勢を入学点数にできる方法を見出すことも必要でしょう。【開業医】
実際、臨床現場では、急に複数の女医さんの休職が重なることがあり、当直がなかなか決まらなかったり、当直回数が増えたり、人数が少なくなれば、外来や手術件数(手術街の時間が長くなる)などの問題が起こります。人数の多い診療科であれば、何とかなるかもしれませんが、当直が多い、人気の無い診療科ではかなり厳しいです。かりに女医を減らしたいなら、女性何名/男性何名と募集をすればよいのではないかと思います。しかし、これを問題にするより、いかに産休などの時にサポートするかでしょう。しかし、妊娠可能な年齢の女性が、仮に全員同じ時期に妊娠したら、どうなるのでしょうか…【勤務医】
日本の医療業界の現状を考慮すると、男性医師の方が重宝されているのかもしれない。実際に、男性の方には、産休や育休はなく、長時間労働も厭わない人が女性よりも多いと思われる。そういう点で、男性の方が女性よりも、労働力として扱いやすい面はあり、医療業界として男子生徒を優遇したいという意図があったことは否定できないし、短絡的に批判はできない。しかし、やむを得ない事情があったにせよ、それは入試という比較的にフェアプレーが要求される土俵において、影に隠されていた男女差別であることに変わりはない。また、少なくとも入学試験での高得点を取得できる優秀な人材を失っていたことは、日本の医学界にとっても損失であり得るかもしれない。この問題が明るみになった以上は、やはり、世間の意見や論調に合わせて変化はせざるを得ないだろう。ただ、女子の割合が増えることに関して、今までも懸念されていた問題に関する解決策は用意するべきだと思う。時代の要請に従い変革は起こるものであるが、医療現場がそれに合わせて、いかに変化していくかが今後の課題であろう。【勤務医】
点数調整を行うことは、受験生に対し絶対に行ってはいけないことと思う。しかし女性医師が増えることで関連施設の人数確保に制限が出てしまうこと、診療科の偏在が生じてしまうことを懸念する大学側の気持ちも分からなくも無い。【勤務医】
女医さんが将来的に妊娠出産などのライフイベントから、仕事から離れる機会があったり、場合によっては医師をやめてしまう可能性は少なくとも男性よりはあると思う。ただ、男女雇用機会均等法があるのだから、恣意的な点数調整は良くないとは思う。以上の状態だが、周囲でも仕事をやめた女医がいるので、医者は個人としてどう生きるか以上に社会のために奉仕する立場でもあると思うので、いくら有能でも、女性はこの仕事に向かないのではと思ってしまうが、どうなのだろうか。最近、自己実現的な風潮が強すぎて、キャリアパスといった言葉が飛び交い、自分の都合で仕事から離れる人も多い。こんな世の中でいいのかなと思う。【勤務医】
学力試験の点数を減点するのはあり得ない。小論文や面接点で調整するのが一般的と思われる。【勤務医】
一律減点というのは個人の努力を無視しているようで、容易にはうなずけません。しかしながら、実際の医療現場では、女医さんと男性医師とではどちらが重宝されるかというと男性です。当直や残業、地方の病院への派遣などで性別による格差は厳然と存在することが多いと思います。正直に言えば自分の職場に女医さんはいてほしくありません。現時点では、場合によっては男性医師に不利な性差別が存在したりします。その部分の格差の解消も図ってもらわないと、多くの男性医師は今回のこの問題について、単純に「あり得ない」とは思わないのではないでしょうか。【勤務医】

【調査の概要】
調査期間:2018年8月2日(木)~8日(水)
対象:m3.com会員(医師、歯科医、看護師、薬剤師、その他医療従事者)
回答者数:4657人
回答結果画面:「医学部入試で女子受験生を一律減点、どう思う?」



https://www.medwatch.jp/?p=22015
介護経験者、「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人が多くなる―社人研
2018年8月16日|医療・介護行政全般 MedWatch

 介護経験者と未経験者で、「長生き」に関する意識を比較すると、介護経験者では「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人の割合が多くなる。また、健康上の問題を抱える人では、そうでない人に比べて「長生きは必ずしも良いことではない」と考える割合が多くなる―。

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が8月10日に公表した、2017年の「生活と支え合いに関する調査」結果から、このような状況が明らかになりました(社人研のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 社会保険・社会保障の在り方を考える上で、国民の意識を把握することが重要
2 「仕事が多忙」などの理由で医療機関にかかれない人が7.1%
3 就業者では健診受診率が高いが、高齢者や非就業者では低い
4 20歳代では、生活困難に「自助努力」で対応せよと考える人がやや多い
5 介護経験者では、「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人が多くなる

社会保険・社会保障の在り方を考える上で、国民の意識を把握することが重要

 我が国には、年金・医療・介護といった公的社会保険制度、生活保護などの社会保障制度が整備されています。これらは「国民の連帯意識」(互いに助け合う、支え合うという意識)を基礎としており、国民の大半の意識が大きく変容した場合には、制度の根幹が揺らいでしまいます。

そうした中で社人研では、が「社会保障制度の喫緊の課題はもちろん、長期的なあり方、社会保障制度の利用と密接に関わる個人の社会参加のあり方などを検討するための基礎資料を収集する必要がある」とし、昨年(2017年)7月に、18歳以上の個人および世帯を対象に▼暮らし向き▼人と人とのつながり▼就労の状況▼「長生き」の評価▼医療機関等の受診状況―などを調べました。有効回答数は1万369人・1万9800世帯となっています。

調査結果は膨大であり、メディ・ウォッチでは「医療」に関連の深い部分を中心に結果を眺めてみます。

「仕事が多忙」などの理由で医療機関にかかれない人が 7.1%
 まず過去1年間における医療機関の受診状況を見てみましょう。過去1年間に病気やケガをした人のうち、「必要だと思うのに医療機関に行けなかった」経験のある人が 7.1%いました。

 これを▼就業の状況▼年齢―で区分して見てみると、「65歳未満で仕事をしている」人では11.1%が、必要であるのに医療機関に行けなかった経験を持っていますが、「65歳未満でも仕事をしていない(かつ探していない)」人では7.5%に、「65歳以上でも仕事をしている」人では4.9%に、「65歳以上で仕事をしていない」人では2.0%にとどまりました。また、65歳未満で、仕事をしていないが、仕事を探している人では11.3%と最も高くなっています。
 
 さらに「必要であるのに医療機関を受診しなかった」理由については、「仕事などが多忙で時間がなかった」が最も多く64.8%、次いで「お金が払えなかった」19.9%、「近くに医療機関がなかった」9.2%となっています。
 「多忙さ」ゆえに、現役世代の一定割合が医療機関を受診できていない状況が伺えます。高血圧症や糖尿病などの罹患者であれば、適切な受診機会の喪失は重症化につながることを意味します。この点、2018年度の診療報酬改定では【オンライン診療料】などが創設され、「多忙さゆえの未受診」の回避に一役買うことが期待されています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

就業者では健診受診率が高いが、高齢者や非就業者では低い

 一方、過去1年間に健康診断を受診しなかった人は、全体では29.7%となっています。年齢階級別に見ると、40-64歳では比較的未受診者が少なく、30代以下および65歳以上の高齢者で未受診者が多くなっています。とくに、85歳以上の高齢者では49.2%が過去1年間に健康診断を受診していません。

 また▼就業の状況▼年齢―で区分してみると、「65歳未満で仕事をしていない、かつ仕事を探している」人で未受診率が最も高く58.1%、次いで、「65歳以上で仕事をしていない人」37.9%となっています。
65歳未満で求職中の人の6割近くが、過去1年間に健診を受けていない
65歳未満で求職中の人の6割近くが、過去1年間に健診を受けていない
 
 会社勤めなどをしている場合、健診受診の機会が多くなっており(受動的に受診)、これが疾病の早期発見に大きく貢献していると考えられます。逆に仕事をしていない場合などには、能動的に受診しなければなりません。もっとも、高齢者においては「医療機関を定期的に受診しており、それがために健診を受けない」という人もいるかもしれません。健診の精度等確保という問題も含めて、総合的に考える必要があるでしょう。
20歳代では、生活困難に「自助努力」で対応せよと考える人がやや多い
 次に、社会保険制度・社会保障制度の基礎となる「支え合い」に関する意識を見てみましょう。社人研では、さまざまな角度から調査を行っています(例えば、日ごとの会話や手助けを求められる人の有無など)が、メディ・ウォッチでは「生活上の困難の解決方法」に焦点を合わせてみます。

「生活上の困難の解決方法」については、男女で若干の違いがありますが、6割強の人が「地域の人々が互いに協力する」ことと「自助努力」の双方が必要と考えていますが、2割強の人は「自助努力」をより重視していることが分かりました。

 年齢階級別に見ると、20歳代で「自助努力」を重視する人が3割近くなっています。時間とともに意識が変化していくのか(若いうちは自助努力を重視するが、高齢になると互助・共助を重視するようになるのか)、意識の変化はないのか、今後も経年的に調査していく必要がありそうです。
 
 なお、社会保障制度の利用について、年齢が高くなるほど「所得や保険料負担に関わらず、誰もが必要に応じて利用できるべき」と考える人の割合が増加してくることも分かりました。医療保険や介護保険では、所得などの負担能力に応じた負担(応能負担)と、受益に応じ者負担(応益負担、一部負担など)を組み合わせていますが、こうした意識の変化によって組み合わせの手法を変えていくことも必要になってくる可能性があります(例えば、応益負担をより高めるべきと考える人が多くなれば、患者一部負担などを引き上げる方向での検討が必要なと)。
 
介護経験者では、「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人が多くなる

 最後に「長生きの評価」について見てみましょう。

 男女ともに、「長生きは良いことだ」と考える人が7割近くを占めていますが、「あまりそうは思わない」人も3割近く、「まったくそうは思わない」人も4%程度います。

 年齢階級別に見ると、「長生きが良いことだとは思わない」人の割合が多くなる傾向にあります。
 
 また健康状態と、「長生きの評価」との関係を見ると、健康上の問題が大きくなるほど、「長生きを必ずしも良しとしない」人の割合が多くなります。
 
 さらに介護をしている人では、「長生きを必ずしも良しとしない」人の割合が多くなります。過去に介護経験を持つ人でも同様です。
 
 個人の価値観も大きく反映されるテーマですが、例えば「介護」などは制度の整備によって一定程度、意識変革を促すことが可能でしょう。「長生きを良しとしない」人が増えれば、例えば高齢者への医療・介護給付に厳しい状況が生まれかねません。この点、「健康寿命の延伸」「介護サービスの拡充」によって意識の変革を促すことで、「長生きは良いことだ」と考える人がより多くなれば、社会連帯の意識が強化され、社会保険・社会保障制度の基礎も強くなっていくことでしょう。
 

  1. 2018/08/19(日) 23:13:40|
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