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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月12日 

http://blogos.com/article/317328/
東京医科大学の女子受験生差別 女性に限らず医師が活躍できる場を作ることこそ国の責務
猪野 亨2018年08月11日 12:03 BLOGOS

 裏口入学で一気に有名になった東京医科大学ですが、それに止まらず、女子受験生に対しては一律に減点して、合格者の男女比を操作していたというのですから、驚きです。
 裏口入学でカネを出した人に下駄を履かせる動機ははっきりしていますが、女子受験生を一律に不利に扱うのは、卒業後に医師として働くのは系列病院が多いということで、女性の場合、出産、育児で早々に医師をリタイヤしてしまうという背景があります。
 このような公正さに欠くようなやり方が許されないことは言うまでもありませんが、平成の世が終わろうとしているこの時代に未だにこのような前近代的なことが行われていたのです。人生を狂わされてしまった人たちも決して少なくないでしょう。公正と思われていた入学試験で組織的な不正が行われていたのですから、ひどいものです。

 ところで女性医師の産休や育休によるリタイヤは、これ自体、既に医師人口、つまり医師養成数を考える上では大きな問題にはなっていたことです。
「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第1回)」(2015年12月10日)

 昨年も同様に検討が行われています。
「女性医師キャリア支援モデル普及推進事業に関する評価会議」

「平成29年度女性医師キャリア支援モデル普及推進事業に関する評価会議 資料」

 今後も女性の医師の割合が多くになることは必然的なことであり、それに対する対策を検討することは当たり前なのですが、現実には未だに対策らしい対策が出てきていないというのが現状です。
 医学の進歩の早さからすれば、数年も現場から離れてしまっては医師として復帰することが困難なことは自明のことです。
 復職のための支援で足りるはずもなかったのです。

参照
「東京医大・女性差別の背景にある「医師の過酷労働」、「患者拒めない」応召義務など論点に」(弁護士ドットコム)

 もう1つ問題なのが、こうして下駄を履かせてもらった層でも医師国家試験にも合格しているということです。
 入試選抜が機能しているのかという問題です。入試さえ通ってしまえば医師国家試験にも通ってしまうでは問題があります。
 医師養成では、医師国家試験の受験資格として医学部を卒業していることが必要ですが、医師養成数は医学部の定員ということになります。
 一定の入試による選抜機能が果たされているということが医学部の質を確保することになっていますから、本来、合格させてはならない層まで合格させてしまうことには問題があります。
「医学部新設解禁 法科大学院と同じ道を歩もうとしている」

 医療現場での医師不足は、医師の数を増やせばいいという問題ではなく、待遇を改善することによってこそ、解決されるべき問題なのです。
 勤務医や地方の医師不足において求められているのは、医師の待遇の改善です。数だけ増やすというやり方は使い捨ての医師を増やすだけですし、入試選抜機能も低下させることにつながります。

 女性の医師も同様です。現場に残って欲しければ、求められているのは待遇の改善です。
 もとよりこれは各病院の努力によって達成できるものではなく、国が責任をもって行うべきことです。
 特に医師養成は国が費用を掛けて行っているのですから、簡単にリタイヤされてしまうのは社会の損失でもあります。女性に限らず、医師として活躍できる場を作ること、それが国の責務です。
 開業医を優遇することではありません。



https://www.jiji.com/sp/article?k=000000025.000019504&g=prt
医師の65.0%が東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」
2018年08月08日14時01分 jiji.com
企業プレスリリース

女性医師のワークライフを応援するWEBマガジン「joy.net(https://www.joystyle.net/)」を運営する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役社長:杉田 雄二)は、医師に対して東京医科大学の女子一律減点に関するアンケート調査を実施しました。


■ポイント
・東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」「ある程度は理解できる」とした医師は65.0%
・一定の理解を示す医師の中には、周りに負担をかけているため仕方ないという諦めの声が多数
・妊娠・出産・育児を経る医師が働き続けることのできない医療現場に課題がある
・今後医療業界に必要なことは、根本的な働き方改革

■調査結果
<1>東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」「ある程度は理解できる」とした医師は65.0%。

Q. 東京医大の入試において、女子を一律減点していることについてご意見をお聞かせください。
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<2>「理解できる」のは、女性医師の妊娠・出産・育児による職務への影響が、男性医師や未婚女性医師へ負担を与えているという不公平感から。周りに負担をかけているため仕方ないという諦めの声が多く聞かれました。点数操作はあるものだと思っていたという医師も一定数見受けられます。一方、「理解できない」医師からは、妊娠・出産・育児で辞めざるを得ない女性医師がいるという根本的な問題を解決すべきとの意見が多数。公表していない点数操作は詐欺と怒りの回答や、不正に落とされた受験生を慮る声もありました。
Q. 上記のようにお答えになった理由について、お聞かせください。

■「理解できる」「ある程度は理解できる」の回答者
“許容はできないが、やっぱりこういうこともあるのかという気持ち。実際自分も、家事育児をするために仕事を調整して、できないことも多いので、働ける男性を優先されることについて、大きなことを言えない。誰もが勉強できる、研修できる、仕事できる風潮に少しずつ変わってほしい。”(小児科)

“医療システムの問題として、激務は事実です。また、妊娠出産での欠員を埋めるようなバックアップシステムが不十分であることも事実です。不合格となられた女子学生の皆様は悔しい思いをされていると思いますし、できれば見えないところでの一律減点などはしてほしくありませんが。”(小児科)

“女性の権利としては認めるし、悪いのは彼女たちではなくてシステムなのもわかる。男性医師が家庭のことをやれ、というのもごもっとも。だが、我々男性医師が深夜12時過ぎまで働いたり、当直の肩代わりなど、現実の負担増を考えると東京医大がやったことも必要悪として気持ちはわかる。“(放射線治療)

“現状で、女子の離職率や勤務制限があるのは事実であり、男性や未婚女性への負担が大きくなっているから。”(放射線科)

“そういうものだと、予備校時代から言われていた。だから女子学生は何倍も努力して、成績もトップ層にならなければ受からないと言われていた。だからそのつもりで勉強していた。”(呼吸器外科)

■「理解できない」「あまり理解できない」の回答者
“出産や結婚で復帰できない状況がおかしい。女医の割合が増えてきてそのような理由で医局を離れる状況を問題視するのであれば、どうしたら復帰できるか、医局を離れないようになるかを変えるべきです。”(産婦人科)

“女性だから離職を前提にすることがそもそも間違いで、時代に逆行している。男性医師は子供が産まれても妻に家事育児の一切を丸投げしていることが多いし、女性医師が産休育休後に復帰しやすい職場環境を整えないと医師不足は進むばかり。”(精神科)

“東京医大だけの問題ではなく、そもそも女性医師が働きやすい現場でないのが問題。患者の意識も医療現場もそういう社会背景が、試験での選別で明らかになっただけ。”(心臓血管外科)

“同じ受験料を取り、合格の傾斜配点を先に示しているのならばありだが、そうでないなら詐欺だと思う。”(産婦人科)

“医師を志す受験生の心を折るようなひどい扱いだと思います。この不合格のせいで、医師になることを諦めた女子受験生がいたとすると本当に許せない。”(外科)

“目先のことだけ考えて根本的な解決は考えておらず、人の努力も踏みにじるもので、怒りがわきました。優秀でも女というだけで落ちる、って凄まじいことだと思います。”(総合診療科)


<3>入試だけでなく、医師になってからも妊娠・出産に際して不当な差別・扱いを受けた経験談が多数。価値を否定されるあまり、自分自身でチャンスを諦めてしまったという医師からも意見をいただきました。
一方、残された男性医師や未婚女性医師だけでフォローしなければいけない体制への不満もあり、妊娠・出産・育児を行う女性医師が差別の対象となってしまう医療現場自体に課題があると考えられます。

Q. ご自身や周りの方が医学部入試や学生時代、医師になってから受けた不当な差別・扱いがありましたら教えてください。

“医学部入試対策で、高校では公然と「女性は男性より点数を高く取らないと合格しない可能性が高いと言われていた。”(産業保健)

“医学部を目指していたころから、私大の縁故入学や女性不利なのはじゅうぶん感じていました。それでも入れる実力があればいいだけだと割り切っていました。学生時代も、特に外科系の医局は女子というだけであまり熱心に勧誘されることがなく、悔しい思いをしました。外科系の医局説明会に行って、入局に関する大事な話をする前に女性だけ先に帰らされたこともありました。”(外科)

“卒業式などで、「女性は結婚や出産ですぐやめる。これまでにどれだけのお金をかけて税金で育ててもらったと思っているんだ。絶対にやめることのないように。」と言われた。ひとくくりに考えられていることに腹が立った。”(非開示)

“研修医の時に妊娠しました。産休ギリギリまで当直もやり、みんなと同じように勤務したのに、事あるごとに「研修医なのに妊娠するなんて」「だらしない」などと言われました。初期に切迫流産で数日休んだ時には「流れてしまえばいい」とまで言われ、どうしてここまで言われなければいけないのかと悲しかったです。”(内科)

“職場と相談し計画出産したが、産休の代替があるはずがなくなり、産休後の仕事もなくなった。”(非開示)

“うちの病院にいる間は妊娠しないでね、と言われたことがあります。”(整形外科)

“月経困難で、緊急手術に入れそうになかったとき、理解のない医師からは非難・笑いのネタとなった。「腹痛でオンコール変わってくださいなんて、俺だったら明日からクビですね笑」”(心臓血管外科)

“「どうせ教えても無駄になるんだから、女のお前には何も教えてやる気にならない」と面と向かって言われたりした。余りにも言われ続けたので、自分でも「結婚や出産で戦力外になる可能性もある」と思うと特別な経験が出来る機会を本当は挑戦したいのに辞退したりした。”(非開示)

“妊娠中の先輩女医のフォローをするのは医局全体ではなく男性若手医師、非妊娠女性若手医師。残された若手に何も説明もなく、当たり前のように当直をふやされている。妊娠したもの勝ちな雰囲気が否めない。”(頭頸部外科)


<4>今後医療業界に必要なこととしては、ワークシェアや男性の育児休暇取得、主治医制撤廃など、働き方の改革への意見が多く挙げられました。そのためには患者の意識改革も必要になります。
Q. 今回のような不当な性差別等が起こらないために、医療業界にどのようなことが必要だと思われますか。ご意見をお聞かせください。

“働き方改革というか、医者でなくてもできる診断書などの書類仕事やデータまとめなどの仕事を、医療事務などコメディカルにさせて、日常診療に集中させる。病院はコメディカルが少なすぎる。“(放射線治療)

“価値観の変換。全て医師が抱え込む権力一極集中を辞めて、ナースプラクティショナーなどへの権利依託。また、作業効率を重視した仕事内容。当直明けの強制帰宅。長く働く=良い医師 ではないことを徹底。”(内科)

“男性医師も休める体制にして、男性医師も育休を取るべき。男女に対してフレキシブルな働き方を認める必要があると思う。”(産婦人科)

“結婚、出産だけでなく、介護や自分自身の健康問題等で働き方のペースをいったん落としたり、休む期間が発生することは誰にでもありうることです。男女関係なく、はたらき方の選択肢を増やすことが、不当な差別を減らすことにつながるように思います。もちろん、前提として、権利だけを主張せず自分のできる範囲でベストを尽くすというのは大切だと思いますし、自分も心がけています。”(内科)

“保育園やシッターサービスの拡充(医療業界に限った話ではないが)。主治医制の撤廃(医者は24時間365日患者ファーストであるべき、という国民の意識から変えなければならない)。“(外科)

■調査概要
東京医大入試での女子一律減点についてのアンケート
集計期間:2018年8月3日(金)~2018年8月6日(月)
有効回答数:103名
調査対象:男女医師
調査方法:インターネット調査
※本調査結果の引用・転載時には、【エムステージ「joy.net」調べ】とクレジットを明記ください。

■女性医師のワークライフを応援するWEBマガジン「joy.net」とは
URL:https://www.joystyle.net/
女性医師とつくるワークライフ応援ガイド。キャリアインタビュー、女性医師による連載、育児・家事情報、リフレッシュ情報などラインナップは多岐に渡ります。女性医師の”生の声”にこだわった情報を、女性医師とともに提供しています。

■会社概要
商号  : 株式会社エムステージ(M.STAGE CO.,LTD)
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
事業内容: 医師人材総合サービス事業(厚生労働大臣許可13-ュ-010928)/医療機関の経営支援事業/
企業向け産業医サポート事業/企業向けヘルスケアマーケティング事業/メディア運営
設立  : 2003年5月9日
資本金 : 6,250万円
所在地 : 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower5階
URL  : https://www.mstage-corp.jp/


http://news.livedoor.com/article/detail/15144062/
東京医大だけが悪いのか 女性医師が語った医療現場の「疲弊」と「本音」
2018年8月11日 7時0分 文春オンライン

 東京医科大学が、男子学生の数を確保する目的で、入試で女子受験生に一律減点措置を講じていた一件は、一大学の不祥事にとどまらず、日本の医学界全体を巻き込む大きな問題に発展している。

【現役男子20点、女子0点】東京医大の「得点調整」一覧

 明らかな女性蔑視であって許されることではない、という意見が大半を占める一方、医療という仕事の特殊性や、日本の医療界のおかれた実情を考えるとやむを得ないことなのではないか、とする擁護派の声も少なからずある。

 そこで、実際に臨床の最前線で活躍する医師に、匿名を条件に、今回の問題についての正直な意見を聞いてみた。

「あなたが男性だったら正規合格でした」
 都内の大学病院の内科系診療科に勤務する女性医師Aさん(40代)は、自身の受験生時代、すでに「東京医大は女子が受かりにくい」と言われていたことから、同大を受けなかったという。

「あまり成績の良くなかった友人(女子)が、『親が東京医大のOBなので、1次さえ通過できれば受かるんだ』と言っていて、実際に受かったんです。他の医学部はすべて不合格だったようですが……」

 そんなAさんは、別の私学の医学部に補欠合格する。その時こう言われたことを覚えている。

「これは人数の問題なんです。あなたが男性だったら補欠ではなく正規合格でした」

 ただ、当時のAさんはその説明に違和感を持つこともなく、「そんなものなのか……」と納得していたという。

地方の国立大学でも……
「東京医大と同様のことは、私大に限らず国公立でも行われていると思う」と語るのは、首都圏の大規模民間病院の外科系診療科に勤務する女性医師Bさん(30代)。ある地方の国立大学医学部の話をしてくれた。

「1次試験に受かっても、東京から受験している女子受験生は2次試験で落とされる、という話を聞いていました。地元出身者なら卒業後も大学に残ってくれるけれど、東京や大都市出身者だと、卒業と同時に帰ってしまうから。あと、首都圏の別の私立医大では、100人の合格者の中で女子の枠は5人だけ――と言われていました。事実、当時その大学は本当に女子が少ないことで有名でした」

 ちなみにその私立大学は、現在でこそ女性の合格者の割合が3割台まで上昇しているようだが、それでも東京医大のそれと大差ない。

医学部が女子の入学に制限をかける背景とは
 都内の公立病院で外科系診療科に勤務する女性医師Cさん(40代)も、自分が受験生だった時代は、国立も私立も当たり前のように“女子制限”があったと話す。

「女子に対する不当な配点を感じるだけでなく、面接では『親御さんが地方公務員で、医学部の授業料を払えますか?』と質問されたりしました。さすがに今ではありえないと思いますが……」

 医学部が女子の入学に制限をかける背景には、外科系のハードな診療科に進みたがらない、結婚や出産などによる離職率の高さなどが理由に挙げられる。実際はどうなのか。

「その通りですよ」と答えるのは、関東地方の大学病院の外科系診療科に勤務する女性医師のDさん(30代)。

「妊娠出産で休職すれば、当然残った他の医師がカバーしなければならず、ただでさえ厳しい勤務状況はより苛酷になる。復職後も育児を理由に以前と同様の仕事ができなくなることが多いのは事実です」

上司から「ここにいる間だけは妊娠しないでくれ」
 首都圏の公立病院で内科系診療科に勤務する女性医師のEさん(50代)も同様の意見だ。「3~4人の医師で成り立っている診療科で1人抜けたら、残された医師にとっては大変な負担増です。それまでできていた診療ができなくなることだって考えられる。以前、ある関連病院に出向した時には、そこの上司から『ここにいる間だけは妊娠しないでくれ』と頼まれたものです」

 一般社会ならパワハラやセクハラとして糾弾されそうな話だが、Eさん自身も事情を理解しており、「はい、もちろんです」と答えたという。

「今回東京医大が『自分たちの関連病院に医師が足りなくなると困るから』という言い方をしたことでバッシングが強まったようですが、女性医師のウエートが高まり続ければ、社会全体で病院勤務医が足りなくなる危険性は十分考えられる。事実、私の医学部の同級生は60人中18人が女性医師ですが、病院勤務医として継続している女性医師は私の他に1人しかいません」

 残る16人は、パート勤務や開業の道を選んだか、あるいは医師の資格を持ちながら専業主婦になったのか――。これが男性医師であれば、今も病院に勤務している可能性は大きい。膨大な教育費を投じて育てた医師が医療現場を離れていくということは、社会資源の損失でもある。

「感情論ではなく、社会全体の問題として議論すべき問題でしょう」と訴えるEさんの言葉は重い。

 これまでの日本の医療界は、こうした問題を暗黙の了解とし、医師の努力に依存することで成り立ってきた産業なのだ。取材で病院勤務医と話をしていると、よくこれだけの激務の中で、体を壊したりメンタルダウンしたりしないものだ、と感心することが少なくない。男性でさえ厳しい世界で、女性が生き残り、活躍し続けることの苦労は並大抵のものではない。

女性医師ならではのメリットも少なくない
 一方、医療には、女性医師ならではの優位性もある。

「昨年、ハーバード大学から出たデータによると、内科の病院勤務医において、男性医師よりも女性医師が担当した患者のほうが死亡率が低かった――という結果が出ました。女性医師のほうがガイドラインなどの客観的データを、より忠実に診療に適用しているからではないか、という考察がされています」(前出のCさん)

「手先が器用な人が多いので、手術手技は安定している。また男性に比べて几帳面な人が多いので、病棟管理などでの手抜きが少ない」(同・Bさん)

「乳腺外科や産婦人科、女性の泌尿器疾患など、デリケートな部分の診療では、女性医師のほうが受診しやすい、というメリットがあります。また、看護師や薬剤師、技師などのスタッフとのコミュニケーションの面でも、女性医師のほうが有利だと感じることが多い」(同・Dさん)

 男性医師だけ、女性医師だけに偏るのではなく、バランスよく、適材適所に配置されるのが理想なのだが……。

「当直などの面倒な仕事から逃げる人がいるのは事実」
 今回話を聞いた医師全員に、「今回の東京医大の問題についてどう思うか」という同じ質問をした。東京医大の行為を完全に肯定する医師はゼロだったが、「絶対に許されない」という意見を、「好ましいことではないがやむを得ない事情もある」という回答が上回った。

「医師の総数は決まっている中、女性医師が増えることで実働している医師の数は減り、結果として現場にいる医師の負担が増えて、疲弊を招いていく」(Cさん)

「女性であることを振りかざして、当直などの面倒な仕事から逃げる人がいるのは事実」(Aさん)

 女性医師自身の口からこうした意見が出る背景には、「医療崩壊」が目前に迫っていることを肌で感じている病院勤務医の苦悩があるようだ。

外科部門はすでに人手不足が深刻化している
 この点について、男性医師にも意見を求めた。

 東京都立駒込病院外科部長の本田五郎医師が、「男性医師のほとんどが同じ意見だと思うので」と、あえて実名で語ってくれた。

「心臓外科、肝胆膵外科、食道外科などの仕事がきつい外科部門は、男性医師も含めて若手から敬遠され、すでに人手不足が深刻化している。女性医師が増えることで、このような診療科別医師数の偏在に拍車がかかる可能性がある。実際に体力的な不安を考えてこうした部門を敬遠する女性医師は決して少なくない」

 多くの女性医師も指摘するように、女性が臨床医、特に外科系の診療科に進むと、結婚、妊娠、出産というライフイベントのたびに、周囲にしわ寄せが行くのは事実だ。

「外科という部門は、外科医同士の熾烈な競争があり、それに勝ち抜くための努力をし、高い技術を身に付けた者が勝ち残ることで周囲が納得する世界。そのためには、事の善し悪しは別として、自分の生活を犠牲にして頑張る姿勢が求められる。妊娠や出産がそうした犠牲の対象外として特別扱いされる昨今の風潮の中で、女性医師の休暇や早退によって他の医師たちの負担が大きくなるだけでなく、彼女らの態度によっては熾烈な競争に不公平感が生じているのも事実です」(本田医師)

 自分の生活を犠牲にして働くことを前提にして考えることが正しいと言うつもりはない。

 ただ、これまでの日本の医療が、多くの医師の滅私の精神の上に成り立ってきたことは事実であり、その恩恵を受けているのは私たち国民である――ということも忘れてはならない。

「“医師も人間である”という意識を持ってもらいたい」
 今回の問題で東京医大が考えを改め、入試改革に取り組むべきであることは確かだ。

 自分が不利な立場であることを知らされることなく、男子と同額の受験料を支払って試験に臨んでいた女子受験生たちは、言ってみれば詐欺に遭ったようなものだ。

 そんな不当な差別を受けることのないよう、公正な判定が行われる仕組みづくりを構築してほしい。

 一方で私たちも、単に大学を責めるだけでなく、疲弊しきっている病院勤務医、崩壊寸前の医療提供体制の現状を「自分のこと」として理解する必要があるだろう。

「女性医師が妊娠出産で離職した場合でも他の医師に過剰な負担が生じないような、余裕のある労働環境を整えることが急務。そのためには患者の側にも、コンビニ受診を控える、時間外に軽症で受診するなら相応の対価を支払うなど、“医師も人間である”という意識を持ってもらいたい」(前出の女性医師Dさん)

病院勤務医の労働環境を改善する必要があるが……
 話がとっ散らかってしまったので整理する。

 東京医大の「女子制限」の思想の背景には、医師になった後の女性の離職率の高さがある。

 女性医師の離職率が高いのは、病院勤務医の激務が、女性ならではのライフイベントに対応できないという事情がある。

 その問題を解消するには、病院勤務医の労働環境を改善する必要がある(これまではこの部分を「医師の努力」に依存してきた)。

 そのためには、日本の手厚い社会保障制度に甘えてきた医療消費者の側にも意識改革が必要――ということだ。

 それをせずに、医師の努力を求めるだけでは、大学とて女子受験生の受け入れを制限せざるを得なくなり、そこだけを「許さない」と声高に叫んでいたのでは、日本の医療は遠くない将来確実に崩壊する。そもそも医師になろうとする者もいなくなる。

 刻苦勉励の末にようやく医学部に入っても、あるいは国家資格を得て医師になっても、医療現場の疲弊ぶりを見ればやる気をなくすのも無理はない。その結果、目先の利く者、優秀な者ほど手にした資格を生かして美容外科など自由診療の道に走るだろう。結果として日本の医療水準は低下していく――。

 極論と言われるかもしれないが、筆者は意外に真剣に、そんな不安を持っている。

(長田 昭二)



https://www.oricon.co.jp/article/522649/
医師の「異常な働き方」を見直し、「男女ともに働きやすい社会を」 医師ユニオンが声明
2018-08-10 14:36 ORICONNEWS

東京医科大学で、女子と3浪以上の受験生の入試得点を操作する不正が明らかになったことを受け、全国で働く勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」は8月10日、「東京医科大学における女性受験生差別問題に関する声明」を発表した。

声明では「今回の女性差別問題の背景には医師不足の問題があり、この医師不足が医師に過重労働を強制しています」と指摘し、受験制度の透明化、医師の労働環境の改善などを訴えた。

●「異常な過重労働を勝ち残った医師たちが、自らの成功体験を肯定」
声明の中で、医師ユニオンは主に3つの要望を表明した。

1つ目が入試制度について。「面接や小論文などの個別評価は明確な基準がなく試験官の主観に左右されるため女性差別を証明することが困難」だとして、文部科学省に対し、全大学において不正が行われていないか調査を求めるとともに「内閣府が責任を持って文部科学省が厳格な調査を行うよう指導する必要がある」と厳しい見解を示した。

次に、患者のため長時間働いて当然という「医師聖職論」が医師の過重労働の要因になっているとして、医療界の意識の変革も呼びかけた。「異常な過重労働を担って勝ち残った医師たちが、自らの成功体験を肯定し、他人に押し付ける構図が今も根強く残っています」と述べた。

●「女性医師も男性医師も働きやすい社会に」
そして最後に、問題の根底にある「医師不足」と、それに伴う長時間労働への抜本的な取り組みを求めた。

声明によると、日本における人口当たりの医師数はOECD諸国より3割程度少ない。医師不足に加えて膨大な仕事量のために過重労働を強いられ、常勤医師の4割近くが過労死ラインを超えて働いている。こうした「異常な働き方」が、女性医師を減らすことにもつながっていると指摘した。

東京医科大学で行われた不正入試について「今回の事件は入学試験の不正操作による女性差別の問題ですが、その背景にあるのは大学の医師不足です」「女性医師比率が上昇する中で、政府が医師増員を適正に行ってこなかったツケが、今この様な形で問題化したと言えます」とも指摘する。

そこで「今こそ女性活躍のためにも抜本的医師増員を行うことで、女性医師も男性医師も働きやすい社会に変えていくべき」と訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)



http://blogos.com/article/316865/
【東京医大・女性「差別」入試】やるべきは「区別」でしょ!
中田宏2018年08月10日 07:01 BLOGOS

東京医科大学の女子減点問題は、8月7日に内部調査委員会が結果を公表して不正を認めました。

その手法は全受験生の点数に係数を掛けて一律に減点した後、女子や多浪生には加点を少なくしていました。

得点調整
全員0.8の係数をかける

属性に従い、次のように加点

属性 加点
現役、1浪、2浪の男子 20点
3浪男子    10点
女子、4浪男子    0点

すなわち有利だったのは男子で現役から二浪までということでした。

多浪生もこのような扱いになったのはその後の医師国家試験に受かりにくい傾向があったからのようですが、それにしても募集要項では平等ながら試験で不平等に扱うとはとんでもないことです。

女子についてはもうはっきり女性差別で、そんなに女子を入れたくないならば東京女子医科大学のようにこの際、東京医大をやめて東京「男子」医大にすると議論すればよかったのではないでしょうか。

といったところで実は当の女性医師からはこの件に理解を示す声が多いというNHK NEWS Webの記事を見ました。

女性医師の6割「東京医大の女子減点に理解」背景に無力感か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180808/k10011568421000.html

あるアンケートに女性医師103人が今回の東京医大の対応について以下の通り回答しています。

理解できる   18. 4%
ある程度理解できる 46. 6%
合計     65%

その理由は
納得はしないが理解はできる

女子減点は不当だが、男性医師がいないと現場は回らない
休日、深夜まで診療し、流産を繰り返した。周囲の理解や協力が得られず、もう無理だと感じている
などが挙げられていて、すなわち医療現場の現状からこれやむを得ないと考えている女性医師が多いということなんでしょう。

実は救急医療の現場で同様の話を実際に聞いたことがあります。
「はっきり言って男じゃないと務まらない」
というものでした。

昼夜を問わず真夜中だって患者は運ばれてきます。
力仕事で看護師がどんなにいても医師も一緒になって暴れる患者を押さえつけたり、叩かれたり、ぶちのめされたりしながら治療をしなければなりません。
薬物中毒の患者もいます。
あちこち患者が発生するたびに走り回っていて、妊娠したことにも気づいていない女性医師が流産することもあるでしょう。

「だから男性医師だけでいい」わけではもちろんありません。
これこそ働き方改革が必要です。

これから先はどんな分野でも女性の労働力が必要ですし、医療現場では女性疾患は女性医師が診療することも重要です。
医療現場全体は医師不足の診療科もあります。
そういうところに女性医師がローテーションを組めるようにして、救命救急のような過酷な現場は男性医師が担っていく。
男女「差」別ではなくて「区」別です。

こういう働き方改革を考えるべきでしょう。



https://www.buzzfeed.com/jp/natsusato/tokyoidai-tabitora?utm_term=.ermkozMAj#.gi1v8PXYp
東京医科大学の不正の衝撃 お産の現場を担う産婦人科医として伝えたいこと
現場ではもうどうしようもない。打開策を考える余力ももうない。

2018/08/07 12:23 BuzzFeed
Natsu Sato

朝目が覚めると、SNSをチェックすることが多いのですが、「東京医大、女子受験生を一律減点」の見出しに、「は?」「え?」となり、一気に目が覚めてしまいました。

その後、読売新聞によると、全受験生から一律に減点し、現役や2浪までの男子受験生には20点加点、3浪の男性学生には10点加点、4浪以上の男子と女子には加点なしという点数操作をしたと報道されています。

女性受験者に不利な点数操作が行われていた東京医科大学

事前に知らされていない上での減点も、面接などそういう曖昧な基準でのことではなく、小論文とはいえペーパーテストで点数を削っていたことも衝撃でした。

言葉は悪いですが、「きったねー!」というのがまぁ、率直な感想です。

そして、憤る人の多い中、医療者の中には、「前からあると思ってた」「まぁそうなるべくした理由がある」といった、積極的な賛成とまではいかずとも大して驚きもしていない意見が散見されました。

女性であるというだけで疎まれるーーそのショックでちょっと人間不信になりそうです。そして、これから医学部へ進もうと考えている女の子はどういう気持ちなんだろうとか、いろんな感情が心の中でぐるぐるしていました。

医療界の実情
私は産婦人科医なので他の科とはまた違うのですが(内科と救急、整形外科や心臓外科など科によって状況は全然違うと思われるので一般化はできない気がします)、私が産婦人科医となって以降、新たに入局してくる女医の数は男性を上回りました。

現在は産婦人科を選ぶ医師の6割が女性となっています。

産婦人科を選ぶ女性の割合は6割を超えている
日本産科婦人科学会


産婦人科はご存知の通りお産や帝王切開など手術も扱うため、365日24時間最低2人は勤務もしくは待機しています。手術は1人ではできませんので。さらに手が足りないときは3人目以上が呼ばれることもあります。

ただしお産や緊急手術にかかる時間は例えば脳外科や心臓外科などと比べて比較的短時間で済むのも特徴であろうと思われます。帝王切開であれば手術時間は1時間程度です。

意外とうまくいってる施設がそれなりにあるのは、オンオフが切り替えやすいからかもしれません。長時間手術や術後管理にかかりきりになる他の外科系の診療科とはそのへんが異なります。

土日や夜に働ける人が少ないという共通の問題
診療科によって少しずつ事情は異なるものの、どこの科でも共通しているのは「土日と夜働ける人が少ない」ことであろうと思います。

私も当直表を作っている時は各自の要望に応えつつ組むことは大変苦労するので病みましたし、現職場で当直表を作っている医師も不公平のないよう作ることに難渋しています。

日本は妊産婦や新生児の死亡率の低さを世界に誇っていますが、地域でハイリスクの妊婦や急変した妊婦を引き受ける「周産期母子医療センター」でも充足人数とされる人員がきちんといる施設はそう多くはありません。

常に長い勤務時間、人手不足の中、綱渡りでの医療が行われています。そういう状況下で、病欠や妊娠出産によりさらに人手が減るとなったときに、正直、「またか…」とは思うのはわかります。

お産は深夜でも土日でも待ったなしに始まる

人員は補充されませんし、のしかかる負担がわかりきってるし、いつ戻ってくるかわからないし。誰かが抜けるたびにみんなそういう思いをしています。

女性医師であれば妊娠できる年齢にはリミットがあります。(誰かが妊娠したら今は妊娠できないな......)となります。また違う誰かが妊娠する。また時を逃す、とがっくりしている人もいると思います。

みんな被害者、立ち去っていく医師も
それは制度の問題であって、私が学生の頃から医者は余ると言われていて、医師の数を増やそうという雰囲気はさほどありませんでした。医師国家試験の合格率もある程度コントロールしているという話もありました。

医学部定員を増やそうにも教室のキャパもなく教員もいません。結果、1年に卒業する医者の数は限られていて、圧倒的に数の少ない中で戦わざるを得ない。

大学病院では臨床も研究も学生と研修医の教育も当直もオンコール(呼び出し待機)もする。給料は低い。もう無理! という状況下で働いてるわけだから、みんなが言うなれば被害者みたいなもんです。

産婦人科では男女問わず、分娩を担う病院勤務から負担が少ないクリニックなどに転職する「立ち去り型サボタージュ」は明らかに多いと思います。

激務の施設を離れ、基本的に当直や呼び出しのない、なおかつ自由診療で収入もある不妊クリニックへ流れています。

開業医で比較的ローリスクの妊婦さんのみ扱う施設への移動、お産を取り扱わず婦人科診療のみを行う人も増えていると思います。その結果、さらにきつい職場はさらにつらくなるという負のスパイラルです。

なぜ過重労働なのか、アクセスの容易さと医師の職業倫理と
忘れもしない、学生の時、生理学の先生が女性でしたが、大学の一期生でした。彼女の時代は妊娠したら医局をやめさせられていたということで、臨床には進めず、生理学教室に進んだと話していました。

また、出産して戻ってきた女医の復帰プログラムのようなものがなく、現場を去った人もたくさんいます。子育てがひと段落しても戻れる場所がない。尻拭いしてやっているとまで言われることもある。

そういった過去の積み重ねが医師不足を招き、今の世代を苦しめていることが一つあります。

それから、今回のことで諸外国と比較され、日本の医療体制が劣っているという説もありましたが、医療機関へのアクセスの容易さも過重労働の要因となっています。

医師は自分では抜け出せない過重労働に苦しんでいる

専門医に受診するまでに数ヶ月かかることはさほどなく、救急は軽症の患者もいつでもかかれるようになっています。大病院では夜通し手術の行われていることも珍しくはありません。その都度患者やその家族に説明をし、治療にとりかかり、常に裁判への不安も抱えています。

他の職種と異なり、今の人員で過重労働をやめれば医療の質が落ちることが懸念されています。そこで医師の職業倫理として過重労働を甘受せざるを得ない。患者を見捨てるのかと言われたら働いてしまう。

時間外に患者を診ることをやめ、手術をしない。これがなされれば過重労働はなくなっていくでしょう。ただし医療の質は落ちますし場合によっては死者も増えるでしょう。


なにか方策はあるのか
では、女性医師を減らして男性の割合を増やせば解決するのかというと、そんなに単純な話ではないだろうと思います。

男性と女性の募集人数をあらかじめ7:3とか公表すればいいのではないかという意見もありましたが、じゃあそこで男性はきつい科を選択してもらうことも条件にしなければ多めにとる意味はないでしょう。

「女医の人数は削ったから、男性は救急とか心臓外科とか新生児科行ってね」とか、「当直余計にしてね」と言って、男性医師の皆さん、容認できますか? そんなこと現実にできるかというと無理でしょう。

今の状態はもう本当は医療は崩壊していて、瀕死の兵隊が撤退もできず、でもここでひいたら国が守れないと言って竹槍で応戦しているみたいなものです。

現場ではもうどうしようもない。打開策を考える余力ももうない。

今回の東京医大の件は、今の状況に対する現場のどうしようもなさを浮き彫りにして、瀕死の兵隊同士で殺し合いを始めちゃった感じです。怒りの矛先を間違えるとみんな不幸になるからもうやめましょう。

でももう我らは考えられないしがんばれない。現場からは以上です。現場と言っても個人的な観測範囲と感想です。

強いて言えば、ハイリスクな妊婦を診る周産期母子医療センターの医師は重点的に増やしてほしい。そして、採血や薬を取りに行くとか、食事を運ぶとか医師でなくてもできる仕事は他に任せるなど、医師の業務を見直していただきたい。

最後に、事前に告知なく女子学生を減点した東京医大はどういう言い訳しようとも許されないことだけは言っておきたいです。受験料と、女性の活用を支援する国の事業でもらった国の補助金を返還してください。

佐藤ナツ 産婦人科専門医
東京都出身。200×年、国立大学医学部卒。現在、総合病院産婦人科と総合周産期母子医療センターで勤務中。ツイッターでは「タビトラ」名義でつぶやいている。



http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=454429&comment_sub_id=0&category_id=256
得点操作、前理事長指示か 東京医大、女子合格者抑制
2018/8/5 中国新聞

 東京医科大が医学部医学科の一般入試で女子受験者の合格者数を抑制していた疑惑で、文部科学省の私大支援事業を巡る贈賄罪で在宅起訴された医科大の前理事長臼井正彦被告(77)が得点の操作を指示していたとみられることが5日、関係者への取材で分かった。前文科省局長佐野太被告(59)=受託収賄罪で起訴=の息子を不正に合格させた経緯などをまとめる内部調査報告書に盛り込まれる見通し。

 医科大は調査を弁護士に委託しており、6日の理事会に報告された後、結果を公表するとみられる。不正入試の実態がどこまで明らかになるかが焦点となる。

 医科大の医学部医学科の一般入試では、マークシート方式の1次試験と面接や小論文による2次試験が課される。

 関係者によると、医科大では過去に、女子受験者の1次試験の結果に「90%」「85%」などの係数を掛けて一律減点していたという。調査報告書は今年の入試でも得点操作があったと指摘し、詳細な方法が説明されるもようだ。一連の操作は臼井前理事長の指示だったとされる。

 医科大関係者は「女性は結婚や出産を機に職場を離れるケースが多いため、女子合格者を全体の3割前後に抑え、系列病院の医師不足を回避する目的があった」と話している。

 募集要項に出願要件や定員などは記載されているが、男女別の定員は明記されていない。受験者側に得点操作の説明はなかった。



http://biz-journal.jp/2018/08/post_24318.html
聖マリアンナ医大、昨年から2浪以上の女子入学者がゼロに…大学側「意図はありません」
文=兜森衛   2018.08.06 ジャーナリズム Business Journal

 裏口入学をめぐる文部科学省前局長の汚職事件で揺れる東京医科大学が、女子受験生に対する一律減点により女子合格者数を意図的に低く抑えていたと報じられている。8月2日付読売新聞によれば、2011年から一般受験の一次試験(英語・数学・理科)で女子受験生の得点に一定の係数をかけることで減点し、女子合格者を意図的に3割前後に抑制していたという。

 女性医師が結婚、出産などで離職して系列病院で医師が不足する事態を防ぐためだというが、文科省は2002年に「私立大学における入学者選抜の公正確保等について」と題する以下の文部科学事務次官通知を出している。

「入学者選抜に関し一切の疑惑を招くことのないよう、下記の点に留意し、更に入学者選抜方法の改善及び経理の適正な処理に努めるとともに、入学者選抜の管理運営体制全般について十分に点検を行い、必要な点について早急に改善されるよう強く要請します」

 今回の件を受け、他の医科大学や大学医学部でも同じような行為が行われているのではないかという見方も広まるなか、聖マリアンナ医科大学の女子入学者が2017年度以降、現役と1浪だけになっていることが一部で注目されている。

 聖マリアンナ医大のHP上に掲載されている「現浪別構成比」というデータで女子入学者数を見ると、16年度までは2浪、3浪、4浪以上も入学しているが、17年度と18年度は現役と1浪だけで、2浪以上はゼロとなっている。また、18年度の現役の入学者数は17年度の2倍となっている。

【各年度の女子入学者数。( )は2浪以上】
・14年度:45人(16人)
・15年度:39人(14人)
・16年度:49人(23人)
・17年度:40人(0人)
・18年度:45人(0人)

 その理由について、聖マリアンナ医大教育課入試係に話を聞いた。

「私どもは成績順で取っております。一般入試は一次が英語、数学、理科2科目の400点満点、二次は小論文100点と面接100点を最終的にトータルして合否結果を出しています。2017年度と2018年度はたまたま現役と1浪の方が合格しただけ。意図はありません。当大学は在学生に占める男女の割合も6対4で女子の比率が高いのが特徴。データを見ると現役生と1浪が多く見えますが、これは昨年から推薦入試の制度を変えたためです。

 今までは指定校推薦だけで20人の募集枠でしたが、昨年から一般公募制の推薦入学試験も導入して10人増員した関係で、推薦だけで30人の募集枠になったのです。昨年は推薦の合格者が5名増えて35名になったため、結果的に現役生が増えてしまったように見えますが、推薦制度を変えたことによるもので、一般入試で現役と1浪を優遇しているわけではありません。

 二次試験の面接でも女子に結婚、出産について聞くことはありません。うちは聖マリアンナという名前からも女子大と思われるような大学ですし、もともと女性が比較的多い大学だと思っております。学生に女性が多く、そのまま女性が大学に残ってくれるので、ほかの大学より女性教員の数も多い。それに、申し込めば一次試験の不合格者に対して成績の開示もするので、受験の透明性も確保できていると思っております」

 東京医科大の問題を受け、聖マリアンナ医大も思わぬかたちで注目を集めてしまったようだ。
(文=兜森衛)

ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2018/08/post_24318.html
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https://www.m3.com/news/iryoishin/622125
シリーズ 東京医大・入試操作疑惑
「入試での女性・多浪差別の有無」、文科省緊急調査
全81医学部医学科の過去6年分対象、8月24日まで

レポート 2018年8月10日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 東京医科大学の入学試験で女子や多浪の受験生を一律減点するなどの不正が行われていた件で、文部科学省は8月10日、同様の事例がないかどうか医学部医学科を持つ国公私立大学81校に対する緊急調査を開始した。過去6年分の募集人員志願者数、受験者数、合格者数、入学者数を男女別、年齢別に問い、男子の合格率が女子を大幅に上回っている場合には大学としてその理由をどう考えているかを記載させるなどの内容。8月24日までにメールで提出するよう求めており、9月以降に公表する予定。2019年度の入試についても、別途調査を行う方針も示している。

 同省は「各医学部医学科を置く国公私立大学学長」宛てに、8月10日に発出した事務連絡で、「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」を依頼した。

 冒頭で、同省の前科学技術・学術政策局長が受託収賄容疑で逮捕、起訴されて「行政の公正性に疑念を持たせる事態を生じさせたことは大変遺憾」と改めて表明。一方で、東京医科大学の入試不正についても、極めて不適切と考えられる事態が判明したとし、大学設置基準や大学入学者選抜実施要綱で公正かつ妥当な方法で入試を行うことが求められていることを改めて指摘した。

調査の項目は次の通り。

入学者選抜に関する学内規則・マニュアル等の整備状況について(2018年度入試時点、いずれも一般、AO、推薦の方式ごとに回答)
(1) 入学者選抜に関する学内規則・マニュアル等を整備していますか。
(2) 採点や合否判定の基準は、明確に定めていますか。
(3) 採点や合否判定の際、受験者の氏名は匿名化されていますか。
(4) 採点や合否判定の際、受験者の属性(性別、年齢等)はマスキングされていますか。
(5) 不合格者等から入試成績の開示請求があった際には、開示していますか。

各年度別の入学者選抜の実施結果(2013年度から2018年度)
(1)  各年度別の募集人員、志願者数、受験者数、入学者数(一般、AO、推薦、その他の入試方式別。男女別。年齢別=17歳以下、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳以上)

(2) 実施結果に対する大学としての分析

男性の合格率が女性の合格率を上回っている場合、その理由について大学としてどのように考えているかを年度ごとに記載してください。
年齢ごとの合格率が年齢によって大きくかい離している場合、その理由について大学としてどのように考えているかを年度ごとに記載してください。

入学者選抜の詳細な実施状況について
(1) 特定の受験者に対して、募集要項等での事前説明のない特別な加点等を行ったことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(2) (1)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(3) 性別により合否判定に至る取り扱いに差異を設けたことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(4) (3)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(5) (3)で「はい」と答えた場合、性別による取り扱いの差異について募集要項等で周知していましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(6) 年齢により合否判定に至る取り扱いに差異を設けたことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(7) (6)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(8) (6)で「はい」と答えた場合、年齢による取り扱いの差異について募集要項等で周知していましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(9) 性別・年齢以外の受験者の属性により合否判定に至る取り扱いに差異を設けたことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(10) (9)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(11) (9)で「はい」と答えた場合、取り扱いの差異について募集要項等で周知していましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(12) 上記の他に、募集要項や学内規定・マニュアル等に定めていない採点・合否判定の手続きを行うことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(13) (12)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(14) (1)(3)(6)(9)(12)で「いいえ」と答えた場合、募集要項や学内規定・マニュアル等に沿って採点・合否判定の手続きが行われたことを示す資料(例えば、各受験者の試験結果と合否結果の一覧、教授会や合否判定会議の資料等)は保存されていますか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(15) (14)で「はい」と答えた場合、どのような資料が、過去何年分、保存されているか具体的に記入してください。



https://www.m3.com/news/general/622403
医学部入試、77%で合格率に男女差…読売調査
大学 2018年8月12日 (日)配信読売新聞

 東京医科大が女子受験生らの合格者数を抑制していた問題を受け、読売新聞が医学部をもつ全国81大学に男女別の志願者数や合格者数などを尋ねたところ、回答した76校の77・6%に当たる59校では、今春の一般入試で男子の合格率が女子より高かったことが分かった。男女ごとの全志願者に対する合格率は、男子8・00%に対し女子6・10%と1・9ポイント低かった。東京医科大以外はすべて、性別による得点操作を否定した。

 読売新聞は今月初め、東京女子医科大を除く81校にアンケート方式などで▽選抜方法▽過去5年の一般入試における男女別の志願者数と合格者数▽性別などによる得点操作の有無――を聞いた。北里大は回答せず、東京大、帝京大、富山大、福島県立医科大は男女の内訳を公表しなかった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/621747
医師不足、最も足りないのは「当直帯」
地域の医師不足「医師の地域的偏在による相対的な人数不足である」

レポート 2018年8月10日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 川越救急クリニック副院長の木川英氏によるオピニオン投稿『医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問』に連動して実施した意識調査では、医師不足が起きている時間帯としては「当直帯」が最も多かった。

 調査結果を受けた木川氏のオピニオン投稿はこちら⇒『実感とは異なる「地域間医療格差がない日本」』

Q 全国的に見て、医師不足とは?
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 医師不足について「全国」の状況を尋ねたところ、「特定の科目の医師が不足している」が半数以上を占めた。次いで多かったのが「全ての科目で医師が不足している」だった。

Q ご自身の勤務地域で、時間帯や曜日で医師不足は起きていますか?
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 最も医師が不足していたのは「当直帯(19時頃-翌朝)」で、「日曜日」が続いた。

Q ご自身の勤務地地域で、診療科目による医師不足は起きていますか?
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 地域ごとの医師不足については、「医師の地域的偏在による相対的な人数不足である」とする回答が最も多く、「医師の診療科目の偏在による相対的な人数不足である」が続いた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/621744
シリーズ Dr.木川の「川越救急クリニックから見えた医療の現実」

実感とは異なる「地域間医療格差がない日本」
『医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問』の調査結果を振り返る

オピニオン 2018年8月10日 (金)配信木川英(川越救急クリニック副院長)

 前回のコラム、アンケート(『医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問』)でご回答をくださった方々、本当にありがとうございます。さまざまな立場や観点からのご意見やご指摘、大変勉強になりました。まずは、振り返りたいと思います。

『医師過剰になっている』
 既に大都市部では、医師の絶対数自体が過剰になっている状況をご指摘いただきました。特に開業医は過剰であって、開業の認可を行政が締められるのなら、適正化するだろうが、新規開業はかなり困難な地域もあるようです。やはり、私の勤務する川越救急クリニックは埼玉といえども大都会東京から離れており、そのようなことを全く感じることができませんので、ギャップにただただ驚いております。

 また、コンビニ受診ではなく、本来受診する必要がない人がたくさん受診することが問題で、これを正常化すれば、現在でも医師はかなり余ることになるというご意見をいただきました。確かに実感として、それはあると思いました。患者側の倫理観の問題も絡んできますので、「正常化」するためにどのような方策があるかが私には思いつきませんでしたので、方策があればご教授いただきたいです。

『数字的な観点からの医師過剰』
 日本の人口は2010年の1億2000万人強をピークに下降しており、2045年には1億700万人に減少すると試算されています。一方、現在の医学部入学定員は年間9000人強で、亡くなる方も考慮すると医師数は年間4000~5000人増加しています。

 その結果、2008年には人口1000人当たり2.17人の医師数であったものが、2012年には2.3人、2016年には2.45人に増加しており、人口当たりの医師数は異常なほどハイペースで増加しているのが現状です。OECDの平均値は人口1000人当たり2.8人ですから、2025年にはそれに追いついてしまうので、医学部減員に一刻の猶予もないというデータ試算をご教授いただきました。

 確かに、数字上はそうなるとは思っていましたが、数字だけでは判断できない、医師個々人の実力や技術不足、やる気不足という観点での実感が私にはありました。ただ、アンケート結果を見るとこれは大きな問題ではない、医師数自体が増えていくことが問題、と捉えている先生方が多いことも勉強させていただきました。

『女性医師』
 ちょうど、東京医大で女子受験生の点数を一律減点したという問題が噴出していますが、現場の声を聞かせていただきました。

「医師数は増えても女医が増えれば実戦数は減る」
「女医の働きぶりを見た男性医師は自己犠牲的に働くことに違和感を覚え、自分のために働くようになる」

 育児中の女医さんは、日中しか働かない場合が多いようです。そのため、男性医師が当直やオンコールをせざるを得ません。総医師数はいたとしても、当直やオンコールができる人が少ないということで医師不足なのではないでしょうかというご意見をいただきました。

 私は実質引退している、医師免許を持っている高齢医師を頭数に入れていることが問題になっていることは思いつきましたが、この観点は思いつきませんでしたので、大変参考になりました。ただし、それと女子受験生の点数を減点することは別問題だと思いましたが。

『都市部と過疎地』
 山村、離島など過疎地では絶対的に医師不足であり、集中する都市部では医師過剰になっています。救命救急センターや母子周産期センターを有する地域の中核病院で働く勤務医の立場では、とても医師不足が解消するとは信じがたい。都市部と過疎地では問題点が異なっていることも多くのご意見をいただきました。やはり、この議論をする時は単なる過剰や不足を論じても、現場現場で全く違う声が聞こえてくることを踏まえないといけませんね。

『科目の偏在』『夜間休日は仕事したくない』
 昔は希望者の少なかった皮膚科医とか精神神経科医が多いのは、QOL重視時代のせいですね。逆に仕事がきつい外科系は少なく、少子化時代を反映して、産婦人科医、小児科医も減ってきています。

 これも、実感としまして「当直があり忙しい科目」「拘束時間が長い科目」は敬遠される傾向がありましたので、偏在はどの地域でも起きていそうですね。

 患者さんが専門医の受診を希望されることも原因と思います。夜間休日は、専門医がいないので一般の人からは医師不足と見えてしまうのかもしれません。確かにアンケートでも日曜日の医師不足を感じるご意見が多かったです。

 概ね、私自身が想定していたものと合致しましたが、未知の知見も多々ありましたので、非常に勉強になりました。ありがとうございました。

 また例によって振り返りが長すぎましたが(むしろ振り返りがメインですが)、ここからが今回のテーマです。

Lancet(2018年5月23日オンライン版)の記事です。

【概要】:世界疾病負担研究(GBD)2016のデータを用いて、世界195カ国・地域の医療機関へのアクセスおよび医療の質を評価する定量的指標「Healthcare Access and Quality(HAQ)インデックス(範囲0~100)」が発表された。2016年の日本のHAQは94であり、195カ国中12位であった。最も地域間格差が小さかったのは日本で4.8であり、全都道府県のHAQが90を超えており、国内全地域でHAQが90を超えていたのは日本だけであった。国内の地域間格差は小さく、都道府県を問わず高い水準を達成できていることが示された。

 医療機関へのアクセスと質に関しての考察でしたが、これだけを見ると日本には「地域偏在」はないことになりました。また、「医療の質」も担保されていることになりました。HAQでは国内では最大でも5-6%にとどまるという結果です。

 振り返りでも考察いたしましたが、現場での実感と明らかにギャップがあると思います。アクセスに関しましては、日本の医療機関受診は基本的にフリーアクセスですし、色々な医療機関があるので、病院や診療所を受診すること自体は容易かと思います。私は神奈川、青森、埼玉などで勤務してきましたが、1日に3カ所の医療機関を受診する方、毎日のように同じ症状で違う医療機関を受診する方、異常に遠方から受診される方など、さまざまな患者さんがいらっしゃいました。こういう事案がHAQに影響しているか分かりませんが、病院数が多いことが良い評価につながったのでしょうか。何軒も受診されている方もいらっしゃるのに、どこの病院を受診しても差が付かないというのはあるのでしょうか。

 今回の私のアンケートを踏まえて、何かデータはないかと探していたところ、この論文を見つけましたが、私の持つ実感と論文の結果があまりにかけ離れていましたので、ご意見やお考えをいただきたくご紹介させていただきました。


木川英(川越救急クリニック副院長)
2005年東海大学医学部卒後、神奈川県茅ケ崎徳洲会総合病院初期研修医、2008年青森県八戸市立市民病院救命救急センター。2013年から川越救急クリニック。院長の上原と共に、地域の救急医療を変えようと日夜色々なモノやコト(行政や法律、病魔や睡魔)と戦っている。



http://news.livedoor.com/article/detail/15140799/
抗がん剤39日間連続投与、副作用の影響で死亡
2018年8月10日 14時21分 読売新聞

 国立病院機構関門医療センター(山口県下関市)は10日、70歳代の男性患者に対して抗がん剤を過剰に投与する医療ミスがあり、男性が副作用の影響で死亡したと発表した。

 同センターによると、男性は2月中旬、土手から転落して足を骨折するなどして入院。男性は他の病院で脳腫瘍の治療を受け、抗がん剤を服用しており、親族がセンターに持参した。

 センターによると、この抗がん剤は5日間連続で投与後、23日間投薬期間を空けることになっている。しかし、医師は3月下旬まで39日間連続で投与した。

 男性が口の中から出血したことから血液検査を実施。白血球や赤血球が減るなどしており、過剰投与が判明した。男性は感染症が悪化して6月上旬、多臓器不全などで死亡した。

 センターは、医師や薬剤師らが抗がん剤の処方について認識が不足していたとしている。この日、記者会見したセンターの林弘人院長は「ご遺族に心からおわび申し上げ、再発防止に努めます」と陳謝した。



https://www.medwatch.jp/?p=21946
地域医療構想を先取る!病院再編を行う上での考え方~統合・連携の先駆者から学ぶ~
2018年8月9日|GHCをウォッチ MedWatch

 2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、今後、医療・介護ニーズが飛躍的に増加していきます。こうしたニーズに的確に応えるために、「地域包括ケアシステムの構築」や「病院・病床の機能分化・連携」が進められています。

 後者に関しては「地域医療構想の実現」が重要テーマとなっており、その中では「まず公立病院・公的病院等が地域で果たすべき役割を明確にし、統合・再編も含めた機能分化を進める」ことが地域医療構想調整会議での最初の検討課題となっています。

ここがポイント!
1 再編・統合の基本は「垂直」「水平」の2軸
2 急性期から慢性期までの垂直統合型モデル 済生会滋賀県病院・守山市民病院
3 地域全体の垂直統合型と急性期の水平統合モデル 済生会滋賀県病院
4 2病院のキーマンが登壇するセミナー開催!

再編・統合の基本は「垂直」「水平」の2軸

 病院の統合・再編は、「機能の異なる複数の病院を再編・統合する垂直統合」と「同機能の複数病院を再編・統合する水平統合」の2軸で考えることができます。

 前者の「垂直統合」は、例えば急性期機能に重点を置いた病院と、リハビリなど回復期機能に重点を置いた病院を統合し、「急性期から在宅復帰まで」を一体的に診る病院の構築を目指すケースが考えられます。

 一方、後者の「水平統合」では、例えば、複数の病院に分散してしまっている急性期の医療資源(マンパワー等)を集約し、救急患者の受入れ体制の確保・充実、より高度な急性期医療の提供などを目指すケースです。

 病院再編・統合の具体例として、弊社のコンサルティングをご利用されている済生会滋賀県病院(滋賀県)・守山市民病院(同)と魚沼基幹病院(新潟県)の事例を見ていきましょう。

急性期から慢性期までの垂直統合型モデル 済生会滋賀県病院・守山市民病院

 「急性期から在宅復帰まで」を一体的に診る「垂直統合」の事例として済生会滋賀県病院と守山市民病院の事例を紹介します。

 滋賀県の湖南医療圏では、全体的に回復期病床が不足という課題がありました。こうした中、済生会滋賀県病院は、急性期後の後方連携先が少なく、転院調整不良が発生。一方、守山市民病院では十分な医師確保ができず、救急受け入れが厳しい状況が続いていました。そこで、守山市民病院が済生会グループ入りすることで、済生会滋賀県病院と統合。済生会滋賀県病院としては、後方連携先確保により急性期機能への特化が可能に、守山市民病院としては、機能分担による効率的で質の高い回復期を軸にした医療提供体制を構築しました。

地域全体の垂直統合型と急性期の水平統合モデル 済生会滋賀県病院

 次に、垂直統合だけでなく、急性期機能を水平統合させた魚沼基幹病院の事例を紹介します。

 魚沼地域の医療提供体制は病院再編前、県内7圏域中で最低の医師不足地域で、三次救急および高度医療は他圏域に依存。施設間で機能分担と連携ができておらず、周辺病院の老朽化も進んでいるという状況でした。

 それが再編により、主要4病院の高度急性期機能を集約させた新病院である魚沼基幹病院を新設(図表)。集約後の既存病院は、亜急性期以降の患者を引き受けたり、容態が悪化した患者を受け入れたりする役割に特化することで、魚沼地域全体の医療提供体制として▽医師育成と医師派遣による協力体制の構築▽三次救急医療や高度医療の確保▽医療情報の共有と機能分化に基づく医療提供体制の構築▽病院経営効率化と経費削減――などの成果に結びつきました。

2病院のキーマンが登壇するセミナー開催!
 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンは9月8日、病院統合の先駆事例として、上記の済生会滋賀県病院の三木恒治院長、魚沼基幹病院の内山聖病院長をお招きし、病院統合・連携に関するセミナー「地域医療構想を先取る!病院再編を行う上での考え方 ~統合・連携の先駆者から学ぶ~」を開催します。

 魚沼医療圏、湖南医療圏における病院再編・統合の事例を、実際に実現させたキーマンたちが演者として登壇し、医局、県議会との調整や医師確保の苦労など、具体的なエピソードやノウハウをお話し頂きます。お申し込みは、こちらから。

https://www.ghc-j.com/event/seminar/180908.html




https://www.m3.com/news/iryoishin/621939
シリーズ m3.com全国医学部長・学長アンケート
臨床実習重視の教育改革を評価も、人員不足など課題山積
医学部長・医科大学長アンケート-Vol.8- ◆ 医学教育【その2】

スペシャル企画 2018年8月10日 (金)配信大西裕康(m3.com編集部)

 「医学部長・医科大学長アンケート2018」として実施した調査結果を紹介する当企画のVol.8では、医学教育が抱える問題点などに関する自由記述の回答を紹介する。

Q.「CBT」「OSCE」「スチューデント・ドクター制度」の導入、「postCC OSCE」 の正式実施に向けた検討と、引き続き医学教育の改革について検討が進んでおります。現状の医学教育の問題点、あるべき医学教育についてお考えを教えてください。

 臨床実習を充実させて卒後に即戦力となる人材の育成強化を進めるべきとの意見のほか、大学で身につける臨床能力の質を保証するため何らかの対策が必要と訴える意見、まずは教育体制を支える人員や資金の不足を解消した上で教育改革に取り組まなければ実現は難しいと危惧する意見が集まった。アクティブラーニングの積極的導入など、学生の主体性を引き出す教育に改める必要性を指摘する声もあった。

[臨床実習の充実で卒後即戦力に]

【山形大学・山下英俊 医学部長】 卒前の臨床実習から国家試験、初期臨床研修、専門医研修が一連のものとして連続して行えるような制度が必要と考えます。特に、卒前の臨床実習の充実により、卒業したらすぐに救急医療の現場で活躍できるような臨床能力を獲得する医学教育が必要です。卒業後は専門医になるために、幅広い臨床能力を磨きつつ、自分の専門に集中するような医師育成の仕組みとして専門医研修が整備されていく必要があります。

【大分大学・守山正胤 医学部長】 全国医学部長病院長会議で議論されているように卒前卒後教育のシームレス化を進め、初期研修制度を抜本的に見直すことで、一人前の医師を早く医療現場に送ることを推進すべきである。国はもうそろそろ新臨床研修制度が誤りであったことを素直に認めて一刻も早く廃止すべきである。そのための法改正(医師法16条の2)を行うべきである。

【徳島大学・丹黒章 医学部長】 より実践的な考える臨床実習を行いたい

[大学による臨床能力評価の質保証で対策を]

【東京慈恵会医科大学・松藤千弥 学長】本学は、クリニカルクラークシップを充実させ、今は計40週のカリキュラムです。それと併せ、5年間かけて準備を進め、2017年度から「postCC OSCE」を2日間、計100人の臨床教員を動員して、全学生を対象に実施しました。「postCC OSCE」は医学生の実技を評価するには有用なものの、非常に手間がかかるのも事実であり、医師国試に実技試験を追加するのは難しいでしょう。大学が自らの卒業生に責任を持つという意味で、各大学が「postCC OSCE」を行い、臨床能力を評価することが必要だと思います。また医師国試ですが、CBTでは臨床推論のベースとなる知識を問う試験なので、それとは切り離して臨床実習を学んだことを問う問題を重視していくべきだと考えています。時々、臨床実習で遭遇しない疾患が出題されることもあるので、それは専門研修で問えばよく、ベーシックな疾患を基本に限っていいでしょう。ボリューム的には今の試験が妥当かと思います。

【富山大学・北島勲 医学部長】「スチューデント・ドクター制度」の導入、「postCC OSCE」の導入や、分野別認証評価受審など改革が実施されているが、制度としての外堀が固まっても、実質が未熟な現状下にある。大学の教員削減が進む中、教員の負担が深刻な状況になっている。わが国では、診療参加型臨床実習は不十分で「態度」「技能」をしっかり習得するためには、卒前から卒後臨床研修まで一貫した教育研修と評価システム(国家試験を含む)を再構築する必要がある。

【香川大学・上田夏生 医学部長】
・臨床実習の延長が求められており、香川大学でも来年から選択実習を27週行う予定である(計69週)。しかし、診療科の負担は大きくなり、実習の十分な質保証ができるかという懸念がある。
・「PostCC OSCE」については、機構提供の課題を3課題行うという想定で進められているが、これを一日で行うと試験室、評価者、医療面接模擬患者を相当数確保しなければならず、場合によっては夕方遅くまでかかる可能性があり、関係者の大きな負担になる。また、機構課題に加えて自己課題も3題行うことを求められようとしており、これも教員をはじめ関係者の相当な負担になることは間違いない。
・医学教育分野別評価が開始されており、香川大学も本年度に受審予定であるが、教員や事務方に対して、準備に相当な負担がかかっている。この評価はカリキュラム策定・運用側の評価であるが、昨今の医学生を見ていると、カリキュラム改革より、医学生の意識改革の方が優先事項のように思える。これを今後どのように進めていくかが大きな課題である。

【大阪医科大学・大槻勝紀学長】 4年生までに医学の基礎と臨床に必要な知識を身に付けさせCBTで知識を評価し、Student Doctor制度を進級の要件にすべきと思います。そのためにも5、6年生でのクリニカルクラークシップを充実させ、技能、態度を重視し、評価することが大切だと考えます。

【匿名希望・国公立大】 海外の医学教育と比べて、問題が大きいのは臨床実習の内容で。アメリカとは医療保障制度が異なる日本では、臨床実習の対象となる患者の背景もアメリカと異なり、アメリカと同等の内容で診療参加型臨床実習を行うことは極めて困難である。日本における患者の意識を十分に考慮して、医学生の医行為レベルを決める必要がある。この点について、患者団体など一般の人々の意見を広く集めて議論することが必要と考えている。

【匿名希望・国公立大】 「PostCC OSCE」に合格した学生に対しては、その医行為を法的に担保し、現在の初期臨床研修で行っていることを前倒しすべきだと思います。

【匿名希望・国公立大】  医学生の医行為が示されましたが、理想と現実のギャップを埋める工夫等が必要です。卒前教育を卒後にシームレスに移行することが理想ですが、医師国家試験がこれを阻んでいると感じます。

[まずは人的・資金的な手当が必要]

【福井大学・内木宏延 医学部長】 「postCC OSCE」について、人員、施設、経費の確保が十分担保できるかどうか不透明である。臨床実習における患者からの同意取得に当たり、医師によるインフォームドコンセントや事務手続きの負担が従来に比べ増加している。

【匿名希望・国公立大】
<現状の医学教育の問題点>
・医学部の教員は「教育」と「研究」と「臨床」の3つの役割を担っているが、評価が得にくい「教育」より脚光が浴びやすく業績となる「研究」に比重を置く教員が年々増えている。
・シミュレーション教育やTBLなどのアクティブ・ラーニングの導入については、指導できる教員の人数確保が課題である。
・「postCC OSCE」の正式実施に関して、試験室数、評価者数等、多数を必要とする課題が多く課されると、実行不能な大学が多く出てくる可能性がある。

<あるべき医学教育>
・「CBT」「OSCE」「スチューデント・ドクター制度」「postCC OSCE」などは、新しい評価の試みであり、現在の指導的立場の教員は、自身の学生の時はこれらの試験は受けていないため、指導的立場の教員に新しい評価制度を十分に理解してもらう必要がある。
・臨床研修教育を意識した卒前の医学教育が必要と考える。さらに卒前教育から卒後教育へシームレスな連携が重要と思われる。
・医学生は専門知識の修得は必須項目であるが、将来、患者や医療従事者との円滑なコミュニケーシ
ョン能力や、専門的知見を広い観点から深く理解する能力も求められるため、医学教育では教養教育に加え、医の倫理、医療統計、医療経済、医療安全などの医学・医療に特化した専門準備教育を導入する必要があると思われる。

【匿名希望・国公立大】 「OSCE」の実施を含む臨床実習における臨床系教員の負担は、10年前に比し倍増したと言っても過言ではない。これ以上の負担増は、教員の疲弊を招くだけでなく、臨床系教員の大学離れを助長しかねない。負担増を防ぐ意味で、「postCC OSCE」の実施はその運用方法・内容も含めて慎重に議論する必要がある。

【匿名希望・国公立大】 現在の医学教育の改革の方向性は妥当と考える。その上で、医学教育は決して丁稚教育ではなく、将来、医師として人間として見識に優れた、大木に育つポテンシャルを育むべきものであることを忘れてはならない。一方、国立大学法人の運営交付金削減で人材、資材の観点からも教育環境は劣化しており、求められる高度な医学教育の遂行に限界を感じる。

【匿名希望・国公立大】 制度の導入にマンパワーが追いついていないと感じる。

[学生の主体性を引き出す教育に]

【産業医科大学・東敏昭 学長】 自ら学び考える力と同時に、方法や手技を身をもって学ぶことに今後の改革がつながるか否かが課題と考える。

【匿名希望・国公立大】 学生の、自ら学ぶ態度を引き出すような教育が必要だと考える。参加型臨床実習の中で十分に学ぶためには、受動的な態度ではなく、能動的積極的に学ぶことが望まれる。そのためには、低学年からのアクティブ・ラーニングは是非とも必要であるとともに、アクティブ・ラーニングという授業を設定するよりも、学生自身のアクティブに学ぼうとする態度を養成することが必要である。受動的に参加する授業で十分に満たすには、あまりに時間が足りない現状を鑑みると、教員・学生の意識改革とともに学習法の改革が必要だと考えている。

【匿名希望・私立大学】 ほとんどの課題について対応して、新しい医学教育を実践しています。アクティブ・ラーニングが最も重要と思います。

[知識偏重は回避を](一部再掲)

【岩手医科大学・佐藤洋一 医学部長】 医学教育そのものというよりは、歯科医師や薬剤師と同様に国家試験が「競争試験」になっていることが問題です。そのため、知識偏在の受験勉強をせざるを得ません。一方ではプロフェッショナリズムが叫ばれていますが、それに応えるカリキュラムを構築する時間的余裕が無いのが実情と思います。

【広島大学 秀道広 医学部長】公共心の養成、感性の鍛錬をいかに担保するかが課題と思う。

【匿名希望・国公立大】
・医学部は「医学」を学ぶ場所であり医師養成専門学校ではない。その意味で、医学教育が知識技術習得にシフトし過ぎることなく、新しい医学・医療を開拓する人材の養成という役割も担い続ける必要がある。

【匿名希望・私立大学】 医師国家試験のあり方の抜本的な改革なしでは、真の医学教育の改善は不可能。必ず1割を落とす試験を行っている限り。

[研究者養成、医師の多様性容認も必要]

【匿名希望・国公立大】
・医師研究者の激減と我が国の医学論文発表数の減少が大きな問題となっている。その原因として、医師の研究離れや博士号の価値の相対的低下が挙げられる。医学部入学から大学院修了までの一貫した教育研究体制を整え、一定の卒業生が必ず研究に従事する仕組みが必要であると思われる。

【匿名希望・私立大学】
・明確な目標(医師像)の設定と医師の多様性の容認が必要
・医学教育の国際基準と我が国独自の手法の共存

【匿名希望・私立大学】 現在、医学教育が大きく変わりつつある段階なので、一定程度実施した段階で再検討する。



https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180809-OYT1T50019.html
原発周辺、医療機関の7割弱赤字…人件費が高騰
2018年08月11日 13時40分 読売新聞

特集 福島原発

 東京電力福島第一原発の周辺地域で、これまでに稼働を再開した医療機関24か所のうち7割弱の経営が2017年度決算で赤字だったことが8日、分かった。被災地で働く医師や看護師らの人件費が高騰して経営を圧迫しており、国が億単位の交付金を支出して赤字を補填ほてんしている。
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 医療機関の経営状況は同日、福島市で開かれた福島県主催の検討会で示された。原発事故の避難指示などが出された12市町村のうち、現在稼働している病院や診療所、歯科診療所は31か所。原発事故前の3割にあたる。

 検討会では、このうち赤字補填の対象外となる企業内診療所など7か所を除いた医療機関についてまとめた。各機関の具体的な赤字額は明らかにしていない。

 今年4月に双葉郡で唯一の2次救急病院「ふたば医療センター付属病院」(富岡町)が開設された。この影響で、双葉地方広域圏の消防本部管内の救急搬送のうち60分以上かかった割合は47・1%となり、昨年に比べ17ポイント減った。

 検討会では、さらに救急医療体制の充実を図るため、医療用ヘリの運航を10月にも開始する方針が示された。同付属病院に常駐させ、ドクターヘリより緊急性の低い搬送などを担当する。



http://blogos.com/article/316782/
地方病院の存続 もう感情だけで反対するのは無理
中村ゆきつぐ2018年08月09日 09:39 BLOGOS

各地方での医療において廃止、制限のニュースが朝日新聞から出ています。(八代市民病院、廃止へ 熊本地震で閉鎖中)(妊産婦の受け入れ中止へ 医師派遣なくなる宮崎の病院)

たまたまなのか九州2県ですが、公立病院のあり方、そして田舎の医師派遣、そして産婦人科医の細かな問題が挙げられます。そしてこれは病院単位で解決するのはもう不可能です。

それこそ厚労省は病床を減らす方向で動いています。(各都道府県の地域医療構想について)この方針がうまくいくためには前提条件として優秀なかかりつけ医が必要ですが、多分質のいいかかりつけ医の確保はまず間に合わないでしょう。また地域の交通の便も考慮する必要があります。

個人的には実臨床において高度急性期 急性期 回復期 慢性期の完全なる区別ができない(高齢者の癌治療など)ため、今回のように病院が無くなるときには、がん難民の時のように実際は大きな混乱が起きると思います。(慢性期と医師が判断しても患者たちが高度急性期の治療を望むなど)

ちなみに今回の事例、すでに反対が出てきています。(熊本の八代市立病院、入院病棟の存続求め市民が署名運動)
>「存続を求める会」は「市立病院がなくなると、終末期の患者の受け入れ先がなくなる」などと訴えている。
ただこの理由を見るとこの会は今の医療について、そしてこの統合について何も知らないでただなんとなく反対しているなとは思います。病床は無くなるわけではなく他の病院に移行するのですから。

病院廃止といえば夕張の例があります。それこそいまだに病院を潰したら健康になったは言い過ぎだと思っていますが、医療で治るものは医療で介入するけど、医療で治らないものにはケアでいくということは割り切る必要があることを自分も理解しています。(その際、今のケア目的で病院に入院している人を医療的には一過性に切らなければいけませんが)

血液内科領域の取り扱い含めて(かなり狭い分野です)ある意味厚労省がここまでわかって言っているとは正直思えません。



https://www.nikkei.com/article/DGXKZO33855910W8A800C1TCR000/
老いる患者、医療どう変わる(複眼) 武田俊彦氏/荒井正吾氏/武久洋三氏/野口晴子氏
時論・創論・複眼

2018/8/7付日本経済新聞 朝刊

 先の国会で改正医療法・医師法が成立した。医療の地域間の偏りを是正し、都道府県ごとに病院や医師の配置見直しを促す狙いだ。高齢化と人口減で医療のニーズは変わり、医療機関側の対応が急がれる。ただ、総論賛成でも自治体間や病院間の調整はなかなか進まない。厳しい財政の下、医療のミスマッチを解消し、効率化させる道は。

◇  ◇

■数量調整から役割分担へ 前厚生労働省医政局長 武田俊彦氏

たけだ・としひこ 1983年東大法卒、旧厚生省入省。7月末まで医政局長として医療提供体制の見直しを指揮。58歳

 今回の法改正は医療提供体制を適切に組み替えるのが主眼だ。団塊世代が75歳以上になる2025年をにらんで、都道府県がつくる「地域医療構想」を推進するのが柱となる。

 患者が高齢化し以前のように手術後に元の生活に戻るのでなく、術後も完治しない人は多い。リハビリが重要だ。自宅で暮らしつつ具合が悪くなれば入院する人も増える。個別疾患の治療に集中する従来の急性期病院では対応しきれない。

 従来はベッド数の規制で量を制御しようとしたが、今は機能転換に重心が移った。ただ、日本は病院の8割が民間なので強制的に機能を変えさせられない。

 高齢化の速度は地域で異なるので、全国一律ではなく都道府県主導で取り組む必要がある。国の役割は地域の医療データを整備・提供して支援することだ。

 県など自治体と病院が協議し、役割分担を進める調整会議がカギを握る。地域の病院が互いの診療実績などのデータを共有し、周辺の病院と比べた自院の競争力を認識できるようになる。中小病院が自前で全て対応するより病院が連携して役割分担する方が効率的で、医療の質も上がる。

 病院同士で実際に調整するのは難しいが、以前と異なり病院は地域の人口減で患者が減ることを現場で実感し、生き残るには変わる必要があると自覚している。複数の病院が協力しやすい地域医療連携推進法人という仕組みもつくった。

 介護との連携も重要だ。在宅系施設を整えれば、自宅で独りで暮らせなくなった高齢者も地元に住み続けることができる。療養病棟などから転換する「介護医療院」が在宅系施設として今年度から始まった。

 改革プラン策定は公立病院が率先すべきだが、事情は地域で異なる。民間病院のない地方では救急医療を担いつつ、在宅医療も手掛ける公立病院もある。一方で東京など都市部は民間の大病院が密集し、公立病院の役割と適正規模を改めて線引きする必要がある。

 医療提供体制は県単位が望ましい。だが、地域別の診療報酬は適正に診療している医師にも影響するなど副作用があるので個別に判断すべきだ。

◇  ◇

■診療報酬、地域で設定も 奈良県知事 荒井正吾氏

あらい・しょうご 1968年東大法卒、旧運輸省入省。海保庁長官、参院議員、外務大臣政務官などを経て2007年から現職
 奈良県は病院の機能分化にいち早く着手した。複数病院から受け入れを断られた妊婦が亡くなった2006年の事故がきっかけのひとつだ。

 当時、県南部は3つの公立病院に医療資源が分散し、拠点機能が曖昧だった。機能を集約した「断らない病院」を新設し、診療成績を改善。他の病院は回復期の患者や療養向けに切り替えた。拠点病院の立地や人事の調整など苦労したが、資金調達は市町村と協力して乗り越えた。

 民間病院の機能分化も課題だ。中小病院の多くが迅速な処置が必要な急性期を標榜している。なかには救急の看板を掲げるのに実際は救急の受け入れが少ない病院もある。急性期の看板にこだわるのは過去の医療政策が急性期の診療報酬を上げてきた影響が大きい。

 医療の過不足を国が診療報酬一本で調整するのは限界がある。診療報酬の変更が地域の医療にゆがみを生むこともある。関係業界の利害調整で決めれば済む話ではない。変更の結果どうなったかを地域単位で検証すべきだ。

 医療は需要も提供体制も地域差が大きく、現場の知恵が欠かせない。治療を終えた高齢患者が退院後どんなケアを受ければ幸せか。医療、介護、生活支援を一体で考え、地域実態に応じて支えるのが行政の役割だ。奈良県では山間集落が多くドクターヘリが有効だ。ヘリ発着場など町づくりから市町村と考えていく。

 医師の調整が必要な場合もある。ある地域の内科医が多過ぎても、不足地域に配置転換できない。過剰な診療で医療費が膨らめば、国民健康保険の保険料が上がり住民負担は増す。例えば食生活の改善で高血圧を防げれば健康寿命が延びて本人も幸せで結果的に医療費も抑えられる。ただ高血圧薬をどんどん処方するだけの医療機関では困る。

 医療費の伸びが想定を超えた時は地域別の診療報酬による調整も選択肢になりうる。医療機関の報酬が減ると警戒する声もあるが、逆に医療費を想定より抑制できれば地域で必要な医療投資に回せる。公的医療保険の財源は税金と保険料であり、費用対効果を考えるのも行政の責任だ。

◇  ◇

■増える「慢性期」対応に遅れ 日本慢性期医療協会会長 武久洋三氏

たけひさ・ようぞう 1966年岐阜県立医大卒。平成医療福祉グループ代表。病院や介護老人保健施設を経営。社保審委員。76歳

 日本では入院患者の過半は75歳以上で複数の慢性疾患を抱えている人が多い。総合診療医が必要だが、自分の専門以外の経験が乏しく、適切に治療できない医師は多い。2004年の新研修制度まで40年近く、自分の専門科だけ診る研修制度が続いた影響だろう。

 病院の体制は需要とズレが広がっている。患者の大半は慢性疾患を抱えているのに一般ベッドのほとんどは急性期向け。急性期の治療は約2週間で終わる。人気の病院は次の患者がすぐ入院するが、そうでない病院はベッドが空かないよう入院を続けさせる。14年まで診療報酬制度に抜け穴があり、急性期報酬を受けとりつつ入院が90日を超す患者を抱える病院もあった。日本の入院期間が海外と比べ長いのはこうした「社会的入院」があるからだ。

 高齢者に最適なリハビリや栄養管理を提供できない病院も多い。身体が弱い高齢者は入院後2週間以上ベッドに寝たままだと身体機能が衰える。手術直後からリハビリすれば改善するが、できない病院もある。

 病院が急性期を名乗りたがるのは経営のためだ。急性期の診療報酬は患者1人一日4、5万円に対し、慢性期はほぼ半分。急性期を標榜しないと外来患者が減り、看護師も集めにくい。

 だが環境変化で病院は対応を迫られている。介護保険の導入で居住系施設ベッドが120万も増えた。病院ベッドが倍になったような話だ。病院が患者を選ぶ時代から患者が病院を選ぶ時代に変わり、病院のM&A(合併・買収)が急増。入院での受け入れを止め、外来専門に切り替える病院もある。

 診療報酬で医療の効率化を目指す方向は明確になっている。急性期病院は手術実績などデータ基準を満たす必要がある。慢性期病院も患者を抱えず治療するのが役割だ。データで実力を「見える化」すれば、患者も病院を選びやすくなる。

 診療報酬には工夫の余地がある。診療行為の量で報酬を決めると、病院は自らの報酬増を優先した診療行為を選びかねない。成果報酬を導入し、実績に応じて報酬が変わる仕組みにすれば患者に最適な診療・リハビリを促すだろう。

◇  ◇

■細る現役世代、ひずみ直視を 早稲田大教授 野口晴子氏

のぐち・はるこ 1988年早大卒。ニューヨーク市立大博士課程修了。2012年より現職。専門は医療経済学。中医協公益委員。53歳

 医療体制の見直しは高齢者の需要変化に即して介護と一体で進めるべきだ。政府は医療・介護ケアの在宅シフトを進めてきたが、高齢単身世帯の急増で今後は調整が要る。住居が広域に点在する地方で各戸を訪問しケアを提供するのは難しい。一部自治体が実施したように、独り暮らしの難しい高齢者が住み替えできる集合住宅を整え、そこにケアを届ける工夫も必要だ。

 そこでは医療や介護を担う現場スタッフの連携が重要になる。一部地域では中核となる医師のリーダーシップで介護事業者と協力し患者本位のケアを提供している。だが多くの地域は医療と介護の提供者がそれぞれ縦割りのケアを続け、効率が悪い。自治体が調整力を発揮するのが望ましい。

 費用対効果の視点も欠かせない。中央社会保険医療協議会は高額な薬剤の登場を踏まえ、生活の質を維持しつつ1年延命するのに公的保険でもつべき費用の上限について国民の意識調査を検討した。人命に値段はつけられないなどの反対で実施は見送られたが、必要な視点だったと思う。

 日本は高齢者の負担を軽く設定してきたため医療や介護はタダに近いような錯覚がある。実際は高齢者本人が負担しないコストを現役世代が代わりに負担し、少子化で支え手が減るので肩代わり負担は一段と重くなる。意識調査すればこうした問題の理解が進んで、政策の選択肢は広がる。

 費用対効果も医療と介護を一体で考えることが大事だ。医療保険の生活習慣病対策は個人による運動などを軸とする。だが生涯医療費をどの程度抑えるかは分からず、むしろ高齢者の身体機能を保つ対策で介護費を抑える方が確実かもしれない。政策判断にはデータがいるが、今はデータがないので議論に入れない。

 米国では高齢者向けの公的保険メディケアが病院の診療報酬データを集め、加入者が受けた診療内容と結果、コストを分析している。個別病院の結果も提供し、地域ごとに病院の診療実績を比べられる。日本も同様にデータを分析すべきだが、政府は体制整備に及び腰だ。行政官や政治家が裁量余地を保ちたいのではないか。

◇   ◇

<アンカー>計画の効果検証 効率化への一歩

 地域医療構想の起点は2013年の社会保障制度改革国民会議報告書だった。高度医療を担う拠点病院に医師ら医療資源を集めて効率化。質の向上とコスト抑制を実現するのと並行して退院後の在宅ケアも整える。病院でなく住み慣れた地域で人生を全うする社会を目指す理念だ。だが、5年たっても動きは鈍い。

 個々の病院が調整に動かない理由は様々だ。空きベッドが増えても、「急性期の旗を降ろせば研修医が来なくなる」と話す病院長は多い。自治体病院の赤字を穴埋めしている県や市町村も再編には及び腰だ。

 厚労省は過去の医療計画でも旗を掲げ地方に指示を出したが、その達成度や効果を検証していない。政策で重要なのは掛け声ではなく何を実現したか。超高齢化が目前の今こそ、医療効率化へ国も地方も知恵を絞る時だ。

(編集委員 吉田ありさ)



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180809-00000001-kobenext-l28&pos=2
後輩の腕で「注射の練習」 消防士長を厳重注意
8/9(木) 5:55配信 神戸新聞NEXT

 兵庫県明石市消防局に勤務する30代の男性消防士長が3月中旬、後輩の消防士を点滴の「練習台」として注射針を2回、腕に刺していたことが、同局への取材で分かった。傷害罪に当たる可能性があり、報告を受けた上司が口頭で厳重注意した。

 消防士長は、医師の指示を受けた上で注射や点滴などの医療行為ができる救急救命士を目指し、4月に養成学校への入学を控えていた。

 同局によると、消防士長は当直勤務中の仮眠室で、20代の男性消防士に練習台になることを依頼し、同意を得たという。救急用資材の点滴針を使っており、消防士にけがはなかった。消防士長は「二度とやりません」と謝罪した。

 救急救命士法に基づく資格があったとしても、医師の許可なく注射をするのは違法という。山本徹消防局長は、神戸新聞社の取材に対し「同意があったとしても傷害罪に当たる可能性があり、不適切だ。指導を徹底する」と話した。(藤井伸哉)



https://www.m3.com/news/general/620505?portalId=mailmag&mmp=RA180811&mc.l=314539998&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
特定機能病院:「診療縮小」4分の1、実施・検討 医師の過労対策
その他 2018年8月3日 (金)配信毎日新聞社

 高度医療を提供する大学病院など全国の特定機能病院のうち、少なくとも4分の1に当たる21病院が診療体制や患者サービスを縮小するか、縮小を検討していることが、毎日新聞のアンケートで明らかになった。国が進める働き方改革に伴い、医師の長時間労働を是正するためとみられる。ただ、診療制限は患者サービスに直結するだけに、是正に踏み切れない実態も浮かんだ。

 特定機能病院は通常の病院に比べ勤務医などが多く、医療提供体制が充実している。そこで政府の働き方改革の影響を調べるため、毎日新聞は6月に全国85の特定機能病院にアンケートし、55病院が回答した(回答率65%)。

 政府が一般労働者の残業規制を盛り込んだ「働き方改革実行計画」をまとめるなど働き方改革が広がった昨年4月以降の取り組みを尋ねたところ、診療体制を縮小していたのは5病院だった。杏林大病院(東京都三鷹市)は、泌尿器科など一部診療科で深夜帯の軽症患者の受け入れを中止。東京医科大病院(東京都新宿区)は全診療科の当直体制を縮小し、千葉大病院(千葉市)も救急診療は緊急性が高い場合に限るとホームページで公表している。

 また、信州大病院(長野県松本市)は患者家族への病状の説明を原則、平日の勤務時間内に制限。土日や夜間は主治医に代わり、入院患者らの診療に当番の医師が当たることを原則化した。西日本のある大学病院も非公表を条件に「病状説明は平日時間内にするのを原則としている」と答えた。

 さらに、16病院が診療体制などについて「縮小予定」「縮小を含めて検討している」と回答した。具体的には「救急診療は症状が重く、緊急性の高い場合のみ対応する」「休日や夜間の診療は当直医が対応する」ことを検討しているという。

 先の通常国会で成立した働き方改革関連法は、一般労働者の残業時間の上限を「2~6カ月の平均で月80時間」などと定めた。医師にもこの規定を当てはめた場合、「現在の診療体制を維持できない」と答えたのは14病院に上り、望ましい上限を一般労働者の倍近い「150時間」とした病院もあった。【熊谷豪】



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3393776008082018CC0000/
西日本豪雨 社会
地域医療に打撃、3県97施設が土砂浸水被害 復旧遠く

2018/8/8 8:42日本経済新聞 電子版

 西日本豪雨は地域医療に大きな打撃を与えた。岡山、広島、愛媛の3県で土砂や浸水被害に遭った医療機関は97施設(7日時点)に上る。大規模な建物の補修や高価な医療機器の買い替えが必要なケースもあり、診療体制の完全復旧にはなお時間がかかる見通しだ。医療機関同士の協力体制も含めた地域全体での水害対策が欠かせない。

 豪雨で川の堤防が決壊し、多数の死者が出た岡山県倉敷市真備町地区では大半の医療機関が浸水した。

 「医療機器を上層階に移すなど事前に打つべき手があったかもしれない」。同地区の唯一の総合病院「まび記念病院」の事務担当者はこう振り返る。同病院は現在、施設内にあるプレハブの建物で外来診療などを続ける。

 同病院は数千万円のコンピューター断層撮影装置(CT)などが水没し、被災前の診療機能には戻っていない。入院患者は岡山市などの病院に移ってもらった。事務担当者は「復旧に向けて力を尽くしているが、見通しが立たない」と肩を落とす。

 広島県三原市の本郷中央病院は1階の天井付近まで浸水し、カルテや医療機器が水没した。建物の片付けを終え、豪雨から1カ月が過ぎた6日に浸水を免れた2階で外来診察を再開した。ただ内容は薬の処方や点滴、簡単な診察にとどまる。建物は大規模な補修が必要で、当面は応急的なものにとどめる。

 同病院の担当者は「火災や地震の対応は想定していたが、水害への備えの意識は正直なかった。被災前の体制に戻るには時間がかかるだろう」と話す。

 3県で土砂や浸水被害に遭った医療機関を県別にみると、岡山33施設、広島35施設、愛媛29施設。一部の医療機関は休診中だ。

 過去にも医療機関が水害に見舞われたケースがあった。2015年の関東・東北豪雨でも被害が続出し、茨城県内では13施設に被害が及んだ。内閣府の検証報告書によると、災害時の事業継続計画を事前に定めておくことや施設自体の浸水対策を積極的に行う必要があると指摘した。

 ただその教訓が全国的に浸透しているとは言いがたい。医療機関の災害対策に詳しい日本大の後藤浩教授(河川工学)は「医療機関は地震を想定した対策は取っているが、水害への対策意識は十分と言えない」と指摘。「近年の豪雨の増加を踏まえ、重要な医療機器や電源は水が届かない上層階に設置するなど積極的な対応を取るべきだ」と訴える。

 厚生労働省によると、地域の診療所なども含めると、西日本豪雨による詳細な被災の全容はわかっていない。同省は自治体に対して、医療機関の被害に関する詳細な実態調査を指示。調査をもとに復旧に向けた補助金の交付手続きを進める。同省は「再建には多額の費用がかかる。損害の実態を把握し、早期の支援の実行に移したい」としている。




  1. 2018/08/12(日) 12:13:48|
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