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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月8日 

http://www.saga-s.co.jp/articles/-/239918
好生館、救急医不足で急患受け入れ一部制限
休日前夜間5症例で

7/5 9:00 佐賀新聞

 佐賀県医療センター好生館は、救急医不足のため、4月から救急患者の受け入れを一部制限している。専門医のいる循環器や脳血管、外傷の患者は24時間態勢で受け入れているが、心肺停止や急性薬物中毒など5症例に関して一部平日の夜間で受け入れが難しい。兒玉謙次館長は「一日でも早く通常の救急医療体制に戻すため、救急医を緊急募集している」と話している。

 救急医不在の時間帯は金・土曜日と祝日前日の各夜間(午後5時15分~午前8時半)。いずれも日中の救急医の勤務体制維持のため。心肺停止や急性薬物中毒のほか、「重症多発外傷」「環境障害(熱中症・低体温症)」「溺水」の患者受け入れが難しい。

 好生館によると、常勤の救急医は4年前には10人ほど勤務していたが、今年3月末で6人にまで減少。うち1人は子育て中の女性医師で、夜間勤務は実質、5人で担っている。兒玉館長は「全国的に医師が不足している。救急医となると県内の他の病院でも補充がままならない」と厳しい状況を説明。夜間の救急医は外科、内科から1人ずつ配置している状態で、医師の疲弊が目立つようになった。

 また医師や看護師らへの時間外手当て未払い問題により、全面的な勤務体制の見直しも迫られた。救急医の場合、休日を確保するため、(休日)前日の勤務体制を時間内だけに制限せざるを得なくなったという。

 患者受け入れの一部制限について兒玉館長は「4月スタートまでに佐賀大医学部附属病院と話し合い、(制限時の患者受け入れについて)理解してもらった」と話した。また県に説明しており、現在のところ目立った混乱はないという。ただ、4月以降、好生館への月当たりの搬送数は前年比2割減となった。

 兒玉院長は「できるだけ早期に救急医を少なくとも10人にそろえたい」と述べ、近隣の大学医学部を中心に募集をかけているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/610090
シリーズ 大学医学部「地域枠」の今
大学の大半は「地域枠」の存続希望 - 小林誠一郎・AJMC委員会委員長に聞く◆Vol.2
実効性を高めるカギは「卒前・卒後の支援体制の強化」

インタビュー 2018年7月7日 (土)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――奨学金を支給する地域枠の卒業生の「辞退率」は、地域枠制度発足以前の都道府県医師養成奨学金の卒業生よりも低いという結果です。


 卒後年数が経過するにしたがい、「辞退率」が増加する可能性もあり、義務年限を終えた時点でないと、最終的な結果は言えませんが、「辞退率」は都道府県医師養成奨学金の卒業生と比べて改善傾向にあると言えます。その理由として、主に二つが考えられます。一つは、地域医療に関する教育や啓発活動などの卒前の支援体制の拡充、もう一つは卒後のキャリア形成などに対する支援です。これらは地域枠を今後、より実効性のあるものにする施策とも言えます。

 本研究の3カ年の調査からも、各大学が地域枠の学生を対象とした交流会やセミナーの開催、キャリアパスの提示、相談窓口の設置、特別教育プログラムの提供、メンター制度などの卒前の支援体制を充実させていることが示されました。その大きな原動力となっているのは、各大学に設置されている地域医療学講座などです。同講座は、地域枠の学生と密接な関係を持ち、地域枠の学生のさまざまな支援に取り組んでいます。各大学、特に地方の大学は地域枠に期待するところが大きいので、「一人の脱落者も出したくはない」と本当に熱心に取り組まれています。

 また、奨学金支給枠の義務履行年限は9年程度のケースが多いのですが、この時期は専門医取得や学位取得など、医師として重要なキャリアを形成する時期に相当します。義務履行とキャリア形成をいかにすり合わせるかが重要であり、地域医療支援センターなどの役割がカギとなります。以前は都道府県医師養成奨学金の卒業生の配置は、都道府県が主体となって決めていたのが各地域の実情ではなかったかと思います。2008年度以降の地域枠の設置に伴い、地域医療支援センターなどが、地元の自治体、大学、医師会、病院なども交えて、医師の需要と供給のバランスに加えて、卒後のキャリア形成も十分に加味して、地域枠の卒業生の研修場所配置を検討調整するようになっています。その成果が、「辞退率」の低下に表われていると思います。

――2020年度からの初期臨床研修の見直しでは、「地域枠等の一部のマッチングを分けて実施」する方針です(『2020年度からの初期研修の見直し案を了承、7科必修化へ』を参照)。

 今はマッチングに参加する際に、地域枠であるか否かを記載する欄があります。地域枠の卒業生を受け入れる側が、その点を考慮するか否かにもよりますが、地域枠の実効性を高めるための外形的なアシストにはなるでしょう。また、マッチングは全国規模で実施するものであり、「地域枠の学生を先に行う」という例外を作ることに反対意見がないわけでもありませんが、初期臨床研修のカリキュラムは病院により大きな差はないので、さほど問題にならないと思います。

 問題になるのは、専門研修です。キャリア形成と義務履行をいかに調整していくかが重要です。最近は地域枠の卒業生については、専門医取得の便宜を図ったり、義務履行期間中に猶予期間を設けるなど、制度的にもかなり柔軟に対応するようになっていると思います。

――厚生労働省では2022年度以降の医学部定員について、減らす方向で議論を進めています(『医師需給の「第3次中間取りまとめ」、了承』を参照)。今回の調査で「地域枠を減らしたい」という意見はあったのでしょうか。先生は今後どうあるべきだとお考えですか。

 地域枠を導入している68大学のうち、「奨学金支給編入学枠」がある6校中、2校は「廃止したい」と回答しました。それ以外は、「奨学金支給枠」がある64校のうち50校は「このまま存続させたい」と回答するなど、定員の問題はあるにせよ、継続を希望する意向が大半です。私の個人的な見解ですが、2008年度の地域枠入学生でもまだ卒後4年目のため、「効果を感じつつある」ところまでは行っていないかもしれませんが、「このまま地域枠を続ければ、地域の医師不足が解消してくる」という実感を持てるようになったのでは、と思っています。
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(出典:地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告)

 また今後の「地域枠」の扱いですが、「地域枠は残し、その代わりに一般枠を減らす」、あるいは「地域枠を全て廃止し、一般枠は維持する」という両方の意見があり得るでしょう。前者の場合、アドミッション・ポリシーに基づく各大学の独自教育、研究、高度医療の提供という部分ミッションが損なわれていくるのでは、との懸念があります。一方、後者の場合、医師不足への影響が心配されます。各都道府県の実情によりますが、医師不足の程度に応じて「地域枠」をある程度残しておく必要があると考えています。

 つまり、2022年度以降、どのくらいの「地域枠」が必要かは、大変難解な課題ですが、診療科の問題も含め「必要医師数」をいかに定義するかで決まるでしょう。義務履行の終了後、どのくらいの医師がその地域に残るのかも加味しながら、「必要医師数」を基に、各都道府県の医師需給を推計し、「地域枠」の在り方を検討していくことが求められます。われわれ大学の立場としても、義務年限を終えた後の地域定着を見るためにも、今後10年、15年は今回のような調査を継続して、その結果、浮かび上がった問題点を抽出して、対応していくことが必要だと考えています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/613007
シリーズ Dr.木川の「川越救急クリニックから見えた医療の現実」
医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問
調査「全国的に見て、医師不足とは?」

オピニオン 2018年7月3日 (火)配信木川英(川越救急クリニック副院長)

 前回のコラム(『救急クリニックからみた川越、そして埼玉の医療』を参照)、読んでくださってありがとうございます。ご意見もたくさんいただき、刺激になります。そんな中で、何件か質問もございましたので、まずはお答えしたいと思います。

『コンビニ受診の件』
 回答してくだった先生もいらっしゃいますので、少し補足いたしますと、10年前くらいから3次医療機関(埼玉医大総合医療センター)に、1次患者が殺到して、高度救命救急センターとしての本来の業務が難しく なりました。規模を縮小せざるを得なくなり、病院全体として疲弊したことが救急クリニック設立した経緯です。

 救急クリニックがあろうがなかろうが、コンビニ受診は患者側の要因ですので、医療関係者や医療機関が何を言っても、結局どこかにしわ寄せが来ます。それならば、その「隙間」を突いて診療していくというのが、当院の目指すところです。当院は、午後4時から10時までを外来診療時間にしておりますので、時間外算定はもちろんしていません。

 ちなみに、隣の川越QQ接骨院は、以前当院に勤務していた柔道整復師が開業した接骨院です。巷にあふれる適当なマッサージ屋さんではなく、昔ながらの伝統の職人芸であります骨接ぎをしており、院長共々、彼を信用して整形外科的な患者さんをお願いしています。

『当院の信念について』
 他の先生が診療をやっていない時間に営業しており、毎日夜勤みたいなものですが、いい意味で楽しくやっています。やりたくないことをやっているわけではないので、そこが大事かな、と思っております。拘束時間は長いかも知れませんが、全ての時間で診療している訳でもありませんし、こうして記事を書く時間もありますし、オリンピックやサッカーワールドカップも観れます(笑)。

 医師の数だけ、考えがあるのも承知しておりますし、当院の理念を押し付けようなんておこがましいことは全く考えておりません。当院は当院でできることを粛々としているだけです。

 給料のことにコメントして下さった先生方もいらっしゃいますが、そもそも儲かっていませんので、そんなに払えないというのが実情です(涙)。それこそ、お金ではなく、高尚な信念がある先生方のご応募をお待ちしております。

 医師会に入れないのは、医師会の偉い方々の反対に遭っているようですが、政治的なことは分かりません。医師会に属さなくても、独自にやっていますので、あまり困っていません。まあ、彼らからすると目の上のたん瘤状態かも知れませんが。

『私自身のこと』
 青森県に医師が余っている訳ではありませんが、私の専門であります救急の分野に関しましては、八戸市立市民病院の偉大なる今明秀院長のご尽力で相当整備されました。その教え子として、何かできることを模索している途中で、川越救急クリニックの上原院長と出会いました。私を必要としてくれたこと、救急クリニック開業という奇抜な発想、革命を起こそうとする行動力に共感して、今があります。

 そこで、ようやく今回のテーマなのですが(苦笑)、先日、以下の記事がありました。

 
医学部定員、「2022年度以降、減員に向けた議論が必要」-第3次中間取りまとめ案を了承、「週60時間勤務に制限」が前提
記事の概要:性年齢階級別の詳細なデータを用いて仕事量を算出することで、医師の労働時間として3つのケースを仮定し、需給推計を算出している。週60時間を超す医師の勤務時間を、週60時間以内に制限する場合、医学部定員が2018年度の9419人のまま推移すれば、2028年頃には約35万人で医師需給が均衡し、2040年には医師供給が約3.5万人過剰となる。

 この問題が議論される時にいつも疑問に思っているのですが、医師の人数自体が増えることが問題になるのだろうか、ということです。いまだかつて、医師が増えて問題になったことはあるのでしょうか、という疑問です。現状でこんなにも「医師不足」が叫ばれているのに…。供給が過剰になってから議論すれば良いのではと個人的には思ってしまいます。

そこで、読者の皆様に何点かお聞きしたことがあります。

1.医師の数不足もそうですが、実力や技術不足、やる気不足という観点を踏まえて「医師不足」の実感や情報はございますでしょうか。結局、仕事ができる人間が全てを請け負ってしまい、過重労働になっている気がします。

2.診療科目的にはいかがでしょうか。人員過剰な科目はあるのでしょうか。少なくとも、救急医が余っている事案は聞いたことがありません。病院数が多すぎるのが問題なのでしょうか。集約をするといいのでしょうか。

3.時間帯での医師不足みたいな情報はございますか。この時間は医師不足だ、みたいな。昼間はある程度充足しているが、夕方以降になると圧倒的にどの科目も足りなくて困っているなど。

4.医師の偏在が問題だという指摘もありますが、実際はいかがでしょうか。現状では、偏在どころか、あふれている地域があるのかどうかも不透明です。臨床研修制度が始まってからこういう議論が出てきたという意見も見たりしますが、これも実際はどうなのでしょうか。


http://www.mutusinpou.co.jp/news/2018/07/51816.html
県内自治体病院の常勤医減少
2018/7/7 土曜日 陸奥日報

 県内22自治体病院の常勤医数(5月1日現在)は前年同期より20人減の504人となり、2年連続で減少したことが6日、県自治体病院開設者協議会のまとめで分かった。病院側が施設運営上必要と考える常勤医740人に対する充足率は68・1%で前年同期比2・4ポイントの減。県内の医師不足がより深刻化した。



https://www.toonippo.co.jp/articles/-/51960
青森県内22自治体病院、常勤医が前年度比20人減
2018年7月7日 東奥日報

 青森県内22自治体病院の常勤医数(5月1日現在)は504人(研修医113人含む)で、前年度より20人減ったことが6日、県国民健康保険団体連合会(県国保連)のまとめで分かった。常勤医の減少は2年連続で、市部を中心に計9病院で減った。全体の充足率は前年度を2.4ポイント下回る68.1%だった。
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https://style.nikkei.com/article/DGXKZO32415730Z20C18A6TCC000?channel=DF130120166089
新設医学部、時代に寄り添う 海外実習・奨学金手厚く
2018/7/2付 日本経済新聞 朝刊

 2016年、17年に2つの大学が相次いで新たに医学部を開設した。国は長年、医学部の新設を認めてこなかったが、11年の東日本大震災からの復興をめざし東北医科薬科大の新設を認めた。国際医療福祉大は国際的に活躍できる人材を育成する使命を負う。特色的な2つの医学部は日本の未来を変える起爆剤になるのか――。

 「自然と積極的に英語を話せるようになった」。17年に国際医療福祉大の医学部1期生として入学した長谷川聖さん(32)は英語は苦手だったというが、同大学は1年生の後期から2年生までほぼ全ての授業が英語。6年次は4週間以上の海外での臨床実習が義務付けられ、約30の国・地域の提携施設で経験を積む。

 「グローバルで活躍する医療人材」の育成をめざす同大学は英語での授業だけでなく、医学部の定員140人のうち、毎年20人を留学生枠として受け入れている。

 その一人、ベトナム出身で1期生のダン・タン・フイさん(21)はホーチミン市医科薬科大からの特待生として来日した。「語学に戸惑いもあった」というが、「日本の高度な技術を学び、患者に寄り添える医師になりたい」と意気込む。

■詰め込み避ける

 新設大学だからこそ、医療の学び方も大幅に変えた。国内の医学部の多くはまず一般教養を学び、次に基礎医学、そして患者に接する臨床実習の順で学ぶ。一方、同大学では最初から基礎医学と臨床の統合型講義で早期から臨床の視点を取り入れている。

 「今までのカリキュラムだと、ただテストのために知識を詰め込みがちだった」という吉田素文医学科長。「実際の患者の症状と、自分が学ぶ知識の関連性が最初から分かれば、学生は当事者意識をもって学べる」と狙いを話す。


国際医療福祉大ではシミュレーションセンターを活用した授業を行っている
 医学部の拠点となる成田キャンパス(千葉県成田市)には約5300平方メートルのシミュレーションセンターがあり、診察室や手術室、病室などを再現。大学内でシミュレーションを繰り返し、医療現場での臨床実習もスムーズに取り組める。

 同大学の医学教育統括センター長、赤津晴子教授は「21世紀型の医療教育を行う点も特徴」と強調。「医療現場では、チームでの連携がますます重要になる。現場に出る前に失敗を繰り返して学び、優秀なチームプレーヤーとして巣立ってほしい」と期待を寄せる。

 仙台駅から電車で約15分の仙台市宮城野区に真新しい建物が現れた。東北医科薬科大の3年生以上が過ごす福室キャンパスだ。16年に入学した1期生は3年生として眼下には穏やかな七北田川が広がる教室で医療を学んでいる。

■手厚い奨学金

 11年3月11日、東日本大震災で東北地方は大きな被害を受けた。廃業に追い込まれる医師もおり、東北地方の医師不足は拍車がかかる中、医学部新設の機運が高まり、政府は復興へ向けた特例として東北医薬大の医学部新設を承認した。

 そのため同大学は医師免許取得後も東北地方で働いてもらう取り組みを取り入れている。

 その一つが手厚い奨学金制度だ。1学年の定員100人のうち半数を超える55人を対象とし、6年間で3千万円程度を免除する。自己負担額は約400万円となり、国立大とほぼ同水準となるが、医師免許取得後、8~10年間は東北地方で勤務することが条件だ。

 私立大の医学部だと学費は高額だが、「幼い頃からへき地で働く医師に憧れていた」という3年生の中谷拓郎さん(22)が「奨学金制度が手厚く、金銭面の不安を取り除いてくれた」と同大学への入学動機を語る。

 このほか同大学は「地域医療ネットワーク」を構築。同ネットワークに属する東北地方の病院の協力を得て、入学初期から滞在型の実習などを行う。医学部生の6年間を通して同じ病院を訪問し、関連施設などでも実習を重ね、学生時代から地域医療に身近に接し、理解を深めてもらう。

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 災害医療の教育にも力を入れる。例えば1年次には被災地を訪れて震災後の現状を実際に感じる機会を設けた。3年生の島田佳林さん(22)は「初めて被災地を見て、ショックを受けたと同時に、現状を何とかしなければという問題意識を抱いた」と振り返る。

 同大学の福田寛医学部長は「東北の医療現場の問題点は震災が起きた7年前から変わっていない。復興に向けて人々が安心して暮らせるためには医師が不可欠。東北に定着する医師を育てていきたい」と地域の未来を支える医師の卵の育成に力を入れる。

◇  ◇  ◇

■揺れ続ける国の施策 人手不足や偏在顕著に

 医師数を増やすか、減らすか。政府の医師養成方針は戦後から今に至るまで模索が続く。40年近く凍結してきた医学部新設を相次いで認めた背景には、医師の高齢化による人手不足や都市部に医師が集中する偏在化の課題がある。

 高度経済成長期には、国民皆保険制度や年金増額で医療機関の利用者が増えた。73年には各都道府県に1つ以上の医学部を設けるよう促す「1県1医大構想」を閣議決定し、全国各地で新学部を次々と新設し、定員を大幅に増やした。

 「将来的に医師が過剰になる」との日本医師会などの声を受け、国が削減策へとかじを切ったのは82年。2003年には文部科学省が医学部の新設を禁止する告示を出した。

 2000年代に入り、医療現場から医師不足や地域医療の崩壊が指摘され、08年度から医学部の定員を増やす政策に転じた。ただ今回のような医学部新設について、文部科学省の担当者は「あくまで特例であり、凍結状態は変わらない」という。

(鬼頭めぐみ、松浦奈美)



https://www.sankei.com/economy/news/180702/prl1807020431-n1.html
7割の医師が「医師の働き方改革」は必要と回答。一方、8割の医師が“期待していない”
2018.7.2 16:52産経新聞

 株式会社エムステージ
「医師の働き方改革」への医師の本音を調査

 医師人材総合サービスを手掛け、「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を運営する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役社長:杉田 雄二)は、会員医師を対象に「医師の働き方改革」に関するアンケート調査を実施しました。

 ■ポイント

 医師の働き方改革は「非常に必要」「必要ではある」と回答した医師は72%。
一方、医師の働き方改革による労働環境への良い影響を「それほど期待していない」「全く期待していない」「内容を知らないので分からない」と回答した医師は79%。
現状の働き方には課題があるという認識がありながらも、現在検討中の「医師の働き方改革」には期待できないという考えが浮き彫りとなった。
残業については、「残業せずに帰宅したい」という否定的な意見が81%に及んだ。
政府が検討中の医師の残業上限規制への意見は、「特に困ることはない」が61%、「十分な診療ができなくなる」と回答した医師が39%であった。

 ■調査の背景
働き方改革関連法案に含まれる時間外労働の上限規制について、医師は「応召義務」などの特殊性から5年の適応猶予がもたれました。現在「医師の働き方改革に関する検討会」にて、規制の具体的な在り方や労働時間の短縮策を検討しています。そこで、株式会社エムステージでは「Dr.なび」の会員医師に対して、「医師の働き方改革」への意見と労働環境の現状についてアンケート調査を実施しました。

 ■調査結果
<1>「医師の働き方改革に関する検討会」自体を知らない医師が3割。
Q.厚生労働省が行っている「医師の働き方改革に関する検討会」をご存じですか?
[画像1: https://prtimes.jp/i/19504/24/resize/d19504-24-655049-0.jpg ]

 <2>医師の働き方改革は必要だと考える医師は7割超。一方で、医師の働き方改革に期待している医師は2割のみ。現状の働き方には課題があるという認識がありながらも、現在検討中の「医師の働き方改革」には期待できないという考えが浮き彫りに。
Q.「医師の働き方改革」は、日本の医療現場に必要だと思いますか?
[画像2: https://prtimes.jp/i/19504/24/resize/d19504-24-895669-1.jpg ]

 Q. 「医師の働き方改革」によって、現在のご勤務先の労働環境に良い影響があることを期待していますか?
[画像3: https://prtimes.jp/i/19504/24/resize/d19504-24-853582-2.jpg ]

 Q.上記問いの期待できるまたは期待できない点とその理由について、具体的にご記入ください。※自由記入
■「とても期待している」「まあ期待している」の回答者
・1人常勤のため、電話や夜間のコンサルもすでに減って来ている。以前のような理不尽な連絡も減った。

 ■「それほど期待していない」「全く期待していない」の回答者
・他職種のようにしっかり勤務時間を拘束する(他病院でも働けないなど)と、総医師数が不足すると思われる。
・休暇を取った際、業務を代理する医師数が増えるとも思われないので。
・患者さんの病状はコントロール出来ない。現場に立つ限り、仕事が忙しいとか、きついとか言える職業では無いと思います。
・病院、科ごとに異なるわけでお役所がつくった一律な基準を当てはめるのは困難。
・時間外労働が正当に評価されない可能性を懸念している。

 <3>8割を超える医師が、残業せずに帰宅したいと希望している。しかし、患者の状況などで難しい現実がある。
Q. 残業についてのご自身の考え方で、最も近いものはどれですか?
[画像4: https://prtimes.jp/i/19504/24/resize/d19504-24-503210-3.jpg ]

 <4>時間外労働の上限規制には賛否が分かれる。十分な診療ができず、医療ニーズを満たせなくなると考える医師も4分の1いる。
Q.5年後をめどに、医師の残業上限規制が適用される予定ですが、その際に困ると想定されることはありますか?
[画像5: https://prtimes.jp/i/19504/24/resize/d19504-24-514783-4.jpg ]

 ■株式会社エムステージの「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」について

 「Dr.転職なび」:https://tenshoku.doctor-navi.jp/
 「Dr.アルなび」:https://arbeit.doctor-navi.jp/

 株式会社エムステージが運営する医師向け転職求人サイト、アルバイト求人サイト。会員医師数22,000人(2018年6月現在)。多様な働き方を推進し、医師の不足・過重労働などの課題解決を目指しています。日本全国の専任担当者が「医師が本当に欲しい情報」にこだわり、詳細な求人情報を収集。質の高い情報を提供することで、医師の求職を支援します。「Dr.アルなび」では、マイページ内で応募から勤務まで完結する独自システムを提供し、年間2万件のマッチングが成立しています。

 ■調査概要
「医師の働き方改革」に関するアンケート
集計期間:2018年5月23日(水)~2018年6月19日(火)
有効回答数:101名
調査対象:「Dr.なび」会員医師
調査方法:インターネット調査(会員医師へのメールマガジンにより回答フォームを送信)

 ※引用・転載時のお願い
本調査結果の引用・転載時には、「株式会社エムステージ」若しくは「Dr.なび」と弊社クレジットを明記ください。

 ■会社概要
商号 : 株式会社エムステージ
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
事業内容:
医師人材総合サービス事業(厚生労働大臣許可13-ュ-010928)
医療機関の経営支援事業
企業向け産業医サポート事業
企業向けヘルスケアマーケティング事業
メディア運営
設立 : 2003年5月9日
資本金 : 6,250万円
所在地 : 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower5階
URL : https://www.mstage-corp.jp/



https://mainichi.jp/articles/20180704/ddm/016/040/029000c
病床再編目指す 「削減前提」反発強く 対応決めた医療機関1%未満
毎日新聞2018年7月4日 東京朝刊

 病院ごとの役割を明確化し、全体で病床数を減らす「地域医療構想」がなかなか進まない。政府は、医療費などの社会保障費が膨らみ、医療従事者の人手不足も懸念される2025年を医療の効率化で乗り切ろうとするが、「削減ありき」のため地域の反発も大きい。【酒井雅浩】

25年の必要数推計
 「公立病院ですら地域の実情や政治に左右され、病床の再編は容易でない。将来の推計で余るからといって、民間病院に病床数削減の要請なんてできるのか」。ある自治体の担当者はため息をつく。

 地域医療構想は、都道府県が高齢化率や患者の傾向を踏まえ、25年の医療需要や病床数を推計、その上で、複数の市町村からなる2次医療圏ごとに16年度中に策定した。だが、構想に基づいた病床数の削減など対応が決まっている医療機関は17年度末現在、全国1万4000カ所のうち117カ所で、1%にも満たない。



https://answers.ten-navi.com/pharmanews/14438/


地域医療への貢献 医師に評価された製薬会社は?求められるのは「連携支援」
2018/07/02 Answers News

地域医療に貢献していると思う製薬企業は?インテージグループでヘルスケア領域の市場調査を手がけるアンテリオが全国の医師1万6000人を対象にこんな調査を行いました。トップとなったのは武田薬品工業で、上位10社中8社が日本企業という結果に。製薬企業に期待する取り組みとしては、多くの医師が「地域連携支援」を挙げました。

地域貢献 評価トップは武田薬品 上位10社中8社が内資系
「地域の情報提供」「施設越えた勉強会」に期待
地域にフォーカス 企業側も体制整備

地域貢献 評価トップは武田薬品 上位10社中8社が内資系
アンテリオは6月27日、全国の医師に「地域医療に貢献していると思う製薬企業」を尋ねたWebアンケートの結果を発表しました。調査は今年2月に行われ、27診療科の医師1万6012人(病院勤務医1万2264人、開業医3748人)が回答しました。

調査の結果、最も多くの医師が地域医療に貢献していると思うと答えたのは武田薬品工業。2位は第一三共、3位は大塚製薬でした。上位10社のうち8社を内資系企業が占め、外資系からはファイザー(5位)とMSD(9位)がランクインしました。

アンテリオは「国内での長い活動、生活習慣病や認知症といった国の重点疾患に対する医薬品開発、市民に向けた啓発活動など、実際の医療現場での具体的な取り組みが総合的に評価された結果ではないか」と分析しています。

医師が評価する「地域医療に貢献している製薬会社」ランキング表。
  1位:武田薬品工業。
  2位:第一三共。
  3位:大塚製薬。
  4位:アステラス製薬。
  5位:ファイザー。
  6位:エーザイ。
  7位:田辺三菱製薬。
  8位:小野薬品工業。
  9位:MSD。
  10位:塩野義製薬。

広がる自治体との連携協定
トップとなった武田薬品は今年4月、国内の営業体制を再編し、全国13支店の下にある営業所を細分化して88から154に倍増。MRに医療経営士の資格取得を促しているほか、今年に入ってからは、地域包括ケアシステムの推進に向けて北海道旭川市、広島市、滋賀県と相次いで連携協定を結びました。

2位の第一三共や6位のエーザイも、認知症患者を支えるまちづくりに向けて自治体と連携協定を締結。3位の大塚製薬も今年3月時点で45都道府県と生活習慣病予防などを目指した連携協定を結んでいます。

「地域の情報提供」「施設越えた勉強会」に期待
同じアンケートで「地域医療について製薬企業に期待すること」(複数回答)を尋ねたところ、最も多くの医師が挙げたのが「医療従事者に向けた勉強会の実施」(39.4%)。次いで「地域における他施設の動向に関する情報提供」(34.8%)が多く、「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」(34.5%)、「地域における患者の特徴に関する情報提供」(30.2%)と続きました。地域の動向に関する情報提供や、医療従事者間の連携を促す取り組みに対するニーズが高いことがうかがえます。

大学病院・大学病院以外の病院・医院が回答した、「地域医療に関して製薬会社に期待すること(複数回答)」の棒グラフ。全体の1位:39.4パーセント、医療従事者に向けた勉強会の実施。2位:34.8パーセント、地域における他施設の動向に関する情報提供。3位:34.5パーセント、医師会や他施設とタイアップした研究会の実施。4位:30.2パーセント、地域における患者の特徴に関する情報提供。5位:25.4パーセント、疾患領域における幅広い情報共有。
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ただ、施設形態ごとに細かく見ていくと、それぞれ違ったニーズを持っていることが分かります。

それぞれ特徴的なところを挙げてみると、大学病院では「地域における患者の特徴に関する情報提供」を、大学病院以外の病院では「地域における他施設の動向に関する情報提供」を、診療所では「疾患領域における幅広い情報提供」を求める傾向にあります。病床の機能分化で施設の役割の見直しが急務となっている病院では他施設の動向に関心が高く、かかりつけ医機能を中心的に担う診療所では幅広い疾患に関する情報を求めていることがうかがえます。

地域にフォーカス 企業側も体制整備
国は団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、住み慣れた地域で医療・介護・予防・住居・生活支援などのサービスを包括的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を目指しています。2016年度には、これを実現するために必要となる病床数などを盛り込んだ「地域医療構想」を都道府県が策定。今後、構想をもとに全国各地で地域医療提供体制の再編が進むことになります。

製薬企業側でもこれに対応するため、組織体制の整備が進んでいます。

エーザイは16年4月、営業の最前線を担う「地域統括部」をそれまでの35から70に倍増させ、上位組織として8つの「地域連携推進本部」を設置。中外製薬も17年4月、それまで11支店だった体制を、都道府県単位の活動を基本とする36支店に細分化し、武田薬品も18年4月に営業所を倍増する組織再編を行いました。営業部門とは別に、地域連携をサポートする組織を立ち上げる企業も少なくありません。

地域医療をめぐる環境が大きく変化し、地域の実情にあったきめ細やかな対応が求められる中、製薬企業も新たな価値の提案を模索しています。



http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180701000058
地域包括ケア、「垣根」どう克服 京都で全国大会、事例報告
【 2018年07月01日 17時30分 】京都新聞

 高齢者が住み慣れた地域で療養生活を送ってもらう「地域包括ケア」推進へ、医療や介護、福祉の多職種連携を考えようと、医師と歯科医師、薬剤師でつくる「全国在宅医療医歯薬連合会」が5月下旬、京都市左京区の国立京都国際会館で全国大会を開いた。介護職や栄養士らも参加した大会では、京滋の医師が、全国有数の医療密集地と医療機関が一つしかない過疎地という対照的な事例を紹介しながら、在宅医療の現状や地域包括ケアの事例を紹介した。

■医療密集地では

 京都市は人口10万人あたりの医師数が政令指定都市トップ(2016年厚生労働省調査)で、下京西部医師会の下京区、南区エリアは15病院、126診療所が集まる。藤田祝子副会長は、医療密集地ならではの二つの「垣根」を課題に挙げ、取り組みを紹介した。

 医療間の垣根としては、大規模病院を核に在宅支援部門も持つ医療機関は地域包括ケアがグループ内で完結してしまうため、グループ外の開業医らにはケアの中身が見えず、「患者を診る上で不安がある」と問題提起した。その上で、病院の総合内科と地域の開業医がつながる場として、2カ月ごとの勉強会を4年間続けているとした。複数の医療機関を受診する患者の病歴や採血データ、内服薬の情報をインターネット上で共有する仕組みを導入したことも紹介した。

 医療と介護、福祉の垣根については、各分野の関係者が介護保険制度の開始前から交流を重ね、「顔の見える関係づくり」を目指してきた。ただ、患者の退院後の支援を検討する会議に医師の出席が少ないなど、「まだ垣根は低くない」と指摘。「医師が『聞きに来てくれたら』という姿勢ではなく、もっと現場に行くべき」と訴え、多職種連携に医師からの歩み寄りが必要とした。

■高齢化進む村

 南山城村の高齢化率は45%、高齢者に占める要介護認定者は22%と、ともに全国平均を大きく上回る。村内唯一の医療機関となる診療所を運営する相楽医師会の竹澤健理事は、「過疎地はサービスが行き渡りにくいと思われがちだが、『顔の見える関係』を大切に患者中心の地域包括ケアを実践している」と強調した。

 週4日、地区の集会所を使った出張診察と、歩いて行けない人には自宅を訪問して診療する。2週間で一巡し、出張診察は50人、訪問診療は70人を診る。介護事業所はわずか3カ所だが「医療・介護スタッフが少人数な分、連携はしっかりしている。いち早く状態を把握する上で目を配り合う住民間のつながりも生きる」とした。

 診療では「死」について話すよう心掛けているとして、「死の話をタブーにすべきではない」と訴えた。相楽医師会の調査では、どこで死にたいかや延命治療を望むかどうかについて、在宅療養患者の大半が明確な考えを持つにもかかわらず、家族と話し合った人は少なかったという。「家族と共有しないと希望通りにはなりにくい。医師として患者が口に出しやすい雰囲気づくりも大事」とした。

■先進地の取り組み

 地域包括ケアの先進地として、東近江市など2市2町の東近江医療圏で活動するNPO法人「三方よし研究会」の小串輝男代表理事が事例発表した。「医師一人に頼る医療は終わった。医療・介護をはじめとした多職種が共同し、患者に切れ目なく寄り添うことが大切」と呼び掛けた。

 月1回、症例について車座での意見交換を2007年から行っている。参加する職種は医師や看護師、歯科医師、保健師、薬剤師、理学療法士、ケアマネジャーら多岐にわたる。ここで築いた関係が、例えばリハビリ計画をつくり終えて患者の退院を待つといった好循環につながっていると説明した。

 「地域全体を一つの医療機関」ととらえているという。病状に応じて介護やかかりつけ医などが役割分担することで、患者を病院だけに集中させず、医療体制を守ることにもなる。小串氏は「年をとっても認知症やがんになっても、地域で安心して住み続けられることを目指して地域包括ケアを進めれば、それがまちづくりにもなる」とした。



http://www.medwatch.jp/?p=21290
地域医療構想の実現に向け、都道府県単位の調整会議を設置せよ―厚労省
2018年7月2日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 各都道府県において「都道府県単位の地域医療構想調整会議」を設置し、学識者を「地域医療構想アドバイザー」として推薦してほしい―。

 厚生労働省は6月22日に通知「地域医療構想調整会議の活性化に向けた方策について」を、6月26日に事務連絡「『地域医療構想アドバイザー』の推薦について」を発出し、都道府県にこういった点を要請しました。

調整会議メンバーに助言を行う地域医療構想アドバイザーの推薦を
 いわゆる団塊の世代が2025年にはすべて後期高齢者となるため、今後、医療・介護ニーズが飛躍的に増加していきます。この増大するニーズに的確に応え、効果的・効率的な医療・介護サービスを提供できる体制を再構築するために、例えば「地域医療構想の実現」が求められています。骨太方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017―人材への投資を通じた生産性向上―)では、「個別の病院名・病床数を明らかにし、機能転換に向けた具体的対応方針を速やかに策定するため、2017・18年度の2年間程度で集中的な検討を促進する」旨が指示されました(関連記事はこちら)。

 病院・病床の機能転換は「調整会議の議論などを踏まえて、医療機関が自主的に進める」ことが基本です。このため調整会議の議論を活性化することが、早急に求められ、厚労省の「地域医療構想ワーキンググループ」(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)で、(1)都道府県単位の調整会議を設定する(2)都道府県主催の研修会を設ける(3)学識者を「地域医療構想アドバイザー」とし、調整会議を支援してもらう―といった方針が固められました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

厚労省は、この方針を具体化し通知・事務連絡を行ったものです。

まず(1)の「都道府県単位の調整会議」は、▼各構想区域の調整会議の運用(協議事項や年間スケジュールなど)▼各構想区域の調整会議の進捗状況(具体的対応方針の合意状況、再編統合論議の状況など)▼各構想区域の調整会議が抱える課題解決(参考事例の共有など)▼病床機能報告等から得られるデータ分析(定量的基準など)▼構想区域を超えた広域での調整が必要な事項(高度急性期の提供体制など)—に関する事項を協議するために設置されます(関連記事はこちらとこちら)。

いわば「都道府県内の各調整会議が足並みを揃える」ための会議と言えるでしょう。したがって「各構想区域の調整会議の議長」が全員参加することが必要で、ほかに「診療に関する学識経験者の団体、その他の医療関係者」「医療保険者」などが参加することになります。もっとも、要職につく方々ばかりであり、日程調整等が難しくなることから、「既存の会議体などを活用し効率的に運用する」ことが可能です。
 
また(2)の「都道府県研修会」は、調整会議のメンバー等が地域医療構想の進め方について認識を共有するために行うものです。厚労省は定期的に都道府県の担当者や都道府県医師会・病院団体の関係者向けの研修会を開催しており、そこではワーキング等の議論の状況に関する情報提供、先進的事例の共有、グループワークなどが行われます(関連記事はこちら)。こうした研修を都道府県が、地域の関係者(調整会議のメンバーなど)向けに実施することになりますが、厚労省に講師派遣を求めることも可能です。
 
さらに(3)は、調整会議に参加し、助言等を行う「地域医療構想アドバイザー」を厚労省で養成するものです。都道府県から▼医療計画・地域医療構想を理解している▼医療政策・病院経営に関する知見を有する▼各種統計や病床機能報告などに基づいたアセスメントを行える▼都道府県医師会等の関係者と連携がとれる▼都道府県内に活動拠点を持つ―人材の推薦を受け、厚労省でアドバイザーとして選出し、研修の実施・データ提供などを行います。地域医療構想ワーキングでは、例えば「地元大学医学部の公衆衛生学研究者」などがアドバイザー候補としてあげられました(関連記事はこちら)。

各都道府県はアドバイザー候補者を7月27日までに、厚労省に宛てて推薦することになります(アドバイザーの任期は原則1年間)。
 
このほか厚労省は、今年度末(2018年3月31日)までに「すべての医療機関」について調整会議で協議を開始することを要請。まだ協議を開始していない医療機関については、2017年度の病床機能報告データ(6年後および2025年における各病棟の機能)を調整会議で共有し、協議を始めるよう指示していいます。
 


http://www.medwatch.jp/?p=21350
二次医療圏に固執せず、生活実態に即した圏域で医療・介護提供体制を再構築すべき―総務省
2018年7月5日|医療・介護行政全般 MedWatch

 自治体間の連携を深め、▼救急医療提供体制▼病院間連携▼在宅医療・介護連携―などを調整し、住民の生活実態に即した医療・介護提供体制を構築すべきである。また増大する「東京都の慢性期医療・介護ニーズ」に対応するため、近隣県を含めた「東京圏域」で医療・介護提供体制を考えなければいけない―。

 総務省の「自治体戦略2040構想研究会」が7月3日に、このような提言を盛り込んだ第2次報告をまとめました(総務省のサイトはこちらとこちら(概要版))。

総務省研究会の提言と地域医療構想、どう調整していくべきか
 我が国では高齢化と同時に「少子化」が進み、急速な人口減少社会に入っています。そうした中では、多くの自治体では「存続(消滅の危機)」「行政サービスの継続」「医療・介護提供体制の再構築」などさまざまな課題に直面しており、「自治体戦略2040構想研究会」(以下、研究会)は、「危機を乗り越えるための新たな施策」と「その施策を実現するための自治体行政の在り方」について議論してきました。

 今年(2018年)4月には第1次報告がまとめられ、例えば▼個々の自治体がすべての行政機能を持つのではなく、圏域単位あるいは圏域を超えて連携して都市機能を維持し、住民の生活を保障する▼都道府県と市町村の「二層化」を柔軟にする▼東京都では、医療・介護ニーズが急増するが、千葉・埼玉などを含め「東京圏域」でサービス提供体制を構築する―などの提言が行われました(総務省のサイトはこちら)。

今般の第2次報告では、こうした提言内容についてさらに議論を深めています。医療・介護に関連の深い事項をみると、次のような提言・提案がなされています。

(1)現在、都道府県の設定する「二次医療圏」内において地域医療が一定程度、完結できることとされているが、連携中核都市(相当の規模と中核性を備える「圏域の中心都市」が近隣の市町村と連携するもの)で▼救急医療▼圏域内の病院間連携▼在宅医療・介護連携―などを調整することで、住民の生活実態に即した医療・介護提供体制を構築できる

(2)東京都では、今後、急速に高齢化が進行する(団塊の世代が後期高齢者となりはじめる)ため、▼入院・介護需要の増加▼外来需要の減少―が生じるが、慢性期病床や介護施設等は23区の外(多摩地区や埼玉県、千葉県など)に依存している。東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で連携して、長期にわたる医療・介護提供体制を構築・運営していく必要がある

 まず(1)の「医療提供体制を考える圏域」については、現在は、上述のとおり二次医療圏がベースになっており、この中で「病床過剰となり医療費が過度に膨張しないように基準病床数を定める」「5疾病5事業および在宅医療提供を担う医療機関等を指定する」「地域医療構想を実現する」ことになっています。

 しかし、例えば5疾病5事業については、急性心筋梗塞など一刻を争う医療分野については「二次医療圏」単位で考える必要がありますが、がんなど比較的、時間に猶予のある医療分野では「より広域」(複数の二次医療圏単位など)で考えるべきとされています。

 さらに、例えば関東地方では「埼玉県や神奈川県の居住者が東京都の勤め先に通勤する」といった生活実態に合わせた医療提供体制を構築することも重要です。

今般の検討会の提言は、こうした点を踏まえた、現在の「医療計画」の在り方に一石を投じるものと言えそうです。
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連携中核都市の概要
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場合によっては県境を超えた、住民の生活実態に即した医療・介護提供圏域を考える必要がある
 
また(2)の東京都については、高齢化が急速に進む一方で、「地価が高いために、単価の低い慢性期病床や介護施設などの整備が難しい」という状況があります。今後も、この状況は変わらず、「増大する慢性期医療・介護ニーズにどう対応するか」が極めて深刻な課題であり、研究会は「より広域に、東京都単独ではなく、近隣県を交えた『東京圏域』で医療・介護提供体制を考えていくことが必要」と訴えているのです。
 
これらは、現在進められている「地域医療構想の実現」にも関係するテーマです。地域医療構想は、主に二次医療圏をベースとした地域医療構想調整区域ごとに、病院等の病床を高度急性期・急性期・回復期・慢性期に機能分化してくもので、研究会の「より広域な圏域で医療・介護提供体制の在り方を考えるべき」との今般の提言とは、若干方向が異なるようにも思われます。今後、医療・介護提供体制の再構築(地域医療構想の実現もこの一環)を考える上で、どのように議論していくのか(例えば、自治体の首長選挙では「公立病院の整備」などが公約に掲げられるケースも多く、自治体間で「急性期医療は●●地区の病院に集約して機能強化を図る」などの調整が極めて難しく、より広域での議論・調整はさらに難しさを増す)、大きな注目を集めそうです。


http://news.livedoor.com/article/detail/14965162/
なぜ東京の「名門病院」が赤字に陥るのか
2018年7月5日 9時15分 プレジデントオンライン

■経営危機が表面化し、「突然死」する病院
姿を消す病院が増えつつあることをご存じだろうか?

帝国データバンクの調査によれば、2017年、病院や診療所など、医療機関の倒産件数は25件だった。00年以降の累計が586件で、年平均にすると約32件。特別大きな数字には見えないが、倒産のデータが病院経営難の実態をすべて反映しているわけではない。それ以外にも、医療機関の休廃業、解散、身売りが激増している。

少し古い統計になるが、14年に休廃業・解散した医療機関は347件で、集計を始めた07年以降で最多の数字を記録した。

医療機関の中でも病院は経営が悪化しても、手遅れになるまで破綻の兆候が表れない組織である。外来や入院で日銭が稼げ、高い診療報酬を得ていた古きよき時代の莫大な蓄えがあるため、赤字が続いても資産の切り売りでしばらくは食いつなげるからだ。だが、赤字病院の延命にも限界がある。経営危機が急に表面化し、「突然死」する病院が相次ぐのも、時間の問題だろう。

■聖路加国際病院のような名門病院でも本業は赤字
数ある倒産予備軍の病院の中で、経営破綻の可能性が高いのが東京の総合病院だ。たとえば聖路加国際病院のような名門病院でも、本業は赤字で、不動産収入で何とか利益を出している。最近では、100年以上の歴史がある三井記念病院が債務超過に転落したことが明らかになった。三井グループをバックにした名門病院でもそうした経営状態なのだから、ほかは推して知るべしだろう。

この状況を不思議に思う人もいるかもしれない。人口の高齢化とともにニーズが高まる医療は、数少ない成長市場である。さらに首都圏という巨大市場に恵まれ、患者が集まりそうな東京の大病院は、いかにも儲かりそうだからだ。しかしそうした要因が利益に必ずしも結びつかない理由は、病院の収支構造の特殊性にある。

病院の主たる収入源は診療報酬である。ところが、公定価格である診療報酬は全国一律で、大都会だろうが地方の僻地だろうが、同じ治療内容であれば同じ金額だ。

病院は工場経営に似た側面がある。地方は人件費や土地代の固定費が安くあがって、利益を出しやすい一方、首都圏の病院は高コスト体質で不利になる。こうした背景もあって、最近では東北や九州などの病院グループが、地方の稼ぎを元手に東京に進出する事例も、目立つようになった。

■経営資源の選択と集中ができるのは専門病院に限られる
さらに、国家財政の悪化によって、診療報酬は抑制される傾向にある。小泉政権の構造改革以降、診療報酬の水準は約1割弱も下がった。17年末の予算編成で、診療報酬本体が0.55%引き上げられたが、焼け石に水の感は拭えない。消費税増税も、病院経営に大きな打撃を与える。医薬品などの仕入れに消費税を負担しても、それを患者には請求できないからである。

もっとも東京の病院は患者数が多いから、病床稼働率のアップといった経営改善策も考えられそうである。だがそうした手が打てるのは、経営資源の選択と集中ができる専門病院に限られる。

がん研有明病院、井上眼科病院、伊藤病院(甲状腺疾患)といった東京の専門病院は、マスコミが特集する「いい病院ランキング」にしばしば名前があがり、高収益を実現している。地方では仙台厚生病院が、心臓血管・呼吸器・消化器であれば救急患者は断らず、それ以外はカバーしないという、まさに「選択と集中」の方針で、支持を集めるようになった。総合病院は、小児科や産婦人科、救急といった稼働率が低い不採算部門があっても、簡単には廃止できない。青息吐息だ。

■大学病院は百貨店と同じ末路をたどる
東京の総合病院の中でも、もっとも倒産リスクが大きいのが私立大学病院である。なぜかといえば、経営が傾いて破綻しそうなときに、国公立大学や国公立病院とは違って、税金の注入といった公的支援を期待しにくいからだ。さらにここでも総花的な診療科目が足かせになる。

ほかの総合病院であれば、儲からない診療科を閉鎖するという「外科手術」も可能だが、大学病院は医学の教育機関という性格上、あらゆる診療科目を網羅しなければならない。さまざまな行政上、法制上の規制もあって、たとえ不採算の診療科であっても、簡単に看板を下ろせない。お荷物の診療科を抱えていると、強みのある診療科もつくりにくくなって、専門病院に患者を奪われるようになった。

首都圏の私立大学病院は、専門店との競争に敗れた百貨店と、同じ末路をたどっているのである。結果、診療報酬だけでは経営が立ち行かないため、高い学費で埋め合わせているのが現状だ。現に東京女子医科大学病院や日本医科大学病院は、財務諸表を見る限り、かなり危機的な状況である。

■病院倒産で真っ先に被害を被るのは地域住民
それでは、大学病院の経営を再建する手立てはないのだろうか。私は、大学病院を救済するなら、思いきった規制緩和が必要だと考えている。

大学病院は大学医学部の教育研究に必要な施設として位置づけられているが、大学が病院を手放すという方法もある。米国の医学部のように、医学生の研修はほかの病院と連携して実施すれば、支障はないはずだ。また、アジア圏からドクターや看護師を受け入れるのも有効な手段になるだろう。放射線科医であれば患者に接する機会はほとんどないから、言語の壁もない。日本人と同じ待遇でそれ以上に働いてくれれば、コストは下がる。

大学病院の倒産が現実のものになったとき、真っ先に被害を被るのは地域住民だ。かかりつけの診療所から大学病院を紹介してもらうといった、地域医療連携が途切れてしまうし、大学病院は地域経済の中核にもなっているので、周辺の商工業者に与えるダメージも甚大だ。大学病院には、高度急性期医療を必要としている患者も少なくない。受け皿となる医療機関にスムーズに移れるような取り組みが求められる。政府は、国有化も視野に入れた病院の破綻処理のスキームを、早急に整備すべきである。

ただしこうした議論は、なかなか活発にならないだろう。かつて北海道拓殖銀行が都市銀行として戦後初の破綻をしたとき、その衝撃があってから、ようやく政府は重い腰を上げて制度の整備に動くようになった。近い将来、大きな病院が破綻し、泣いている患者の映像がニュースにでも流れないと、誰も目を覚まさないような気がする。

■「いい病院」はどう選べばいいのか?
とはいえ、国の政策に期待するだけでは、私たちは病院倒産の被害を免れない。自分や家族の生命を安心して預ける病院を、どうやって選べばいいのか。それは病院の財務諸表をチェックすればいい。大学病院は現在、財務諸表を公開するようになっており、会計の知識があるビジネスパーソンであれば、これを活用しない手はない。

財務諸表は、よく「企業経営者の通信簿」といわれるが、それは病院経営者にとっても同じことだ。経営が健全な病院は、医療の質も高いと見て間違いない。利益が上がっていれば、人材や医療設備、医療施設への再投資も可能になる。逆にいえば、病院も「貧すれば鈍する」のである。

赤字続きの病院は、医師や看護師の人件費カットに走り、それが安全性の低下を招く。大学病院からの給与だけで生活できない医師は、アルバイトに精を出し、その結果、病院は「無医村」になる。近年、私立の大学病院で起きている医療事故を見ていると、起こるべくして起こったと感じる。

「医は算術ではない。金儲けを考える医者に、いい医療ができるのか」という反論が出るかもしれない。しかし、赤ひげ先生でも病院経営ができた時代は過去のこと。診療報酬が低水準の中、博愛主義を貫いていれば、病院経営はたちまち行き詰まる。私は経営を持続でき、地域住民に医療を安定的に提供できる病院こそ、真の「いい病院」だと考える。

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上 昌広(かみ・まさひろ)
医療ガバナンス研究所理事長・医師
1968年、兵庫県生まれ。93年、東京大学医学部卒。虎の門病院、国立がんセンター中央病院で臨床研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究する。著書に『病院は東京から破綻する』(朝日新聞出版)など。
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(医療ガバナンス研究所理事長・医師 上 昌広 構成=野澤正毅 撮影=的野弘路)



https://www.m3.com/news/iryoishin/612765
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
医師の時間外労働、「結論早まる可能性」厚労省・鈴木医務技監
第68回日病学会、「病床の集約」など中長期対応の検討も示唆

レポート 2018年7月2日 (月)配信大西裕康(m3.com編集部)

 医師の時間外労働規制の具体的なあり方に関する結論の取りまとめが、想定よりも早まる可能性が出てきた。厚生労働省医務技監の鈴木康裕氏が6月29日、金沢市内で開かれた第68回日本病院学会のシンポジウムで「来年の3月までに法令上の基準は決めなければならないが、それよりもかなり前に結論を出していただくことも含めて検討しなければならない可能性がある」との認識を示した。結論をまとめる時期が早まる理由としては、医師の時間外労働の上限規制を他の職種とは異なる形で特別に設けるために法律改正が必要になった場合、法案に関する与党との調整などに時間を要することを挙げた。

 医師の時間外労働については、政府が2017年3月28日に公表した「働き方改革実行計画」で、「医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る」との方針を記載。厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」(2017年8月2日に初会合)を設け、検討を進めてきた(同検討会での議論については『次回以降「本丸」の上限規制など議論』などを参照)。2018年2月27日に「中間的な論点整理」を公表後、議論はいったん中断していたが、同7月9日に会合を開き、議論を再開する。

まずは医師の残業上限を設定か
 鈴木氏は、現時点で「出口はどちらかになる」と想定している結論として、下記の2つを挙げた。

・医師1人1人の業務内容などを把握し、(業務か業務外かなどの)白黒を分けて時間を判断する
・病院はグレーゾーンが多いという前提で、医師の時間外労働時間の上限自体を他職種より増やす

 「個人的に前者(医師1人1人の把握)は現場に負担があると思っている」と実現性が乏しいとの認識を示した。ただ、「全ての科の先生について、残業時間の規制の例外扱いが必要ではない。また、同じ科でも年齢によって働き方が違うし、役職での職能も違う。自分が例外に当てはまるかどうか、それを手上げ方式とし、その人をきちんと管理する必要があるかもしれない」とも述べた。

 医師を対象に他職種を上回る時間外労働の上限を設ける可能性のある状況だが、鈴木氏は、「健康管理の面は譲れない」と説明。「これがないと国会でも審議に耐えられない。一定の時間以上、勤務せざるを得ない医師に対しては、産業医なりの健康管理がきちっと組み込まれていることが必要だ」と強調した。

「病床の集約」「医師が得意業務に専念できる環境整備」必要
 一方、私見と前置きした上で、「(働き方関連法施行から、時間外労働の上限規制の医師への適用が猶予される)5年プラスアルファの期間で、(医師の働き方改革が)全てクリアになるのは難しい」との認識も示した。「短期的な対応として来年3月までに地域医療に影響が出ないようにしたい」と前置きした上で、中長期的な対応として検討する課題に「病床の集約」と「医師が得意とする業務に専念できる環境整備」を挙げた。

 病床の集約については、「人口1000人当たり医師は諸外国と比べても変わらないが、病床100床当たりの医師は少ない。米国比では5分の1程度」と指摘。「これをある程度は改善し、少なくとも欧州水準にしないと、医師の忙しさは変わらない」との見方を示した。鈴木氏が当日のシンポジウムで示したOECDの資料では、病床100床当たり「臨床医師数」は米国が79.7人、フランス50.9人、ドイツ45.2人、イギリス92.0人。

 「医師が得意とする業務に専念できる環境整備」については、脳外科を例に挙げ、「日本は米国に比べて脳外科の医師数が人口当たりで大変多い。1人当たりの手術症例数は(米国が日本の)20倍。医療水準については、日本の方が優れていると思うが、外科医が本当に手術に注力できる環境が整っているからこそ」と述べた。環境整備の具体例としては、「手術をアシストするようなPA(physician assistant)のような職種、記録も口述するとタイプしてくれる人がいるなど」と挙げた。

第68回日病学会シンポジウム「医師の『働き方改革』はどうあるべきか」
・医師の時間外労働、「結論早まる可能性」
・労基署介入「労働時間の短縮のみ、センスがない」
・「“医療は特殊”では思考停止」、「女性支援は男性支援に」



http://univ-journal.jp/21552/
都道府県間の医師の流出入を過去20年にわたり全国推計 医療ガバナンス研究所
大学ジャーナルオンライン編集部 2018年7月6日 

地域医療調査
 特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所は、厚生労働省の公開資料などを用い、都道府県別の医師移動を推計した。その結果、医師勤務地選択には最大313%の都道府県格差があり、各地域の医学部出身者のうち石川県では68%、東京都でも13%の医師が他地域へ流出していることがわかった。

 1961年に10万人(人口10万人あたり約104人)だった日本の医師数は、2016年には32万人(人口10万人あたり約240人)まで増加。しかし医師不足は一部では依然として深刻で、都道府県間の医療資源格差は縮まっていない。
都道府県別に人口10万人あたりの医師数をみると、上位は徳島県(315.9 人)、京都府(314.9 人)、下位は埼玉県(160.1 人)、茨城県(180.4 人)となっている。

 日本では医師はほぼ自由に勤務地を選択できるが、医学部卒業後、医師がどの地域で勤務しているのか、これまで具体的な数字を出したデータはなく、医師の移動については不明なままだった。そこで、研究チームは、1995年から2014年の厚生労働省の公開データ※を分析し、都道府県別の医師養成数と実働医師数の差から見かけ上の医師の移動割合を推計した。

 調査の結果、医師の流出が最も多かったのは、卒後医師の68%が他県へと移動していた石川県。逆に流入が最も多かったのは卒後医師の245%が他県より移動していた千葉県だった。医師の流出は、石川県、島根県、高知県などに多く、流入は大都市近郊、千葉県、埼玉県、静岡県などで多かった。一方で、大都市である東京都は13%の医師が流出、愛知県、大阪府、福岡県では、7.7%~.8%の幅で医師が流入していた。

 医師の流入している都道府県には人口当たりの医学部の入学枠が少なく、流出している都道府県には医学部の入学枠が多い傾向にあることが分かった。これは、医学部入学枠数が多い都道府県にいる医師が、他の地域へと出て行きやすいと考えられる。東京都の場合、医学部が13校あり、人口当たりの医学部入学枠も比較的多いことから流出しているといえる。東京近郊の千葉県では、医師養成数の2倍以上の医師が他の都道府県から流入しているが、それでもなお人口10万人あたりの医師数は非常に少ない(千葉:180.4 人)。

 研究チームは、日本全国でみると医師の都道府県間の移動が医師偏在に与える影響は大きく、今後の医療政策を考える上で重要な視点の一つとなると指摘している。

※使用した公開データは、厚生労働省公開資料を用い、医師・歯科医師・薬剤師調査より都道府県ごとの医師数、各医学部別の医師国家試験合格者数より都道府県ごとの医師養成数を抽出。人口データは、住民基本台帳を元にした人口データを使用。

論文情報:【MedicineA model-based estimation of inter-prefectural migration of physicians within Japan and associated factors: A 20-year retrospective study



  1. 2018/07/08(日) 09:05:15|
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