FC2ブログ

Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月24日 

https://www.asahi.com/articles/ASL6R2QFBL6RUBQU00J.html
地域医療支える公立病院減少、統合や民間譲渡で存続図る
小西正人、大野晴香、豊平森、北上田剛
2018年6月23日17時00分 朝日新聞

 地域医療を支える公立病院が、愛知県内で減っている。経営難や医師不足の問題が背景にあり、各地の自治体は統合や民間譲渡などで存続を図ろうとしている。

 西尾市は今年1月、碧南市に市民病院の統合を持ちかけた。

 両市民病院とも15年以上赤字が続くが、その性質は異なる。2016年度決算によると、短期的な支払い能力を示す「当座比率」(1年以内に返済しなければいけない負債に対する現金預金の割合)は碧南の125・4%に対し、西尾は20・8%。100%以上が望ましいとされ、西尾市の方が厳しい。「財政的に困り始めている。早く手を打ちたいのだろうと感じた」と碧南市の禰宜田政信市長は話す。

 だが碧南市も単独で市民病院を存続させるのは容易ではない。医師不足が深刻で、3月下旬から消化器内科の診療を制限し、4月には小児外科を診療科目から外した。市の調査でも、現場の医師の悲痛な声が相次いだ。「当直医が少なく、50歳を過ぎても当直をしている」「若い人は辞めていく。今後の医療をどうするか」

 碧南市側は「碧南市内への新病院設置を前提とするなら、統合協議に応じる」と条件を付けている。医師を確保できるなどの利点は認めながら統合に慎重なのは、人口が約2・4倍の西尾市に新病院を「奪われる」ことを心配しているからだ。両市の間には矢作川があり、災害時に渡れなくなる懸念もある。

 県がんセンター愛知病院(岡崎市)は来年4月、岡崎市に経営移管され、岡崎市民病院と機能を再編することになった。両病院とも赤字が続いてきたため、市は統合による経営効率化を見込む。だが市の担当者が気をもむのが、20年4月に市南部に開業する藤田保健衛生大学の新病院の影響だ。診療科は22科、一般病床400床の予定で、「患者を奪われかねず、さらなる経営悪化につながる恐れがある」と心配する。

 病院統合の先進事例とされるのが、15年に東海、知多両市の市民病院が統合した西知多総合病院(東海市)だ。総務省が3月にまとめた「地方公営企業の抜本的な改革等に係る先進・優良事例」に挙げられた。

 統合のきっかけはやはり医師不足で、岡田光史事務局長は「大きな病院にしたことで医師が集まりやすくなった」と説明する。常勤医師は旧2病院の合計65人(14年度末)から77人(17年度末)に。入院患者も1日平均263人から327人に増えた。医師は、医療設備が整っていて指導医が多い病院に集まる傾向があるという。入院患者が多いほど症例も増え、医師の育成にもつながる。

 ただ経営はなお厳しい。16年度決算では9億8千万円の純損失で、17年度決算はさらに増える見通しだという。経費削減のため、専門のコンサルタントを入れて月1億円程度の薬品の仕入れ価格の交渉を始めた。17年度は前年度に比べて約3千万円の節減ができたという。岡田事務局長は「(統合で)市民に質の高い医療を提供できるようになった。入院や手術を充実させて経営を改善したいが、効果が出るには時間が必要」と話す。

 県によると、県内の市町村立病院(一部事務組合などを含む)は08年度に32あったが、現在は26。病床数も08年の1万1507床から昨年は1万580床と、9年間で1割近く減った。

 「医師不足で運営できなくなった」(一宮市の担当者)という旧尾西市民病院など、民間に譲渡される事例が目立つ。現在も半田市と常滑市が病院の経営統合も視野に入れた協議をしており、今後も減少が続く可能性がある。

 県の地域医療構想(16年)によると、民間も含めた人口10万人当たりの県内の病院数は4・4で、全国の6・7より少ない。10万人当たりの病床数も全国の74%にとどまっている。

 地域医療に詳しい内海真・県地域医療支援センター長は「公立病院の多くは医師不足が深刻で、解決策の一つに統合があるのは間違いない。ただ効率的な運営が求められる民間病院の方が患者へのサービスが良くなる場合もあり、公立病院が減ることが一概に悪いとは言えない」と指摘。「今後は私立の大学病院などを含め、地域事情に合わせた病院間の連携を深める必要がある」と話している。



https://mainichi.jp/articles/20180620/ddl/k44/040/264000c
中津市民病院
救急と重症に特化 休日・夜間、医師不足深刻で /大分

毎日新聞2018年6月20日 地方版 大分県

 県北部3市や福岡県豊前市など人口24万人をカバーする医療圏で中核的な役割を担う中津市民病院(中津市下池永)が今月から、高次救急対応病院となった。今後、原則として救急搬送患者のほか、他病院から紹介を受けた重症患者のみを受け入れる。医療体制の中で“格上げ”された格好だが、その背景には、深刻な地方の医師不足の問題がある。【大漉実知朗】

 特に変わるのは、中津市の休日・夜間の救急医療体制だ。これまで、医師会が当番を決めて診療に当たる当番医のほか、市民病院を含む七つの救急病院に定められた病院(救急告示病院)が連携して対応していた。今後は、救急車で直接運ばれる重症急患を除けば、まず当番医と市民病院を除く6病院で受診し、対処が困難な場合だけ市民病院で診療することになる。

 体制変更の大きな理由は、市民病院に休日・夜間の患者が集中していたことだ。全ての救急患者に対応するのは困難な状況に陥り、市民病院の医師も疲弊していたという。このため、市や市医師会などと協議。市民病院は症状が重い患者に対応する2次、3次救急に専念することにした。

 地方では、病院勤務医の不足が深刻化している。勤務が自由で患者も確保できる都市部の病院の人気が高く、地方病院に勤務する医師が少ない傾向があるという。医師数が不足しているため、当直など長時間勤務を強いられ、辞める医師も多く、病院側は医師の確保が難しいのが現状だ。

 一方で、患者は「大きい病院の方が安心感がある」という心理が働きがちだ。市などは軽症の場合は診療所でも十分対応できるとして、可能な限り住居に近い医療機関を受診するよう勧めている。市内では開業医の高齢化も進んでいるといい、特に救急告示病院が地域医療を支える重要な位置づけとなる可能性がある。

 市民病院の是永大輔院長は「救急告示病院が1次救急診療の役割を持ち、市民病院は2次、3次救急に専念したい。救急医療の機能分担を明確にし、地域医療体制を支えたい」と話す。ただ、「腹が痛い」と駆け込んでくるなどする患者について、重症と軽症の区別をいかにつけるか。また、市外からの急患をどこまで受け入れるか。課題は多く、今後も医師会や周辺自治体との協議を続ける。

 市民病院は1969年に国立中津病院として開設。その後、市に移管され、2012年に建て替えられた。病床数250、医師は42人。昨年度の救急車搬送は2250台に上る。市内の救急告示病院は、酒井病院▽中津胃腸病院▽梶原病院▽川嶌整形外科病院▽中津脳神経外科病院▽松永循環器病院。



https://mainichi.jp/articles/20180621/ddp/041/040/024000c
当番医「強制」に異議 医師会を提訴 大分・津久見
毎日新聞2018年6月21日 西部朝刊 九州

 医師不足などで夜間や休日に救急患者を診療する「在宅当番医制度」を巡り、大分県津久見市の男性医師が当番医への参加を強制する市医師会決議の無効確認を求め裁判を起こす事態になっている。男性医師は「当番医制度は必要だが強制は行き過ぎで、診療行為の自由を侵害している」と主張するが、市医師会は「決議は地域医療を支えるために必要」と反論。背景には地域医療の危機的状況があり、医師確保など早急な対策が求められる。

 訴状などによると、40代の男性医師は2016年8月、市医師会に土曜夜間の当番医の報酬増額を求めたが応じてもらえず、同年12月の土曜夜間の当番を拒否した。市医師会が当番医を強制する規定を決議すると男性医師はさらに反発。17年10月以降の全ての当番を拒否し、市医師会は男性医師を戒告処分とした。男性医師は今年2月、大分地裁に提訴。市医師会側は請求棄却を求めて争っている。

 市医師会は平日・土曜の夜間と日祝日の日中に当番医制度を導入しており、単科医院などを除く10医院の医師で当番医を振り分けている。報酬は平日・土曜7000円、日祝日8500円。市医師会の担当者は「都市部と比較して会員数は少なく当番医を回すのが窮屈な状況が続いている。協力を得られるよう引き続き努力したい」と危機感を示す。

 男性医師は「医師1人で当番医をせざるを得ず、医療事故のリスクが高い」「看護師ら医療スタッフを確保したくても報酬が少なくてできない」と土曜夜間の当番医を拒否した理由を説明。「安心して医療を受けられる体制にするため、現状を追認せず考えなければならない」としている。

 市内の医療関係者は「任意制にして当番医をやらない医師が出れば、他の医師の負担が増えて地域医療が崩壊しかねない」と男性医師の主張に疑問を示す。男性医師は7月から当番医に復帰する予定だが、あくまで「当番医は必要」との認識を示すためで、当番医の強制への反対姿勢は崩していないという。【田畠広景】

導入地区、10年で1割減

 医師不足や高齢化が進む地方では、在宅当番医制度を含む初期救急医療体制を維持するため、さまざまな取り組みが続いている。

 厚生労働省によると、軽症の救急患者受け入れのため休日や夜間に在宅当番医制度を導入しているのは全国600地区(2017年3月末現在)で、10年前に比べ約1割減った。救急医療体制に詳しい北九州市立八幡病院の伊藤重彦副院長は「在宅当番医は検査機器が限られる中で不特定多数の患者を診療しなければならず、地方では当番医を担う新規開業も少ないため負担が大きい」と指摘する。

 宮崎県延岡市では、09年から市内で新たに開業する医師に休日当番医などの協力義務を条件に奨励金500万円を出す。これまでに内科医や整形外科医など8人が開業し、市は「開業医の若返りにもつながり、現状は良くなった」としている。山口市医師会は昨年、当番医の高齢化などを理由に休日日中の内科患者受け入れを市の急病診療所に集約するよう市に要望。市医師会は「新規開業や後継者もほとんどいない。将来に向けて行政にも対策を考えてほしい」と危機感を募らせる。

 伊藤副院長は「地元医師会を中心にした地域貢献や使命感だけで制度は支えきれない。行政が関わって当番医の利用状況や負担要因を検証し、近隣市町村との連携や病院勤務医から応援を受けやすい急患センター設置などを検討すべきだ」と話す。【青木絵美】



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180622_11024.html
<登米市>8月に診療所休診 住民ら継続求め市に陳情「常勤医確保を」
2018年06月22日金曜日 河北新報

 宮城県登米市登米町の登米(とよま)診療所が医師不足のため8月から休診することについて、同地区の住民らが21日、診療継続を求める陳情書を市と市議会に提出した。
 陳情書は住民3374人分の署名簿を添え、「登米診療所の常勤医を確保して勤務体制を整備し、診療を継続してほしい」と求めている。
 登米地区町内会振興協議会の佐々木康明会長ら15人が市役所を訪れ、熊谷盛広市長、及川昌憲議長に陳情書と署名簿を手渡した。
 熊谷市長は「このような状況に陥り申し訳ない。現段階では医師が確保できる状況になく、8月から休診して送迎バスの運行を検討している。患者さんが不便にならないよう、しっかりと対応していく」と答えた。
 市は7月4日午後7時、登米町の登米公民館で、診療所が休診に至った経緯や市立病院全体の医師不足の現状、他の医療機関への送迎バス運行について説明会を開く予定。



https://mainichi.jp/articles/20180620/ddl/k08/040/116000c
県立中央病院
長時間勤務 知事「短縮へ取り組み」 医師以外に業務委任 /茨城

毎日新聞2018年6月20日 地方版 茨城県

 県立中央病院(笠間市鯉淵)で昨年度、全体の約2割にあたる勤務医23人に時間外労働の「過労死ライン(月80時間)」を超える月があった問題で、大井川和彦知事は19日の定例会見で、「長時間勤務の縮減に向けて取り組みを検討する」と述べ、問題解決に取り組む意向を示した。

 長時間労働の背景について、大井川知事は「医師数が不足しているなか、医師は法律に基づき診療拒否もできない」と、全体的な医師不足が原因と分析。

 医師確保以外の対策として、「(患者への説明など一部の業務を他の職種に任せる)タスク・シフティングや、振り替え休日の促進を組み合わせ、労働時間短縮に向けた取り組みを進めていきたい」と述べ、現場での運用改善を求める方針を示した。

 この問題は、毎日新聞が、勤務医の時間外労働に関する記録を同病院を含む県立3病院に対して情報公開請求して発覚した。【加藤栄】



https://diamond.jp/articles/-/172721
「病院がなくても住民の健康は変わらない!?」
医療と医療費の不都合な真実とは
医療経済の嘘(1/3)

2018.6.20 ダイヤモンドオンライン

森田 洋之:医師、南日本ヘルスリサーチラボ代表。 

病床の削減、医師不足、医療費の高騰など、医療や医療費に関する報道が後を絶たない。

そうしたなかで、かつて財政破綻後の夕張に医師として赴任していた森田医師が、夕張および全国のデータ、さらに医療経済学的知見から見えてきたのは、医療経済の拡大が必ずしも健康と比例しない現実であった。最近、『医療経済の嘘』(ポプラ社)も上梓した森田医師が提唱する医療と経済のあるべき関係とは?

なぜ私は医者という職業に大きく失望したのか

私は、医者という職業に大きく失望し、職を辞そうとまで考えたことが2回あります。

1回目は、療養病院で意識なく延命されている患者さんたちが病棟を埋めている現実を見たときでした。医療という高度で崇高な技術が、本当に人間のために使われているのか疑われるような光景がそこには広がっていました。

それまでの私は、自分の医療知識を深め医療技術を磨くことこそが「善」だと思っていました。そうすることが患者さんのためになることだ、国民の幸福に貢献することなのだ、とまったく疑っていませんでした。

しかし、療養病院の大部屋で、ただただ白い天井を見つめたまま寝たきりの高齢者がずらっと並んで胃ろうから栄養を入れられている光景を見たとき、それまで自分が磨いてきた胃ろう造設術などの医療技術や医学的知識が「善」に思えなくなってしまったのです。

税金を使って国立大学に通わせていただいたのにもかかわらず、自分のやっている医療が国民のみなさまの幸福に寄与していると思えなくなってしまった。これは本当に辛かったです。

当時、「医療崩壊後」の夕張市で、「住民に近い地域医療」を実践されていた村上智彦先生に頼み込んで夕張市立診療所に勤務したのは、そうした「自分への負い目」もあってのことでした。

夕張では、理想の医療に出合えました。

ベッドが空いているからと言って入院を勧めるわけでもない、老衰としか言えないのならしっかりとその老化の過程に寄り添う、逆に本当にMRIが必要ならしっかりと都市部の病院に紹介する。

医療機関の経営に振り回されることなく、一人ひとりに患者さんに対して「過剰でもなく不足でもない最善の医療」を提供する医療環境が整っていました。

病院が開院しても閉鎖しても、
人々の健康状態はよくも悪くもならない!?


そんな幸せな時間を過ごしていたとき、僕は2回目の衝撃に出会います。

夕張で勤務しながら東大大学院の研究班(H-PAC)で夕張の医療崩壊前後のデータを集め分析していたときです。

分析を進めているうちに、医療崩壊を境に夕張市の高齢者医療費が低下していることがわかりました。しかも夕張市民の死亡率は横ばいで健康被害も出ていませんでした。

私は興奮しました。医療技術の進歩や高齢化の進展に伴い、世界各国で医療費の上昇に歯止めが利かないと言われるなか、夕張市民の「高齢者1人あたりの診療費」は減少したのですから。「これはすごいことだ!」と思ったのです。

ところが私はここで衝撃的な一言を聞くことになります。この夕張の医療費減少について識者に意見を求めたところ、次のようなグラフを提示され、「病床が減れば医療費が減るのは当たり前だ」と言われたのです。
062401.jpg

医療経済学の世界ではこの疑問はすでに研究しつくされていて、一定の結論がでているとのこと。その結論とはだいたいこんな感じです。

「多くの研究の結果、『病院の存在や非存在』と『住民の死亡率』のあいだに因果関係はないことが分かっている。病院が開院しても閉鎖しても、人々の健康状態はよくも悪くもならない可能性が高い」

まさに夕張の実例そのものだと驚きました。

また、先ほどのグラフは、事実として日本の医療の現場では事実として都道府県によって人口あたりの病床数が2~3倍も差があるし、同時に病床が多い県は少ない県と比べて県民1人あたりの入院医療費を2倍も使っている、ということを教えてくれます。

これを提示され、「病床が減ったら医療費が下がるのは、当たり前じゃないか」と言われたのです。

それまでの私は、純粋に「病人がいるから医療がある」と信じていました。しかしこのグラフを見れば、「病床がある分だけ病人が作られる」という、ある意味極論に達してしまいます。

高知県民は滋賀県民より2倍も病気になるのでしょうか。そんなはずはありません。でも事実として、高知県民は滋賀県民より県民1人あたり入院費を約2倍使っています。そして結論として、医療費は病床数に比例しているのです(ちなみに、平均寿命には比例していません)。

調べてみれば、日本の病床数は世界一。日本で最も人口あたりの病床が少ない神奈川県でさえ、アメリカ・イギリスの2倍の病床を持っていて、またCTもMRIも世界一持っていて、さらに外来受診数も欧米先進諸国の約2倍で世界第2位。

「医師不足? それって需要過多なだけなんじゃない?」

そのとき、「医師誘発需要」「医療市場の失敗」という言葉を初めて知りました。

日本の医療は一体何のためにあるのか。私は自分が医師であることが恥ずかしなってしまいました。そして医師をやめたくなりました。

夕張で学んだ「医療への希望」

でも私は決して日本の医療を悲観しているわけではありません。

なぜなら、夕張をはじめとした「医療資源の乏しい離島・僻地」でも、住民同士が支え合いながら元気に生活していることを知ることができたからです。

そして、そうした住民の近くで、「高度な病院医療」とは別に「生活を支える医療」を提供することの重要性を知ることができたからです。

私は、夕張で医療費が減った要因は「病床が減ったから」にもまして「住民の近くで生活を支える医療が整備されたから」というのが大きいと思っています。

夕張では病床が激減した代わりに、村上智彦先生・永森克志先生のご尽力によって「生活を支える医療・介護」が整備されたのです。だからこそ、本人・ご家族の意志を尊重した「延命処置や社会的弱者の収容ありきではない」、本当の笑顔を生み出せる医療が実現できたのだと思います。

そういう意味では、「住民の近くで生活を支える医療」は今後訪れる高齢化社会にとっての救世主になりうる存在だと思います。

今、日本では「在宅医療」をはじめ、住民の生活に近い医療が各地で模索されています。国が提唱する地域包括ケアシステムはそのメインストリームですし、それは欧州をはじめとした世界的潮流でもある「家庭医療」への流れでの一環でもあります。

その中で我々医療者は何ができるのか、そして国民の皆さんがこれをどう考えてゆくべきなのか、そんなことをこの連載で皆さんと一緒に考えられたらと思っています。

森田 洋之(もりた・ひろゆき)
医師、南日本ヘルスリサーチラボ代表
1971年横浜生まれ、一橋大学経済学部卒業後、宮崎医科大学医学部入学。宮崎県内で研修を修了し、2009年より北海道夕張市立診療所に勤務。同診療所所長を経て、現在は鹿児島県で研究・執筆・診療を中心に活動している。11年、東京大学大学院H-PAC千葉・夕張グループにて夕張市の医療環境変化について研究。14年、TEDxKagoshimaに出演、「医療崩壊のすすめ」で話題を集める。16年、著書『破綻からの奇蹟~いま夕張市民から学ぶこと~』にて、日本医学ジャーナリスト協会優秀賞を受賞する。



https://www.asahi.com/articles/ASL5V4K3WL5VUTIL018.html
医学部地域枠が拡大 条件は地元勤務…なのに県外流出も
松浦新、菅沼栄一郎
2018年6月23日15時43分 朝日新聞

062402.jpg
医学部に地域枠がある大学と定員数の合計

 医師になった後、地元で一定期間働くことを条件に、大学医学部に入学しやすくしたり、医学部生に奨学金を支給したりする「地域枠」が拡大し、医学部の定員の2割近くに達している。地方にとって医師確保の頼みの綱だが、過熱気味の状況に懸念の声も出始めている。

 大学の医局が医師の勤務先を調整する仕組みを変えようと、政府は2004年度に医師が自由に研修先を選べる新臨床研修制度を導入。医師の自由度は高まったが、若い医師が都市部などに流れ、医師の不足や診療科の偏在が広がった。

 対策として地方で広がったのが、大学医学部の地域枠だ。政府も医学部の定員の臨時増員を認めるなどして地域枠を後押しした。文部科学省によると、地域枠の募集人員は08年度に403人分(33大学)だったが、17年度には全都道府県に広がり、全医学部定員の18%の1674人分(71大学)と4倍に増えた。定員に占める地域枠の割合は札幌医大(82%)が最も高く、福島県立医大(59%)、旭川医大(59%)、東北医科薬科大(55%)、弘前大(51%)と続く。東北地方の医学部教授は「地域枠がなければ地域医療は崩壊する」と言う。

 厚生労働省は医師確保を後押ししようと、地方の実情に合わせて知事が大学に地域枠の創設や増加を求められるようにする医療法・医師法改正案を今国会に提出。参議院を通過し、衆議院の審議待ちの状態だ。

 地域枠は医学部入試を変えている。秋田大の地域枠の入試は筆記試験がなく、高校の推薦、センター試験、面接、論文で選抜している。秋田県は入学金と月15万円(自宅生は10万円)の奨学金を貸し、国家試験合格後、県内で原則9年間勤めれば返済を免除する。地域枠の一つの典型だ。

 奨学金の対象者を広げる動きもある。静岡県は年間に、浜松医大(浜松市)の20人と、岡山県内の川崎医科大、東京都内の順天堂大など全国の100人に奨学金を貸す。静岡県内で原則9年間働けば、年間最大240万円の奨学金の返済を免除。将来の選択肢を増やせるよう、一定期間、県外での勤務や留学ができるようにしている。県は年間約12億円を投じており、最近11年間に全国73大学の973人が利用した。うち536人は在学中、303人は既に県内に勤務している。鳥取県も、出身地も学ぶ大学も問わない奨学金の枠を10人分設けるなど幅広く確保に動いている。

大学間で綱引き 縛りに疑問も
 地域枠の医師をめぐる綱引きも起きている。

 弘前大(青森県)の福田真作・付属病院長は昨秋、東北大付属病院(仙台市)に対し、弘前大の地域枠で学んで年度末に初期研修を終える医師2人が東北大で次の専門医研修を受けようとしていると電話で伝え、「善処」を求めた。1人が東北大行きをやめ、もう1人は将来青森に戻ると約束して決着した。福田病院長は「東北大側が対応してくれた」と話す。

 福田病院長によると、弘前大の…
こちらは有料会員限定記事です。



https://mainichi.jp/articles/20180621/ddl/k46/010/490000c
出水市
赤字の病院事業改革へ 市長が給与削減表明 /鹿児島

毎日新聞2018年6月21日 地方版 鹿児島県

 深刻な赤字に悩む鹿児島県出水市病院事業を巡り、同市の椎木伸一市長は、8月~来年3月の自身の給与を2割削減する意向を表明した。医師らを除く236人の病院職員も同期間、18~4%削減し、経営改善を目指す集中改革プランを8月までに作成するという。

 病院事業の核となる出水総合医療センターが約10年前から医師不足となり、経営難に陥った。累積赤字は81億円で九州の公立病院で最多。市一般会計から特別補填(ほてん)していた。

 今年3月、学識者による経営諮問会議は、9月末時点で運転資金7億円を確保できなければ市営から指定管理者制に移行するよう市に答申。病院側は「実情にそぐわず、従えない」と反発していた。

 椎木市長は病院側と意見交換し、答申を保留。一定期間、病院側による自己改革を進めることにした。市長と職員の給与削減により、8カ月で約2800万円の支出カットとなる。【降旗英峰】



https://www.m3.com/news/iryoishin/609693
シリーズ 真価問われる専門医改革
新専門医制度、「日本版ACGME」設立で改善を
第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、総合診療専門医のサブスペシャルティも議論に

レポート 2018年6月19日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 三重県津市で第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術集会が開かれ、6月17日の教育講演「日本の総合診療の夜明けと今後の展望」では、同連合学会の前身の3学会トップらが講演。日本専門医機構が専門医認定と研修プログラム認定の両方を担うべきではなく、同機構は前者に特化すべきなど、新専門医制度そのものの問題点が指摘されたほか、総合診療専門医については、サブスペシャルティとして「病院総合医」と「家庭医」を養成する必要性が提起された。


教育講演は4人の講演後、フロアを交えたディスカッションが行われた。
 新専門医制度の問題点を提起したのは、地域医療振興協会副理事長で、元日本家庭医療学会代表理事の山田隆司氏。「専門医認定と研修プログラム認定を、同じ枠組みで行うことには無理があるのではないか。参考にすべきは米国の仕組み。専門医の『Certification』を行うABMSと、研修プログラムの『accreditation』を行うACGMEがあり、それぞれ別の枠組みで実施されている」と指摘し、「日本版ACGME」の創設を提言した。「基本領域やサブスペシャルティなどの在り方や専門医認定は、プロフェッショナル・オートノミーのもとに日本専門医機構が決めていい。一方、研修プログラム認定は、医師の偏在問題など、非常に政治的、政策的なことが絡んでくる。地域医療の視点を持って、関係団体や自治体なども交えた透明性のある議論が必要だろう」。

062403.jpg
日本版ACGMEの考え方(提供:山田氏)

 「病院総合医」と「家庭医」がサブスペシャルティ候補
 三重大学名誉教授で菊川市家庭医療センター(静岡県菊川市)センター長の津田司氏は、2018年度の総合診療専門の専攻医が183人で、2017年度に日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医専門医の専門研修を開始した199人よりも少なく、全専攻医の約2%にとどまることから、「なぜ専攻医募集が少なかったのか」と提起。今後の人口高齢化や人口減少時代を見据えると、医療施設が急性期医療を担う大病院、家庭医療を担う診療所、その間にある中小病院に機能分化していくとし、「ホスピタリストと家庭医がクローズアップされる時代が到来する」と予測。同連合学会が養成すべき「Generalist」は、ホスピタリストと家庭医であり、総合診療専門医のサブスペシャルティとして位置付けるべきと提言。これらの役割をエビデンスで示していくことが、総合診療専門医の魅力を高めることにつながるとした。

062402b.jpg
総合診療専門医のサブスペシャルティの考え方の例(提供:津田氏)

 元日本総合診療医学会運営委員長で、七条診療所(京都市下京区)所長の小泉俊三氏は、病院をベースとした「ホスピタリスト」(病院総合医)と、診療所の「家庭医」の必要性は認めたものの、その間に主に中小病院の医療の担い手としての「地域総合医」も求められるとした。「地域総合医というキーワードは、日本の医療の現状に合っているのではないか。日本の病院の約7割は、200床未満の病院。その多くは、地域密着型の医療を行っており、慢性期医療だけではなく、肺炎などの急性期疾患への対応も求められている。これらの病院が今後どんな役割を担うのか、ポジティブな定義付けをしていくと、地域総合医の魅力が出てくると思う」。

 山田氏は、「日本の医療ニーズに適切に応えられるよう、まさにプロフェッショナルとしての対応が求められている。総合診療専門医について言えば、家庭医と病院総合医の問題を整理して議論する必要がある。それぞれかかわる領域、かかわる団体が違う」と指摘した。家庭医については日本医師会のかかりつけ医制度と合同すべきとし、「移行措置を設け、更新制を厳しくするとともに、生涯教育のプログラム作成に対して、学会として協力していく」と提言。病院総合医については、「医師不足に悩む地域の中小病院の在り方が、日本の課題。そこにしっかりとしたトレーニングを受けた医師を送ることが必要。関連学会・病院団体と協議し、病院総合医のプログラムの確立を急がなければいけない」とした。

 これに対し、日本プライマリ・ケア連合学会の初代理事長で、京極町国民健康保険診療所(北海道京極町)所長の前沢正次氏は、「教育の手段としては、ホスピタリストがあっていいと思うが、それは目的ではない。あくまでプライマリ・ケアを担うという精神を忘れないでほしい」として、次のように自身の経験を語った。「7年前に当院は43床の病院だったが、今は有床診療所。さらにベッドをなくすことも考えている。入院医療ができなくなっても、いかにいい医療を提供するかであり、プライマリ・ケア医としての能力をベースに、認知症などの患者にも対応するほか、特別養護老人ホームでの看取りなどもやっている。要は、5年先、10年先を見据えて、どんな力を身に付けていくべきかを考える必要がある」



http://www.sanyonews.jp/article/735060
玉野市民病院、経営統合目指す 三井病院側と近く協議本格化
(2018年06月20日 11時13分 更新)山陽新聞

 玉野市は19日、赤字経営が続く市立玉野市民病院(同市宇野)について、玉野三井病院(同市玉)との経営統合を目指す方針を明らかにした。同病院を経営する三井E&Sホールディングス(旧三井造船)と近く協議を本格化させる。経営母体となる独立行政法人の設立も視野に入れている。

 市の西村薫三病院事業管理者が市議会厚生委員会で説明した。市民病院と同様に医師不足、施設の老朽化といった課題を抱える三井病院側に昨年末、連携を提案。接触を重ねる中で、経営統合に向けた協議入りの了解を得たという。

 黒字経営の三井病院に対し、市民病院は約42億円の累積赤字を抱えている。三井E&Sホールディングス玉野総合事務所は「医療需要が減る中、単独で経営していくのは難しい」とする一方で「市民病院の赤字は巨額。一緒になっても大丈夫なのか慎重に見極めたい」としている。

 西村氏は厚生委で「合併について不安に思う(三井病院の)職員もいるので慎重に議論を進めたい」とした。

 玉野市民病院を巡っては、三井病院、岡山赤十字病院玉野分院(同市築港)と地域医療連携推進法人をつくり、新病院を建設する構想が2016年に持ち上がったが、協議が前に進んでいなかった。



http://www.saga-s.co.jp/articles/-/232304
「非稼働病棟」存廃確認へ 県、病床活用目指し調査
6/19 8:00 佐賀新聞

 佐賀県は、ベッドを使っていない「非稼働病棟」がある診療所などに、病棟を存続させるかどうかの意向を確認する。県内では県保健医療計画で定める基準病床数を、実際の病床数が既に上回っており、原則的に新設や増設ができない状態が続いている。11月までに調査結果をまとめて課題を洗い出し、新増設を必要としている医療機関と、存廃に悩む診療所の調整を図り、病床の有効活用を目指す。

 県医務課によると、8~9月に調査し、病床を再開させるかどうかの見通しや、具体的な後継者がいるかなどを尋ねる。再開や譲渡、病床廃止を希望する施設には、「2年から5年以内」「7年以上」など具体的な対応時期も確認する。

 2015年5月に県医師会が実施した調査では、非稼働病棟があるのは45の診療所(538病床)だった。再開したくても夜勤の看護師が確保できないケースや、高齢になり入院の受け入れが難しくなった医師が、後任への引き継ぎを考慮して病床を残しているところがあるという。

 第7次県保健医療計画(18~23年度)で定める基準病床数のうち、県内全体の療養・一般病床数は7617床。18年4月末の病床数は1万694床と大きく上回っており、県内五つの保健医療圏はいずれも「病床過剰地域」となっている。

 病床数の有効活用を図りたい厚生労働省は今年2月、病床過剰地域で非稼働病棟を維持する必要性が乏しい医療機関に対し、各都道府県の医療審議会の意見を聞いた上で、県が速やかに病床数削減を要請することを求める通知を出した。

 調査結果は11月までに開く県地域医療構想調整会議に報告し、病棟再開に向けた手だてを探ったり、希望する機関が病床数を譲り受けたりする調整に役立てる。県医務課は「一歩踏み込み、具体的な対応時期まで聞く。過不足がない医療環境づくりに向けて、地域全体で考えるきっかけになれば」と話す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/609529
シリーズ 地域医療構想
「実態のない急性期病棟」にメス、客観的基準で「外れ値」除外
厚労省・地域医療構想WG、2018年度病床機能報告の見直し案了承

レポート 2018年6月18日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)は6月15日、「2018年度病床機能報告の見直しに向けた議論の整理」(案)について文言修正を座長一任の上、了承した。

 2018年度の病床機能報告から、高度急性期と急性期については、手術や救急医療の実績など定量的な基準を導入し、該当しない場合には高度急性期または急性期として原則報告できないようにする。また病床機能報告では、現時点での病床機能と、「6年後の病床機能の予定」を報告するが、2018年度は「2025年の病床機能の予定」を報告するよう改める。さらに、各構想区域の調整会議での議論活性化のために、2018年度中に、都道府県医師会などの医療関係者との協議を経た上で、定量的な基準の導入を求める。これらを盛り込んだ「議論の整理」(案)は、親会の「医療計画の見直し等に関する検討会」、さらに社会保障審議会医療部会での了承を経て確定する(資料は、厚労省のホームページ)。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、病床機能報告における定量的な基準は、全く急性期医療を提供していないのに急性期機能と報告するなど、「外れ値」を除外する目的での使用であることを確認。

 2017年度の病床機能報告の場合、「高度急性期」もしくは「急性期」と報告した2万1265病棟のうち、「幅広い手術の実施」「がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療」など、「高度急性期」「急性期」に関連した医療を提供していないのは、1076病棟(約5%)。医療内容を把握するための「様式2」が未提出の病棟(1938病棟)を加えた計3014病床(約14%)が、調整会議で医療機能の確認が必要な病棟だった。

062404.jpg
(2018年6月15日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)

 さらに中川氏は、調整会議での定量的な基準の活用について、「不足している機能はないかなどを分析する指標として使うもの。ただし、全国一律の基準を用いてはいけない」と述べ、地域医療の実情に合わせた指標を活用するよう、釘を刺した。本ワーキンググループでは以前、佐賀県や埼玉県が独自に作成した定量的な基準を用いている事例が紹介された(佐賀県は『地域医療構想調整会議、成功のカギは「対話と信頼」』、埼玉県は『「地域医療構想アドバイザー」、都道府県単位で設置へ』をそれぞれ参照)。厚労省医政局地域医療計画課は、「定量的な基準に使うのは、あくまでも議論の活性化のため。埼玉県や佐賀県のやり方を、全国一律的な方法で実施するのではない」と説明した。

 2018年度で「2025年の病床機能の予定」の報告を求めるのは、経済財政諮問会議の「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針2017)で、「個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、2年間程度で集中的な検討を促進する」ことが求められているため。調整会議で2025年の病床機能の予定を共有して議論を進めることを目指す。

 都道府県単位の「調整会議」の設置を推奨
 15日の会議ではそのほか、都道府県単位での調整会議を設置するよう、都道府県に対して推奨していくことも了承した。構想区域(大半は2次医療圏)単位の調整会議の議論が円滑に進むよう支援するのが目的。各構想区域の調整会議の議長などから構成する。現時点では20の都府県で設置しているが、参加者や協議事項などに相違がある。

 構成員からは異論は出ず、健康保険組合連合会理事の本多伸行氏は、構想区域の調整会議は法的に位置付けられていることから、都道府県の調整会議についても、「本来、法的に位置付けることが必要。ただし、法制化は待っていられないので、全国知事会にも要請するなど、スピード感をもって進むようにしてもらいたい」と求めた。

 中川氏は、都道府県単位の調整会議が機能する場合として、構想区域単位の調整では限界がある場合などを挙げた。「例えば、公立病院が新公立病院改革ガイドラインを作っても、普段からお世話になっている公立病院に対しては、物を言いにくいことがある。その際には、県単位の調整会議に代弁してもらう。そのためにも、各構想区域の調整会議の議長全員の参加は必要」(中川氏)。さらに都道府県医師会にその事務局機能を置いて、都道府県が支援する体制を提案し、そのための予算措置も求めた。厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、「都道府県で議論が進むように、さまざまな予算の確保に取り組んでいきたい」と回答した。



https://www.asahi.com/articles/ASL6N7SRYL6NUBQU020.html
病床減らす地域医療構想、推進したら補助金増額へ
西村圭史2018年6月21日09時00分 朝日新聞

 病院ごとの役割分担を明確にし、病床数を減らしていく「地域医療構想」の進みが遅い現状を打開しようと、厚生労働省は取り組みの進み具合に応じて都道府県に補助金を出す方針を固めた。来年度からの実施を目指す。

 地域医療構想は、団塊の世代が75歳以上になる2025年に必要な医療体制を構築するため、全都道府県が16年度にまとめた。それぞれの地域事情を踏まえ、高度な医療や慢性の病気に対応する病院や病床がどのくらい必要かなどが盛り込まれている。構想を元に、病院や診療所は18年度内をめどに自院の対応方針を決めることになっている。

 だが、17年度末で方針を決めた病院・診療所は、約1万4千施設のうち117施設に過ぎない。そのうち108は公立や公的施設だ。全体の約8割を占める民間病院は、ほとんどが未決定。このため厚労省は、都道府県が働きかけを強める必要があると判断した。



https://www.m3.com/news/kisokoza/610066
地域情報(県別)地域情報(県別)
福岡「現場は疲弊し、いらつく」「思いの外手堅い」、地域医療構想の意識調査

2018年6月20日 (水)配信津村育子(m3.com地域版)
ツイート
 福岡県の医療資源の状況は、全国と比較すると恵まれた状況にあるが、地域偏在が見られる。福岡市、北九州市と他の人口格差も大きい。一般病床の人口10万人当たりの病床数は全国平均を上回っているが、一方で、宗像、筑紫、直方・鞍手、京築の4区域は全国平均を下回っている。病床数のコントロールについては構想区域ごとに地域の医療関係者や保険者等で構成する「地域医療構想調整会議」において情報を共有し、病床転換や地区での役割分担などを協議している。

 福岡県に関連する先生方に、地域医療構想や進捗についての認識を尋ねたところ、「福岡市、北九州市とその他の地域で人口と医療機関のバランスの現状がかなり違うので、一律には難しい面もある」など地域偏在に関する意見が寄せられた。

Q:福岡県の「地域医療構想」、実際に目を通されましたでしょうか。
062406.jpg

 福岡の医療の行く末を指し示す地域医療構想。「中身を把握していない」が35.0%と一番回答が多かった。次いで多かったのが「なんとなく知っている」の29.7%、「実際に読んで中身を確認した」20.3%で、「読んではいないが、内容は理解」(10.6%)を含めると、半数以上が内容について認識していた。

 「地域医療構想」を基に、福岡県の構想区域別、4つの医療機能別に、2025年の必要病床数と2015年度の病床機能報告を比較すると、県全体では、高度急性期、急性期、慢性期では必要病床数が病床機能報告数を下回る一方、回復期では必要病床数が病床機能報告数を大幅に上回る。
062407.jpg

062408.jpg

【構想区域別の2025年「病床の必要量」と2015年度病床数(地域医療構想より)】※単位は「床」


Q:2025年に向けて、不足が見込まれる回復期病床の確保に向け、急性期病床等からの病床機能転換について県内13の構想区域ごとに設置した地域医療構想調整会議において検討されています。推計の妥当性について、急性期、回復期それぞれの認識を教えてください。

       推計通り    推計を上回る  推計を下回る  わからない
急性期の推計 36.6%      32.5%     5.7%      25.2%
n=246
回復期の推計 39.4%      29.7%     7.3%      23.6% 
n=246
         図より表に変換

 急性期・回復期ともに「推計通りになると予想」と認識する回答が多く、ついで「推計より需要は高まる」が多かった。

Q:地域医療構想では「急性期等から回復期への病床機能の転換、高齢者住宅等を含む在宅医療の基盤整備を、10年程度かけて合意形成を図り、推進」するとしています。進捗を実感されますか。
062409.jpg
 病床機能の転換や在宅医療の基盤整備の進捗について尋ねたところ、「実感していない(進捗していない)」が半数を超えた一方で、「実感する」も24.8%だった。

Q:福岡県の地域医療構想について、感想や疑問点があればお寄せください。
・従来からの行政データをキチンとベースにおいており、思いの外に手堅く、空理空論の少ない、とても良い構想を拝見できました。これならば今後も福岡県は安心です。また、県独自財源率が、香川県と並んで高く、財源的な裏付けもある中での論議ですから、頼もしい所でした。

・福岡市を中心に人口増加圏が拡大しつつあるので、ドーナツ状に緊急、療養を含め病床の確保がより必要になってくると思われる。

・土地、医療系の人材、利用者とその家族の負担、沢山の問題が山積みだと思います。現実的には難問があるかと思います。

・急性期の拠点病院の待遇を改善する必要があると感じます。現場は疲弊し、些細なことでもイラついているのが現状だと感じます。

・削減ありきで現場は混乱している。中堅の病院は潰れる。これが目的のようにも見えるが。

【調査の概要】
調査期間:2018年6月
対象:福岡県のm3.com医師会員



https://www.m3.com/news/iryoishin/610724
地域医療連携のコストは、関係機関全体で負担を
日医、医療IT推進に向けた報告書を提言

レポート 2018年6月22日 (金)配信長倉克枝(m3.com編集部)

 日本医師会常任理事の石川広巳氏は6月20日の定例記者会見で、医療IT委員会答申「日医IT化宣言2016 実現に向けた方策―地域医療連携、多職種連携のあるべき姿―」について報告をした(報告書は、日医のホームページ)。地域医療連携に必要なコストは関係機関全体で負担をすること、多職種連携では不可欠となっているソーシャルネットワークサービス(SNS)では専用SNSや業務専用スマートフォンを利用することなどを提言した。

 報告書は、「1.日医IT化宣言2016実現に向けた日本医師会の取り組み」と「2.地域医療連携、多職種連携のあるべき姿」の2部構成。前者では、医療分野のIT政策推進に向け2016年に報告した「日医IT化宣言2016」(『医師資格証の発行数が急増、診療報酬改定で』などを参照)の実現に向けた取り組みをまとめた。

 「1.日医IT化宣言2016実現に向けた日本医師会の取り組み」は「医療等分野専用ネットワーク構築に向けて」「医療等ID創設に向けて」「医療資格証の普及促進」「ORCA 2nd Stage開幕」「次世代医療基盤法への対応」の5項目から成る。

 今年5月に施行された「次世代医療基盤法」では、医療情報の匿名加工を行うことで、医療機関等をまたいだ医療情報の利活用が可能になる。そこで、国は匿名加工を行う事業者を認定する計画だが、日医では今後、匿名化技術や医療情報収集に明るい専門職員を配置し新たな法人を設立して、国から認定を受ける方向で進めているとした。石川氏は、「医療情報の収集や取り扱いで、営利企業が参入してこないように気を付ける必要がある」と話した。

 もう一つの「2.地域医療連携、多職種連携のあるべき姿」では、まず、地域医療連携実現に向けて壁となっている運用コストの課題に対して、その成功事例が取り上げられた。運用コストは医療機関だけが負うべきものではないとし、石川氏は「地域医療連携でメリットがあるのは、医療従事者だけではなく、患者、保険者ら医療を巡る関係者全員だ。コストは全体で負担するべきだ」と述べた。

   また、多職種連携では、医療・介護連携が近年進んでいるが、こうした現場ではコミュニケーションのために、SNSやスマートフォン、タブレット端末の利用が不可欠になっている。日医では以前から、非公開で医療・介護連携用のSNS利用と、事業者が管理する端末での利用を訴えているが、個人の端末を業務に利用する「BYOD」は原則禁止と改めて指摘をした。一方で、事業者による端末購入はコストの問題で導入が進まない実態もある。これに対し石川氏は「端末コストを補助金の対象にしたり、多職種連携に対する診療報酬算定を国に働きかけるなど求めていきたい」とした。

 
オンライン診療の適正な実施に向けた報告書を発刊

 「日医IT化宣言2016 実現に向けた方策―地域医療連携、多職種連携のあるべき姿―」にはオンライン診療の推進も盛り込まれた。これに関して、今年2月に発足した情報通信機器を用いた診療に関する検討委員会の報告書「情報通信機器を用いた診療の適正な実施」についても石川氏が報告をした(報告書は、日医のホームページ)。今年4月の診療報酬改訂で新たに評価されることとなったオンライン診療の実施に向けてまとめたもので、オンライン診療の実施に向けたガイドラインについては、今年3月に厚生労働省が「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会 オンライン診療の適切な実施に関する指針」を取りまとめている(指針は厚労省のホームページ)。

 日医の同委員会では4回に渡り議論を重ね、本報告書をとりまとめた。同委員会での議論は「厚労省の指針に基本的にほとんどが反映されている」(石川氏)としており、厚労省の指針と同様の内容となっている。また、指針は今後検証して変更していくものとしており、石川氏は「そこが重要なところで、オンライン診療は実施しながらエビデンスを積み重ね、よりよいオンライン診療にしていくことが重要だと考えている」とした。

   報告書の構成は以下の通り。

はじめに

1.基本原則

2.論点
 (1)オンライン診療の定義
 (2)オンライン診療を行う者について
 (3)オンライン診療の対象となる地域について
 (4)オンライン診療を行う場所
 (5)セキュリティ対策について
 (6)医師の本人確認について
 (7)患者の本人確認について
 (8)情報通信事業者の第三者認証について
 (9)医師教育について



http://www.medwatch.jp/?p=21141
骨太方針2018を閣議決定、公的・公立病院の再編統合、病床のダウンサイジング進めよ
2018年6月18日|介護保険制度 MedWatch

 2025年の基礎的財政収支(PB)黒字化を目指し、2019-21年度を「基盤強化期間」と位置づけ、社会保障費の伸びを「高齢化」相当に抑えることとし、健康づくりの推進、地域医療構想の実現、診療報酬・介護報酬におけるアウトカム評価の推進などを行う―。

 安倍晋三内閣は6月15日に、こういった内容を盛り込んだ「経済財政運営と改革の基本方針2018—少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現—」(いわゆる骨太の方針2018)を閣議決定しました(内閣府のサイトはこちら)。社会保障費の伸びに関して具体的な数値は盛り込まれていませんが、2020年度・21年度には高齢化の伸びが鈍化するため、社会保障費の伸びも相当程度抑えられ、厳しい診療報酬・介護報酬改定となりそうです。

 すでにメディ・ウォッチでお伝えした「原案」から大きな見直しはありませんが、改めて社会保障改革に関する事項を眺めてみましょう(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 2019年10月の消費増税に合わせて、介護職員のさらなる処遇改善を行う
2 市町村と都道府県が連携し、健康づくりを推進せよ
3 公立・公的病院の再編統合、病床のダウンサイジング進め、地域医療構想を実現せよ
4 ADL改善などアウトカムに基づく診療報酬や、AI活用したケアプランなど導入せよ
5 外来における「受診時定額負担」、薬剤自己負担割合の見直しなど改めて検討せよ

2019年10月の消費増税に合わせて、介護職員のさらなる処遇改善を行う

 まず、2025年にはいわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護費をはじめとする社会保障費が増大し、財政を強く圧迫するため、「2025年度の基礎的財政収支(PB、「歳入から国債等の借金収入を差し引いた金額」と「歳出から国債費等を差し引いた金額」とのバランス)の黒字化を目指す」との目標を設定。

このため、団塊の世代が75歳に入り始める2022年度の前まで、つまり2019-2021年度を、社会保障改革を軸とする「基盤強化期間」と位置づけ、社会保障関係予算について次のような編成方針を示しています。

▼「社会保障関係費の実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びに収める」方針を2021年度まで継続する

▼消費増税とあわせ行う増(社会保障の充実、「新しい経済政策パッケージ」で示された介護人材の確保・社会保障4経費に係る公経済負担など)については、別途考慮する

 前者においては数値目標が定められていませんが、2020・21年度は「75歳以上の後期高齢はとなる人口」の伸び率が鈍化するため、社会保障関係費の増加も「小さく抑えられる」ことになるでしょう。2020年度の次期診療報酬改定、21年度の次期介護報酬改定は厳しいものとなりそうです。

 また後者に関連して、「介護人材の処遇改善を消費税率引き上げ日の2019年10月1日に合わせて実施する」方針も示されています。

市町村と都道府県が連携し、健康づくりを推進せよ

具体的な社会保障改革の内容を見ると、▼健康づくり▼効率化・適正化▼生産性の向上―など幅広い項目が盛り込まれています。

「健康づくり」は、「医療・介護費の伸びそのものを抑える」重要なテーマです。「健康寿命を延伸し、平均寿命との差を縮小」することを目指し、例えば次のような方策が掲げられました。

▼生活習慣病等・慢性腎臓病・認知症の予防
糖尿病等の生活習慣病の重症化予防に関して、県・国民健康保険団体連合会・医師会などが連携する「埼玉県の取り組み」などの優良事例の横展開を、今後3年間で徹底して取り組む

▼がん対策
・早期発見・早期治療(がん検診の見直し、膵がんなど難治性がんの早期発見)
・がん治療と仕事の両立(傷病休暇の導入、活用の促進)

▼データヘルス
医療・介護制度におけるデータの整備・分析、保険者機能の強化、科学的根拠に基づいた施策の重点化、予防・健康づくりに頑張った者が報われる制度の整備

▼認知症対策
研究開発の重点的な推進、予防に関する先進・優良事例の横展開、新オレンジプランの実現、容態に応じた適時・適切な医療・介護提供に向けた「認知症疾患医療センターの司令塔としての機能」強化、相談機能の確立、地域包括支援センター等との連携強化

▼介護予防、フレイル対策
 市町村と都道府県の連携による「高齢者の通いの場を中心とした介護予防・フレイル対策」「生活習慣病等の疾病予防・重症化予防」「就労・社会参加支援」の推進

▼アレルギー疾患対策
 アレルギー疾患対策基本指針に基づいた「アレルギー疾患の重症化予防」「症状軽減に向けた対策」の推進

 
健康づくりを進めると同時に、「元気で、働く意欲のある高齢者」には活躍の場を広めてもらうことが重要です。少子化が進む中では、高齢者自身が「社会保障の支え手」となることも期待されるためです。この観点からは、次のような方針が示されています。

▼勤労者が広く被用者保険でカバーされる勤労者皆保険制度の実現を目指した検討(被用者保険の適用拡大と、それが労働者の就業行動に与えた影響についての効果検証を行う)

▼年金受給開始年齢の柔軟化など

▼既存の施策を含め地方自治体への財政的インセンティブを活用し、「元気で働く意欲のある高齢者を介護・保育等の専門職の周辺業務において育成・雇用する」取り組みの全国展開

▼人生の節目で「人生の最終段階における医療・ケアの在り方」などを本人・家族・医療者等が十分話し合うプロセスの全国展開(関係団体を巻き込んだ取り組み、周知、本人の意思を関係者が随時確認できる仕組みの構築)

▼「住み慣れた場所での在宅看取り」の優良事例の横展開を推進する

公立・公的病院の再編統合、病床のダウンサイジング進め、地域医療構想を実現せよ

 健康づくりによる「社会保障費の伸びの鈍化」効果が現れるには相当の時間がかかります。一方、高齢化の進展による医療・介護費の増加は続いていくため、「効率的・効果的な医療・介護提供体制」の構築が不可欠です。この点いついては、次のような施策の推進が行われます。

▼地域医療構想の実現
・「個別の病院名」「転換する病床数」などの具体的対応方針を集中的に検討し、2018年度中の策定を促進する
・公立・公的医療機関について、「地域の民間医療機関で担うことができない高度急性期・急性期医療や不採算部門、過疎地等の医療提供等に重点化する」よう医療機能を見直し、これを達成するための再編・統合の議論を進める
・病床の機能分化・連携が進まない場合に、都道府県知事が役割を適切に発揮できるような「権限」の在り方の検討促進
・「病床の転換」「介護医療院への移行」などが着実に進むよう、地域医療介護総合確保基金や入院基本料等の見直しなどの効果やコストの検証を行い、必要な対応を検討するとともに、「病床のダウンサイジング」支援の追加的方策を検討する
・高額医療機器について共同利用を推進するなど、効率的な配置、稼働率向上を促進する方策を検討、実施する

▼1人当たり医療費・介護費の地域差縮減
・「1人当たり医療費の地域差半減」「1人当たり介護費の地域差縮減」に向けて、国・都道府県が積極的に「地域別の取組や成果の見える化」「進捗遅れの要因分析」などを行い、保険者機能の一層の強化を含め、更なる対応を検討する

▼地域独自の診療報酬について、都道府県の判断に資する具体的な活用策の在り方を検討する

▼レセプト情報を活用した「医師や薬剤師が投薬歴等を閲覧できる仕組み」の構築、「診療報酬による多剤投与適正化」、「介護予防等への取り組みの見える化」などを推進する

ADL改善などアウトカムに基づく診療報酬や、AI活用したケアプランなど導入せよ

 少子化が進展する中では、医療・介護従事者の「生産性」向上が不可避であり、次のような方向が明確にされました。

▼「予防・健康づくり」「データヘルス」「保健事業」について、多様・包括的な民間委託を推進し、サービスの質と効率性を高める

▼診療報酬・介護報酬においては、適正化・効率化を推進しつつ、安定的に質の高いサービスが提供されるよう、「ADL改善などのアウトカムに基づく支払いの導入」等を引き続き進める

▼被保険者番号の個人単位化とオンライン資格確認を導入するとともに、「保健医療データプラットフォーム」について、2020年度の本格運用開始を目指し取り組む

▼少ない人手で効率的に医療・介護・福祉サービスが提供できるよう「AI実装に向けた取り組みの推進」「ケアの内容等のデータを収集・分析するデータベースの構築」「ロボット・IoT・AI・センサー」の活用を図る

▼「科学的介護」「栄養改善を含めた自立支援・重度化防止等に向けた介護」を推進する。特に、「自立支援・重度化防止等に資するAIも活用した科学的なケアプラン」の実用化に向けた取り組みを推進し、ケアマネジャー業務の在り方を検討する

外来における「受診時定額負担」、薬剤自己負担割合の見直しなど改めて検討せよ

 また保険制度改革に関しては、「必要な保険給付をできるだけ効率的に提供しながら、自助、共助、公助の範囲についても見直していく」ことが必要とし、次のような改革項目が固められました。

▼団塊の世代が後期高齢者入りするまでに、世代間の公平性や制度の持続性確保の観点から、後期高齢者の窓口負担の在り方について検討する

▼介護のケアプラン作成、多床室室料、軽度者への生活援助サービスについて、給付の在り方を検討する。

▼新規医薬品や医療技術の保険収載等に際して、「費用対効果」「財政影響」などの経済性評価や保険外併用療養の活用などを検討する

▼薬剤自己負担の引上げについて、「市販品と医療用医薬品との価格バランス」「医薬品の適正使用の促進」等の観点を踏まえつつ、対象範囲を含め幅広い観点から検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる

▼かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師の普及を進めるとともに、外来受診時等の定額負担導入を検討する

▼勤労世代が減少しその負担能力が低下する中で、社会保障改革に関する国民的理解を形成する観点から「保険給付率(保険料・公費負担)と患者負担率のバランス」等を定期的に見える化しつつ、診療報酬とともに保険料・公費負担、患者負担について総合的な対応を検討する

 
 今後、例えば社会保障制度審議会の医療保険部会や医療部会、中央社会保険医療協議会を中心に、これらの方針・項目の制度化・具現化に向けた検討が進められることになります(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。
 


https://www.m3.com/news/iryoishin/604042
新卒医師・匿名座談会2018
医師国試対策、前倒して臨床実習との相乗効果を◆Vol.4
勉強への本腰時期はそれぞれ- 新卒医学生座談会

スペシャル企画 2018年6月22日 (金)配信司会:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:大西裕康(m3.com編集部)

座談会出席者は、計5人。

司会:医師国試対策は、いつ頃から、どのように進めたのでしょうか。
Eさん 5年生の時に大学が提携している予備校の模試があり、結果が悪かったのでそこから勉強し始め、その予備校のテキストやビデオ講座を使い始めました。今振り返ると、臓器別テキストが5年生の終わりくらいに配られたのですが、もっと早ければ、実習との兼ね合いで相乗効果も期待でき、勉強の効率も上がったと感じています。

司会:今年から試験期間が3日から2日に変わったり、問題数が減ったりというのは意識しましたか。

Eさん 5年生の時には噂のような感じで確定ではなく、結局は難易度が変わるわけでないのであまり影響はなかったと思います。

Aさん 大学では、5年生の最後に実力テストがあり、補習の合宿があって対象になりましたが、行きませんでした(苦笑)。まずいと思いながらも映像授業などは見ず、6年生の5月に外部実習で市中病院へ行った際、空き時間に国試の過去問解説集を見始めました。待機しているにしても、医師がいるところにいなければならないなどの決まりはあったものの、空いている時間が結構あったためです。

Bさん うちの大学では国試を意識した勉強を始めるのが結構早く、ネット講座も4年生くらいから契約するような感じで、5年の始めくらいからやっていました。5~6年生の時も、今はテストをするようになったようですが、私の代ではテストもなく、「自分でやらなきゃまずいよね」という雰囲気があり、臨床実習の空き時間に入れる100人くらい入る部屋があり、皆でやっていました。

Cさん 提携予備校のテキストが5年生の最初に配られたので、基本的にはそれを使っていました。また、5、6年生時の大学の定期テストが国試に準じていたので、レベルは高いですが、定期テスト対策と国試対策が重なっているような部分があり、無駄がないような感じはありました。新出題基準についてはガイドラインを読み始めたりしたのが、6年生の10月くらいでした。

Dさん 5年生の最初にビデオ講義が見られるようになったので、臨床実習の空き時間に見ていました。6年生になるくらいからは休みの日も本格的に勉強し始めました。また、面倒見の良い大学なので、模試などで成績下位になると補講があったり、休みの日まで先生が教えに来てくださったりしていました。

司会:実際に受けてみて、直後の手応えと結果については感想などありますか。

Eさん 1日目は自己採点しなかったのですが、必修問題が難しく感じて青ざめていました。前回第111回国試が「必修の年」と言われていたので、必修で落ちるんじゃないかと思いましたが、ふたを開けてみると、ぱんりん(「一般」「臨床」)落ちの方が多かった。そっちは割と余裕を持って臨めたので結果につながったと思っています。

Cさん 手応えはありましたが、「こんなんで人生が決まるんだ」と拍子抜けしました。「模試みたいだな」「こんなもんなんだ」と感じました。しかも、設問も、結構重なっている疾患が多いなど、診療科も、解きながら「血管炎、呼吸器内科、出すぎじゃない?」などの偏りを感じながらだった。「もっといろいろ勉強したのに」とも思いました。

Bさん 成績は良い方ではなかったので結構心配でした。本番では1日目の自己採点はしない方がいいと言われていたが、してしまい……。ただ意外と良くて、これは大丈夫だなと自身を持って2日目に臨めたので結果的に良かったです。ただマークミスもあるので合格発表までは心配でした。

Aさん 初日に皆で採点した際に結果が悪かったので悲惨でした。ギリギリ通ったんだと思います。

司会:大学側に、こういった授業、生活が送れたらよかったなど、医学教育への提言はありますか。また現役医学生に「こういう工夫をすればいい」といったことや、やり残したことは。

Cさん 提携している予備校講師の講義などをもう少し低学年からやってほしかった。基礎医学の講義は専門性が高くチンプンカンプンで、マニアック。予備校講師の方が分かりやすかった(笑)。予備校講師の講義を受けて、間違って覚えていたことに気付いた内容もありました。海外では教育専門の先生がいると聞いたので、そういう取り組みをもっと推進して、私立大学であればアピールしていったらいいと思います。

Eさん 私の大学でも予備校提携していて、5年生の夏休みに成績が悪い人は呼ばれて、特訓がそこから始まりました。予備校講師の指導はやはり分かりやすいので、「今までの講義は、何だったんだろう」と思いました(笑)。基礎から国試に沿って教えてくれるし、1~4年生時は、先生の趣味っぽい内容があり、学生の私ですら「それいる?」と感じる内容もあったので、やりがいを欠く場面もありました。予備校講師だと均一に大事なところとかを教えてくれるので良かったです。

司会:公立では予備校との提携はありませんよね。

Bさん そういうのはありませんでしたが、大学が、5人で1部屋使えるなどの勉強専用スペースを準備してくれました。進級も厳しくなく、大学自体が和気あいあいというか、うちの学年は県内外出身者と県外が半々で、8割が卒業後、県内に残ります。つながりを大事にするような雰囲気で、大学の先生も実習で各科が飲み会やってくれたり、マッチングの結果が地元紙の1面になったり、県全体、地元全体で盛り上がる感じもあり、勉強も連帯感があります。

Aさん うちは留年が毎年20人くらいいるそうで多すぎます。今年も同じくらいでした。1学年2回までしか留年が認められないので、毎年のように10人ずついなくなっていきます。この状況は問題かなと思っています。卒業試験も、訳が分からない問題を出すので、誰も受からない(苦笑)。皆合格までいきませんが、下30人を再試にして、そのうち20人は留年。国試は、今年がとても良くて、受験を申し込んだうち20人は落とて2人しか落ちなかった。でも、“本当”の国試合格率は下の方です。

納得がいかないのは卒業試験です。絶対やらない治療が解答になっていたりしました。質問状のような形で学生が疑義照会できるのですが、「やることはあります」という回答で、勉強する人もしない人も点数が変わらない。先輩方などに話を聞くと、毎年、合格点に誰もいかず、下を切るだけのような感じだそうです。卒試は皆から大きく外れなければ通るからと、国試の勉強をやっていました。社会人経験のある50歳の方がいたのですが、成績は学年1位。国試対策委員もその人がやっていて、皆のために過去問などをインターネットで共有してくれたりしました。ただ本人も臨床実習の時に「大腸ポリープを取る」など話していたり、ボロボロになっていました。

司会:大学の医学教育は、米国で医業を行う資格を審査する団体ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)が「2023年以降は国際的な基準で評価・認定を受けている医学部出身者に限る」と、審査の申請について通告したのをきっかけに、卒業前の教育の質の保証や卒前卒後一貫した教育の重視、臨床実習の時間を増やすなどの改革が進んでいます。ご自身が受けてきた医学部教育を振り返って、国試対策との関係についてのご意見やご感想はありますか。

Dさん うちの大学は臨床実習期間が長いものの、実習しないと医学部に来た感じがしないので、患者と接する機会が増えるのは良いと思います。勉強面と兼ね合いでは、実習まで講義だけだとイメージがわきませんが、実習すると、接した患者さんのことを振り返るような機会もあり、学習にも身が入りました。国試で問題を解く面でも、医者になる自覚の面でもすごく良かったです。実習は大学病院本院が主でした。

司会:大学自体の医療機能は高度急性期中心なので、診る患者に偏りはないでしょうか。

Dさん すごく難しい病気で、「大学病院でしか診ないだろう」という症例もありましたが、数カ月間市中病院で実習する機会もあったので、カバーになっていたと思います。

Bさん うちは地域研修が低学年から結構あります。希望すれば1年生から行けます。医学知識や技術も大事ですが、地域に実際に行ってみて、どういうことに困っているのかという話を聞くのも大事だと思います。私は神奈川県と同じくらいの面積にもかかわらず、医者が10人くらいという地域に行きました。昼間は病院、夜は地域の人たちと飲み会と、あまり窮屈な感じはありませんでした。「医者」であれば身構えるかもしれませんが、「若い人が来た」と言って皆、喜んでくれました。大学だけで実習するのでも満足度は高いものの、見学中心で、主体的な部分が少ないと感じます。私は、地域の方々と触れ合って、医師としての使命感を得ました。難しい疾病の知識も重要ですが、コモンディジーズをいかに分かりやすくかみ砕いて説明するかなども意外に難しく、勉強になりました。

Cさん 私は国試の勉強が重要と考えていたので、臨床実習は楽しかったですが、例えば、産婦人科に行くならその前に勉強しておき、分からない問題があれば、実習で確認するなどの流れを徹底しました。実習では、患者さんとのファーストタッチが学生というのも多く、初診で患者が訴えることはめちゃくちゃだったりして、いかに整理するか、何が言いたいのかを考えるのは「実習しているな」と感じました。「ここも痛いし、あそこも痛い、結局何しに来たのですか」というのを引き出していく力を磨くことができました。実習は、基本的には4年生の2月から本院で、5年生の最後の6週間は大学が指定した病院の中から選んで行く。その後、6年生の4、5月はどこでも好きなところで実習できました。

Aさん 5年生の4月から臨床実習でした。5年生の時は別の大学の救急で、6年生の4、5月は自分でアポを取って、1カ月ごとに実習。ちゃんと自分でやれる科の方が印象に残りましたが、5年生の時に行った救急がさかんな病院では、地獄のような日々でした。朝から晩までいつでも起こされ、起こされたら死にそうになりながらすぐ行って、救急車の呼び入れなどをやりました。期間は3週間。当直ではない日の帰りはそれほど大変ではなかったですが、自宅から遠かったので、朝は始発の電車に乗り2時間半くらいかけて通っていました。特につらかったのは救急のトップが理事長で、週1回「向かい合う時間」があり、すごく怖いし、しょっちゅう怒鳴られました。“試問”みたいな感じで学生が並び、色々質問され、答えられないと激怒され学生は退出。全員いなくなったら終わり、という感じでした(笑)。終わると皆で謝りに行き「来週また頑張ります」と伝えるんです。

  市中病院の実習では小児科も回りましたが、風邪、頭痛、腹痛などばかりで、研修医の人も、「自分で外来やって」というところだったので、ペアで振り返ったりしながらやっていました。もう少し市中病院の期間があっても良かったと思います。

Eさん 私の臨床実習は5年生の4月からで、1つの科を1カ月回るので、回れない科もありました。私の場合は、消化器内科、呼吸器内科です。

司会:臨床実習で回っておきたかった科ですよね。

Eさん そうなんです。試験などで「実習で診た……」と書いてあっても、診ていないので国試に向けて困りました。実習する病院の選択肢は複数ありましたが、有名どころは抽選で漏れてしまう。希望があれば海外にも行けますが、私は行きませんでした。逆に、糖尿病部門に1カ月もいる必要があったのかは、いまだに不明です。2型の方ばかりなので、ただ痩せていくのを見ているだけ。血糖コントロールで多様な症例ではない。ただ、患者の心理面には詳しくなった気がしています。仲良くなって深いお話を聞けたりしたので、良い面もありました。それでもやはり国試対策を考えると困りものだと思います。メジャーな診療科をきちんと回れるプログラムであるべきです。昔はそうだったらしいけれど、「臨床現場には1カ月くらいはいないと」「深く知らないと」というわけで、昔は7人くらいだった1班当たりの人数は4人くらいの少人数にして、1診療科当たりの期間も長くなった。2週間だけは、大学から外に出て、都心の市中病院で実習をやらせていただいた。夜のお仕事の方々が、アル中で次々と運ばれてくる現場でした。



https://www.m3.com/news/general/610994
抗認知症薬の効果「不十分」 仏、4種類を保険適用外に
2018年6月24日 (日)配信朝日新聞

 認知症の治療に日本でも使われている4種類の薬が、フランスで8月から医療保険の適用対象から外されることになった。副作用の割に効果が高くなく、薬の有用性が不十分だと当局が判断した。日本で適用対象から外される動きはないが、効果の限界を指摘する声は国内でもあり、論議を呼びそうだ。

 仏連帯・保健省の発表によると、対象はドネペジル(日本での商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(同メマリー)。アルツハイマー型認知症の治療薬として、これまで薬剤費の15%が保険で支払われていたが、8月からは全額が自己負担になる。

 東京大の五十嵐中(あたる)特任准教授(医薬政策学)によると、フランスは薬の有用性に応じて価格や保険で支払われる割合を随時見直している。今回の薬は7年前にも専門機関から「薬を使わない場合と比べた有用性が低い」との評価を受け、保険で支払われる割合が引き下げられた。機関は2016年にさらに低い「不十分」と評価し、今回の決定につながった。

 4種類の抗認知症薬は病気の症状が進むのを抑えるが、病気自体はくい止められない。効果は各国で実施された臨床研究で科学的に確認されている。とはいえ薬から得られる恩恵は「控えめ」(米精神医学会のガイドライン)だ。また、下痢や吐き気、めまいといった副作用がある。

 日本でアリセプトに続いて実施された3種類の薬の治験では、認知機能の指標では効果があったものの、日常生活動作を含む指標では効果が確認されなかった。それでも承認されたのは、アリセプトだけでは薬の選択肢が限られるなどの理由からだ。

 東京都医学総合研究所の奥村泰之主席研究員らの調査では、日本では15年4月~16年3月にかけて、85歳以上の高齢者の17%が抗認知症薬の処方を受けた。処方された量はオーストラリアと比べ、少なくとも5倍多いという。

 兵庫県立ひょうごこころの医療センターの小田陽彦(はるひこ)・認知症疾患医療センター長は「欧米はケアやリハビリをより重視する。日本では安易に抗認知症薬が使われている印象だ」と話す。

 ただ、薬を自己判断でやめると症状が悪化する恐れがある。日本老年精神医学会理事長の新井平伊(へいい)・順天堂大教授は「抗認知症薬は病気の進行を1年ほど遅らせることができ、薬がなかった以前と比べればそれなりの価値はある。薬をどう使うかは主治医とよく相談してほしい」という。(水戸部六美、編集委員・田村建二)



  1. 2018/06/24(日) 11:25:06|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<Google Newsでみる医師不足 2018年6月30日 | ホーム | 6月17日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する