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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月17日 

https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/6/11/16196
総合診療医、県内の専攻ゼロ 4月開始新制度 
2018.06.11 岩手日報

 岩手医大の下沖(しもおき)収(おさむ)教授(総合診療医学分野)は9日、盛岡市内で講演し、4月開始の新専門医制度で、新たに養成が始まった総合診療領域を選択した県内の専攻医がゼロだったことを明らかにした。総合診療医への理解不足や、他領域に比べ医師像が捉えにくいことなどが影響したとみられる。高齢化や医師不足が進む本県で多様な疾患に対応できる総合診療医の需要は高く、その役割や魅力の発信が求められている。

 下沖教授によると、県内では同大のほか県立病院など計7機関で総合診療専門医の研修プログラムがあるが、いずれの機関も専攻医はゼロ。全国では専攻領域の19診療科で約8400人が専攻医登録をしたが、総合診療を選んだのは全体の2・2%にとどまった。

 総合診療医は病院のほか、地域保健や在宅医療など診療の場が多様なため、下沖教授は「特定診療科に比べて医師像が定まりにくく、分かりにくい」と考察。研修で内科やへき地での勤務が必須とされていることなども専攻医の不安を招いたのではないかと指摘した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/607513
シリーズ 大学医学部「地域枠」の今
離島医療・保健実習、医学生全員が必修 - 長崎大学◆Vol.1
「地域枠」区別なく、1年次から地域医療教育
 
スペシャル企画 2018年6月11日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 医師不足・偏在対策の一環として、2008年度以降、全国の大学医学部が「地域枠」を設置、定員数は年々増加し、2017年度では医学部入学定員9420人のうち、1676人を占める。「地域枠」を生かすには、単に入学定員枠を設けるだけでなく、卒前・卒後の教育、研修をいかに行うかがカギとなる。シリーズで各大学の「地域枠」の現状をお届けする。

 その第一弾は長崎大学。同大は、「地域枠」か「一般枠」かを問わず、地域医療教育を医学部の1年生から実践しているのが特徴。2004年度から長崎県と五島市の寄附講座として「離島・へき地医療学講座」を開講し、離島での活動拠点として「離島医療研究所」を設置したのがきっかけだ。日本で最も離島が多い都道府県である長崎県。その地域医療を支える立場として、離島の保健医療の各施設を臨床実習の場とするほか、実習を実のあるものにするための“予習”として、1年次から保健医療福祉の各施設での体験学習、症例検討などを重ねる。学内の歯学部と薬学部に加え、福祉系人材養成の長崎純心大学の学生との共修に取り組んでいることも注目点だ(2018年6月1日に取材。全3回の連載)。

 「長崎大学は『地域枠』制度が導入される前から、地域医療教育に取り組んできたため、『地域枠』の学生か否かを分け隔てなく、医学部の1年生から地域医療教育に力を入れる体制を作り上げてきた。さらに福祉系の学生も含め、多職種を交えた教育も実践している。臨床実習では、本土の中核病院だけでなく、離島の医療機関などが教育の場となっている。高齢社会における地域医療の担い手の養成は、医学部だけでは限界があり、“社会の総力戦”で取り組まなければいけない」――。

 こう語るのは、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科地域医療学分野教授の前田隆浩氏だ。

 2008年度から導入した「地域枠」の入学者も増えているものの、入学者全体に占める長崎県内出身者は3割強にとどまる。「地域枠出身者はほぼ100%、長崎県内で研修する。それに加えて、地域枠以外でも、卒業後、県内で研修する学生が増えている。臨床実習を受けた病院を卒後の臨床研修先として選ぶ傾向が、年を追うごとに高まっている」(前田氏)。長崎大学医学部の卒業生のうち長崎県内で研修する割合は、2012年度は47.6%だったが、年による変動はあるものの、2016年度は58.2%、2017年度は54.3%と5割を超えるようになった。これにも地域医療教育の影響が現れているのではないだろうか。

 1年生から地域医療教育の“実習”

 長崎大学が地域医療教育を充実させたのは、2004年度からだ。長崎県と五島市が、自治体初となる大学医学部への寄附講座として「離島・へき地医療学講座」を開講し、その活動拠点として長崎県五島市の五島中央病院内に「離島医療研究所」を設置したのがきっかけ。前田氏が教授として赴任、その後、2012年に大学内に正規の講座として地域医療学分野が設置されたため、前田氏は同分野の教授も兼務する。

 離島医療・保健実習の実習体制は順次拡充し、現在は4コース。医学部4、5年生は、いずれかのコースで1週間泊まりがけで臨床実習する。その後の5、6年生の高次臨床実習(4週間以上)でも、離島実習を選択でき、希望者は地域枠以外の学生も年々増加している。

 地域医療教育を担当するのは、「離島・へき地医療学講座」と地域医療学分野のほか、2013年度に文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」としてスタートした、長崎大学医学部地域包括ケア教育センターだ。同センター長の永田康浩氏は、「5年生の離島医療・保健実習は、いわば地域医療教育のアドバンスコース。いきなり離島に行っても、単に見学だけに終わってしまいかねない。そうしないためには1年生から積み重ねる“予習”が必要」と指摘する。

 “予習”、つまり準備教育として充てているのが、1年生から4年生までの「医と社会」の講義と実習、そして演習である。地域医療関連のカリキュラムは、下図の通りだ。「徐々にステップを上げて、現場を見せる」(永田氏)という考えから、1年生はリハビリテーション病院などの病院体験実習、2年生は高齢者福祉施設の体験実習、3年生は診療所体験をそれぞれ取り入れ、医療に限らず、保健、福祉の現場を幅広く見てもらうことを目指している。4年生は、長崎大学の歯学部と薬学部の学生とともに、症例検討などのグループワークを行う。

 さらに離島医療・保健実習に行く直前の1週間の“予習”では、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、消防署の3施設を拠点として地域包括ケア実習を行う。救急車同乗実習では、救急要請する高齢者宅に出向き、医療機関に搬送されるまでのプロセスを実体験する。

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6年間を通じて、地域医療教育を実践(提供:永田氏)

 福祉系の他大学学生とも共修

 長崎大学の地域医療教育の特徴は、4年生のグループワーク以外にも、“予習”を実践するさまざまな機会で、多職種による教育を取り入れていることだ。福祉系の人材養成に実績のある長崎純心大学とも連携して、異なる大学の学生同士による共修も開始した。

 2年次に取り入れているのは、週2コマ、3週間にわたる講義と共修グループワーク。「“医療モデル”から“生活モデル”へと理解を広げるために、“医療モデル”の思考が固まるのと並行して、若いうちから医療と福祉の垣根を越えた、“生活モデル”の視点を学ぶと、吸収は早い」(永田氏)。講義を担当する長崎純心大学人文学部学部長の潮谷有二氏は、「医師にとって、将来パートナーとなる福祉系の学生とともに学ぶことは、日本の医療の将来を見据えた教育」と語る。プログラムや教材などは、2大学が共同で開発した。

 永田氏が医学部1年生から4年生に、2015年度と2017年度に調査した結果、地域医療教育を通じて、地域医療への関心が高まったことが示された。地域枠と一般枠を分けた分析でも、有意差はないものの、関心は高まったという結果だった。

地域医療教育への関心を5段階で評価した結果、授業後に関心が高まったという結果が表れている(提供:永田氏)

 さらに任意参加の「長崎地域医療セミナー」を五島と平戸の2カ所で、毎年夏に開催。2泊3日の合宿形式で、両大学から40~50人参加する。ここで医学生はより多くの刺激を受ける。長崎大学の医学生は1、2年次の参加が多いが、長崎純心大学の学生は3、4年生が中心。「医学部のカリキュラムは6年間だが、われわれは4年。その中で、1年生の頃から現場に行くなど、福祉系の専門性を早くから形成している上、医学系の学生とは視点のフレームが違う。医療系の知識がそれほどまだない1、2年次の医学生が、どんな社会サービスを活用して患者を包括的に支援していくかなどを学べる好機となっている」(潮谷氏)。



http://www.medwatch.jp/?p=21051
剖検の意義は依然大きく、剖検教育の成否は「上級医」が握っている―病理学会、内科学会 
2018年6月12日|医療現場から MedWatch

 Ai(死亡時画像診断)などの技術が進む中でも、剖検でしか検証しえない病態があり、依然として剖検の意義は大きい。遺族から病理解剖(剖検)の許諾を得るために行う説明について、研修医は「上級医の説明の場に同席して見学する」形で学ぶことが多く、剖検に関する教育の成否の鍵は上級医が握っていると言える―。

 日本病理学会と日本内科学会が6月11日に公表した「病理解剖の許諾 剖検合同アンケート」結果から、こういった状況が明らかになりました(日本内科学会のサイトはこちら)。

ここがポイント!

1 剖検許諾に関する指導、「上級医の説明」を見学する形が多い
2 遺族への説明は「実地で学ぶ」しかない、剖検の意義の再確認を

剖検許諾に関する指導、「上級医の説明」を見学する形が多い

剖検は、個々の症例の死因や病態などを検討することで、医師の「相互検証力」を高めるために極めて重要でが、その件数は減少傾向にあります。こうした状況について「Ai(死亡時画像診断)の普及により、剖検の必要性が低下しているのではないか」「病理医の不足が原因ではないか」「遺族から許諾を得ることが難しくなっている」などの指摘がありますが、いずれも十分な説明とは言えないようです。

両学会では、教育的側面も含めて剖検件数を増やすことが重要との認識に立った上で、まず「剖検に関する取り組みの現状」を把握する必要があるとし、「遺族へ剖検を許諾してもらう」点について研修医にどのような教育が行われているのかを明らかにするため、内科学会の認定教育施設を対象としてアンケート調査を実施しました。492施設(大学病院55施設、臨床研修指定病院である一般病院390施設、臨床研修指定病院でない一般病院47施設)から回答が得られています(日本内科学会のサイトはこちら)。

まず、病床規模別に剖検件数を見ると、当然とも思われますが「規模が大きな病院ほど件数が多い」のですが、大学病院と臨床研修指定病院で若干の相違(1000床超の臨床研修指定病院では必ずしも剖検が多いわけではない)があるようです。

【大学病院】
▼201-500床:10件以下が100%
▼501-1000床:10件以下が5.6%、11-20件が25%、21-50件が69.4%
▼1000床超:10件以下が0%、11-20件が7.7%、21-51件が61.5%、51-100件が30.8%

【臨床研修指定病院(一般病院)】
▼200床以下:10件以下が88%、11件-20件が12%
▼201-500床:10件以下が70%、11-20件が29.2%、21-50件が1.1%
▼501-1000床:10件以下が37.2%、11-20件が53.2%、21-50件が11.7%、51-100件が1.1%
▼1000床超:10件以下が33.3%、11-20件が33.3%、21-51件が33.3%

 
 次に、「遺族に剖検の許諾依頼をする」ことに研修医がどの程度関与しているのかを見ると、初期研修医(医師免許取得から2年間)と後期研修医(初期研修終了後、専門医取得を目指す専攻医)とで状況が異なり、後期研修医では「遺族に説明を行う」ケースが多くなっています。

 また大学病院と臨床研修病院とを比べると、大学病院では「後期研修医であっても自分自身で遺族に説明する」ケースが少なく、逆に「説明には立ち会うが、上級医を見学するのみで、自分自身で説明は行わない」ケースが多くなっています。両学会では「大学病院では、教員などが説明を行う頻度が高い」と見ています。
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剖検アンケート(病理学会、内科学会)1 180611
 
 さらに、病理解剖に関する研修医への指導について見てみると、▼初期研修医・後期研修医ともに指導を行う病院が多く、大学病院では後期研修医へも指導を行うところが多い▼剖検件数の多い病院では、初期研修医・後期研修医ともに指導を行うところが多い―状況が伺えます。
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剖検アンケート(病理学会、内科学会)2 180611
 
 指導内容としては▼病理解剖の意義▼CPC(臨床病理症例検討会)—が多く(病理解剖関連法規への指導は少数派)、また「病理解剖許諾」に関する指導については「上級医の説明の場に立ち会う」という実地指導が圧倒的多数を占めています(講義などは少数派)。
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剖検アンケート(病理学会、内科学会)3 180611
 
また「病理解剖許諾」において苦労している点としては、やはり「遺族の心情への配慮」「遺族からの剖検拒否」をあげる声が多くなっています(日本内科学会のサイトはこちら)。

一方、「病理解剖許諾」を得るために行っている工夫としては、▼病院長名での「剖検お願い」の文書作成▼内科学会による「剖検の際の説明例」の活用—などが参考になるでしょう(日本内科学会のサイトはこちら)。

遺族への説明は「実地で学ぶ」しかない、剖検の意義の再確認を

両学会が、調査結果を踏まえて特筆しているのは、剖検の許諾を得るための説明力などについては「実地で身につけるしかない」といったコメントが剖検件数の言い施設からも寄せられている点です(日本内科学会のサイトはこちら)。上述のような「病院長名のお願い文書」や「学会による説明の雛形」などは参考にはなるものの、それだけで十分な説明を行えるものではなく、実際に遺族に寄り添い、その心情に配慮した上で説明を行うという経験こそが重要なようです。

一方で、「内科学会の認定教育施設(内科剖検体数10体以上、CPC5症例以上などの基準あり)になるためだけに剖検を実施している」との声が指導医クラスからも出ている点にも触れ(日本内科学会のサイトはこちら)、「剖検の意義」(体内の状態を直接確認し、形態にとどまらないさまざまな情報を手に入れられる)を再確認する必要がありそうです。上述のように研修医への指導の圧倒的多数は「上級医の説明の見学」形式(実地指導)となっており、上級医が剖検の意義を十分に理解し、研修医に伝えなければ、研修医は剖検の重要性を理解できず、剖検の必要性・重要性を遺族に適切に説明できません。これでは遺族の理解を得られず、剖検件数が増えていくはずもありません。

こうした結果を受けて両学会では、▼「剖検の許諾から死因説明」といった指導は上級医の見学という形で行われることが多く、剖検に関する教育の成否の鍵は指導医である「上級医」が握っている▼剖検に携わる人材の確保、費用面での支援が急務である▼剖検でしか検証しえない(Ai等ではなしえない)病院もあり、剖検とCPCの役割は依然として大きい―ことを強く訴えています(日本内科学会のサイトはこちら)。



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53314
内部資料流出で追いつめられる日本専門医機構 
6月14日(木)6時0分 JBpress

 「正しい数字を書けと言われてもちょっと困るので、一応こうやってしたんですけど」(本田浩理事、九州大学教授)

 「(理事会提出の資料を回収するという指示を受けて)出ちゃうとまずいです」(栄田浩二事務局長代理)

 「(厚労省の)検討会でどうやって言い逃れるか」「黙っとこう」(吉村博邦理事長・北里大学名誉教授)


流出した内部資料
 一般社団法人日本専門医機構(吉村博邦理事長)の内部資料が出回っている。筆者のところにも送られてきた。

 その資料に目を通し、呆れ果てた。冒頭にご紹介したように、幹部たちが自らの責任を回避するための隠蔽・改竄を認めるコメントのオンパレードだ。

 知人の日本専門医機構関係者に資料を見せたところ、「それは本物でしょう」と言われた。どうやら、大変な事が起こっているらしい。

 では、日本専門医機構とは、いったいどのような組織なのか。その前に、日本専門医機構が推進する新専門医制度が導入された経緯について解説しよう。

 迷走ぶりも含め、既に多くの媒体で報じられている。筆者も過去に紹介したことがある(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49835)。簡潔に述べる。

 従来、専門医の資格は、日本内科学会や日本外科学会、あるいはその下部組織である日本循環器学会や日本心臓血管外科学会などが独自に認定してきた。

 学会によって認定の質にバラツキがあることが問題視され、中立の第三者機関が認定することが求められた。

 そのために立ち上がったのが、日本専門医機構だ。日本専門医機構は、主要な19領域の診療科を対象に、専門医を認定することとなった。

 厚労省も補助金を出し、審議会での議論を通じて「お墨付き」を与えることで、この組織を支援してきた。その目的は、地域ごとの専門医育成の枠を制限することで、医師の地域偏在や診療科の偏在を是正することだった。

 「日本専門医機構を裏で操っているのは厚労省(医療業界誌記者)」という声まである。

 今国会で成立した改正医療法では、都道府県等の調整に関する権限を明確化し、診療領域ごとに、地域の人口、症例数に応じた地域ごとの枠を設定する方針が明示されている。


日本専門医機構とはどのような組織なのか
 その際、厚労省や都道府県は日本専門医機構と連携する。

 では、どんな人たちが日本専門医機構を構成しているのだろう。それは、基本的に大学教授の集まりだ。

 27人の幹部(理事長・理事・監事)のうち、16人は医学部教授か経験者だ。9人は東京大学医学部を卒業している。

 残りは知事、日本医師会、全日本病院協会の代表、あるいは医療事故被害者だ。いずれも厚労省の審議会の常連である。

 行政と業界団体が協力して、資源の分配を決めるのは、20世紀の産業政策の遺産と言ってもいい。厚労省や日本専門医機構は旧来の手法を強行したが、上手くいかなかった。

 3月5日、日本専門医機構は3次にわたる専攻医の募集を締め切り、その結果を公表した。

 新制度には8394人の若手医師が応募した。初期研修を終える医師の9割を超える。基礎研究や厚労省など行政職に進む一部の医師を除き、今春3年目を迎える若手医師のほとんどが、新専門医制度のカリキュラムに応募したことになる。

 この結果を当研究所および仙台厚生病院の遠藤希之医師と齋藤宏章医師が共同で分析した。

 日本専門医機構は専門研修の充実に加え、診療科と地域偏在を是正することを目標に掲げていた。ところが、結果は正反対だった。

 我々は、今回の応募者と、厚労省が発表している「平成26年都道府県別医籍登録後3〜5年目の医師数」を比較した。

 この調査では、比較対象を何にするかが難しい。従来の学会は任意参加だ。日本内科学会の会員数が内科医の正確な数を示しているわけではない。私もそうだが、日本内科学会に所属しない内科医が大勢いる。


内科・外科を目指す医師が減る
 ところが、新専門医制度が始まり、内科医を志す若手医師は、日本内科学会への加入が実質的に強制されることとなった。このため、過去数年間の日本内科学会の新規登録会員数と、今春の応募者を比較することは妥当ではない。

 我々が用いた「平成26年都道府県別医籍登録後3〜5年目の医師数」とは、厚労省が2年に1度実施している「医師・歯科医師・薬剤調査」の結果だ。

 これは統計法に基づく悉皆調査で、「性、年齢、業務の種別、従事場所及び診療科名等による分布を明らかに(厚労省ホームページより)」することを目的とする。限界もあろうが、現存するデータの中では、今回の研究で比較対象とするに最も相応しい。

 まずは診療科の比較だ。2012〜2014年の平均と2018年の応募者を比較したところ、内科は2650人から2671人へと21人、外科も764人から807人へと43人の微増だった。

 一方、増加が著しかったのは麻酔科(134人)、眼科(121人)、精神科102人などのマイナー診療科だ。

 舛添要一氏が厚労大臣の時(2007年8月〜09年9月)、医学部定員を増やしたため、今年度、専門研修を始めるのは、2012〜14年の平均(6926人)よりも21%も多かった。医師増の影響を考慮すれば、内科は実質的に2割減と言っていい。

 このことは全医師に占める内科医の割合をみれば一目瞭然だ。38%から32%へと低下した。同じように、低下した診療科は、外科(11%から9.6%)だ。まさに、医療の中核を担う診療科を志す医師が減り、マイナー診療科が増えたことになる(下の図1)。
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図1:新専門医制度が診療科選択に与えた影響

 地域偏在に与える影響は、さらに深刻だった。

 すべての診療科で東京一極集中が加速した。図2は内科の状況を示す。

 東京は93人増加した。周辺の千葉(27人減)、埼玉(7人減)などから医師を吸い寄せたことになる。従来から首都圏では東京への医師の一極集中が問題視されていた。

 新専門医制度が始まり、医師の偏在は益々加速した。

 深刻なのは首都圏だけでない。従来、医師数が比較的多いとされてきた西日本などの地方も、新専門医制度によって重大な影響を受けた。

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図2:新専門医制度が医師の偏在に与えた影響

 例えば、12の県(青森、秋田、富山、福井、鳥取、島根、山口、徳島、香川、高知、佐賀、宮﨑)では内科志望医が20人以下である。高知に至ってはわずか8人だ。このような状況が数年間続けば、間違いなく地域医療は崩壊する。

 外科も同様だ。東京は76人増加した一方、静岡は20人、神奈川は6人、千葉は5人減少した。内科同様、東京が周辺の都道府県から外科医を志望する若手医師を吸い寄せたことになる。

 さらに、13の県で志望者は5人以下だった(山形、群馬、山梨、福井、奈良、島根、山口、徳島、愛媛、香川、高知、佐賀、宮﨑)。群馬、山梨、高知に至っては1人である。

 実は、この状況は内科、外科に限った話ではない。志望者が激増した眼科ですら、一極集中が加速した。

 東京は36人増加し、2位の京都(14人増)を大きく引き離す。一方、12の県で志望者が減少した。青森・山梨・長野・徳島・長崎では志望者はいなかった。他のマイナー診療科も状況は変わらない。

 調査結果(今回の最終報告の前の中間発表に基づくもの)は、1月29日に共同通信を介して、全国の地方紙で報じられた。事態の深刻さを知った地方自治体や国会議員から、厚労省や日本専門医機構に問い合わせが殺到した。

 新専門医制度については、医師はもちろん、多くの関係者から懸念が表明されていた。

 昨年4月14日には、立谷秀清・全国市長会会長代理が「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」を公開し(http://www.mayors.or.jp/p_opinion/o_teigen/2017/04/290414shinsenmoni-kinkyuyoubou.php)、塩崎恭久厚生労働大臣(当時)に手渡した。

 立谷氏は、「医師の適正配置を決めるのは国民であり、大学教授ではない。市民の代表である市長の立場から懸念を表明した」という。


事実をねじ曲げた日本専門医機構
 このような動きを受け、塩崎厚労大臣は、厚労大臣在任の最終日である昨年8月3日に、日本専門医機構の吉村理事長と面談し、地域医療にマイナスの影響を与えないよう、改めて要望した。

 内科医である立谷氏は、厚労省の検討会のメンバーにも任命された。さらに6月6日、全国市長会会長に就任した。引き続き、この問題に取り組んでいくことになるだろう。

 ところが、日本専門医機構は、このような懸念を「無視」して強引に進めた。彼らの「公約」は守られなかった。

 窮地に陥った日本専門医機構は、内科医は減っていないし、地方の医師不足は悪化しないという主旨の説明を繰り返した。

 例えば、彼らは5都府県(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県)の14基本領域については、「過去5年間の専攻医の採用成績は超えない」という上限を設定し、松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は、「おおむね今回はうまくいった」とコメントした。

 彼らが提示したデータを見ると、その主張も一理あるように見えた。

 ところが、前述したように、5月半ばから日本専門医機構の議事録、速記録などの内部情報が外部に漏洩するようになった。

 内部資料を詳細に読むと、日本専門医機構がどのようにして、事実をねじ曲げたかがよく分かる。ここでは東京都の内科医のケースをご紹介しよう。

 今春から都内で内科研修を開始するのは536人。この数字が多いか少ないかは、比較対象によって異なる。

 我々は「平成26年都道府県別医籍登録後3〜5年目の医師数」を比較対象としたが、東京都の内科医は93人増加していた。おそらく、この数字は皆さんの実感にあうだろう。

 多くの診療科で東京一極集中が進んだのに、内科だけ反対というのは、常識的に考えにくい。


都内では内科崩壊が避けられない
 一方、日本専門医機構は各学会に制度導入前の数字を報告させ、比較対象とした。日本内科学会は、過去5年間に内科認定医資格を受験した人数を報告した。

 この調査によれば、東京の受験者数の平均は709人。新制度導入により173人も減ったことになる。我々の調査とでは、比較対象が265人も違うことになる。このような比較は、コントロールを何に置くかで、どんな結果も導き出せる。

 ただ、日本専門医機構の数字を信じれば、都内の内科診療の崩壊は避けられない。

 11月17日の会合では、本田理事は「東京に絞ってみますと、トータルの医師数はマイナス50人。専攻医数。ただし、内科が150人減って、その他の領域で全部増えて、で、トータルでマイナス50人」と発言し、「内科医の数が減ると、やはりダイレクトにその地域医療に影響してきますからね」と認めている。

 そして、ここから長く議論が続き、最後で「ここは議事録残さないよね。今の話は。一応、『終了します』と言った後の議事録はなし。フリーディスカッションだね」で締めている。

 問題を指摘された日本専門医機構は、1月末に日本内科学会に再調査を依頼した。そして、2月9日の理事会に提出された資料では過去5年間の東京都の内科認定受験数の平均は567人に変更されていた。

 これについて、松原副理事長は「再受験の方と、それから小児科などから受けた先生たちも入っていた」ので、それを除いた数字を再提出したと説明した。

 筆者は、この説明に納得できない。過去5年間の内科認定医試験の合格率は88%。全国での不合格者は毎年約400人だから、東京に限れば50人程度だ。

 小児科医を目指すのは年間に約600人。都内では130人程度だ。松原氏の主張が正しければ、全員が内科に転向していることになる。

 関係者も、この説明には納得していないようだ。

 理事会に参加した市川智彦理事(千葉大学教授)も「数字が極端に変わっている理由を説明できるように考えておかないと、何となく、ちょっとまずいような気がする」と述べている。


当事者もデータの誤りを知っていた
 この問いかけに対し、松原氏は「あとは全部きれいに収まったので、これが、正確な数字・・・なんだそうです」と回答している。松原氏も、この数字を信頼していないのが分かる。嘘の上に嘘を積み重ね、収拾がつかなくなっている。

 松原氏らのやり方は、最初から間違っている。日本内科学会を含め、各学会は1人でも多くの定員が欲しい。一部の地域で過去5年間の平均を超えないと言う上限が設定されていたら、過去の実績を多めに申請していたとしてもおかしくない。

 単純比較すれば、マイナー診療科の増加や東京への一極集中が過小評価されるだろう。松原氏が初回の調査で慌てる結果になったのも当然だ。

 この影響を減らすには、前述したように割合で比較するしかない。この方法は過大申告の程度が学会ごとに大きな差がないという前提に立っている。その影響は否定できないが、単純な前後比較よりははるかに正確だろう。

 日本専門医機構の理事たちの多くは大学教授だ。誰も、この程度のことを思いつかないとは考えにくい。

 ところが、誰も意見しない。ここに日本専門医機構の問題がある。このあたり、人事権者である政治家の意向を忖度し、データを改竄した財務官僚に相通じる。

 新専門医制度は日本の医療の根幹に関わる。果たして、こんな連中に任せておいていいのだろうか。

 今回の不祥事は、第三者による検証を行うべきだ。そして組織・制度を抜本的に見直す必要がある。

筆者:上 昌広



http://www.medwatch.jp/?p=21130
都道府県ごとに「急性期や回復期の目安」定め、調整会議の議論活性化を―地域医療構想ワーキング(1) 
2018年6月15日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域医療構想調整会議(以下、調整会議)の議論を活性化し、病床機能報告制度の精緻化することなどを目指しに、▼都道府県単位の調整会議を設置し、県内の各調整会議の議長全員の参画を求めることを推奨する▼各都道府県で医療機能を考えるに当たっての目安・指標(定量的基準とも言える)を、医療関係者と協議して導入することを求める▼高度急性期・急性期機能を全く果たしていない医療機関は高度急性期・急性期として病床機能報告することを認めない▼各医療機関に「2025年度の病床機能」に関する報告を求める―などといった見直しを行う―。

 6月15日に開催された地域医療構想ワーキンググループ(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)で、こういった方針が概ね固まりました。今後、親組織「医療計画の見直し等に関する検討会」と社会保障審議会・医療部会の了承を経て、省令改正などが行われます。

 今回は、「医療機能を考えるに当たっての目安・指標」の導入などに焦点を合わせ、都道府県単位の調整会議設置などは別稿でお伝えします。

ここがポイント!

1 佐賀・埼玉などの事例も参考に、医療関係者と協議し「都道府県ごとの目安」設定を
2 地域医療構想の「病床の必要量」と病床機能報告結果、単純比較はできない


佐賀・埼玉などの事例も参考に、医療関係者と協議し「都道府県ごとの目安」設定を

2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者になり、今後、医療・介護ニーズが飛躍的に増加していくため、こうしたニーズに的確に応え、効果的・効率的な医療・介護サービスを提供できる体制の再構築が求められています。

その一環として「地域医療構想の実現」が重要テーマとなっており、骨太方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017―人材への投資を通じた生産性向上―)では、「個別の病院名・病床数を掲げ、機能転換に向けた具体的対応方針を速やかに策定するため、2017・18年度の2年間程度で集中的な検討を促進する」旨を指示しています(関連記事はこちら)。

機能転換は「医療機関が自主的に進める」ことが基本であり、調整会議の議論活性化が何よりも重要となります。

この点について、埼玉県や佐賀県、奈良県では医療関係者と協議し、「医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を考える上でも目安・指標」(ある意味で機能に関する定量的基準とも言える)を独自に設定しています。地域医療構想においては、病床の必要量を設定するために「1日当たりの資源投入量が3000点以上を高度急性期とする」などの全国基準が置かれましたが、これは各地域における機能分化を考える上での物差しではなく、現実的には「高度急性期から慢性期を考えるに当たっての特段の目安・指標」は存在しないのです。目安・指標がないところで機能分化の議論をすることは難しく、「調整会議の議論を活性化する」ために目安・指標を置くことが重要となるのです。

埼玉県では、高度急性期の目安として「1か月・稼働病床1床当たりの手術件数が2.0回以上」などの、急性期の目安として「1か月・稼働病床1床当たりの胸腔鏡・腹腔鏡下手術0.1回以上」などの基準値を設定しています(あくまで目安にとどめている)(関連記事はこちら)。
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地域医療構想ワーキング(1)の1(埼玉の定量基準) 180615
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地域医療構想ワーキング(1)の2(埼玉の定量基準) 180615
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地域医療構想ワーキング(1)の3(埼玉の定量基準) 180615
 
また佐賀県では、「平均在棟日数が22日を超える急性期病棟」は「回復期に近い急性期」と考えるとの目安を設置(関連記事はこちら)。

一方、奈良県では、「50床当たりの手術+救急入院件数が1日2件」という目安を設け、これを超える病棟を「重症急性期を中心とする病棟」、そうでない病棟を「軽症急性期を中心とする病棟」と区分けして考える方針を立てています(関連記事はこちら)。
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奈良県では、急性期と報告した病棟について、一定の基準を設けて「重症急性期病棟」と「軽症急性期病棟」に細分化した報告を求めている
 
6月15日のワーキングでは、こうした先進事例を踏まえ、他の都道府県でも「2018年度中に、都道府県医師会などの医療関係者等と協議した上で、医療機能を考えるに当たっての目安・指標を導入する」ことを求めるとの方針が概ね了承されました。
ここで留意すべきは、目安・指標は「病床機能報告制度において強制力を持つものではない」「調整会議の議論において強制力を持つものではない」という点です。

病床機能報告は、毎年度1回、「自院の各病棟が高度急性期・急性期・回復期・慢性期のいずれの機能を持ち、将来、持たせる予定か」を医療機関の「自主的な判断」によって都道府県に報告する、というものです。これまでに「診療報酬の特定入院料・入院基本料と機能との紐づけ」(例えば特定集中治療室管理料は、その施設基準に照らし高度急性期であることが明確である)が行われていますが、各機能の選択は「医療機関が自主的に行う」ことが基本であり、今後、都道府県が設定する(あるいは既に設定している)目安・指標が報告内容を縛ることにはなりません(ただし、別稿で述べるように、急性期等の機能をまったく果たしていない医療機関では、急性期等と報告することが今後認められなくなる)。

また、調整会議においても「●●病院は目安・基準を満たしていないので、機能転換を図ること」といった強制的な議論は行われません。

これらの目安・指標は、例えば、「自地域では、急性期が多く、回復期が不足している。まず、各医療機関において目安・指標をどの程度満たしているか全体を見てみよう。その上で、客観的・俯瞰的な視点で機能分化が必要かどうかを検討してはどうか」といった活用方法が期待されます。

したがって目安・指標は「全国一律」ではなく、都道府県ごとに「医療関係者と協議し、合意を得た上で設定する」ことが重要です。この点について佐賀県の目安・基準作りで中心的な役割を果たした織田正道構成員(全日本病院協会副会長)は「50回にもわたる議論を行った。目安・基準の内容よりも、議論のプロセスが重要である」と強調しています。

地域医療構想の「病床の必要量」と病床機能報告結果、単純比較はできない
 ところで、6月15日のワーキングでは、こうした目安・指標の設定に関し、構成員の間で激しい意見の衝突がありました。

口火を切ったのは織田構成員。現場では、「2025年における病床の必要量」(地域医療構想)と「毎年度の病床機能報告結果」とを比較し、機能転換に向けた議論をしていきます。しかし病床の必要量は「患者数」をベースに設定しているのに対し、病床機能報告は「病棟」をベースとしており、両者の比較は難しいのです(病床機能報告で1病棟・40床を急性期と報告しても、その病棟には回復期患者などもいるため)。そこで織田構成員は「病床機能報告を見直し、例えば『急性期』と報告する際に、あわせて『うち回復期相当のベッドが●割』などと報告してもらうことで、病床機能報告結果を補正し、病床の必要量との比較が容易になる」と提案しました。

これに対し中川俊男構成員(日本医師会副会長)は、「病床の必要量と、病床機能報告結果は、性質が異なり、そもそも比較してはならないものである。仮に織田構成員の提案が導入されれば、『急性期病棟では重症患者割合が60%・70%いなければならない』といった診療報酬や施設基準の議論につながってしまう可能性がある」旨を述べ、織田構成員の提案に強く反対しました。もっとも、上述の「調整会議の議論を活性化するための目安・指標を設定する」ことには賛意を示しています。

この議論・論点は、調整会議で実際に機能分化を検討していく際にも非常に重要なもので、織田構成員の「円滑な病床機能報告や調整会議論議のために目安・指標が必要」と言う意見にも、中川構成員の「病床機能報告と病床の必要量を単純比較することは好ましくない」との意見にも頷けるものがあります。今後、各都道府県や各地域医療構想区域(主に二次医療圏)においても、こうした点にまで議論を深め、その上で個別病院の機能転換に向けた具体的な議論が展開されることが期待されます。

 
なお、冒頭に述べたように、調整会議の議論活性化に向けては「都道府県単位の調整会議設置」、病床機能報告の精緻化に向けては「高度急性期・急性期機能を全く果たさない場合の報告方式(急性期等での報告を認めない)」なども方針が固められており、それらは別稿でお伝えいたします。
 



https://www.m3.com/news/iryoishin/607514
大学医学部「地域枠」の今
「地域枠、イコール総合診療医」にあらず - 長崎大学◆Vol.2
“2023年問題”、コアカリキュラム改訂などの追い風
 
スペシャル企画 2018年6月17日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

――長崎大学では「地域枠」の学生を分け隔てなく、地域医療教育を実践されています(地域医療教育の詳細は、『離島医療・保健実習、医学生全員が必修』を参照。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科地域医療学分野教授の前田隆浩氏と、長崎大学医学部地域包括ケア教育センター・センター長の永田康浩氏へのインタビュー。文中、敬称略)。

前田 「地域枠、イコール総合診療医」というイメージはありますが、「地域枠」と「一般枠」を分け隔てなく教育しているのは、臓器別専門医も含め、どんな臨床医を目指すとしても、地域医療には裾野が広い臨床知識や経験、総合診療的なマインドが求められるからです。「地域枠」を創設したのは2008年度で、それまでの地域医療教育の中に、「地域枠」の医学生の教育を組み込んでおり、1年生での五島や平戸での「長崎地域医療セミナー」を必修とし、5年生の後半から6年生にかけて行う高次臨床実習で、6カ月のうち、1カ月以上は学外での研修を組み入れる以外は、カリキュラムは一般枠の医学生と変わりません。

――改めて今の体制を作るまでの経緯をお教えください。

前田 長崎県の医学修学資金貸与制度は1970年度からスタート、1982年度からは県養成医師の離島勤務が始まっています。その後、2004年度から長崎県と五島市の寄附講座「離島・へき地医療学講座」を開講以降、われわれは地域医療教育の充実を図ってきました。寄附講座の教員は現在、教授の私(兼務)と助教2人の3人体制です。

 2004年度当時は文部科学省「医学教育モデル・コア・カリキュラム」にも、まだ地域医療教育が入っておらず、どんな臨床実習をすればいいのか、最初は手探りの状態でした。一方で、臨床実習を受け入れる医療機関の側にも、「特別なプログラムを用意しなければならないのか」などの戸惑いがありました。「日常の業務を見せてほしい」とお願いし、(医学生ができる医行為を定めた)「前川レポート」を基にどんな医行為ができるかを説明、訪問看護やデイサービス、住民向けの健康講話などでは、できるだけ一員として参加させてもらいたいと要請しました。なお、医療機関へのファカルティ・ディベロップメント(FD)は、今でも毎年1回実施し、医学生の声を伝えたり、現場の指導医の声を聞く機会を設けています。

 われわれとしてはある程度、成功したと思っていたのですが、2004年度の開始から2年後に受けた外部評価では、当時の長崎純心大学の学長から、「社会福祉の視点が欠けている」ことを指摘されたのです。これを受け、臨床実習の準備段階から、社会福祉の視点を入れるための講義、見学やグループワークなどを充実してきました。

永田 医療・介護・福祉の資源が凝縮されており、課題を含めて地域医療を学ぶのにふさわしいのが離島です。離島医療・保健実習は2004年度に下五島コースからスタート、その後、上五島、対馬、壱岐コースを追加しました。

 2013年度には、文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」として、長崎大学に地域包括教育センターを設置。センターの事業として、1年生から6年生までの一貫したこれまでの地域医療教育プログラムを整備しました。要は、5、6年生の時点で、いきなり離島実習に行っても、何も響きません。何のために実習をするのか、その目的を理解してもらうためにはさまざまな教育上の仕掛けが必要であることに気付かされました。

 長崎純心大学の学生との共修の機会を設けているのも、長崎大学の特徴です。学内の他学部との共修を行う大学は増えていますが、他大学との共修は全国的にも珍しいでしょう。毎年夏に五島で開く「長崎地域医療セミナー」は当初、県外の医学生や研修生が長崎に来てもらうことを目的としていましたが、今は長崎大学医学部1、2、3年生と長崎純心大学の学生が中心。症例検討などを行い、地域包括的なマネジメントの視点を学ぶ機会になっています。

 両者の視点が全く違うのが、興味深いところです。例えば、訪問診療を見学した学生たちに「今日、何を見てきたか」と聞くと、例えば医学生は在宅患者の疾患や状態などを語り始める。一方で長崎純心大学の学生は、「独居だったけれど、いったい誰がケアをしているのか」と指摘する。地域医療を支えるには、介護や福祉も必要なことは、実際に従事すると痛いほど分かりますが、両者が混じり合うことで、学生の時代から自然と気付き、自ら考える力を持ってもらうことが共修の狙いです。

――地域医療教育に関する講義や臨床実習を始めるに当たって、学内でのコンセンサスは得られたのでしょうか。

前田 幸い、さまざまな“風”が吹きました。一つは、2007年度の「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂で、「地域医療臨床実習」が新たに加わったこと。また“2023年問題”、つまり医学教育が国際認証を受けるためには、臨床実習の充実が必要になりましたが、学内での実習時間を増やすのには限界があり、学外実習への理解が得られやすい状況にありました。1、2年生の教養教育に少し余裕があったため、講義などを組み込むことが可能だったのです。



http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/501533.html
地域医療確保へ県に名称申請 伊東市民病院、圏域初 
(2018/6/13 08:54) 静岡新聞

 静岡県や熱海、伊東両市の医療、行政関係者らでつくる熱海伊東地域医療協議会の会合が11日夜、熱海市の県熱海総合庁舎で開かれた。伊東市民病院がかかりつけ医らの支援などを通じ、地域医療の確保を図る「地域医療支援病院」の名称承認を静岡県に申請することなどを了承した。
 地域医療支援病院は中小病院や診療所から紹介を受けた患者への専門的な医療の提供、他施設の医療従事者を対象とした院内医療機器の共同利用といった役割を果たしている施設。承認には紹介患者の割合や病床数、設備などで一定の要件を満たす必要がある。県は県保健医療計画で、県内に八つある2次保健医療圏域すべてで整備を進めるとしていて、伊東市民病院が承認を得れば熱海伊東圏域で初となる。このほか、がんのターミナルケアを担う医療機関などとして熱海市のさくら医院を追加することも了承した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/609374
シリーズ 真価問われる専門医改革
専攻医の “シーリング”、対象領域含め見直しを検討
がん薬物療法専門医、内科・外科等のサブスペシャルティに
 
レポート 2018年6月15日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は6月15日の理事会で、日本臨床腫瘍学会が認定するがん薬物療法専門医を同機構認定のサブスペシャルティとして了承した。基本領域は、内科、外科、小児科をはじめ、計14領域。サブスペシャルティは、内科系13領域、外科系6領域、放射線科2領域のほか、5月の理事会で消化器内視鏡専門医が新規に了承されていた(『消化器内視鏡専門医、日本専門医機構認定のサブスペに』を参照)。

 注目される2018年度募集の専攻医のシーリングの在り方は、同機構の基本問題検討委員会で検討しているが、15日の会議でも決まらなかった。日本専門医機構副理事長の松原謙二氏は、「9月初旬の専攻医の募集開始は決まっているが、それ以外のスケジュールは未定。どのようにシーリングすれば目的を達することができるか、今議論している」と説明した。

 専攻医のシーリングとは、外科などを除く14の基本領域(2017年度の場合)について、5都府県では「過去5年間の専攻医の採用実績を超えない」ように調整する仕組み。日本専門医機構は、基幹施設が都内であっても、都外の連携施設で研修する専攻医数などを踏まえると、「東京都への専攻医集中」との指摘は当たらないとしてきた(『東京都に登録の専攻医、「3年目は都外」は43.8%』などを参照)。神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の基幹施設についても、他の都道府県の連携施設で研修する専攻医数などを現在調べている。

 日本専門医機構副理事長の山下英俊氏は、その調査結果を踏まえてシーリングの在り方を検討するとし、「変えるべきところは、変えるべきという意見が出ている」と紹介、「9月スタートに合わせて、今後は検討スケジュールを加速していく必要がある」とも語った。外科、産婦人科、病理、臨床検査の4基本領域以外に、シーリングから外す基本領域を追加すべきという意見も出ているもようで、この点も含め、2018年度のシーリングの在り方が検討されることになる見通し。

 15日の理事会後の記者会見には、日本専門医機構理事長の吉村博邦氏も顔を見せた。6月末で2年間の任期が満了になるため、過去2年間を振り返った上で、理事会の内容について、2017年度の事業報告と決算報告、6月29日の開催予定の日本専門医機構社員総会の議題などを議論したと説明。同機構の役員の任期は1期2年。現在、「役員候補者選考委員会」で選考を進めており、6月27日に役員候補者が決定する予定(『日本専門医機構の新役員の選考開始、6月末に決定』を参照)。

【吉村博邦・日本専門医機構理事長の6月15日の記者会見冒頭のあいさつ】
 2年前に理事長に就任した際、基本方針として、機構と学会が連携して制度を運営することを確認した。各学会が専門医の制度設計をして、機構の理事会がそれを認定してオーソライズする仕組みにした。開始は1年遅らせ、2018年4月からということで準備を進めてきた。途中、昨年の4月から、国に「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」が設置され、全国市長会や知事会など、各方面から「地域医療が崩壊するのではないか」という意見が出され、新しい制度のスタートが危惧されたが、幸い各学会、関係者の努力により、今年4月から、8378人の専攻医が参加してスタートすることができた。多数の若手医師が専門研修を行うということは、わが国の高い医療レベルを維持し、発展させる上でも、大変意義深かったと思っている。

 また地域の医師の偏在も今以上に増長させないということで、5都府県で専攻医の採用数に、過去5年間の採用実績の平均を超えないように、シーリングをかけた。初年度だったので、必ずしも正確な数値ではなかったが、幸い各学会の尽力により、かなり調整された学会もあるが、過去5年間の採用実績の平均を超えないよう設定した数値をクリアすることができた。(シーリングの対象から)外科や産婦人科、病理、臨床検査は除いたが、外科も50人くらい増え、産婦人科も増加した。シーリングから外すことは、診療科偏在を解消する一つの方策だろう。

 ただ、本機構の本来の設立の目的は、乱立気味の学会専門医、学会が個別に認定する専門医の仕組みを何とか統一的にしたいということ。また医師の卒後の研修としては、初期臨床研修しか制度がなかったが、ぜひ若い先生方には専門研修をしっかりと行ってもらい、わが国の医療レベルを維持、発展させる仕組みを作りたい。これら二つの目的があった。その過程で、医師が偏在しないような配慮は必要。確かに東京に偏在しているが、過去5年間の平均値を考えると、それ以上に偏在したわけではない。東京に集中はしているが、偏在を加速させなかったということで、よかったのではないかと思っている。もっとも、東京に集中しているのは望ましいことではないので、何らかの方策を考えていく必要がある。次回の理事会に申し送りたいと思っている。若い先生方は一生懸命に専門研修をやっており、なぜそれに反対するのかと思っている。ぜひご理解いただきたい。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201806/556467.html
総合診療専門研修プログラムの審査基準が変更
5都府県はへき地などの研修を12カ月以上に
 
2018/6/14 加納亜子=日経ヘルスケア

 日本専門医機構は6月11日、新専門医制度における総合診療専門研修プログラムの一次審査の基準と総合診療専門研修プログラム整備基準の変更を、日本専門医機構のウェブサイトで公表した。

 専門医資格取得における研修期間に変更はないが、審査の新たな「条件」としてへき地・過疎地域、離島、医療資源の乏しい地域での研修を、「東京、神奈川、愛知、大阪、福岡(の研修プログラム)では12カ月以上」とすることを定めた。

 なお、へき地・過疎地域とは、総務省の指定する過疎地域、厚生労働省の指定するへき地、都道府県が指定するへき地。過疎地域を合併した市町村については、県庁所在市および人口30万人以上の市を除き過疎地域とした。また、過疎地域として指定された町村を含む郡部は、過疎地域としている。

 「医療資源の乏しい地域」は、自治体・医師会の意見を参考にして、「日本専門医機構が定める」という方針を示した。都道府県の地域医療対策協議会から医療資源の乏しい地域として認定を求められた場合には、その市町村、二次医療圏及び医療機関における研修は、「医療資源の乏しい地域における研修として機構が定める」こととなる。

 新専門医制度は、日本専門医機構が専門医の認定と研修プログラムの評価認定を担う仕組み。総合診療科以外の基本領域は、関連学会が中心となり、認定・更新基準、養成プログラムの基準の策定などを担い、研修プログラムや専攻医の認定、専攻医の定員数の調整を機構が担っている。だが、総合診療領域だけは、これら全てを機構が担当しており、今回は研修プログラムを認定する上での審査基準に加え、総合診療専門研修プログラム整備基準を変更した。

大学病院に対する基幹施設基準の緩和措置は2023年まで
 総合診療専門研修プログラム整備基準では、大学病院に対する研修基幹施設の施設基準に関する緩和措置に期限を設けた。大学病院を基幹施設とする研修プログラムは現在、研修全体の統括組織としての役割を果している場合や、適切な病院群を形成できる場合、大学病院が基幹施設の施設基準を満たさなくてもよいことになっている。しかし、大学病院を特別に扱うことへの批判が寄せられたため、その緩和措置を2023年までとする方針を示した。

 また、総合診療専門研修を行う環境として、一定期間以上の研修を求めていた、へき地、離島、医療資源の乏しい地域に「過疎地域」を追加した。さらに、「3年毎に適宜見直し・更新を行う」としていた総合診療専門研修プログラム整備基準は、「理事会決定に基づき適宜見直し・更新を行う」ことと定めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/606432
シリーズ Dr.木川の「川越救急クリニックから見えた医療の現実」
救急クリニックからみた川越、そして埼玉の医療
医療従事者に優秀な人材が多い
 
オピニオン 2018年6月11日 (月)配信木川英(川越救急クリニック副院長)

 「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われた埼玉県川越市にある全国初となる救急科で開業した「川越救急クリニック」に勤務しております木川英(きがわあきら)と申します。

 設立8年目の当クリニックは、夜間専門で診療を行っており、診療時間は16時から22時まで救急・一般外来行い、翌9時まで救急車を含めた急患を診療しております。救急車の受け入れは1年間に1600台から1700台。埼玉県の救急指定病院の平均が1病院あたり700台程度で、倍以上の台数を受け入れていることになります。私は5年前に青森県八戸市から移って参りました 。

 m3.comで執筆するにあたり、第1回では私が勤務する埼玉県の川越地区の救急医療、特に一次、二次の状況について、思うところを記したいと思います。自虐的ではありますが、この救急クリニックが成り立っている時点で問題山積と思われます。

 夜間休日診療所がどの自治体にもあるかと思いますが、川越市ではまずそれが機能していません。あることはあるのですが、ほとんど診察もしてくれないようで、患者さんから「今、休日夜間診療所にいるのですが、ここでは診れないと言われました。そちらでは診察可能でしょうか?」といった電話が当院に来ます。このような状況が日常茶飯事ですので、(緊急性はともかく)夜間や休日に受診できる医療機関がないのも同然です。

 夜間休日に救急受入の病院群輪番制度を敷いている地域がほとんどだと思いますが、川越市は大小様々な病院はあるからか、それもありません。数があるゆえにたらい回しになるケースが多いです。A~J病院があったとして、A病院に救急要請があった場合、「まあB~Jまであるし他が診てくれるだろう」と考えます。同様にB病院も同じように考えます。それで、5-6件以上断られて当院に要請がきます。

 また、市内の病院で週一でアルバイト、月に2回当直もしていますが、そこで実感するのは常勤医が当直している病院がほとんどありません。基本的に東京からのアルバイトの先生でやっています。常勤医は当直免除の病院が多いようです。専門外の救急要請が来たら断る、「自分の病院」のような帰属意識が弱い感じでの当直になってしまっており、専門であっても断ってしまうケースが多々あります。

 市内には、3次救急医療機関の埼玉医大総合医療センターERおよび高度救命救急センターがありますが、基本的な役割はやはり「高度」な医療を提供していただけることです。特に外傷にはめっぽう強い救命センターとして機能しています。それ故、2次以下の救急事案ですと、場合によっては、(3次救急に支障を来たす可能性があるため)受け入れ困難のこともあります。限りある人材の資源を生かすためにも、最後の砦を守るためにも、当院を含め他の医療機関でできることはしていかねばなりません。

 私の認識では、「当直」というのは全科当直であり、もし自分が手に負えない、分からない患者の診察に出くわした場合はその病院で分かる先生に電話して指示を仰ぐ、または来てもらう。さらにその病院で手に負えそうもなければ近隣の大病院にコンサルトする、というものだと思っていたので、埼玉県に来た時は衝撃しかありませんでした。しかし、これは長い年月をかけて構築されてきた伝統のようなものですので、個々人の力ではどうにもならないことと思われました。

 そして、これは川越だけでなく、埼玉の都市部全体に言えます。少なくとも、近隣市(さいたま市、富士見市、坂戸市、鶴ヶ島市、東松山市)および東京都接している市(川口市や戸田市)では間違いなく川越市と同じです。群馬や山梨に近い田舎の所では問題にはなっていません。

 こんな状況を理解して受け入れてしまっている自分がいるのも情けない気持ちですが、このクリニックが機能しているのもこのような現状だからという面も否定できません。他の地域の話や私自身がかつて勤務した、茅ヶ崎市(神奈川県)や八戸市(青森県)でこのクリニックが通用するとは到底思えません。つまり、夜間休日に患者さんが受診する病院または診療所が機能している地域では、救急クリニックは必要ありません。また、輪番制度が構築されている、またはその地域に救急病院が一つしかない、などといった場合はいわゆるたらい回しは起きないでしょう。

 その現状を打破すべく、日々奮闘していますが、そのような活動を通して見えてきた良いところもありました。救急車を呼んだはいいが、病院選定でなかなか決まらず、救急隊の現場滞在時間が長いことは問題ですが、このことを通して、救急隊の現場での能力が格段に高くなっている印象があります。救急隊の把握力や処理能力は他の地域をはるかに凌駕していると思います。

 それと共に看護師さんや技師さん、リハビリテーションスタッフなど医療従事者に優秀な人材が多いと思います。私は、昔ながらの医師としてのプライドがまるでないので、何でも聞いてしまうのですが、期待以上の回答や行動をしてくれることが多々あります。これは、本当に埼玉県の財産です、宝です! また、患者さんもいわゆるモンスターペイシェントみたいな人は少ないと思います。人口当たりの医師数が少ないことを理解していただいているのか、我々医療者側のことを思ってくれている人たちが多いと感じています。

 以上、埼玉県の現状をお伝えすべく思うままに書いてしまいましたが、5年以上もここで働いていることを考えるとここが好きなんでしょうね(笑)。


※m3.com編集部 m3.com埼玉版にご投稿いただいた内容を全国向けにリライトしていただきました。木川先生にはこれから救急医・地域医療の視点から、医療を取り巻く問題について考察していただきます。ご期待ください!

木川英(川越救急クリニック副院長)
2005年東海大学医学部卒後、神奈川県茅ケ崎徳洲会総合病院初期研修医、2008年青森県八戸市立市民病院救命救急センター。2013年から川越救急クリニック。院長の上原と共に、地域の救急医療を変えようと日夜色々なモノやコト(行政や法律、病魔や睡魔)と戦っている。



  1. 2018/06/17(日) 10:49:52|
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