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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月3日 

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180602_21054.html
<青森・深浦>町営診療所苦難の門出 公募不発医師不足の懸念続く 
2018年06月02日土曜日 河北新報

 青森県深浦町が直営する深浦診療所が1日、開所した。少ない医師で町全体の医療体制を確保するのが目的。新設と並行して実施した、医師の公募は好条件にもかかわらず、不発に終わった。医師不足は今後も続くことが見込まれる。

 深浦町は南北に約80キロある海岸線に沿って、集落が点在している。以前は町の北部と南部に町の診療所があるほかに、中心部に民間の診療所があった。だが、民間の診療所は2017年3月に閉院し、町中心部から医者がいなくなった。
 深浦診療所は中心部の高台に建てられた。勤務する医師は常勤2人。1日約80人の外来患者を見込む。入院施設はないが、在宅での診療にも取り組む。
 町内の各地区に停車する無料の送迎バスも整備した。開所に伴い、南部の診療所は今年4月に閉じた。
 診療所を新設した目的は少ない医師で、南北に距離がある町全体の医療を確保するため。町の診療所は14年6月から、常勤の医師は1人しかいない状態が続いていた。
 町は診療所新設計画と並行して、同年7月から医師の公募も始めた。年収は2200万円に設定し、光熱水費などのかからない一戸建ての住宅を用意。年間40万円を上限に、医師が学会に参加する旅費にも補助を出すことを決めた。
 それでも医師は見つからなかった。16年に北海道の60代と関東地方の50代の医師から内諾を得たが、体調不良や家族の健康問題を理由に辞退された。結局、13年度に退職し県内の別の病院に勤務していた山田悦輝医師(76)が、町の診療所に戻ることを決めた。
 山田医師は「事情を知って見て見ぬふりはできなかった。医療の専門性が高まっているため、若い医師は地方で勤務しづらいのだと思う。若手が自分を高められる環境をつくっていきたい」と語った。町は今後も医師の公募を続ける。



https://www.sankei.com/region/news/180601/rgn1806010011-n1.html
医師公募、破格条件でも集まらず断念 青森・深浦町 年収は2200万円 
2018.6.1 07:10 産経ニュース

 深浦町が過疎地の医師不足に直面した。1日から業務を始める新たな診療所「深浦診療所」に勤務する医師を3年かけて破格の条件で公募したものの1人も採用できないまま断念。結局、町内に勤務経験のある医師に依頼し、開業にこぎつけた。全国的にも医師が1人もいない「無医村」や医療機関へのアクセスが難しい地域は少なくない。地方や過疎地が抱えている医療の現実をこの町のケースが如実に映し出している。 (福田徳行)

 ◆常勤1人のまち

 人口8300人余(4月末)の同町には平成25年度まで町営の2つの診療所に3人の医師が勤務していたが、26年度から常勤医(69)1人の状態が続いていた。

 医療体制の整備が喫緊の課題となる中、町は27年、中心部の高台に複数医師体制の新診療所整備基本プランを策定し、公募で医師を確保することになった。

 町が提示したのは年収2200万円、無料の住宅提供、家賃以外に光熱費、学会への参加費と旅費ともに町が負担するという厚遇ぶり。いったんは2人の医師が応募したが「家庭の事情など条件が合わなかった」(同診療所の小山司事務長)ことから辞退されたという。

 ◆待遇よりも実績

 町は公募を断念。新診療所の開設が控えていたことから、25年度まで勤務していた76歳の医師に戻ってもらい、現在の常勤医と合わせて2人体制を確保、内科と外科の診療に当たってもらうことになった。

 だが、2人の医師は経験値が高い一方、高齢であることに変わりはなく、先行きへの不安も残る。

 「若い医師は都市部の設備が充実した医療機関で腕を磨き、専門分野を極めたいと思っている。郡部ではやはり無理だ」

 小山事務長は過疎地の医療が抱える問題を訴える。ある開業医も「若い医師は将来に備えて実績を積みたがる。待遇ではない」と意識の違いを強調する。

 ◆広域連合に期待

 都市部に比べ交通アクセスや教育環境が整っていないことも若い医師が二の足を踏む理由だ。「自然景観という魅力はあるが、それだけで若い人は集まらない。特に子供がいる人ならなおさら」と小山事務長。

 同町は五所川原市など2市4町でつくる「つがる西北五広域連合」を構成する自治体の一つで、小山事務長は「町だけで医師を集めるのには限界がある。広域連合からの医師派遣や情報提供などをしてもらい、医師確保に努めていきたい」と話す。

 医師不足や偏在は深刻な問題だ。28年の厚生労働省の統計によると、青森県の人口10万人当たりの医師数は198人で、全国平均の240・1人を大きく下回る。

 県は弘前大の学生に対し、卒業後の県内勤務を条件に医師修学資金の免除やU、I、Jターンによる医師確保などの対策を進めているが、効果は未知数だ。



https://mainichi.jp/articles/20180601/k00/00e/040/274000c
茨城県立中央病院
勤務医23人 過労死ライン超える
 
毎日新聞2018年6月1日 11時02分(最終更新 6月1日 13時02分)

 2次救急指定されている茨城県立中央病院(笠間市鯉淵)で2017年度、全体の約18%にあたる勤務医23人に時間外労働の「過労死ライン(月80時間)」を超える月があったことが毎日新聞が情報公開請求で入手した文書で分かった。時間外労働が年間計1146時間に上った医師もおり、医師の不足や偏在を背景に、24時間対応の総合病院で過酷な労働が常態化している現状が浮かんだ。【加藤栄】

 毎日新聞は今年4~5月に、同病院のほか、「県立こころの医療センター」(同市旭町)と「県立こども病院」(水戸市双葉台3)の県立3病院に対して、勤務医の時間外労働に関する記録を県条例に基づき情報公開請求した。

 開示された時間外勤務実績によると、17年度に県立中央病院で勤務した医師は130人。同病院によると、免許を取ったばかりの研修医や、地域医療支援と研究を兼ねた「寄付講座」で大学から派遣された医師も含まれている。

 このうち過労死ラインを超える月があったのは23人だった。診療科別にみると、整形外科が4人(全体8人)で最も多く、産婦人科3人(同10人)、循環器内科3人(同9人)、麻酔科医3人(同9人)--と続く。最も多かった医師は整形外科医で、年間累計は1146時間。10カ月で過労死ラインを超えており、138時間を記録した月もあった。勤務時間はタイムカードではなく、自己申告に基づき算出しているという。

 同病院は2次救急に指定されており、24時間対応するため、夜間も当直体制を敷いているほか、緊急手術が必要な場合に呼び出す「オンコール」の制度も実施している。特に整形外科は交通事故などに伴う緊急手術のほか、入院患者の包帯の交換などで勤務が長引きやすいという。

 労働基準法では、労使協定を結んで労働基準監督署に届ければ、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働が認められる。同病院の協定では「月60時間、年540時間未満」まで認められるが、64人にこれを超える月があった。

 一方、県立こども病院は2人が過労死ラインを超える月があった。こころの医療センターはゼロだった。

 県立中央病院の担当者は「大きな問題と考えている。医師不足の一方で、医療の高度化に伴い仕事が増えている。作業補助者を増やすことで負担軽減を図りたい」としている。



http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018053002000120.html
社説
医師の偏在対策 都道府県は腰を据えよ
 
2018年5月30日 中日新聞

 地方は医師不足が深刻だ。都市部などに医師が集まる偏在が問題となっている。その対策を盛り込んだ医療法などの改正案が国会で審議されている。対策を担う主役となる都道府県の責任は重い。

 医療は生活に不可欠だ。医師はそれを支える重要な存在であり、医師がいなくて必要な医療が受けられなければ地域は成り立たなくなる。地方ではその問題に直面している。

 医師は約三十二万人いる。大学医学部定員枠を広げてきたことで増えてきた。これからの人口減社会を考えると医師数を増やすことには限界がある。

 問題は、専門的な医療に携われる都市部に集中していることだ。地方間にも偏在はある。都道府県別の人口十万人当たりの医師数は最多の徳島県や京都府と最少の埼玉県では二倍の開きがある。同じ県内でも地域で違う。診療科も産科、外科が少ないなど偏りがある。

 実は医師の四割が地方で働く意思がある。二十代では六割になる。大学医学部の入学者で地元出身者は卒業後もその地域への定着率は高い。一方で、労働環境やキャリア形成への不安が定着を阻んでいる。こうした不安を取り除き、地方勤務に魅力を感じられたら地域で働く医師を増やせる。

 厚生労働省の解消策は、国がデータを基に偏在の「見える化」をする。都道府県がそれを活用し「医師確保計画」を作る。それに基づき地域の大学医学部に対し、地元出身者の入学枠や、地域で一定期間働くことを条件に入学できる「地域枠」の設定を要請できる。卒業後の研修先を決める権限も国から都道府県に移す。

 偏在解消の役割を都道府県に託すことで対策を進めることを狙う。地方が権限を持ち主体的に取り組むことは当然である。

 自治体の力量が問われるが、人材育成など課題が残る。医療関係者との協議での調整力を持ち、県域を超えた連携などを実現する人材が不可欠になる。都道府県はその責任の重さを自覚してほしい。人材確保に国も支援すべきだ。

 医師が働きやすい環境整備も求められる。働き過ぎ防止のための交代派遣や周囲の医師の相談支援、出産・育児などへ配慮した勤務形態の実現などにも取り組む。こうした支援も都道府県の役割は大きい。個々の医師のニーズに応える目配りが必要だ。

 医療関係者も地域医療に責任を持っている。その魅力を若い医師に伝える努力をしてほしい。 



http://president.jp/articles/-/25266
連載 先見力の授業 AI時代を勝ち抜く頭の使い方
マスコミが「外科医不足」を報じない事情
数字で示せる「不都合な真実」とは
 
掛谷 英紀
筑波大学システム情報系准教授 掛谷 英紀
政治・社会 2018.6.1 プレジデントオンライン

今後、数十年のうちに、日本では外科医の数が半数近くまで落ち込むことが見込まれています。なぜ外科医が劇的に減るのか。ハッキリと数字で示せる答えは「女医の増加」です。女医が増え続けている一方、外科を選ぶ女医は極めて少ないため、診療科に偏りが生じているのです。しかしこうした事実はほとんど報じられません。筑波大学の掛谷英紀准教授は「マスコミに頼らず、自分の力で調べることが重要だ」といいます――。(第3回、全4回)
※本稿は、掛谷英紀『先見力の授業 AI時代を勝ち抜く頭の使い方』(かんき出版)の一部を再編集、加筆したものです。

外科医不足が深刻化していることを知っていましたか?
まずはクイズから始めましょう。


今後、数十年のうちに、日本では外科医の数が半数近くまで落ち込むことが見込まれています。外科医がそこまで劇的に落ち込むと見込まれる理由は何でしょうか?

講義でこのクイズを何度か出したことがありますが、仕事がハードだからだとか、医療事故による訴訟リスクがあるなどの答えがほとんどです。たしかに、その影響はあるかもしれませんが、統計的にはっきりした数字を出せる答えがあります。

外科医が今後急激に減るのは、女医の増加が主要因です。以下の議論は、吉田あつし著『日本の医療のなにが問題か』(NTT出版)からの引用です。図1に示すとおり、戦後女医の割合は一貫して伸び続けており、医師に占める割合はかなり大きくなっています。ところが、図2に示すとおり、女医の診療科選択は皮膚科、眼科などに集中しており、逆に外科を選ぶ率は極めて低いのです。この2つの事実を組み合わせれば、今後外科医が急激に減少していくとの予測が導かれます。

吉田氏の著書によると、この事実は「医師の間でひそかに語られている」だけで、表には出てこないとのことです。なぜ、表には出てこないのか。ここではあえて書きませんので、皆さんでその理由を考えてみてください。
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胎児の染色体異常の出生頻度は
続いて、もう1つクイズを出しましょう。


45歳で出産する場合、25歳で出産する場合と比較すると、染色体(遺伝子)異常児の出生頻度は何倍になるでしょうか?

A 2倍
B 5倍
C 10倍
D 20倍
E 50倍

この質問を講義ですると、よく出てくる答えはA、B、Cあたりです。しかし、正解はEです。図3は染色体異常の1つであるダウン症の母体年齢別出生頻度です。このように、指数関数的な上昇が見られます(他の染色体異常も同様に指数関数的に増加します)。そのため、25歳と45歳では大きな差が生まれます。過去40年の間に出産年齢の高齢化が進んでいます。1975年には第一子出産の平均年齢は25.7歳でしたが、2014年には30.6歳になっています。ダウン症の子供が生まれる頻度は25歳では0.08%、30歳では0.12%で、リスクは5割増しなのですが、このことはあまり知られていません。

福島第一原発の事故の後、放射性物質の拡散が胎児に与えるリスクが盛んに報じられました。しかし、放射線によって胎児の染色体異常発生の確率が有意に上昇するのは、100ミリシーベルト以上被曝した場合であることが疫学調査で分かっています。

もちろん、今後標本数が増えると、それ以下でも統計的有意差が出る可能性はあります。ただ、これまで広島・長崎やチェルノブイリなど、相当数の標本があった中で有意差が出ていないということは、今後標本が増えて有意差が出るとしても、確率がたかだか数%上昇する程度の影響でしかないことは既に確定的に言えます。その数%のリスクで大騒ぎしている人が、ダウン症の5割増しのリスクには口を閉ざすのがこの世の中です。

こうした情報の偏りが、人々に間違った判断をさせていることがあります。たとえば、2012年5月17日、読売新聞は妊娠を先延ばしにする妊婦についての記事を掲載しました。その記事によると、いわき婦人科で行ったアンケート調査の結果、福島の不妊治療中の女性(27~46歳)の約7割が「放射線被曝の心配をせずに妊娠・出産できるのは『3年以上後』」と回答したそうです。また、50人中40人が「今後の妊娠・出産で被曝を心配する」、50人中21人が「周りに被曝を心配して妊娠を控えている人がいる」と回答したとのことです。高齢出産のリスクについて知っていれば、この判断が非合理的なことはすぐにわかるはずです。3年待つことのリスクが、放射線のリスクをはるかにしのぐからです。

高齢出産には、胎児の染色体異常以外にも、自然流産率の上昇、不妊の割合の上昇、体外受精の成功率低下など、様々なリスクを伴います。こうした高齢出産のリスクに関する情報は、一般にはほとんど知られていません。本来ならば、中学校の保健体育で教えるべき高齢出産のリスクを、学校で一切教えてこなかったからです。なぜ、こうした大事なことを学校で教えないのか。その理由についても、ぜひご自分で考えてみていただければと思います。

日本の大学では、最近中国人留学生が増えています。私も研究指導や演習などを通して、多くの中国人留学生を指導してきました。そこでいつも聞くのが、天安門事件を知っているかです。せっかく言論の自由がある国に来たのですから、今まで検閲で遮断されていた情報を知ってもらおうという意図です。

検閲がある以上、知らない学生が多いと思っていたのですが、聞いてみるとほとんどの学生が知っていると答えました。どうやって情報を入手したかと聞くと、天安門事件の動画が入ったUSBメモリを回して見ているとのことでした。

ある時、中国人留学生とそういう会話をしていると、横から日本人学生がこう聞きました。「天安門事件って何ですか。」それをきっかけに、多くの日本人学生に天安門事件を知っているか聞いてみたのですが、名前は聞いたことがあるという学生はそれなりにいるものの、事件の内容まで知っている日本人学生はほとんどいないことが分かりました。

中国人学生は、マスコミや学校の先生が大事な情報を隠していると知っています。だから、真実を知ろうと思って自分でいろいろ調べるわけです。一方、日本人学生は、マスコミや学校の先生を信じていて、大事な情報は漏らさず教えてもらえると思っている。そのため、自分で調べようとしないのです。

これはある意味恐ろしいことです。マスコミや学校に対する信頼が著しく高い社会では、それらの情報発信源さえ特定の思想に染め上げてしまえば、出版物やネットの検閲がなくても、中国よりもはるかに強固な情報統制社会が実現するのです。

今回紹介した例から分かる通り、現実にマスコミや学校が人々の人生にかかわる大事な情報を伝えないこともあります。ですから、マスコミや学校の先生の言うことだけに頼って生きてはいけないのです。

本来、学校教育で一番大事なことは、そうした健全な懐疑の精神を身に着けさせることです。ところが、その肝心な知的態度が今の日本人学生には身についていません。私は、自分の講義で必ず言うことがあります。「ぼくの言っていることもウソかもしれないから、後でちゃんと自分で調べて、自分で考えるように」。みなさんも、ぜひ実践していただければと思います。

掛谷 英紀(かけや・ひでき)
筑波大学システム情報系准教授
1970年大阪府生まれ。93年東京大学理学部生物化学科卒。98年東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。博士(工学)。通信総合研究所(現・情報通信研究機構)研究員を経て、現職。専門はメディア工学。NPO法人「言論責任保証協会」代表。著書に『学問とは何か 専門家・メディア・科学技術の倫理』『学者のウソ』など。近著に『「先見力」の授業』(かんき出版)がある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/605448
シリーズ 医療従事者の需給に関する検討会
医師需給の「第3次中間取りまとめ」、了承
2020年度と2021年度は現行範囲、2022年度以降は減員に向け議論
 
レポート 2018年5月28日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「第6回医療従事者の需給に関する検討会」(座長:森田朗・津田塾大学総合政策学部教授)は、その下部組織に当たる「第21回医師需給分科会」(座長:片峰茂・前長崎大学学長)との合同会議を5月28日に開催し、同分科会による第3次中間取りまとめ(案)を了承した(資料は、厚労省のホームページ)。

 医学部定員について、2020年度と2021年度は、「2019年度の医学部定員を超えない範囲」にし、2022年度以降は、「将来的な医学部定員の減員に向けた議論としていく必要がある」とする内容だ。医師の需給を推計、将来的には需給が均衡することを前提としている(『医師需給2028年頃に均衡、「週60時間程度に制限」で』を参照)。第3次中間取りまとめ(案)は、5月21日の医師需給分科会で了承していた(『医学部定員、「2022年度以降、減員に向けた議論が必要」』を参照)。

 森田座長は会議の最後に、今回の取りまとめの経緯について、「医師の働き方改革についての結論がまだ出ない段階で、暫定的に医学部の定員を早く決める必要があった」と述べ、「将来的な方向性については、人口減が進む中で、現実的なものだと考えている」とコメント。その上で、「ミクロの議論については、さまざまな意見がある」とし、医師偏在対策について引き続き議論していくとした。

 医師需給分科会の「第2次中間取りまとめ」を基に、医師偏在対策を盛り込んだ医師法・医療法改正法案が今通常国会に提出されている(『「医師少数区域」勤務の認定医師、専門医取得の支援も検討』などを参照)。「医師少数区域」を設定し、対策を講じることなどが対策の柱であり、医師需給分科会では法案成立後、具体的な施策の検討に入る予定。

 さらに、医師需給は医師の働き方改革とも関連するため、2018年3月に最終的な結論を得ることになっている医師の時間外労働規制等、2019年12月公表予定の「医師・歯科医師・薬剤師調査」(2018年12月分)の結果などを踏まえ、2022年度以降の医学部定員の在り方についても議論する。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「通常は2年くらい前までに議論して方向性を出すため、2022年度の医学部定員については、2020年5月くらいには結論が必要。2019年のしかるべきタイミングに、医学部定員に関する議論を再開する」と説明した。

 構成員からは第3次中間取りまとめ(案)に関する異論は出ず、今後の議論のスケジュールや内容について幾つかの意見が出た。

 順天堂大学学長の新井一氏は、前全国医学部長病院長会議会長の立場から、第3次取りまとめの内容を迅速に大学等に周知することを要望。日本病院会会長の相沢孝夫氏は、第3次中間取りまとめで「定期的に医師需給推計を行った上で、将来的な医学部定員の減員に向けて、医師養成数の方針等について見直していくべき」と求めていることから、今後の検討スケジュールについて質問。その答えが前述の武井課長の発言だ。

 日本医師会副会長の今村聡氏は、医師需給に関係する医師の働き方改革において、他職種へのタスクシフティングが進められると想定されることから、薬剤師などの需給の議論についての進捗を質問。厚労省医政局医事課は、理学療法士と作業療法士について、「1年前に需給推計の方法まで議論したが、今は止まっている。適切なところで議論を再開したい」と回答。同局看護課長の島田陽子氏は、「看護職員の需給推計は、医師の需給推計と考え方を揃えるということで中断していた。医師と同じ前提での推計が可能になったので、看護職員についても議論を再開したい」と答えた。

 医師偏在対策、総合医数の設定求める声も

 第3次取りまとめでは、「マクロの医師需給が均衡することは、必ずしも地域や診療科といったミクロの領域でも需給が均衡することを意味しない」と記載。

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、「今後、医師少数区域などの議論が進む。国全体としての基準を示すことは必要だが、各地域の医師不足の実感を反映して、関係者の意見を集約しないとうまくいかない」と指摘。日本医療法人協会会長の加納繁照氏は、「病院医療の現場では、まだ医師不足が続いているのが現実。ミクロの部分を各都道府県でしっかり対応していくことが必要」と述べた。

 総合医(総合診療医)も議論になった。聖路加国際大学学長の福井次矢氏は、効率的に医療を提供するため、臓器別専門医と総合医の割合を推計することを提案。日本精神科病院協会会長の山崎学氏も、総合医が地域包括ケアシステムの中心になるべきとし、総合医養成のほか、卒後の臨床研修と専門研修を併せて検討し、医師が地域に残る仕組み作りの検討を求めた。一方で、釜萢氏は総合医を養成する趣旨は「理解する」としたものの、卒後すぐに総合医の道に入るのではなく、専門領域にかかわらず、日医が実施するかかりつけ医研修などを受けて、幅広い診療能力を涵養するという道筋がふさわしいとした。

 医師偏在対策、総合医数の設定求める声も

 今後の医学部定員について、相沢氏は、「2040年頃には、人口が40万~50万人くらいになる県が出てくる」と述べ、まず医療提供体制の将来をしっかりと議論した上で、医師需給を推計する必要性を指摘。また人口が40万~50万人の地域では、「1県1大学(医学部)」を運営することが難しくなってくると見通した。釜萢氏も、「若年人口が減少してくる中で、医療従事者数を大きく増員するのは、極めて厳しい状況になることを、今後の議論の基礎、共通認識としておく必要がある」とコメント。

 山崎氏は、「ここ10年、15年は高齢者が増えてくるので、医療ニーズは増えてくるので、それほど急減に減らすと混乱のもとになる」と慎重な検討を求めた。



http://www.medwatch.jp/?p=20778
2020・21年度の医学定員は全体で現状維持、22年度以降は「減員」―医療従事者の需給検討会 
2018年5月29日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2020・21年度の医学部入学定員は「暫定措置」として現状を概ね維持し、2022年度以降については「医師の働き方改革」や「医師偏在対策」の結果などを踏まえ、「減員」に向けて定期的に検討していく—。

 厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」(以下、検討会)と、下部組織の「医師需給分科会」(以下、分科会)は5月28日に、こういった方針を盛り込んだ「第3次中間とりまとめ」を大筋で了承しました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
ここがポイント!
1 遅くとも2033年以降は医師供給が過剰に、2020・21年度は全体で現状を維持
2 医師供給過剰を踏まえて、地域の状況に配慮した上で、2022年度以降は「減員」方向

遅くとも2033年以降は医師供給が過剰に、2020・21年度は全体で現状を維持

 厚生労働省は今般、▼高齢化の進展による医療ニーズの増加▼人口減少に伴う医療ニーズの減少▼医療提供体制の再構築(地域医療構想の実現)▼医師の高齢化▼医師の働き方改革等による業務の効率化▼ICT・AI等の活用による医師の業務効率化▼性・年齢に基づく「医師の仕事量」—などさまざまな要素を考慮し、将来の医師需給について精緻な推計を行いました。

もっとも「医師の働き方改革」については、検討会(医師の働き方改革に関する検討会)の議論がまとまっていないこと、ICT・AI等の活用については技術が今後も進展していくこと、などから一定の仮定を置いたものとなっています。それによると、「2018-33年頃に医師の需要と供給が均衡し、以降、医師の供給数が過剰になる」ことが分かりました(関連記事はこちら)。

【医師の需要がもっとも大きくなるケース1】(医師にも、一般労働者と同じ時間外労働規制(月60時間まで)を行い、AI等の活用で2040年には業務が7%削減される、などと仮定)
→2033年頃に医師の需給が約36万人で均衡し、以降、医師供給数が過剰となり、2040年には2万5000人程度の医師過剰となる

【医師の需要が中程度となるケース2】(医師の時間外労働規制を、過労死ガイドライン水準(月80時間まで)とし、AI等活用で2040年には業務が10%削減される、などと仮定)
→2028年頃に医師の需給が約35万人で均衡し、以降、医師供給数が過剰となり、2040年には3万5000人程度の医師過剰となる

【医師の需要がもっとも少なくなるケース3】(医師の時間外労働規制を、米国の研修医並み(週80時間まで)とし、AI等活用で2040年には業務が20%削減される、などと仮定)
→2018年頃に医師の需給が約32万人で均衡し、以降、医師供給数が過剰となり、2040年には5万2000人程度の医師過剰となる

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医師需給分科会3 180412

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医師需給分科会2 180412
 
 検討会および分科会では、こうした見通しを踏まえて「将来的に、医師の養成数、つまり医学部の入学定員を『減員』していく」方向性を確認しています。

ただし、「医師の働き方改革」については、「医師の働き方改革に関する検討会」の議論が2019年3月まで続くこと、さらにクローズアップされている「医師偏在」対策を規定した医療法・医師法等の改正案が、現在、国会で審議中であること、などを踏まえ、▼2020・21年度▼2022年度以降―に分けて、医学部入学定員に関する考え方を示しています。

まず、前者の「2020・21年度」については、▼近い将来、医師供給が過剰になる(上述)▼すでに過去最大級の医学部入学定員の増員を行っている―ことを踏まえ、「暫定的に現状の医学部定員を概ね維持し、各都道府県・各大学の要望は、2019年度の医学部定員を超えない範囲で慎重に精査する」ことを示しています。

この方針をもとに、2020・21年度における各大学医学部の入学定員が設定されます。現在の高等学校2年生が、2020年度に医学部に入学することとなり、進路決定などに支障が出ないよう、早急に調整が行われます。

医師供給過剰を踏まえて、地域の状況に配慮した上で、2022年度以降は「減員」方向

後者の「2022年度以降」については、▼「医師の働き方改革に関する検討会」の意見(2019年3月予定)▼医師偏在対策の効果(直近では、2019年12月に示される「2018年の医師・歯科医師・薬剤師調査」結果)—を踏まえて検討することになります。ただし、「働き方改革」や「偏在対策」については、一気に課題が解決するわけではなく、時間をかけて徐々に改善が進んでいきます。また、前述したICTやAIの技術はめまぐるしく進展していくと予想されます。このため、検討会および分科会では「医師養成数(医学部入学定員)について定期的に検討していく」ことを確認しています。

また「減員」の方向は示されているものの、「地域別・診療科別の偏在」をいう現実から目を背けることはできません。検討会および分科会では「地域間で医師偏在がある場合には、地域枠のニーズは残る」点を強調しています。

5月28日の検討会・分科会では、こうした方針に異論は出ていませんが、「2022年度以降の議論」に対する注文が数多出されました。

例えば「減員」の方向について加納繁照構成員(日本医療法人協会会長、検討会の構成員)は、「地域別・診療科別などミクロに見ていけば、医師が不足しているところもある。今後、医療ニーズを定期的に見直し、ミクロにおいて医師の適正配置がなされるようにする必要がある」旨を強調。

地域偏在を是正する方策として「地域枠」の重要性が指摘されます。この点について新井一構成員(前全国医学部長病院長会議会長、分科会の構成員)は、「地域枠の学生は一般の医学部生よりも優秀である、との報告もある」ことを紹介し、地域枠の重要性を再確認。その上で、「各大学にアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)があり、それを無視した、都道府県等からの『地域枠を設け、拡充せよ』との要請は好ましくない。大学には、それぞれ使命があり、意思を確認したうえで地域枠等を進めていく必要がある」と述べています。地域枠については、現在「臨時の定員増」の中で設定されていますが、分科会では「恒久定員の中に盛り込む」方向も出ています。全国医学部長病院長会議では、この点についても「各大学の意思を尊重すべき」と要請しています(関連記事はこちら)。
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当面の医学部入学定員
 
また、山崎學構成員(日本精神科病院協会会長、検討会の構成員)や釜萢敏構成員(日本医師会常任理事、検討会の構成員)は、地域においては「幅広い領域を診れる医師」(総合医)のニーズが高いことを改めて強調。福井次矢構成員(聖路加国際大学学長、分科会の構成員)は「専門医と総合医の適正比率(いわば黄金比)を国が示す必要がある」と提言しています。

さらに荒井正吾構成員(奈良県知事、検討会の構成員)は、▼医師養成を独立して議論するのでなく、医療を「産業組織」として捉え、さまざまな要素を含めて「最適化」を図る視点を持つ必要がある▼医師需給の前に「医療需給」を客観的に把握する努力をする必要がある▼ミクロ(地域別)の「医療需要」を客観的に図る手法(例えば、地域のニーズとウォンツを図り、後者が前者を上回る場合には「医療需要が過大」と判断する、など)を開発する必要がある解を図る必要ある▼医師が果たさなければならない役割の明確化、医療従事者の業務分担、医療行為の標準化・適正化などを行った上で「医師の能力の最適配分」を考える必要がある―と提言しています。

このうち「医療従事者の業務分担」(タスク・シフティング)については、検討会の下部組織である「看護職員需給分科会」と「理学療法士・作業療法士需給分科会」が近く再開され、それぞれの需給について検討を行いますが、今村聡構成員(日本医師会副会長、分科会の構成員)は「我が国は先進諸国に比べて薬剤師が多い。しかし、必要とされる病院の現場に勤務する薬剤師は少ないという。この点も検討すべきではないか」と提案しています。

なお、相澤孝夫構成員(日本病院会会長、検討会の構成員)は「地域の人口が大きく減少していく中では、『今後とも、医学部できちんとした教育がなされるのか』という視点・議論が欠かせず、『1県1医大構想』も見直していく必要性があるのではないか」と指摘し、今後の急速な変化を踏まえて、検討会・分科会でも「短いスパンで議論していくべき」と訴えています。

 今後の検討スケジュールについて詳細は固まっていませんが、「2020年度以降の医師養成」に関する議論は、早くとも「働き方改革」の方向が明確になる2019年3月以降になりそうです。

また「医師不足地域か否か」を判断するための指標論議については、国会における医師法・医療法改正案の成立を待つ必要があり、今夏から今秋以降になると予想されます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/605304
シリーズ 安倍政権の医療制度改革
「地域別の診療報酬は“伝家の宝刀”」、荒井奈良県知事
社会保障制度改革推進会議、地域医療構想と国保改革を議論
 
レポート 2018年5月28日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障制度改革推進会議(議長:清家篤・慶應義塾大学商学部教授)が5月28日に開催され、地域医療構想や国民健康保険改革の進捗等について議論、国保改革の取り組みを紹介した奈良県知事の荒井正吾氏は、「受益と負担を総合的にマネジメントしていく」と説明、受益と負担が均衡しない場合、「地域別の診療報酬設定の活用は、最終的な選択肢の一つ」と説明した(資料は、内閣府のホームページ)。

 荒井知事は、「診療報酬の引き下げありき、という政策ではない。むやみに“伝家の宝刀”を抜くことはしないが、法律で規定された権能であり、抜けないのもおかしい。どんな時に刀を抜くべきか、法律の趣旨をいかに解釈するかが重要」と述べた。地域別の診療報酬設定は、「高齢者の医療の確保に関する法律」に規定された権限であり、診療報酬の1点10円という単価を変更できる規定。都道府県の申請を受け、最終的には厚生労働大臣が定める。

 国保の都道府県単位化は、2018年度から全国でスタート。奈良県では、2018年度には国保の赤字補てんのため一般会計からの法定外繰り入れを解消、2024年度には各市町村で異なる保険料水準の統一を目指す。その実現に向け、(1)医療費適正化の推進、(2)国保事務支援センターの設置、(3)国保事務共同化の推進――を3つの施策の柱に据える。医療費適正化では、後発医薬品の普及推進、医薬品の多剤投与・重複投与の適正化、糖尿病性腎症の予防、レセプトデータやKDB(国保データベース)を活用した医療費分析と分析結果の具体的活用――などに取り組む方針。

 慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、「地域別の診療報酬については、賛否があると承知している。法定外繰り入れが解消され、保険料の県内統一という大前提が達成された後に、受益と負担の調整方法として、保険料をアップするか、地域別の診療報酬を“伝家の宝刀”を使うのかを判断するのだろう」と受け止めた。「負担には限界がある。給付について国が決めれば、その負担はするものだと考えるのは問題。負担できる限界に対して、どこまで給付するかという、給付と負担の間でより良いけん制関係を構築することが必要であり、その方法の一つとして地域別の診療報酬があるのだろう」(土居氏)。

 慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、奈良県の施策は、2013年の社会保障制度改革国民会議報告書で提言していることであり、これらを実施しないことには「国保改革が実現できない」と指摘。権丈氏は同会議の委員も務めた立場から、国保の保険料水準統一は重い責任を伴うことであり、地方であっても、都会と同様に、医療を受ける機会を提供できることを保障しつつ、水準統一を進めていくことが報告書の趣旨であると説明した。

 地域医療構想については、茨城県と奈良県の事例が紹介された(『地域医療構想8府県は未設定、医療計画「原則記載」の在宅目標』を参照)。

 安倍晋三首相は、5月21日の経済財政諮問会議で、地域医療構想について、「今年秋を目途に、全国での策定状況を中間報告し、先進事例を横展開するなど、対応方針の策定を後押ししてほしい」と発言している。清家議長はこの発言を引用し、「まさに今日の事例は、大変貴重であり、好事例の横転換を図っていく必要がある」と指摘した。

 「なぜ地域医療構想が進んでいない地域があるのか」という委員の質問に、茨城県の担当者は、「地域医療の崩壊の危機が迫っているかどうかで、進捗状況が決まってくるのではないか」と回答した。



https://mainichi.jp/articles/20180529/ddl/k12/040/032000c
深掘りちば
鴨川市立国保病院再建問題 市と院長「亀田」対決 いとこ同士、市長選のしこり /千葉
 
毎日新聞2018年5月29日 地方版

 赤字が続く鴨川市立国保病院の再建を巡り、市と、同市に本拠を置く亀田総合病院が対立している。病床数を維持したまま約20億円を投じて新病棟の建設を目指す市に対し、亀田病院側は現在の規模を縮小し、近隣の病院とともに新たに作る「地域医療連携推進法人」の元で介護も含めた地域サービスに当たるべきだと主張。人口減のなか地域医療のあり方が問題となるが、対立の背景には昨年の市長選を巡るしこりが尾を引いているようだ。【中島章隆】

 鴨川市立国保病院は戦後間もない1948年、旧吉尾村の無医村解消のため診療所として開設。数次の町村合併を経て73年に現在の場所で70床の市立国保病院となった。海岸沿いの市中心部から約10キロ内陸に入った人口まばらな地域のため、過疎化に伴い来院者が年々減少し、2013年度に経常赤字に転落した。

 施設も築40年を超え、老朽化したことから前市長時代の15年、学識経験者を交えた「国保病院あり方検討委員会」を設置し、病院の再建策を練った。しかし、結論は「施設整備の前提として、医師・看護師の積極的な雇用により収支の改善を図るべきだ」。施設改修は先送りされた。

 流れが変わったのが昨年3月の市長選だった。亀田郁夫氏が国保病院の機能強化を公約に掲げ、現職を破って初当選した。亀田氏は市長就任後直ちに全面改築計画に着手。現施設の南隣に鉄筋3階建ての新病棟(延べ床面積5000平方メートル)を造り、70床全てを個室とする新病棟建設計画を今年3月、発表した。総工費20億円で、20年度オープンを目指している。

 亀田市長は亀田総合病院の亀田信介院長のいとこで、同じ「亀田一族」だが、市長選で亀田病院は落選した現職を全面的に応援していた。亀田病院側は市長が掲げる国保病院の改築計画に猛反発。昨年9月には、亀田院長が「国保病院の建て替えは、現在県が進めている地域医療構想策定のプロセスに反し、負の遺産を残すことが予想される。白紙に戻すべきだ」と国や県、市の関係者に訴えた。

 亀田院長は社会福祉法人「太陽会」の理事長を兼ねる。太陽会は館山市の安房地域医療センターを経営し、昨年から、南房総市立富山国保病院と県内初の「地域医療連携推進法人」を結成する準備を進めている。

 この連携法人は、鴨川国保病院と鋸南町国民健康保険鋸南病院との連携も視野に入れ、安房地域が一体となって、医師や看護師を派遣したり、病床を融通したりする構想を持つ。それだけに、お膝元の鴨川国保病院の離脱は、連携法人の設立に水を差す結果になりかねない。

 亀田市長は国保病院の内陸部という立地を強調し、「大津波が襲った場合、救急体制の拠点になる」と主張。海岸線に施設が集まる亀田病院をけん制する。

 一方、亀田院長は「70床維持なら現在の医師5人では無理。病床利用率も60%以下で、経営的に行き詰まるのは目に見えている。連携法人のもとで介護や在宅支援に特化するなど役割分担すべきだ」と反発している。

市保健医療参与「全国のモデルに」

 鴨川市は鴨川国保病院の整備を含む保健医療行政の総合的な推進を図るため、4月から千葉大付属病院地域医療連携部長の竹内公一医師(51)を非常勤特別職「保健医療参与」に迎えた。任期は1年。亀田病院側と対立している状況を打破するため、医療の専門家を招いた形だ。

 竹内氏は自治医大出身で、国や県が進める地域医療構想の策定に当たり要職を務めてきた。着任後、亀田院長や南房総市立富山国保病院の鈴木孝徳院長と面談するなど、安房地域全体の医療体制整備に向け、ニュートラルな立場を示し、精力的に活動している。

 竹内氏は毎日新聞の取材に「安房地域は人口減少が続く中、医師や看護師が手厚く配置されている特異な環境にある。医療機関の連携により、全国のモデル地域になる可能性もあり、精力的に取り組みたい」と意欲を語った。

 ■ことば
地域医療連携推進法人
 人口減少が進む中、同じ地域にある複数の病院や診療所、介護施設などが役割を分担しながら連携して設置する法人。2015年の医療法改正で創設が可能になった。法人内で病床数や職員などの再配置ができ、患者情報の一元化、医薬品の共同購入などを通じて、効率的な医療・介護体制を整備するのが狙い。今年4月現在、山形、兵庫、鹿児島など6県の6法人が国に認定されている。



https://www.sankeibiz.jp/business/news/180530/prl1805301722133-n1.htm
<医師1,637人調査>「専門医の取得理由やメリット」に関する最新アンケート結果を公表 
2018.5.30 17:22 SankeiBIZ

専門医に関する医師1,637人の最新アンケート

 地域医療への影響の懸念などから1年延期されていた新専門医制度が2018年4月から開始された中、医師向けキャリア支援サービスなどを提供している株式会社メディウェルが、専門医の取得理由やメリットに関する最新のアンケート結果(回答医師数1,637人)を公表しました。

専門医に関する医師1,637人の最新アンケート

 URL: https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-specialist/

 若手医師の9割以上が専門医の取得を目指している状況の中で、医師が取得を目指すことへのモチベーションや、実際に専門医取得後に感じたメリットなど、専門医をめぐる医師の本音が明らかになる内容となっています。

 本調査は、専門医のメリットに関する医師への調査として過去最大規模であるとともに、新制度開始前後での医師の意見が反映された最新の調査となっています。

 調査では、医師の専門医の取得理由で最も多かったのが「自身のスキル・知識の向上のため」で、専門医の取得を「自己研鑽」の機会として捉えている医師が多い一方で、実際に取得してからの専門医のメリットについては、「見合っていない」が半数以上を占めており、専門医の取得や維持にかかる費用・労力の負担感が医師にとって大きいことが窺える結果となりました。

 調査の概要については、以下のようになっています。

 ■調査概要
調査内容 : 専門医の取得とメリットに関する医師へのアンケート調査
調査対象 : 株式会社メディウェルに登録している医師会員
調査時期 : 2018年3月20日~2018年5月7日
有効回答数: 1,637件
公開URL : https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-specialist/

 ■結果の概要
・専門医を取得した理由は「自己研鑽」が最多で7割以上が挙げていた。
・専門医取得後のメリットは「自己研鑽」を除くと、「特にない」が28%と最多だった。
・専門医の取得や更新の労力・コストに対するメリットは「見合っていない」が53%と半数以上を占めた。
・他の医師を評価する際には6割以上が「専門医の有無は参考になる」と回答した。
・専門医以外に自身のキャリアアップや他の医師の評価において重要視していることで、多かったのは「他の医師からの評判」「経験年数」「症例数」だった。
・自由回答では専門医のメリット・デメリット、専門医のスキルとしての指標の是非などについて医師間で意見が分かれた。診療報酬に反映して欲しいという声や、制度・運営上の問題を挙げている意見も多く見られた。

 ■専門医制度・運営に関する自由回答(一部)
・申請料が高すぎる、学会参加誘導しすぎている
・専門医の維持は、権力とお金の維持でなく、専門医個々の経験と実力の維持であるべき。専門医から見て、専門医機構は何をしたいのか全く分からない。
・新専門医制度は迷走していて研修医が振り回されすぎ今のままで問題ない。機構は即刻解体すべし
・労力に見合う対価、インセンティブがあるべき。学会のお偉いさんの集金手段になっている新制度もあらたな利権が生まれるだけで、医師にも患者にもメリットがない。
・専門医更新において専門医機構の介入があったことで、単位の取得が以前より複雑かつ手間が多くなった。既に学術集会でもそちらに気を取られ、聴講する議題がそれに左右されて、本末転倒となっている現状に辟易している。

 株式会社メディウェルでは本調査の結果を受け、専門医をめぐってキャリア上の不安や不満を抱えている医師一人一人に対して、新たな選択肢の提案など、より一層のキャリア支援に取り組むべく邁進してまいります。

 本調査の詳細に関しましては以下のURLをご参照ください。
https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-specialist/

 ■引用・転載時のお願い
・本調査結果の引用・転載時には、「株式会社メディウェル」による調査である旨の明記をお願いいたします。

 ・WEB上での引用・転載を行なう場合には、「株式会社メディウェル」による調査である旨の明記と、引用元のURL( https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-specialist/ )へのリンク付与をお願いいたします。

 ■サービス・会社概要
【医師転職ドットコム】
URL : https://www.dr-10.com/
サイト概要: 2004年より運営している会員数35,000人以上の医師向け転職支援サイト

 【会社概要】
企業名 : 株式会社メディウェル( https://www.mediwel.net/ )
所在地 : 〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西5丁目2番地 興銀ビル9階
事業内容: 医療機関を対象とした経営コンサルティング事業、
病院経営に関する情報発信、
医療従事者の紹介事業、医療関係職員の研修、
セミナー並びに各種イベント企画、立案
代表者 : 代表取締役 中村 知廣



https://www.m3.com/news/iryoishin/605677
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
「医師の働き方、ベテランと若手で意識に差」
自民・医師の働き方改革PT、四病協と全自病にヒアリング
 
レポート 2018年5月29日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 自民党の厚生労働部会「医師の働き方改革に関するプロジェクトチーム」は5月29日、四病院団体協議会と全国自治体病院協議会へのヒアリングを実施した。会議後、座長を務める参議院議員の羽生田俊氏は、「意見はかなり出尽くしている」とし、「若手とベテランの医師では、考え方や意識の違いがあり、この辺りをどう考えるかが大きな問題」との認識を示した。

 さらに「病院や地域によっても異なるため、『医師の働き方』として一括りにすることができるのか」とも述べ、現状の問題は明らかになってきたものの、その解決策を見いだすのは容易ではないと示唆した。

 次回の医師の働き方改革PTでは、全国医学部長病院長会議と日本私立医科大学協会へのヒアリングを行う。さらに次回以降、若手医師の意見も聞く方針。


 5月10日の会議では、日本医師会へのヒアリングを実施している。また羽生田氏自身、直近では秋田県と新潟県を視察したという。医療者から出てくる意見として、仕事と自己研鑽との関係、宿日直の定義とその扱い、労働時間をどのように把握するかなど。「時間外の自己研鑽でも、上司から命令された場合には時間外労働に含め、自らが実施する場合には含めない、といった考え方も出ている」(羽生田氏)。

 さらに羽生田氏は、「また医師の働き方改革をめぐる議論は現在進行中であるため、労働基準監督署の立入調査は、『少し考えてもらいたい』というのが、(厚労省)医政局の立場。一方、労働基準監督署は、医療機関に集中的に調査しているわけではないが、情報が入ってくると労基署は法律に則って、行かざるを得ない状況」と現状を分析した。

 四病協は、加藤勝信厚労相に4月18日に提出した「医師の働き方改革」についての要望を説明、「医師の働き方については、医師の労働の特殊性を明確にした上で、現行の労働法制とは異なる医師労働法制を制定する」ことなどを求めた(『「独自の医師労働法制」を要望、四病協』を参照)。

 全自病は、2017年7月から8月にかけて会員病院を対象に実施したアンケートを基に、医師の働き方の実態を紹介(『上限規制で「手術、年4000件を半減する必要」の病院も』を参照)。「医師に対する時間外労働の上限規制の適用が、地域医療の崩壊を招くことにならないよう、慎重な検討が必要」と要望。労基署に対しては、さまざまな諸課題が検討会で議論されているところであるため、謙抑的に対応するよう要請した。


  1. 2018/06/03(日) 10:08:07|
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