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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月20日

https://www.m3.com/news/iryoishin/603172
外科系医師、「手当」充実で着実に確保、山形大
「努力すれば報われる」、最高額は768万円
 
2018年5月18日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 「3K」と言われる外科系診療科でも、着実に入局者を確保している大学がある。その一つが山形大学だ。例えば、産婦人科医の場合、過去10年間の入局者数は計30人。多い年では6人入局。心臓外科などを含む第二外科などでも入局者がゼロの年はない。

 旧帝大でも外科系医師不足に悩む中、山形大学が外科系医師を着実に採用しているのは、勤務時間外や休日の手術・麻酔・処置や、時間内でも高度な技術を必要とする難易度が高い手術について、「診療従事特別調整手当」という名称で医師手当を充実させるなど、2000年代後半以降、医師の待遇改善を図ってきたことが大きい。今年4月の第118回日本外科学会定期学術集会で、山形大学医学部参与兼特任教授の嘉山孝正氏が現状を紹介した(『山形大の“ドクターフィー”、最高は年間760万円』などを参照)。

 第二外科の常勤医の場合、所定の給与に加え、医師手当の最高は、2017年度の場合、年約768万円にも上る。最少でも年200万円近い。嘉山氏の専門である脳神経外科では、最高が年約508万円、最少は年約50万円だ。

 外科系以外でも、観血的処置を行う内科系医師にも手当が付くため、医師手当の恩恵を受ける医師は多い。宿日直手当、オンコール手当、緊急時診療従事調整手当なども従事させている。

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山形大学の医師手当の一覧(提供:嘉山氏)

 医師手当には当然原資が必要であり、導入は容易ではないと思われる。しかし、「診療従事特別調整手当」を導入した2006年7月当時、同医学部長を務めていた嘉山氏は、「努力すればするほど報われ、かつ医療費の増大に歯止めをかけられる医師手当の導入は、工夫すれば可能と考えている」と語る。

 山形大学医学部附属病院の2017年の医業収益(医療費)は、202億3923万円、うち医師手当のうち、時間外手当(宿日直、オンコール手当など)の合計は2億1104万円(医業収益の1.0%)、技術料(診療従事特別調整手当など)の合計は1億9043万円(同0.9%)だ。

 『High risk, High return』を目指す

 嘉山氏は、医師手当を充実させた背景として、外科医不足とその対策としての医師の技量や仕事に見合った正当な処遇を挙げる。「外科系は3K 職場であり、一人前になるまでに長い修練生活が必要。しかも、医療事故発生時に医師個人の責任を問われやすいなどの問題もあり、『High risk, Low return』の世界」(嘉山氏)。

 もっとも、医師手当を充実させようとしても、日本の診療報酬制度は、米国とは異なり、「ドクター・フィー」と「ホスピタル・フィ-」は分かれておらず、医師個人に報酬を直接支払うスキームにはなっていない。その上、山形大学は国立大学法人であり、病院で臨床に従事する医師は、医学部の教員の立場であり、他の学部にも影響することから給与体系そのものの変更は困難という事情もある。

 そこで考案したのが、医師手当を充実させるという方法だ。「診療従事特別調整手当」は、手術・麻酔・処置に分かれる。例えば、勤務時間外・休日に緊急手術を実施した場合、診療報酬の10分の1を執刀医、第一助手、第二助手に分配する仕組みだ。

 教授会、「外科系医師厚遇」でも異論出ず

 内科系医師も対象となるものの、「診療従事特別調整手当」の主たる対象は外科系医師。しかし、嘉山氏が教授会で同手当の導入を提案した際、反対意見は出なかった。「医学部長は、各医師の外勤のほか、講演、原稿執筆などによる副収入の状況を把握できる。外科系医師は、外勤の回数が内科系医師よりも少ないなど、副収入は内科系医師よりも少ないというデータを提示した」。不公平感は生じなかったのは、「診療従事特別調整手当」以外にも、宿日直手当、オンコール手当、オンコールの際に対応した場合の緊急時診療従事手当など、内科系、外科系を問わず、医師の技量や仕事量に見合った手当を受け取れる仕組みを並行して充実させたという事情もある。

 診療科偏在解消のためにもインセンティブ必要

 嘉山氏は、「どの病院でも、医師手当を導入できるはず」と指摘する。嘉山氏が中央社会保険医療協議会の委員を務めていた2010年度改定では、高難度の手術料(D、E区分に相当)が30~50%アップした。前述のように、時間外手当(宿日直、オンコール手当など)、技術料(診療従事特別調整手当など)の合計は、医療収益の約2%にとどまる。

 「努力すればするほど報われ、かつ医療費の増大に歯止めをかけられる技術料の設定は、工夫すれば可能と考える」と嘉山氏が考えるのは、米国の「ドクター・フィー」に用いられているRBRVSという仕組みを念頭に置いているためだ。RBRVSは、(1)医療サービスに要する時間(time spent)、(2)専門技術の肉体的尽力(technical skill and physical effort)、(3)専門技術の精神的尽力(mental effort)、(4)患者のリスクからの精神的ストレス(stress)――という4つの視点を基に、医師の仕事量を相対評価する手法だ。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30694320Y8A510C1EA4000/
医療法改正案、参院本会議で可決  
2018/5/18 20:00

 医師偏在の是正を目指す医療法・医師法の改正案が18日、参院本会議で可決した。法案は先に参議院で審議されたため、今後衆院に送付される。法案では医師を確保するための計画の策定を都道府県に義務付けるほか、偏在の度合いを示す新しい指標もつくる。医師不足地域での勤務経験を一定の病院の院長に就くための要件とする項目も盛り込んでいる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/603107
地域医療構想
進む病院の再編統合、ネックは「給与体系の相違」
厚労省・地域医療構想WG、茨城と徳島では公的と民間の統合も
 
レポート 2018年5月16日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)が5月16日に開かれ、茨城県と徳島県における病院の再編統合の事例が紹介された。医師不足や医師の高齢化、今後の医療ニーズの変化などを踏まえ、公立病院同士に限らず、済生会病院と労災病院、公立病院と医師会立病院などの再編統合も進んでいることが注目点だ。半面、再編統合しても医師不足が解消されなかったり、経営母体が異なる場合、給与体系の相違が問題となるなどの難しさも示された。

 岩手県保険福祉部技官兼副部長兼医療政策室長の野原勝氏は、「徳島県のように医師が多い県でも、医師の地域偏在が大きな課題になっていることが分かった。将来の必要な医療機能への転換を議論するに当たって、それを担う人材をいかに確保するかが重要になる。調整会議においても、医師の偏在対策についての議論が必要」と指摘した。

 全国の341の構想区域のうち、病院の再編統合についての議論を行っているのは、24構想区域。各構想区域では、公立病院では「新公立病院改革プラン」、公的病院等では「公的医療機関等2025プラン」をそれぞれ策定し、地域医療構想の調整会議で協議することになっている。茨城県や徳島県など、一部の都道府県では公立病院等の再編統合まで進んでいるが、再編統合の必要性について十分な議論ができていない構想区域も多い。「地域医療構想に関するワーキンググループ」では今年度、構想区域ごとの取り組み状況の分析、再編統合の事例の見える化を進める予定。

 再編統合の際、毎年行う病床機能報告の結果と、地域医療構想における2025年の4つの医療機能別の「病床の必要量」を単純比較し、議論されることが少なくない。全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は、「地域医療構想は、不足している医療機能の手当てが目的」と指摘、厚労省の提示資料について、「病床の削減の方策に向かっているように見えるものがあり、違和感を覚える」と問題視した。日本医師会副会長の中川俊男氏も、「単純に比較して、騒がないこと。その一言に尽きる」と述べ、地域医療構想の正しい理解に基づく議論の必要性を指摘した。

 茨城、労災病院と済生会病院の再編統合も
 茨城県は、9つの2次医療圏(構想区域)から成る。深刻な医師不足と地域偏在が問題になっており、人口10万人当たりの医師数は全国ワースト2位。2次医療圏別の医師数の最大格差は4倍以上。筑西医療圏では2018年10月に、鹿行医療圏では2019年4月に、それぞれ再編統合した新病院がオープンする予定。水戸医療圏でも、再編統合に向け、ワーキンググループの議論が5月15日から始まった。「各病院が抱える課題や将来像について議論し、来年3月末を目途に、一定の結論を出す予定」(茨城県担当者)。

 筑西医療圏では、県西総合病院(299床)、筑西市民病院(173床)、民間の山王病院(79床)の3病院を再編統合し、地方独立行政法人の茨城県西部メディカルセンター(250床)、公設民営のさくらがわ地域医療センター(128床)にする。

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(2018年5月16日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)

 鹿行医療圏では、神栖済生会病院(179床)と鹿島労災病院(199床)を再編統合、神栖済生会病院の本院350床、分院10床とする。「苦労したのは、職員の処遇。公立病院同士では給与体系の格差はあまりないが、労災病院と済生会病院は格差が大きく、それをどうするかが課題だった。済生会病院が労災病院を引き取ることになったが、給与は労災病院の方が高かった。一定期間は現給保障をせざるを得ない」(茨城県担当者)。また、臨床検査技師以外の医療従事者は再編統合後でも不足しているという。「350床を稼働させるには、60~70人の医師は必要だが、現在は30人強」(茨城県担当者)。

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(2018年5月16日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)

 日本医療法人協会会長代行の伊藤伸一氏は、再編統合の議論における民間病院の関与について質問。茨城県の担当者は、再編統合に向けたワーキンググループには、民間病院も参加して議論したと回答した。

 徳島県は、3つの2次医療圏から成る。人口当たりの医師数は全国1位だが、東部医療圏に集中するなど、県内での偏在が大きく、医療施設に従事する60歳以上の医師の割合は32.8%で、全国平均(25.1%)よりも高く、高齢化が進んでいる。

 南部医療圏では、JA徳島厚生連阿南共栄病院(343床)と阿南医師会中央病院(229床)を再編統合し、JA徳島厚生連阿南医療センター(398床)とする。全体では174床の減床。2019年春にオープンの予定だ。

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(2018年5月16日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)



http://www.medwatch.jp/?p=20572
再編・統合も視野に入れた「公立・公的病院の機能分化」論議が進む―地域医療構想ワーキング(1) 
2018年5月16日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 高齢化の進展に伴って医療・介護ニーズが増加する側面がある一方で、我が国は人口減少社会に突入しており、地域によっては「患者数そのものが減少」しているところもある。また医師不足・地域偏在について、一定の対策は講じられているものの、解決にはまだ時間がかかる。そうした中で、病院の安定運営を含めた適切な医療提供体制を確保するためには、「病院の再編・統合」も検討していく必要がある―。

5月16日に開催された地域医療構想ワーキンググループ(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)で、こういった視点に立った議論が行われました。
 
ここがポイント!
1 公立・公的病院の地域医療構想での位置づけ、17県で議論に着手済
2 医師不足などの課題に対応するために、病院の合併を選択する事例も
3 秋田・福島・京都・大阪・沖縄では、公立・公的病院論議が始まらず

公立・公的病院の地域医療構想での位置づけ、17県で議論に着手済

 2025年における医療ニーズに適切に対応するために、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能ごとの必要病床数などを定めた地域医療構想の実現に向けて、各構想区域(主に2次医療圏)で地域医療構想調整会議が開かれ、病院・病床の機能分化・連携の推進に向けた議論が進められています。

 議論は、(1)まず公立病院や公的医療機関等2025プランの策定対象となっている公的医療機関などの協議を、2017年度中に開始し、具体的な対応方針を速やかに決定する(2)事業計画を大幅に変更するような事情(例えば、開設者の変更など)民間医療機関についての協議を速やかに始める(3)その他の病院についての協議を今年度(2018年度)中に始める―という、大きく3ステップ(もちろん重複した議論となる)で進められ、あわせて「非稼動病棟を有する医療機関」「新設や増床の許可申請」への対応も行います(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

(1)の公立病院・公的医療機関などの協議は、多くの自治体で順調に進められていることが分かりました。管内の全公立・公的医療機関に関する議論が始まっているのは、▼山形▼群馬▼神奈川▼石川▼福井▼山梨▼長野▼岐阜▼滋賀▼兵庫▼和歌山▼広島▼徳島▼香川▼愛媛▼宮崎▼鹿児島―の17県にのぼり、他の多くの自治体でも相当程度、議論に着手できている状況が伺えます。

 さらに、福井県では全公立・公的医療機関について、各医療機関が策定した改革プランをベースに、地域医療構想会議の中で「具体的対応方針」(例えば、病床の機能転換やベッド数の見直しなど)が取りまとめられています。全国ベースでは823の公立病院のうち38病院について、834の公的病院等のうち70病院について、具体的対応方針が固められています。

 ところで、「地域医療構想の実現」について、一部には「過剰な急性期病床を削減し、不足する回復期に機能転換する」という単純な構図と捉える向きもありますが、地域によって疾病構造・人口動態・地理的状況・医療資源は区々であり、一律の議論はできません。

 「医療資源が豊富、かつ急性期病床が過剰」な地域では、前者のように「急性期から回復期への転換」が中心課題になると思われますが、「医療資源が不足しており、地域の医療ニーズに応えるために、急性期を含めて医療提供体制の強化を行わなければならない」地域や、「同じ機能を持つ病院が複数あるが、人口の減少などが進み、資源の集約化が必要となる」地域などでは、分散した資源(医師、看護師などのマンパワーも当然含む)を集約するために、「病院の再編・統合」が重要な選択肢の1つとなります。

 5月16日のワーキングでは、茨城県と徳島県から、「病院の再編・合併」事例に関する報告が行われました。

医師不足などの課題に対応するために、病院の合併を選択する事例も

 茨城県の筑西・下妻医療圏では、公立の2病院が急性期医療を担っていましたが、医師不足によって診療機能の縮小をせざるを得ず、これがために半数程度の患者が近隣医療圏・近隣県の医療機関受診を余儀なくされていました。こうした状況を改善するため、2つの公立病院と1つの民間病院が再編統合し、2つの公立病院(1病院は地方独立行政法人化、1病院は再編に参加した民間病院が指定管理者となる、ベッド数はトータルで173床減)に生まれ変わります(今年(2018年)10月開院予定)【公立の県西総合病院、公立の筑西市民病院、民間の山王病院→公立の茨城県西部メディカルセンター、公立のさくらがわ地域医療センター】。

 また同じ茨城県の鹿行医療圏では、深刻な医師不足による公的2病院(済生会と労災)が2次救急医療を十分に担えず、同医療圏にある神栖市では7割の患者が市外の医療機関を利用せざるを得ない状況でした。これを改善するために、両公的病院を再編統合し、1つの本部病院(350床)と1つの分院(10床)に再編し、本部病院に資源・機能を集約することが決まっています(ベッド数はトータルで18床減、2019年4月に分院を開院し、早期日本院を増築する予定)【神栖済生会病院、神栖労災病院→神栖済生会病院の本院と分院】。

 設立母体の異なる後者の合併事例について茨城県は、「マンパワー確保のために、一定期間、済生会の高水準の給与保障が必要となった。こうした点への支援(補助金や地域医療介護総合確保基金の活用など)があるとよいのではないか」と付言しています。

 また後者の合併に向けた協議に実際に参画した岡留健一郎構成員(日本病院会副会長)は、「地域医療構想のはるか前に、『医療資源が乏しく、かつ散在している地域で、どう医療提供体制を確保していくか』という問題意識から、自然発生的に再編・統合の議論が始まった。地域の特性を十分に踏まえた議論が必要である」と述べ、全国一律の地域医療構想実現論を牽制しています。

 一方、徳島県の南部医療圏にある阿南市には、老朽化・医師の高齢化に悩む阿南共栄病院(JA徳島厚生連)と、深刻な医師不足・高齢化という問題を抱える阿南医師会中央病院(阿南市医師会立)とで、「地域の基幹病院」設立に向けた協議が進められてきました。協議には難しさも伴いましたが、阿南市が参加し、「阿南市医師会が、医師会中央病院の資産・経営権をJA徳島厚生連に無償譲渡する」ことが決まり、JA徳島厚生連「阿南医療センター」に生まれかわります(ベッド数はトータルで174床減)。阿南医療センターでは、従前に両病院が有していた▼地域医療支援病院▼救急告示病院▼災害拠点病院▼臨床研修指定病院―などの機能を引き継ぐとともに、「救急患者受け入れ体制の充実」「緩和ケア病棟の設置」「リハビリの充実、訪問診療の充実」などの機能強化も行います。

 どのように「医師会からJA徳島厚生連への資産・経営権の『無償』譲渡」が実現したのか、その背景が注目されそうです。

 なお、厚生労働省が341構想区域について調べたところ、少なくとも24区域で、病院の再編・統合論議が進んでいることが分かりました。例えば、▼青森県:国立弘前病院と弘前市立市民病院の合併▼宮城県:栗原市立栗原中央病院と宮城県立循環器・呼吸器病センターの合併▼愛知県:岡崎市民病院と愛知県がんセンター愛知病院の合併▼鹿児島県:鹿児島医療センターと鹿児島逓信病院―などです。

 病院の合併を含む再編・統合には、上述のような「給与」のほかにも、「県立病院が合併後に市立病院となる場合の身分をどう考えるか」、「役職はどうなるのか(例えば新看護部長はA病院とB病院のいずれの看護部長が就くのか)」、「地域住民の賛同は得られるのか」など、考慮しなければならないテーマ・課題が多数あり、これらに十分に配慮せずに議論を進めた結果、十分な効果が得られないケースも少なくありません。メディ・ウォッチでは、病院合併が成功した好事例の代表ケースである「日本海総合病院」の栗谷義樹院長(当時、現在は山形県・酒田市病院機構理事長)に、合併を検討・実行する際のポイントを伺っています。是非、ご覧ください(当該記事はこちら)。

秋田・福島・京都・大阪・沖縄では、公立・公的病院論議が始まらず

 前述のように、地域医療構想調整会議では、公立・公的医療機関に関する議論が行われていますが、▼秋田県▼福島県▼京都府▼大阪府▼沖縄県―では「手つかず」となっています(宮城県は精査中)。

未着手の理由は、「公的医療機関等改革プラン策定が年度末となり、調整会議の論議に間に合わなかった」(秋田県)、「民間病院が多く、公民あわせて議論をしていく必要があった」(大阪府)などさまざまですが、各府県とも今年度(2018年度)中に議論を開始するととしており、早急なスケジュール調整などの準備が求められます。



http://blogos.com/article/297333/
医師の“働き方改革”で複数主治医制 患者にメリットも 
NEWSポストセブン2018年05月16日 07:00

【主治医がコロコロ変わる事態にどう対処?】

 政府は今国会で「働き方改革関連法案」の成立を目指しているが、なかでも注目を集めるのが「医師の働き方改革」である。医師の時間外労働は原則、月45時間に制限される予定だ。現行では労使協定(三六協定)を結べば、時間外労働は無制限だったが、これも月平均60時間(単月で100時間未満)までに制限されることになる。

 医師の残業を減らすための方策として挙げられているのが「複数主治医制」だ。複数の医師でチーム医療体制を敷いて患者を診る方式で、シフトの時間を短くするなどして休みを取りやすくする。これを導入した病院では“主治医がコロコロ替わる”状態になる。

 労働時間を減らす分、医師の数を増やせばこうした問題は起きないが、都心部は別にして、地方では医師不足が慢性化している実態がある。医師の数を増やさずに、長時間労働を是正しようとすれば、診る患者の数を減らすしかないのが現実である。

 患者を減らすため、救急患者の受け入れを選別するだけでなく、土日や夜間の外来診療を減らす病院は多い。一部の医療行為を看護師に任せたり、医師の事務作業を補助スタッフが代行することも今後はあり得ると考えられる。

 こうした事態に患者としてはどう対処すべきか。医療ジャーナリストの油井香代子氏はこう話す。

「一人の主治医にこだわらなければ逆に予約は取りやすくなり、受診を断念することがなくなります。それには、病気と向き合う際に主治医任せにせず、どんな医師に対してもきちんと自身の症状や希望する治療方針などを伝えられるようにすることです」

 そこには患者側のメリットもありそうだ。

「複数主治医制では、図らずも患者が別の主治医からセカンドオピニオンを自動的に得ることになります。複数の医師がカルテなどを共有して今後の診察・治療方針を相互検証することによって、診断や治療ミスを防げるという利点があります。2人目、3人目の主治医が初めの医師と違う治療法などを提案してきた場合は、きちんと初めの主治医にフィードバックすることも必要です」(同前)

 ただし、主治医間で連携が取れていなければ意味がない。診察の際に同じことを繰り返し聞かれていないか注意するなど、患者の情報が共有されているか冷静に見極めたい。患者側も意識を変える必要があるということだ。

 もはや「行きつけの病院」や「あうんの呼吸で伝わる主治医」を持てると期待するのは難しくなる。

※週刊ポスト2018年5月25日号



http://www.news-postseven.com/archives/20180514_673426.html
医師の働き方改革 導入で主治医がコロコロ変わる状態に 
2018.05.14 07:00 週刊ポスト2018年5月25日号

間もなく医師の働き方改革が始まる

 政府は今国会で「働き方改革関連法案」の成立を目指しているが、なかでも注目を集めるのが「医師の働き方改革」である。激務で知られる医師の労働時間削減はかねて課題とされてきたが、これまでは医師不足に悩む病院の事情もあってなかなか実現しなかった。医学界が時代の流れを受けて医師の労働時間削減に踏み切ったのは、一大転換だといえる。

「働き方改革関連法案」は、早ければ2019年度にも施行されるとみられており(医師の場合は2024年まで、5年間の猶予期間がある)、医師の時間外労働は原則、月45時間に制限される予定だ。現行では労使協定(三六協定)を結べば、時間外労働は無制限だったが、これも月平均60時間(単月で100時間未満)までに制限されることになる。

 残業100時間というのはかなりの“過重労働”だが、現実の医師の勤務実態は限りなく“ブラック”だと医療ジャーナリストの油井香代子氏は指摘する。

「厚労省の資料(2017年8月)によると、1週間の労働時間が60時間を超える雇用者全体平均が14%なのに対し、医師は41.8%と職種別で最も高い割合になっています。月換算すると、残業が80時間を超えている医師が4割以上という計算になります」

 この状況を是正するために「医師の働き方改革」が進められているわけだが、この改革は患者側にも大きな影響を及ぼすことになる。

 医師の残業を減らすための方策として挙げられているのが「複数主治医制」だ。複数の医師でチーム医療体制を敷いて患者を診る方式で、シフトの時間を短くするなどして休みを取りやすくする。これを導入した病院では“主治医がコロコロ替わる”状態になる。東北地方の公立病院に勤務する現役医師は、複数主治医制についてこう語る。

「治療効果には、医療的な技術だけでなく、医師との相性や医師への信頼感といったものも影響を与えるので、担当医師の数が多くなるほど難しい面が出てくる。医師は患者の不安感に対するケアを増やす必要があり、結局、労力が増える。あるいは適切な治療効果が出にくいということになりかねない」

 複数の主治医のなかに、自分に合う医師がいたとしても、その医師が週3日しか勤務していなければ、それに合わせるしかない。

※週刊ポスト2018年5月25日号



https://www.hokkaido-np.co.jp/article/189142
「地域枠医師」北大生応募ゼロ 勤務に不安? 道、締め切り延長 
05/14 05:00 北海道新聞

 地域医療を担う医師を養成する「地域枠医師制度」で、道が新たに北大医学部に配分した奨学生5人分に対する応募が、3月末の締め切り時点でゼロだった。道は、地方勤務に不安を抱く北大の学生が多いとみて、制度の周知を図りながら、6月上旬まで締め切りを延ばして募集を続ける。

 制度は、医学生に授業料や生活費として6年間で約1200万円を貸与。卒業後は9年間の道内勤務と、このうち5年間を知事が指定する医師不足地域の医療機関で勤務すれば、返還が免除される。2008年度に札幌医大、09年度に旭川医大で始まった。

 昨年度までの1学年の定員は札医大15人、旭医大17人の計32人。しかし、旭医大は「将来の医師供給が過剰になる」として、本年度から定員を12人に削減。道は、減った5人分を急きょ北大に引き受けてもらい、今春の医学部新入生102人を対象に募集をかけたものの、応募はなかった。

 一方、旭医大は12人の定員に21人の応募があり、面談による選考も終了した。現状では、旭医大に希望者がいるにもかかわらず、北大の枠は空いたまま。それでも道は「旭医大側が定員削減を決めた以上、北大の5人分を再び戻すことはできない」と話す。

 札医大は、入学者から募る北大、旭医大と異なり、入試の段階で地域枠の希望者を募っており、定員は充足している。

 北大で応募がなかった理由について、道は学内で先例がなく、相談できる相手が少ないためではと分析。札医大、旭医大と比べ、研究者志向の学生が多い北大ならではの要因もあるとみられる。

残り:229文字/全文:872文字



https://mainichi.jp/articles/20180512/ddl/k07/010/182000c
南相馬市
開業医募集 小児など4科対象 最大5000万円補助 /福島
 
毎日新聞2018年5月12日 地方版

 南相馬市は、市内で不足している小児科、産科、耳鼻咽喉(いんこう)科、泌尿器科の診療所を開業する医師を募集する。募集期間は6月15日~8月31日で、開業資金を最大5000万円補助する。

 相双地区は震災以前から、人口当たりの医師数が全国平均を大きく下回る医療過疎地。医師不足や一部の診療科の不足が住民帰還を阻害する要因となっている。市内の開業医は現在、小児科はゼロ、産科、耳鼻咽喉科、泌尿器科もそれぞれ1軒だけだ。

 市は2016年度、小児科などの診療科が開業する場合、工事費や備品購入費の半額を補助する事業を始め、16年度は整形外科1軒が開業した。17年度は子育て世代の帰還に直結する産科と小児科だけを募集したが、応募はなかった。このため今年度は4科に対象を拡大した。

 相馬郡医師会への加入や、10年以上の事業継続などが条件となる。問い合わせは市健康づくり課(0244・24・5336)。【高橋隆輔】



https://digital.asahi.com/articles/CMTW1805161100001.html?rm=150
順天堂要望 県の想定超える
2018年5月16日10時18分

◇着工遅れる付属病院

 埼玉高速鉄道の浦和美園駅から歩くこと約10分。柵に囲まれた広い草むらに「順天堂大学附属病院等整備予定地」の看板が立つ。

 医師不足の解消をめざす県が3年前に誘致を決め、ベッド数は800と県内最大級。大学院や看護学部も併設し、3月に着工、2020年度に開業するはずだった。ところが土地の取得に手間取り、予定より建物が大きくなり環境アセスメントをする必要も出てスケジュールが狂った。いつ、どんな病院ができるのか、いまだに具体像は見えてこない。

 人口減少や医療費の伸びを抑える国の方針などで病院の経営が厳しさを増すなか、病院誘致は、用地の無償貸与や建設費の補助など破格の条件を示すことでようやく実現した。ただ、順天堂側からの要望は県の想定を超えていた。

 「緑に囲まれた癒やしの空間にしたい」。順天堂側は新病院のイメージをこう説明し、予定地の目の前に車の販売店があることに難色を示したこともあったという。周辺は区画整理が行われ再開発が進むエリアで、街路樹などもあまり整備されていない。「どこか殺風景な街並みを、洗練された『文教都市』にしたいようだ」(県幹部)。

 近くの埼玉スタジアムでサッカーの試合がある日は周辺道路が渋滞する。「車を運転してやってくる急患が間に合わないのでは」と改善を望んでいるほか、スタジアムの周りに新駅をつくることや、病院の入り口の前にバスが着くようにすることも要望しているという。

 学校法人順天堂の担当者は「私利私欲でわがまま言っているわけじゃない。せっかく作るのだから患者さんにとって使い勝手のいい病院にしたいだけです」。

 上田清司知事は開業時期を「23年がひとつのめど。1年早いか1年遅れるか」と説明する。

【順天堂側の主な要望】
・快適で清潔な街づくり
・病院用地の無償貸与
・建物の建設費、機器・備品の整備に必要な費用の半額補助
・救急など政策医療についての経常費助成
・病院開設までに、埼玉スタジアムの周辺に新駅をつくる
・建設予定地の中にある道路を廃道にする
・敷地の間を流れる川の上に上空通路を設置



http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180517/KT180516ATI090017000.php
大町総合病院、284床から199床へ 大町市が削減方針 
(5月17日)信濃毎日新聞

 大町市は16日の定例会見で、運営する市立大町総合病院の病床を284床から199床に削減する方針を明らかにした。市によると、昨年度は多い時でも195床程度しか使われていないなど、空いた病床が目立っていた。病棟は維持し、病室ごとの病床数を減らすという。関連条例改正案を23日に開会する市議会6月定例会に提出する。

 同病院によると、昨年は平均で173床程度が稼働。医師不足で診療科が減ったことや人口減少などを背景に、入院患者数は1994年をピークに徐々に減少している。

 国の診療報酬制度は、200床以上で緊急時の体制を整えるなどの条件を満たす病院を「在宅療養後方支援病院」に位置付けており、同病院も該当。200床未満は外来が中心で在宅医療の担い手となる「在宅療養支援病院」としており、病床の削減で同病院は在宅療養支援病院に切り替わる見通し。

 同病院の勝野健一事務長は「これまで通り、急性期から慢性期までの患者の入院を受け入れ、在宅医療にも力を入れる点は変わらない」と説明。在宅療養支援病院になることで診療報酬が加算されるなどの利点があるとしている。

 県は在宅医療の推進などを目的に、25年度に各地域で必要と見込まれる病床数をまとめた県地域医療構想を昨年3月に作成。大北地域は、15年度の許可病床数より127床少ない403床が必要数と推計している。勝野事務長は「構想も念頭に、県と協議を進めてきた」としている。



http://www.medwatch.jp/?p=20577
学識者を「地域医療構想アドバイザー」に据え、地域医療構想論議を活発化―地域医療構想ワーキング(2) 
2018年5月16日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域医療構想調整会議の議論は着実に進んできているが、必ずしも十分とは言えない。調整会議の議論を活性化させるために、都道府県単位の地域医療構想調整会議の設置を推奨するほか、公衆衛生学等の研究者に「地域医療構想アドバイザー」に就任してもらってはどうか―。

 5月16日に開催された地域医療構想ワーキンググループ(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)では、こういった方向が概ね了承されています。あわせて、2018年度の病床機能報告制度に関する見直し論議も進められています(関連記事はこちら)。
 
ここがポイント!
1 地元大学の公衆衛生研究者などを、地域医療構想アドバイザーに推薦
2 病床機能報告の「定量基準」導入に向けて議論続く

地元大学の公衆衛生研究者などを、地域医療構想アドバイザーに推薦

 地域医療構想の実現に向けて、地域医療構想調整会議が各区域で、2017年度には平均3.1回(1-14回)開催され、17の県では全公立病院・公的医療機関等の改革プランが地域医療構想と整合しているかなどの議論が始まるなど、議論が活発化しています。

 一方で、厚生労働省は「調整会議は年4回開催してほしい」と要請しているものの、「実態は平均で0.9回少ない」こと、▼秋田県▼福島県▼京都府▼大阪府▼沖縄県―では公立・公的医療機関に関する論議が「手つかず」なこと、などを踏まえると、まだまだ調整会議の議論が十分に進んでいるとは言い難いのも事実です。

 この点、調整会議で活発な議論が進んでいる佐賀県や奈良県の取り組みを踏まえ、厚労省は次の3つの活性化策を提案しました。

(1)「都道府県単位の地域医療構想調整会議を設置する」ことを推奨する
(2)国が都道府県主催の研修会を支援する
(3)地元に密着した「地域医療構想アドバイザー」を育成する

 地域医療構想調整会議は、主に2次医療圏をベースとする「地域医療構想区域」毎に設置されます。会議の議長は、地域医師会(群市医師会)が担っているケースが多く(71%)、また事務局は「都道府県の保健所」が担っているケースが多く(74%)なっています。このため、各調整会議では「他の調整会議ではどのように議論が行われているのか」「県の方針はどうなっているのか」という疑問を持つことも多いようです。この点、佐賀県では「各調整会議の議長」が集い、併せて▼県医師会▼病院代表▼県(行政)▼特定機能病院・地域医療支援病院長—らが参加し、全県的事項を協議する「佐賀県の地域医療構想調整会議」を自主的に設置し、各調整会議の疑問を解消しているといいます。

 この好事例を全国展開するために、(1)の「都道府県の地域医療構想調整会議」設置が今般提案されたものです。義務ではなく、「推奨」にとどまりますが、佐賀県では基幹病院の代表者が、「都道府県の調整会議」構成員と「構想区域の調整会議」構成員とを兼務することで、議論が活発化・円滑化していると報告されており、積極的な設置が望まれます。

 また(2)は、都道府県自ら、あるいは都道府県と都道府県医師会が共催で、地域医療構想の進め方に関する研修会を開催し、「データの活用方法の提示」「好事例の共有」「グループワーク」などを行うことを求めるもので、講師派遣などを含めて厚労省が都道府県をサポートする考えを示しています。

 さらに(3)は、地元の大学医学部で公衆衛生学などを研究し、データ分析などの高いスキルを持ち、地域医療構想の実現に向けた助言を行える研究者を「地域医療構想アドバイザー」として選定・任命するものです(活動経費は、地域医療介護総合確保基金の対象となる)。都道府県からの推薦をもとに、厚労省が任命する形となる見込みです。この点、奈良県の地域医療構想調整会議に研究者の立場で参画している今村知明構成員(奈良県立医科大学教授)は「厚労省の調べによれば、調整会議に学識経験者として大学関係者が参画しているケースは、全体の8.8%・30構想区域にとどまっている。学識経験者は、さまざまな利害対立の中で『叩かれ役』になるが、1年も叩かれると利害関係者も落ち着いてくる」とコメント。中川俊男構成員(日本医師会副会長)は、「叩かれることも、アドバイザーの役目かもしれない」と期待を寄せています。

 ただし、昨年(2017年)6月のワーキングでは、大学医学部関係者の中にも「病床機能報告における高度急性期は、1日当たりの医療資源投入量が3000点以上である」と誤解しているケースがあることが判明するなど、地域医療構想や病床報告への理解の度合いはさまざまなようです。このため、中川構成員は「独特の考えを持たれている方がアドバイザーになると困ってしまう」と、また邉見公雄構成員(全国自治体病院協議会会長)は「地域によっては適任者がいないこともある」と指摘。この点について厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「アドバイザーを育成していく」視点も重視している旨を示しています。

 厚労省は、今後、都道府県向けの研修会(直近では6月1日開催予定)や通知などを通じて、上記(1)から(3)について周知を促す考えです。

 また、併せて公立・公的医療機関等の機能分化を推進するために、「各構想区域における取組内容の分析」や「再編・統合事例などの見える化」も進められます(関連記事はこちら)。

病床機能報告の「定量基準」導入に向けて議論続く

 地域医療構想は、調整会議において、各種データから地域の実情や将来をしっかりと把握したうえで、各医療機関が自院の役割を再考して「自主的に機能分化を進める」ことや、地域の医療機関同士が協議することで実現に向けて進んでいきます。

 このベースとなるのが、病床機能報告制度です。病床機能報告制度は、一般病床・療養病床を持つ全病院・有床診療所が、自院の構造・設備・人員に関するデータや、各病棟の機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)などを毎年、都道府県に届け出る(義務)ものです。

 この点、各病院では「自院のこの病棟は、果たしてどの機能として報告すべきだろうか」と頭を悩ませることが少なくないと指摘されます。病床機能報告制度では、各機能についての厳密な定量基準を設けていないためです(診療報酬上の入院料と機能との紐づけは相当程度行われている)。

 このため、一部には「定量基準を定めるべき」との指摘もありワーキングでも、議論が続けられています(関連記事はこちら)。

 5月16日のワーキングでは、厚労省から、高度急性期・急性期と報告しながら、▼幅広い手術▼がん・脳卒中・心筋梗塞などへの治療▼重症患者(ハイリスク妊娠管理加算・分娩管理加算、救急搬送診療料、経皮的心肺補助法、頭蓋内圧持続測定などの算定患者)への対応▼救急医療▼全身管理(中心静脈注射、観血的動脈圧測定、人工呼吸、経管栄養カテーテル交換など)—などのいずれも行っていない病棟について、地域医療構想調整会議で、その機能を確認することが改めて確認されました。2017年度報告では14%・3014病棟が、上記の「高度急性期・急性期」であれば、いずれかは実施している医療行為について、一つも実施していないことに驚かされます。

 また埼玉県からは、独自の「各機能を報告する際の目安」として、例えば次のような方針が採られていることが紹介されました。高度急性期であれば、「救命救急入院料やICUのほとんどがクリアする」ような、急性期であれば「旧7対1の多くが合致し、多くの有床診療所などではクリアできない」ような要件となっています。

▽一般病棟などが高度急性期と報告する際の目安(1か月・稼働病床1床当たり)
 ▼手術2.0回▼胸腔鏡・腹腔鏡下手術0.5回▼悪性腫瘍手術0.5回▼超急性期脳卒中加算の算定▼脳血管内手術の実施▼経皮的冠動脈形成術0.5回▼救急搬送診療料の算定▼救急医療(救命のための気管内挿管、カウンターショック、心膜穿刺、非開胸的心マッサージなどの合計)0.2回▼重症患者への対応(観血的肺動脈圧測定や3時間以上の頭蓋内圧持続測定、持続緩徐式血液濾過、人工心肺、人口尊像などの合計)0.2回▼全身管理への対応(1時間を超える観血的動脈圧測定、胸腔穿刺、ドレーン法、5時間以上の人工呼吸の合計)8.0回―のうち1つ以上を満たす

▽一般病棟などが急性期と報告する際の目安(1か月・稼働病床1床当たり)
 ▼手術2.0回▼胸腔鏡・腹腔鏡下手術0.1回▼放射線治療0.1回▼化学療法1.0回▼予定外の救急医療入院の人数10人▼一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(2016年度改定版)を満たす患者割合25%以上―のうち1つ以上を満たす

 これらは「目安」に過ぎませんが、中川構成員や織田正道構成員(全日本病院協会副会長)は、「『病棟をベースにした病床機能報告制度』と『患者数をベースにした地域医療構想』を比較し、急性期が過剰、回復期が不足という議論になり、両者の整合をはかるために、データをひねっている。各病院が自主的に機能を判断するという根本を崩してはいけない」と述べ、埼玉県のような定量基準導入には慎重な構えを崩していません。

 今後、さらに検討を深め、可能な範囲で2018年度の病床機能報告に「定量的基準を盛り込む」ことになりそうです。今夏(2018年8月頃)には、2018年度の病床機能報告マニュアルを公表しなければならないため、検討の時間はそう多くなく、どこまで調整が進むのか調整が待たれます。

 なお、2018年度の診療報酬改定を受け、病床機能報告の内容が一部修正されることになります。例えば、これまでの「一般病棟7対1・10対1」は「急性期一般入院料の1-7」に、「退院支援加算」は「入退院支援加算」に名称や内容が修正されており、病床機能報告でもこれらに沿った名称での報告を求める(レセプトデータから抽出するため、病院では「確認」と必要があれば「訂正」を行うことになり、個別に「自院は急性期一般入院料2を届け出ている」などと報告することはない)ことになります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/603108
シリーズ 地域医療構想
「地域医療構想アドバイザー」、都道府県単位で設置へ
厚労省・地域医療構想WG、調整会議の体制強化で3施策
 
レポート 2018年5月16日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、5月16日の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)に対し、地域医療構想調整会議を活性化させるため、地元に密着した「地域医療構想アドバイザー」育成のほか、都道府県単位の地域医療構想調整会議の設置、都道府県主催の研修会開催を支援――という3施策を提案、構成員の了承を得た。同省は、これらについての通知等を今後、都道府県に対して発出予定。

 「地域医療構想アドバイザー」は、都道府県が、選定要件を参考に、都道府県医師会と協議しながら選ぶ。選定要件は、(1)地域医療構想や医療計画などの制度を理解、(2)医療政策、病院経営に関する知見を有する、(3)各種統計、病床機能報告などに基づくアセスメントができる――など。要件を満たすのは、大学の公衆衛生学の教員などが想定される。厚労省内に「地域医療構想アドバイザー組織(仮称)」を設置し、アドバイザーへの助言などを行う。日本医師会副会長の中川俊男氏は、選定要件について、「地域医療構想の推進に向けて、独特の考えを持った人ではなく、正しい理解を持った人を選任することが必要」と釘を刺した。

 調整会議は構想区域単位での設置が求められるが、中には都道府県単位でも設置しているケースがある。構想区域間の情報共有、構想区域を越えた調整が必要な高度急性期についての議論などを行うためだ。尾形座長は、都道府県単位の調整会議の役割や構成メンバーを明確化するよう求めた。

 3施策以外に、中川氏は調整会議の事務局を充実させる必要性を指摘。「都道府県の調整会議の事務局は、本庁ではなく都道府県医師会に置き、それを本庁が全面的に支援する形にしてもらいたい」と提案した。さらに調整会議は、年4回程度の定例開催のほか、大きく役割を変更する予定の病院がある場合には、その計画を議論するため「随時開催」の追加も可能。「『定例開催まで待っていられない』との声も聞く」と中川氏は述べ、随時開催が可能な旨を関係者に浸透させるよう、厚労省に求めた。

 病床機能報告の「客観的な基準」、埼玉県の事例紹介
 16日のワーキンググループでは、2018年度の病床機能報告制度についても議論した。報告事項について2018年度診療報酬改定を踏まえて変更するほか、高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つの医療機能を報告する際の定量的な基準の例として、埼玉県の取り組みが紹介された。

 健康保険組合連合会理事の本多伸行氏は、「やはり一定の目安がないと、(どの医療機能に当たるかどうか)判断しにくい」と述べ、埼玉県では合意が得られているかを質した。「合意が得られている定量的な指標については、今後も例示してもらいたい」(本多氏)。埼玉県担当者は、指標は都道府県単位の調整会議で議論し、合意を得て活用していると説明した。

 もっとも、病床機能報告に当たって、定量的な指標の設定には慎重な意見も多く、中川氏は「埼玉県の事例は、医療提供体制の現状分析ツールであり、この指標を踏まえて病床機能報告を行うわけではない、ということでいいか」と念を押した。

 厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、「いつもこの議論は回らず、悩む。いずれにせよ、地域医療構想を進めていく上で、4つの医療機能について、地域でどのような分担で進めていくかを議論していかなければいけない。そのために今あるデータを改良していきたい」と述べた。定量的な基準については、引き続き検討課題に挙がる見通し。

 埼玉県が用いている客観的な基準は、診療報酬の算定回数などと4つの医療機能を関連付けて作成したもの。例えば、高度急性期と急性期の区分は、10項目を基に設定する。

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(2018年5月16日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)



http://diamond.jp/articles/-/170251
今春スタートした研修医の新制度は「地域医療崩壊」の序曲だ
島田眞路・山梨大学学長に聞く
 
週刊ダイヤモンド 2018.5.17

『週刊ダイヤモンド』5月19日号の第1特集は「20年後も医学部・医者で食えるのか? 医歯薬看の新序列」。国家試験に合格した医学部卒業生が初期臨床研修(2年)を経て進む後期研修が形を変え、「新専門医制度」として今春始まった。新制度で資格を取得できる施設は大学病院が中心。専門医の質の向上と共に、医師の地域偏在が是正されると一部で期待されたが、都市集中は変わらず。地方から憤りの声が上がる。怒れる一人、日本皮膚科学会理事長で山梨大学学長の島田眞路さんに話を聞いた。(『週刊ダイヤモンド』編集部 土本匡孝)

新専門医研修で約500人が東京都に流入
地方は相当怒っている


――新専門医制度(下表参照)が今春始まりました。
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若手医師のキャリアと新専門医制度の図

 東京都で今春までに初期臨床研修を受けた人数が1350人だったのに対し、今春に新専門医研修で採用された人数は1825人。つまり、約500人も東京都に流入しました(次ページ表参照)。

 第1回の結果をみて、地方は相当怒っていると思いますよ。喜んでいるのは東京や被害を受けなかった府県だけ。地方で本当に地域医療を心配している人は、怒っています。

危惧したことが現実に
山梨県で新制度の外科の研修医たった1人


――山梨県はどうでしたか?

 山梨県は当然出ていく人の方が多いです。いわゆる旧帝、旧六、新八と呼ばれる国立大学(病院)が研修先としてある都府県ぐらいがまあ増えました。

 国立大学には全部格があるんですよ。その格に応じて文部科学省の役人も配置されている。下克上なんてないんですよ。普通の競争を阻害している要因があるんです、既に。それが国立大学が発展しない本当の理由。東京大、京都大、大阪大……と。何段階もあって、うちなんか底のほう。

――新専門医制度の課題は何だと思いますか。

 結局、各学会がプログラム(≒各都道府県の定員)をたくさん作りすぎました。要するにその地域に必要なぶんだけじゃなくて、過剰にあるのです。

 プログラムを作っても応募がゼロだったら意味がありません。地方のプログラムには必ず何人は入れるとか、強制性を持たせれば行きわたるのに。

 危惧したことが現実になりました。山梨県で新制度の研修医になった外科はたった1人。これが続いたら医療崩壊です。今までだってこれに近いことが起きていて、ロートル(年寄り)の医師が頑張っていた。大学が好きで残っているからまだ医療が成り立っていました。

――なぜ研修医は東京に行きたいのでしょうか?

 そりゃ魅力ある街だからでしょう。医師の卵の望み通りにやるとこういうことがずっと続いてきたわけで、何とかしなきゃいけない。でもその意識が少ない。日本専門医機構(以下、機構)の柱は「プロフェッショナル・オートノミー(職業的自律性)」。要するに、「医師が自分たちだけで運営して決めたい」ということ。それを変えたくないのだったら、どうやって自己犠牲してやるんだという案を出さないといけません。

医療は公益的な事業
職業選択の自由、医師に認められるのか


――機構は今回、都市部である5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の14基本領域については、「過去5年間の平均採用実績を超えない」との条件(シーリング)を課していました。その結果、すべて枠内に収まったと発表しています。

 地方に医師を回すためには、過去の平均採用実績以下に上限を定めるべきです。でもそうすると反対理由として、憲法22条の職業選択の自由が必ず出てくる。医師に本当にそれが認められるのでしょうか。医療は公益的な事業。本当に個人の自由をそこまで認めていいのでしょうか。公益が優先するのではないでしょうか。

――今年3月末にあった機構の社員総会でも、島田さんはシーリングの提案をされた?

 例えばとして、「過去の平均採用実績×0.8」と提案しました。

 社員総会で機構は「東京都への集中は防げた」みたいなことを言いましたから、「集中は防げていないよ」と言い返しました。今までも東京都に集中はありました。そして東京都は医者であふれている。一方私たちのような地方は本当に大学病院の運営が厳しい。新専門医制度が始まると、少しは地方に医師が回るようになるんじゃないかとの期待感はゼロではありませんでした。

――でも、社員総会では反対意見が上がったと。

「東京都が減れば、東京都の大学医局から地方に派遣する医師が減る」と。でもそれって詭弁ですよね。東京都の大学病院には関連病院というのがあって、そこに行かせるという話なんだから。山梨県まで来ないんですよ。地方の隅々までは行かないんですよ。派遣って2、3ヵ月とかで、しかも派遣される医師はぐちぐち不満を言いながら。そういうのがいいのか、本当にその県の医療事情が分かっている国立大学病院に最初から研修医を入れるのがいいのか。山梨県も、山梨大学附属病院に入れてくれれば地域の医療事情を分かっているからちゃんと回せる。

 東京都は集まりすぎるから適当に関連病院に回して、その結果研修医が辞めちゃう。東京都の指導医は若手医師を本気でケアしないからです。ぐるぐる回されたら、良い研修もできるわけないです。それよりも地方のことは地方に任せたらっていうのが私の考えです。「なんでもかんでも俺に任せろ」と中央集権的なことを言って、「関連病院をかわいがりますよ」と。無責任なことを言っているんですよ。

2004年に始まった初期臨床研修制度
地域医療の崩壊の引き金


――そもそも、島田さんは2004年に始まった初期臨床研修制度(新研修医制度、医師臨床マッチング制度)を問題視している。

 国は壮大な制度を作ったつもりでしょうが、結局都会に医師を集める制度だったんですよ。なぜ作られたかというと、それまでの研修制度では、研修してもあまりにもレベルが低い。その結果、当直の研修医が担当した患者が亡くなったりすると、これはなんだと。だから最低2年は基本の科を回って研修しましょうよと。それはいいですが、皆さん出身大学に残らないでどこいっても自由ですよとなった。一大事。地域医療の崩壊の引き金になりました。

 医学部にいくような人はやはり都会から来ています。受験戦争に勝ち抜く人しか通らないからです。それで初期臨床研修制度が始まって何が起こったかと言うと、皆故郷、すなわち都会に帰るんですね。

推薦制度で地域枠
35人確保しないと地域医療が崩壊


――山梨大学で言いますと。

 初期臨床研修制度が始まる前は、結構な数が残ってくれました。100人いたら50人とか60人とか。

 制度が始まっても、私たちは優秀な大学になりたかったものだから、山梨県の学生をというより優秀な学生をとるポリシーを続けました。まあ残ってくれるだろうという思いもありました。だから結果的に山梨県からは5人ぐらいしかとっていなかった。制度が始まると、その人たちが残っても他の人は皆帰るみたいなことが起こりはじめました。これは危機です。

 なので、私たちは推薦制度で山梨県の学生をできる限りとる地域枠を作りました。過去には山梨県で将来働くと約束してくる県外学生の推薦枠もありましたが、結局残ってくれないのでやめました。今は1学年125人のうち35人が地域枠、90人が一般入試です。35人確保しないと地域医療が崩壊する。いろいろ議論しましたが、医療崩壊を防ぐにはこれしかないと。

 90人の一般入試枠は研究者になったり海外に出て行ったり。日本のためになる医師を育てたい。その中から少しは山梨県に残ってほしいと思いますが、なかなか現れてくれません。もうトレンドだから。「残るとダサい」みたいな感じのようです。

島田眞路(しまだ・しんじ)
1977年東京大学医学部卒業。山梨医科大学(現山梨大学医学部)皮膚科学教室助教授、東京大学医学部附属病院分院皮膚科科長・助教授、山梨大学医学部附属病院病院長などを経て、2015年から山梨大学学長。現在、日本皮膚科学会理事長なども兼務。



https://www.m3.com/news/iryoishin/597515
シリーズ いよいよ開始!新専門医制度の一期生調査
「マイナー科志向、大学病院志向が強まる」、7割超◆Vol.8
「専門医の質向上、分かりやすくなる」の期待薄

医師調査 2018年5月13日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 新専門医制度については、さまざまな効果や影響が指摘されているが、代表的な8項目を挙げて、5段階で評価してもらった結果、「当てはまる」と「やや当てはまる」の合計が最も多かったのは、「マイナー科志向が強まる」(73.9%)だった。以下、「大学病院志向が強まる」(72.1%)、「都市部志向が強まる」(67.0%)の3項目で、5割を超えた。

 そもそも新専門医制度の第一義的な目的は、「専門研修、専門医の質」の向上。しかし、「あまり当てはまらない」と「当てはまらない」は計42.8%で、「当てはまる」と「やや当てはまる」の計17.8%を大きく上回った。「国民にとって専門医制度が分かりやすくなる」「地域の医療の質向上につながる」も「当てはまらない」の回答が大勢を占めた。

Q1.新専門医制度の影響は?(n=276)
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【調査概要】
・調査対象:m3.com医師会員:296人
・回答者プロフィール
 性別:男性217人、女性79人
 年代:卒後2年目
 2018年4月からの新専門医制度に基づく研修:開始276人、開始せず20人
  (開始276人の勤務先:大学病院本院82人、大学病院分院12人、市中病院177人、その他5人)
・調査時期:2018年2月16日~3月11日



https://www.m3.com/news/general/603488
老年病内科を総合診療科に改組、医科歯科大 
大学 2018年5月18日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 東京医科歯科大学の吉澤靖之学長は5月17日の記者懇談会で、「大学運営の新しい取り組みについて」と題して、今年度の方針を説明。7月にも老年病内科を改組して、新たに「総合診療科」を立ち上げることを報告した。

 教授には7月1日付で三重大学医学部臨床医学系講座 家庭医療学・地域医療学の竹村洋典氏が着任する。新たに開始する総合診療専門医の研修プログラムでは、東京都内だけでなく、三重県や長野県の医療機関でも研修ができるようになる。老年病内科についても、総合診療科の一部分として継続する。

 大学病院には新たに「国際医療部」を設置。「受け入れ体制を整備することにより、診療の負担を軽減するとともに、外国人患者に安全安心な医療提供を整備する」と説明。メディカルツーリズムにも力を入れていく考えを示した。

 総合研究機構長先端医歯工学創成研究部門長の渡辺守氏(理事・副学長)は5月14日に開催された「創生医学コンソーシアム」キックオフシンポジウムを報告。「創生医学」は「真に有効な治療法となる『臓器創出』を視野に入れた新しい医学研究領域への展開」と説明。従来の再生医療の対象とされてきた臓器(心臓・神経等)と異なり、「本来再生能力が高い臓器(腸・肝臓・毛包)における重篤な組織・機能の再生不全に起因する難治性疾患の治療を目指す」としている。

 若手研究者育成にも力を入れ、「次世代若手研究者育成ユニット」(仮称)を新設する。



https://www.m3.com/news/general/603531
静岡大、浜松医科大再編へ 1法人2大学体制を検討 
2018年5月18日 (金) 静岡新聞

 静岡大(静岡市駿河区)と浜松医科大(浜松市東区)が両大学法人の統合を視野に大学再編の検討を始めていることが17日、関係者への取材で分かった。数年内に浜松医科大と静岡大浜松キャンパス(同市中区)の統合を核に新たな2大学に再編し、一体化した大学法人の下で2大学の連携を図る。両大学は今後、協議会を設置し、具体的な検討に入るとみられる。県内国立大の再編が進展することで、他大学へも影響を及ぼす可能性もある。

 関係者によると、現在検討されている構想では、国が検討中の国立大学法人法の改正などを受けて、両大学の国立大学法人を統合。浜松医科大と工学部、情報学部などがある静岡大浜松キャンパスで構成する浜松市の大学、人文社会学部、教育学部、理学部、農学部などがある静岡大静岡キャンパスを中心にした静岡市の大学の2大学に再編する。現在の2法人2大学体制から、1法人2大学体制への移行を目指す。

 地域的、機能的にも一体性のある2大学への再編により、経営資源を効率的に運用し、各大学の独自性を生かした機能強化につなげる考え。

 両大学はセンサーやレーザーなどの光技術を医療に生かす人材の育成を目指し、2018年度、共同大学院「光医工学共同専攻」を開設するなど、連携強化を進めていた。浜松の大学では、光医療や医工連携などの強みを生かす狙いもある。

 <メモ>少子化による地方大学などの経営難を見据え、文部科学省は大学間の連携・統合を促す制度変更や法改正の検討を進めている。現行の1法人1大学方式から、1法人で複数の大学運営が可能になる「アンブレラ方式」や、国公私大のグループ運営を可能にする新運営法人の導入などが議論されている。国の動向を捉えて大学再編の議論が全国で始まっていて、近隣では、国立の名古屋大と岐阜大が法人統合の検討を始めている。



http://mainichi.jp/articles/20180519/ddl/k44/040/298000c
当番医
「強制は違法」 40代医師、会の決議無効求める 地裁で第1回口頭弁論 津久見 /大分
 
毎日新聞2018年5月19日 地方版大分県

 夜間や休日に救急患者を受け入れる「当番医」を強制するのは違法だとして津久見市医師会所属の40代男性医師が、会の総会決議無効確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、大分地裁(鈴木和典裁判長)であった。【田畠広景】

 原告は、医師会の取り決めを「負担は極めて大きく、医師の診療行為の自由を侵害し違法で無効だ」と主張。医師会側は「無効になれば当番医制が実施できず津久見市の救急医療体制が崩壊する」と請求却下を求めた。

 また原告は「当番医を担当しなかったことで戒告にされており、さらに処分される可能性がある」などと訴えているが、当番医制度の必要性は認めており、7月には当番医に復帰する意思があるという。

 医師会側は「戒告などの懸念は懸念に過ぎない。また戒告に伴う不利益に関する規定もない」として取り決めの無効を確認する利益がないと主張。「月3、4回の当番医の負担が極めて大きいとはいえない」とした上で「原告は当番医を拒否しながら、佐伯市の救急医療を担当している」と指摘した。

 原告の医師は「当番医制度は必要だが、強制は行き過ぎだ。地域の皆様が安心して医療を受けられる体制にするには現状を追認せず、真剣に考えなくてはいけない」とのコメントを出した。

医師会「地域医療崩壊も」
 津久見市医師会には、市内の15医療機関の医師28人が在籍している。当番医は平日・土曜の午後5時~10時、日祝日の午前8時半~午後5時について、眼科などや70歳以上の医師らを除く9医院と市医師会立津久見中央病院で回している。しかし、都市部と比べて会員数は少なく「当番医を回すのが窮屈な状況」が続いているという。このため、医師会は2017年に「特段の事情がない限り受けなければならない」と規定を決議した。

 男性医師は16年から市医師会と制度の見直しを求めて協議していたが折り合えず、提訴に踏み切った。これに対し他の医療関係者からは「任意にして当番をしない医師が出てくれば、他の医師の負担が増え地域医療が崩壊しかねない」と懸念の声が上がる。市医師会は「裁判の中で解決策を見つけていくしかない」と話している。【田畠広景】



https://www.m3.com/news/iryoishin/603622
シリーズ 真価問われる専門医改革
消化器内視鏡専門医、日本専門医機構認定のサブスペに
役員改選期迎える、6月末の社員総会で決定
 
レポート 2018年5月18日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は5月18日の理事会で、消化器内視鏡専門医を同機構が認定するサブスペシャルティとすることを承認した。消化器内視鏡専門医の基本領域は、内科、外科、救急科、臨床検査科、小児科、放射線科の6領域。2018年2月末現在の同専門医数は、1万8520人。既に内科13領域、外科6領域、放射線科2のサブスペシャルティが決まっているが、いずれも基本領域は単独であり、複数の領域にまたがるサブスペシャルティは初めて。

 日本臨床腫瘍学会が認定するがん薬物療法専門医についても、次回の理事会で承認する見通し。その他、産婦人科2領域、整形外科3領域のサブスペシャルティ申請の準備も進められている。18日の理事会後の記者会見で公表された。

 日本専門医機構の役員改選をこの6月に行う。その「役員選任規定」も18日の理事会で了承した。前回の2016年6月の選任時と同様に、「役員候補者選考委員会」を設置、理事候補者(25人以内)を選出する。最終的には6月29日に予定されている同機構の社員総会での決議を経て、理事を選任する(前回の選任は、『日本専門医機構、24人の新理事決定、医学会連合枠は1人未定』を参照)。「役員候補者選考委員会」は、同機構設立時社員等(日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会)の4団体推薦が各1人、内科系社員学会推薦3人、外科系社員学会推薦3人の計10人で構成する。

 5都府県、14基本領域のシーリングも再検討
 理事会では、2019年度開始の専門研修の専攻医募集のシーリングについても議論。2018年度の専攻医の採用数は、5都府県(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県)の14の基本領域については、「過去5年間の専攻医の採用実績を超えない」という上限(シーリング)が設定された。

 日本専門医機構構副理事長の山下英俊氏は、「必要なことについては見直していく」と説明した。2018年度研修開始の専攻医登録に関する各種データを集め、シーリングの対象となる都道府県と基本領域、シーリングの方法を検証する方針。「どんな方法で専攻医を募集するのか、改変するのか、今回の方法を踏襲するのか、いろいろなアイデアが出ているが、現時点ではまだ煮詰まっていない。まずはエビデンスを集め、何が起きたのか、問題は何かを調べ、検討する」(山下副理事長)。同機構副理事長の松原謙二氏は、「おおむね今回はうまくいった」とし、シーリングの在り方については「1カ月以内には結論を出したい」との見通しを述べた。

 同機構は「専攻医の東京集中」という指摘に対し、東京都の基幹施設から他道府県に派遣する専攻医数についてのデータは既に公表済み(『東京都に登録の専攻医、「3年目は都外」は43.8%』を参照)。4府県および基本領域別にも同様の分析などを実施する予定。松原副理事長は、「内科は全体と同じ動き」と説明。外科については詳細を紹介、東京都の専攻医は177人で、うち111人は初期臨床研修も東京都だった。初期臨床研修が他道府県だったのは、北海道5人、埼玉県9人、千葉県14人、神奈川県5人、静岡県7人などで、「全体の傾向とあまり変わりがなかった」(松原副理事長)。

 そのほか今後増加する医学部の「地域枠」の卒業生の扱いについて、各都道府県に配慮を求める文書を送付することも決定した。「地域枠卒業、奨学金の供与や貸与を受けているなど、義務年限を果たす必要がある専攻医については、地域で育成しながら、医師の定着を図る努力をしてもらいたい」(山下副理事長)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/597531
シリーズ いよいよ開始!新専門医制度の一期生調査
内科専門医、「取得が厳しくなった」◆Vol.9
「内科を選ぶのに勇気」「ローテは負担、マイナー科に転向」
 
医師調査 2018年5月20日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 「マイナー科志向が高まる」とされる中、その原因を探るため、内科専門医の在り方を質問した結果、「取得要件が厳しくなった」が22.7%、「サブスペシャルティにすぐに進めず、総合内科の研修が必要となった」(20.3%)との回答が2割を超えた(複数回答)。「一人前になるのに、時間がかかる」も、18.7%。内科専門医には、13のサブスペシャルティがあり、連動研修も認められている。ただし、従来は1年で認定内科医の資格を取得した後に、サブスペシャルティの研修に進めただけに、内科専門医取得のハードルが高くなったと受け取られていると見られる。

 自由意見では、「プログラムの詳細が決まらず、内科も考えていた同期が転科して行く中で、内科を選ぶのはかなり勇気が要った。しかし、内科にはそれを上回る魅力がある」とポジティブに捉える意見もあったが、「研修ローテートの負担がかなり大きく、マイナー科に転向した」などネガティブな意見が目立った。女性医師からは、「内科志望だったが、専門領域で働く前にまた研修医のローテートのような期間が生まれ、正直将来の結婚出産を考えると無駄な時間だと思い、マイナー外科へ進むことを決めた」との意見も寄せられた。

Q1.内科専門医への影響は?(n=276、複数回答)
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◆内科専門研修について自由意見
・プログラムの詳細が決まらず、内科も考えていた同期が転科して行く中で、内科を選ぶのはかなり勇気が要りました。しかし、内科にはそれを上回る魅力がありますし、パイオニアとして我々の意見を今後の改善に反映してもらいやすいのではないかと考えることにしました。
 今回のプログラム改正は、総合診療できる内科医師を増やすことを目的とされています。総合診療は症候学を中心としており、詳細な問診や限られた検査から鑑別を挙げる訓練が必要と考えます。また、大きな病床を持たない病院では、外来業務が大部分を占めると思いますので、外来で研修する時間も必要と考えます。
 ですから、初期研修と同じように入院業務をする期間を長くしただけでは、決して修得できないと思います。 また、もっと総合診療の専門性が認められるべきではないかとも考えます。4月からのローテでは、外来業務や検査にも顔を出して臨床力を高めていきたいと思います。

・専門性をより求めている研修医の場合、内科ローテはただのお客様状態であり、初期研修の延長でしかない。各科の先生にとってもお客様を指導するのは時間の無駄であり、何の生産性も生まれない。各科ローテは選択制にすべきであり、そして3年という研修期間も長すぎる。

・内科志望だったが、研修ローテートの負担がかなり大きく、マイナー科に転向した。初期研修で2カ月ずつそれぞれの内科を回っているのに、さらに後期でも研修するのは、負担がかなり大きく、結婚や子育てを考えている自分にとっては、科の転向が有意義な選択となった。

・女性医師です。学生の頃から内科を志望していました。しかし専門領域で働く前にまた研修医のローテートのような期間が生まれ、正直将来の結婚出産を考えると無駄な時間だと思い、マイナー外科へ進むことを決めました。

・研修医のスーパーローテと同じ。内科系は雑用係が常にローテして来てくれて、都合がいいのかもしれないけど、医療の質は上がらないと思う。日本の医療の問題はそこじゃない。

・内科専門医の敷居が高く、マイナー科へ流れた人をちらほら聞きます。内科専門医と総合内科が別にしてある点もいまいちよく分かりません。

【調査概要】
・調査対象:m3.com医師会員:296人
・回答者プロフィール
 性別:男217人、女性79人
 年代:卒後2年目
 2018年4月からの新専門医制度に基づく研修:開始276人、開始せず20人
  (開始276人の勤務先:大学病院本院82人、大学病院分院12人、市中病院177人、その他5人)
・調査時期:2018年2月16日~3月11日



  1. 2018/05/20(日) 06:49:32|
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