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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月6日

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-713420.html
体制や負担で温度差 医療安定へ協議継続
2018年5月6日 05:00琉球新報

 【北部】深刻な医師不足で診療制限が相次ぐ本島北部地域。医療体制を立て直そうと、県は県立北部病院と北部地区医師会病院を統合し基幹病院を整備する計画を示し、関係する北部地域の首長や医師会との協議を進めている。病院整備の思いは双方一致しているが、経営体制や地元負担の在り方などの考えには大きな差がある。北部市町村会は国に基幹病院整備の予算を要請するなど、今秋の知事選を見据えた動きも出てきた。

 「今の経営形態でこの問題は解決しない」。1日に開かれた県と12市町村長らとの協議後、医師会の宮里達也理事は強調した。医師会は基幹病院の経営形態が現行の地方公営企業法の全部適用になれば、予算や人事などの面で融通が利きにくいと問題視する。医師会は県に対し「自由度のある経営形態が望ましい」とする意見を伝え、経営形態の見直しを重要視した。本部町の高良文雄町長は「医師会の考え方に100パーセント賛成する」と強調した。
 県はこれまでの協議で、病院整備費を約220億円と試算し、国庫補助金などを差し引いた額の5分の2を北部12市町村に負担するよう提示した。経営形態の在り方や地元負担を疑問視する首長は多い。當眞淳宜野座村長は「他の県立病院には自治体負担を求めていないのに、なぜ北部だけ負担しないといけないのか。住民に説明できない」と語気を強めた。
 県保健医療部の砂川靖部長は、さまざまな経営形態を想定して協議していくことを歓迎し、「基幹病院はどうしても必要。力を合わせてやっていかないといけない」と力説した。
 北部の基幹病院整備が今秋の県知事選で「大きく流れが変わる」と関係者は指摘する。「知事選で政府が支援する候補者が勝てばいい。そうなれば国が予算を付けられる」と自民党関係者は語る。別の関係者は「名護が渡具知市長になったから国も支援したいと言っている」として、北部の基幹病院整備は国の手厚い支援が可能だとみている。自民党の武見敬三氏が沖縄入りし意見交換するなど、国も基幹病院整備に動き出している。
 名護市の渡具知武豊市長は「医師会の意見は理解できる。12市町村で意見をとりまとめて、その中で合意形成していきたい」と、今後の病院整備には慎重な姿勢を見せた。(阪口彩子)



http://www.saga-s.co.jp/articles/-/212533
医師確保へ佐賀県が奨学金 本年度4人募集
5/3 7:46 佐賀新聞

 佐賀県は、産科や小児科などの医師不足の改善に向けて、条件付きで返還を免除する奨学金の利用者を募集している。

 県が「県医師修学資金」として2005年から実施している。対象は全国の大学で小児科、産科、救急科、麻酔科の医師を目指す学生(4年生以上)と臨床研修医で、本年度は計4人を募る。奨学金は大学生が年額122万8千円、臨床研修医が150万円。貸与年数の1・5倍の期間、県内の公的医療機関の対象科で働けば返済を免除する。

 県医務課によると、これまで79人が制度を利用し、現在は小児科医11人、産科医11人、救急医10人、麻酔医4人の計37が県内で勤務している。医務課は「事業の成果と捉えているが、継続的な人材育成が欠かせない」と話している。県内の出生児1千人当たりの産科医数は9・7人(16年末現在)で、全国の11・6人を下回っているという。

 申し込み締め切りは31日。問い合わせは医務課、電話0952(25)7033。



https://www.m3.com/news/iryoishin/600012
シリーズm3.com意識調査
医学部定員、半数が「減員するべき」
これまでの増員も半数が「適切でない」

レポート 2018年5月4日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省が、4月12日の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会に対し、2020年度と2021年度の医学部の入学定員について、「現状の9419人をおおむね維持する」と提案。それ以降については削減する方向で議論が進んだ。2008年度以降増員が続いてきた医学部定員。m3.com医師会員に今後の定員をどうするべきかを聞いたところ、49.2%が「減員するべき」と回答。これまでの増員についても51.5%が「適切ではなかった」とし、定員増に懐疑的な意見が半数を占めた(関連記事は『2022年度以降の医学部定員、「削減」の方向で検討』)。

Q1:2022年度以降の医学部定員の増減について、どうお考えですか?
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 開業医、勤務医とも半数前後が「減員するべき」と答えたが、開業医の方がやや割合が高い。

Q2:これまでの増員は適切だったとお考えですか?
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Q1と同様、開業医の方がやや医師数の増加を「不適切」と考える会員の割合が高い。

Q3:その他、医学部定員や医師需給についてのご意見を、ご自由にお書きください。
【増員に懐疑的】
医学教育という面から考えると増員は慎重に考えるべきだ。出身大学の教育スタッフを見ると増員に伴い無理に教育スタッフを増やしているような感じがあり「後輩のあいつが?」という感じがします。【勤務医】
都会に集中しすぎて、質の悪い医師も多い。出産後の女性医師に対する制度の充実が必要。 【勤務医】
医学部の定員を安易に増やす前に、資格を獲得した医師の良質なレベルを維持することと、医師の根本的な心得や効率や収益優先ではなく病気を治すのではなく、人を治すことの基本的な見識と技量の取得を推進すべきと感じています。【開業医】
長時間労働是正するなら、増員すべきだが、責任感の強い医師を減らしていくことにつながるのでは危惧します。【開業医】
専門医数をはじめ、ドイツ的なギルドが望ましい。全ての医師が加入する医師会が国の介入のない医療制度に全責任を持ち、医師の一生を保証する制度が理想です。【勤務医】
そもそも新設の医学部は必要がなかったのでは?【勤務医】
大学病院における指導体制が十分に整えられていない印象があり、これ以上の定員増は無理があると思います。【勤務医】
行政の方針がはっきりしないので、何とも言えない。悪貨が良貨を駆逐しているような気がするけれど。【開業医】
定員増で質が低下した副作用は問題。【勤務医】
医学部の定員を増やしても、僻地医療の医師不足が改善するとは思えない。【勤務医】
中途半端に新しい医学部を作ったのも大きな間違い。20年、30年先の人口動態等を全て想定した上で適正な医師数を判断すべきで、現状判断で定員増や新医学部設立を許可したのは明らかに失策。【開業医】
新設したり、減員したり、行政には問題があると思う。【勤務医】
【増員するべき】
医師偏在の問題は根強く、続けて医師を生み出す必要あり。【勤務医】
【現状維持】
個別化医療への対応等、最低でも現状維持だと思う。【勤務医】
医師は臨床医だけでなく基礎医学、行政などに広く活動している。女性医師の増加はライフスタイルの変化、産休育休有給の取得と週休2日労働時間短縮化、とともに休養できるゆとりが持てるように供給は維持すべき。【開業医】
【減員は時期尚早】
いずれ医師過剰となると思われるが、医師不足にあえぐ地方にとってはまだ医学部定員を削減するのは時期尚早と思う。【勤務医】
【調査の概要】
調査期間: 2018年4月17日 (火)~4月23日 (月)
対象:m3.com医師会員
回答者数:2029人(開業医524人、勤務医1505人)
回答結果画面:医学部定員削減の方向、どう思う?



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180425-OYTET50028/
ニュース・解説
助産師主体の介助「院内助産」…専任担当チーム、産科医不足に対応

2018年5月1日 読売新聞

 病院や診療所で、助産師が主体になって出産を介助する「院内助産」が増えている。経過が正常な出産のみが対象で、妊娠中から産後まで切れ目なく寄り添って妊産婦の不安を和らげ、満足のいくお産につなげる。産科医不足に悩む地域の出産を支える仕組みとして、国も普及を後押しする。(藤本綾子)

妊産婦の満足度も高く…

 「顔見知りの助産師さんが付いていてくれ、心強かった」。大阪市内の千船病院で3月下旬、第2子となる長女を出産した原田由梨花さん(21)は話す。医師が立ち会わず、和室の 分娩ぶんべん 室で夫と助産師に励まされての出産だった。

 長男(2)の出産時も「和室のリラックスした雰囲気で産みたい」と院内助産を希望。分娩中に血圧が上昇し、医師が立ち会って分娩台で出産することになったが、「初産で心配なことも助産師さんが丁寧に説明してくれた」と振り返る。今回も院内助産を選択、「妊婦健診では上の子の育児の相談にも乗ってもらえ、ありがたかった」という。

 大規模な医療機関での出産では、その日の当番の助産師が立ち会うため、妊婦は初めて顔を合わすことも珍しくない。同病院が約10年前に始めた院内助産では、専任の助産師チームが健診から分娩、産後まで一貫して担当。昨年度は1618件の出産のうち2割を占めた。

 助産師の川又睦子さんは「経過が順調でも出産に不安を感じる人は多い。どんな出産をしたいかを一緒に考えることで、育児への前向きな気持ちを引き出すこともできる」と話す。産婦人科部長の岡田十三さんによると、責任の大きさが助産師たちの成長にもつながっているという。

 院内助産は産科医不足対策として、厚生労働省が2008年に発表した「医療確保ビジョン」に盛り込まれた。正常な出産を助産師が担うことで、産科医不足の要因の一つとされる過重労働の軽減につなげる狙い。国は助産師外来室の設置や研修のための財政支援もし、実施する医療機関の数は08年の31か所から14年は166か所にまで増えた。

 神戸大教授(母性看護学・助産学)の斎藤いずみさんは「院内助産の実施には、慎重に合併症や妊娠中のリスクなどを見極めることが重要だが、リスク管理が適切ならば、医師立ち会いの出産と安全性に差はなく、妊産婦の満足度も高い」と評価する。

 地域に欠かせない存在になっている例もある。兵庫県 養父やぶ 市の公立 八鹿ようか 病院は08年に導入。現在は受け入れを正常分娩に限定し、院内助産を基本に据える。産科医が1人だけの時期もあったが、妊婦を受け入れてきた。

 同市を含む但馬地域は約17万人が暮らすが、出産ができる医療機関は同病院を含めて2か所しかない。当初は医師が立ち会わないことへの不安の声もあったが、今は家族や友人の勧めで来る人や、「2人目もここで」という“リピーター”も多いという。

 ただ、地方では助産師の確保すら難しい地域もある。看護師資格も持つ助産師が産科以外の様々な業務を担い、院内助産を始める余裕がない病院も少なくない。斎藤さんは「助産師が出産に集中し、活躍できる環境を作る必要がある」と指摘する。

         ◇

【院内助産】  緊急時の対応が可能な医療機関で、助産師が主体となって妊婦健診や出産の介助を行う仕組み。陣痛促進剤の使用や会陰部の切開などの医療行為を必要としない、正常な経過の出産だけを扱う。妊娠・出産中に異常が現れた場合などは医師が対応する。


妊婦が望む「バースプラン」取り入れる医療機関も

 出産に対する妊産婦の満足感を高めるため、「バースプラン」を取り入れる医療機関も多い。妊婦自身がどんな出産をしたいかを書き記して医師や助産師らに伝えるもので、院内助産を行う病院で採用する例もある。

 日用品メーカー「ユニ・チャーム」(東京)の2010年の調査では、出産経験者の半数が書き記し、うち8割が肯定的な評価をしていた。

 特に決まった形式があるわけではない。バースプランに詳しい毛利助産所(神戸市)の毛利多恵子さんは、「初めての出産の場合は、どう書いていいのか分からない人も多い。まず、医療機関や自治体が開く妊婦講座などに参加し、出産について勉強してほしい」と勧める。知識が深まれば、希望も明確になってくるという。

 一人で完成させようと思わず、助産師らと相談しながら具体化していくといい。毛利さんは「書いて終わりではなく、運動や食事に気をつけるなど、希望の出産を実現するための努力も忘れないで」と話す。ただ、「出産は思うようにはいかないこともある。母子の安全が最優先なので、かなわないことがあると理解しておいて」と念を押す。


選択肢の一つに…取材を終えて

 2年前に長男を出産した時には陣痛促進剤などの力を借りた。私は「それなりに頑張った」という満足感があるが、自然でない出産を「産んだというより産まされた」と感じる人もいるそうだ。出産へのニーズや感じ方は多様だ。

 院内助産の取材のため訪れた病院では、こうした異なるニーズや感じ方に助産師ならではのきめ細かな心配りで対応していた。選択肢の一つとして広まる可能性を秘めていると思う。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2810698014032018EA7000/
働き方、一律規制に限界も 医療の現場から
2018/5/4 20:00 日本経済新聞

 政府が進める長時間労働解消の法的な根拠となる労働基準法。無理な残業を減らすことは職場の生産性向上のために欠かせない。ただ、同法は戦後間もなく、主に工場や炭鉱での作業を想定して制定されており、一律に当てはめることが難しい職場や職種も多くなっている。

 例えば医療の現場――。「ほぼ24時間働きっぱなしの日が何日も続くことなんてざらにある」。北関東の医療機関に勤める30代の救急医は打ち明ける。周辺の病院と比べて設備が充実しており、遠方からの患者も多く、過去には2日しか休めない月もあったという。

 医師の数が足りず休日を返上したり、勤務時間を大幅に超えたりすることは日常茶飯事。勤務記録上の月の残業時間は80時間以下だが「その倍以上は院内にいる」。

 勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」が2017年7~9月に大学病院の医師を対象にした調査では、労働時間がタイムカードなどで客観的に管理されていると答えたのはわずか5.5%。「労基法が守られていると思うか」という質問では59.4%が「守られていない」と回答した。

 医師の数の不足と地域ごとの「偏在」がこうした実態の背景にある。当直や急患への対応時間を含めれば、労基法で定められた1日8時間の法定労働時間と労使協定で取り決めた時間外労働の合計を軽く超えてしまうケースも少なくない。

 医師には正当な理由なく診療を拒めない「応召義務」があり、少人数で診療にあたる病院では医師らの負担は必然的に大きくなる。労基法の順守と、診療体制の維持の両立が難しい現実が今の医療現場にはある。雇用主である病院側が労基署の是正勧告を受けないようにするため、勤務時間を「調整」すれば、違法残業の温床にもなりかねない。

 医師や介護職などでつくる日本医療労働組合連合会の森田進書記長は「過労死してでも患者を診ろというのはナンセンスだが、時間外労働の規制は、まず勤務医の人手不足を解消しないと実現は難しい」と指摘。先述の30代救命医は「勤務医に労基法をそのまま適用することに無理がある。医師独自の法的基準が必要。応召義務も見直してほしい」と話す。

 厚生労働省は医師の働き方改革に向けた検討を始めている。17年3月にまとめた働き方改革実行計画では、医師は罰則付きの時間外労働規制の対象とするが、患者への対応などを踏まえて改正労基法施行から5年は適用を見送るとした。今年2月には「緊急的な取り組み」として医師の正確な在院時間の把握や、医師の業務の一部を看護師が担う新たな役割分担の採用などを求めた。

 労基法による労務管理は労働時間に時間あたりの単価を掛け合わせた賃金を支払うのが鉄則。残業時間の上限は同法36条に基づいた労使間の協定で決められる。労働者を過大な負担から守る重要な制度だが、専門性が高い職種や勤務形態が不規則な人にとっては、柔軟な働き方ができなくなる要因にもなりかねない。

 医師の長時間労働対策でも専門家の意見は割れる。労働法制に詳しい神戸大の大内伸哉教授は「医師もほかの職種と同じように時間外労働の規制対象とし、労働に見合ったしかるべき対価が支払われなければならない。医療サービスの供給体制にかかるコストは医師ではなく、国民が負担すべきだ」と強調する。

 一方で、17年8月に開催された厚労省の検討会では、参加した医師から「質の高い医療を確保するためには自己研さんや研究活動、学会活動なども重要になる。画一的な労働時間の制限は設けるべきではない」とする意見も示された。

 中津川市民病院(岐阜県)の間渕則文・病院前救急診療科部長は「24時間常にスタンバイ状態になったりするなど、医師の働き方はかなり特殊」と指摘。「例えば、勤務医も自由業とし、労働請負制で年俸制にして年単位の契約で働くという形も考えられる」と提言している。

(社会部 石原潤)



https://www.jiji.com/jc/article?k=000000001.000033619&g=prt
日本初のドクターシェアリングアプリ「LEBER」を運営する株式会社AGREEが、医師や市中銀行ファンドなどから約1億円の第三者割当増資を実施
[株式会社AGREE]
スマホで安心、ドクターシェアリングLEBER
時事通信-2018/05/01

日本初のドクターシェアリングアプリ「LEBER」を運営する株式会社AGREE(代表取締役 伊藤俊一郎 茨城県つくば市)は、医師4名(林健太郎・竹村克己・野村誠・鈴木淳司)、医師が個人経営する会社2社(株式会社MARC・合同会社S.K.Company)、個人投資家3名(Khullar Rajesh・今川美明・畠山淳也)、つくば地域活性化ファンドを引受先とする第三者割当増資により、約1億円の資金調達を実施しました。
※医療相談アプリLEBER: https://leber11.com

■ドクターシェアリングアプリ「LEBER(リーバー)」について
LEBERは2018年1月にリリースした、「24時間・365日スマホで医師と相談できる」医療相談アプリケーションです。近年、話題となっている「遠隔医療」のカテゴリーの「遠隔医療相談」に属します。業界で唯一医師が症状に合った「近隣の医療機関のMAP表示」や「市販薬の紹介」を行うことにより、ヘルスリテラシーの向上とセルフメディケーションの推進を図り、日本の医療費削減と持続可能なヘルスケアシステムの構築を目指しております。

【LEBERの特徴】
1) 「医師のすきま時間」と「相談者」を繋ぐドクターシェアリングプラットフォーム
2) 症状に合わせた自動問診システム(チャットボットのリーバー君が自動で問診)
3) 医師が症状に合った医療機関または市販薬を紹介(MAP表示、ルート案内も可能)
4) 複数アカウントの作成が可能で家族の相談も可能(アカウント毎のカルテ作成)
5) 企業への福利厚生や、保育園・高齢者施設への医療相談サービスの提供も開始
▼ダウンロードはこちらから(無料) ※現在、iOSのみの配信となります
https://goo.gl/t4kFYZ

■資金調達の背景と目的
日本においては高齢化を背景に医療費の増大が大きな問題となっております。その結果、病床数の抑制、そして地方を中心とした医師不足などから、医師と私たちの距離は非常に遠くなっており、医療崩壊に近い状況といえます。この問題に対し理解のある医師を始めとした投資家らにより、今回の資金調達は実現しました。
今回の資金調達により、医療相談アプリ「LEBER」のユーザビリティの向上、B to B向けサービスの開発を行います。「LEBER」は従来からのB to C向けのサービスに加え、法人向けサービスの充実を図ることで、企業の健康経営、高齢者施設・保育園などへ「医師が側にいる安心感」を提供し、結果として持続可能なヘルスケアシステムを実現させます。

■実績
2017年10月10日:「つくばSociey 5.0社会実装トライアル支援事業」採択
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000028199.html
2017年11月11日:第17回 MITベンチャーフォーラム事業プランコンテスト最優秀賞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23465620U7A111C1XY0000/
2017年12月2日:AI.Accelerator採択(3期生)
http://ainow.ai/accelerator/

■株式会社AGREEについて
所在地 : 茨城県つくば市谷田部6251-9
代表者 : 代表取締役 伊藤俊一郎
事業内容:ドクターシェアリングアプリ「LEBER(リーバー)」の提供

■本リリースに関するお問い合わせ先
担当: 鈴木 雄貴
メール: info@leber11.com
電話: 0298-96-6263

企業プレスリリース詳細へ (2018/05/02-11:01)



http://www.medwatch.jp/?p=20376
高収入の病院はより収益が増加し、低収入の病院では大幅減となるところも―厚労省
2018年5月3日|医療保険制度 MedWatch

病院の1施設当たり医療費は、2016年度には平均は26億3600万円で、前年度に比べて3600万円・1.4%増加した。ただし「収入の多い病院ではより高収入となり、収入の少ない病院では、大幅な収入減となる」とのバラつきがさらに拡大してきている―。

厚生労働省が5月2日に公表した2016年度版の「施設単位でみる医療費等の分布の状況~医科病院、医科診療所、歯科診療所、保険薬局~」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

病院収入のバラつきは年々拡大、収入の大きな病院では、より収入が増加

厚生労働省は、毎月公表している「医療費の動向」(MEDIAS)の中で医療機関1施設当たりの医療費データなどを明らかにしています。しかし、医療機関の規模や状況はさまざまで、単純に「医療費÷医療機関数」で1施設当たりの数値を出しても実態とかけ離れてしまいます、そこで医療機関の規模(病床数ではなく、「1施設当たりの医療費階級」)別に医療費の状況を分析し、「施設単位でみる医療費等の分布の状況」を示しているのです(前年度の状況はこちら、前々年度の状況はこちら)。

医科病院について見てみると、2016年度の1施設当たり医療費は平均で26億3600万円となりました。2011年度からの変化を見ると、平均医療費は増加傾向にあり(11年度:23億4900万円→12年度:24億1600万円→13年度:24億6400万円→14年度:25億2200万円→15年度:26億円→16年度:26億3600万円)、かつ、バラつき(標準偏差)も大きくなっています(11年度:37億3900万円→12年度:39億900万円→13年度:40億600万円→14年度:40億9800万円→15年度:42億8100万円→16年度:43億7100万円)。

病院の1施設当たり医療費は、2016年度には26億3600万円で、バラつきは前年度よりも拡大している (図 略)

1施設当たり医療費は「病院の収入」に読み替えることができます。このバラつきが大きくなっていることは、「地域における競争が激化している」、つまり「収入の多い病院はより高収入となり、収入の少ない病院はより減少している」可能性の高いことをうかがわせます。平均在院日数の短縮が進み、その中で病床稼働率を維持するためには、新規患者をこれまで以上に獲得することが必要となります。このため「より広域での新規患者獲得」を目指すことになりますが、この状況はすべての病院で同じであり、競争が激化するのです。自院の等身大の姿を確認した上で、「競合となる近隣の他院の状況」「全国における自院の状況」「地域での立ち位置」(今後果たすべき機能)「地域の患者動向」などを総合的に把握して、病床削減や統合・再編すらも視野に入れた経営戦略を練る必要があります(関連記事はこちら)。
また「1施設当たりの医療費階級」別に「1施設当たり医療費の伸び率」を見ると、医療費の少ない病院では医療費の伸び率に大きな幅があり、逆に、医療費の多い病院では、伸び率の幅が小さいこと、また医療費の多い病院のほうが医療費の伸び率が高くなることも分かりました。1施設当たりの医療費とは、病院収入を意味するので、次の点が浮かび上がってきます。

▼収入の少ない病院(医療費の少ない病院)では、収入が大きく増加している病院もあるが、大幅に減収となっている病院もある(伸び率の幅が大きい)

▼収入の多い病院(医療費の多い病院)では、安定的に収入が増加している(伸び率が高く、幅が小さい)

病院を「収入規模別」に階層化して、1施設当たり医療費の伸び率を見ると、大規模、つまり収入の大きな病院では、比較的安定して、収入が増加している状況が伺える
(図 略)
 
 入院と入院外に分けると、2016年度も「入院外においてこの傾向がより強い」ようです。こうした差が、前述の「収入のバラつき拡大」につながっていると考えられます。とりわけ収入の少ない、小規模な病院では経営戦略の見直しを急ぐ必要がありそうです。

入院の「収入規模別」に階層化した、1施設当たり医療費の伸び率 (図 略)
入院外の「収入規模別」に階層化した、1施設当たり医療費の伸び率 (図 略)
 
 
また、機能別に病院の「1日当たり医療費」を見ると、▼特定機能病院:7万円▼地域医療支援病院:5万7000円▼DPC対象病院:5万円▼それ以外の病院:2万3000円—となっており、施設数の関係もありますが、特定機能病院でバラつきが小さく、一般の非DPC病院でバラつきが大きな状況が伺えます。

病院の機能別に見た、2016年度における1日当たり医療費の状況(その1)(図 略)
病院の機能別に見た、2016年度における1日当たり医療費の状況(その2)(図 略)
 


https://www.m3.com/news/general/600334
ベッド削減3・5%どまり
5年後、病床再編消極姿勢に 厚労省集計

5/1 15:38 共同通信

 全国の病院・診療所のベッド数
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 人口減や高齢化に合わせた医療提供体制の再編で、全国の病院が5年後の2023年に予定しているベッド削減数は現状の3・5%にとどまることが、厚生労働省のまとめで分かった。各都道府県が医療の将来像を定めた「地域医療構想」では、人口減などにより25年に必要な病床数は全国で10%程度減ると推計されているが、削減に消極的な病院の姿勢が浮き彫りになった。

 高齢者が増えるため、重症患者向けの急性期病床をリハビリ向けの回復期病床などに換える必要もあるが、転換の意向も低調。人口構造の変化に合わせて病床の再編が進まないと、医療費の抑制が進まない恐れがある。

 厚労省は、全国の病院と診療所の計約1万4千カ所が機能別の病床数などを都道府県に提出する「病床機能報告」の17年分の速報値を集計。全国で計約132万床の病床(精神科などを除く)のうち、報告のあった約127万4千床についてまとめた。

 23年の予定病床数は約122万9千床で、17年比で約4万5千床(3・5%)の削減。地域医療構想では、25年に必要な病床数は約119万1千床と推計されており、未報告分も含めると、さらに8万床程度の削減が求められる。

 高度急性期は25年までに約3万2千床減らす必要があるが、各病院の意向では23年には逆に今より約5千床増えてしまう。急性期も25年までに約30%の削減が求められるが、23年時点では3%減にとどまる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/600705
シリーズ  安倍政権の医療制度改革
日医横倉会長「患者に負担押しつけ、財務省は無責任」
給付率自動調整などの提案に反対

レポート 2018年5月2日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本医師会会長の横倉義武氏は5月1日の記者会見で、財務省が4月25日の財政制度等審議会財政制度分科会に提案した社会保障制度改革の23項目について、「経済成長ができなかった場合に給付率で患者に負担を押し付けようという財務省や財政審の提案は余りに無責任だ」と批判した(財政審は『後期高齢者の窓口負担を2割に、財政審が議論』を参照)。

 横倉氏は、日医の政策判断基準として「国民の安全な医療に資する政策か」、「公的医療保険による国民皆保険を維持できるか」の二つを強調。財務省提案の23項目のうち、特に「医療保険の給付率を自動的に調整する仕組みの導入」、「地域別診療報酬の活用」、「受診時定額負担の導入」について、「二つの判断基準に照らして非常に問題が大きい」と指摘した。

 「医療保険の給付率を自動的に調整する仕組みの導入」について、日本では欧州諸国に比べて国民負担率が低いとして、「経済成長ができなかった場合には、患者だけでなく社会全体の負担率を調整することでカバーするべきだ」と主張。また、経済成⻑が進まない場合や、医療費が高騰した場合のリスクを全て負担者が負う仕組みとなっているとの財務省の主張に対しては、70歳から74歳の自己負担の2割への引き上げや高額療養費制度の見直しなど、患者負担も上昇していると反論した。

 地域別診療報酬の活用については、4月11日の定例記者会見で既に反対を表明しており、改めて強調した(『日医横倉会長、都道府県別の診療報酬に改めて反対』を参照)。

 「受診時定額負担の導入」についても、かかりつけ医普及に向けた制度的裏付けが始まったばかりで、定額負担導入はこれに水を差すなどと述べて、「日医ではこれまでも繰り返し反対してきた。わが国の特徴であるフリーアクセスは守らなければいけない」と強調。かかりつけ薬剤師、薬局以外への定額負担は、3月25日の日医代議員会での答弁と同様の見解を述べた(『「保険調剤薬局、非営利法人に限定も」横倉会長』)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/600687?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD180505&dcf_doctor=true&mc.l=291818141
シリーズ  医療裁判の判決詳報
医師の時間外労働、どう認定するのか? - 一審~差戻し控訴審詳報◆Vol.1
横浜地裁での前提事実と双方の主張

2018年5月5日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

 神奈川県内の民間病院に勤務していた40歳代の男性医師が、未払いの時間外手当の支払いなどを求めた訴訟の差し戻し控訴審の判決が2月22日、東京高等裁判所であり、白石史子裁判長は付加金を含めて546万3290円の支払いを命じた。

 解雇無効と、時間外手当が年俸に含まれるか否かが争われていたこの裁判。差戻し前の審理では、一審の横浜地方裁判所判決(2015年4月)、二審の東京高裁判決(同年10月)とも解雇は有効とし、時間外手当は年俸に含まれるとして、原告側の請求の大部分を棄却。それに対し、2017年7月、最高裁判所第二小法廷は解雇に関しては上告を受理せず、時間外手当については「年俸支払いによって、時間外手当が支払われたと言うことができない」として一、二審判決を破棄(『医師の時間外手当で最高裁判決』を参照)。審理を東京高裁に差し戻していた。時間外手当はなぜ年俸に含まれないと判断されたのか。そして、未払いとされた手当の金額はどうように算出されたのか。横浜地裁、東京高裁、最高裁、差戻し控訴審東京高裁判決を全5回の連載で詳報する。

注:付加金とは、労働基準法に基づく賃金を支払わないなどの違反があった使用者に対し、未払い金と同額の支払いを命じるもので、「罰金」の性格を持つ。同法第114条にある規定。

横浜地裁判決(田中寿生裁判長) 2015年4月23日

主文

被告は、原告に対し、56万3380円を支払え。
被告は、原告に対し、11万2334円を支払え。
原告のその余の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用はこれを50分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実および理由

請求
原告は、被告に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
被告は、原告に対し、2012年10月から本判決確定の日まで、毎月末日限り各120万1000円を支払え。
被告は、原告に対し、172万円を支払え。
被告は、原告に対し、438万1892を支払え。
被告は、原告に対し、438万 1892円を支払え。
被告は、原告に対し、642万337円を支払え。

事案の概要
 本件は、医療法人である被告との間で雇用契約を締結し、被告が運営する病院に医師として勤務していた原告が、被告から2012年9月30日付けで解雇されたが、当該解雇は解雇権の濫用であり無効であると主張して、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、

同年10月以後本判決確定の日まで毎月120万1000円の未払給与の支払いを、
2012年12月支給分の賞与172万円およびこれに対する遅延損害金の支払を、
時間外割増賃金438万1892円およびこれに対する遅延損害金の支払を求めるとともに、
労働基準法114条に基づき上記時間外労働割増賃金と同額の付加金および遅延損害金の支払を求め、
被告による解雇などによって精神的苦痛を被ったと主張して不法行為に基づく損害賠償として642万337円および遅延損害金の支払を求める事案である。

前提事実(争いのない事実)
(1)当事者
(ア)原告は、1997年に医師免許を取得後、関東の複数の病院での勤務を経て、先端腹腔鏡下手術である単孔式腹腔鏡下術式(以下、単に「単孔式」という)で施術するようになり、被告の運営する神奈川県内の病院(以下「被告病院」という)の消化器外科に勤務した医師である。
(イ)被告は、複数の病院や介護老人保健施設などを運営する医療法人である。

(2)雇用契約の締結
原告は、2012年4月1日、被告との間で、下記の条件で雇用契約(以下「本件雇用契約」という)を締結した。
(ア)雇用期間:定めなし
(イ)休日および休暇:原則として週2日
(ウ)就業時刻:午前8時30分から午後5時30分まで(休憩 1時間)
(エ)所定労働時間:1日8時間
(オ)給与:月120万1000円
    基本給86万0000円
    役付手当3万0000円
    職務手当15万0000円
    調整手当16万1000円
    初月調整8000円
(カ)支給日:毎月15日締め当月末日払い
(キ)本給月額の3か月分相当額を基準とし、成績により勘案する。
   夏期(本給月給の1か月分)
   冬期(本給月給の2か月分)

(3)解雇通告
(ア)被告は、2012年8月31日、原告に対し退職勧告を行い、退職届の提出がなされない場合には、解雇する旨を伝えた。これに対し、原告は、自主退職する意思はない旨を回答した。
(イ)被告は、2012年9月3日、原告に対し、解雇通告書を交付しようとしたが、原告はその受領を拒んだ。
(ウ)被告は2012年9月5日頃、原告に対し、職場での医師および看護師をはじめとするスタッフに対する威嚇するような言動や暴力ともとれる行為がたびたび見られ、これに対し再三注意や改善を求めたが、いっこうに改善されないため、被告病院の医師としてふさわしくないとして、就業規則54条に基づき、同月30日付けで解雇する旨の同年8月31日付け解雇通告書を送付した。

争点

 本件の争点は、(1)解雇の有効性、(2)不法行為に基づく損害賠償請求権の成否、(3)時間外割増賃金の有無およびその額であり、各争点に関する当事者の主張は次の通りである。

争点(1)解雇の有効性について

被告の主張

ア:普通解雇
 原告に対する解雇は、就業規則第54条1(1)「第53条によって勧告された者が退職届の提出を拒んだ場合」、同条1(2)「勤務成績が著しく劣り、職員として不適格と認められた場合」、同条(6)「その他前各号に準ずると認められた場合」に該当することを理由とするものである。
(ア)医師としての技量不足
a:原告は、単孔式に関する施術実績があると誇張し被告に採用されたものであるが、原告が行った単孔式は、その多くの手術でトラブルを生じた。すなわち、原告は2012年4月から同年6月までの間に、合計12件の単孔式の手術を行っているが、同年5月21日の手術では尿管を切断し、同年6月8日の手術では患者が手術後ICUで対応せざるを得ない状況となり、手術後ドレーン抜去部より腹水が生じるなどして縫合処置をせざるを得ない事態を惹起している。また、同年5月28日の手術では術後創離開が生じ、同年6月22日の手術では創感染から再入院を余儀なくされるなど、手術後のトラブル数は原告が突出していた。
b:原告は2012年8月10日、SILSでのヘルニアの手術中、通常、患者の気腹圧を20気圧まで上げることはないにもかかわらず、麻酔科医に確認することなく、患者の気腹圧を20気圧まで上げた。その結果、患者の血圧上昇などがあり、A医師が減圧をした。患者は、術後に胸部と陰嚢部に気腫が発生したが、原告は、患者に対し、「こんなの普通だから」と説明した。
c:このように、原告には、原告が主張する程度の症例を経験した医師として有すべき技量は全くなく、消化器外科の専門医としての資質すらなかったと言わざるを得ない状況であった。

(イ)医療職員への責任転嫁など
 原告は、指導していた後期研修医であるB医師に対して暴力をふるったり、看護師を始めとする職員に対し、その人格を否定するかのような暴言を繰り返したりした。さらに、自らのミスを日常的に他人に責任転嫁していた。

(ウ)緊急状態下で連絡がつかない状態であったこと
 C看護部長は、2012年7月4日、原告の担当患者が急性腹膜炎となった可能性を疑い、危険を回避する目的で、緊急避難的に ICUに移動させた。C看護部長は、患者の移動に先立ち原告のPHSに何度も確認の連絡をしたが、原告は当該PHSを電池切れの状態で放置しており、連絡がつかなかった。院内で緊急連絡用に使用するPHSを電池切れの状態で放置すること自体、患者の生命を預かる医師としての重大な責務を放棄するものである。
 また、原告は、C看護部長に対し、医師の指示なく独断での行動であると非難し、「あなたはそんなで部長ですか。あなたがそうだから看護師は馬鹿ばかりです」などとC看護部長の人格を否定するような発言を行った上、生検用錯子をパチパチと開閉させながら威嚇を続けた。以上の点からすれば、原告に解雇事由が認められることは明らかである。

イ:懲戒解雇事由にも該当すること
 原告の行為は、懲戒解雇事由に該当するものであり、この点から言っても原告に対する普通解雇は有効である。

(ア)被告医療法人の信用を失墜させたとき
 原告は、患者の面前で職員を罵倒するなどしており、かかる原告の行為は、いたずらに患者に不安感を生じさせるものであり、被告の信用を失墜させる行為と言わざるを得ない。

(イ)命令違反
 被告では、口頭指示が厳格に禁止されていたにもかかわらず、原告は口頭で不適切な指示を繰り返し、その責任の全てを、看護師を始めとする医療従事者に転嫁していた。指示簿への記載は、医療事故を防止するため厳守されなければならないものであったが、原告は日常的に禁止事項に違反する行為を繰り返していた。

(ウ)職場放棄
 原告は、緊急連絡用のPHSを電池切れの状態で放置し、緊急状態において、迅速かつ適切に対処しなければならない医師としての重大な責務を放棄していた。
(エ)各号に準ずる程度の不都合な行為
 原告は、自らが指導するB医師に対し暴力をふるっただけではなく、看護師を始めとする職員に対し、人格を否定するかのような暴言を度々繰り返していた。原告の行為を放置することは、かえって被告が職員からパワーハラスメントとして責任追及を受けることにもなりかねず、原告の行為は、懲戒事由として列挙されている行為に準ずる程度の不都合な行為と言わざるを得ない。

原告の主張

ア:原告の技量などについて
 被告は、原告が医師として被告の要求する技量を有していなかったと主張し、その証拠として、「原告医師実績」と題する書面を提出する。しかしながら2012年6月8日に腹水が生じた件は、周術期合併症の一つであり、同月22日の創感染についても一定割合で生じうるものであり、いずれも原告の技量に左右されるものとは断定できない。また、原告において手術後のトラブルが突出していたものではない。

イ:解雇権の濫用
 被告は、原告において、威嚇するような言動と暴力ともとれる行為が度々見られ、再三にわたり注意や改善を求めたが改善されなかったことを理由に解雇を主張しているが、原告は、被告から再三にわたり注意を受けたことはないし、看護部長を含む看護師や総務担当者に対して業務上重大な問題につながりかねない誤りを注意したに過ぎない。またB医師の胸部を突いた行為も解雇を正当化するほどの行為ではない。よって、原告に対する解雇には理由がなく、解雇権の濫用に当たり無効である。

争点(2)不法行為に基づく損害賠償請求権の存否について

原告の主張


ア:原告の解雇は理由のない無効なものであり、原告は解雇の撤回を求めていたにもかかわらず、被告はこれに応じず、一方的に困難な手術の担当から外すなどしていった。また外来患者の不可解な配てんや9月以降原告に単孔式を中止させたことは、消化器外科の専門家として単孔式を実践するため、被告病院に入職した原告に対し、多大な精神的苦痛を与えるものである。そして現在は原告を全く就業させない状態が続いており、解雇が無効であるとしても、このような不安定な状態に置くことによる原告の精神的苦痛は計り知れないものがある。これらの事情を基に原告の精神的苦痛を金銭に評価するとすれば500万円は下らない。

イ:原告が本請求をするのに要する弁護士費用は、被告に対する請求額の1割である142万337円を下らない。

ウ:よって原告は被告に対し、642万0337円の損害賠償請求権を有する。

被告の主張

 原告に解雇事由が認められることは明らかであり、被告は原告に対して損害賠償責任を負うことはない。

争点(3)時間外割増賃金の有無およびその額について

原告の主張


ア:労働時間について

(ア)原告が本件雇用契約に基づいて被告から支払を受けていた賃金のうち時間外労働賃金を算定する基礎となる賃金は、(1)本給および(2)諸手当(初月調整を除く)の 120万円である。そして、原告の所定労働時間および所定休日および休暇を踏まえると、原告の1カ月の平均所定労働時間は162時間40分であり、原告の1時間当たりの労働賃金は7383円となる。

(イ)被告病院においては、被用者が出勤した際に、静脈認証により出勤・退勤を記録するか、備え付けの「静脈未承認記録簿」に出勤・退勤を記録することとなっているところ、原告は主に静脈未承認記載簿に出勤・退勤を記録していた。また、原告が本件病院内で被告が設置したパソコンを使用した際のログイン・ログアウト記録から、原告が記録された時間に勤務していたことが明らかである。これらの資料によると、原告は所定労働時間のほか、被告の業務命令に基づき、2012年4月3日から同年9月30日までの間、合計323.38時間労働したことになり、これにより発生する時間外労働割増賃金は、495万7192円となる。ここから、被告が支払済みであると主張する57万5300円を差し引くと438万1892円になる。

 (ウ)被告は、これらの資料に信用性がない旨主張するが、静脈未承認記載簿について原告と被告との紛争が発生する前から記載していたものであり、かつ原告が被告に勤務していた期間に静脈未承認記載簿の記載内容を根拠として時間外割増賃金の請求をしたこともないのであるから、原告が虚偽の記載をする理由はなく、当該記載内容は信用することができる。また、ログイン・ログアウト記録については、原告が記録された時間に勤務していた事実を示すものであり、静脈未承認記載簿への記入を失念した場合や、原告の勤務が終わり静脈未承認記載簿への記入が終わった後に呼び出しを受けたような場合を補充するものである。なおログイン・ログアウト記録について、原告が他の職員に IDを教えたような事実はない。

イ:時間外割増賃金が本給・諸手当・賞与に含まれるかについて

 本件では、本給・諸手当・賞与のうちどの部分が時間外手当に当たるか明確に区別されず、役付手当、職務手当、調整手当についての算出方法も不明確であり、どの手当が時間外手当に相当するかの説明は一切なく、就業規則などにも手掛かりとなる条項が存在しない以上、時間外手当が本給・諸手当・賞与の中に含まれていると考えることはできない。また、被告は役付手当、職務手当および調整手当が定額の時間外労働手当としての性質を有するとも主張するが、これらの手当が全て時間外労働の手当というのであれば、3種類の手当に分ける理由が見当たらないし、時間外労働手当として支給する旨を雇用契約書や就業規則などで明記するべきである。よって、時間外割増賃金が本給・諸手当・賞与に含まれることはない。

ウ:管理監督者の該当性について

 原告は、静脈承認又は静脈未承認記載簿により労働時間を管理され、少なくとも医師時間外勤務給与規程(以下「本件時間外規程」という)で定められた範囲内においては時間外手当が支給されることは被告も認めている。また、所定勤務時間内において出退勤の自由が認められていなかった。
 原告は、被告の従業員に対する人事権や労務管理についての権限は一切なく、院長や副院長と異なり、経営会議に出席する権限もなかった。原告が所属していた消化器センターに限っても、その部門を統括する立場にあるのは部長であり、原告はその立場になかった。
 被告は、原告が高額の給与を受けていたことをことさらに強調するが、原告の給与は原告の職種や経験などに照らすと特別高額なわけではなく、被告の現在の求人情報でも給与の最高額が3000万円となっている。よって、原告は管理監督者には該当しない。

被告の主張

ア:労働時間について

(ア)原告が時間外労働したとして主張する時間について、被告から原告に対する業務上の命令は全くなく、原告が単孔式の研究という私的な活動のため、所定勤務時間外に被告病院に滞在していたにすぎない。

(イ)被告における勤務時間の記録は、静脈認証により行われていた。静脈未承認記載簿は、静脈承認を行うことができない極めて例外的な場合にのみ活用することとされており、原告は、正規の手続きを踏むことなく静脈未承認記載簿に出勤・退勤を記録していたにすぎない。

(ウ)被告病院における診療開始時刻は午前9時とされており、原告を含む勤務医の始業時間が午前8時30分とされているのは、診療開始時刻の30分前に被告病院に出勤し、診療の準備を行うためであった。午前8時30分から午前9時の間の30分間は、診療開始のための手待ち時間にすぎず、当該30分およびそれ以前の時間について、被告による業務上の指示はない。なお、被告病院には、医師のための仮眠室と休憩室があり、手待ち時間・休憩時間においては、勤務医は仮眠室・休憩室などを自由に広く利用していた。

(エ)原告が通常の業務において使用する可能性のあるパソコンは複数あり、それらパソコンを他の医師が使用することは頻繁にあり、特に当直勤務の担当者が使用する頻度は極めて高かった。
 よって、原告が通常の業務において使用する可能性のある被告のパソコンから、原告の IDおよびパスワードにて、患者別の電子カルテにアクセスがなされた際のログイン・ログアウトの履歴であるログイン・ログアウト記録における日時の記載をもって、原告の時間外労働時間を立証することはできない。

イ:時間外割増賃金が本給・諸手当・賞与に含まれるかについて

(ア)本件時間外規程に、時間外手当の対象となる業務は原則として、病院収入に直接貢献するか、必要不可欠な緊急業務に限られ、時間外手当の対象となる時間は、午後9時から翌日午前8時30分までと規定されており、それを前提に雇用契約を締結した。
 原告の基本給は月額 120万 1000円であり、これに加え、当直手当として当直1回につき3万円が支払われ、本給月額の3カ月分相当額を賞与として支払われる見込みであったことを鑑みると、被告における原告の給与は、極めて高額であったといえる。
 被告は、原告の勤務時間を厳格には管理しておらず、原告は自らの判断で診療を行い、業務上の必要性がある場合を除き、被告はこれに対し何らの制約も加えていなかった。 被告が運営するような民間病院では、一般的に専門家たる医師に対し、所定時間外労働に対する対価も含めたものとして極めて高額の報酬を支払っており、別途時間外手当名目での支払がないのが一般的である。
 これらの事実からすれば、原告被告間において、本件時間外規程に定める条件に該当しない時間外割増賃金は存しないとの合意があり、仮に原告が所定時間外に労働をしていたとしても、その対価は原告の給与に含まれていたというべきである。

(イ)また被告は、原告を含む常勤医師のみに対し、役付手当・職務手当・調整手当を支給しているところ、常勤医師の労働時間の管理が極めて困難であることからすれば、これら手当は、本件時間外規程において時間外手当の対象となる勤務日の午後9時から翌日の午前8時30分までの間および休日を除く時間外労働に対する対価というべきであり、いわば定額の時間外労働手当であるから、原告において、時間外割増賃金は存しない。

ウ:管理監督者該当性について

(ア)原告は、極めて高度な専門知識を有し、看護師をはじめとする医療従事者を管理監督する指導医的立場の医師であり、消化器外科の職員に対し、指導・監督する広範な権限があった。

(イ)被告における原告の所定労働時間は、午前8時30分から午後5時30分までであるが、所定勤務時間内であっても、業務上の必要性がない限り、原告には出退勤の自由がある程度認められていた。

(ウ)また、原告は、被告から基本給だけでも月額 120万1000円(2012年4月のみ 120万9000円)および当直手当として当直1回につき3万円が支払われることに加え、年間258万円の賞与が支払われることが見込まれており、その合計は年間1699万2000円となる。
 この点、42歳である原告と同年代の男性の平均年収は、賃金センサスによると 549万9400円であり、日本医師会の資料によると、常用労働者1000人以上の規模の企業で働く医師の平均年収は、814万9000円であることからすれば、被告における原告の待遇は、管理監督者としてふさわしいものである。

(エ)これらの事情からすれば、原告は、労働基準法41条2号の定める管理監督者に該当し、被告は、時間外手当の支払義務を負わない。

エ:一部弁済

 被告が、原告に対し、本件時間外規程の定める要件を満たす時間外勤務を行った者として、時間外労働手当を支払ったのは、2012年6月10日付けの7時間30分、同年6月16日付けの 3時間30分、同年7月9日付けの5時間(うち30分は深夜手当も支払われている)、同年7月、15日付けの11時間30分(うち7時間は深夜手当も支払われている)の時間外勤務である。被告は、原告に対し、2012年7月31日付けで3万9651円、同年8月31日付けで11万5649円の時間外労働手当を支払っており、その合計額は15万5300円である。
 また、同年5月31日付けで15万円、同年6月30日付けで6万円、同年7月31日付けで6万円、同年8月31日付けで6万円、同年9月28日付けで9万円の当直手当を支払っている。 よって、原告の時間外労働手当の請求の一部が認められるとしても、上記金額の合計である 57万5300円については支払い済みである。



https://www.m3.com/news/iryoishin/596735
シリーズ  いよいよ開始!新専門医制度の一期生調査
「カリキュラム制も柔軟に」「ダブルボードも」◆Vol.7
「改善すべき点はない」は1.1%にとどまる

医師調査 2018年5月6日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 新専門医制度は、2018年度は初年度だったこともあり、試行錯誤が続き、結局、開始が1年遅れた。制度を設計する立場ではなく、当事者である本制度一期生に改善点を複数選択で尋ねたところ、最も多かったのは、「研修プログラム制と研修カリキュラム制を柔軟に選べるようにする」(58.3%)、次が「ダブルボード(複数専門医取得)を容易にする」(51.8%)でいずれも5割を超えた。

 新専門医制度では、あらかじめ研修する基幹施設を定め、所定のスケジュールにしたがって研修する「プログラム制」が基本。症例数やレポート提出などの結果のみではなく、研修プロセスの管理を通じて、専門研修の質向上を図るのが狙いだ。しかし、複数の施設をローテーションしたり、出産・育児をはじめ、さまざまな事情で研修施設を変更したい場合には対応しにくい。新制度でも、地域医療従事者や女性医師等への配慮からカリキュラム制も可能だが、より柔軟に選択できるように望む声が多かった。また19の基本領域のいずれかを登録する仕組みであり、複数の専門医資格を取得するダブルボードは可能だが、時点ではそのハードルは高い。

 3位は、「サブスペシャルティとの相互乗り入れプログラムの充実」(43.8%)。内科と外科については、サブスペシャルティが決まっており、相互乗り入れのプログラムが用意されているが、それ以外では、基本領域とサブスペシャルティの関係は未定だ。

 その他、さまざまな改善点が挙がり、「改善すべき点はない」は1.1%にとどまった。

Q1.新専門医制度の改善点は何か(n=276、複数回答)
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【調査概要】
・調査対象:m3.com医師会員:296人
・回答者プロフィール
 性別:男217人、女性79人
 年代:卒後2年目
 2018年4月からの新専門医制度に基づく研修:開始276人、開始せず20人
  (開始276人の勤務先:大学病院本院82人、大学病院分院12人、市中病院177人、その他5人)
・調査時期:2018年2月16日~3月11日



https://www.m3.com/news/iryoishin/598422
シリーズ  未来の医師たちへ―医師のリアルと2035年の医療
医師の収入「1200万-1599万円」で3割強◆Vol.14
男性の最多は「1400万-1599万円」、女性は「1200万-1399万円」

スペシャル企画 2018年5月6日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 現在の年収はどのくらいでしょうか。
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 本調査の対象医師(平均年齢41.9歳)では「1200万-1399万円」「1400万-1599万円」がそれぞれ16.4%で、最多だった。
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 男女別に見ると、男性の最多は「1400万-1599万円」、女性は「1200万-1399万円」だった。この金額を境に、1399万円以下は女性、1400万円以上は男性が、それぞれ占める割合が高くなっていた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/598912
シリーズ  島田悠一の「米国流、医師の“育て方”、“鍛え方”」
米国研修医の働き方改革、「振り子の揺り戻し」の段階へ
「1年目研修医の16時間連続勤務時間制限」は廃止

2018年4月30日 (月)配信島田悠一(コロンビア大学病院循環器内科指導医)

 m3.com会員の皆様、はじめまして。現在ニューヨークのコロンビア大学病院で循環器内科指導医をしております島田悠一と申します。内科レジデント(初期研修医)として2008年に渡米して以来、チーフレジデント、循環器内科フェロー(専門研修医)、そして指導医として米国のいろいろな病院のさまざまな立場の医師の働き方を実際に体験してきました。日本ではこの4月から新専門医制度が始まり、臨床研修や医師の働き方の改革も進むなど、医師養成の在り方が注目されていると伺っております。米国の最新事情をご紹介することで、日本における現状と将来像を考える一助になれば幸いです。

 今回は米国における初期(3~7年)と専門(1~3年)の研修医(以下、「研修医」)の働き方を実例を交えながら紹介していきます。


(提供:島田氏) 米国における勤務時間・受け持ち患者数制限 (図—略)

 米国では、医学部(メディカルスクール4年)卒業後、初期研修(希望者は専門研修も)を行います。初期研修は内科・外科・産婦人科・小児科などの領域ごとにマッチングが行われ、日本の基本領域の専門医研修に相当するものと考えられます(2017年6月現在、28領域)。

 米国の研修医の勤務時間は1981年に設立されたACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education、卒後医学教育認定評議会)という民間の非営利団体によって細かく規定されています。最初に確立された規則は週当たりの勤務時間の上限で、例えば内科では4週間の平均で週80時間に制限されています。さらに厳しい週70時間や60時間制限が課されている科(産婦人科、救急救命科など)もあります。

 この他にも、連続勤務時間は引き継ぎのための4時間を含めて、連続28時間(1年目研修医は16時間)以内にしなければいけない、シフトとシフトの間には必ず8時間以上の休みがなければいけない、週1回24時間以上の休みがなければいけない、などの決まりがあります。ちなみに、この場合の「休み」というのは原則的に病院に呼び出される可能性がない時間で、たとえ受け持ち患者さんが急変したり亡くなったりしても連絡が入らないことがほとんどです。

 勤務時間のみならず受け持ち患者数にも上限が設けられており、例えば1年目研修医は受け持ち入院患者数10人まで、新規入院1日5件と転科2件まで、というように細かく規定されています。さらに、米国では指導医の監督の下に卒後1年目から継続して外来を担当するのですが、外来で診る人数は午前と午後、それぞれ6人までと決められています。初診は60分、再診は30分と、かなりじっくり診療できる時間が割り当てられています。

 ACGMEによる調査の実態と罰則規定

 それでは、研修プログラムは本当にこのような規則を遵守しているのでしょうか。ACGMEは研修プログラムの評価・認定機関でもあるので、規則に違反したことが明らかになった場合には、さまざまな罰則を科すことができます。まずは警告、改善が見られなければ新たな研修医の募集停止、最悪の場合では認定の取り消しに至ることもあります。ACGMEの査察は抜き打ちで行われ、直接研修医と面接したりアンケート調査をしたりします。

 さらに夜勤の研修医から聞き取りを行うために夜間にも査察が行われ、オンラインでACGMEに匿名で違反を知らせることもできます。このように違反があるとすぐに分かる仕組みができています。このためか、ほとんどの研修プログラムでは規則違反にならないように勤務スケジュールを組み、もし違反が起こりそうな状況になったらすぐに介入するなど、規則遵守の姿勢を鮮明に打ち出しています。

 勤務時間制限の緩和への動き

 このように、米国の初期・専門研修にはACGMEによるさまざまな規則があり、違反すると厳しい罰則があるため、かなり厳密にこれらの規則が適用されている印象を受けます。しかしながら、このような勤務時間や受け持ち患者数制限による弊害も指摘されており、これらの規則がない時代に研修をした世代からは「最近の研修医は守られすぎている」とか、「これでは必要な経験が十分に積めないのではないか」といった意見も聞かれます。

 実際、時間制限とこれを緩和した時間制限を比較したランダム化比較試験(4330人の外科研修医が参加、14万件の手術を解析)では、勤務時間制限を緩和しても死亡と重度合併症に関して非劣勢であるとの報告がなされました。この研究における研修医アンケートでは、時間制限が緩和された群の方が患者の安全性、ケアの継続性、プロ意識の形成、教育への満足度といった項目の印象が良い一方で、手術中や急変時に引き継ぎを行う頻度が減ったという結果が出ています(NEJM.2016 Feb;374(8):713-727)。これを考慮してか、前述の「1年目研修医の16時間連続勤務時間制限」は2017年に廃止され、2年目以降と同様に28時間を上限とする連続勤務が可能になりました。

 勤務時間や受け持ち患者数が多すぎることの弊害が問題となった1984年のリビー・ジオン事件以来、米国医学界は研修医を保護する方向に規制を強化し続けてきましたが、最近になっていわば「振り子の揺り戻し」とも言えるような規制緩和への動きが始まっています。米国が30年以上にわたる試行錯誤の過程で培ってきた知見が、少しでも日本の医師の働き方改革の役に立つことを願っています。

 次回は研修医教育の質がどのように確保されているかについて紹介する予定です。



https://www.m3.com/news/general/600901
消滅予想都市、人口減加速…8割の713自治体
2018年5月4日 (金) 読売新聞

 民間の有識者らでつくる日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)が2014年5月、「40年に消滅する可能性がある」(消滅可能性都市)と指摘した全国896市区町村のうち、約8割の自治体で人口減がより加速することが読売新聞社の分析でわかった。

 想定以上の速さで行政サービスなどの維持が困難な自治体が現れる可能性が高まっており、政府などによる抜本的な対策が求められる。

 創成会議は、国立社会保障・人口問題研究所が13年に公表した地域別将来推計人口のデータを基に、消滅可能性都市という考えを提唱した。今回は、それから5年後の18年に新たに公表された同推計人口を基に、40年時点の消滅可能性都市の人口の変化を比較した。

 この結果、北海道や東北・九州地方など過疎地域の713自治体で、40年時点の人口が減少していた。東京など3大都市圏を中心に181自治体では逆に増加した。減少した自治体の平均減少率は11・3%で、最も大きかったのは奈良県上北山村の48・9%、市では北海道歌志内市の32・9%で529人減少した。

https://ganbarustars.info/nandemo/archives/196#4
日本創生会議 消滅可能性都市一覧(2010〜2040年の若年女性減少率)



https://www.m3.com/news/general/600712
(司法解剖) 現場の自助努力に限界 人、予算不足「時間ない」
2018年5月2日 (水)配信共同通信社

 「解剖だけで精いっぱい」「時間がない」。司法解剖を担う法医学の現場からは、慢性的な人材不足で鑑定書作成に手が回らない窮状を訴える声が上がる。専門職員を雇ったり、解剖所見を音声入力できる装置を導入したりする「自助努力」での改善の動きはあるが、予算による限界も。関係者は、国による体制整備の必要性を強調する。

 「脳の腫脹(しゅちょう)を認めない」「表皮剥脱あり」。解剖医は一般的に所見を声に出して録音。後で起こして薬毒物や血液の検査結果も加味し、数カ月かけて鑑定書を仕上げる。

 法医学の関係者によると、解剖を担う医師は全国で150人程度で、県に1人という地域も多い。「深夜までかけて何とか解剖をこなしている上、授業などもある」(秋田大)、「事件性がありそうなケースは鑑定書を作る。全件作成が基本だが、時間がない」(宮崎大)。担当者は切実な状況を明かす。

 鑑定書をほぼ100%作成する千葉大では、書記などの専門職員7人を雇い、解剖医は最終確認するだけにしている。国や大学から出る人件費はわずかで、解剖に伴う収入で賄う。岩瀬博太郎(いわせ・ひろたろう)教授は「十分な体制がないと全数作成は厳しい」と指摘。自腹で職員を雇う教授もいるという。

 長崎大は音声認識技術開発会社「アドバンスト・メディア」(東京)と共同で、解剖医が身に着けたマイクに所見を話すと文字入力されるソフトを開発し、運用。同社によると、和歌山県立医大など11大学も導入する。長崎大の池松和哉(いけまつ・かずや)教授は「負担は減ったが、適正と思う件数の3倍近い解剖をこなしている」と話し、国が抜本的対策を打ち出すよう求めている。



https://www.m3.com/news/general/600711
(司法解剖)  鑑定書、年間千件未作成か 司法解剖、全国の委託先 法医学、人材不足が背景
2018年5月2日 (水) 共同通信社

 犯罪死が疑われる場合に行う司法解剖が2015年と16年、全国で計1万6750件実施された一方、捜査当局の委託を受けた大学などの解剖医による当局への鑑定書提出件数は両年度で計1万3530件だったことが2日、警察庁の開示資料などで分かった。統計が暦年と年度で単純比較はできないが、3千件以上の違いがあり、年間、千件単位で鑑定書が未作成だった可能性がある。

 複数の大学は背景として法医学分野の人材不足を挙げる。作成は法律で義務付けられていないが、専門家は「鑑定書がなければ解剖医の死亡などで過去の事例が検証できず、犯罪を見逃す恐れがある。早急に改善すべきだ」と指摘する。

 開示された、鑑定書提出に伴う謝金支払い件数の資料などによると、岡山県は15、16年の司法解剖が計270件だったのに対し、支払いは16年度の1件。愛媛、福井、香川、秋田、宮崎各県も解剖数に対する支払いが1割を切り、352~126件少なかった。

 鑑定書には死因や死亡推定時刻、外傷の部位が写真入りで記載される。ある検察幹部は「容疑者の供述の合理性も推定でき、起訴時や公判の重要な資料になる」と話す。

 大学の解剖医らによると、一般的に作成には数カ月かかる。作成しないのは事故死や孤独死など事件性がない場合が多いが、事件性があっても結果を口頭や簡易なメモで伝えることもある。岡山大は「解剖を相当数こなし、教員の職務もおろそかにできない。鑑定書作成の時間まで取れない」としている。

 警察庁によると1998年以降、検視や解剖などで事件性なしとされた遺体が後に犯罪死と判明したのは54件。同庁は「早期に提出を受けるよう指導している」という。

 内閣府の死因究明等推進計画検討会元専門委員の福武公子(ふくたけ・きみこ)弁護士は「大学にポストがなく、法医学分野は人材が集まりにくい。政府が死因究明の専門機関をつくるべきだ」と話している。

 ※司法解剖

 警察に届け出があった遺体のうち、事件性が高い場合に裁判所の令状に基づいて行われる。捜査当局が委託し、大半は法医学講座がある大学が担う。解剖所見をまとめた鑑定書は、捜査や刑事裁判で重視されることが多い。警察庁によると、近年は年間8千件以上が対象となり、2017年は8157件。10年前に比べ2千件以上増えている。


  1. 2018/05/06(日) 11:18:17|
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