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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月1日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/594833
全日病の総合医育成事業、定員40人に対し、既に半数の応募
第6回臨時総会で説明、30代~70代と年齢層は幅広く
 
2018年3月31日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 全日本病院協会常任理事の井上健一郎氏は3月31日の第6回臨時総会で、2018年7月から全日病が開始する総合医育成事業に対し、現時点で既に40人の定員の約半数の応募があると説明した。年齢は40、50代が中心だが、30代から70代にわたる。病院院長も少なくないという。募集期間は3月1日から5月31日まで。研修開始は7月14日から。

 総合医育成事業は、外国人技能実習生の受け入れ事業、介護医療院協議会の組織と並んで、全日病が2018年度から開始する三大新規事業の一つ。高齢患者が増加する中、幅広い診療能力を持つ医師が病院においても求められる。2018年度からスタートする新専門医制度により、総合診療専門医の養成が始まるが、病院の現場に行き渡るまでには時間を要する状況であるため、本事業が発足した。新たなキャリア形成を指向する医師を支援する狙いもある。井上氏は、「キャリアチェンジ、あるいはキャリアアップのために、ぜひ本研修プログラムを活用してもらいたい」と求めた。

 総合医育成事業は、全日病が、日本プライマリ・ケア連合学会および筑波大学の協力を得て取り組む。おおむね医師経験6年以上の医師が対象。定員は40人、2年目からは50人を予定。研修期間は2年間が推奨されるが、職場や個人の状況により、1年間から5年間での修了を求める。受講料は、全日病の会員が40万円(税別)、会員外が50万円(税別)。

 研修プログラムは、自院における診療実践、e-learning(プライマリ・ケア実践に役立つレクチャーをオンデマンドで配信)、スクリーニングで構成。スクリーニングは、(1)診療実践コース(全22単位)、(2)ノンテクニカルスキルコース(全10単位)、(3)医療経営コース(全2単位)――から成る。総合的な診療を実践していることに関する修了レポート提出、e-learningを4回以上視聴、スクリーニングを所定回数以上履修(診療実践コース12単位以上、ノンテクニカルスキルコース6単位以上、医療経営コース2単位以上、合計20単位以上)により、認定証を交付する(資料は、全日病のホームページ)。



https://www.m3.com/news/general/594821
県立中央病院:HCU運用めど立つ 看護師採用増で来年度から 開始時期は未定 /香川 
地域 2018年4月1日 (日)配信毎日新聞社

 2014年3月の県立中央病院の移転・開院時、病院機能拡大の目玉の一つとされながら、看護師不足のために一度も使われていなかった高度治療室(HCU)が新年度から運用される見通しとなった。看護師採用試験を改革したところ、志願者が増えて4月採用者も増加することになり、運用のめどが立ったという。【植松晃一】

 2月定例県議会で、松本祐蔵・県病院事業管理者が答えた。県の県立病院課によると、看護師不足が深刻な県立中央病院では、患者2人に看護師1人を配置する集中治療室(ICU)が10床整備されたが、運用は8床のみ。このため、患者4人に看護師1人と一般病棟(患者7人に看護師1人)より多くの看護師配置が必要なHCUは移転時に整備されたが、運用できない状態が続いている。

 県は今年度、県立3病院の看護師採用試験で志願者の負担となっていた専門知識を問う学科試験を廃止し、看護師への思いなど人間性を問う小論文に代えた。看護師として必要な知識は国家試験でも問うため、重複を避けた形だ。

 この結果、昨年度は計75人が志願して計56人が合格したのに対し、今年度は計130人が志願し、計80人が合格した。このうち、昨年4月(51人)を上回る74人を採用する予定で、運用開始の方針を固めた。

 ただ、12床あるHCU全てを運用するには、二十数人の看護師が必要なため、一部にとどめるほか、運用開始の時期も新採用の看護師の習熟状況などを見極めながら決める。

 HCUは、容体急変の恐れもある患者を24時間態勢で集中的管理するICUより軽症の患者を収容する施設。ICUの患者を一般病棟へ移す前に収容するケースを想定するが、運用できない県立中央病院では、ICUが混雑する状況となっているという。

 県立病院課は「ICUが満床で重い症状の患者を受け入れられないこともあったが、HCUを運用すれば、そういう事態を減らせるのではないか」と期待している。



https://www.m3.com/news/general/594834
徳島市民病院:医療機器を再使用 17年度175件 使い捨てを滅菌 /徳島 
地域 2018年4月1日 (日)配信毎日新聞社

 徳島市民病院(同市北常三島町2)が2017年度、使用後の廃棄が定められている医療機器を、約175件の手術で再使用していたことがわかった。9月に厚生労働省が通知するまでに複数の医師が行っていた。健康被害は確認されていない。

 同病院によると、再使用されたのは骨を切断する「ブレード」と、骨に穴を開ける「ドリルバー」。17年4~8月に整形外科約170件、脳神経外科5件の手術で再使用された。16年度以前は「調査対象ではない」として明らかにしていない。

 昨年9月に県外の病院で再使用が明らかになった後、同病院でも同じ問題の存在が浮上したという。手術の際は多数の機器をそろえるが実際に使用するのは数本で、残りは廃棄する必要がある。同病院では、封を開けただけのものやほとんど使っていないものを含め、全ての廃棄は非効率と考えた医師が、安全のため専用装置で洗浄、滅菌した上で使っていた。

 三宅秀則院長は「国の通知は以前から周知してきたが、十分に行き届いていなかった。再発防止を徹底する」との談話を出した。

 同病院の問題発覚以前も、厚労省からは04年以降、使い捨て機器の再使用を禁止する通知が出ていた。同病院は通知の度に院内へ文書で通知し、専用サイトや会議の議題でも取り上げてきたものの防げなかった。

 県外では17年8~9月、兵庫医大病院や大阪市立大病院で同様の問題が発覚した。【大坂和也】



https://www.m3.com/news/general/594716
福島、内科医院が破産、負債総額約1億6000万円 
2018年3月30日 (金)配信東京商工リサーチ

 医療法人相﨑医院(郡山市笹川2、設立1989年8月、理事長:相﨑雄二氏)は3月22日、福島地裁郡山支部へ破産を申請した。申請代理人は隈部泰正弁護士ほか1名(はる総合法律事務所)。負債総額は約1億6000万円。

 1968年に創業し、JR安積永盛駅近くで「相﨑医院」を運営していた。内科を中心とした診療所として地域住民に定着し、1992年7月期にはピークとなる売上高約1億6200万円を計上していた。

 2007年には「ささがわ居宅介護支援事業所」を開設し、介護事業にも進出したが、患者数の減少などから近年の年間売上高は1億円を下回り、赤字経営が続いていた。2017年19月までに相﨑雄二理事長が死去し、理事の相﨑一雄氏が引き継いで事業を継続していたが、資金面の悪化で先行きの見通しも立たず、今回の措置となった。



https://www.m3.com/news/general/594817
日本海ヘルスケアネット:設立へ 医師など3師会参加 /山形 
地域 2018年3月31日 (土)配信毎日新聞社

 医療や介護、福祉などのサービスを将来にわたり地域内で安定的に切れ目なく提供できるシステムの構築を目指す地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」の設立が、このほど県庁で開催された県医療審議会で適当と判断された。4月初旬にも吉村美栄子知事から認定される見通し。

 認定されれば、愛知、広島、鹿児島、兵庫県の法人に次いで5番目の組織になるが、地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会がそろって入るのは全国で初めてで、精神科の専門病院が加わるのも前例がないという。設立に向け中心となって取り組んできた県・酒田市病院機構の栗谷義樹理事長は「社会保障制度が厳しさを増す中、各サービスを継続して提供するための“足腰”を整備するスタートラインに立てる」と意義を話す。

 同ネットは、日本海総合病院(酒田市)を運営する同機構、酒田地区医師会、同歯科医師会、同薬剤師会など庄内北部地域の関係9法人で構成。参加各法人の個性や特徴を生かして役割を分担し、急速に進む少子高齢化、過疎化に対応した高い品質の医療サービスなどを住民が住み慣れた地域の中で安定的、効率的に提供することを目指す。医療連携推進区域は、将来の人口減などを考慮して庄内全域とした。

 医療法の一部改正に伴って創設された地域連携医療法人制度を活用して計画を進め、今年1月に設立総会を開催。県に認定を申請していた。

 栗谷理事長は先駆的な法人が設立される背景として、県立日本海病院と酒田市立酒田病院の統合(2008年)とその後の運営が順調で、設立の下慣らしができていることを挙げた。

 医師会など地元3師会がそろって参加したことについては「地域連携を進めるために3師会は必ず必要な役者」との認識を示し、理念を共有できたことから実現したと説明。精神科専門病院の参加を求めたのは「これから爆発的に増える認知症患者をどうマネジメントするか考えた場合、欠くべからざるものと当初から思っていた」と語った。【高橋不二彦】



https://www.m3.com/news/general/594810
【大阪】子ども心臓手術、器具使い回しか…3年100件 
2018年3月31日 (土)配信読売新聞

 大阪府立病院機構は30日、運営する大阪母子医療センター(和泉市)で2015年1月以降、幼い子どもの心臓手術計100件で、再使用が禁じられている医療器具を使い回していた疑いがあると発表した。

 今のところ、健康被害の報告はないという。

 発表によると、再使用していた医療器具は、脳動脈瘤りゅう手術用のクリップ。子どもの細い血管を挟むのに便利なため、子どもの心臓手術でこのクリップを使うことは同センターの倫理委員会が認めている。

 ただ、感染の恐れがあることなどから、メーカーは再使用を禁止している。

 同センターの心臓血管外科では、6、7歳ぐらいの子どもに行った心臓手術で、滅菌処理しながら再使用していたという。大人の心臓手術で血を止める際に使う器具は再使用可能なため、同科の医師や看護師が「クリップも再使用できる」と誤って認識していたという。



https://www.m3.com/news/general/594508
医療事故4千件、最多更新 17年、評価機構への報告 
2018年3月31日 (土)配信共同通信社

 日本医療機能評価機構(東京)は29日、2017年に全国の医療機関から報告があった医療事故は前年比213件増の4095件で、年単位の集計を始めた05年以降、最多を更新したと発表した。

 事故情報の収集事業に参加している1049の医療機関のうち、375施設から報告があった。機構は「事故が起きたら報告するという流れが定着しつつある」としている。

 法令に基づき報告を義務付けられた大学病院や国立病院機構の病院などからの報告が3598件と、9割近くを占めた。このうち死亡事例が261件(7・3%)、障害が残る可能性が高い事例は361件(10・0%)。ほとんどのケースで治療などを受けていた。

 内容別では、転倒や転落を含む「療養上の世話」が最多の1475件(41・0%)、治療や処置に関するものが960件(26・7%)だった。

 地域別での最多は関東甲信越の1111件。他に中国四国607件、東海北陸599件、九州が508件、近畿451件、東北223件、北海道99件となっている。

 機構は、医療行為に関連して患者が死亡したり、当初予期された水準を上回る処置が必要になったりしたケースを医療事故として情報収集。年間の報告件数をまとめている。



https://www.m3.com/news/general/594835
くらて病院:内科「常勤医3人」体制へ 外来診療は8割カバー /福岡 
2018年4月1日 (日) 毎日新聞社

 鞍手町の地方独立行政法人「くらて病院」の河野公俊理事長(68)は、内科常勤医6人の退職後の4月からの診療体制について報道各社の取材に応じた。新病院長には田中宏明整形外科診療部長(62)が就き、内科の外来診療は従来の約8割はカバーできるという。

 河野理事長は「この地域にとって重要な病院なので、なんとか再生、再建できるよう頑張りたい」と話した。

 内科の新体制は、河野理事長が常勤内科医として診療にあたる他、老健施設の内科医(58)が病院常勤医を兼務する。また、透析は、担当医と九州大からの非常勤医派遣で週6日できるようになり、実質「常勤医3人」体制となる。その他、九州大や久留米大から非常勤医を派遣してもらうことで、診療枠(1枠4時間)39のうち32をカバーできる体制が整った。

 一方、1日平均約50人いた内科系入院患者は、今月末までに全員が退院、転院している。4月以降の受け入れは「分からないが、見られる範囲で見たい」としている。救急患者は、4月中は受け入れを辞退し、5月以降は新体制での運営を見て判断するという。

 また、病院の新築、移転について、4月に第三者委員会を発足させたいとしている。【武内靖広】

〔筑豊版〕



https://www.m3.com/news/general/594668
後発薬の使用8割を目標 2018~23年度医療費適正化計画 
2018年3月31日 (土) 高知新聞

 高知県は3月29日、生活習慣病対策などの数値目標を盛り込んだ「第3期医療費適正化計画」(2018~23年度)を策定した。後発医薬品の使用割合80%以上などを掲げており、目標を達成すれば県民医療費を約29億円抑制できると見込んだ。

 08~12年度、13~17年度に続く今回の計画では、県民医療費(15年度)が3233億円で、1人当たりでは全国1位の44万4千円などと説明。平均在院日数は全国2位の41・8日(15年)で、医療費のうち75歳以上の後期高齢者医療費の割合が高いなどの高知県の特徴を挙げた。

 23年度の目標には、後発医薬品の使用割合80%(15年度=54・3%)のほか、特定健診実施率70%(同46・6%)▽特定保健指導実施率45%(同14・6%)▽メタボリック症候群の該当者・予備軍を08年度比25%以上減―の4項目を掲げた。

 目標を達成すれば、23年度の県民医療費は約3508億円。施策を講じなかった場合は約3537億円だという。



https://www.m3.com/news/general/594651
後発薬シェア、20%へ加速 日医工・田村社長が意欲 エーザイと提携 
地域 2018年3月31日 (土) 北國新聞

 ジェネリック医薬品(後発薬)最大手の日医工(富山市)の田村友一社長=写真左=は29日、都内のホテルで会見し、新薬メーカーのエーザイ(東京)と資本・業務提携に関する戦略提携契約を締結したことを受け、後発薬の国内シェア20%に向けた動きを加速させる考えを示した。2021年3月期の達成を目標に掲げているが、田村社長は会見後、記者団に「1年ぐらい前倒しできればいい」と語った。

 田村社長とエーザイの内藤晴夫代表執行役最高経営責任者(CEO)が会見した。

 提携では日医工がエーザイ子会社で後発薬を手掛けるエルメッドエーザイ(東京)を約170億円で買収し、完全子会社化する。これについて田村社長は「規模の拡大でコスト競争力が高まる。シェア20%へのアプローチがスピードアップできる」と強調した。

 エーザイのインド工場で原薬(API)の共同開発、調達を進めることに関しては「安価で良質なAPIの調達が可能となり、収益に大きく影響する」と期待を寄せた。地域医療など新たな市場の開拓を強める方針も示した。

 日医工は1千品を超える製品をエーザイに提供する予定で、エーザイは新薬と後発薬を組み合わせて医療機関などに提案したい考えだ。内藤氏は「日医工の豊富な品ぞろえを活用したい」と力を込めた。田村社長については「経営者としてリスクを取りながら、果敢に新しい事業にチャレンジしている」と評価した。



https://www.m3.com/news/general/594405
県立病院機構:理事長に康井氏 知事が任命へ /神奈川 
2018年3月29日 (木) 毎日新聞社

 黒岩祐治知事は28日、空席となっている地方独立行政法人県立病院機構の理事長に、康井制洋副理事長を任命すると発表した。同機構を巡っては運営する県立がんセンター(横浜市旭区)で医師が相次いで退職の意向を示すなどの混乱の末、理事長の解任に至っていた。知事は「要職を長年務め現場を熟知し課題にも対応できる」と理由を述べた。当初は固辞されたが承諾を取り付けたという。

 知事は外部人材も模索したが、年度末のため確保が難しかった。康井氏は県立こども医療センター総長などを歴任。先月、土屋了介前理事長の解任を求める緊急声明を他幹部らと知事に共同提出していた。康井氏は県との連携を強化する方針で、県が推薦した県下水道公社理事長の藤井良一氏を副理事長に起用する。

 また県は放射線治療科の医師の確保について、4月以降は群馬大や横浜市立大などの医師を加え12人の体制を確保した。知事は「安堵(あんど)しているが人材育成を安定的継続的に行う仕組み作りが重要」と横浜市大や医療機関との連携に意欲を見せた。【堀和彦】



https://www.m3.com/news/general/594379
魚沼基幹病院の新運営計画決まる 全面稼働は2021~22年度 
2018年3月29日 (木) 新潟日報

 魚沼基幹病院(南魚沼市)を運営する県地域医療推進機構は28日、新潟市中央区で理事会を開き、全面稼働の時期を2021~22年度に先送りし、単年度決算は20年度から黒字化を見込むとする新たな運営計画を決定した。17年度決算は4億7900万円の赤字になる見通しも明らかにした。

 公設民営方式の魚沼基幹病院は15年6月に県が設置し、9病棟454床を備える。当初計画では開院3年目の17年度に全面稼働、18年度に単年度黒字化を達成するとしていた。

 しかし、看護職員の不足により、これまで稼働したのは最大328床。17年度は308床にとどまる。

 病床の稼働が進まないことで入院診療収入など事業収益も計画を下回り、15年度決算では12億1800万円、16年度は7億6200万円と2年連続で純損失を計上。17年度の損失見込みを含め、累積赤字は24億5900万円に膨らむ見通しだ。累積赤字が30億4700万円を上回ると、県地域医療推進機構は債務超過に陥る。

 新計画では、全面稼働に必要な看護職員を17年度より99人増の423人と設定。今後の採用目標を毎年50人程度とし、半数は経験者としたい考えで、早ければ21年度内に確保する。

 収支見通しでは、19年度まで赤字が続き、累積赤字は最大で29億4400万円に達する。看護職員が391~411人となる20年度に最大425床が稼働することで、2300万~3億7100万円の黒字に転じると試算した。

 魚沼基幹病院の内山聖・病院長は理事会後の取材に、全面稼働が遅れることについて「現実的な計画に見直した」と説明。看護職員の確保と収支改善に向け「計画の通りに1年1年数字を積み上げられるよう、現場で努力する決意だ」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/594161
ぐんま地域医療会議:初会合 医師偏在解消策 県が派遣を要請へ 各地域の実態調査 /群馬 
2018年3月28日 (水) 毎日新聞社

 県内の医師の偏在解消策などについて、県と群馬大、医師会などが話し合う「ぐんま地域医療会議」の初会合が26日、県庁で開かれた。これまで群馬大医学部が中心になって担っていた各医療機関への医師の配置について、県が各地域の患者数や医師数などを調査・分析し、必要な医師の派遣を要請する方式に改めることなどを確認した。2019年度の医師配置から導入する予定。

 県によると、県内の各医療圏の人口10万人あたりの医師数にはばらつきがあり、最多の前橋地域が443・3人に対し、最少の太田・館林地域は141・9人(厚生労働省調べ、16年12月末現在)。前橋地域を除く9地域で全国平均(240・1人)を下回り、偏在の解消が急務になっている。

 そのため、若手医師の適正配置に向け、県がまず県内130病院を調査し、各地域の医療ニーズや医師の勤務条件などの情報をまとめて18年秋までに群馬大に提供する。群馬大によると、若手医師にとって勤務先の環境や条件などを理解したうえで赴任できるメリットがあるという。群馬大医学部付属病院の田村遵一院長は「若手の育成が質量共に安定するのではないかと期待している」と述べた。

 同病院は、同じ男性医師の肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、17年度から「地域医療への貢献」を掲げ、三つの改革に着手した。その一つが「地域医療研究・教育センター」の設置で、医師配置の適正化に取り組むとしている。【鈴木敦子】



https://www.m3.com/news/general/594137
松阪市民病院在り方答申 2病院統合、選択肢に 三重 
2018年3月28日 (水) 伊勢新聞

【松阪】「地域医療構想をふまえた松阪市民病院の在り方検討委員会」(7人)の末永裕之委員長(全国自治体病院協議会参与)は27日、三重県の松阪市役所で竹上真人市長に答申した。市内の3基幹病院のうち2病院の統合を選択肢に挙げた。

ベッド数を減らす国の地域医療構想を受けて諮問され、昨年6月から5回審議した。

市内3病院は松阪中央総合病院(川井町、440床)▽済生会松阪総合病院(朝日町一区、430床)▽松阪市民病院(殿町、328床)。

答申では(1)3病院の連携強化による併存(2)3病院の統合(3)2病院の統合の3パターンを示し、(1)は「厳しい状況になる」、(2)は「困難」、(3)は「将来におけるこの地域の医療を守っていくために十分検討していくことに値する」「あまり時間をかけずに議論していく必要がある」とした。

ただ、「影響が大きく、一つの具体的な方向性を示すまでには至らなかった」「議論を深めていくことが重要であると考え、その中から一定の方向性が導き出されることを期待する」とした。

末永委員長は「3つの基幹病院はいかにも多すぎる。一番小さい市民病院と新しく病棟を建てる済生会病院の統合が一番現実的。議論のポイントが決まってきた。いたずらに時間をかけるのは得策ではない」と述べた。

竹上市長は「3病院でやっていくのは難しいだろうというのは確か。さらに議論を深める」と話した。



http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20180327/CK2018032702000030.html
診療科多く常勤医不足 静岡・湖西病院を経営診断 
2018年3月27日 (火) 中日新聞

 経営難が続く静岡県湖西市立湖西病院の経営診断を実施した全国自治体病院協議会が26日、同市古見の健康福祉センターで市側に診断結果を報告した。常勤医師不足や、病床規模に見合わない診療科数の多さなどを問題点として挙げ、休止中の病棟の再開か縮小かについても検討の必要を指摘した。

 年間10億円以上の市からの繰入金に頼り続ける病院経営を立て直そうと、市が同協議会に診断を委託していた。この日は同協議会経営調査課の和田光貴主任が市、病院幹部と市議らに報告した。

 同病院には現在、22の診療科があるが、常勤医師は16人のみ。非常勤医師を外部から招いており、診断の結果では、その報酬が経営を圧迫していると説明した。診療科数も、ほかの同規模の病院と比べて多く、経費が膨らんでいると示した。市民が病院に何を望んでいるか調査し、必要な診療科を検討するようアドバイスした。

 病床数は196床あるが、2015年から4病棟のうち2病棟が医師不足で休止しているため、103床のみ稼働している。病棟再開か縮小か、早めに方向性を決めて職員の配置などを考える必要があると指摘した。

 湖西病院は診断結果を受け、昨年3月に策定した改革プランの見直しを4月以降に進める。



https://www.m3.com/news/general/593633
増える訪問診療…在宅医の負担軽減を 福井県と東京大の共同研究 
2018年3月27日 (火) 中日新聞

 超高齢化社会を見据えて県と東京大が進めるジェロントロジー(総合長寿学)共同研究の中間報告会が22日、福井市宝永3丁目の県国際交流会館で開かれた。医療関係者を対象にした実態調査結果などが報告され、予想される訪問診療の需要増に備えて在宅医の負担を軽減する必要性を指摘する声が上がった。

 実態調査は09~15年の第1、2期に続く第3期の共同研究として実施。坂井、あわら両市の調査では、在宅医療を担う医師の8割以上が1人の慢性期患者を月1~2回訪問し、平均で移動と診療にそれぞれ15分程度かけていた。

 在宅対応をしていない医師も、不在時に受け入れてくれる病院や副主治医が確保できれば在宅対応を前向きに検討するとの回答が多く、皮膚科などの医師に在宅医療を分担してもらう視点が必要との声が紹介された。

 県長寿福祉課は、坂井、あわら両市でモデル的に構築した副主治医や後方支援の医療機関を決めて介護事業者などと連携する仕組みを県内全域に拡大したと報告。船木麻央課長は「医師の負担を軽くして労働の質を上げ、患者の生活の質を向上する施策を進めたい」と語った。

 介護が必要になる前の「フレイル」と呼ばれる心身の虚弱化を予防する取り組みも紹介され、東京大高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授は「福井のモデルを日本のモデルに」と呼び掛けた。



https://www.m3.com/news/general/593912
千葉市:病院局が改革案 「青葉」「海浜」黒字化目指す /千葉 
2018年3月27日 (火) 毎日新聞社

 経常赤字が続いている千葉市病院局は、市立の青葉病院(中央区)と海浜病院(美浜区)の健全経営確立を図るため、2018年度からの3カ年計画「市立病院改革プラン(第4期)」(案)を策定した。公立病院の機能見直しを求める総務省の「新公立病院改革ガイドライン」(15年3月)に沿ったもので20年度までの病院事業黒字化を目指す。4月2日までパブリックコメントを実施している。

 病院局は13年度以降、経常赤字が続いており、一般会計からの繰入金が14~16年度は毎年度40億円以上にのぼり、今年度は60億円を超える見込みだ。昨年度は初めて資金不足が発生した。今年度の経常赤字は56億4800万円を見込む。

 同局経営企画課によると、16年度の病床利用率は青葉病院が全国平均並みの76・6%に対し、海浜病院は62・7%。15年4~6月に心臓血管外科で手術を受けた患者8人が死亡した問題を受け、同科での患者受け入れを中止したことなどが影響しているとみられる。プラン案は病床利用率を20年度までに青葉病院で80・2%、海浜病院で69・4%に引き上げることを目標とし、海浜病院では小児科医、形成外科医、泌尿器科医の増員で小児医療や高齢者医療などを充実させるとしている。

 給与費削減のため、人員配置の見直しも盛り込まれた。定年退職に対する補充を行わないことで、海浜病院では19年度に看護師5人、医療技術員3人、20年度には医療技術員1人を削減する。業務見直しにより、時間外勤務手当も削減する。

 また、1984年開院の海浜病院は施設が老朽化しており、市は民間コンサルティング会社に委託し、市内の医療ニーズの把握や経営課題の整理を行い、統廃合も含めた病院のあり方について本格的な検討に入る。

 プラン案は市ホームページのほか、各区役所地域振興課や市図書館などで閲覧できる。意見は、経営企画課(千葉中央コミュニティーセンター)か各区役所地域振興課に持参するか、経営企画課にファクス(043・245・5257)、メール(kikaku.HO@city.chiba.lg.jp)。問い合わせは同課(043・245・5744)。【信田真由美】



https://www.m3.com/news/general/593652
 医師残業 福山市民病院に勧告 
2018年3月26日 (月) 中国新聞

 福山市民病院(福山市)が、勤務医6人に労使協定の上限を超える残業をさせたとして、福山労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが23日、分かった。医師不足で増員が困難な中、救急患者の受け入れなどで長時間労働を解消しにくいとしている。



https://www.m3.com/news/general/593380
長時間労働:勤務医に上限超える残業 広島市民病院に是正勧告 中央労基署 /広島 
2018年3月25日 (日) 毎日新聞社

 広島市民病院(中区)が勤務医38人に労使協定の上限である月80時間を超える残業をさせたとして昨年11月、広島中央労働基準監督署が病院を運営する市立病院機構(中区)に是正勧告を出したことが分かった。同病院が23日、明らかにした。

 同病院によると、広島労基署から昨年8月、同1~8月の勤務時間実績の提出を求められた。最も残業時間の多かった昨年4月は、管理職を除く常勤医270人のうち38人が労使協定で定められた月80時間(年6回まで)の上限を超える残業をしていたことが判明。38人の平均残業時間は月94時間で、うち8人は100時間を超え、最も多い医師は134時間だった。

 同病院は残業が多い理由に外来が1日平均1800人、入院も700以上ある病床がほぼ埋まっているなど患者数が多く、軽症から重症まで24時間体制で救急患者を受け入れていることなどを挙げる。勧告を受け、患者への説明を原則平日の日中に限るほか、時間差出勤などさらに負担軽減を図るとしている。【竹内麻子】



http://www.sakigake.jp/news/article/20180330AK0011/
社説:地方の医師不足 1県では解消策に限界 
2018年3月30日 秋田魁新聞

 「いま、岩手の、そして日本の地域医療は崩壊の危機にさらされています」。こんな内容の岩手県の意見広告が今月、週刊誌などに掲載された。医師不足と医師偏在の解消が急務とし、(仮称)の制定を提言している。

 医師不足は岩手にとどまらず地方共通の課題で、各県が懸命に医師確保に取り組んでいる。本県なら医学生向けの奨学金を設け、医師として県内に一定期間勤務することで返還を免除するといった対策を講じている。

 岩手県医療政策室は「医師不足に対応するのに、1県の取り組みでは限界がある。国と地方が協力し、国全体の問題として考える必要がある」と指摘する。同県が策定した基本法草案は、医師の計画的養成や偏りのない配置を実現するため、国や地方公共団体の責務を定めた。

 人口10万人当たりの医師数(2016年)を見ると、岩手県は207・5人で全国平均251・7人を大きく下回る。特に東日本大震災で被災した沿岸部で医師不足が深刻という。医師数は1位の京都府が334・9人、2位徳島県が333・3人など西高東低で、都道府県間で大きな差が生じている。

 本県は236・0人で岩手より多いが、全国平均には届かない。さらに、県内八つの2次医療圏(主に郡市単位)別に見ると、秋田周辺が311・2人と突出する一方、北秋田は106・0人、湯沢雄勝124・9人、大館鹿角156・5人と地域による偏りが大きい。医師不足には、県全体の医師の不足と、県内地域間の偏り(偏在)という二つの問題がある。

 新卒医師が幅広い診療技術を学ぶため国が04年度に導入した臨床研修制度が、地方の医師不足に拍車をかけた。研修先が都市部の病院などに集中し、県内に残る新人医師が減少。秋田大学の医局が担う医師派遣機能も大きく低下した。その後、同大医学部の入学定員増や、知事が指定する医療機関など一定期間の県内勤務を義務付ける「地域枠」が設定されるなどした。

 まだ時間はかかるが、知事が指定する施設に勤務する医師は4、5年後に100人規模になる見込みという。県医師確保対策室は「医師不足が深刻な地域で、対策の成果をある程度実感してもらえると思う」と話す。

 だが、4月にスタートする専門医養成制度が新たな懸念材料になっている。医師の希望する研修先が大都市に集中しており、地方の医師確保の努力を打ち消しかねないためだ。医療の質の向上は重要で制度の意義は理解できるが、そこに地方に配慮した仕組みを組み込むことが求められる。

 国全体の制度との兼ね合いで1県にできる対策には限りがある。県は岩手県などと連携し、地方の言い分をしっかり主張してほしい。国と地方が同じ方向を向き、より強力に医師不足の解消を目指す必要がある。



http://www.medwatch.jp/?p=19842
新専門医制度によって医師の都市部集中が「増悪」しているのか―医師養成と地域医療検討会 
2018年3月28日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 新専門制度の2018年度全面スタートに向けて、専門医を目指す専攻医の登録が各研修プログラムで進められています。

 3月27日に開催された「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(以下、検討会)では、日本専門医機構から専攻医の登録状況に関する詳細なデータが提示されましたが、これを巡り「新専門医制度によって医師の都市部集中が増悪しているか、否か」について、検討会構成員と日本専門医機構との間で大きな見解の相違があることが分かりました。

 今後、都道府県と日本専門医機構が「医師配置状況」について話し合う中で、増悪の有無について検討していくことになります。

日本専門医機構と検討会構成員とで、「医師偏在の動向」について大きな見解の相違

 3月27日の検討会には日本専門医機構の松原謙二参考人(日本専門医機構副理事長)が、吉村博邦構成員(日本専門医機構理事長)の代理として出席。各都道府県における▼初期研修医の配置状況と専攻医の登録状況との比較▼診療科別の専攻医登録状況と過去の専攻医(後期研修医)採用実績との比較—データを提示しました(厚労省のサイトはこちら(検討会提出資料))。

 前者はメディ・ウォッチで既にお伝えしたもので、松原参考人は「都市部に一定の専攻医集中が見られるが、各研修プログラムで近隣県に医師が派遣されることを考えれば、大きな混乱などは生じていない」とコメント(関連記事はこちら)。

都道府県別に見た、初期臨床研修医の配置状況と、専攻医の登録状況(表 略)
 
また、5大都市圏(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県)においては「専攻医集中が進まない」ように採用数上限(過去5年間の専攻医採用実績の平均)が規定されていますが(医師不足が懸念されている外科等は除く、関連記事はこちら)、後者のデータからは「上限規定が効果をあげている」ことが分かります。

都道府県別に見た、診療科別の専攻医登録実績(表 略)

5大都市圏における専攻医採用上限数と、その根拠(過去5年の採用実績)(表 略)

 
しかし、このデータに対し検討会構成員からは「都市部集中が増悪している」との指摘も出されました。

立谷秀清構成員(相馬市長、全国市長会副会長)は、「専攻医8409名のうち、21.7%・1825名が東京に勤務している。人口比率(総務省統計局によれば東京都には日本全体の10.6%が居住している)に比べても、東京都への医師集中は明らかである。初期臨床研修制度の抜本的見直し、医師の地方勤務へのインセンティブ付与などを検討しなければ、我が国の医療は崩壊してしまう」と強調。

また渋谷健司構成員(東京大学大学院国際保健政策学教授)も、「東京への医師集中は『増悪』している。まずここを認め、その上で原因分析、対策法の検討へと進まなければいけない」と強い調子で指摘しました。

さらに、荒井正吾構成員(奈良県知事)の代理として出席した林修一郎参考人(奈良県医療政策部長)は、2016年度の初期臨床研修医採用状況(厚生労働省調査)と2018年度の専攻医採用実績(日本専門医機構調査)とを比較し、「日本専門医機構は『東京都が近隣県圏をカバーする』というが、関東ブロックで見ると、初期研修医シェアは34.9%であったが、専攻医シェアは37.3%に上昇している。関東以外の静岡県等を加味しても、関東ブロックのシェアは増加しており『都市部への医師集中』が進んでいることは疑いようがない」と指摘。

医師のブロック別シェアをみると、初期臨床研修から専攻医にかけてバラつきがある。関東ブロックでは2.4ポイントも増加しており、「東京が近隣県をカバーしている」だけでは説明が付かないとの指摘もある(表 略)

 
また林参考人は、この原因の一つとして「5大都市圏の採用数上限」が甘く設定されているのではないか、との指摘も行っています。厚労省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」による後期研修医の配置状況と、各学会による専攻医採用実績とを比べると、多くの診療科で「前者のほうが小さく、後者の方が大きい」ことが分かります。専攻医採用実績が大きければ、採用数上限が高めに設定され、「医師集中是正効果」は働きにくくなります。林参考人は、「採用数上限が高めに設定され、都市部への医師集中が『増悪』したのではないか」と分析しているのです。

医師の都市部集中が進行・増悪した要因の1つとして「5大都市圏の専攻医採用実績の甘さ(実際よりも上振れ)」があるのではないかとの指摘も(表 略)
 
このように、日本専門医機構と検討会構成員との間で、「新専門医制度によって、医師の都市部集中が『増悪』したか、否か」について大きな見解の相違があります。
この点については、実際に各都道府県において医師の勤務状況がどう変化していくかを確認しながら判断していかなければいけません。現在、国会に上程されている医療法・医師法等改正案(医療法及び医師法の一部を改正する法律案)では、医師偏在対策の一環として、専門医制度に関し▼国から日本専門医機構等に対し、必要な研修機会を確保するよう要請する権限の創設▼国・都道府県から日本専門医機構等に対し、地域医療の観点から必要な措置の実施を意見する仕組みの創設―を規定しています。

とくに後者では、「専門医の研修計画が地域医療に大きな影響を与える場合には、日本専門医機構は、あらかじめ国・都道府県の意見を聴かなければならない」こととされる見込みで、今後、都道府県が「日本専門医機構の推測のように、都市部の基幹病院の研修プログラムによって、近隣県の医療機関へ医師が派遣されている」のかを確認していくことになります。ここで、医師偏在が助長され、地域医療に重大な影響が生じかねないことが判明すれば、国が日本専門医機構に是正を求めてくことになるでしょう(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

このため厚労省は、現時点で「専門医制度により医師偏在が助長されている」とも「されていない」とも判断することは難しい、と考えているようです。

 
なお、日本専門医機構では2018年度の採用実績をもとに「2019年度の採用数(5大都市圏の上限を含めて)を見直す必要があるか」などを検討する考えを示していますが、林参考人は「新専門医制度の採用実績が積み重ねられれば既得権益化してしまう。学会の採用実績を検証し、2019年度分から採用数見直しを行うべき」と強い調子で求めています。今後の日本専門医機構の動きにも、改めて注目する必要がありそうです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/594446
シリーズ 真価問われる専門医改革
日本専門医機構の社員総会、地域医療への懸念少なく
厚労省検討会と “温度差”、2018年度予算案承認し終了
 
2018年3月29日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の社員総会が3月29日に開催され、地域医療への影響を懸念する声は一部から上がったものの、全体としては滞りなく議論が進み、2018年度の予算案も承認された。「専攻医の東京一極集中」か否かをめぐって活発な議論が行われた、3月27日の厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」と比較すると、現状に対する問題意識に温度差があったようだ(厚労省の検討会は、『「専攻医の東京一極集中」、増悪か否かで意見対立』を参照)。

 社員総会で機構側は、この4月から開始する新専門医制度について、「都市部への専攻医集中は避けられた」などと説明。その他、総合診療専門医に関する運営委員会、新専門医制度を検証するプロジェクトチームの設置など、これまで理事会で決定した事項を報告した。

 地域医療への影響について問題提起したのが、日本皮膚科学会理事長の島田眞路氏。地域医療の危機を訴え、東京都の専攻医のシーリングを「1.0」よりも低く設定するなどの提案をしたが、反対意見も出て、議論は深まらなかった。それ以外に、新専門医制度の地域医療への影響を懸念する発言は出ず、社員総会は1時間30分の予定だったが、約1時間で終了した。

 日本専門医機構副理事長の松原謙二氏は、「社員総会では、『うまく行きましたね』という意見の一方、『(専攻医のシーリングについて)東京を0.8掛けにすべき』との声もあった。それに対しては、『東京の専攻医が減れば、地域に派遣する専攻医が少なくなる』との反対意見もあった」と説明。

 新専門医制度のシーリングの「1.0」とは、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)では、14の基本領域について、「過去5年間の専攻医の平均採用実績を超えない」という条件。非公開で行われた社員総会後、島田氏は、m3.comの取材に対し、「シーリングが1.0であれば、従来通り、東京に専攻医が集まるのは明らか。0.8や0.9にすることが必要」との考えを説明。島田氏はガバナンスの在り方も問題視した。「新専門医制度を適切に運営するには、日本専門医機構を適切に運営する必要がある。プロフェッショナル・オートノミーでやるなら、よほど強いリーダーシップを発揮できる人材が必要。そうした人材はいないのなら、行政の関与もやむを得なくなるのではないか」との危機感を社員総会で呈したという。

 3月25日の日本医師会の第141回臨時代議員会でも、新専門医制度の在り方が問題になった(『新専門医制「地方への配慮、十分でなかった」、松原副会長』を参照)。日医会長の横倉義武氏は、m3.comの取材に対し、「社員総会では、もっと透明性を高めて運営するよう求めた。また医師の地域偏在解消と専門研修の在り方は、両立が難しい課題。日本専門医機構だけで十分にできないので、臨床研修の在り方も含めて、機構からも提言をしてもらいたいという話をした」と説明した。

 サブスペシャルティの問題も含め、新専門医制度をめぐり検討課題が多い中、同機構のガバナンスと事務局体制の強化を求める声は、臨床現場には根強い。日本専門医機構はこの6月、役員の改選を迎える。「役員候補者選考委員会」を設置し、役員候補者を決定、社員総会の決議によって選任する。現時点でそのスケジュールは未定。現執行部がどの程度、交代するか否かが注目される。




http://www.medwatch.jp/?p=19819
2020年度以降の医学部定員、仮に暫定増が全廃となれば「800人弱」定員減―医師需給分科会 
2018年3月27日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医学部の定員は、2019年度までは「暫定増」措置によって9400人程度となっている。この暫定増が仮にすべて廃止されれば8629人となり、800人弱の減となるが、2020年度以降の医学部定員をどのように考えるべきか―。

 厚生労働省の医師需給分科会(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)が3月23日に開催され、こういった検討を開始しました。2020年度には、現在の高等学校2年生が大学を受験するため、今夏には具体的な医学部定員を示す必要があり、検討会では5月までに結論を出すことになります。

ここがポイント! [非表示]

1 この5月までに「2020年度からの当面の医学部定員」方針を決定
2 医師偏在対策・働き方改革については、仮定・幅を置いて定員検討の要素とする
3 将来の医学部定員を考えるに当たり、例えば「医師充足度合いの指標」などを検討

この5月までに「2020年度からの当面の医学部定員」方針を決定

 我が国は人口減少社会に入っており、この点だけを考慮すれば「人口に対する医師数が過剰にならないように、養成数を抑制していく」必要があります。一方、我が国の医療提供体制においては、地域間・診療科間の「医師偏在」という大きな課題があり、これを解消するためには「一定程度、医師数を増やしていく」方向で検討する必要もあります。

 そこで安倍内閣が昨年(2015年)6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2015」では、「人口構造の変化や地域の実情に応じた医療提供体制の構築に資するよう、地域医療構想との整合性の確保や地域間偏在等の是正などの観点を踏まえた医師・看護職員等の需給について検討する」よう厚労省に指示。

厚労省は「医療従事者の受給に関する検討会」「医師需給分科会」で検討を行い、一昨年(2016年)5月に、▼医師不足が特に深刻な青森県など10県における増員は「当面延長」する▼医師確保が必要な地域や診療科に医師を確保・配置するための都道府県ごとの増員は「当面延長」する▼地域医療に従事する明確な意思をもった学生などに配慮した増員は「慎重に精査」する―方針を固めました(第1次中間取りまとめ、関連記事はこちらとこちらとこちら)。

当面の医学部入学定員(表 略)

将来の医師需給の試算結果、早晩、供給量が需要量を上回ることが明確に(上位推計でも2033年以降は医師供給過剰になる見込み)(表 略)
 
その後、検討会・分科会では「医師偏在対策」について議論を行い、昨年末(2017年12月)に第2次中間とりまとめを行っています。
検討会・分科会では、さらに「2020年度以降の医学部定員」についてどう考えるかというテーマを議論することになっています。2020年度には、現在の高等学校2年生が大学医学部に入学することとなるため、志望校選定等のために、遅くとも今夏には医学部定員を明確に定める必要があり、検討会・分科会では「5月中」に結論を出します。

 2017年度の医学部定員は9420名、18年度の医学部定員は9419名(仮定)ですが、ここには上記の「暫定増」が含まれており、仮にすべての暫定増が廃止されれば、2020年度の医学部定員は8269名となります。高等学校3年生になってから「現在より医学部定員は800名近く減る」ことが分かったのでは、大きな混乱を招いてしまいます(定員が減れば難易度も上がる)。このため、遅くとも今夏に定員を固め、高等学校2年生の夏に「進路選択」を行えるような配慮を行う必要があるのです。

医師偏在対策・働き方改革については、仮定・幅を置いて定員検討の要素とする

医学部定員を定めるに当たっては、例えば次のようなさまざまな要素を考えなければいけません。
▽今後の医療需要(高度急性期から慢性期までの入院医療、外来、介護老人保健施設、行政機関、研究機関等)
▽今後の医師供給
▽医師偏在対策の効果
▽医師の働き方改革の効果

 しかし、「偏在対策」については現在、医療法・医師法等の改正法案が準備されている段階で(関連記事はこちら)、また「働き方改革」については議論中(2019年3月に結論、関連記事はこちらとこちらとこちら)であり、この5月時点では、これらの効果は全くの未知数です。このため、検討会では、偏在対策や働き方改革については、一定の仮定・幅を置くこととし、さらに「2020年度から短期間」の医学部定員のみをターゲットに議論する方針が固まっています。

偏在対策・働き方改革における仮定・幅としては、例えば次のような考え方が示されました。
▽医師の労働時間上限について、▼一般労働者と同様に「週55時間」とする▼脳・心臓疾患の労災認定基準に照らし「週80時間」とする▼米国のレジデントに適用される「週88時間」とする―との3パターンを置く
▽医師の労働時間について、タスクシフト(特定行為研修を受けた看護師等への業務移管)などを考慮して、3パターンを置く

偏在対策や働き方改革については、一定の仮定・幅を置いて試算に盛り込むこととする(表 略)
 
厚労省では、こうした仮定・幅を置いた上で、第1次中間とりまとめと同様に「医療需要」「医師供給数」を試算し、検討会・分科会の「医学部定員」論議に供する考えです。
なお、今村構成員は「新たな裁量労働制などを組み込んだ仮定・幅も置くべき」と要望しています。

将来の医学部定員を考えるに当たり、例えば「医師充足度合いの指標」などを検討

構成員からは、より将来を睨み「偏在対策・働き方改革の効果を踏まえた医学部定員」の議論を求める声も出ていますが、これは「2020年度以降の当面の医学部定員」について結論を出したのちに議論することになるでしょう。この点に関連して構成員からは「2020年度の医学部定員を5月までに固め、毎年度、偏在対策や働き方改革の効果を見て定員を議論していってはどうか」(今村聡構成員:日本医師会副会長)という意見も出ていますが、データの精査時間などを考慮すれば「2年度ごとに医学部定員を検討する」と一定の幅を置いた議論が現実的かもしれません(この場合、まず2020年度・21年度の医学部定員を議論する)。

なお、3月23日の検討会では「より将来の医学部定員」を議論する際の視点についても議論が行われ、「医師の充足度合いを評価する指標について、現在は『人口10万人当たり医師数』だが、これでよいのか検討する必要がある」(山内英子構成員:聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長)、「安易に医師の労働時間上限設定がなされないよう、分科会と『医師の働き方改革に関する検討会』の意見交換会などをすべきである」(小川彰構成員:岩手医科大学理事長)、「現状で『医師不足』という認識が多くの病院である。この前提に立って、つまり医師不足のままで将来需給を考えてよいものか、検討する必要がある」(神野正博構成員:全日本病院協会副会長)といった意見も出ています。これらは、早くとも「5月以降」の検討テーマとなるでしょう。

 



https://mainichi.jp/articles/20180329/ddl/k46/010/345000c
出水市
病院事業、指定管理提案巡り溝 病院トップ拒否、市は困惑 /鹿児島
 
毎日新聞2018年3月29日 地方版 鹿児島県

 赤字が膨らむ出水市病院事業を巡り、市が設置した経営諮問会議が条件付きながら指定管理者制移行を提案したのに対し、病院トップが「実情にそぐわない」と拒否する考えを示し、事業の在り方を巡る溝が表面化してきた。市は「何とも言えない」と困惑しており、問題の行方は4月での退任を決めている渋谷俊彦市長の後任市長に託されることになりそうだ。

 市民グループが18日に開いた「病院問題を考える対話集会」に病院事業トップの今村純一管理者と、事業の核である出水総合医療センターの瀬戸弘院長が出席し、参加者に「答申に対する批判書」を配り、考えを伝えた。批判書は「指定管理者制は必ずしも黒字化が見込めない」と主張し「管理者は出水郡医師会で決まっていたような答申。受けようがない」と反論している。

 出水市の病院事業は医療センターが医師不足に陥り、患者と収入も落ちて赤字が膨らんだ。18年度予算編成時点で累積赤字は86億円を見込んでいる。

 これに対し、経営諮問会議は昨年11月から4回の協議を重ね、3月に答申をまとめた。今年9月末で事業継続に必要と考えられる現金7億円を確保できない場合、指定管理者制に移行せよとの内容に加え「出水郡医師会広域医療センター(阿久根市)と連携を図った上、将来は統合を進めていくこと」と郡医師会を重視した内容だ。

 経営諮問会議は委員名を含め非公開で、郡医師会関係者が含まれるかは不明だが、今村管理者は「バイアスのかかった答申だ」と批判する。一方で、大橋勇太副市長は「答申は最大限尊重すべきで、批判書を出すのは拙速だ」と話す。

 市民グループは後日、改めて対話集会を開くことにしている。【降旗英峰】



https://www.m3.com/news/iryoishin/594183
医療維新 シリーズ 地域医療構想
地域医療構想調整会議、「郡市医師会の役割が重要」
日医「地域医療対策委員会」報告書を公表
 
2018年3月28日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は3月28日の定例記者会見で、地域医療構想調整会議の重要性などを盛り込んだ「地域医療対策委員会」報告書、「地域医療構想に基づく将来の医療提供体制に向けて」を公表した。報告書の「はじめに」で、「地域医療構想は既に策定が完了し、運用する段階にある。中でも、地域医療構想調整会議は郡市医師会の役割が非常に重要であり、それを支援する立場にある都道府県医師会、そして日本医師会の連携が必要不可欠である」と記載している(資料は、日医のホームページ)。

 報告書は、(1)地域医療構想の課題、(2)在宅医療等について、(3)地域医療構想調整会議の求められる役割について、(4)地域医療構想に影響を与える施策――という4つの大枠で構成。

 釜萢氏は、「地域医療構想については、病床削減のための制度ではないことを繰り返し発信してきた」と説明。(1)の「地域医療構想の課題」では、病床機能報告制度の報告数と地域医療構想の「病床の必要量」を機械的に比較することなく、2025年のあるべき医療提供体制についての議論を進めるためにも、調整会議の役割が重要であると強調している。

 さらに調整会議では、公立・公的医療機関等が策定する「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」が、地域の実情に合っているか否かの議論も重要になる。釜萢氏は「調整会議のメンバーが、日頃からお世話になっている公立・公的医療機関等に対して指摘は言いにくいという声もあるが、地域に必要な医療を踏まえて、適切な議論をしなければならないことも、報告書ではうたっている」と説明した(『域医療構想「公私の競合なら、公が撤退」、石川常任理事』を参照)。

 (2)の「在宅医療等について」では、在宅医療のサービス必要量は、一定の仮定を置いた「推計値」として考えるべきであり、今後整備すべきサービス量として捉えるべきものではないと指摘。

 (3)の「地域医療構想調整会議の求められる役割について」の中で、改めて公立・公的医療機関等について言及。「プランを作成して、調整会議に提出したら、それで終わりではない」(釜萢氏)。報告書では、「対象医療機関でなければ担えない分野へ重点化されているかどうかについて確認する必要があり、具体的対応方針を決定した後に、見直す必要が生じた場合には、改めて地域医療構想調整会議で協議できることを指摘していく必要がある」と記載している。

 とかく「回復期機能が不足」と指摘される現状についても、「病床の必要量と病床機能報告の結果は、単純に比較できるものではない。その比較も構想区域単位で傾向を把握する程度にとどめるべきである。回復期病床イコール回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟の病床であるとの誤解がある。単純に回復期機能が足りないとするのではなく、内容を踏まえなければいけない」と釘を刺している。

 さらに(4)の「地域医療構想に影響を与える施策」では、医療従事者の確保、地域医療連携推進法人、地域医療介護総合確保基金、報道機関の関係について提言。釜萢氏は、「地域医療構想と病床機能報告制度を比較し、『2025年までに病床を減らさなければいけない』という報道がなされた」などと指摘し、病床機能報告制度や地域医療構想の「病床の必要量」の意味を理解するなどして、「今後も正しく適切な報道をしてもらいたい」と求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/593709
医療維新 シリーズ 日医代議員会
地域医療構想「公私の競合なら、公が撤退」、石川常任理事
第141回日医臨時代議員会、「心を鬼にして物を言って」中川副会長
 
2018年3月26日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会常任理事の石川広己氏は、3月25日の第141回日医臨時代議員会で、地域医療構想の実現に当たって、「民間医療機関が、公立・公的医療機関等よりも、先に淘汰される事態が起きてはならない」と強調した。地域医療構想調整会議の協議の方向性と、「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」の内容に齟齬が生じた場合には、プランの方を見直すことになっていると説明、「公立・公的医療機関等しか担えない分野に重点化しているかを検証し、公私の医療機関の競合があれば、公の方を撤退させることになる」と述べ、その調整を行う調整会議が非常に大きな役割を担うと説明した。

 この答弁に対し、山口県代議員の弘山直滋氏は、プランは出そろったものの、調整は2018年度に行うと説明した上で、「中には、『自分たちはこれをやるんだ』という感じもあり、今のところ調整に応じるような状況ではない。一方で、調整会議の議長は、郡市区医師会の会長であり、普段お世話になっている公立・公的医療機関等に対して、あまり強く言えないという現状がある」と現状を説明。

 日医副会長の中川俊男氏は、「地域医療構想がうまく進むかどうかは、医療法上で強い権限を持つ地域医療構想調整会議が機能するかどうかに尽きる」と述べ、調整会議の活性化を求めた。その上で、「普段お世話になっている公立・公的医療機関等になかなか物を言えない、というのはまさにその通りかもしれないが、『公的な仕組みとして言う』という形をぜひ作っていただきたい。公立・公的医療機関等よりも先に、中小民間病院が倒れるようなことが、絶対にないような仕組みになりつつある。ぜひ調整会議で、心を鬼にして物を言っていただきたい」と答弁した。

 関連で質問した奈良県代議員の大澤英一氏は、「県によっては調整会議が機能していない」と問題提起。奈良県ではホームページで、地域医療構想の目的として、病床削減等を明確に明記しており、急性期病床を40%削減する一方、在宅医療推進を挙げていることを紹介した。その在宅医療等の必要量も、現実的には対応が難しい数値であるとし、「県は国の定めた計算式でしか対応しないため、理想と現実には大きなギャップがある」とも指摘した。

 中川副会長は、「仮にホームページにそう書いてあるなら、それは間違い」と指摘。病床機能報告制度の病床数と、地域医療構想の「病床の必要量」を比較して、前者の方が多い場合、それは「削減」ではなく、「病床が余る」という認識を持つ必要があるとした。「病床の必要量は推計値であり、将来の推計患者数を病床の稼働率で割り戻した数。病床が余る場合、それをどうするかを話し合うのが調整会議」。さらに在宅医療等の必要量については、在宅医療に移行可能な数であり、無理矢理に移行させるわけではないなど、地域医療構想への正しい理解を求めた。

 「調整会議、医療法上の強い権限を持つ」
 弘山氏は、地域医療構想と救急医療について個人質問した。第7次保健医療計画の中の救急医療については、3次救急医療等については施策が記載されているものの、1次救急医療についてはわずかであると指摘。「地域医療構想が進捗していけば、急性期病床が減り、その結果、1次、2次救急医療の混乱を招きかねない事態が危惧される」とし、日医の考えを質した。

 石川常任理事はまず、「地域医療構想によって、その地域から医師や病床が減っていくのではない。人口変動等によって、医療ニーズが減少した結果、病床や医療機関、医師が減っていく事態に、どのように対応していくかだ」と基本的考えを説明。地域医療構想を推進していくことは、「各医療機関が病床の必要量や、他院の病床機能報告制度の報告内容も参考にしながら、自主的に自院がその地域でどのような方向性を持つべきかを考えていくこと」に当たるとした。

 その結果、その地域で不足している病床が手当てされていくことになるが、その過程で重要になるのは、医療法上、強い権限を持っている地域医療構想調整会議。「同会議の重要議題として、公私の役割分担がある。これからの超高齢社会、人口減少社会においては、特に地域の中小病院や診療所が重要になる。そうした民間医療機関が、公立・公的医療機関等よりも、先に淘汰される事態が起きてはならない」。

 さらに「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」の内容が、調整会議の協議の方向性と齟齬が生じた場合には、プランの方を見直すことになっていると説明。「公立・公的医療機関等がそこしか担えない分野に重点化しているかを検証し、公私の医療機関の競合があれば、公の方を撤退させることになる。したがって、調整会議が非常に大きな役割を担うことになる」。

 救急医療については、次のように答弁した。「超高齢社会の下、65歳以上の救急搬送が増加している。特に85歳以上は、前年比6%増となっている。高齢の救急搬送患者は入院が必要なケースが6割近くになる。入院が必要なかった場合でも、転倒、ヒートショック、脱水症状などでは救急搬送しなければ重症化する。そうした患者を受け入れる医療機関は、地域に密着し、2次医療や在宅支援を担っている中小病院や有床診療所であり、また初期救急を実施している地域の医師会や会員の先生方だ」。

 一方、人口が減少し、医療資源が少ない地域では、救急医療体制の弱体化も危惧される。このような地域においても、医療の切り捨てが起きないよう、国に対し、公私を問わず、地域医療を守っている地元の医療機関への財政的支援を訴えていくとした。「さらにドクターヘリーやメディカルジェットの充実、拡大、柔軟な運用を要請し、医療へのアクセスに地域差が生じないようにしていく」とした。

 最後に石川常任理事は、「地域包括ケアシステムを構築していく中で、地域に密着した中小病院や診療所は、在宅急変患者受け入れの体制作り、ひいては住民が安心できるこれからの町作りに欠かせない。日医としてその重要性を国に強く主張していく」と述べた。



https://digital.asahi.com/articles/ASL3W44RCL3WONFB00B.html?_requesturl=articles%2FASL3W44RCL3WONFB00B.html&rm=370
三重)病院統合も視野 松阪市検討委 
高木文子2018年3月28日03時00分 朝日新聞

 2025年に団塊の世代が75歳以上になるのを踏まえて、松阪市民病院のあり方を話し合ってきた検討委員会が27日、松阪市に答申した。市民病院など市内の基幹3病院が併存し、このまま救急対応の機能を維持し続けるのは難しいと指摘。近い将来の課題として病院の統合を挙げた。市は新年度、市民や医師会関係者らを交え検討を続ける。

 25年を見据えて、県は昨年3月、県内を8エリアに分けて地域医療構想を策定。松阪区域(松阪市と多気、明和、大台、大紀の4町)では人口減少や高齢化に伴い、救急対応を担う高度急性期・急性期の病床が16年度より578床過剰になるとされた。一方、リハビリなど回復期の病床は304床不足するという。

 松阪区域では市民病院(326床)、済生会松阪総合病院(430床)、松阪中央総合病院(440床)の3病院が、病床全体の約6割を占める。

 答申書は「医療機関などに与える影響が大きい」として再編案に具体的に踏み込まなかったが、答申書を竹上真人市長に渡した検討委の末永裕之委員長(小牧市病院事業管理者)は「市民病院と済生会病院の統合が一番現実的ではないかと考える」と語った。

 済生会病院は現在地の近くに新病院(400床)を2020年に開院させる計画があったが、現在は中断している。済生会病院は取材に「市民病院との統合も選択肢の一つ。統合の方向性によっては新病院が400床以上になる可能性もある」と話した。(高木文子)



  1. 2018/04/01(日) 11:20:07|
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