Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月25日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/592036
いよいよ開始!新専門医制度の一期生調査
卒後2年目の医師、93.2%が新専門医制度へ◆Vol.1
不参加理由は「キャリアプランに合わず」が最多
 
医師調査 2018年3月24日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2018年度から開始する新専門医制度については、専門医の質、地域医療への影響など、さまざまな面から医療関係者の高い関心を集めている。
 m3.com編集部では、新専門医制度の一期生に当たる医学部卒後2年目の医師296人を対象にこの2月から3月にかけて、新専門医制度に関する調査を実施した。質問項目は、専門研修実施の有無、研修施設の選定理由、新専門医制度の影響や改善すべき点など。一期生のリアルな声をお届けする。

 まず新専門医制度のプログラムに登録し、専門研修を開始するかを調査した結果、296人の回答者のうち、93.2%に当たる276人が開始すると回答した。日本専門医機構は3月16日、計8409人が新専門医制度に登録したことを公表しており、卒後2年目の医師の約9割が専門研修を開始するという結果とほぼ一致する(『新専門医制度の一期生8409人、「東京で研修」は21.7%』を参照)。

 一方、専門研修を実施しない医師20人に、その理由を複数回答で聞いたところ、「臨床を続ける上で、自分のキャリアプランに合わない」(6人)が最も多く、以下、「大学院に進学(研究)」(4人)、「希望プログラムに入れず、次年度を目指す」(3人)、「臨床を続ける上で、専門医資格の必要性がない」(3人)、「臨床以外の道を目指す」(2人)、「専門医資格取得が困難」(1人)と続いた。「その他」(4人)の理由は、「1年留学をするから」「大学でのプログラムが卒後5年目から始まるため」など。

Q.今年4月から新専門医制度のプログラムに登録、研修開始(n=296)
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【調査概要】
・調査対象:m3.com医師会員:296人
・回答者プロフィール
 性別:男217人、女性79人
 年代:卒後2年目
  2018年4月からの新専門医制度に基づく研修:開始276人、開始せず20人
  (開始276人の勤務先:大学病院本院82人、大学病院分院12人、市中病院177人、その他5人)
・調査時期:2018年2月16日~3月11日



https://www.m3.com/news/general/592408
津 2次救急の機能を充実 永井病院が増築棟完成祝う 三重 
2018年3月24日 (土)配信伊勢新聞

【津】三重県津市西丸之内の医療法人永井病院の増築棟が完成した。平成27年に完成した病棟の北側に、救急外来患者に対応する処置室や集中治療室を1カ所にまとめた5階建ての棟を増築。2次救急病院としての機能を充実させた。16日に記念式典があり、関係者が完成を祝った。

永井病院は昭和22年の創立以来、2次救急病院の役割を担ってきた。津市で年間約1万3700件に上る救急要請のうち、1300―1600件を受け入れている。

高齢化で増加が予想されることから、受け入れ体制の充実に向けた整備に着手。旧施設の解体と並行し26年に外来棟、同27年に病棟と手術室を整備した。

増築棟は、これまで1カ所だった救急患者の処置室を2カ所とした。3カ所に分かれていた集中治療床は集中治療室として一つにまとめ、専従スタッフが1カ所で対応できるようにした。透析室を拡張し、回復期の入院患者専用リハビリ室も新設した。

永井盛太理事長(49)は式典で「津市の二次救急の柱となって急性期の医療に対応できるよう貢献したい」とあいさつ。来賓の伊藤正明三重大付属病院長、前葉泰幸津市長らと共にテープカットした。

今後は3次救急を担う三重大病院と連携し、若手医師の教育にも力を入れる方針。星野康三院長(45)は「年間200件以上(救急要請が)増えても安心して医療が受けられる体制を作りたい」と語った。



https://www.m3.com/news/general/593207
転機に立つ医療 病床削減 「住民のため」の再編必要 
その他 2018年3月24日 (土)配信長崎新聞

 団塊世代が75歳以上になる2025年を前に、長崎県の医療が転機に立っている。県は国の制度に基づき、25年に実現すべき医療提供体制を示した「地域医療構想」を16年に策定。医療再編に向けた協議は18年度に本格化する。超高齢社会に対応すると同時に、社会保障を維持するため医療費抑制を図る国の狙いが背景にある。離島や過疎地域が多く、人口減と高齢化のスピードが他を上回る長崎県の医療はどうなるのか。

      ◆

 「CPAです。高齢の女性だそうです」

 職員が耳打ちしてくれた。先月、長崎市新地町の長崎みなとメディカルセンター1階の救急科。CPAは心肺停止状態を指す。医療用エプロンや手袋を着け、器具をそろえる医師、看護師ら。慌ただしさが増した。約30分後、到着した救急車から患者を乗せたストレッチャーが運び込まれた。医師が両手で患者の胸元を何度も押し、心肺蘇生を施す。人と医療機器が取り囲み、処置は長い間続いた。

 同センターは旧長崎市立市民病院を現地で建て替え、14年2月に救急科を含む1期棟が開院。16年7月に全面開院した。救急医療に力を入れ、16年度は救急車4千台以上を受け入れた。本年度もこれを上回るペースで推移している。

 同市消防局管内の17年の救急搬送人員は約2万3千人で、65%の約1万5千人を高齢者が占める。出動件数は10年連続で増加。原口正史副院長は「高齢化で救急対応のニーズが増し、役割は大きくなっている」と話す。

 軌道に乗り始めた新病院。だが、14年制定の医療介護総合確保推進法で導入された地域医療構想により、近い将来、病床減や機能転換などの見直しが必要になる恐れがある。

 県地域医療構想は、県内8区域で25年以降に必要な病床数を推計。県全体で16年の約2万1千床に対し、25年は約1万7千床が適正とした。同市を含む長崎区域では、救急患者ら向けの「急性期」病床が16年の計約3800から3分の2程度に減る見通し。

 国は都道府県に対し、18年度中に地域医療構想の実現プランを固めるよう求める一方、構想実現に向け公的医療機関へ命令・指示したり民間に要請・勧告したりできる権限を与えた。国は医療の効率化の方向性を固めた上で、実現に取り組む責任は地域に負わせた格好だ。

 同センターの一般病床494の内訳は現在、高度急性期54、急性期440。現時点で25年まで現状維持の計画だが、公立病院は構想実現への積極的な関与を求められる立場。運営する長崎市立病院機構の兼松隆之理事長は「ベッド削減ありきではなく、住民が困らないためどうすべきか考えなければならない」と語る。

◎メモ

 地域医療構想 2025年以降の地域医療体制の将来像や必要な機能別の病床数を示した都道府県の構想。16年度までに全都道府県が策定。長崎県など41道府県は病床が過剰とされ、全国で13年の134万床余りから25年までに約15万6000床減の見通し。国は高度医療に偏った病床の再編や在宅医療の推進で、実現を目指している。都道府県は本年度策定した新医療計画(18~23年度)に構想を組み込み、推進する仕組み。



https://www.m3.com/news/iryoishin/593270
医療従事者の需給に関する検討会
2020年度以降の医学部定員、5月にも結論
医療法改正案の行方など考慮、1~2年度分先行で議論
 
2018年3月23日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は3月23日、「医療従事者の需給に関する検討会」の第18回医師需給分科会(座長:片峰茂:長崎大学前学長)に、2019年度までの暫定増員が終了した後の2020年度以降の医学部定員について、今年5月をめどに結論を得たいとの方針を提案した。複数の構成員から、2019年4月の施行を目指して今月閣議決定されたばかりの医師偏在対策を盛り込んだ医療法改正案や、2019年3月までに結論を得るとされている「医師の働き方改革」の行方など不確定要素が多い状況で将来的な方針を出すことへの懸念が示される一方で、受験生に対する影響への配慮も必要であることから、1~2年度分の定員を先行して議論し、5月までに結論を出す方向でまとまった。


 厚労省は、4月中旬に開催する予定の次回会議で医師需給推計を提示し、数回の議論で結論を出すとの日程を提示。片峰座長は「タイトなスケジュールだ。医師偏在対策や働き方改革の行方など、複雑な要因がある」と指摘。全日本病院協会副会長の神野正博氏も「推計と言われても、前提条件が分からない中で議論をするということでいいのか」と疑問を呈した。

 厚労省医政局医事課担当者は、2020年度の受験生への影響を考慮すると、今年5月には医療従事者の需給に関する検討会として結論を出す必要があると説明する一方で、2020年度以降の中長期的な方向性もそれまでに出すのは難しいとの認識も提示。日本医師会副会長の今村聡氏が「今までは一度決めたら数年間、放置していた。1年ごとに、どのような養成をするか見るべきではないか」と提案し、とりあえず5月に1年度か2年度分の結論を出す方向となった。

 医師の働き方改革との関係については、岩手医科大学理事長の小川彰氏が、医師の地域偏在対策の影響がまだ分からない状況で医師の働き方改革の議論が進むことへの懸念を示し、「議論されているような方向で進めば地域医療は崩壊し、最終的には国民が割を食う。医療従事者の需給に関する検討会と、医師の働き方改革に関する検討会の話し合いの場を設けるべきではないか」と主張。働き方検討会の構成員でもある今村氏は「意見交換に反対するわけではないが、両方に参加している構成員も複数いる(編集部注:今村氏含め5人)し、中間的な論点整理にある、地域医療崩壊を招くことがあってはならないとの記載は構成員皆の総意だ」として、双方の会議体で、ある程度、共通の認識はあるのではとの見方を示した。医政局医事課担当者は会議後、意見交換の場の設定については今後検討する考えを示した。

需給推計、2016年の方法に働き方改革など加味

 厚労省は、医学部定員の決定の前提となる医師需給推計について、2016年の第1次中間取りまとめで、最低でも2019年度までは臨時増員を続けることを決めた際の方法をベースとし、働き方改革の議論や最新のデータを加えて行うことを提案(第1次中間取りまとめは『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。労働時間の上限規制が導入されたと仮定して、週55時間、週60時間、週80時間と3パターンを提示し、AI(人工知能)やIoTの活用など、医師の働き方改革によって平均労働時間がある程度短縮することなども盛り込む方針。



https://www.m3.com/news/iryoishin/592778
真価問われる専門医改革
社会医学系、指導医・専門医3000人超へ
厚労省の「医系技官プログラム」新規認定、研修プログラムは計72
 
2018年3月21日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 社会医学系専門医協会は3月21日、理事会後の記者会見で、新たに指導医447人、専門医142人、計589人を認定したことを公表した。現時点まで認定・登録を終えたのは指導医2217人、専門医254人の計2471人であり、今回の認定者が登録手続きを終えれば、社会医学系の指導医・専門医数は、3000人を超える。

 同日の理事会ではそのほか、「厚生労働省医系技官プログラム」も含め、新たに6つの研修プログラムを認定した。認定済みのプログラム数は計72に上り、社会医学系専門医の研修プログラムを持つのは、山形県を除く46都道府県にわたる。e-ラーニング形式での講習の運営方針のほか、2019年夏に第1回専門医試験を実施することも決定した。

 社会医学系専門医協会は2015年9月に発足、2016年12月に一般社団法人化した。2017年度から社会医学系専門医の養成に取り組んでいる(『社会医学系専門医・指導医2514人認定』などを参照)。今回は、指導医497人、専門医154人がそれぞれ経過措置認定を申請した。うち認定したのは、指導医447人、専門医142人。

 認定した6つの研修プログラムのうち、1つは前回条件付きで認定された研修プログラム。「厚生労働省医系技官プログラム」が新たに申請、認定されたことについて、社会医学系専門医協会理事長の宇田英典氏(全国保健所長会会長)は、「非常にシンボリックで、意義がある」と受け止めた。厚労省は2016年12月、都道府県等に対する事務連絡『公衆衛生医師の確保と資質向上にむけた「社会医学系専門医制度」の活用について』を出し、専門医制度を積極的に活用するよう求めていたからだ(『社会医学系専門医協会、700人超す医師登録』を参照)。厚労省と地方厚生局が基幹施設となり、環境省、国立高度専門医療研究センター、国立病院機構、国立保健医療科学院などを連携施設とする広域都道府県にまたがる、3年間の研修プログラム。

 その他、認定された研修プログラムは、北海道、宮城県、石川県、新潟県、山口県で、県もしくは地元大学等が基幹施設となる。ユニークなのが北海道で、道が基幹施設だが、その下に、道、札幌市、旭川市、北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学が運営する6つのサブプログラムを持つ。

 e-ラーニング形式を導入するのは、7科目、計49時間の講義の受講に代えることを可能とするため。準備ができた科目から順次開始する。2018年末、もしくは2018年度末までには全7科目について、e-ラーニング形式による受講が可能になる見通し。



https://www.m3.com/news/iryoishin/592492
真価問われる専門医改革
日本専門医機構、総合診療専門医に「弊害」もたらす - 丸山泉・日本プライマリ・ケア連合学会理事長に聞く
学会として経緯検証、機構や日医など関係団体に申し入れ予定
 
インタビュー 2018年3月21日 (水)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 新専門医制度がいよいよこの4月からスタートする。現行制度との大きな相違の一つが、19番目の基本領域に、総合診療専門医が位置付けられた点だ。同領域には、約180人の専攻医が登録した。
 日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉氏は、「その数は満足できるものではない」と述べつつ、それ以上に、総合診療専門医の制度設計の経緯やその内容に疑義を呈し、「日本専門医機構内部でどんな議論があり、どのように対応してきたのかを検証することで、学会として責任を果たす時期に来ていると思う」と語る。同学会としてこの4月から検証を始め、その結果を基に同機構や関係団体に問いかけていく予定だ(2018年3月16日にインタビュー)。

――総合診療専門医の登録者数は180人前後と聞いています。

 日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医のプログラムに入っていたのは、年200人くらいでした。19番目の基本領域としての専門医に位置付けられるという新たな展開を踏まえて増加を予想していましたが、180人という数字はそれより少なく、決して満足できるものではありません。総合診療という領域は、臨床研修医に浸透しているはずであり、日本の将来の医療を考えると「発展的構築」をすべきなのに、数の面ではそうなりませんでした。

 もっとも、指導医、指導体制や研修場所などを考えると、質を担保した上で総合診療専門医を養成できるのは、年200~300人が上限だと考えていました。これよりは少ないものの、専門医の養成は、質の担保が前提であることを考えると、現時点では無理のない数字とも言えます。

――日本専門医機構は、総合診療専門医の養成に当たって、一定の条件を定め、日本プライマリ・ケア連合学会の指導医以外も指導医になれるようにしました。指導医数は増え、指導体制のキャパシティーは拡大しているのではないでしょうか。

 あまり拡大していません。指導医資格を取得することと、現実に指導ができることは、必ずしも一致しません。われわれの推算では、結果的には、日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医の「ver.2」の研修プログラムに携わっていた指導医のもとに、新専門医制度の総合診療領域の専攻医の9割以上が集まっています。われわれの実績が評価されたことは間違いありません。供給側ではなく、「受け手」の論理が大事。専攻医にとっては、自分のライフワークを左右するわけですから、どんな専門研修プログラムを選択するかが、当然ながら重要になります。

 専門医の養成は、日本専門医機構がルールを作り、「はい、始めましょう」と言ってできるものではないことが証明されたとも言えるでしょう。専門医養成の基盤があり、それを徐々に改善していく以外に、専門医制度の質向上の道はあり得ません。

――では登録者数が伸び悩んだ理由をどうお考えですか。

 専門研修に入るのは、20代後半の医師が中心。若手であっても彼らは日本の医療の将来の課題を見据え、「総合診療専門医は、ポテンシャルが高く、やりがいがある」ことをよく知っています。しかし、私が見聞きした範囲ですが、かなり強いネガティブなキャンペーンが展開されたと承知しています。

 その主体は、内科の先生方だと思います。ネガティブというと悪いイメージですが、組織運営上、理解できる動きです。総合診療専門医の果たすべき役割に「総合病院での包括的診療」がありますが、その点が総合内科あるいは内科専門医が果たすべき役割と重なり、内科として取り込みたい若手医師が総合診療領域に流れるという不安があったのではないでしょうか。内科医局などを運営するためには、若手医師が一定程度必要だからです。その動きを跳ね返すだけの力が、われわれの領域にはまだないということ。

 さらに最も大きいのは、総合診療専門医の運営を主導している日本専門医機構のあり方による「弊害」だと思います。

――「弊害」とは何でしょうか。総合診療専門医は、学会が直接的に関与する他の18の基本領域とは異なり、専攻医の募集をはじめ、日本専門医機構が担当しました。

 われわれにとっては、大事な歴史的な転換点にあります。折々に、誰がどんな発言をし、日本専門医機構内部でどんな議論があり、どのように対応してきたのかを検証することで、学会として責任を果たす時期に来ていると思います。具体的には厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」以降の動きを、関係者の言質も含めて明らかにしていきます(編集部注:同検討会は、2013年4月に報告書をまとめ、新専門医制度発足のきっかけとなった)。

 2014年5月に日本専門医機構が発足した当初は、他の18の基本領域も含めて、同機構がかなりの部分を担当することになっていました。それが途中で、他の18基本領域は学会にほぼ任せる形になり、総合診療専門医だけが切り離され、そのまま日本専門医機構が運営を担当することになりました。

 そうした状況下で、2016年7月に日本専門医機構の執行部が刷新されたのを機に、総合診療専門医の在り方が変わってしまいました。その変わり方は尋常ではなく、一度は「ぶち壊れた」とも言えます。

――どのように変わったのでしょうか。

 一番の問題は、それ以前も良かったとは言えませんが、総合診療専門医をめぐるガバナンスが非常に悪化したことです。事務能力も低下しました。制度設計が具体化するにつれ、事務作業は増えますが、事務能力とのバランスがどこかの時点で取れなくなり、事務能力の不足が顕在化してきました。その上、透明性の担保、ディスクロージャー(情報開示)が行われなくなりました。

 「やるべきことをやらなかった」ことも挙げられます。総合診療専門医に関しては、委員会やワーキンググループが設置され、制度設計を進めるはずでした。われわれ日本プライマリ・ケア連合学会としては、委員会等を通じてしか意見が言えませんが、開催回数は減り、2017年5月を最後に開かれなくなりました。

 さらに、日本専門医機構に、総合診療専門医の本質である「ジェネラル」の意味、その教育の方法論を理解されている方がいないという大きな問題もあります。

――総合診療専門医の制度設計や運営のためのガバナンスが低下した結果、どんな問題が生じてきたのでしょうか。

 日本専門医機構は、若手医師の将来を決定する非常に大事な組織です。そこに求められるものは、公正性、透明性です。このことが担保されていないことで、関係者間の猜疑心を大いに生み出すようになってしまいました。

――総合診療専門医については、基幹病院について「後出し」とも言える整備基準が追加されたことなどを指しておられるのですか(『四病協、総合診療専門研修プログラムの1次審査に疑義』、『「1次審査不合格、大変遺憾」、専門医機構に説明求める』などを参照)。

 「後出し」の事実については存じていますが、どの時点で、あるいはどの場で、どのような手続きで「後出し」と言える状況になったのかの確認はしていません。例えば、「(専門研修プログラムの審査をめぐって)日本専門医機構から電話があり、指示を受けて対応した」とも聞きます。これが現実であれば、極めて「ゆゆしきこと」です。立場が対等であるという関係性が保障されていれば、「健全な意見交換」になるかもしれませんが、「片方が決定権を持ち、もう片方は持たない」という関係性の中で、そうした行為は採るべきではありません。

 総合診療専門医の専門研修プログラムの内容についても、問題があります。日本専門医機構としての最近の発信を聞いていても、この領域の本質を理解しているとはとても思えません。総合診療専門医をどのようなプロセスで養成すべきなのか、世界的に共通言語として確立していますが、その核心部分からずれた発言をされていることに驚きを覚えています。

――それは、総合診療専門医の本質である「ジェネラル」の部分を、複数の診療科をローテーションすれば習得できると考えられていることでしょうか。
 端的に言えば、その通りです。それ以外にも、総合診療の専門研修の位置付けを軽視し、「内科をしっかり学べば、総合診療はおのずから習得できる」というニュアンスにも問題を感じます。断片化された内科領域が、多疾患合併の患者への包括的ケアや、生活を基盤とした在宅医療を含むケアに対して十分対応できていない現実があります。その反省が総合診療を基本領域として位置付ける基盤になったにもかかわらず、そうした歴史的経緯や文脈を理解しているようには思えません。

――日本プライマリ・ケア連合学会として、これまでの経緯を可能な限り検証し、不明な点は日本専門医機構に確認を求め、問題があれば改善を求めていくことになりますか。

 日本専門医機構だけではなく、機構と関わる関係団体には正式に申し入れ、回答を求めることになると思います。検証し、歴史に残しておかないと、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。もしとんでもないことがそこで行われたのであれば、沈黙しているわけにはいきません。

――そこにおける関係団体とは、日本専門医機構に理事を出している団体ということですか。

 その通りです。

――いつ頃までに、検証等を終える予定でしょうか。2019年度開始の新専門医制度については、4月末までに研修プログラムの申請・変更等を受け付け、9月から登録開始予定です(『3次募集は2月16日から、5都府県は全領域で“締め切り”』を参照)。このスケジュールは念頭に置かれますか。

 まずは検証が先だと思います。日本プライマリ・ケア連合学会の理事会で最終決定したわけではないですが、現時点の私の個人的な考えとしては、4月から具体的な検証作業を開始して、事実関係を確認し、報告書をまとめ、公表したいと考えています。この公表をもって、日本専門医機構への質問に代えるとともに、この問題に関心を持っている方々、メディアを含めて、問いかけたい。6月に本学会は執行部の任期が切れますが、それまでには一定の作業を終えたいと考えています。

 私は今まで沈黙を保っていましたが、日本の将来、また総合診療の必要性、魅力を感じ、頑張ってきた医師たちへの学会理事長としての責任があります。

――このタイミングで声を上げる理由は。

 今まで“人質”に取られていたわけです。つまり専攻医の登録を終える前に声を上げると、無用な不安を現場に与えてしまいます。

 総合診療専門医の養成は、20、30年先の日本の医療を見据えて考えるべき問題です。今の医師偏在の問題をどう解決するかは、日本の喫緊の課題ですが、別の問題です。この辺りの整理も必要です。地方の医療をどう支えるかは重要な問題であり、私どもの学会の長年の議論の中心であり、他学会に比して多くの会員がそこで頑張っていると自負しています。

 しかし、専門医制度の基本は質です。互いにリスペクトし合える専門医でなくてはなりません。「医師偏在の解決策として総合診療専門医を」という発想そのものが、将来、この問題の解決を量的にも質的にも困難にすると考えています。

 最後に申し上げますが、日本全国の地域医療の課題を一番知る立場にあるのは、日本医師会です。今を知るからこそ、将来の日本の医療を展望できるわけです。それなのになぜ日本医師会は、この総合診療専門医をめぐる問題の重要性を理解されないのでしょうか。日本医師会からの代表者が、日本専門医機構の役員になっており、一般国民の多くは、日本専門医機構のガバナンスの中心は、日本医師会だと考えています。日本医師会はなぜこの問題について黙っているのでしょうか。その責任は重いと思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/592673
「労基署、謙抑的に対応を」地域医療病院協議会
労働基準局長宛ての要請文を公表
 
レポート 2018年3月20日 (火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は3月20日、厚生労働省労働基準局長に提出した「医療機関に対する労働基準監督の対応のあり方について(要請)」を公表した。3月14日の会議で議決し、3月16日に厚労省宛てに郵送した。(『医師の働き方「検討中、労基署は控えて」、地域医療病院協議会』を参照)

 要請文は山越敬一・労働基準局長宛てで、全国自治体病院協議会、JA全厚連、日本慢性期医療協会、全国国民健康保険診療施設協議会、地域包括ケア病棟協会の 5団体の会長の連名。「現在、病院勤務医の勤務実態等を取り巻くさまざまな諸課題が検討会で議論されているところであり、労働基準監督署は、これらの状況等にも十分配慮しつつ、謙抑的に対応いただくよう要請する」と求めている。

 協議会は、前述の5団体で2017年9月に設立。

要請文の全文は以下の通り。

【医療機関に対する労働基準監督の対応のあり方について(要請)】
 医師の働き方改革に関する検討については、厚生労働省において、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方実現会議決定)に基づき、「医師の働き方改革に関する検討会」(以下「検討会」という。)を設置し、医師に対する時間外労働規制の具体的なあり方、労働時間短縮のための施策等について検討が進められているところである。

 この検討会においても、病院勤務医の長時間労働の実態が明らかにされ、その要因としては、急変した患者等への緊急対応、手術や外来対応等の延長、勉強会等への参加といった自己研鑽に関するものが挙げられるなど、医師には上司の命令ではなく、患者の求めに応じ質の高い医療を提供したいという個々の医師の職業意識の高さや応召義務があり、一般労働者と異なる特殊な労働環境にあることも指摘されている。

 また、労働時間と自己研鑽の区分の統一的なルールがないことや、医師の宿日直許可基準が現在の急性期医療の実態に沿ったものとなっていないとの指摘もあり、医療機関の現場において混乱が生じないよう、国における速やかなルール作りや基準の見直し等が必要と考える。

 ついては、これらの点を含め、現在、病院勤務医の勤務実態等を取り巻く様々な諸課題が検討会で議論されているところであり、労働基準監督署は、これらの状況等にも十分配慮しつつ、謙抑的に対応いただくよう要請する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590451
医療機能分化「言葉だけでなくシステム確立を」 - 島弘志・日病副会長に聞く◆Vol.2
「働き方改革」、少し配慮されていい方向に
 
インタビュー 2018年3月19日 (月)配信聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:水谷悠(m3.com編集部)

――外来医療では、かかりつけ医の機能強化も大きなポイントです。

 全体としては「地域医療構想に寄り添う」という話ですが、そもそも地域医療構想自体が全国的に確定していないし、なかなかうまくいかない中で、かかりつけ医と専門医療機関の連携をはっきりと強調するということが打ち出されています。

――かかりつけ医は、日本医師会が打ち出しているものに沿ったものとお考えですか。
 日医と四病院団体協議会が提言した、「かかりつけ医とはこうあるものだ」というところですね。これまで制度上は一応あっても実際に名乗れる医療機関が少なかったのですが、今回の要件緩和で、200床未満のいわゆる中小病院と診療所がかかりつけ医として地域住民の病気やけがに対してファーストコンタクトをして、専門的な医療が必要と判断したら、専門医療機関に紹介する形を作りたいということはしっかり読み取れます。そこは大切なところです。医療機能の分化、強化、連携は言葉だけじゃなくて、システムが確立されれば、効率性も質も高まるし、無駄な医療費を投入せずに済むという意味で、大切なシステムだと思っています。

――初診料に機能強化加算が新設されて80点の設定となりました。
 難しいですね。800円、3割負担で240円上乗せになるので、加算を取るとその分、患者の自己負担が増えるので、開業の先生方でもあえて取らないところも多いのではないかという話も聞きます。ただ、点数云々は別にして、「何でも大病院に行ってください」という時代ではなく、専門性を高めたところが適切な医療を提供できる、かかりつけ医がそことの連携を果たせる。そういうところが制度として確立するかは見ていかなければいけないと考えています。

――働き方改革も大きなテーマですが、診療報酬改定であまり手厚く評価されたわけではないですね。
 専従要件緩和や常勤換算といった現場が困っているところを、少し配慮していい方向にいっていると思います。病院団体の要望が少し通りました。人員の確保がキーワードですが、医療機関は国家資格集団なので、そう簡単に確保できるわけではありません。女性の割合も増えて、結婚や出産後に常勤で戻れればいいですが、そうでなくても非常勤で合算となってくれば、働きやすくなる。それはいい方向だと思います。今回の改定で評価できる点です。

――医師事務作業補助体制加算は点数が引き上げられました。
 今の状態で見ると、雇えば雇うほど赤字になります。加算分では給料を払えていません。医師事務作業補助者をたくさん雇用している医療機関では医師の負担を軽減できていることはエビデンスがありますから、引き上げはいいことです。ただ、医師の負担を軽減した分、生産性が高まって病院の収益が上がるということになればいいですが、それがありません。考えられる理由はいくつもありますが、一つは人が増えてないことです。楽になった感はあるが、人数は変わっていません。ゆとりができるから、医師の仕事の中身、クオリティーは高まると思います。患者への気配りや、他の職種と話し合う時間などは間違いなく上がっています。ただ、お金の話をするといやらしいかもしれませんが、病院の収入には結び付いていません。

――負担が減った分、別のことができるほどではないということでしょうか。
 残業は減っていませんから。そこで、病院の運営責任者は医師事務作業補助者をどのくらい雇用しているか、どういう目的で雇っているか。医師についてはどういう風に負担が軽減されているか、実際にどういうをことやってもらっているか。もう一つは補助者を管轄している責任者の考え方。これについて、日本病院会で4月から6月にかけて調査を行います。


――今回の改定について、早急に影響度を検証しなければと思っているところはありますか。
 前回2016年度改定で本体が0.49%プラスであったにもかかわらず、赤字病院が増え続けています。今回0.55%プラスで歯止めが利くかというと、分かりません。医療の質を担保するのにはお金が必要で、黒字ではない状態では将来に対する人にも物にも投資できません。

――医療経済実態調査を踏まえれば、1%くらいは欲しいところでしょうか。
 それくらいあれば、経営は改善すると思いますが、その分、医療費もかかります。医療法には国民の義務(編集部注:第6条2項の3)をうたっていますが、それを国民は知りません。国民へのアピールを徹底的にやらないで、一方的に医療費削減のために締め付けて、医療機関が経営できなくなっていくというのはおかしいでしょう。

――ニーズの変化への対応も必要になってきます。
 地域医療構想が走っていますから、バランスが大事です。自施設が地域の中でどういう役割を果たすべきか十分に理解できていて、10年後、20年後、30年後とやっていくつもりなら、ニーズが変わるのは読めるはずなので、それに柔軟に対応出来る組織を作れるかがこれから先の分かれ目だろうと思います。

 医療は患者のためのもので、患者がゼロなら医療はいりません。地域医療構想がうまくいかないのも、その辺りに原因があります。2次医療圏を中心に、ということになっていますが、2次医療圏に住んでいる人が5万~6万人のところもあれば、何十万人のところもある。それを同じように議論できるでしょうか。自分の医療圏で治療を受ける人もいれば、ほとんどの人は隣の市に行くというところもある。皆が自分の医療圏で医療を受けないなら、その医療圏は施設ゼロでいいわけですが、そこに存在している医療施設を基に、というのが第一義になっている。そこに存在しない患者のことを前提に話しても、結論は出るのかということです。

――その先のあり方は、調整会議の話し合いをいかに進めるかということでしょうか。
 まずは経営です。両輪として、質の高い医療を提供するということと、経営と両方ができてないと先に進めません。そこがアンバランスなところが多いと思っています。医療の現場としては経営がちゃんとできないということは制度がおかしいと言いたくなります。

――先生が院長の聖マリア病院も1000床以上の大病院ですが、改定の影響はどのように見ていますか。また、体制の見直しなどをお考えですか。
 今、病床を減らしています。最大で1420床ありましたが、近代化計画に合わせて減らし、今は1097床くらいです。でもそれよりも、一番困っているのは、労働基準監督署が入ってきていることです。そこが、頭が痛いところです。



https://www.m3.com/news/general/593206
長崎大学病院「禁煙実践」の看板設置 持ち込みも禁止へ 
2018年3月23日 (金)配信長崎新聞

 長崎大学病院は22日、同病院敷地内の禁煙だけでなく、たばこと喫煙関連具の持ち込み自体も禁止する「タバコフリーホスピタル」の実現に向けて、「禁煙実践病院」と書かれた看板を長崎市坂本1丁目の同病院ロータリーに設置した。

 看板設置は、東京五輪・パラリンピック開催の2020年の「タバコフリーホスピタル宣言」に向けた取り組みの一つ。同病院は、受動喫煙防止のため、08年から敷地内を全面禁煙とした。ただ、たばこを持ち込み敷地外で喫煙する病院関係者も出ており、病院周辺で受動喫煙が起きている現状もあるという。

 同日、除幕式があり、河野茂長崎大学長と増崎英明長崎大学病院長が除幕。増崎病院長は「みなさんに禁煙の重要性を分かってもらい、受動喫煙の予防につなげたい」と語った。



https://www.m3.com/news/general/593098
日本の論文割合転落で訂正 
2018年3月23日 (金)配信共同通信社

 オランダの学術出版大手エルゼビアは22日、14日に公表した主要国の論文数などを比較した報告書の内容の一部を訂正した。世界の全論文に占める日本の論文数の割合がインドに抜かれて5位から6位に転落したのは2016年としていたが、正しくは15年だった。

 エルゼビア広報は、データの分析に不備があったとしている。

 報告書では、12~16年に世界で発行された全論文に占める、主要12カ国それぞれの論文数の割合を比較。各国がシェアを維持したり、伸ばしたりする中、日本の減少が顕著だった。



https://www.m3.com/news/general/591680
研究費当たり論文数最下位 出版社の主要国調査で日本 
2018年3月15日 (木)配信共同通信社

 オランダの学術出版大手エルゼビアは14日、主要国の科学研究費や論文数を比較した結果、日本の研究費は米国、中国に次ぐ3位だが、一定額当たりの論文数では最下位だったとする報告書を公開した。研究への投資が論文などの成果に結びついていない現状が浮かび上がった。

 報告書では、主要9カ国の2012年から16年の官民合わせた研究費を調べ、100万ドル当たりの論文数を計算した。日本は12年から最下位で、論文数の減少傾向が続き、16年は0・7と低迷。1位カナダ(3・8)、2位英国(3・7)に水をあけられ、中国(1・1)や韓国(0・9)にも及ばなかった。

 世界で発行されている全論文に占める、その国の論文数のシェアを12カ国で比べると、日本は12~15年に5位だったが、16年にはインドに抜かれて6位に転落。他国はシェアを維持したり、伸ばしたりしており、日本の減少が目立った。

 日本の研究費は8割が企業によるもので、エルゼビアは「産業界では研究が強力に進められている」と評価。一方で、日本の研究者は海外との共同研究が少なく国内にとどまりがちなことが、論文数などで低迷している原因だと分析している。



http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20180322/3002497
獨協日光医療センター移転に10億円規模支援へ 日光市 
その他 2018年3月22日 (木)配信下野新聞

 獨協医大日光医療センター(日光市高徳)の移転計画で、日光市が移転先の用地について支援する方針を固めたことが21日までに、複数の関係者への取材で分かった。同大が希望している日光産業団地(同市森友、土沢)の土地取得を支援する見通しで、支援額は10億円規模になるとみられる。

 県西地区の地域医療を担う中核病院存続のため、大枠の支援方針として近く表明する。

 同市では4月に市長選を控えており、現執行部は大枠を示すにとどめる。このため現時点では、財政支援や用地譲渡といった具体的な支援方法や、財源などについては未定だ。



https://www.m3.com/news/general/592669
【茨城】神栖2病院再編 鹿島労災の調査費削除 市議会、修正案を可決 
2018年3月20日 (火)配信茨城新聞

神栖市議会予算決算常任委員会(石井由春委員長)は19日、神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合に絡み、2018年度一般会計予算案のうち、鹿島労災病院の建物についての利活用調査費896万5千円を削除する修正案を賛成多数で可決した。

修正案は、構成委員(議長を除く全議員)のうち委員長と欠席1人を除く18人で採決。賛成11人、反対7人で可決した。22日の定例会最終日で委員長報告と討論の後、採決が行われる。

修正案を提出した議員は「建物の利活用計画が策定されていない中で、時期尚早」などと理由を説明。「大規模な医療施設を取得し整備するのは、将来にわたり市財政に大きな負担となる恐れもある。築後40年ほどで調査に値するかも疑問」とした。質疑や反対討論では、「地域の医療資源をどのように確保、利活用していくかが市の最大の懸案事項。統合までの時間もあり、市民の安全を守る活用方法があるのかは十分検討に値する材料だ」との意見が出た。

両病院は19年4月1日に統合予定。統合で同年3月31日で廃止する鹿島労災の建物について、市は施設構造や改修時の経費などの利活用調査費を新年度予算案に計上している。



https://www.m3.com/news/general/592444
県立北部病院 夜間救急外科を制限 医師不足で週2日に 
2018年3月19日 (月)配信琉球新聞

 【名護】名護市大中の県立北部病院(知念清治院長)が、医師不足のため4月1日から夜間(午後5時~翌日午前8時)の外科救急診療を、現在の週4日から週2日に制限することが16日、分かった。県立北部病院は2017年8月にも外科医が退職し診療制限が行われた。北部病院の久貝忠男副院長は「医師の後任が見つからず悪循環に陥っている」と述べた。

 現在4人いる外科医のうち1人が3月末で退職し、3人になる。外科の一般診療は現状維持できるように検討中だが、医師不足のため今後は一般診療も制限される可能性が出てくる。

 さらに産婦人科の医師も現在の4人から4月1日から3人になり、6月1日から2人に減ることが決まった。これまで緊急性の高い妊婦などは受け入れてきたが、3月からは受け入れを断っている。県立北部病院は「本格的に患者を受け入れられない状況が出てきた」と話している。

 県立北部病院は、昨年8月、外科医が1人退職し、外科の日中の一般診療だけでなく、夜間緊急外来を週7日から週4日に制限した。2月1日からも眼科が休診しており、短期間での診療制限や休診が著しい。

 外科医の退職により夜間当直の1人当たりの回数が増加することになり、医師の過重負担は避けられない状況だ。

 久貝副院長は「北部地域の医療体制が崩壊する可能性がある。外科医が不足していくと地域医療に支障を来すことは間違いない。人材確保を最優先にしているが、改善するめどは立っていない」と話した。



https://mainichi.jp/articles/20180322/ddl/k14/040/011000c
県立がんセンター
先進医療の課題 放射線専門医退職問題 「医師不足」深刻さ露呈 施設少なく、治療経験積めず /神奈川
 
毎日新聞2018年3月22日 地方版 神奈川県

 県立病院機構が運営する県立がんセンター(横浜市旭区)で、放射線治療の専門医が相次ぎ退職意向を示した問題。国が「先進医療」に位置づける重粒子線治療の存続が危ぶまれたが、同センターが医師探しに奔走して来年度の診療体制を何とか確保した。騒動の過程で露呈したのは放射線専門医の全国的な人手不足だ。総事業費約120億円が投じられた最新鋭の施設の将来に向け、「担い手不足」という根本的な課題をどう克服するのか。【堀和彦】

知事が説得

 重粒子線治療は、加速器でエネルギーを高めた重粒子線で病巣を塗りつぶすように狙い撃ちする治療法。周辺細胞へ与える影響が少ないことが長所で、従来の放射線治療では治りにくいがんにも効くと期待される。
 国は重粒子線治療を保険診療が併用できる先進医療に位置づけ、医療機関に専従の常勤医2人以上の配置を要件として定める。昨年、専門医の相次ぐ退職に直面した同センターは、県内外の医療機関に医師の派遣を要請してきたが、交渉は不調が続き、一時は診療継続も危ぶまれた。

 見かねた県は今年1月、「医師確保対策委員会」を設置し、本格的な医師探しに乗り出した。当初は難航したが、黒岩祐治知事ら県幹部が派遣元を口説いて回り、専門医をなんとか確保。県内がん患者にとっての「頼みの綱」は、首の皮一枚でつながった。

常勤医不在38%

 放射線の医療現場は、専門医の慢性的な「担い手不足」にあえぐ。日本放射線腫瘍学会によると、放射線治療専門医は全国に1176人おり、県内は69人(2月末現在)。一方で放射線治療施設は全国に約830施設ある。同学会の2013年の調査では、常勤の専門医がいない施設は全国で38・2%に上る。

 同学会の試算では、専門医1人がみる年間患者数を200人とすると、現状の2倍以上の2500人の専門医が必要になるという。同学会は「医学生、研修医へのアピールや各臓器別学会への参加、大学への働きかけなどに取り組んでいる」としている。

育成にも課題

 経験を積める医療現場に乏しく、人材育成の機会も限られる。重粒子線治療について国は、「責任医師」に専門施設での2年以上の治療経験などを求めている。しかし、全国で重粒子線治療を実施する施設はまだ5カ所のみだ。

 放射線医学総合研究所(千葉市)は、1993年に当時世界初となる重粒子線治療の専用施設を開発。以来、国内外の施設と連携して治療の普及に努め、国内の4施設と稼働予定の2施設から医療スタッフを受け入れてきた。同センターでも放医研で治療のノウハウを学んだスタッフは多い。

 重粒子線がん治療普及推進ユニット長の北川敦志さんは、医師不足について「特殊な治療なので習う場所が少ないが、施設が増えればイレギュラーにも対処できる」と話す一方、「医師が増えないと施設は増えない」とジレンマを吐露する。今後は医療機関との人材交流を一層密にしていくという。

 放医研を所管する文部科学省は07年から「粒子線がん治療に係る人材育成プログラム」を策定。放医研など全国8機関で医師や技師を養成し、5年間で約40人を輩出した。だが、その後はこうした取り組みはなく、一過性に終わった国の施策が専門医不足の一因という見方もある。

連携がカギ

 県内でも、同センターの重粒子線治療を巡って横浜市は09年、県に人材育成の必要性を指摘し、同センター内に横浜市立大大学院を併設して医師を派遣する案などを提案した。だが、県が難色を示し、最終的に破談に終わった。機構の土屋了介前理事長は今年1月、毎日新聞の取材に「横浜市大と組んだ長期戦略が必要」と述べ、連携に意欲を見せていた。だが、今回の問題への対応を巡って今月、理事長職を解任された。両機関の連携は課題のままだ。

 先月の県議会で黒岩知事は、専門医の人材育成について「県内外の大学や医療機関と人材確保の仕組みを作っていく」と方針を打ち出した。「人手不足」という業界の積年の課題を前に、行政がどのような一手を打てるのかは未知数だ。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180322_43003.html
地元で産めぬ不安拡大 かづの厚生病院の分娩機能、今秋休止 医師確保へ官民連携図る 
2018年03月22日木曜日 河北新報 秋田

 秋田県鹿角市で唯一分娩(ぶんべん)が可能な「かづの厚生病院」は昨年2月、産婦人科医を派遣している秋田大など3大学の意向で「里帰り出産」の新規受け入れを中止した。さらに大学側は常勤医の派遣を継続できないと通告したため、今秋には分娩機能自体が隣接する大館市の市立総合病院に集約される。大館までは夏場でも車で40分以上かかり、地域に「出産を諦める人が増えるのではないか」と懸念が広がる。(秋田総局・渡辺晋輔)

<「土台なくなる」>
 「妊婦が置き去りにされている」。鹿角市文化の杜交流館コモッセで今月上旬開かれた「お産ができる鹿角を望む住民集会」で、分娩施設が地域からなくなることに約120人の出席者から不安の声が相次いだ。
 人口約3万1500の市は移住・定住や子育て支援に力を入れる。厚生病院で3人を出産した主婦大森雅子さん(34)は「市内には子育てサークルが多く、3人目、4人目を産む人が多い」と話す。
 分娩機能集約化には「産める環境があるから人が住む。地域が縮小する不安と住み続けられるのかという不安がある」と漏らした。
 主催団体の一つで、昨年2月に設立された「鹿角の産婦人科を守る会」の代表を務める会社員安保大介さん(36)は「出産できる施設はいわば地域の土台。子育て環境が充実していても土台がなくては話にならない」と危機感を募らせる。

<出生数減も一因>
 厚生病院には秋田大と岩手医科大が、大館市立総合病院には弘前大がそれぞれ常勤の産婦人科医を派遣している。集約の背景には大館・鹿角地域の出生数減少や深刻な医師不足がある。
 県や鹿角市、隣接する小坂町などは分娩機能の維持を繰り返し要望した。しかし大学側は「安全な出産体制を整備するには、分娩を取り扱う施設を集約してスタッフを充実させるしかない」と回答。方向性は覆らなかった。
 県によると、産婦人科医と年間分娩件数は大館市立総合病院が4人、約500で、厚生病院は2人、約200。集約後は大館市立総合病院に常勤医6人、分娩件数は約700となる見込みだ。
 県は集約後を見据え、大館市立総合病院の機能強化に向け分娩室増設などの整備費約7300万円全額を市に補助する。集約は施設整備が終わる今年秋ごろになる。

<地域が意思表示>
 一方、鹿角市は新年度から医師確保対策を専門に担う地域医療推進員1人を配置する。児玉一市長は13日の市議会3月定例会一般質問で「分娩機能は必要不可欠な都市インフラ。自分たちで医師を見つけるしかない」と答弁し、県や厚生病院、市民団体と連携して取り組む考えを示した。
 先例になるのが、住民団体「鹿角の医療と福祉を考える市民町民の会」の取り組みだ。
 会は常勤の精神科医が不在になる事態を受け2006年に設立された。精神科医を募るチラシを全国の道の駅に置き、今春に大阪の医師が厚生病院に勤務するきっかけをつくった。会長の西文雄さん(68)は「地域が意思表示をしなかったら医師はいなくなっていた」と振り返る。
 産婦人科を守る会代表の安保さんは「住民の医療に対する意識を『受ける』から『支える』に変えていきたい。諦めずに市の手助けをしたい」と話す。

[かづの厚生病院]17診療科、稼働病床207床。2017年4~12月の入院患者3万6182人、外来患者10万5850人。このうち産婦人科は入院1858人、外来5018人。16年度の分娩件数220。分娩機能の集約後も、妊婦健診や産婦人科の外来診療は継続する。



https://www.asahi.com/articles/ASL3N3WJML3NUBQU006.html
医療従事者の給与削減、提案へ 赤字続く市立旭川病院 
渡辺康人2018年3月20日15時00分 朝日新聞

 深刻な赤字が続く市立旭川病院(478床)の経営再建策の一環として、市は医師や看護師ら医療従事者の給与削減を近く労働組合に提案する方針を固めた。病院側は市議会で「2~3年の限定で身を切ることで(職員の)了解を得る覚悟だ」と説明した。3月末から4月上旬にかけて労組に提示し、新年度中に実施に踏み切りたい考え。

赤字の旭川市立病院、経費削減の抜本策

 2億円程度の削減効果を試算している。旭川市が一部の職場に限定して給与削減するのは初めてで、道内でも珍しいという。市は他職場との関係もあることから、一般事務職員については対象に含まない考えだ。

 同病院は2009年度以降、ほぼ毎年数億円規模の単年度赤字が続き、一時は約30億円あった「貯金」が底をついて16年度から資金不足に陥った。17年度も約7億円の単年度赤字となる見込みで、このままだと毎年数億円ずつ累積赤字が膨らみ続け、年間医療収益の20%(約20億円)を超えた段階で経営が国の管理下に置かれる。市としてはこれを阻止したい考えだ。

 同病院の赤字は、医師不足から整形外科と呼吸器内科の入院受け入れを休止している影響が大きく、市は連携協定を結ぶ旭川医大に常勤医師の派遣を要請し続けてきた。市側の議会答弁によると、医大は協議の中で市立病院の自助努力が前提だとし、医大がかつて職員給与や病床の削減で赤字脱却を図った実績を挙げて「身を切る改革」の必要性を伝えているという。

 青木秀俊・病院事業管理者は16日に開かれた市議会予算等審査特別委員会の答弁で、「医大から市立病院の身の切り方が足りない(と受け取られている)ことが基本にあると重々理解している。職員との話し合いで進めていく覚悟だ」と述べた。



http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/225378
「医療体制の崩壊も…」 沖縄の北部病院、外科の夜間救急制限 週4日→2日へ 
2018年3月20日 07:25 沖縄タイムス

 沖縄県立北部病院(知念清治院長)が4月1日から、外科の夜間救急診療(午後5時~翌日午前8時)を現在の週4日から週2日に制限することを決めた。4人いる外科医のうち、派遣医1人が任期満了を迎え、3人となるため。知念院長は「医師1人当たりの当直負担を考えると、現状維持は難しい」と説明する。

 同病院の外科は昨年8月にも医師1人が退職し、日中の外来制限措置を取った。外科の夜間救急受け付けは現在、月、水、金、土の週4回。これが4月からは金と土の週2回となる。受け入れ制限のしわ寄せは今後、北部地区医師会病院にいくと考えられ、「北部地域の医療体制の崩壊につながりかねない」(知念院長)危機的状況という。

 北部病院では4月から、産婦人科でも医師が1人減り3人体制となる。3月に入り、すでに受け入れを数件断るなど現場は逼迫(ひっぱく)している。

 内科では消化器担当医が1人減の2人に、人工透析担当医も応援がなくなり1人となる。小児科も2019年度から医師不足が懸念されている。知念院長は「医師確保に向け県とも調整を続けているが状況は厳しい」と話した。
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https://dot.asahi.com/dot/2018031300077.html?page=1
奨学金を受給するも途中で返還 医学部受験「地域枠入試」の理想と現実 
庄村敦子2018.3.21 07:00 アエラdot.

 入る前も入った後も何かとお金がかかる医学部。地域で働けば返還免除になる奨学金や、成績優秀者に大学が給付する奨学金など、学費の負担を軽減する制度を上手に活用したい。医学部志望生向けのAERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』では、主な地域枠入試の入試方法や募集人数などを徹底調査。受験生は地域に残ることをアピールするが、はたして実情は。

*  *  *
 地域医療を担う医師不足を解消するために1997年度から始まったのが「地域枠」だ。約20年が経ち、現在ほとんどの大学が導入している。2016年度には71大学(1617人)にまで増えた。この数は地元出身者のための地域枠だけでなく、出身地にとらわれず将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠も含まれる。中には入試時には特別枠は設定していないが、入学後の募集で地域医療に資する奨学金と連動するものもある。

■入試で合格しやすく受験の機会が増える

 地域枠は受験生にとって、どのようなメリットがあるのか。

 まずあげられるのは、合格しやすいということだ。推薦とAO入試の地域枠は倍率が低いなどの理由で、一般入試よりも入りやすい。万が一不合格でも、一般入試にチャレンジできるので受験の機会も増える。

 もうひとつのメリットは、卒業後の一定期間、指定された医療機関や診療領域で働けば、奨学金の返済が免除となるものが多いことだ。

 東北医科薬科大学の「修学資金枠A方式」は、返済免除になれば、学費が国公立大学並みになる。同制度で入学した2年生の奈良井大輝さんはこう話す。

「三つの大学に合格し、父からは島根の自宅から近い関西の私大を勧められました。でも東北の復興のために役立ちたいという思いと、浪人したぶん学費の負担は軽くしたかったため東北医科薬科大学に決めました」

 奨学金の額はさまざまだが、中でも、額が大きいのが09年度に始まった「東京都地域枠入学試験」だ。現在は順天堂大学と杏林大学が各10人、東京慈恵会医科大学が5人募集している。

 出願資格は都内在住か、都内の高校などを卒業・卒業見込みの者。医師免許取得後、東京都が指定する医療機関で、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で奨学金貸与期間の1.5倍(9年間)以上働けば、各大学の6年間の修学費全額と生活費720万円の返還が免除となる。ただし、定められた勤務を遂行しない場合には、10%の利率で返済しなくてはならないため、注意が必要だ。

 17年春、1期生の5人が2年間の初期臨床研修を終えた。3人が周産期医療、2人が小児医療を選んだという。同試験の立ち上げから担当してきた東京都福祉保健局医療政策部医療調整担当課長の田口健医師は、感慨深そうにこう話す。

「入学した1期生が、指定した診療領域に進むまで8年。長かったですね。まずはホッとしていますが、返還免除まであと6年数カ月あります。9年間働いて立派な医師、よき先輩となってほしい。奨学金は都民の税金です。4領域しか選べないため、覚悟を持って受験してほしいですね」

■最初から地域に残るつもりがないのに…

一方で、地域枠では奨学金を受給したものの途中で返還するケースも増えていて、大きな課題になっている。

 厚生労働省が実施した「平成29年臨床研修修了者アンケート」によると、途中で返還した理由(複数回答可)として、2.4%が「もともと地域医療に従事する気はなく、最初から返還する予定だった」と回答している。

 この回答を裏づけるように、ある医学部予備校の関係者が打ち明けた。

「最初からその地域に残るつもりがないのに、一般入試よりも比較的入りやすいため『地域枠入試』で入学するケースはあります。保護者は『学費を先に払うか、後で払うかの違い』と言っていますね」

■地域への定着を目指し地元出身者に限定

 面接対策をしている受験生は地域に残ることをアピールするが、実情は違うようだ。ある国立大学の医学部長はこう語る。

「面接時に、受験生が『卒業後、離島で働きたい』『地域に残ります』と言っても、卒業すると出身地に帰る学生が多いため、未来については聞かないことにしました。主に高校時代について質問しています」

 同アンケートは、臨床研修修了後に大学と同じ都道府県に勤務する割合も調べている。地域枠全体の入学者が68%に対し、地元出身者(大学と出身地が同じ都道府県の者)は78%に上り、地元出身者の定着率のほうが高いという結果が出た。

 この結果を受け、厚生労働省が「地域枠」の出願資格を地元出身者に限定するよう通達した。現在、都道府県知事が地元医学部に「地元出身者枠」の設置・増員を要請することを可能とする法案化も進んでいる。

「18年度入試では、17年度には出身地による制限がなかった名古屋大学後期の『緊急医師確保対策枠』、大阪市立大学の『大阪府指定医療枠』、愛知医科大学の『愛知県地域特別枠』などが、出願資格の出身高校や居住地を地元に変更しました。今後、出願資格を変更する大学は増えると思います」(メディカルラボ・可児良友本部教務統括)

 多くの都道府県が医師の定着に悩む中、島根県は特殊な取り組みをしている。島根大学の地域枠入試では、地域の医療機関や福祉施設での実習が受験資格として義務づけられているのだ。

「地域枠推薦入試」では、生まれ育った地域が島根県内のへき地等に該当し、地元に帰って医療に貢献する強い意志のある者が対象となる。出身地にある医療機関と福祉施設で実習をするとともに、各施設長の面接評価を受け、市町村長による面接も受ける必要がある。 

一方、「緊急医師確保対策枠推薦入試」は、県内の医療に貢献する強い意志がある者が対象で、出身地は問わない。島根大学が指定する県内の医療機関で実習し、担当者の評価を受ける。さらに病院長や県担当者による面接もある。

 島根大学の並河徹医学部長は、こう語る。「病院長・福祉施設長や、自治体首長による面接評価があるうえ、志願者が実習の活動記録や感想文などを書くため、地域医療に貢献する強い意志があるか、医師としての資質を備えているかを確認できます」

 地域枠の他にも、返還不要の「給付型奨学金」や学費が減免される特待生制度もある。入試や入学後にいい成績を修められるよう、努力しよう。(文/庄村敦子)

※AERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』より抜粋



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2821304016032018TCC000/

「画像診断報告書」相次ぐ確認不足
重要情報共有されず/再発防ぐ 対策続々
 
2018/3/19付日本経済新聞 朝刊

 コンピューター断層撮影装置(CT)などで撮影した検査結果を記載する「画像診断報告書」の内容が医師間で共有されず、がんの治療が遅れ、患者が亡くなる事例が相次いでいる。大学病院が死亡事案を公表しているが、氷山の一角との指摘もある。どの病院でも起こりうる課題として医療界は危機感を強めており、対策に動き出している。

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 2015年10月、70代の男性は強い貧血で東京慈恵会医大病院(東京・港)に救急搬送された。消化管からの出血の疑いでCT検査を実施し、放射線科医は肺がんが疑われることから「短期間でのfollow(フォロー)が望まれます」と画像診断報告書に記載した。

肺がん見落とす

 だが、救急医から病棟医、外来医へと担当医が変わる中で、この重要情報が共有されなかった。男性の肺がんの発覚は1年遅れ、17年2月に亡くなった。

 同病院は年間約8万5千件のCTや磁気共鳴画像装置(MRI)の検査を行う。このうち約1割は「要経過観察」や「要精査」が必要で、検査結果に見落としがあれば患者に重大な影響を及ぼす可能性がある。

 丸毛啓史院長は「今後も起こりうる問題」と話す。医師間で重要情報を確実に伝え、共有する教育や研修を強化するが、それだけでは防ぎきれないことから様々な仕組みを整備する。

 その一つが診療情報室の職員が医師に報告書の内容を把握したか連絡することだ。17年10月から実施しており、18年4月には担当者を現在の1人から3人程度へと増やす予定。例えば画像診断報告書に「半年後に再検査が必要」と書かれていれば、実際に実施されたかどうか追跡していく。

 現在の大学病院の医師は専門性が高くなったが、その一方で日常的に治療する臓器以外は必ずしも詳しくはない。このため、主治医が予期しない重要な病気などを検査で見つけた場合、画像診断部の医師は見落としが起きないよう主治医に直接連絡することを周知している。

 さらに画像診断報告書は必要に応じて患者に交付してきたが、原則すべての患者に渡すようにする。検査を依頼した医師向けに書かれた通常の報告書を患者が理解するのは難しいため、4月からは患者用にかみ砕いて書いた報告書を渡す予定だ。医師が見落としたり忘れたりしてしまうのを患者からの指摘で防ぐのが狙いだ。

 画像診断報告書の確認不足は、同病院だけの問題ではない。医療事故情報を収集する日本医療機能評価機構(東京・千代田)によると、15年1月~17年9月の間に同様のミスが32件起きていた。医師の経験年数をみると、▽1~5年▽11~15年▽26~30年――がともに7件で、医師のキャリアに関係なく起きていた。

 名古屋大病院医療の質・安全管理部の長尾能雅教授は「医療の進歩がもたらした新たな課題だ」と指摘する。

 経済協力開発機構(OECD)によると、人口1千人当たりのCTの撮影回数は、日本は231回(14年)と加盟国の中で2番目に多い。放射線科医の読影術も向上し、昔だと分からなかった病気が見つかるようになる一方で、報告書内の重要情報を見落とすリスクも高まった。

 厚生労働省も事態を重くみている。17年度の医療法に基づく医療機関への立ち入り検査では、医療安全対策の確認ポイントの一つとして、画像診断報告書の確認不足の問題を例示。さらに17年11月、画像診断報告書の確認を徹底するよう通知を出した。

 国立がん研究センター中央病院(東京・中央)や、がん研有明病院(東京・江東)も対策の検討に動き出している。

未読管理システム

 名古屋大病院でも画像診断報告書の見落としが起きたことを踏まえ、医師が報告書に目を通したか把握する既読・未読管理システムを導入した。未読が30日以上続くとその医師が所属する医局長に伝え、さらに60日以上がたってもまだ未読だと医療の質・安全管理部に通知が行く仕組みを整備した。

 この管理システムの導入で「未読のまま放置される報告書はなくなった」と長尾教授は強調するが、「万全ではない」とも話す。現状の管理システムでは、医師が報告書の内容を正しく理解したかどうかは分からない。IT(情報技術)を駆使してこの問題をどう克服するかが今後の課題だという。

 東京慈恵会医大病院の肺がんの見落としで亡くなった男性は、亡くなる前に医療過誤原告の会(東京都東村山市)の宮脇正和会長に病院の抜本的改善などを求めて動くよう頼んだ。宮脇会長は「重大なミスが起こりうることを前提に、患者も一緒になって医療安全に取り組んでいくことが大切だ」と話している。

(辻征弥)



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52585
機能不全の地域医療、“経営戦略”で変革に挑戦
シリーズ「商いの原点」~医療法人三つ葉(愛知県)後編
 
2018.3.19(月) 嶋田 淑之 JB Times

 日本の高齢化率は27.4%(2017年)に達し、「超高齢社会」が進展する中、国の方針により要介護者の在宅率は上昇し続けている。しかるに、全国各地では経営難に起因する病院の統廃合が加速化し、在宅要介護者やその家族のニーズの増大に逆行するかのように、十分な医療サービスが提供されにくい状況になってきている。

 大都市部においても状況は芳しくない。夜間や休日に主治医の診療を受けることは困難であり、救急車を呼んでも、たらい回しにされた挙句、患者の医療情報をもたない病院の当直医におざなりの対応をされることも多い。

 医療サービスの質も量も問われるこうした現代日本において、全国的な注目を集めるクリニックがある。名古屋市にある「三つ葉在宅クリニック」(医療法人三つ葉)である。その代表は舩木良真医師(39)。

 常勤医師8人、非常勤10人。他に医療ソーシャルワーカー、診療サポート、医療事務、ドライバー、システムエンジニア、総務などスタッフ62人。

 名古屋市内の8区をカバーし、患者数は約1000人に達する。患者の年代は、80代が最多で、70代、90代と続く。病状に合わせた定期的な往診に加え、夜間・休日を含めた彼らへの緊急往診は年間2000件を超える。

きっかけは“地域医療の機能不全”

「名古屋大学医学部在学中は研究医になるつもりでした」と語る舩木氏。しかし、研修医1年目、日本の医療の在り方に深刻な疑問を感じたという。

非常に多くの高齢者が救急外来にやってきて、病院側は彼らを帰そうと躍起になる。本来、大病院は急性期の患者に高度医療を施す場所なのに、高齢者は地域の医院・クリニックへの信頼感が薄いため、どんな問題であれ、すべて大病院に頼ろうとする。

 高齢化率が急速に上昇し続ける中、地域医療が時代の変化に対応できず機能不全を起こしているとすれば、由々しき事態である。

 舩木氏は、2003年、諸外国を視察して回った。

「北欧とニュージーランドで、“コミュニティ・ケア”を目の当たりにしました。高齢者が(病院や施設ではなく)“地域”でそれまで通りの日常生活を営みながら医療を受けているのです。

 成熟した国家では、自分の生き方を自己決定する。日本においても、高齢者が“人生の最後の時期をどう過ごすのが幸せか”を自ら決める時代が来ると考えました。私だったら自宅で過ごしたい。そういう人は多いに違いない。在宅医療に大きなニーズが存在すると」

 ここでのキーワードは“地域”である。“家庭”が単位になると、今まさに日本で社会問題化しているように、「介護離職による経済的破綻」「老々介護による共倒れ」、そしてそれらの帰結としての自殺や無理心中などを招来してしまう。

 あくまでも、地域の医院・クリニック、ケアマネージャー、訪問看護ステーション、介護事業者などが、(日本の現状とは異なる)強固な連携を構築し、家族の負担を最小限に減らしつつ、高齢者の切実なニーズに対応したサービスを提供することが肝要だ。

 舩木氏は、イノベーティブな在宅医療サービスを創出すべく、ビジネススクールに入学し、ベンチャー企業の成功パターンなどを学んだ(前編「医療界で『三方よし』を実践するMBA医師」参照)。そして、2005年、周囲の猛反対を押し切って、志を同じくする仲間たちと「三つ葉在宅クリニック」を開設した。

薬価を知らない医師が多い日本の現状

 業務プロセスの特性として「看護師がひとりも在籍していない」こと、そして、これがクリニック内に“勉強会文化”を定着させたことは前編で述べた通りである。

 この“勉強会文化”は、実は別の業務プロセス革新の成功を担保している。それは、「同クリニックとして、製薬会社のMR(医薬情報担当者)とはほとんど会わない」という、従来の医療機関では考えられなかった業務プロセス革新である。

 MRは、自社の医薬品の副作用等に関する情報を医療機関から収集しつつ、同時に、自社の新製品などに関する情報を医療機関に提供し、購入への動機づけを行う。

「MRの方々は、新しい医薬品や値段の高い医薬品の方がよく効くと主張する傾向があります。しかし、論文などを読み込めば、決して彼らの言う通りではないことが判明します。はっきり言って、5円の医薬品と1000円の医薬品を比較した場合、効果・副作用ともに大差ないケースもあるのです」

 それなのに、日本の医師の多くが、残念ながらMRに依存してしまっていると舩木氏は嘆息する。それは、ひとえに、自らエビデンスに当たるなどの自己研鑽ができていないからだという。

 三つ葉在宅クリニックでは、MRにほとんど会わない代わりに、医師たちが自ら勉強することで、必要な(しかも正しい)情報を得る。“勉強会文化”の定着がそれを可能にしているのだ。

「私たちにとって何よりも大切なのは、患者さんにとって最適なことをいかに低価格で提供し、それを通じて患者さんの幸せをいかに実現するかということです。そのためには、“費用対効果”ということを常に意識し検証し続けることが重要です。にもかかわらず、現実には、日本の医師のほとんどが薬価を知りません。費用対効果をまったく考えずに処方しているのです」

「不安マーケティング」に乗せられるな

 米国のドナルド・トランプ大統領が離脱の大統領令に署名したため、いったんは雲散霧消したかに見えたTPP。ところが、その後、アメリカを除く11カ国による協議の結果、2017年11月に大筋合意が確認され、2018年3月8日にチリで11カ国による署名式が行われた。それどころか、トランプが再加入を匂わせるなど、きな臭い昨今の状況である。

 日本では、TPP正式加盟に先駆け、混合診療が解禁された。今後は、患者10割負担の自由診療枠が徐々に拡大していくと見られ、医療格差が生まれるのではないかと懸念されている。

「私たちは、いずれこうした日が訪れることを予期し、“費用対効果”を徹底的に追求してきました。『高コスト→高品質な医療サービス』『低コスト→低品質な医療サービス』なら、誰にでもできる。しかし、『低コスト→高品質な医療サービス』にはイノベーションが必要です。私たちは、まさにこの戦略を推進してきたわけです。

“TPP時代になったら富裕層以外まともな医療を受けられない”ということはありません。必要最低限の金銭負担で、まっとうな医療サービスを受けられることは実証済みです」

 ただし、それには条件がつく。日本の医師たちが、MRに過度に依存することなく、自己研鑽に励み、自らエビデンスに当たり、医療サービスの費用対効果を徹底追求する姿勢を持つことだ。

 舩木氏は、これからの時代、患者サイドも、“費用対効果”の意識を持つことが大切だと言う。

「“これだけお金をかければこんな素晴らしい医療サービスが受けられる。でも、これっぽっちしかお金をかけないとこの程度の医療サービスしか受けられない”という形で、米国系多国籍企業がマーケティングを仕掛けてくる可能性があります。万一、こうした価値観が日本社会に蔓延するようなら、日本の医療はズタズタになってしまうと私は危惧しています。そうした“不安を煽るマーケティング”に乗せられてはなりません」

 全国の医師の自己研鑽はもちろんだが、国民一人ひとりも、自ら勉強し、“費用対効果”に対する自分なりの視点を持つことが今、求められているようだ。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180323_53056.html
<日本海ヘルスケアネット>来月設立へ 庄内北部の包括ケア充実 
2018年03月23日金曜日 河北新報

[くりや・よしき]東北大医学部卒。仙台市立病院などを経て1988年酒田市立酒田病院。98年に同病院長。2008年に独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」の初代理事長兼日本海総合病院長。14年から酒田地区医師会長も務める。71歳。北秋田市出身。

 山形県医療審議会は22日、県・酒田市病院機構など酒田市内の医療・福祉関連9法人が参画する地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」の設立を認める方向で一致した。知事の認定を経て、東北初となる地域医療連携推進法人が4月初旬にも発足する。代表理事に就く予定の栗谷義樹・同病院機構理事長(71)に展望を聞いた。
(酒田支局・亀山貴裕)

◎山形県・酒田市病院機構 栗谷義樹理事長に聞く

<スタッフ派遣も>
 -審議会が新法人設立を認めました。今後どのような取り組みを進めますか。
 「最終的には知事の認定が必要だが、9法人で1年半重ねてきた議論がようやく実る。地域医療連携推進法人となれば、職員の相互派遣や共同研修、医療機器の共同利用、病床機能ごとの役割分担など非常に多くのことが可能になる」
 「介護士や看護師の確保策を例に挙げると、比較的知名度が高い病院機構で募集・採用し、ある程度キャリアを積んだ段階で人手不足の連携施設に出向してもらうことはあり得る。機構としては余剰スタッフを抱えるが、連携する回復期病院や介護・福祉施設の体制が整えば、地域包括ケア体制の充実という意味で結果的にプラス効果が生じる」
 -患者のメリットは。
 「利用者側の個々のメリットとなると、説明が難しい。地域で必要とされる医療、介護、福祉サービスを将来にわたって提供し続けるための基盤づくりと考えてほしい」
 「少子高齢化で社会保障費が増大する中、病院や介護施設は非常に厳しい時代を迎える。これまで競合してきた法人同士が協調へ転換し、施設間の資源を有効活用することで、医療崩壊など最悪の事態を避けられる確率が高まる」

<統合協議が素地>
 -地域医療連携推進法人は東北で初めて。酒田で実現できるのはなぜですか。
 「庄内北部では10年前、県立病院と酒田市立病院の統合という大きな出来事があった。医師会や病院、行政との間で非常に難しい議論が交わされ、統合後も日々の連携や利害調整で率直に、時に厳しい話を重ねてきた。そこで生まれた信用が素地となり、新法人設立に至ったと考えている」
 -参加法人は全て庄内北部。鶴岡市を中心とした南部との連携はありますか。
 「国の定めた連携推進区域は二次医療圏が基本原則で、できない理由はない。庄内全体の人口は28万弱から、2025年には24万まで減るという推計が出ている。急性期医療に用いられる医療機材は高価で、生活圏を同じくする庄内の各病院が重複投資を続ければ共倒れになりかねない」
 「これまでは北部と南部の病院が共同で運営するという意識は薄かった。南北の連携は私たちの次の世代の課題になるだろう」

[地域医療連携推進法人]地域の医療機関や介護施設のネットワーク化により、業務連携や医療機能の分担を促し、質の高い効率的な医療提供体制を地域で確保する。厚生労働省が2017年4月、地域医療構想を実現するための一つの選択肢として制度化。全国で愛知県や広島県などの4法人が認定を受けるが、関東以北では事例がない。



http://www.medwatch.jp/?p=19684
新専門医制度、東京で専攻医多いが、近隣県を広くカバーする見込み―日本専門医機構 
2018年3月19日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2018年度からの新専門医制度スタートに向けて、専門医を目指す専攻医の1次・2次登録結果をみると、東京都に多く登録しているように見える。しかし、研修の1年目から地方病院へ配属される医師も十数%程度おり、関東一円を広くカバーすることになる。新専門医制度によって「医師偏在が助長されている」とは言えない―。

 日本専門医機構は3月16日の理事会に、このような資料を提示しました。今後も、専攻医の動向(どこの地域に配属されているか)などを調べるとともに、大都市部への集中が起こらないような「都道府県別の専攻医上限数」(シーリング)を常に調整していくことになります(関連記事はこちらとこちら)。

ここがポイント!
1 数字上は東京都に専攻医が集中しているが、プログラム上、一定割合が地方派遣される
2 東京都の研修プログラム、一定割合が「近隣県の連携施設での研修(派遣)」を予定
3 自治体サイドは依然として「医師偏在助長」を懸念し、制度改善の申し入れも

数字上は東京都に専攻医が集中しているが、プログラム上、一定割合が地方派遣される

2018年度からの新専門医制度全面スタートに向けて、専攻医の登録が進んでいます。日本専門医機構では、「専攻医登録の推測結果」(3次予定等を含めた4月以降に勤務する都道府県、基幹病院ベース)と、「初期臨床研修地」(3月まで勤務する都道府県、主に基幹病院ベース)との比較結果を発表しました。次のような状況が明らかになっています(初期研修医数と合計と、専攻医数合計は合致しない)。

▽北海道:初期研修医338名、専攻医296名 → 4月から▲42名
▽青森県:初期研修医82名、 専攻医61名 → 4月から▲21名
▽岩手県:初期研修医66名、 専攻医62名 → 4月から▼42名
▽宮城県:初期研修医114名、専攻医158名 → 4月から+44名
▽秋田県:初期研修医84名、 専攻医60名 → 4月から▲24名
▽山形県:初期研修医74名、 専攻医55名 → 4月から▲19名
▽福島県:初期研修医95名、 専攻医85名 → 4月から▲10名
▽茨城県:初期研修医155名、専攻医129名 → 4月から▲26名
▽栃木県:初期研修医128名、専攻医120名 → 4月から▲8名
▽群馬県:初期研修医78名、 専攻医79名 → 4月から+1名
▽埼玉県:初期研修医286名、専攻医228名 → 4月から▲58名
▽千葉県:初期研修医338名、専攻医268名 → 4月から▲70名
▽東京都:初期研修医1350名、専攻医1825名 → 4月から+475名
▽神奈川県:初期研修医569名、専攻医497名 → 4月から▲72名
▽新潟県:初期研修医95名、 専攻医100名 → 4月から+5名
▽富山県:初期研修医72名、 専攻医54名 → 4月から▲18名
▽石川県:初期研修医93名、 専攻医110名 → 4月から+17名
▽福井県:初期研修医49名、 専攻医39名 → 4月から▲10名
▽山梨県:初期研修医53名、 専攻医37名 → 4月から▲16名
▽長野県:初期研修医129名、専攻医112名 → 4月から▲17名
▽岐阜県:初期研修医117名、専攻医97名 → 4月から▲20名
▽静岡県:初期研修医194名、専攻医115名 → 4月から▲79名
▽愛知県:初期研修医446名、専攻医449名 → 4月から+3名
▽三重県:初期研修医120名、専攻医102名 → 4月から▲18名
▽滋賀県:初期研修医91名、 専攻医89名 → 4月から▲2名
▽京都府:初期研修医230名、専攻医283名 → 4月から+53名
▽大阪府:初期研修医602名、専攻医650名 → 4月から+48名
▽兵庫県:初期研修医366名、専攻医342名 → 4月から▲24名
▽奈良県:初期研修医112名、専攻医104名 → 4月から▲8名
▽和歌山県:初期研修医90名、専攻医72名 → 4月から▲18名
▽鳥取県:初期研修医40名、 専攻医45名 → 4月から+5名
▽島根県:初期研修医52名、 専攻医37名 → 4月から▲15名
▽岡山県:初期研修医176名、専攻医215名 → 4月から+39名
▽広島県:初期研修医169名、専攻医148名 → 4月から▲11名
▽山口県:初期研修医68名、 専攻医46名 → 4月から▲12名
▽徳島県:初期研修医52名、 専攻医60名 → 4月から+8名
▽香川県:初期研修医61名、 専攻医48名 → 4月から▲13名
▽愛媛県:初期研修医91名、 専攻医86名 → 4月から▲5名
▽高知県:初期研修医59名、 専攻医50名 → 4月から▲9名
▽福岡県:初期研修医380名、専攻医451名 → 4月から+71名
▽佐賀県:初期研修医64名、 専攻医58名 → 4月から▲6名
▽長崎県:初期研修医73名、 専攻医83名 → 4月から+10名
▽熊本県:初期研修医101名、専攻医102名 → 4月から+1名
▽大分県:初期研修医71名、 専攻医64名 → 4月から▲7名
▽宮崎県:初期研修医44名、 専攻医37名 → 4月から▲7名
▽鹿児島県:初期研修医94名、専攻医94名 → 4月から増減なし
▽沖縄県:初期研修医148名、専攻医107名 → 4月から▲41名

 数字だけを見ると、▼東京都(+475名)▼福岡県(+71名)▼京都府(+53名)▼大阪府(+48名)▼宮城県(+44名)▼岡山県(+39名)—などで医師が増加し、静岡県(▲79名)や神奈川県(▲72名)、千葉県(▲70名)埼玉県(▲58名)などで医師が大きく減少することになり、「都市部への一極集中」が進んでいるのではないか、とも思われます。

 しかし機構では「ある都道府県の初期研修医が、どの都道府県で専攻医となるか」(逆に見れば、ある都道府県の専攻医が、どの都道府県で初期研修を受けていたか)という分析も行っています。

例えば、東京都の専攻医1825名について見てみると、1115名が「東京都」で、710名が「東京都以外」で初期研修を受けています。710名の内訳を見ると、▼神奈川県165名▲千葉県132名▼埼玉県101名▼静岡県51名▼茨城県34名▼栃木県28名▼北海道15名▼福岡県15名▼沖縄県15名―などとなっており、近隣県(上位6県)で72.0%が占められています。

またこの分析からは、「全国から東京都に一極集中している」のではなく、「複数の府県(福岡県、大阪府、岡山県など)に近隣県から医師が移動している」状況も伺えました。例えば、福岡県には▼山口県から16名▼東京都から12名▼長崎県から11名▼佐賀県から10名―が、大阪府には▼兵庫県から68名▼京都府から22名▼奈良県から17名▼和歌山県から11名―、岡山県には▼広島県から21名▼兵庫県から11名▼香川県から9名―の医師が移動しています。

東京都の研修プログラム、一定割合が「近隣県の連携施設での研修(派遣)」を予定

 さらに機構の松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は、「例えば東京都の研修プログラムについて問い合わせたところ、20-10数%は1年目から関東地方をはじめとする近隣県の医療機関(連携施設)で研修を受ける(つまり勤務する)ことが分かった」と説明。つまり、東京都で専攻医登録した1825名のうち20%から10数%にあたる300名程度は、2018年度には東京都以外で勤務することになるのです。さらに、研修の2年目、3年目になれば地域医療を学ぶために、さらに多くの割合の専攻医が地方勤務に就くと予想されます。

 こうしたことを総合して松原副理事長は、「数字上は東京都に専攻医が集中しているように見えるが、多くの医師が東京都から近隣県に派遣される形となる」「東京都以外で医師が増加したところ(大阪府や福岡県)も同様と考えられる」と説明しています。

例えば東京都には、多くの専攻医が集中していますが、ほとんどは「もともと東京都で初期研修を受けていた」医師であり、残りの医師の多くは「近隣県から東京都に移動した」医師です。一定割合(現時点では20-10数%)の医師は、近隣県に派遣される(研修プログラムで規定)ことになり、「地域医療が崩壊する」とは考えにくいというのが機構側の見解と言えます。

もっとも松原副理事長と山下英俊副理事長(山形大学医学部長)は、例えば静岡県で大きく医師が減少する点について、「静岡県から東京都に51名の医師が移動することになる。これを東京都の研修プログラムで『東京都から静岡県に派遣する』などの形で、どこまでカバーしていくのかを十分に注視していく必要がある」旨も強調しています。静岡県以外でも、上記で見たように神奈川県(▲72名)、千葉県(▲70名)埼玉県(▲58名)などで医師が大きく減少し、同様に、「これらの減少が、個別研修プログラムの中でどこまでカバーされるのか」注意深く見守っていくことが重要です。その他の地域でも「実際に医師減少分が派遣等でカバーされるのか」を確認することが必要でしょう。

さらに松原・山下両副理事長は、「これまでのカリキュラム制による研修(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)では、専攻医がどこに勤務しているのか分からなかったが、新専門医制度でプラグラム制を軸としたことで、専攻医の勤務地が『見える化』できた」と、新専門医制度の創設意義を改めて強調。

また、医師偏在を助長しない仕組みの1つである「大都市部の専攻医上限」(シーリング)についても、今回、初めて都道府県別のデータが揃ったことから、「毎年、状況をチェックして適宜、上限数を調整していく」ことが明らかにされています。

自治体サイドは依然として「医師偏在助長」を懸念し、制度改善の申し入れも

 もっともこれらのデータでも、自治体サイドの「医師偏在が助長される」と言う懸念は払しょくできていないようです。3月16日の理事会では、井戸敏三理事(兵庫県知事)から▼専攻医登録数(採用数)上限について、初期臨床研修医と同じく1.1倍(2年目初期臨床研修医ベース)とする▼診療科ごとの募集定員設定を検討する▼連携施設での研修期間を1か所につき「原則6か月以上」に見直す―などの改善提案が行われています。本提案は、加藤勝信厚生労働大臣にも行われています。

なお、3月16日の理事会では、▼内科のサブスペシャリティ領域として13領域(▼外科のサブスペシャリティ領域として6領域—を機構として認証することが決まりました。今後、各基本領域についてどのサブスペシャリティ領域とするのか(サブスペシャリティ領域の専門医資格を取得するためには、該当する基本領域の専門医を取得することが前提となる)、順次決定していくことになります。


  1. 2018/03/25(日) 09:42:00|
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