Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月18日 

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-683972.html
県立北部病院 夜間救急外科を制限 医師不足で週2日に
2018年3月17日 07:30 琉球新報

 【名護】名護市大中の県立北部病院(知念清治院長)が、医師不足のため4月1日から夜間(午後5時~翌日午前8時)の外科救急診療を、現在の週4日から週2日に制限することが16日、分かった。県立北部病院は2017年8月にも外科医が退職し診療制限が行われた。北部病院の久貝忠男副院長は「医師の後任が見つからず悪循環に陥っている」と述べた。
 現在4人いる外科医のうち1人が3月末で退職し、3人になる。外科の一般診療は現状維持できるように検討中だが、医師不足のため今後は一般診療も制限される可能性が出てくる。

 さらに産婦人科の医師も現在の4人から4月1日から3人になり、6月1日から2人に減ることが決まった。これまで緊急性の高い妊婦などは受け入れてきたが、3月からは受け入れを断っている。県立北部病院は「本格的に患者を受け入れられない状況が出てきた」と話している。

 県立北部病院は、昨年8月、外科医が1人退職し、外科の日中の一般診療だけでなく、夜間緊急外来を週7日から週4日に制限した。2月1日からも眼科が休診しており、短期間での診療制限や休診が著しい。

 外科医の退職により夜間当直の1人当たりの回数が増加することになり、医師の過重負担は避けられない状況だ。

 久貝副院長は「北部地域の医療体制が崩壊する可能性がある。外科医が不足していくと地域医療に支障を来すことは間違いない。人材確保を最優先にしているが、改善するめどは立っていない」と話した。
(阪口彩子)



http://healthpress.jp/2018/03/post-3542.html
震災バブルで集まった医師たちの撤退が止まらない 南相馬市立総合病院の深刻な医師不足 
2018.03.16 ヘルスプレス

 震災から7年を迎え、背に腹は代えられず、本メルマガに久しぶりの投稿をさせていただきます。

 2018年度春からの当病院(編集部註:南相馬市立総合病院)における診療体制に関して、特に内科診療の立場からの予見について、まずはお知らせします。

 今年度のはじめまで(すなわち2017年度初旬)、内科診療部門には10名の常勤医師がいました(循環器内科3名、消化器内科2名、在宅診療科2名、神経内科2名、呼吸器内科1名)。もともと震災前から働いていた医師が3名(循環器内科、消化器内科、在宅診療科、それぞれ1名ずつ)、福島県立医大からの派遣医師が2名(循環器内科2名)、そして私(編集部註:小鷹昌明医師)のように震災後に支援に入った医師が5名です。

 アレルギー・膠原病・内分泌代謝・腎疾患の専門医は不在なものの、150床程度で運営されていた地域病院の規模から見れば(決して恵まれているとはいえませんが)そこそこの医師数が確保されていました。

 当科においても、初期臨床研修を終えた3年目の女医さんを迎えることになり、お陰様で2人体制となり、個人的にも楽しい診療の日々でした。多くの医療支援者の方々には、とても感謝しております。

4月から内科の常勤医は、これまでの半数の5名へと減少

 歯車の狂い出した序章は、消化器内科医である当時の病院長の急な病欠でした。がん検診を目的としたバリウム検査に伴う不慮な合併症が原因で、一時期は人工肛門、人工呼吸器装着に至るまでの重篤な状態に陥りました(お陰様で、現在は回復しています)。

 その結果、消化器疾患患者を大量に紹介せざるを得ない状況に至ったばかりでなく、内視鏡検査(および治療)の削減へと舵が切られました。電子カルテ導入とヘリポート完備の新病棟建設で出費の重なっていた当院においては、まさに青天の霹靂、経営に大きな影を落としはじめました。

 続いて、在宅診療科医1名の南相馬市立小高病院への派遣が決まりました(20km圏内の旧警戒区域にある病院の再建に力を貸すのは公立病院としての責務)。

 さらに、一足先に医師不足に陥っていた市内の民間病院(医療法人社団青空会・大町病院)の応援のために神経内科の愛弟子に白羽の矢が立ち、彼女は進んで出向されていきました。2017年10月のことでした。

 その結果、当科におきましても、再び「ひとり医長」を強いられることになりました。半年間に3人の内科常勤医を欠きましたが、外科医の協力を得ながら、それでもなんとか維持してきました。

 復帰の目処の立たない病院長に代わり、その後を引き継いだ代行病院長(脳神経外科医)の指示のもと、企画室が立ち上がり経営改善への施策が進められました。「地域包括ケア病棟」が開設され、今春から透析部門の導入が予定されています。

 地域包括ケア病棟の実務的責任者は、難病やレスパイト患者を多く扱うという理由から、私(筆者)になりました。血液透析の恩恵を受ける患者はもちろんいるであろうし、確かに経営改善の一躍を担うと思います。しかし、管理するのはおそらく内科医になります。

 この4月からの診療体制がどうなるかといえば――、消化器内科の前病院長と神経内科の愛弟子は既に退職しました。ひとり奮闘してきた6年目となる消化器内科医1名の退職に引き続き(相馬市の医療法人茶畑会・相馬中央病院へ就職)、残っていた1名の在宅診療科医の退職(南相馬市内の鹿島厚生病院へ就職)、さらに、小高病院へ派遣中の在宅診療科医の休職が追い打ちをかけています(家庭の事情により地元へ帰省予定)。

 あっという間に、内科常勤医はこれまでの半数の5名へと減少します。残った5名のうち3名は、循環器内科医なので、当該科のエマージェンシーに対応するだけで手一杯です。そうなると、呼吸器内科医1名と神経内科医である私の1名が実質的な内科医となり、きっと高齢者や障害者、コモンディジーズの対応に忙殺されることになります。

風化が進む被災地での支援医師の撤退が止まらない

 震災から7年が経過しました。震災前におけるこの病院の常勤医は、全体で14人だったと聞きます。それでもなんとか回っていたのは、高度医療の提供を諦めていたからです。今は違います。できるだけ断らない医療の実践を目指しています。

 少しずつ復興に向かって取り組んでいる、この街での6年間の生活は、医師として、あるいはひとりの人間の生き方として、私をいろいろな意味で成長させてくれました。

 風化の進む被災地において、支援医師の撤退が止まりません。

 これからのこの病院の魅力は、いったい何なのでしょうか? 臓器専門性の高い医療は集約化が進み、そこで必要な治療を受けた患者が、回復期病床あるいは地域に戻ってきてケアを受けるようになっています。それでいいと思いますし、実際にそうなっています。

 地域の医師の条件として「何でも診られる」というスキルは決して誤りではありません。しかし、自分の専門周囲の疾患程度が、そこそこ診られれば、まずはそれでいいと思っています。

 でもそれは、若手の医師である必要はまったくなく、専門領域においてさまざまな経験を積んだ、それなりに機転の利く医師で構いません。高齢者患者のすべての病気が診られることよりも、患者個人を「自分らしい暮らし」へと導ける医師のほうが大切で、そうした医療者こそが地域医療を回してゆくと私は考えています。

南相馬市立総合病院が目指すのは、日本の行く末を見据えた先駆的な地域病院

 震災跡地というこの場所には、新しい価値観を見出した医師が残っています。すべての診療科を揃えて、救急患者に備えようとするよりも、ここでしか作れない固有の文化価値を持つ医療をどれだけ生み出すかが被災地病院を支えていくための基礎になります。この病院の目指す方向は、日本の行く末を見据えた地域病院としての先駆的な取り組みです。

 そのような文化価値を有する医療の創出には、「訴えのはっきりしない高齢患者を正しく理解する『見識力』」「健康管理の責任者は、まずは自分であると自覚させられる『指南力』」「無理な延命よりは、患者本人の自分らしい生き方を考えられる『想像力』」「さまざまな異なる悩みを共有できて、解決の糸口を探れる『共感力』」――。

 「最終的には、総合病院に駆け込むことだけが大切だ」と教え込ませる医療ではなく、その人らしい生き方を適用していける「やり過ぎない医療体制」です。私たちは前向きに衰退するために、寂しさと向き合いながら、歯を食いしばってこの課題に取り組まなくてはなりません。

 震災バブルで集まった医師たちでしたが、ここへきて完全に弾けました。早晩、南相馬市立総合病院の内科部門は立ち行かなくなります。

 被災地の地域病院は再び崩壊へと向かうのでしょうか? それとも起死回生はあるのでしょうか?

 残念ながら、いまのところ有効な対処法はありません。多くの苦難が予想されますが、決して絶望はしません。4月から新しい初期臨床研修医も2名やってきます。第2ステージへと進みつつある、この街の医療の行く末を、もう少し見届けたいと思います。それまで、どうか再びのご支援を賜りたいと願っています。
(文=小鷹昌明/南相馬市立総合病院・神経内科)

医療ガバナンス学会発行「MRIC」2018年3月14日より転載



http://www.yomiuri.co.jp/local/niigata/news/20180316-OYTNT50139.html
医師志望者に情報サイト 
2018年03月16日 読売新聞

 医師不足の解消につなげるため、県は15日、研修医や医師を目指している人向けの情報を集めたポータルサイト「医師ナビにいがた」を開設した。県内で受けられる臨床研修や修学資金制度などを紹介し、勤務環境を幅広くPRしていく。

 現役医師や医学生、医師を志す高校生らも対象に、最新のイベント情報も随時更新する。仕事を身近に感じてもらおうと、県内で活躍する医師や研修医約65人のインタビューも掲載。公式のツイッターとフェイスブックでも情報発信を始める。

 2016年度の県内医師数は、人口10万人当たり205・5人で全国43位にとどまり、全国平均との差は年々広がっている。

 県医師・看護職員確保対策課は、「県内で働きたい人を全力でサポートするというメッセージを込めている。必要な情報が簡単に手に入るよう、内容を充実させたい」としている。

 サイトのアドレスはhttps://www.ishinavi-niigata.jp/



https://www.nishinippon.co.jp/nnp/medical/article/400762/
医師確保、都道府県に役割 医療法改正案など閣議決定 
2018年03月13日 08時57分 西日本新聞

 医師の都市部などへの集中を解消するため、政府は13日、国が新たに導入する「医師偏在指標」を踏まえ、都道府県が医師の確保計画を策定するなどとした医療法と医師法の改正案を閣議決定した。

 改正案には、医師不足地域で勤務した医師を厚生労働相が認定し、一部病院で院長ら管理者になる際の評価項目に加える優遇措置も盛り込んだ。

 医師養成課程での都道府県の権限も拡大。大学医学部に地元出身者枠の設定や増員を要請できるようにするほか、新人医師の臨床研修を実施する病院の指定や募集定員の設定もできる仕組みづくりも進める。



https://mainichi.jp/articles/20180314/k00/00m/010/103000c
医療法改正案
閣議決定 医師の地域偏在を是正へ
 
毎日新聞2018年3月13日 21時18分(最終更新 3月13日 21時18分)

医師法改正案も
 政府は13日、医師の地域偏在の是正策を柱とした医療法と医師法の改正案を閣議決定した。医師の養成や派遣調整について都道府県の権限を強化するとともに、医師確保の目標数や対策を示した「医師確保計画」の策定を都道府県に義務付けた。2019年4月の施行を目指す。

 16年の人口10万人当たりの医師数は240.1人で、年々増えている。しかし最多の徳島県(315.9人)と最少の埼玉県(160.1人)では2倍近い差があり、同じ都道府県内でも地域差が大きい。

 両法案では、この是正に向けて、都道府県の主体的な取り組みを求めた。

 医師の養成課程では、医師会や医療機関で作る協議会との話し合いを経て、医学部を持つ大学に対して必ず地元で一定期間勤務する「地域枠」を定員に設ける要請を都道府県ができるようにする。地域枠出身の医師らの派遣は、都道府県の役割だと法律で明記する。

 医学部卒業後は、臨床研修をする病院の指定や定員設定の権限を国から都道府県に移す。新年度に導入される新専門医制度でも、研修病院が都市部に偏らないよう、日本専門医機構が都道府県の意見を聞く仕組みを設ける。

 また、国は新たに医師不足の度合いを示す指標を作成。それに基づき、都道府県は重点的に医師を送る「医師少数地域」を指定するとした。同地域で勤務した医師を認定する制度も新設し、認定取得を地域医療の中核的な病院の院長になる要件にするなど優遇する。

 政府は同日、食品メーカーがリコールした際に自治体への報告を義務付ける食品衛生法改正案も閣議決定した。【熊谷豪】



https://www.asahi.com/articles/ASL3F3TRNL3FUBQU007.html?iref=com_apitop
ふるさと納税で医師確保へ 目標は3千万円 三重 
深津慶造2018年3月13日14時00分 朝日新聞

 三重県いなべ市がふるさと納税制度を使って、不足している医師の確保のための費用をまかなう事業を、来年度から始める。自治体が寄付金の使途を明確にして資金を調達する「ガバメントクラウドファンディング」と呼ばれる手法で、ふるさと納税サイトを利用するという。

ふるさと納税で高齢者見守り装置 愛知・犬山市
 JA三重厚生連が運営している同市北勢町阿下喜の「三重北医療センターいなべ総合病院」(220床)は、内科、皮膚科、小児科など22科を持ち、市の医療の中核をなしている。しかし、ここのところ、特に内科医が不足しているという。

 市健康推進課によると、多いときには11人の内科医が在籍していたが、退職などで徐々に減り、現在は6人態勢。4月からは3人になってしまうといい、すでに非常勤医師で回している。

 市はインターネット上のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で、寄付を募る。1万円ほどから集め、3千万円を目標とする。不足した場合、市は補塡(ほてん)も検討している。

 集まった3千万円を使って、医学部を持つ大学に地域医療などを研究する寄付講座をつくる。大学側からは、その講座を担当する医師をいなべ総合病院に派遣してもらうという。市は医師2人の派遣を想定している。

 市の担当者は「都会で活躍しているいなべ市出身者も、両親や祖父母は今でも地元で暮らしている方が多い。医師不足の現状を理解して、ぜひ都会から応援してほしい」と話している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590947
シリーズ 日本vs.米国、医師2732人を徹底調査!
「最高の医療提供」の動機付けを医師に◆Vol.15-2
【米国】自国の医療制度の課題
 
スペシャル企画 2018年3月11日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 米国の医師に「自国の医療制度の課題」を尋ねたところ、医療費や医療保険の問題についての意見が多数を占めた。併せて公的医療保険や医療政策を立案、運営する立場にある行政官や政治家等への批判も相次いだ(日本の医師の回答は、『「日本の医療、問題ありすぎ、どこから手を付ける?」』を参照)。

◆メディケア/メディケイド/民間保険会社
・非常に多くの保険会社が政府とは異なる関心を持ち、政府による集権的な単一支払者制度の成立阻止していること。われわれはその中間におり、道半ばで、行き詰まっている。(25-29歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・医療費請求書を書いている人たちは、医療が実際にどのように機能しているのかについて無知である。彼らは患者について考えたり、関心を持つことはせず、医療費がどれくらいかに関心があるだけである。(30-34歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・彼らは医療の世界から出て行ってもらう必要がある。保険は利益の点で意味がない。あらゆる人の面倒を見るためには多額の費用が必要だ。また、給付金を分配することをやめる必要がある、すなわち拡がり続けるメディケイドをやめるということだ。諸経費をカバーできない最低額の保険償還の下で働きたい医師などいない。(35-39歳男性、Private,office based practice)
・全てのアメリカ人に対して保険を実現することと同時に、医師に対して最高のレベルの医療を提供する動機となるに十分な保険償還を保持すること。(40-44歳男性、Private,office based practice)
・医療を利益追求産業としようとすること。製薬会社や保険会社のロビー活動はあまりにも投資額が大きい。排除すべきである。(40-44歳男性、Community Hospital)
・国の予算に負担をかけず、患者への手頃な価格の医療提供のバランスを取ることはチャレンジであると思う。メディケイドシステムは本当に必要とする患者が、必要とする医療を受けられるように改善しなくてはならない。多くの人々は、どのようにしてメディケイドシステムを利用すべきかを理解しているように感じている。(45-49歳女性、Private,office based practice)
・保険会社の影響や関連する障害を排除(少なくとも低減させる)するような、単一支払者制度のリスクと利益を秤にかけること。(45-49歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・あらゆる人に低コストあるいは無料の医療を提供すること。その理由は保険会社や製薬会社が、医療に関わる医療費、何の検査や医薬品を認めるかを決定するからだ。(45-49歳男性、Private,office based practice)
・自分の健康への関心をなくさせるメディケイドの資格の付与をやめること。良い健康を保つことは共同責任であるが、アメリカ人は健康的なライフスタイルを生きるという負荷を背負うことをしたがらない。(60-64歳男性、Private, office based practice)
・あらゆる人に基本的かつ予防的および慢性的な疾患治療の補償範囲を規定する方法、経済的破綻をせずに医療技術提供者を追い払う方法。(60-64歳女性、Private,office based practice)

◆医療費問題
・病院と医療保険会社のロビー活動が過小評価されている。病院と医療保険会社は利益第一であり、このことが現在維持できないほどの医療費上昇につながっている。(35-39歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・コストダウンを図りながら、アメリカ人がずっと慣れてきた質の高い医療をどうしたら供給できるのか。たとえホームレスや市長であっても、誰でもが同じ医療を受けることができなくてはならない。しかし、世界中で最も良質な医療に対して、いったい誰が支払うのかという論点がある。(50-54歳男性、Private, office based practice)
・できるだけ多くの人々をカバーしようとする医療費の抑制。医師はあらゆる人々に治療を施すことができないことを知ること。人々に諸情勢と健康に責任を持たせること。(50-54歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・2つある。第一は、医師が「偉大なるアメリカの過剰な治療マシーン」であることが、医療費をつり上げていると言えること(これは過剰請求マシーンとも関連しているのであるが)。第二に、医療費が常に有意義に対処されるなら(実際にその必要があるのだが)、医療の支出低減が、医療産業の多くの仕事の喪失を生むにすぎないこと。できれば、その影響は医療スタッフ以外の人たち、例えば行政官、財務関連の人たちなどであってほしいものである。しかし、雇用喪失は結果として社会基盤への重大な重荷となるわけである。(60-64歳、Private,office based practice)
・正直であること。一般の人々が何の利益も享受してないのに、巨大な利益を得ている多くの人々がいること。例えば、癌治療の薬剤費は驚異的である。(60-64歳女性、Private,office based practic)
・必要なものは配給するが、喫煙、ドラッグ、飲酒などの悪い習慣を罰すること。(60-64歳男性、Community Hospital)
・妥当な医療費でできるだけ多くの人々に医療を提供すること。あらゆる人はどんなことがあっても医療費を支払う義務があること。(65-69歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・医療費が高くなることのない、安価なより良い分娩など、全ての人にとっての医療を確保すること。米国の医療は現状では国民総生産(GNP)の17%を消費しているが、医療の質や成績においては世界のトップ5にランクされているわけではない。事実、米国では小児死亡率の低さはトップ5にも入っていない。(75-79歳男性、Private,office based practice)

◆医療行政/政治
・医療政策担当者のほとんどは真の臨床経験が伴っていないので、彼らの医学への無理解があり、典型的ビジネスのように扱っていること。また、良質な医師数が、予想される報酬が少ないことや経済的投資が大きすぎることに伴って少なくなっている。医学部の教育ローンを抱えたプライマリ・ケアの医師たちは、初期投資と収入を得るまでに時間がかかるせいで、結局、30年以上の経験を持つバス運転手の最低賃金よりも低いという結果に終わってしまう。(30-34歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・医療政策は、実生活ではどのようにして医療が機能しているのか理解しない人々によって作られるものであり、彼らは個々のアメリカ人に医療がどのように影響しているのかということよりも、医療に関する政治的課題について重要視しているのである。(30-34歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・何が彼らを動かしているか、あるいは医療システムがどのように働いているのかを理解していないこと。かつまた、保険会社がその仕事を牽引し、政策による医療システムの変更が保険会社の歳入を守っているとも言えるのである。彼らは医師たちへの保険償還をできるだけ少なくするようにしてきたわけで、患者の自己負担を増やし、保険会社の歳入を増加させるべく患者からの請求を拒否して、彼らの利益を増やしてきたわけである。(30-34歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・大きな決定を下す行政官たちは医療についての手掛かりを何ら持っていない。彼らは医療システムを理解していない。それら多くの人たちは、医師や薬剤師が躍起になってそれらの医療に関する知識を得て収入を得ていると考えている。また、保険会社は医療費が全体にかかりすぎると考えている。医療費は膨張し、そのために医師に支払う金額がべらぼうに増えているとも考えている。サービス産業に比べると、医学は例えば100ドル支払うべきところ、たったの65ドルしか支払われていない分野にすぎないのだが。(35-39歳女性、Public Clinic (outpatient facility))
・行政官は一般的には医療関係者ではないため、彼らはやっていることが分かっていない。彼らはとても適用できない規則で、かつ患者とはかけ離れているような規則を作るような政治家である。また、Direct Primary Systemのようなクリニックに見られるように、無制限の自由市場は物事を飛躍的に変えてしまうことを理解していない。結局、主たるチャレンジもなく多面的な問題点が残るだけである。(35-39歳男性、Private, office based practice)
・共和制だ!と冗談を飛ばしているのだが。政府関係者はACAを廃止させようと躍起になっていて、妥協しようとはしていない(全てフェアであること、民主主義者はむしろ悪であるとか、両者はもっと協力する必要があるとか)。(40-44歳女性、Academic / Teaching Hospital)
・最大の問題は現在の政治家であり、問題は彼らの地位の保全よりも、国家のために何が最適かを考えようとしないことである。政治家の動きに左右される現在の保険機構と製薬会社。(50-54歳男性、Community Hospital)
・(1)高いクォリティー、(2)効率の良い医療、(3)少ない医療費で提供すること。なかなかできないことだが、恐らくこのうち2つは選択しなくてはならないが、3つ目は難しいだろう。(50-54歳男性、Private, office based practice)
・主たるチャレンジは政府関係者自身である。その理由は彼らがそれ以上進めることをせず、医療機関で何が起きているかを知ろうともしない。医師と患者が共に協力していかにして健康を取り戻すか、草の根運動を展開することだ。つまりは医師と患者の関係だ。(55-59歳女性、Private, office based practice)

◆医療の在り方
・患者について。患者は権利意識を持ちながら、あまりにもしばしば彼らの健康を維持しようとする努力と責任を放棄している。(35-39歳男性、Private, office based practice)
・医師たちは短時間のうちに多くの患者を抱えて、プレッシャーを感じていると思う。そのことが、医師と患者双方の不満につながっていると思う。(35-39歳女性、Academic / Teaching Hospital)
・新しい治療、短い待ち時間、新しい医療技術を求める患者を満足させると同時に、老人や貧困者には基本的かつ適正な治療を施すこと。(40-44歳男性、Private, office based practice)
・国全体の健康が、個人の健康のために購入する商品よりも、医療が重要だということをいかに一般に納得させるか。(45-49歳男性、Private, office based practice)
・医師に患者の治療に関して完全な管理権限を与えること、それはある種の安全装置であり、結果的に滅多にないのであるが、医療費の無駄を防止することになる。医療の質を改善することが医療費削減につながる。(50-54歳男性、other)
・薬剤費の高騰、高齢者の増加、患者はしばしば重篤な肥満、糖尿病などが共存。患者は予防的な健康意識を高めるインセンティブが不十分であるとか。酒、タバコ、モルヒネの蔓延に関連する医療費。(60-64歳女性、Academic / Teaching Hospital)
・健康な食事とライフスタイルにフォーカスする必要があるのではないか。SAD(標準的アメリカ人の食事)、運動不足、肥満/糖尿病/がんの流行は、全て予防可能である、いわゆる医療システムは完全に破綻しており、状況は逆なのである。つまり、医療システムはむしろ病気を促進しているものであり、かつ高価な医療システムだ!!(65-69歳女性、Private, office based practice)
・医師が実施すること、および医師がいかに患者と接しているかについて感謝すること。スキルや医療の質について制度化することはできない。政府関係者ができることは全て指示書の作成にすぎない。(65-69歳男性、other)

◆医師の仕事の在り方/評価
・既存の医療システムで不当な損害を被ることのない支払いようにバランスを取ること。医師への書類作成業務や法的な負荷を縮小すること、それが医師たちには一層ストレスになっている。(35-39歳男性、Academic / Teaching Hospital)
・仕事にふさわしい対価と公正な保険料。患者はより多くの医療サービスを期待するが、支払いを渋りたがる。その医療費を彼らの税控除にまわしてしまうというのはむちゃくちゃだ。(50-54歳男性、Private, office based practice)
・重荷となっている事務作業を減らし、研修医が職場でなく医学部で学ぶための学習計画が必要。(55-59歳男性、Academic / Teaching Hospital)
・医師としてのキャリア形成に充てた時間に対する所得保障や、医師が負う医療過誤へのリスク。私の人生は私だけのものではない。私の診療予約は予測不可能であり、私自身が予約の維持が可能かどうかが分からないので、自信を持って診療予約ができるとは言えない。私は患者のため、私の生活の全てを費やしているのである。患者のあるものはこれを悪用し、緊急の差し迫ったものではない質問に対して勤務時間後に電話をして来るのである。(60-64歳女性、Community Hospital)
・訓練され経験年数の長い医師への適切な報酬が求められる。また経験のある医師になることに関する義務。(60-64歳男性、Private, office based practice)
・医師に十分な訓練を積ませ、真に患者との関係を構築する。電子カルテ、保険会社、政府による干渉、不法行為の修正の欠如などを含む多くの障害がある。(60-64歳男性、Private, office based practice)
・全ての人に保険契約をさせる制度をどのように提供するか、一方で、医療の質、医師の独立性、公的にカバーされた医療保険の維持、および補助的医療従事者の利益動機(商売っ気)の制限。(60-64歳男性、Community Hospital)

◆いろいろあり
・普遍的な医療と政府の選択肢の欠如、患者の医療費、医療費の高騰化、過剰な支払い手続き、製薬会社の影響力、官僚制度、全システムを非効率にする情報管理の必要性、医療過誤のリスク、医療過誤規制の欠如。(50-54歳男性、Private, office based practice)
・医学教育コストの高騰化がある。EMR(電子カルテ)が相互に情報交換がないという馬鹿げた事実。長期にわたる研究機関/薬物治療/検査情報を見ることができないことや、医師が電子カルテシステムを変更するたびに情報が失われること。薬品代が高くてどうにもならないこと。ばかげた経費や不条理な会社の支出に隠蔽されている利益を有する保険業界。保険料の低減や医療に使うべき利益を隠蔽する必要のない巨大なオフィスビル。健康管理の多様性(例えば、Dartmouth Atlasプロジェクトなどを参考に)や真の相対的有効性に関する研究の必要性への理解不足。この電子カルテシステムにおける意思決定支援への共有が不足していること(同意文書に比較すると)や、前者を実施するための法的支援がないこと。終末期医療計画の欠如。消費者に直接宣伝する膝装具や車椅子のような製品に対してメディケア医療保険提供会社に蔓延している乱用の問題。(50-54歳、Public Clinic (outpatient facility))
・(1)準自由市場システムのような従来のシステムデザイン、(2)政策と法律を作成する者(医師を含む)の多くの特別な興味、(3)根性のない政策決定者たち、(4)しばしば非現実的な患者および患者家族への期待とその他の医療システム要素。(60-64歳男性、Academic / Teaching Hospital)

【調査概要】
日本
・調査対象:m3.com医師会員 1582人
・回答者プロフィール
 性別:男性1430人、女性152人
 年代:20代 54人、30代 209人、40代 360人、50代 615人、60代 293人、70代以上 51人
 勤務先:大学病院 176人、公立病院 232人、公的病院 115人、民間病院 551人
     診療所(勤務医) 173人、開業医 299人、その他 36人
・調査時期:2017年8月21日~8月25日(一部、9月に追加調査)

米国
・調査対象:M3USA医師会員 1150人
・回答者プロフィール
 性別:男性 797人、女性 353人
 年代:20代 33人、30代 385人、40代 264人、50代 253人、60代 184人、70代以上 31人
 勤務先:Academic / Teaching Hospital 319人、Ambulatory Surgery Center 7人、
     Community Hospital 252人、Private, office based practice 501人
     Public Clinic (outpatient facility) 55人、other 16人
・調査時期:2017年8月16日~8月31日



https://www.m3.com/news/iryoishin/590841
2021年度入試改革「医学部は迷っている」
全国医学部長病院長会議「医学生の学力に関するアンケート調査」◆Vol.2
 
レポート 2018年3月10日 (土)配信大西裕康(m3.com編集部)

 2021年度に入試改革を実施するのであれば、2019年度初頭には予告の通知を公表する――。文部科学省の「高大接続システム改革会議」が2016年3月31日に公表した「最終報告」で求めている大学入学者選抜改革の内容だ。医学部も例外ではなく、全国医学部長病院長会議が3月5日に開いた記者会見では、同改革について調査した結果から、医学部が対応を巡って苦慮し、迷っている姿が浮き彫りになった(Vol.1はこちら)。

 同調査を実施した同会議「医学生の学力問題検討ワーキンググループ」の座長を務める福島統氏(東京慈恵会医科大学教授)は、医学部に入学できる学生が画一的になっていると指摘し、「裕福な家庭で育つと医学部に入れるという、新しい身分制度のようになっていることが世界的に問題視されている」と説明。一方、「一気に変えるのは難しい。入試改革をどう考えるか、各大学医学部の『悩んでいる』という状況が調査に回答した自由記述に現れている。5年、10年先まで見据えてやっていかないといけない課題だ」とも述べ、一朝一夕には解決しないとも強調した。

 同会議会長の新井一氏(順天堂大学学長)は、2018年度入試から約11年ぶりに2次試験で面接を復活させる東京大学理科三類(医学部)を例に挙げ、「われわれは、医師となる適性を持った人が受験しているのか、という問題意識を常に持っており、2次試験の面接などを重視して、成績が良くても、適性がない人は入れないなどの努力はしている」と説明。その上で、「多様性のある学生を受け入れたい、経済的なバックグラウンドが必ずしもなくても、ということだが、実際は難しい」と述べた。

 同会議は同日、2021年度の入試改革に関する調査結果として自由回答の一部を公表。学力偏重かつ一発勝負の入試ではなく、AO入試のような長い視野で評価した成果を重視する入試への改革を訴える意見のほか、多面的な方法による人物評価に力点を置きたいなどの意見も見られた。また、マークシート式の大学入試センター試験を2019年度で廃止し、2020年度からは国語と数学に記述式を導入(2024年度からは理科などへの記述式導入も検討)して「大学入試共通テスト」に刷新する際の内容などを気にする意見もあった。

2021年度入試改革に関する自由記載抜粋
・これまでの学力偏重、一発勝負の入学試験を改め、AO入試のように高等学校において長い視野で評価した到達度や達成度など特定の分野における優れた成果を重視する入試に改めるべきである。

・全国全ての医学科の受験生に対し、人間性や適性を共同でチェックする機関などはないものだろうか。そこの合格証を有するものだけが医学科を受験できるようにすれば、効率良い選抜ができるのにと、いつも思う。

・インリーチ活動(大学・医学部説明会、模擬授業、医学部学生による相談・交流会、教員による進学相談、研究室の訪問・見学、医療現場の訪問)やアウトリーチ活動(入試説明会、出張講義、体験型ワークショップ、医学部学生との交流、入学説明・相談会)は、各医学部の使命や3大ポリシーの周知と理解、医学・医療へのモチベーションの向上、適切な資質を備えた医療人材の選抜のために、多様な学校や生徒に対する機会をより拡充すべきである。

・医師不足、医師の地域・診療科の偏在を解消するために、医学部定員増が実施されてきたが、その効果はまだ明らかでない。改めて、そのプロセスとアウトカムを見直し、長期展望にたった将来の疾病構造や医師需給の見通しの検証が必要である。

・面接試験の充実、学修計画書、所信書などを活用し、学力だけでなく多面的な方法での人物の評価にも力点を置きたいと思います。

・フランスのように大量に入学させ、1~2年次で頭角を現した(医学科で学業に適応できることを確認できた)学生のみを進級させるのも、むしろ合理的かもしれない。

・医学部入試については、地域医療や医師偏在などの問題の解決を求められる社会的なニーズという外的要因と、研究者や医師として社会で活躍できるための基礎学力や優れた社会性を有するなどの求められる人物像という内的要因が、最大限に折衝した入試が行われるべきと考えています。現在行われている入試に特記すべき問題点があるわけではありませんが、価値観の多様性からか、入学辞退や休学者が増加している点は深刻に受け止めています。2021年(平成33年)入試を良い機会と捉え、入学辞退や休学者が減るような改革を進める必要性があると感じています。

・大学入学共通テストに関する内容等、まだ不透明な部分も多く、対応に苦慮している。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=66549
東栄病院来月から町営化
人材不足と赤字体質脱却できず/珍しい民営化からの「逆戻り」/在宅介護や生活支援と連携「1つのあり方」 期待の声も
 
2018/03/12 東日新聞

 愛知県で過疎化が激しい東栄町が、社会医療法人財団に運営を委託していた「東栄病院」を戻し、4月から町営病院として再スタートさせる。医師やスタッフの不足に加え、患者数の減少で病院の赤字体質を脱却できなかったのが要因とされる。総務省や県によると、全国的には公営病院の「民営化」が増えているが「逆戻り」のケースは珍しく、過疎の町の苦悩ぶりがうかがえる。

 同町は2017年4月現在で人口3350人。戦後まもないころは1万人を超えていた人口がどんどん減り、65歳以上の高齢者は全体の約半数を占める。町の歳入に占める自主財源は20%を切り、台所は非常に苦しい。

 東栄病院は18年3月現在で病床数は一般病床40床を含む計69床。常勤医師3人、看護師20人。内科や外科など9科を診察するほか、北設楽郡の3診療所に医師を派遣するなど、へき地医療の中核的な存在だ。だが、長年の累積赤字を抱えており、町は07年4月から社会医療法人財団「せせらぎ会」に運営を委託し、経営改善に取り組んだ。

 08年度までの2年間は職員の人件費や経費の削減で黒字となったが、09年度以降は入院患者の減少などで赤字が続き、町は16年までの4年間で計3億8700万円を運営資金として投入した。

 町は17年5月から町内の福祉に携わる代表らをメンバーとする協議会を設置し、病院の経営形態を検討した結果、会から直営に戻すべきだと報告を受けた。

 町は「医師やスタッフの確保が難しく、患者数も減少の一途で不安定な中で社会医療法人に委託するのはそぐわない」と判断、町営化することを決断した。

 町は今後、病院を経営改善するため規模を縮小し、医療や訪問介護などの医療センターと、予防・生活支援の拠点となる保健福祉センターを併設する。旧新城東高校本郷校舎跡地の建設が有力視されている。

 県内では名古屋市やあま市で公営病院が民間の法人への委託やその準備を進めている。県地域医療支援室は「逆戻りのケースは聞いたことがない」と話す。

 一方、せせらぎ会は町営東栄病院の職員を丸抱えする形で採用した。総務省準公営企業室は「同じ人が衣を変えただけでは経営改善の効果は期待できない」としながらも、町営として再スタートすることに「在宅介護や生活支援などと連携する取り組みは過疎地の1つのあり方だろう」と期待する。
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https://digital.asahi.com/articles/ASL3F528KL3FULBJ00M.html?rm=437
「地域医療に精通した医師」国が認定制度 偏在解消図る 
野中良祐2018年3月13日19時37分 朝日新聞

 政府は13日、医師の地域偏在の解消を目的とする医療法と医師法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。医師が少ない地域で勤務した経験者を厚生労働相が認定する制度を新設。医師確保に向け都道府県の権限も強化する。

 2016年の人口10万人あたりの医師数は315・9人(徳島県)から160・1人(埼玉県)と2倍近い差がある。

 認定制度では、厚労省が医師偏在の指標を定め、それに基づき都道府県が「医師少数区域」「医師多数区域」を設ける。少数区域に一定期間勤めると、地域医療に精通した医師として評価・認定を受ける。認定されれば、開業の際などに広告や看板に認定医をうたうことができる。全国に約500ある地域支援病院の管理者になる際の要件の一つにもなる。制度により地方に勤務する医師の増加を促す。

 厚労省研究班の16年の意識調査によると、医師全体の44%、20代では60%が地方で勤務する意思をもっていた。だが実際に勤務する人が少ない理由の一因に、キャリアへの不安があるとされている。

 医師確保に関する権限が強化される都道府県は「医師確保計画」を作り、大学に地元出身者の定員枠の創設や増加を求めることができるようになる。臨床研修を実施する病院の指定や定員決定の権限も、地域の実情に合わせられるように国から都道府県に移す。20年4月までに施行する。

 医師偏在対策を議論する厚労省の有識者会議座長の片峰茂・長崎大名誉教授は「新たな制度をつくる大きな一歩だが、あくまでスタート段階。実効性を高めるには、都道府県が大学や大病院と連携を強めていくことが重要だ」と話す。(野中良祐)



https://www.m3.com/news/iryoishin/591746
医師の働き方「検討中、労基署は控えて」、地域医療病院協議会
総合診療専門医で日本専門医機構に要望書(2018/3/16)
 
レポート 2018年3月15日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は3月14日の会議で、厚生労働省で検討が進む「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」について協議した。会議後の記者会見で、病院に対する労働基準監督署の指導が相次いでいる状況について、「対策を検討している最中に、労基署が入るのはやめてほしい」とする決議を行ったことを明らかにした。

 全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は同日の協議会で、厚労省に対して「現在、検討中である」として病院に労基署が入るのを控えるよう要望する決議を採択したと説明。邉見氏は「検討中であり、“停戦中”は紳士協定みたいなもの。今から一生懸命にやろうと検討しているのに、そこで入られたら指導待ちになってしまう。せっかく前向きに検討しているところを検討しないでいいのかと思ってしまう」と訴えた。

 医師の働き方をめぐっては厚労省で議論が進んでおり、自治体病院協議会でも会員病院に対して緊急アンケートを実施、4月中にも集計結果を公表するとしている。集計途中の結果として、「タスクシフティングをしようにも、医師以外のマンパワーもない」「皆が管理職で36協定を結んでいない」などの回答があったことを紹介した。

総合診療専門医で機構に要望書

 日本専門医機構での議論が遅れている「総合診療専門医」について、3月2日付で、吉村博邦理事長宛てに「委員会の早期開催及び委員の追加について」とする要望書を出したことも報告した。吉村理事長の体調不良により委員会が開かれず議論が止まっていると指摘。邊見氏は「副理事長が委員会の意見と関係なくどんどん進めている。(2016年6月までの)旧理事会のように遅く、不確実になってきている。どの分野でも情報公開を迅速にやってほしい」と要望。日本公的病院精神科協会の中島豊爾氏は「委員会すら開かないのは独断専行。全くおかしい」と厳しく批判した。

 併せて、総合診療専門医に関する委員会の委員に、JA全厚連、日本慢性期医療協会、地域包括ケア病棟協会も加えることを要望した。

 新専門医制度を巡っては、JA全厚連の瀧幹男氏は全国の厚生連で基幹施設として応募があった専攻医は56人だったと説明。同じ公的病院の日本赤十字の3分の1であるとし、「我々の病院107病院の半分は5万人未満。入院単価では1万円ぐらい日赤が高い。農山村地域はますます厳しくなっていく」と訴え、医師偏在が進んでいくとの危惧を示した。

 協議会は全国自治体病院協議会、JA全厚連、日本慢性期医療協会、全国国民健康保険診療施設協議会、地域包括ケア病棟協会の5団体で2017年9月に設立。

【訂正】2018/3/16
 当初の記事では緊急アンケートを「地域医療を守る病院協議会」が実施しているとありましたが、自治体病院協議会でした。お詫びして訂正します。



https://www.m3.com/news/iryoishin/591947
「働き方改革は自治体病院へ影響多い」、全自病
2018年度の地方会議共通議題「医師の働き方改革」
 
レポート 2018年3月16日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会は3月15日の定例記者会見で、2018年度の地方会議の共通議題を「医師の働き方改革」とすることを報告した。邉見公雄会長は「自治体病院が恐らく働き方改革の影響が一番多い病院」と説明した。

 地方会議は全国7ブロックで開催され、議論の結果を受けて予算要望や国会議員への陳情などを行う。2017年度は「新専門医制度」と「地域医療構想」の2つだった。例年はテーマを2つ設定することが多かったが、「働き方改革」は論点が広いとして、1つに絞ったという。邊見会長は「良くしようとしてもない袖は振れない現実がある。しかし、やらなかったら、悪循環でさらにスタッフが来なくなる。医療機関がなくなると人が住めず、地域が衰退していく。頑張って知恵を出し、当局にも現状を理解していただき、働き方改革、勤務環境を改善しながら地域医療が悪くならないように取り組んでいきたい」と語った。

 論点としては、下記が挙がっている。

1.医師の勤務実態をどのように捉え、対応していくか
 ・労働と自己研鑽の切り分け
 ・宿日直許可基準への対応
 ・応招義務の考え方
 ・患者対応に伴う事務作業の多さと、診療時間外での患者対応
 ・出席が要件とされる会議や作成書類の多さ

2.時間外労働規制の在り方をどのように考え、取り組んでいくか
 ・医師の特殊性
 ・医師(研修医)の養成
 ・国民の理解
 ・医療安全の確保
 ・医師の健康確保
 ・諸外国の制度との比較

3.勤務環境の改善等をどのように図っていくか
 ・一人主治医制の見直し
 ・労働時間短縮に向けた取り組み
 ・医師の業務負担軽減
 ・タスクシフティングとタスクシェアリング
 ・女性医師等への支援
 ・ICTの活用
 ・病院経営との両立

4.その他
 ・大病院及び中小病院それぞれの苦悩
 ・労働基準監督署への対応
 ・病院管理職の労働環境



https://www.m3.com/news/iryoishin/592099
医療維新  シリーズ 真価問われる専門医改革
新専門医制度の一期生8409人、「東京で研修」は21.7%
松原副理事長「地域医療への影響、東京集中」を否定
 
レポート 2018年3月16日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は3月16日の理事会後の記者会見で、4月から開始の新専門医制度における都道府県別の専攻医の登録状況を公表、全体では8409人で、東京都が最も多く1825人(21.7%)であることを明らかになった。多少の変動はあり得るものの、ほぼ確定した数値だという。専攻医の現在の勤務地(初期臨床研修の研修施設の所在地など。以下、現在数)別に見ると、東京都は1350人で、475人増えることになる。

 もっとも、新専門医制度では、東京都など5都府県の14の基本領域では、過去5年間の専攻医の採用実績を超えないというシーリングがかかるが、シーリングに用いたデータは公表されなかった。したがって、過去採用実績との比較での専攻医の増減、ひいては地域医療への影響は明らかではない。19の基本領域別の専攻医数も未公表。

 同機構理事長の松原謙二氏は、東京都が475人増となっている点について、「東京に全国から医師が集まっているのではなく、関東、甲信越、静岡のほか、北海道と沖縄が多い。(現在数との比較で、専攻医数が減少した)他の県では、東京に集まったのではなく、隣県など関連の深い地域に専攻医が移動している」と説明。同機構では、東京都の基幹施設を対象に、(1)4月1日から、東京都以外の連携施設で研修する専攻医数、(2)専門研修の期間で、東京都以外の連携施設で研修する専攻医のスケジュール――について調査中だ。(1)については、十数パーセントとなる予定だという。「十数パーセントの専攻医は、東京都以外で研修を開始する。日本小児科学会からは、2年、3年目になると、さらに東京都以外に出る専攻医数が増えると聞いている」(松原副理事長)。

 これらを踏まえ、松原副理事長は、「専門医の質を高める新たな仕組みにおいて、地域医療に大きな変動が起きるのではないことだけは、(16日に公表したデータから)明らかであり、4月1日からそれほど混乱が起きないだろうと思っている」と説明した。ただし、「例外的な地域」として、静岡県を挙げた。専攻医数は115人で、現在数194人より79人減。うち51人は東京都に移動。「51人を本当に(静岡に)戻してくれるのかについては、今のところ調べが終わっていない。専門研修1年目は東京に戻っても、2年目からまた静岡に戻ってくるような仕組みで対応できれば、特に静岡の医療が問題になることはないと思っている」(松原副理事長)。

 さらに松原副理事長は、過去採用実績等のデータを公表しない理由について、「脳神経外科以外は研修カリキュラム制だったため、採用実績を類推する仕組みが曖昧だったり、バラバラだった。シーリングに使ったデータは、各学会に再度精査して出してもらう」と説明。16日の理事会では、新専門医制度において、各年度の専攻医の勤務地などを把握するためのデータ収集体制を構築することを了承した。この仕組みができると今後、誰がどこで研修しているかを把握できるようになるため、これらのデータを基に、新たなシーリングの基準を作成していくという。

 16日の理事会では、サブスペシャルティについても議論。松原副理事長は、「内科専門医は13領域、外科専門医は6領域のサブスペシャルティについて、2018年度から日本専門医機構が認定することが了承された」と説明した。もっとも、関係者によると、理事会では、サブスペシャルティの認定基準が確定しない状況で、内科と外科のサブスペシャルティを先行して決めることなどに異論が出たという。

 記者会見で公表されたデータは、都道府県別の現在数と専攻医数のマトリックス。松原副理事長が特に重点的に説明したのは、東京都のデータだ。

 東京都の現在数は1350人。専攻医数は1825人で、うち1115人は初期研修等も東京都。差し引き710人が他道府県から、新専門医制度に伴い、東京都に移動する。710人の主な内訳は以下の通り。

・関東(多い県順)
 神奈川県165人、千葉県132人、埼玉県101人、茨城県34人、栃木県28人、群馬県4人

・その他(多い県順、10人以上)
 静岡県51人、北海道・福岡県・沖縄県15人、長野県14人、宮城県・山梨県・大阪府13人、福島県・愛知県10人



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03264_01
【特集】 新専門医制度 次年度に向けて 
週刊医学界新聞 第3264号 2018年03月12日

 新専門医制度の2018年度開始に向け,専攻医登録がおおむね終了した。同制度は当初17年度開始予定だったものの,地域医療への悪影響が懸念されたことなどから16年7月に延期が正式決定となった。その後も度重なるスケジュール変更や情報の錯綜があり,当事者である指導医・研修医らは手探り状態での準備を強いられたのではないだろうか。

 日本専門医機構は先日,19年度採用の専攻医登録スケジュールを発表した。これを受け,各プログラムにおいて研修内容や定員の見直しが今後本格化する。本紙では,今回の専攻医登録を振り返るとともに,19年度採用の専攻医希望者に向けての注意点や制度上の検討課題を解説する(関連記事)。

 18年度採用の専攻登録スケジュールは図1のとおり。一次登録では7791人が採用された。これに二次・三次登録の採用者を合わせて,およそ8300人前後が新専門医制度1期生となる見込みだ。専攻医登録者のうち約9割が,一次登録の段階で採用通知を受けたことになる。

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図1 2018年度採用の専攻医登録スケジュール

2019年度採用の専攻医登録は2018年9月1日開始予定。これにより,全体のスケジュールも1~2か月前倒しになると予想される。
 第1希望から順に希望順位表を登録する新医師臨床研修制度下の研修医マッチングとは異なり,新専門医制度下での専攻医登録は「1領域の1プログラムに限る」とされた。また今回は,専門医機構により,「専攻医希望者は基幹施設のプログラム統括責任者と連絡を取り,十分に情報を共有したうえで登録する」ことが推奨された(17年10月6日付「平成30年度スタート予定の新しい専門医制度の登録手順のお知らせ」)。このように,採用に至るプロセスが研修医マッチングと大きく異なるため,19年度採用の専攻医希望者は,「1期生がどの時期に,どのような活動を行ったか」をしっかり把握しておくことが重要だ(関連記事も参照)。

2019年度採用の専攻医登録は2018年9月1日開始予定

 専門医機構が2月9日の記者会見で示した2019年度専攻医登録スケジュール案によれば,18年4月末までに研修プログラムの申請・変更などを受け付け,一次・二次審査を経て研修プログラムを認定。9月1日から専攻医登録を開始する予定だ。

 これを受け,各プログラムにおける採用試験・面接も1~2か月ほど前倒しになると予想される。専攻医登録希望者は,専門領域の決定と並行して,情報収集と病院見学の準備をそろそろ始めよう。

内科希望者は初期研修中の症例登録の準備を

 内科専攻を希望する初期研修医にとって特に重要なのは,初期研修中に経験した内科症例のデータ抽出だ。

 新しい内科専門医制度においては,3年間の内科専攻研修期間中に経験した160症例(目標は200症例)を専攻医登録評価システム「J-OSLER」に登録することが修了要件となる。これに対して修了要件を満たす症例の取りまとめに不安の声が多く出たことを受け,初期研修中に経験した内科症例を一定の条件下で遡及登録することが可能となった(病歴要約の提出にもこのルールが適用される)。詳細は,日本内科学会Webサイト上の「新専門医制度FAQ」を参照のこと。



 なお,新専門医制度は,19の基本領域で構成される「基本領域専門医」と,基本領域専門医の取得後に選択できる「サブスペシャルティ領域専門医」の二段階制となる(図2)。現時点ではサブスペシャルティ領域の総数,および「基本領域とサブスペシャルティ領域の関連付け」(どの基本領域専門医を取得するとどのサブスペシャルティ領域専門医への道がひらけるのか)の結論は出ていない。これに関しては専門医機構における議論が今後本格化するので,注視する必要がある。

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図2 新専門医制度の基本設計(クリックで拡大)
上記サブスペシャルティ領域は現時点で連動研修を含め承認されているもの。今後追加・変更の可能性がある。



https://mainichi.jp/articles/20180314/ddl/k43/040/296000c
八代市立病院
一般病床 2病院が引き継ぐ方向 /熊本
 
毎日新聞2018年3月14日 地方版

 八代地域の主要な医療機関や行政関係者らが集まった八代地域医療構想調整会議が12日夜、八代市の県県南広域本部であった。八代市が来年3月までの廃止を決めた市立病院の事業譲渡について、一般入院用ベッド(66病床)を「熊本総合病院」(同市)と八代郡医師会の「八代北部地域医療センター」(氷川町)の2病院が引き継ぐ方向で協議に入ったことが報告された。

 病床の再編移転については厚生労働相の同意が必要なため、県と厚労省が事前協議を進めており、その協議で2病院への配分が決まるが、現行の66より減るとみられる。市立病院の外来診療については2病院から「引き継ぐことを検討する」と表明があったが、採算面から協議が進んでいない。市立病院が同市宮地地区で唯一の医療機関であることから、市は引き続き譲渡条件などを検討する考え。

 また県全体の医療政策として市立病院が持っていた結核治療用ベッド(30病床)については譲渡希望がなかったものの、熊本労災病院(同市)が一般病床を使った結核患者収容モデル事業(国庫補助)を導入し、結核診療機能を担っていく意向を示した。【笠井光俊】



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28148890V10C18A3CR0000/
医療事故、17年は370件 報告制度浸透せず  
2018/3/15 10:36 日本経済新聞

 患者の「予期せぬ死亡」を対象とする医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京・港)は15日、2017年の年報を公表した。17年の報告件数は370件で、16年の406件から減少。制度の設計時に年1300~2000件を想定していたのと比べ、大幅に少ない状況が続いている。医療関係者の間で制度の理解不足が改めて鮮明になった。

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 医療事故調査制度は15年10月に始まった。診療に関連した予期せぬ死亡や死産があった場合、同機構への報告や院内調査を義務付けている。

 17年の医療事故の内訳は、手術が177件で最多。処置が44件、投薬・注射が37件で続いた。

 患者が亡くなってから医療事故として同機構に報告するまでの平均は57.2日(16年は36.2日)だった。最短は2日、最長は657日と、大きなばらつきがみられた。予期せぬ死亡かどうかの判断を巡り、迷う医療機関は少なくない。

 同機構は15年10月~17年12月の報告件数を基に、年換算した人口100万人当たりの都道府県別の報告件数を算出。最多は宮崎が6.9件、次は三重が5.4件だった。最小は高知の0.6件で、地域差があることも分かった。

 医療事故と判断されず不満を持つ遺族もいる。遺族などから同機構に寄せられた相談件数は17年が814件で前年比で25.2%増えた。相談内容をみると「医療事故報告対象の判断」が487件と全体の59.8%を占め、最も多かった。

 17年の院内調査結果の報告数は321件。死亡原因を詳細に分析するには、解剖や死亡時画像診断が欠かせないが、これらが行われたのは191件(59.5%)にとどまった。




http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201803/555208.html
学会トピック◎第16回日本病院総合診療医学会学術総会
新専門医制度の基幹病院+連携病院への要望
ワークショップ「若手が考える教育はこれだ」で語られたこと
 
2018/3/14 三和護=編集委員 日経メディカル

 「困ったときに相談できる相手がいない」「指導医による指導の質が低い」「電子ジャーナルや論文へのアクセスができない」――。これらは、経験者が挙げた地域医療機関での研修時の「困った点」だ。第16回日本病院総合診療医学会学術総会(3月2~3日、大分県別府市)で開催されたワークショップ「若手が考える教育はこれだ」では、新専門医制度に盛り込まれた地域研修に対して多くの要望が語られた。

 4月から開始予定の新専門医制度では、内科専門医において、基幹病院と連携病院の連携による研修プログラムが組まれ、連携病院での1年以上の研修が義務付けられた。その連携病院の外形基準は定められていないが、「地域の第一線で急性期医療と慢性期医療を経験し、地域医療や全人的医療を研修する」ことが目的とされ、一般的には300床未満が連携病院となる。また、総合診療専門医では、「総合診療I」で診療所もしくは中小病院での半年以上の研修が必修とされた。

 ワークショップ「若手が考える教育はこれだ」では、こうした連携病院での研修に望むことに焦点を当て、研修医と指導医の立場から議論が展開された。

 順天大の高橋宏瑞氏と大分大学の藤谷直明氏の司会で始まったワークショップはまず、主催者が実施したアンケート結果が示された。医師150人が回答したもので、内訳は初期研修医が5%、後期研修医が17%、6~10年目の医師が31%、11年目以降が47%だった。男性が76%、女性が24%で、総合診療科/総合内科が57%、救急科/集中治療科が9%、家庭医療科が13%、その他の内科系が18%、未回答が3%。地域での中小病院で働いた経験は、「ある」が89%、「ない」が11%で、多くが経験者だった。

 調査の結果、後期研修システムに求めることでは、「指導医による良質な指導」(約120人)、「色々な領域の患者を診ることができる」(80人弱)、「若手でも(治療)方針の裁量を持てる」(約50人)などが上位だった(複数回答、以下同)。

 実際に地域病院で研修経験がある人は、地域病院研修の良い点として、「若手での方針決定の裁量をもって臨める」が70%近くと最多だった。「医療関係者間の関係がよい」も45%ほどあった。

 一方で「困った点」は、「困ったときに相談できる相手がいない」(47%)、「指導医による指導の質が低い」(44%)、「電子ジャーナルや論文へのアクセスができない」(38%)などが上位を占めていた。
「研究などのアカデミックな支援が受けにくい」
 こうしたデータを基に、ワークショップでは3人の研修医が現状を報告。自分たちが抱える共通の課題を明らかにした。

 2015年からJCHO東京城東病院(東京都江東区)の総合内科で後期研修医として勤務している金光陽子氏は、「連携病院と基幹病院で学べることの違い」と題して発表。「連携病院では、患者をより身近に感じながらコモンディジーズを学び、患者を社会復帰させるためのマネジメントも学ぶことができる」と指摘する一方で、「重症な患者や専門性の高い疾患への対応を勉強する機会は少ない。この点は、基幹病院の研修である程度補える可能性がある」とまとめた。

 「連携病院の良い点・悪い点」のテーマで発表した安房地域医療センター(千葉県館山市)の安藤崇之氏は、連携病院の長所に、(1)他科の医師、コメディカルとの顔の見える関係、(2)診療範囲の自由度が大きい、(3)レジデントの役割が大きく、主体性が磨ける――を挙げた。

 困る点については、(1)人事が不安定で1人が抜けるとその影響が大きい、(2)研究などのアカデミックな支援が受けにくい、(3)同期が少なく悩みの共有ができない――を列挙した。

 長崎県上五島病院(南松浦郡)の石川大平氏は、「連携病院の研修で必要なこと、こうなったら最高」のテーマで発表。地域医療研修には、(1)その場でベストの医療に適合させる柔軟性、(2)一戦力として「普通に」働くという心構え、(3)地域住民としての心構え――が求められるとした。

 その上で、「こうなったら最高」のポイントには、研修基幹病院と地域研修病院間の共通認識、研修医のメンタルサポート、研修医にとっての適切な勤務環境――の3点を挙げた。

 例えば、共通認識では「研修医にとっての課題、到達目標が(基幹病院と連携病院で)共有され、メンター間の顔の見える関係を構築すべき」とした。メンタル面では、基幹病院はいつでも帰ってこれる場所としての「ホーム」であってほしいと指摘。適切な環境面では、「勤務の強度はどれほどか、家庭を守りながら働ける環境か」が理解されていることが重要とした。

移動の多い専攻医を支援し、ストレスのケアを重視
 ワークショップでは、研修医を受け入れる側からの発表もあった。

 東京ベイ浦安市川医療センター(千葉県浦安市)の江原淳氏は、基幹病院の立場で発言。指導は現地(連携病院)の指導医に任せる、連携施設は固定し顔の見える関係を維持している、派遣は必ず2人ペア(研修医と先輩医師の組み合わせが中心)で行う、連携施設へは指導医も(例えば当直のバイトなどで)顔を出す、などの工夫が必要とした。

 橋本市民病院(和歌山県橋本市)の橋本忠幸氏は、地域研修施設の立場で発表。自施設での工夫を基に、(1)重点的に何を教えるべきかを決める、(2)スムーズに研修を開始できるように、オリエンテーションやマニュアルを用意する、(3)効率的に指導を行い、評価を密に行う、(4)移動の多い専攻医を支援し、ストレスのケアを重視する――などが地域研修施設が取り組むべき課題とまとめた。

 豊田地域医療センター(愛知県豊田市)の大杉泰弘氏も地域研修施設の立場で発表。自院での経験を紹介しつつ、(1)サイコソーシャルな(心理的、社会的)教育をしっかり行う、(2)(地域研修施設は)魅力的であり続け楽しくなければならない、(3)ダイバーシティ(多様性)は大いに認める――の3点が、教える側が心掛けるべき点と語った。

 ワークショップでは、群星沖縄臨床研修センターの徳田安春氏、飯塚病院の井村洋氏、順天大の内藤俊夫氏の3人がコメンテーターとして参加。「研修医の要望に真摯に向き合うことは、地域研修の質を高めることにつながる」といった指摘や、「今回、紹介された研修施設側の工夫は、先行事例として共有されていくべき」などといった期待も表明された。



http://www.sankei.com/west/news/180314/wst1803140063-n1.html
大阪・近大医学部堺病院が啓仁会へ事業継承 「地域完結型医療の構築を」 
2018.3.14 16:56 産経新聞

 近畿大は、近畿大医学部堺病院(堺市南区)について、「社会医療法人啓仁会」(大阪府和泉市)に事業を譲渡する契約をしたと発表した。同病院は4月1日から、「社会医療法人啓仁会堺咲花(さきはな)病院」として診療が始まる。病床数は、現在の稼働状況などを考慮し、従来の約10分の1の43床へいったん減らすが、状況に応じて増やすことも検討するという。

 大阪狭山市の近畿大医学部付属病院の泉北ニュータウンへの移転計画を進める中で、経費削減に踏み切った。近畿大医学部付属病院は堺咲花病院と医療機能連携協定を締結しており、近大は「堺市南区における地域完結型医療を構築するため、連携・協力体制を強化していく」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590965
医療維新  シリーズ 日本vs.米国、医師2732人を徹底調査!
国民皆保険なき米国の課題多々◆Vol.16-2
【米国】今、最も関心を持っている医療の話題
 
スペシャル企画 2018年3月17日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 米国の医師に「今、最も関心を持っている医療の話題」を聞いたところ、さまざまなキーワードを列挙した医師が目立った。その内容は、医療保険制度、医療の在り方、最先端医療、医師を取り巻く環境など多岐にわたった。個別のテーマでは、いまだ国民皆保険が実現しない中、メディケアとメディケイドをはじめ、医療保険制度に関するものが多かった。その他、医療の在り方、治療の進歩/改善、国民の健康管理、医学教育/医師のキャリアなどに関する意見が挙がった(日本医師の結果は、『AIから終末期医療、働き方改革……◆Vol.16-1』を参照)。

◆関心事項は多々
30代
・組織工学。研修医教育。チームワーク。仕事と生活のバランス。リアルタイムでの個別化医療。(30-34歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・教育ローン免除プラン。国による医療制度。医療費低減。病院の低い利益。非営利のみの病院。行政官の給与削減。(30-34歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・医療費の負担。仕事環境におけるストレスの低減。雇用としての役割をいかにして成功させるか。(35-39歳男性、Private,office based practice)
・貧困者への手頃な医療。医師の希望に適合した医療。医師の働きに応じた給与。プライマリ・ケアに対してもっと敬意を。(35-39歳男性、Private,office based practice)
・保険未加入者/不十分な被保険者に対する医療の利用について。医学部卒業生へのローン負担への影響の最小化。医師不足への対処。(35-39歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・より安価な保険料。精神疾患治療へのアクセスの改善。書類作成や無意味な法的規制を減らすこと。(35-39歳女性、Private,office based practice)
・単一支払者制度(政府による医療費徴収および負担)保険システムへの移行。資金や資源の利用。医師不足。(35-39歳女性、Community Hospital)
・救急医療。医師の学生ローンの支払い。未保険者/貧困者/ホームレスの人たちへの医療。(35-39歳女性、Community Hospital)

40代
・先進医療サービス。患者による直接的支払いモデル構築。伝統的な医療保険/PPO(Preferred Provider Organizations)保険の拡充。患者と医師との関係。(40-44歳男性、Community Hospital)
・医師不足。プライマリ・ケア不足。医学部卒業生の研修医としての身分が十分でない。(45-49歳女性、Public Clinic (outpatient facility))

50代
・医薬経済学。価値観に基づく医療。質に基づく医療。単一支払者制度(政府による医療費徴収および負担)。不法行為に対する改革。(50-54歳男性、Community Hospital)
・医療過誤に関する改革。メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)による規則を少なくすることにより医療コストを低減させること。電子カルテシステムの影響を少なくすること。(50-54歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・医の倫理。手術。救命救急医療。社会の主流から取り残された人々に対する医療へのアクセス。人生の終末について。(55-59歳女性、other)

60代
・疾病予防。スクリーニング。うつ病。ストレス低減。遺伝子スクリーニン。免疫療法。ロボット技術。医療用携帯アプリ。(60-64歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・権利、物の考え方、健康維持に関わるアメリカ人の無責任な態度。医療費抑制、医療サービス提供者に対する基準を下げること(NP、PA、多様な医師)。(60-64歳男性、Private,office based practice)
・国民皆保険。研究の財源確保。トランスレーショナルリサーチ。医学におけるビッグデータ研究。(65-69歳男性、Academic/Teaching Hospital)

◆医療保険制度
30代
・基本治療に対する強制的な保険補償。リスク集積を考慮した強制的かつ基本的な保険補償。既往歴に対する保護。(35-39歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・患者中心の医療奨励と標準的医療とのバランスの取り方。個人的には医療費の問題はあるが、いずれかはうまくいくと思う。(35-39歳男性、Private,office based practice)
・薬剤費、医療費、メディケアおよびメディケイドの将来、医師への医療保険償還。(35-39歳女性、Public Clinic (outpatient facility))
・カナダの医療制度。英国の医療制度のモデル。ドイツの医療制度モデル。社会医学モデル。(35-39歳女性、Private,office based practice)
・既往歴に対する保険。メディケイド。直接的なプライマリ・ケア。(35-39歳女性、Private,office based practice)

40代
・コスト削減。患者に自身の医療についてもっと責任を持たせること。病院と医療サービス提供者との間の対立関係を終わらせること。(40-44歳男性、Community Hospital)

50代
・医療サービスに対する報酬。政府の支援による医療保険プラン。低コスト医療への代替案と診断のための検査の代替案。(50-54歳女性、Private,office based practice)
・未保険の患者への対処。個人的には働かない人たちに、税金で医療を提供することは好まない。55-59歳男性、Private,office based practice)
・著しく医療費コストを低減させる方法/システム、それと同時に患者を適切かつ重複しない医療施設に送ること。(55-59歳男性、Private,office based practice)
・HMOやPPOのネットワークに加盟していない医療機関の保険償還、予防医療、普遍的医療。(55-59歳男性、Private,office based practice)

60代
・単一支払者制度(政府による医療費徴収および負担)、普遍的な医療(ユニバーサル・ヘルスケア)、精神障害者や薬物依存患者へ直接アクセスすること、予防医療。(60-64歳女性、Public Clinic (outpatient facility))
・メディケアとメディケイドの支払い能力。EMR(電子カルテ)に関するイライラ(実際の患者医療および患者の利益にはほど遠い)。(60-64歳男性、Private,office based practice)
・不十分であるが過剰な医療。プライマリ・ケアへの支払いの不公平感。医療保険という用語の一般大衆の誤解。(60-64歳男性、Private,office based practice)
・オバマケアの撤回と代替案。低い保険料と高額医療への補償を提供すること。(65-69歳男性、Private,office based practice)
・保険償還の問題。医療へのアクセス。医師たちを雇用している医療機関が、医師の扱いをさらに良好にすること。(65-69歳男性、Academic/Teaching Hospital)

70代以上
・医薬品のコスト。なぜアメリカの巨大製薬企業と競合する、質の良い製品やジェネリック薬を輸入できないのか。(70-74歳男性、Private,office based practice)
・最近の病院における毎日の会話は、病院への支払いを認めない保険会社との闘いについてである。(70-74歳男性、Community Hospital)
・医療を効率的かつ経済的に行う方法の開発。すなわち、医療の方法ではなく、結果について報酬を与えること。結果への報酬と言っても、医師へのいわゆるボーナスシステム法(RVU)ではない。(75-79歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・全ての人々への医療。より良い保健提供システム。重複を軽減する。患者のケアを妨げる規制を減少させる。医療過誤改革(不法行為の改革)。少ない費用でさらなる医療を。(75-79歳男性、Private,office based practice)
・貧困の患者に対してどのように医療を施すか。貧困の患者に対する特別な医療と薬物治療をどのように確保するか。一般および退役軍人の医療の一本化の方法。つまり、大多数の患者に対する質の高い医療費をいかにして低減させるか。(80歳以上男性、Public Clinic (outpatient facility))

◆医療の在り方
・プライマリ・ケアの重要性が増している。医学部学生にプライマリ・ケアを追求することを手助けする。(30-34歳女性、Private,office based practice)
・ラテン系の人々における糖尿病治療、女性の健康。(30-34歳女性、Community Hospital)
・私は人間の健康を改善するという目標をどのように成し遂げるかに興味もあるが、伝統的な医師の診察では十分に達成されてはいない。患者の治療をどのように手助けするかである。患者の食事を用意することでしょうか?彼らを貧困からどのように救うのでしょうか?(40-44歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・救命救急サービスの合理的な提供。適切な緩和ケアあるいは終末医療を伴うため、十分な初期のキャリアとしての救命救急訓練、その訓練の効率化が求められる。(40-44歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・強制的なワクチン投与。小児や青年たちの心の健康。ソーシャルメディアの健康と一般社会への影響。(45-49歳男性、Private, office based practice)
・健康に年齢を重ねること、健康促進、統合医療。(65-69歳女性、Private, office based practice) ・治療の決定は医師によるものであって、保険会社によるものではない。(60-64歳女性、Academic/Teaching Hospital)

◆治療の進歩/改善
・関節置換術後の患者の経過と治療結果。コスト分析。医療の質の分析。整形外科で使用される生体適合材料の評価とデザイン。(30-34歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・コンピューターによる診断、コンピューター/人工知能による増加したカルテへの記入。(35-39歳男性、Private,office based practice)
・遺伝子治療のように新たに出現した治療法。普遍的健康管理(ユニバーサル・ヘルスケア)を提供する医療改革。私の専門領域に関わる医療機器の開発。(50-54歳男性、Academic/Teaching Hospital)
・癌治療研究。遺伝情報に基づく医薬品の処方。抗生物質の適切な使用。健康管理。(70-74歳男性、Public Clinic (outpatient facility))

◆国民の健康管理
・ヘルスリテラシー(健康維持のための情報収集)。普遍的な電子カルテ。結果に基づく保険償還。(30-34歳女性、Academic/Teaching Hospital)
・(1)流行している健康補助食品をどのように扱うのか/誤った情報、(2)肥満、(3)ドラッグの濫用(メタンフェタミン、マリファナ、コカイン、ヘロインなど)、(4)飲酒運転、アルコール依存症。(45-49歳男性、Community Hospital)

◆医学教育/医師のキャリア
・医学教育の費用低減方法。医学部を卒業した研修医に対する訓練のための財政的支援。これらの展開なしに、中堅の医師は育たない。(30-34歳女性、Private,office based practice)
・10年後には教育ローンを免除。収入に応じた返済。(30-34歳女性、Academic / Teaching Hospital)
・医療における女性の在り方、医師に対する個人的な経済援助。私たち医師のキャリアにおける自由度を見付けること。(35-39歳女性、Private,office based practice)
・闘う医師たちの燃え尽き症候群。(35-39歳女性、Public Clinic (outpatient facility))
・より良い外科医になること。ヘルニア手術の技法と技術の進展。意味のあるアウトカムリサーチ/質の進歩。(40-44歳男性、Community Hospital)



  1. 2018/03/18(日) 11:15:54|
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