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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月31日

https://www.m3.com/news/iryoishin/569347
「医師不足地域の医療に貢献」「無駄な検査はしない」◆Vol.8
日本の医療、課題は何か?他人任せでなく各自が課題解決を ** 

レポート 2017年12月30日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度医師臨床研修マッチングに参加した、医学生等に聞いたアンケートで最後の質問として聞いたのが、「日本の医療が抱える課題」について。

 寄せられた自由意見を、【医師の診療科・地域偏在】【専門医制度】【医師の働き方】【女性医師問題】【大学の在り方】【医療費問題】【医療の在り方】【その他】に分類し、主なものを紹介する。

 意見が多かったのは、【医師の診療科・地域偏在】と【医療費問題】について。【医師の診療科・地域偏在】では、みずから率先して偏在解消に貢献したいとの意見が複数挙がった。【医療費問題】では、高齢社会での医療費の高騰を懸念し、制度設計などの提言ではなく、過剰な検査や治療を自身が控えたり、予防医療に力を入れるなど、自身が目指す医師像と関連付けた意見が多かったのが特徴的だ。

 以下、テーマ別に主な意見を紹介する(属性に記載した大学病院もしくは市中病院は、内定した研修先)。

【医師の診療科・地域偏在】
・地域医療活動をしていて、医師の診療科偏在や地域で働くことの難しさ(キャリアにつながらない、給料が安い、出身でない地域の田舎で働くこと)などを感じた。また、医学部入学における難易度が高すぎることも非常に問題で、志ある社会人が入学できなかったり、勉強だけできる人が多すぎる。そしてそういう人たちでも簡単に通ることができる医師国家試験も見直されるべき。米国のように成績によって大まかにでも科が限定されるのは、考えものだが、診療科ごとの人数差が大きすぎる。公共性のある科に人が流れる仕組み作りをしてほしい。後期研修では各県に何科何人と決まった数しか入れなくなるようなので期待している。それらの課題に対して自身でどのように動けば良いか分からないし、自分は関与しないつもり。ただ、考え続けることは続けていきたい。(大学病院、男性)
・医師不足というより、診療科・地域の遍在が問題 地域(に残る)枠(診療科も指定)で入学しているので、ゆくゆくは貢献できると思っています。(大学病院、女性)
・診療科を選択する際に、QOLを重視して診療科を選ぶ傾向にある学生・医師が多いこと。自分の興味・医学部入学時代の動機などの初心を大切にすること。(大学病院、男性)
・都市部にのみ医師が多いなど、医師の偏在が問題だと思う。私は医師の少ない地域の医療に貢献したいと思う。(大学病院、女性)

・医師不足は依然としてあると思う。偏在も含めて改善していかなければならないと感じる。クリニックが安易に増えすぎなのも問題だと思う。大学偏重になることは悪いことではなく、研究などに従事して行く医師が少なく、諸外国に比べやや劣っている分野の今後の発展も考えて対応すべきだし、自分も何かしら関われたらと考える。(市中病院、男性)
・診療科や地域の医師偏在が問題であり、どのような地域で働いても対応できる医師となるために、診療科の垣根を超えた知識や技術を身に付けていきたいと思う。(市中病院、男性)
・専門性が高まったことによる医師の偏在。プライマリケアをしっかりできる医師になるべく学んでいきたいと思っています。(市中病院、女性)
・『地域枠』出身の卒業生は確かに出身大学の県に残ってはいると思うが、その県の都市部の病院にばかり就職して、本当に医師の必要なへき地には結局人が足りていないのではないだろうか。 新専門医制度が始まろうとしている今、医師は皆経験を積むことができる大病院へ行ってしまい、医師の偏在を助長しているのではないだろうか。そのことをもっと勉強し考えたい。(市中病院、男性)
・5年生の時に離島の病院で2週間実習を行いました。その時から離島、僻地の医師不足には強く関心を持つようになりました。ただやはり地元(都市部)で働きたい気持ちも強く、若手~中堅のうちの数年間(5年以内)は経験を積むという意味でも僻地に貢献して、その後は地元で働きながらも週末の当直応援などで貢献できれば良いと考えています。(市中病院、男性)

【専門医制度】
・専門医制度が変わり、ますます専門志向が高まっていると感じているが、これからの日本には専門医はそんな多数必要とは思わない。 これからの日本に必要なのは全身を幅広く見ることができ、そして介護とのつなぎ目をシームレスにできる医師であると考えている。(市中病院、男性)
・専門医取得について 専門医の立ち位置がはっきりしないし、絶対に必要なのかどうかも分からない。専門医必須と言われた場合、女の人はいつ子供産めるんだ? 過渡期ゆえ、自分で道を見付けるしかないんだろうなと。(市中病院、女性)
・専門医制度は、女性医師にとって、医療業界を働きにくい社会にしていると思う。(市中病院、女性)

【医師の働き方】
・外科の不遇さ。待遇を改善すべき。医師も当直ではなく夜勤という働き方の導入。(大学病院、男性)

・医療業界に限った話ではないが、ワークライフバランス。先の未払い残業代の判決も出た通り、今後医師の働き方改革は進んでいくと思う。残業ありきの現状から、適切な人員配置とオンオフの切り替えへ。医療圏再編等、抜本的改革も必要かもしれない。 この問題に関して自分にできることは限りなく少ないが、仕事の効率を高め、そのための無駄なプロセスを省くこと。ドイツに留学した際に医師達のライフスタイルを聞いて驚いた。いつか日本もそうなればと望んでやまない。(市中病院、男性)
・医師の働きすぎはあると思います。医師も人間ですし、女医も増えつつあるので、どの科でも家庭との両立が今よりしやすくなるように、当直体系などをもっと改善すべき。もちろん患者は大事ですが、それより家族をもっと大事にできる医者が増えてほしいし、自分はそうなりたい。(市中病院、女性)
・医師のワークライフバランスは課題の一つであり、解決に近づきたい問題である。研修医の過労自殺などは大きな問題だと思う。また、意志のある女性医師の結婚率の上昇、未婚率や離婚率の低下のため、結婚支援の充実を全国的に普及させたい。まずは若手中心に意見交換や出会いイベントを行っていくのがいいかと思う。徳島県のように医師会主催なら信頼性が高そうだ。これは医療と直接関係ないが、1人でも多くの医師が幸せな家庭を築くことが、巡り巡って患者により良い医療を提供することにつながると思うのである。(市中病院、女性)
・医師が家庭と仕事を両立させるのは、いまだ難しいのが現状だと思う。 どういう環境になれば働きやすいのか、という点で、若いうちから職場を観察していきたい。将来自分が上の立場になったときは、それを少しでも生かせたらと思う。(市中病院、男性)

【女性医師問題】
・医師(特に女性←なぜか)に降りかかる、仕事と家庭の両立問題。働き方改革は応招義務のある医師については5年の猶予期間を持たせるとのことだが、早急に手を打たなければ、いつかどこかで限界が来るのでは。研修医など、ある意味、電通よりブラックな病院もあると聞くので、ちょっと怖い。(大学病院、女性)
・女性医師の働き方について:自分も女性なので、ロールモデルを探したい。また勤務病院の育児支援体制が充実するように意見していきたい。 診療科ごとの医師の偏り:研修を通して、さまざまな科を将来の進路として検討すること。(市中病院、女性)

【大学の在り方】
・自大学の問題ではあるが、医学生の教育に関わる教員の評価が低いように思う。また、卒業後の医師像を考えた教育プログラムになっておらず、各教室の意向が統合されていないように感じる。後学の教育を通して自身も成長できるように努めたい。(大学病院、男性)
・医師の基礎研究への従事の壁がもっと低くあるべきだと思う。大学院での指導体制、研究費などをもっと充実させてほしい。臨床の知識がある医師だからこそ、熱意を持って取り組める分野の研究が多くあるはず。私は大学院に進学して神経分野の基礎医学をより深く勉強し、将来の患者さんに還元できる研究がしたい。(大学病院、女性)
・大学、医局同士の垣根の高さが課題だと思う。 自分が働く上で、できればこのような対立の少ないところで働くようにしたい。(市中病院、男性)

【医療費問題】
・医療費の高騰が問題だと思う。少子高齢化に拍車がかかり、現行の制度では今後もそれは続いていくので、それをどうしていくかが課題。 国民皆保険制度の廃止もやむを得ない状況かと思う。そんな状況になっても生き残っていける医師になりたい。(大学病院、男性)
・膨大な医療費が社会全体、特に若い世代の生活を圧迫しており、停滞感や子育て意欲の低下を引き起こしている。AIなどの新しい技術を一般に馴染むように尽力し、人件費削減・必要十分な医療提供を行い、専門医を各自の専門性を極めることに集中させる環境を整えたい。(大学病院、男性)
・高齢者に医療費を多く割いている現状だと医療制度が崩壊するので、不必要な投薬や検査は避けたい。(大学病院、男性)
・高齢者に対する過剰な治療介入により、医療費を圧迫している。また、当直明けの医師が次の日にオペをやらなければならない状況はどうかと思う。2つとも自分1人ではどうしようもない問題なので、SNS等で声を上げていきたい。(大学病院、女性)
・医療費の膨らみ、画像検査の過剰に対して、身体診察を充実させて不要な検査をしないようにすることを取り組もうと思っています。(大学病院、女性)

・医療分野においては2025年問題が迫りつつあり、一方、研究分野においても予算不足のツケが回り、徐々に世界のトップから引き離されてきている。資金の分配に関して大きなパラダイムシフトが必要であり、医療行政が適切に機能することを願う。自分としては、目の前の医療の実践に尽くすに尽きる。研究面でも何か成果を残せればと思うので、研究に関するアイデアや勉強は継続していきたいと思う。(市中病院、男性)
・高齢化および医療費の高騰が相まって、社会保障が立ち行かなくなっている。政府は消費税増税などで、何とか税収を上げようとしているが、限界があるように見えてならない。一人一人ができることをしていく必要があると思う。無駄な検査はしないようにするなど、気を付けていく必要があるであろう。(市中病院、男性)
・医療費の増加(特に公費)が止まらないこと。できる取り組みがあるとすれば、むやみやたらの検査、必要のない人の受診を減らすことが挙げられる。具体的には適切な患者教育など。(市中病院、女性)
・医療費が莫大であり今後も高齢化が進むにつれてより多くの医療費が必要となると考えられる。生活習慣病を減らすなど予防医学にも関心を持っていきたいと思う。(市中病院、女性)
・高齢化社会で医療費が増えている。政府は診療費を下げる傾向にある。診断力を高めて質の良い医療を行う。(市中病院、男性)
・今後、人口減少に伴い患者が減少するかもしれないことについて何も考えていない。高額医療を税金で賄いすぎ。(市中病院、男性)
・医療費の増加が著しく国の財政を圧迫している。疾病予防をすることで医療費の削減は少なからず可能であると考えるため、地域住民に予防医学の知識を広めて行く活動をしていきたい。(市中病院、男性)
・医療費の増大に歯止めがかからないこと。 予防の概念が大切になると思い、アメリカの家庭医療的な考えの下、適切なタイミングで必要な健診を勧めることや、リハビリの積極導入で三次予防を推進していくことが解決の糸口になるのでは、と現時点では考えている。この二つの分野をそれぞれの国で学んでいければと思う。(市中病院、男性)

【医療の在り方】
・この先、保険診療制度、人工知能、ロボットなどの変化が待ち受けていると思う。時代遅れの医師にならないよう、常にアンテナを張っていたい。(大学病院、男性)
・最近ただ経過を見るのではなく、遺伝子レベルで解析して治そうという流れが強いと思うので、置いていかれないように興味を持って積極的に関わっていきたい。(大学病院、女性)
・健康な生活を送るため、予防医療、早期発見・早期治療、患者に納得してもらい治療を確実に進めていくこと(服薬アドヒアランスの向上など)にもっと力を入れるべきだと思う。医師として働くようになったら患者教育に力を入れたい。(大学病院、女性)
・不安を感じている患者さんへの説明が足りない医師が多い。いろんな現場を見学する際に、自分だったら患者さんにどういった説明をするかを考えている。(大学病院、男性)
・体も動かなくなって、食事も胃瘻からの患者さんがあまりにも多いと思う。脳梗塞の後遺症が改善できるようなものを発見できたら一番だが、そう簡単にはいかないと思うので、予防を呼びかけるようにしたい。(市中病院、女性)
・訴訟等を恐れるあまり、本当に患者さんに寄り添うような声の掛け方や接し方がしづらいこのご時世ですが、自分なりにできるだけ患者さんにとって親身な医師になりたいとは思う。(市中病院、男性)

【その他】
・初期研修にしても医師本人のやる気のあるなしなどで、医療の質が変わります。ある程度の質の担保には、昨今医療界でも話題となっているAIの介入点を考えていかなくてはいけません。例えば経験の浅い我々は、聴診すら上級医に比べるとスキル不足です。そこで患者のある一定の部位にデバイスを当てると、その部位でのHzやdBを拾う装置を作れば、医師による誤差は軽減するはずです。
 診断も患者の主訴から鑑別を自動的に挙げ、確率論的に必要な理学所見や検査項目を自動的に示してくれるものがあれば、確率論に従い、診断が下せます。上記の聴診と診断についての例から、私が個人的に思っているAIの介入点は『数値化できること』が最初に挙げられます。こんなことは他の人も想像するのは容易だと思いますが、まだAIが導入されてこないのは経済的な問題なのか、それとも医者集団の保守的な態度が問題なのか、といった感じでしょうか? 医療界は常に過渡期であり、今ですと、こんな感じに課題を考えております。(AIがはやりだから、その周辺事項に食い込んでいくことが、課題です。経済・政治的なことも含め)。 いずれにしても常に課題を挙げ、患者さんのために頑張りたいです。(市中病院、男性)

・bystanderCPRに立ち会ったことがあるが、自分が行くまで救急車を呼ぶだけで何も処置がされていなかった。一般市民はやはりどうすればいいか分からなくなってしまうのが現実なのだと知った。人が倒れていたら救急車、胸骨圧迫、AEDの準備という大事なことをもっと民間に普及させなければいけないと感じた。(市中病院、男性)
・医者の息子娘のぼんぼんが多くて、医療ドラマ以上の汚い世界であることがよく分かった。権力が大きすぎて立ち向かえない。自分なりに信念をブラさないように、一生ヒラでいいので医療の最前線で頑張りたいと思う。(市中病院、男性)

【調査概要】
調査対象者:2017年10月27日~10月30日
対象:エムスリー株式会社のグループ会社である医療・福祉系国家試験対策の株式会社テコムに登録のある、全国の医学部6年生、既卒者。
有効回答者数:440人



https://www.m3.com/news/iryoishin/569345
2017年度マッチングに対する全国医学部生アンケート
「研修医の自殺」「後期研修もこのまま残るか」◆Vol.6
研修先の面接内容、時勢を反映した質問も ** 
 
レポート 2017年12月28日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 臨床研修先を決めるに当たって、医学生は研修を希望する病院の筆記・面接試験を受けるのが、一般的。面接試験で何を聞かれたかを聞いたところ、研修先を問わず、「大学時代に力を入れていたこと」「志望動機」「他の病院の併願状況」「目標とする医師像や将来ビジョン」といった基本的な事項が挙がった。

 最近の時勢を反映して、「研修医の自殺」についての意見を求められたり、医師不足の折、「後期研修もこのまま残るか」と聞かれたとの回答もあった。男性よりも、女性の方が、ワークライフバランスについて質問されたとの回答が多かった。

 大学病院と市中病院の比較では、市中病院では「なぜ大学病院ではなく、市中病院か」、一方で大学病院では「大学院への進学、留学意向」のほか、市中病院との“たすき掛け”の希望研修先などを聞かれたとの回答が挙がった。

 以下、臨床研修先(市中病院と大学病院)別、男女別に、主な意見を紹介する。

【市中病院】
男性
・自己紹介(志望科含む)と自己PR、部活でがんばったこと(部活でキャプテンやっていたこと書いていたから) 、キャプテン期間中に自分が変えたシステム、医師を志した理由、 最近気になるニュース、バドミントンの公認審判員の資格を持っているが、それはなぜなのか、自炊してるか、また自炊で気を付けていること、医療事故を減らすために、病院は組織としてどのような取り組みをするべきか(事前に送った小論文の内容と関連している)、医療事故の絶対数を減らすためにはどのような対策をするべきか、 自分の直したいところ(短所)。
・学生時代に達成したこと、達成した理由、学生時代に成果を挙げられなかったこと、その理由、人間関係のトラブルはあったか、どうやって解決したかを細かく聞かれた。
・1.再受験の入学だったのでその辺を少し、 2.志望動機、3.手先は器用かどうか、手技はどうやったら上達すると思うか、 4.チーム医療の中での医師の役割、5.最近のニュースで気になったものを2つ、 6.他にどの病院を受けているか。
・病院志望理由、人との関わりで学んだこと、余命告知について、最近気になったニュース、大学時代に頑張ったこと、病院のよいところ悪いところ。
・志望科、サブスペシャルティ、なぜ大学病院ではないのか、他に受けた病院はあるのか、第一希望はどこか (学会発表したことをエントリーシートに書いたので)研究の概略。
・志望動機、ジェネリック薬品についてどう思うか、 自分の特徴を教えてください、将来は何科を希望しているか、見学の際に当院にどういう印象を受けたか、体力に自信はあるか。
・大学を地元ではなく、○○県にした理由、最近気になったニュース、履歴書の資格欄について。
・○○県に残る予定か、将来の志望科、自信があるポイントなどで、総じて穏やかな面接でした。
・上級医と意見が対立した場合はどうするか。自分はリーダー向きかそれともサポート役に徹するタイプか。当直に対しての意気込みは。
・長所・短所、高齢化が進んでるけど、高齢者の医療で何が必要だと思う? 家は医者か? 他どこ受けた? 質問ある? 何科志望?理由は?
・研修医として必要なことは何か、後期研修医としてのビジョンは何か、10~15年後のビジョンは何か。
・初期研修で病院に求めること、自分の強み、ストレスへの対応の仕方 、同期にどのような好影響を与えることができると思うか、インフォームドコンセントとは何のためにするのか。

女性
・大学時代の困難にどのように解決してきたか、どうして麻酔科、産婦人科なのか、留年はどうしてか、どうしたのか、どうしてここの病院なのか、これから将来の先はどうするのか、将来の展望、女性として働くのは難しいこともあるがどうするか、看護師と関わる上でどのようにしていくつもりか。自己PR。
・臨床実習時に患者さんと接する際のポリシーは何でしたか? 当病院で初期実習するとして、特に回りたい診療科を3つ挙げてください、など。
・チーム医療について:自分がチーム医療に向いているかどうか、医師はチーム医療のリーダーとなるが、自分にできるか、なぜ地元に残ったのか、将来の希望診療科、他にどこの病院を考えているか。
・医師を目指した理由、病院を希望した理由、女性としてイベントを乗り越え医者を続けていくつもりか。
・ヒポクラテスの誓いをどれでもいいので述べよ。なぜ大学病院ではなく当院を選んだのか、違いを述べよ。後期研修も当院で行うつもりか。
・当院は第何志望か、息抜き法、語学に自信はあるか、医師として大切なことは何と思うか、医師を志した理由。
・志望動機、志望科、奨学金の有無、○○県に残るかどうか、研修医の自殺に関してどう考えるか。
・基本、事前提出していた履歴書の内容にそって質問されました。 それ以外だと、「他の受験病院と比べて、うちにしかない特徴は何か」というのも聞かれました。
・志望動機、ポリクリで当院で実習したときの内容と感想、長所、短所を含めた自己紹介、その短所を補うために努力していること、他に病院見学した場所はあるか。
・病院の志望理由、医師の志望理由、志望科とその理由、長所・短所、再受験の理由、成績について、後期研修も残るか、部活動などがんばったこと、趣味や気晴らし、併願状況。
・当院志望理由、どのような時にストレスを感じるか? その対処法、地域医療と聞いて何をイメージするか? 都会と田舎の病院の違いは?(メリット、デメリット) 、自分の長所。
・医学部を選んだ理由、 (学士編入なので)前の大学での生活について、研修病院の志望動機、学生時代に取り組んだこと、持っているスキルをどう生かすか、研究内容、チームワークはできるか。

【大学病院(出身大学)】
男性
・初期研修中にどんなことを意識したいか、初期研修の同期との関わり方はどうしたいか、志望診療科。
・将来、地域に出るときのために、どんなことを準備するか、今まで卒業生が積み上げてきたものがあると思うが、新たな世代としてチャレンジしたいことは。
・研修先として選択した理由、研修先に求めること、研修先に貢献できることは何か、研修医としての自分の強み、併願病院、賃金が高くないにもかかわらず、このプログラムを選択した理由。
・なぜこの病院を希望したのか、消化器外科志望なのはなぜか、体力には自信があるとのことだが、仕事にどのように生かしていきたいか、医療ミスを減らすにはどうすればいいか、大学の部活での役職は何だったか、小中高大とずっと野球部とのことだが、大学で新しいことを始めなかったのはなぜか。
・志望理由、たすきがけ病院の希望、アンマッチになったらどうするか、自分の長所。
・志望理由、たすきがけ先の病院での生活に不安はないか、将来の希望診療科、健康面で問題はないか、大学時代部活はやっていたか。
・なぜこの病院を選んだか、もし教授と自分の意見が違ったらどうするか。
・志望理由、最近の医学界で気になる出来事はないか、1分で自己アピールしろ、など。

女性
・なぜこの病院を選んだのか、○○県を出たいと思わないか、どのような医師になりたいか、自分の長所と短所を含め、1分程度で自己アピールせよ、医師は足りてないと思うか、医師の偏在をなくすためにどうしたらいいか、などです。
・医師を目指した動機、病院の志望動機、どんな医師になりたいか、留学経験について(語学留学経験があるので)。
・後期研修も残るか、博士号取りたいか。
・部活、なぜ医学部を目指したのか、なぜ○○科志望なのか、研修医の間、プライベートで頑張りたいこと。
・今までで挫折を味わったことがあるか、理想の医師像は何か、将来どんな医者になっているか。
・医師、病院志望理由。大学生活について。自分の性格について。読書について。
・病院の魅力、希望するローテーションについて、専門科について。

【大学病院(出身大学以外)】
男性
・履歴書に書いた内容、最近の医療ニュースで気になったこととそれに対する自分の意見、好きな科、3年目の進路、自分の性格について、部活動について、CBTの結果、再試験の有無など学力面。
・志望動機、事前提出課題であった小論文について、チーム医療とは、大学時代に頑張ったこと、どんな医師を目指したいか。
・病院の印象、働くに当たっての心構え、地域医療についてどう思うか、大学ではどんなことを頑張ったか。
・なぜ医者になりたいか。 コミュニケーションに自信があるか。 見学時の病院の印象。 ポリクリで心に残ったこと。
・併願病院との比較、趣味、ストレスの対処方法、将来希望する診療科とその理由、自身の性格を一言で、国試に向けての勉強で工夫していること、CBTの成績、身内に医療従事者はいるか、研修修了後の進路。
・県内に残る意思はあるか?将来は何科に進むか?大学生活はどうだったか?
・初期研修修了後に後期研修を行う意思があるか?

女性
・学生時代バイトはしていたか、なぜこの病院にしたか、趣味は何か、何科の医師になりたいか、医師を目指した理由、将来のビジョン。
・大学で辛かった、苦労した経験。体力気力ともにあるか。初めての地での生活は大丈夫か。
・留学に興味はあるか、研究に興味はあるか、部活のこと。
・病院志望理由 研修医の過重労働と自殺について。
・将来なぜ神経内科に進みたいか、医局説明会はどうだったか、人生の大変な局面ではどのように乗り切ってきたか。
・志望科の理由、親は何科か、大学院に行きたいか、大学院で行いたい研究テーマは。
・なぜ地元に戻ってこようと思ったのか、チーム医療における医師の役割について、大学生活で一番頑張ったこと。


【調査概要】
調査対象者:2017年10月27日~10月30日
対象:エムスリー株式会社のグループ会社である医療・福祉系国家試験対策の株式会社テコムに登録のある、全国の医学部6年生、既卒者。
有効回答者数:440人



http://www.medwatch.jp/?p=17983
タスク・シフティングは段階的に進める方向で議論―医師働き方改革検討会 
2017年12月26日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師の労働時間を大幅に削減する効果が期待できるため、他職種への業務移管(タスク・シフティング)を進める必要があるが、現状でもできる業務移管が十分に進んでいるとは言い難い。まずこうした業務から、段階的に移管を進める方向で議論すべきではないか―。

 12月22日に開催された「医師の働き方に関する検討会」(以下、検討会)で厚生労働省は、このような考え方を示しました。この日は「他職種への業務移管」のほか、「AI(人工知能)やICT(情報通信技術)などを活用した生産性向上策」などについても構成員が意見交換しています。

ここがポイント!
1 まず「現状でも可能な業務移管」が進まない原因を解消
2 AIなど新技術の活用、医師の労働時間短縮の目玉策にするのは時期尚早
3 医師の今後の働き方は、一定の「地域偏在」「診療科偏在」を前提に検討すべき

まず「現状でも可能な業務移管」が進まない原因を解消

 政府が推進する「働き方改革」では、医師に対しても、「罰則付きの時間外労働の上限規制」(▼1か月当たり45時間・1年当たり360時間の上限を違反した場合には罰則を科す▼労使が合意しても年720時間(月平均60時間)の上限を超えてはならない▼労使合意による特例の上限を、2か月から6か月の平均で80時間以内、単月で100時間未満、年6回までとする)を適用することが決まっています。しかし、医師には応召義務(医師法第19条)が課されるなどの特殊性があるため、検討会で「規制の具体的な在り方」や「労働時間の短縮策」などを議論し、2019年3月ごろまでに結論を得ることとされています。

 医師は、医学的判断を要する医行為のほかに、カルテ記載など、さまざまな事務作業も行っています。そこで、医師の負担を軽減するために、カルテ記載を事務職員(医師事務作業補助者)が代行することが進められ、診療報酬でも【医師事務作業補助体制加算】として代行を下支えしています。また医行為の一部についても、▼あらかじめ定められたプロトコルの中で▼医師が包括的な指示を行うこと―という条件付きではあるものの、一定の研修(特定行為研修)を受けた看護師が、創傷に対する陰圧閉鎖療法や持続点滴中の糖質輸液・電解質輸液の投与量の調整といった「特定行為」を、看護師自らの判断で実施することを認める制度が、2015年10月にスタートしています。

 今年(2017年)4月に公表された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査、2016年12月に実施)の結果からは、▼患者への説明・合意形成▼血圧などの基本的なバイタル測定・データ取得▼医療記録(電子カルテの記載)▼医療事務(診断書等の文書作成、予約業務)▼院内の物品の運搬・補充、患者の検査室等への移送―の計5つの業務に、医師が1日240分程度を費やしており、このうち20%弱(約47分)は、他業種に分担可能だと考えていることが分かっています。つまり、看護師や医師事務作業補助者への業務移管をさらに進めれば、治療のアウトカムなどに悪影響を及ぼすことなく、医師の労働時間を短縮できると期待できます。

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10医師の業務時間1

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11医師の業務時間2

 しかし、他職種への移管が認められている業務の一部が、実際には移管されていない実態が、四病院団体協議会(日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会で構成)や全国医学部長病院長会議の調査結果から分かります。

 これらの調査では、医師事務作業補助者等や看護師等への業務移管の実情を聞いていますが、まず医師事務作業補助者等には、「診断書の代筆及び代行入力」や「民間保険会社からの診断書等の代筆及び代行入力」「主治医意見書の代筆及び代行入力」を移管している病院が多い一方で、「患者の退院に係る調整業務」の移管は、一部の病院しか行っていません(四病院団体協議会の調査では27.4%、全国医学部長病院長会議の調査では16.4%)。

04クラーク四病協(図 略)
05クラーク病院長会議(図 略)

 一方、看護師への業務移管の調査結果を見ると、「点滴の実施」や「静脈ラインの確保」「尿道カテーテルの留置」「静脈注射の実施」のそれぞれを、看護師が原則実施、あるいは一部実施している割合が高く、四病院団体協議会の調査では90%以上、全国医学部長病院長会議の調査では85%以上を占めています。

06勤務環境改善の状況 四病協調査(図 略)
07勤務環境改善の状況 病院長会議調査(図 略)

 しかし特定行為に限ると、特定行為研修を修了した看護師を採用している病院でも、一部でしか実施されていない状況です。例えば「気管カニューレの交換」は、四病院団体協議会の調査では26.0%、全国医学部長病院長会議の調査では16.7%にとどまります。

08勤務環境改善の状況 四病協調査(図 略)
09勤務環境改善の状況 病院長会議調査(図 略)

 こうした状況を踏まえて厚労省は、「業務移管等は労働時間削減等の効果が期待できるものの、段階的に進めていくことを前提に議論すべき」と指摘。「まずは、現状でも認められている業務の移管が進まない理由」について議論するよう促しました。

 これを踏まえた意見交換では、中島由美子構成員(医療法人恒貴会訪問看護ステーション愛美園所長)が、特定行為研修を修了した看護師が勤務している病院で業務移管を進める方策として、「医師の業務負担の状況や看護師の業務負担の状況、患者側の特定行為のニーズをしっかりと探った上で、病院の組織全体での合意の下で実施する」といったプロセスを徹底させるべきだと主張しました。

 一方、今村聡構成員(日本医師会女性医師支援センター長)は、特定行為研修の修了者らに業務を移管するとしても、「日本の医師全体の業務を軽減できるだけの人数が養成されているか」と疑問を呈しています。

 この点、厚労省は、特定行為研修の修了者数を10万人以上に増やす方針を掲げていますが、現状(2017年6月現在)は583人にとどまります。修了者数を増やす方策として、厚労省は都道府県に対して、来年(2017年)4月からの医療計画中に、特定行為研修を行う「指定研修機関」の確保などに関する計画を記載することなどを求めています(関連記事はこちら)。研修修了者数の確保は、医師の労働時間短縮とも密に関連する重要な課題と言えそうです。

 また今村構成員は、「医師が本来行う必要のない事務作業は、医師以外にやってもらう環境をしっかりと整備すべきだ」と指摘し、医師事務作業補助者らへの業務移管を進めていく必要性を強調しています。

 一方、戎初代構成員(東京ベイ・浦安市川医療センター集中ケア認定看護師)は、「医師がどんな仕事をシフト(移管)もしくはシェア(共同化)したいと思っていて、それをどんな学習をした者に任せたいと思うのかを明らかにしていく必要がある」と述べ、特定行為に定める医行為や、研修内容の見直しを含めて検討すべきだと指摘しています。

 こうした構成員の意見を踏まえると、今後は、(1)医師事務作業補助者らでも実施できる事務作業(2)看護師が「診療の補助」として実施できる医行為(3)特定行為研修を修了した看護師が実施できる特定行為(4)現在は医師にしか認められていない医行為―に分けて、それぞれの業務移管の在り方(移管すべきか否かや、移管の進め方)を検討していくことになりそうです。

 ところで、医師の労働時間を減らす方策としては、他職種への業務移管のほかに、医師複数人での業務の共同化(例えば複数主治医制など)も挙げられます。山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院院長)は、その普及に当たっての課題が「1病院に勤める医師数の少なさ」であると指摘し、「病院の集約化も議論していかないと、『1人1人の勤務時間を制限すると医療の提供が不十分になる』問題を解決できないのではないか」と主張しています。この点、病院の集約化は「働き方改革」だけでなく、「症例数の集約化→医療の質の向上」につながることがグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンと米国メイヨ―クリニックの共同研究で明らかとなっており、積極的に検討すべきテーマといえるでしょう。

AIなど新技術の活用、医師の労働時間短縮の目玉策にするのは時期尚早

 また検討会は、「AIやICTなどを活用した生産性向上策」についても意見交換しましたが、「こうした技術が生産性を高める効果等が実証されるまでには時間がかかることから、医師の労働時間を短縮させる目玉策に据えるのは時期尚早である」という意見が複数の構成員から上がっています。

 例えば、猪俣武範構成員(順天堂大学付属病院医師)は、将来的にはAIが医師の業務を補助するようになり、労働時間が短縮されると期待できるものの、治療アウトカムへの影響などは、現時点では検証が不十分だと指摘しました。また、渋谷健司構成員(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)も、「効果検証をしっかりしていかないといけない」と述べ、医療機関の管理者による勤務環境の改善などを優先させるべきだと主張しています。

 この点、厚労省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」が今年(2017年)6月にまとめた報告書では、AIを活用した医師の診断・治療支援技術が実用化されるのは2020年度以降だと見通しており、今後の技術開発が期待されます。

 なお、米国では、幾つかの病院の集中治療室の患者を、1か所で遠隔管理する「eICT」が導入されていることが、山本構成員から紹介されました。「各病院に重症患者がいて、それぞれに医師がいると大変だ。導入すれば、重症な症例に対する管理が効率化されるのではないか」と我が国でも導入に向けた検討を行うべきと提案しています。

医師の今後の働き方は、一定の「地域偏在」「診療科偏在」を前提に検討すべき

 また厚労省が12月22日、人口当たり医師数を都道府県別に見ると最大1.97倍の差が生じているといった「地域格差」や、診療科別の医師数の増加率に開きが生じているといった「診療科格差」を示すデータを紹介しました。

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都道府県別の人口当たり医師数
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診療科別の医師数の増加率

 医師不足地域で、医師1人1人の負担が重くなることは当然で、1994年からの増加率が低い「外科」や「産科・産婦人科」では、病院常勤医師の労働時間が長い(週60時間以上)割合が高く、「診療科格差」も医師の働き方と直結する課題だと言えます。
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週60時間以上勤務する医師の割合(診療科別)

 こうした状況を踏まえて厚労省では、来年(2018年)の通常国会に医療法や医師法の改正法案を提出し、「都道府県と大学医学部・付属病院の連携による、実効性ある医師確保対策」や、「医師不足地域での勤務環境の整備と、一定期間の勤務へのインセンティブ付与」などの偏在対策を講じる方針です(関連記事はこちら)。
 とはいえ、「特定の地域で働くことや、特定の診療科を選ぶこと」を国が医師に強制することは困難なため、「一定の地域偏在や診療科偏在が存在すること」を前提に、医師の今後の働き方を考える必要があると、厚労省は指摘しています。



https://this.kiji.is/318211550903403617?c=92619697908483575
地域医療、学生に学ぶ機会を 自治体病院の医師確保 
2017/12/26 10:10 ©株式会社熊本日日新聞社

◇なかもと・こうさく 自治医科大卒。熊本赤十字病院を経て、蘇陽病院、公立多良木病院、河浦病院、椎原診療所などに勤務。2008年から県へき地医療支援機構専任担当官。12月から上天草総合病院の非常勤内科医として週1回診療に当たる。旧牛深市出身、熊本市在住。53歳。

 遠隔地の医療を担う県内自治体病院で医師が不足し、確保が難しくなっている問題について、県医療政策課審議員で県へき地医療支援機構専任担当官の中本弘作医師に聞いた。(大倉尚隆)

 -県内の遠隔地医療の現状をどう見ていますか。

 「国や県が『医師不足』の定義や基準を定めていないので、どんな状態を『医師不足』とするか統計的に示すことはできないが、地域の高齢化と同時に医師の平均年齢も上がってきていると感じる。一方、若手医師は遠隔地での仕事を避ける傾向にある。民間の開業医でも、医師になった子どもが地元に戻ってこないため、後継者がいないケースが目立つ」

 「上天草総合病院(上天草市)の場合、常勤の小児科医が高齢で退職したため、産科医がいても出産ができなくなり、年間50~60件あった出産が0になった。医療環境が悪化すれば、過疎化が進行することもあり得る」

 -若手医師を中心に、遠隔地への赴任を避ける要因として、衣食住以外で考えられることは何ですか。

 「医学部生に『どんな条件なら遠隔地に赴任できるか』というアンケートを取ったところ、子どもの教育環境を挙げる声が多かった。自分の経験を基に、幼児期から高校まで、学習塾などの充実した教育環境を望んでいるようだ」

 「文科省の統計では医学部生の47%が女性という。今後、地域で医師を確保していくには、女性医師が働けるような住環境整備が必須になるのではないか。妊娠、出産など女性ならではの課題もある」

 -医師に地域医療を志してもらうには何が必要ですか。

 「学生が総合診療や地域医療に接する機会が少ない。大学や医療機関が連携して、夏休みなどに遠隔地の医療の現場や訪問診療に立ち会う機会をつくる事が大事。都市部を離れると十分な医療機器がそろっていないという先入観を持つ学生もいるが、実際にはやれることが多いことを理解してもらえるはずだ」

 「研修医であっても、医療現場に若手の医師がいるだけで全体的に活気づいてくる。若手医師にはぜひ地域での医療を体験してほしい」

(2017年12月26日付 熊本日日新聞朝刊掲載)



http://www.medwatch.jp/?p=17940
2018年度予算案は前年度比0.3%増の97.7兆円に―厚労省分は1.4%増の31.1兆円 **  
2017年12月25日|医療・介護行政全般 MedWatch

 一般会計歳出として97兆7128億円(前年度当初予算と比べ2581億円・0.3%増)を計上する来年度(2018年度)政府予算案が12月22日に決まりました。このうち厚生労働省の予算案は、31兆1262億円(同4389億円・1.4%増)となっています。

ここがポイント!
1 社会保障関係費は4997億円増、薬価引き下げ等で「目安」を遵守
2 地域医療介護総合確保基金の積み増し額アップ

社会保障関係費は4997億円増、薬価引き下げ等で「目安」を遵守

 政府全体の社会保障関係費は32兆9732億円で、一般会計歳出の3分の1に当たります。前年度当初予算と比べて4997億円・1.5%の増加となり、「社会保障関係費の伸びを5000億円程度に抑える」(2016-18年度の3か年で1兆5000億円の増加に抑えるため、単年度で5000億円増となる)という、政府の財政健全化に向けた目安が守られています。

一般会計歳出の3分の1を、社会保障関係費が占める(図 略)

 社会保障関係費の内訳は、「年金給付費」が11兆6853億円(社会保障関係費全体の35.4%)、「医療給付費」が11兆6079億円(同35.2%)、「生活扶助等社会福祉費」が4兆524億円(同12.3%)、「介護給付費」が3兆953億円(同9.4%)、「少子化対策費」が2兆1437億円(同6.5%)などで、前年度当初予算からの伸び率は、「介護給付費」の2.7%(823億円)や「年金給付費」の1.8%(2022億円)と比べて、「医療給付費」は0.9%(1068億円)と低い状況です。
 「医療給付費」の伸び率が低いのは、2018年度診療報酬改定で、薬価等の価格が大きく引き下げられるためです。改定率については、メディ・ウォッチでお伝えしたとおり、12月18日の加藤勝信厚生労働大臣と麻生太郎財務大臣の折衝を経て、▼本体プラス0.55%▼薬価マイナス1.65%▼材料価格マイナス0.09%―と決定しています(関連記事はこちら)。

 このうち、薬価の改定率を詳しく見ると、(1)市場実勢価格との乖離を埋めること等でマイナス1.29%(2)市場拡大再算定の通常分でマイナス0.05%、高額薬剤に対する特例再算定(いわゆる巨額再算定)でマイナス0.02%(3)【新薬創出・適応外薬解消等促進加算】見直しなどの「薬価制度の抜本改革」でマイナス0.29%―となります。改定率を国費に換算すると、(1)と(2)で計1456億円、(3)で310億円が圧縮されます。また、材料価格のマイナス改定で99億円を縮減しています。

2018年度診療報酬改定では、薬価・材料価格が大きく引き下げられる
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 今年(2017年)8月時点の概算要求時点では、高齢化等によって社会保障関係費が6300億円程度伸びると想定されていました(関連記事はこちら)。上述の薬価・材料の価格引き下げで1800億円超を圧縮(その時点で、社会保障関係費の伸びを5000億円程度に抑える目安を達成)し、診療報酬のプラス0.55%改定(国費ベースで588億円増)などに財源を充てた形です。
 これらの改定率を踏まえて、来年度(2018年度)の医療費の国庫負担として、11兆4839億円(前年度当初予算比381億円・0.3%増)が計上されています。医療費の25%が国庫負担と仮定すると、「2018年度の医療費は46兆円程度になる」と政府が見込んでいることが伺えます。

地域医療介護総合確保基金の積み増し額アップ

 次に、2018年度厚労省予算案の主要事項を見ていきましょう。一般会計の予算額は31兆1262億円(前年度当初予算比4389億円・1.4%増)で、ほとんどを社会保障関係費の30兆7073億円(同4590億円・1.5%増)が占めます。

厚労省の2018年度予算案では、一般会計で前年度当初予算比1.4%増の31兆1262億円を計上している(図略)

 安倍晋三内閣が、▼人づくり革命:人材育成などのための施策拡充▼生産性革命:企業などの生産性アップを目指す施策推進―に関する事業に予算を重点的に配分する方針を掲げていることを踏まえて、厚労省の予算案では、「働き方改革」や「質の高い効率的な保健・医療・介護の提供」に向けた事業に予算が計上されています。
 「働き方改革」の関連では、新規事業として、【医師不足地域における若手医師のキャリア形成支援】(7億5800万円)や【医療従事者の勤務環境の改善】(5800万円)の予算が計上されています。前者は、医師不足地域に派遣される若手医師に、休暇や自己研鑽の時間が十分与えられるように、「週4日勤務制」や「休日代替医師の派遣」「テレビ電話等を活用した診療支援」などをモデル的に実施するための経費を支援するもので、医師の地域偏在解消に向けた事業とも言えます。

 後者の【医療従事者の勤務環境の改善】では、病院実態調査を行い、その結果を「医療勤務環境改善支援センター」(医療従事者の勤務環境を改善させたい医療機関を支援するために、各都道府県が設置)による効率的・効果的な支援につなげます。

 一方、「質の高い効率的な保健・医療・介護の提供」に向けては、都道府県ごとの地域医療介護総合確保基金(医療分)への積み増し金額を、622億円(前年度当初予算比20億円増)に増額しています。基金は、(1)地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設・設備の整備(2)在宅医療の提供体制の整備(3)医師や看護師等の医療従事者の確保・養成―を対象に、費用助成を行うものですが、(2)の「在宅医療の提供体制の整備」のための積み増し額が、前年度当初予算と比べて20億円(地方が負担する分を含めた公費ベースでは30億円)増え、各地での在宅医療提供体制の整備が強く後押しされます。ちなみに、介護分の同基金への積み増し金額としては、前年度当初予算と同じ483億円(公費ベースで724億円)が計上されています。

 地域医療介護総合確保基金を積み増すための予算は、消費税率8%への引き上げによる増収の一部などを活用した、「社会保障の充実」のための財源1.87兆円の中から充てられます。

地域医療介護総合確保基金の積み増しなどには、消費税率8%への引き上げによる増収などが活用される(図 略)

 このほか、医療・介護に関係する事項を見ると、次のような項目が計上されています。

▼データヘルス改革の推進のための予算を85億円(前年度当初予算は17億円)計上し、健康・医療・介護のビックデータを連結したプラットフォーム(保健医療データプラットフォーム)の構築に向けた、データ分析環境の整備等を行う(関連記事はこちら)

▼最先端技術を活用したゲノム検査装置や、AI(人工知能)を活用した診断プログラムなどを適切・迅速に評価するために、4800万円を計上し、評価指標を作成するための体制や、承認審査の体制を整備する

▼「分娩取扱施設がない二次医療圏」などに新規開設する分娩取扱施設等に対して、施設・設備の整備費用や産科医師の派遣を受けるための費用を助成する必要があることなどから、小児・周産期医療体制の充実に向けた予算4.2億円を計上(前年度当初予算は2.6億円)する

▼患者からの相談に適切に対応できる医師らの養成など、国民が人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境の整備を進めるために8300万円(同1億円)を計上する(関連記事はこちら)

▼特定行為に係る看護師の研修制度の推進に4.1億円(同4.3億円)を計上し、指導者育成のための費用や、eラーニングの導入経費などを支援する(関連記事はこちら)

▼薬剤耐性(AMR)対策を推進するために7.1億円(同6.1億円)を計上し、AMRに関する情報を医療専門職らにオンラインで提供したり、研修を行ったりする「臨床情報センター」の運営などに充てる

▼がん対策の予算358億円(同314億円)を計上し、今年(2017年)10月に策定された「第3期がん対策推進基本計画」に基づき、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有する「がんゲノム医療中核拠点病院」の整備(3.3億円)などに充てるほか、仕事と治療の両立支援のための研修を受けた相談支援員を専任配置する「がん相談支援センター」のモデル事業を実施(3100万円)する(関連記事はこちら)

▼新たな難病の医療提供体制を推進するために予算5.5億円(前年度当初予算は1.9億円)を計上し、都道府県における医療機関の連携体制構築などを支援する(関連記事はこちら)

▼200億円を計上して、介護保険の保険者(市町村など)を対象とする「保険者機能強化推進交付金」を創設し、高齢者の自立支援や重度化防止などに関する取り組みを推進する(関連記事はこちら)

▼介護サービス事業所が、生産性向上や業務改善に組織的に取り組みやすくするためのガイドライン作成と普及啓発に、3.2億円を計上する

▼介護ロボットなどの開発・普及の加速化を図るための予算を3.7億円(前年度当初予算は3億円)計上する

▼「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)に基づく認知症施策の推進などに15億円(前年度当初予算は14億円)を計上し、認知症の早期診断などを行う「認知症疾患医療センター」の整備などを促進する



https://www.m3.com/news/iryoishin/576965
医師の働き方改革とキャリア
年明けに中間整理、厚労省「医師の働き方検討会」
若手医師が提言「上限規制、労使協定遵守を」 ** 
 
レポート 2017年12月25日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は12月22日に第5回「医師の働き方改革に関する検討会」を開催し、年明けにも開催する次回会議で、これまでの議論やヒアリングを受けた中間整理と、緊急に行うべき取り組みをまとめることを決めた。22日の会議では、勤務医の健康確保について、3人の参考人からヒアリングを行い、東京大学大学院公衆衛生学博士課程の阿部計大氏が、若手医師、医学生を対象に行った調査を基に「医師は、原則として国の定める労働時間の上限規制と労使協定を遵守する必要があると考える。それは患者の医療安全と医師の安寧を保ち、医療の持続可能性を高めることにつながる」などと提言した(資料は厚労省ホームページ)。

 阿部氏は、検討会構成員で青葉アーバンクリニック総合診療医の三島千明氏、東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センター医師の赤星昂己氏らとともに、「Advocacy team of Young Medical Doctors and Students」を組織。日本医師会ジュニアドクターズネットワークなどの協力を得て、11月に卒後10年以下の若手医師と医学生を対象にインターネットで調査し、821人から回答を得た。

 調査では、若手医師が現行の労働時間の上限や労使協定を遵守できない理由として、「日本の保険制度、日本人の価値観」や「勤務医不足、管理者の理解不足」、「社会的要望、遵守しようとする風潮がない」、「長時間勤務を善しとする文化、事務仕事の多さ」などの声が自由記述で寄せられた。

 提言では、こうした風潮に対し、「日本の人口構造の変化やさまざまな医療提供体制の問題、業務量の多さ、⾧時間労働を美徳とする医師の慣習や封建的な風潮によって⾧時間労働を余儀なくされている」と危機感を表明。また、現行の労働時間の上限や労使協定について「理解していない」との回答が若手医師で59%、医学生で68%に上ったことから、卒前、卒後の教育研修で労働基準法を理解し、それを遵守する必要性を学ぶ機会を設けることを提案。「医師が労働環境を守れるような労働環境を段階的に実現していくよう求める」としている。

 1999年に小児科医の夫を亡くした、東京過労死を考える家族の会代表の中原のり子氏は、労基法では、「当直」は定時の巡回など軽微な業務に限り認められる一方、病院の「当直」は通常の労働そのものである現状を強調。「交代制勤務がないことが、医師の心身をむしばんでいる」などと訴えた。

 労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所産業疫学研究グループ部長の高橋正也氏は、「睡眠と疲労」とのテーマで発言。徹夜が飲酒と同程度に作業能力を低下させることや、短い睡眠の日が続くと「睡眠負債」がたまった状態になって誤りが増えるなどの研究結果を示し、「睡眠を確保できる労働環境、条件の整備が必要」と訴えた。

応招義務考えるいい機会

 討論では、日本医師会副会長の今村聡氏が「産業保健から最も取り残されているのが医療者だ。36協定や勤務時間の管理、面談の実施など、今ある仕組みの中でやるべきことができていない」と指摘。中原氏も、夫の事例では「36協定も面談も、産業医の指導もなかった。年に一度の健康診断も多忙で受けられなかった。医師は労働者であるという原点を守ってほしい」と訴えた。東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏は、「背景には医療機関の経営や、患者が来たら断れない状況がある。突き詰めれば応招義務だ。これが決まった時代と、今のシステムは違う。応招義務について考えるいい機会だ」と、医師の働き方に関する議論で繰り返されてきたテーマを、改めて指摘した。

 千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏は、勤務終了から次の勤務開始までに時間を空ける「勤務間インターバル」についての考えを、高橋氏に質問。高橋氏は、「キーワードの一つだ。睡眠時間以外も重要で、家族と過ごすなどして心と体をリフレッシュする時間が重要だ。働く時間も大事だが、『働いていない時間』も大事だということを伝えたい」との視点を提示した。

 赤星氏は、夜間に勤務することも多い医療者の特性から、夜間と日中では睡眠の質が違ってくるかどうかを質問。高橋氏は、「いつ睡眠を取るかで全然違う。体内時計があり、昼に働いて夜に休むように据え付けられており、夜に働く職種でも、夜に睡眠をできるだけ取れるような対策が必要だ」と述べた。

 事務局の厚労省が論点として医師の負担軽減につながる業務移譲についても提示。今村氏は「タスク・シフティングやタスク・シェアリングという言葉が独り歩きしている感がある。本来医師がやらなくてもいい行為はやってもらえばいいが、医行為をどうするかだ」と述べ、訪問看護ステーション愛美園所長の中島由美子氏は「看護師の特定行為の周知、理解に不足がある。どんな医行為でニーズがあるか見極めが必要だ」と指摘。社会医療法人ペガサス理事長の馬場武彦氏は、「タスク・シェアリングは効果があると思うので推進したいが、医療界の風土や意識もあり、効果が出るまでには時間がかかると思う。(労働時間の上限規制の猶予期間である)5年間で効果が出るかは疑問だ」と述べた。



http://www.medwatch.jp/?p=17919
医師偏在対策の関連法案、2018年の通常国会に提出へ―社保審・医療部会 第58回 **  
2017年12月25日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 12月22日に開催された社会保障審議会・医療部会では、医師需給分科会が前日に取りまとめた「早急に着手すべき医師偏在対策」の報告を受けました。委員からは、対策が踏み込み不足であるとの指摘が相次ぎましたが、「偏在を放置せず、まず対策を講じる」方向性に異論はなく、厚生労働省は、来年(2018年)の通常国会への関連法案提出を目指します。

ここがポイント!
1 医師不足地域での勤務の魅力アップなどで偏在解消目指す
2 診療科偏在の対策不足などを委員が指摘
3 特定機能病院の承認要件見直し、年度内にも省令改正

医師不足地域での勤務の魅力アップなどで偏在解消目指す

 医師の地域偏在・診療科偏在の是正に向けた対策については、厚労省の「医師需給分科会」(医療従事者の需給に関する検討会の下部組織)で検討されてきました。昨春(2016年)には「第1次中間まとめ」として14項目の対策案を提示。その後、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の意見なども踏まえて、今年(2017年)9月から【早急に着手すべき具体策】や【将来に向けた課題】などをより詳細に検討。12月21日に「第2次中間取りまとめ」を行いました(関連記事はこちら)。

 このうち【早急に着手すべき具体策】は、主に次のとおりです。

(1)3か年の「医師確保計画」の策定を都道府県に義務付け、都道府県が、地域の医療ニーズに見合う医師確保の目標値を掲げて、大学医学部・付属病院などと連携しながら医師の派遣や、医師の地域定着策に取り組むことを国から促す
(2)新専門医制度によって医師偏在が助長されないよう、国や都道府県に権限を与えて、日本専門医機構や学会に対して、研修を受ける医師の募集方法の改善などを求めやすくする
(3)全世代の医師が、医師不足地域での勤務に魅力を感じやすくなるように、勤務環境の整備やインセンティブ付与を行う。例えば「医師不足地域での一定期間の勤務経験」を、「地域医療支援病院のうち医師派遣機能等を担う病院」の管理者(院長)要件の一つとする
(4)都道府県ごとに、将来必要となる診療科別医師数などを明示することで、ニーズが高い診療科に進む医師を増やす

 他方で、【1】専門研修の定員に、都道府県ごと・診療科別の上限を設けること【2】診療所を含む全医療機関の管理者(院長)に対して、医師不足地域での一定期間の勤務経験を求めること【3】無床診療所の開業場所に制約を設けること―については、上述した対策を講じても医師偏在が解消しない場合に、導入の是非を検討すべき【将来に向けた課題】と位置付けています。

診療科偏在の対策不足などを委員が指摘

 医師需給分科会の「第2次中間取りまとめ」の報告を受けて、医療部会の委員は、幾つかの課題を指摘しています。例えば、木戸道子委員(日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長)は、「地域偏在の是正に向けた具体策が多い一方で、診療科偏在の是正を目指す施策が少ない」と訴えました。邉見公雄委員(全国自治体病院協議会会長)も同調しています。

 地域偏在の是正に向けた具体策に対しても、中川俊男委員(日本医師会副会長)が、より踏み込んだ対策が必要だと主張しました。特に、上述した【2】の「医師不足地域での勤務経験を、医療機関の管理者要件として広く求めていくこと」が見送られたことについて、「診療所を対象にすれば、医療現場が混乱する可能性はある」と理解を示した上で、「少なくとも、公的医療機関等すべての管理者の要件」にしなければ、医師不足地域での勤務の魅力を高める効果が全く望めないと訴えています。山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)と神野正博参考人(全日本病院協会副会長、猪口雄二委員:全日本病院協会会長の代理出席)も、管理者要件を課す医療機関を「地域医療支援病院の一部」に限れば、実効性ある偏在対策にならないとの考えを示しています。厚労省は、「地域医療支援病院の一部」に限って導入する姿勢を崩していませんが、早期の効果検証をした上で、将来的には対象拡大の検討も必要になってくることでしょう。

 そのほか相澤孝夫委員(日本病院会会長)は、そもそも医師不足地域では、「地域で働く医師数が少ないままであっても、医師の短期間の派遣や近隣の中核病院との連携によって、医療を十分に提供できるシステム」をつくる必要もあるのではないかと問題提起しています。

 こうした意見は出たものの、医師偏在の是正に向けて、医師需給分科会が取りまとめた【早急に着手すべき具体策】を施行すべく、厚労省が関連法の改正案を準備することが了承されています。同省は、来年(2018年)の通常国会への法案提出を目指しており、医療部会では年明けの1月にも、法案を踏まえた意見交換が行われます。

特定機能病院の承認要件見直し、年度内にも省令改正

 12月22日の医療部会では、今年(2017)6月に成立した改正医療法に基づく「特定機能病院の承認要件見直し」についても議論しました(関連記事はこちら)。

 この見直しは、特定機能病院の開設者(理事会等)と管理者(院長)の関係を整理して、▼開設者が管理者を選任するに当たり、外部有識者を含む選考委員会の審査結果を踏まえること▼開設者が管理者に、病院の人事・予算執行権限を一定程度与えていることを明示すること―などを承認要件に加えるものです。

 12月6日の医療部会で、「開設者が審査結果を無視して、院長としての資質に欠ける者を選任するかもしれない」「一部の大学病院では、学部長などと比べて院長の地位が低い。このままではガバナンスが効かないかもしれない」といった懸念が示されたことから、厚労省はこれを踏まえて12月22日の医療部会に、「開設者が院長に与える権限が、『病院の管理運営に必要な指導力を発揮し、医療安全等を確保できるものであるべきこと』などを、通知で明確化する」方針を示し、了承されました。

 厚労省では今後、厚生労働省令(医療法施行規則)の改正や通知の発出を年度末(2018年3月末)までに行った上で、周知のための期間を設け、特定機能病院の新たな承認要件を来年(2018年)6月から適用したい考えです(管理者の選任プロセス見直しは2019年4月から)。



http://japan-indepth.jp/?p=37556
「上昌広と福島県浜通り便り」
崩壊寸前の地域医療 福島県大町病院の場合
 
上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)
投稿日:2017/12/25 Japan in Depth

【まとめ】
・福島県南相馬市大町病院で常勤内科医退職により診療継続が困難に。
・大町病院の危機に市内の他病院の若手医師が手を上げ始めた。
・地域医療を守るのは志のある若者。厚労省や都道府県、大学医局に依存しても何も解決しない。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37556のサイトでお読みください。】


今回も青空会大町病院(福島県南相馬市)のことを書きたい。この病院は南相馬市内の基幹病院の一つだ。ところが、唯一の常勤内科医の退職をきっかけに診療継続が困難となっている。詳細は既報の通りだ(http://japan-indepth.jp/?p=35381)(http://japan-indepth.jp/?p=36518)。

最近になって、さらに事態は悪化した。前回もご紹介したが(http://japan-indepth.jp/?p=37215)、12月2人の非常勤の内科医が退職した。これで、内科の患者は、9月に自ら志願して、南相馬市立総合病院から異動した山本佳奈医師が一人で診ることになった。

外来は毎日。患者数は100名を超えることもある。これに加え、15~20人程度の入院患者を担当する。これに月に5回の当直が加わる。こんな状況は、いつまでも続けられない。

猪又義光院長をはじめ、病院幹部は必死で医師を探した。猪又院長は慈恵医大卒。震災前から、医師派遣は慈恵医大の医局に依存してきた。当然、慈恵医大に頼んだだろうが、この原稿を書いている12月20日現在、同大学からの内科医の派遣はない。

この状況をみて動いたのは、南相馬市立総合病院の消化器内科医である藤岡将医師だ。藤岡医師は2012年に東大医学部を卒業。南相馬市立総合病院で初期研修をおえ、そのまま消化器内科を専攻した。学生時代から、当研究室で学び、山本佳奈医師とは旧知だ。

「このまま放っておく訳にはいかない」と、彼は南相馬市立総合病院幹部と相談し、毎週月曜日に年休をとって、大町病院の外来を担当することになった。このような面倒くさい形式をとったのは、彼が地方公務員だからだ。病院幹部から指示されたようだ。

この話を聞いたいわき市内の病院長が「私たちもお手伝いします」と声がけしてくれた。非常勤医師を派遣すべく調整が進んでいる。

ただ、これだけで不十分だ。やはり常勤の医師がいる。この状況をみて動いたのが、同じく南相馬市立総合病院の乳腺外科医である尾崎章彦医師だ。2010年に東大医学部を卒業し、千葉県旭市、福島県会津若松市の病院で勤務後、2014年10月に南相馬市立総合病院に異動した。私たちの研究室には東大医学部在学中から出入りしている。前出の山本医師、藤岡医師とは旧知だ。

彼は、南相馬市で地域医療に従事する傍ら、多くの医学論文を発表し、日本の医学界が注目する若手医師となった(https://career.m3.com/contents/lab/akihiko_ozaki.html?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=sem_adpcareer__cmr_dr-lab_cv9000089_20170703)。

大町病院の窮状を見た彼は「誰かが行かねばならない」と言い、南相馬市立総合病院に辞表を提出した。1月から大町病院で働く。大町病院には尾崎医師と同年配の外科医がいる。慈恵医大の医局から派遣された医師だ。

猪又院長によれば「手術は月に4件程度」で、外科医として十分な経験は積めない。車で一時間程度のところに、仙台厚生病院、宮城県立がんセンターなどの全国的に有名ながん専門病院、さらに東北大学、福島県立医大がある。胃がんや乳がんなどの患者は、このような病院に行ってしまう。外科の修練を積むという意味では、大町病院に赴任することは、尾崎医師にとってデメリットにしかならない。

なぜ、彼は大町病院に赴任するのだろうか。それは、医師としての義務感に加え、崩壊の瀬戸際にある地方病院に勤務することで、得がたい経験を積み成長することができるからだ。

2016年末、福島県広野町の唯一の病院である高野病院で、たった一人の常勤医である院長が亡くなった。この時、『高野病院を支援する会』を立ち上げ、事務局長に就いた。自らも非常勤医師として診療に従事した。その後の活躍はメディア報道の通りだ。彼自身、体験記を公開している(http://www.huffingtonpost.jp/akihiko-ozaki/takano-hospital-and-fukushima-prefecture_b_14277516.html)(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48855)。

その後、自らの専門領域である乳がんの臨床研究不正では、中外製薬や乳癌業界の重鎮を相手に、たった一人で問題を社会に問うた(https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20171202-00078706/)。その勇気に敬意を表したい。一連の活動を通じて、彼は成長した。視野が拡がり、腹が据わった。

私は、尾崎医師に乳がん領域に拘らず、世界をリードする医師に成長してもらいたいと願っている。今回の件で相談を受けたときには、「病院マネジメントとは何か、地域医療とは何か、間近でみることが出来る貴重な機会だ。是非、飛び込めば」と勧めた。彼は、すでに決心していたのだろう。「外科に拘りません。内科でも事務でも雑巾がけでもなんでもします」と言ってきた。私は、彼の覚悟を猪又院長に伝えた。

大町病院の危機では、厚労省も福島県も何の役にも立っていない。飛び込んだのは山本・藤岡・尾崎という3名の若手医師だった。彼らに、このような行動を取らせたのは、南相馬という地域に対する愛着、住民への感謝、さらに苦境をともに乗り越えてきたという仲間意識だ。

最近、医師偏在を是正するために、厚労省は医師の計画配置を準備している。都道府県および日本専門医機構と連携し、専門医の研修病院の定員を決めることで、医師偏在や診療科の偏在を是正すると主張してきた。来春から開始予定だ。

12月15日、日本専門医機構が、一次募集の内定状況を公開した。この結果を仙台厚生病院の齋藤宏章医師、遠藤希之医師が分析した。その結果は凄まじいものだった。

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(図3:新専門医制度が診療科偏在に与えた影響 2018年度と2014年度の各診療科の希望者を比較)

厚労省や日本専門医機構の思惑とは反対に、診療科の偏在が加速した。内科医が激減し、麻酔科・眼科などが増加したのだ。

さらに、地域偏在も悪化した。全ての診療科で東京一極集中が加速したのだ。図4は内科の状況だ。2014年度と比較して、東京は77人も増えた。医師不足に苦しむ東京近郊の千葉、埼玉は激減した。

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(図4:新専門医制度が内科の地域偏在に与えた影響 2018年度と2014年度を比較)

ちなみに、来年度、福島県内で内科専門医を目指すのはわずか20人。東京(527人)の26分の1だ。この状況が続けば、福島の地域医療は崩壊する。

このような状況の中、大町病院は何とか診療が継続されている。大町病院の経験は示唆に富む。地域医療を守るのは志のある若者だ。厚労省や都道府県、大学医局に依存しても何も解決しなかった。地域医療を守りたければ、当事者が本気で考えねばならない。

G3註:画像は鮮明に加工することも可能ですが、筆者の意図があってのものと判断し、そのままコピペしています。



http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/171231/clm17123105020002-n1.html
【主張】医師の偏在 政府挙げて根本解決せよ 
2017.12.31 05:02 IZA / 産経新聞

 医療は、生活に欠かせない社会基盤である。医療機関がなくなれば、地域全体がいずれ成り立たなくなる。

 その存在は、地方創生の要諦の一つだ。だが、医師は診療科や勤務先を原則自由に選ぶことができる。それによる偏在が地方を危うくする。

 専門的な医療を目指す医師が増えた。自分の子供の教育環境を考え、医師数が少ない地域での激務を嫌う。結果として大都市部に医師が集中する。都道府県間の差も大きいが、同じ県内でも地域により開きが生じる。

 厚生労働省は地域医療構想を都道府県に描かせ、医療機関同士の連携と役割分担を進めている。だが、肝心の医師が不足したのでは画餅に帰す。

 このままでは多くの地域で医療崩壊が進みかねない。根本的な解決に向け、安倍晋三首相のリーダーシップを期待したい。

 医師偏在の解消について、検討を進めてきた厚労省の有識者会議が報告書をまとめた。

 「医師不足地域での勤務経験」を、地域の核となる一部の病院で管理者に就任する際の基準に加えるなどの内容だ。小手先の対策を列挙した印象である。これでは効果を発揮するとは思えない。

 医療団体の代表者など、利害関係者が議論を重ねている。そこに抜本策を望むのは難しい。いたずらに時間を費やす間に地方の人口減少の方が進んでしまう。

 そもそも、これまでの医師偏在解消の議論が、日本の人口激減をどこまで織り込んできたのか疑問である。

 人口の激減に対応するには、人が集まり住み、社会基盤そのものをコンパクト化することが避けられない。

 現在の医療機関の維持を前提としているのでは実現できまい。地域ごとに拠点を定め、政府の責任で重点的に充実を図る思い切った発想の転換を求めたい。

 患者の通院の足を確保し、コンピューターを活用した遠隔診断を普及させるなど、総合的な施策の展開も重要である。

 「地方」とはどこを指し、何をもって偏在というのか、その尺度についても根本的な見直しを行うべきだろう。

 厚労省任せではできない。人口減少対策の先例となるよう、安倍首相は省庁を横断して政策を総動員し、取り組んでもらいたい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/576875
「Heals」設立、医療者個人を責めない「公正な文化」を
シンポ開催、活動の柱はピアサポートシステム導入支援
 
レポート 2017年12月25日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 一般社団法人Heals(Healthcare Empowerment and Liaison Support)が12月23日、都内で設立シンポジウムを開催した。Heals代表理事で早稲田大学法学学術院教授の和田仁孝氏は、「医療事故等が起きた時は、患者・家族、医療者の両方が辛い思いをする。それぞれがいろいろな思いを抱いており、お互いが分かり合えていない部分もある。両方を救うために何とか対話の場を作れないかと考え、その実現に向けて立ち上げたのがHealsだ」と設立趣旨を説明した。(Healsのホームページを参照)。

 同じく代表理事の永尾るみ子氏は、自身が子どもを出産直後に亡くした遺族、かつ看護師として医療に従事するという双方の立場から、「医療事故を起こした医療者の支援は、患者家族を救うことと不可分」と語り、医療機関におけるピアサポートシステムの導入支援を活動の柱に据える方針を説明した。「医療者へのピアサポートには、医療機関トップの理解が求められ、組織全体で取り組むことが必要」と永尾氏は呼びかけた。

 Healsの設立メンバーは、医療者、法律家、学者、患者・家族など。ピアサポートとは、簡単に言えば、「同僚、あるいは同じような立場にある人による初期対応としての心のケア」であり、既に米国では取り組みが活発化している(『「第二の犠牲者を防げ!」、大磯・浜松医大教授』を参照)。

 米国の事情に詳しい浜松医科大学地域家庭医療学講座教授の井上真智子氏は、ピアサポートの概念について、「所属部署でのサポート」と「専門職種によるサポート」の間に位置付けられると説明した上で、「医療事故の経験は、医療者に大きなインパクトを与え、バーンアウトなどを招く。システムエラーの『第二の被害者』でもある。心身に問題を抱えたままでは最高のパフォーマンスができない。個人を責めない『公正な文化』に基づく職場内での支援が必要」と述べ、ピアサポートの必要性を訴えた。

 Heals は、医療機関におけるピアサポートシステムの導入支援について、2017年度中には体制を整え、2018年春頃から具体的活動に入る予定であり、既に大学病院などから支援依頼を受けているという。そのほか、(1)遺族と医療者の対話推進と心理ケアのための講演会・シンポジウム、研修、(2)有害事象等に直面した患者、医療者からの相談対応、(3)患者・医療者対話カフェの開催――などの活動を予定している。

ピアサポートシステムの導入支援例(カッコ内の時間は目安)
1. 施設におけるサポート体制等についての現状調査・アセスメント
2. 当該施設に適合的なシステム・モデルと導入手順への提案・相談
3. 関連各部署管理者への研修(2時間)
4. ピアサポートシステム管理者への研修(半日)
5. ピアサポーターへの研修(1日)
6. 全職員への周知のための講演(90分)
7. 一定期間後のフォローアップ・評価
8.提携外部機関としての継続的外部相談サポートの提供

ピアサポートで変わる医療機関の組織文化

 シンポジウムでは、Healsのメンバーが、ピアサポートの意義、米国での現状、Healsの活動予定を説明したほか、現場の医療者がピアサポートの事例を紹介した。

 曽根美恵氏は、臨床心理士の立場から医療事故を起こした医療者の心理について解説。「医療者としての自信を失い、自分を責め、自罰的になるほか、情緒不安定になり、中には医療行為を行うことに恐怖感を持つようになることもある」などの心理面のほか、身体面、社会生活面においてさまざまなASD(急性ストレス障害)が生じ、これらがケアされないとPTSDに移行すると指摘。この移行を防ぐための「ファーストエイド(First aid)」としてのピアサポートの必要性を強調した。

 井上氏は、「ピアサポートのしくみと過程」というテーマで講演。米国の一例として、2004年からピアサポートへの取り組みを準備し、開始した、米ハーバード大学関連病院であるブリガム&ウィメンズ病院の事例を紹介。同病院では、2012年にレジデント・指導医(救急、麻酔、外科)108人の医師に調査した結果、半数以上が過去1年に、担当患者の重篤な有害事象を経験していた。しかし、産業保健やEAP(従業員支援プログラム)など公的な支援の利用法を知る医師は3割にとどまるほか、キャリアへの影響を懸念するなど「サポートを受ける障壁」もあることから、医師らが「1対1」で相談できる体制などが求められるとした。

 井上氏は、ピアサポートを行う「ピアサポーター」の「役割」と「しないこと」について、以下のように整理。「予期しない事態は誰でも経験し得る。ピアサポートへの取り組みは、医療機関の組織文化を変えることにつながる。個人を責めない『公正な文化』に基づく職場内での支援が必要」(井上氏)。
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(提供:井上氏)

「ピアサポーター、メモも取らず、話を聞くだけ」

 和田氏は、Healsの活動予定や米国の事情を紹介。Healsに近い組織が、非営利組織のMITSS(Medically Induced Trauma Support Services)。注目されるのはニューヨークのベス・イスラエル病院では、180人のピアサポーター(基本は兼務)を抱え、有害事象の事案以外も含めた「あらゆるストレス」を抱える医療者への支援を行っている点だ。

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(提供:和田氏)

 和田氏は長年、医療メディエーターの養成にも取り組んできた。「医療事故が起きた直後、医療者と患者側が対立構造にならないように取り組んできたが、事故が大きければ大きいほど、医療者のショックも大きい」とし、医療メディエーターが関与する前段階として、ピアサポーターによる支援が必要になるとした。

 米国の事情を視察した和田氏は、「印象に残っているのは、ピアサポーターは、当事者から話を聞く際に、メモを取らないこと。何が起きたのかも尋ねない。当事者のつらさなどをただ聞くだけ」と語った。ピアサポーターが病院幹部等に報告するには、支援を担当した件数のみだという。「『ピアサポートにはどんな効果があるのか』とよく聞かれるので、米国視察の際に質問したところ、どの病院でも『ファーストエイドを行う場合と、何もしない場合とでは、どちらがいいかは明らかだろう』という答えだった」(和田氏)。

「患者、一般人の理解は得られるのか」

 シンポジウムの後半のパネルディスカッションでは、ピアサポートの実例も紹介された。

 議論になったのが、ピアサポートの体制を整えても、医師らが支援を求めるようになるのか、また患者や一般社会から「医療事故を起こした医療者を支援する」という取り組みが理解され得るか、などだ。

 和田氏は、「最初はなかなか相談に来ず、時間がかかるものの、認知度が高まれば、自然と相談が来るようになる」、井上氏は「ノーマライズしていくことだと思う。医療事故を起こした医療者が、自己を責めるといった感情を抱くのは、当然であることを広めていく。またピアサポートを受けることが普通であるという、文化を醸成していくことが必要」とそれぞれコメント。

 フロアからは、「一般の方に、『医療者も被害者』と言っても、受け入れられるのか」という質問が出た。永尾氏は、「遺族によって医療者が救われる、あるいは医療者によって遺族が救われることがある。それを支えるのが、ピアサポーター。認知フレームの違いを克服できるように、一般向けの勉強会を開いていくことが、われわれに課せられた課題であり、最も難しいと思っているところでもある」と答えた。

 シンポジウムの司会を務めた、浜松医科大学医学部医療法学教授の大磯義一郎氏は、「今までは何かが起きると、個人を攻撃しがちだった。そうではなく、時間がかかるかもしれないが、ケアの対象になるという方向に文化を変えていくことが必要」と総括した。



  1. 2018/01/01(月) 10:18:51|
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