Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月3日 

https://www.m3.com/news/general/572705
診療・入院料引き上げへ 報酬改定、薬価下げ財源
行政・政治 2017年12月3日 (日) 朝日新聞

 来年度の診療報酬改定について、政府は診察料や入院料などの公定価格となる「本体」部分を引き上げる方針を固めた。薬代の「薬価」の引き下げで、高齢化に伴う社会保障費の自然増の抑制目標達成にめどが立ち、財源が確保できる見通しとなったためだ。

 診療報酬は2年に1度見直される。引き上げれば医療機関の収入が増え、財源の公費や保険料、原則3~1割の患者の窓口負担も増える。政府はすでに、本体と薬価から成る診療報酬全体はマイナスとする方針を決めており、医師らの人件費などに回る本体の扱いが焦点となっていた。

 政府は来年度予算で、社会保障費の自然増を5千億円ほどに抑える目標を掲げる。達成には1300億円ほど削る必要があり、薬価の引き下げでどれだけ財源を確保できるか精査してきた。薬は仕入れ値が徐々に下がるため、薬価は改定のたびに下がる。直近の調査で実勢価格が公定価格より10%前後低く、1千数百億円捻出できるとわかり、達成が確実となった。

 本体の引き上げは6回連続で、具体的な改定率は年末までの予算編成作業で決める。1%上げるには約1200億円の国費が必要で、患者の窓口負担も約600億円増える。前回2016年度改定の0・49%が一つの基準となりそうだ。

 本体をめぐっては財務省や医療費を払う側の保険者団体などが引き下げを要求。一方、医療団体は厚生労働省の昨年度の調査で病院の利益率がマイナス4・2%の赤字だったことや、安倍政権が財界に3%の賃上げを求めていることから引き上げを求めている。政府は本体の引き上げで、安倍政権を支持する日本医師会に配慮する思惑もあるとみられる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/566894
医学部定員増に舵を切れた訳 - 舛添要一・元厚労大臣に聞く◆Vol.1
マスコミの影響大、「政官業」の旧弊断ち切る

スペシャル企画 2017年12月2日 (土)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2007 年8月27日から2009年9月16日までの752日間、第1次安倍晋三内閣、福田康夫内閣、麻生太郎内閣の3代にわたり、厚生労働大臣を務めたのが、舛添要一氏。“消えた”年金記録問題、薬害C型肝炎訴訟、妊婦の救急搬送問題、後期高齢者医療制度、新型インフルエンザの流行……。社会保障分野に限らず、厚生労働行政全般にわたる課題への対応を迫られた舛添氏。“医療崩壊”が叫ばれ、1981年以来、続いてきた医学部定員の削減・抑制政策を180度転換、2008年度の閣議決定で増加に舵を切ったのも舛添氏の時代だった。
 医学部定員問題を中心に、当時を振り返っていただくとともに、今の厚生労働行政や医療のあり方をどう見ているのかを併せてお聞きした(全3回の連載)。


――医学部入学定員は、1981年の琉球大学医学部新設以降、抑制・削減され、1997年の閣議決定で「大学医学部の整理・合理化も視野に入れつつ引き続き、医学部定員の削減に取り組む」とされ、2003~2007年度までは7625人に抑制。しかし、2008年度には臨時定員増が始まるとともに、「経済財政改革の基本方針2008」 (骨太の方針2008)で、「早急に過去最大程度まで増員するとともに、さらに今後の必要な医師養成について検討する」とされました。それまで抑制方針だった医学部定員を増加に舵を切ることができた理由をどうお考えですか。

 まずは妊婦さんの救急搬送問題が、続けざまに発生し、マスコミに報道されたこともあって、地方のみならず、都会においても「医師不足」が社会問題化したことが挙げられます。2006年には大淀町立大淀病院で、また私が厚労大臣就任直後の2007年8月末にも同じく奈良の病院で、妊婦さんの「たらい回し事件」が起きました。さらに「骨太の方針2008」の後ですが、2008年10月に都立墨東病院でも発生。救急車で搬送されても、「担当できる医師がいない」などの理由で、医療機関は受け入れることができなかったのです。
 2008年8月には、福島県立大野病院事件の判決がありました(編集部注:帝王切開手術後に患者が死亡、執刀した産婦人科医が業務上過失致死罪に問われたものの、2008年8月20日に福島地裁は無罪判決を言い渡し、確定)。産婦人科医の過失は否定されましたが、彼は「1人医長」で、24時間365日の対応をしており、産科医療が厳しい状況にあるという認識を多くの関係者が持ったのではないでしょうか。
 それから挙げられるのは、年金記録問題をはじめ、さまざまな課題を抱える厚労省に、そして私自身に注目が集まっていたこと。2007年7月の参院選で自民党が惨敗、参院第一党を当時の民主党に譲った最大の原因は、年金記録問題でした。自民党への逆風が強く、私自身、初出馬となった2001年の参院比例区選挙では、158万8262票で全国トップ当選を果たしたけれども、2007年の選挙では約3分の1に減らしての当選でした。国会議員になる前、政治学者としてジャーナリスティック的な仕事をし、テレビにも出ていて知名度は高かった上、参院選惨敗後の安倍首相の姿勢に批判的な目を向けていた私が、課題山積の厚労大臣になったものだから、おのずからマスコミが私自身や医療政策に注目するようになったのでしょう。

――「たらい回し」という言葉は、医療に好意的な言葉ではありませんが、医学部定員増につながった。
 私は医師不足問題に関して言えば、マスコミを利用しようと考えましたね。メディアは、「お医者さん、足りないじゃないか」と報道したわけなので。

 一般論で言えば、何らかの改革を実施する際のいわゆる抵抗勢力の一つは、政治家。それから利益団体や圧力団体、医療の場合は日本医師会。そして官僚機構です。これらを一つ一つ崩していかないと改革はできません。
 中でも最も激しいのは、厚労族との戦い。私の専門は本来は外交や安全保障ですが、そもそも政治家を目指したのは母親の介護問題がきっかけだったので、自民党の厚労関係部会の集まりにはよく出席しており、厚労族とも「今の医療システムはだめじゃないか」などと、しょっちゅうやり合っていた。当時の医師不足問題については、マスコミが声高に訴えており、世間の風潮に彼らは反論できませんでした。
 しかも、参院第一党になった民主党が、医師数の増員を主張していた。医学部定員問題は閣議決定なので、定員増に方針転換するには法改正の必要はなかったのですが、「敵」が私の味方をしている政治情勢で、自民党自体も反対できなかった。また医師会ですが、医師数が増えたら、「商売敵」が増えることになるわけです。しかし、私は参院比例代表選出の議員。衆院に小選挙区や参院の選挙区であれば、「医師会票」を気にするのでしょうが、関係がなかった。
 そして官僚組織。厚労省も関係しますが、医学部の問題なのでこの場合は文科省。今の獣医学部の問題ではないですが、なかなか従来の路線を変更しないのが官僚組織です。

――その辺りは、どう対応されたのでしょうか。

 「政官業のトライアングル」と言われますが、官と業をつなぐのが審議会や検討会。その見直しで、「官」に路線変更を迫りました。
 医学部定員増のほか、今後の医療の在り方を検討するため、私が2008年1月に立ち上げたのが「安心と希望の医療確保ビジョン」。メンバーは私も含めた政務三役のほか、民間のアドバイザリースタッフ。しかし、アドバイザリースタッフは、厚労省担当部局による人選であり、どうしても厚労省寄りであり、彼らはなかなか報告書に「医師不足」との言葉を入れることを認めませんでした。
 それでも私は厚労省とアドバイザリースタッフに対し、病院の勤務医の現状などを繰り返し説明し、関係者への説得を粘り強く続けた。その結果、2008年6月にまとめた報告書では、「総体として医師数を増やす方向」とし、「現下の医師不足の状況にかんがみ、従来の閣議決定に変えて、医師養成数を増加させる」と記載して、医師不足ではないとの厚労省の認識を覆した。これが「骨太の方針2008」に反映されたのです。
 「骨太の方針2009」の後に、すぐに立ち上げたのが「安心と希望の医療確保ビジョン」の具体化に関する検討会。メンバーは、さまざまな立場の方から候補を挙げてもらい、その中から私が選び、私が直接電話で依頼しました。医系技官の抵抗を直に経験したため、医系技官寄りの人選を避けるためです。普通は、厚労省の担当課が電話をかけるところ、「舛添ですが……」と電話がかかってくるのだから、相手も「何だろう?」と思う。それに役人ではなく、大臣が掛けてきたら、なかなか断りにくいわけです(笑)。
 しかも、毎回の会議はマスコミにフルオープンにし、私は冒頭のあいさつだけでなく、よほどの公務がない限りは、会議の最後まで出席しました。大臣担当の記者は、私が会議の中で何を発言するか、聞き逃すわけにはいかないので、傍聴し、報道する。検討会のメンバーの皆さんも、データを基に言うべきことは言う、批判すべき点は批判するという建設的な姿勢を持っており、その内容は詳細に報道されたので、議論の様子が広く一般にも伝わったはずです。
 2008年9月の「中間とりまとめ」では、「来年度においては、(中略)少なくとも過去最大の医学部定員(8360人)を上回る程度を目指すべき」などと盛り込みました。

――医学部定員増に舵を切った時、既存医学部の定員増と、医学部の新設とどちらを念頭に置かれていたのでしょうか。

 まず考えたのは、とにかく医学生の数を増やさなければいけないということ。既存の医学部定員増員、あるいは歯科医が過剰気味なので、医師に転向してもらうなど、いろいろアイデアが出ていました。その中で、いよいよとなれば、医学部新設という選択肢も当然入っていましたが、医学部を新設しないとできない話ではないだろうと思っていました。




http://www.asahi.com/articles/ASKCX42SJKCXUBQU00H.html
医学部進学1人につき出身私立高に10万円補助
佐藤仁彦  2017年11月28日15時00分  朝日新聞 茨城

 県内の医師不足の解消につなげようと、茨城県は過去3年間の医学部医学科への進学実績に応じて、私立高校に補助金を出す方針を決めた。今年度から導入する。進学者1人あたり10万円を出身校に補助する。県によると、特定の学部への進学実績に応じて私学助成をする制度は「全国でも例がない」という。
 県は今年度、私学助成金の中で、私立高校の補助金を前年度より増やし、その増加分の一部を利用して、医学部進学に熱心に取り組んだ学校に配分する補助金の枠を拡充した。使途は自由だが、教育経費に充てることを想定している。
 県私学振興室によると、過去3年間で県内の高校から大学の医学部医学科に入学した生徒は計456人。うち私立高の卒業生は5割強の260人を占めた。
 同室は「医学部進学に力を入れる私立高校を財政的に支援することで、県内出身の医師を増やし、将来的には県内で働く医師の数を確保したい」としている。
 医学部進学に力を入れる私立高校に対する県の支援としては、すでに医師の講話や医療機関の見学会などを実施する高校に助成金を配分する制度があり、今年度は10校を想定している。



https://mainichi.jp/articles/20171126/ddl/k22/010/147000c
御前崎市
条例案提出へ 医師不足解消狙い 就業で計800万円支給 /静岡

毎日新聞2017年11月26日 地方版 静岡

 御前崎市は医師不足解消を目指した就業支度金制度を始めるため、27日開会の市議会12月定例会に条例案を提出する。市立御前崎 総合病院の正規職員として勤務を希望する60歳未満の医師に、4年間で計800万円を支給する。
 条例案によると、対象となる医師にまず500万円を貸与の形で支給し、2年間の勤務で返済を免除する。その後も続けて2年勤める場合、さらに300万円を支払う。3年以内に同病院の勤務経験がある医師は対象外となる。
 市は同様に、40歳未満の薬剤師を対象にした制度も作る。当初150万円を支給し、5年間の勤務で返済を免除する。さらに3年の勤務で75万円を支払う。
 一方、市は12月に医師の紹介奨励金の制度を始める。同病院に紹介された正規職員の医師が1年間勤務した場合、医師1人につき50万円を紹介者に交付する。専門の仲介業者は交付対象から除かれるが、親類など縁戚関係がある場合も交付される。
 同病院は15診療科あり、常勤医師は現在17人。うち正規職員は12人で、泌尿器科は担当医がいないため外来を含め休診している。夜間の救急診療も当直医不足などで受け入れを制限している。柳沢重夫市長は「医師が来にくい状況を少しでも改善したい」と話している。【舟津進】




https://www.cbnews.jp/news/entry/20171201212355
【中医協】地域包括診療料、「24時間対応」などの要件緩和へ
厚労省が提案

2017年12月01日 21:50 CB News

 中央社会保険医療協議会(中医協)会合が1日に開いた総会では、2018年度の診療報酬改定に向けて、地域包括診療料と地域包括診療加算の要件緩和を厚生労働省が提案した。一定の期間通院している患者なら、改めて「同意」を得なくても算定を認めるなどの内容。これらの報酬の内容を患者に説明し、同意を得る手順の運用を弾力化することで、かかりつけ医機能を充実させるのが狙い。同省はまた、「在宅医療の提供」や「24時間の対応」について、要件とするのではなく、これらの実績を別途、評価する方針も示した。【越浦麻美】

 これらの報酬を算定するには、患者が受診している他の医療機関や処方薬を一元的に把握する必要もあるが、厚労省は、看護師など医師以外の職種や、連携先の薬局による対応も可能なことを明確化する考えも示した。担当医の負担軽減につなげるため。

 これらの報酬は、かかりつけ医機能への評価として14年度の診療報酬改定で新設された。地域包括診療料は診療所のほか200床未満の病院も算定できるが、地域包括診療加算は診療所しか算定できない。いずれも高血圧症や糖尿病など4つの慢性疾患のうち、2つ以上を持つ患者が対象で、「在宅医療の提供」や「24時間の対応」などの要件がある。

 日本医師会が診療所を対象に行った調査の結果によると、これらの報酬を算定している診療所で実施している業務のうち、負担の大きいものとして、「在宅患者に対する24時間対応」を挙げた診療所が49.8%、「患者に処方されているすべての医薬品の管理」は27.9%、「患者が受診しているすべての医療機関の把握」は18.6%だった。

 これらの報酬の届け出は14年度の新設後に伸び悩み、16年度の診療報酬改定でも算定要件を緩和した経緯がある。厚労省は、「在宅医療の提供」などの要件がなおハードルになっていると判断し、18年度に緩和する必要があると判断した。

 同省保険局の迫井正深医療課長は、「在宅・24時間を外すことを想定しているわけでは全くなく、実際に在宅に足を運んで診察をしていただくという実績の部分と、体制を整えるという要件の部分は必ずしもリンクさせる必要はないのではないかという趣旨での提案」と述べた。



http://www.medwatch.jp/?p=17315

抗菌剤の適正使用推進、地域包括診療料などの算定促進を目指す—第375回 中医協総会(2)

2017年12月1日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 お伝えしているとおり、12月1日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、(1)ICTを活用した連携(2)ICTを用いた医療(3)薬剤適正使用の推進(4)地域包括診療料などの見直し—の4点が議題となりました。今回は、(3)と(4)に焦点を合わせてお伝えします。

(3)では、薬剤耐性菌対策の一環として「抗微生物薬適正使用の手引き」(以下、ガイドライン)の遵守を診療報酬で評価することなどが提案されています。

ここがポイント!
1 抗菌剤適正使用の手引きを活用する医療機関など、診療報酬で評価すべきか
2 地域包括診療料など、在宅医療提供体制の要件を維持し、実際の提供を別建て評価へ

抗菌剤適正使用の手引きを活用する医療機関など、診療報酬で評価すべきか

我が国では、抗菌剤の使用量そのものは諸外国と比べてそれほど高い水準にあるわけではないものの、▼経口セファロスポリン▼フルオロキノロン▼マクロライド—といった幅広い細菌に有効な抗菌剤(広域抗菌剤)の使用量が極めて多いと指摘されます。漫然とした抗菌剤使用は薬剤耐性菌の発生につながるため、「抗菌剤の適正使用」が重要課題の1つに位置付けられています。

我が国では、セファロスポリンなどの広域抗菌剤の使用量が諸外国に比べて極めて多い(図 略)
 
政府は「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を取りまとめ、「▽経口セファロスポリン▽フルオロキノロン▽マクロライド—の使用量を2020年までに半減し、抗微生物薬全体の使用量を3分の2(33%減)とする」との目標を掲げています。
 
目標達成のために医療保険からのアプローチも重要となり、2018年度の次期診療報酬改定に向けて「A234-2【感染防止対策加算】を参考とした『抗菌薬適正使用推進チーム』(AST)の取り組みを診療報酬で評価する」案などがすでに浮上しています。
厚生労働省保険局医療課の迫井正深課長は、さらに、12月1日の中医協総会で、「急性気道感染症などの症状を示す患者に、▼厚労省がとりまとめた適正使用マニュアルを活用する▼患者・家族らへの文書による説明する―などの取り組みを行う医療機関」を診療報酬で評価する考えを示しました。

抗微生物薬の適正使用に向けた手引き(ガイドライン)を厚生省が作成、急性気道感染症(かぜ)などには抗菌剤投与が不要であることを明確にしている(図 略)
 
抗菌剤の処方は医師が行いますが、国民が「抗菌剤の適正使用」を十分に理解し、むやみに抗菌剤処方を求めるといった行動を是正してもらうことが極めて重要で、そのためには「医師が抗菌剤の適正使用の必要性などを、分かりやすく説明する」ことが不可欠なためです。ただし、支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「医師・医療機関の本来業務であり、評価には違和感がある。明確化・要件化を検討すべきではないか」との意見を示しており、さらなる調整が必要のようです。

抗菌剤適正使用に向けて、「医師から患者に分かりやすく説明する」ことが極めて重要である(図 略)
 
さらに迫井医療課長は、次のような提案も行っています。
▼地域包括診療料や薬剤服用歴管理指導料において、「抗菌薬の適切な使用に関する説明や取り組みを行う」ことを明確化する(迫井医療課長は「当該報酬を算定する医療機関や薬局において当然、行われるべきこと」と説明しており、「要件化」が行われる可能性がある)

▼「多剤投薬・重複投薬の是正」を推進するため、かかりつけの医師による▼入院医療機関や薬局と連携した減薬に係る情報提供▼減薬後のフォローアップ—などを評価する(入院中に減薬を行い、退院後にも減薬が継続するような、かかりつけ医の取り組みを評価)

▼減薬の取り組みに関する実績を踏まえ、薬剤総合評価調整加算の評価対象に地域包括ケア病棟を追加する

2016年度の前回診療報酬改定では、「入院前に6種類以上の内服薬が処方されていた患者」について、入院中に処方内容を総合的に評価・調整し、「退院時に処方される内服薬が2種類以上減少」した場合などに、その入院医療機関の取り組みを【薬剤総合評価調整加算】(退院時に1回、250点を算定可能)として経済的な評価を行うなどの見直しが行われました。後2者は、この取り組みをさらに強化する狙いがあります。

2016年度の前回診療報酬改定で、多剤投与患者の薬剤を減少(減薬)させることを評価する点数が新設された(図 略)

地域包括診療料など、在宅医療提供体制の要件を維持し、実際の提供を別建て評価へ

(4)の地域包括診療料などは、生活習慣病患者に対する総合的な医学管理を包括評価する診療報酬項目です(2016年度の前回改定で、生活習慣病でない認知症患者も対象に加えた認知症地域包括診療料を創設)。200床未満の病院と診療所が対象となります。

しかし、「施設基準などが厳しすぎる」との声が強く、実際に、届出医療機関数はごく少なかったため、2016年度の前回改定で「2次救急指定病院要件の廃止」「常勤医師基準の3人から2人への緩和」などが行われました。

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2016年度の前回診療報酬改定で、地域包括診療料の施設基準など見直し、認知症地域包括診療料の創設が行われた
 
この見直しで、届出医療機関数は若干増加しました(地域包括診療料などは2015年7月の81施設から、2016年7月に171施設に、地域包括診療加算などは同じく4701施設から5238施設に増加)が、まだまだ「届出数が少ない」状況は続いています。
この背景には、やはり施設基準などの厳しさがあると考えられます。迫井医療課長は、厚労省調査(2016年度診療報酬改定の結果検証調査)や日本医師会の調査などを踏まえ、(a)在宅患者に対する24時間対応(b)患者に処方されているすべての医薬品の管理(c)患者が受診しているすべての医療機関の把握—などが大きなハードルになっていると分析。一方で、地域包括診療料などの届け出を行っていない医療機関でも、「看護職員が平均2.3人配置されている」「7-8割が保険薬局との連携を行っている」ことから、ハードル解消のために「連携による要件クリア」を認めてはどうかとの考えを迫井医療課長は示しています。

例えば、(b)の「患者に処方されているすべての医薬品の管理」を薬局と連携して行う(かかりつけ薬局から情報提供を受けるなど)、(c)の「患者が受診しているすべての医療機関の把握」を看護師と連携して行う、ことも可能であると明確化することになります。

 
また(a)の「在宅患者に対する対応」については、「体制」と「実績」とを区別し、前者の「在宅医療提供体制」は施設基準などに残したまま、後者の「在宅医療提供実績」を別途評価する考えが示されました。

地域包括診療料を届け出るためには、病院では「在宅療養支援病院」、診療所では「在宅療養支援診療所」であることが必須であり、また診療所では「時間外加算1・2」の届け出も必須となるため、「在宅患者に対する24時間対応体制」は必ず満たさなければなりません。迫井医療課長は、この体制を崩す考えはないようです。

一方、実際に在宅医療を提供する際には、「担当医が在宅診療に出ている場合には、他の医師に外来診療が集中する」など、相応の負担がかかります。迫井医療課長は、この負担に応える必要があるとし、「在宅医療提供実績」を別途評価する考えを示しているのです。具体的には、地域包括診療料などの「継続的かつ全人的な医療提供」という創設趣旨などを踏まえ、「自院に一定期間以上継続して外来通院していた患者」(かかりつけの患者)への訪問診療実績が評価対象となります。評価手法については、「在宅医療提供実績を、外来の診療報酬で評価する」ことになるため、これから工夫が練られます。

 
なお、地域包括診療料などの、もう一つのハードルとして「患者の同意」があることも分かりました。しかし、患者に「地域包括診療料を算定したい」旨の説明を行えば、その6割は同意することが分かっています。現在、同意書の内容については特段の定めがないため、「説明に躊躇してしまい、結果として(当然ながら)同意が得られない」状況もあると考えられます。この点を踏まえ、迫井医療課長は、▼地域包括診療加算▼認知症地域包括診療加算(いずれも再診料の加算)―に限り、「一定期間以上継続して当該医療機関に通院している」患者(かかりつけの患者)については、同意取得の取扱いを見直す(簡素化する)考えも示しました。かかりつけの患者であれば信頼関係が醸成されており、簡素な同意手続きによって算定患者が増加することが見込めます。

医師から説明を受けた患者の6割は、「地域包括診療料などの算定」に同意する(図 略)
 
こうした提案に、特段の反論は出ておらず(診療側はむしろ「大歓迎」)、この方向で見直しが行われることになります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/572544
地域包括診療料・加算、同意手続き簡略化の方向など提案
「24時間対応」要件見直しは改めて整理

レポート 2017年12月1日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は12月1日の会議で、横断的事項として地域包括診療料等の評価を議論した。厚生労働省は、地域包括診療加算の算定に当たって患者の同意を取得する手続きを簡略化する方向で検討することなどを提案し、大筋で了承された。今後、具体的な方法を詰める(資料は、厚労省のホームページ)。

厚労省の提案と、委員の主な意見は次の通り。

・地域包括診療加算または認知症地域包括診療加算の算定に当たり、患者の同意を取得する必要があるが、その患者が既に一定期間以上継続して当該医療機関に通院している場合は、同意取得に係る取り扱いを見直してはどうか。

日本病院会副会長・島弘志氏:現在は原則同意書を取ることになっているが、一定期間以上継続して受診している患者は同意書がいらないという方向か。

厚労省保険局医療課長・迫井正深氏:一定程度継続した受診をしているケースで、同意書の手続きが必ずしも明確化されていない部分もある。何らかの手続きはもちろん必要だと思うが、今のような形でかっちりと同意書を取るのか、もう少し工夫の余地があるのではないかということで、今回の提案の方向性を認めていただければ具体的に詰めたい。

【支払側】
健康保険組合連合会理事・幸野庄司氏:主治医と患者がある程度信頼関係ができた後の方が同意も取りやすくなるのではないかと思うので、方向性はいいと思うが、初診で、疾病を2種類以上持っている患者(注:地域包括診療料の算定要件のうち対象疾患は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、認知症のうち2つ以上)に、いきなり「あなたは地域包括診療料で一元的に管理します」という方向をやめていくということか。

迫井氏:既存の考え方を大きく変えるのではなく、現行の同意に基づく患者と主治医との信頼関係を前提とした考え方は維持して、手続き上、難しいと言われるものについて弾力化しようということだ。

幸野氏:であれば方向性は賛同できる。

・患者が受診している他の医療機関や処方薬を一元的に把握することを求めているが、担当医の負担軽減のため、医師以外の職種や連携する保険薬局を活用可能であることを明確化してはどうか。

【診療側】
日本薬剤師会常任理事・安部好弘氏:薬剤師と処方医が効率的かつ有効な連携を推進することに資する提案なので、賛同する。

・在宅医療の提供や24時間対応に係る要件については、地域包括診療料等の継続的かつ全人的な医療を提供するとの趣旨を踏まえ、要件ではなく、在宅医療の提供の実績を別に評価することとしてはどうか。具体的には、一定期間以上継続して外来通院していた患者(かかりつけの患者)に対して、訪問診療を提供しているとの実績を評価してはどうか。

【支払側】
幸野氏:24時間対応に係る要件を加算にするという点だが、地域包括診療料の施設基準としては在宅療養支援病院か在宅療養支援診療所であることが必要で、在宅の要件をなくすというのは大きなことだ。深夜の訪問実績はほとんどないので検討の余地はあると思うが、在宅医療を要件から外して加算にするのは、設定の主旨からしたら違うのではないか。加算にするのなら、在宅の制度設計の点数設計自体を見直していくことも必要ではないか。それくらい大きな変更だ。

連合総合政策局長・平川則男氏:過去の議事録を見ると、24時間対応は当然の前提としてどうやって維持していくのかという議論になっている。2013年の総会資料でも、夜間・休日に訪問診療を行っている医師に救急連絡を行った経験の有無という患者調査で4割から5割くらいというデータが出ている。24時間対応の要件を見直して大丈夫かなという気もする。必要でないということについて、事務局は何らかの見解があるか。

迫井氏:資料が、伝え方として適切でなかったと反省している。大前提として、在支診の要件を外すということではない。24時間対応と言うと、昼夜診療のようにずっと開けていなければいけないという負担感につながっているということがある。24時間きちんと対応できるということと、オーバーナイトでずっと診療するという意味は違うわけで、考え方を整理したいという主旨だ。在宅、24時間対応を外すということは想定しておらず、誤解される文章だった。

 在宅に足を運んで診察をする実績の部分と体制を整えるという要件は必ずしもリンクさせることではないのではないかということで、評価の視点として分けたらどうかということだ。制度設計を大きく変えるという主旨ではない。改めてきちんと整理したい。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171120-OYTET50025/
ニュース・解説
在宅療養への移行促す…診療報酬・介護報酬、同時改定

2017年11月27日 読売新聞

 来年4月の診療報酬・介護報酬の同時改定では、団塊の世代全員が75歳以上になる「2025年問題」への対応が重要テーマとなる。医療では、重症者向けの過剰な急性期病床を減らす一方、患者にリハビリテーションなどを行い、早く在宅療養に移行できるようにしていく。

 「以前より足が出るようになりましたね」

 石川県南西部の能美市にある 芳珠記念病院(320床)。廊下で歩行訓練を行う男性患者(80)に、理学療法士の岩上倫太朗さん(27)が付き添う。

 この患者が入院しているのは、在宅復帰を支援する地域包括ケア病棟だ。多職種が連携してリハビリなどを行う。地域包括ケア病棟協会によると、全国約2000病院にあり、推計約6万4000床に上る。

 同病院の地域包括ケア病棟はこれまでに延べ約4600人の患者を受け入れた。退院後に自宅などに戻る割合(在宅復帰率)は88%に上る。協会会長の仲井 培雄ますお さんは「『ときどき入院 ほぼ在宅』を目指す上で、この病棟が果たす役割は大きい」と力を込める。

 病棟(病床)は、機能に応じて看護師の配置数などが異なる。患者7人に看護師1人と、手厚い体制でがん患者などをみる「7対1病床」は入院基本料が最も高く、約35万床と多い。14年度に9万床の削減が打ち出されたが、微減にとどまる。

 来年度の改定では、7対1に必要な要件のうち重症患者の割合を上げるなどして、絞り込みを図る方向だ。一方、介護への橋渡し役にもなる地域包括ケア病棟は報酬を手厚くして、7対1病床などからの転換を促すことが検討されている。

 京都市の市街地にある堀川病院(236床)は14年8月、7対1病床の一部を転換し、地域包括ケア病棟(104床)を設けた。事務長の山田正明さんは「それまでの7対1には、手厚い看護が必要ない、症状が安定した患者なども入院していた。周りの大きな急性期病院と競うのは、この病院の役割ではないと判断した」と語る。

 近くには京都大学病院などの大病院も多く、他病院との連携を強化する。医療提供体制の効率化に向け、それぞれの地域で病院の役割分担が求められている。

紹介状なし 追加負担の対象拡大

 次期改定では、「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」の普及を加速させることも大きな課題だ。

 ありふれた病気でも大病院を受診する患者が後を絶たない。そのため紹介状なしで受診した患者から初診時に、5000円以上の追加負担を求めなければならない病院の範囲を、現在の500床以上(約260病院)から広げる方針だ。これにより身近な「かかりつけ医」への受診を促す。

 また、患者ごとの服薬情報を管理する「かかりつけ薬剤師」では、「かかりつけ」の機能を発揮した場合に報酬を上乗せするか検討する。

 このほか、スマートフォンなどによる遠隔診療は報酬をつける対象を増やす方針。糖尿病などの重症化予防で、日常的な健康指導などに活用してもらう。薬価部分では、がん治療薬「オプジーボ」など高額薬が相次いで登場するなか、費用対効果が悪い場合、価格を引き下げる。

  <診療報酬・介護報酬>  診療報酬は医療行為や薬の対価として医療機関や薬局が受け取るお金。介護報酬は介護サービスを提供した事業者が受け取るお金。報酬は、国が望ましい方向に医療機関や介護事業者を誘導する手段にもなっている。来年度は6年に1度の同時改定にあたる。

 (西原和紀)



https://www.m3.com/news/iryoishin/572617
加藤大臣「門前・門内薬局、適正化を図る」、経済財政諮問会議
民間議員「遠隔診療の推進、ベンチャー創出も」

レポート 2017年12月2日 (土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 政府の経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)は12月1日の会議で、「社会保障改革」について議論し、加藤勝信厚労相は「門前・門内薬局については、適正化を図る方向で検討する」と話した。「『2018年度予算編成の基本方針』の策定方針」も示され、年末に向けて予算編成が大詰めを迎える(資料は、内閣府のホームページ)。

 「策定方針」では、アベノミクス「新・三本の矢」(1)戦後最大の名目GDP600兆円、(2)希望出生率 1.8、(3)介護離職ゼロ――の実現を目指すとしている。12月8日に2018年度予算編成の目玉となる「人づくり革命」と「生産性革命」の政策パッケージ、12月22日に2018年度予算案をそれぞれ閣議決定する見通し。「策定方針」では、直接的な社会保障、医療への言及はなかった。

 議題の2つ目として、 「経済・財政一体改革(各論:社会保障)」について意見交換が行われた。民間議員が提出した「社会保障改革の推進に向けて」とする資料で、医療に関する記載は以下の通り。

◆薬価制度の抜本改革等の実行
-長期収載品価格を後発医薬品と同じ水準まで引き下げる期間(最大16年)の短縮
-費用対効果評価に応じた実効的な薬価算定の仕組みの本格的導入、第三者的視点に立った組織・体制の構築に向けた改革工程の明確化
-治療効果の高い患者を特定して最適な薬剤を投与できるようにするためのコンパニオン診断薬の開発インセンティブの強化、コンパニオン診断のルール化

◆診療報酬改定
診療報酬本体については、国民負担に直結することも踏まえ、これまでの改革努力を緩めず、一層の取組を進めるべき。特に、調剤技術料については、薬局の機能分化や調剤報酬の適正化の観点から、門前薬局、門内薬局を中心に調剤基本料を見直すべき。
オンライン診療を組み合わせた生活習慣病の指導管理や遠隔モニタリングを活用した重症化予防など、効果的・効率的な医療の提供につながる遠隔診療を推進すべき。

◆社会保障分野の人材確保
医師の偏在是正に向け、都道府県が主体となって医師確保等を行う仕組みの構築、医師養成過程を通じた医師確保対策の強化等に包括的に取り組むべき。

◆地域差半減の実現
2023 年度までの医療費適正化計画期間内において実現するよう、(1)多剤投与に関する保険者が保有する情報の医療機関・薬局への提供、(2)入院医療費の指標を明確化すべき。

 事務局の説明によると、加藤厚労相は民間議員の指摘に対し、「門前・門内薬局については、大きな病院の周辺に集中しており、その実態を認識して、適正化を図る方向で検討する」と答えたという。

 民間議員からは「遠隔医療を推進すべき。これは、単に効果的、効率的だというだけではなく、ベンチャーを生み出すことになる。革新的創薬について、費用対効果に応じた薬価算定の仕組みなどにより推進すべき」、別の民間議員は「経済界が子育て安心プランへの協力を表明した中で、診療報酬の本体部分や介護報酬の改定について、緩むということがないように、ぜひ踏み込んでほしい」と要望があった。

 麻生太郎財務相は「診療報酬と介護報酬の同時改定については、税、社会保険料を通じた国民負担の抑制を図り、将来にわたる国民皆保険制度の維持の観点を踏まえる必要がある。財政制度等審議会の予算編成の建議でも、診療報酬、介護報酬のマイナス改定が提言されている。年末に向けて、関係省庁と調整していく」と述べた。

 安倍首相は会議で以下のように締めくくった。

「第一に、2018年度予算編成の基本方針の策定方針について答申をいただいた。来年度予算編成に向けては、財政健全化への着実な取組を進める一方、人づくり革命や生産性革命など重要な政策課題について、必要な予算措置を講じるなど、めりはりの利いた予算編成を目指す。
 第二に、社会保障改革について議論し、薬価制度を革新的新薬の創出を促進する仕組みに見直す、遠隔診療を推進する、医療・介護・保育分野での人材確保策を強化するといった方向性が示された。加藤大臣は、本日の議論を踏まえ、着実に実行してほしい。
 また、地方行財政改革については、窓口業務の更なる効率化を進める、第三セクターの経営改革を強化する、公共施設の有効活用と老朽化対策を推進するといった方向性が示された。野田大臣は、本日の議論を踏まえ、着実に実行してほしい」



https://www.m3.com/news/general/572492
伊万里松浦病院移転問題 機構 67床で再申請

2017年12月1日 (金) 長崎新聞

 伊万里松浦病院(佐賀県伊万里市)を病床過剰地域の松浦市に移転開設する問題で、運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO(ジェイコー)、東京)は30日までに、医療法の特例に基づく病床開設申請を当初の87床から67床に減らして県に再申請した。

 申請は29日付。松浦市を含む2次医療圏「佐世保県北医療圏」の病床は4789で基準の3858を超えており、病院新設は原則認められない。そのため機構は、複数の医療機関の再編で病床が減る場合、地域事情に応じて認められる特例での開設を目指している。

 移転について2次医療圏の調整会議は、民間医療機関への影響を懸念。同機構に病床数の見直しを求め、87から67とあらためた計画を承認した。

 新病院の仮称は「JCHO松浦中央病院」。開院時期を当初の2020年4~7月から同7~10月に変更。診療科は12科目。病床の内訳は重症患者向けの急性期47、リハビリ向けの地域包括ケア20となる。

 再申請を受け、県は12月に臨時で開く県医療審議会に計画を諮問。医療審は特例を認めるべきか知事に答申し、県は国との協議を経て認可を判断する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/572288
「医療費膨張の要因は薬剤費」、保団連
住江会長、「薬価算定はブラックボックス」

レポート 2017年11月30日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国保険医団体連合会(会長:住江憲勇氏)が11月30日に記者会見し、第21回医療経済実態調査や厚生労働省の概算医療費データベースを用い、2000年度以降の概算医療費の推移を独自に分析した結果を公表した。分析結果で「膨張する医療費の要因は薬剤費にある」と指摘し、住江氏は「薬価算定はブラックボックス。薬剤費を是正すれば財源ができる。医療費抑制に生かしていただきたい」と訴えた。

 分析では、2000年度から2016年度までに概算医療費が約11兆9000億円伸びたうち、施設別で最も多いのは病院で5兆4700億円、次が調剤薬局で4兆7000億円。病院、調剤薬局ともほぼ直線的に伸び続けてきたが、2016年度に高価な抗ウイルス薬などの薬価引き下げの影響で薬剤費が減少したことで、2000年度以降では初めて減少に転じた。

 薬剤費が伸び続けてきた原因として、住江氏は「薬価算定自体がブラックボックス。このようなものは今の時代通らない。どうにかしなくてはいけない」と批判。算定方式のうち、外国平均価格調整については、「本来は高い薬を低く抑える制度のはずだが、逆に低いものを高くするように使われている」と指摘。調整に使う外国価格が、流通後の中間マージンを含む数値が使われており、これと比較すれば当然、日本の薬価の方が低くなり、価格調整で引き上げられてしまうとして問題視し、「マージンを取り除いた形で比較するべきだ」と述べた。新薬創出加算についても、「既にさまざまな加算が付いたものに、さらに5、6割付けている」と批判した。

 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会で議論が進んでいる薬価制度の抜本改革については、「当局も制度の問題について何か感じたのだろう」と推測。薬価算定の透明化を謳っていることから、「期待している」と述べた(『日薬連「新薬創出等加算、企業収益を直撃、再考を」』を参照)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/572036
中川副会長、「医療従事者の確保や処遇改善は厳しく」
医療法人の病医院、経常利益率低下、日医がTKCデータ分析

レポート 2017年11月29日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、11月29日の定例記者会見で、「TKC医業経営指標に基づく経営動態分析」(2016年4月~2017年3月期決算)を公表、民間医療機関の経常利益率は、医療法人の病院は低下、診療所は医療法人では低下、個人ではほぼ横ばいであり、「TKCの対象医療機関は、経営状況から見るとむしろ良い方であるにもかかわらず、医療従事者の確保や処遇改善等、さらには医療の質や再生産のための経営原資の確保が難しい状況にある」と説明した。

 経常利益率の低下要因としては、給与費増が挙げられる。無床診療所の経常利益率については、院外処方よりも院内処方の方が低いことなども明らかになっている。

 TKCの診療所データは7903施設分、医療経済実態調査の1744施設分と比べて多い上に、病院についても国公立・公的病院を含まない中小病院を中心とした民間病院(854施設分)の経営実態を示す信頼性のあるデータとして、2018年度診療報酬改定の財源確保に向け、年末の予算編成過程で提示していく方針(資料は、日医のホームページ)。

病院の役員報酬は減、従事者等の給与は増加

 医療法人の病院の場合、2016年度の医業収益は2015年度比で0.8%増、うち保険診療収益は0.6%増。一方、経常利益率は、2016年度は3.6%で、2015年度の3.7%と比べ、0.1ポイント減。経常利益率の低下要因は、給与費増であり、2016年度は2015年度比で2.0%増加した。給与費の内訳を見ると、役員報酬は0.1%減少しているのに対し、従事者給与等は2.2%増えている。

 診療所の場合、有床診療所の方が、無床診と比べて厳しい経営状況だった。

 医療法人の有床診の場合、2016年度の医業収益は2015年度比でマイナス0.3%、保険診療収益に限ればマイナス1.0%だった。経常利益率は、2016年度は4.9%で、2015年度の5.2%と比べ、0.3ポイント減。

 医療法人の無床診の場合、2016年度の医業収益は2015年度比で0.9%増、うち保険診療収益は0.6%増。経常利益率は、2016年度は5.3%で、2015年度の5.5%と比べ、0.2ポイント減。2016年度の院内処方の経常利益率は3.7%だったが、院外処方では5.9%で、2.2ポイントの開きがあった。経常利益率は全体的には下がったものの、診療科別では、院内処方では眼科(6.3%)、小児科(4.4%)、整形外科(4.1%)などが、院外処方では眼科(10.4%)、産婦人科(7.7%)、耳鼻咽喉科(7.4%)、血液透析科(7.4%)などがそれぞれ高かった。

 有床診と無床診ともに、経常利益率の低下は、病院と同様に給与費増が要因。2016年度の給与費は2015年度と比べ、有床診1.4%増、無床診1.7%増だった。

 TKC全国会は、会員数1万人超の税理士、公認会計士のネットワーク。TKC医業経営指標は、同会が株式会社TKCの開発した会計システムを利用して集計した関与先医療機関の決算データを集計・編纂したもの。今回の分析では、この11月に公表された医療経済実態調査と同様、2016年4月から2017年3月までの間に決算月を迎えた医療機関の直前年度(2016年度)と前々年度(2015年度)を対象とした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/571586
「7対1」と「10対1」を一体系に、段階的評価導入を検討
「重症度、医療・看護必要度」は25%据え置きと30%で対立

レポート 2017年11月28日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は11月24日の会議で、「入院医療(その7)」として一般病棟入院基本料を議題とした。厚生労働省は、一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価体系について、両者を一体系とした上で「基本部分」と「診療実績に応じた段階的な評価」を組み合わせた方式を導入することを提案し、支払側、診療側とも方向性は概ね賛成した。しかし、実績に応じた評価の算定基準のうち、上限を現行の「7対1」での「重症度、医療・看護必要度」該当患者割合25%から30%に引き上げることを支払側が提案。一方、診療側は据え置きを主張して激しく対立した(資料は、厚労省のホームページ)。

 厚労省は今後の課題として、より高い医療資源の投入が必要な医療ニーズは減少し、中程度の医療資源の投入が必要な医療ニーズが増加すると考えられ、入院医療の評価の基本的な考え方としては、医療ニーズに応じて適切に医療資源を投入することが、効果的・効率的な入院医療の提供にとって重要と指摘。その上で、次の論点を提示した。

【一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価手法の見直し】
将来の入院医療ニーズの変化に対応する病棟への弾力的で円滑な選択・変更を推進するため、7対1一般病棟と10対1一般病棟の現行の評価を参考にしつつ、急性期の入院医療の評価体系について、基本部分と実績に応じた段階的な評価部分との組み合わせによる評価体系を導入してはどうか。なお、実績に応じた評価の最も高い部分には、現行の7対1一般病棟との整合性に配慮し、7対1看護職員の配置基準をそのまま適用してはどうか。
また、現行の7対1一般病棟と10対1一般病棟との間に中間的な水準の評価を設けてはどうか。

委員の主な意見は次の通り。

【診療側】
日本医師会常任理事・松本純一氏:大変大胆な、大幅な変更だ。7対1の病院は、医療経済実態調査の見解でも述べたが、現在赤字であるが故に、これ以上の減収を避けたい。医療課長(迫井正深氏)が200床の病院規模で7対1から10対1に転換すると年間1億2000万円の収入減になると説明したが、そのためなかなか踏み切れない現状がある。したがって、このような仕組みは一考の余地はあると考える。

全日本病院会会長・猪口雄二氏:基本部分と実績に応じた評価を認めて弾力的な運用をしようということなので、基本的な考え方については賛同したいと思う。ただ、10対1が基本のようにも見える。現行の7対1看護職員の配置基準は残すと書いてあるが、あまり一度に大きく動かすと、現場でいろいろ齟齬が生じるので、7対1は現行の25%を動かさないことを基本にお願いしたい。

【支払側】
健康保険組合連合会理事・幸野庄司氏:今後さらなる高齢化に伴って疾病構造が変わり、7対1の病床はニーズが減少するのは明らかで、病床稼働率が落ちてきているのはその兆候であると考えている。

 ポイントは、「平均在院日数と重症度、医療・看護必要度該当患者割合の関係」を示した分布図で、7対1と10対1が比較的混在している25%から30%のエリアがある。今後の疾病構造の変化を考えたら、この重なりはますます顕著になってくるのではないか。7対1相当の高い評価は真に急性期の患者を多く受け入れているところであるべきなので、区別できるようにするべきで、30%以上のところに7対1がかなり区分されている。段階的評価の最上位は、現行の10対1と明らかに区別する上で、該当患者の割合を30%に引き上げてはどうかと考える。

【診療側】
松本純一氏:今、「重症度、医療・看護必要度」25%以上の患者割合が7対1の算定になっている。分布図の25%の数字の上にまっすぐ線を引くと、きれいになる。だからこそ、25%が妥当であると、われわれは見ている。表の見方が見解の相違となっている。

日医常任理事・松本吉郎氏:ある程度重なるのは当たり前で、きれいに分かれるわけがない。7対1で患者割合が30%以上なのは、3割しかないことに着目すべきだ。30%に引き上げれば、現場は大混乱だ。

【支払側】
全国健康保険協会・吉森俊和氏:評価方法の見直しの方向性は大賛成だ。段階的評価を組み合わせることを、大いに支持する。分布図を見ると、最上位の評価は30%以上かなと思う。

【診療側】
日医副会長・今村聡氏:大変大きな変革の提案だ。方向性は一定程度理解するが、必要度のパーセントをどうするかということ1つをとっても、過去に相当大きな議論がされている。同時にいろんな大きな影響がでる改革をするのは、現場に大きな影響を与えることを理解していただきたい。25%から30%、数字で言うとたった5ポイントかと思うが、これはものすごく現場に影響が出る。今回の提案の方向性を議論するなら、今のさまざまな条件を変えないのがやり方だと思う。

【支払側】
幸野氏:段階的評価は、最上位の7対1の基準を見直してこそ意味があると思っている。この基準を見直さないのなら(現行の10対1と7対1の)真ん中に階段を作る必要ない。7対1から10対1に行くためには、相当ながけから転落することになるからその中間ということになるのだが、真に急性期の患者を受け入れているところを適切に評価するのなら、25%をもっと引き上げて階段を作ることに意味がある。合わせ技でやって初めて機能を発揮できる。

【診療側】
松本純一氏:医療経済実態調査に対する見解でも述べたが、7対1の病院は危機的だ。前回も今回も赤字だ。これをさらに厳しくすると言う提案は、考えられない。どういう考え方なのか承ったが、容認できない。これは平行線だと思うが、実調の結果分析をしながら、議論をしたい。

重症度、医療・看護必要度の項目などについての論点と委員の主な意見は次の通り。

【重症度、医療・看護必要度の項目の見直し】
2016年度改定で導入された項目について、以下の3点について、より適切な評価となるよう見直しを検討してはどうか。(1)B項目の認知症およびせん妄に関する項目について、A項目1点以上を併存する場合は該当患者に追加する、(2)A項目の救急搬送後入院(2日間)について、救急医療管理加算の算定患者(2日間)へ見直す、(3)C項目の開腹手術について、所定日数を短縮する。
また、評価項目の定義の見直しに伴い、該当患者の判定基準及び該当患者割合の基準値について、どのように考えるか。

【DPCデータの活用】
重症度、医療・看護必要度の該当患者割合のDPCデータ(EF統合ファイル)を活用した判定について、追加分析の結果を踏まえ、これまでの実績から一定の基準を満たす医療機関が希望する場合については、EF統合ファイルによる判定を用いてもよいこととしてはどうか。また、DPCデータを活用する場合、定義の違い等に考慮した基準値を設定してはどうか。
7対1一般病棟と200床以上の10対1一般病棟は、DPCデータ(Hファイルを含む)の提出が要件となっていることから、Hファイルを該当患者割合の判定・確認等に活用することとしてはどうか。また、年1回の定例報告における該当患者割合の提出等を、合理化の観点から省略可能としてはどうか。

【診療側】
松本純一氏:重症度、医療・看護必要度の見直しには反対。2016年度改定で変更したばかりだし、C項目に至っては前回から作ったばかりなので、このままの評価体系で見直しを図るべきではないか。

猪口氏:重症度、医療・看護必要度の3点のうち、(2)が気になる。救急搬送後の救急医療管理加算を見直すということだが、仮に救急医療管理加算を算定しないとしても、やはり救急の入院は手間がかかることでもある。現行通りの救急搬送後の入院2日間を維持するのが必要だと思う。

日本病院会副会長・島弘志氏:(3)のC項目、開腹手術だが、開腹と言ってもいろんな手術がある。ひとくくりにして5日を3日にするというのは乱暴。疾患別、手術内容別に、丁寧な運用をやった方がいい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/571506
「7対1」見直し案、消費税分どこへ
日病相澤会長、中医協に熟議を求める

2017年11月27日 (月)配信 水谷悠(m3.com編集部)

 日本病院会会長の相澤孝夫氏は11月27日の定例記者会見で、一般病棟入院基本料の「7対1」、「10対1」の評価体系の見直しを、厚生労働省が11月24日の中央社会保険医療協議会総会で提案したことについて、消費税率が2014年に5%から8%に引き上げられた際の診療報酬への上乗せ部分の記述がないと指摘。「上乗せ部分はどうなるのか。急性期病院がヒイヒイ言っているところに、上乗せ部分が減れば、病院はやっていけない。『見える化』して議論を重ね、納得できるようにしていただきたい」として熟議を求めた。

 評価体系の見直し案は、「7対1」と「10対1」一般病棟の評価で、現行の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合25%を必須基準とする「入院基本料(基本部分)」を、「基本部分」と「診療実績に応じた段階的な評価」に分けるもので、相澤氏は、見直し案の「基本部分」を基準に算定することになれば、消費税率増の上乗せ部分が減るのではないかと懸念を示した。11月25日の日病理事会では、「診療実績に応じた段階的な評価」を導入すること自体には賛成意見が多数を占めた一方で、診療実績をどのように見るのかについては、「見直し案では『重症度、医療・看護必要度』に応じて段階を付けるというが、急性期病院の大変さを表しているかどうか、現場感覚とずれがある」などの声が上がったことを紹介。「今回の変更は一時的なものとし、根本的に、急性期の大変さを表す指標を議論してほしい」と述べた。

 理事会では、「医師の働き方改革」についても議論した。論点は3つで、「日当直」、「応招義務」、「タスク・シフティング、タスク・シェアリング」。

 日当直については、十分な睡眠が取れ、軽微で短時間の業務に限るなどとした、2002年の厚労省労働基準局長通達を基に判断すれば、病院で一般的に行われている日当直は労働に当たり、これについて全て時間外勤務手当を出せば経営を維持できないと指摘。「通達の内容を変えてもらわないと、日本の病院は立ちゆかなくなる」と述べた。

 医師法19条の応招義務については、個々の医師ではなく、病院の組織や地域でどう対応するかという視点が必要と指摘。タスク・シフティング、タスク・シェアリングでは、「シフトさえすればどんどん医師の労働時間が減るという論調があるが、本当にそうなのか。どれだけ時間短縮になっているか、示さなければいけない」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/569597
日本vs.米国、医師2732人を徹底調査!
20代医師で大差、「過去1年間に、論文1本以上」◆Vol.4
日本14.9%、米国67.9%、各年代とも米国医師が上回る

スペシャル企画 2017年11月26日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2016年に執筆した、ご自身が1st authorの論文数を聞いた結果、「執筆論文が1本以上」との回答は、各年代とも米国医師の方が多かった。特に日米の差が大きいのは20代。米国の20代医師は67.9%が「1本以上」と回答したのに対し、日本の20代医師は14.9%で、53.0ポイントも差が付いた。医師の20代は、両国とも研修する立場にあるが、米国医師の場合、臨床の知識や技術を学びながらも、自ら新しい知見を発信するために論文執筆にも力を入れている実態がうかがえる。

 若手医師は「1本」との回答が多いことから、「3本以上」で見ると、米国医師で最多は30代で計15.4%。一方、日本の医師の最多は50代で計6.7%、日米比較で、年代と割合に開きが見られた。

 米国医師の年代別の傾向を見ると、「執筆論文が1本以上」の割合が最も多かったのは、20代で67.9%。内訳は「1本」が32.1%、「2本」が28.6%。次が30代で62.2%。「3本」(20代7.1%、30代6.7%)、「4本」(同0%、3.1%)、「5本以上」(同0%、5.5%)では、いずれも30代が20代を上回った。

 一方、日本の医師では、最も多かったのは、30代で42.6%。内訳は「1本」が26.8%、「2本」が10.5%。次が40代で28.1%。


Q1. 2016年に執筆した、ご自身が1st authorの論文数を教えてください(日米比較、1本以上)
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日本:20代(n=54)、30代(n=209)、40代(n=360)、50代(n=615)、60代(n=293)、70代以上(n=51)
米国:20代 (n=33)、30代 (n=385)、40代 (n=264)、50代 (n=253)、60代 (n=184)、70代以上 (n=31)

Q2. 2016年に執筆した、ご自身が1st authorの論文数を教えてください(日米比較、0本)
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日本:20代(n=54)、30代(n=209)、40代(n=360)、50代(n=615)、60代(n=293)、70代以上(n=51)
米国:20代 (n=33)、30代 (n=385)、40代 (n=264)、50代 (n=253)、60代 (n=184)、70代以上 (n=31)
 日本の医師が海外留学をする場合、米国もしくは欧州諸国がまず選択肢になる。米国の場合、自国が選択肢から外れるだけに、どのくらいの医師が海外留学を経験しているかが注目される。

 日米の医師に、臨床もしくは研修など目的を問わず、海外留学の経験の有無を質問したところ、両国ともに年代が上がるにつれ「留学経験あり」との回答が増加する点では一致。20~40代では米国医師の方が「留学経験あり」との回答が多く、50~60代ではやや日本が、70代以上では米国の方がそれぞれ多いという結果になった。日本では国内で一定の経験を積んでから海外へ、という医師が多いために留学経験年齢は米国よりも高いこと、また50~60代の医師が若い時代は日米の医療格差があり、先端医療を学ぶために留学という選択肢を選んだことなどが、今回の回答差の要因として考えられる。


Q3. 海外での留学経験(臨床、もしくは研究目的)はありますか?(日米比較、年代別)
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日本:20代(n=54)、30代(n=209)、40代(n=360)、50代(n=615)、60代(n=293)、70代以上(n=51)
米国:20代 (n=33)、30代 (n=385)、40代 (n=264)、50代 (n=253)、60代 (n=184)、70代以上 (n=31)

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【調査概要】
日本
・調査対象:m3.com医師会員 1582人
・回答者プロフィール
 性別:男性1430人、女性152人
 年代:20代 54人、30代 209人、40代 360人、50代 615人、60代 293人、70代以上 51人
 勤務先:大学病院 176人、公立病院 232人、公的病院 115人、民間病院 551人
     診療所(勤務医) 173人、開業医 299人、その他 36人
・調査時期:2017年8月21日~8月25日(一部、9月に追加調査)

米国
・調査対象:M3USA医師会員 1150人
・回答者プロフィール
 性別:男性 797人、女性 353人
 年代:20代 33人、30代 385人、40代 264人、50代 253人、60代 184人、70代以上 31人
 勤務先:Academic / Teaching Hospital 319人、Ambulatory Surgery Center 7人、
     Community Hospital 252人、Private, office based practice 501人
     Public Clinic (outpatient facility) 55人、other 16人
・調査時期:2017年8月16日~8月31日



https://www.m3.com/news/general/572509
岐阜市民病院問題:医師不足の診療科目も 市、議会に認める /岐阜
地域 2017年12月1日 (金)配信毎日新聞社

 岐阜市民病院(同市鹿島町)が時間外労働を巡って岐阜労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、同病院を運営する市は30日、定例市議会の答弁で「医師数は増えているが依然として絶対数が不足する診療科目がある」と明らかにした。松原徳和市議(無所属クラブ)の質問に答えた。

 この問題では、同病院が時間外労働に関する労使間の協定(36協定)で定めた「月100時間」の上限を超えて複数の医師を働かせていたとして昨年11月、岐阜労基署から是正勧告を受けた。病院側は勧告を受け、今年5月に上限を「月150時間」とする協定を結び直していた。

 厚生労働省が定める「過労死ライン」は月80時間とされるが、是正勧告を受けたにもかかわらず上限をさらに50時間拡大したことについて、市民病院の森正隆事務局長は、今年度からの電子カルテの全面導入など医師への負担が増えることを見込んだとした上で「やむなく協定を結んだ」と釈明。恒常的なものではないと強調した。

 また「医師数は20008年度の91人から10年間で135人と44人増えた。ここ数年は毎年10人以上の研修医も受け入れ新人医師の育成確保に努めている。しかし絶対数が不足している診療科目はある。これまでも確保したい時に確保できないことがしばしばあった」と答弁。対策として、かかりつけ医の逆紹介や文書業務を補助する職員増、シャワー室、仮眠室の設置などを挙げたが、抜本的解決策への言及はなかった。【高橋龍介】



https://www.m3.com/news/general/572451
<加美病院>1億2000万円資金不足 加美、色麻町が負担金追加
地域 2017年12月1日 (金)配信河北新報

 公立加美病院(色麻町)が2017年度末、約1億2000万円の資金不足に陥る見通しになっていたことが30日、分かった。加美、色麻両町が負担金1億4000万円を追加し、穴埋めする。年度途中の負担金追加は02年の開業後初めて。

 病院の推計によると、減価償却前の17年度収支は収入約14億1300万円に対し、支出約15億5200万円で約1億4000万円の赤字となる見込み。運転資金の現金預金は16年度末で約2000万円に落ち込んでおり、差し引き約1億2000万円が不足する。

 経営悪化の要因は患者数減少に伴う収入減。上半期は外来、入院ともに約1割減った。13年以降の小児科、在宅診療科新設に伴う経費増も響いた。

 負担金の内訳は加美町が約8400万円、色麻町が約5600万円。病院は、経営改善に向けた検討組織を立ち上げる方針。



https://www.m3.com/news/general/572352
医師の偏在対策、病院団体が意見「管理者の対象拡大を」
行政・政治 2017年12月1日 (金)配信読売新聞

 地域医療に携わる五つの病院団体でつくる「地域医療を守る病院協議会」は29日、東京都内で記者会見し、厚生労働省の検討会で年内に取りまとめられる予定の医師の偏在対策について、地域医療に一定期間従事することが必要とされる医療機関管理者の対象を、診療所の開設者にも広げてほしい、との意見を表明した。

 現在の国の検討案では、地域医療支援病院など一部の病院のみが対象となっている。対象とする医師については、まずこれから医師になる人を中心に考えて、すでに医師になっている人については「(地域勤務を経験するのが)望ましい」とする意見が多かった、とした。



https://www.m3.com/news/general/572207
【北海道】別海病院、分娩を休止 来月から 小児科常勤医退職へ
地域 2017年11月30日 (木)配信北海道新聞

 【別海】町立別海病院(西村進院長)は小児科常勤医の退職に伴い、12月上旬から分娩(ぶんべん)の受け入れを一時休止する。後任は未定で、小児科の外来診療は東京や札幌から来る出張医が行う。同病院は「一刻も早く分娩受け入れを再開させたい」と新たな医師の確保を急ぐが、めどは立っていない。

 同病院によると、小児科常勤医は「一身上の都合」で12月末に退職する予定。この常勤医は12月7日まで外来診療を行うが、翌8日以降は出張医が担当するため、小児科の外来診療は不定期になる。



https://www.m3.com/news/general/572211
【宮城】栗原・県循環器センター撤退 八戸の医療法人に貸与へ 老健施設を開設
地域 2017年11月30日 (木)配信河北新報

 栗原市栗原中央病院に機能を移管し、閉鎖される同市瀬峰の県循環器・呼吸器病センターについて、県は29日、施設利用の事業者を選考する審査会を開き、八戸市の医療法人「仁泉会」に貸与する方針を固めた。診療機能を備えた老人保健施設の開設を目指す。

 同法人は青森、宮城、岩手の3県で病院や介護老人施設を運営する。センター1階にクリニックを開設し、2階に事務棟、3~4階に60~90人規模の老健施設を整備し、職員は100人前後を想定する。

 貸し付けの開始時期は、移管後の2019年4月以降。当初の契約は5年間で、県は少なくとも10年以上の事業継続を見込む。

 センターの敷地面積は約6万5000平方メートルで、建物は本館や呼吸器感染制御病棟、医師宿舎など計約1万5000平方メートル。医療機器も貸与し、改修や修繕は原則、事業者が負担する。

 施設利用に向け、県は今年7月、医療・介護分野の事業者を公募し、9月に締め切った。今後、協議を経て正式決定し、県議会11月定例会で概要を公表する。

 センターは1952年、県立瀬峰療養所として開院。県北の医療拠点として役割を担ったが、患者数は年々落ち込み、14年の大崎市民病院の移転新築に伴って減少が加速。県は16年、栗原中央病院への移管を決定したが、地元からは医療機能を備えた代替施設の誘致を求める声が上がっていた。



https://www.m3.com/news/general/571959
市立甲府病院、17年連続赤字 累積116億円
地域 2017年11月29日 (水)配信山梨日日新聞

 市立甲府病院は2016年度決算をまとめた。総収入88億3518万円に対し、総支出は90億6632万円で、純損失は2億3114万円だった。空調など設備の減価償却期間が終了したことで赤字は15年度に比べ6割減ったが、単年度赤字は17年連続で、累積赤字は116億円を超えた。

 病院事務局によると、収入は15年度に比べて1億1393万円(1・3%)減った。開業医との地域医療連携を推進したことで、外来患者が減少したことが要因。延べ入院患者数は10万9676人で1225人(1・1%)増え、延べ外来患者数は18万6236人で2006人(1・1%)減った。入院や外来といった医業収益は1億2369万円(1・5%)減り、医業外収益は976万円(1・1%)増えた。

 総支出は、院内の空調や電気といった設備などの減価償却期間が終わったことから、15年度に比べ4億6257万円(4・9%)減少。純損失額は3億4864万円(60・1%)減ったものの、累積赤字は116億2929万円に上った。

 病院は昨年度策定した改革プラン(17~20年度)で、病床利用率や患者の紹介率を向上させ、最終年度に600万円の黒字化を目指している。



https://www.m3.com/news/general/571458
「最後のとりで」監察医制度 専門医不足で廃止相次ぐ
その他 2017年11月29日 (水)配信神戸新聞

 監察医が担う行政解剖や検案は2007年の力士暴行死事件などを受け、犯罪死の見逃しを防ぐ「最後のとりで」と注目されたが、専門医(法医)不足などから廃止や縮小をする自治体が相次いでいる。

 神奈川県は15年に横浜市で制度を廃止。監察医は遺族の承諾なしでも解剖するが、13年施行の「死因・身元調査法」で制度外地域でも警察署長が判断すれば可能になるなどして存在意義は薄れたと判断した。

 一方、兵庫県では阪神・淡路大震災で法医による死因究明の重要性が改めてクローズアップされた。制度の存続が叫ばれ、神戸は実質的な制度運用がなされている、全国でも数少ない地域となっている。ただ、後継者不足などで当初3人いた常勤医師は1人に。県によると、昨年1年間に監察医が行政解剖したのは1544体で、県内で司法解剖された228体の約7倍という。

 死因究明の制度充実に提言を続ける東京都監察医務院の福永龍繁院長=加西市出身=は「法医がいないために、具体性のない『心不全』が死因に多用されるなど、死者の尊厳がないがしろにされている地域もある。国は格差是正に向けて法医の育成を支援し、制度外の地域にも配置すべきだ」としている。



https://www.m3.com/news/general/571519
野洲市民病院:駅前建設、住民投票は不成立 投票率48.52% 現計画推進の見通し /滋賀
地域 2017年11月28日 (火)配信毎日新聞社

 野洲市がJR野洲駅前に市民病院を建設する計画の是非を問う住民投票が26日、行われた。投票率は48・52%で50%未満のため、規定により住民投票は不成立となり、開票されなかった。市議会では10月の市議選で賛成派が多数を占めており、現計画が推進される見通しとなった。当日投票資格者数は4万1361人だった。【衛藤達生、大原一城】

 市の計画は駅南口の市有地に6階建ての新病院(199床)と立体駐車場を約102億円かけて整備する。新病院は2021年に開院し、当初から独立行政法人で運営する方針。内科や小児科など9科で、2次救急や在宅療養支援も行う。

 市立病院はもともと、同市の中核的医療拠点とされている民間の野洲病院の経営継続が困難となったため、市が施設や債務などを引き継いで新たな病院を整備する基本構想を14年3月にまとめた。昨年12月には病院設置条例が成立したが、その後、同条例に賛成した市議1人が反対に転向したため、今年度行う予定の実施設計費を含む病院関連予算案が4度にわたって否決されていた。

 住民投票の費用は約1600万円と見積もられていた。不成立を受けて山仲善彰市長は「貴重な税や多くの労力が使われたが、成立せず残念だ。手続き自体が無かったことになる。今月開会する市議会に病院関連を含む予算案を提出する」と語った。賛成派の橋俊明市議は「白黒付けたかったが、致し方ない。切り替えて前に進めるべき時期だ」と話した。反対派の立入三千男市議は「(賛成、反対の)互いの意見が浸透していなかった。今後については仲間と相談して決めたい」と述べた。


  1. 2017/12/03(日) 09:31:43|
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