Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月15日 

https://dot.asahi.com/dot/2017101100086.html
連載「メディカルインサイト」
舛添要一氏が医師や官僚から評価されていた理由 既得権益との闘いが実を結ぶ

上昌広2017.10.13 07:00dot.#朝日新聞

「医療崩壊」あるいは「医師不足」という単語を含む全国紙の記事数の推移。医療ガバナンス研究所作成
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 東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。そのような中、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、医学部の定員を増やすことに尽力した人物について言及している。

*  *  *
 日本の医師不足は明らかであり、早急に若手の医師を増やす必要があります。そのためには、医学部の定員を増やすか、医学部を新設しなければなりません。

 ところが、これがなかなか進みません。

 医学部の定員を増やす、あるいは医学部を新設するには、政府の規制を緩和しなければならず、政治や行政を動かす必要があります。ところが、医師を増やそうとすると、それに反対し、抵抗する人々が出てくるのです。

 かつてそうした勢力と闘った一人が、前東京都知事の舛添要一氏でした。

 舛添氏は政治資金の使い途を追及され、都知事職を辞任しました。私自身も納税者の一人として、資金の使途や舛添氏の振る舞いは不適切なところがあったと考えています。

 しかし、政治家としては卓越した能力を持っていたと思います。厚労大臣として成し遂げた仕事の中には特筆すべきものがあります。医学部の増員を決めたのは彼だからです。

 日本経済新聞の報道によると、舛添氏が医学部定員を増やそうとしたとき、文部科学省(以下、文科省)に出向中だった医学教育課長ら、医師免許を持つ厚労省の幹部官僚が、東大などの医学部に「医師はなるべく増やさない方向で頼みます」と電話して回ったことが判明しています。

 厚労省の幹部官僚から、直接電話で「依頼」された国立大学の医学部長たちは悩んだはずです。厚労大臣は大きな権限を持ちますが、任期は通常1~2年です。一方、幹部官僚は、その人物が退官するまで、研究費の工面や審議会の人選などで「お世話」になります。大臣と幹部官僚の板挟みにあった場合、通常は官僚に与します。

 しかし、高級官僚が大臣の意向に反し、自ら管轄する業界に指示することは、公務員としての職務義務違反です。このことは、舛添氏の部下たちの働きかけもあったのでしょう、2008年10月10日、日本経済新聞が朝刊の一面で報じ、大臣に対して面従腹背の厚労官僚の姿が国民に曝されました。

 厚労省内の一部の官僚たちが舛添氏を応援したのは、07年8月の厚労大臣に就任後、誠実に勤務する姿が彼らの信頼を得たからです。

 当時、舛添氏は官僚の準備した資料に目を通し、自らの外部人脈も使い、厚労行政一般を勉強していました。官僚たちの説明を自分なりに理解し、わからないところは質問していました。地道な努力が舛添厚労大臣と厚労官僚の相互理解を深めたのです。

■医学部1500人増員の決定まで

 日本医師会など医療業界団体にとっての共通の敵は「規制緩和」でした。

 特に、医学部定員の増員は、将来的に自らのライバルを増やすことになりますから、絶対に承服できない話でした。

 彼らは舛添厚労大臣が、医学部定員増員を持ち出した途端に、一枚岩となって反対し始めました。

 こうした「抵抗勢力」に対抗するには、世論を味方につけるしかありません。舛添氏にとって幸いだったのは、06年の福島県立大野病院産科医師逮捕事件以降、社会の医療への関心が高まっていたことです。現に、07年に民主党が躍進した参議院議員通常選挙では、医療が主要なテーマとなりました。

 舛添氏が大臣に就任した時点で、すでに「医師不足」に対する社会的合意が形成されつつありました。

 当時の全国紙で「医療崩壊」、あるいは「医師不足」という単語を含む記事の推移を図に示します。舛添氏が厚労大臣を務めた期間は、「医師不足」や「医療崩壊」が連日のようにマスコミを賑わせていたことがわかります。

 さらに、08年10月には、東京都立墨東病院でたらい回しされた妊婦が死亡する事件が起こり、マスコミは連日のようにこの事件を報じていました。

 舛添氏は、こうした世論を背景に、日本医師会やその意向を受けた族議員の抵抗を抑えることに成功したのです。

 舛添氏は、参議院での与野党逆転の情勢も利用しました。当時、舛添氏は、後に民主党の医療政策をリードすることになる仙谷由人・元官房長官や鈴木寛氏(後の文科副大臣)と太いパイプを持っていました。仙谷氏や鈴木氏は、医師を増員すべきと考えており、彼らが中心になり作成した民主党のマニフェストは、ほぼ舛添氏の考えと同じでした。

 こうして、08年6月17日に、1997年の医学部の定員削減の閣議決定を撤回させることに成功しました。同日の記者会見で舛添氏は、「(政府は従来)医師数は十分だ、偏在が問題だと言ってきたが、現実はそうではない。週80〜90時間の医師の勤務を普通の労働時間に戻すだけで、勤務医は倍必要だ」と述べて、必要な医師数に関する具体的な数字を挙げました。

 翌日には、超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(会長:尾辻秀久・参議院議員)が、舛添厚労大臣を訪問し、医学部定員を毎年400人ずつ増やし、現在の8000人を10年後に1万2000人にまで増やすことを提案しました。

「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」は、民主党の仙谷氏や鈴木氏らが主導したものです。

 舛添氏は参議院で半数に近い民主党と連携することで自民党内の族議員を牽制しました。自民党の退潮、民主党の躍進という政治状況をうまく利用し、日本医師会や厚労官僚の抵抗を押しきったのです。この結果、2016年3月現在までに約1500人の医学部定員が増員されることになりました。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋



https://www.m3.com/news/iryoishin/562527
医療従事者の需給に関する検討会
「医師確保」に新計画、医療法に位置付けを検討
厚労省提案、「医師の偏在度合い」も見える化

2017年10月12日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は10月11日、「医療従事者の需給に関する検討会」の第12回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)に、医師偏在対策として「医師確保計画」を医療法上に新たに位置付け、都道府県が医療審議会で計画を策定、地域医療対策協議会や地域医療支援センターを活用し、計画を実行するというスキームを提案した(資料は、厚労省のホームページ)。

 現在でも医療計画には「医療従事者の確保に関する事項」の記載が求められるが、都道府県によって内容にばらつきがある。また医師確保対策関連の施策や会議体が複数あり、必ずしも効率的かつ実効性のある施策が実施されているとは言えないのが現状。これらの問題を解決するため、医療計画の一部として「医師確保計画」を策定、(1)都道府県内における医師の確保方針、(2)「医師偏在の度合い」に応じた医師確保の目標、(3)目標の達成に向けた施策の内容――を具体的に盛り込むのが厚労省の提案だ。
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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)
 (2)の「医師偏在の度合い」については、厚労省が全国統一指標を作成、2次医療圏別のデータ作成を目指す。このデータを基に、都道府県知事が、都道府県内の「医師多数区域(仮称)」と「医師少数区域(仮称)」を指定し、「医師多数区域」から「医師少数区域」への移動を促すなど、具体的な医師確保対策に結び付けることを目指す。

 「医師確保計画」を実現するための(3)の具体策の一つが、地域医療支援センターが行う「キャリア形成プログラム」。対象は、地域医療に従事する義務年限がある医学部の「地域枠」の医師、あるいは修学資金を受けた医師など。2008年度以降の医学部の定員増に伴い、地域枠等の入学者が順次卒業、臨床研修を終え、地域医療に従事し始めており、「医師確保計画」を踏まえながら、へき地等の勤務もしつつ、キャリア形成も可能になるよう、派遣調整を行うことを想定している。

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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)
 「医師偏在の度合い」は、医学部の「地域枠」や初期臨床研修のマッチングの際などにも活用する予定。例えば、「医師不足区域」と判断された場合には、都道府県知事が大学に対し、入学枠に地元出身者枠を設けることを要請する仕組みなどが案として挙がった。また「地域枠」等の医師のマッチングについては、診療義務が課せられた地域(都道府県)で勤務できるよう一般とは分けて実施するが、「医師多数区域」と判断された都道府県は「一律ではない慎重な検討」をする方向性などが提示された。

 都道府県の実施体制強化に異論なし
 以上のような地域医療対策協議会や地域医療支援センターによる「医師確保計画」をベースとした都道府県の医師確保対策の実施体制の強化については、構成員からは異論が出なかった。

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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)
 慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、医療計画が導入された1985年から30年以上、都道府県では有効な対策が講じられなかったものの、2018年度から国民健康保険の財政運営の責任主体が市町村から都道府県に移管することを踏まえ、「国保の保険者として、医療提供体制に責任を持つ立場になる」と指摘、都道府県がどう変わるかが注目されるとした。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は、「医師確保計画」を医療法上で位置付けることなどを支持。ただし、地域医療支援センターが行う「キャリア形成プログラム」は、現時点では公的医療機関への派遣調整が多いことから、「公私の区別なく、地域枠の医師を派遣調整するよう、明記してもらいたい」と求めた。NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、「医師確保計画」の具体例が分かるように、好事例を紹介するなどの取り組みを要望した。

 医師のキャリアに配慮したプログラムを
 地域医療支援センターが行う「キャリア形成プログラム」をめぐっては、日本医師会副会長の今村聡氏が、「医師の働き方改革が問題になっている。勤務環境改善が進んでいる医療機関に医師を優先的に派遣することは必須」と述べ、医療勤務環境改善支援センター(医療法の努力義務として、都道府県が運営するセンター)との連携の必要性を指摘。

 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長の堀之内秀仁氏は、「キャリア形成プログラム」において、「医師確保」という意図が前面に出ると「魅力が薄れてしまう」と指摘。医師のキャリアアップにも配慮しながらプログラムを組むことが必要だとし、厚労省が例示した徳島県の取り組みを評価した。さらに地域枠以外でも、初期研修や専門研修の開始時、さらに専門研修修了時などのタイミングで、出身地に戻る医師もいることから、「幅広く地元につながりのある医師に目配りしていくことが必要」と述べた。

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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)

 「医師偏在の度合い」、小児科、産婦人科は診療科別でも
 「医師偏在の度合い」とは、2次医療圏単位で、医師の多寡を全国ベースで客観的に比較・評価することができる指標。(1)医療需要(ニーズ)、(2)将来の人口・人口構成の変化、(3)医師偏在の度合いを示す単位(区域、診療科、入院/外来)、(4)患者の流出入、(5)医師の年齢分布、(6)へき地や離島等の地理的条件――などを考慮して作成する。(3)で、小児科と産科については、標榜科と医療行為の関係が明確なことから、診療科単位での設定も想定。

 「2025年とあるが、医師育成には10、20年かかる。2025年のみを想定して設定すると、『医師が足りない』などともなりかねない。さらに10年先も見通したらどうか」(日本医師会常任理事の羽鳥裕氏)、「高齢化と人口減がある地方では、医療ニーズが減少するために厳しい。『セーフティーネットとして最低限、これだけの医師が必要』という視点をぜひ入れてもらいたい」(神野氏)、「地方では総合診療専門医などが必要とされる。どんな医師を育成するのかと言う視点も含めて議論してもらいたい」(国際医療福祉大学医学部長の北村聖氏)といった意見が挙がった。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/553210.html
厚労省、必要医師数踏まえた偏在状況の見える化を推進
都道府県に「医師確保計画」の策定を義務付けへ

2017/10/12 加納亜子=日経メディカル

 厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」は10月11日に会合を開き、医師の偏在是正策における都道府県の役割について議論した。この日の会合で厚労省は、医療法を改正して都道府県の医療計画の一環に、「医師確保計画」を位置づけること、都道府県ごとに診療科別の医師偏在状況を把握するための「指標」を新たに設定することを提案。委員からの反論はなく、大筋で合意が得られた。

 厚労省は前回までの議論で、医師偏在対策の主な論点として(1)都道府県主体の実効的な医師確保対策、(2)外来医療の提供体制のあり方、(3)医師養成過程と医師偏在対策――などを提示。これらの具体案を年内に取りまとめる予定だが、今回、(1)の医師確保対策の具体案が示された形だ(参考記事)。

 現在、各都道府県は、それぞれに医療計画を策定し、それに基づいて地域の医療提供体制の確保を行っている。しかし、このほどの厚労省の調査で、多くの都道府県の医療計画に十分な現状分析や個別対策が盛り込まれておらず、実効的な医師偏在是正策を策定できていない状況にあることが明らかになった。

 そこで厚労省は、今後の各都道府県の医療計画に、(1)都道府県内における医師の確保方針、(2)医師偏在の度合いに応じた医師確保の目標、(3)目標の達成に向けた施策内容――についての一連の方策「医師確保計画」を記載することを法律上に明確に位置づける方針を提案した。

 そして医師確保計画の実効性を高めるため、厚労省はこれまで地域医療対策協議会や都道府県医療審議会などと様々な形態で開催されていた各種会議体を地域医療対策協議会などに一元化することを提案。医師の派遣先の調整や、地域枠の医師などのキャリア形成支援などについてもこの協議会で議論をする方針を示した。

 さらに厚労省は、都道府県が医師確保計画を策定する際の目安となるよう、客観的に比較・評価可能な医師偏在度合いを示す全国統一の「指標」を策定する案を提示。この指標は、(1)医療ニーズ、(2)人口や人口構成の変化に伴う将来の医療ニーズの変化、(3)設定区域(二次医療圏など)、(4)診療科、(5)入院・外来医療の状況、(6)患者や医師の流出入、(7)医師の年齢分布、(8)へき地や離島などの地理的条件――で構成される。

 この指標を作成することで、都道府県・医療圏ごとの医師の偏在状況が可視化され、地域枠などの医師派遣の仕組みや初期臨床研修のマッチング、専門医研修などの施策を結びつけやすくなる。結果的に医師が多い地域から少ない地域に医師が再配置されることを狙っている。

 同検討会ではこれらの方針に反対意見はなく、指標に追加するべき要素について次のような発言があった。「医師の養成には15年掛かる。それを見越して10年以上先の未来の需給状況についても算出すべきではないか」(日本医師会常任理事の羽鳥裕氏)。「医師数だけでなく医療の質も指標に加えるべきではないか。医師の経験年数や女性医師の働き方も踏まえての要素を考慮する必要がある」(ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏)。「地域では高齢化に加えて人口減少も急速に進んでいる。セーフティーネットになるよう最低限配置すべき医師の数も指標として示すべき」(全日本病院協会副会長の神野正博氏)。

 権丈善一氏(慶應義塾大学商学部教授)は、厚労省の提案に対して、「昔と違い、今は総医療費・総医師数が固定されている状況で、それをどう配分するかという議論になっている。医師は今後、不足する場所に異動していくしかない状況になる。かつてとは大きく情勢が異なる段階に来ていることを理解する必要がある」と厚労省の提案を支持する意見を述べた。

 検討会では、臨床研修への都道府県の関与についても議題に上った。

 厚労省は、地域医療の確保の観点から初期研修医の都市部への集中を現状よりも更に抑制する必要性を示し、大都市部の初期研修の募集定員倍率を現状の1.17倍(2016年)から2025年には1.05倍にまで減らす案を提示。それに伴って懸念される、病院間の競争の低下やマッチングの際のアンマッチ率の増加、採用実績数の減少についての対策を検討すべきとする議題を提示した。

 これに対し、岩手医科大学理事長の小川彰氏は、日本医師会と全国医学部長病院長会議が2015年にまとめた提言「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」を引用し、「医籍番号とキャリア動向を紐付けた医師動向のデータベースを作り、医師のキャリア動向を評価する仕組みを作ってはどうか」とコメント(参考記事)。厚労省がデータベースを現在構築中であることを説明したところで閉会となった。臨床研修への都道府県の関与については、次回以降、引き続き検討される見込み。


http://www.medwatch.jp/?p=16235
地域包括ケアを支援する病院の評価新設、資源不足地域での要件緩和を―地域医療守る病院協議会
2017年10月12日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 2018年度の次期診療報酬改定において、地域包括ケアシステムを支援する【地域包括ケア支援病院】を新設するほか、医療資源の少ない地域において、例えば【感染防止対策加算】や【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】などの人員要件などを緩和した報酬区分を設けるべきである—。

全国自治体病院協議会・全国厚生農業協同組合連合会・全国国民健康保険診療施設協議会・日本慢性期医療協会・地域包括ケア病棟協会の5団体で構成された『地域医療を守る病院協議会』が10月11日、こうした要望項目をまとめたことを公表しました(関連記事はこちら)。10月中にも厚生労働省保険局に要望書を提出する考えです。

ここがポイント!
1 地方では、要件を一部満たさない場合に「診療報酬の減額算定」など認めるべき
2 地域包括ケアシステムを支援する中小病院を診療報酬で評価すべき
3 地域によっては「特別の関係」にある施設しか連携先がないところもある

地方では、要件を一部満たさない場合に「診療報酬の減額算定」など認めるべき

 協議会は、地域に拠点を置く5つの病院団体が「地域医療の維持・確保」を目指して設立したもので、▼2018年度診療報酬改定▼医師偏在対策▼働き方改革—などについて意見をまとめ、厚労省などに働きかけていきます。
 
10月11日の会合では、主に2018年度診療報酬改定について議論、次の4つの柱に立て、具体的な要望項目をまとめました。

(1)医療資源が少なく人材を確保しづらい、また医療資源が少ないために機能分化が進みにくい地域での「算定要件の緩和」など
(2)地域包括ケアの推進など
(3)へき地などにおける費用増大への措置による応需体制の確保など
(4)その他

 
 まず(1)について全自病の邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長)は「算定要件のうち、わずかでも人員が欠けていれば一切の診療報酬を算定できないが、オールオアナッシングなではなく、例えば『5人の人員が必要だが、4人しか確保できない』ような場合には、半額に減額した診療報酬の算定を認める」「医療資源の少ない地域において『専従』から『専任』への要件緩和を拡大する」ことなどを検討すべきと訴えています。具体的には、次のような要望をしてく考えです。

▼【感染防止対策加算】【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】【地域包括ケア病棟入院料】の要件緩和

▼医療資源の少ない地域に配慮した評価の「対象地域」「対象医療機関」の範囲拡大と、継続(改定の度に地域・医療機関が見直されたので中長期的な人材育成などができない)

▼歯科を標榜していない病院での医科歯科連携の評価(地域の歯科診療所との連携も算定対象に加えることで、入院患者への適切な口腔管理が可能となる)

▼【地域包括ケア病棟入院料】の地域特性への対応(診療報酬上の緩和措置、主に『専従』要件を『専任』に緩和するなど)

▼【総合入院体制加算】の要件緩和(療養病棟入院基本料や地域包括ケア病棟入院料を届け出ていると【総合入院体制加算】を届け出できないが、地域によっては1つの病院で高度急性期から慢性期までを担わなければならない。地域の実情を踏まえた要件緩和を行う必要がある)

地域包括ケアシステムを支援する中小病院を診療報酬で評価すべき

 また(2)では、【地域包括ケア支援病院】の新設が必要と全国国診協の押淵徹会長(長崎県国民健康保険平戸市民病院長)が訴えました。地域包括ケアシステムは、要介護度が高くなっても住み慣れた地域で在宅生活を送れるよう、住宅・生活支援・医療・介護・健康の各サービスを総合的・一体的に提供するシステムですが、緊急時などの受け入れ病床を確保する「病院」の存在も重要です(いわば最後の砦)。

しかし押淵国診協会長は「病院が地域包括ケアシステムを支援しても何のインセンティブもない状態である。報酬で評価することで中小病院が地域包括ケアシステム支援に積極的になり、システム構築が推進される」と指摘。例えば、▽地域包括ケア病床や回復期リハビリ病床を有している▽急性期病床を有していても7対1を届け出ず、「地域医療支援病院加算」を算定していない▽24時間救急患者を受け入れている▽訪問看護・訪問診療・在宅看取りを実施している▽行政と協力した「地域内多職種研修会」を実施している▽地域ケア会議への専門職種派遣を行っている▽地域での健康講座(出前講座)を年6回以上実施している—などの要件を満たす病院を、【地域包括ケア支援病院】として診療報酬に位置付けるよう要望しました。
 
さらに、要支援者に対して市町村は地域支援事業(要支援者に対する訪問介護サービス・通所介護サービス【介護予防・日常生活支援総合事業】、在宅医療・介護連携支援、認知症施策推進、地域包括支援センターなど)を提供しますが、ここに地域包括ケア支援病院がスタッフ派遣するなどの協力を行うことを介護報酬面でも評価することも提案しました。地方では市町村のマンパワーも限られており、ここに病院が協力することで、地域支援事業が円滑に拡充していくことも期待されます。
なお、この点に関連して仲井培雄地ケア協会長から「▼生活圏▼診療圏▼通勤圏―が同一の地域で一定期間、医療提供を行わなければ地域包括ケアを理解することはできない」という指摘があったことが紹介されました。例えばA地域に、近隣のB都市部から医師が通勤しても、なかなかA地域で求められる地域包括ケアを把握することはできず、A地域に暮らし(生活圏)、A地域の医療機関に勤め(通勤圏)、A地域で診療する(診療圏)ことを一定期間経験することで、やっと地域に求められる医療が理解できるといいます。これは、今後議論される「医師偏在対策」においても重要な視点の1つとなりそうです(邉見全自病会長らは「医師不足地方での一定期間の勤務経験を医療機関管理者要件に加えるべき」と訴えている)。

地域によっては「特別の関係」にある施設しか連携先がないところもある

さらに(3)では、▼【へき地加算】設(【離島加算】18点を参照して、16点程度を要望)▼【データ提出加算の増点】(地方では人材確保が困難ため)―を、(4)では▼「特別の関係」規定の廃止・緩和▼介護保険の訪問看護における交通費算定―を要望する考えです。

このうち「特別の関係」とは、▼同一法人▼開設者や代表者が同一あるいは親族関係にある―ことなどを指し、例えば「医療機関同士もしくは医療機関と介護老人保健施設が特別の関係にある場合には、診療情報を提供しても【診療情報提供料】を算定できない」「入院医療機関と在宅療養を担う訪問看護ステーションが特別の関係にある場合には【退院時共同指導料】を算定できない」といった規定が置かれています。しかし邉見全自病会長は、「地域によっては、医療機関と老健施設がそれぞれ1つずつしかなく、同一法人(つまり特別の関係)であるケースもある。この場合に診療報酬の算定制限などがなされてしまうのは厳しい」と述べ、地域の実情を踏まえた「廃止」「緩和」を検討するよう訴えています。

  

http://www.huffingtonpost.jp/foresight/eastern-european-medical-studies-japan_a_23234538/
「海外医学部」留学希望が急増する「医学教育」の情けない実情--上昌広
どうしても医者になりたい若者の中には、海外に飛び出そうとする者も出てくる。

2017年10月07日 15時10分 JST | 更新 2017年10月07日 17時42分 JST ハフィントンポスト

石川甚仁君という学生がいる。ハンガリーのセンメルワイス大学に通う36歳だ。日本の大学を卒業。社会人経験を積んだ後、医学の道を志した。

なぜ、ハンガリーなのか。石川君は「私にとって最適な医学部だったから」と言う。どういう意味だろうか。本稿では、その背景をご紹介したい。

急速に「難化」している地方医学部
いまさら言うまでもないが、医学部進学は狭き門だ。

我が国には82の医学部(大学校である防衛医大を含む)があり、そのうち31は私大医学部だ。6年間の学費は、もっとも安い国際医療福祉大学(千葉県成田市)で1850万円。もっとも高い川崎医科大学(岡山県倉敷市)は4550万円もする。開業医など一部の裕福な家庭を除き、子弟を進学させることはかなり困難だろう。

対して、我が国に50校存在する国公立大学の6年間の学費は約350万円。私立大学と比較すると格安だが、こちらは学力の面で入学するのが難しい。冒頭の図1は2016年の医学部の偏差値を比較したものだ。いまや地方大学の医学部の偏差値は東大理科1類と変わらない。

近年、医学部は急速に「難化」している。図2は、1986年と2016年の国公立大医学部の偏差値の変化を示している。比較のため、東大理1も示した。山梨大学、弘前大学などの地方大学の医学部が急速に難化していることがお分かり頂けるだろう。

格差広がる「西高東低」
実は、国公立大学の医学部は偏在している。圧倒的な西高東低だ。首都圏(1都3県)の人口は3613万人だが、国公立の医学部は4つ(東京大学、千葉大学、東京医科歯科大学、横浜市立大学)しか存在しない。一方、人口385万人の四国には4つの医学部があり、すべて国立だ。

私は、このような偏在は戊辰戦争の後遺症だと考えている。我が国の名門大学の多くは戦前に設立された。医学部の場合、戦前に17校が存在した。多くは江戸時代の藩の医学校から発展している。東京大学は江戸幕府の医学所、九州大学は福岡藩の賛生館という具合だ。

幕末、西洋列強の侵略を怖れた幕府や諸藩は藩校を整備し、蘭学を学ばせた。その中心が医学だった。このような学校が、その後、国立大学へと発展した。戦前までに九州に3 校の官立医学部(九州大学、熊本医科大学、長崎医科大学)があったのに対し、首都圏には東大と千葉医科大学(現・千葉大)、東北地方には東北大学、甲信越には新潟医科大学(現・新潟大学)だけしかなかった。

高度成長期、無医村解消を目指し、1県1医大政策が推し進められたが、これがさらに偏在を悪化させた。

西日本には小さい県が多いため、結果的に地域全体として多くの医学部が新設される形になったからだ。1975年の千葉県の人口は415万人で、404万人の四国とほぼ同じだった。ところが、徳島県以外の3県に国立の医学部が新設されたが、千葉大学があった千葉県には医学部は新設されなかった。その後、千葉県の人口は622万(2015年)と49%も増えて、四国は人口が減った。この結果、さらに格差は拡がった。

首都圏で国公立の医学部が不足しているのを緩和したのは、私大医学部の新設だ。現在、我が国には31校の私大医学部があるが、このうち首都圏に16校が集中する。

この結果、首都圏の医学部と言えば私大医学部、というイメージが定着した。そのため、普通の家庭で育った若者にとって、医学部は極めて狭き門となってしまった。図3は、18歳人口あたりの国公立の医学部定員を示したものだ。

地方大学は「地域密着」
読者の中には、「医師を目指すなら、首都圏にこだわらず、全国どこの医学部に行ってもいいだろう」とお考えの方もいらっしゃるだろう。

確かに、その通りだ。ところが、医学部に限らず、大学の多くは地元出身者で締められる。大学は、どこも「地域密着」なのだ。東大の関東出身者、京都大学や大阪大学の近畿地方出身者は、例年6割弱だ。九州大学や名古屋大学は7割以上を地元出身者が占める。

余談だが、もっとも地元出身者が少ない、つまり全国から学生があつまるのは北海道大学と東北大学だ。いずれも地元出身者は4割程度である。その分布を示す。

両者の分布は対照的だ。東北大は隣接する関東地方からの入学者が多く、地元出身率が低下する。北大は全国から集まっている。富山県など日本海側が多いのは、北前船や入植の歴史の影響だろう。かくの如く、大学入学者は地域の歴史を反映する。

話を戻そう。首都圏の高校生が医師になりたいと希望した場合、多くは首都圏か東北地方の国公立の医学部を目指す。それで駄目な場合は諦めるか、西日本の医学部に進学する。ただ、偏差値は高く、合格は至難の業だ。

どうしても医者になりたい若者の中には、海外に飛び出そうとする者も出てくる。これが冒頭にご紹介した石川君だ。

人気高まる「東欧」
海外の医学部と言えば、ハーバード大学など米国の医学部を思い浮かべる方が多いだろう。

ところが、最近注目を集めているのは、東欧の医学部だ。ハンガリー、スロバキア、チェコ、ブルガリアの医学部には、すでに約370人の日本人が在籍している。石川君も、その中の1人だ。

EUでは、EU内のどの医学部を卒業しても、医師資格試験に合格すれば、EU内で通用する共通免許を取得することができる。

文化レベルが高い割に、物価が安い東欧諸国は、この点を利用している。ハンガリーの医学部定員は約2万人だが、このうち5000人程度を英語で教育している。学生の出身地で多いのは、ドイツ・イスラエル・北欧だが、日本人の学生も多い。現在、約400人が在籍しており、2016年度は78人が入学した。

彼らが東欧を選ぶ理由は、比較的入学しやすく、かつ学費が安いことだという。図6は、国内、米国、東欧の医学部で、入学から卒業までに必要な学費を示している。日本の私大医学部や米国の有名医学部と違い、東欧の医学部なら、日本のサラリーマン家庭でも十分に負担出来る金額であることがお分かりいただけるだろう。

「学校歴」ではなく「学歴」
幸い、物価も安い。石川君は「年間の生活費は120万円もあれば十分です」という。

今後、この傾向は加速するだろう。なぜなら、東欧諸国は医学教育を外貨獲得の手段と考えているからだ。ハンガリーには4つの医学部があるが、留学生が納める学費は1億ドルを超える。

世界の高等教育は急速にグローバル化しつつある。低コストで、ハイレベルの教育が受けられる大学には世界中から学生が集まる。医師のような業務独占資格の場合は、なおさらだ。

日本人は東京大学やハーバード大学卒業などの「学校歴」が好きだが、世界では「学歴」がものをいう。医師免許、MBA、博士号などだ。資格をとれば、あとは実力勝負である。

では、日本人が東欧での医学部進学を考えた場合の問題はなんだろう。それは、入学は容易だが進学が難しいことだ。

この点については、月刊誌『選択』2017年3月号に「東欧への『医学部留学』がブーム」という論文が掲載されている。コンパクトにまとまっており、ご興味のある方はお読み頂きたい。

ハンガリーの医学部には、毎年40名程度の外国人が入学してきた。ただし、石川君によれば、「ストレートで進学できるのは4割程度。3割は留年、残りの3割は退学する」という。

チェコも状況は同じだ。毎年75~90人の外国人が入学するが、無事に卒業できるのは40~50人だ。これまでに20人の日本人が入学したが、すでに6人が退学している。

チェコで2番目に古い歴史をもつパラツキー大学で学ぶ坂本遙さんは、同大学の特徴を「入学後の1年間で3割から5割が退学すること」と言う。1年生のときに単位を落とすことが認められていないため、2回まで受けることが出来る追試で合格しなければ、自動的に退学となる。退学となった学生の多くは、授業を受け続けながら、翌年に再受験する。ポーランドなどEU内で難易度の低い大学を受け直す学生もいる。このようなやりかたは、1年間をかけて入学者を選抜していることに他ならない。日本とは異なるシステムを採用しており、日本の医学部とは異なる特性をもつ学生が選抜される。

日本の大学より魅力的
では、日本から東欧の医学部に進学する学生の背景はどうなっているのだろう。

石川君が、彼がアプローチ可能であったハンガリーの医学部で学ぶ日本人留学生61名の背景を調査した。興味深い結果だった。

親の職業が判明した45人のうち、親が医者だったのは23人、それ以外が22人だった。

入学者の出身地で多いのは、関東地方29人、九州11人、近畿8人、中国地方5人という順だった。出身地と親の職業の間には、明らかな関連はない。

冒頭で、首都圏の高校生は、国公立の医学部に進学するのが難しいことを紹介した。私は、石川君に依頼して、各地方の国公立大学の医学部の定員枠と、ハンガリーの医学部に進学している学生の割合を比較してもらった。勿論、少数例の検討で、確定的なことは言えない。

ただ、私は、この結果を見て驚いた。首都圏の若者がハンガリーの医学部に進学しているのは予想通りだったが、四国・九州・中国地方が、ほぼ同レベルだったのだ。

四国・九州・中国地方など西日本の若者の医学部志向が、我々の予想以上に根強いことがわかる。現在、厚生労働省は将来的な医師過剰を危惧し、日本の医学部の定員を抑制しようとしているが、こんなことをしても、海外の大学に進学するだけのようだ。英語で教育を受け、EU共通の医師免許を取れるため、日本の大学より魅力的と言っていいかもしれない。

しかも卒業後は、日本の病院での勤務も可能だ。2013年以降、ハンガリーの医学部を卒業し、日本の医師国家試験を受験したのは56人。このうち、41人が合格しいている。合格率は73%。日本の医師国家試験の合格率は88.7%(2017年)だから、立派な数字だ。

激変する日本の医学教育
最近になって、東欧の医学部で学ぶ若者が多くのメディアで取り上げられるようになった。その代表がスロバキア国立コメニウス大学医学部在学中の妹尾優希さんや、ハンガリー国立センメルワイス大学医学部在学中の吉田いづみさん(2017年9月8日「秋篠宮親子のハンガリー訪問から見た日本」、2017年9月26日「ハンガリーの『元移民』から見た『ドイツ総選挙』の影響」参照)だ。夏休みなどで日本に帰国している際には、私どもの研究室で研修している。

吉田さんは、「灘や開成など有名進学校の学生からの問い合わせが増えました」と言う。彼らにとっては、日本の医学部以上に有望な存在に映るのかもしれない。

政府は大学教育の国際化を推し進めている。ところが、その効果はイマイチだ。日本の主要大学の世界ランキングは低下の一途を辿っており、その理由の1つに国際化の遅れが挙げられている。政府の迷走を尻目に、若者たちはボトムアップで国際化を進めている。日本の医学教育は激変の最中にある。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20171011173854
医師偏在解消に指標を設定へ
医師確保計画案、需給分科会が大筋合意

2017年10月11日 17:59  CB news

 厚生労働省は11日、医療従事者の需給に関する検討会の医師需給分科会に対し、都道府県内の医師確保の目標や方針などを規定する「医師確保計画」の案を示し、大筋で合意を得た。医療法を改正し、医療計画の一環として位置付ける見通し。都道府県内の医師偏在を把握する「指標」を新たに設定。それを使って医師の「少数区域」と「多数区域」に分け、医師確保対策に結び付けたい考えだ。【新井哉】

 医療法に基づき、都道府県は医療計画に「医療従事者の確保」を明記する必要がある。しかし、都道府県の中には、十分な現状分析や個別の対策を盛り込まず、実効性のある地域医療対策を策定できていないケースもある。

 こうした状況を改善するため、厚労省は、▽都道府県内における医師確保の方針▽医師偏在の度合いに応じた医師確保の目標▽目標の達成に向けた施策内容―を盛り込んだ「医師確保計画」を医療計画の中に記載する必要があると判断した。

 また、「医師確保計画」の実効性を確保するため、医療需要、医師偏在の度合いを示す単位(区域、診療科、入院・外来)、将来の人口・人口構成の変化、医師の年齢分布などを考慮した「指標」を設定することを提案。これを参考にして都道府県内の偏在を可視化し、都道府県知事が医師の「少数区域」と「多数区域」を指定することで、「具体的な医師確保対策に結び付けて実行できる」とした。

 厚労省の案に対し、委員からは、医師の質などを指標に盛り込む提案があったほか、偏在対策を行う際、医師の派遣先が公立病院に偏らないよう配慮を求める意見も出た。



https://www.m3.com/news/iryoishin/560237
地域医療構想でも病床数は減らない-二木立・日本福祉大学相談役に聞く◆Vol.1
地域包括ケアシステムが分かりづらい3つの理由

2017年10月10日 (火)配信聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

 医師出身の医療政策・経済学者として、長年にわたり日本の医療政策を分析してきた日本福祉大学前学長で、現在は同大相談役・大学院特別任用教授の二木立氏。 今年3月に出版した『地域包括ケアと福祉改革』(勁草書房)では、地域医療構想、地域包括ケアシステムなど、医療界に大きな変化を与える政策について精緻な分析を行っている。二木氏にそれらの背景にある考え方や課題、そして近年の医療政策を検討する時に必要な視点を聞いた(2017年9月15日にインタビュー。全3回の連載)。

――医療機関の機能分化、連携を進めようとする「地域医療構想」という取り組みや動きに対してどのように評価されていますか。
 地域医療構想・地域医療連携には、私がかつてリハビリテーション専門医として実践・提唱したことがようやく具体化されたという面があると思っています。

 私は、1970年代後半~1980年代前半に東京・代々木病院にリハビリテーション医として勤務していました。今でこそ回復期リハビリテーション病棟が増えて、患者の取り合いという様相ですが、当時は一般病院(急性期病院)内にリハビリテーション専門病棟を持っている病院は全国的にも少なく、都内では代々木病院だけでした。そのため、たくさんの患者を受け入れるには在院日数を短縮するしかなかったです。


 しかしリハビリは一病院だけでは完結しません。急性期病院は在院日数も限られ、より長期間のリハビリを必要とする患者さんはリハビリ専門病院にお願いせざるを得ない。早期からリハビリをしても障害が重い人は自宅に帰れないこともあります。当時は特別養護老人ホームにはまず入れなかったので、老人病院などにお願いするしかありませんでした。自宅に帰れる人も、往診や訪問看護と連携を取っていました。このように必要に迫られて連携をし、全国各地で同じようなことが行われていました。

 私はリハビリの診療・臨床研究とともに、川上武先生(医師、医事評論家)の指導を受けながら医療問題の研究を二刀流で行っていました。病院の最年少理事として病院経営の近代化に取り組んだ経験もあり、連携の在り方について早くから論文化し、1985年には最初の単著『医療経済学-臨床医の視角から』(医学書院)を出版しました。この本では、当時の厚生省が1987年に発表した「国民医療総合対策本部中間報告」に先駆けて、病院の機能分化と施設間連携(今流に言えば「ネットワーク」形成)、平均在院日数の短縮と病院の一定部分の「中間施設」への転換等を主張しました。

――厚生労働省は今年度には、具体的な医療機関名を挙げて調整会議の場で議論することを求めています。
 厚労省が約束し、日本医師会が強調している当事者・関係者の“自主的な合意形成”を重視するステップ、手法が取られて行われるのなら、画期的と言えます。実際、多くの都道府県ではそれが守られています。ただ、ごく一部の県で、県に出向している厚労省の技官主導で病床削減ありきの地域医療構想が作られ、それに基づき議論が行われています。 典型なのは青森ですが、それ以外では強引にやっているところはほとんどないようです。

――地域医療構想の一連の取り組みの結果、地域の医療提供体制はどのように変わると予測されていますでしょうか。
 病院の機能分化は徐々に進みますが、病床数の大幅削減はなく、2025年も現状の134.7万床(医療施設調査)と大きく変わらないでしょう。

 2015年の社会保障制度改革推進本部「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」の報告は、2025年の必要病床数を115万~119万床と推計しています。現状よりも約20万床削減されるとして、マスコミでも大々的に報じられ、病院関係者の不安も増幅しました。

 ここで注意すべきなのは、115万~119万床という推計は、「機能分化等をしないまま高齢化を織り込んだ」とする現状投影シナリオの152万床から33万~37万床の大幅削減を見込んでいることです。しかし30万床もの大幅削減は現実的ではありません。「135万床から変わらない」と予測すると、すごく保守的に聞こえますが、実質的には17万床が減ることと同じです。

 過去のトレンドから考えると、病床は無理に減らさなくとも、徐々に減少していくのです。全国的には2025年までは人口高齢化のために患者数は増えますが、既に人口減少が始まっている県・地域では、今後高齢者数も減少し、患者さんが減っていきます。在院日数の短縮で病床稼働率はじわじわ減少し、それに伴い病床数も少しずつ減少していきます。一部の地域では地域包括ケアシステムの整備により受け皿も確保できるようになり、厚労省の期待通りに「必要病床数」が減る可能性もあります。これらを勘案すると、実質17万床削減は十分にあり得る数字です。地域レベルで調整していければ、大きな問題は生じないと思います。もちろん、個々の病院の経営問題は別ですが。

――地域包括ケアシステムの推進も求められていますが、理解が進んでいるとは言えない状況です。
 地域包括ケアシステムが分かりづらいのには3つの理由があります。1つには2003年に提起されて以降、概念・範囲が変化し続けていることです。当初それは介護保険制度改革として提起され、介護サービスが「中核」とされました。そのために、医療の側からは「医療のパイが小さくなる」という心配の声もあったほどです。その後の地域包括ケアシステムの進化や深化の歴史は、医療の範囲が広がっていった歴史でもあります。最初は診療所と在宅医療に限定されており、今では信じられないと思いますが、看取りにも触れていなかったのです。しかし、今では急性期病院と入所施設の積極的な役割を認めています。

 2つ目には地域包括ケアの実態が「ネットワーク」であるのに、「システム」と命名されたことです。地域包括ケアシステムという言葉の命名者は、広島県の公立みつぎ総合病院院長だった山口昇先生です。確かに、「みつぎ方式」は全てが公立の施設・事業で構成された、病院を核とした「システム」でした。しかし、厚労省が2000年代初頭に想定していたのは、尾道市医師会のような医療と福祉、介護の連携事業であり、ネットワークです。「みつぎ方式」が採用されなかったのは、費用が極めて高額であるためと思われます。このように地域包括ケアの実態は「ネットワーク」であるのに、「システム」と呼ぶことで、理解を妨げている面は否めません。

 3つ目には、地域包括ケアには「保健医療系」と「(地域)福祉系」の2つの源流があることです。しかし、両者は一部の地域を除いては交流がほとんどなかったのです。研究者の世界も縦割りで、それぞれの対象を分析・紹介する傾向にあります。私は医療経済・政策学の研究者ですが、日本福祉大に長年勤務し、福祉系研究者とも日常的に研究交流をしており、早くから2つの源流に気づいていました。



http://www.medwatch.jp/?p=16263
2017年9月までに751件の医療事故が報告、院内調査は63.4%で完了―日本医療安全調査機構
2017年10月13日|医療・介護行政全般 MedWatch

 今年(2017年)9月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は35件。一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしてから、累計で751件の医療事故が報告され、うち63.4%・476件で院内調査が完了し、遺族や医療機関からのセンターへの調査依頼は累計で43件となった―。

 こうした状況が、日本で唯一のセンターとして指定されている「医療安全調査機構」から10月10日に公表されました(機構のサイトはこちら)。

制度発足から、外科で127件、内科で96件の医療事故が発生

 一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしました。すべての医療機関において、院長などの管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産」のすべてを、センターに報告することが義務となっています。医療事故調査制度は、「責任追及」ではなく、事故の原因を究明する中で「再発防止」策を構築することを狙ったもので、センターでは今年(2017年)3月に再発防止策第1弾「中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―」を、9月に第2弾「急性肺血栓塞栓症に係る死亡の分析」を公表しています

 医療事故調査制度の流れをおさらいすると、▼管理者が医療事故を確認した場合、速やかにセンターに事故報告の旨を報告する→▼当該医療機関で、事故原因の調査【院内調査】を行い、その結果をセンターに報告する→▼当該医療機関が、調査結果に基づいて事故の内容や原因について遺族に説明する(調査結果報告書などを提示する必要まではない)→▼センターが、事故事例を集積、分析し具体的な再発防止策などを練る—というものです。

 
我が国唯一のセンターとして指定されている医療安全調査機構は、毎月、医療事故報告の状況を公表しており(前月の状況はこちら)、今年(2017年)9月には、新たに35件の医療事故が報告されました。制度発足からの累計報告件数は751件となっています。

 9月報告の内訳は、病院からが34件、診療所からが1件。診療科別に見ると、▼内科7件▼循環器内科4件▼外科3件▼―などで多くなっています。なお、これまでの751件を診療科別にみると、▼外科127件(16.9%)▼内科96件(12.8%)▼消化器科64件(8.5%)▼整形外科59件(7.9%)―などで多い状況です。

2017年9月に、新たに35件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で751件の医療事故が報告されている(図 略)
 
 センターに報告しなければならない医療事故は、医療機関で生じたすべての死亡・死産事例ではなく、院長などの管理者が▼予期しなかった▼医療に起因し、または起因すると疑われる—死亡・死産事例に限定されます。例えば「手の施しようのない重篤な状態で搬送された救急患者」は「死亡が予期される」ため報告対象から除外されます。
医療機関では「患者が予期せぬ死亡を遂げたが、センターに報告すべき医療事故だろうか?」、あるいは「初めての報告となるが、センターへの報告はどのように行えばよいのか?」といった疑問が生じると思われます。また遺族側には「家族が医療機関で死亡したが、医療事故として報告されていない。隠蔽されているのでは?」といった不信感をぬぐいされない方もおられることでしょう。こうした疑問を解決するために、センターでは医療機関・遺族からの相談に対応しており、今年(2017年)9月に、新たに161件の相談がセンターに寄せられました。制度発足からの累計は3732件となりました。

新規相談の内訳は、▼医療機関から91件▼遺族などから58件▼その他・不明12件―です。

 医療機関からの相談内容としては「報告の手続き」がもっとも多く57件(医療機関からの相談の62.6%)。「医療事故に該当するか否かの判断」は15件(同じく16.5%)にとどまっており、制度が医療現場への浸透し、理解が進んでいることが分かります。厚労省は医療事故調査制度の運用改善(医療事故該当性の判断などを標準化するための「支援団体等連絡協議会」を設置するなど)を昨年(2016年)6月に行われており、その効果も大きいと考えられます(関連記事はこちらとこちら。

 一方、遺族などからの相談内容としては、依然として「医療事故に該当するか否かの判断」が最多で、34件(遺族などからの相談の58.6%)となっています。ただしこの中には、「制度開始前の事例」「生存事例」など、そもそも「報告すべき医療事故でない」ものも含まれており、「一般国民への制度浸透」が今後の重要課題の1つと言えるでしょう(関連記事はこちら)。

センターへの相談は2017年9月に161件あり、うち91件が医療機関から、58件が遺族などからのものとなっているが、相談の中には「制度の対象外の事例」も含まれている点には注意が必要である(図 略)
 
 医療事故調査制度の目的は「再発防止」にあることから、事故発生医療機関において原因究明に向けた調査【院内調査】を行い、その過程で院内体制やルールの見直し、遵守の徹底などを行うこととされています。今年(2017年)9月に新たに院内調査が完了した事例は25件で、制度発足からの累計では476件となりました。これまでに報告された全751件のうち63.4%で院内調査が完了していることになります。調査スピードは前月に比べて若干アップしています。

医療事故を報告した医療機関のうち、新たに院内調査が完了したものは2017年9月に25件、制度発足からの累計で476件となった(報告された事故全体の63.4%)(図 略)
 
 ところで、遺族の中には「院内調査結果に納得できない」「院内調査が遅すぎる(何かを隠すために時間稼ぎをしているのではないか)」と感じる人もいることでしょう。また小規模な医療機関などでは、「自力での院内調査が困難」というところもあります(医師会や病院団体などの支援団体によるサポートは整備されているが)。そこで、センターは「遺族や医療機関からの調査依頼を受け付ける」体制も整えています(院内調査が時間・内容ともに適正に実施されているのか、という観点での調査が中心)。この点、今年(2017年)9月にはセンターへなされた調査依頼は1件(遺族からの調査依頼)で、制度発足からの累計は43件(遺族から32件、医療機関から11件)となりました。うち39件が「院内調査結果報告書の検証中」(院内調査が適切に行われたかの確認)、3件が「院内調査の終了待ち」となっています。
  


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/553222.html
厚生労働省 第2回医師の働き方改革に関する検討会(後編)
医師の働き方改革、今後の論点は大きく4項目

2017/10/13 増谷 彩=日経メディカル

 厚生労働省は9月21日、医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦=東京大学大学院法学政治学研究科教授)の第2回会合を開催した。前半では、第1回会合で出た論点の法律上の解釈を説明(前編記事)。後半では、第1回会合から抽出された今後の論点についてまとめた。

 検討会事務局はまず、医師の働き方や将来のキャリア選択について尋ねた「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(通称:医師10万人調査)の結果を簡略に説明した。同調査は、2016年12月8~14日に全国の医療施設に勤務する医師を対象に実施したもの。約10万人の医師に調査票を配布し、1万5677人(男性74.6%、女性22.7%)から回答を得た(回収率は約16%)。同調査結果は、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会(以下、ビジョン検討会)」(座長:渋谷健司=東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)が取りまとめた医療従事者の働き方に関する報告書に反映された。


 事務局は、週あたり勤務時間が40時間以上の病院常勤医師の勤務時間の内訳を示し、「勤務時間が長くなると診療時間、診療外時間、待機時間のいずれも長くなる。特に待機時間の占める割合が大きくなる」と説明した。勤務時間には診療科別に見ると差があった。特に週当たりの勤務時間が60時間以上になる病院常勤医師が約半数を超える診療科は、産婦人科(53.3%)、臨床研修医(48.0%)、救急科(47.5%)の順に多かった。

 病院常勤医師の月当たり当直回数としては、0回の医師が46%、1~4回が42%、5~8%が10%だった。当直回数が少ない医師と多い医師を比べると、診療時間と診療外時間には大きな差はないが、当直回数が多い医師では待機時間が顕著に増加していた。

 男女別、年代別に週当たり勤務時間60時間以上の病院常勤医師の割合を見ると、いずれの年代でも男性の割合が女性よりも多かった。20歳代では男女に大きな差は見られないものの、30~50歳代では男女差が大きい。60歳代以降では男女差が小さくなっていた。

 病院常勤医師の医療機関種類別の週当たり勤務時間で見ると、週当たり勤務時間は分院も含めた大学病院が約64時間と最も長い。その他では、2次・3次救急病院が約59時間、医療機関全体が約57時間だった。診療時間、待機時間は医療機関の種類で大きな違いはないが、大学病院では診療外時間が特に長かった。

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図 病院常勤医師の医療機関種類別の週当たり勤務時間(厚生労働省「第2回 医師の働き方改革に関する検討会」資料より)

 こうした調査の結果を受け、千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏は「医療の現場では、今回の働き方改革によって産科医療と救急医療が崩壊するのではないかと危惧されている。医師の時間外勤務にどのくらい依存して医療が回っているのかを明らかにしてほしい。調査で、大学病院の勤務時間が突出しているとの指摘があった。特に診療外時間が長いということだが、これは教育や研究の役割がある大学病院の特殊性だ。これらは大学病院としては必須の部分でもある。高度な医療を提供するという役割もあるが、いかに診療時間を効率化するか、診療の負担を減らすかといったことを今後は議論していきたい」と発言した。

 なお、同調査は医師に自記式で行った調査であるため、例えば「勤務時間」は「診療時間、診療外時間、待機時間の合計」と定義するなど、労働時間の定義が労基法上の定義と一致しないケースが含まれる。日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏はこれに触れ、「先ほど説明された10万人調査は、労働時間はもっと定義をしっかりした方がいいと思うが、今後もこの調査結果を基に議論を進めるのか?」と質問した。事務局は「同調査は、母数が大きい一方で、自記式のため大きなくくりでしか質問できていない。『診療外時間』と一口にいっても、中には非常に多くの内容が含まれているので、追加調査の必要があればしたい」と答えた。

 ビジョン検討会の座長を務めた渋谷健司氏は、「この調査は勤務時間だけを見たものではなく、地域偏在や女性医師の働き方なども調査している。質問票を見ていただくと分かるが、医師がどんな働き方をしているかというプロファイリングも取っている。今後は勤務時間だけでなく生産性や質、テクノロジーの活用、医療介護連携といったことが論点となってくると思う。こうした項目を改善すれば、勤務時間の改善が期待できる。量と質の両方から議論していきたい」と語った。

 その後、第1回会合での議論を踏まえ、以下の内容が主な論点として示された。

医師の働き方改革に関する検討会における主な論点案

1 医師の勤務実態の正確な把握と労働時間の捉え方
・医師の勤務実態の精緻な把握
・労働時間への該当性
・宿直業務の扱い
・自己研鑽(論文執筆や学会発表など)や研究活動の扱い

2 勤務環境改善策
(1)診療業務の効率化など
・タスクシフティング(業務の移管)、タスクシェアリング(業務の共同化)の推進
・AIやICT、IoTを活用した効率化
・その他の勤務環境改善策(仕事と家庭の両立支援策など)の検討
(2)確保・推進策
・医療機関の経営管理(労働時間管理など)のあり方
・勤務環境改善支援センターなどの機能強化
・女性医師の活躍支援
・その他勤務環境改善のための支援のあり方

3 関連して整理が必要な事項
・医師の応招義務のあり方
・病院の機能、医師の偏在、へき地医療など、適切な地域医療提供体制の確保との関係
・医師の労働時間の適正化に関する国民の理解

4 時間外労働規制などのあり方
・時間外労働規制の上限のあり方
・医療の質や安全性を確保する観点からの勤務のあり方
・適切な健康確保措置(休息・健康診断など)のあり方


 この論点の整理を受け、構成員からは以下のような発言があった。

保健医療福祉労働組合協議会事務局次長の工藤豊氏
「宿直業務の扱い」という項目があるが、救急を標榜しているところとしていないところとでは実態が違うので、分けて考える必要がある。また、自己研鑽は医療において重要なので、その中身は十分精査する必要があると考える。例えば、自己研鑽といいながら診療報酬上で評価されるようなものは果たして自己研鑽なのかどうか。論文発表や学会参加は医師だけでなく他の職業でもあることなので、どのくらい医師の特殊性と言えるのか、考えた方がいい。

日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏
勤務環境改善支援センター「など」に含まれるのは例えばナースセンターかと理解しているが、こうした組織がバラバラに動かず有機的に連携しなければ機能しないと思っている。ばらばらの仕組みになっているのが問題だと思うので、「など」をもっと具体的に書いてメッセージを出してほしい。それから、医師の働き方改革においては医療提供側だけが在り方を議論するのではなく、国民の理解が大変重要。患者の暴言・暴力によるストレスなども存在している。それから、病院内の会議や書類仕事がものすごく多いと聞く。安全や質の保証のために書類がどんどん増えているが、医師の負担にもなっているので、厚労省としても考えてほしい。

ハイズ(東京都新宿区)の裴英洙氏
経営者の意識改革はマストだと思う。経営者と話していると、これまで医師の自己犠牲に依存してやってきた部分がかなりあった。これを残業代などで支払うとなると、とても無理だという。しかし、労働の対価を支払うのは当然のこと。経営者の自助努力は必須ではあるが、現実的には原資を経営者の努力だけにかぶせるだけでは進まないと考える。ある程度、診療報酬などでガソリンとなる原資を入れていただけるとありがたい。

塩原公認会計士事務局特定社会保険労務士の福島通子氏
「勤務環境改善支援センターの機能強化」が挙げられているが、センター自身、どんなことをすればいいのか分からない状況なので、ある程度の方向性を示すべきだと思う。

東京女子医科大学東医療センター救急医の赤星昂己氏
週74時間以上の勤務を望む医師というのはほぼいないと思うが、ゼロにできていない実態があることを考えると、経営する病院側の資金繰りなどにも問題があると思うので、実態を明らかにしてほしい。若手の勤務医としては、書類の作成などでかなりの時間が取られていると感じている。タスクシフティングは昔から言われていることだが、なぜ現場で進んでいないのか、人が雇えないのか、その書類作成には医師の専門性が必須なのかといったことについて踏み込んで議論したい。

特定非営利法人架け橋理事長の豊田郁子氏
患者サポートの面からも考えることが重要だと思う。頼んだ書類が遅いなど、患者側が医療機関に不満を持つことがある。医師が休みの日にも診療してほしいという無謀な希望を持つ患者もいる。そこは医師が対応するというよりは、タスクシフティング、シェアリングを進めていくべき点だと思うので、医師の業務を示して、他職種がどう関われるか考えていかなければ進まないと思う。なので、医師の業務内容を具体的に示していただきたい。

 同検討会では、医師の勤務実態や勤務環境改善策、働き方と医療の質や安全性、健康との関係などを年内に話し合い、2018年1月に中間整理を行って、その内容を医師需給分科会の議論に反映させる予定。検討会としての報告書は、2019年3月を目途に取りまとめる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/561916?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD171014&dcf_doctor=true&mc.l=253073654
医師の働き方改革とキャリア
外科や産婦人科などで男性医師が長時間勤務◆Vol.3
女性は男性に比べ勤務時間は短く

医師調査 2017年10月13日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

Q:先生の「1カ月当たりの時間外労働」は何時間でしょうか。

男性
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 診療科別に集計すると、男性では数は少ないが産婦人科で10人中2人が「100時間以上」と回答した。外科では7.1%、循環器科と精神科で6.7%、整形外科で6.5%と100時間以上の割合が高くなっている。「80時間以上100時間未満」も外科が多くなっている。

女性
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女性では、循環器科が2人のうち1人、耳鼻咽喉科で4人中2人が「100時間以上」となっているのみで、「80時間以上100時間未満」も皮膚科、消化器科、産婦人科で1人ずつ。男性に比べれば、「過労死ライン」の80時間以上の長時間勤務は少ないという結果だった。

診療科ごとの回答数
男性406人(内科87、小児科17、呼吸器科16、皮膚科6、耳鼻咽喉科5、循環器科45、精神科30、腎・泌尿器科8、消化器科35、脳・神経科21、外科56、整形外科31、産婦人科10、眼科1、上記以外38)
女性100人(内科26、小児科6、呼吸器科4、皮膚科7、耳鼻咽喉科4、循環器科2、精神科10、脳・神経果1、消化器科3、外科15、整形外科6、産婦人科4、眼科3、上記以外9)



http://www.yomiuri.co.jp/national/20171013-OYT1T50130.html
一般病院の2割で自殺者、半数はがん患者
2017年10月14日 (土) 読売新聞

 精神科病床がない一般病院の約2割で入院患者が過去3年間に自殺していたことが、日本医療機能評価機構(東京)の調査でわかった。

 一般病院でも自殺が少なくない実態が浮き彫りになったことから、同機構は精神面の不調のチェックやケア、自殺が起きやすい設備の改修などを病院に呼びかける自殺予防の提言を公表した。

 同機構は2015年秋、全国の1376病院を対象に調査票を郵送で送り、12~14年度の自殺の発生状況などを質問した。38%の529病院が回答した。

 その結果、432の精神科のベッドがない一般病院のうち、19%にあたる83病院で計107人が自殺していた。主な病気別ではがんが52人で半数を占め、消化器や脳神経の病気がともに8人で続いた。自殺した患者のうち、46人でがんの痛みなど身体症状の悪化などがみられ、31人で「死にたい」など自殺に関連する発言があった。



https://www.m3.com/news/general/562963
耐震不足、旧基準建物の16% 「6強以上」倒壊の恐れ
2017年10月15日 (日) 朝日新聞

 1981年以前の旧耐震基準で建てられたホテルや病院、小中学校などの建物のうち、一定規模以上の約8700棟の耐震性を診断したところ、約16%が震度6強~7の地震で倒壊や崩壊の恐れがあることがわかった。国土交通省は改修などの対応を求めており、施設側は対応に追われている。

 診断は2013年11月施行の改正耐震改修促進法に基づくもの。震度6強~7の地震でも倒壊・崩壊しないとする新耐震基準(81年6月導入)以前に建てられた3階建て5千平方メートル以上の宿泊施設や病院、店舗▽2階建て3千平方メートル以上の小中学校といった多くの人が利用する建物などが対象。所有者が15年末までに診断を受け、報告を受けた自治体が結果を公表することが求められている。

 国交省などによると、10月現在で北海道と東京都、和歌山県は公表に至っていないが、ほかの44府県の各自治体(大津市を除く)は結果を公表した。棟数は計約8700棟で、その約16%にあたる約1400棟が現行の耐震基準を満たさず、震度6強~7の地震で倒壊、崩壊する危険性が高い▽もしくは危険性があることが判明した。県民会館や市民体育館、百貨店なども含まれ、診断結果を受けて廃業したホテルもある。



https://www.m3.com/news/general/562329
【福島】11月から葛尾村診療所 再開へ
2017年10月11日 (水) 読売新聞

 東京電力福島第一原発事故後、休止していた葛尾村落合の村診療所が田村医師会(小野町)の医師派遣を受け、11月から再開することが決まった。診療所の再開は約7年ぶり。村の避難指示の大半は昨年6月に解除されたが、後任医師が決まっていなかった。

 田村医師会に所属する医師13人が勤務先の休診時間をやりくりし、葛尾村で診療にあたる。看護師は同医師会のほか、郡山市の星総合病院からも派遣される。

 診療受け付けは第2、第4水曜と毎週木曜の午後1時半から同5時まで。診療科目は内科と小児科。来年4月に村で再開する幼稚園、小中学校での健康診断や予防接種なども行う。



https://www.m3.com/news/general/562304
院内調査の届け出751件 医療制度、開始2年で
2017年10月11日 (水) 共同通信社

 患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)は10日、「院内調査が必要」として9月に医療機関から届け出があった事案は35件と発表した。2015年10月の制度開始から2年間の累計は751件となった。

 機構は制度開始前、院内調査の件数は年に千~2千件と見込んでいた。当初の想定を大きく下回っており、制度の周知などが依然として大きな課題として指摘されている。

 9月に届け出があった35件の内訳は、病院(20床以上)が34件、診療所(20床未満)が1件。地域別では関東信越で14件、東海北陸と近畿でそれぞれ7件、東北3件、九州2件、北海道と中国四国が1件ずつだった。

 診療科別では内科が7件、循環器内科4件と続き、外科と消化器科、産婦人科、泌尿器科、呼吸器内科ではそれぞれ3件だった。

 9月に院内調査の結果が報告されたのは25件で、累計では476件となった。



  1. 2017/10/15(日) 19:02:01|
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