Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月22日 

https://www.cbnews.jp/news/entry/20170921203624
都市部の専攻医の上限値、厳格運用で振り分けも
専門医機構が決定

2017年09月21日 20:50 CB News

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は21日、専門医を目指す専攻医が都市部に集中することを防ぐために設けた、東京や大阪など5都府県の募集定員のシーリング(上限)について、厳格に運用することを決めた。上限を超えた場合、他の道府県に振り分ける方針だ。【新井哉】

 同機構は、都道府県別の募集定員に上限が設けられている初期臨床研修と同じように、大都市圏の東京と神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県で上限を設定。各領域の学会の過去5年間の採用実績を超えないとしている。この日の記者会見で、吉村理事長は、募集定員の上限について、「これを厳しく規定していく」と述べた。

 一次募集(10月10日-11月15日)が終わった後、11月末までに調整を行う予定。対象となるのは、医師数が減少・不足している外科、病理、産婦人科、臨床検査を除く14領域。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558756
真価問われる専門医改革
専攻医の1次登録遅れる、開始は10月10日
日本専門医機構、1次審査合格プログラムは「3026」

レポート 2017年9月21日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は9月21日の理事会後に記者会見を開き、専攻医の1次登録開始を、当初予定の10月1日から10月10日に変更すると発表した。総合診療専門医の専門研修プログラムの1次審査に時間がかかり、都道府県協議会からの意見集約の期限も延ばしたため。

 今後、都道府県協議会に諮り、9月29日までに意見をもらい、同機構が2次審査を行い、10月10日に1次登録を開始する。採否は12月15日に決定、引き続き2次募集を行い、2018年2月15日にその採否を決定する(スケジュールは、下記に掲載)。

 1次審査に合格した専門研修プログラムは、19の基本領域で合計3026。うち新しく基本領域に加わった総合診療専門医では、436のプログラムの応募があり、1次審査で360に絞られた。日本専門医機構副理事長の松原謙二氏によると、へき地・過疎地域で十分な研修を行うプログラムが優先的に合格したという。

 19の基本領域別の専門研修プログラム数は、2次審査終了後に公表される見通し。19の基本領域別の専攻医数は2次募集の採否決定以降、公表される予定になっている。新専門医制度をめぐっては、専攻医が都市部、あるいは大病院に集中するなど、医師の地域偏在を増長するとの懸念がある。理事長の吉村博邦氏は、一連の専攻医募集の過程でも、厚生労働省のほか、必要に応じて都道府県協議会にも専攻医の登録状況を中間報告する方針を説明した。

【専攻医募集のスケジュール(2017年9月21日理事会決定)】
2017年10月10日~11月15日:1次登録
2017年11月16日~11月30日:採用確認期間
2017年12月1日~12月14日:採用期間
2017年12月15日:結果通知
 ※プログラム統括責任者 採用・不採用の可否をシステムにアップ

2017年12月16日~2018年1月15日:2次登録
2018年1月16日~1月31日:採用確認期間
2018年2月1日~2月14日;採用期間
2018年2月15日:結果通知
 ※プログラム統括責任者 採用・不採用の可否をシステムにアップ

5都府県、「1次登録」でも不採用のケースも
 吉村理事長は、「初期臨床研修施設と研修医向けに、専攻医登録に関するマニュアルなどを近く送付する」と説明。専門研修を希望する医師は、18の基本領域については各学会のホームページから登録、総合診療専門医については日本専門医機構のホームページから登録する。専攻医が登録できる専門研修プログラムは1つのみで、事前に基幹施設のプログラム統括責任者と話し合った上で登録する(『専門研修、「プログラム登録は1つのみ」』を参照)。

 専攻医の総数は、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県については、医師数が減少している外科、産婦人科、病理、臨床検査を除く15の基本領域別に、専攻医総数の上限を定める。上限は、原則として過去5年の専攻医採用実績の平均値を超えない数。1次登録の後、5都府県において上限を超える基本領域があれば、日本専門医機構と各学会が話し合い、最終的には同機構が調整する。その結果、1次登録しても希望施設で研修できず、2次募集で改めて登録が必要になるケースも生じ得る。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558748
医師の働き方改革とキャリア
「医師は労働者」は自明、「高プロ」も対象外
厚労省「医師の働き方検討会」、年明けに中間整理、2019年3月に最終報告

レポート 2017年9月21日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は9月21日、第2回「医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)」を開き、今後の議論の進め方や論点を整理した。10月~12月にかけて、「医師の勤務実態について」、「勤務環境改善策について」、「働き方と医療の質や安全性、健康との関係」などについて議論し、2018年1月に中間整理をまとめて「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会」の議論に反映。

 以降は具体的な医師の働き方改革について検討し、2019年3月を目途に、最終的な報告書を取りまとめる予定(第1回会議は『医師の時間外労働の上限規制、年明けにも中間整理』、医師需給分科会は『勤務医・開業医の地域別の多寡、「指標」で見える化』を参照。資料は、厚労省のホームページ)。

 21日の議論では、医師は労働者か、一部専門職を残業代支払いなど労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の対象かなどの質問が構成員から出た。これに対し、岩村座長は、「労働基準法上の労働者であることは争う余地がない」としたほか、「医師の仕事は『高度』で『プロフェッショナル』なもの」としたものの、勤務形態などから高プロには該当しないと回答した。今後、これらを前提に議論が進められる見通し。


医師の働き方改革に関する検討会
 厚労省が提示した主な論点は次の通り。

1.医師の勤務実態の正確な把握と労働時間の捉え方
・医師の勤務実態の精緻な把握
・労働時間への該当性
・宿直業務の扱い
・自己研鑽(論文執筆や学会発表等)や研究活動の扱い

2.勤務環境改善策
(1)診療業務の効率化等
・タスクシフティング(業務の移管)、タスクシェアリング(業務の共同化)の推進
・AIやICT、IoTを活用した効率化
・その他の勤務環境改善策(仕事と家庭の両立支援策等)の検討
(2)確保・推進策
・医療機関の経営管理(労働時間管理等)の在り方
・勤務環境改善支援センター等の機能強化
・女性医師の活躍支援
・その他勤務環境改善のための支援の在り方

3.関連して整理が必要な事項
・医師の応召義務の在り方
・病院の機能、医師の偏在、へき地医療等、適切な地域医療提供体制の確保との関係
・医師の労働時間の適正化に関する国民の理解

4.時間外労働規制等の在り方
・時間外労働規制の上限の在り方
・医療の質や安全性を確保する観点からの勤務の在り方
・適切な健康確保措置(休息・健康診断等)の在り方
(2017年9月21日医師の働き方改革に関する検討会資料より)

 厚労省は議論の材料として、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が2016年12月に行った「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」から勤務実態に関するデータを提出。これに関し、日本医師会副会長・女性医師支援センター長の今村聡氏は「この調査をした時点では、『働き方改革』という視点はなかったのではないか。この調査を基に全ての議論をするのか」として、本検討会の議論に合わせて新たな調査をする必要性を指摘。千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏も、「地方の病院を中心に、特に産科や救急で崩壊の危機にあると言われるが、実態がどうなのか、医師の時間外労働にどれくらい依存しているのか、現状では客観的に見えないと思う」と同調した。厚労省は、必要な調査を行うかどうかを検討すると答えた。

 ビジョン検討会の座長を務めた東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、「この調査は時間を計る目的ではないことを確認しておきたい。今得られる最良のエビデンスだと思っている。働き方改革を時間だけで議論すると、誤ることになる」と指摘。議論の進め方については、「他の会議体と論点を互いに共有して、サマリーをここでの議論に反映してほしい」と、関連する会議との連携を求めた。

高プロの議論とはなじまず
 社会医療法人ペガサス理事長の馬場武彦氏は、政府が成立を目指している改正労働基準法に含まれる、一部専門職を残業代支払いなど労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」については議論の対象にしないのかと質問。これについては、岩村座長が「高プロは職務の特殊性ゆえに勤務時間を自分で決められる制度だ」と指摘。本検討会の議論の対象は勤務医であり、診療時間、勤務時間は医療機関側で決定され、それに従う必要があるとして、「高プロは本検討会の議論にはなじまないと理解している。医師の仕事は『高度』で『プロフェッショナル』なものではあるが、それと労働時間の制度は別のものではないか」として退けた。

 また、福岡県済生会福岡総合病院名誉院長で日本病院会副会長の岡留健一郎氏は、「資料は医師が労働者であることを前提としているが、それに根拠はあるのか。医師は病院管理者のためでなく、患者のために働いている」と質問。

 「医師は労働者か否か」に関しては、医療界からは否定的な意見も表明されているが(『「医師は労働者か、抜本的議論を」横倉会長』、『勤務医は労働者」との決めつけ、乱暴すぎる - 邉見公雄・全自病会長に聞く◆Vol.2』などを参照)、これに対しては早稲田大学法学学術院教授の島田陽一氏が「勤務医は労働時間が決まっている。労働者かどうかという議論は閉めていただきたい」と反論。岩村座長も、勤務医と病院が時間外手当の支払などを争う裁判を例に、「病院側の代理人弁護士ですら『勤務医が労働者である』という点については、勝つ見込みがないため争わない。労基法上の労働者であることは争う余地がない。『患者のため』という意識は問題にならない」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558473
益田市医師会「親父の背中」、へき地医療研修プロジェクト
医師不足対策、若手医師を呼び込め

レポート 2017年9月20日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 島根県の益田市医師会は9月20日に東京都内で記者会見し、全国の若手医師を対象としたへき地医療研修プロジェクト「親父の背中」を2018年4月に開始すると発表した。医師不足解消を目指すとともに、若手医師にとっては益田地域医療センター医師会病院に所属し、地域の開業医の指導も受けながら地域医療に触れてスキルアップを図れるという(益田市医師会のホームページを参照)。

 同医師会会長の神崎裕士氏は、「医師会病院の特徴は、歩ける範囲で機能が全部集中していること。患者の急性期から回復期、慢性期へのシフトや、開業医に戻す、地域包括ケアシステムはほぼ満たしているが、肝心のそれを動かす医師がいない」と医師不足に苦しむ現状を説明。今年4月に独自の離島・へき地研修プログラム「RURAL GENERALIST PROGRAM JAPAN」を開始した、合同会社ゲネプロ代表の齋藤学医師の協力を得て、今回のプログラム立ち上げに至った。

 参加者はすでに一人前の医師として活躍する若手を想定して広く募り、新専門医制度の総合診療専門医とは全く別の枠組みとして行う。最大4人程度をゲネプロと益田市医師会で選考し、益田地域医療センター医師会病院で採用。2年間の研修期間中、午前中は参加者自身が選んだ診療科について講師役の開業医のもとで学び、午後は医師会病院で総合内科の入院診療に当たる。齋藤氏は「益田には、がっぷり四つで患者を診療するために、包み隠さず教えてくれる、素敵な親父(開業医)たちがいる」と、プログラムの名称の由来を説明。将来的には女性医師のための研修プロジェクトの立ち上げも考えているという。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201709/20170920_13030.html
石巻市立病院1億2000万円赤字 16年度再建後に患者数戻らず
2017年09月20日水曜日 河北新報

 東日本大震災で被災し、昨年9月にJR石巻駅前に移転新築した石巻市立病院の2016年度決算がまとまり、約1億2000万円の経常損失を計上した。当初見込みより赤字幅は小さかったものの、5年半の休業期間で患者離れが進み、医師の充足が急務になっている。
 市病院局によると、経常損失は決算見込みの赤字額より約1億3000万円縮小した。患者数が目標に及ばず医療経費が圧縮されたほか、人件費や維持管理費が見込みより少なく済んだのが要因という。
 外来患者は昨年9月~今年3月で1日平均93.2人にとどまり、目標の199.1人を大きく下回った。病床(180床)利用率は47.6%で、目標の65%より17.4ポイント低かった。
 利用者の伸び悩みは医師不足が一因で、手術日には外科、整形外科の外来診療をできなかったり、午後診療をしたくてもできなかったりするという。医師数の目標は常勤20人だが、現在は常勤17人に東北大病院からの派遣1人に加え、東北医科薬科大病院などの応援医師で対応している。
 市は2月に作成した病院改革プランで20年度の黒字転換を目指す。病院総務課の阿部仁課長は「医師を充足させ、患者数を目標に到達できるように努力したい」と話す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/547995
医師と地域・多職種連携の在り方
必要性と疑問、「在宅医療」、「地域包括ケア」への意見◆Vol.14
「普通の家庭で在宅は無理」「国が思うように進まず」

医師調査 2017年9月20日 (水)配信高橋直純(m3.com編集部)

 Q医療と介護、地域包括ケアシステムなどについてのお考え、疑問点がありましたらお書きください。

【体制の問題】
・自院への通院患者であっても、急変時の受け入れが不可能なケースがある。常勤医師不足によるもの。地域包括ケアシステムがうまく回るためには、1次・2次救急病院の受け入れ態勢が整わない限りは無理。医師の地域偏在は早急に解決されなければならないと思われる。自助・公助・互助・共助だけでは到底不可能!【民間病院】

・急性期病院からの早期の追い出しと介護側の手間のかかる患者の丸投げのために、地域包括ケアという言葉が利用されていると思わざるを得ない事例が多々見受けられます。【民間病院】

・勝手に在宅へと言うけれど、地域医療が崩壊しているのに、誰がそれを担うのか。点数などもないのに人的なリソースも投入できない。【診療所】

・自宅での療養、介護には限界がある。施設を利用するケースが多くなると思われる。そのためにも、経済的に余裕のない患者でも利用できる施設が必要である。【民間病院】

・人が足りない。特に医者。それから、それを評価する仕組みがない。また、無駄な医療や無駄なお金を使うことがないよう、行政も入るべき。また、これらのことが過剰になりすぎて、子供や若い世代にお金が回らなくなることがないよう、限度を設定すべき、また自己負担も絶対的に増やすべき。【公立病院】

・在宅!と国が進めるのは、団塊の世代をこれまでの病院施設で対応すると、多くの施設を作らなくてはならないからだと思う。その後、高齢世代の増加がなくて一定してくれば、病院と介護と老健施設が一体でも良いと思います。【公立病院】

・国がそうしようとしているのだから、従うしかない。しょうがない。本当は反対で今まで通りでいいのだが、国にもお金がないのでしょう。(本当なら教育とか医療には十分お金かかっても仕方ないのでしょうがね。他の事にお金使いたいのでしょう。我々が学生でお金のない時、食費を削ってでも遊ぶ金は作っていたときのようにですね、笑)。【民間病院】

・医療費の削減が主たる目的であってはならない。もしそうならば、弱者、高齢者は、医療を控えるように誘導される。また、弱者には、それに対抗する、経済力も体力も能力もない。【民間病院】

・システムを整備する必要はあるが、かなり作業は多くかつ煩雑で、何の収入もないボランティアとなっている。地域に熱心なスタッフあるいは事業所があれば進んでいくが、多くはそうではない。【民間病院】

・財政優先のシステムでは実情にそぐわないのではないか。【民間病院】

・医療資源が乏しい地域では、患者がかかりつけ医を探すことさえ難しく、厚労省が描くようなスムーズな動きは無理である。【公的病院】

・医師、看護師の人数が少なすぎるので、集約的な医療と介護が必要である。私の働く地域は農村部であり、公的医療機関が減床しており、私的医療機関は地域からサービスを更に期待されていますが、人材不足で医療、介護とも縮小を余儀なくされています。【民間病院】

・地域間で必要なシステムに差があると思うので難しいとは思いますが、自分たちが行なっていることが、他の地域(他の医療機関)と比べてどの程度のレベルなのか判断する方法がありません。【民間病院】

【在宅医療の“困難”】
・在宅は困難な場合が多い。介護は施設で行うことを原則とすべきと感じる。【公立病院】

・在宅医療(介護)の負担を減らすことを第一に考えるべきだと思います。【公的病院】

・在宅では現状医療の質の担保が困難なことを、行政は包み隠さず伝えるべき。【診療所】

・在宅は負担が多く普通の家庭では無理。【診療所】

・在宅はそのために仕事をやめるなど、社会全体の効率を落とす。施設介護をランク付けしてでも、施設介護がいいと思う。【診療所】

・在宅介護には限界がある。結局、家族に負担を強いている。【民間病院】

・今のシステムでの在宅は不可能。家族の要求が総合病院並みの無茶。【民間病院】

・離島では、無理。サービスがないところから金だけとるのはおかしい。【診療所】

・一般市民、家族の理解、支援がないと在宅医療介護で家庭崩壊の危険がある。丁寧に多職種で包括ケアをする必要がある。【診療所】

・高齢者だけの家族や、独居の患者がどんどん増えていく中で、在宅に移行させていくことは無理がある。患者側の要求も下げて、グループホームのようなものの拡充が必要なのではないか。【診療所】

【看取りの問題】
・死生観を確立せずに家で死ぬようにと言っても無理がある。【診療所】

・在宅で看取りどころか、救急車で搬送され、病院で看取りが増えている。施設でも看取りをしない。在宅でも夜間は病院頼み!現実と理想が乖離している。【民間病院】

・在宅への看取りが前提で在宅への移行の紹介を受けることがあるが、詳細が不明なことがある。【診療所】

・在宅でも家族の介護力が低下しているので、看取りなどはとてもできない家族が多い。【診療所】

・全ての患者さんが在宅で最期を迎えるのは、無理だ。共働きの家庭や、未婚男性が母親を介護する家庭もあるが、専門家のそろっている、スタッフの多い病院でなければできないこともある。最近は、介護付き住宅などの老人がすぐに入院できなくて重症化することが多いように思う。【診療所】

【医療機関の在り方】

・一部事業者の囲い込みが生じている。例えば介護施設入所の際に系列医療機関の訪問診療を条件とするなど。【その他】

・当法人は医療系、社会福祉系の施設を多く持っているので、法人内では問題はなし。【民間病院】

・職務や権限を十分理解していないため、それぞれの連携が悪い。特に病院看護師が介護職に対して看護と同等のレベルを要求してしまい、間で困ったことがある。【公立病院】

・終末期を担う病院で、在宅への移行はほとんどない。行政の方針とは逆行するが、必要とされているかぎり存続を図りたい。【民間病院】

・自身で診察している患者に対して往診を行わない開業医あり。【診療所】

・入院先の病院からの情報提供が不十分な場合が多い。【診療所】

・地域包括ケアシステムは病院より開業医の姿勢の問題。病院と家の中間施設は必要と思う。【民間病院】

・診療所の対応能力を考えず、家族に言われるがままに在宅移行し、だから僻地や離島の医師が疲弊し、対応できない診療所で、そこの医師やスタッフが悪者にされるのはいかがなものでしょうか?【診療所】

【行政に対して】
・サービス給付の基になる、手帳類の利用について(身体、精神、療育など)の丁寧な説明を行政に求めたい。医療機関の施設基準についての説明もしかり。【診療所】

・行政が動かないと包括ケアシステムは出来ない。きれいごとを言っているが、つまるところ医療費削減。【診療所】

・行政の誘導がやや強引で利用者の十分な理解を得ていないこと。【公立病院】

【その他】
・まず飲んだり食ったり歌ったりすることが大事だとなぜ言わないのか。【診療所】

・施設より病院の自己負担が安いのはおかしい。【民間病院】

・小児を対象とするところが少ない。小児科を卒業してからの受け入れ先がない。【公的病院】

・障害児を含めた地域の連携が必要で、圏域で行う方がよい。【民間病院】

・小児の地域包括ケアが抜けていることに疑問がある。【診療所】

・医療費削減の国の方針の中で、各病院や各施設が利益追求に走りすぎている。【民間病院】

・努力に見合う診療報酬がない。【診療所】

・隣近所との付き合いが昔から濃厚な地域は良いが、地域全体で見守ろうと声がけしても、新しく構築するのは難しい。学童誘拐事件などが報道されると、隣近所に依存すること事態が問題にならないかと腰が引ける。また余計なお節介を嫌がる人も少なくない。【診療所】

・構想だけ、画を描くのが上手い医師会幹部、開業医がいる。【民間病院】

・指揮者が複数(医療の指揮者と介護の指揮者)おり、考え方も違うのでうまくいかないことがある。【民間病院】

・医療の場(患者生活圏)と自宅との基本構造は全て共通では無く、また、認知症の高齢者は、暗闇でも従来の動き方をすることを全スタッフに理解させてほしい。【民間病院】

・重症の場合の責任の所在が不明確になりやすい。【民間病院】

・円滑に進めるには収益にならない部分も大きく、個々の施設や個人の負担が大きい。【診療所】

・リハビリの介護施設と医療機関での併用が複雑。【診療所】

・介護職の待遇改善は急務である。【診療所】

・ケアマネの段階で情報が途切れることが多く。必要とする情報の差が大きい。【民間病院】



https://www.nikkansports.com/general/news/201709200000558.html
女性医師の4人に1人、過労死ライン超の時間外労働
[2017年9月20日18時4分] 日刊スポーツ

 日本医師会(日医)が病院勤務の女性医師を対象としたアンケートで、4人に1人が「過労死ライン」と呼ばれる月80時間以上の時間外労働をしていることが20日、分かった。

 約半数が休職、離職の経験があり、理由に出産、子育てを挙げる人が最も多かった。月80時間以上の残業がある女性は働く女性全体の3%程度で、女性医師を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになった。

 女性が医師全体に占める割合は約20%、近年は国家試験合格者に占める女性比率も30%を超えている。残業規制を柱とする政府の働き方改革が進む中、医師は5年間適用を猶予されているが、医師不足を加速させないためにも労働環境の整備が急がれる。

 調査は、2~3月にかけ全国の約8500病院を対象に実施。約1万人人から回答を得た。

 その結果、月80~100時間の時間外労働に相当する週60時間以上65時間未満の女性医師は全体の12%、月100時間以上の人が13%に上り、合わせて25%だった。救急や脳神経など100時間を超える人が30%近くいる科もあった。

 研修医が多い20代は21%が80~100時間、27%が100時間以上だった。宿直や緊急時の呼び出しがあるのは全体で62%、研修医が多い20代は93%だった。宿直翌日は全ての年齢層で70%以上が通常勤務をしていた。

 全体の38%に当たる3896人が小学校6年生までの子を子育て中で、「普段子どもの面倒を見ている人は誰か」という質問に「本人のみ」「本人と保育所など」と答えた人が最も多かった。

 さらに、38%が夫の育児参加を「不十分」「どちらかというと不十分」と回答。「全く協力しない」も5%いた。日医は「医療現場で男女共同参画や育児支援の意識は高まりつつあるが、家庭内ではまだ女性の負荷が大きいようだ」と指摘している。(共同)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201709/CK2017091802000136.html
【千葉】
47億円の赤字に 95年度以降最大 県立病院決算16年度見込み

2017年9月18日 東京新聞

 県は、2016年度の県立6病院の事業会計をまとめた決算見込みを発表した。純損益は47億円の赤字で、15年度の16億円と比べて3倍に拡大、1995年度以降で過去最大となった。
 収益合計は1.6%減の421億円だったのに対し、費用合計は5.5%増の469億円。純損益の赤字のうち、がんセンターが28億円。腹腔(ふくくう)鏡手術の相次ぐ死亡事故をきっかけに発覚した診療報酬の不正・不当請求で、返還費用約21億円を特別損失に計上したのが響いた。佐原病院の純損益は十億円の赤字。
 入院患者数は、がんセンターが3385人減の8万7738人、医師不足の佐原病院が3808人減の4万8711人。 (村上豊)



http://www.asahi.com/articles/ASK9F5KGCK9FUTFL00L.html
医師も患者も「コスト意識」不足? 無駄遣い指摘の声も
生田大介
2017年9月18日05時02分 朝日新聞

医療費は伸び続けるが、それをまかなう税収や給与は増えていない

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 高齢化と医療技術の進歩で増え続ける医療費をどう抑えるのか。8月に3回にわたって朝刊に掲載した「医療とコスト」の企画に、読者から多くの反響が寄せられました。その声の一部とともに、医療経済の専門家、医療経済研究機構所長の西村周三さん(71)の見方も紹介します。

■「タダだから」安易に

 寄せられた意見からは、増え続ける医療費を前に、「無駄遣い」を続けることへの危機感が浮かび上がります。
     ◇

●5年前、末期がんの父が延命治療を拒否し、私はそれを受け入れました。「ない袖は振れない」というのが私の基本的な考えです。たとえ自分や自分の身内であっても、ベッドの上で闘病生活を続ける時間を少しだけ延ばすために、高額の血税を投じて欲しいと要求する権利はないと思っています。ただし、それでは新薬の開発意欲が低下する、といった反作用はあるかもしれません。それに対しては、血税を投入しても、大学などの研究をもっと手厚く援助するべきだと思います。(大阪府・50代女性)

●私が問題だと思うのは、自治体によって違いますが、子ども医療費の無料化です。病院に行くと、少し鼻水が出た、少し湿疹が出た、など本当に病院に行く必要があるかわからない子どもが大勢います。子どもはすぐに病気になり、医療費が大変ということはわかりますが、無料ということで安易に病院にかかる親が多いのも事実です。医療費を1割でも0.5割でも負担することにして、少しでも出費があれば、不要な受診は控えると思います。今後ますます高齢化が進む中、互いに痛み分けをして少しでも長くこの医療制度が保てたらよいと思います。(岡山県・40代女性)

●費用対効果と言われても、それが命にかかわる場合、やはり割り切れないことも多い。本来受けられる治療を、自分なら断れるけど、それが親なら、子どもならと思うと複雑です。まずは無駄に使われているコストを削減するために、特に高齢者が、必要な薬を本当に飲んでいるか、効果はどうか、と一括管理してもらえる仕組みがあればいい。「保険診療で自己負担は多くないから、出された薬は何でももらう」という意識の改革も、高齢者を別の病気から救うことにもなると思います。(兵庫県・50代女性)

●入院中に同じ部屋だった60代の女性は生活保護の受給者で、がんとうつ病を患っていました。自分の死を穏やかに受け止めているすてきな方でしたが、時々、「飲んでないうつ病の薬がどんどんたまってしまうから捨てている。でも、生活保護で薬代がタダだからいいの」と話していました。記事では、生活保護を受給している人の医療費が無料であることが記載されていません。生活保護受給者を差別することが本意ではありませんが、医療費を押し上げる要因の一つであること、その受給者が増加している実態についても取り上げていただきたいと思います。(神奈川県・40代女性)

■薬を減らすどころか

 医療現場からも声が寄せられました。
     ◇

●私は開業医ですが、症状に合った最良の選択をし、それが高かろうが安かろうが、全く意識にありません。患者のコスト意識には、かつて実施されていた高齢者医療費無料化も影響しているのではないでしょうか。今頃になってコスト意識が低いと言われても、政府の責任転嫁としか思えません。簡単に「風邪薬を保険から外す」と言いますが、風邪と肺炎を誰が判断するのですか。市販薬を飲んでいて肺炎の発見が遅れ重症化したら、政治家が責任を持ってくれるのですか。(茨城県・60代男性)

●調剤薬局の事務をしています。いったん生活習慣病で薬を処方すると、大抵の医者は薬を減らす努力を患者と共にしていないと感じます。内科受診のついでに湿布70枚を毎月出し続けているというのも多数あります。日本の医療制度は本当に素晴らしいと思いますが、今いちどその制度が国民に支えられて出来ていることに気付いてほしいと思います。本当に病気で困っている人のために医療制度が崩壊しないよう、国民一人一人が自覚してほしいです。(神奈川県・50代女性)

●私が勤める整形外科のクリニックでは、内科や皮膚科、耳鼻科などの薬でも、患者が希望すればした分だけ処方します。患者が希望しなくても、太った人には「痩せるから」と漢方薬を出したり、中性脂肪値を下げる薬を「高級サプリメントだよ」と言って処方したりします。誠実な医師もいますが、患者をお金としか思っていないような医師もいます。患者の側も、医師に言われるがまま検査を受け、診療明細書も見ないのでは、他人任せすぎると感じます。(神奈川県・30代女性)

■医師と患者、コスト話し合って 西村周三・医療経済研究機構所長

 欧米では「シェアード・ディシジョン・メイキング(shared devision making =共有意思決定)」という取り組みが広がっています。医師と患者が診察の場で、お金のことも含めて相談する。「これお金がかかるけど、どうする? 我慢する?」といった感じです。

 一方、日本では医師からの一方的な説明になりがちで、反論できる患者はあまりいない。医師がコスト意識を高め、もっと患者と話し合うべきです。例えば、腎臓病を治療する透析を受ける患者は30万人以上いて、1人あたり年500万円程度かかる。糖尿病も原因の一つですが、医師が「予備軍」の患者に透析の費用を伝えると、健康管理をする人が増えたという話もあります。

 抗がん剤など高額な薬も問題になっていますが、(薬の効果を調べる)治験の対象は現役世代が多く、75歳以上に本当に効くのか十分にわかっていません。抗がん剤を投与するより、緩和ケアなど精神面も含めたケアを受けながら生きる方が、高齢患者にとってより良い生活を送れる可能性があります。その結果、医療費が減るかもしれません。

 ただ、現役世代の人に対しては、高額な薬でも保険で使える状態を維持しておくべきです。公的保険の意義は、患者の負担が過度に大きくなるのを抑えること。だから、例えば風邪で診察を受ける場合は、逆に自己負担率を今より高めてもいい。

 財源としては、働けない高齢者にも負担を求める消費税の税率をある程度上げざるをえません。高齢者は資産を持っている人も多いので、資産課税の強化も必要になってくると思います。(聞き手・生田大介)

■西日本、医療費多い傾向

 医療費には地域差があります。

 年齢構成の違いを調整した1人あたりの医療費を都道府県別に見ると、2015年度に最も多かった福岡県は64.1万円。最も少ない新潟県(46.6万円)の1.4倍近くになりました。

 厚生労働省の分析では、西日本は多く、東日本は少ない傾向があります。5位の北海道を除き、九州、四国、中国地方がトップ10を占めました。

 医療費の多い地域は医療機関のベッド(病床)数が多く、平均的な入院日数も長くなります。在宅での死亡率は低い傾向にあります。例えば医療費が全国2位の高知県は、10万人あたりの病床数が約2700と全国平均の約2倍、最も少ない神奈川県の約3倍にのぼりました。厚労省は、都道府県ごとの病床数を適正な水準に抑える施策を進めています。

 高齢者の医療費が多い地域は介護費も多いという分析もあり、食事や運動など生活習慣の改善が重要だと指摘されています。そのため厚労省は、特定健診の実施や糖尿病の重症化予防などを進めた自治体に対する財政支援を手厚くする制度を18年度から本格的に始める予定です。

■都道府県別の医療費ランキング(2015年度、1人あたりの年額)

【多い順】
1位 福岡県 64.1万円
2位 高知県 63.7万円
3位 佐賀県 62.7万円
4位 長崎県 62.0万円
5位 北海道 61.1万円

【少ない順】
1位 新潟県 46.6万円
2位 千葉県 47.7万円
3位 静岡県 47.8万円
4位 岩手県 47.9万円
5位 栃木県 48.2万円

※厚生労働省の資料から。国民健康保険と後期高齢者医療制度の合算。年齢構成の違いは調整している。全国平均は53.7万円

     ◇

 日本では効果があればどんな薬でも保険適用される――。予算上、使える薬に制約がある英国で、患者団体の代表にそう話すと「天国のように思えるけど、みんなの負担を考えると……」と困惑しました。一方、日本では負担に関する意識が薄いと感じます。読者からも医師や患者のコスト意識の低さを指摘する声が多く寄せられました。私の家にも、子どもが無料でもらって使い切らないままの薬が多くあります。自らのこともかえりみながら、医療とコストについて今後も考えていきます。(生田大介)

◆ほかに伊藤綾が担当しました。



https://www.m3.com/news/general/558656
市民病院計画、初の住民投票へ 滋賀・野洲市議会で可決
地域 2017年9月21日 (木)配信京都新聞

 JR野洲駅前の野洲市民病院計画の是非を問う住民投票発議案について、滋賀県野洲市の山仲善彰市長が審議をやり直す再議を求めたことを受け、同市議会は20日の定例会本会議で改めて発議案を賛成多数で可決し、住民投票の実施が決まった。同市での住民投票は2009年12月の条例制定後、初めて。

 住民投票で問うのは「野洲駅南口市有地に市民病院を整備することについて」。定例会閉会後の25日に山仲市長が実施予算を専決処分し、市選挙管理委員会が日程を決める見通し。10月22日投開票予定の市議選後となる公算が大きい。

 市民病院は民間の野洲病院の経営悪化を受け計画。立地や運営形態を巡り市議会で反対の声が上がり、関連予算案が5度否決された。計画は基本設計の段階でストップしている。

 住民投票は山仲市長が「住民コンセンサス(合意)を得るべき」との意見を受けて実施を目指したが、6月定例会で付帯決議が可決され発議を見送った。8月定例会で反対派議員らが発議を提案し、今月6日の本会議で可決。市長が市議選の結果によっては意見の相違が解消されることなどを理由に再議を求めた。

 この日の本会議は市長が再議の提案理由を説明し、議員の反対、賛成討論のあと、採決で再び賛成11、反対7で可決した。



https://www.m3.com/news/general/558368
北村山病院分娩問題、支援の方針を確認 山形蔵王協議会の臨時総会
地域 2017年9月20日 (水)配信山形新聞

 山形大医学部と関連病院でつくる蔵王協議会(会長・嘉山孝正山形大医学部参与)の臨時総会が19日、山形市の同学部で開かれた。北村山公立病院(東根市)が来春から分娩(ぶんべん)扱いを休止することに関して、嘉山会長は「(協議会として)情報を共有しながら応援していく」と述べ、北村山地域を含む周辺の周産期医療体制を支援する方針を確認した。

 北村山公立病院は東根、村山、尾花沢、大石田の3市1町でつくる組合が設置主体。嘉山会長は管理者の土田正剛東根市長と13日に対応を協議し、来春以降について、妊婦健診は同病院が引き続き担うことや、分娩は医療体制が整った協議会加盟の総合病院などで扱うため協議会の情報網を生かしたシステムを構築する考えなどを共有している。協議会に先立ち、山形大学地域医療医師適正配置委員会でもこの方針を了承したという。

 この日は約200人が出席。日本専門医機構が来年度から始める新専門医制度の制度設計に関し、10月からの専攻医1次登録の開始に合わせた本県の研修体制なども説明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/557679
「医師は社会性に欠けるのか」、全日病学会
シンポジウム「医療の社会性をデザイン」で議論

レポート 2017年9月17日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 9月10日に金沢市で開催された第59回全日本病院学会のシンポジウム「医療の社会性をデザイン」では、「医師の社会性」という切り口で、ディスカッションが展開された。

 「医師になりたくて、医師になった人がどのくらいいるのか」

 こう問いかけたのは、慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏。バブル経済が崩壊した1990年代以降、医学部の偏差値が上がり、「成績が良かったから医学部に入学という学生が増えたと考えられ、社会性を求めるのは、昔より難しくなってきたのでないか」と見通した。

 社会医療法人河北医療財団理事長の河北博文氏も、「医師が社会性に欠けるというより、社会性に欠けた人が医師になっていると考えた方がいい」と指摘し、米国のようにリベラルアーツ等を学んだ後に、メディカルスクールに進学するなど、医師養成課程の多様化を提案。

 これに対し、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授の渋谷健司氏は、「今の医学生はすごく真面目であり、昔の先生の方が社会性がなかったのではないか」との見方を示し、「大事なのは、学生が求めているものを教える側が提供していくこと」と述べ、教育の重要性を訴えた。

 厚労省医政局長の武田俊彦氏も、民間病院とは異なり、公的病院では「病院長になって、初めて経営を考えた」という医師がいると聞き、「それまで社会との関わりを学ぶ機会がないことに驚いた」と言い、学びの場が求められるとした。

 ディスカッションは、医学部の偏差値問題にも発展。権丈氏は、「社会が複合的に変化する中で、偏差値が高い学生が医学部に集中したり、医師を目指したいが、地方の高校生が医師になれない社会が本当にいいのか」と問題提起。渋谷氏は、「偏差値を指標に大学を選ぶ国は、日本と韓国くらいではないか」と述べ、例えば米国では、教育内容、卒業生の就職先や初任給などを指標に大学が選択されており、「偏差値を重視し、それによって志望大学が変わること自体がおかしい」と指摘した。

 そのほか、武田氏が、「大学の問題だけでなく、医師が社会人になった後、どんな人と付き合うかも重要ではないか」などと述べ、三師会など医療界内だけでなく、さまざま立場の人とより良い関係性を作る大切さなど、さまざまな視点から医師の社会性が議論された。

 ディスカッションに先立つ4人のシンポジストの講演では、医療の社会性、また医師が社会的存在であることがさまざまな視点から論じられた。その主な発言は以下の通り。


第59回全日本病院学会のテーマは、「大変革前夜に挑め!今こそ生きるをデザインせよ」。「デザイン」をテーマにさまざまなプログラムが企画された。

社会医療法人河北医療財団理事長の河北博文氏
 キリスト教的社会では、「プロフェッショナル」とは、神学、法学、医学を習得した人を指す、つまり「神から人の命の判断を預けられた存在」に当たる。元日本医師会長の武見太郎氏が設立した、米ハーバード大の武見国際保健プログラムは、「School of Medicine」ではなく、「School of Public Health」に置かれた。「メディスンは基礎科学、自然科学を学ぶ場。パブリックヘルスは、社会から政治など全てを包括して学ぶ場」であり、医療と社会の結び付きの表れと言える。

厚労省医政局長の武田俊彦氏
 過去には病床規制、最近の施策としては地域医療構想などに見られるように、医療提供体制は自由放任ではなく、一定の仕組みの中で構築されてきた。地域医療構想は、民間も含め、合法的に医療の在り方を話し合う仕組みであり、他の分野にはあまり例がない。2013年の日本医師会・四病院団体協議会合同提言でも、治療だけでなく、地域包括ケアシステムの実現なども機能として位置付けていることから、かかりつけ医や病院を社会的存在と捉えていることが分かる。
 医師養成のコストも社会が負担しているが、医学部定員を増やしても、医師偏在は改善しないと言われていることから、自由開業医制とのバランスで、どんな議論ができるかを考えていかなければいけない。新専門医制度にも社会性が求められ、行政はプロフェッショナルとしての医師の自主性を最大限尊重するとともに、地域医療に責任を持つ立場から関与していく。

慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏
 (2013年8月の)社会保障制度改革国民会議の報告書に基づき、医療提供体制、医療保険制度、「地域医療構想の医師配置版」としてのマンパワーの改革は、「三位一体」で進む。(自身が構成員を務める)厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の2016年9月の会議で、「医師というのは、ガス、水道、電気に似ている。無いと皆が生活できない」「ニーズと提供体制がマッチするなら政策介入は必要ないが、ギャップが生まれるならば、ガス、水道、電気のような形で政策を展開しなければならない」と発言した。2015年12月の日本医師会・全国医学部長病院長会議の「医師偏在解消策検討合同委員会」でも「問題解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならい」としている。
 医師偏在対策は、医学部の「地域枠」を地元出身者が多く占めるようにするなどの方法が考え得る。また医学部ばかりに優秀な人が来て、他の分野に行かなくていいのかという問題もある。一方で医学部の中でも多様性が必要なことから、社会全体のマンパワーの在り方も、社会性というテーマの中で考えていかなければならない。

東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授の渋谷健司氏
 最古のプロフェッショナルは、聖職者、調停者・弁護士で、「神にprofessする存在」から「社会にprofessする存在」に変化している。(自身が座長を務め、2015年に報告書をまとめた)「保健医療2035」のキーメッセージの一つが、「保健医療は社会システムとして進化させる」ということ。
 医学教育も、1900年代は学ぶ対象はサイエンスで、学ぶ場は大学だったが、1970年代は関連施設などで仮説を立て問題解決の手法を学ぶ教育に変わった。2000年代には保健システムを学ぶことが目的となり、教育の場も多様化しており、その観点から医学教育を再編成しなければいけない。
 医師数の問題についても、「医師不足⇒医師を増やす」「医師偏在⇒医師を強制配置する」といった問題の裏返しを答えにするのではなく、医師が地方に行かない理由を解決して「土壌」を耕すことが必要だが、それをせずに医師を地方に行かせても問題は解決しない。医師をどのように養成し、どのように配置するかについて、知恵を絞って考えることが必要。



http://www.asahi.com/articles/ASK9J3DR1K9JUBQU005.html
匝瑳市民病院が建て替えへ 議会からは異論も
福田祥史
2017年9月16日20時30分 朝日新聞

 千葉県匝瑳市が運営する国保匝瑳市民病院(110床)の建て替え案が公表された。現病院の近くに約59億2千万円をかけて建設し、2022年度の開院を目指すとしている。ただ、建設地などをめぐり、市議会からは異論も相次いでいる。

 市の検討委員会が、建て替えの基本構想案と基本計画案を今月1日に公表。10月1日まで市民から意見を募るパブリックコメントを実施している。

 計画案では、新病院は一般病床70、地域包括ケア病床30の計100床とし、現病院の北約400メートルにある市の介護老人保健施設の隣接地に、地上3階一部4階建てで建設するという。

 同病院は1958年に旧八日市場市が開設した。JR八日市場駅の北西約2キロの山間部にあり、最も古い建物は71年建築で、大地震の際に倒壊の危険があるとされるなど老朽化が進む。市は有識者らによる委員会の提言を受け、15年に建て替え方針を決定。市民や病院関係者らによる検討委員会をつくり、計画案などの策定を進めてきた。

 公表された案に対し、今月14、15日の市議会一般質問では、これまでに市議から「八日市場駅南側への建設も検討を」などとする意見があったことも踏まえ、「案を見ると市民はあの場所しかないと思ってしまう。意見誘導だ」「我々の意見は論議されたのか」など厳しい声が上がった。

 市側は「あくまで検討委の提案。答申後に議会の意見も聴きながら検討していくことになる」と答弁したが、市議からは「議会としての見解を出さないといけない」との意見も出た。

 16年度決算によると、同病院の収支は1億1689万円の赤字。一般会計からの繰入金4億4814万円を除くと実質的には5億6503万円の赤字だった。医師不足も深刻で、01年度に22人いた常勤医が、現在は8人になっている。



https://dot.asahi.com/dot/2017091400070.html
医局トップでも「手取り40万円代」 大学病院の権威低下で広がる"副業"のカラクリ
連載「メディカルインサイト」
上昌広2017.9.15 07:00 dot.#朝日新聞出版の本#病院 AERA

 東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。だが、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、「副業」がはびこる医療界の現状について解説している。

*  *  *
 医局員だけでなく、医局のトップである教授も副業に勤しんでいます。首都圏の私大の教授を務める50代の外科系医師は、「給料は手取りで40万円台です」と言います。

 教授職にある彼も、毎週大学以外の病院で診療しています。アルバイト料は若干高いかもしれませんが、診療のアルバイトをしているという点は普通の医局員と変わりません。

 ただし、教授には、医局員ではできない副業があります。それは、医師派遣の斡旋です。

 日本のほとんどの民間病院は、大学医局から派遣される医師によって診療されています。大学の医局に所属する医師を招聘し、民間病院は最新の医療技術を導入してきました。大学医局と民間病院の人的交流は、地域医療の向上に大きな貢献を果たしてきたのです。

 大学病院は、あくまでも教育・研究・診療機関であり、人材派遣会社ではありません。法的には、大学病院が人材派遣により利益を得ることは認められていません。ただし、これは建前であり、両者の関係は時に不適切なものになります。都内の病院経営者は「外科医などを常勤で派遣してもらえば、億単位の売上が期待できる。教授に数百万円戻しても十分に元はとれる」と言い切ります。

 教授職に対する医局員派遣の見返りは、「顧問料」や「奨学寄附金」です。こうやって、医局を仕切る教授たちは「不労所得」にありつきます。

 教授の立場に立てば、給料が固定している大学で診療するより、関連病院での診療にウェイトを置いた方が儲かる。大学のガバナンスを考える上では、由々しき問題です。

 教授は、大学病院の経営陣という立場と、医局のトップという2つの立場を有します。

 大学病院の経営の立場からは、勤務医は安い給料で、できるだけ働いてもらう方がありがたい。一方、勤務医は、できるだけ待遇がよくなることを望みます。

 医局のトップとしての教授は、「医局員のエージェント」としての役割を担っています。医局員に投資し、成長させ、彼らをできるだけいい条件の関連病院に派遣する方が、利益が上がるからです。

 つまり、病院と教授の関係は、株式会社と取締役という側面と、興行主と芸能プロの社長のような側面があります。前者では教授は経営陣の一員ですが、後者では病院は取引相手です。教授の果たすべき役割は全く違います。

 これまで、これが問題にならなかったのは、大学に権威があったからです。山崎豊子さんの『白い巨塔』で描かれたように、医師が大学教授を目指して激しく競争する状況なら、大学は何もしなくても優秀な人材を確保することができたでしょう。

 ところが、昨今、大学病院の権威は低下しつつあります。首都圏では大学病院よりも専門病院を志向する医師が増えつつあります。がんならがん研有明病院、国立がん研究センター、循環器なら榊原記念病院、甲状腺なら伊藤病院という具合です。

 さらに、診療報酬が下がり、首都圏の大学病院は経営難に陥り、これまで医局に依存していた医師もキャリアを自分で考えなければならなくなりました。大学病院に勤務することは選択肢の一つに過ぎません。大学病院の経営と医師個人の利益が両立しないこともあります。大学教授の役割も、病院経営者と医局員のエージェントとの間で揺れ動いています。

 米国では、両者の立場は比較的明確に分かれています。日本の「勤務医」のような存在は少なく、医師は独立した事業主で、自らの患者を入院させるときには、個別に病院と契約します。このため、入院治療を受ける患者は、病院と主治医それぞれに治療費を支払います。前者はホスピタル・フィー、後者はドクター・フィーとして区別されています。

 今後、首都圏では大学病院の経営は悪化する一方で、医師の希少価値は高まるでしょう。大学教授は自らの病院で診療して稼ぐより、医局員のエージェントとしての側面を強めていくでしょう。これが大学病院の無責任体制を悪化させるのは言うまでもありません。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋



http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20170921347404.html
紫雲寺診療所、来春閉院
新発田市 医師の確保困難

【医療】 2017/09/21 14:02  新潟日報

 新発田市は20日までに、同市真野原の国保紫雲寺診療所の診察を来年2月に終了し、3月末で閉院する方針を決めた。診療所でただ一人の常勤医師の診療所長が来年3月末で退職する予定。後任の医師確保が困難なことや、近隣の民間医療機関で地域医療機能をカバーできることなどを理由としている。

 紫雲寺診療所は、明治時代に旧紫雲寺村などが整備した伝染病隔離病院が前身。1950年に国民健康保険診療所として再発足した。旧紫雲寺町が診療所と特別養護老人ホーム、保育園と一体化した複合施設として整備し、合併後は新発田市が診療所を運営している。

 現在は内科と心療内科があり、常勤医師1人と看護師3人が勤務している。

 診療所によると、延べ受診者数は2006年度には約1万7千人だったが、16年度は約8千人に減少。近隣にも民間医療機関があることから患者数が低迷し、実質的に赤字経営が続いていた。

 市は7月に地元住民らに診療所閉院を検討していると伝えた。出席者から意見などなかったことから「理解が得られた」としている。患者や予防接種などの利用者には、診療所内などで周知し、近隣の医療機関を紹介するなどして混乱がないよう対応する考えだ。



http://www.medwatch.jp/?p=15866
医師の勤務実態を精緻に調べ、業務効率化方策を検討―医師働き方改革検討会
2017年9月21日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師における「罰則付きの時間外労働上限規制」の特例を検討するにあたり、当面、「医師の勤務実態の精緻な把握」「労働時間の捉え方」、「勤務環境改善策」、「医療の質や安全性、健康との関係」などを議論していく—。

 9月21日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」では、こういった方針を固めました(関連記事はこちら)。年明け(2018年)早々に「今後の医師の働き方の在り方」に関するいくつかのシナリオを盛り込んだ中間整理を行い、それを2020年度以降の医学部定員の検討につなげ(医師需給分科会で議論)、さらに特例に関する議論などを深め2019年3月に報告書を取りまとめることになります。

ここがポイント!
1 病院の種類で医師の働き方がどう異なるのか、詳細に調査せよとの要請
2 救急・産科医療をどう確保するのか、国民への「適正受診」の勧奨も重要課題


病院の種類で医師の働き方がどう異なるのか、詳細に調査せよとの要請

医師も「罰則付きの時間外労働の上限規制」(▼1か月当たり45時間・1年当たり360時間の上限を違反した場合には罰則課す▼労使が合意しても年720時間(月平均60時間)の上限を超えてはならない▼労使合意による特例の上限を、2か月から6か月の平均で80時間以内、単月で100時間未満、年6回までとする)となることが決まっていますが、医師には応召義務(医師法第19条)が課されるなどの特殊性があるため、検討会で「規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策」などを議論します。

厚生労働省は▼10-12月に医師の勤務実態や勤務環境改善策などを議論する▼年明け(2018年)1月に中間整理を行う(結果を踏まえて、医師需給分科会で2020年度以降の医学部定員を検討する)▼検討会で引き続き、働き方改革について検討し、2019年3月目途に報告書を取りまとめる—という大きなスケジュール案を示しました。

さらに、8月2日に開催された初会合の議論を受け、今後の論点として(1)医師の勤務実態の精緻な把握、労働時間の捉え方(労働時間への該当性や宿直・研究活動の扱いなど)(2)勤務環境改善策(タスクシフト、タスクシェア、AIの活用、勤務環境改善支援センターの機能強化など)(3)整理が必要な事項(応召義務、医療提供体制の確保、国民の理解)(4)時間外労働規制の在り方(上限の在り方、医療の質・安全性確保など)―を例示しています。
 
このうち(1)で「勤務実態の把握」については、今年(2017年)4月に公表された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査、昨年12月に実施)結果があり、例えば▼医師の39%で週当たり勤務時間が60時間を超え、ほとんどが病院勤務医である▼診療科によって勤務時間や、その内訳は多様である▼当直回数が5-8回のケースと9回以上のケースとを比べると、「待機時間」に大きな差がある(診療時間や研究などの診療外時間に大きな差はない)▼大学病院では勤務時間、とくに研究などの診療外時間が他病院より長い傾向にある▼20-40代で子供のいる女性医師では勤務時間が比較的短くなる—といった状況が明らかになりました。
時間外労働が60時間を超える医師が4割弱おり、そのほとんどは病院勤務医である(10万人調査結果から)(図 略 )

診療科によって、時間外労働60時間となる医師の割合は異なる(10万人調査結果から)(図 略 )

月あたりの宿直回数が5-8回と9回以上とを比べると、診療時間・診療外時間に大きな差はないが、9回以上では待機時間に大きな差があるようだ(10万人調査結果から)(図 略 )

大学病院では、研究などの診療外時間が多く、結果として勤務時間が長くなっているようだ(10万人調査結果から)(図 略 )

10万人調査における、診療時間・診療外時間・待機時間・勤務時間の定義。「労働時間」とは異なる(労働時間のほうが短くなる)(図 略 )

 
過去最大規模で詳しく行われた「現時点で最良のエビデンス」(渋谷健司構成員・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)となる調査結果ですが、例えば診療外時間となる研究が、自発的に行われたものなのか、管理監督の下で行われたものなのか、などは明らかになっていないという限界もあります。このため、今村聡構成員(日本医師会女性医師支援センター長)らは「勤務実態をより詳細・整理に把握するための調査」を行うよう要望。厚労省は「検討する」との答えにとどめていますが、例えば「大学病院と地方の一般病院とで、研究時間にどのような差があるのか」などをタイムスタディ形式で調べることも視野にいれた新調査設計が検討される見込みです。この点、山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院院長)も「現在の医療提供体制、とくに救急・産科において、どれだけの時間外勤務に依存しているのかなどが見えるようにしてほしい」と強く求めています。
同じく(1)の労働時間の捉え方では、例えば「学会発表のための研究・資料作成」が労働時間にどこまで含まれるのか、「宿直」のうちどの部分が労働時間に含まれるのか、などを検討することになります。現在、「宿直許可基準」では▼宿直の中で行われる業務は、定時巡回・少数の要注意患者の定時検脈・検温など、特殊の措置を必要としない軽度・短時間のものに限る▼応急患者の診療、出産などで昼間と同態様の労働従事が状態のものは許可しない—といった例示をしていますが、さらに具体的な例示に向けた検討なども行われる可能性があります。

医師の宿直に関する規定・考え方(図 略 )

救急・産科医療をどう確保するのか、国民への「適正受診」の勧奨も重要課題

 また(2)の勤務環境改善に関しては、▼特定看護師の活用なども含めたタスクシフト・タスクシェアの推進▼AI・ICT・IoTの活用―などによる業務効率化、▼勤務環境改善支援センターの機能強化▼労働時間管理(経営管理)▼女性医師の活躍支援—といった方策などを幅広く議論します。

 この点について山本委員は「例えば大学病院では積極的な研究が必要となる」点を強調(このために勤務時間が他病院よりも長くなる)。タスクシフトを含めた『業務の効率化』なども積極的に議論すべきと訴えています。


大学病院では、研究などの診療外時間が多く、結果として勤務時間が長くなっているようだ(10万人調査結果から)(図 略 )

 なお業務効率化に関しては、今村構成員らから院内会議・文書作成の効率化・簡略化を求める声が出ています。診療報酬改定に向けた議論でも、こうした指摘がなされており、2018年度の診療報酬改定における対応にも期待が集まります(関連記事はこちら)。
 
 (3)の整理が必要な事項では、▼応召義務の在り方▼医療提供体制確保との関係▼国民の理解—という難しいテーマが列挙されました。

 医師法第19条には応召義務(診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない)が定められおり、これが長時間労働を招く大きな理由の1つとなっています。この点、渋谷構成員は「時代にあった応召義務を検討することも必要かもしれない」とコメント。「国民の理解」とも関係しますが、例えば夜間の救急外来に極めて軽症の患者が来た場合にも「応召義務」があるために当直医が対応しなければならないのか、いわゆる「適正受診の啓発」というテーマにも真正面から検討が行われる見込みです。

また「医療提供体制確保」に関して岡留健一郎構成員(福岡県済生会福岡総合病院名誉院長、日本病院会副会長)は「とくに救急医療、産科医療における時間外労働が重要テーマになる」と指摘。重点的な議論を要請しています。

 
さらに(4)では「時間外労働規制の上限の在り方」や「医療の質・安全の確保」などが論点として挙げられていますが、馬場武彦構成員(社会医療法人ペガサス理事長)や渋谷構成員、今村構成員らから「新たな裁量労働制」も検討してはどうかとの意見が出ています。

現在でも教授研究業務に従事する医師には「専門業型裁量労働制」を適用することが可能ですが、時間配分の決定を自身で行えない臨床医は「裁量労働制の適用に馴染まない」とされています。しかし、渋谷構成員や今村構成員は、医師の働き方が多様化する中で「例えば特殊な技術を持ち、自身の裁量で時間配分を行える臨床医もいるのではないか。新制度検討の余地は残しておくべきである」と要望しています。今後、おそらく年明け(2018年)に検討テーマの1つとなる可能性があります。

 

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/213884
決算書でわかる有名病院のフトコロ事情
7校のうち6つが黒字決算 私立医科大学は儲かっているのか

2017年09月20日 by 永田宏  日刊ゲンダイ

 大学付属病院は、教育施設という位置付けになっています。そのため課税対象外となっています。国公立大学の多くが1病院か、せいぜい2病院しか持っていないのに、私立の医科大学が3ないし4病院を開設していることに、ある種の違和感を覚える人が多いかもしれません。金儲けに走っているのでは、という批判もあります。
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 しかし、各大学の決算書を見ると、そうではないことが分かります。2016年度の事業活動収支を<表>にまとめました。関東の7つの私立医科大学のうち、6校までは黒字決算になっています。埼玉医大の黒字額は約109億円、業績好調という印象を受けます。しかし他大学の黒字幅は決して大きくありません。独協医大はわずか1・3億円、日本医大は5・5億円ほどにとどまっています。

 医学部には金がかかります。入学定員はせいぜい120人ほどに過ぎませんが、教えることが多いため、多くの教員を抱える必要があります。しかも設備・備品などは、常に新しいものに更新していかなければなりません。学生が何万人もいる総合大学なら、医学部の負担を全体でならすこともできますが、単科の医科大学には無理な相談。代わりに複数の付属病院を持つことによって、なんとか帳尻を合わせているのが実情です。そうでなければ学費を6年間で1億円も取らなければ、採算が合わないでしょう。つまり、私立医科大学の付属病院は、日本の医師供給の何割かを支える、裏方の役割を担っているというわけです。

 東京女子医大は22億円の赤字に終わりました。前年度に特定機能病院の指定が取り消されたことが、付属病院の収入に影響したといわれています。特定機能病院は一般病院よりも、入院基本料などの診療報酬が高めに設定されています。国や自治体からの補助金・委託金も多めに入ってきます。また臨床研修医を集めやすいというメリットもあります。取り消しによってそれらの特典が失われたことと、風評による患者数の減少などが重なったことが響いたのでしょう。

 しかし、名医が揃っている上に、循環器・リウマチ・神経疾患・血液疾患などで定評があり、信頼を取り戻しさえすれば、すぐに経営を立て直すことが可能でしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558214
医師の働き方改革とキャリア
医師の働き方改革、「究極的には医療産業改革」
小西・関東労災病院経営戦略室室長、医療・病院管理学会で講演

レポート 2017年9月20日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 関東労災病院(川崎市中原区)経営戦略室室長・救急総合診療科科長の小西竜太氏は、9月18日に東京都内で開催された第55回日本医療・病院管理学会学術総会のパネルディスカッション「働き方改革の未来~医療者についてはどのようか~」の基調講演で、医師の働き方改革は究極的には「医療産業改革」につながり、医師の専門特性に応じた「働き方の多様性」を導入するなど、医療の生産性向上を進める必要性を強調した。

(図)(提供:小西氏)(略)

 「医療産業改革」に発展させず、時間外労働の上限規制や応招義務の見直しなど、表面的な対応にとどまっていたのでは、「将来の需要増に、“現有の労働力”では対応できない」とし、医療の衰退に陥る懸念を呈した。「医療産業改革」には、「労働力確保」「資本投入」「生産性向上」の方策がある。そのうち最も全国レベルでの実行可能性が高いとしたのが、ICT活用などのイノベーションの推進と診療体制の改革などの「生産性向上」。

 診療体制の改革の一つとして、小西氏が提案したのは、医師の専門特性に応じた「働き方の多様性」の導入。医師の働き方は、「空間固定的か、否か」「24時間対応が必要か、時間的に自由裁量があるか」の2軸で分類が可能とし、それに応じて「通常労働」「変形労働時間制」「裁量労働時間制」「シフト勤務」など、多様な働き方を認めていくべきと提言した。

(図)(提供:小西氏)(略)

 診療体制の変革については、「単独主治医制」に代わり、「複数主治医制/グループ診療制」の導入、医師から他職種へのタスク・シフティングなども提案。小西氏が属する関東労災病院救急総合診療科は、スタッフ医師と研修医数人で「複数主治医制/グループ診療制」とし、「ICU、HCU、病棟:20~30床」を24時間365日カバーしているという。

 基調講演後のディスカッションでは、小西氏の提案は支持しても、日本は少数医師体制の中小病院が多いことから、複数主治医制などの実現可能性を問う声も上がった。

 これに対し、小西氏は、「遠隔ICU」(集中治療医が、ネットワークを介して地域のICUにいる医師の診療支援を行う仕組み)などの例を挙げ、ICTの活用など、発想を変えて行けば対応は可能であるほか、小児科や産婦人科では複数主治医制の導入例が現に増えていると説明。「一番の抵抗勢力は医師」と指摘し、外科などメジャーな分野、また大学などで変革を進めれば、5年、10年と時間はかかるものの、全国に改革のうねりが広がっていくとした。

 さらに小西氏は、米国で医療安全の議論が進んだのは、「ダナ・ファーバー事件」(1994年にあるジャーナリストが抗がん剤の過剰投与で死亡した事件)であったことを挙げ、「残念ながら改革は、不幸な事件をきっかけに進むことが多い」と述べ、それを避けるためにも「医療産業改革」を進める大切さを説いた。

 本学術集会の会長で、パネルディスカッションの座長を務めた、労働者健康安全機構理事長の有賀徹氏も、小西氏の提案を支持、医療界が総力戦で「医療産業改革」を進める必要性を強調した。

「病院勤務医、約25%の減少に相当」
 小西氏の基調講演の内容は、政府が「働き方改革」を進める背景や医療へのインパクト、「働き方改革」に対する総論的打ち手、応招義務の問題など、多岐にわたった。

 まず医師の「働き方改革」は、診療報酬改定、医療計画、地域包括ケアシステム、地域医療構想、新専門医制度、医師偏在・需給問題など、現在進行形の改革の全てに影響し、「難しい舵取りが迫られる」と指摘。

 政府が2017年3月にまとめた「働き方改革実行計画」の内容は多岐にわたるが、中でも「時間外労働の上限規制」によるメリットとデメリット、「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」による医療界へのインパクトについて説明。後者については、特に非正規雇用が多い看護師での取り扱いが問題になるとした。

(図)(提供:小西氏)(略)

 「負の病院人材連環図」
「働き方改革」に対する総論的打ち手として、「医療産業改革」の必要性を挙げたのは、「時間外労働の上限規制」ばかりに目を向けていたのでは、下図のように負の連鎖に陥る危険性があるからだ。

(図)(提供:小西氏)(略)

 女性医師、高齢医師の活用も視野に
 「医療産業改革」を進めるに当たって、全国レベルで実行可能性がある施策として、「労働力確保」では女性医師や高齢医師の活用など、「資本投入」では医療産業外からの投資など、「生産性向上」ではイノベーションと診療体制の改革などをそれぞれ挙げた。

(図)(提供:小西氏)(略)

 診療体制の改革として、前述のように医師の専門特性に応じた「働き方の多様性」の導入を提言したのは、専門特性によって「時間」と「空間」で見た働き方が異なり、一律のルールを当てはめるのは難しく、非効率の場合もあるからだ。「通常労働」以外に、「変形労働時間制」「裁量労働時間制」「シフト制」など、多様な勤務体制を検討すべきとした。

 小西氏は応招義務の問題にも言及。歴史的経緯を見ると、明治・大正期において救急医療の担い手だった開業医に対する法令として始まったものの、今は救急医療の担い手が病院中心に変わっていることから、「現代の医療体制に合わせた応招義務に転換すべき」と提言した。

(図)(提供:小西氏)(略)

医療観、個人の責務を混同すべきではない」と指摘。「国家・行政による法の解釈」と「職能団体による綱領・規範」とは分けて考える必要性も強調し、講演を締めくくった。



https://www.m3.com/news/general/558066
【北海道】休診の納内診療所、再開見通せず 深川市、前院長と運営費巡りトラブル
地域 2017年9月20日 (水)配信北海道新聞

 【深川】深川市郊外の市立納内(おさむない)診療所が、市と前院長(52)の対立で6月に休診してから3カ月がたった。地方での医師確保が難しさを増す中、市は好待遇で前院長を招いたものの、契約の解釈を巡り両者に亀裂が入った。診療所経営への市のチェックが甘かったとも指摘され、後任医師の確保にも課題を残している。

 「市民の財産を立ち会ってチェックするのは公務員の『いろは』でないか」。6日の市議会一般質問で、診療所に対する市の管理体制をただす声が上がった。

 開設から70年以上たつ納内診療所は市中心部から約7キロ離れ、2016年の年間患者数は延べ約5千人。人口約1800人の過疎地域で1次医療を支えてきただけに、突然の休診に住民の間には困惑が広がる。



https://www.m3.com/news/general/558052
「かつらお診療所」11月再開へ 田村医師会協力、複数医師派遣
地域 2017年9月19日 (火)配信福島民友新聞

 内科医不在となっている葛尾村は、村唯一の医療機関「かつらお診療所」で内科診療を再開させる。田村医師会が医師派遣で協力し、11月の再開を目指す。15日開催の村9月議会で関連条例案が可決された。村は医療環境を整え、住民の帰還につなげたい考え。

 かつらお診療所は村が建設した。震災以前は田村市の男性医師1人が診療していたが、震災後、90歳を超える高齢などを理由に引退した。東京電力福島第1原発事故による避難指示が昨年6月に解除されたが、内科医の不在は続いている。

 村は田村、三春、小野の3市町の医療を担う田村医師会に相談、13人の医師が協力する意思を示した。村は診療所を村営にして、医師の受け入れを図る。内科診療は平日の1~2日間行い、複数の医師が交代で患者を診る見通し。

 馬場弘至副村長は「田村医師会などの助言を受け、できる限り早く再開させ、住民や働く人の安心につなげたい」と話している。



https://www.m3.com/news/general/558067
【北海道】天売島の常勤医不在 診療所長、8月末辞職
地域 2017年9月19日 (火)配信北海道新聞

 【天売】天売島(留萌管内羽幌町)で唯一の医療機関、道立天売診療所の所長の医師(64)が8月末で辞職し、9月から常勤医が不在になっていることが分かった。道は当面、札幌などから代診の医師を派遣して対応するとともに、後任の医師を募集している。

 道によると、医師は今年4月に赴任していたが「自己都合」で辞職願を提出した。現在、看護師1人が常勤している。



https://www.m3.com/news/general/558081
一志病院運営は津市で 三重県議会 提案説明で知事が考え
地域 2017年9月19日 (火)配信伊勢新聞

三重県は15日に始まった県議会9月定例月会議で、9億円を増額する一般会計補正予算案など11議案を提出した。鈴木英敬知事は冒頭の提案説明で、県立一志病院の運営について「地域の医療提供体制の確保は住民に身近な市町の役割」と述べた。

鈴木知事は「医療人材の育成は広域性の観点から県が関与すべき」としつつ「医療や介護を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築は市町の役割」と説明し、病院運営は津市で担うべきとの考えを示した。

本会議に先立ち、人事委員に任命された伊勢学園常務理事の戸神範雄氏(66)と、県公安委員の大阪大学名誉教授山本進氏(69)が議場で議員らに就任のあいさつを述べた。

補正予算案は、県産業支援センターからの返済金として9億円を計上。うち8億円は県を通じてセンターに貸し出していた中小企業基盤整備機構に返還する。残る1億円は財政調整基金に積み立てる。

提出議案はこのほか、産業廃棄物除去工事の契約金額を見直す議案など。県職員が公務中に起こした25件の交通事故について、損害賠償額を専決処分したことも報告した。



https://www.m3.com/news/general/557767
米沢2病院、病床数:適正数を算出 連携後、共に20床減方針
地域 2017年9月17日 (日)配信毎日新聞社

 医師不足解消を目的に医療連携を目指す米沢市立病院(同市相生町、322床)と三友堂病院(同市中央、190床)は、連携後の病床数を共に20床程度減らす方針を明らかにした。

 嘉山孝正・山形大医学部参与や中川勝市長らによる検討委員会の第4回会合で決まった。人口減少を見込んだ県の地域医療構想に沿い、市立病院300床、三友堂病院170床が適正と判断した。10月の次回会合までに、適正な医師の配置や新病院の概算建設費などを議題に挙げる予定。

 これまでの会合で、市立病院は高度・急性期医療、三友堂病院が回復期医療を担うことが決まっている。市は12月に連携の最終的な方向性を決定したいとしている。【佐藤良一】


  1. 2017/09/22(金) 05:38:42|
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