Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月31日 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170830-OYTET50033/
田村編集委員の「新・医療のことば」
「専攻医」は、「研修医」とどう違う?

2017年8月31日 読売新聞

新専門医制度がスタート

 新しい専門医制度が、2018年4月に導入される見通しです。特定の診療領域について十分な知識や経験を持って適切な医療を提供できる「専門医」は、これまでさまざまな学会が独自に認定していました。新制度では、学会や医師会、病院団体らが参加する日本専門医機構が設けた統一基準で認定されます。目的は、専門医の質を確保するとともに、患者にも分かりやすい制度を作ることです。

 医師が専門医と認定されるには、原則3~5年程度の研修プログラムを修了した上で、試験に合格しなければなりません。新制度では、この専門医研修プログラムに登録、実践中の医師を「専攻医」と呼びます。

「研修医」に広義と狭義の意味

「専攻医」は、「研修医」とどう違う?

 それでは、専攻医と研修医はどう違うのでしょうか。

 実は、研修医という言葉も、専門医認定が学会次第でばらばらだったように、あいまいに使われてきました。

 狭義では、医師国家試験に合格した後に2年間義務づけられている「初期臨床研修」中の医師を言います。初期臨床研修は、基本的な診療能力のある医師を養成することを目的に、2004年度に始まりました。法律に義務づけられた制度で、内科、外科、救急などを2年間かけて回ります。

 これに対して、初期研修を終えて専門の診療科へ進んだ医師を、よく「後期研修医」と呼びます。おおむね3~5年目の医師をさします。そこで、広義では、後期研修医も研修医という枠に含めてきました。

 ただ、初期研修と後期研修では、制度的な位置づけでも仕事の内容でも、両者の立場は、大きく異なります。3年目以降の後期研修医ともなれば、病院は若手の貴重な「戦力」と捉えます。

 新制度の「専攻医」は、この後期研修医にあたります。初期研修医とは呼び名でも区別されます。今後耳にすることが増えるでしょう。

10月初旬に登録開始の予定だが…

 新しい専門医師度は、もともと、今年度からの導入が予定されていました。しかし、大学病院中心の研修プログラムが、地域の中小病院の医師不足を助長するのではないか、との懸念が指摘され、制度の見直しのために1年延期されました。

 日本専門医機構は今月4日、新制度を来年4月に開始すると正式に表明しました。今年10月初旬をめどに、来年度の専攻医の募集、登録を始めたい考えです。

 制度の見直し作業に時間がかかったことから、来年4月の開始に向けたスケジュールはかなり厳しくなっています。これから9月にかけて、各都道府県で関係者による協議会が開かれ、研修プログラムが適切かどうか審議がされます。10月の登録開始後も、専攻医の応募状況に地域や診療科の偏りが出るかも知れません。機構は、今後も様々な調整を求められそうです。(田村良彦 読売新聞東京本社編集委員)



https://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201708/0010509599.shtml
赤穂市民病院が分娩受け入れ休止 再開めど立たず
2017/8/30 22:30神戸新聞NEXT

 兵庫県の赤穂市民病院(同市中広)が9月1日から、産婦人科の分娩の受け入れを休止する。常勤医師1人が今月に退職し、出産態勢が整わなくなった。同病院は、新たな医師を確保して早期の再開を目指すが、医師不足もあり見通しは立っていない。市内では赤穂中央病院(同市惣門町)が受け入れを続けているが、近隣市町の住民も利用する市民病院の休止に、関係者らからは不安の声も漏れる。(西竹唯太朗)

 同市民病院の休止に伴い、姫路市以外の西播磨地域で出産できるのは、赤穂中央病院と公立宍粟総合病院(宍粟市山崎町鹿沢)、公立神崎総合病院(神河町粟賀町)の3病院のみとなる。

 同市民病院によると、産婦人科は1952年に開設。医師不足のため2008~11年、分娩の受け入れを一時制限したことがある。

 その後、同科には昨年まで常勤医師が4人いたが、今年4月に定年などで2人が退職。さらに8月にも1人が退職したため、残る1人では帝王切開など緊急時の対応に不安があると判断し、休止を決めたという。

 産婦人科は9月以降、婦人科として診療する予定。出産を予定していた妊婦には希望を聞き、姫路市などの病院を紹介する。

 赤穂市民病院は「大学病院の医局に医師の派遣を依頼しているが、産婦人科医が減っており厳しい状況。できるだけ早く再開させたい」としている。

 赤穂市内の2病院が2016年度に扱った分娩は計648件。市民病院は249件(うち市外からの利用は144件)、赤穂中央病院は399件(同252件)だった。隣接する岡山県も含めて市外の利用者が約6割を占めた。

 このため、市民病院の分娩受け入れ休止で、赤穂中央病院の負担が増す可能性もあるが、同病院は「妊婦が増えても受け入れを制限する予定はない」とする。

 同病院は市民病院から100人程度の妊婦が移ってくると予想。産婦人科には常勤医師が3人と非常勤が2人在籍しており、「グループ病院から医師の応援もあるので、受け入れに問題はない」と力を込める。

 ただ、市民らの間には不安の声もある。出産を予定する赤穂市御崎の主婦(36)は「もし中央病院に受け入れてもらえなければ、姫路か宍粟まで行かないといけない。どうしたらいいのか…」と漏らす。

   ◇   ◇

 ■医師の地方派遣、余裕なく 少子化対策に壁

 分娩の受け入れを休止する赤穂市民病院。病院側は新たな医師の確保を模索するが、地方の産婦人科医不足が壁となっている。同市を含む近隣市町は若者の定住を狙い、出産や子育て支援の充実を掲げており、自治体の施策に影響する可能性もある。

 赤穂市は上郡町、岡山県備前市とともに「東備西播定住自立圏」を構成。中核病院に位置付ける同市民病院では通常、市民以外は医療費を高くしているが、自立圏を結ぶ両市町民は同額で出産することができる。

 このため、隣接する岡山県備前市などからも妊婦が訪れる。同市民病院で長男を出産した備前市の女性(32)は「岡山市の病院よりも近く便利だった」と振り返る。

 兵庫県医務課によると、県内で2014年度に勤務した産婦人科医は482人。医師数は10年前と比べてほぼ横ばいだが、地域別では差があるという。

 神戸市が最多の159人で、阪神154人、東播磨62人、中播磨49人と続く。一方で、西播磨は11人と丹波6人、但馬9人に次いで少なかった。

 日本産婦人科学会は、04年に導入された新臨床研修制度が影響しているとみる。同学会の担当者は「研修医が大学病院だけでなく、一般病院を研修先に選べる制度となり、大学病院は地方に派遣する余裕がなくなった」と推測する。過酷な労働環境もなり手不足に追い打ちをかけているという。

 赤穂市の明石元秀市長(66)は今月、市民病院の分娩受け入れ停止の決定を受けて、病院長と一緒に大学病院を訪れ、医師の派遣を申し入れた。明石市長は「少子化対策を打ち出す市にとって非常事態。一刻も早く再開させたい」と話している。



http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170830/KT170829FTI090007000.php
市立大町総合病院 再び分娩休止恐れ 医師1人が退職へ
(8月30日)信州毎日新聞

 大町市立大町総合病院が医師不足を理由に、10月から分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止する可能性があることが、29日分かった。2人いる常勤の産婦人科医のうち70代の医師が9月末で退職し、「1人態勢では困難になる」ことが理由。大北地方で唯一分娩を取り扱っており、2015年3〜9月も医師不足で分娩を休止した。病院は9月末までに新しい医師を確保し、休止回避を目指すとしている。

 牛越徹市長が市議会9月定例会のあいさつで明らかにした。退職する医師は分娩休止中の15年9月に着任。井上善博院長兼事業管理者は「懸命に働いてくれた」とするものの、一身上の都合で7月末に退職を申し出たという。

 産婦人科では現在、40〜50人の妊婦が検診を受けている。分娩休止となれば、安曇野市内や松本市内などの病院へ行くことになるが、最寄りの穂高病院(安曇野市)でも車で30分ほど遠くなる。

 大町総合病院は県医師確保対策室や民間の医師紹介会社などに医師確保を依頼しており、すでに数人と連絡を取ったという。井上院長は「どこの病院でも産婦人科医は不足している。確保のハードルは高いが懸命になって確保したい」と話している。

 県内では、飯山赤十字病院(飯山市)も医師不足により16年4月から分娩の取り扱いを休止している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/554433
日医会長「医師の倫理観と社会的使命、認識を」
臍帯血無届け投与事件受け声明

レポート 2017年8月30日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 他人の臍帯血を使った再生医療が無届けで行われ、臍帯血を投与した医師と臍帯血販売業者計6人が逮捕された事件を受け、日本医師会は8月30日、「医師には医療倫理や生命倫理に対するより深い理解と責任ある行動が強く求められている。改めて、医師として持つべき倫理観と社会的使命を、全ての医師が認識すべきと考える」などとする声明を発表した。

 声明は、倫理観とともに、再生医療の実施に当たって安全性と有効性の慎重な判断を医師に求め、国には臍帯血など人体組織の保管や流通について、法規制を含めた監督・監視体制の整備を求める内容。都内で記者会見した日医会長の横倉義武氏は「安全・安心な医療の提供は医師の責任だが、それによって民間の臍帯血バンクに対する(公的な)監督はなくてもいいということにはならない。血液は日本赤十字社を中心に準公的な機関で管理されており、少なくともそれに準ずるものが必要だと考えている」と述べた。横倉氏によると、今回逮捕された医師は日医の会員ではないという。

 日医の声明全文は次の通り
臍帯血の違法投与に対する声明

 今般、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、再生医療等安全性確保法という)違反容疑で、民間の臍帯血販売業者と臍帯血を投与した医師が逮捕された。この事件は、本年5~6月にかけて、再生医療等安全性確保法で義務付けられている第一種再生医療等提供計画を、国に提出せず臍帯血の投与をしていたとして、10以上の医療機関が同法の規定に基づく当該再生医療等の提供の一時停止命令を受けたことに関連するものである。

 再生医療は、難病治療への活用をはじめとして大きな期待のかかる医療である。その一方で、再生医療にはまだ未解明な部分も多く、その実施に当たっては安全性と有効性の慎重な判断、治療を受ける患者に対する十分な説明と同意が、医師に強く求められることは論をまたない。今回逮捕された医師は、再生医療等提供計画の届出違反のみではなく、再生医療等安全性確保法の適用除外となるよう、カルテの傷病名を改ざんしていたとの一部報道もある。事実関係の解明が急がれるが、これが事実だとすれば極めて悪質と言わざるを得ない。

 高い倫理観と医療安全の追求は、常に医師の根幹になければならない。日本医師会では1998年に「会員の倫理・資質向上委員会」を設置し、医師の倫理向上のための種々の取り組みを行っている。2000年に採択 した「医の倫理綱領」では、「医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める」こと、また「医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める」ことなどを、医師の持つべき倫理観としてうたっている。医学・医療の進歩と発展は、再生医療やゲノム編集などの新たな可能性を開き、国民にとって大きな福音となる可能性を秘めている。しかし同時に、医師には医療倫理や生命倫理に対するより深い理解と責任ある行動が強く求められている。改めて、医師として持つべき倫理観と社会的使命を、全ての医師が認識すべきと考える。

 また、今回医療機関が投与した臍帯血は、倒産した民間の臍帯血バンクが保管していたものを別の業者が販売したものであるといわれており、保管状況によっては深刻な感染症のリスクも懸念されるものである。今回の事件によって、再生医療全体の進歩が阻害されることがあってはならないと考える一方で、国は、民間の臍帯血バンク等の業者による臍帯血などの人体組織の保管や流通に関して、法的な規制を含め厳格な監督・監視体制の整備を早急に検討する必要があると考える。加えて、国民に向けた再生医療に関する正しい知識の普及と啓発に、一層の努力を傾注することを望む。

 日本医師会は,厚生労働省の厚生科学審議会再生医療等評価部会などの場を通じて、それらの実現にむけて積極的に発言していくとともに、国民の健康に資する再生医療の環境整備に向けて、今回の事件の真相が速やかに解明され、適切な再発防止策が取られるよう今後とも注視していきたい。



http://inamai.com/www/ictnews/detail.jsp?id=49002
新山診療所廃止を諮問 
2017年8月28日(月曜日)  伊那毎日新聞

 伊那市は患者数が減少し収支が悪化していることや、担当する医師の負担が大きいことなどから、新山診療所を今年度末をもって廃止したい考えを示しました。
 25日に伊那市医療政策審議会が伊那市役所で開かれ、新山診療所の廃止について、審議会に諮問されました。
 新山診療所では、毎週水曜日の午後3時30分から午後4時30分までの1時間診療を行っています。
 収支は年々悪化していて、昨年度は126万円の赤字でした。
患者数も減少傾向にあり、平成26年度に9人だった患者数は、今年度は固定の4人となっていて、今後も増える可能性は少ないとしています。
 また、担当する医師は、高遠町長藤、西箕輪、新山の3診療所を兼務していて負担が大きくなっているということです。
 これらのことから、伊那市では今年度末をもって新山診療所を廃止したい考えを示しました。
 地元からは廃止はやむを得ないとして一定の理解を得ましたが、廃止後の通院手段の確保について支援を求める意見が出されたということです。
 審議会の委員からは、「診療所の跡地はどうするのか」「送迎ボランティアの充実が必要だ」などの質問や意見が出されていました。
 審議会では9月中に再度会議を開き、答申書をまとめることにしています。



https://www.jiji.com/jc/article?k=20170830Pr4&g=jmp
横須賀市立市民病院に産科常勤医師が着任します=神奈川県横須賀市
(2017/08/30 13:54:08)時事通信/横須賀市プレスリリース

 平成29年9月16日、市民病院(指定管理者:公益社団法人地域医療振興協会)に産科常勤医師1人が着任します。
 市民病院では、平成22年11月から助産師が分娩を介助する「院内助産」に取り組んできましたが、産科常勤医師の着任により分娩受付の対象妊婦を拡大し、里帰り出産などのニーズにも応えてまいります。
1 対象妊婦
 (1)現在の妊娠経過が順調な方
 (2)持病の無い方
 (3)経産婦の場合で、前回の妊娠・分娩経過で異常が無かった方
【新たな対象者】
 (4) (1)から(3)を満たさないが、医師の診察の結果、市民病院での分娩が可能と判断した方
 (5)里帰り出産の方(医師の診察により判断します)
2 分娩予約受付開始日
 平成29年9月1日(金曜日)(分娩予定日が平成30年1月以降の方)
3 他の地域で里帰り出産を予定している方の妊婦健診
 平成29年9月から始めます。
 市民病院産科・婦人科外来までご相談ください。
4 問い合わせ先
 横須賀市立市民病院
 (電話)046-856-3136(代表)産科・婦人科外来へ
 (受付時間)平日午前8時30分から午後5時まで



https://www.m3.com/news/iryoishin/553179
地域医療構想調整会議の『調整』を、千葉大病院の取り組み-竹内公一・千葉大病院特任准教授に聞く◆Vol.1
大学の地域医療連携部、高度急性期病院としての使命を果たすこと

インタビュー 2017年8月31日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 地域医療構想調整会議を『調整』する――。千葉大学医学部附属病院地域医療連携部は千葉県からの依頼を受けて、千葉県内9つの調整会議にファシリテーターとして参加している。特任准教授の竹内公一氏は「厚労省が提示するツールがどうであれ、会議の『調整』に対して責任を負う人が必要」と語る(8月2日にインタビュー。全3回の掲載)。

 地域医療構想は2016年度末までに全国で策定され、今年度は各地域で具体的な医療機関名を挙げての調整を進めるように厚生労働省は求めている(『地域医療構想、47都道府県、構想区域別に一挙掲載』、『2017年度下期には「具体的な医療機関名を」、地域医療構想調整会議』を参照)。

――千葉県から委託を受けて、地域医療構想調整会議を『調整』しているとのことですが、そもそも千葉大病院の地域医療連携部はどのような組織なのでしょうか。

竹内公一氏 多くの病院にある地域連携部のように、看護師やソーシャルワーカーが中心となって退院調整を行っています。千葉大病院の独特な点としては、私たちのような研究部門も内部に抱えており、電子カルテ、病院情報システムを扱う企画情報部とも密接な関係にあることが挙げられます。研究部門は、もともとは地域医療再生基金によって設置された千葉県の医療政策について分析する研究組織が母体になっています。県庁からは常に1人が客員研究員として出向してきています。

 研究部門と入退院支援業務の関係ですが、地域の医療機関の情報が最も入ってくるのが入退院支援業務です。「この地域では新しい先生が開業して、みんな持って行っているらしいよ」「訪問看護ステーションが潰れた影響で混乱が生じている」といった、地域の医療状況をダイレクトにウオッチできます。イメージとしては、そういった情報を基に研究部門が地図を描き、その上で入退院支援のメンバーが仕事をするといった感じでしょうか。

 大学病院の地域医療連携部としては、高度急性期病院としての使命を果たすために、いかに患者さんを外に転院させていくか、在院日数を短くするかが重要です。そのための環境作りが研究部門に求められており、今ある地域資源の中で理想的に何ができるかを考えるのが我々の責務です。

――地域医療構想との関わりについて教えてください。
 地域医療構想策定に向けて話し合いが始まった2015年度は、一参加者としての立場でした。県庁から内々で見ておいてほしいという要請があり、最初はそれぞれの地域のホームページを見て、そこから傍聴希望を出していました。傍聴した結果を部内でシェアし、ディスカッションしていました。

 正直に言って、どこの会議も何を行うべきなのかが分かっておらず、議論がかみ合っていませんでした。日頃、行われている医療圏ごとの保健医療審議会は形骸化している面もあり、そこから脱していません。県庁と会議の実施主体である保健所の間にギャップがあり、さらに参加している医師たちとの間にもギャップがありました。「地域医療構想とは何か」という説明も、短いところでは10分、長いところでは1時間かけていましたが、どちらも上手く伝わっていませんでした。率直に言って、時間の無駄と言わざるを得ない状況でした。

 千葉大のある千葉市では、政令市であり県から離れていることもあり、うちの病院長が会議を呼びかけて病院長会議を開催し、実質上の調整会議のようなことをやっていました。

――計画策定が本格化した2016年度はどのような関わりだったのでしょうか。
 2016年度には県庁から地域医療連携部に「研究者」として出席依頼がありました。会議に参加している医師会の先生が、「さすがにこれはまずいよね」と県庁に相談したようで、我々にファシリテーションや会議を仕切れる人を派遣してほしいと話がきました。7月に依頼があり、8月に千葉県内の保健福祉センター長(保健所長)を対象とした、「調整会議で何をすべきか」というコンセンサスを得る勉強会を開催し、その後、10月までに各圏域での保健医療連携会議・地域医療構想会議に参加しました。

 やったこととしては、資料の徹底活用があります。これまでは大量のデータが紙で配られていましたが、それでは誰も見てくれません。我々は各地域の実情をまとめたA4表裏の箇条書きコメントシートを作成し、20分で話せるようにしました。

 私が担当している東葛南部(市川市、船橋市、習志野市、八千代市、鎌ケ谷市、浦安市:人口約180万人)では、高度急性期はやや過剰、急性期は過剰、回復期は不足となっています。しかし、回復期の病棟からは「いやいや、結構空いているよ」、急性期からは「回復期が見つからなくて困っている」との声がありました。急性期病床でも、患者さんを出す先が見つからず、事実上の回復期機能を担っていたりします。

 データを共有し、当事者たちの肌感覚を話してもらうだけで、すぐに「この地域ではこことここがつながればいいのでは」という話が、病院長、事務長同士ですぐに始まりました。会議として上手くいったかなと思います。



http://www.news24.jp/nnn/news8848364.html
大町総合病院 お産再び休止か
(長野県)[ 8/30 11:58 テレビ信州]

大町市の大町総合病院で、産婦人科の常勤医師2人のうち、70代の男性医師が9月末で退職することになり、10月からお産の取り扱いを休止する可能性があることが分かった。この病院では2年前にも半年ほど、お産を一時休止している。



https://www.kochinews.co.jp/article/121926/
嶺北中央病院 4年ぶり赤字 医師不足、患者減響く
2017.08.30 08:30 高知新聞

 嶺北地域唯一の公立・救急病院、長岡郡本山町の町立国保嶺北中央病院(佐野正幸院長)が、2016年度決算で4年ぶりの赤字に転落したことが分かった。病院事務局は「医師不足による患者数の減少が要因として考えられる。改革プランを進めて経営の安定化を目指したい」としている。赤字額は4771万円で、町は29日開会の町議会9月定例会に決算議案を提出した。...



http://www.medwatch.jp/?p=15468
適切なデータから、各病院が「地域の状況」と「等身大の姿」を把握してほしい―日病・相澤会長インタビュー(1)
2017年8月29日|GHCをウォッチ MedWatch

 今年(2017年)5月末に、日本病院会の新会長に相澤孝夫氏(社会医療法人財団慈泉会相澤病院理事長)が就任されました(関連記事はこちらとこちら)。
 
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、かねてより相澤会長・相澤病院と共同研究を続け、例えば「地域医療構想における、医療資源投入量に着目した高度急性期や急性期の切り分け」「重症度、医療・看護必要度のデータ精度向上」などが、国の政策にも取り入れられています。また、日本病院会が展開する出来高算定病院向け戦略情報システム「JHAstis(ジャスティス)」では、GHCが分析やレポート作成の支援を行っております。

 このたび、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)代表取締役社長の渡辺幸子と、米国グローバルヘルス財団理事長のアキよしかわが、相澤会長に、日本の医療改革に向けたお考えを詳しく伺いました。

相澤会長インタビューは2回に分けてメディ・ウォッチでお伝えします。第1回は、日本の医療変革において求められる視点と、日本病院会の「病院総合医」構想です。

ここがポイント!
1 データを基に、地域と自身の「等身大の姿」を見なければいけない
2 チーム医療から病院全体までマネジメントできる「病院総合医」養成
3 適切なデータをもとに、国への提言を進める

データを基に、地域と自身の「等身大の姿」を見なければいけない

渡辺:日本最大の病院団体である日本病院会の会長に就任されました。これから2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定が行われ、あわせて第7次医療計画、第7期介護保険事業(支援)計画のスタート、国民健康保険の財政単位都道府県化など、大改革が進みます。今後、病院自らも変革が求められると思われます。日本の医療、さらには病院がどう進んでいくべきか、お考えをお聞かせください。

相澤:日本の医療は嵐の中にあると思います。今、変わらなければいけない。私は、大きく2点の変革が急務であると考えています(関連記事はこちら)。

1つは、自院の機能、等身大の姿を見ることです。

これまで、ともすると「公立病院だから」「大学病院だから」「国が指定した認定病院だから」という設立主体の議論で、役割分担を考えてきたように感じます。

しかし、実際に提供している医療の内容から機能を見ていくことが重要でしょう。各病院が、客観的に「地域の状況」を把握して、「等身大の姿」を見ることがまず必要です。ここがスタートになります。

2つめに、適切なデータの整備が必要です。地域の状況を把握しようとしても、今のところデータはバラバラです。地域の状況が今どうなっていて、将来はどうなるのか、各病院の機能・役割を考えていく上で、こうしたデータが必要不可欠なのです。

 日本病院会の会長として、この2点をまず進める必要があると考えています。

 この2点を進めた上で、各病院のトップや経営陣が、適切なマネジメントをしていくことが求められます。日本の病院では、例えば肺がんなど、個別の疾患治療に関するマネジメントはしっかり行えていますが、病院という組織全体でのマネジメントは必ずしも適切に行えていないのではないでしょうか。そのために非効率になっている部分があると思います。

チーム医療から病院全体までマネジメントできる「病院総合医」養成

渡辺:非効率というと、具体的にはどういった点でしょうか?

相澤:先ほどの肺がん治療でいえば、執刀医自身が、術後の管理を行い、退院後も外来でフォローしています。これではあまりに非効率・非生産的なので、執刀医が「この先生なら信頼できる」という医師に術後の管理などを任せる仕組みを作りたいと思っています。現在、日本病院会では「病院総合医」養成に向けた体制づくりを進めています。

渡辺:新たな専門医制度の中で、「総合診療専門医」の養成が始まりますが、異なるものなのですか。

相澤:総合診療専門医は、卒後2年間の初期臨床研修を修了した医師を対象としています。しかし、まだ若手の先生であり、例えば肺がんの手術を担当した医師が「安心して任せられる」と考えるかどうか疑問です。これでは、執刀医が「自分で術後の管理も行わなければいけない」と考え、非効率の循環を断ち切れません。

そこで日本病院会では、6年・8年と一定の臨床経験を積んだ医師を対象に「病院総合医」として養成していこうと末永裕之副会長(小牧市民病院病院事業管理者)を中心に検討を進めています(関連記事はこちら)。アメリカでは、病棟管理と総合内科診療を行う「ホスピタリスト」という総合医が活躍しており、日本版のホスピタリストと言えるかもしれません。

10月頃に「病院総合医」の養成カリキュラムを固める予定です。このカリキュラムを実施できる施設を日本病院会で認定し、カリキュラムを修了した医師を「病院総合医」として日本病院会で認定することになります。

渡辺:壮大な計画ですね。術後管理のほかに、どういった役割を担うのでしょうか。

相澤:まず重要なのが「チーム医療のマネジメント」です。執刀医ではない、病院総合医が多職種のチームを調整します。その際、チームのリーダーを看護師が担うケースもあれば、リハビリ専門職が担うケースもあると思いますが、チーム全体のマネジメントは病院総合医に行ってもらう。

 こうした経験を積むことで、チームマネジメントとはどういうものかが分かってきます。その上で、病院総合医が病棟全体を管理し、さらには病院全体を管理する院長、副院長になることも期待しています。チーム医療が分かり、地域の状況・病院の組織全体が分かる人間に病院全体を統括してもらいたいと考えています。

 組織を統括するためには、「データを見て、考え、どう判断すべきか」を学ぶ必要があります。地域を見ることができ、かつ地域の変化も認識でき、さらに自院の医療も見ることができる。こういう人材が求められています。

 各病院でこういう人材を養成できれば、日本の医療全体が良い方向に動いていくでしょう。

 病院総合医を養成するには、少なくとも3、4年が必要です。来年(2018年)から養成を初めていけば、2025年にはなんとか間に合うのではないかな、と思っています。

適切なデータをもとに、国への提言を進める

アキ:相澤会長は、地域の医療を考える上でのデータの重要性に着目された草分けです。相澤会長がデータを見ることを初め、それが現在の政策論議にもつながってきています。厚生労働省も地域医療構想の実現に向けて、さまざまなデータを地域に提供していると聞きますが、そうしたデータを活用していくことになるのでしょうか。

相澤:さまざまなデータが出されていますが、まだまだしっくりときません。失礼を承知で言えば、今はまだ「中途半端なデータ」で物事が動いていると言わざるを得ません(関連記事はこちら)。

アキ:データによって、恣意的な導き方もできてしまいますね。だれか1人ではなく、いろいろなグループでデータ分析することが大事だと思います。

相澤:おっしゃる通りです。同じデータでも、切り口が異なれば、まったく異なる結論にたどり着いてしまいます。

 先日も「医療計画の見直し等に関する検討会」で、入院前後の患者の動きから病棟の機能が分かるのではないか、といった研究結果の中間報告がなされましたが、どうでしょう。もっと単純に、誰もが納得できる切り口があるのではないでしょうか。

例えば、以前にGHCと共同で「DPCの入院期間に基づき、資源投入量がどう変化していくのか」という研究を行いました。それを見れば、どこで資源投入量が大きく減少しているかが把握でき、それはまさに病棟が提供している医療機能を反映していると言えます。
一部の研究班では、患者が入棟前にどこからきて、退棟後にどこにいくのか、看護配置がどの程度かといった切り口で病棟機能を把握しようとしていますが、そうではなく、もっと明確に考えられると思うのですが。

アキ:「医療」については、なぜか難解に考えたがる傾向があるようですね。

相澤:日本の医療は国の政策に左右されます。厚生労働省や内閣に、おかしいものはおかしいと言わなければいけません。このためにはデータによる裏付けが必要ですね。日本病院会でもデータ整備に力を入れていきます。【続きます】
 

 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082902000128.html
高野病院が経営ピンチ 福島第一から22キロ 再出発5カ月
2017年8月29日 東京新聞 朝刊

 東京電力福島第一原発事故後も避難せず、福島県双葉郡八町村で唯一、診療を続けてきた高野病院(広野町)が経営危機に陥っている。昨年末に高野英男元院長=享年(81)=が亡くなり、今春新たな医師を招いて再出発したが、財政問題が深刻化。病院関係者は「このままでは、休院も検討せざるを得ないのではないか」と懸念を強めている。 (片山夏子)
 「原発事故後、収入が減る中で、経費が膨れ上がっている」。元院長の次女の高野己保(みお)理事長が明かす。「元院長は過労で倒れながら『患者のために』とぎりぎりでやってきたが、さらに苦しくなっている」。今春以降、毎月五百万円の赤字が続くという。
 収入減の理由は、外来患者の減少。事故前は月に五百人前後だったが、事故で一時は数十人まで落ち込んだ。帰還した住民や原発作業員らでやや持ち直したものの、原状回復にはほど遠い。長期入院患者が多い高野病院のような現場に不利な昨年の国の診療報酬改定も、追い打ちとなった。

 一方、膨らむ経費の理由は人件費。一人で何人分も働いていた元院長の死去で、常勤・非常勤医が四人増えた。また県外から医療スタッフを呼んでいるため、高い給与を支払い、被災地手当も必要に。寮となるアパートも借りた。
 県外から雇用した場合、給与の半額を補助することを目指した県の支援策がある。しかし、その基準となるのは給与の全国平均額。これに対し、原発周辺地域の給与水準は事故前の一・五倍前後に高騰しているため、現実には給与の四分の一程度の補助にしかならない。高野理事長は「今のこの地域の水準に合っていない」と訴える。
 県は新たな支援の枠組みを検討すると二月に発表したが、今も決まっていない。県地域医療課の平(たいら)信二課長は「財政支援は避難指示区域全体の中で考え、個別に考えるわけにはいかない」と、高野病院だけの支援には後ろ向きだ。
 高野理事長は「地域の高齢化は一層進むため、長期入院できる病院はますます必要になる。先は見えないが、何とか続けたい。スタッフもあきらめてはいない」と前を向く。

 病院の代理人の馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士は「周辺は原発事故でできた過疎地。住民は簡単に戻らない。今後はへき地医療に準じる支援が必要だ」と指摘している。
<高野病院> 福島第一原発の南22キロに位置し、医療法人社団養高会が運営する。精神科や内科などがあり、病床は118床。双葉郡内では夜間対応や入院が可能な唯一の医療機関。昨年12月に高野英男元院長が死去し、常勤医が不在に。国や福島県、広野町などと協議し、今年4月から常勤・非常勤の医師計3人の派遣を県から受けている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/all/welcome_leaf.jsp?http%3A%2F%2Fmedical.nikkeibp.co.jp%2Fleaf%2Fmem%2Fpub%2Freport%2F201708%2F552513.html
動向解説◎どう変わる医師国家試験
問題数減の医師国試、臨床実地問題重視で難化へ
金沢医科大学教育学習支援センター長の東田俊彦氏に聞く

2017/8/29 聞き手:加納亜子=日経メディカル

 来年2月に行われる第112回医師国家試験は、出題数が現行の500問から400問に減り、試験期間が3日間から2日間になる(関連記事)。それに伴い、来年度以降の医師国家試験では、臨床の思考過程に力点を置いた「臨床実地問題」が重視されるのではないかとみられている。医師国家試験や医学部教育は今後、どのように変わるのか。金沢医科大学教育学習支援センター長で医師国家試験予備校マック・メディカル・アカデミー・コーポレーション講師の東田俊彦氏に聞いた。

――来年の医師国家試験では何が変わるのでしょうか。

 出題数と配点、そして試験期間が変わります。必修問題は今まで通り一般問題、臨床実地問題が50題ずつですが、医学総論・医学各論は、一般問題が200題から100題に減り、臨床実地問題は変わらず200題になると発表されています(厚生労働省ウェブサイト)。

 配点はこれまで一般問題は1問1点、臨床実地問題は1問3点でしたが、それが次回の国家試験では必修問題の臨床実地問題のみ1問3点となり、それ以外の問題は全て1問1点に変更されます(表1)。

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表1 第112回医師国家試験の変更点

 必修問題以外については合格基準の設定方法も変わってきます。

 これまでの評価方法では、必修問題の合格ラインは計200点の80%以上、そして必修問題以外の問題は一般問題、臨床実地問題それぞれで、識別指数などの一定の処理をした後の平均点と標準偏差を用いた相対基準によって合格基準が設定されていました。

 しかし、来年の試験からは必修問題以外の合格基準の定め方が変わります。一般問題と臨床実地問題の得点の合計をベースに相対基準により合格ラインを設定することになったのです。

 そこに、今まで通り禁忌肢を3問以上選んだ場合には不合格になるという基準が定められる予定です。

 確実に医師国家試験に合格するには、配点の高い臨床実地問題を含む必修問題の正答率を8割以上にし、さらには必修問題以外の300問で少しでも多くの点を取る必要があるのです。


金沢医科大学の東田俊彦氏は、「次の医師国家試験では医学知識だけではなく、臨床現場で患者を目の前にしたときに必要な判断力を問う問題が、さらに増えるのではないか」と推測する。

――問題の内容に変更はあるのでしょうか。

 問題の質も大きく変わると私は見ています。おおむね4年ごとに医師国家試験出題基準(ガイドライン)は改訂されており、この改訂の前年度の国家試験にはその傾向が表れるのが通例となっています。

 今年が改訂の年に当たり、それに向けて実は2017年に行われた第111回医師国家試験では難易度が上がっていたのです。十分な合格者数を出すために、臨床実地問題の合格基準は下がっていました。

 何が難しくなったかと言えば、臨床現場で患者を目の前にしたときに必要な知識を尋ねる問題が増えたという点でしょう。目の前にいる頭痛を抱えた患者に何を聞き、どのように対応するかといった、現場で求められる知識が問われる問題が増えたのです。

 こうした問題を出されると、疾患に関する知識を丸暗記することで何とか乗り切ろうとしていた学生は、何をどう考えて答えを導き出せばよいか分からなくなり、非常に難しく感じてしまいます。設問内容を見ると、今の臨床医の先生方は驚かれるかもしれません。試験問題はまるで内科専門医の試験かと思うほど、臨床的に高レベルな設問ばかりになっていますから。

――どんな問題が出ているのでしょうか。

 例えば、「頭痛を主訴に来院した患者が『頭が痛いのでCTを撮ってほしい』と訴えている。それに対してどう対応するか?」といった問題です。

 頭痛を訴える初診患者であれば、適切な問診と診察を行い、重篤な疾患が除外できると判断されれば頭痛薬を出して1~2週間様子を見るのが通常の対応でしょう。ですが、「来院した初診患者に『CTを撮ってほしい』と言われたらどう対処するか」とだけ聞かれてしまうと、現場の医師でも判断に迷うはずです。

 頭痛の程度など患者の状態や病院のリソース、環境、患者や医師の考え方の違いにより対応は変わります。細かな情報を記載してくれれば考える余地もありますが、医師国家試験ではそうした記載はありません。正解がなさそうな設問が複数提示されているのです。

 以前に、この問いを臨床医に解いてもらいましたが、医師によって答えは異なっていました。「医療はサービス業だから患者の満足度を高めればよいと思えば撮ればよい」という価値観を持つ医師がいれば、「検査は必要最小限にすべき」「医療費の抑制を考えなければならない」といった意見を持つ医師もいたのです。このように、医師の価値観により実際に何をするかという答えは変わってきてしまいます。

 では、正解は何かというと、「どうしてそれを知りたいと思ったのですか?」と聞く、という解答です。患者が訴えることには理由があり、その訴えの原因を解消すればよいという考えで設問は作られているのです。つまり、○か×かの答えを選ぶのではなく、判断に迷うようなグレーゾーンの選択肢がある中で、どの答えを優先すべきかを考える必要があるのです。

 本来は、万人が「それは確かに正しい答えだ」と納得できる回答を選ばせるのが国家試験の問題です。だからこそ、解くのにはテクニックが必要になります。問題の背景を理解し、何を考えさせたいのかまで把握する必要があるのです。

 こうした判断の難しい問題が出されていることからも、今までのように座学で疾患に関する情報を丸暗記するような対策では、今後はさらに合格しにくくなると気付いていただけると思います。たとえ、過去の国家試験の問題の答えを全て覚えていたとしても、今後は半分程度の点数しか取れなくなるのではないかと私は捉えています。

――では、医師国家試験の変更にどう対処すればよいのでしょうか。

 臨床現場に則した設問に対応するため、現在の医学部は患者・疾患をどのようにマネジメントするかという点を重視した教育に切り替えていかざるを得ない状況に置かれています。臨床実習の比重を高め、学問的知識や画像診断の意味、治療の知識を踏まえて判断するための思考力を育てなければならないのです(参考記事)。

 具体的には、診療現場で医学生が臨床医(指導医)の傍らで、問診や診察をする経験を積ませ、様々な患者のマネジメント方法を長い時間をかけてしっかりと教え込むことが求められています。

 これは、米国での臨床研修資格を発行するECFMG(米国における外国医学部卒業生のための教育委員会)が、2023年以降は世界医学教育連盟(WFME)か米国医学教育連絡委員会(LCME)と同等の基準で認証された医学部の出身者にのみ米国医師国家試験(USMLE)の受験資格を与えると発表したことを受けての流れでもあります。今、各医学部はUSMLEの受験基準に合わせて、臨床実習の時間を延ばす必要に迫られ、さらには医学教育モデル・コア・カリキュラムが変更されたこともあり、カリキュラムを大きく改変し始めています。各医学部からすれば、まだ改変のさなかというのが実情ですが、世界的な流れに合わせ、臨床問題を重視した教育の拡充を進める動きが出てきているとも捉えられるのです。

 とはいえ、ただ臨床実習の期間を延ばせばよいというわけではありません。臨床現場に則した判断方法を身に付けさせるための教育に注力し、システマティックに取り組める環境を作ることが求められています(参考記事)。

 理想を言えば、臨床医の後ろについて、どんなことをしていて、検査では何を考えてどんな検査を実施しているのか、何を参考に治療方針を考え、さらには薬剤をどのように選んでいるのかなどを見て逐一理解できる臨床実習がよいでしょう(参考記事)。

 しかし、どの大学も教員のマンパワーと教育に割ける時間が圧倒的に不足しています。多くの医学部では長時間の実習を設けても教えられる教育基盤ができておらず、学生は何をどのように身に付ければよいのかが分からずただ時間を過ごしてしまうこともあるようです。そうした医学部の学生は、せっかく目の前に患者がいるにもかかわらず、患者の症状や病態についてただカルテを基に文献を調べ、レポートを書いて終わりにしてしまっています。中には、国家試験の過去問を隙間時間でやっているという学生もいるのが実際のところです。そうした大学では今後、臨床研修先において、医学生を含めた屋根瓦式の教育体制を構築するなど、抜本的な教育体制の改変が求められていくでしょう。

――臨床実習だけでなく、座学も変化しつつあるのでしょうか。

 USMLEへの対応に加え、医師国家試験が変わることで臨床実習の期間・内容だけではなく、座学の内容についても少しずつ変わりつつあります。以前は臓器別での座学が基本となっていましたが、症例検討を重ね、症状をマネジメントするには何が必要か、どのような症状や患者の訴えに目を向け、判断していくのか、さらにはどのように鑑別診断を進め、治療方針を組み立てていくのかといった思考力を付ける取り組みが広がり始めています。

 このように、症候別にマネジメントをする方法を学ぶには、一般的な医学知識を事前にしっかりと蓄えておくことが求められます。低学年時代の座学で得た1つひとつの知識をつなぎあわせ、実臨床で使える多面的な考え方を身に付けていく。症例検討はその1つの手段だと言えるでしょう。

 その他にもテーマやケースを提示して、それを少人数で話し合う機会を作り学びを深めていく方法や、模擬患者の協力を得てシミュレーションをしてみたりと、様々な方法が各医学部で取り入れられています。

 教員からしてみれば、考え方を学ばせるのは時間と手間が掛かり非効率的です。そして、考え方から学ぼうとする学生ほど、成績だけを見るとなかなか伸びない傾向があります。ですが、歩みはゆっくりででも考え方や学び方を得た学生は、後になって様々な知識がつながりやすく、理解や思考力が急速に伸びることが多いように思います。さらに、そうした学生の大半は、医学部を卒業して医師になった後にも自ら学び、学習して伸びていく習慣が身に付いています。

 急速に思考力が成長する学生に共通するのは、医学への興味・関心や、医師として医療を行うことで人を救いたい、困っている人を助けたいという気持ちが強い点です。

 40~50代の医師が医学生・研修医だった頃は、医学部に卒業試験はないか、あってもそれほど難しくなく、もし国家試験に落ちたとすると、それは自らの責任だと、自分たちで勉強するよう指導されていました。医師国家試験に通るために自ら学ぶ技術を身に付けることが今よりも強く求められていたのです。だからこそ、受かった後にも勉強を継続していた医師が非常に多くいました。

 自ら学ぶ力を身に付けさせるためにも、ポリクリやベッドサイドラーニング(BSL)といった病院実習の間には、試験には絶対出そうにもないことも含め、臨床に関する様々なことを徹底的に教育されました。各診療科の実習が終わるたびに毎回、口頭試問や実技試験があり、それにパスすることを要求されていたのです。

 一方で、今の実習には多くの場合、実技試験も口頭試問もありません。国家試験に似たペーパー試験しか課せられていないところが多いのです。では学生はどうするか。過去の国家試験の問題を丸暗記することで対応しようとするのです。その積み重ねで、医師になった後にも医学への興味を失ってしまうという悪循環に陥っているともいえるでしょう。

 私は医学教育の根幹として、学生に「医師になりたい」という強い気持ちがなければならないと思っています。今後の医学部では、やる気のある学生をいかに選抜するか、そしてやる気を維持させるための興味、知的好奇心をいかに与えられるかがさらに重視されるようになるはずです。

 医学生が元々持つ医療へのモチベーションを保たせながら、知的好奇心をくすぐるようカリキュラムを作ることが求められているのです。

 とはいえ、医師に対してどのような姿をイメージしているかは学生により異なります。学生一人ひとりが違うポイントに興味を持っていることを前提に、しっかりとヒアリングをして学生の興味・関心を伸ばしていくカリキュラムを提供することが今後の医学部教育には求められているのでしょう。医学生が今・将来どうしたいのかを丁寧に拾い上げ、医学生に合わせた個別の教育を考えることが医学部には求められています。



https://mainichi.jp/articles/20170831/ddl/k45/010/300000c?ck=1
西諸自治体
地域外出産市民に支援金 妊娠1回2万円、出産可能な医療機関なく /宮崎

毎日新聞2017年8月31日 地方版

 西諸地域(小林、えびの市、高原町)で出産ができる医療機関がないため、えびの市は地域外で出産する市民に妊娠1回につき2万円を交付する出産支援金を一般会計補正予算案に計上、30日の臨時会で可決した。小林市と高原町でも来月開会の定例会に、同様の支援金を提案する方針。

 小林市では昨年11月に産婦人科診療所が休診。西諸地域で唯一分娩(ぶんべん)を扱っていた産婦人科病院(えびの市)も7月15日から受け入れを停止した。

 えびの市によると、多くは隣接の熊本県人吉市の医療機関で出産、妊婦健診に通院するなどの交通費に充ててもらう。対象は妊娠36週目以降で、今年度は150人分と市雇用の助産師の報酬を含めた402万円。小林市も妊娠1回に2万円を交付。多くは都城、宮崎市の医療機関で出産。妊娠22週目以降で今年度は240人分など約563万円を計上。高原町でも妊娠1回につき2万円を交付する支援金を補正予算案に計上している。【重春次男】



http://www.medwatch.jp/?p=15483
公立病院、大規模ほど経営が良好、小規模病院は近隣病院との統廃再編も視野に入れよ―内閣府
2017年8月30日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 公立病院では、大規模なほど医業収支比率が高く、一方で小規模病院では医業収支比率が低下傾向にあるため、大規模公立病院と小規模公立病院とで収支比率の差が広がっている。立地状況などにより経営課題は異なり、「地域の状況を踏まえた経営改善戦略」を建てる必要がある—。

 内閣府が25日に公表した、「公立病院経営の状況と小規模公立病院の経営課題-持続可能な地域の医療提供体制の確立へ向けて-」(政策課題分析シリーズ12)からこういった状況が明らかになりました(関連記事はこちら)(内閣府のサイトはこちら)”>こちら)。

ここがポイント!
1 大規模病院ほど医業収支比率が高く、小規模病院では繰入金比率が高い
2 入院単価の向上が経営改善の鍵、大規模なDPC病院で単価向上目立つ
3 地域の状況を踏まえ、近隣病院との「統合再編」なども視野に入れる必要

大規模病院ほど医業収支比率が高く、小規模病院では繰入金比率が高い

 公立病院については、「経営改善」と「地域医療構想の実現」を目指す改革プラン(新改革プランの作成)が求められていますが(関連記事はこちらとこちらとこちら)、収支改善が困難なケースもあり、内閣府では病床規模別に経営状況や経営課題などを調査・分析しています。

 まず病床規模別に公立病院の医業収支比率を見てみると、「大規模病院ほど医業収支比率が高い」(つまり経営状況が良い)ことが分かります。ただし公的病院・私的病院と比べると、公立病院では医業収支比率が低い(つまり経営状況が悪い)点には注意が必要です。
公立病院の医業収支比率を病床規模別に見ると、大規模なほど良好、つまり経営状況が良いことが分かる
(図 略)
公立病院の医業収支比率を病床規模別に見ると、大規模なほど良好、つまり経営状況が良いことが分かる
 
また公立病院については、赤字部分を自治体などからの繰入金で賄うことになりますが、これを病床規模別に見ると、50床未満・50-99床の小規模病院において高い割合となっています(小規模病院では医業収支比率が低く、繰入金による補てんが大きくなる)。
(図 略)
公立病院に対する繰入金比率を病床規模別に見ると、小規模な病院では、著しく高いことが分かる

入院単価の向上が経営改善の鍵、大規模なDPC病院で単価向上目立つ

次に、経営形態の変化(例えば地方独立行政法人化など)を行っていない605病院について、自治体からの繰入金などを除いた「修正医業収支」の状況を見てみましょう。

修正医業収支が改善した病院は257病院あり、規模が大きくなるほど「収益と費用がともに増加して経営が改善した」病院の割合が高くなり、逆に規模が小さい病院では「収益と費用がともに減少したが、経営が改善した」割合が高くなります。

一方、修正医業収支が悪化したのは348病院で、小規模になると「収益と費用がともに減少し、経営が悪化した」割合が高くなっています。
(図 略)
経営状況が改善した病院では、大規模なほど「収益・費用ともに増加して改善」する割合が高く、逆に経営状況が悪化した病院では、小規模なほど「収益・費用ともに減少して悪化」してしまった割合が高い
 
この点について内閣府では、とくに「入院単価の向上が収益増加に寄与している」点に注目。次のように公立病院をグループ分けし、単価の変動状況を見ています。
【グループ1】(400床以上の大規模、DPC導入、98病院):2014年度の入院単価は5万7479円で、5年前(2009年度)に比べて1万203円・21.6%増加。入院料と手術料が入院単価の8割程度を占め、主な単価向上要因も入院料と手術料である

【グループ2】(200床以上400床未満の中規模、DPC導入、73病院):2014年度の入院単価は4万8539円で、5年前から7192円・17.4%増加。入院料と手術が入院単価の8割程度を占めるが、大規模病院では手術料のシェアが26.9%なのに対し、中規模病院では23.2%にとどまる。主な単価向上要因は入院料である

【グループ3】(200床以上400床未満の中規模病院、非DPC、32病院):2014年度の入院単価は3万6813円で、5年前から3743円・11.3%増加。手術料のシェアは18.4%にとどまり、DPC導入病院と比べて「その他」(検査、放射線、食事など)が単価増に大きく影響している

【グループ4】(200床未満の小規模病院、非DPC、306病院):2014年度の入院単価は2万5554円で、5年前と比べて9377円・7.2%増加。他のグループと異なり手術料が減少、手術料のシェアも10.0%にとどまっている

 また各グループについて2009年度から14年度までの5年間における入院単価の1年度当たり伸び率を見ると、▼グループ1(大規模、DPC)4.0%▼グループ2(中規模、DPC)3.3%▼グループ3(中規模、非DPC)2.2%▼グループ4(小規模、非DPC)1.4%—となっています。もっとも単価の高いグループ1と、もっとも低いグループ4では、3万1925円・2.2倍の開きがあります。つまり、入院単価の高い大規模DPC病院はより単価が上がっており、入院単価の低い小規模非DPC病院は単価の伸びが小さく、「格差が広がる」傾向にあることが改めて認識できます。
(図 略)
大規模なDPC病院では、入院単価が高く、伸び率も高い。このため小規模病院との入院単価の格差は広がる一方である
 
 なお外来単価については、次のような状況です。入院ほどの大きな格差はないようです。

▼グループ1(大規模、DPC):2014年度単価は1万4621円で、5年前から20.9%増

▼グループ2(中規模、DPC):2014年度単価は1万2777円で、5年前から10.0%増

▼グループ3(中規模、非DPC):2014年度単価は1万733円で、5年前から11.4%増

▼グループ4(小規模、非DPC):2014年度単価は8856円で、5年前から4.0%増
(図 略)
入院単価ほどではないが、大規模なDPC病院で外来単価が高く、伸び率も高いため小規模病院との格差が広がる

地域の状況を踏まえ、近隣病院との「統合再編」なども視野に入れる必要

このように見ると、病院経営の改善には「大規模化」「DPC参加」などの方向が見えるようにも思えますが、人口規模の小さい地方の自治体に設立された小規模公立病院に、それを求めることはできません。

内閣府は、200床未満の小規模病院の経営改善方策を探るため、近隣病院との地理的配置などに着目した分析を実施。さらに、病院関係者の意見(インタビューを実施)も踏まえて、次のような改善方向を示しました。地域の状況を踏まえて、「病院の統合再編」を踏まえた検討を行うよう提言しています(こちら)とこちらとこちら)とこちら)。

【タイプ1】(不採算地区の外に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院がある):▽人口規模が大きい▽人口密度が高い▽高齢化率が低い—という好立地環境にあることが分かったが、病床シェアは低く、修正医業収支比率・病床稼働率は低下している(ただし他のタイプに比べて低下幅は小さい)。ここから▼他病院と機能分担を進め、地域にとって必要な医療を提供する▼地域包括ケアシステムの確立に貢献する—ことが必要と考えられる。地域によっては「病院の統廃合」などの抜本的な見直しも検討する必要がある

【タイプ2】(不採算地区の外に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院はない):▽人口規模は小さい▽人口密度は低い▽高齢化率・人口減少率が高い—という厳しい立地環境にあり、「地域に必要な医療機能の維持」が最優先の課題となる。将来、大幅人口減などが生じた場合には「病院規模などの見直し」を実施することが必要である

【タイプ3】(不採算地区に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院がある):近隣に規模の大きな病院があることから、▼他病院との機能分担を進め、地域に必要な医療を提供する▼地域包括ケアシステムの確立に貢献する—ことが必要。近隣病院との距離が近い場合には「統合再編」の検討も必要

【タイプ4】(不採算地区に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院はない):1日平均外来患者数や病床稼働率が低く、経営指標は最も厳しい。「地域唯一の病院」と言うケースが多く、地域医療の確保という観点からも支援が必要。ただし、将来的には、地域の医療ニーズ見通しなどを踏まえ、▼病床削減・機能転換(診療所と老人福祉施設の複合施設への転換など)▼同一医療圏内の病院との統廃合・ネットワーク化―などを検討し、「産業・雇用・交通などを含めた地域全体の街づくりの中で、公立病院の位置づけを明確にしつつ、地域に一定の医療・介護サービスが確保される体制」を目指すことが必要である
公立病院を立地条件などに応じて分類すると、それぞれにおいて経営課題は異なっていることが分かる



http://www.medwatch.jp/?p=15455
2015年度1人当たり医療費、最高の福岡と最低の新潟で1.38倍の地域格差—厚労省
2017年8月29日|医療保険制度 MedWatch

 2015年度の1人当たり医療費(市町村国保+後期高齢者医療)は全国では53万7000円だが、都道府県別に見ると最高の福岡県(64万1000円)と最低の新潟県(46万6000円)との間では1.38倍の格差がある。また「西日本で1人当たり医療費が高く、東日本で低い」傾向は変わっていない—。

厚生労働省は25日に、2015年度の「医療費の地域差分析」を公表し、こういった状況を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 入院医療費で地域格差が大きく、「在院日数の短縮化」が地域差是正の鍵
2 1人当たりの実績医療費、高知県の自治体が上位を独占

入院医療費で地域格差が大きく、「在院日数の短縮化」が地域差是正の鍵

1人当たり医療費は年齢との関係が強いため、地域差を分析する際には「地域ごとの年齢構成(高齢者割合など)の差」を調整することが重要です。

市町村国保加入者と後期高齢者医療制度加入者を合計した1人当たり年齢調整後医療費を見てみると、全国では53万7000円ですが、都道府県別に見ると、最高は福岡県の64万1000円(全国の1.194倍)で、高知県63万7000円(同1.186倍)、佐賀県62万7000円(同1.168倍)と続きます。また最低は新潟県の46万6000円(同0.867倍)で、千葉県47万7000円(同0.888倍)、静岡県47万8000円(同0.890倍)などとなっています。最高の福岡県と最低の新潟県では1.38倍の開きがあります。

(図 略)
2015年度の、1人当たり年齢調整後医療費と地域差の状況
(図 略)
都道府県別に見た、1人当たり年齢調整後医療費のグラフ
 
医療費の地域差を、日本地図を色分けした医療費マップで見てみると、「西日本で高く、東日本で低い」(西高東低)の傾向が依然として続いていることを改めて確認できます。
(図 略)
地域差指数(年齢構成を調整し、医療費が平均からどれだけ離れているかを指数化)のマップ。西日本で高い地域(オレンジ色)が多く、東日本で低い地域(青色)が多いことが分かる
 
入院医療費を▼1日当たり医療費▼1件当たり日数▼受診率—の3要素に分解して、地域差にどの要素が影響しているのか(寄与度)を見てみると、入院医療費の高い地域(高知県、福岡県、鹿児島県など)では「受診率と1件当たり日数が医療費を高める方向に寄与し、1日当たり医療費は低くする方向に寄与している」傾向が、逆に入院医療費の小さな地域(静岡県、新潟県、千葉県など)では「受診率や1件当たり日数が医療費を低くする方向に寄与している」傾向があることが分かります。ここから、「入院回数が多く、入院日数の長いことが1人当たり入院医療費の高騰を招いている」と伺えます。
入院外医療費(調剤を含む)について、同様に▼1日当たり医療費▼1件当たり日数▼受診率—の3要素に分解した寄与度を見てみると、入院外医療費の高い地域(広島県、香川県、佐賀県など)では「受診率と1件当たり日数が医療費を高める方向に寄与し、1日当たり医療費は低くする方向に寄与している」傾向が、逆に入院外医療費の小さな地域(新潟県、沖縄県、富山県など)では「受診率や1件当たり日数が医療費を低くする方向に寄与している」傾向があることが分かります(入院と同じ構造)。「頻回の医療機関受診が、入院外医療費の高騰につながっている」ことが伺えます。
(図 略)
地域差指数に対する三要素別の寄与度。入院(上段)、入院外(下段)ともに「受診率」「1件当たり日数」の高さが地域差指数を高く(つまり医療費を高く)していることが伺える
 
さらに「入院では地域格差が大きく(最高と最少の格差は1.75倍)、入院外では地域格差が小さい(同1.20倍)」ことも踏まえると、医療費の地域差是正に向けて「在院日数の短縮」が最重要テーマ(入院外では頻回・重複受診などの適正化)であることを再認識できます。

1人当たりの実績医療費、高知県の自治体が上位を独占

 市町村別に1人当たり実績医療費(年齢調整をしていない)を見てみると、最も高いのは高知県馬路村で102万1965円。次いで高知県大豊村96万5906円、高知県北川村87万9101円、高知県奈半利町84万7872円、高知県大川村83万8166円となり、上位5市町村を高知県の自治体が独占しています。

 逆に1人当たり実績医療費が低いのは、下から東京都小笠原村25万5304円、長野県川上村31万7842円、東京都御蔵島村32万643円、沖縄県竹富島35万1008円、長野県南牧村36万7825円などで、離島や山間地が目立ちます。

 
 また年齢構成を調整した上で、医療費が全国平均からどれだけ乖離しているのかを示す「地域差」を市町村別に見てみると、もっとも高いのは高知県馬路村の1.49で、高知県奈半利町1.41倍、北海道壮瞥町1.36、高知県芸西村1.36、高知県大豊町1.35と続きます。

逆に地域差が低い自治体は、福島県檜枝岐村0.67、長野県王滝村0.68、長野県天龍村0.68、岩手県九戸村0.69、山梨県小菅村0.70となっています。



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奥州・新市立病院計画に異論 医師会、有識者会議を辞退
(2017/08/26) 岩手日報

 奥州市総合水沢病院(149床)に代わる新市立病院の建設計画が難題に直面している。奥州医師会(関谷敏彦会長、194会員)が市の有識者会議への出席を辞退した。同会は市の計画に対し「機能維持が前提」として異論を唱えている。医師会との連携は新病院の運営に欠かせず、認識の隔たりが解消されなければ2021年度の開院にも影響しそうだ。

 医師会は24日までに、市に文書を送付。辞退の理由について「有識者会議と決定会議は別。議論が意味のないものになるのではないか」と疑念を記した。一方で「建設に反対ではなく、懸念が払拭(ふっしょく)されれば再考の余地はある」とした。

 有識者会議は胆江地域の医療機関など16団体の委員で構成。庁内で検討した計画案に意見を述べる。8月末に初会合を予定していたが、医師会の辞退により奥州歯科医師会、奥州薬剤師会、県立江刺病院、奥州保健所の4団体からも出欠の回答が得られていない。

 医師会は病院機能の維持方針に対し「財政負担が大きく人材確保も難しい」「少子高齢化に対応する機能検討が必要」と主張。6月、歯科医師会、薬剤師会と医師確保計画などをただす質問書を市に提出した。



  1. 2017/09/01(金) 05:40:52|
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