Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月27日 

https://dot.asahi.com/dot/2017082300035.html
看護師不足が医師不足よりも深刻な理由
連載「メディカルインサイト」  上昌広
2017.8.25 07:00dot.#病院

全国の看護師の有効求人倍率。「平成25年度都道府県別求人数等の実績」「平成25年看護関係統計資料集」より。東大医科研 森田知宏、児玉有子(出典:医療ガバナンス研究所調べ)

 東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。だが、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、深刻な看護師不足の現状についても明かしている。その解決策とは。

*  *  *
 高齢化が進む日本で、看護師不足対策は喫緊の課題です。ところが、その解決は医師不足以上に困難です。看護師の多くが女性であり、他の地域からの移住が期待できないからです。多くの看護師は、地元の学校を卒業し、地元に就職します。結婚して家庭を持つと、看護師不足の地域で働くための「単身赴任」は難しくなります。看護師不足を緩和するには、看護師の労働条件を改善するとともに、地元での育成数を増やすべきです。

 海外から看護師を受け入れることも原理的には可能ですが、現実的ではありません。日本語という言語の壁があります。また、多くの新興国では看護師の社会的な地位は高いため、日本に来るインセンティブがないのです。

 労働条件の改善については、さまざまな対策が採られ、成果が上がりつつあります。日本看護協会によれば、新卒看護師の離職率は7.50(14年度)。大卒の新入社員の約3割が入社後3年間で辞めるとされる中、看護師の離職率は飛び抜けて高いわけではありません。

 人口あたりの看護師の数は、人口あたりの看護師養成数に比例します。看護師が不足しているのは、地元での看護師養成数が少ないからです。首都圏の看護師を増やすには、地道に育成するしかありません。看護師養成数にも、地域間格差があります。12年現在、人口10万人あたりの看護師養成数は西日本が80人程度であるのに対し、関東は約40人に過ぎません。看護師数と同じく、養成数も2倍程度の差があるのです。この「西高東低」の格差は、日本の近代化を反映しています。明治以降、病院や医師会が中心となって、看護師を養成してきましたが、医師の数や医学部数は前述したように「西高東低」だからです。

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全国の看護師の有効求人倍率。「平成25年度都道府県別求人数等の実績」「平成25年看護関係統計資料集」より。東大医科研 森田知宏、児玉有子(出典:医療ガバナンス研究所調べ)

 看護師不足解消のため、平成以降、政府は看護師養成数を年間約4万人から6万人に増やしました。大学看護学部が急増しています。1989年には看護系学部があったのは11大学(関東に5大学)でしたが、2016年末現在で254大学(関東に73大学)に増えています。一方、専門学校の定員はむしろ減少傾向を示しています。平成以降の看護師養成数の増加は、ほぼ看護大学によると言っても過言ではありません。しかし、看護師を育成しても、急増する患者ニーズに応えることは困難です。

 看護師が多いとされる九州と四国で、看護師の有効求人倍率は1~2倍程度。つまり、最も看護師数の多い地域でも、看護師は足りていません。関西より東では看護師の有効求人倍率は2~5倍です。

 首都圏の看護師養成数を九州や四国並みに増やそうとすれば、さらに1万7000人、看護師養成数を増やさねばなりません。東京だけでも5000人です。震災復興や東京五輪を控え、人手不足が深刻な建設業よりも、看護師の人手不足は深刻です。

■急増する看護学部が希望か

 では、どうすればいいのでしょう。私は、市場はニーズがあれば、必ず成長すると考えています。この10年間で看護学部の定員が倍増しましたが、志望者数は3倍に増え、定員割れは起こしていません。

 大学経営者にとってありがたい活況です。看護学部は、医学部のように新設に対する規制がなく、事業者が看護学部設立を望めば、基本的に認められます。課題は教員の確保です。看護師の多い九州地区ですら、看護大学の教員確保は難しく、年収1000万円以上が珍しくないと言います。博士号を取っても就職先がない「ポスドク問題」とは対照的です。

 少子化が進み、大学経営が冬の時代を迎えた昨今、看護学部設立は大学経営者にとっても、教員にとっても魅力的です。東京や京都など、私立大学が多い地域では、私大がリードして看護師の養成数を増やしています。15 年4月には、関西の名門同志社女子大学も看護学部看護学科を開設しました。

 ただし、看護師不足が深刻な千葉県・埼玉県・神奈川県は、看護学部を作ろうにも、設立母体となる大学自体が多くありません。既存の私立大学が看護学部を開設するのを待っているだけでは、首都圏の看護師不足は緩和されそうにありません。私立大学の看護学部の授業料は決して安くなく、初年度納付金が200万円を超える大学も珍しくありません。それでも看護学部で学びたいという高校生は跡を絶ちません。

 なぜ、多くの高校生が看護学部を目指すのでしょうか。もちろん、看護師職にやりがいがあり、患者を支える「聖職」であることは大きいでしょう。最も大きな理由は、業務独占の国家資格であるため、看護師不足の昨今、食うには困らないということでしょう。給与も高く、14年の平均年収は473万円で、サラリーマンの平均年収(415万円)を上回ります。ある大手予備校の講師は「医学部や薬学部と比べて、看護学部の偏差値は低い。40台の学校も珍しくない。それでも卒業して、国家資格を取れば、高給が保証されている。こんな仕事はほかにはない」と言います。

 かつて「3K」といわれた職業もずいぶんと変わったものです。看護大学の人気を考えれば、偏差値も急速に上昇するでしょう。その過程で混乱が生じることも予想されます。今後、教育の質を担保しながら、さらに看護師養成数を増やす必要があります。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋
病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日
朝日新聞出版
定価:1,620円(税込)
978-4023314931



http://www.sankeibiz.jp/econome/news/170824/ecd1708240500001-n1.htm
厚労省、地方への医師呼び込み 若手対象、週4日勤務制も
2017.8.24 05:00 SankeiBiz

 厚生労働省が来年度から、医師不足に悩む地方で働く若手医師を対象に、勤務環境の改善に乗り出すことが23日までに、関係者への取材で分かった。
 週4日制など柔軟な勤務体系やテレビ電話での診療支援などを進める。「働き方」を改善し、地方に若手を呼び込み、地域間の医師偏在を解消するのが狙いだ。
 国公立の医療機関だけでなく、民間で働く医師も対象。都道府県などによる環境整備を後押しするため、来年度予算案の概算要求に8億円を盛り込む。
 地方で働いてもいいという医師は一定数いるものの、人手不足で休みが取りにくいことや、希望する仕事ができないといった労働環境の厳しさやキャリア形成の難しさなどが地方定着を阻んでいるとみられる。
 新たな事業では、若手医師が休暇や自己研鑽(けんさん)のための時間を確保できるようにするため、週4日勤務制を導入したり、非勤務日をカバーする代替医師を派遣したりする自治体の取り組みを支援。テレビ電話を活用し、遠隔地からアドバイスを受けられるような仕組みも想定している。
 地方で一定期間働くことを条件に、医学部在学中の奨学金の返済を免除される「地域枠」制度を利用した若手や自ら地方勤務を選択した医師も対象になる。
 厚労省は、医療機関が医師不足地域にベテランの指導医を派遣する際に、旅費や代替医師の雇用にかかる費用を援助する事業も実施する予定だ。



https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082300127&g=soc
診療所の継承、相続税免除=過疎地の個人開設に-厚労省
(2017/08/23-15:24) 時事通信

 厚生労働省は、過疎地などで診療所や病院を相続した後継者の医師が安定的に運営を続けられるよう、医療業務に必要な土地・建物などにかかる相続税を免除する方針を固めた。対象は個人開設の医療機関で、相続後に5年間継続して運営することが条件。2018年度税制改正要望に盛り込む。
 近年、医師が都市部へ偏り、人口の少ない過疎地では医師不足が深刻化している。こうした地域で内科や外科などの医療を担ってきた医師も高齢化し、次世代への円滑な事業継承が喫緊の課題となっている。
 しかし現状では、過疎地の医療機関を親族の医師が相続しようとしても、診療所や病院の土地・建物を含めて多額の相続税が課されるため、やむなく廃業するケースも少なくない。
 そこで同省は、個人開設で都道府県知事が地域医療に不可欠と認定した診療所や病院に限り、土地・建物や検査機器など医療に必要な資産額相当の相続税を納税猶予とする。後継者の医師が5年間運営した時点で相続税を免除する。 
 事業承継をめぐっては、中小企業の後継者が先代から株式を引き継いだ場合、相続税や贈与税の納税が猶予・免除される仕組みがある。個人経営者でも事業用地の相続税を減額評価する制度があり、医師の後継者でもこうした事例を参考にした。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201708/CK2017082302000190.html
【千葉】
医学生が知事に修学資金の制度改善を要望 県庁で意見交換

2017年8月23日 東京新聞

 医師不足の解消を目的とした県の修学資金貸付制度を利用している医学生が、県庁で森田健作知事と意見交換をした。医学生は修学資金に感謝しつつ、「使い勝手を良くしてほしい」と要望した。
 千葉県は人口十万人当たりの医師数が一八二・九人と、全国四十五番目に少ない。医師を確保しようと、二〇〇九年度から同制度を設けた。貸し付けは公立で月十五万円(私立は月二十万円)程度で、県内の医療機関に九年勤めれば返還が免除される。
 意見交換は今月十七日にあり、医学生は、診療科が少ない地域病院に配属された場合や、卒業から勤務までの猶予期間が四年間と少ない点を踏まえ、「専門コースに進みたい人のキャリアプランを狭めてしまう」と指摘した。「妊娠、出産のタイミングが難しい」との声も上がった。 (村上豊)



http://www.asahi.com/articles/DA3S13098421.html
(社説)医師過労防止 地域医療と両立めざせ
2017年8月23日05時00分 朝日新聞

 東京都内の病院で働いていた研修医が、長時間労働が原因で自殺したとして、7月に労災認定された。5月にも新潟市民病院で同様の労災が認められたばかりだ。

 医師は、正当な理由がなければ診察や治療を拒めない。とりわけ病院の勤務医の多忙さはよく知られる。総務省の就業構造基本調査では週の労働時間が60時間を超える人の割合は医師が420と職種別でもっとも高い。

 だが、勤務医も労働者だ。過労で心身の健康がおびやかされれば、手術ミスなど医療の質の低下にもつながりかねない。患者の命と健康を守るためにも、勤務医の働き過ぎを改めていくべきだ。

 政府は働き方改革として、秋の臨時国会に「最長で月100時間未満」などと残業を規制する法案を提出し、長時間労働の是正に取り組む方針だ。

 ただ、医師については、画一的な規制が地域医療を崩壊させかねないとする医療側に配慮し、適用を5年間猶予して、これから残業規制のあり方を議論することになっている。

 実際、労働基準監督署から長時間労働の是正を求められた病院で、外来の診療時間や診療科目を縮小する動きがある。医師の過労防止で必要な医療が受けられなくなる事態は避けねばならない。

 そのためには、残業規制の強化を実行できる態勢を、同時に作っていく必要がある。

 まずは、病院の勤務医の仕事の量を減らすことだ。医師でなければできないことばかりなのか。看護師や事務職など、他の職種と仕事をもっと分かち合う余地はあるはずだ。

 初期の診療は地域の開業医に担ってもらうなど、病院と診療所の役割分担を進めていくことも重要だ。

 医師不足の背景には、地域や診療科ごとの医師の偏りという問題もある。実情に合わせて正す方策を考えたい。地域によっては、病院を再編し医師を必要なところに集中させることが適当なケースもあるだろう。

 様々な取り組みを進めたうえで、それでも全体として医師が足りないようなら、いまの計画より医師を増やすことも考えねばなるまい。

 そうした議論が、働き方を巡る規制の検討会、医師の需給見通しの審議会など政府内でバラバラに進むことのないよう、横断的・一体的に検討すべきだ。

 地域医療との両立をはかりながら、医師の働き方の見直しに道筋をつける。難題だが、避けては通れない。



https://www.komei.or.jp/news/detail/20170822_25353
主張 新専門医制度  患者の期待に応える内実に
公明新聞:2017年8月22日(火)付

内科や外科、小児科などの「専門医」を育成・認定する新たな制度が、来年4月にスタートする。医療の質の向上により、「専門医」に対する国民の信頼を高める契機としなければならない。

現在、多くの医師が「専門医」という肩書を使っているが、各学会が独自の基準で認定してきたものだ。その数は100を超え、一つの病名に複数の診療科名が存在しているケースもある。患者にとって分かりにくく、認定基準も学会によって異なるため、専門医の水準にばらつきを生む点が指摘されてきた。

新制度では、専門医の認定を第三者機関の日本専門医機構が行う。医師国家試験に合格し2年間の初期研修を終えた医師が、医療現場でさらに3年程度の研修を受け、機構が実施する試験に合格することで認定される。

医療現場での研修内容は各科の学会が策定するが、機構の審査が必要となる。専門医のレベルアップへ、研修から試験まで関わる機構の役割は極めて大きいといえよう。

機構はまた、専門医の種類を内科や外科など19の基本領域にまとめた。患者にとっては、耳慣れた科目名の方が分かりやすいのは当然だろう。

「総合診療専門医」の新設も新制度の特徴の一つだ。

総合診療専門医は、内科や外科など複数の領域にまたがり、病院で診察するだけでなく在宅医療や介護など幅広く担当する。住み慣れた自宅や地域で暮らしながら医療や介護サービスを受ける「地域包括ケアシステム」では重要な役割を担う。地域医療を重視した試みは期待できよう。

課題も指摘しておきたい。例えば、新制度による研修は大都市に多い大学病院などで行われるため、専門医をめざす医師が都市部に集中し、地方が医師不足に陥るのではとの懸念があるという。

機構は既に、▽大都市圏の研修定員に上限を設ける▽研修施設を地域の中核病院にも広げる―などを決めた。地域医療に従事しながら専門医をめざす医師が少なくない点にも目を向ける必要がある。

高齢化に伴い国民の医療への関心は高い。まして専門医となれば患者の信頼は格別だ。この点を肝に銘じ、新制度のスタートに臨んでほしい。



https://www.hokkaido-np.co.jp/article/126840
社説 働き方
医師の過労死 働き過ぎ解消は急務だ

08/21 05:00 北海道新聞

 人の命を救う医師が過重労働で疲弊し、自殺に追い込まれるケースも後を絶たない。

 東京都内の総合病院の産婦人科で働く30代の男性研修医が2015年7月に自殺したのは、長時間労働で精神疾患を発症したのが原因として労災認定された。

 遺族の代理人弁護士によると、自殺直前の1カ月の残業は約173時間に上り、厚生労働省の過労死ライン(直前1カ月100時間)を大幅に上回っていたという。

 医師の過労自殺では、今年5月にも、新潟市民病院(新潟市)に勤務していた30代の女性研修医が労災認定されている。

 もはや看過できない事態である。重い使命を担うとはいえ、医師も生身の人間だ。

 政府は、一刻も早く医師の長時間労働の解消策を打ち出さなければならない。

 男性研修医は自殺する前の半年間、月に143~208時間の残業を行い、休日はわずか5日間だった。当直明けが日勤の場合、拘束時間は30時間を超えていた。

 休日の呼び出しも多く、抑うつ症状があったという。すさまじい労働実態と言うほかない。

 医師の長時間労働は常態化している。厚労省によると、週60時間以上働く医師は41.8%に上り、職業別で最多だ。

 休日は月平均5.3日だけで、ゼロも11.4%いた。自殺(未遂含む)など労災認定は、16年までの5年間で21件に上る。

 医療過誤の原因として、慢性疲労を挙げた医師が7割を超えたという調査報告もあり、長時間労働の放置は、医療の質を低下させる恐れがある。

 政府が進める「働き方改革」には問題が多い。そもそも医師は残業時間の上限規制の例外として、5年の猶予期間が設けられた。

 医師には正当な理由なく診療を拒めぬ「応召義務」があるとしても、これでは何も変わらない。

 長時間労働の是正には、医師不足や偏在の解消も不可欠だ。

 人口比で見ると、日本の医師数は経済協力開発機構(OECD)加盟29カ国中26位で、1位のオーストリアの半分以下である。

 病院運営者は、医師も労働者との視点で、労働環境を再チェックしてもらいたい。交代勤務制への転換や、事務の役割分担などさまざまな工夫をすべきだろう。

 患者の側も、かかりつけ医などを活用し、時間外にむやみに駆け込む「コンビニ受診」は控えたい。意識改革が求められる。



http://www.asahi.com/articles/ASK8V23T0K8VUBQU004.html
膨らむ高齢者の医療費 治療、どこまで?
生田大介
2017年8月26日06時41分 朝日新聞

 日本は世界に誇る長寿国となった一方、それが医療費を膨張させている。薬や医療機器の高額化も進むなか、高齢者への医療はどうあるべきなのか。

■相次ぐ、画期的医療技術

 西日本のある病院に昨年末、90代後半の重症心不全の女性が運び込まれた。心臓から血液を全身に送るための弁が硬くなり、呼吸困難に陥った。本来なら胸を切って人工弁を埋める外科手術が必要だが、高齢過ぎて体力的に耐えられない。

 そこで、太ももの血管から細い管を通して人工心臓弁を届ける「経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI(タビ))」という治療が行われた。体への負担が少ない最先端の技術で費用は700万円ほど。保険が利くので患者負担は少ないが、保険料や公費の負担は大きい。

 治療は成功して女性は無事に退院したが、その数カ月後に肺炎で亡くなった。治療を担当した医師は振り返る。「症状が悪化するまで畑仕事をしており、『もう一度元気になりたい』という思いが強かった。高齢になるほど肺炎や脳梗塞(こうそく)のリスクは高くなるが、発症するのか予測は難しい」

 TAVIは国内では2013年に保険適用され、8千例以上行われた。だが、比較的余命が短い「超高齢者」にどこまで使うのか、医療現場は模索している。

 北里大学では、95歳の患者まで対象としたことがある。阿古潤哉教授は「体力や認知能力などから適応をしっかり選んで実施している。国民皆保険がこのまま持つかどうか懸念はあるが、年齢だけで区切っていいのか難しい」と漏らす。

 TAVIの費用対効果は高いとされるが、合併症を起こす可能性が大きい高齢者には費用対効果が低いという海外の研究もある。TAVIの関連学会協議会の事務局を務める鳥飼慶・大阪大講師は「手術できない高齢者にとってTAVIは福音となる技術。ただ、超高齢者にどこまで適応をするかは、医療費の観点も含めて議論していく必要があるのではないか」と話す。

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■75歳以上の医療費、年14兆円

 日本人の平均寿命は伸び続け、16年は女性が87・14歳、男性が80・98歳になった。一方、高齢になるほど医療費はかさみ、14年度の医療費(約41兆円)の3分の1以上にあたる約14兆円は、後期高齢者医療制度に入る75歳以上が使った。

 大島伸一・国立長寿医療研究センター名誉総長(71)は、こう訴える。

 「平均寿命を超えたら超高額な薬は使わないことや、治療内容によっては自己負担割合を引き上げることなどを本気で考えないと、医療が崩壊するかもしれない」

 とはいえ、高齢者の医療費を削減する議論は、命に直結する問題だけに容易ではない。とりわけ多くの医療費がかかる延命治療のあり方は難題だ。

 患者の意思が確認しづらく、望まない延命治療が行われる場合もあるとされる。そこで京都市は4月、患者の意識が明確なうちに延命治療をするかどうかなどを決めておく「事前指示書」を約3万部つくり、配布を始めた。すると「生命を軽んじている。国の医療費抑制に同調しているのでは」といった反発が出た。

 政府は08年4月に、医師が延命治療などの相談を受ければ報酬を加算する仕組みを導入したが、「高齢者は早く死ねということか」といった強い批判を受け、3カ月後に凍結。10年4月に廃止された。

 国立がん研究センターは4月、高齢の進行期がん患者は抗がん剤による延命効果がみられない可能性があるという研究結果を公表し、波紋を広げた。

 同センターの中釜斉(ひとし)・理事長は「研究の狙いは医療費抑制ではない。体力が乏しく副作用のリスクも大きい高齢者に最適な治療を考える研究の一環だ」と説明。症例数が少ないため、より大規模な研究が検討されている。

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/551583
m3.com意識調査
勤務医、暗い見通し「開業して儲かる時代は終わった」
「採算が合わない」開業に踏み出せない勤務医の声

レポート 2017年8月25日 (金)配信m3.com編集部
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 2017年8月1日 (火)~7日 (月)に実施した意識調査「開業したいと思ったこと、ある?」において、 勤務医の会員に対し、開業をしたいと思うかについて質問したところ、約4割が「開業したいと思う」と回答した(39.30)。
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Q2:上記回答の理由があればお書きください。

【開業したい】
・父が開業しており、自分の時間や資産が増えることに大きなメリットを感じる。しかし専門科が異なり兄弟が継ぐため、別に自分で開業する必要がある。(20代男性)
・親のクリニックを継続する。(30代男性)
・理想の地域医療を模索したい。(30代男性)
・勤務医の当直は安く、忙しい。開業医は簡単に総合病院に紹介してくる現状があり、それならば自分も開業したいと思う。(30代男性)
・独立して自分が長として働きたい。(30代男性)
・収入アップのために開業したいとは考えるが、体力に自信がなく、開業に至っていない。(40代男性)
・地域医療に貢献するには最適の形態と思うので。(40代男性)
・開業の方がやりがいがあるが、結局 勤務医が楽なのでこのままいきそうです。(40代男性)
・色々な面で自分でコントロールできるシステムとして組み立てられると思っているので、十分に準備をして開業したいと考えている。(60代男性)
・地域医療の原点であると思う。(60代男性)

【開業したいとは思わない】
・開業医はできることが限られ、接することのできる症例や人にも限られるので現時点ではやりたくない。(20代男性)
・実際場所があり、法人があり、身内が開業に引っ張られることも決定している。大学院に行くつもりもなく、 勤務医をこのまま続けると部長にはなれないので、どこかで追い出される。自分の親の介護を考えるとある程度見切りを付けて開業するのが賢明なのかもしれない。(30代男性)
・医局に属しており、医局のために働きたいと感じているから。(30代男性)
・もう開業医が儲かるという時代は終わったと思っています。(30代男性)
・開業しても借金が多く、返せるかどうか未知数。人口が30万人ずつ減少していく時代においては、破産するのでは。(40代男性)
・資金や来年の診療報酬改定後の採算面でかなり厳しいと思い、諦めました。(40代男性)
・今後、医療経営の厳しさが増すように思われるから。(40代男性)
・電子カルテを扱える医療事務の求人が少ない。(40代女性)
・年齢が時機を逸してしまったのと、今から借金をこしらえたら返済できないと思われるため。(50代男性)
・資金面と夜働く時間、医師会の仕事の割り当てなどで負の部分も多いかなと。(50代男性)
・児童思春期を中心とした精神科クリニックでは採算が合わないと思うから。(50代男性)
・借金してまで、開業しても上手くいくのかと考えてしまいます。(50代男性)
・組織のしがらみも辛いが、リスクは背負えないと思う。(50代男性)
・診療内容の裁量が高まるが、経営業務が負担。(50代男性)
・売り上げだけのために不必要な薬を処方させられるのが嫌。かといって、自分の理想だけでは 集客も経営もできそうにないので。(50代男性)
・近年の医療費増抑制のトレンドの中で、開業医のメリットが見い出せない。(50代男性)
・開業すると経営者になるわけで、職員に給料を出すことが義務になる。その他経費と収入のバランスを考えていると、自分の理想とする医療が行えなくなる。(60代男性)
・経営手腕に欠けていると思う。それに小児科医なので、今後は採算が取れないでしょう。(60代男性)
・開業医が儲かる時代は過去の彼方に消え去った。しかも今や、開業医は儲かるどころか、倒産のリスクも徐々に高まっている。(60代男性)
・年齢のこともあり、うまくいくかどうかの不安もあり、踏ん切りがつかなかった。(60代男性)
・仕事は継続したいが、他人の給料を決めたり、本来の仕事とは違う事をしたくない。(60代男性)
・老医であるが医師になる動機が今も変わらず、海外の無医地区で奉仕したいためであるので。(70代男性)

【調査の概要】
調査期間:2017年8月1日 (火)~7日 (月)
対象:m3.com会員
回答者数:開業医230人
回答結果画面:「開業したいと思ったこと、ある?」



https://mainichi.jp/articles/20170825/ddl/k24/040/270000c
山田診療所
休診へ 医師退職 伊賀市が廃止も検討 /三重

毎日新聞2017年8月25日 地方版 三重県

 伊賀市は市国民健康保険山田診療所(平田)を11月から休診とする方針を固めた。24日の市国民健康保険運営協議会に報告し、了承された。市は廃止も検討する。

 市によると、診療所の医師(83)から6月、退職の意向が伝えられた。診療所には医師1人と看護師2人、事務員2人が勤務。毎週火、水曜に診察している。代わりの医師は探さず、看護師らの新職場を確保したという。

 今後は協議会内の「診療所あり方検討委」で廃止を含め論議する。稲森洋幸・健康福祉部長は「診療所でなくなれば、あの建物をどうするかの調整も必要」と話した。

 山田診療所の受診者は2013年度4463人。16年度は1199人。昨年10月から診療日をそれまでの週4日から2日に減らした。市は市立上野総合市民病院の内科医師が増えたことなども休診や廃止論議の理由としている。

 山田診療所は旧大山田村時代の1993年開設。廃止されると、旧大山田村地区の医療機関は国保阿波診療所と個人医院の2カ所になる。【大西康裕】

〔伊賀版〕



http://www.sankei.com/life/news/170825/lif1708250012-n1.html
「老衰死」10年で3倍 死因より最期重視へ変化
2017.8.25 12:45 産経ニュース

老衰死の推移
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 特定できる病気がなく自然に亡くなる「老衰死」が増えている。平成27年は約8万5千人で、17年から10年間で3倍になった。高齢者の増加が要因とされるが、背景には死因究明より、人生の最期を重視することで死を受け入れようとする本人や家族、医師の価値観の変化もあるようだ。

 「立派な老衰です。大往生ですね」。27年7月、寺田さださん=当時(99)、滋賀県東近江市=を自宅でみとった長女の丸山イサ子さん(77)は、往診した花戸貴司医師(47)の言葉に涙が止まらなかった。「母の人生がいい人生だったと、認められたような気がした」からだ。

 さださんは病気知らずで、大根や白菜など季節の野菜を、自宅裏の畑で丹精込めて育てていた。しかし、死亡の3カ月ほど前から次第に食が細くなり、1週間前には何も食べられなくなった。

 「母は枯れて、美しい姿になっていきました」とイサ子さん。亡くなる前日、さださんは布団から起き上がり、集まった家族や診療に訪れた花戸医師ら一人一人に「ほんまにありがとうございました」と丁寧に頭を下げた。その翌日、さださんは眠るように亡くなり、死亡診断書の直接死因欄には「老衰」と記された。

 長年地域の医療に従事してきた花戸医師は「残された人を納得させるのは、最期を共に過ごす中で語られた本人の言葉ではないか」と話す。在宅医療の普及で、人々の意識は、死の原因ではなく、最期に至るまでの生きた過程を重視する方向に変わってきたという。

 厚生労働省の死亡診断書記入マニュアルでは、老衰は「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死」。人口動態調査によると、老衰死は診断技術の進歩に伴い減っていたが、その後増加に転じ、17年の2万6千人から27年には8万5千人近くに増え、死因の7位から5位になった。

 全国老人福祉施設協議会の24年度の調査によると、特別養護老人ホームでみとりをした人のうち、老衰で死亡した人は6割を超える。

 在宅医療に詳しい東埼玉病院(埼玉県蓮田市)の今永光彦医師は「高齢者の増加の影響が大きいが、終末期のあり方に関する社会の意識の変化も関係しているのでは」と指摘。「在宅で世話をしてきた家族にとって、きちんとみとった証し、勲章のような意味を持つ場合がある」と話す。

 一方、今永医師が、在宅医療で「老衰」と診断したことのある医師を対象に実施した調査では「診断を積極的に行わないことへの葛藤」や「病気の見逃し」に不安があることが分かっている。

 全国在宅療養支援診療所連絡会会長の新田国夫医師は「救える命を医師が『人生の最終段階』と判断し、医療を放棄するケースもあり、老衰の診断は慎重にすべきだ。ただし、本人、家族と医師との間で合意があり、穏やかに亡くなったのなら、問題ないのではないか」と話した。



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/457726
伊万里松浦病院、長崎県に特例申請
移転先、病床過剰地域で

2017年08月25日 08時11分 佐賀新聞

 伊万里市の伊万里松浦病院を長崎県松浦市に移転開設する問題で、松浦市が病床過剰地域に含まれるため医療法の特例措置に基づき病院の移転開設を認めるよう、運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(本部・東京)が長崎県に申請したことが24日、分かった。

 申請は23日付。松浦市を含む二次医療圏「佐世保県北医療圏」の病床数は約5千床で、基準の3858床を上回っている。このため病床を伴う医療機関の新設は原則認められない。しかし、医療法は複数の医療機関の再編で病床数が減少する場合、特例として病床過剰地域でも新設できるとしている。

 同機構は2020年4~7月、松浦市で病床数87床、12診療科の病院を開設予定。誘致を目指す松浦市は圏内の病床数が増えないよう、20年3月末までに市内の88床を減らす計画を策定している。同機構は市内に中核的な公的病院がなく、医師の高齢化や後継者不足などの問題を抱えているとして、「この地域の医療に貢献したい」と特例の適用を求めている。

 申請を受け、県医療審議会は今秋、地域の事情や地元医師会の意向などを審議。その後、特例を認めるべきかどうか知事に答申する。県は答申を踏まえて国と協議し、認可を判断する。(長崎新聞提供)



https://mainichi.jp/articles/20170826/ddl/k42/040/285000c
松浦中央病院
20年新設 伊万里から移転へ特例申請 /長崎

毎日新聞2017年8月26日 地方版 長崎県

 松浦市の友広郁洋市長は25日の市議会全員協議会で、伊万里松浦病院(佐賀県伊万里市)を運営する独立行政法人「地域医療機能推進機構」が県に特例を適用して松浦市への移転・新設を認めるよう申請したことを明らかにした。12診療科87病床の「松浦中央病院」(仮称)を2020年4~7月に開設するとしている。

 同市を含む佐世保県北医療圏は基準を上回る過剰病床地域のため、新設には周産期疾患など病床の特定や、公的医療機関の再編統合などの特例適用が必要。同機構は23日付で、市医療再編計画で削減可能とされた「88病床」の範囲内に規模を抑え「市内唯一の救急告示病院」として特例を適用するよう求めた。

 県が新設を諮る県医療審議会は10月に開催予定。答申を経て知事が最終判断するが、特例適用には「地元医師会の理解が重要」とされる。市によると、市内11医療機関でつくる松医会の賛否は割れたまま。全員協議会でも、既存の病院との患者の奪い合いなどを懸念する意見が出た。【峰下喜之】

〔長崎版〕



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0823510281/
皮膚科医が地方で勤務する条件が明らかに
日本皮膚科学会アンケート

2017年08月23日 06:40 Medical Tribune

 医師の偏在や地域医療の崩壊は、多くの診療科が抱える共通の問題といえるが、抜本的な解決策はなかなか見いだすことができない。東北大学大学院皮膚科学准教授の山﨑研志氏は、全国の皮膚科科長や指導医、皮膚科勤務医を対象にアンケートを実施。それらの回答から、地方で皮膚科診療に携わる場合に医師が重視するポイントなどが明らかになったと、第116回日本皮膚科学会(6月2~4日)で発表した。

悪性黒色腫への外科対応不可の施設多い

 複数実施されたアンケートのうち、1つは「皮膚科長、指導医の立場からみる皮膚科診療の現状と要望」をテーマにしたもので、日本皮膚科学会認定主研修施設、一般研修施設に該当する334施設から回答を得た。回答者は皮膚科科長である。

 回答によると、皮膚科の常勤医師数は平均4.6人であるのに対し、必要とする皮膚科医数は平均5.4人で、現状では医師数の不足を感じながら診療している施設が多いことが示された。

 診療状況については、自己免疫性水疱症や乾癬、アトピー性皮膚炎などに対する治療やパッチテスト、ダーモスコピーといった皮膚科特有の疾患や手技、検査は大半の施設で可能であった。しかし、悪性黒色腫に対する外科手技・処置については可能な施設が少なく、原発巣切除は159施設、センチネルリンパ節生検は127施設、鼠径リンパ節郭清は122施設と、いずれも回答が得られた施設の半数に満たなかった。

所属する皮膚科医の数、当直回数が地方に医師を呼び込む鍵

 別のアンケートでは、「勤務医の立場から考える皮膚科医療に求める姿」をテーマとし、同学会認定専門医かつ勤務医の426人から回答を得た。

 出身地・出身大学と現勤務地を地域別に尋ねると、東北、中国、四国地方が出身地あるいは出身大学の医師が同じ地域に勤務する割合は60%前後であり、近畿地方の134.8%、関東や九州・沖縄地方の106.4%に比べ低かった。

 現在の勤務先で困っていることについては、「業務が多忙」との回答が142人と最も多く、次いで「働きがいや自分自身の将来展望」の111人だった。

 医師不足地域で診療に従事する場合に必要となる条件については、「自分と交代できる医師がいる」が317人で最も多く、「他病院とのネットワーク・連携がある」(291人)、「給与が良い」(226人)の順に多かった(表)。

表. 医師不足地域で診療に従事するとしたら、主にどのような条件が必要か(複数回答可)
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(山﨑研志氏提供)

 さらに、同様の観点から質問項目をより具体化し、「ある二次医療圏内で、唯一皮膚科を標榜科とし、皮膚科専門医が在職している病院への勤務を打診された場合」の判断条件を10項目示し、より重視する順に1~10の番号で回答を求める調査を実施。その結果、「皮膚科医の人数」が平均値2.8、「当直の回数」が3.5となり、他の項目よりも重視する条件であることが明らかになった。

 これらの結果を受け、山﨑氏は「多くの皮膚科専門医が、複数人体制で外科治療まで行える医療施設が理想的と考えており、そういった施設での勤務を求めていることがうかがえた」とまとめた。

(陶山 慎晃)



https://www.m3.com/news/iryoishin/553112
医師会立看護師養成所の減少、地域医療に影響
釜萢常任理事「医師会立の役割低減とはさらさら思わず」

レポート 2017年8月24日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の釜萢敏常任理事は8月23日の定例記者会見で、医師会立の看護師学校養成所などの状況について報告。応募者、入学者とも減少傾向にあるが、「医師会立の役割が低減しているとはさらさら思っていない」と強調した。医師会立養成所卒の看護師が減ることで、地域における看護職員の確保が困難になる恐れがあるとする危機感を表した。


 調査は入学者もしくは卒業者のあった施設を対象に2017年5月に実施。医師会立の准看護師課程は182校(2016年度186校)、看護師2年課程72校(同74校)、看護師3年課程70校(同68校)、助産師課程6校(同6校)で、全体では330校(同334校)だった。准看護師課程の入学者は2012年度の9393人から2017年度は7692人に減少している。

 看護師全体の養成数は1998年度の約7万5000人をピークに、1999年度にあった准看護師課程のカリキュラム改正の影響で減少。2005年度の約5万9000人を底に、看護系大学の増加とともに近年は増加傾向にあるが、それでも6万5000人程度に留まっている。看護師の有効求人倍率は2017年5月に1.49倍となり、1974年2月以来、43年3カ月ぶりの高さを記録している。医師会立養成所の卒業生は8割程度が県内に就職するのに対し、他の養成所では6-7割、看護系大学では5割に留まっている。

 釜萢氏は「(医師会立養成所の)役割が低減しているとはさらさら思っていない。なぜかと言うと地域定着は医師会立が高く、ある県に看護系大学ができたからといって、その大学生が定着する率は低い。医師会立の役割は非常に大きい」と強調。それでも、医師会立養成所が減少している背景には若年人口の減少などがあるとし、養成所がなくなった地域では看護師確保に苦労していると説明した。



http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=367463&comment_sub_id=0&category_id=256
地方の若手医師、「働き方」改善へ 厚労省
2017/8/23 中国新聞

 厚生労働省が来年度から、医師不足に悩む地方で働く若手医師を対象に、勤務環境の改善に乗り出すことが22日、関係者への取材で分かった。週4日制など柔軟な勤務体系やテレビ電話での診療支援などを進める。「働き方」を改善し、地方に若手を呼び込むことで、地域間の医師偏在を解消するのが狙いだ。
 国公立の医療機関だけでなく、民間で働く医師も対象。都道府県などによる環境整備を後押しするため、来年度予算案の概算要求に8億円を盛り込む。
 地方で働いてもいいという医師は一定数いるものの、人手不足で休みが取りにくいことや、希望する仕事ができないといった労働環境の厳しさやキャリア形成の難しさなどが地方定着を阻んでいるとみられる。
 新たな事業では、若手医師が休暇や自己研さんのための時間を確保できるようにするため、週4日勤務制を導入したり、非勤務日をカバーする代替医師を派遣したりする自治体の取り組みを支援。テレビ電話を活用し、遠隔地からアドバイスを受けられるような仕組みも想定している。
 地方で一定期間働くことを条件に、医学部在学中の奨学金の返済を免除される「地域枠」制度を利用した若手のほか、自ら地方勤務を選択した医師も対象とする。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20394750V20C17A8000000/
地域包括ケアのあるべき姿、ビッグデータで分析 
2017/8/26 8:00 日本経済新聞
日経デジタルヘルス

 「地域包括ケアシステムの深化」および「多様化する高齢者像を捉えた地域マネジメント」の実現に向けた最適ケアのあるべき姿を、ビッグデータから定量的に分析する。東芝デジタルソリューションズと筑波大学大学院は、こうした仕組みの共同研究を開始した。

 日本では現在、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」構築の重要性が叫ばれている。そのなかで東芝デジタルソリューションズは、介護サービス利用者のデータを活用したサービス効果の分析業務を、2016年度よりモデル自治体から受託。データにおける心身状態の改善・維持の傾向などから、効果を分析する指標の検証作業を進めている。また筑波大でも、認知症高齢者への実態調査に基づいた認知症予防や重度化防止を研究している。

 今回、両者の研究成果を融合する共同研究によって、ビッグデータから地域包括ケア事業の質の向上につながる最適なアプローチ方法を導き出す分析方法を考案。さらに、その分析結果を共有・提供する仕組みによって、介護保険運営を継続的に支援する地域診断情報の標準化を目指す。

 この共同研究の成果として、東芝デジタルソリューションズは地方自治体に向け「地域包括ケア事業支援ソリューション」を、2017年度中に順次提供開始する計画だ。また筑波大学大学院は、地域包括ケア事業の質の向上につながるアプローチ手法の具体化と標準化に関する研究を進め、国・自治体・サービス現場・有識者へのフィードバックを図る。

(スプール 近藤寿成)

[日経テクノロジーオンライン 2017年8月25日掲載]



http://www.medwatch.jp/?p=15422
入院前からの退院支援、診療報酬と介護報酬の両面からアプローチを—入院医療分科会(3)
2017年8月25日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 退院支援加算1と2の算定対象である「退院困難な患者」について、「家族問題などで支援が必要な状態」や「在宅サービス利用や再調整が必要な状態」なども含まれることを明示してはどうか。2018年度診療報酬改定後に「地域連携診療計画加算」の算定件数が大きく減少していることから算定要件の見直しを検討してはどうか―。

24日に開催された診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」では、こういった議論も行われました(関連記事はこちらとこちら)。

2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定となるため、退院後の円滑な介護施設入所を促進するためにも、診療報酬と介護報酬の両面からのアプローチを求める意見も出ています。

8月24日に開催された、「平成29年度 第6回 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」
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ここがポイント!
1 退院支援加算の算定対象である「退院困難患者」、より具体的に示すべき
2 入院前・入院早期からの退院支援により、円滑な退院に有用
3 地域連携診療計画加算の算定が大幅減、算定要件の見直しを求める声も
4 再入院率、病棟で提供する「医療の質」を図れる指標として注目

退院支援加算の算定対象である「退院困難患者」、より具体的に示すべき

 病院からの円滑な退院により、▼医療安全の確保▼患者のQOL向上▼医療費の適正化—などの効果が望めることから、診療報酬でも「退院支援」に力を入れる病院を評価しています。2016年度の前回診療報酬改定では、従前の「退院調整加算」を見直し、「退院支援加算」に組み替えています。具体的には、▼施設基準を厳格化(病棟に地域連携連中の看護師などを配置する)した【退院支援加算1】▼従前の退院調整加算に該当する【退院支援加算2】▼新生児の退院調整・支援を評価する【退院支援加算3】―の3区分となっています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

退院支援加算1・2の施設基準・算定要件の概要。加算1を届け出るためには病棟に退院支援業務等専従の看護職員・社会福祉士の配置などが必要となる
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 ところで退院支援加算は、すべての退院患者に算定できるわけではありません。加算1と2では主に「退院困難な要因を有しながら、在宅療養を希望する患者」が算定対象で、具体的には▼悪性腫瘍、認知症、誤嚥性肺炎などの急性呼吸器感染症のいずれか▼緊急入院▼要介護認定の未申請▼排泄の要介助▼入退院を繰り返している—などのほかに、「その他、患者の状況から判断して上記に準ずると認められる場合」も含まれます。厚労省は24日の入院医療分科会に、この「その他、患者の状況から判断して上記に準ずると認められる場合」として、病院側が具体的にどういう状態と考えているのか調べ、次のように整理して示しました。
【入院早期から把握し、速やかに関係機関と連携し、入院中から支援する必要があるケース】
▽家族からの虐待や家族問題があり支援が必要な状態
▽未婚などで育児のサポート体制がないため、退院後の養育支援が必要な状態
▽生活困窮による無保険、支払い困難な場合
▽保険未加入者であり市町村との連携が必要な場合 など

【入院早期に「入院前に利用していたサービス」を把握し、退院後に向けた調整が必要なケース】
▽施設からの入院で、施設での管理や療養場所の選択に支援が必要な状態
▽在宅サービス利用の再調整や検討が必要な状態

 この具体像について神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、「2018年度の次期改定では、悪性腫瘍などと同じように明示すべき」と要望しました。診療報酬点数表などには、同様の「その他、●●に準ずる場合」と記載されることがよくあります。患者の状態などはさまざまで、すべて列挙することは不可能な、こういった記載が用いられますが、可能な限り具体化したほうが、医療機関にとっても、審査支払機関にとっても分かりやすくなると考えられます。

退院支援加算の算定対象患者
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退院支援加算の算定対象患者のうち、「その他」の中にもさまざまなケースが含まれている
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入院前・入院早期からの退院支援により、円滑な退院に有用

 退院支援加算を算定するためには、入院後早期に前述の退院困難な患者を抽出し(加算1では3日以内、加算2では7日以内)、早期に患者・家族と面談し(加算1では7日以内、加算2ではできるだけはやく)、早期に多職種による退院支援に向けたカンファレンスを実施する(加算1では7日以内)ことが必要です。

 さらに、一部の病院では「入院前」から、退院支援に向けた取り組みを行っており、それが円滑な退院に効果をもたらしているといいます。例えば高齢者の予定入院において、外来診療の中で「この患者は入院が必要な状態だが、退院後に在宅介護が必要になるであろう。果たして要介護認定を受け、退院後すぐに介護保険サービスを受けられる状況にあるであろうか」といった点を考慮し、ケアマネジャーと連携することなどが考えられます(関連記事はこちら)。

厚労省の行った調査によれば、7対1病棟・療養病棟の2割程度、10対1病棟・回復期リハビリ病棟の3割程度、13対1・15対1病棟の4割程度、地域包括ケア病棟の5割弱では、入院前から担当ケアマネがおり、半数超で「ケアマネからの情報提供が有用であった」と感じていることが分かりました。

入院前にケアマネジャーとの連携を行っている病院があるが、病棟の種別によって連携状況はまちまちである
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入院前のケアマネとの情報連携について、半数超の病院は「有用」と捉えている
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また、個別事例について自治体との連携状況を見ると、7対1では7割弱、10対1では5割弱、地域包括ケア病棟では6割弱が連携しています。
さらに地域ケア会議(自治体職員、ケアマネ、介護事業者、医師、看護師、リハビリ専門職などが集い、個別の困難事例支援などを通じて▼地域支援ネットワーク構築▼高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援▼地域課題の把握―などを行う)への医療機関の参加状況を見ると、病棟の種別で若干の差はあるものの「5割前後が参加」している状況が分かりました。
病棟の種別で差があるが、5割前後の病院は地域ケア会議に参加し、個別の要介護高齢者事例を通じた地域連携ねとワークなどに積極的に関わっている
病棟の種別で差があるが、5割前後の病院は地域ケア会議に参加し、個別の要介護高齢者事例を通じた地域連携ねとワークなどに積極的に関わっている
 
また外来患者が自院に入院する際に、6割超の病院では「連携のための部署・窓口」を整備しており、3割超の病院では「看護師などが調整を行っている」ことも分かりました。ほとんどの病院で、入院前からの退院支援に向けた一定の取り組みを行っていることが伺えます。

ほとんどの医療機関で、外来部門と入院部門が連携し、「入院患者の情報連携」などを行っている
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このように、ケアマネや自治体などと連携した「入院前からの退院支援」などが円滑な退院に有効であることが示唆されており、厚労省は▼入院前▼入院早期—からの効果的な退院支援を診療報酬でどう評価していくか、検討を要請しています。
この点、武井純子委員(社会医療法人財団慈泉会相澤東病院看護部長)は、▼外来と入院をつなぐ「入退院センター」の設置▼薬剤師による入院前の使用薬剤把握—なども含めた評価を検討するよう要請。筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)は、「2018年度は同時改定になるので、診療報酬と介護
報酬の双方からのアプローチ(情報連携した場合、医療機関もケアマネも報酬で評価される)を行ってほしい」と要望しました。神野委員も同旨の考えを述べています。厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、診療報酬を担当する保険局医療課と介護報酬を担当する老健局老人保健課とで連携を図っていることを強調しています。

また池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長)は、▼高齢者の入院時に病院側がケアマネに連絡し、ケアマネから情報提供を受ける(ケアマネがいない場合には、病院側が要介護認定申請を支援する)▼入院中には病院とケアマネで情報連携する▼退院支援が開始されたら病院からケアマネに連絡し、ケアマネがケアプラン作成などを始める—という福井県退院支援ルール(福井モデル)の有効性を説明するとともに、「入院時の情報連携の評価充実」が重要と強調しています(関連記事はこちら)(福井県のサイトはこちら)。

福井県における退院支援ルールの概要
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地域連携診療計画加算の算定が大幅減、算定要件の見直しを求める声も

 ところで2016年度の前回診療報酬改定では、退院支援加算の創設に合わせて、従前の地域連携診療計画管理料(B005-2)、地域連携計画加算(A238退院調整加算の加算)などを、A246退院支援加算の加算【地域連携診療計画加算】に整理・統合しました。いずれも、いわゆる地域連携パスを用いた連携を評価するものです。

この点、厚労省が算定状況を調べたところ、2016年度改定後に算定件数が大幅に増加していることが判明しました(合計はもちろん、改定前の地域連携計画加算のみと比べても減少)。

2016年度の前回診療報酬改定後、地域連携診療計画加算の算定件数は大きく減少している
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この原因の1つとして、地域連携診療計画加算は『退院支援加算1と3の加算』という点がありそうです(退院支援加算1・3を届け出ていなければ、地域連携診療計画加算は算定できない)。
牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、例えば回復期リハビリ病棟では、患者の身体機能回復状況を踏まえながら退院支援困難者の抽出や多職種カンファレンスを行う実態などを紹介し、「回復期リハビリ病棟で大急ぎで退院支援する(退院支援加算1の取得につながる)必要があるだろうか。地域連携診療計画加算の退院支援加算1と3への限定は疑問だ」と述べ、次期改定での算定要件見直しを求めています。

再入院率、病棟で提供する「医療の質」を図れる指標として注目

 なお、7対1病棟や地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟の施設基準である「在宅復帰率」について、厚労省は「評価の趣旨を踏まえた整理が必要」と考えています。24日の入院分科会でも、多くの委員から「7対1では自宅以外に、地域包括ケア病棟や療養病棟への転院でも在宅復帰率にカウントされる。『連携率』などの名称に見直してはどうか」といった指摘がなされています。

また神野委員は「7対1を早期退院して、他の状態にあった病棟へ移ることを評価すればよい」とし、7対1における在宅復帰率は「廃止すべき」とコメントしました。本多伸行委員(健康保険組合連合会理事)も「形骸化しており廃止すべき。継続するのであれば『自宅への退院』を手厚くカウントすべき」と求めています。

これに関連して、厚労省は「再入院率」のデータを提示。1年間における再入院率を見ると、200以上300未満の病院がもっとも多く、また「同一疾患での6週間以内の再入院率」は100未満がほとんどとなっていますが、一部には再入院率が400を超える病院もあります。十分な治療をせずに早期退院のみを追い求めれば再入院が多くなるため、再入院率は「医療の質」を図る重要指標の1つと言えます。平均在院日数や退院支援などと併せて、再入院率の評価を組み合わせれば、「適切な医療を提供しながら、早期退院に力を入れている病院」を抽出して評価できるため、今後の検討に注目する必要がありそうです。

医療機関の再入院率を見ると200以上300未満がもっとも多く、ほとんどの病院では「同一疾患での6週間以内の再入院料」は100未満にとどまっているが、一部に400を超えている病院もある
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http://www.medwatch.jp/?p=15404
地域包括ケア病棟、初期加算を活用し「自宅からの入院患者」の手厚い評価へ—入院医療分科会(2)
2017年8月25日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 地域包括ケア病棟では、6割強の入院患者に対して【救急・在宅等支援病床初期加算】が算定されており、現在は「自宅などからの入院患者」でも「急性期病棟からの転院・転棟患者」でも算定可能となっている。しかし、両者では患者の医学的状態や検査実施状況などに違いがあり、これをどう考えていくべきか—。

24日に開催された診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」(以下、入院医療分科会)では、こういったテーマでも議論が行われました(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 自宅などからの入院患者のほうが、急性期後の転院患者よりも状態が不安定
2 「自宅などからの入院患者」の評価、初期加算の算定対象限定という手法も

自宅などからの入院患者のほうが、急性期後の転院患者よりも状態が不安定

 2018年度の次期診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会や入院医療分科会では「地域包括ケア病棟の機能分化」が論点の1つとなっています。主に「急性期病棟からの転院・転棟患者」を受け入れている病棟(post acute機能)と、「自宅などからの入院患者」も積極的に受け入れている病棟(sub acute機能)とがあり、後者のほうが「状態が不安定」な傾向があることから、報酬上でも両者を分ける必要があるのではないか、という議論です(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

24日の入院医療分科会では、厚生労働省から新たに次のようなデータが示されました。急性期後患者を「自院における転棟患者」と「他院からの転院患者」に分けてみています。

▼患者の主傷病を見ると、骨折の割合が、「自院の7対1などからの転棟患者」(26.00)では、「他院の7対1などからの転院患者」(16.50)、「自宅などからの入院患者」(16.10)に比べて高い

自院の急性期からの転棟患者では、他院の急性期からの転棟患者・自宅などからの患者に比べて、「骨折」の割合が高い
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▼患者の医療的な状態を見ると、「安定している」患者の割合が、「自宅などからの入院患者」(67.10)では、「自院の7対1などからの転棟患者」(76.20)、「他院の7対1などからの転院患者」(70.70)より低い

自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者よりも「状態が安定している患者」の割合が若干低い
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▼医学的な要因以外で退院できない患者の割合を見ると、「自院の7対1などからの転棟患者」(17.30)では、「他院の7対1などからの転院患者」(10.60)、「自宅などからの入院患者」(8.20)に比べて高い

自院の急性期病棟からの転院患者では、他院の急性期病棟からの転棟患者や自宅などからの入院患者に比べて、「医学的な要因」以外で退院できない患者の割合が高い
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▼状態が不安定で急性期治療を行っているので退院できない患者の割合を見ると、「自宅などからの入院患者」(26.70)では、「自院の7対1などからの転棟患者」(8.60)、「他院の7対1などからの転院患者」(3.20)よりも高い

自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者に比べて、「状態が不安定で急性期治療を行っており、退院できない」患者の割合が高い
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▼検体検査や生体検査、X線撮影などの実施状況を見ると、「自宅などからの入院患者」(生体検査では13.40)では、「自院の7対1などからの転棟患者」(6.00)、「他院の7対1などからの転院患者」(7.70)よりも高い

自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者に比べて、検査をより多く実施している(その1)
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自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者に比べて、検査をより多く実施している(その2)
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 改めて「自宅などからの入院患者」では、「急性期病棟からの転院・転棟患者」よりも状態が不安定で、医療の必要性が高いことが伺えます。牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、こうした状況を踏まえ「自宅などからの入院患者を多くい受け入れれば、それだけ病院には負荷がかかることになる。加算などで評価してはどうか」と提案しています。
「自宅などからの入院患者」の評価、初期加算の算定対象限定という手法も

 では、具体的にどういった評価方法が考えられるのでしょう。例えば、▼外形に着目し7対1病棟などを持つ病院の地域包括ケア病棟では、入院料の減額などを行う(逆に、7対1などを併設していなければ入院料の増点や加算新設などを行う)▼入院患者に着目し、「自宅などからの入院患者」割合が一定以上の地域包括ケア病棟では、入院料の増点や加算新設などを行う(逆に、「急性期後患者」が一定割合以上の地域包括ケア病棟では、入院料の減額などを行う)―ことなどが思い浮かびます。

 この点について厚労省は【救急・在宅等支援病床初期加算】(以下、初期加算)に注目しているようです。この初期加算は、(1)急性期を担う他院の一般病棟(2)自宅・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど(3)急性期を担う自院の一般病棟—からの患者について、14日まで、1日150点が入院料に上乗せされるものです。2016年6月のレセプトからは、件数ベースで630、回数ベースで360の患者に初期加算が算定されています。
初期加算を件数ベースで630、回数ベースで360の患者に算定しているが、ここには「自宅などからの入院患者」と「急性期後の転院・転棟患者」とが混在している
G3註:図略
 
 この初期加算の算定対象を、例えば(2)の「自宅などからの入院患者」に限定すれば、患者1人当たり最大2100点(2万1000円、150点×14日)の格差を設けることができます。また、上記の案では、「外形だけでは入院患者の状況を適切に反映できない」「自宅などからの入院患者割合などは変動するため、基準をどう設定するかが難しい」などの課題がありますが、初期加算を活用すれば、こうした課題はそもそも生じず、報酬体系上の「簡素で分かりやすい」と言えます。厚労省は「初期加算を活用する」といったコメントはしていませんが、有力候補の1つと言えそうです。
 
 なお、地域包括ケア病棟の患者像をより適切に把握するために、武井純子委員(社会医療法人財団慈泉会相澤東病院看護部長)や筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)は「重症度、医療・看護必要度におけるB項目」(患者の状況等、いわばADLを評価)の導入を提案しています。

  

https://www.m3.com/news/iryoishin/550240
「働き方改革」医師固有の事情を考慮 - 鈴木康裕・厚労省医務技監に聞く◆Vol.3
誤った上限規制、“医療崩壊”を招く懸念も

インタビュー 2017年8月23日 (水)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医師の働き方改革は、医療機関の経営者および現場の医師にとって、非常に関心が高いテーマです。これも、医療と労働の双方の部局が関係する問題です。

 私は、医療の現場が今のままでいいとは思っておらず、改革を進めなければ若い医師たちも付いてきません。ただし、医師固有の事情を全く考慮しないでいいわけではありません。


医師の働き方改革は、医政局、労働基準局、保険局など、関係各局が連携する課題であると指摘する。
 私が医学部を卒業した当時、女性の割合は100台でしたが、今は4割に近い。また最近の若い医師には、ワークライフバランスを重視する人も増えているようです。「皆、病院に泊まって覚えろ」みたいなやり方はもはや通用しないでしょう。

 (今年4月に報告書をまとめた)「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書でも盛り込まれたように、医師でなくてもできる仕事は、いつまでも抱えていたり、「訓練だ」と言って、若手に強制するのではなく、その他の職種にシフトできる部分はどんどんシフト、シェアしていくことが大事だと思うのです。

 その上で言いますが、医師が「9時 - 5時」といった時間管理が可能な工場労働者と全く同じ規制でいいかと言えば、私は少し違うと思うのです。それは一つには、救急や産科のように、自分は休みたいと思っていても、患者が来たら対応せざるを得ない応招義務があること。

 もう一つは、病院に来てから帰るまでの時間のうち、どこまでが「労働」に当たるかという問題です。外来診療や病棟勤務、各種会議などは当然、「労働」に当たります。しかし、例えば最新の知識を得るため、あるいは翌日の手術に備えるために文献を読んだり、臨床の合間に研究を行う場合、別に命令されてやっているわけではなく、「労働」と言えるのかどうか。

――自己研鑽などをどう扱うか、という問題がある。

 その通りです。そもそも今の時間外労働の上限規制は、企業のサイクルがベースになっており、例えば、決算期などの際に、経理担当者が一時的に忙しくなるため、その時期をどうするかという考え方の規制です。ところが医師の仕事にはそうした季節性がなく、今の残業規制のやり方をそのまま当てはめるのは難しいでしょう。

 医師固有の事情をどう考慮するかを、医政局と労働基準局の間で、専門家も含めて議論し、それを保険局なりが資金的にどう下支えをするかを考えることになるのだと思います。2018年度末までに議論し、国民の方にも理解されて、支持されるような仕組みにする必要があります。

――労働基準監督署が入っており、医師にも一律に労働規制を当てはめるため、医療現場の崩壊を懸念する声もあります。また規制を厳しくするあまり、「もっと研修したい」との考えから、自主的に「サービス残業」にするケースもあるようです。

 確かに過労自殺問題で社会の関心が高まっており、時には研修医の親が労基署に訴えるケースもあるとのこと。そうなると動かざるを得ません。

 ただ、都市部で医師が集まりやすい病院であれば、給与水準を下げ、残業手当を支払うことは可能でしょう。しかし、地方では高い給与を出すことで医師を確保できている病院も少なくないので、給与水準を下げたりなどしたら、医師がやめてしまう懸念があります。結果的に都市部に医師が集中し、意図せずに地方の医療崩壊を招いてしまうのは、非常に危ないと思います。

 救急など、誰もが大事だと思っている分野は、当然担ってもらうことが必要。かと言って全く労働規制を無視していいわけでもありません。中には、「36協定」すらも結んでいなかったり、全く労働面を考慮してない病院もあります。基本的な部分は守ってもらうルール作りは必要です。

 さらに言えば、「サービス過剰主義」が日本の病院にもあり、患者やご家族がそれを当然だと思っている一面もあり、この辺りの是正も必要でしょう。“コンビニ受診”をやめるなど、大切な地域の医療資源を守るために、患者さんや住民の方にも、医師の働き方についての現状を理解してもらい、受診行動を見直してもらうことも必要だと思います。

――その辺りは医療機関に任せずに、行政なども含め啓発していくことが必要。

 その通りです。行政、各関係団体の役割も大事だと思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/552256
「医師は労働者」、共通認識で議論を - 岡崎淳一・厚労省働き方改革担当参与に聞く
医療政策と労働政策、両面から検討を

インタビュー 2017年8月21日 (月)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 政府は今年3月、「働き方改革実行計画」を策定、長時間労働の是正に向け、罰則付きの時間外労働の上限規制導入などを盛り込んだ。今秋の臨時国会への関係法案提出、2019年度からの施行を目指す。
 ただし、医師は、上限規制の適用猶予対象になり、2018年度末を目途に規制の具体的な在り方、労働時間短縮策などの議論を別途進める。8月には、厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」を設置、議論がスタートした(『医師の時間外労働の上限規制、年明けにも中間整理』を参照)。
 「働き方改革実行計画」策定に携わった前厚労省審議官の岡崎淳一氏(現厚労省働き方改革担当参与)に、策定時の議論や医師の時間外労働について、どう捉えるべきかをお聞きした(2017年8月18日にインタビュー)。

――医師については、時間外労働の上限規制について、適用猶予にすべきという声が関係団体から出てきたのは、今年に入ってからのことです。

 去年の9月に政府は「働き方改革実現会議」を設置、働き方についての全体的な議論を重ねてきました。医療者に限らず、長時間労働の議論が出てきたのは、年明けからで、まず時間外労働についての基本的ルールを決めないことには、個別分野の議論ができなかったわけです。

 現行でも「36協定の適用除外業務」になっている「工作物の建設等の事業」と「自動車の運転の業務」についても、基本的ルールのたたき台が出た後に、国土交通省が関係団体などと本格的な議論、調整を行いました。

 一方、医師は、現行では「36協定の適用除外業務」には当たらないこともあって、医師をどう扱うかという議論が始まったのはさらにその後です。医療関係団体は、たたき台を見て、「(時間外労働の上限規制を)そのまま当てはめるのは難しい」との声を上げたのだと思います。もっとも、タイミングが遅かったため、建設業、自動車運転手については、適用猶予の内容を3月にまとめた政府の「働き方改革実行計画」に盛り込むことができました。しかし、医師についてはとても短期間で議論を深めることができず、「2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討する」とされました。

――建設業、自動車運転手を適用猶予にすることには、異論はなかったのでしょうか。また医師以外に適用猶予を求める職種はあったのでしょうか。

 基本的には、適用除外・猶予はない方がいいと思っていました。ただし、どうしても難しい業種については、杓子定規に当てはめるのは難しいという思いはありました。

 建設業、自動車運転手については、現行のような適用除外ではなく、適用猶予です。建設業は、「改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する」(復旧・復興の場合の例外あり)という話で関係業界と決着しています。自動車運転手に関しては、「5年後でも、そこまでは無理」とされ、まず「改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960 時間を適用」とされました。しかし、将来的には一般則の適用を目指すことになっています。つまりいずれの業種も、最終的には、「適用猶予をなくす」ことになります。

 医師についても、医師法に定める応招義務があり、現実に医療提供体制に支障が生じるといった懸念が上がりました。これはもっともな理由であり、連合を含めた構成員から成る「働き方改革実現会議」での議論で、「2年間かけて議論すべき」という整理になったのです。5年後に「時間外労働の上限規制」をそのまま適用できればいいですが、そうでない場合、どんな取り扱いにするかを、この2年間、実質的には約1年半の間に検討していくことになります。

 なお、職種や業種を問わず、引き続き適用除外となるのは、「研究開発業務」に従事する労働者です。

――そもそも労働基準法は、何を目的とした法律なのでしょうか。「研究開発業務」が適用除外になっているのは、労働時間では対価を計りにくいからなのでしょうか。

 労基法は、労働条件の最低基準を定めて、労働者の生活や健康を守るための基本的な法律です。一部例外もありますが、同法で定めた基準は全て適用するのが基本です。勤務医に労基法を当てはめる場合、地域医療に支障を来さないという観点はもちろん大切ですが、一方で、勤務医も労働者であり、その生活や健康を確保しなければなりません。

 「研究開発業務」の適用除外の意味ですが、1カ月の時間外労働の法的な上限規制が適用除外になっているだけで、「時間で労働時間を管理する」ことには変わりはありません。法的な上限を超えた時間外労働に対しては、割増賃金を支払う必要があります。しかし、法的に上限を規制すると、業務に支障が生じる恐れがあるので、別途、労使協定で上限を定めるという意味です。労働時間ではなく仕事の成果で処遇される働き方は、高度プロフェッショナル制度の考え方です。

――医師が高度プロフェッショナル制度の対象に該当する可能性はあるのでしょうか。

 大学などで研究がメーンの医師をどう扱うかという議論はありますが、臨床に相当程度従事している勤務医については、概念から考えると、あまりないと思います。通常の労基法の概念で考えれば、患者さんへの診療行為を行う時間を勤務医自身が決めているとは言えないからです。

――では医師の働き方について、どう見ておられますか。「自己研さん」の時間の扱いなどは、どう考えればいいのでしょうか。

 医師という専門職としての評価は当然必要でしょうが、一方で医師自身の健康を守るためのルールを設けて然るべきでしょう。夜勤が続く、当直明けも働くなどの現状が本当にいいのか。各病院の経営者から見れば、医師確保の問題もあるのでしょうが、他の業種の働き方と比べても、医師の無定量な仕事はやはり何とかしていかなければいけないでしょう。

 また「自己研さん」ですが、これは他の業種でも議論されることがありますが、勤務先への貢献になる研さんであれば、一般的には労働時間と見なされます。

――応招義務については、勤務医個人ではなく、医療機関単位で考えることも可能かと思います。

 ご指摘の通り、医師法が定める応招義務が、施設単位なのか、個人単位なのか、という点も議論しなければなりません。しかし、短時間で結論が出る話ではなかったので、2年間かけて議論するという整理になったのです。

――医師を「労働者」を見なすことに、心理的な抵抗感を覚える方もおられます。

 「医師は専門職だから、労働者ではない」と言ったところで、労働時間、賃金などの条件について、使用者と労働者は就業時に契約を結び、それを遵守することが必要。これが労働法制のルールであり、「医師は労働者ではない」「労働法制のルールの外側」というのは無理筋の議論。例えば、ノーベル賞受賞学者であっても、大学の教授であれば、労働者。金融機関で何億円もの年収を稼いでいるディーラーでも労働者です。ただし、労働法の全てを一律に適用しているわけではなく、それぞれの業種で例外を認めているわけです。

 また医師が疲弊していて、医師の過労死も見られる現実があるわけです。一方で、各医療機関が必要な医療を提供することを全く無視してルールを作ることはできません。医療政策的な面と、労働政策的な面の両方をにらみながら、検討していくことが必要です。



http://www.medwatch.jp/?p=15349
新公立病院改革プラン、92.70で策定完了だが、一部病院では2018年度にずれ込む―総務省
2017年8月22日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 今年(2017年)3月末時点で、新たな公立病院改革プランの策定が完了した病院は全体の92.70にあたる800病院。「2017年度に策定予定」が59病院(全体の6.80)、「2018年度に策定予定」が4病院(全体の0.50)となっている―。

 総務省は22日に、こうした状況を発表しました(総務省のサイトはこちら(概要)とこちら(都道府県別の状況)とこちら(個別病院の策定状況、サイトからExcellファイルをダウンロード可能))(2015年度末の状況はこちら)。

公立病院の改革方針は、地域医療構想実現に向けた重要な鍵の1つ

 公立病院については、2015年度または16年度中に「新公立病院改革ガイドライン」に沿った改革プラン(新公立病院改革プラン)を策定することが求められています。

 ガイドラインでは、新改革プランにおいて各病院が(1)地域医療構想を踏まえた役割の明確化(2)経営の効率化(3)再編・ネットワーク化(4)経営形態の見直し―という4つの柱を立て、それぞれについて具体的な計画と目標を設定するよう指示しています。

 このうち(1)の役割では、具体例として▼山間へき地・離島などの過疎地などにおける一般医療の提供▼救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供▼県立がんセンター、県立循環器病センターなど民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供▼研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点―などを提示。(2)の経営の効率化では、対象期間(プラン策定年度または次年度から2020年度まで)中に経常黒字化する数値目標を定める(著しく困難な場合には、経常黒字化を目指す時期と道筋を明らかにする)ことを掲げ、目標達成に向けて▼民間的経営手法の導入▼事業規模・事業形態の見直し▼経費削減・抑制対策▼収入増加・確保対策―などを具体的に示すよう要望しています。

 さらに(3)の再編・ネットワーク化においては、とくに▼施設の新設・建替等を行う予定の病院▼病床利用率が特に低水準(過去3年間連続して700未満)の病院▼地域医療構想などを踏まえ医療機能の見直しを検討することが必要な病院―について「再編・ネットワーク化の必要性について十分な検討を行う」(つまり統合などを行う)よう求めました。(4)の経営形態については、従前どおり▼地方公営企業法の全部適用▼地方独立行政法人化(非公務員型)▼指定管理者制度の導入▼民間への譲渡―などを検討するよう要求しています。

 総務省が2017年3月末(つまり2016年度末)の新改革プラン策定状況を調査したところ、全体の92.70にあたる800病院で改革プランが「策定済」であることが分かりました。ただし、「2017年度に策定予定」の病院が59(全体の6.80)、「2018年度に策定予定」の病院が4(全体の0.50)あり、総務省は「早期策定に向けた取り組みが必要」と訴えています。

92.70の公立病院で改革プランが策定済となっているが、一部は「2017年度中の策定」となり、さらにごく一部は「2018年度にずれ込む」状況である
G3註:図略
 
 都道府県別に新改革プランの策定状況を見ると、策定未完了病院があるのは▼北海道(未策定が8病院、策定率91.00)▼青森県(同3病院、88.00)▼岩手県(同2病院、92.90)▼山形県(同3病院、87.50)▼茨城県(同2病院、77.80)▼群馬県(同4病院、73.30)▼埼玉県(同4病院、71.40)▼千葉県(同8病院、73.30)▼神奈川県(同1病院、95.00)▼新潟県(同1病院、96.30)▼富山県(同1病院、91.70)▼石川県(同1病院、94.10)▼静岡県(同1病院、96.20)▼三重県(同1病院、94.40)▼滋賀県(同1病院、85.70)▼京都府(同2病院、85.70)▼大阪府(同3病院、87.00)▼奈良県(同1病院、90.90)▼岡山県(同1病院、94.40)▼広島県(同1病院、95.00)▼徳島県(同2病院、81.80)▼高知県(同2病院、80.00)▼福岡県(同5病院、72.20)▼佐賀県(同1病院、85.70)▼熊本県(同4病院、78.90)―となっています。多くの道府県で、改革プラン未策定病院があることが分かります。
 ただし、すでに策定に着手している病院を加味すると、未策定病院があるのは▼茨城県(策定済・策定中の合計で88.90)▼新潟県(同96.30)▼奈良県(同90.90)▼広島県(同95.00)▼佐賀県(同85.70)▼熊本県(同94.70)2015年度策定済が8病院・47.10)▼香川県(同5病院・41.70)▼大阪府(同7病院・30.40)▼神奈川県(同6病院・30.00)―となどとなっています。

都道府県別の策定状況(その1)
G3註:図略
都道府県別の策定状況(その2)
G3註:図略
 
これから各地において、地域医療構想の実現に向けた議論が本格化し、そこでは「公立病院の動向」が重要な鍵の1つになります。未策定の病院では、1日も早い改革プラン策定が急がれます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。



http://www.asahi.com/articles/ASK8P4CY2K8PUBQU008.html
山あいの公立病院、来春からお産中止 医師ら退職
三木一哉

2017年8月21日15時40分 朝日新聞

 山形県の東根、村山、尾花沢、大石田の3市1町が組合をつくって運営している北村山公立病院(東根市)が、来年4月から出産の受け入れを中止することを明らかにした。常勤の産婦人科医と助産師2人が退職する予定のため。来年度から北村山地域で出産ができる医療機関は、民間の1カ所のみとなる見通し。

 北村山公立病院によると、産婦人科の常勤医は現在、大塚茂院長1人。日本医科大学から派遣される非常勤医とともに年間に約100件の出産を手がけてきた。受け入れの中止は、今年度末に大塚院長が定年退職し、助産師も2人退職予定で後任の見通しがつかないことが理由という。産婦人科は存続するが、妊婦健診などに限定する。

 同病院では助産師を募集中で、新たな常勤の産婦人科医も探している。

 県地域医療対策課によると、出産ができる医療機関は減少傾向。2008年度には県内に36施設あったのが、現在は25施設になっている。



https://www.m3.com/news/general/553456
三沢病院 累積損失54億円に/16年度決算 7年連続の赤字
地域 2017年8月25日 (金)配信東奥日報

 三沢市立三沢病院の2016年度病院事業会計決算の収益的収支が4億1667万円の赤字となり、前年度比で赤字幅が1億5284万円(57・9%)増えたことが24日、同病院への取材で分かった。赤字は7年連続で、16年度末の未処理欠損金(累積損失)は54億114万円に膨らんだ。病院開設者の種市一正三沢市長は、決算の認定を求める議案を9月4日開会の市議会定例会に提案する。

 減価償却費などを除いた現金ベースの実質赤字は1億1706万円と、前年度より5424万円増えた。給与費や医薬材料費の増加などが響いた。

 収益的収支の赤字が増えたのは、地方公営企業法改正に伴い、14年度から収入に計上が必要となった長期前受金戻入や退職給付費引当金戻入が、導入3年目の16年度は15年度に比べ激減したのが原因。16年度の病院事業収益は前年度比2・8%減の55億1494万円、病院事業費用は同0・10減の59億3161万円だった。

 16年度の延べ患者数は入院が前年度比2・4%減の6万4428人、外来は同3・5%減の9万5830人だった。

 16年10月から、220床の急性期病床のうち51床を地域包括けあ病棟に移行した効果について、同病院の担当者は「入院の1日平均患者数は、16年4月の157人が11月は195人に増えるなど患者数の増加に寄与、赤字幅の圧縮に貢献している」と述べた。


  1. 2017/08/27(日) 10:26:26|
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