Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月14日 

http://www.asahi.com/articles/ASK7B42KBK7BUBQU00N.html
常勤医の残業時間、3分の1が上限超す 新潟県立病院
2017年7月10日15時00分 朝日新聞

 新潟県病院局が運営する県立13病院で2016年度、長時間労働を抑えるための労使協定(36(さぶろく)協定)で決めた残業時間の上限(月75時間)を超えた常勤医が、延べ105人いたことがわかった。6日の県議会常任委員会で、県が明らかにした。県は勤務実態の調査を進めており、近く結果を公表する。

 月80時間を超えたのは延べ81人(前年度比23人増)、100時間超も延べ23人(同1人増)いた。県によると、救急患者への対応や手術が長時間に及ぶ場合に勤務時間が長くなる傾向があるという。対象となる常勤医は340人で、所定労働時間は1日あたり7時間45分。

 国は、過労死の判定基準(過労死ライン)を、所定労働時間が1日あたり8時間の場合で、残業時間が月100時間以上か、直前2~6カ月の平均が月80時間以上としている。県は、地域や部門によって、医師不足が生じていることも超過勤務の原因になっているとみている。

 県立病院の看護師は、36協定で残業時間の上限を月30時間と決めている。昨年度、約2300人のうち延べ121人が上限時間を超えていたが、80時間を超えた人はいなかったという。



https://mainichi.jp/articles/20170705/org/00m/010/052000c
医師偏在 改善されない地方の医療環境
2017年7月10日 毎日新聞 / 毎日フォーラム

地域定着へ自治体、大学の取り組み続く
 医療施設の医師は全国に約30万人で、医師数は毎年約4000人増えているが、都市や特定診療科への偏在は収まらず、地方の医師不足は解消されていない。医学部入学定員の地域枠が拡大され、自治体や大学も医師の地域定着に取り組んでいるが、医療関係サイトをみれば、今なお「医療崩壊」などの強烈な言葉を目にする。地域医療体制の確保が依然として大きな課題として残っている。

 医師不足の原因を2004年に始まった「新医師臨床研修制度」と見る専門家は多い。医師免許取得後、2年間の病院研修を必修化したものだ。研修先は病院と希望者をコンピューターで組み合わせる「研修医マッチング」で決められる。研修先を自由に選べるため、医療設備の充実度や症例数の多い都市部の病院を希望する者が多くなる。従って出身大学の医局に残る者が減る。そうなれば大学病院は医師派遣が難しくなり、地域の医療機関が医師不足に陥るという構図だ。

 研修病院の指定基準の強化や募集定員を設けるなど、都市部への集中を抑えようとしてきたが解消には至っていない。08年度からは医学部の入学定員を増やし、10年度以降は、一定期間、地域医療に従事するのを条件に奨学金の返還を免除する「地域枠」を中心に拡大。入学定員は07年度の7625人から17年度は9420人にまで増えた。学部6年、研修2年とすれば、増員した医学部生が現場に出始めたころで、今後、地域偏在は和らぐとの指摘もある。他方、地域医療支援センターが全都道府県に設置され、それぞれに医師不足の解消に取り組んでもいる。 

 厚生労働省によると、人口10万人当たりの医師数は全国平均で244.9人(14年調査)。最多が京都府の326.3人、最少が埼玉県の158.9人で概ね「西高東低」という。千葉、神奈川両県も平均を大きく下回るが「首都圏は通勤・通学など、アクセスがいいので都内で受診する人も多く、医師不足を感じないかもしれない」(厚労省医事課)との見方もある。

 とは言え、全国最少の埼玉県では、(1)人口10万人当たり(2)100平方キロメートル当たり(3)過去10年間の医師数の伸び率--のすべてで県平均以下を「医師不足地域」とし、県内10医療圏のうち四つがこれに当たるため、数々の対策を講じている。4医療圏の拠点病院の休日・夜間外来には開業医を派遣し、当直体制の確保のためには大学病院などの医師を送っている。昨年度だけで8拠点病院に769回派遣し、4747人を診察した。

 また、医師の定着に向け、県内病院での研修を促す目的で「研修資金貸与制度」も設けた。臨床研修医には月額10万円を貸与。研修後、なり手の少ない産科、小児科、救命救急センターの医師として県内病院で一定期間勤めれば返還を免除する。研修医の収入は少ないので生活費支援の色彩が強いが、この9年間で46人が貸与を受けた。

 さいたま市にある地域医療教育センターには一般病院では導入が難しい高額の「成人患者シミュレータ」など多数の最新機器を配備。「どの土地で働くかは医師がどういうキャリアを目指しているかで決まる」(埼玉県医療人材課)との観点から、医療技術習得のサポート体制も敷く。13年度からは高校生対象の病院見学を開始。若手医師との懇談や医療模擬体験、保育器の乳児まで目にし、医師への志を養成する。年3~4回の実施で毎回30人弱が参加。この中から一人でも多く県内で働く医師になってもらいたいと期待する。

 日本医師会の釜萢(かまやち)敏常任理事は「高校の進路指導から医療に携わる覚悟を教えたり、意欲を高めてもらうための的確な情報を伝えていく必要がある」と述べ、医師の「適性」を早い段階から育むことも、地域に根付く医師を生む一つの方策と見る。医師会も「偏在解消は重要課題」という。

 高知大学でも学生の意欲を高めようとしている。地域枠入学者らのグループ「SEED」を組織し、年2回、卒業後も役立つ先輩後輩のつながりを深める交流会を開いている。SEEDの代表者は県臨床研修連絡協議会の一員でもあり、学生でありながら、病院長や県職員などとの協議の場に参加する。夏休みにはへき地の病院での実習「医療道場」があり、早くも現場に身を置く貴重な体験を得る。指導役の阿波谷敏英教授は「へき地を含む県内の病院勤務が条件のため、地域枠には『自由がない』などのネガティブなイメージがあった。地域枠の学生には地域医療を担っていくという強いプライドを持ってもらいたい」と話す。

 一方、公益社団法人地域医療振興協会はへき地の医療支援や経営難の公立病院の指定管理者として運営再建などに取り組んでいる。副理事長の山田隆司氏は現在、東京都台東区立台東病院の管理者を務めるが、自らもへき地医療に携わってきた。自治医科大学出身で医師のスタートは岐阜県久瀬村(現揖斐川町)の診療所だった。人口約2000人。無論、医師は山田氏ひとり。赴任してすぐに「こんな所にいては使い物にならなくなる」と苦悩した。診るのはありふれた病気で、少々重いものになれば地域の病院を紹介するだけ。こんなことがあった。腰痛を訴える高齢の女性に痛み止め薬や注射を与えても一向に治らない。ある日、家を訪ねると、腰痛の原因が夫の介護とわかった。その後、ヘルパーを頼むなど生活を見直すことで腰痛は治った。医師とは何か。「価値観が変わった」という。結局、診療所に20年勤めた。「同じ地域の同じ人を見続けたので患者を取り巻く状況まで分かってきた。久瀬村での経験が医師としての私の血や肉になっている」と話す。

 山田氏は「医者は病んでいる人の心に共感できるとか、人に関わることが好きというような人が向いている」と言い、医学部が理系のトップだけが集まる場所になってはいけないと思う。医師会の釜萢氏も「もっとリベラルアーツ教育が必要では」と、理系に偏らず、人文・社会科学を含む幅広い一般教養を医学部で学ぶ意義を指摘している。

 現在、専門医の質の向上を目指す新専門医制度の導入が進む。専門性の高い医師の養成は不可欠だが、その前提は地域医療に携わる総合医のすそ野がしっかりと広がっていることだろう。昨年12月に厚労省が実施した医師アンケートで「地方勤務の意思がある」との回答が4割を超えた。今後、この回答を生かせるだろうか。



http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1859591007072017TCC000/
地方の医師不足 解消進まず
全国では年4000人増加も 医学部に「地域枠」効果まだ

2017/7/10付日本経済新聞 朝刊

 医師が大都市部に集中し、地方の医師不足が深刻化している。政府などは医学部の定員増や地域勤務を義務づける「地域枠」を導入したが、効果はすぐに出ていない。「このままでは地域医療は崩壊する」。厚生労働省の検討会では医師に地域での勤務を半ば強制的に課す案も浮上した。同省は年内に抜本的な対策をまとめる方針だが、地域勤務の義務化を嫌う医師らの反発も強い。医療の質を維持しながら偏在問題を解決できるのか。議論の行方は不透明だ。

 徳島県南東部に位置する勝浦郡。同郡には病院が一つしかない。その国民健康保険勝浦病院は常勤医4人で60床ある病棟と外来の診療をこなす。最年少医師で50歳前。定年延長して残った65歳の前院長と64歳の小西康備・現院長が月に6~7回も当直に入る。小西院長は「年休もとれない状態。いつ診療できなくなってもおかしくない」と語る。

 徳島県の人口当たり医師数は実は全国で3番目に多い。しかしその多くが徳島市周辺に集中し、少し離れただけで医療体制に不安が募る。人口当たり医師数がそもそも少ない東北地方などはさらに深刻だ。

埼玉・千葉で不足
 東京近県でも千葉県や埼玉県で医師不足が目立つ。産科などの一部診療科が閉鎖されたり、夜間の急患の受け入れを制限するなどの例も珍しくはない。

 日本全体の医師数は毎年4千人ほど増えており、1990年には約21万人だったが、2014年には31万人余りとなった。ただ医師としての経験を積んだり、子供の教育など家族への影響を考えたりして都市部での勤務希望は多く、地方勤務が増えない。

 政府も対策は講じている。07年度には7600人程度だった全国の医学部の定員を徐々に増やし16年度には9300人ほどにした。増えた部分には、自治体が奨学金を出し、学費を免除する代わりに一定期間は各都道府県内での地域勤務を義務付ける「地域枠」も導入した。

 地域枠では6年間の医学部在学中の奨学金を受ければ、通常は1.5倍の期間、9年間の地域勤務が義務づけられる。だがたとえ義務でも、無理な配置をすれば医療の質の向上だけでなく、義務期間を終えた後に県内にとどまってくれることも望めない。

 地域勤務をしながら、目指す専門医などになれるようにキャリア形成を支援することが求められる。徳島県では一定条件の下、自身のキャリア形成のために国内外での留学・研修が必要であれば最大7年間、地域勤務を中断できる柔軟な仕組みまで設けている。

 こうした地域枠の医師を都道府県が責任を持って医師不足地域に配置するため、全国で「地域医療支援センター」の開設も進んでいる。それでも地域枠の医師は第1陣が医学部を出て、臨床研修を終えたばかり。実際に成果が出るのは「まだまだこれから」(徳島県保健福祉部)。地域医療の崩壊のスピードの方が早い恐れもあり、「地域枠だけでは遍在問題は解決できない」との指摘もある。

さらなる対策浮上
 「病院長になるためには医師不足地域での一定期間の勤務を条件とすることも検討」。厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の分科会は16年6月、こんな偏在対策を盛り込んだ中間まとめを公表。さらに10月には健康保険による診療ができる「保険医」となるためには医師不足地域での勤務を条件とすることも議論した。

 地方勤務が病院での昇格の条件になれば応じる医師も増えるとみられる。患者が原則1~3割負担で受診できるため、日本ではほぼすべての医師が保険医登録しており、医師不足地域での勤務が登録の条件となれば、さらに効果は大きい。

 ところがその後、こうした議論はストップする。今年4月、厚労省内で新たに設置された別の有識者検討会が強制的な手法には否定的な見解を盛り込んだ報告書をまとめたからだ。背景には地方勤務の義務化を嫌う医師たちの意向があるとされる。塩崎恭久厚労相も「上手に条件整備すれば強制は必要ないのでは」と理解を示す。

 「医師の職業的自由は尊重されるべきだ」という地域医療機能推進機構の尾身茂理事長も「日本の医師は公的保険制度の中で活動しており、社会的な責務も負っている。この2つの概念を対立させるのではなく、両者の間の第3の道を探るのが行政と医療界の責任だ」と訴えている。

 第3の道としては、医療界などによる自主的な取り組みを強化し、それがうまく機能しないときには義務的・強制的な仕組みなどを発動することまで包括的に決めることが考えられる。

 地方の医師不足が叫ばれ始めて久しい。医師の地域偏在、診療科の偏在を解消して、地方でも十分な医療を受けられる体制を維持するために国や医療界、そして私たちに残された時間は少ない。

(山口聡)
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https://mainichi.jp/articles/20170715/ddm/012/020/092000c
バイエル薬品
医師名論文、社員下書き 「倫理指針違反も」 外部調査

毎日新聞2017年7月15日 東京朝刊

 大手製薬会社のバイエル薬品(大阪市)の社員が、アンケートに答えた患者のカルテを無断で閲覧していた問題で、同社は14日、アンケートを基にした医師名の論文は社員が大部分を下書きしていたとする外部専門家の調査結果を公表した。医師が中心となるべき研究に社員が当初から深く関与し、研究計画書もなかったとして「国の疫学研究に関する倫理指針に違反する可能性が高い」と認めた。

 問題となったのは、同社が2012年に発売した血栓症の治療薬「イグザレルト」を巡る患者アンケート。同社は宮崎県内の診療所に協力を依頼し、結果をまとめた論文も診療所の医師名で発表された。

 外部専門家によると、宮崎営業所社員3人は、最大で298人分の患者情報を同意を得ずに閲覧し、データを転記・集計した。この行為は「個人情報保護法違反の可能性が高いが、本社の指示があったとは認められない」と結論付けた。

 論文については作成の大部分に社員が関わり、その後の医師講演会などでの発表資料も社員が作っていた。調査した垰(たお)尚義弁護士は「直接の法律違反はないが、社会一般から見て信頼を裏切った。倫理的な非難は免れない」と指摘した。

 ハイケ・プリンツ社長は「結果を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に取り組みたい」と謝罪。役員報酬を3カ月間10%自主返納する考えを示した。【細川貴代】



http://www.qlifepro.com/news/20170711/influence-of-sleeping-pills-in-diabetes-problem-in-nhk-gatten.html
NHK「ガッテン!」での「糖尿病に睡眠薬」問題が患者に与えた影響は?
2017年07月11日 PM04:00 QLifePro

2学会が異議申し立て、厚労省も厳重注意

2月にNHKが放映した「ガッテン!」で睡眠薬のベルソムラの適応外処方を推奨するかのような内容を放映したことに関連し、医療現場では患者が処方変更を申し出たケースがあったほか、その要望に応えてもらえなかった患者で精神状態が不安定になるなどの事例が起きていたことがわかった。東京大学大学院 薬学系研究科 育薬学講座の鈴木陽代氏が、同番組に対する医療従事者へのアンケート調査の結果を第20回日本医薬品情報学会学術集会で発表した。

問題となった番組は、2017年2月22日のNHKの情報番組「ガッテン!」の「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」。同日の放送では熟睡をもたらす脳波としてデルタ波を取り上げ、デルタ波を定量化したデルタパワーが熟睡度を左右するとし、なおかつこの数値が高いと血糖降下作用があると紹介した。そのうえ睡眠薬・ベルソムラ(一般名:スボレキサント)の商品名が入ったパッケージを放映。大阪市立大学の研究としてベルソムラを服用した糖尿病患者では血糖低下効果があり、副作用はほとんどないなどと放送した。血糖降下作用はベルソムラの承認適応ではなく、この放送に対しては日本睡眠学会と日本神経精神薬理学会がNHKに対して異議を申し立て、厚生労働省もNHKに口頭で厳重注意を行った。NHKは2月27日になり、番組のHP上で行き過ぎた表現で誤解を与えたとして謝罪に至った。

鈴木氏らは同講座が構築した医師向けインターネット医薬品情報提供サイト「医師のための薬の時間」(通称:アイメディス)、インターネットの薬剤師間情報交換・研修システム「薬剤師さん!頑張ろう!」(通称:アイフィス)を通じ、番組放送2週間後の3月7~22日にアンケートを実施。医師37人、薬剤師152人の合計189人が回答を寄せた。

処方希望を断られ、精神状態が不安定になった事例も

番組については実際に視聴して知っていたのが医師では38%、薬剤師では26%、番組は視聴していなかったが後日問題を報じたニュースなどで知っていたのが医師では54%、薬剤師では62%で、最終的に回答した医師の92%、薬剤師の88%がこの問題を認知していた。

番組の影響を受けた患者の行動を経験した医師は24%、薬剤師は37%。回答医師が経験した事例は15件で、内訳は「患者がベルソムラの処方を希望したが、処方はしなかった」が11件、「患者がベルソムラの処方を希望し、処方した」が3件、「ベルソムラに関する問い合わせ」が1件。このうち神経症と糖尿病を合併していた患者の処方希望を断ったケースでは、処方希望を断られたことによる不満で患者の精神状態が不安定になり、抗うつ薬のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の処方を余儀なくされた、との回答が寄せられた。

また、薬剤師が経験した事例は71件で、「ベルソムラに関する問い合わせ」が47件、「ベルソムラの新規処方」が12件、「他の薬剤からベルソムラへ変更」が8件、「医師から薬局への問い合わせ」が2件。具体的な事例では、睡眠障害のない糖尿病患者が番組を見て医師にベルソムラの処方を依頼。実際に処方を受け、薬剤師に血糖降下作用を尋ねたため、睡眠薬に血糖降下作用がないことを説明した。結局、薬剤師からの疑義照会により、ベルソムラの処方は中止となり、糖尿病治療薬を変更して経過観察する方針になったという。

一方、肯定、条件付き肯定、否定の3カテゴリーに分けて設定した選択項目を選んで番組に対する意見を尋ねた(複数回答)ところ、否定意見のみを選択したのは医師の70%、薬剤師の46%、肯定意見のみ選択したのは医師の11%、薬剤師の14%で、圧倒的に否定的意見が多かった。選択項目別で多かったものは、医師では「このような情報(適応外)は提供しない方がよい」が62%、「患者の薬に対する意識に悪影響を及ぼす」が49%、「医師としては迷惑であり、ある種の診療妨害である」が43%だった。薬剤師では「患者の薬に対する意識に悪影響を及ぼす」が61%、「このような情報(適応外)は提供しない方がよい」が59%、「医療従事者に迷惑であり、ある種の診療妨害である」が35%だったが、「患者と薬剤師のコミュニケーションのきっかけになる」というも回答も27%にのぼった。

今回の結果を受けて鈴木氏は、医療現場への影響が大きく対応に苦慮するケースも見られたこと、また全体的に否定的な意見が多かったとして「今後は健康情報番組の在り方について、番組制作関係者、医療関係者、視聴者などで広く議論されるべき」としている。(村上和巳)



https://www.m3.com/news/iryoishin/545364
邉見全自病会長、新専門医制「1年前よりは良い」
「医師の働き方改革」、9月を目途に提案意向

2017年7月12日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は7月12日に記者会見を開き、日本専門医機構が7月7日の理事会で2018年4月からの新専門医制度開始に向けて準備を進めることを決定したことについて、「1年前よりは良くなった、これで駄目だったら、日本の医療は5年も10年も遅れる。100点満点の60~70点くらいでスタートだが、少しずつうまくいくようにしていかないといけない」と述べ、今後も制度の改善のための努力を続けていくべきとの認識を示した(『「専攻医の登録、10月スタート」目指す』を参照)。

 邉見氏は、新専門医制度の課題として、総合診療専門医の専門研修プログラムや指導医の選定を指摘。新制度で指導医がいないことから、「詰めの段階に入ってくると思う。地域で総合診療を頑張っている方々が暫定指導医、特命指導医になれるよう、各地のJA厚生連やJCHO(地域医療機能推進機構)など田舎で頑張っている団体と力を合わせて働きかけていきたい」と述べた。

働き方改革は「地域医療持たない」
 社会問題化している「働き方改革」について、「医師を一般の労働者と一緒にされては、地域医療が持たない。日本の医療文化が変わってしまう。難しい問題だ」と述べて危機感を露わにした(『労基署に「踏み絵」を踏ませる覚悟 - 邉見公雄・全自病会長に聞く◆Vol.1』、『「勤務医は労働者」との決めつけ、乱暴すぎる◆Vol.2』を参照)。

 邉見氏は、働き方改革についての全自病としての提案を、9月を目途にまとめる意向を表明。「今あちこちで病院に労働基準監督署が入っている。入られてから対応するのではなく、先制攻撃をしなければいけない」と述べた。

受動喫煙対策は厚労省案支持
 受動喫煙対策を進める健康増進法改正に関しては、全自病として、原則禁煙とするが一部例外を認める厚生労働省案を支持することを表明。厚労省が、飲食店での例外拡大を求める自民党との対立のため通常国会での提出を断念したことから、「本当は日本医師会の案が一番良いが、それでは進まない。かといって自民党案では緩すぎる。厚労省案が中間くらいだ。世界標準から言えば小さな一歩だが、厚労省案を最初の一歩として、最終的には日医案に向かうようにしたいということで、全自病でまとまった」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/545664
社会保障費:1300億円削減へ 18年度、薬価下げなどで圧縮
行政・政治 2017年7月14日 (金)配信毎日新聞社

 政府は、2018年度の社会保障費を1300億円削減する検討に入った。高齢化などに伴う自然増が6300億円に上る見通しで、政府目標の「自然増5000億円」を超える部分を抑制する。政府は、薬価引き下げなどで18年度の診療報酬改定をマイナスとし、削減分の大半を賄う考えだ。

 政府は15年6月に、16~18年度の自然増を計1兆5000億円に抑える「目安」を閣議決定。各年度で5000億円に抑えるため、16年度は診療報酬改定で1700億円削減。17年度は、医療・介護保険制度改革で1400億円を削った。

 政府が18年度の自然増を試算したところ、6300億円で、1300億円の削減が必要になる。一方、18年度予算では既に医療・介護保険制度改革の実施が決まっている。医療費の患者負担に上限を設ける「高額療養費」で一部の人の負担引き上げや、所得の高い40~64歳の人の介護保険料の負担増だ。しかし、捻出できるのは650億円程度にとどまる見込みだ。

 18年度には診療報酬と介護報酬が同時改定される。医療費予算は年間10兆円程度で、診療報酬1%で1000億円程度が削減できる。政府は、診療報酬のうち、薬や医療材料などの価格「薬価」を引き下げる一方、医師の技術料など「本体」の大幅な引き上げは難しいとの考えで、全体としてマイナスとなる見通しだ。介護報酬も大幅な増額は厳しい見込みだ。【阿部亮介】



http://www.medwatch.jp/?p=14732
2018年度からの新専門医制度に備え、10月から専攻医の仮登録—日本専門医機構
2017年7月10日|医療現場から MedWatch

 2018年度から新専門医制度が実施可能になった場合に備え、いわば「専攻医の仮登録」をこの10月から実施する—。

日本専門医機構の吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)は7日、理事会終了後の記者会見でこのような考えを示しました。

10月から専攻医の仮登録を進め、年内には研修先を決定
新専門医制度は、数多ある専門医資格を国民に分かりやすいものとし、かつ質を担保するために、「専門医の研修プログラム認証や、専門医の認定を各学会と日本専門医機構が共同して行う」ことなどを柱としています(関連記事はこちら)。しかし、「質の担保を求めるあまり研修を行う施設(病院)の要件が厳しい。これでは地域医療の現場から指導医・専門医を目指す専攻医がいなくなり、医師の地域偏在が進み、地域医療が崩壊してしまう」との強い指摘があり、塩崎恭久厚生労働大臣は「今後の医師養成の在り方と地域医療の確保に関する検討会」を設置し、地域医療への配慮が十分になされているかをチェックしています(関連記事はこちら)。

これまでに検討会の指摘を踏まえ、日本専門医機構では新整備指針について「専門医資格の取得は義務でない」などの見直しを行うことを決定(関連記事はこちらとこちらとこちら)。さらに、下部規定の「運用細則」について次のような見直しを行う方針を固めました。(2)は、6月12日に開催された検討会で、荒井正吾構成員(奈良県知事)からの厳しい指摘を踏まえたものです(関連記事はこちら)。

(1)カリキュラム制などの柔軟な対応を担保するために、▼基幹施設などは専攻医からの相談窓口を設け、有効な研修を行えるよう配慮する▼専攻医は、相談窓口への相談後も有効な研修が行えないと判断した場合には、機構に相談できる—こととする

(2)都道府県協議会によるチェックを担保するために、▼協議会は、機構に連絡し、研修施設群に対しローテ―ト内容などの情報提供を求めることができる▼基幹施設は、機構に連絡のうえで協議会に情報提供を行い、その旨を機構にも報告する▼機構は、地域医療への配慮や専門研修レベル改善のための必要性に応じて、基本領域学会、研修施設群と共同して協議会の求めに協力する—ものとする

 吉村理事長は、こうした規定の整備によって「規約上は、2018年度から新専門医制度を全面スタートできる準備が整った」と説明した上で、関係者の理解を得るためにさらなる協力をしていく考えを強調しました。

 ところで、仮に年明け1月に、例えば検討会で「2018年度の新専門医制度の全面スタートを認める」旨の見解が示されたとします。ここから研修プログラムの認証や、専攻医の募集を行ったのでは、2018年4月からのスタートは時間的に困難です。

 そこで2018年度(2018年4月)からの全面スタートに備えて、「10月から、研修プログラムへの専攻医の登録(いわば仮登録)を始める」ことになります。

 この前提として、研修プログラムが登録前に公表されていなければいけません。そこで▼7月中に1次審査を完了する▼その後、都道府県協議会のチェックを受け、必要な修正などを行う▼遅くとも9月末までに2次審査を完了する(この時点で認証)—ことになります。ただし、審査終了後に、例えば「実際の研修プログラムが申請内容と異なり、指針などに違反している」ことなどが判明した場合には、機構から研修プログラムの修正を求め、それに応じない場合には「認証の取消」となることもあり得ます。

専門医資格の取得を希望する医師は、希望する研修プログラムを1つ選択し、申請を行います。その後、機構で「1人の医師が複数のプログラムに申請してないか」などをチェックした後、各プログラムにおいて「選考」が行われます。1度の申請・選考で完了することはあり得ず、2次・3次の申請・選考が行われます。「どこで研修プラグラムを確認するのか」「申請はどこ(学会なのか、基幹施設なのか)に行うのか」などは、今後、急ピッチで詰めることになります。機構の山下英俊副理事長(山形大学医学部長)は「年内には、すべての申請について選考を終え、研修先が決まるようにしたい」との考えも示しました。



https://www.m3.com/news/iryoishin/545622
修学資金枠の東北出身者6人減、東北医科薬科大
教員採用に伴う影響軽微、地域医療ネットワークに期待

2017年7月14日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 東北医科薬科大学は7月13日、第9回教育運営協議会を開催した。2017年4月に入学した第2期生100人中、東北地方の出身者は33人と2016年より2人増えたものの、卒業後に東北6県で一定期間勤務する義務のある修学資金枠の55人のうち、東北出身者は14人で、2016年より6人減少し、同大医学部長の福田寛氏は「地域医療に熱意のある学生を獲得できたが、修学資金枠で当該県出身者が少ない。東北出身の受験者を増やす努力をしていきたい」との認識を示した。

 教育運営協議会は、2016年4月の医学部新設に当たって、地域医療への影響などを検証するために設置が求められ、東北6県の大学、行政などの関係者から構成。新設後にも開催が求められ、2016年も7月に第8回協議会を開催した(『東北医科薬科大学、東北出身者は31%』を参照)。

 募集定員100人のうち修学資金枠A方式(修学資金3000万円)は宮城県30人、それ以外の5県が1人ずつ。B方式(修学資金1500万円+各県の修学資金)が20人。

 入学者のうち、A方式の宮城県は東北出身者9人に対し、それ以外が21人。A方式の各県枠は青森県と秋田県が地元出身者だったが、岩手、山形、福島の各県は東北以外の出身者だった。2016年は宮城以外の5県の枠は当該県出身者で占められており、福田氏は「関東出身が非常に多い。東北の各県勢にもう少し頑張ってほしい」と述べた。B方式も、2016年は東北出身者とそれ以外が10人ずつだったのに対し、2017年は東北出身者3人、それ以外17人と東北出身者が大幅に減少した。

 入学試験の実施状況は、志願者2240人(2016年2458人)、受験者2042人(同2278人)、合格者256人(同297人)、実質倍率は8.0倍(同7.7倍)だった。

地域医療ネットワークに期待
 「学部教育の進捗状況」については、東北の19の基幹病院で構成する「地域医療ネットワーク病院」を活用したプログラムを新たに組んだことを報告。今後、2年次から3年次にかけて1泊2日の体験学習を3回、5年次には2週間の臨床実習を1~2回、いずれも同じ病院で固定したメンバーで滞在して行う。東北医科薬科大医学教育推進センター長の大野勲氏は「地域を理解し、愛着を持って卒業し、将来は地域医療に貢献してもらう仕組み」と説明し、教育運営協議会委員長の里見進・東北大学総長は「現在の医療で問題となっているチーム医療や地域医療の面で充実した良い体制を作っていると思う。効果があるのではないか」と評価した。

地域医療に大きな影響なし
 教員採用では、医学部新設に当たって地域医療に影響を及ぼさないことが条件とされており、採用した教員の元の所属先への状況調査を昨年に続き実施。60機関に対する調査(昨年は47機関)で、「状況の変化があった」が4機関(同2機関)、「状況の変化がなかった」が45機関(39機関)、無回答が11機関(6機関)だった。

 福田氏は変化があったとの回答の中には、「変化は想定内で、対応できている」、「補充はしたが、(前任者が)優秀だったために診療機能の面で追いついていない。ただし、通常の異動でも起こり得ること」などの付記があったことを明らかにし、「全体としては現時点では大きな状況の変化はなかったと認識している」と述べた。

 地域医療への支援については、福田氏は「本学は地域医療を支えることが使命で、積極的に支援をしている」と述べ、非常勤医師の派遣先機関が6月30日時点で100機関(2016年同時期は49機関)、延べ人数が283人(同112人)、実人数が120人(同63人)といずれもほぼ倍増していることを報告。「宮城県中心だが、体力が付けば他県にも増やしたい」との意向を述べた。


東北医科薬科大学教育運営協議会
教員18人増、臨床系は不足
 教員の採用状況では、2018年4月までの着任予定者を含めて201人を採用しており、2016年の第8回協議会で報告した183人から18人増となった。ただ、福田氏は、「基礎系はほぼ予定の数を満たした」としたが、臨床系では皮膚科、麻酔科、救急などで十分な数を確保できておらず、「大学病院としてはまだまだ。診療に影響が出ている状況」と説明。地域医療に影響を及ぼさないような配慮をしながら、引き続き、年に15人程度を公募などで追加採用していく方針を示した。

専門医取得のサポートを
 教育体制に関連して、山形大学医学部長の山下英俊氏が、修学資金枠で卒業後も地域に残る場合に、専門医を取得できるよう体制を構築する必要性を指摘。「義務年限が9年、10年とある。地域枠で入学した学生へのサポートは日本専門医機構の整備指針にも盛り込まれており、卒業生が出るのはまだ先だが、準備をした方が良いのでは」と提案した。福田氏は「指摘の通りで、義務年限がある場合の専門医取得はなかなか難しい。各県の事情を勘案しながら設計したい。ぜひ皆様にサポートをお願いしたい」と応じた。

参考:日本専門医機構「専門医制度新整備指針(第二版)」より抜粋
地域枠入学や奨学金供与(給与・貸与)を受けている専攻医に関しては、機構は、地域枠や奨学金供与の義務の発生する各都道府県等及び各基本領域学会に対して、専門医制度を適切に行えるように要請する。



https://www.m3.com/news/general/544634
医師の過酷労働に一石 労基法改正へ影響も 残業代訴訟
2017年7月10日 (月)配信共同通信社

 最高裁が7日の判決で、勤務医の年俸に残業代は含まれないとの判断を示した。通常の賃金と残業代を分ける目的は「時間外労働などの抑制」と明示、労働基準法の労働時間規定を厳密に守ることを求め、医師の過酷な労働実態に一石を投じた。ただ、原告医師の年俸は1700万円。高収入の専門職の一部を残業代支払いの除外とする新制度を盛り込んだ、労基法改正案の行方にも影響を及ぼしそうだ。

 ▽第一歩

 「正確な労働時間の把握が過労防止の第一歩」。1999年、小児科の医師だった夫を過労自殺で亡くした「全国過労死を考える家族の会」東京代表の中原のり子(なかはら・のりこ)さん(61)=東京都=は判決を評価した。

 夫は月に5~8回の泊まり勤務を繰り返し精神的に追い込まれた。遺書には医師の過重労働の実態や、小児科医の医療態勢の悪化について触れていた。「患者の命を預かる医師が過労で倒れるのは本末転倒だ。残業を減らす取り組みを続けてほしい」と話す。

 厚生労働省研究班が昨年12月に実施した医師約10万人を対象にした調査によると、病院や診療所に勤務する20代医師の1週間の勤務時間は男女とも平均50時間以上。30~50代でも、男性では50時間を超えた。

 医師には原則として治療を断れない「応召義務」があり、診療や手術が長引いても途中で勤務を終えることはできない。勤務医には当直勤務や呼び出しもあり、勤務時間以外の負担もある。

 勤務医でつくる「全国医師ユニオン」の植山直人(うえやま・なおと)代表は「勤務医は自身が労働者だという意識が薄く、義務感から長時間労働を受け入れてしまう」と指摘する。

 ▽逆行

 今秋の臨時国会で審議される労基法改正案では、働き方改革を掲げて「月100時間未満」との残業規制を柱にする一方、経済界の求めに応じ、高収入の専門職の一部を残業代支払い対象から除く「高度プロフェッショナル制度」の創設も盛り込んだ。

 新制度の対象となる仕事は年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発業務などで、残業規制の枠組みから外れることになる。医師は対象外だが、年収だけをみると、原告医師の年俸は対象となる年収を大幅に上回っている。

 新制度を「過労死を促進し、働き方改革に逆行する」と反対してきた労働界からは、年収にかかわらず労基法を厳格に適用した今回の判決に歓迎の声が上がる。

 日本労働弁護団の棗一郎(なつめ・いちろう)弁護士は「医師も、新制度の対象になる金融ディーラーなども、専門職は長時間労働になりがちだ」と強調。「人間らしい生活のできる働き方を求める人は増えている。新制度を含んだ労基法改正はするべきではない」と訴えた。



https://www.m3.com/news/general/544630
医師年俸「残業代含まず」 時間外、明確区別を要請 最高裁判決
2017年7月10日 (月)配信共同通信社

 勤務医の年俸に残業代が含まれるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信(おぬき・よしのぶ)裁判長)は7日、「時間外賃金は、通常の賃金と明確に区別できなければならず、含まない」との判断を示した。一、二審は医師の職業上の特性から「年俸に残業代を含む」としていた。

 過去の最高裁判例は、残業代と通常の賃金を分ける必要があるとしており、今回の判決は、医師であっても例外とすることを許さず、厳格適用を求めた格好となった。サービス残業が問題視される勤務医の働き方の議論に影響を与えそうだ。

 訴えていたのは、神奈川県内の私立病院に勤務していた男性医師。一、二審判決によると、2012年4月、病院側と年俸1700万円の雇用契約を結んだ。午後5時半~9時に残業をしても賃金は年俸に含むとする取り決めがあり、男性は手続き上、合意していた。

 一審横浜地裁判決は「生命に関わる医師の業務には、労働時間に応じた賃金支払いはなじまず、高額な年俸に残業代が含まれるとみなしても不合理ではない」と判断。二審東京高裁も支持した。

 しかし、最高裁は「1700万円のうち残業代に当たる部分を判別できず、残業代が支払われたとは言えない」と指摘。高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。東京高裁で未払い分の残業代を計算する。

 医師は、勤務態度などを理由に12年秋に解雇され、解雇無効や未払い賃金の支払いを求めて提訴。解雇については、有効とする二審判決を最高裁も支持した。

 ※医師の長時間労働

 厚生労働省研究班が昨年12月に実施した医師約10万人を対象にした調査では、病院や診療所に勤務する常勤勤務医は、男性の27・7%、女性の17・3%が週60時間以上勤務していると判明。医師法で診療が原則断れない「応召義務」を課されていることや、当直明けも通常通り仕事を続ける慣行、医師不足などが影響しているとみられる。病院などに勤める医師は労働者と認められており、裁量労働制は適用対象外となっている。



https://www.m3.com/news/general/544631
厳格な労務管理促す 勤務医残業代訴訟
2017年7月10日 (月)配信共同通信社

 【解説】勤務医の年俸に残業代が含まれないとした7日の最高裁判決は、通常の賃金と残業代との間に、明確な線引きが必要だとする大原則を重視した。医療現場では、高額な年俸と引き換えにした歯止めのない労働が問題視されており、厳格な労務管理を促したと言えよう。

 医師は、診療を原則拒めない「応召義務」がある一方、仕事のやり方にはある程度の裁量が認められ、相当に高額な報酬も得ているとして、働き方を巡る議論の蚊帳の外に置かれがちだった。

 一、二審は、医師の特性を考慮し「労働者として保護されていないとはいえない」と指摘。一般のサラリーマンらに適用してきた従来の原則に縛られず、高額の年俸に残業代が含まれるという判断を示した。

 だが、年俸制を隠れみのにした医師のサービス残業は珍しくないという。過労は医療ミスにつながりかねず、医師自身だけでなく、国民の命と健康にも関わる。最高裁が一、二審から原則に引き戻したのは是認できる。

 ただ、労務管理をしっかりし、残業代を支払うことが長時間労働の解消に直結するわけでもない。医師不足といった問題もある。判決を踏まえ、医療現場の実態に即した改革が早期に進むよう期待したい。



https://www.m3.com/news/general/544636
労働時間の考え方見直しを 新潟研修医自殺で申し入れ
その他 2017年7月10日 (月)配信共同通信社

 新潟市民病院(新潟市)の研修医木元文(きもと・あや)さん=当時(37)=が昨年1月に自殺したのは長時間労働が原因と労災認定された問題で、遺族の代理人は7日、手技のトレーニングなどは個人の学習だとしても業務に含まれるとして、労働時間の考え方を見直すよう市に申し入れた。

 代理人によると、同様に労働環境改善を求めて6月9日に出した申し入れは、市から同月30日付で回答があったが、説明が不十分だったという。

 今回の申し入れでは、個人のスキルアップの学習や学会準備などについては労働時間に含まないとする病院側の見解に対し、「業務のために必要ならば労働時間だ」と指摘し、病院長ら関係者が意識刷新すべきだとしている。

 市は6月、新潟労働基準監督署から長時間労働の改善を柱とした是正勧告を受けた。


  1. 2017/07/15(土) 10:24:42|
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