Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月7日 

https://mainichi.jp/articles/20170708/rky/00m/040/006000c
県立北部病院
医師不足で外科外来を制限、夜間救急も一部休止 /沖縄

2017年7月8日 毎日新聞

 【名護】名護市大中の県立北部病院(知念清治院長)が、医師不足のため8月から日中の外科外来の受け付けを、現在の週4日から週3日に制限することが7日、分かった。4人いる外科医のうち1人が7月末で退職するため。また夜間(午後5時~午前8時)の緊急外来は週7日のうち、3日間は休止し、休止の日は北部地区医師会病院(諸喜田林院長)が引き受ける。北部病院の久貝忠男副院長は「医師不足問題の一端が表面化した」と述べた。北部病院では産婦人科の救急の休止も続いており、北部地域では医師不足が深刻化している。

 県立北部病院によると、制限していない日でも、心臓破裂など緊急で大手術が必要になった場合、医師が総掛かりで対応するため外科の外来を休止する。本来であれば地元で診察を受けられた患者が中部や南部の病院に搬送されることも予想される。久貝副院長は「北部の医療は危機的状況にある。内科も4人体制でぎりぎり保っている状況だ」と話す。

 現在、外科の医師は1人月9回の当直勤務がある。3人だと月12回に増えることになり、医師の過重負担から外来の制限に踏み切った。久貝副院長は「当直はほぼ眠れず、そのまま日勤に入ることもある。患者へのリスクを考えるとこれ以上は負担をかけられない。外来、救急を制限せざるを得なかった」と話す。

 北部病院では年間、外科関係だけでも6千件を超える緊急搬送がある。手術は外科だけで年間約400件。その3割が緊急手術だ。

 久貝副院長は「本来なら2倍ぐらいの人員が必要だが、まずは後任医師の確保が急務だ。確保でき次第、制限を解消したい」と話した。

 北部病院は県にも現状を報告しているが、県から具体的な解決策はまだ出ていない。(佐野真慈)(琉球新報)



https://www.m3.com/news/iryoishin/542177
医師の働き方改革とキャリア
労基署に「踏み絵」を踏ませる覚悟 - 邉見公雄・全自病会長に聞く◆Vol.1
「医師の働き方」の実態調査で医療崩壊を防ぐ

インタビュー 2017年7月3日 (月)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 全国自治体病院協議会は6月22日の常務理事会で、医師の働き方や労務管理などに関する実態調査の実施を決定した。今後、同協議会で「医師の働き方改革」について議論する際の基礎資料とするためだ。政府の今年3月の「働き方改革実行計画」の中で、医師については時間外労働の上限規制の適用除外とし、今後2年間で適用の在り方を検討するよう求められている。

 同協議会会長の邉見公雄氏に、医師の働き方やその議論の前提となる医師の需給について、現状認識、実態調査や検討の方向性についてお聞きした(2017年6月27日にインタビュー。計2回の連載)。

――まず医師の需給の現状認識について、お伺いいたします。

 病院は、都市部か地方かを問わず、とても医師が不足しています。特に厳しいのは、地方の病院。診療所は、大都市を中心に少し過剰感が出ている一方、地方の開業医は高齢化し、在宅医療まで手が回らず、後継者が見付からない現状があります。

「医療の側から、こうしたい、という提案を出したい」と語る邉見公雄氏。

――医学部の入学定員は、2008年度以降の10年間で1795人増えています。今後の医師需給の見通しのほか、医学部定員増や医学部を新設する必要性については、どうお考えですか。

 医学は、進歩し、専門分化もする。さらに女性医師が増加すれば、出産・育児で休職する人も増えてくる。だから、医師の過剰感は全然ありません。3、5年後くらいでも、同じでしょう。(2015年12月から労働者に対して義務化された)ストレスチェック制度で産業医の仕事が増え、自動車の運転免許証更新の際の認知症高齢者の診断も医師の仕事になる。高齢者が増えれば、フレイルなどの予防対策やリハビリテーションのニーズが増え、さらにアジアなどに医療の国際展開もするとなれば、いくらでも医師の需要は増えます。

 ただし、私は医学部の定員増に賛成しますが、医学部新設には反対。医師養成の「バルブ」を開けたり、閉めたりできるようにしておいた方がいいと考えるからです。

 私は以前、医学部定員抑制の議論に加わっていました(編集部注:政府は1997年、医学部定員を7625人まで抑制することを閣議決定。2003~2007年はこの人数で推移)。「ま ほう びょう」、つまり「麻酔、放射線、病理」の医師不足は感じていたものの、それ以外の領域でも、こんなに医師不足になるとは思っていませんでした。

――ではなぜ医師不足が生じたとお考えですか。

 やはり一番は、2004年度の卒後臨床研修の必修化で、「一番弱い地域」を守ってきた医局の力が弱くなったこと。研修自体の中身はいいけれど、マッチングシステムの導入で、研修医が自由に研修先を選べるようになり、計画性のない配置となってしまった。医師の地域偏在を解決するため、各都道府県に地域医療支援センターを作っても機能しないなど、偏在解消対策はうまく行っていません。

――全自病では、医師の働き方や労務管理などに関する実態調査を実施するとのことです。医師不足問題と密接に関連する問題かと思います。

 その通りです。例えば夜間対応が多い救急部門などに、ナースと同じように三交代制を導入したら、今の医師数ではとても足りない。さらに、労働基準監督署は、病院への立入検査を行い、労働時間について是正勧告をしている。「週40時間労働」を完全に守ろうとしたら、今の医師数では無理。こうした事情も鑑みず、労基署は、日本の医療の根幹を揺さぶるようなことをしています。

 「働き方改革」で一番、困っているのは、我々全自病の会員病院。会員病院の約6割が田舎にあります。へき地で医師が少ない病院などに労基署が入ったら、もはや立ち行かなくなってしまいます。最近の全自病の常務理事会は、喫緊の問題以外は、この議論に集中しています。それほど大きな問題であり、関係者の関心は高い。日頃はおとなしい先生も、この問題になると饒舌になる。それは皆、違和感を覚えるからでしょう。医療特有のさまざまな文化があり、医師法上の応招義務がある。そこに労基署の論理を当てはめたら、整合性が取れない上に、医療がそもそも成り立たなくなってしまう。

 医師に時間外労働の上限規制が入ったら、救急車で患者さんが搬送されてきても、「勤務時間外だから、お断りします」といったケースが出てくるかもしれません。(研修医の過労自殺が問題になり、労基署の是正勧告を受けた)新潟市民病院は、外来は紹介状のある患者、救急は3次救急に限るという「緊急対応宣言」を出しました。新潟市は、政令指定都市であり、他に病院があるからいいけれど、うち(邊見氏が名誉院長を務める、赤穂市民病院)がそれをやったら、病院の経営や市の医療は持ちません。

 つまり、全自病が医師の働き方などについて実態調査をするのは、地域医療を守るためであり、机上の空論ではなく、調査を通じて現状を明らかにし、提言を出すのが目的。「我々の提言を守らないと地域医療は崩壊します。それでもいいのですね」などと、厚労省、具体的には労基署に「踏み絵」を踏ませる覚悟です。地域医療が壊れてもいいなら、労基署はいくら来てもいい。でもそれでは、その地域の医療はもちません。

――しかし、「当直明けの翌日も、通常勤務」といった実態は解決する必要があるのでは。

 勤務環境の改善は、もちろん必要。だからこそ医師数の増加、あるいは医師の適正配置、応招義務や主治医制の見直し、夜間受診の抑制や医療の集約化、タスク・シフティングなど、さまざまな問題について、総合的に考えていかなければいけない。その検討や何らかの施策を講じることなく、単に「労基法を守れ」と言われても、それは無理です。

――調査はいつ頃、実施し、結果や提言はいつ頃にまとめる予定でしょうか。

 「2年間の猶予」が医療界にありますが、今のままでは労基署に責められるだけ。立入検査で「こうしなさい」と言われてからでは、議論の範囲が狭められてしまう。具体的な時期は決まっていませんが、医療の側から「こうしたい」という提案を先に出したい。できるだけ多くの意見を聞きたいので、会員病院や医師には、実態調査以外でも、手紙、メールなど、さまざまな方法で意見、あるいは工夫事例などを寄せてほしいとお願いしています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/542178
医師の働き方改革とキャリア
「勤務医は労働者」との決めつけ、乱暴すぎる - 邉見公雄・全自病会長に聞く◆Vol.2
勤務実態は複雑、各病院の自主性に任せた対応を

インタビュー 2017年7月6日 (木)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生は「医師の働き方改革」の議論の難しさを指摘されています。

 まずどこまでが医師の「労働時間」に当たるのかという問題があります。自分のスキルアップやキャリアアップのために、院内外のカンファレンスや研修会に参加する。研究、論文や学会発表の準備をする。学会で自分が発表する場合はどうか、他の発表を聞く時間も労働に当たるのか。研修医の「研修」はどこまでが労働か、指導医の「指導」、あるいはその準備も労働か。中には、「実家の父が病気になり、早く診療所を継承したいので」という理由で、その準備のために、長時間働く医師もいます。

 「聖職感」が強い医師も多く、「休日」であっても、病院に来て働く医師がたくさんいます。午前2時、3時まで緊急手術しても、次の日も病院に来てしまう。さまざまな「医師の文化」をどう解釈するか。

 主治医制という、日本特有の「医療の文化」もあります。「あの先生は、臨終にも来なかった」となれば、家族はその病院を受診しなくなってしまう。私が中医協(中央社会保険医療協議会)の委員をしていた際、中医協総会で東京に出てこなければならず、私が長年診ていた患者さんの臨終に立ち会えず、後からご自宅に謝りに行ったこともあります。

 応招義務の問題についても、複数主治医制、あるいはグループ制などであれば、病院組織として対応が可能ですが、現実には主治医制がほとんど。例えば、「あの先生に、お産してもらいたかった」となれば、主治医が担当せざるを得ない。

邉見公雄氏は、「医師の勤務実態はこんなに複雑。これを一括して、『労働』としていいのか」と問いかけたいという。

――誰が労働基準法の「労働者」に当たり、「時間外労働」の上限規制の対象になるかという問題もあります。

 開業医は、使用者であり、「労働者」ではありません。一方、病院の場合はどうか。(労基法で定める)「管理監督者」とは誰か。例えば「管理職手当」をもらっていることを基準にすれば、医長以上は皆、「管理監督者」に該当し、労働時間の規定の適用を受けなくなってしまう。

 勤務時間をどう管理するかという問題もあります。例えば、タイムカードで記録した時間か。それとも電子カルテの記録で見るかですが、どちらも中途半端。医師の場合、タイムカードをほとんど押さない。電子カルテを立ち上げていた時間を労働時間と見なす場合、消し忘れたりしたらどうするか。使っていなかったら、スリープする機能がある電子カルテでは、手術している時間は働いていないことになってしまう。

 さらに言えば、医師には「待機」の時間も多い。患者さんの状態が危なそうな時、「家に帰ってもまた呼び出されるかもしれないので、病院に待機しておこう」と自主的に残っていても、その日、容体が悪くならなかったら、その待機時間は労働に当たるのかどうか。

――その辺りを今回の実態調査では明らかにする。

 はい。医師の労働がどこまでか、各病院でどんな運用、管理をしているかを明らかにしたい。調査項目は、ものすごく多くなる見込みです。当直にしても、どんな診療科で、何人で勤務しているか、当直時間をどこまで労働時間としてカウントしているかなどを細かく聞く。実際に労基署の立入検査を受けた経験がある病院も含め、さまざまな人に関与してもらい、調査表の作成を進めています。私も入っているけれど、とても難しい作業です。

――「医師の働き方改革」は、医療提供体制の在り方、患者の受診行動、医師の価値観など、全てに関係する問題。医師によっても、また病院によっても考えが異なり、取りまとめは容易ではないと思います。

 先日、複数の医師で集まる機会がありました。ある病院は「午前2時までは夜勤扱いで労働時間としてカウントし、それ以降は当直扱い」。午前2時以降は、ほとんど患者さんが来ないからです。一方、別の病院は、田舎にあり、夜が早いためか、「午後10時までは夜勤扱い、それ以降は当直扱い」とのこと。そのほか、院長自身が管理当直を担当し、医師は病院の周辺に住んでおり、すぐに駆けつけられるため「当直はおかず、オンコール」という病院もあるなど、病院による違いは大きい。

 調査結果を基に、どのように意見がまとまるかは分かりませんが、「医師の勤務実態はこんなに複雑。これを一括して、『労働』としていいのか」という問いかけをするのが、第一でしょう。

 医療は「文化」。病院によっても、「文化」が違う。それを画一的な労働感で、「勤務医は労働者だ」と決めつけるのは、乱暴すぎる。要は「各病院の自主性に任せたら、どうですか」ということ。「ブラック企業」のように、だまして採用してはいけない。そうではなく各病院が自院の取り組みを公開、それを見て、医師が勤務先を選べるようにすべきでしょう。

 私は、2001年の省庁再編で厚生省と労働省が一緒になった時、この問題は解決に向かうと思っていました。それ以前は、縦割りで、厚生省は医療を守る立場であっても、労働省は病院に対し、厳しいことを言っていた。しかし、せっかく省が一つになったにもかかわらず、余計にややこしくなってきた。不作為で行政が手を打ってこなかったから、今になって、時間外労働の上限規制の問題が、より複雑な形で顕在化してきたと見ています。 



https://www.cbnews.jp/news/entry/20170703120118
まさかあの病院が…広がる“聖路加ショック”
識者が考える働き方改革

2017年07月05日 15:00  CB News マネジメント

 聖路加国際病院(東京都中央区)が土曜の外来診療を縮小―。5月の病院側の発表は、医療関係者に衝撃を与えた。労働基準監督署の是正勧告を受けた勤務体制の見直しが理由だが、名門病院の方針転換は、医療界のパラダイムシフトを印象付けた。地方の医師不足や診療報酬の引き下げなど、病院経営を取り巻く環境が厳しさを増す中、医師の働き方改革についてどう考えるべきなのか。2人の識者に聞いた。【聞き手・構成=敦賀陽平】

●特定社会保険労務士・福島通子氏 「勤務医の考え方が二極化」

政府が働き方改革に力を入れ始めてから、労基署が病院に立ち入り調査を行うケースが増えた。これまで他の産業と比べ、それほど件数は多くなかったが、ここ数年の増加が目立つ。医師の過重労働は、最終的に医師不足の問題にたどり着く。少しずつ改善に向かってはいるが、地域や診療科の偏在に加え、高齢化も手伝って、現存の医師数で解決するのは難しいと思われる。

 聖路加国際病院のニュースが、病院関係者に与えたインパクトは大きいと思う。全国有数の大病院で、あれだけ多くの時間外労働が行われている。医師不足が深刻な地方の病院の状況は容易に推察できる。

 今回の件もそうだが、労基署の是正勧告を受けても、外来を縮小したり、診療科の数を減らしたりするなど、思い切った対策を取らない限り、小さな改善だけでは、法律を守って医師を働かせることはできないのが現状だと思う。医師不足が顕著な埼玉県でも、午後の外来診療を休止する病院が出てきた。現時点でできるのは、医師の仕事をサポートする人材を増員・育成することだ。

 私も研究に参加した社会保険労務士総合研究機構の2012年の報告書(医療現場の労務管理に関する研究)でも指摘されているが、例えば、「フィジシャン・アシスタント」(PA)や「ナース・プラクティショナー」(NP)の日本版のような人材を育成すれば、医師の負担を少しは減らすことができるのではないだろうか。
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https://www.minpo.jp/news/detail/2017070443038
小児・産科医、来て 南相馬市が募集延長、働き掛け強化
( 2017/07/04 10:37 カテゴリー:主要 )福島民報

 南相馬市は市内の小児・産科医療の充実に向け、医師の確保に全力を挙げている。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の医師不足を補おうと助成制度を設けて小児科・産科医を募ったが6月末の締め切りまで応募者はゼロ。現在は市立総合病院以外で民間の小児科の専門医はおらず、産科医は1人のみ。市は3日、募集期間を9月末まで延長するとともに関係機関への働き掛けの強化に乗り出した。

 市によると、震災と原発事故前まで市内には市立総合病院と民間の病院・診療所を合わせて小児科を専門とする医師が5人程度いた。産科医は市立総合病院と民間の病院・診療所を合わせると少なくとも5人はいたという。

 原発事故に伴う避難などで民間の小児科医は不在となり、現在は市立総合病院の1人のみ。人員不足から新生児の入院は相馬市の公立相馬病院に受け入れを頼んでいる状況だ。産科医は市立総合病院に常勤医1人と福島医大から派遣された1人はいるが、民間は同様に1人だけとなった。

 市は医師不足解消に向けて市内で診療所を新たに開設する医師に施設整備費などを上限5000万円で助成する独自の医師公募制度を昨年創設した。だが、昨年の整形外科1件を除き、これまでのところ小児科・産科で制度を活用する医師は現れていない。

 市健康福祉部長として制度導入に携わり、今年春の定年退職後は再任用で市健康づくり課で地域医療対策を担う中里祐一主任主査兼係長(60)を中心に直接、医師に制度利用を呼び掛けたり、福島医大にさらなる医師の派遣を要請したりする日々が続く。中里係長は避難で子どもが減った上、助成金を支給するとはいえ、初期投資への負担を敬遠する医師が多いのではないか-と現状をみている。

 市は今後、助成要件の緩和も視野に入れて開業しやすい環境づくりに力を入れる考えだ。中里係長は「10年、20年先を見据えた医療体制づくりは行政の責務」と語り、受話器に向かった。



http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070700969&g=soc
医師の残業代「年俸に含まず」=請求棄却の一、二審破棄-最高裁
(2017/07/07-19:25) 時事通信

 医師が勤務先の病院と結んだ雇用契約をめぐり、年俸1700万円の中に残業代が含まれていたかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は7日、「残業代は含まれていない」と判断した上で、医師の請求を棄却した二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。

 訴えていたのは、神奈川県内の医療法人を解雇された男性外科医。雇用契約に基づき、午後9時以降の「必要不可欠な業務」には残業代が支払われたが、医師は午後9時までの残業分も支払うよう求めていた。
 第2小法廷は、年俸1700万円の中に残業代を含むことで双方が合意していたが、残業代に相当する金額の内訳は不明確だったと指摘。「残業代をあらかじめ賃金に含めて支払う場合には、通常賃金との区別が必要」とした判例に基づき、「残業代が支払われたとは言えない」と結論付けた。
 一審東京地裁は、職務内容や賃金額などから合意は有効だとし、「残業代は含まれていた」と判断。二審東京高裁もこれを支持していた。 
 病院側の代理人弁護士の話 従来の判断枠組みを単純に適用した。現実を無視した形式的判断だ。
 医師側の代理人弁護士の話 医師の労働環境適正化についての議論が進み、過重労働改善の契機になることを期待している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/544177
医師の時間外手当で最高裁判決(判決理由要旨など追記)
「年俸に含まれず、未払分支払いを」

レポート 2017年7月7日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 神奈川県内の民間病院に勤務していた40歳代の男性医師が、未払いの時間外手当の支払いなどを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は7月7日、時間外手当は年俸1700万円に含まれるとした一審、二審判決を破棄し、審理を東京高等裁判所に差し戻した(『「医師の過重労働改善に一石を」原告側』を参照)。

 小貫裁判長は判決理由で、時間外手当を年俸1700万円に含めるとの合意が医師と病院の間でされていたが、年俸のうち時間外手当に当たる部分が明らかにされていなかったため、基本給と時間外手当を判別することができないと指摘。このため、「病院の医師に対する年俸支払いによって、時間外手当が支払われたと言うことができない」と結論づけ、労働基準法37条などで定められた方法で算定した時間外手当を全て支払ったかどうかなどを審理するために、高裁に差し戻した。

 医師の代理人弁護士の新井隆氏は、差し戻しの理由として基本給と時間外手当が明白に区分されていないことが挙げられていることから、従来の最高裁判例に準拠した判断であるとの認識を示した上で、同様に明白に区分されていない契約形態の医師に影響が及ぶ可能性はあるとしたものの、「もっと医師の働き方全体を判断してほしかった」と述べた。また、もともと懲戒解雇を受けて地位確認を求めた訴訟だったため、その点が二審で退けられ、上告も受理されなかったことへの不服も示した。

 一方、病院側の代理人弁護士の最所義一氏は、「私どもは、医師であることの特殊性などを踏まえた、実態に則した判断を求めていたが、最高裁は全く判断しなかった」と判決への不満を述べた。

判決理由の要旨は以下の通り。
使用者が労働者に対して労基法37条の定める時間外手当を支払ったか否かを判断するためには、時間外手当として支払われた金額が、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として、労基法37条などに定められた方法により算定した時間外手当の額を下回らないか否かを検討することになる。
 この検討の前提として、労働契約における基本給などの定めで、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外手当を判別できることが必要である。
原告医師と被告病院の間で、時間外手当を年俸1700万円に含める旨の合意がされていたが、このうち時間外手当に当たる部分は明らかにされていなかった。そのため、この合意によっては、年俸のうち時間外手当として支払われた金額を確定することすらできず、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外手当に当たる部分を判別することができない。従って、医師に対する年俸の支払により、時間外手当が支払われたと言うことはできない。
原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中時間外手当及び付加金の請求に関する部分は、破棄を免れない。病院側が、医師に対し、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として労基法37条などに定められた方法により算定した割増賃金を全て支払ったか否か、付加金を命ずることの適否及びその額などについてさらに審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻す。
参考:労働基準法から抜粋
 第37条1項 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が1カ月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

二審までの経緯
 男性医師と民間病院は、年俸1700万円、週5日勤務で就業時刻は午前8時30分から午後5時30分(昼休憩1時間)、時間外勤務は時間外規定の定めによる、などとする雇用契約を2012年4月1日付けで締結。同院では、時間外規定について、時間外割増賃金(時間外手当)の支払対象となる時間外勤務の時間を「勤務日の午後9時以降、翌日の8時30分までの間、および休日に発生する緊急業務に要した時間とする」と規定。ただし、「通常業務の延長とみなされる時間外勤務は時間外手当の対象とならない」としており、雇用契約による就業時刻を終えた午後5時30分から、午後9時の間に勤務した分の時間外手当が年俸に含まれるか否かが争われていた。

 判例では、時間外手当の一部が年俸に含まれるとの合意には、時間外手当としていくら支払われているかを把握できるよう、賃金のうち基本給部分と時間外手当が明白に区別できる必要がある(明白区分性)とされている。しかし、2015年4月の一審の横浜地裁判決は、「通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外手当に当たる部分とを判別することができないと言わざるを得ない」としながらも、「年俸に時間外手当が含まれることを否定する理由にはならない」として、時間外手当が年俸に含まれるとの合意があったことを認定。この合意は医師としての職務や責任に照らし合理性があり、原告が自らの労働を裁量で律することができ、年俸が1700万円と好待遇である、などとして時間外手当は年俸に含まれると考えるのが相当とした。2015年10月の東京高裁判決も、この判断を支持。

 原告の医師側は、最高裁弁論で「原審は判別できないことを認めていながら、合意自体は有効であると判断している」と批判。こうした区別ができない合意は無効であると主張し、「医師の過重労働改善に一石を投じるべく、医療現場の実態を踏まえた判断を求める」と訴えていた。一方、被告の病院側は、「合意を無効と判断しなければならない事由が存在しないことは明らか」と述べ、一審、二審判決の支持を求めていた。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20170707333833.html
「過労死ライン」超えは延べ81人
新潟県立病院医師の時間外労働

【政治・行政】 2017/07/07 10:41 新潟日報

 県病院局が運営する全13の県立病院で2016年度、「過労死ライン」とされる月80時間を超える時間外労働があった常勤医が延べ81人いたことが6日、明らかになった。このうち延べ23人は100時間を超えていた。

 県病院局が県議会で説明した。県立病院の職員の所定労働時間は1日7時間45分。これ以外の時間外労働について労使が結んだ協定(三六協定)では、医師の上限を月75時間と定めている。

 県によると、16年度中に協定違反に当たる長時間労働の月があった常勤医は延べ105人。このうち延べ81人が月80時間を超え、延べ23人は月100時間を超えていた。

 全常勤医340人の1人当たりの時間外労働は、月平均で25時間だった。急患や救急救命、長時間を要する手術に携わる一部の医師を中心に、過労死ラインを超える長時間労働になっているとみられる。

 岡俊幸・県病院局長は「医師が担う業務ごとに長時間労働の内容を分析し、対策を練る必要がある。どのような対策ができるか早急に詰めたい」と述べた。

 県は県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)で、常勤医2人を含む職員4人に三六協定に違反する長時間労働をさせたとして、7月3日に新潟労働基準監督署から是正勧告を受けた。他の12の県立病院でも詳細な実態調査を進めている。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170705333432.html
労基署が県に是正勧告
がんセンター医師ら4人 過労死ライン超え

【社会】 2017/07/05 08:20 新潟日報

 県は4日、県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)の常勤医ら4人に労使協定(三六協定)で定めた以上の時間外労働をさせたとして、新潟労働基準監督署から是正勧告を受けたと発表した。4人はいずれも3月に「過労死ライン」とされる月80時間を超える時間外労働をしていた。

 勧告は3日付。労基署が5~6月に調査し、判明した。同病院の労使が結んだ三六協定は、月の時間外労働時間の上限を75時間と定めている。

 県によると、3月に80時間を超える時間外労働をしていたのは医師2人と事務職員2人。医師はそれぞれ96.4時間、84.4時間、事務職員はそれぞれ92.4時間、81.4時間働いていた。

 是正勧告では「過労死ライン」を超えて時間外労働をしていたことを問題視した。また、病院として長時間労働対策を検討していなかったことや、検査薬品の危険性を医師や技師に対して注意喚起する表示を怠っていたことなどが法令違反と指摘された。

 県は同病院以外の12の県立病院でも同様の違反がないか調べる方針。県病院局総務課は「勧告を真摯(しんし)に受け止め、改善に向けて取り組みたい。今後、状況を把握して原因を分析し、具体的な対策を検討する」としている。

 医師の長時間労働を巡っては、新潟市民病院の医師の過労自殺が労災認定され、同病院が労基署から是正勧告を受けている。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170704333283.html
患者、理解と不安交錯
新潟市民病院 新患制限が本格化

【社会】 2017/07/04 11:14 新潟日報

 紹介状を持たない新規患者の一般外来受け付けを3日から取りやめた新潟市民病院。勤務医の過労自殺の労災認定と、新潟労働基準監督署による是正勧告を受け、医師らの長時間労働解消を目指した措置だが、患者側は一定の理解は示しつつも「地元の医療機関で診てもらえるのか」といった不安も聞かれる。市民病院は過去にも医師や医療秘書を増やす対策を講じたが、救急搬送数の増加などで実効性が上がらなかった経緯もある。勤務医の労働環境改善と救急医療の水準維持を両立させるためには、患者の理解とともに周辺医療機関の協力が鍵を握る。

 この日市民病院を受診した患者からは「受診制限はやむを得ない」との声も聞かれたものの、複雑な心境を語る人もいた。3年前に初診料を払って通院を続けている五泉市の無職男性(76)は「自宅近くの病院は対応できる科が少なかったり、混んでいたりして困る。市民病院なら1カ所で全て検査してもらえる」と説明する。

 阿賀町から約20年間、通院を続けている無職男性(85)は「医師の過重労働は困るけれど、地元の医療機関に行けと言われても診てもらえるのか」と漏らした。

 新潟市民病院の外来患者(救急を含む)は1日約1100人。そのうち、医師の紹介状なしで初診料(医科5400円、歯科3240円)を払って一般外来を受診する患者が数人程度いたという。同病院の担当者は「ここを減らすことで、医師を含む職員全体の労働時間削減を図りたい」と狙いを説明する。

 また、市民病院に救急搬送される患者のうち、入院することなく帰宅する患者は約3割に上る。新潟市は先月上旬、「新潟市民病院緊急対応宣言」を発表。軽度の症状であれば休日や夜間の受診を控えるなど救急医療の適正利用への協力を市民に呼び掛けるとともに、市内の病院関係者と協議し、市民病院の負担軽減に向けた方策の検討を始めた。

 市医師会の藤田一隆会長は、「市民病院の厳しい状況は前々から聞いていた。周囲の病院には負担が増えるのを承知で(協力を)お願いするしかない」と理解を示す。

 新潟市では約30年前から、市内の各病院が交代で救急患者の受け入れ当番を担う「病院群輪番制」を導入。しかし、関係者によると、当番病院の空き状況や疾患の種類によっては、程度が軽くても市民病院を頼るケースがあるという。

 市内で救急医療を担う病院の関係者は「開業医を頼りなく思い、市民病院を信奉する市民もいる」と指摘。市民病院の負担軽減策に実効性を持たせるためには、患者側の理解が欠かせないとする。



http://iwj.co.jp/wj/open/archives/387698
スクープ! 国際医療福祉大学医学部に新疑惑! 認可前から国家戦略特区会議に同大学経営者が参加! 石破氏、舛添氏らも同席~民進国対委員会と岩手医科大学・小川彰理事長会合後のブリーフィング
2017.7.4 記事公開日:2017.7.4 Independent Web Journal
取材地:東京都 (取材:阿部洋地、文:城石エマ、谷口直哉、記事構成:岩上安身)

※7月5日、テキストを追加しました。

 都議選での歴史的な敗退によって、安倍政権に対する国民の信任の崩壊が誰の目にも明らかになる中、森友学園、加計学園問題に続く、第3の学園問題が浮上してきた。千葉県成田市の国家戦略特区に設立された、国際医療福祉大学医学部の疑惑である。

 2017年7月4日、民進党の「加計学園疑惑調査チーム会合」は岩手医科大学の小川彰理事長との会合を実施。会合は記者には非公開だったものの、終了後、座長を務める桜井充議員から、ブリーフィングが行われた。そこで桜井議員は、今年4月に成田の国家戦略特区に新設された、「国際医療福祉大学」の医学部をめぐり、裏で政治的なやりとりが行われていたことを裏づける証拠が出てきていることを明らかにした。

 なお、本稿の会員限定ページには、IWJが入手した国際医療福祉大学をめぐる一連の資料を全公開した。ぜひ、この機会にIWJ会員にご登録いただき、資料全文をご覧いただきたい。

記事目次

 設置事業者の公募開始前から国際医療福祉大学理事長らが国家戦略特区会議に参加していた!石破茂内閣府特命担当大臣、舛添要一都知事(当時)、小泉一成成田市長も同席
 「一般の医学部とは次元の異なる医学部に」――内閣府・文科省・厚労省の取り決めの頭越しに国際医療福祉大学が千葉県と「地域医療への貢献」を取り決めていた!?
 国際医療福祉大学 医学部新設の目的は「医師不足解消」?それとも「国際人材育成」? 国家戦略特区指定のための「二枚舌」!?
 医療業界からは当初から「国家戦略特区による医学部新設」に反対の声! 焦点は将来的な「供給過剰」問題
 民進党国体委員会が公開した資料を全文掲載!

■ハイライト(全編動画の尺は12分になります)

※会合はマスコミ非公開で行われ、頭撮りと会合後のブリーフィングでは、民進党・桜井充議員が発言しています。

議題 国家戦略特別区域制度に基づく国際医療福祉大学について
講師 小川彰氏(岩手医科大学理事長)
日時 2017年7月4日(火) 16:00~
場所 参議院議員会館(東京都千代田区)
設置事業者の公募開始前から国際医療福祉大学理事長らが国家戦略特区会議に参加していた!石破茂内閣府特命担当大臣、舛添要一都知事(当時)、小泉一成成田市長も同席

 出てきた証拠とは、2014年10月1日に行われた「東京圏国家戦略特区会議第1回」の議事次第で、そこには、国家戦略特区担当の石破茂内閣府特命担当大臣(当時)と、舛添要一都知事(当時)、小泉一成(こいずみ かずなり)成田市長、阿曽沼元博・瀬田クリニックグループ代表(元厚労省研究員)らとともに、国際医療福祉大学の高木邦格理事長(代理:矢崎義雄総長)が出席者として明記されている。設置事業者の公募が始まる2015年11月12日よりも、前の話だ。

第1回東京国家戦略特別区域会議出席者名簿

 *石破  茂 内閣府匿名担当大臣(国家戦略特別区域)
 *舛添 要一 東京都知事
 *黒岩 祐治 神奈川県知事
 *小泉 一成 成田市長
  木村 惠司 三菱地所株式会社 代表取締役会長
  竹内  勤 慶応義塾大学病院 院長
  阿曽沼元博 医療法人社団滉志開瀬田クリニックグループ代表
 *高木 邦格 学校方針国際医療福祉大学 理事長(代理:矢崎 義雄 総長)

▲「東京圏国家戦略特区会議第1回」の議事次第。すでに国際医療福祉大学理事長の名が記載されている(以下マーキングはIWJによる)。

 桜井議員は次のように述べた。

 「この時点(2014年10月1日)から、成田市で国家戦略特区を使って国際医療福祉大学が医学部を新設できるようにしていきましょう、ということが始まっています。ですから、成田が指定されて大学が組んでやっているんですから加計の時とまったく同じ様な構造なんだろうと、そう思います」

 つまり、今治での獣医学部新設が「加計ありき」で進められたように、成田では「国際医療福祉大学ありき」だった、とみられるのである。

 その後、2014年12月17日に成田で行われた「成田市分科会第1回」議事次第によると、藤原豊・内閣府地域活性化推進室次長(当時)と、小泉成田市長らとともに、矢崎総長ら4人の国際医療福祉大学の重役が参加している。

(表 略)

▲「成田市分科会第1回」議事次第。ここにも国際医療福祉大学関係者の名が確認できる。

 なお現在、成田市のホームページ上では、国際医療福祉大学や国家戦略特区に関連するページが削除されてしまっている。なぜなのだろうか?

「一般の医学部とは次元の異なる医学部に」――内閣府・文科省・厚労省の取り決めの頭越しに国際医療福祉大学が千葉県と「地域医療への貢献」を取り決めていた!?
 さらに、公募以前の2015年7月31日に行われた内閣府、文科省、厚労省の3省会合では、「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針(案)」がまとめられ、そこでは「国家戦略特区の趣旨を踏まえ、一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なる、上記の目的に沿った際立った特徴を有する医学部とすること」が決定された。

(表 略)

▲国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針(案)【PDF】

 一般の臨床医を養成するのを目的としないとは、どういうことか。日本の医師免許という、国家資格の取得にこだわらない、という意味にしか読み取れない。留学生を招き、外国人教員が英語で授業し、あげく日本の医師の資格にはこだわらずに、世界各地へ「無資格」のまま旅立ってゆく――。

 本当に、設立趣旨の意味がまったくわからない。医師免許を持たない者を医学部で養成してどうするのか?しかも留学生や外国人教員にウエートを置き、英語で教育を行うことを、何のために日本国民の税金でやらなくてはいけないのか。明らかなことは、千葉県の成田市という地元に根づいて地域医療を担う、日本の医師免許をもった医師の養成は目指していないらしい、ということである。

 ところがここでも、別の文書を見ると、まったく矛盾したことが話しあわれていたことがわかる。2017年3月27日付けで、千葉県と国際医療福祉大学が、「(国際医療福祉大学が新設する)医学部において地域医療に関する教育を行うものとする」と取り交わした協定書である。

(…会員ページにつづく)



http://blogos.com/article/233004/
赤字22億円「東京女子医大」の危機的状況
PRESIDENT Online2017年07月06日 09:15  BLOGOS

都内の名門私立病院が、次々と経営難に陥っている。東京都新宿区にある「東京女子医科大学病院」は、医療事故を境に、2年間で19万人も外来患者が減った。その結果、3年連続の赤字に陥り、医師への給与も満足に払えない状況となっている。だが、これは女子医大だけの問題ではない。背景には医療制度の構造的な問題がある――。

■ 賞与は「本給部分の1.6カ月」

東京の医療が崩壊するのは、もはや時間の問題のようだ。前回、聖路加国際病院の苦境を紹介したが、(http://president.jp/articles/-/21994)最近になって、『週刊現代』(7月8日号)が「赤字22億円このままでは名門東京女子医大(以下、女子医大)が潰れる」という記事を掲載した。私もコメントした。

この記事を読んだ友人(女子医大OB)から「以前から聞いていましたが、ここまでひどい状況になっているとは驚きです」とメールが来た。医療関係者の間で話題となっているようだ。この記事は、女子医大の吉岡俊正理事長が、6月7日に教職員へ送った文書から始まっている。

「平成28年度の収支差額は22億円の赤字で3年連続の赤字となりました」
「3年連続の赤字により、現在の本学には現預金の余裕は全くありません」
「これ以上、医療収入が減少しますと、法人存続にかかわる危機的な事態になります」

こうした理由から上半期の賞与は「本給部分の1.6カ月」(前年度は2.35カ月+扶養手当2カ月)だという。

職員宛の文書で、吉岡理事長は「大変厳しい決定ですが、本学の現状を踏まえた判断です」「現状に対する職員の意識を高め、改善・改革のための具体的な行動が必要です。患者さんが戻り、医療収入増加に貢献する、あるいは経費削減により収支改善に貢献することがないか、各職員一人一人が当事者意識を持ち、真摯に考え、行動をしてください」と呼びかけている。

■ 2歳児に麻酔薬を大量投与

女子医大の転落のきっかけは、2014年2月、2歳の男児が麻酔薬「プロポフォール」を大量投与されて亡くなった医療事故がきっかけだ。

事故を受けて、厚生労働省は特定機能病院の承認を取り消した。事故の前、女子医大の収入に占める補助金の割合は9.3%だった。15年度の決算では4.1%にまで減っている。患者も減った。過去2年間で外来患者は約19万人、入院患者は約7万3000人減った。

だが、女子医大の幹部の危機意識は希薄で、派閥抗争に明け暮れた。吉岡俊正理事長一派は、この事故の責任を問うとして衣笠宏・学長、高桑雄一・医学部長(いずれも当時)を解任し、法廷闘争を仕掛けた。

前出の女子医大OBは「患者を紹介しようとしても、理事長派と学長派の対立が医局の内部部にまでおよんでいるのか、手術をしてもらえませんでした。これじゃ患者も減ります」と嘆く。

女子医大の「身から出たさび」という見方も可能だが、事態はそれほど単純ではない。なぜなら、昨今の医療費の抑制政策が続く限り、都内の総合病院が破綻するのは避けられないからだ。女子医大は、医療政策の被害者という側面もある。背景を解説しよう。

高齢化が進むわが国では、医療費の抑制は喫緊の課題だ。政府はさまざまな政策を打ち出している。

患者は増えるのに、医療費の総額が抑制されれば、医療機関の利幅は薄くなる。この政策が続けば、やがて破綻するところがでてくる。

■ 女子医大は例外ではない

意外かもしれないが、もっとも「被害」を受けやすいのは首都圏の病院だ。それは、我が国の医療費は厚労省が全国一律に決めているからだ。田舎で治療をうけても、東京の銀座で治療を受けても、医療費は同じなのだ。もちろん、土地代や人件費などのコストは違う。医療費を下げ続ければ、真っ先に破綻するのは、首都圏の病院だ。

私の知る限り、この問題を初めて取り上げたのは、情報誌『選択』の2015年9月号だ。<私大医学部で「経営危機」が続々 破綻寸前の「首都圏医療」>という記事を読めば、女子医大が例外でないことがわかる。

もちろん、この記事でも女子医大は取り上げられている。だが、それ以上に経営状態が危険とされたのは日本医科大学付属病院(以下、日本医大)だ。

■ 日本医大の経営危機の深刻さ

日本医大は、1876年(明治9年)に越後長岡藩医であった長谷川泰が設立した済生学舎を前身とする、日本最古の私立医大だ。慶應大、慈恵医大とともに戦前に設立された3つの医学部の一つである。現在も東京を代表する医療機関で、都立墨東病院などと並び、脳卒中や交通事故など一刻を争う救急患者を治療する三次医療機関の中心を担っている。

日本医大が公開している財務諸表によれば、2014年度の売上高利益率はマイナス19.4%で、158億円の赤字。総資本を自己資本で割った財務レバレッジは349%と大幅な借金超過で、流動比率(流動資産と流動負債の比)は70%だ。

流動比率は、負債の短期的な返済能力を見る指標のひとつだ。税理士の上田和朗氏は「企業の経営状態を判断する際のもっとも重要な指標の一つ」と言う。流動比率は、流動資産が流動負債より多いか否かを示し、通常は120%以上あるのが望ましいとされている。日本医大の経営危機がいかに深刻かご理解いただけるだろう。

日本医大は経営再建に懸命だ。2016年度の財務諸表によれば、医療収入は747.7億円で対前年比2.4%%(17.6億円)の増だった。支出は賞与や時間外勤務を減らし、予算対比で12.5億円も減らした。この結果、決算は黒字となった。

ただ、それでも固定比率は292%もあり、有利子負債は629億円だ。前出の上田氏は「人件費を削り、医療収入を増やしている。経営は改善されつつあるものの、借り入れ体質は変わらない」という。日本医大の苦戦は続きそうだ。

なぜ、最近になって、首都圏の一流病院が経営難に陥ったのだろう。

きっかけは2014年の消費税増税だ。病院は医薬品などを仕入れる際、病院は消費税を負担するが、患者には請求できない。このため消費税が「損税」となってしまうのだ。

■ 開業医が優遇され、病院が割を食う

これは、自動車など輸出企業の置かれた状況とは対照的だ。輸出品は海外での販売時に課税されるため、消費税が免除されている。多くの企業は仕入れなどで消費税を負担しているため、その差額を政府から還付される。2015年8月24日の朝日新聞に掲載された<病院経営「8%」ショック>の記事の中で、税理士で元静岡大学教授の湖東京至氏は、大手自動車メーカー5社が14年度に受け取った還付金の総額を約6000億円と推計している。

もちろん、厚労省も損税問題を認識している。損税を補填するため、2014年に診療報酬を全体で1.36%引き上げた。しかしながら、これでは不十分だ。特定の診療行為の値段を上げるだけで、損税問題を解決できるはずがない。必ず不公平が生じる。一般論だが、日本医師会の中核を占める開業医が優遇され、病院が割を食う。

19年10月には消費税が10%に上がる。財務省は診療報酬の減額を目指している。今後、診療報酬が大幅に増額されるとは考えにくい。生き残るには、必死にコストをカットするしかない。

病院経営での最大のコストとは何だろうか。それは人件費だ。多くの病院でコストの50-60%を人件費が占める。その中でも、特に問題となるのは看護師の人件費だ。看護師は、病院スタッフでもっとも多い職種であり、一般的に高給取りだからだ。

■ 都内看護師の平均年収は約523万円

『看護師になる2016』(朝日新聞出版)によれば、都内の総合病院に勤務する25歳の看護師の給与は、額面で37.1万、ボーナスは約100万円だ。年収にすると約550万円となる。ちなみに日本人の給与所得者の平均年収は420万円(平成27年分民間給与実態統計調査結果)だ。

看護師の給与には大きな国内格差がある。「都道府県・看護師税込推定給与総額(円)」という図をご覧いただくと、関東から近畿地方にかけて高く、東北地方や九州・四国・中国地方が安いことがわかる。

日本看護協会によると、東京都の看護師の平均年収は523万円。全国平均の473万円より1割ほど高い。病院の利益率は通常数%程度だ。看護師のコストがこれだけ違うと勝負にならない。このデータは2008年のもので少し古いが、この傾向は現在も変わらないだろう。

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図上:日本看護協会調査研究報告No.80 2008を元に、近藤優実氏が作成。/図下:平成19年度全国物価統計調査報告、08年日本看護協会調査研究報告、平成24年衛生行政報告例を用いて、近藤優実氏(東京医療保健大)が作成。

なぜ首都圏の看護師の人件費が高いのだろうか。それは首都圏で看護師が不足しているからだ。「都道府県別物価補正後の看護師月給と看護師数」という図では、人口当たりの看護師数と看護師の給与の関係を示している。なお看護師の給与は都道府県の物価で補正している。

病院経営は工場経営に似ている。首都圏のように人件費の高いところは不利だ。最近、九州や東北地方の病院が首都圏に進出しているが、これは地方病院のほうが財務力に余裕があるためだ。

では、首都圏の病院は、どのようにしてコストを切り詰めているのだろうか。実は、もっとも切り詰めているのが医師の人件費だ。東京には大勢の医師がいる。特に大学の場合、教授や准教授になりたい医師は掃いて捨てるほどいる。供給が多ければ、価格は下がる。ここにも経済原理が働く。

■ 准教授の手取りは30万円代

東京大学医学部の後輩の40代の医師で、現在、都内の大学病院の准教授を務める人物は「手取りは30万円代です」とこぼす。彼の妻は専業主婦で、2人の子供がいる。家賃、食費、教育費を稼がねばならない。

彼は生活のために、アルバイトにあけくれている。毎週1日は都内のクリニックで外来をこなし、週末は当直を務める。これで月額50万円程度を稼いでいる。

こんなことをしていると、肝心の診療がおろそかになる。最終的に、そのツケは患者が払うことになる。前出の医師は、「昼間、病棟には研修医しかいません。スタッフは外来、手術、そしてアルバイトに行かないといけないからです」と言う。これでは、入院患者の治療は二の次になる。

その結果が、2014年2月に女子医大で起こった医療事故だ。頸部リンパ管腫の摘出手術を受けた2歳の男児が、3日後に急性循環不全で亡くなった。その後の調査で、人工呼吸中の男児が暴れないように、小児への使用が禁止されている麻酔薬プロポフォールを用いたことが判明した。成人用量の2.7倍も投与されていたそうだ。女子医大が依頼した第三者委員会は「投与中止後すぐに人工透析をしていれば、男児の命は助かった可能性があった」と指摘している。

■ 組織改革では医療事故はなくならない

さらに、女子医大では、小児に対するプロポフォールの過量投与が常態化していたことも明らかになった。14歳未満の55人に対し、合計63回投与されていた。今回の医療事故は氷山の一角だったのだ。

女子医大は、医療安全体制を見直し、2015年2月6日には「平成26年2月に発生いたしました医療事故の件」という声明を発表した。この中で、「法人組織での『医療安全管理部門』の設置」や「病院長直属の外部委員により構成する病院運営諮問委員会の新設」などの15項目の提言を行っている。だが、事態を重くみた厚労省は、女子医大の特定機能病院の承認を取り消した。

私は、このような組織改革や厳罰では、医療事故はなくならないと思っている。むしろ、ますます医療安全体制は損なわれるだろう。承認の取り消しは、女子医大の経営を悪化させるだけだ。

実は女子医大では2002年にも特定機能病院の承認を取り消されている。2001年3月、12歳の患者が人工心肺装置の操作ミスで死亡するという医療事故を起こしたからだ。この事故は、操作を担当した医師が逮捕されるという刑事事件にもなった。女子医大は、今回と同様に安全管理体制の改善に努め、遺族の理解も得られたため、2007年8月に再承認を受けている。ところが、この時に議論された安全対策は、その後、有効に機能しなかった。

私は当たり前だと思う。女子医大に限らず、首都圏の私大病院において、医療安全対策の最大の課題は「アルバイトの合間に診療する無責任体制」だからだ。ところが、これは女子医大の経営を考えれば、やむを得ない。医師の給与を下げるかわりに、アルバイトを許可しなければ、やっていけない。

■ 東京の高度医療を担う私大病院の危機

女子医大は名門病院だ。普通に診療していれば、スタッフ医師が今回のような過量投与を見落とすはずがない。「患者の安全性よりアルバイト」という医師の都合が優先されたため、急変時の対応が後手に回ったのだろう。この問題は、組織論や職業倫理だけでは改善しない構造的な問題だ。解決するには医局員の立場にたった実効性のある対策が必要だ。

東京の医療の中核を担っているのは、私立の大学病院だ。東京都に本部を置く医学部は13あるが、このうち11は私立医大だ。

こんなに私大病院が多い地域は東京だけだ。東京の次に私大病院が多いのは神奈川県と大阪府だが、いずれも3つだ。東京の高度医療は、私大病院が担っていると言っても過言ではない。だが、私大病院は、経営が悪化すれば「倒産」するしかない。女子医大や日本医大は、その瀬戸際にある。

このまま無策を決め込めば、いくつかの東京の医大は必ず破綻に追い込まれる。経営者の責任追及だけでなく、患者保護の視点から建設的な議論が必要だ。

(医療ガバナンス研究所 理事長 上 昌広 写真=時事通信フォト)



http://univ-journal.jp/14693/
2018年実施の医師国家試験に4つの変更点 厚生労働省が公表
大学ジャーナルオンライン編集部

 厚生労働省は、2017年7月3日、2018年に実施予定の「第112回医師国家試験」において、出題数をこれまでの合計500題から100題減らし400題に、また、試験日程を3日間から2日間へ変更することなど、4つの変更点を公表した。

 第112回医師国家試験は、2018年2月10日と11日に実施予定で、臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、“医師として具有すべき知識及び技能”を試験する。
変更点は4つあり、1つ目は、出題数。これまで200問出題されていた必修問題以外の一般問題を100題減じ、合計500題→400題へ変更。減らす問題の内容は、医学部生が5~6年時の臨床実習前に必ず受ける共用試験と重複する「医学各論」「医学総論」だという。

 2つ目は、試験日数で、出題数の見直しに伴い3日間から2日間へ変更となる。
3つ目は、配点。必修問題以外の臨床実地問題の配点は、これまで1問3点だったものを1問1点採点にする。
4つ目は、合格基準。必修問題以外の一般問題と臨床実地問題は、これまで各々で合格基準を設定していたものを、一般問題と臨床実地問題の得点の合計について合格基準を設定する。

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会は、2014年6月から医師国家試験の評価と改善について議論を行ってきた。2015年3月30日に提出した報告書では、『今後の卒前教育や医療を取り巻く状況を踏まえ、具体的な方向性としては、単に知識を問う問題ではなく、例えば、症候から優先順位を考慮しつつ鑑別診断や治療方針の選択を進めていくという臨床医の思考過程に沿った、臨床的な応用力を問う問題を出題するため、出題傾向として「臨床実地問題」に、より重点をおくこととする』と説明している。

参考:【厚生労働省】
第112回医師国家試験における変更点について
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/oshirase/112ishi_henkouten.html
医師国家試験の施行について
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/ishi/



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB07H5S_X00C17A7L72000/
戸田中央医科、返済不要の奨学金PR 医師の卵確保
2017/7/8 7:01日本経済新聞 電子版

 首都圏を中心に28病院を運営する戸田中央医科グループ(TMG、埼玉県戸田市)は、医師の確保策を強化する。新人医師の確保策として、7月から同グループへの就職で返済不要とする、大学医学部の奨学金制度を高校などに直接PR。「医師の卵」を囲い込む。埼玉県は人口10万人あたりの医師数が全国最低で、人材確保とともに地域医療の維持にも寄与したい考えだ。

 TMGでは今月20日まで、2018年4月の医学部入学をめざす高校生らを対象に必要な費用を貸す奨学金制度の奨学生を募集している。大学入学の支度金として100万円、授業料として毎月20万円(最大6年間・計1440万円)を貸与する制度で「サラリーマン家庭でも私立医学部に入学できる奨学金」とうたう。

 医学部を卒業して初期臨床研修を受けた後、医師としてTMGの病院で9年以上勤務すれば返済を免除する。地域医療の担い手を確保する狙いで10年度に創設したが、ホームページでしか告知しておらず、奨学生もほぼ年2~3人にとどまっていた。

 奨学金を利用した初の卒業生2人が4月にTMGへの就職を果たしたことを機に、採用活動の見直しに着手した。今月からは採用担当者が高校を訪問し、奨学金や就職について直接説明する。訪問は通年行い、公立の進学校を中心に18年度以降卒業予定の学生にも利用を促す。

 このほか、医学部への進学者の多い首都圏の高校や大手予備校を対象に、制度を周知するダイレクトメールを約300通送った。制度の利用希望者が多い場合には高校在学時の成績などを基準に選考、毎年5人程度の奨学生確保を目指す。

 医学生の就職は大学病院の多い都内に集中しがちで、地域医療の担い手が確保しにくい状況が続いている。TMGの担当者は「先手を打たなければ採用環境はさらに厳しくなる」と語る。

 現役医師の確保策では、16年4月にグループ全体の医師の採用を専門的に担う「医師招聘(しょうへい)部」を設置。医師と病院をマッチングする紹介会社に同グループの病院を知ってもらう見学会を開くなど、優秀な人材確保に向けた売り込みも加速させている。

 埼玉県は人口10万人あたりの医師数が全国で最も少なく、高齢化の進展に伴い医師不足が深刻化すると懸念されている。地元就職を条件とした返済不要の奨学金制度は県も10年度に創設しており、危機感は共通している。TMGは「各地で地域密着型の医療を提供しているグループならではの強みを生かし、地元での医師の就職を後押ししたい」としている。



http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20170704/CK2017070402000003.html
13病院連携し新研修システム 医師確保で県検討
2017年7月4日 中日新聞 滋賀

 県議会六月定例会議は三日、再開し、六人が一般質問した。県内での医師確保策について、藤本武司健康医療福祉部長は、県内十三の臨床研修病院が連携した研修システムの構築へ向け、検討を始めたことを明らかにした。佐藤議員の質問に答えた。

 県医療政策課によると、新たな研修システムは、専門性を高める三年程度の後期臨床研修を想定。各病院の指導医による会議を設置し、六月から議論を進めている。各病院ごとに強みのある診療科があるため、研修期間内に研修医が、各病院を行き来して研修することなどを検討している。

 国家試験に合格した医師に義務付けられている二年間の初期臨床研修では、県内の研修病院で約百二十人の定員枠があり、近年は百人前後の採用が続いている。初期研修を終えた医師が県内で後期研修を続ける「県内定着率」は、過去十年の平均で七割弱という。

 同課の担当者は「臨床研修で県内病院を選んでもらうことが、医師確保の一歩になる」と話している。

 (角雄記)



http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20170707/2744299
若手医師の学ぶ場開設 自治医大と4病院連携 栃木
7月7日 朝刊 下野新聞

 「自治医大しもつが地域臨床教育センター」の開所式が6日、栃木市大平町川連の「とちぎメディカルセンターしもつが」で行われた。同大の若手医師らが地域医療の現場で学ぶ拠点となる。

 同大は昨年7月、メディカルセンターしもつがなど県内4病院とセンター設置を締結した。研修医や学生を各病院へ派遣し、生活習慣病など慢性疾患の対応を学ぶ。主に高度急性期医療を担う同大の教育を補完する。

 同病院側も医師が指導医として研修医の教育に当たることで、医師のスキルアップや病院の活性化を図る。在学中に地域医療を経験させることで、卒業後などにはより地域で就職しやすいシステムを構築し、将来的な医師確保につなげる狙いがある。



http://blogos.com/article/233262/
あの女子医大でも赤字 ていうか補助金なければ病院経営なんて赤字のビジネスモデル
中村ゆきつぐ2017年07月07日 11:23 BLOGOS

週刊現代記事です。(赤字22億円!名門・東京女子医大が「危機的状況」に陥っていた 職員向け「決算報告書」をスクープ入手)そしてあの上先生が解説されています。(赤字22億円「東京女子医大」の危機的状況 2年間で19万人も患者が減った)

私は
1 補助金がなければ基本赤字の診療報酬
2 病院経営を素人がやるとかえって逆効果

この2点で思っていることを書きます。

1 みなさんご存じないでしょうが、今の保険医療制度では救急含め重症患者を診れば診るほど病院は赤字になります。ではなぜ救急などが成り立っているのか。それはある一定条件を保つと救急指定病院の宣言をすることで自治体から補助金がもらえるからです。お金で救急医療を維持する方法、でも今のやり方は正直機能していません(1)、(2)。昔(2013年!)書いた3次救急の受け入れ不能問題もこんなことが原因でした。そして医師の少ない埼玉は特に問題です。(それこそ補助金だけもらって患者を診ていない病院もあるとのことです。)

救急の補助金と同様に、大学病院には高度な医療を行うということで特定機能病院という補助金がつきます。高度な医療はお金がかかります。そう補助金なしでは特定機能病院はなかなか利益が出にくいビジネス形態なんです。だからこれがなくなった女子医大病院は正直経営的に火の車なのです。(それこそ今は群馬大も大変です。)

2 経営を良くするため、病院は儲かりやすい保険点数が高い医療を多く実施したり、ある条件をクリアすれば補助金が付く医療に重点を置くことが多くなっています。(手術、外来化学療法など)まあそれもある程度は仕方がないことで医療者がなんとかうまくできる経営努力です。

でもそれ以外の人事だとか経営の効率だとかは経営のプロではない医療者はそれほど上手じゃありません。まして扱う人事が医師や看護師という特殊な人材。会社経営のプロは医療者の特性をあまり知りません。

待遇が気に入らなければ今の医療者の雇用市場ではさっさと辞めていきます。そこに女子医大という名門という看板は通用しません。この記事の人事含めた経営方針は本当医療者に反感をかったのでしょう。そして人がいなくなればその病院は廃れるのみです。それを事務方がわからないと悪循環は続きます。だから以前聖路加は頑張っていると書いたのです。

まとめ
医療を良くするために何をしなければいけないのか。

患者の命を守るためには病院が赤字にならないようにすることは必要条件です。そう真面目に正しい医療を行えばしっかり病院が儲かるように点数を変える必要があります。医療費の消費税も取るようにすべきです。(今医療の材料費には消費税がかかり、患者さんの医療費には消費税がありません。だから病院はどんどん赤字に)

だって病院が儲からないと新たに人なんて雇えません。医師だってバイトに行かなきゃ東京でまともに暮らせません。そう考えると赤字の病院に働き方改革なんてできるわけがありませんし、結果安全な医療はできません。

ただ今東京ではすでに患者の奪い合いが始まってきているとのこと。私が一番恐れているのは病院が潰れないために下手すると無意味な医療が横行する可能性です。あの生活保護患者を食い物にした病院のように。

公共の福祉と割り切ることも一つの考えです。だって補助金の投入はすでに行われているのですからもっと効率的にやればいいのです。まあ行政の介入(税金の投入)がなければ今後病院の倒産はどんどん広がっていくと思われます。

と言いながら今回の女子医の経営者が従業員に出した手紙は半分脅しの可能性もあるんですけどね。

1: http://www.nikkeibp.co.jp/aging/article/innovator/20120711/01/01.html
2: http://www.nikkeibp.co.jp/aging/article/innovator/20120718/01/01.html
3: http://blog.livedoor.jp/dannapapa/archives/3735682.html



https://mainichi.jp/articles/20170708/ddm/008/040/076000c
新専門医
来春導入へ 基準統一、診療の質向上狙う

毎日新聞2017年7月8日 東京朝刊

 医療の質の向上を目的にした新専門医制度について、制度を運営する日本専門医機構は7日、来年4月からスタートさせることを決めた。今年4月から開始の予定だったが、医師の偏在につながるなどと反発にあい、先送りされていた。

 当初の制度案では研修を実施する基幹病院が都市部の大学病院に集中していたため、地域医療が崩壊するとの反論が日本医師会や病院団体から上がり、延期につながった。対策として機構は、東京都、神奈川県、愛知県など5都府県で受け入れる各診療科の医師数は、過去5年の採用実績の平均値を原則超えないように定員を設定する運用細則を定めた。

 現在の専門医制度は、外科や皮膚科などの各診療科ごとに100種類以上あり、各学会がそれぞれ認定するため質のばらつきが大きい。機構が統一した基準で認定することで質の向上を図る。同日記者会見した機構の松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は新制度について「国民にとって信頼できる専門領域の医者であることを医学界が保証するということだ」と述べた。【野田武】



http://www.medwatch.jp/?p=14566
新専門医研修プログラム、都道府県協議会で地域医療を確保する内容となっているか確認―厚労省
2017年7月3日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 新たな専門医制度によって、地域における医師の偏在が生じることなく専門医の質を高める体制が構築されるよう、▼都道府県▼市町村▼医師会▼大学▼病院団体▼基幹施設—などによる協議の場「都道府県協議会」で、専門医の研修プログラムに関して「従来、専門医を養成していた医療機関が、専攻医受け入れを希望する場合に連携施設となっているか」などを確認し、必要な調整を行ってほしい—。

 厚生労働省は6月27日に、通知「専門研修プログラムの認定に向けた各都道府県の役割等について」を発出し、都道府県の担当者にこのような要請を行いました。

協議会の調整内容や活動実績を厚労省に報告するよう要請

 新たな専門医制度の2018年度全面スタートに向けた検討が各所で続けられています。専門医の認定と、研修プログラムの認証を学会と日本専門医機構が共同して行い、「専門医の質を担保し、国民に分かりやすい」専門医制度とすることが狙いですが、例えば研修を行う施設の基準が厳しく、「地域で医師の偏在が進んでしまうのではないか」などの懸念もあります。

 そこで厚労省は「今後の医師養成の在り方と地域医療の確保に関する検討会」を設置し、「専門医の質の担保」と「地域医療の確保」とを両立する方策について議論を行っています。その中では、都道府県ごとに地域の関係者が集い、地域の医師偏在が助長されないかなどをチェックし、必要があれば改善を行っていく仕組み(都道府県協議会)をより強固なものとすべきとの指摘が出されています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

厚労省はこの指摘を重く受けとめ、都道府県協議会の役割などを今般の通知で改めて明確にしたものです。通知の骨子は次の4点に集約できます。単に都道府県協議会を設置するだけでなく、具体的な活動(研修プログラムの確認や必要な調整)を求め、その実績報告を求めることで、実効性を確保することを狙っています。

(1) ▼都道府県▼市町村▼医師会▼大学▼病院団体▼基幹施設―などによる「都道府県協議会」において、研修プログラムに関する情報を共有し、確認、検討などを行う
(2) 都道府県協議会において研修プログラムの確認、検討などを行った後、地域医療確保の観点から改善が必要な事項を日本専門医機構へ提出し、日本専門医機構と連携して改善事項などについて調整する
(3) 都道府県で調整に努めたにもかかわらず状況が改善しないような場合には、適宜、厚労省に報告する
(4) 調整終了後、プログラム認定前に、管内のプログラムについての調整結果を都道府県協議会で確認した旨、都道府県協議会の活動実績を厚労省へ報告する

具体的には、「研修プログラム」における基幹施設・連携施設の▽施設名▽指導医数▽研修実績▽専攻医募集数―などの情報から、例えば次のような点を確認するよう求めています。

▼都市部(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県)の各基本領域学会(ただし外科、産婦人科、病理、臨床検査を除く)の専攻医総数が、「原則として過去5年の専攻医採用実績の平均値を超えない」ような募集定員数となっているか【都市部へ専攻医が集中するような犬種プログラムになっていないか】

▼従来の学会認定制度において専門医を養成していた医療機関が、専攻医の受入れを希望する場合は、連携施設となっているか【地域における偏在を招くようなことになっていないか】

▼内科、小児科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、麻酔科、救急科については、都道府県ごとに複数の基幹施設が置かれているか【大学医学部に専攻医や指導医が集中するような研修プログラムになっていないか】

▼特別な症例を経験するために必要になるなどの事情がなければ、原則として基幹施設での研修は6か月以上となっているか、また連携施設での研修は1か所につき3か月未満となっていないか【地域で必要な医師確保ができるような内容になっているか】

▼研修プログラムに記載されている経験目標に、▽病診・病病連携▽地域包括ケア▽在宅医療▽都市部以外などでの医療経験―が含まれているか【地域医療に配慮した研修プログラムの内容になっているか】

都道府県協議会では、都市部に専攻医が集中するような研修プログラムになっていないか、従来の研修施設が漏れていないか、などをチェックする(図表 略)
都道府県協議会では、研修プログラムが地域医療に配慮した内容となっているか、連携施設でも研修期間が極端に短くなっていないかなどをチェックする(図表 略)

 
 ところで6月12日の検討会では、荒井正吾構成員(奈良県知事)から「認定前には分からなかった問題点が、認定し、プログラムが稼働してから明らかになることもある」といった指摘も出されました(関連記事はこちら)。そこで厚労省は、「プログラム認定後、新たな専門医の仕組みの運用に当たって都道府県協議会が協議すべき事項」についても、別途、都道府県に宛てて通知する考えを示しています。
 


https://www.m3.com/news/iryoishin/542928
始動する“医療事故調”
“事故調”対応、「5項目とも可」の大学は47%
全国医学部長病院長会議シンポ、支援体制に差

レポート 2017年7月2日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議の「大学病院の医療事故対策委員会」が、医療事故調査に関する全国80大学の支援体制を調査した結果、2017年3月時点で、「相談」「解剖」「Ai(死亡時画像診断)」「専門家派遣」「報告書チェック」の5項目について、「全て対応可」の大学は、38大学(47%)で、半数に満たないことが明らかになった。「Ai以外は対応可」23大学(29%)、「未定・不可あり」19大学(24%)。同委員会と東京都医療事故調査等支援団体連絡協議会が、都内で7月1日に開催したシンポジウムで、同委員会のアドバイザーを務める福岡大学病院医療安全管理部の中村伸理子氏が、調査結果を報告した(シンポジウムの内容は、『医療事故調査、“喧嘩”の道具に使うな!』を参照)。

 2015年10月からスタートした医療事故調査制度は、各医療機関での院内調査を基本とするため、自院で対応が難しい場合、各地域の支援団体などに協力を仰ぐことになる。特に、解剖やAiなどの体制や、各専門領域の医師を有する大学の支援は重要だが、大学によって対応に差があることが分かる。38大学のうち、「システム整備も完了」は16大学、「システム整備は未了」が22大学。

 調査では、事故調査を自院が実施した一部の大学に対し、支援を受ける立場としての状況も聞いている。「専門家派遣」「調査委員会の委員長派遣」「報告書作成支援」などを受けていたが、一部に「不要だが、提供あり」との回答もあった。事故調査の際、「外部委員」を入れることは制度上義務ではなく、シンポジウムではこの点をめぐる議論が展開された。

 調査は全国80大学を対象に実施、2016年3月と2017年3月時点での状況を聞いた。回答率は100%(一部、欠損値を含む)。今回発表したのは、速報値で今後、詳細な結果をまとめる予定。

 「500床以上」の病院への支援、44%

 医療事故調査制度では、複数ある支援団体が連携できるよう、都道府県ごとに「支援団体連絡協議会」を設置することが望ましいとされている。医師会が中心となっているが、2016年4月と2017年4月の比較では、都道府県医師会と各大学の連携が着実に進んでいた。2017年3月の時点では、80大学中、「支援手順等が決まり、支援提供」47大学、「支援手順等が決まった」25大学で、合計72大学。一方で、「支援手順が決まりつつある」7大学、「連絡協議会等を行った」1大学。

 2015年10月から2017年3月までの「のべ支援依頼数」は189例。多い大学では21例の相談を受けた一方、少ない大学では1例。支援依頼元を病床規模別に見ると、「500床以上」44%、「200~499床」39%で、合計83%を占める(137例の分析)。大規模病院でも、医療事故調査に当たっては支援を必要としていた。

 支援対応の内訳は、「専門家派遣」133例(うち3例は、依頼があったが、対応に至らず)と「報告書助言」57例(同1例)が大半を占める(164例の分析)。相談32例(同1例)、解剖27例(同8例)、Aiは13例と少ない。

 「自由意見では、医療事故の定義への疑問、事故調査報告書が裁判に利用されてしまうのではないか、非懲罰性が担保されているかといった不安、『医療事故』という言葉が、遺族に過失を連想させてしまうので、名称変更が必要ではないか、といった意見が上がった」(中村氏)



https://www.m3.com/news/iryoishin/544396
真価問われる専門医改革
「専攻医の登録、10月スタート」目指す
「2018年4月開始に向け、日本専門医機構の準備は整った」

レポート 2017年7月7日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は7月7日の理事会で、2018年4月からの新専門医制度開始に向けて、準備を進めることを決定した。今年10月から専攻医の登録を開始できるよう、研修プログラムの1次審査を7月中に終え、9月末までには2次審査を終了することを目指す。できれば今年内を目途に専攻医の研修先が決まるよう、準備を進める方針だ。もっとも、1次審査後に行う都道府県協議会による研修プログラムの精査など、開始に向けたハードルはまだ幾つかあり、2次審査を終えるまでは、正式に開始するとは言えない状況にある。

 理事会後に会見した日本専門医機構理事長の吉村博邦氏は、「規約的には、機構として来年4月のスタートに向けた準備が整った。今後、各方面の理解が得られるよう努力していきたい」と説明した。「専門医制度新整備指針(第二版)」は6月の理事会で了承済み。同指針の運用細則の改訂、総合診療専門医の整備基準とモデル専門研修プログラムも7日の理事会で了承され、新専門医制度に必要な規約は整ったことになる。

 日本専門医機構副理事長の松原謙二氏は、「理事会での議論の結果、来年度から始めるのがふさわしいという意見が多数だった。できれば、10月から一斉に専攻医の登録を始めたい。都道府県協議会での精査が必要なので、10月から専攻医の登録を始めないと、2次、3次募集ができなくなる」と説明。同副理事長の山下英俊氏も、「今年内を目途に決まるようにするには、10月くらいから専攻医の登録を始めないと厳しい」とコメント。

 ただし、新専門医制度については地域医療への影響を懸念する声がある現状を踏まえ、研修プログラム等に問題が生じれば、適宜修正を求めるとともに、研修プログラムをいったん認定しても、「十分な研修プログラムではないとされた場合には、取り消すことも視野に入れて、今後準備を進める」(松原副理事長)。また厚生労働省ともよく相談しながら進めることを、松原副理事長は強調した。

 2018年度の新専門医制度開始に向けたハードルは幾つかある。第一は、厚労省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(『「基幹施設は大学のみ」残る課題、7学会にヒアリング』などを参照)。6月の同検討会の第3回会議の意見を踏まえ、運用細則を改訂したが、7~8月に開催予定の第4回会議でも、新専門医制度について議論する見通し。

 第二は、都道府県協議会での検討。各基幹病院の研修プログラムは、地域医療への影響の有無を検証するため、その所在地の各都道府県協議会で精査する。47都道府県で今夏、協議会が開催されるが、東京都など多数の研修プログラムの精査を行う地域では相当な作業量になる。

 さらに2次審査が通った各基本領域の研修プログラムを、専攻医が閲覧できるようにするための体制、専攻医の登録方法などの準備も必要になる。

 専攻医の登録は、18の基本領域については各学会が担当する。総合診療専門医については、日本専門医機構が担う。また同機構は、一人の医師が、複数の基本領域に登録していないかなどをチェックする。基幹病院等では、登録を踏まえ、専攻医の選考を行う。その結果、募集定員を上回ったり、あるいは下回ったりする場合には、登録の調整が必要になる。それでもなお、研修先が決まらないなどの専攻医のために、2次、3次募集を実施することになる見通し。専攻医の登録管理などを行うシステムを構築済みの学会もあるが、19の基本領域、かつ47都道府県で調整等を行うシステムの構築はこれからだ。

 山下副理事長は、「専門研修をしたいが、研修ができないという事態にはならない」と説明するものの、基本領域や研修施設の希望が100%かなうとは限らないとした。地域医療に配慮し、各研修プログラムに募集定員が設定されるからだ。ただ、このような専攻医の調整は、新専門医制度の開始に伴って新たに始まるわけではなく、従来から各基本領域では実施していたという。

 7日の理事会で了承された運用細則の主な改訂は2点。

 一つは、柔軟な研修への対応。新専門医制度は、研修プログラム制だが、出産・育児で中断する場合などは、研修カリキュラム制でも可能。ただし、それでもなお、柔軟な対応が難しい場合が考えられるため、(1)基幹施設等は、専攻医からの相談窓口を設け、有効な研修が行えるように配慮する、(2)専攻医は、相談窓口への相談後も、有効な研修が行えないと判断した場合には、日本専門医機構に相談できる――といった体制を整える。

 もう一つは、都道府県協議会への情報提供の在り方。(1)協議会は、基幹施設に対し、情報提供を求めることができる、(2)基幹施設は、日本専門医機構に連絡をした上で、協議会に情報を提供し、その際、遅滞なく機構にも協議会に提供した情報を報告する、(3)機構は、基本領域学会、基幹施設と協同して協議会の求めに協力する――という体制を構築する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/543774
中央社会保険医療協議会
「医療政策が権力構造におもねる懸念」中川日医副会長
中医協委員退任あいさつ、委員と厚労省に要望とエール

レポート 2017年7月5日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、7月5日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、退任のあいさつを述べ、昨今の政治情勢を踏まえ、「日本の医療政策がその時々の権力構造におもねる形で決まっていきはしないか」と危うさを提起し、中医協委員には、丁寧で開かれた合意形成のプロセスを守ることを要望するとともに、事務局を担当する厚生労働省職員には、「医療を守る最後の砦」とエールを送った。

 中川氏は5日の総会で、同副会長の松原謙二氏とともに、中医協委員を退任した(『中川・松原日医副会長、中医協委員交代』を参照)。


  中川氏が退任のあいさつで言及したのは、2018年度診療報酬と介護報酬の同時改定や薬価制度改革の具体的内容ではなく、中医協の議論の進め方。中川氏はこれまでも、2016年12月の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」の4大臣合意をはじめ、“外野”からの中医協への介入をけん制してきた(『「薬価制度の抜本改革、メーカーの成長戦略か」と疑念』などを参照)。

 「最近では直接の所管でない、政府の他の部門から診療報酬の細部に踏み込んだ提案が常態化し、私的諮問機関からの提案もあるが、非公開で議論の過程が見えないこともある」などと指摘し、中医協委員に丁寧な合意形成のプロセスを求めた。同時に厚労省職員には、「いろいろな立場、いろいろな部門から厳しい指摘がある」との理解を示し、「医療を守る最後の砦」としての役割を果たすようエールを送り、中川氏自身も「これからは、今まで以上にやさしく支えていく」と述べ、委員や傍聴者らの笑いを誘い、あいさつを終えた。

 中医協の任期は、1期2年、計3期まで。中川氏は、1期(2007年10月2日から2009年10月1日)、2期(2013年10月30日から2015年10月29日)、3期(2015年10月30日~2017年7月5日)。松原氏は、1期(2004年6月1日から2005年9月11日)、2期(2005年9月28日~2006年4月17日)、3期(2015年10月30日~2017年7月5日)。後任は、日医副会長の今村聡氏と、日医常任理事の松本吉郎氏。

【中川俊男・日本医師会副会長:中医協委員退任のあいさつ(全文)】

 本日で、中医協委員を退任させていただくに当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 中医協は厚生労働省の中でも、最も重要な審議会の一つです。中医協は国民の命と健康を守る最終的な意思決定機関だと思っています。

 私は2013年10月に4年ぶりに中医協に復帰し、そのことを改めて認識しました。そして私心を捨て、弛むことなく、しかし力まず議論に臨む姿勢を貫いてきました。

 また私は、支払側委員の皆さん、厚生労働省の事務局とのやり取りを、できるだけ分かりやすく国民に発信するように努めてきました。中医協の議論を報道していただいたメディアの皆さん、この場を借りてお礼を申し上げます。

 最後に二つだけ申し上げたいと思います。

 一つは、各側委員へのお願いです。日本の医療政策は、中医協をはじめ厚生労働省の審議会で、丁寧に合意形成のプロセスを踏んで策定されています。このことが、国民皆保険としての日本の公的医療保険制度の国際的な評価につながっているのだと思います。

 しかし、最近では直接の所管ではない政府の他の部門から診療報酬の細部に踏み込んだ提案が常態化しています。私的諮問機関からの提案もありますが、非公開で議論の過程が見えないこともあります。

 このままでは日本の医療政策が、その時々の権力構造におもねる形で決まっていきはしないか、そういう危うさを感じます。各側委員には一致して、中医協の丁寧で開かれた合意形成プロセスを守り通していただきたいと心から願っています。

 もう一つは、厚生労働省の事務局、官僚の皆さんへのエールです。あなた方はわが国の医療を守る「最後の砦」です。いろいろな立場、いろいろな部門から厳しい指摘があるでしょう。巨大な力にくじけそうになることもあるでしょう。

 しかし、国民は皆さんを心から頼りにしたい、いや、頼りにしていると思います。日本の国民皆保険を守るのはあなた方です。そのために、私はこれからも支援を惜しみません。これからは、今まで以上にやさしく支えていきます。

 皆さん、本当に長い間、お世話になりました。本当にあり がとうございました。



https://www.m3.com/news/iryoishin/543879
中央社会保険医療協議会
DPC、「3群制」は維持、名称変更で賛否分かれる
DPC評価分科会が中間報告、調整係数は2018年度廃止

レポート 2017年7月5日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会の診療報酬基本問題小委員会(小委員長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は7月5日、診療報酬調査専門組織DPC評価分科会から、2018年度診療報酬改定に向けた、基礎係数(医療機関群)、機能評価係数II 、調整係数の検討に関する中間報告を受けた(文末を参照。資料は、厚生労働省のホームページ)。

 意見の相違が見られたのは、DPCの医療機関群の名称。基礎係数(医療機関群)については、I~IIIの3群制の維持はほぼ合意が得られたが、名称に関しては変更を求める意見と現状維持で意見が対立した。

 診療実績に基づく機能評価係数IIは、制度導入時は6項目だったが、2014年度と2016年度の改定で、後発医薬品係数と重症度係数が追加された(『DPC見直し決定、診療実態をより評価した体系へ』などを参照)。制度が複雑化、また本来の趣旨とは異なるなどの指摘があり、6項目を軸とし、追加2項目は再整理する。2018年度改定でDPC移行に伴う激変緩和措置として導入されている暫定調整係数の廃止には異論は出なかったが、廃止後に新たな激変緩和措置を検討する。

 5日の意見を踏まえ、DPC評価分科会は引き続き、2018年度改定に向けて検討を進める。

 名称変更を検討する理由について、DPC評価分科会・分科会長の小山信彌氏(東邦大学医学部特任教授)は、「医療機関と患者の双方にとって分かりにくいため」と説明。

 しかし、日本医師会副会長の中川俊男氏は、対象病院が多いIII群を「標準群」などとすると、「II群はIII群より上という認識になりかねない」との懸念を呈し、「全国で地域医療構想を進める中で、中小病院と大病院で名称に格差を付けるのは問題。医療提供体制を支えているのは、むしろ中小病院。無理に名称を変えないでほしい」と述べた。

 一方で、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏、I~III群という表現は分かりにくい上に、「II群の方が、III群よりいいというイメージがある。序列ではない名称を考えてもらいたい」と求めた。また万代氏は、例えば、一般的で同じ疾患で受診した場合、I~III群では、医療費が異なるのは、患者にとっては分かりにくいことから、「(医療費が高いI群では)それだけの医療が提供されているのか、ということも含めて、検討が必要」とも指摘した。

 5日の基本問題小委には、2015年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告(案)も報告された。同調査は、包括制のDPC導入による影響を評価するのが目的。質評価の指標となる「退院時の転帰」が「治癒・軽快」や再入院率などの経年変化は見られなかった。

 議論になったのが、平均在院日数。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、DPC導入の目的は、医療の効率化・標準化であることから、平均在院日数の短縮が見られていないことを問題視した。

 これに対し、小山氏は、調査は2011年度以降の経時変化を見たものであり、2003年度のDPC導入当初、I群に該当する大学病院本院の平均在院日数は30日近かったが、導入以降は短縮、今はほぼプラトーの状態にあると説明。I群の平均在院日数は、2011年度は14.57日、2015年度は13.36日だ。「今の制度では、これ以上、短くするのは難しいと思う」と述べ、短縮するなら例えば米国のように病院の周辺にホテルを作り、退院後の受け皿とするなど、DPCにとどまらない総合的な検討が必要になるとした。

 中川氏も、「平均在院日数の短縮はもう限界。5年間で1日短くすることは大変なこと。政策誘導的に、短い方が収入は上がるということで、平均在院日数を短くしているのであって、決して喜んで短くしているわけではない」と小山氏の考えを支持した。

 「機能評価係数II」、6項目が基本
 DPCの包括評価部分の点数は、「診断群分類別点数」×「医療機関別係数」で決まる。「医療機関別係数」は、(1)I群からIII群の医療機関群別の「基礎係数」、(2)各医療機関の機能に応じて変わる「機能評価係数I」(人員など医療機関の構造を評価する係数)と「機能評価係数II」(医療機関の実績などを評価する係数)、(3)「暫定調整係数」(前年度の実績を保証するための係数)――で決まる。この「暫定調整係数」は、段階的に「機能評価係数II」への置き換えが進められ、2018年度には廃止する方針。

 中間報告における対応方針(案)は下記の通り。

 小山氏は、「1-(3)」を検討事項に上げた理由について、「データ的には、II群の要件を満たしていても、III群の点数を算定した方が、点数が高い場合がある」と説明。基礎係数はII群の方が高いものの、機能評価係数IIの算定のハードルがIII群の方が低いために、こうしたケースが起き得るという。

 万代氏は、「機能評価係数Ⅱの再整理」について、「6つの係数について、基本的評価軸として位置付ける」方針を支持し、「この軸がぶれないようにしてもらいたい」と求めた。

【2018年度診療報酬改定に向けた DPC 制度(DPC/PDPS)に係るこれまでの検討状況 中間報告の対応方針(案)】

1.基礎係数(医療機関群)
(1) 医療機関群の設定方法
・現行の医療機関群の設定方法については、一定の合理性があると考えられるため、現行の3つの医療機関群を維持する。
・Ⅲ群については、現行の医療機関群の設定方法とは別に、個々の医療機関単位で評価されるべき機能について、機能評価係数Ⅱの検討の中で、適切な評価が可能かを検討する。

(2) 医療機関群の名称
・現行のⅢ群がDPC/PDPS の基本であり、Ⅰ群、Ⅱ群は、それらと異なる機能を有する医療機関であることが、より明確に表現されるような名称・順序とする。
・具体的な医療機関群の名称については、それぞれの群について適切な理解に資するような名称について引き続き検討する。

(3) 各医療機関における医療機関群の決定
・機能評価係数Ⅱの議論等も踏まえながら、複数の医療機関群の要件を満たす病院については、診療報酬改定の前年までにその意向を示し、現行のⅢ群を選択することができるような仕組みについて、引き続き検討する。
・仮に自ら選択できるような仕組みにするとしても、実際に、医療機関が、医療機関別係数を計算する前に、短期間で適切に選択できる方法となるよう考慮する。

2.機能評価係数Ⅱ
(1) 機能評価係数Ⅱの再整理
・導入時の6つの係数については、これまでの評価実績を踏まえ、各係数導入時の基本的な考え方を維持しつつ、必要に応じた評価手法の見直し等を行うことを前提として、機能評価係数Ⅱの基本的評価軸として位置付ける。
・導入後に追加された2つの係数については、それぞれの係数の目的や趣旨を踏まえて再整理する。

(2) 機能評価係数Ⅱの重み付け
・現行のⅠ群・Ⅱ群については、医療機関群ごとに、求められる機能や評価の現状を踏まえ、各項目への配分についての重み付けの是非について引き続き検討する。
・多様な機能や特性を有する病院が含まれているⅢ群については、重み付けは行わないこととする。

3.調整係数
(1) 調整係数の置き換え
・調整係数は、2018年度に、機能評価係数Ⅱへの置き換えを完了する。
・重症度係数については、設定の目的や趣旨を踏まえ、激変緩和措置の見直しと併せて、機能評価係数Ⅱとは別の手法による対応を検討する。

(2) 激変緩和措置の取扱い
・診療報酬改定により医療機関別係数が大きく変動すると見込まれる病院について、これまでと同じ激変緩和措置の継続では、同様な対応を反復する可能性があることから、その要因に応じた新たな対応を検討する。



http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20170706/CK2017070602000032.html
県立3病院の赤字拡大、6億円超す 16年度
2017年7月6日 中日新聞 滋賀

 県立病院の二〇一六年度の決算速報で、純損益は六億三千六百万円の赤字となり、赤字幅が前年度から三億五千五百万円拡大したことが分かった。五日の県議会委員会で、県病院事業庁が報告した。

 決算は成人病センター(守山市)、小児保健医療センター(同)、精神医療センター(草津市)の三病院の合計。速報では、病院ごとの決算の内訳を明らかにしていない。

 県病院事業庁によると、成人病センターの新病棟のオープンに伴って医師や看護師らの人件費が増加したことや、入院患者の減少などが要因。病床数は、前年度比で十七床増えた一方、一日当たりの入院患者数は二・二人減の五六六・二人だった。

 県病院事業庁は、一七年度は一日当たりの入院患者数を三十人増やす目標を掲げ、収支改善を図ると説明。井上勘治次長は「紹介患者を増やす方策など、患者の獲得努力を進めたい」と述べた。

 (角雄記)



https://www.m3.com/news/general/544445
訴訟:医師年俸「残業代含まず」 基本給と区別求める 最高裁
事故・訴訟 2017年7月9日 (日)配信毎日新聞社

 残業代込みの医師の定額年俸が有効かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は7日、「残業代と基本給を区別できない場合は残業代が支払われたとは言えない」として無効と判断し、2審・東京高裁判決の残業代に関する部分を破棄し、未払い分を計算させるために審理を同高裁に差し戻した。【伊藤直孝】

 1、2審は原告の医師の年俸が1700万円と高額な点などから「基本給と区別できないが、残業代も含まれる」としていたが、最高裁は医師のような高い報酬を得ている専門職でも例外は認められず、残業代を分けるべきだと示した。「働き方改革」を巡る議論にも影響を与えそうだ。

 1、2審判決によると、原告は神奈川県内の私立病院に勤務していた40代の男性医師。残業代支給対象が午後9時以降と休日に限定されていたため「未払いの残業代がある」として提訴。1審・横浜地裁は「医師は労働時間規制を超えた活動が求められ、時間でなく内容が重視される」と指摘、2審も支持した。

 これに対して最高裁は、労働基準法が残業代に関して使用者に原則25%以上の給与割り増しを義務付けている点を「時間外労働を抑制する目的がある」と指摘。給与の定額払いは違法ではないが、割り増しが行われたかどうか判断するために基本給と残業代を区別できることが必要だと結論付けた。裁判官4人全員一致の意見。

 病院側の弁護士は「医師の勤務や労働実態を踏まえていない形式的判断だ」とコメントし、医師側の弁護士は「判決が医師の過重労働改善の契機になれば」としている。

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 ■解説

 ◇労基法の原則に戻す

 最高裁は従来の複数の判例で、給与の中で基本給と残業代を明確に区別することが必要だと示してきた。それにもかかわらず残業代を巡る労使紛争が絶えないのは、使用者側が「この職種は例外だ」と主張して争うためだ。

 今回の裁判でも、病院側は「医師は労働と研究の時間を区別することが不可能」と主張。労基法の労働時間規制を適用することは不合理だと訴えていた。

 水町勇一郎東大教授(労働法)は「1、2審は『高い報酬を支払えば残業代の区別は必要ない』としたが、最高裁は労基法の原則に戻して判断した。勤務医は実際には裁量がない人が多く、労基法の保護が必要。妥当な判断だ」と見る。

 最高裁判決は、残業代の区別が不明確な給与の支払いは、ほぼ例外なく認められないとの立場を鮮明にし、労基法の原則を順守するよう改めて使用者に求めた。

 今後、報酬の多寡に関わらず、労使の残業代を巡る訴訟に影響を与えていくとみられる。【伊藤直孝】

  1. 2017/07/09(日) 20:39:48|
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