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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月4日 

https://dot.asahi.com/dot/2017053100092.html
厚労省発表の「医師不足解消」 現役医師が指摘する重大な見落とし
(更新 2017/6/ 4 07:00) AERA dot

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【図1】75歳以上人口1000人あたりの60歳未満の医師数の推移(『病院は東京から破綻する』より)

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【図2】性別、年齢別の病院勤務医師の労働時間(『病院は東京から破綻する』より)

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【図3】2010年と2035年の医師数の内訳(『病院は東京から破綻する』より)

 首都圏の医療システムは急速に崩壊しつつある。それには、患者だけではなく医師の高齢化も影響している――。現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、「老老医療がやってくる」と指摘している。


*  *  *
 迫りくる病院破綻のポイントは、団塊世代の高齢化です。

 団塊世代とは、第二次世界大戦直後の1947年から49年にかけて生まれた人々を指し、この3年間の年間出生数は260万人を超え、合計約806万人もいます。

 団塊世代は高度成長期に製造業などの労働力として、地方から首都圏や関西圏などの大都市圏に移住しました。移住先の都市で生活基盤を築き、永住している人が多いと言われています。首都圏の団塊世代人口は約180万人と推定されています。

 この団塊世代が2012年には65歳、22年には75歳を超え、医療需要が急増するとみられています。これが医師不足にどのような影響を与えるのか、我々の研究結果をご紹介しましょう。

【図1】は首都圏の75歳以上人口1000人あたりの60歳未満の医師数の推移についてシミュレーションしたもので、情報工学を専門とする井元清哉教授(東大医科研)との共同研究です。

 図の通り、首都圏の全ての県で、医師不足は、少なくとも今後35年間は悪化し続けます。団塊世代の多くが亡くなる35年頃に一時的に状況は改善しますが、その後団塊ジュニア世代が高齢化するため、再び医療ニーズは高まります。多くの県で、50年には75歳以上の人口1000人あたりの60歳未満の医師数は、現在の3分の2程度になります。

 その頃の東京の医師不足の状況は、10年当時の千葉県や埼玉県とほぼ同じです。両県では医師不足によって閉院する病院が相次ぎ、急患の受け入れが難しいため、救急車のたらい回しが発生しやすい状況になっています。

 ところが、厚労省は、15年7月に、日本の人口10万人あたりの医師数が10年後には経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均を上回るという推計をまとめ、医師不足が解消されるという見通しを発表しました。

 これは、私たちの研究成果とは正反対です。厚労省の推計には重大な見落としがあります。我々の推計では国民と医師の高齢化を想定していますが、厚労省の推計は想定していないのです。国民は高齢化するほど病気に罹りやすくなり、医師は高齢化するほど働けなくなります。人口と医師数を単に比較するだけでは、将来の見通しは立ちません。

■「老老医療」と「過重労働」の限界

 厚労省の発表によれば、20歳代の医師は男女とも週平均で80時間程度働いています。しかし、50歳代の男性は約70時間、女性で60時間に減ります。医師が高齢化すれば、医師を増員しても、その分だけ医師全体の労働時間が増えるわけではありません。

 高度成長期、医学部が40校新設されたことにより、日本の医師数そのものは増加しましたが、その1期生はすでに50代半ばを超え、「当直をこなせるバリバリの勤務医」から引退しようとしつつあります。

「2010年と2035年の医師数の内訳」を見ると、2010年と比べて、35年に増えるのは、もっぱら65歳以上男性医師と60歳未満女性医師であることは一目瞭然です。高齢医師が高齢者を診察する「老老医療」の世界が、日本の日常風景になる日は遠くありません。

 60歳以上の医師に、若手医師と同じような当直や救急患者対応はできません。老眼になれば、細かいところは見えなくなります。反応も鈍くなり、手術のミスも増えるでしょう。体力・持久力が必要な手術や当直業務は、医療安全のためにも、若手医師が行うべきでしょう。高齢医師は豊富な経験を生かして、外来を中心に診察してほしいものです。

 医師の過重労働も、医師不足によりさらに深刻化するだろう問題です。

 医師の平均労働時間は週80時間。20代の若い医師に限れば、週90時間労働はザラにあります。人を助けることを目的にこの道を志したとはいえ、さすがに心身の限界もあるでしょう。しかも、医師の過重労働は、そのまま医療の安全へ直結します。

 医師も人間です。当直の徹夜明けで睡眠不足ならばミスも出やすくなります。頻発する医療事故や医療過誤を受けて、医師の労働環境をせめて欧米の水準に近づけるべきではないかという動きも出始めています。

 欧米の医師の平均労働時間は、週50から60時間。つまり、現在よりも20~30時間も減らさなくてはいけないのです。

 医師が現状すでに過重労働であるという実態を踏まえ、欧米並みの労働時間を基準に、私が井元清哉教授らとシミュレーションしてみると、医師の毎年の養成数を今より55%増やさねばならないという結果になりました。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋



https://www.m3.com/news/iryoishin/534673
地域医療構想
地域医療構想「大学の理解不十分」「『回復期不足』も誤解」
2017年度の病床機能報告マニュアル追記、項目も追加

レポート 2017年6月3日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)は、6月2日の第5回会議で、2017年度の病床機能報告に向けて、診療報酬の入院基本料との組み合わせなど、医療機能選択の際の考え方を「病床機能報告マニュアル」に追記するほか、施設単位の医師数などの「人員配置」、稼動していない病床がある場合の理由など、計5項目を報告内容に追加・見直すことを了承した。

 「病床機能報告マニュアル」への追記は、実際に提供している医療に見合った医療機能の報告を促すのが狙い。特に大学病院本院が、80病院中、54病院が全病床を「高度急性期」と報告したり、「回復期機能」は、回復期リハビリテーション病棟入院料や、地域包括ケア病棟入院料の算定病床に限られると誤解するなどの問題が生じている。

 今後、「医療計画の見直し等に関する検討会」や社会保障審議会医療部会で議論、決定する。「病床機能報告マニュアル」は今夏に公表予定(資料は、厚労省のホームページ)。2017年度の病床機能報告は、今年10月に行う。

 医療機能選択の際の考え方として提示するのは、(1)4つの医療機能のうち、最も多くの入院患者が該当する機能を報告、(2)4つの医療機能と入院基本料との組み合わせを提示し、これらと異なる機能を選択する場合には、地域医療構想調整会議で確認、(3)回復期機能については、リハビリテーションを提供していなくても、「急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療」を提供している場合には回復期機能の選択が可能――など。

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「4つの医療機能のうち、最も多くの入院患者が該当する機能を報告」のイメージ(2017年6月2日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)

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「4つの医療機能と入院基本料との組み合わせ」の考え方(2017年6月2日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)
 日本医師会副会長の中川俊男氏は、大学病院本院の地域医療構想への理解が不十分であると問題視、その典型例として、全病棟を高度急性期と報告している病院が多いことを挙げた。「地域医療構想は、2025年の医療需要を患者数から推計したもの。その推計に対し、医療の提供が足りているのか、あるいは不足しているのかを調整会議で確認し、不足しているのであれば手当てするのが地域医療構想」と、基本的考え方を改めて解説した。

 回復期についても、中川氏は「どの構想区域でも、『回復期が非常に足りない』というのが、医療界の一般常識になりつつあるが、考えを直さなければいけない」と強調。「回復期」とは、例えば手術をした患者でも、病状の経過として通る病期であり、独立した「回復期病棟、病床」が必要なわけではなく、高度急性期あるいは急性期の病床であっても、そこには回復期の患者が入院しているのが当然であるとし、「回復期が少ない、といたずらにあおる必要はない」と理解を求めた。

 さらに、中川氏は、病床機能報告制度と診療報酬との関係について、中央社会保険医療協議会での厚労省の説明を引用しながら、次のようにコメントした。「なぜ医療提供の実態と報告が乖離するのか。それは高度急性期として報告しないと、特定入院料(救命救急入院料など)を算定できないのではないかと心配しているからではないか。また回復期か急性期かを迷った場合にも、急性期関係の点数が算定できなくなると考え、急性期として報告しているのではないか。診療報酬は、報告機能と関係なく算定できる。ぜひ懸念を払拭して報告してもらいたい」(『「診療報酬、地域医療構想に“寄り添う”」、迫井医療課長』、『地域包括ケア病棟、「大病院の届出、本来の趣旨にあらず」』を参照)。

 日本病院会会長の相澤孝夫氏も、本ワーキンググループに参考人として出席した大学病院関係者からは、4つの医療機能を区分した際に用いた「医療資源投入量」(例えば、高度急性期と急性期の区分は、3000点)の意味を誤解している点を指摘した。「医療需要をマクロの視点で計算するために、ある一定の線を引いたのが、医療資源投入量。医療政策を進める上では必要だが、病床機能報告をする際には関係がない。また『高度急性期の患者が何%入院していれば、高度急性期』などと精緻化すると窮屈であり、常識的な範囲で考えてもらいたい」。相澤氏はこう述べ、「地域医療構想は、調整会議で議論し、2025年以降の医療提供体制を構築していくことが大切」と語り、大学病院に対し、調整会議への参加を呼びかけた。

 病床機能報告に追加する5項目は、文末の通り。回復期・慢性期の機能を「見える化」、つまり定量的な指標の導入については、2018年度報告に向けて引き続き検討する。

 高度急性期「90.2% vs.37.6%」

 厚労省は、2016年度病床機能報告を基に、実際提供している機能に見合った医療機能が報告されていないことを示唆する分析結果を提示した。

 高度急性期については、400床以上(特定機能病院に係る承認要件)の病院について分析。総数は535施設で、うち大学病院本院を含む特定機能病院は85施設、その他の病院は440施設。高度急性期と報告したのは、特定機能病院の場合は全病床の90.2%に上るのに対し、その他の病院は37.6%と大きな開きがある。

 85の特定機能病院の報告状況を見ると、「高度急性期+それ以外の機能」と報告した病院は、病床機能報告制度がスタートした2014年度は10病院、2015年度は28病院、2016年度は31病院と年々増えている。しかし、いまだ54病院は全病床を高度急性期と報告しており、2015年度は「高度急性期+それ以外の機能」と報告したものの、2016年度は高度急性期のみに変えた大学病院も二つある。

 さらに、特定機能病院において、同じ診療科同士で「手術件数」と「全身麻酔件数」を比較した場合、高度急性期の方が、急性期の約2倍の標榜科(脳神経外科、循環器内科)もある一方、高度急性期と急性期はほぼ同水準の標榜科(耳鼻科、眼科、整形外科)もあった。これらの結果を踏まえ、厚労省は「地域ごとにどのような役割を担うべきかを十分に議論、確認し、その結果を踏まえつつ、実態に則した報告の必要があるのではないか」と提案。

 急性期と報告された病床についても、(1)13対1、15対1入院基本料の病棟では、主として回復期機能を担う特定入院料(回復期リハビリ病棟など)の病棟と同等の看護職員数になっている、(2)診療科別に比較した場合、7対1入院基本料から15対1入院基本料まで開きがあり、「手術件数」と「全身麻酔件数」との間で一定の関係が見られる――などと分析。厚労省は「急性期と報告している場合であっても、必ずしも急性期機能を担っていない場合も一定程度あり、自主的な報告を原則としつつも、回復期機能等の適切な機能を選択することが必要ではないか」としている。

【病床機能報告制度の見直し】(2017年6月2日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」資料)
◆「構造設備・人員配置等に関する項目」について、2017年度報告(2017年10月実施)から見直し
1.人員配置」について以下を追加
・医師数、歯科医師数(施設単位のみ。既存の「病院報告」等の内容を転記)
・管理栄養士数(施設単位、病棟単位等の部門別)、診療放射線技師・臨床検査技師(施設単位のみ)

2.「6年が経過した日における病床の機能」に関連し、6年後の「転換先の施設類型」を把握するための項目を追加
・例えば、「介護医療院」「介護老人保健施設」などを想定。

3.「入院前・退院先の場所別の患者数」「退院後に在宅医療を必要とする患者数」について、報告対象期間を現在の1カ月間から1年間に変更
・療養病床では、1カ月間では適切に患者数を把握しにくいため。医療機関の負担を考え、2017年度病床機能報告においては、1カ月間を基本にしつつ、可能な医療機関については1年間の報告を追加、2018年度報告からは1年間の報告を原則。

4.稼動していない病床がある場合はその理由を併せて報告
・地域医療構想調整会議において、病棟の役割分担について具体的な議論を進めることが目的。今は病床数のみが報告項目であり、原則として「病棟単位」で稼動していない場合、その理由の報告を求める。

5.その他
・医療機関の設置主体の選択肢を追加。
・特定機能病院、地域医療支援病院等の承認の有無の選択肢を追加。

◆「医療の内容に関する項目」について、2018年度報告(2018年10月実施)に向けて、2018年度診療報酬改定を踏まえ、抜本的見直しを検討
・回復期・慢性期の機能を見える化する項目の検討など。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201706/551500.html
立ちはだかった医師会の“岩盤”
2017/6/5 千田 敏之=編集委員 日経メディカル

 2015年の医療法改正で制度化が決まった地域医療連携推進法人制度がこの4月にスタートした。施行日の4月2日には、全国で4法人が各県知事の認可を受けた。

 地域医療連携推進法人は「医療機関相互の機能の分担および業務の連携を推進し、地域医療構想を達成するための一つの選択肢」として創設された。「競争よりも協調を進め、地域において質が高く効率的な医療提供体制を確保」するとしている。それぞれの経営理念、方針に基づき運営されている複数の病院などを一つの方向性に導き、地域においてより良い機能分担や連携、経営効率化を進めるための制度だ。

 4月に認可された4法人の内訳は、学校法人藤田学園・藤田保健衛生大学を中心に22の医療機関、介護施設22が集まった「尾三会」(愛知県)、県立姫路循環器病センターと社会医療法人製鉄記念広畑病院の統合再編に向けて組織された「はりま姫路総合医療センター整備推進機構」(兵庫県)、広島県の内陸部、三次市、庄原市の3病院(まもなく4病院に)で作る「備北メディカルネットワーク」、鹿児島県の奄美大島南部町村地域の3法人(医療法人、国保診療所を有する2町村)で構成される「奄美南部メディカルケアアソシエーション」だ。

  巨大基幹病院を核に中小病院や介護保険施設などが集まり、地域包括ケアシステムの構築も視野に入れるものから、僻地において医師確保や医療機器の効率利用などに主眼に置くもの、県立病院と民間病院の統合をスムーズに進めるための前段階として認可を受けたものまで、制度の活用の仕方は実に様々だ。

ローカルルールで申請断念

 制度スタートと同時に、晴れて県知事の認可を受けた連携推進法人がある一方で、準備を進めてきたものの、様々な理由から申請を断念したり作業を中断しているところもある。

 札幌市の社会医療法人カレスサッポロと学校法人東日本学園・北海道医療大学が取り組む連携推進法人については、準備を進めながら申請を断念している。カレスサッポロ理事長の大城辰美氏は「北海道は3法人以上の連携でないと地域医療構想に寄与することは難しいとの判断だった。連携推進法人の申請のためだけにもう1法人加えるのも困難なので、申請は取りやめた。北海道医療大学との共同事業は今後も進め、強化していく」と話している。「3法人以上」というのは法律にも定められていない明らかなローカルルールだが、カレスサッポロはそれに従った格好だ。

 また、制度の検討段階から注目を集めてきた岡山大学病院を中心とする岡山メディカルセンター構想も、一般社団法人の設立までは行ったものの、参加を想定していた他の大規模病院の賛同が得られず、申請のめどは立っていない。

「見送りでは連携推進法人にこだわる意味なし」

 日経ヘルスケア2016年7月号で紹介した鹿児島市の相良病院とにいむら病院の連携推進法人については、県医師会の反対などにより医療審議会の了承が得られず、継続審議となり、その後、両病院は申請を取り下げている。

 相良病院を経営する社会医療法人博愛会理事長の相良吉昭氏は日経ヘルスケアのインタビューに対し、こう話している。

 「社会医療法人博愛会と、泌尿器科専門のにいむら病院を経営する医療法人真栄会で進めていた地域医療連携推進法人だが、全ての要件を整え、鹿児島県に申請した。しかし今年3月、医療審議会において認定見送りとなったとの連絡を受け、申請を取り下げることにした。地元の医師会への事前の挨拶がなかったなど、医師会への配慮不足が主たる理由と聞いた。我々としては、鹿児島の地域医療を守るための取り組みであり、新しい医療連携の形を示す良い機会と考えていたので、非常に残念だ。全国初の連携推進法人としてアピールする意味もあったので、見送りでは連携推進法人にこだわる意味もなくなったことが、取り下げの理由だ。病床の融通以外、現段階で連携推進法人でないとできないことはない。逆に言えば、医療連携の真のメリットや意義が分かっていれば、連携推進法人になることは簡単だし、連携推進法人という形にこだわる必要はないということだ」

 旧態然とした医師会という“岩盤”が、先進的な病院経営者の新しい試みに立ちはだかったという構図だ。実際、人口減や患者減少を背景に、地域で病床機能の効率化が叫ばれ、地域医療構想の達成が求められる中、同様の“岩盤”が医療改革を阻んでいる地域は少なくない。地域医療構想調整会議が参加者のエゴでまとまらず、地域医療構想の実現に暗雲が垂れ込めている地域もある。しかし、10年、20年先を客観的に見通すことができない病医院経営者に未来はないだろう。

 なお、日経ヘルスケアの最新号(6月号)では、断念事例だけではなく、地域医療連携推進法人制度を上手に活用した先行事例についても詳しくレポートしている。関心のある方はぜひ、読んでいただきたい。
 


https://www.m3.com/news/general/534695
伊万里松浦病院移転問題:新病院87病床を計画 市長、医療機関に協力要請 /長崎
地域 2017年6月4日 (日) 毎日新聞社

 独立行政法人「地域医療機能推進機構」が運営する伊万里松浦病院(佐賀県伊万里市)の移転問題で、松浦市の友広郁洋市長は2日の定例会見で、12診療科・87病床の新病院基本構想を明らかにした。2020年4月の開設予定だが、同市を含む医療圏は基準を上回る過剰病床地域で、県に新設を認めてもらうため、市は同規模の病床削減を市内の医療機関に求める。

 市は昨年秋に地元医師会「松医会」(11医療機関)にアンケートした結果、合計病床数は16年10月現在の334から22年3月には284に減ると予測。離島の市営診療所(38病床)を医療機能を残して介護施設に転換すれば、総計88の病床削減が可能とした。

 調査結果を踏まえ、同機構は87病床の基本構想をまとめ、4月に松医会に説明したが、市によると、11医療機関の賛否は五分五分。「地元調整が進んだ段階」(橋口忠美副市長)で同機構が県に新設を申請する。友広市長は協力を求めて5月12日から医療機関を回っているといい、「地域の中核病院として全力で誘致に取り組む」と述べた。【峰下喜之】

〔長崎版〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/534517
安倍政権の医療制度改革
「医学部定員増、精査を」、骨太2017素案
経済財諮問会議「先発品の一部自己負担、年内結論を」

2017年6月3日 (土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 経済財政諮問会議は6月2日の会議で、「経済財政運営と改革の基本方針2017(仮称)」素案を議論した。社会保障分野では9項目が立てられ、医学部定員増に対して、「2008年度以降臨時増員してきた医学部定員について、医師需給の見通しを踏まえて精査を行う」ことが盛り込まれた。併せて医師の抜本的な地域偏在・診療科偏在対策を検討することも求めている。

 後発医薬品の利用促進を巡っては、社会保障審議会医療保険部会で反対意見が相次いだ、先発医薬品と後発医薬品の価格差を「原則自己負担」とすることや、先発医薬品の価格を「後発医薬品価格まで価格を引き下げること」について、「本年末までに結論を得る」ことを求めている(社保医療部会の議論は『先発品と後発品の「差額」徴収、反対が多数』を参照)。そのほか医薬品については、2016年12月の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、薬価の毎年改定なども提言した(『薬価制度の抜本改革案、明らかに、4大臣会合へ』を参照)。

 会議後の記者会見で、石原伸晃・内閣府特命担当大臣は「次回の諮問会議で答申を行いたいと考えている」と話した(資料は、内閣府のホームページ)。

「経済財政運営と改革の基本方針2017(仮称)」の医療関連部分の概要
■社会保障

(1)基本的な考え方
(2)地域医療構想の実現、医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等
・病床の役割分担を進めるためデータを国から提供し、個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、2年間程度で集中的な検討を促進する。
・自主的な取組による病床の機能分化・連携が進まない場合には、都道府県知事がその役割を適切に発揮できるよう、権限の在り方について、速やかに関係審議会において検討を進める。
・地域医療構想における2025年の介護施設、在宅医療等の必要量(30万人程度)を踏まえ、都道府県、市町村が協議し整合的な整備目標・見込み量を立てる上での推計の考え方等を本年夏までに示す。
・かかりつけ医の普及に向けて、病院への外来受診時の定額負担に関し、現行の選定療養による定額負担の対象の見直しを含め、関係審議会等において本年末までに結論を得る。
・国保の財政運営責任を都道府県が担うことになること等を踏まえ、アウトカム指標等による保険者努力支援制度、特別調整交付金等の配分によりインセンティブを強化する。
・2008年度以降臨時増員してきた医学部定員について、医師需給の見通しを踏まえて精査を行う。
・医師等の負担を軽減しつつ医療の質を確保するため、看護師の行う特定行為の範囲の拡大などタスクシフティング、タスクシェアリングを推進するとともに、複数医師によるグループ診療や遠隔診療支援等のへき地等に勤務する医師の柔軟な働き方を支援するなど抜本的な地域偏在・診療科偏在対策を検討する。

(3)医療費適正化
・医療費の地域差の半減に向けて、外来医療費については、医療費適正化基本方針で示されている取組を実施するとともに、できるだけ早く取組を追加できるよう検討する。
・入院医療費については、地域医療構想の実現によりどの程度の縮減が見込まれるかを明らかにする。
・「地域別診療報酬の特例」について、第2期医療費適正化計画の実績評価を踏まえて、必要な場合には活用ができるよう、2017年度中に関係審議会等において検討する。

(4)健康増進・予防の推進等
・必要なデータを収集・分析するためのデータベースについて、2020年度の本格運用開始を目指す。
・インセンティブを強化するとともに、全保険者の特定健診・保健指導の実施率を2017年度実績から公表する。
・健康増進の観点から受動喫煙対策を徹底する。
・アルコール健康障害、薬物依存症、ギャンブル等依存症に関する実態を踏まえ、民間団体の活動しやすい環境整備を含めた相談・治療体制の整備を推進する。

(5)2018年度診療報酬・介護報酬改定等
・医療機関の地域連携強化に向けたこれまでの診療報酬改定内容を検証する。
・地域医療構想の実現に資するよう病床の機能分化・連携をさらに後押しするため、介護施設や在宅医療等への転換等の対応を進める。
・自立支援に向けた介護サービス事業者に対するインセンティブ付与のためのアウトカム等に応じた介護報酬のメリハリ付け(介護報酬)。
・生活援助を中心に訪問介護を行う場合の人員基準の緩和やそれに応じた報酬の設定及び通所介護などその他の給付の適正化(介護報酬)。

(6)介護保険制度等
・介護医療院について、介護療養病床等からの早期転換を促進するための報酬体系・施設基準を設定する。

(7)薬価制度の抜本改革、患者本位の医薬分業の実現に向けた調剤報酬の見直し、薬剤の適正使用等
・保険適用時の見込みよりも一定規模以上販売額が増加する場合には、市場拡大再算定も参考に速やかに薬価を引き下げる仕組みとする。
・全品を対象に、毎年薬価調査を行い、その結果に基づく薬価改定に当たっては、相応の国民負担の軽減となる仕組みとする。
・新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度について、革新性のある医薬品に対象を絞るなどにより革新的新薬創出を促進しつつ国民負担を軽減する。
・エビデンスに基づく費用対効果評価を反映した薬価体系を構築するため、第三者的視点に立った組織・体制をはじめとするその実施の在り方を検討し、本年中に結論を得る。
・類似薬と比べて画期性、有用性等に乏しい新薬については、革新的新薬と薬価を明確に区別するなど、薬価がより引き下がる仕組みとする。
・長期収載品の薬価をより引き下げることで、医薬品産業について長期収載品に依存するモデルから高い創薬力を持つ産業構造に転換する。
・後発医薬品の価格帯を集約化していくことを検討し、結論を得る。
・調剤報酬については、薬剤の調製などの対物業務に係る評価の適正化を行うとともに、在宅訪問や残薬解消などの対人業務を重視した評価を、薬局の機能分化の在り方を含め検討する。
・医師の指示に基づくリフィル処方の推進を検討する。
・健康サポート薬局の取組を促進する。
・2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とする。
・先発医薬品価格のうち、後発医薬品価格を超える部分について、保険財政の持続可能性や適切な給付と負担の観点を踏まえ、原則自己負担とすることや後発医薬品価格まで価格を引き下げることを含め検討し、本年末までに結論を得る。

(8)人生の最終段階の医療
・住民向けの普及啓発の推進や、関係者の連携、適切に相談できる人材の育成を図るとともに、参考となる先進事例の全国展開を進める。

(9)生活保護制度、生活困窮者自立支援制度の見直し
・頻回受診対策や後発医薬品の使用促進を強化するとともに、データヘルス実施の仕組みを検討する。

 安倍晋三首相は会議で、「今年の骨太方針では、人口減少、少子高齢化の克服と一億総活躍社会の実現に向けて、成長と分配の好循環を加速させるためには、働き方改革や成長戦略の実行に加えて、人材への投資を通じた経済社会の生産性の向上こそが鍵となることを示したい。改革に当たっては、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す。このため経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下、デフレ脱却と経済再生、歳出改革、歳入改革という3つの改革を確実に進めていかなければならない。石原大臣にはこれまでの議論を踏まえて、与党とも議論を進め、スピード感を持って骨太方針として取りまとめるよう御尽力いただきたい」と話した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/57598/Default.aspx
骨太方針・素案 地域医療構想の具現化で病院の診療実績データ公開 18年度改定で病床転換や連携を後押し
公開日時 2017/06/05 03:50 ミクスオンライン

政府の経済財政諮問会議が6月2日に公表した「骨太方針2017・素案」(一部速報・薬価制度編)では、47都道府県が今年3月末までに策定した「地域医療構想」を具現化するため、病床の役割分担や転換を支援する診療実績データを国が都道府県に提供する方針を盛り込んだ。都道府県はこのデータを基に、個別の病院名や転換する病床数を明示し、高齢化のピークを迎える2025年度にむけて医療提供体制を再構築する。各都道府県とも、高度急性期、急性期病床を削減、回復期を増床する計画を打ち出している。骨太方針では、都道府県の権限を強化し、財政面から病床転換を支援するほか、2018年4月実施の診療報酬・介護報酬同時改定において、病床の転換や医療機関の連携を後押しする報酬水準、算定要件を盛り込む方針を示した。

骨太方針における社会保障制度改革の柱は、高齢化に伴う医療費の伸びの適正化だ。ポイントはデータへルスの実現。国が有する診療情報をデータベース化し、地域の政策担当者、医療関係者、施設経営者、保険者などの当事者に共通データを「見える化」することで、医療費の地域格差、施設格差の是正にむけた“医療費適正化”についてオープンで議論する場を整える。保険者に対しては、健康づくりや予防などについて、データへルスを通じて支援する方針も盛り込んだ。都道府県別保険料を含めたインセンティブの強化なども視野に入れている。

◎「保健医療データプラットフォーム」を構築 データを都道府県に提供

具体的な施策では、2025年の高齢化のピークに向け、地域包括ケアシステムの導入を視野に、地域単位で医療提供体制を再整備する。素案では、都道府県の保健ガバナンスを強化する方針を示した。具体的には各都道府県に権限と予算などを移譲するというもの。各都道府県が策定した「地域医療構想」について、地域ごとに設置した「地域医療構想調整会議」で具体的な議論を行う。病床の役割分担を進めるためデータを国から提供し、個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、2年間程度で集中的に議論するとした。

厚労省は各地域の議論を側面的に支援するため、「保健医療データプラットフォーム」などのビッグデータを提供する。同プラットフォームは、健康、医療、介護の各種ビッグデータを統合するもの。医療分野では、病院の機能分化や構想区域(2次医療圏)内における地域完結型の医療提供体制の議論に応用できる。実診療データ(ビッグデータ)には、レセプトなどの実診療データ以外に、脳卒中患者の治療後の医療・介護サービスの傾向や、抗生物質の処方や重複投与の状況などに関するデータも含まれる見通し。地域の医療ニーズを分析を通じ、医療費の適正化や住民に対する医療サービスの検証、施策立案に役立てるよう促す考え。このため、医療政策やビッグデータに対応できる人材を国が養成し、都道府県に派遣するなどの連携策も盛り込んでいる。

◎選定療養による定額負担の対象については見直し

このほか、かかりつけ医を普及させる観点から、まずは病院・診療所間の機能分化の観点から、医療保険財政の持続可能性の観点等を踏まえつつ、病院への外来受診時の定額負担に関し、現行の選定療養による定額負担の対象の見直しを行う。関係審議会等において具体的な検討を進め、年末までに結論を得るとした。

2018年度診療報酬・介護報酬同時改定については、地域医療構想の実現に資するよう病床の機能分化・連携を更に後押しするため、患者の状態像に即した適切な医療・介護を提供する観点から、報酬水準、算定要件、入院基本料のあり方について検討する。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20170603327635.html
センター病院の指定管理更新せず
上越医師会方針、「役目終えた」

【地域】 2017/06/03 15:00 新潟日報

 上越地域医療センター病院の指定管理者となっている上越医師会が、来年3月末で満了する契約を更新しない方針を固めたことが2日までに分かった。同会はセンター病院の経営は安定しており、医師会としての役目は終わったことを理由に挙げている。

 センター病院は2000年、旧国立高田病院を上越市が国から譲り受けて開院。上越医師会は公共施設の管理運営を自治体直営や公共団体に限定する「管理委託制度」に基づき、同年、市から運営を任された。地方自治法改正で民間事業者の参入が可能となった「指定管理制度」移行後も、市からの要請で5年や3年ごとに契約を更新してきた。

 医師会によると、ことし2月の理事会で、指定管理契約を来年3月までとする方針を決定、市に伝えた。

 新潟日報社の取材に対し、上越医師会の早津正文会長(65)は「赤字の地方自治体病院が多い中、センター病院は経営的に安定し、良い病院になった。医師会として任務は終えたと考えている」と述べた。

 来年4月以降の経営形態について、市地域医療推進室の小林元・室長は「専門家の話を聞きながら、病院の改築に向けた基本構想策定検討委員会の中で話し合いたい」と話している。



http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/366112.html
島田市民病院 12月末で分娩一時休止 市、産科医派遣要請へ
(2017/6/3 07:06)静岡新聞

 島田市は2日、市民病院(同市野田)の産婦人科常勤医が2018年3月末で退職することになったため、17年12月末で分娩(ぶんべん)を一時休止すると発表した。現時点で新たな常勤医は確保できていないという。
 市によると、18年1月以降の分娩はすでに予約した人だけ対応する。婦人科外来は、現在浜松医科大から派遣されている非常勤医4人により、週2日の診療体制を継続する。
 市によると、退職する常勤医(55)は06年から1人で同病院の分娩を担当しているが、5月下旬に退職の申し出があった。同病院での分娩件数は15年度は193件、16年度は171件。市内ではほかに、分娩を受け入れる診療所が1カ所ある。
 市は同大に常勤医派遣を要請する方針で、染谷市長は「(医師確保に向け)最善の努力をしたい」と説明。周辺の医療機関には、市内の妊婦の受け入れを依頼していくという。
 同病院は、21年春の開院を目指した建て替え計画が進んでいる。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20170602212858
在宅患者に対応できる総合診療専門医育成へ
専門医機構が「モデルケース」提示

2017年06月02日 23:00 CB news

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は2日、総合診療専門医に関する研修の「モデルケース」を示した。3年間の研修期間中、へき地や離島、被災地、医療資源の乏しい地域で1年以上の研修を行うことや、総合診療1と同2に計1年半を充てることを推奨しており、在宅の患者を診療できる専門医の育成を目指す。【新井哉】

 同機構によると、総合診療専門医の研修内容は、内科(1年間)、救急と小児科(いずれも3カ月間)、総合診療1と同2(いずれも6カ月間)。残りの6カ月間を総合診療1と同2に充てることを求めている。

 臨床研修で外科を学ばなかった専攻医を対象にした総合診療専門医の研修プログラムでは、外科の研修期間(6カ月間)を加えた3年半のプログラムも認める見通しだ。

 研修を担当する指導医は、総合内科専門医の資格を持つ内科医などを充てる。また、指導医を確保できず研修ができないような医療資源の乏しい地域に配慮し、へき地や離島などで研修を行う場合は、到達目標などを定めたカリキュラム制でも対応できるようにする。

 2 日に行われた記者会見で、同機構の松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は、「内科医としての素養をきちんと付けて、小児科、救急の指導医を付けて勉強した上で、総合的な診療ができる地域に出て行って、実際に治療を行うという概念に基づくもの」と説明した。

 研修内容・期間などが盛り込まれた総合診療専門医の整備基準については、同日の理事会で了承しており、同機構のホームページで近く公開する予定。


  1. 2017/06/05(月) 06:15:26|
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