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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月22日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/522566
シリーズ 社会保障審議会
地域医療構想、「調整会議」の運営に注文
医療部会、「公立病院以外にも改革プラン」との提案も

2017年4月21日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、4月20日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)で、2018年度からの第7次医療計画の策定に向け、改正した省令・告示・通知等を説明した。これらは、「医療計画の見直し等に関する検討会」の検討内容を踏まえたものだが、委員からは第7次から新たに盛り込まれる地域医療構想の実現に向けた調整会議での議論の進め方などについて、質問や意見が出た。

 地域医療構想は、2016年度中に全都道府県で策定を終え、2025年の医療提供体制構築に向けて2017年度からは地域医療構想調整会議での議論が本格化する。

 その進め方のイメージとして、厚労省は毎年秋には「機能ごとに具体的な医療機関名を挙げた上で、機能分化・連携もしくは転換についての具体的決定」するよう求めている(『2017年度下期には「具体的な医療機関名を」、地域医療構想調整会議』を参照)。この「決定」との文言を問題視し、「検討」とすべきと提案したのは、日本医療法人協会会長の加納繁照氏。今秋が病床機能転換等の期限と映りかねないからだ。厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、調整会議は毎年継続的に開催するものであり、「決定」は何も今年に限らないとした上で、「決定できるところは決定するということ。地域医療介護総合確保基金の活用のため、(病床転換等を行う)具体的な病院名を挙げてもらうことが必要」と説明した。

 同じく調整会議の進め方について、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「病床機能報告や医療計画データブック等を踏まえた役割分担について確認」を毎年行う点を質問。佐々木課長は、「病床機能報告制度は、毎年10月に集計するため、直近のデータを使い、議論する場を年度初めに持ってもらう」と説明。

 さらに中川氏は、地域医療構想そのものについて、「一番重要なのは、(2025年に向けて)不足する病床機能を充足させることが目的」などと述べ、「病床削減ではない」と釘を刺した。地域医療介護総合確保基金については、使い勝手が悪いため、「財政当局と交渉してもらいたい」と要望。さらに公立病院については、「新公立病院改革ガイドライン」で、地域医療構想を踏まえた役割の明確化が求められていることから、2016年度内が期限だった改革プランの策定状況を問うとともに、各地域の調整会議でその内容を説明すべきとした。さらに国立病院機構の病院など、自治体立病院以外についても、同様のガイドライン作成を提案した。



http://www.medwatch.jp/?p=13385
医師偏在対策を検討し、早期実行可能なものは夏までに固め医療計画に盛り込む—医療従事者の需給検討会
MedWatch 2017/04/20

 「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下、ビジョン検討会)が報告書をとりまとめたことを受け(ビジョン検討会の報告書はこちら)、医師などの需給推計や偏在対策などを議論する、「医療従事者の需給に関する検討会」(以下、検討会)および下部組織の「医師需給分科会」(以下、分科会)が半年ぶりに開催されました。

 医師需給分科会では、当面「医師の偏在対策」を議論し、▼早期に実行可能なものは夏までに具体策を固め、医療計画作成に向けた関連通知などに盛り込む▼法改正が必要な項目については、来年の通常国会提出を視野にいれて検討する—という2段構えの進め方となる見込みです。

ここがポイント!
1  昨年(2016年)の中間とりまとめ後、検討会・分科会は凍結状態に
2  ビジョン検討会報告書や最新データ踏まえて、改めて医師の需給推計を実施
3  ビジョン検討会や中間とりまとめ踏まえ、偏在対策の具体化を検討
4  「規制的手法」、ビジョン検討会では否定しており、具体化されない可能性も
5  偏在対策、早期実行可能なものと、法改正など必要なものと2段構えで検討

昨年(2016年)の中間とりまとめ後、検討会・分科会は凍結状態に

 検討会・分科会には、「いわゆる団塊の世代(1947-51年の第1次ベビーブームに生まれた方)が後期高齢者となる2025年や、その先の人口減少を見据え、医療従事者をどの程度養成していけばよいのかを推計する」というミッションが与えられました。さらに議論の過程で「とくに医師についてミクロ(地域や診療科)の過剰・不足が著しい」といった状況が大きな課題としてクローズアップされ、地域間・診療科間の医師偏在対策も重要なミッションの一つに位置付けられました。

 前者の「医師の需給」については昨年(2016年)6月に中間とりまとめが行われ、「早晩(早ければ2018年、遅くとも2033年)、医師の需給が均衡し、それ以降は医師の供給数が過剰になる」という推計結果が公表されました(関連記事はこちら)。後述するように、「医学部入学定員」をどう考えるかにおいて、極めて重要な意味を持つ推計結果です。


 後者の「偏在対策」については、昨年(2016年)末までに具体案を固め、2018年度からの新たな医療計画を作成するための指針などに盛り込まれる予定となっていました。

 しかし、中間とりまとめ後にビジョン検討会が設置され、そこで「ICTやAIの発展、地域包括ケアの推進など、医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、『医療従事者の新しい働き方』『今後求められる医療従事者像』を固め、さらに最新のデータをベースにして需給推計を行うべき」との方針が固められました。検討会・分科会はビジョン検討会の報告書まで「凍結」という扱いになっていたのです。

 今般、ビジョン検討会が報告書を取りまとめたことを受け、20日に開催された検討会と分科会の合同会合では、「凍結」とされた経緯や、報告書そのもの、さらにはビジョン検討会の運営などについて強い批判が多くの委員から出されています。これは、同日に開催された社会保障審議会・医療部会でも同様で、その模様は別途、お伝えいたします。

ビジョン検討会報告書や最新データ踏まえて、改めて医師の需給推計を実施

 いわば「解凍」された検討会と分科会ですが、今後検討・議論すべきテーマは▼報告書や最新データを踏まえた医師の需給推計▼医師の偏在対策―の2点となります。

 前者は、ビジョン検討会の報告書で示された「医師の働き方」や、併せて実施された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査)のデータを踏まえて、新たに医師の需要と供給数を推計しなおすものです。

 昨年(2016年)6月の推計(中間とりまとめ)をもとに、医学部入学定員の臨時増員措置を「当面(2019年度まで)、延長する」ことが決まりましたが、「2020年度以降」の考え方が決まっていません。厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「2018年度前半には新推計を行う必要がある」との考えを示しています。

ビジョン検討会や中間とりまとめ踏まえ、偏在対策の具体化を検討

 このように新推計には比較的時間の余裕があるため、検討会・分科会(主に分科会)における当面の検討テーマは、後者の「偏在対策」となります。ビジョン検討会は「報告書の内容を踏まえ、具体化に向けた検討を行う」よう指示しています。一方、昨年(2016年)6月の中間とりまとめにおいては、次の14項目について偏在対策の具体化を検討することが明確にされていました。

(1)医学部(地域枠の在り方など)

(2)臨床研修(募集定員配分などに対する都道府県の権限強化など)

(3)専門医(都道府県による調整権限の明確化など)

(4)医療計画による医師確保対策の強化(将来的な自由開業・自由標榜の見直しを含めた検討など)

(5)医師の勤務状況等のデータベース化

(6)地域医療支援センターの機能強化

(7)都道府県が国・関係機関などに協力を求める仕組みの構築

(8)管理者の要件(特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所などの管理者要件とすることを検討)

(9)フリーランス医師への対応

(10)医療事業の継続に関する税制(地域の医療機関の事業の承継に関し、中小企業と同様な優遇税制について検討)

(11)女性医師の支援(病院における柔軟な勤務形態の採用など)

(12)ICTなどの技術革新に対応した医療提供の推進

(13)チーム医療の推進

(14)サービス受益者に係る対策(かかりつけ医の情報提供など)

「規制的手法」、ビジョン検討会では否定しており、具体化されない可能性も


 厚労省医政局医事課の武井貞治課長は、「ビジョン検討会報告書で示された内容と、中間とりまとめで示された内容とがほぼ重複している」旨を説明。重複がないのは「自由開業・自由標榜の見直し」や「管理者要件」など『規制的手法』に関する部分です。中間とりまとめに向けた検討会・分科会の議論では、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長による『医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言』の中で、「医師の地域・診療科偏在の解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」との考えが示されたことを受け、「規制的手法」も検討対象とすることを明確にしていました(関連記事はこちら)。

 一方、ビジョン検討会の報告書では「規制的手段によらず、個々の医師のモチベーションを引き出す方策を講じるべき」との考えを示しています。

 今後の検討会・分科会での議論で「規制的手法」が検討対象となるのか、厚労省は明確にしていません。ただし、検討会・分科会を凍結してビジョン検討会で議論が進められたことや、ビジョン検討会が「本酷暑の内容を踏まえて、具体案を取りまとめるべき」と報告していることなどを考慮すれば、「規制的手法」は検討対象外になるのではないかと推測されます。

偏在対策、早期実行可能なものと、法改正など必要なものと2段構えで検討

 ところで厚労省は、検討会・分科会の議論を、▼早期に実行可能なものは夏までに具体策を固め、医療計画作成に向けた関連通知などに盛り込む▼法改正が必要な項目については、来年の通常国会提出を視野にいれて検討する—という2段構えで進める考えです。上記の14項目(ただし規制的手法を除く)のうち、どれが前者(早期実行可能)で、どれが後者(法改正が必要)なのかは必ずしも明確にされていませんが、(6)の「地域医療支援センターの機能強化」などでは法改正が必要(医療法に機能が定されているため)となります。また(5)のデータベース構築では、技術的に相当程度の時間がかかると考えられます。

 前者の具体策(早期実行可能なもの)が固まった暁には、「医療計画の見直し等に関する検討会」(必要があれば社会保障審議会・医療部会にも)に内容を報告し、了承を得た上で関連通知などが発出されることになります(関連記事はこちらとこちら)。

 なお、(3)の専門医については、新たな検討会(今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会)で「地域医療に求められる専門医制度の在り方」などを検討することとなっており、また日本専門医機構でも地域医療への配慮方策などが議論されています。検討会・分科会が、これらの検討に先んじて「専門医養成に関する都道府県の権限」などを固めるとは考えにくく、これらの議論を待って(早くてもこれらと並行して)検討を行うことになりそうです。


  1. 2017/04/23(日) 06:45:42|
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