Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月16日 

http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170415/Postseven_509258.html
日本の現状に即した無駄な医療5つがリスト化、今後増加
NEWSポストセブン 2017年4月15日 16時00分 (2017年4月15日 16時33分 更新)

 現役医師が自らの手で、現代医療に蔓延る「過剰診療」、「無駄な医療」の内部告発に乗り出した。それがチュージング・ワイズリー(賢い選択)だ。2012年に米国の内科専門医認定機構(ABIM)財団が「不要かもしれない過剰な検診や、無駄であるばかりか有害な医療を啓発していこう」と呼びかけたキャンペーンだ。
 その活動は拡大し、現在は全米74の医学・医療の専門学会が協力し、400以上の「無駄な医療」を指摘している。例えば、「前立腺肥大の検査をするのはほとんど無意味」、「心筋梗塞などの予防のための冠動脈CT検査は無駄」などだ。
 この活動は今やカナダ、ドイツ、イタリアなど17か国に広がり昨年10月には日本でも『チュージング・ワイズリー・ジャパン(以下、CWJ)』が立ち上がった。発起人となった七条診療所所長で佐賀大学医学部名誉教授の小泉俊三氏のほか、約20人の現役医師や医療専門家が名を連ねている。
 これまで世界に公表されてきた「無駄な医療」は、米国の学術団体によるものだけだったが、CWJ発足を契機に“日本発の項目”も出始めている。
 CWJメンバーの徳田安春医師が世話人を務める日本の総合診療指導医の勉強会「ジェネラリスト教育コンソーシアム」が、米国やカナダの学会がまとめた提言を検証し、日本の現状に即した5つの「無駄な医療」を指摘した。

【1】無症状の健康な人にPET(陽電子放射断層撮影)検診は勧めない

【2】無症状の健康な人に腫瘍マーカー検査は勧めない

【3】無症状の健康な人に脳MRI検査は勧めない

【4】自然に治る腹痛(非特異的腹痛)に腹部CT検査は勧めない

【5】医学的適応のない尿路カテーテル留置は勧めない

【1】~【4】は健康診断や人間ドックにも含まれており、まさに“健康な人”が受けている検査だ。…


CWJメンバーで、総合診療医の岸田直樹氏が指摘する。
「【1】~【3】は誤って陽性だと診断してしまう“偽陽性”のケースが多数報告されており、過剰診療に繋がってしまう。PET検診や腫瘍マーカーはそれ自体では、がんを明確に発見することができず、“がんの可能性がある”と診断した結果、胃カメラや造影剤を用いたCT検査を受けたが、結局何もなかったというような事態が少なくない。これらの検査は症状が出たり、無症状でも家族歴がある人が行なうものです。
 同じく脳MRI検査で、数ミリ単位の小さな脳動脈瘤を発見したとする。無症状なら通常は放置しておくサイズだが、存在を知った患者が治療を懇願し、結果的に『コイル塞栓術』などリスクの高い手術を選ぶケースもある」
 コイル塞栓術とは、動脈瘤にコイルなどの人工的な物質を詰めることで破裂を防ぐ治療法。その過程で医療ミスによる脳内出血を招くなどのリスクが伴う。
【4】のCT検査は医療被曝リスクを考慮して摘示された。世界のCTスキャン保有台数の国別ランキングを見ると、日本は人口100万人当たりのCTスキャン保有台数が1万3636台でトップになっている。【5】の尿路カテーテル留置だが、患者は感染症リスクを負うことになる。「医学的適応のない」とは、治療目的ではなく、「看護しやすくなる」など“医療サイドの都合”を指すもの。
 そうした検査は病気の早期発見に繋がる可能性もあるが、それ以上に過剰診療、医療ミスや合併症などのリスクの方が高いとCWJは判断し、「無駄な医療」と指摘した。「現在は5項目しかありませんが、日本に約120あるすべての学会に『無駄な医療リスト』の作成を要請していくつもりです。6月に開かれる日本医学会のシンポジウムでも、CWJについて議論されます。日本独自のリストは、今後確実に増えていくと思います」(前出・小泉氏)
 CWJでは、日本独自項目の啓発を行なうと同時に、すでに米国で報告されている項目の中から日本人にも有益だと思われるものを翻訳し、ホームページ ( http://choosingwisely.jp/ ) 上で公開している。
※週刊ポスト2017年4月21日号



https://www.m3.com/news/iryoishin/520446
シリーズ m3.com意識調査
「外来は供給過剰」、開業医の68%
「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」【回答結果】

レポート 2017年4月15日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 開業医の68%、勤務医の59%は、自身の勤務地域の外来診療は「過剰」(診療科のほぼ全て、半数程度、一部の合計)と考えていることが、m3.com意識調査「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」で明らかになった(Q1-1)。地域ブロック別に見ると差があり、「過剰」が最も多いのは、近畿、次いで九州、北海道の順(Q1-2)。一方、東北では「過剰な診療科がない」との回答が半数近くを占めた。

 外来医療の需給ギャップを把握し、「見える化」を進める施策は、勤務医では「必要」との回答が「不要」の4倍、開業医でも2倍に上った(Q2)。

 地域の医療機関が連携して取り組む外来医療を定額支払い制(重複検査・投薬や医療ミスの回避などを目的に、病医院が自発的に連携し効率的な体制を構築した場合、参加施設全体のメリットが生じる支払方式)で評価することについては、「賛成」が、勤務医は計68%、開業医では計49%を占めたものの、容易ではない、もしくは困難とする回答が大半だった(Q3)。

 日本の医療制度は現在、自由標榜制だが、「患者の選択に資する標榜」とする施策については、勤務医で最も多かった回答は「賛成(専門医制度とリンク)」で35%を占めた。これに対し、開業医では、「賛成(専門医制度とのリンク以外の方法で)」、「賛成(専門医制度とリンク)」、「反対」が拮抗する結果となった(Q4)。

 本調査は、厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が4月6日にまとめた報告書を踏まえて実施。同報告書の中から、外来医療に関連する具体的施策の賛否を質問した。

◆意識調査の回答ページ ⇒ ◆「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」

Q1-1.外来医療(病院、診療所を問わず)について、ご自身の勤務地・居住地で「供給過剰」と思う診療科はありますか【勤務医、開業医別】。
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Q1-2.外来医療(病院、診療所を問わず)について、ご自身の勤務地・居住地で「供給過剰」と思う診療科はありますか【地域ブロック別】。
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Q2.各地域の外来医療の体制について、「需給ギャップ」(外来ニーズと医師数のギャップ)を把握し、「見える化」する仕組みは必要とお考えですか。
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Q3.外来医療に定額払い(重複検査・投薬や医療ミスの回避などを目的に、病医院が自発的に連携し効率的な体制を構築した場合、参加施設全体のメリットが生じる支払方式)の導入について
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Q4.自由標榜制を改め、患者の選択に資する標榜にすることについて
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【調査の概要】
・調査期間:2017年4月7日-2017年4月13日
・対象:m3.com医師会員
・回答者数:1096人(開業医 : 249人 / 勤務医 : 649人 / 歯科医師 : 7人 / 看護師 : 19人 / 薬剤師 : 134人 / その他の医療従事者 : 38人)
・回答結果画面:「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」



https://www.m3.com/news/iryoishin/520740
シリーズ m3.com意識調査
「日本の外来はクレイジー」「自由標榜、制限を」
「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」【自由意見】

レポート 2017年4月15日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆意識調査の結果解説記事 ⇒ ◆「外来は供給過剰」、開業医の68%」

◆意識調査のページ ⇒ ◆「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」

Q5.その他、外来医療の在り方について、ご意見、提言などがあればお書きください。

◆外来医療、過剰?不足?
・基幹病院では外来制限が必要と思います。【勤務医】
・病診連携による病院の外来抑制が必要。【勤務医】
・診療所は供給過多な地域はあると思う。救急医療に対応できる病院は足りない印象。【開業医】
・不要な投薬を防ぐ工夫をしてほしい。有効性に疑問のある薬剤の中止も含めて。【開業医】
・(1)時間外、救急に対して報酬を考慮していただきたい、(2)過剰な医療機関の密度の是正は、行政が何らかの形で関与が望ましい。地区医師会の新規開院のヒアリングに今後も任せてよいか疑問?【開業医】

・結構忙しいので、供給過剰ではないように思います。【勤務医】

◆外来医療、報酬は十分?不足?
・開業医が儲かる仕組みをやめましょう。技術の高い専門医を評価しないと診療レベルが上がりません。開業しても技術がないと稼げないようにするべきです。【勤務医】
・がんの薬物療法をやっており、外来診療を拡大させたいところであるが、入院での利益も増やしたい病院の思惑があり、外来の実施体制の整備の優先度が低い。新規薬剤は外来で投与できることが多いが、管理も難しくなっており、「患者数×管理難易度×予後改善による治療期間の長期化」=無限大、になりつつある。何とかしてほしい。【勤務医】

・欧米に比べて安すぎる初診料、再診料を少なくとも500円、3000円くらいに引き上げて、予約制でも外来が成り立つようにすべき。そうでなければ、労働基準法に準じた勤務体制での良好な医療経営は、不可能です。いつまで医者、医師会の良心に任せた過剰労働体制を続けるのでしょうか?欧米の医者からは、「日本の外来体制はクレイジー」だと言われています。【開業医】
・診療費が低いため、患者自身にもきちんと医療を受けるという意識が低いのではと思います。診療費を上げて、患者自身が金額に見合ったきちんとした医療を受けようという考えを持つことが必要ではないかと思います。診療費が上がれば、一人の医師が診療する必要がある人数が減り、今のような3分診療ではなく、時間をかけた診療も可能になり、そこに患者の厳しい目も加わることになり、医療の質の向上につながると思います。【開業医】
・かかりつけ医は総合的に地域の患者を診るべきだと思いますが、総合病院の外来軽減のためにも単科クリニックは必要だと思います。優秀なかかりつけ医には単科クリニックより有利なインセンティブを与えるべきだと思います。単科クリニックは、今まで通りに経営努力次第とすれば住み分けがなされるのでは?【開業医】

◆外来医療の見える化に賛成
・この「アンケート」中に「見える化」の用語が出てきました。賛成します。さらに、地域の保健所が地域住民の医療コンシェルジュの役割を果たすといいと思います(例「うちのバアちゃん、ここ1カ月で歩けなくなったんじゃけんど、どうしたもんかね」(医療コンシェルジュの初期問診でどうやらパーキンソン病の小刻み歩行と推察される)。「では、神経内科の『名医』のm3.com神経クリニックを受診されるのがいいですよ。お大事に」)【勤務医】
・外来医は、自身の専門分野以外で患者さんがどのような疾患で他にどこの病院等で治療されているかをきちんと把握していけば、こんな質問は出てこないのでは?【勤務医】
・常勤医なのか、非常勤医なのかを、患者に分かるように表示することを義務化するべき。【勤務医】

◆外来医療の定額制の是非
・医療費を節減するために、かぜ、歯科治療、マッサージや電気治療、腰痛治療などは自費とする。1カ月間に何度も受診することを避けるために、例えば、半年間に高血圧では何回受診しても、半年間で何円払うような、入院におけるDPCのようなものを始める。病院は院内処方とし、医療費を節減する。【勤務医】
・「あなたの給料を定額制にします」と言われたらあなたはどうしますか?現状より増えれば文句は言わないのは当然、少なくなれば拒否するだろう。財源が限られているのだから仕方が無いだろうと言うだろう。いいえ、そうではないだろう。あなた方が医療費財源を削って間違った優先順位を付けているだけである。現状でもインスリン治療をしている人の一部は赤字の部分があり、定額制こそ医療崩壊の原因となるのは必至。【開業医】

◆自由標榜制は制限を
・自由標榜はあまりよくないと感じます。【勤務医】
・開業医は自分の専門領域一つを選んで標榜すべき。あるいは専門領域が分かる形でクリニックの看板を掲げるようにしなければ、患者が混乱する。最近は「何でも屋」が増えすぎて、何が専門か分からない開業医が増えた。それに反して患者は専門性を求めている。患者の期待を裏切らない看板(標榜)を求めたい。【開業医】
・開業医の中には専門医ではない科目を診察して、薬剤処方している例が多く、問題だと思う。【開業医】

◆患者への啓発が必要
・まずはコンビニ受診をなくしましょう。救急車も有料にしましょう。できれば時間外受診も自費にすべきです。その手の費用は自己負担の生命保険特約などで補填していただきましょう。国が「自己責任」の啓蒙をきちんとすべきです。【勤務医】
・安易な時間外受診をやめてほしい。他の医療機関での検査結果等が全く分からない。それでいて高い水準を要求するのはもってのほか。なお既に新患は、他の医療機関からの紹介による予約診療にしている。採血結果や処方内容、画像診断(または画像そのもの)を付しての紹介である。その点で既に連携されている。【勤務医】
・患者教育が追い付かず、「ついで診療」が増加し,専門診療にならない。【勤務医】
・受診行動を取った人だけにとどまらない健康維持の考え方が必要。【勤務医】
・コンビニ診療の根絶が必要。無駄な医療費に直結する公費負担の徹底的な見直しをセットにやらないと無駄な外来診療は減らない。【勤務医】

◆その他
・開業医が増えて病院勤務医が疲弊するのはナンセンス。特に、単科専門医は病院に集約すべき。【勤務医】
・臓器別診療は、診療の質をある程度改善したように見える。しかし、実態は医師の臨床能力の低下につながっている。私は、カルテベースで、外来月に700人以上、年間7000人以上を診察し、入院を合わせると年間7億の利潤を生み出している。医者とは、こういうものと感じることができない医師には、専門医どころか、医師の看板を下ろしてほしい。【勤務医】
・病医院間の連携は、本来医師会のような組織が統制することが望ましいが、日本においては医師会が長年学術的に何の役割も果たしてこなかった。もっと地域医療、プライマリケアを中心に医療を率いていくべき。専門医機構など新たに作るより医師会の組織構成、強固なものにするべき。厚労省はそれを専門医数などの面で統制すべき。大学は教育に専念し、大学病院と大学を切り離すべき。医師を派遣するのは大学の役割であり、大学は厚労省のコントロールのもと、各病院へ医師偏在とならないよう派遣すること。派遣した病院は、大学に対し人件費として売り上げの何パーセントかを支払う。研究に関しては、各病院を中心とした臨床研究、大学の基礎医学教室を中心とした基礎や社会医学的研究にわけるなど。【勤務医】

・救急、産婦人科、外科、へき地みんな医者足りません。多くの医者はブラックな環境に置かれている。崇高な使命で働いているのはかわいそうだと思いませんか。【開業医】
・クリニックでできる限りの外来診療を、病院ではクリニックでできない検査を、という地域連携をしっかり実現させることが必要。一次受診はクリニックで十分対応可能だと思う。そのことを患者に理解してもらうことが大事。【開業医】
・医師の個性、能力を尊重し、患者さんに全力投球できるシステムが望ましい。制限を加えることはよくない。【開業医】
・産業競争力会議などの第三者委員会の意見に従うと、結局現場のことを分かり、さらに社会のことも分かる都道府県医師会上層部の考えと乖離してしまう。宇沢弘文先生の「社会的共通資本」の論理に基づき、職業専門団体の意見を尊重する方がいいように思う。【開業医】


  1. 2017/04/16(日) 10:48:41|
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