Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

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4月11日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/519167?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170411&dcf_doctor=true&mc.l=216484904&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ 真価問われる専門医改革
新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省
「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」発足

2017年4月10日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は近く、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を発足、専門医制度を含め、医師養成の在り方と地域医療への影響などについて検討を着手する予定だ。メンバーは18人で、日本医師会や全国医学部長病院長会議、日本専門医機構などの医療関係団体の代表のほか、行政関係、学識経験者、患者代表などが入る見通し。文部科学省とも協力して、議論を進める。

 同検討会の開催要綱によると、2004年度から必修化された臨床研修制度が地域医療に影響を与えたとされ、新専門医制度についても同様の懸念が呈せられたために、2017年度から開始予定が1年延期された経緯を踏まえ、(1)地域医療に求められる専門医制度の在り方、(2)卒前・卒後の一貫した医師養成の在り方、(3)医師養成の制度における地域医療への配慮――などが検討課題。

 医師養成をめぐっては、卒前教育の改革・充実が進み、臨床研修や専門医制度も変わる中、卒前と卒後の間に医師国家試験があるなど、シームレスな実習・研修体制になっていないとの指摘がある。

 こうした中、「医学教育モデル・コア・カリキュラム」は2018年度から改訂、一方で各大学は、卒業時に臨床実習の成果を評価するため、Post-CC OSCE(Post-Clinical Clerkship OSCE)を導入するなど、臨床実習での成果を卒業時点で評価するなどの改革が進んでいる。2018年度から医師国試はこれまでの3日間から2日間に短縮、試験問題も500問から400問に減少。臨床研修については、2020年度からの見直しを控え、検討が進む。

 本検討会は、文字通り読めば、こうした動きを総括的に議論する場と受け取れるものの、発足の発端は実は新専門医制度。2018年度開始予定の同制度に対しては、地域医療への影響を懸念する声がいまだに強い。研修プログラム制への変更に伴い、専門医研修が大学など大病院中心となる懸念に加え、「医師は基本領域のいずれか一つの専門医を取得することが基本」とされている点を問題視する声などがある。

 厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」は、この4月にまとめた報告書の中で、新専門医制度と関連した施策を打ち出しつつ、「日本専門医機構のガバナンスを強化かつ透明化し、これが継続されるような制度的な支援を図ることが急務」とも指摘(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。現状の日本専門医機構の体制には不安を抱きつつも、将来の医療提供体制においては新専門医制度の確立・運営が必要としている。

 もっとも、新専門医制度については、地域医療への影響が懸念され、厚労省の社会保障審議会医療部会に、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」(委員長:永井良三・自治医科大学学長)が設置されたが、2016年5月30日の第3回会議を最後に、議論はストップしたまま(『新専門医、予定通り開始せず、2017年度は“試行”』を参照)。

 地域医療や医師不足との関連では、厚労省は「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の議論をしていたが、議論をいったん停止し、先のビジョン検討会が発足した経緯もある。厚労省が、正式な審議会等を通さずに、アドホックな検討会が立ち上がる現状に対し、制度設計の進め方が不透明という指摘も絶えない。

 これらの点も踏まえ、日本医師会副会長の今村聡氏は、「新専門医制度の問題は喫緊の課題だが、あくまで生涯にわたる医師養成の在り方を議論する場として理解している」と釘を刺し、新専門医制度の議論に留まらず、幅広い議論を期待する。

 2018年度から開始するのであれば、5月からは基幹施設から研修プログラムを募集、今年8月から専攻医の募集を開始できるよう準備を進める予定(『新専門医制、8月から専攻医の募集開始を予定』を参照)。地域医療への影響を鑑みつつ、専門医をこれから目指す若手医師のために、新専門医制度に関する明確な方針を早急に示すことが必要だろう。

 さらに、医師の生涯教育のシームレス化は積年の懸案事項。本検討会を好機と捉えた議論が進むことが期待される。



https://www.m3.com/news/iryoishin/519538
シリーズ 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
「医師養成は強化されるべき」、四病協
「ビジョン検討会」報告書に見解、「医師は絶対数不足」

2017年4月11日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 四病院団体協議会は4月11日、厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書に対し、医師の絶対数の不足が実情であるとし、「少なくとも、当分の間の医師養成は強化されるべきと強く主張する」との意見を公表した(資料は、日本医療法人協会のホームページ)。同報告書の「敢えて医師数を増やす必要がない環境を作り上げていく」との提言に異を唱える内容で、日本医師会との見解とも異なる(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』、『「医師養成数増は不要」は一致、各論には異論』を参照)。

 意見ではまず、「社会の変化に変容し、また、患者 ・住民の価値観ばかりはでなく、医療従事者の働き方に対応したパラダイムシフトの必要性にまで言及した報告書」と高く評価。

 しかし、各論については、プライマリ ・ケア医の養成、地域医療支援センターの活用、タスク・シフティング/タスク・シェアリングやAI等のICT技術の活用の実効性を検証することなく、「敢えて医師数を増やす必要がない環境を作り上げていくと直線的に結論づけている」ことを問題視。「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」で医師の過重労働・超過勤務問題が改めて指摘されたとし、時間外労働時間の問題等を考えると医師は絶対数が足りないとして、医師養成の強化を求めている。

 その他、プライマリ・ケアの担い手として、中小病院の医師を位置付けるほか、アウトカム評価と医療費定額払い制度、リフィル処方、 PA (Physician Assistant) の創設などについては、「これまで、政府報告書で触れることが少なかった」とし、多面的、全体最適を目指した具体的議論の開始を強く求めている。


  1. 2017/04/12(水) 05:18:10|
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