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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月29日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/515760?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170329&dcf_doctor=true&mc.l=213909334&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「罰則付き規制で、応招義務果たせぬ懸念」働き方改革大臣
時間外労働の上限規制、医師は5年間の猶予

2017年3月29日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 政府は3月28日、働き方改革実現会議を開催し、時間外労働を原則月45時間、特例として労使が合意した場合年720時間(月平均60時間)を上限とすることなどを盛り込んだ「働き方改革実行計画」をまとめた。4月以降、労働政策審議会で議論した後、秋の臨時国会に関連法の改正案を提出、2019年度からの実施を目指す。

 ただし、医師については時間外労働の上限規制が5年間猶予された。会議後の記者会見で加藤勝信・働き方改革担当大臣は「罰則付き上限規制で応招義務が果たせなくなる懸念があった」と説明した(資料は官邸ホームページ)。

 働き方改革実行計画の中では、医師の働き方について、「医師については、時間外労働規制の対象とするが、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である。具体的には、改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る」と記されている。

 加藤大臣は「医師には医師法上、応招義務があり、時間外労働規制、特に罰則付きの上限規制によって現場の実情や地域の医療体制によっては応招義務を果たせなくなる懸念があった。時間外労働の上限規制の対象とするも、会議には医療関係者がいないので、まずは医療界の参加を得た上で、検討の場を設けていただき、2年後を目途に規制の在り方、労働時間の短縮について検討し、結論を得るという中身になっている」と説明した。

 安倍晋三首相は会議の席で「働き方改革実行計画の決定は、日本の働き方を変える改革にとって、歴史的な一歩であると思う。戦後日本の労働法制史上の大改革であるとの評価もあった。かつては、特に時間外労働については、この間にある溝は埋められないのではないかと思われていたわけだが、本当に労使で合意に達していただいたこと、改めて敬意を表したいと思う」と挨拶した。

 そのほか、医療者が、医療提供に当たって関連する内容は以下の通り。

■病気の治療と仕事の両立
 病気の治療と仕事の両立を社会的にサポートする仕組みを整え、病を患った方々が、生きがいを感じながら働ける社会を目指す。具体的には、治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築する。とりわけ、両立支援コーディネーターは、主治医と会社の連携の中核となり、患者に寄り添いながら継続的に相談支援を行いつつ、個々の患者ごとの治療・仕事の両立に向けたプランの作成支援などを担う。両立支援コーディネーターには、医療や心理学、労働関係法令や労務管理に関する知識を身に付け、患者、主治医、会社などのコミュニケーションのハブとして機能することが期待され、こうした人材を効果的に育成・配置し、全国の病院や職場で両立支援が可能となることを目指す。

■労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化
 治療と仕事の両立支援に当たっての産業医の役割の重要性に鑑み、治療と仕事の両立支援に係る産業医の能力向上や相談支援機能の強化など産業医・産業保健機能の強化を図る。また、過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化する。加えて、産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備する。これにより、働く人々が健康の不安なく、働くモチベーションを高め、最大限に能力を向上・発揮することを促進する。



https://www.m3.com/news/general/515819
東京女子医大病院 「薬16倍投与で妻死亡」 脳腫瘍女性夫が提訴
2017年3月29日 (水) 毎日新聞社

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年9月に抗てんかん薬を過量投与された女性が重い副作用で死亡した問題で、遺族が28日、病院の運営法人と医師2人を相手取り、総額約4300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。遺族側によると脳腫瘍を患う長浜さんは14年1月から同病院の処方で抗てんかん薬を服用。同8月には短期間で薬効を高めるとして、別の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を追加され、添付文書で定められた量の16倍の1日200ミリグラムを連日投与された。

 薬剤師が医師に「量は正しいのか」と照会したが見直されず、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。投与開始から20日後に肺出血を併発して死亡した。遺族側は「医学的な必要性がないのに、説明もないまま添付文書に反する危険な処方をした」と訴えている。

 医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた日本医療安全調査機構の報告書は、処方を「標準的な選択とは言えず、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るべきだった」と指摘した。同大学広報室は「訴状を見ておらず具体的なコメントはできないが、誠意をもって対応する」としている。【伊藤直孝】

 ◇副作用のリスク「説明なかった」

 「なぜ死ぬリスクのある処方をしたのか」。亡くなった長浜裕美さんの夫、明雄さん(42)は記者会見で悔しさをにじませた。投与開始から20日後、皮膚がはがれ妻は変わり果て、痛みと絶望の中で亡くなった。主治医は「投与量よりも体質の問題」などと説明。だが、薬の添付文書は用法や用量を守らなければ重篤な皮膚障害が表れることがあると警告していたのを後に知った。

 医師から副作用リスクの説明はなかったというが、病院側は「リスクは説明した」と責任を認めなかった。明雄さんは「問題を繰り返させないためにも裁判で原因と責任を明らかにしたい」と強調した。【銭場裕司】



https://www.m3.com/news/general/515815
バルサルタン データ改ざん 東京地検が控訴へ
2017年3月29日 (水) 毎日新聞社

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件で、東京地検は28日、薬事法(現医薬品医療機器法)違反に問われた元社員、白橋伸雄被告(66)を無罪とした東京地裁判決を不服として控訴する方針を固めた。関係者への取材で分かった。

 16日の地裁判決は元社員が意図的にデータの水増しや改ざんをしたと認定する一方、医師に発表させた論文は「薬事法が規制する広告に当たらない」として無罪を言い渡した。検察側は控訴審で、バルサルタンを処方する医師が論文を読めば広告要件の「顧客を誘引する手段」に当たると改めて主張するとみられる。【石山絵歩】



https://www.m3.com/news/general/515832
外来診察同席で薬剤費減 - レジデント人件費の2倍に 国立がん研究センター東病院薬剤部
2017年3月29日 (水) 薬事日報

削減効果は年1300万円

 薬剤師レジデントが医師の外来診察に同席して処方提案等の臨床業務を行った効果を検討したところ、3カ月間で337万円の薬剤費削減効果が得られたことが、国立がん研究センター東病院薬剤部の研究で明らかになった。薬剤師レジデントの時給と外来診察に同席した労働時間から人件費の2.2倍の効果が得られ、これを1年間続けて実施したと仮定すると、年間1300万円の薬剤費削減効果が期待できることが推定された。これまで薬剤師の外来同席業務の効果については明らかになっていなかったが、薬剤費削減効果のエビデンスが得られたことで、薬剤師の外来業務に弾みがつきそうだ。
 米国では医師の外来診察に薬剤師が関与し、臨床業務を行っている。日本では2007年に、国立がん研究センター東病院薬剤部が初めて医師の外来診察に薬剤師が同席する業務を開始。現在、薬剤師レジデント3年目の研修の一環として外来診察同席業務を行っている。
外来診察同席業務は、診察前、診察中、診察後の時点で介入を実施。診察前は採血結果が出る前に待合室で患者の症状やアドヒアランス、残薬を確認して医師に情報提供し、診察中には診察室で医師の説明内容や治療方針を共有したり、処方設計を支援する。

 さらに、診察後は待合室や通院治療センターで治療の理解度確認や服薬指導、質問への対応などを行っている。必ず3点で介入するのではなく、医師の希望する方法で患者に応じて柔軟に対応している。ただ、外来診察同席業務は、新規性の高い取り組みではあるものの、その有益性は明らかになっていなかった。

 そこで、同センター薬剤部では、薬剤師レジデント課程3年目に実践している外来同席による薬剤費削減効果を明らかにするため、昨年6月6日~8月31日までの61日間で薬剤師レジデント6人が介入した患者を対象に調査を行った。抗癌剤S-1製剤の減量開始を提案し、本来処方されるはずだった薬剤と差し引いた金額など、カルテから前後の経過を確認し、削減された薬剤費を算出した。

 その結果、61日間で薬剤師レジデントが外来同席に従事した時間は1034時間、対象患者数は4582人、介入した患者は2508人だった。処方提案が行われたのは456件、そのうち薬剤費に関わる提案136件、最終的に採用された提案は119件と採用割合は88%に上った。

 介入した理由についてみると、残薬調整が59%と最も多く、次いで中止提案が26%と、これら残薬調整と中止提案が8割以上を占めた。処方提案によって削減された薬剤は、抗癌剤以外の定期内服薬が69%と7割を占め、抗癌剤が14.6%、支持療法薬が0.4%などとなった。3カ月間で削減された薬剤費は336万8224円となり、そのうち抗癌剤が299万3151円とほとんどを占めた。

 時給1490円の薬剤師レジデントが外来同席に従事した1034時間の労働時間から人件費を算出したところ、154万0660円となった。これを削減された薬剤費336万8224円と比較すると、薬剤師レジデントにかかった費用の2.2倍の薬剤費削減効果が得られたことが明らかになった。さらに、薬剤師レジデントが外来診察同席業務を1年間続けたと仮定すると、年間1300万円の薬剤費を削減できることが考えられた。同センター薬剤部では、「外来診察同席業務は薬剤費の削減に貢献しており、医療経済的に有益」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515910
シリーズ 中央社会保険医療協議会
薬価調査「医療機関は対象外に」、中川日医副会長
支払側は慎重な検討求める、医療機関と卸の間で齟齬も

2017年3月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、3月29日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、医療機関の負担軽減を狙い、「医療機関は、医薬品卸と交渉して、品目ごとに納入価を決めている。薬価調査は医薬品卸への調査で十分」と述べ、薬価調査の対象から医療機関を外すことを検討するよう求めた。

 一方で、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「薬価調査の正確性が担保されているのは、(医薬品卸と医療機関双方への調査結果を)突合しているために担保されている。正確性が破壊される恐れがあるので、慎重に検討した方がいい」と指摘。厚労省も過去に双方への調査で、過去に齟齬が生じたことがあると説明しており、医療機関を調査対象から外すことに合意を得られるかは微妙だ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 調査方法の見直し、2017年度から

 2018年度改定に向けた薬価調査についての議論は、2月8日に続き2回目(『薬価の「中間年」の調査、本調査とは別』を参照)。29日の論点は下記だ。

(1)調査の正確性
○ 調査結果の正確性を担保する観点から、調査データをさらに検証する仕組みとして、どのようなことが考えられるか。
○ 調査結果の精度を高めるため、より回収率を上げるための工夫を講じるべきではないか。
(2)調査手法
○ 調査の効率性の観点から、本調査については、都道府県を経由せず、厚生労働省から直接客体に調査票を配布し、回収を行うこととしてはどうか。
※この際、調査客体を確定するための調査、訪問調査については、これまでどおり許可権者である都道府県に依頼する。
○ 調査データを検証する仕組みをどう考えるか。
○ 上記について、2017度本調査から適用してはどうか。

 薬価調査は、医薬品卸(約6000客体)については全数調査、病院・診療所・薬局については抽出調査し、医薬品の品目ごとに市場実勢価格を調査。薬価との乖離を把握が目的だ。

 議論になったのは、(1)。中川氏はまず薬価調査の回収率について質問。厚労省医政局経済課長の大西友弘氏は、医薬品卸72.3%、病院75.6%、診療所61.8%、薬局76.5%と回答。そのうち日本医薬品卸売業連合会に加盟している医薬品卸では9割を超す回答がある一方、加盟していない小規模の卸などは回収率が低いとした。

 「医薬品卸からの回答は、信頼性は高いのではないか」との中川氏の質問に対し、専門委員の吉村恭彰氏(株式会社アステム代表取締役社長)は、「信頼関係があるという前提に正確なデータを出している」と回答。それを踏まえて、中川氏は、医薬品卸の回答に信頼性があれば、医療機関への調査は不要ではないかと提案した。

 これに対し、大西経済課長は、「歴史的には、医療機関の調査が中心だった時代もあり、4者への調査を総合して薬価調査と言っている」と説明しつつ、可能な限り負担軽減を図るために、どんな方法がいいかを検討していくとした。

 「調査データの正確性担保のためにやっているのだったら、齟齬がこれまであったのか」「調査データを検証する仕組みはどう考えているのか」と質したのは、全国健康保険協会理事の吉森俊和氏。大西課長は、「齟齬がある事例は過去にあった。ある薬剤の金額について、(医薬品卸と医療機関等の額が)マッチせず、不整合が発生することはこれまでもあった」とし、調査データを検証する仕組みについては、「今は考えていない」と答えた。

 一方、(2)については、了承が得られた。連合総合政策局長の平川則男氏は、厚労省が直接調査することによる回収率への影響を質問。厚労省医政局経済課長の大西友弘氏は、コールセンターから催促するなど、きめ細かい措置を講じて、回収率が低下しないように対応すると回答。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10805
男性医師を減給=女性医師へのセクハラ認定-大阪大
2017年3月29日 (水)  時事通信

 大阪大は29日、女性医師にセクハラ行為をしたとして、医学部付属病院の30代男性医師を減給処分にしたと発表した。
 同大によると、男性医師は昨年4月、女性医師が寝ていた当直室のベッドに入り、抱き付いてキスをしようとするなどした。同5月に女性医師から申し立てがあり、調査の結果セクハラと認定した。男性医師は懲戒処分の文書は受け取ったが、事実関係を認めていないという。 【時事通信社】



http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20170329/CK2017032902000043.html
地域医療、貢献必ず 金大、自治医大「医師の卵」を知事激励
2017年3月29日 中日新聞 石川

 金沢大医学類の地元医師確保推薦枠(特別枠)の合格者十人と、地域医療の人材を育成する自治医科大(栃木県)医学部の地元合格者三人が二十八日、県庁を訪れた。いずれも六年間の勉学と二年間の臨床研修を経て医師となったあかつきには、能登など県内の医師不足エリアで勤務すると約束している学生たちだ。(梅本秀基)

 特別枠は県が二〇〇九年に創設した、知事が指定する公立病院に七年間勤めれば、在学中に支給する月二十万円の修学資金(六年で計千四百四十万円)の返還を免除する制度で、今春には一期生がいよいよ医師としての活躍を始める。同様の資金援助で都道府県の選抜学生を受け入れている自治医科大とともに、医師不足解消の切り札となることが期待されている。

 谷本正憲知事の激励を受けた医師の卵たちは「父の命を救ってくれた医師にあこがれ、外科医を目指すようになった」「終末期医療の担い手になりたいと考えている」などと語りつつ、将来の地域貢献を誓っていた。

 地方の医師不足は、新卒医師が自分で研修先を選べるようになった〇四年以降、全国で生じた。従来は大学病院の医局で研修を受けた後、地方の関係病院に派遣されるケースが多かったのに対し、現在は医療経験を数多く積める都市部の大病院に集中しがちで、過疎地を抱える多くの県が対策に力を入れている。



http://www.asahi.com/articles/ASK3Y6RSFK3YUBQU011.html
医師=労働者?労基法の規制に日医会長が違和感
寺崎省子
2017年3月29日20時18分 朝日新聞

 政府の働き方改革実行計画で、医師の残業時間の具体的な規制内容が今後検討されることについて、日本医師会の横倉義武会長は29日の会見で、「医師の雇用を労働基準法で規律することが妥当なのかも含めて考えていきたい。医師が労働者と言われると、(意識したことがなく)少し違和感もある」と述べた。

 医師には、原則として診療を拒めない「応召義務」がある。実行計画では、医師は規制の適用が5年程度猶予されるが、2019年3月末までに具体的な内容を検討する。新年度に厚生労働省内に検討会が設けられる予定だ。

 横倉会長は、検討課題として医師の健康や応召義務を挙げ、「(残業時間の)上限を超えても、患者の状態が悪くなったとき放っておけず、仕事をしてしまう。罰則を与えるのか、応召義務を外していいのか、大変な議論になる」と話した。



http://www.huffingtonpost.jp/tetsuo-ando/new-medical-speciality-system_b_15672248.html
「角を矯めて牛を殺す」新専門医制度
安藤哲朗  安城更生病院 副院長/神経内科部長
投稿日: 2017年03月29日 17時45分 JST 更新: 4時間前 ハフィントンポスト

角を矯めて牛を殺す――。

この言葉は、小さな欠点を無理に直そうとすると、かえって全体がダメになってしまうという意味である。新専門医制度を評するのに、この諺がふさわしい。

新専門医制度の原点ともいえる平成25年の「専門医の在り方に関する検討会報告書」によると、基本的な考え方は「専門医制度を持つ学会が乱立して、制度の統一性、専門医の質の担保に懸念を生じる専門医制度も出現するようになった結果、現在の学会主導の専門医制度は患者の受診行動に必ずしも有用な制度になっていないため、質が担保された専門医を学会から 独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みが必要である。」と記載されている。

「専門医制度の乱立、制度の不統一」という"小さな欠点"が気になったことがそもそもの出発点のようだ。

また、後半の患者の受診行動と専門医制度の関わりについては、たとえ新制度が始まったとしても限定的であると私は考える。

日本にはかかりつけ医という文化があり、かかりつけ医が、自分の信頼する医師に患者を紹介するシステムが広く行き渡っている。その場合、かかりつけ医からみて、紹介先の医師の専門医資格はほとんど関係ない。地理的条件に加えて、個人的に信頼していること、あるいはこれまでの紹介状に対する回答書、さらには学会発表や論文などを考慮して紹介することが多いと思われる。

救急疾患の場合は、近くの救急病院に行くか搬送される。それも専門医資格の有無は全く関係ない。

つまり新専門医制度は、小さな欠点を矯正し、ほとんど意味のない目的を持ったものであるといえる。一応「質の担保」という謳い文句もあるが、質の担保に寄与しそうな内容は皆無であり、基本領域―subspecialty構造による「管理」、専攻医の地域別、領域別の人数の「管理」、基幹施設―連携施設構造による「管理」と、「管理」、「管理」「管理」が並び、これがよい医師を育てることにどう繋がるのか、全く理解ができない。

むしろ、医療の柔軟な発展を阻害し、若手医師のキャリア形成を阻害し、地域医療を支えている指導医のmotivationを低下させ、専攻医のon the job trainingを劣化させる。新専門医制度がもしこのまま開始されると日本の地域医療と将来を担う若手医師達に不可逆的なダメージを与えるだろう。そして多くの地域で、大学医局はこの新制度に乗じて大学復権を目指している。そのことがより事態を複雑にし、地域医療の危機を高めている。

専門医機構および厚労省は平成30年の制度開始を優先せずに、原点に立ち返って、すなわち平成25年の「専門医の在り方に関する検討会報告書」に立ち返って、再検討すべきである。議論が机上の空論で終わらないようにするためには、地域医療の現場で働く指導医や、研修医、女性医師を議論に加える必要がある。

(2017年3月29日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



http://www.sankei.com/region/news/170329/rgn1703290044-n1.html
福島・高野病院長に大町保健所長 長野
2017.3.29 07:03 産経ニュース

 東京電力福島第1原発事故後も福島県双葉郡内で唯一、避難せずに診療を続けた院長が自宅の火災で死亡した高野病院に、県大町保健福祉事務所の阿部好正所長(64)が4月から院長として就くことが関係者の話で分かった。すでに31日付の退職願を県に提出した。

 高野病院は、昨年12月に自宅の火災で亡くなった高野英男さん=当時(81)=が昭和55年に福島県広野町に開業した。原発事故後、常勤医は高野さん1人だった。現在は100人ほどの入院患者を受け入れており、非常勤や同県立医大、県内外からのボランティアなどの医師の支援を受けて診療体制を維持している。

 阿部氏は岐阜県恵那保健所長を経て平成28年に大町保健福祉事務所長兼大町保健所長に就いた。



https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=627624
医学部新設の国際医療福祉大、那須で地域医療実習 新病棟建設
2017/3/29 7:01日本経済新聞 電子版

 4月に千葉県成田市に医学部を新設する国際医療福祉大学(栃木県大田原市)は、医学部生の実習受け入れに向け関連施設の拡充に乗り出す。2018年度までに約100億円を投じ、栃木県那須塩原市の同大学病院の新病棟などを建設。既存のグループ施設なども使い、学生が地域の医療・福祉を包括的に学べる環境を整える。雇用など地域活性化にもつなげる。

 医学部の新設に政府は従来慎重だったが、国際医療福祉大は成田市と共同で国家戦略特区の事業指定を受けることで、4月に開設する。同月入学する第1期生(140人)が4年目に行う臨床実習では、半数の70人ずつを半年交代の形で、栃木・那須地域と東京都内の各大学病院で受け入れる。うち那須は地域医療を学ぶ場と位置づける。

 那須には医学部はないが、看護やリハビリ、放射線、薬学、医療経営などが学べる大学キャンパスや大学病院のほか、リハビリ患者を受け入れる塩谷病院(矢板市)、看護専門学校(同)、系列の社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム(特養)など介護関連もそろう。「医療・福祉がワンストップで学べる」(大友邦学長)ため、実習の中核となるという。

 具体的には大学病院で4月以降、新たな施設を着工する。新病棟は6階建てで、延べ床面積は1万平方メートル。ベッド(病床)数が現在の353床から55床増え408床となり、栃木北部の高度医療を担える規模を整える。

 研究棟は5階建ての約3000平方メートルで、臨床実習に入る医学部生らが利用する。宿泊棟(5階建て、約5300平方メートル、客室数116)は学生や教員のほか、一般の宿泊客も受け入れられるようにレストランや大浴場、会議室なども備える。

 またグループの社会福祉法人が那須塩原市内で17年度中に病院職員らの子どもを受け入れる認定こども園を設け、特養の増床も計画。これら施設の拡充全体で約250人の新規雇用を見込む。

 成田から実習で那須に入る医学部生は、これら新施設を利用して診療に参加するほか、既存のグループ施設で看護やリハビリ関連などの職種と組み行う「チーム医療・チームケア」にも参画。実践的に地域医療を学ぶ。



http://www.sankei.com/west/news/170329/wst1703290080-n1.html
医療審会長、大阪府と大阪市を批判 住吉市民病院跡地2年「空白」で
2017.3.29 20:21 産経ニュース

 平成30年3月末で閉鎖される大阪市立住吉市民病院(住之江区)跡地に誘致された民間病院の開業が32年4月まで2年遅れ、小児科・産科を含む100病床分の空白が生じる問題で、大阪府府医療審議会の茂松茂人会長(府医師会会長)は29日、「この誘致計画には問題があると審議会では以前から提起していた。駄目でした、では済まない」と府市の対応を批判した。

 府は住吉市民病院が担っている医療機能を、住之江区内で南港病院を運営する社会医療法人三宝会が跡地に建設する新病院と、府立急性期・総合医療センター(住吉区)に振り分けて継承させる再編計画を策定。

 これに対し、知事の諮問機関の府医療審議会は27年10月、「南港病院では市民病院の医療機能を継続できない」などとして計画に反対したが、松井一郎知事が国に承認を申請。その後、三宝会の設計ミスが発覚し、新病院の開業が2年遅れることになった。

 茂松会長は「府立センターは高度医療を担う。(小児科や産科など)市民病院が果たしてきた機能がなくなるわけで、早急に対応策を考えてもらいたい」と指摘した。



http://mainichi.jp/articles/20170329/ddl/k26/040/625000c
舞鶴赤十字病院
休日救急、小児科不在で担当 来月2日間 /京都

毎日新聞2017年3月29日 地方版 京都府

 舞鶴市は28日、舞鶴共済病院、舞鶴医療センター、舞鶴赤十字病院で実施している「休日救急医療」の、4月分のローテーションを発表した。小児科医不在となる赤十字病院はこれまで通り月2回の担当とし、子供の患者は内科医か外科医が診療するが、入院が必要な重症患者は他の2病院に紹介の形で引き継ぐことで、暫定的に体制を維持した。

 舞鶴市の土・日・祝日と年末年始の診療は、市の委託を受け公的3病院が輪番で担当。担当病院には内科系、外科系、小児科の医師が待機し患者を受け入れ、重症であればそれぞれ入院させることになっている。

 赤十字病院は3月末で小児科医が退職するが後任の補充が無いため、4月以降小児科診療を休止する。小児患者受け入れが不可能になれば輪番の維持が困難になるため、市は医師確保に努力しているが見通しは立っていない。4月は15日(土)と16日(日)が赤十字病院の担当だが、それぞれ非小児科医が子供の患者を診察し、重症者は15日はセンター、16日は共済病院の小児科医に引き継ぐ“間に合わせ”の形で行うことにした。

 5月以降の輪番体制もめどが立っておらず、市地域医療課では「軽症など緊急でない場合は、できるだけ平日の診療時間内に受診して」と市民に呼び掛けている。【鈴木健太郎】

〔丹波・丹後版〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/515935
シリーズ 中央社会保険医療協議会
院外と院内処方、調剤報酬に6.6倍の開き
かかりつけ薬剤師、医薬分業に厳しい改定予想

2017年3月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 解熱鎮痛剤・抗生剤を7日分処方した場合、院内調剤では27点だが、いわゆる門前薬局の調剤では105~110点、かかりつけ薬剤師・薬局での調剤は178点で、約6.6倍の開きがある……。

 2018年度の調剤報酬改定に向けてキックオフとなった、3月29日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で提出されたのが、院内処方と院外処方の調剤報酬の差が大きいことを示す資料だ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

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(2017年3月29日中医協総会資料による)

 2016年度診療報酬改定では、大型門前薬局の点数は引き下げになったほか、「かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局」が評価され、単なる調剤業務がメーンの薬局には厳しい改定となった。2018年度改定でも、「対物業務」から「対人業務」へという流れが続くほか、院内処方と院外処方の調剤報酬の差に厳しい目が向けられ、医薬分業そのものに懐疑的な意見も診療側から出され、薬局にとって厳しい改定になる様相を早くも呈している。

 29日の総会で具体的に上がったのが、患者の服薬情報の一元的・継続管理などを評価する点数として2016年度改定で新設された「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」の要件見直し。患者の同意を得ることが前提だが、安易に算定されている現状もあるとされ、多剤投与や高齢者など、自身で服薬管理をしにくい患者に算定対象を限定する案が出された。

 松本氏「医薬分業ありきで議論しなければならないのか」
 2016年度調剤報酬改定では、患者の服薬情報の一元的・継続管理、重複投薬・残薬管理などを行う、薬剤師の「対人業務」が評価された(『「薬局改革の元年」、2016年度改定』、『「かかりつけ薬剤師」の有無で点数に大差』を参照)

 厚労省は、「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」の施設基準の届出や、「重複投薬・相互作用防止加算」の算定回数が増加するなど、「対人業務」の充実が進みつつある現状を示すデータを提示。しかし、診療側と支払側、それぞれから厳しい意見が出た。

 特に診療側が問題視したのは、前掲の「調剤報酬の比較について」のほか、下記の「薬局の特徴ごとの機能」だ。

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(2017年3月29日中医協総会資料による)

 日本医師会常任理事の松本純一氏は、これらの資料に対し、「患者に向き合って丁寧に向き合って対応する、かかりつけ医のモチベーションを下げ、傷つけるものだ。『患者本位の医薬分業』というが、『患者本位の調剤』を目指すのではないか。医薬分業ありきで議論しなければならないのか」と問題提起した。2剤以上の内服薬を一包化した場合などに算定できる「一包化加算」も、院内処方には設定されていないなどの問題も指摘。院内処方と院外処方の調剤に係る報酬が整合性に欠ける問題は、日医副会長の松原謙二氏、全日本病院協会副会長の猪口雄二氏からも挙がった。

 こうした指摘に対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏は、医療機関の全体業務における調剤の評価と、独立した薬局における調剤業務の評価については、「少し観点が違う部分があり、その点を踏まえて検討していく」と回答。「薬局の特徴ごとの機能」の資料については、患者の服用情報の一元的・継続的管理、残薬管理、重複投薬の防止などにつなげ、患者本位の医薬分業に取り組むべきという視点からまとめたと説明した。

 松本氏の発言に、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の花井十伍氏は、「医薬分業は患者本位になるという前提を覆す議論」と指摘。医薬分業を推進してきた中で、患者本位ではない部分もあり、その問題点は当然議論すべきだが、「医薬分業が目指すべき形であることを前提に、事務局(厚労省)が毅然として対応しないと、ぶれた議論になる」(花井氏)。

 中川氏「抜けていたのは、分業の担い手は営利企業という視点」

 これを受けて発言したのは、日医副会長の中川俊男氏。「医薬分業は患者のためになる、という思いで仕組みを作ってきたが、決定的に抜けていたのは、分業の担い手が、営利企業であるという点だ。製薬企業も同様だが、公的な国民皆保険のプレーヤーとしての自覚があるかどうかが、(非営利の医療機関と)決定的に違う」などと述べ、昨今の調剤医療費の伸び、特に大手調剤薬局チェーンに財源が集中し、莫大な内部留保があることを問題視。「薬局の特徴ごとの機能」の資料についても、副作用のフォローアップをはじめ、より適切にできるのは院外処方より院内処方であると指摘。

 さらに中川氏は、「かかりつけ薬剤師指導料」の算定は、かかりつけ薬剤師が対応する場合に限られることを踏まえ、かかりつけ薬剤師以外が対応した場合でも同指導料を算定しているケースなどがあれば、「ゆゆしき問題だ。算定要件が甘かったのか」とコメントした。

 中山管理官は、「かかりつけ薬剤師指導料」は、あくまでかかりつけ薬剤師しか算定できないとし、個別指導などの場で確認していく方針を表明した。

 幸野氏「調剤報酬の目的と現場が乖離」

 調剤報酬には、支払側も厳しい目を向けた。全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、「多剤投与や重複投与は非常に悩ましい問題」と指摘。薬局による服薬管理は重要だとし、「かかりつけ薬剤師指導料」が実際にどんな成果を挙げているのか、そのデータを丁寧に分析する必要があると指摘。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏も、「かかりつけ薬剤師指導料」について、「調剤報酬の目的と現場の動きが乖離していると聞く。かかりつけ薬剤師を『取りに行く』のではなく、患者の方から『あなたにかかりつけ薬剤師になってもらいたい』と言われるのが、本来の在り方」と指摘。さらに同指導料の対象は、多剤投与、認知症、高齢者など自身で服薬管理しにくい人を対象にすべきとし、「たまたま風邪で来た患者に対し、かかりつけ薬剤師になるよう、同意を求めることがあってはいけない」(幸野氏)。

 一連の指摘に対し、日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、「患者から選ばれる薬局」になる動きが高まるなど、2016年度調剤報酬改定で薬局は変わりつつあることに理解を求めた上で、「実態調査を踏まえて、さらに伸ばすべきところ、あるいは見直すべきところはどこかを十分に議論してもらいたい」とエビデンスを基にした議論を求めた。

 そのほか幸野氏は残薬問題についても言及。2016年度改定で、医療機関が発行する処方せんに、薬局で残薬を確認した場合、どう対応すべきかを医療機関が指示するチェック欄が新設された(「医療機関へ疑義照会した上で調剤」もしくは「(残薬調整後に)医療機関へ情報提供」のいずれかにチェック)。「疑義照会しないと処方変更できないのはおかしい。まず処方変更して、後から医療機関に報告すればいい」と見直しを要望。

 松原氏は「残薬が出る場合、飲み忘れたのか、薬が合わなかったのかなどの理由が考えられ、単に量を調整すればいいという問題ではない」とし、それは薬の作用等も理解して医師が行うべきであり、チェック欄は必要と答えた。安部氏も、薬局から医療機関に疑義照会をするのが基本とし、「医師と薬剤師が情報を共有することが重要であり、それをどう効率的に行うかが課題」との考えを示した。


  1. 2017/03/30(木) 05:42:13|
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