Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月28日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/515415
シリーズ 医師不足への処方せん
岩手県知事が緊急メッセージ、医師偏在対策の議論停滞を受け
地域医療基本法(仮称)の制定を求める

2017年3月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 医師地域偏在対策に関する議論が進んでいなことを受けて、岩手県の達増拓也知事はこのほど、緊急メッセージと提言「地域医療基本法(仮称)の制定で医師の地域偏在の解消を ~地域医療の未来、そして日本の医療の未来を守るために~」を公表した。提言は3月9日付け。

 提言では厚生労働省の医師需給分科会や「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の議論が停滞していることを指摘しつつ、「地域医療、そして日本の医療の未来を守るためには、一刻も早く具体的な医師偏在対策を実現すべきであり、グランドデザインとしての基本法を制定することが不可欠である」と訴えている。特設ウェブサイトで掲載し、ウェブ広告などを通じて一般向けにピーアールしている。

 岩手県は2009年度から「地域医療再生のためには、国を挙げた総合的な政策が必要である」として、自県の医師確保対策に留まらず医療政策提言などを行っている。2011年度に公表した地域医療基本法(仮称)の草案では、関係者の責務を下記のように記載している。

  国:地域医療再生に関する施策を策定し実施する義務を負う
  地方公共団体:地域特性に応じた施策を策定し実施する義務を負う
  医療機関:国および地方公共団体が講ずる施策に協力するよう努める
  国民:疾病に対する正しい知識を持ち予防に努め、医療サービスの適正利用に留意する
  医師等:国および地方公共団体が講ずる施策に協力し、地域医療再生に寄与するよう努める

 また、医師の適正配置について、国および地方公共団体が必要な施策を策定することを義務づけ、医師に関連しては「配置に協力した場合においては、当該医師の待遇の適性及び研修の充実を図らなければならない」としている。

 今回の緊急メッセージでは、地域医療は医師達の献身と志によって支えられているとして、「現状よりも過剰な負担や過酷な勤務にさらされることになれば、地域医療は崩壊しかねません。国全体で地域医療を守る仕組み、そして、地域医療に関わることで医師が成長し、研鑽を積むことにも繋がる仕組みが必要です」と記載。また、医師のキャリア形成に当たっては「成長過程にある若い医師が、将来、自身が目指すキャリアパスにかかわらず、地域医療に従事する経験を得ることは、医師の偏在解消という観点のみならず、将来の医療需要に対応できる医師を養成するためにも有益であるという視点で、施策の具体化を進める必要があります」と指摘している。

 同県医療政策室によると、厚労省の医師需給分科会やビジョン検討会の取りまとめが延期されるなどの状況を受けて、知事の意向で緊急的に提言を公表することになったという。広く世間に知ってもらう必要があるとして、広告代理店を通じて、ウェブ広告も掲載している。



https://www.m3.com/news/general/515507
医師が虚偽診断認める 百数十万円相当、見返りか 京都、組長収監逃れ
2017年3月28日 (火) 共同通信社

 指定暴力団山口組淡海一家の総長高山義友希(たかやま・よしゆき)受刑者(60)を巡る虚偽診断書作成事件で、京都府警に逮捕された民間大手「康生会武田病院」(京都市)の医師***容疑者(61)が取り調べに、虚偽の診断を認めていることが28日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、全容疑者は武田病院グループ職員の***容疑者(45)とともに、暴力団関係者から現金約100万円や数十万円分の商品券を受け取ったと認めたことも判明。府警は虚偽診断の見返りだった可能性があるとみて捜査している。

 ***容疑者は逮捕前の任意聴取に「医師として普通のことをした」とも話しており、慎重に供述内容を調べる。全容疑者は***容疑者から収監を免れたいとする暴力団側の意向を聞き、大阪高検の病状照会に対する回答書を作成していた。

 ***容疑者は当時、トラブルを起こす患者との窓口役で、病院にかかっている暴力団関係者にも対応。2人と一緒に逮捕された指定暴力団会津小鉄会系組員の山田英志(やまだ・ひでし)容疑者(48)が組長側の依頼を伝えていた。

 高山受刑者の実父が会津小鉄会トップで武田病院でも治療を受けたことがあった。府警は山田容疑者と病院側が知り合った経緯を調べる。

 高山受刑者に関し、武田病院と協力関係にある京都府立医大病院(京都市)の医師らも虚偽の診断をした疑いがあるとして、2月に家宅捜索した。

 武田病院グループの担当者は28日、「医療に対する不信を招いてしまったことを深くおわびする」とした上で、虚偽診断や金品のやりとりについて「把握していない。本人たちからも虚偽で書いたことはないと説明を受けている」と話した。

 ***容疑者らは共謀し、2016年1~2月、大阪高検の病状照会に「心室性不整脈はかなり重篤」などと虚偽を記載し、回答書として提出した疑いが持たれている。

G3註:原文は実名報道



https://www.m3.com/news/iryoishin/515416
シリーズ 日医代議員会
「医師偏在や専門医制対策、日医の組織強化が不可欠」
第139回日医代議員会、横倉会長「医学会とも協力」

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武会長は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、「医師の偏在対策や、新たな専門医の仕組みなどの問題解決の基盤として、医師会の組織をさらに強化していくことが不可欠」と述べ、医師会は「3層構造」であることから、群市区医師会の会員は、都道府県医師会会員に、さらに日医会員になるよう、今後も組織強化に取り組んでいく方針を表明した。

 また一般社団法人日本医学会連合の事務所が今春、日医会館から離れることについては、「連合という別法人が動いたということ。日本医学会はあくまで、日医内にとどまるという整理をしている」と説明、医学会と日医は従来通り協力して活動していくとした。

 日医会員は、2016年12月1日現在で、16万8533人。横倉会長が2012年に就任した当初、日医会員数は減少傾向だったが、「医師会組織強化検討委員会」を中心に取り組んできたとし、組織強化の必要性が広く認識され、さまざまな取り組みが全国の医師会で展開されてきたと説明。例に挙げたのが、和歌山医師会で、研修医の会費無料化をはじめ、臨床研修医の歓迎会の開催、広報誌の発行などの取り組みを行っているという。

 日医としても、勤務医や女性医師の登用に向けた理事定数の増員、医師資格証の普及、会員情報システムの再構築、入会メリットを紹介するパンフレット作成や医学生向けの情報誌『DOCTOR-ASE』の発行などを行ってきたとし、「ようやく下げ止まり、昨年は1500人が入会した。しかし、1年間に新たに医師になるのは、8000人を超えているので、決して十分とは言えない。全国の群市区医師会は約20万人であり、医師の約3分の2は医師会に加入していることになる」(横倉会長)。

 横倉会長は、「日医の組織率を上げるためには、都道府県医師会と郡市区等医師会の協力が不可欠。組織強化に関する各種調査を実施し、その結果を各医師会に返すなどして、各地域の実情に配慮した組織強化に向けた協力を依頼したい」と語った。

 医師の組織強化に向けた取り組みについて、ブロック代表質問したのは、和歌山県代議員の寺下浩彰氏。2015年12月の日医「組織強化検討委員会」の報告書に盛り込まれた内容の実行状況を質問。

 関連して、奈良県代議員の大澤英一氏は、日本医学会とは別に、2014年に一般社団法人「日本医学会連合」が設置され、この春から連合の事務所も日医会館から出ることについて、「(日医内の組織として位置付けられている)医学会が、もぬけの殻になる可能性がある」と述べ、日医の見解を質した。

 横倉会長は、連合として法人化した理由は、日本専門医機構など、法人格を持たないと社員になれない組織があるためであるとし、その上で現状を次のように説明。「今の場所が手狭になり、医学会連合として事務所を持つことになった。しかし、日本医学会会長は現在も日医会館におり、医学会の事務局も日医内にある。連合という別法人が動いたということであり、日本医学会はあくまで、日医内にとどまるという整理をしている。日本医学会と日医は定期的に会合を開き、相互に協力して活動している」。

 「医師の平均寿命、一般より約10歳短い」
 日医の組織強化については、個人質問でも徳島県代議員の大塚昭広氏が、「魅力ある医師会作りを行う方策」としての日医の見解を質した。「医師の平均寿命は、一般人よりも約10年短い」などの現状も提起し、医師の健康管理にも配慮した組織作りの必要性を訴えた。

 常任理事の市川朝洋氏は、横倉会長の答弁を繰り返し説明したほか、今期は「医師の団体の在り方検討委員会」を設置するなど、時宜にかなった課題ごとに委員会を設置し、課題解決を図ってきたとし、理解を求めた。

 そのほか、フロアから組織強化に向けた提案や意見が幾つか出された。

◆長野県代議員の関健氏
 発想を少し変えて行くことが必要ではないか。それには医師資格証を活用する。医師国家試験に合格した人全員にプレゼント、臨床研修が終わったら、医籍に修了登録するが、それも書き込む。また発行から5年後の更新時には、更新料を無料にすることなどを検討すべき。

◆宮城県代議員の橋本省氏
 たびたび代議員会で勤務医の組織強化について質問しているが、医師会員でない医師が約16万人いる。そのほとんどが勤務医であり、組織強化のためには、勤務医が医師会に入るような施策を打つよう要望している。しかし、いまだに直接的に勤務医が「日医が自分たちの見方だ」と思う施策は打たれていない。直接かつ確実に「日医は勤務医の見方だ」という施策を打ってもらいたい。

◆富山県代議員の馬瀬大助氏
 日医に入る動機づけがしっかりないといけない。富山県医師会では、医学会を開催して、専門医制度では必須、共通項目になっている医療倫理の講習を実施したところ、それまで約250人の参加だったが、今回は405人に増えた。日本整形外科学会、日本産科婦人科学会、日本小児科学会の3学会は、シラバスを決めて実施するならいいとして、専門医取得の単位として認めてもらった。医師資格証を持って、講習会に出ないと単位がもらえない、というくらいのインセンティブを付けて運営すると組織強化につながる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515414
医師の残業規制猶予、「医療の特殊性、理解された」日病
専門医機構「情報共有できていない」と指摘

2017年3月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会会長の堺常雄氏は、3月27日の定例記者会見で、2019年度からの導入が検討されている時間外労働の上限規制について、医師では5年間猶予される見通しになったことを受けて、「例外を認めないかなり厳しい改革だが、(政府・働き方改革実現委員会の)委員にも医療の特殊性に対するご理解を得られたと個人的に思っている」と述べた。一方で、病院勤務の医師の「超過勤務の多さは異常だと思う」として、医師に対する規制はさらにその5年後になる見通しだが、2019年度までには可能な限りの対応が必要との考えを示した。

 四病院団体協議会および日本医師会はこれまで、医師を適用除外とするよう要望していた(『「医師は適用除外を」、時間外労働の上限規制』を参照)。今年度中に公表される予定の働き方改革実現会議の「働き方改革実行計画」では、医師に対しての罰則を伴う残業規制は、法施行から5年間猶予される見通しとなった。堺会長は、新たな残業規制の運用が開始される2019年度までの2年間で「できることできないことのタイムテーブルを組んで我々から、(対応策を)言っていかないと行けない。その中で、行政、国民のご理解を得ていきたい」と述べた。

 また、時間外労働の在り方を定める労働基準法についても、「日本の病院は、長い歴史の中で三六協定が何かを明確に理解されていないところがある。医師も労働者となれば、雇用関係の中で『当直業務はこういうもの』『学会参加時は勤務か』といったことをしっかり契約に盛り込み、記録に残す必要がある」と話した。

新たの検討の場を予想、専門医
 3月23日の日本専門医機構社員総会で予定していた「専門医制度新整備指針」の運用細則が審議されなかったことについては、「機構としては予定通り進めたいという意向があるが、いろいろなステイクホルダーの間で情報共有ができていない」と指摘。前執行部体制に比べたらできているとしたが、それでも関係者、特に地方自治体の首長などから「地域医療崩壊」の懸念が出ている背景には、情報伝達不足があると述べた。

 混乱の背景には「医師が一人前になるまでの(卒前、卒後研修、専門研修など)各段階の連携がどうなっているのか。どこが責任を持つのか」が定まっていないことがあるとも指摘。社会保障審議会医療部会での議論が停滞しているとし、今後について「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」のような会議体ができるのはと予想し、「いずれにしても後期研修は、市中病院の関わりが大きく注目していきたい」と述べた。

 3月25日の理事会では、日病独自に養成を検討している「総合診療医」について(『日病が「総合診療医」養成を検討』を参照)、2018年4月からスタートさせる方針を確認したと報告した。



https://www.m3.com/news/general/515513
宙に浮く尊厳死法制化 「今の案では不完全」 「私たちの最期は」「解探る政官学」
2017年3月28日 (火) 共同通信社

 尊厳死の法制化を目指す超党派の国会議員連盟が、法案をまとめ上げたのは2012年だ。

 医師が人工呼吸器などの延命措置を中止しても、刑事、民事、行政上の責任を免除するとの内容。医師の独断で患者の命が左右されないよう、患者本人が正常な判断ができる間に意思を書面にしていること、2人以上の医師が判断に参加することを条件に付けた。

 だが5年たった今も法案は宙に浮いたままだ。

 「いろんな立場や思いがあり、各党とも党内合意がなかなか得られない。機が熟さない」と議連会長で民進党参院議員の増子輝彦(ましこ・てるひこ)(69)。

 人の生死の在り方を法律で規定することに賛否は分かれ、特に障害者や難病患者の支援団体から「命の切り捨てにつながりかねない」との声が上がった。議連は「障害者の尊厳を害することのないように留意しなければならない」との条文を加え、「本人が望まなければ法律は適用しない」と繰り返し説明した。

 増子は「これだけ速いスピードで社会の高齢化が進んでいる。国会も責任を果たす必要がある」と話すが、法案提出の見通しは立っていない。

 議連と伴走する形で法制化を目指してきたのが日本尊厳死協会(東京)。設立は1976年で、自らの意思で無用な延命措置を受けず、自然な死を迎えたいと願う市民約11万人が入会する。終末期医療を巡って医師が刑事責任を問われるたびに関心が高まり、会員数を伸ばしてきた。意思表示ができなくなった場合に備えて書面に残す「リビングウイル」の普及も呼びかけてきた。

 だがここに来て、理事長の岩尾総一郎(いわお・そういちろう)(69)は「議連の現法案のままで法制化を求めるのはやめよう」と考えるようになった。「今となってはあの法案では不完全。社会情勢に内容がそぐわなくなってきた」。この5年間にも高齢化はさらに急速に進み、認知症患者や身寄りのない独居高齢者が増加。終末期での本人の意思確認が困難を極めるケースが増えている。

 「尊厳死が本当に自らの意思なのか、時間がたっても気持ちが変わっていないか。第三者が患者の尊厳を守る仕組み作りが必要。時代に合った法案にしないといけない」

 岩尾は厚生労働省勤務が長く、最後は医政局長を務めた。岩尾の古巣は終末期医療にどう対応しているのか。(敬称略)



https://www.m3.com/news/general/515503
受刑中の国保料、減免に差 自治体への周知要請
2017年3月28日 (火) 共同通信社

 総務省は28日、受刑中も国民健康保険(国保)の保険料を支払うかどうか、自治体によって対応が割れているとして、減免可能なことを周知するよう厚生労働省に要請した。総務省は、減免により出所後の生活に必要な資金が確保され、円滑な社会復帰、再犯防止につながるとしている。

 刑務所や拘置所などに収容されている場合、国保や介護保険は適用されず、医療費などは全額を国が負担。こうした事情などから、自治体が条例で規定すれば、受刑者らの保険料を減免できる。

 総務省は全国64市町村を抽出し、昨年8月時点の状況を調査。国保では3自治体、介護保険では25自治体が減免していなかった。条例に規定がないためで、小規模な自治体が多かった。

 総務省の有識者会議では「法律で減免を定めるのが望ましいが、法定しなくても運営主体間で不均等にならないようにすることが適当」との意見があった。

 これを受け同省は、厚労省に対し、自治体に示している条例のひな型に減免規定を盛り込むことを検討したり、制度上は減免可能であることを自治体に伝えたりするよう要請。減免される場合も、受刑者ら本人からの申請が必要なため、周知を求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515559
シリーズ 日医代議員会
「受動喫煙対策、各医師会も協力を」、今村副会長
第139回日医代議員会、各医師会から推進求める声

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の今村聡氏は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、受動喫煙対策について、「2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、屋内完全禁煙を定める罰則付きの受動喫煙防止法や条例の制定を求めていく」と述べ、国民の健康を守るためにも、受動喫煙対策強化に向けた取り組みを邁進していく必要性を強調した。この問題については、対策強化を求める声が各医師会から多数挙がった。

 今村副会長は、低所得者で喫煙率が高く、「所得格差」が「健康格差」になっている現状を問題視。さらに例えば、飲食店では、利用者にとっての問題にとどまらず、そこで働く従業員には若いアルバイトが少なくないことから、「働く人」の健康を守る視点からの受動喫煙対策が重要とし、日医だけでなく、都道府県医師会レベルでの活動が求められるとした。

 ただし、一方で、受動喫煙対策強化には難しさもあるとした。今村副会長は、「たばこ税収が年間2兆円を超え、国や地方にとって大きな財源になっている。財政収入の安定的確保を目的としているたばこ事業法は根本から改めなければいけないが、たばこ税に代わる安定的な財源確保が当然必要になってくる。現在、巨額な債務残高を抱える我が国にとって決して容易なことではない」と説明。

 日本禁煙学会がインターネット上で実施している、受動喫煙防止に関する署名では、「反対が約60万件で、賛成が1万という状況。国民的な支援がない限り、なかなか簡単には行かない」と今村副会長は述べ、関係機関、関係団体が連携し、啓発活動などを継続して行うことが重要であり、その中で医師会が果たす役割は大きいとした。

 「たばこ規制法」の制定が必要
 受動喫煙対策について質問したのは、東京都代議員の蓮沼剛氏。都医師会では従来から受動喫煙対策に力を入れており、「タバコ対策委員会」を設置し、歯科医師会、薬剤師会、看護協会などの団体も巻き込み、対策に取り組んでいる。蓮沼氏は、「たばこ事業法」に代わり、「たばこ規制法」の制定が必要とし、日医の考えを質した。

 今村副会長は、「たばこ規制法」の制定は、「目指すべきゴール」と支持。受動喫煙対策は重要であるとしたものの、健康増進法の改正案について、「多くの国会議員から法案に対する反対意見、あるいは慎重論が出たために、当初の厚生労働案からかけ離れた内容が示されたことについては、国民の健康増進という視点からは容認されるべきものではない」と語気を強めた。

 その上で、受動喫煙により影響を受ける国民全体で問題意識を共有してもらうため、日医としては、国民向けの啓発資料として、『禁煙は愛』という冊子を作成するなど、さまざまな啓発活動に取り組んでいることを紹介。

 今村副会長は、2016年12月、厚労省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の資料にも言及。「40歳代男性の喫煙率は400台と非常に高い結果だった。さらに保険者ごとに違いがあり、所得の低い被保険者が多い協会けんぽにおいては喫煙率が高く、所得格差が健康格差につながる原因になっていると示唆された」。また、健康日本21(第二次)では、たばこが原因とされるCOPDの認知度を向上させることが盛り込まれていることを踏まえ、「都道府県の健康増進計画に位置付けることになっているが、10カ所の県でいまだ位置付けがなされていない。この点については確認し、ぜひ医師会から行政に働きかけをしてもらいたい」と求めた。

 関連で多数の質問
 受動喫煙対策については関連で、以下の通り、多数の質問や意見が出た。

◆東京都代議員の橋本雄幸氏
 東京都医師会では、東京都出身の議員にロビー活動をしているが、今国会で受動喫煙防止法の成立が危ぶまれている状況を鑑み、今後、JTやたばこ栽培農家、あるいは飲食店経営者、自民党のたばこ議連など、法案に反対する団体を圧倒する国民的な運動が必要ではないか。国民の8割くらいはサイレントマジョリティー、つまりたばこを吸わない世の中。日医が医療関係団体の先頭に立って活動することは考えているのか。

◆岡山県代議員の清水信義氏
 日医単独よりも、各都道府県医師会が禁煙宣言を出す方が、国民的な意見としてまとまっているという印象がある。日医は各都道府県医師会にそれを推進するよう働きかけてもらいたい。

◆群馬県代議員の川島崇氏
 サービス産業では、受動喫煙は、客の問題に矮小化されている。職員を守ることが必要であり、職場における受動喫煙対策を実施すると、国民の支援が得られるのではないか。

◆兵庫県代議員の橋本寛氏
 日医として、受動喫煙対策に関する意見広告を全国紙に出してもらいたい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515039
シリーズ 日医代議員会
「医師偏在解消、強制的な仕組み極力排除」、釜萢常任理事
第139回日医代議員会、「医師需給分科会の議論が最優先」

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、医師の地域・診療科偏在について、「国は、開業制限、外来受診時制限など、より厳しい規制を強制的に行ったり、医師以外の職種へのタスクシフティングを導入する可能性がある」との懸念を表明、日医としては、医師の自発的な意思を尊重し、強制的な仕組みを極力排除しながら、医師偏在が解消する着地点を探っていく方針であるとした。3月36日の第139回日医臨時代議員会で説明した。

 釜萢常任理事は、日医では「医師の団体の在り方検討委員会」で議論を深めており、同時に厚生労働省の「医師需給分科会」における医師偏在解消の議論が最優先されるべきと主張。横倉義武会長も同日の代議員会で、同分科会の早急な再開を求めていた(『「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長』を参照)。厚労省は「医師需給分科会」の議論を2016年10月にストップ、代わりに同じく10月に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」を立ち上げて議論を進めており、近く最終報告をまとめる予定。

 医師偏在対策、日医執行部で見解の違い?
 「日医執行部の考える医師偏在対策についての明確な回答」を求めたのは、奈良県代議員の大澤英一氏。質問の背景として、2016年9月20日の第1回都道府県医師会長協議会で、常任理事の羽鳥裕氏が、経済財政諮問会議で塩崎恭久厚労相による「診療所等の管理者要件として、特定地域・診療科での診療を義務付ける」との発言について、「2015年12月の日医・全国医学部長病院長会議の合同提案の一つ」と回答、2016年11月15日の第2回都道府県医師会長協議会で、常任理事の釜萢敏氏もその方針を大筋で認めるとしたものの、中川俊男氏と今村聡氏の両副会長は、「あくまで本人の意思を優先し、国の強制ではない」と答え、執行部の意見統一が図られていないことを指摘した。

 釜萢常任理事はまず、2004年度の臨床研修制度の導入が、医師の地域・診療科偏在に大きく影響したと認めた。政府は、2008年度から医師全体の養成数を増やす対応を取り、大幅な医学部定員増が行われてきたものの、「さらに新たな医学部の開設が浮上したため、2015年12月に全国医学部長病院長会議との合同緊急提言に至った」(釜萢常任理事)。

 2016年11月の都道府県医師会長協議会では、国の医師偏在対策についての議論の中で、医療計画においてデータに基づく医師不足地域を設定し、医師確保目標を設定、対策の策定を行い、その上で医師不足地域での勤務経験を、保険医登録の条件としてではなく、管理者要件にする案が出されていたことから、「合同緊急提言を踏まえて、大筋認めている」と説明したとし、理解を求めた。

 その上で、釜萢常任理事は、「国は開業制限、外来受診時制限など、より厳しい規制を強制的に行ったり、医師以外の職種へのタスクシフティングを導入する可能性がある。医学部定員についても、適正な水準への修正が延期される恐れがあることから、日医は医師自ら偏在対策についての具体策を提言する必要がある」との認識から、「医師の団体の在り方検討委員会」を設置、議論を深めていると説明。

 2008年度からの医学部定員拡大は、今後、その効果が現れることが期待される。「医師偏在対策は長期の展望に立ち、医学部入学時、臨床研修時、専門研修時など、各局面において一貫性を持って行う必要がある。そのためには、各地域の医師需給の実態を客観的指標に基づいて把握する。その際には、勤務医と開業医別、また診療科別のデータを検証するとともに、地域に暮らす人たちが現状を実際にどう評価しているかが重要。この結果は、地域住民、行政、医療関係者が納得できるとともに、国全体として整合性が取れなければならない」(釜萢常任理事)。

 「医師需給分科会」では、医学部入学時の地域枠の活用、臨床研修を出身大学と同じ都道府県で実施することによる定着など、具体化に向けた方向性が示されたことなどから、「まずは医師需分科会における議論が最優先されるべきと考える」と釜萢常任理事は述べ、医師偏在が実際に解消する着地点を探っていくとした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/515188
シリーズ 日医代議員会
「個別指導の8000件目標、既に期限切れ」、松本常任理事
第138回日医代議員会、指導大綱は見直さず運用で対応

2017年3月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「個別指導の年間8000件という目標は、既に期限が過ぎているものの、政府答弁で引用され、行政のノルマとなり、件数をこなすことが目的化している」

 3月26日の第139回日本医師会代議員会で、常任理事の松本純一氏はこう説明、この目標を掲げた「経済財政改革の基本方針2007」の考え方が継続されている現状を、再検討すべきと主張する日医方針を説明した。「基本方針2007」は、2007年5月の「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」で掲げた「個別指導年8000件」の実施を求めているが、これは2008年から2012年までの5年間の目標だ。

 保険診療に関する指導をめぐっては、レセプト1件当たりの平均点数が高い医療機関を対象に行う集団的個別指導、高点数が続いた場合の個別指導の実施を問題視する声も根強い。松本常任理事は、「高点数、イコール悪ではないと主張しているため、個別指導で高点数を下げる旨の指導は行われていないと理解している」と説明したものの、「高点数」を指標とした指導は萎縮診療を招くことから、「本来は診療内容で指導すべき医療機関を選定すべき」とし、さまざまな方策を検討していると説明。

 ただし、現行の指導大綱には問題はあるが、日医としては抜本的な法改正ではなく、厚生労働省当局と協議し、運用見直しにより、できるだけ是正していく方針だという。

 「高点数」を指標とした指導では、各都道府県の診療科別の平均点数、選定された医療機関の平均点数が分からず、「なぜ指導の対象に選定されたのかが、分からない」との問題もある。この点について、大阪府代議員の武本優次氏からは、近畿厚生局への申し入れにより、点数等が分かるような運用にしているとの紹介もあった。武本氏は、医師会の社会保険指導者講習会を、集団的個別指導に変えて医師同士で指導した方が、知識が広がるメリットがあると提案した。

 「高点数、イコール悪ではない」
 集団的個別指導・個別指導等について質問したのは、岡山県代議員の松山正春氏。(1)2007年に閣議決定された、個別指導年間8000件の目標をいつまで引きずるのか、(2)集団的個別指導後の個別指導は、岡山県では「高点数」についての教育的指導は行われず、一般的な指導に終始、通常の個別指導の指摘事項による返還等を求められるだけでは、指導に不信感を持つだけ、(3)1996年に改正された指導大綱を、現実に即した大綱に改める必要がある、(4)地方厚生局の医療指導官は、定年延長、専門医取得が可能になるような柔軟な運用にすべき――と提言。

 松本常任理事は、「保険医と保険医療機関が指導を受けることについては、健康保険法に規定されている」と説明。「保険医療機関の指定時には集団指導と個別指導が行われるが、あくまで教育的なものであり、懇切丁寧に行うこととなっている。その後、レセプト1件当たりの平均点数が高い医療機関は、集団的個別指導の対象となるが、実質的には集団指導のみとなっている。集団的個別指導を受けた医療機関のうち、翌年度もなお高点数の医療機関は、個別指導の主な対象となる。高点数という指標は問題だが、日医は『高点数、イコール悪ではない』と主張しているので、個別指導で高点数を下げる旨の指導は行われていないと理解している」。

 さらに、個別指導の中には、何らの疑義があり、実施されるものもあり、一定の返還金が発生するケースがあるが、「返還目的の指導は厳に慎むべきと主張している」とした。現行の指導大綱には問題があるものの、運用の見直しで是正するよう厚生労働省と協議を行うとし、「2017年度においても、2016年度に引き続き、医療機関の負担軽減の観点から見直しを行ったところ」と述べ、何らかの問題があれば、日医まで連絡するよう求めた。

 松山氏が求める指導医療官の定年延長や、専門医取得が可能になるような柔軟な運用についても、厚生労働省当局との協議で申し入れていくと答えた。

 関連で質問した愛知県代議員の加藤雅通氏は、「高点数で呼ばれる医療機関が、なぜ自院が高点数になったのかが分かるように、愛知県ではレセプトの平均点数を出すようにしている」と説明、ただし、院外処方と院内処方ではレセプト平均点数は異なるが、その辺りの調整がどのように行われているかが不明だとし、ロジックを明確にするよう求めた。

 松本常任理事は、「高点数」の根拠については、日医としても地方厚生局や厚労省に明らかにするよう申し入れているが、なかなか明確な回答が得られないと述べるにとどまった。



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0328506828/
「日病版総合医」、来年春にも研修医募集へ〔CBnews〕
日病・堺会長が方針

CBnews | 2017.03.28 13:00

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は27日の定例記者会見で、日病が内部で検討している「総合診療医」について、6月にも研修プログラムを策定した上で、来年4月にも研修医を募集する方針を明らかにした。【敦賀陽平】

 日病は昨年10月の理事会で、病院の総合診療医について検討する委員会を設置することを決定。患者の高齢化に対応できる医師を増やすことが主眼で、同委では、病院の医師を有効活用するための方策などについて協議している。新年度の事業計画でも、人材育成の一環として、重点項目の一つとなっている。

 堺会長はまた、政府の働き方改革に関して、「日本の病院は古い流れの中で、三六協定が何なのかがあまり明確に理解されていないところもある」と指摘した。

 その上で、「雇用関係の中で、『当直業務はこういうものだ』とか、学会に行く時は、『これは業務だが、これ以上は無理だ』とか、そういうことをしっかりと契約し、記録に残す必要がある」と述べ、勤務内容を正確に記録するためのシステムづくりの必要性を示した。

(2017年3月28日 敦賀陽平・CBnews)



http://mainichi.jp/articles/20170329/k00/00m/040/149000c
東京女子医大病院
「薬過量投与で死亡」で賠償提訴

毎日新聞2017年3月28日 22時06分(最終更新 3月28日 22時06分)

脳腫瘍女性遺族、総額4300万円の損害賠償求める
 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年9月に抗てんかん薬を過量投与された女性が重い副作用で死亡した問題で、遺族が28日、病院の運営法人と医師2人を相手取り、総額約4300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。遺族側によると脳腫瘍を患う長浜さんは14年1月から同病院の処方で抗てんかん薬を服用。同8月には短期間で薬効を高めるとして、別の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を追加され、添付文書で定められた量の16倍の1日200ミリグラムを連日投与された。

 薬剤師が医師に「量は正しいのか」と照会したが見直されず、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。投与開始から20日後に肺出血を併発して死亡した。遺族側は「医学的な必要性がないのに、説明もないまま添付文書に反する危険な処方をした」と訴えている。

 医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた日本医療安全調査機構の報告書は、処方を「標準的な選択とは言えず、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るべきだった」と指摘した。同大学広報室は「訴状を見ておらず具体的なコメントはできないが、誠意をもって対応する」としている。【伊藤直孝】

「医師から副作用のリスクの説明はなかった」
 「医師はなぜ死ぬリスクのある処方をしたのか」。東京女子医大病院による薬の過量投与後に亡くなった長浜裕美さんの夫、明雄さん(42)は記者会見で悔しさをにじませた。

 投与開始から20日後、皮膚がはがれて妻は変わり果て、痛みと絶望の中で亡くなった。主治医は「投与量よりも体質の問題」などと説明した。だが、薬の添付文書は用法や用量を守らなければ重篤な皮膚障害が表れることがあると警告していたのを後に知った。「妻の身に起きたことがそのまま書かれていた」

 医師から副作用のリスクの説明はなかったという。第三者機関も過量投与を認めたのに、病院側は「リスクは説明した」と責任を認めなかった。明雄さんは「安易な処方が招く結果を考えてほしい。問題を繰り返させないためにも裁判で原因と責任を明らかにしたい」と強調した。【銭場裕司】



http://news.livedoor.com/article/detail/12859723/
文春に360万円賠償命令=徳洲会元事務総長が勝訴-東京地裁
2017年3月28日 20時11分 時事通信社

 医療法人「徳洲会」グループの資金3000万円を着服したとして業務上横領罪に問われた元事務総長能宗克行被告(60)=一審で有罪、控訴=らが、週刊文春の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋に計6600万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(伊藤正晴裁判長)は28日、同社に計363万円の支払いを命じた。

 問題となったのは、2013年10月に「徳洲会マネー100億円を貪(むさぼ)る『わるいやつら』」などの見出しで掲載された2本の記事。

 伊藤裁判長は、能宗被告が引き出した資金の相当額は、徳洲会グループなどの政治や選挙活動に支出したと推認されると指摘。同被告が私的に流用したとする記事内容は真実とは認められないなどと判断した。

 文芸春秋の話 承服し難い判決で、直ちに控訴する。 



http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170328000028
口からビー玉、入院患者への虐待疑い謝罪 京都・舞鶴市民病院印刷用画面を開く
2017年03月28日 09時40分 京都新聞

 舞鶴市立舞鶴市民病院(京都府舞鶴市倉谷)は27日、60代の男性入院患者2人について、体にあざや口の中からビー玉が見つかったと発表した。相談を受けた舞鶴署は虐待の疑いがあるとして捜査している。

 病院によると、1人の患者は2月24日から今月11日の間に4回、手の爪に変色や、左脇や胸にあざが確認された。服用する薬剤の影響であざができやすかったが、短期間に複数できるのは不自然という。別の患者は12日の歯磨きなどの際、直径1・5センチの青色のビー玉1個が口に入っているのが見つかった。

 2人は3階の同じ4人部屋にいて、寝たきりの状態だった。ビー玉が見つかった患者は25日に亡くなったが、病院は持病の悪化で今回の件とは無関係としている。院内には防犯カメラは設置されていないという。

 看護師らへの聞き取りでは全員が関与を否定。舞鶴署には21日に相談した。入院患者や家族への説明を28日以降行う。井上重洋病院長は会見で「偶発か故意かは分からなかった。患者や家族、市民に不安な思いをさせて申し訳ない」と謝罪した。病院は医療療養型で100床。

 病院前では、患者の家族から驚きや不安の声が聞かれた。市内の80代男性は「妻が入院しているが、いつも対応が良いので信じられない。悪い話は聞いたことがなく、本当だろうか」と驚いた様子。義父が入院している市内の50代女性は「義父の容体は良くないので不安だ」と心配した。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10793
横浜逓信病院を売却=日本郵政
2017年3月28日 (火)  時事通信

 日本郵政は28日、横浜逓信病院(横浜市)を4月1日付で社会福祉法人、恩賜財団済生会(東京)に譲渡すると発表した。同会は病院を一時閉鎖し、施設を改修した上で2018年以降の開業を目指す。
 日本郵政は全国の10カ所で逓信病院を運営。このうち札幌市、徳島市の病院も4月1日付でそれぞれ別の医療法人に売却することを決定している。 【時事通信社】



http://www.47news.jp/feature/medical/2017/03/post-1672.html
核医学推進へ国民会議設立
深刻な専用病床不足
専門医、患者が参加

2017.03.28 共同通信

 がん治療の一つとして、放射性物質を利用した薬剤を投与し、がん細胞に取り込ませてがんをたたく方法がある。全身に行き渡るので転移がんにも有効で、患者への負担が小さいのも利点だ。だが、日本では入院治療に必要な専用病床が少なく、1年以上待たされる患者がいる。改善に向け、医師や患者、製薬企業などが核医学診療推進国民会議を昨年末に設立し、国などへの働き掛けを強めている。

▽保険適用も
 絹谷清剛・金沢大教授(腫瘍核医学)によると、医薬品に用いる放射性物質には、甲状腺がんなどに対するヨウ素131、骨転移したがんの痛みを抑えるためのストロンチウム89、ある種のリンパ腫に対するイットリウム90、前立腺がんに対するラジウム223があり、それぞれが保険の対象だ。日本では保険適用ではないが、褐色細胞腫など内分泌系腫瘍へのヨウ素131入り医薬品も使われている。

 これらの医薬品は狙ったがん細胞に集まる性質を持たせてあり、がんに至近から放射線を浴びせられる。絹谷さんは「各学会の診療ガイドラインで推奨されている、確立した治療法です」と話す。

 多くは外来治療が可能だが、甲状腺がんや内分泌系腫瘍に対するヨウ素131を用いた医薬品だけは、周囲への放射線量が高くなるため放射線管理のできる専用の病室への入院が必要だ。甲状腺がんの場合、手術で甲状腺を摘出した後、取り残したり転移したりしたがんをたたくためにヨウ素を含む薬のカプセルを飲む。

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▽地域的な偏り
 放射線医学総合研究所の東達也・分子イメージング診断治療研究部長(腫瘍核医学)は「国内に専用施設が少なく、地域差も大きい」と指摘する。

 日本核医学会の2015年のまとめでは、専用病床は全国で計135床。現行制度では採算性が厳しく、廃止が相次いだ結果だ。茨城、岐阜、滋賀、奈良、和歌山、佐賀各県には1床もないか、使われていない。都市部にも少ないという。日本の1床当たりの人口は約94万人で、ドイツの約8万人、フランスの約44万人、英国の約75万人(いずれも1999年当時)と比べて不足が目立つ。

 一方で、社会の高齢化や超音波診断の進歩に伴って甲状腺がん患者は増え、治療までの待ち時間が延びている。

 2013年の同学会のアンケートでは、手術後1カ月未満でこの治療を受けた患者は3%だけ。半年~1年未満が28%、1年以上が56%に達した。半年以上遅れると死亡リスクが4・2倍に増えるとの研究結果があり、制度や設備の限界が患者の不利益になっている。

▽新薬導入にも必要
 東さんは「世界では30を超える放射性医薬品の臨床試験が進行中で、そうした新薬を国内で使うためにも病床が必要。改善が急がれる」と話す。厚生労働省によると、現在進んでいるがん対策推進基本計画の見直しでは、放射線治療の一つとして体制整備を盛り込む方向だが、政策の具体化はまだ先だ。

 こうした現状に、患者団体、患者を支援する団体も危機感を募らせ、国民会議に名を連ねる。

 その一人、NPO法人がんサポートコミュニティー(東京)の大井賢一事務局長は「多くの患者が、こうした治療法があることさえ知らない」と嘆き、「患者に治療法の情報を提供するとともに、治療を受けられない患者の声を国に伝えて改善を求めていく」と話す。

 国民会議代表の絹谷さんも「世界の患者が受けている治療が日本では受けられない状況を解消するため、国民会議の場で患者会とも協力して訴えていきたい」としている。
(共同通信 由藤庸二郎)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/57339/Default.aspx
医療ICT世論調査 遠隔診療への応用は「患者負担に配慮を」 日本医療政策機構
2017/03/29 03:50 ミクスオンライン

日本医療政策機構は3月28日、一般消費者を対象とした「2016年医療ICTに関する世論調査」の結果を発表した。遠隔医療など、インターネットを用いた医師の診療については、「未治療群」の過半数で前向きに受け止めていることが分かった。遠隔診療を受ける理由は、「通院の手間が削減され、治療の継続が楽になる」が全体の580を占めた。このほか生活習慣病治療の中断理由について聞いたところ、年収400万円未満世帯で「費用面の負担」をあげていた。この調査結果を受け同機構は、政策面での課題に言及し、遠隔診療などに医療ICTを活用する場合は、「患者の個人負担などに配慮する必要がある」と強調した。

同調査は、①遠隔診療、②健康・医療データの共有、③人工知能の臨床応用-をテーマに、2016年11月~12月にインターネットを通じ、全国の男女1191人から回答を得た。

インターネットを用いて医師の診療を受ける「遠隔診療」については、850が「受けてみたい」と回答した。その内容については、予防的な相談や慢性疾患のケアに関するものが多く、さらに回答の内訳をみると、健康体よりも、慢性疾患を指摘された「未治療群」で期待が高いことが分かった。遠隔診療に対する関心度を地域別にみると、離島や山村に限らず、都市部においても関心の高さが浮かび上がり、その理由として「通院の手間」をあげる回答が全体の約6割を占めた。なお、遠隔診療に用いるコミュニケーションツールとしては、テレビ電話をメインにチャットを補助的に用いるが480で最も高かった。

◎ICT活用の遠隔診療は治療中断の障壁を取り除く 政策的には「費用負担軽減を」

生活習慣病の治療中断の理由について聞いたところ、年収400万円未満世帯では「費用面の負担」が340となり、通院の手間や、仕事や家庭環境の変化といった項目を上回った。この結果に対し同機構は、「遠隔診療は治療中断の障壁を取り除く可能性がある」と指摘しており、今後の保険導入に際しての議論では、「個人の費用負担を抑えることも同時に検討する必要がある」と分析した。

◎人工知能の臨床応用「導入段階は医師のサポート」

医療・健康データの取り扱いについては、その管理者や所有者について世代間ギャップのあることが分かった。人工知能の臨床応用については、「診断精度が高ければ人工知能を診断に活用して欲しい」との回答が600と最も高かった。そのほか人工知能の活用については「医師の補助」が510だったのに対し、「メインで使用」が290と、22ポイントの差が見られた。同機構はこの結果について、「人工知能は導入段階ではあくまで医師のサポート役であり、最終的な判断は医師が下すという使われ方の方が受け入れられやすい」と結論づけた。


  1. 2017/03/29(水) 05:46:35|
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