Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月16日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/512166?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170316&dcf_doctor=true&mc.l=211715363&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ 降圧剤論文問題と研究不正
元社員、ノバ社ともに無罪、「改ざんあるも、罪に当たらず」地裁判決
裁判長「不正関与が原因とはいえ、大変お疲れさまでした」

2017年3月16日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤(一般名バルサルタン:ディオバン)を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員、白橋伸雄被告とノバ社に対して、東京地裁は3月16日、無罪判決(求刑:白橋伸雄氏に懲役2年6月、同社に罰金400万円)を言い渡した。辻川靖夫裁判長は「論文作成においてイベントの水増し、恣意的な群分け、データの改ざんがあったが、学術論文を作成、投稿することは薬事法の規制対象には当たらず、罪に当たらない」と説明した。

 判決読み上げ後、辻川裁判長は白橋氏に対し「不正な関与が原因とはいえ、長い間勾留され大変お疲れさまでした」と声をかけた。

 白橋氏弁護人は「不満な点は多々あるが、結論としては冷静かつ妥当な判決」。ノバ社は「無罪判決ではあるが、この問題の本質は、医師主導臨床研究において、弊社が適切な対応を取らなかったことにある。日本の医学・医療の信頼を大きく失わせてしまったことに対して社会的、道義的責任を感じている」とのコメントを出した。

 読み上げられた判決要旨ではまず、白橋氏による(1)データの水増しがあったか、(2)CCB論文(カルシウム拮抗薬とバルサルタンの併用効果を検討したサブ解析論文)において恣意的な群分けがあったか、(3)論文においてP値等を改ざんしたか――を検証。辻川裁判長は検察側が起訴事実に挙げた45症例のうち、40症例が白橋氏による意図的な水増しと認定。さらに、CCB論文におけるCCB投与群と非投与群の群分けに関しても、「そもそもKHSのデータでは、CCB論文の記載の定義で群分けができない。群分けに当たっては、イベント発生をCCB投与群で下げ、非投与群で上げるように作為されている」と指摘した。P値等の改ざんについても、実際の解析を担当していたのが白橋氏のみで、統計に関する知識を十分に有していたことから、意図的に行われたと認定した。

 その上で、学術論文を作成する行為が薬事法66条1項「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」に当たるかを検討。厚労省の通知における「顧客誘引性、特定性(特定の医薬品を説明)、認知性」の3要件のうち、特定性、認知性はあるとしたが、「本件では抜き刷りがノバ社によるプロモーション資材として使われるなどしたが、査読を経て掲載される学術論文それ自体に顧客誘引性があるとは言いがたい」として、一連の行為が罪に当たらないと判断した。

 白橋氏の弁護士は「不満な点は多々あるが、結論としては冷静かつ妥当な判決。そもそも本事件は刑事事件にすべきものだったのか」とコメント。ノバ社は自社サイトで「無罪判決ではありますが、弊社はこの問題の本質は、医師主導臨床研究において、弊社が適切な対応を取らなかったことにあると認識しております。その結果、日本の患者の皆様およびご家族の皆様、医療関係者の皆様、研究者の皆様ならびに社会全体にご迷惑をおかけしましたこと、また、日本の医学・医療の信頼を大きく失わせてしまったことに対して社会的、道義的責任を感じています。弊社はこれまでに再発防止策として医師主導臨床研究の支援方法を全面的に改め、新しい研究助成方針を導入するなど多くの社内改革に取り組んでまいりましたが、今後も社会的責任を果たしていくためにも企業風土・文化の改善を継続して行ってまいります」とのコメントを掲載した。

 起訴状では、京都府立医大大学院に所属する医師らにより実施されたバルサルタンの心・脳血管保護作用を検証した「KYOTO HEART Study」(KHS)、およびサブ解析において、白橋氏はノバ社担当部長として臨床試験のデータ解析を担当。医師らが2011年と2012年に発表した論文で、別の降圧剤を服用した患者グループの脳卒中のイベント数を水増したり、統計的に有意かどうかの指標となるP値を改ざんしたりするなどした図表を作成し、虚偽と知らない同大医師らに提供するなどし、論文を海外ジャーナルに投稿させ、バルサルタンの効能効果に関して虚偽の内容を記述させたと主張。従業員の業務としての違法行為であるとして、ノバ社も起訴された。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10698
ノバルティス元社員に無罪=論文は広告に当たらず-データ改ざんは認定・東京地裁
2017年3月16日 (木)  時事通信

 製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」をめぐる論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(誇大広告)罪に問われた元社員白橋伸雄被告(66)の判決が16日、東京地裁であった。辻川靖夫裁判長は白橋被告による改ざんを認定したが、「論文は広告に当たらない」と判断し、無罪(求刑懲役2年6月)を言い渡した。法人としての同社も無罪(求刑罰金400万円)とした。

 白橋被告は京都府立医科大の医師らが実施したディオバンの臨床研究で、データの統計解析を担当。同社に有利に改ざんしたデータを医師に提供し、2011、12年に論文を発表させたとして起訴された。

 弁護側は「意図的な改ざんをした事実はない」と無罪を主張したが、辻川裁判長は、白橋被告がデータの管理を一手に担っていたことから、医師ら第三者による改ざんを否定。「被告が意図的にデータを改ざんしたと推認できる」と述べた。

 その上で、白橋被告が渡したデータを基に医師が論文を作成し、学術雑誌に投稿した行為が誇大広告に当たるかを検討。「研究成果の発表であり、購入意欲を喚起させる手段とは言い難い」と判断し、被告の行為は罪にならないと結論付けた。

 ディオバンの臨床試験は府立医大のほか4大学で実施されたが、データ改ざんが発覚し、同大などの論文は撤回された。14年に厚生労働省が刑事告発していた。

 厚労省は「引き続き臨床研究と製薬企業の活動の適正性確保に努めたい」との談話を発表した。

 落合義和東京地検次席検事の話 主張が認められなかったことは遺憾。判決内容を十分検討して適切に対処したい。 【時事通信社】



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/55288/Default.aspx
ディオバン臨床研究不正 ノバルティスと白橋被告に無罪判決
2017/03/17 03:52  ミクスOnline

ARB・ディオバンをめぐる医師主導臨床研究でデータを改ざんし、論文に掲載させたとして医薬品医療機器等法(薬機法)違反に問われた事件で、東京地裁は3月16日、ノバルティスファーマと同社・元社員の白橋伸雄被告に無罪判決を言い渡した。検察側は、被告会社に罰金400万円、被告人に懲役2年6か月を求刑していた。辻川靖夫裁判官は、心血管イベントの水増しなどについて「意図的な改ざんであった」などと不正を認定した。ただ、論文掲載の過程自体は通常の過程と同様であり、「それ自体が購入意欲を喚起・昂進させる手段としての性質を有するとは言い難い」として、旧薬事法(現・医薬品医療機器等法)第66条1項の誇大広告に当たらないと判断した。

この事件は、京都府立医科大で実施された医師主導臨床試験「KYOTO HEART Study」のサブ解析を会社の広告資材に用いるため、白橋氏がデータを改ざんしたこと、虚偽のデータに基づいて執筆させた論文を医学誌に掲載させ、Webなどを通じて医学界に広く伝播させたことが、旧薬事法66条1項の「効能、効果に関連する虚偽の記事」に該当するか、争われた。ノバルティスファーマは、元社員への監督が不十分であったとして両罰規定により、罰金刑が求刑されていた。

問題となった試験のサブ解析では、日本人高リスク患者を対象に、Ca拮抗薬単剤群(非ARB群)とディオバンを併用する群(ARB群)を比較し、ARB群の有用性を検討した。争点となったのは、①非ARB群のイベント数の水増しの有無、②意図的な改ざんの有無、③イベント数水増しによる臨床研究結果への影響、④恣意的な2群間の割り付けと、データ解析の図表の提供の有無、⑤P値など、意図的に改ざんを加えたデータを記載した図表の提供の有無――の5点の事実認定。さらに、旧薬事法66条1項で示された「効能、効果に関する虚偽の記事」に該当するか、また被告人が改ざん業務に及んでいた場合、ノバルティスの業務に関連するか、などの法解釈が争点となった。

◎イベント数を水増し「意図的な改ざん」

判決要旨では、心血管イベントの発生について非ARB群のイベント数を水増ししたもので、意図的な改ざんであったと認定。通常ランダムに行う投与群の割り付けも恣意的に実施。それを隠して、P値の算出や図表の提供などを行っていたとした。

その上で、論文の記載が旧薬事法66条1項で言う広告に該当するか、が争点となった。広告とは、顧客を誘因するための手段として広く世間に告げ知らせる行為とされる。66条1項では、「虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布してはならない」と記されている。

今回問題となった論文を作成、学術雑誌への投稿、掲載した一連の行為について、判決では「同雑誌の性格や掲載に至る経緯、論文の体裁、内容等を客観的にみると、研究成果の発表行為として理解される一般の学術論文の学術掲載と異なるところはなく、それ自体が購入意欲を喚起・昂進させる手段としての性質を有するとは言い難い」と説明。Webを通じた情報発信が「記述」に該当しないと判断した。

◎ノバルティス「問題の本質は医師主導臨床研究で適切な対応をとらなかったこと」

ノバルティスファーマは、「この問題の本質は、医師主導臨床研究において、弊社が適切な対応を取らなかったことにあると認識している」とし、「日本の医学・医療の信頼を大きく失わせてしまったことに対して社会的、道義的責任を感じている」と謝罪した。

すでに同社では、医師主導臨床研究での奨学寄附金による研究助成を廃止し、契約方式に改めるなど、社内改革を実施しているところ。「今後も社会的責任を果たしていくためにも企業風土・文化の改善を継続して行っていく」とした。

◎厚労省 臨床研究法案の成立で「臨床研究と製薬企業の活動の適正性確保を」

この事件について原告、被告ではないものの、刑事告発を行った経緯のある厚生労働省は、「個々の判決についてのコメントは差し控えたいが、我が国の臨床研究に対する国民の信頼を回復することが大切であると考えている。厚生労働省としては、臨床研究と製薬企業の活動の透明性確保のため、臨床研究法案を提出しており、引き続き臨床研究と製薬企業の活動の適正性の確保に努めたい」との談話を出した。



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-0317m040079/
バルサルタン事件:解説 「薬とカネ」構造変わらず
2017年03月16日 21時23分 毎日新聞

 16日の東京地裁判決は、製薬会社ノバルティスファーマ元社員が臨床研究データを改ざんしたこと自体は認定しており、「薬とカネ」の疑惑に一定程度切り込んだ。しかし製薬会社から医師側に流れる「奨学寄付金」は2015年度分で236億円に上り、疑惑発覚から5年経過しても構造は変わっていない。

 「日本製薬工業協会」に加盟する製薬各社は12年度分から、医療機関や医師への資金提供額を公開しており、毎日新聞が集計した結果、15年度分は約3800億円に上る。このうち、今回の改ざんの温床になったのは、受け取る側が自由に使える「奨学寄付金」だ。

 最多だった12年度分より約3割減ったものの、公開は協会加盟社に限られ、業界全体から見れば「氷山の一角」に過ぎない。協会の自主的取り組みのため、開示漏れがあっても罰則ルールはない。

 政府は、医師側への資金提供の一部について情報公開を製薬会社に義務付ける「臨床研究法案」を昨年の国会に提出したが、継続審議のままだ。研究倫理に詳しい斉尾武郎(さいお・たけお)医師は「健全な研究環境を整える上でも奨学寄付金は廃止すべきで、必要な資金は公的機関が提供すべきだ」と指摘する。【河内敏康】



https://www.m3.com/news/general/512067
鎮静剤など投与ミス4件 日大板橋病院、心肺停止も 15~16年、厚労省聴取
2017年3月16日 (木) 共同通信社

 日大板橋病院(東京)で2015~16年、患者3人への鎮静剤などの投与ミスが4件相次いでいたことが15日、関係者への取材で分かった。うち1件は、鎮静剤を急速投与された70代男性が一時心肺停止となる重大事案。また同じ女児に対し、鎮静剤と解熱剤の過量投与が短期間に続いて起きていた。厚生労働省は既に病院関係者から事情を聴いており、今後対応策などを詳しく確認する。

 病院側はミスを認め「あってはならないことで深くおわびする。再発防止策を講じている」とのコメントを出した。

 薬剤の投与ミスを巡っては今年1月、東大病院で15年に入院中の男児が別の患者の内服薬を投与され、翌日死亡した事案が発覚したばかり。東大病院は「誤投与が死亡に何らかの影響を与えた可能性がある」としている。日本医療機能評価機構が15年に報告を受けた薬剤関連の医療事故は260件に上っており、医療現場には管理体制の強化が改めて求められる。

 日大板橋病院などによると、15年7月、入院中の70代男性が、鎮静剤プレセデックスの急速投与を受け、一時心肺停止になった。急速投与は添付文書上、重大事故を招く恐れがあり、適切な対応が必要な「警告行為」となっているが、看護師が医師の指示を受けずに実施していた。男性は16年9月に口腔(こうくう)底がんで死亡。ただ病院は「薬が原因ではない」としている。

 また16年5月には、研修医が、添付文書を十分に確認せずに、救急搬送された80代男性へのプレセデックスの急速投与を指示し、看護師が実施。男性の健康状態に問題はなかったという。

 さらに16年12月、入院中の2歳女児に対し、看護師が点滴の設定を誤り通常の10倍のプレセデックスを投与。別の看護師がミスに気付き中止したが、約10日後、この女児に解熱剤アセリオを過量投与するミスも起きた。研修医が投薬量の指示を間違えたのが原因という。いずれも女児に異常は確認されなかったとしている。

 病院は、ダブルチェックの不徹底や薬の知識不足が背景にあるとして、現在はプレセデックスの使用を禁止。危険な薬剤の使用方法を明記した冊子を作成し、医師らに携帯を義務化するなどの対応を取っているという。

 ※日大板橋病院
 日大医学部の付属病院で1935年に開設された。所在地は東京都板橋区。ホームページなどによると、心臓外科や産科など30以上の診療科があり、約千床を有する。常勤医師数は500人超で、2013年度の1日平均患者数(外来)は約2200人。高度医療を提供する特定機能病院や、がん診療連携拠点病院などの指定を受けている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/512101
シリーズ 中央社会保険医療協議会
薬価の「中間年」改定、対象品目はどう定義?
製薬業界、「価格乖離大」の基準提示に懸念も

2017年3月16日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、2年に一度の通常改定の「中間年」の薬価改定の対象品目について議論した。「価格乖離」が大きい品目をどう定義するか、また具体的数値基準を示すか否かが検討課題になるが、支払側は、製薬企業経営の予見可能性の確保、ルールの公平性という観点から、「具体的数値基準を示すかどうかは別としても、一定の考え方があった方がいい」と指摘。製薬企業からは、具体的数値基準の提示には慎重な検討を求める声が上がった(資料は、厚生労働省のホームページ)

 「価格乖離」が大きい医薬品を対象とした「中間年」の薬価改定は、2016年12月の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」で打ち出された。今年2月の中医協薬価専門部会では、薬価調査の在り方を議論(『薬価の「中間年」の調査、本調査とは別』を参照)。

 残る検討課題として、(1)価格乖離が大きい品目をどう考えるか、(2)事前に、薬価改定の対象となる具体的数値基準を示すこと、あるいは示さないことのメリット、デメリットをどう考えるか、(3)後発医薬品については、同価格帯の一部が価格乖離の大きい品目として薬価改定の対象となった場合、価格帯との関係についてどう考えるか――がある。(3)は、後発医薬品が複数ある場合、個々の薬ではなく、価格帯を最大3つに分類して、価格帯別に薬価算定しているために生じる課題だ。

 全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、「中間年の薬価調査に伴う薬価改定の品目については、製薬企業の予見可能性の確保、ルールの公平性という観点から、具体的数値基準を示すかどうかは別としても、一定の考え方があった方が望ましいのではないか。一定の考え方を設けない場合には、年によって改定に差が出ることになると懸念する。また後発医薬品の価格帯についても、公平性の観点から、一部の後発医薬品について価格乖離が生じ、薬価改定となった場合には、その薬を含む価格帯で価格を見直していくことが妥当ではないか」と述べた。

 専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬常務執行役員)は、「具体的数値基準の示し方にもよるが、一定率という示し方をされると、価格交渉や納入価交渉のメルクマールという話にもなるので、注意が必要」と述べ、慎重な検討を求めた。

 日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏からは、「中間年」の薬価改定への不安が出ているとの指摘も上がった。「価格乖離が大きい品目を対象とするというが、まだ具体的なものは何も出ていないので、現場では、『大変大きな影響があるのではないか』と不安が大きいと感じている」と述べ、小規模の薬局などは、価格交渉はあまりせず、結果として、大きな価格乖離がないのに、薬価が下がり、経営に影響が生じるケースも想定し得るとした。また「国が進めている後発医薬品の推進に水を差すことがないように、対応していく必要がある」とつけ加えた。



http://www.medwatch.jp/?p=12827
新専門医制度、医師偏在や総合診療専門医などの課題は解決されるのか―全自病・邉見会長
2017年3月16日 | 医療現場から MedWatch

 新たな専門医制度について、領域ごとの「運用細則」が近く策定されるが、地域・診療科別の医師偏在の解消などができるのだろうか。また病院における総合診療医などの養成がなされるのだろうか―。

 全国自治体病院団体協議会が15日に開催した定例記者会見で、執行部からはこのような懸念が示されました。

ここがポイント!
1 全自病が専門医機構の社員となり、病院の実態にあった制度構築をしたい
2 ビジョン検討会の働き方調査結果、実態を表すものになりえないのでは

全自病が専門医機構の社員となり、病院の実態にあった制度構築をしたい

 新専門医制度については、当初、2017年度からの養成スタート予定でしたが、「地域・診療科における偏在が助長される可能性が高い」との医療現場の指摘を受け、一斉スタートを1年間延期。その間に、様々な課題を解決することとなっています。

 昨年(2016年)末には、新専門医制度の根本法にあたる整備指針(専門医新整備指針)を決定。現在は領域ごとの「運用細則」の策定に向けた議論が進められており、早ければ17日の理事会で了承される見込みです。

 この新専門医制度に関連して邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長・兵庫県)は、「今年の初期臨床研修のマッチング状況を見ると、すでに研修医は2年先を見通し、大学病院や地域の基幹病院に集中している」と指摘。医師偏在が進むのではないかとの懸念を示しています。

 また末永裕之参与(小牧市民病院事業管理者・愛知県)は、「1年間立ち止まったが、何が見直されたのか疑問を感じる。学会主導の懸念も払拭されていない。総合診療医についても、どういった医師をつくるのかは未だに明確になっておらず、我々が求めている『病院総合医』ができるのだろうかという疑問もある。あと1年で養成がスタートするが、こういたさまざまな問題を解決できるのだろうか」と疑問を投げかけています。

 こうした状況を踏まえて邉見会長は「2017年度には全自病が日本専門医機構の社員となり、機構の各委員会に全自病幹部が出席し、病院の実態に合った専門医制度構築を行いたい」との意欲も述べています。

ビジョン検討会の働き方調査結果、実態を表すものになりえないのでは

 ところで、厚生労働省の社会保障審議会・医療部会や、その下部組織にあたる医療従事者の需給に関する検討会などが、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の結論待ちで、動いていない点について邉見会長は、「塩漬け」「風化」「化石化」などと揶揄し、こうした事態を招いている塩崎泰久厚生労働大臣の姿勢を強く批判しました。

 またビジョン検討会では大規模な働き方調査を実施しており、その結果も近く公表される見込みですが、「調査項目も画一的で、医療現場の実態を表すものとはなりえない。結果が一人歩きして、制度が決まるので不幸になってしまう」との危機感を訴えています(関連記事はこちらとこちら)。

 なお、昨今の医師による不祥事に関連して中島豊爾副会長(岡山県精神科医療センター理事長兼名誉院長、岡山県)と邉見会長は、医学部において「人間としての基本的な教育を改めて行う必要がある」と強調しています。

 

https://www.m3.com/news/general/512180
【愛媛】今治の産婦人科事故:県が全50施設調査へ 診療所なども対象に 来年度
2017年3月16日 (木) 毎日新聞社

 今治市の産婦人科診療所で死亡事案を含む重大事故が相次いだ問題を受け、県は来年度、周産期(妊娠22週から生後7日未満)の医療に携わる県内全50施設を対象に診療体制に関する調査を始める。これまで小児科と産婦人科を備える11病院のみが対象だったが、「地域医療の連携の確保と充実が必要」と診療所や助産所に範囲を拡大し、項目も増やす。結果は来年度中に策定する予定の第7次県地域保健医療計画に反映させる。

 調査は医療計画の改定に基づくもので、年間の入院者数▽分娩(ぶんべん)数▽新生児病床数▽母体搬送数――などの医療整備状況を聞き取っている。来年度からは対象を病院を含む周産期医療に関わる県内の全施設に広げ、後継者の有無など今後の経営見通しや、妊婦健診と分娩を他施設と分担する意思があるのかなどを項目に加えることも検討している。【橘建吾】



http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20170316-OYTNT50317.html
長浜市、京大に寄付講座
2017年03月17日 読売新聞

 ◇リウマチ予防治療で協定

 長浜市と京都大大学院医学研究科は16日、同研究科に寄付講座「リウマチ性疾患先進医療学講座」を4月に設置する協定を結んだ。2020年3月まで市が総額4500万円を寄付する予定で、京大側が市立長浜病院に医師を派遣するなどして疾患の地域医療拠点を築く。

 同研究科の寄付講座設置は、県内市町で初めて。両者が共同で07年から進める病気の予防事業がきっかけで決定した。

 同病院でのリウマチ性疾患の診察データを研究に役立てるほか、市民向け公開講座の実施、専門的な知識・技術を持つ医師とスタッフ育成を進める。

 設置に合わせ、同病院はリウマチセンターの医師を5人から9人に増やす。

 市役所での締結式で藤井勇治市長は「リウマチに悩む人の生活向上や早期治療につながる」と期待。上本伸二科長は「新たな予防治療の取り組みを全国に発信できるように頑張りたい」と語った。


  1. 2017/03/17(金) 05:31:19|
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