Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月15日 

https://www.m3.com/news/general/511719
患者死亡で病院に賠償命令 鹿児島地裁「治療怠る」
2017年3月15日 (水) 共同通信社

 医療法人健康会が開設する霧島記念病院(鹿児島県霧島市)が、肺に血栓が詰まる肺塞栓(そくせん)の検査や治療を怠ったとして、死亡した男性患者=当時(76)=の遺族が計約4270万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁(鎌野真敬(かまの・まさひろ)裁判長)は14日、病院側に計約2470万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2012年11月13日、脳内出血で同病院に搬送されて入院、翌月に急性肺血栓塞栓症で死亡した。

 鎌野裁判長は判決で「遅くとも死亡の数日前までには症状が認められたのに、必要な検査と治療を怠る過失があった」と指摘した。

 男性の妻(79)は「病院と担当医師は判決を真摯(しんし)に受け止め、同じ事例を二度と起こさないようにしてほしい」とのコメントを出した。霧島記念病院は「落ち度はなかったと考えている。弁護士と対応を相談したい」としている。



https://www.m3.com/news/general/511708
食道がん、手術件数少ない病院では死亡率2.6倍…日本食道学会調査
2017年3月15日 (水) 読売新聞

 手術件数が少ない病院で食道がん手術を受けた患者の死亡率は、件数が多い病院で受けたケースに比べ2倍以上高いことが、日本食道学会研究班の全国調査でわかった。

 病院の診療チームの経験の差が影響したものとみられる。

 食道がんの手術は、近接する肺や心臓など重要な臓器を傷つけないように行う必要があり、難度が高い。体に大きな負担がかかり、手術後に呼吸に支障が出るなどの合併症も多い。

 調査は、国内のほぼ全ての外科手術が登録される大規模データベースから、2011~13年に行われた食道がん手術を抽出。約1000病院で行われた約1万6600件の手術を対象に分析したところ、手術後90日以内に死亡した患者の割合(死亡率)の全国平均は3・0%だった。

 病院の手術件数で見ると、年間30件以上の病院で行われた手術計約6100件の平均死亡率は1・8%だったが、5件未満の病院の手術計約3000件では平均4・7%と2・6倍の格差があった。

 死亡率は、手術件数が多い病院で行われるほど低くなる傾向がみられた。一方、調査期間に限ると、執刀医の手術件数による死亡率の差は見られなかった。

 調査に当たった岡部寛・大津市民病院外科診療部長は「手術技術のみならず、看護師など病院スタッフによる手術前後の患者ケアの熟練度が反映された結果と考えられる。手術を検討する患者は病院に治療実績を聞いたほうがいい」と話す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/511513
赤字のロボット手術「2018年度改定で適正評価を」
外保連、費用対効果などを加味した対応求める

2017年3月14日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 外科系学会社会保険委員会連合(外保連)会長の岩中督氏は、3月14日の記者懇談会で、2018年度診療報酬改定について、手術支援ロボット「ダビンチ」に代表される低侵襲かつ有用であっても、医療機器が高額で採算が合わない医療技術について、2018年度診療報酬改定において適正な評価を要望していく方針を示した。

 「ダビンチ」を使用した腎悪性腫瘍に対する腎部分切除術の診療報酬は、約70万円(7万730点)だが、人件費等だけのみで約124万円。そのほか、本体の初期導入費用や保守料などは5年間で約5億4432万円との試算もあり、現状では赤字覚悟で実施せざるを得ない状況にある。

 岩中氏は、オプジーボ(一般名ニボルマブ)に代表される高額薬剤の評価の在り方が昨今議論になっていることに触れ、「同様に外科系でも、高額な医療機器や医療材料を使う技術がある。費用対効果などの評価軸を取り入れ、外科系技術の見直しを求めていきたい」と述べ、「ダビンチ」の導入が進み、かつ適応拡大の動きがある中、2018年度改定では重要な課題となるとの見方を示した。その上で、岩中氏は、高額医療機器・材料を使用した外科系技術の費用対効果評価には二つの考え方があるとした。一つは、治療により増加したQALY(質調整生存年)を評価する考え方。もう一つは、低侵襲化などにより入院期間短縮、それに伴う入院費用の減少を評価する考え方だ。

 外保連の手術試案は、手術に要する人件費、手術時間、難易度で決まり、診療報酬改定の際の参考データになっている。しかし、同試案は、初期導入費用を評価していないという課題がある。加えて、技術の進歩等に伴い、手術時間が短縮すると、患者負担の軽減につながるものの、点数が低くなるというジレンマもある。

 外保連は2018年度改定に向けて、「手術試案9.1版」の作成を進めている。外保連手術委員会は、2016年10月1カ月間のデータを調査したところ、4年前の前回調査と比較して、3000以上の術式のうち、手術時間が短縮したのは167術式、うち13術式で2分の1以上短縮した。前回調査を基にした2014年度改定の際には、2分の1以上短縮された術式が、手術料引き下げの対象となった。一方で、手術時間が長くなったのは271術式。

 高額医療機器・材料を使う術式、手術時間短縮の術式について、費用対効果などの評価軸を基に、いかに点数化していくかが、2018年度改定における外科系技術の注目点になる。

 初期費用と保守料等で収入の約95%

 外保連は、14日の記者懇談会で、ロボット支援腎部分切除術、カワスミNajuta胸部ステントグラフトシステム、経皮的内視鏡下椎間板摘出術(PED)を例に挙げ、高額医療機器等を使用した術式の有用性や採算性について説明。特にロボット支援腎部分切除術で使用する「ダビンチ」は今後の普及が想定され、かつ高額だけにその評価の在り方が課題だ。「ダビンチ」の保険適用は、腎悪性腫瘍の腎部分切除術のほか、前立腺悪性腫瘍の全摘術の二つのみ。

 「ダビンチ」を用いたロボット支援腎部分切除術は、保険外併用療養の「先進医療B」として実施され、2016年度に保険診療として承認された。それに先立ち、実施された臨床研究では、主要評価項目である「腎機能温存と根治切除(切除断端陰性かつ腎阻血時間25分以内)」の達成率は91.3%(95%信頼区間:84.1%~95.9%)であり、事前に設置した閾値23.3%を有意に上回るなどの有用性が示された。

 説明を担当した、日本医科大学泌尿器科教授の近藤幸尋氏は、「ロボット支援手術では、阻血時間が短く腎機能温存でき、切除断端陰性で癌の根治性に優れ、かつ合併症が少ないという、『trifecta』が実現できる上、ラーニングカーブも早く、従来の腹腔鏡手術よりも優れる」と説明する。

 腎悪性腫瘍に対するロボット支援腎部分切除術は、各種加算等を除き、70万7330円(7万730点)。外保連の手術試案(人件費+保険償還できない費用)に基づく費用は、124万2648円で、差し引き53万5348円の赤字だ。

 ただし、外保連手術試案には、初期導入費用等は含まれない。近藤氏が提示した試算例では、年間130件(前立腺全摘術90例、腎部分切除)を「ダビンチ」で実施した場合、5年間の収入合計は、5億7022万円。一方、「ダビンチ」本体は約3億円、保守料、鉗子等の消耗品などを加えると、5年間の支出は、5億4432万円で、収入の約95%に当たり、人件費等は賄えない。近藤氏は、赤字覚悟でロボット支援手術を導入せざるを得ない現状を改善するよう求めている。



https://www.m3.com/news/general/511803
父親「無罪納得できない」 姉「どうして弟は死んだのか」 石郷岡病院事件
2017年3月15日 (水) 千葉日報

 1人を無罪、もう1人に暴行罪を適用して有罪とした千葉地裁判決を受け、弘中さんの父親は14日、代理人弁護士を通じてコメントを出した。

 父親は「暴行罪の認定と無罪となりましたが、到底納得できません。被告人らの乱暴な行為が傷害致死罪にならないなど、とても許せません。ビデオの内容や頸椎(けいつい)損傷などが発生した結果をしっかり吟味していただいたのでしょうか」と、疑問を投げかけながら「今日の判決は、何を言いたいのかよく分からないもので、被告人らに味方するような内容にしか聞こえませんでした。息子にとても報告できません。検察官には、控訴するよう強く求めます」と訴えた。

 弘中さんの姉は同日、千葉日報社の取材に「非常識な判決内容に驚き、ショックを受け、司法に絶望しました。怒り、憤慨を通り越しています」と憤りを隠さず「裁判で真実が明らかにされなかったことは非常に残念で、司法に不信感を抱いています。遺族にとっては傷つけられただけの裁判でした。検察側が控訴してくれれば、まだ希望を持ち続けることができると思います」と、検察控訴を強く求めた。

 判決内容については「今後、病院内で患者を押さえつけても問題ないという前例を作られてしまったようで、怖いです。ビデオでは判断できないという結論でしたが、それなら何のためのビデオなんでしょうか」とし「石郷岡病院での受傷は、死につながるけがだったんです。今日の判決を受けて、それならどうして弟は死んだのかと問いたい」と訴えた。

 一方、同日に記者会見した裁判員経験者6人は「5年も昔の話で証人の記憶も風化していたので苦労した」「ビデオも不鮮明で判断しづらかった」などと明かした上で「みんなで考えた結果、間違いはないと思う」「納得して出した結論、間違いないと信じている」などと述べた。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10682
元准看護師1人に無罪=男性患者暴行死-千葉地裁
2017年3月14日 (火)  時事通信

 千葉市の精神科病院で入院患者の男性に暴行し死なせたとして、傷害致死罪に問われた元准看護師田中清(67)、菅原巧(63)両被告の裁判員裁判の判決が14日、千葉地裁であり、高橋康明裁判長は田中被告に無罪(求刑懲役8年)を言い渡した。菅原被告は暴行罪で罰金30万円(求刑同)とした。

 2人は2012年1月1日、同市中央区の石郷岡病院の病室で、統合失調症で入院していた男性患者=当時(33)=の顔を踏み付けたり蹴ったりして頸椎(けいつい)骨折を負わせ、14年4月に死亡させたとして起訴された。

 高橋裁判長は、検察側が証拠として提出した室内の映像について、「画質が不鮮明で1秒間に4枚しか記録されていない」などと指摘。菅原被告が顔を蹴った暴行1回のみを認定する一方、「頸椎骨折が(暴れる患者への)正当な抑制行為から生じた可能性が否定できない」と判断した。 【時事通信社】



https://www.m3.com/news/general/511827
【千葉】医師不足 「地元で子供産めない」 人口10万人当たり、過去10年ワースト3位 2017年知事選/1
2017年3月15日 (水) 毎日新聞社

 「この街で子供を産めないなんて驚きました」。アパートに一家4人で暮らす主婦(35)は、腕に抱いた8カ月の長男をあやしながら、3歳の長女がおなかにいた頃を振り返った。7万人を抱える香取市には、出産できる病院が一つもない。

 それを知ったのは、地元に戻って結婚した約3年半前。夫の職場が近く、世話が必要な祖母が市内にいたため転居はしなかった。隣の成田市の産科に、夫が運転する車で週末に通った。片道40分。渋滞に巻き込まれれば「急に産気づいたらどうしよう」と心配し、雪の予報が出ると「事故に巻き込まれておなかの子に何かあったら」と不安を募らせた。

 かつて香取市は県東部の医療拠点だった。1955年に内科、外科、産婦人科の3科で開院した県立佐原病院が循環器科、歯科など17の診療科を持つ総合病院になり、中核を担った。だが2000年代に入り、大学の医局による医師の派遣が減ったため勤務医が不足し、産科は06年度に常勤医が定年退職してゼロになった。隣接する多古、東庄、神崎の3町にも産科はない。

 県内の医師数は14年12月時点で1万1337人。人口10万人当たりでは182人で、全国ワースト3位だ。医師が多くて勤務に余裕があり、給料など待遇面も良い東京都内に集中することが一因という。

 県は打開策として09年度から、卒業後に県内で最長9年間働くのを条件に医学部生に奨学金を貸し付け(17年度当初予算4億7000万円)、県内定住やUターンの促進を目指す。成田市に4月に開設される国際医療福祉大の医学部設置にも35億円を出した。だが、県幹部は「施策の効果が出るのには時間がかかる」と言う。過去10年間、千葉の順位は変わっていない。

 県内全54の市町村別に見ると、地域間格差が浮き彫りになる。人口10万人当たりの医師数は富里市62人、富津市74人、いすみ市96人など3桁を割る市町村が4割を占める。一方、都市部で総合病院が多い浦安市333人、千葉市281人、印西市250人、柏市242人と全国平均の233人を上回る自治体も六つある。

 県の奨学金貸し付けの条件は「県内」だけのため、県全域での医師不足解消につながるとは限らない。大きな病院に別の病院へ医師を派遣するための補助金(17年度当初予算1億3000万円)も支給しているが、佐原病院の産科は希望者がなく、閉鎖が続いている。「産科や小児科は24時間で対応しないといけない。医師が少ない田舎では1人の負担が大きく、嫌がる人は多い」とベテラン医師は話す。

 医療の地域間格差解消は、医師数の多い京都府や東京都などでも大きな課題だ。10万人当たりの医師数が全国トップの京都府は13年、人口の少ない北部地域にあった府立与謝の海病院(同府与謝野町)を府立医科大学付属北部医療センターに組織改編し、「教育」の目的で医師を過疎地域に派遣する事業を始めた。

 「少子化対策を言うなら、県内どこでも安心して子供を産んで育てられる環境にしてほしい」。2児の母は訴える。【近藤浩之、川名壮志】=つづく

    ◇

 県内にはどんな課題があり、県民はどんな思いを抱いているのか。現場から報告する。

………………………………………………………………………………………………………

 ■10万人当たりの医師数ランキング■
 2014年12月末現在、厚生労働省調べ

 <都道府県別>

 1位 京都  307.9人
 2位 東京  304.5人
 3位 徳島  303.3人
 4位 高知  293.0人
 5位 福岡  292.9人
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 
39位 神奈川 201.7人
43位 福島  188.8人
44位 新潟  188.2人
45位 千葉  182.9人
46位 茨城  169.6人
47位 埼玉  152.8人

……………………………
  全国平均  233.6人

 <県内市町村別>

 1位 鴨川市   1235.6人
 2位 旭市    399.9人
 3位 浦安市   333.9人
 4位 千葉市   281.8人
 5位 印西市   250.7人
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 
50位 東庄町    47.1人
51位 酒々井町   42.2人
52位 睦沢町    40.5人
53位 長南町    34.5人
54位 長生村    27.1人

 ※鴨川市には私立亀田総合病院、旭市には国保旭中央病院があり、数字を押し上げている



https://www.m3.com/news/iryoishin/511850
シリーズ 中央社会保険医療協議会
患者申出療養、「予定症例数」設定は必要か?
「患者の思い」と「臨床研究」のバランス、今後も検討

2017年3月15日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は3月15日、患者申出療養について、「困難な病気と闘う患者の思いに応える」という制度の趣旨と、「一定のエビデンスの水準を保つために症例を集積するという臨床研究としての妥当性」のバランスをいかに取るかに関し、今後、引き続き患者申出療養評価会議などで検討していく方針を確認した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 また2例目の患者申出療養となる大阪大学の「耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓による療養」が3月3日に告示されたことも報告された(『2例目の患者申出療養、阪大の植込み型補助人工心臓』を参照)。

 患者申出療養は、2016年度から創設された制度。治験などの対象から外れたものの、治験薬の使用を希望する場合など、「患者の申出」を起点して新薬や新技術を実施可能とする、新たな保険外併用療養の仕組みだ。しかし、2016年9月に1例目の患者申出療養が議論された時から、日本医師会副会長の中川俊男氏などから、「形を変えた先進医療Bと受け取られかねない。患者の申出を起点として、丁寧に1例ずつ評価していくべき」との批判が出ていた(『「患者申出療養の趣旨から逸脱」、中川日医副会長』を参照)。特に、患者申出療養の際に立てる臨床計画において、「予定症例数」が記載されていることが、一定の適格基準を設け、臨床研究を進める「先進医療B」と変わらないと受け止められていた。予定症例数を集めるために、「患者の申出」が起点とならない懸念が残る。

 こうした批判を受け、厚労省は改めて患者申出療養の考え方を以下のように整理。

患者申出療養の考え方
【現行の運用】
(1)申し出た患者の状態に応じた適格基準を可能な限り設定し、患者申出療養評価会議で審議する。
(2)患者申出療養評価会議で承認された適格基準内の患者については、実施施設の判断で当該臨床研究に組み入れ可能とする。
(3)予定症例数については、臨床研究として実施する以上、何らかの目標値の設定は必要であるが、今後予想される適格基準該当患者数を勘案した上で、目安としての位置づけとする。
【今後の課題】
(1) 困難な病気と闘う患者の思いに応えると同時に、一定のエビデンスの水準を保つために症例を集積するという臨床研究としての妥当性も考慮し、両者のバランスをどのように取っていくのか。
(2)患者申出療養では有効性の評価が困難な場合が多く、安全性の評価が中心となるため、予定実施期間のみ設定し、症例数については設定しない方法を検討しても良いのではないか。
 中川氏は、改めて「1例目は、先進医療Bだった」と指摘しつつ、「だいぶ整理されてきた」と受け止めた。その上で、2例目の患者申出療養の臨床研究計画で「研究期間は5年」としているのを踏まえ、「(今回の申出を行った)1例の患者のために作成した計画ではないのか」と質問した。

 厚労省保険局医療課企画官の眞鍋馨氏は、「臨床研究計画は1例に適用するように作成したが、研究全体として何例程度を目指すか、研究期間をどの程度にするかは一定程度、立てざるを得ない」と回答。

 この答えを「その考え方が違う」と中川氏は問題視。「1例で終わるかもしれない。あるいは2例、3例、4例と出てくるかもしれない。その期間は5年に限る必要はなく、6、7年でもいい」と述べ、結果として症例が積み上がることはあり得るものの、1例ずつ丁寧に患者申出療養に該当するか否かを検討すべきとした。患者申出療養の趣旨を踏まえ、前述の「今後の検討課題」にあるように、「症例数については設定しない方法」が妥当であるとした。

 一方で真鍋企画官も、「臨床研究の妥当性と、患者の思いに応えるためのバランスを取る際に、まさに難しい点だと思う。(患者申出療養の)『臨床研究の成り立ち』も押さえなければならず、期間などは一定程度設定せざるを得ない」などと述べ、患者申出療養評価会議で今後、引き続き議論していくと引き取った。

 患者申出療養をめぐる混乱の要因の一つは、将来の保険収載への道筋をどう捉えるかにある。この点を質した日医常任理事の松本純一氏の質問に対し、真鍋企画官は、「患者申出療養では、有効性よりは安全性の評価が中心となる。患者申出療養で出たエビデンスのみで、保険収載に至るのは難しいかもしれない。治験、あるいは先進医療などの評価なども併せて、総合的な評価を行い、有効性と安全性が確認されれば、保険収載になる」と答えた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/511833
シリーズ 中央社会保険医療協議会
レパーサ、最適使用推進GLと留意事項通知
4月1日予定、「満6年以上の臨床研修歴」などが要件

2017年3月15日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、家族性高コレステロール血症などの適応を持つ、レパーサ皮下注(一般名:エブロクマブ)について、一定の能力を要する医師の所属施設で投与開始するなどの要件を定めた、留意事項通知を4月1日付けで発出する予定だ。3月15日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で了承した(資料は、厚労省のホームページ)。同じく高コレステロール血症治療薬であるプラルエント皮下注(一般名:アリロクマブ)の留意事項通知も、4月1日付けで発出予定。

 レパーサ皮下注については、2016年4月19日付けで、非家族性高コレステロール血症の場合、「心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害薬で効果不十分な場合に限る」などを盛り込んだ留意事項通知が出ていた。

 今回の留意事項通知はそれに追加する内容で、3月15日の中医協総会で報告された最適使用推進ガイドラインの保険診療上の取り扱いを記載したもの。(1)最適使用推進ガイドラインに沿って使用、(2)レセプトに、レパーサ皮下注の投与を開始する施設や医師(満6年以上の臨床研修歴を有し、うち3年以上は循環器診療または動脈硬化学に関する臨床研修歴など)の要件を満たしている旨を明記、(3)レセプトに、レパーサ皮下注投与前のスタチンの投与期間を明記(冠動脈疾患もしくは非心原性脳梗塞の既往歴のある患者以外は原則3カ月以上)――などが求められる。さらに、2016年4月の留意事項通知では、「140mgを2週間に1回」の投与が原則だったが、重症の家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体患者には、「420mgを4週間に1回」の投与を認める。プラルエント皮下注の留意事項通知も、(1)~(3)は共通。

 最適使用推進ガイドラインでは、「投与開始」時については、医師要件のほか、医薬品リスク管理計画(RMP)に基づく製造販売後調査等に適切に対応できるなどの施設要件を規定。「投与継続」時については、「投与開始」時の施設要件を満たす施設と連携を取ることなどを求めている。さらに、対象患者についても、「最大耐用量のスタチン」を、家族性高コレステロール血症、冠動脈疾患もしくは非心原性脳梗塞の既往歴のある患者については、「臨床上十分な観察期間と判断する期間」、それ以外の患者では「原則3カ月以上」投与しても、脂質管理目標値に到達しない場合に限るなどの要件を定めている。


3月15日の中医協総会では、2018年度診療報酬改定に向け、入院医療などについても議論。
 最適使用推進ガイドラインと留意事項通知は中医協総会で了承されたが、質問と要望が幾つか出た。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、レパーサを長期に渡り適切に使用していくに当たって、今回の最適使用推進ガイドラインを評価した上で、(1)「投与開始」を行う医療機関が、他の医療機関が実施した検査したデータを使用する可否、(2)「投与継続」の定義――の2点について質問。

 厚労省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長の山田雅信氏は、(1)については、「他の医療機関から紹介を受けて、前に受診していた医療機関のデータ等を見て、診療することは日常的に行われている。今回も本剤の投与開始の判断の根拠となるデータを他の医療機関から取り寄せることは構わない」と回答。(2)については、「投与2回目からは、継続に該当すると考える」と答えた。中川氏が、「『数回投与し、一定期間の経過を見てから、他の医療機関に紹介する』と答えると思った」と返すと、山田課長は通常はそのような経過を辿ることになるとした。

 一方、支払側からは、最適使用推進ガイドラインの徹底を求めるなど、より適正な使用を求める声が相次いだ。全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、一部の患者を除き、「最大耐用量のスタチンを原則3カ月以上」と明記されたことについて、「薬の切り替えの予見可能性が明記されたことは、患者にとっていいこと」と評価した上で、「それを待たずにレパーサの投与を開始する場合もあるだろう。その際は、その理由もレセプトに記載してもらいたい」と要望。厚労省保険局医療課企画官の眞鍋馨氏は、「検討する」と引き取った。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「投与継続」する施設について、最適使用推進ガイドラインにある、「効果判定を定期的に行った上で、投与継続の是非についての判断を適切に行うことができる施設が所属する施設であること」との内容を、留意事項通知にも記載するよう求めた。連合総合政策局長の平川則男氏は、最適使用推進ガイドラインや留意事項通知の施設や医師の要件は、定性的なものが多いことから、「今後使用してデータ等が明らかになってきたら、定量的な表現への変更を求めたい」と要望した。



https://www.m3.com/news/nonmedical/10692
札幌、徳島の病院売却=横浜も手続き中-日本郵政
2017年3月15日 (水)  時事通信

 日本郵政は15日、全国で運営する10の逓信病院のうち、札幌、徳島の2カ所を4月1日付で売却すると正式に発表した。売却額は非公表。それぞれ別の医療法人に事業譲渡し、4月以降も病院は存続する。横浜も売却する方針で、譲渡手続きを進めている。 【時事通信社】



http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/170315/ecn17031518180033-n1.html
日本郵政、札幌と徳島の逓信病院売却を発表 横浜も調整中
2017.3.15 18:18 iza.net

 日本郵政は15日、札幌逓信病院(札幌市)と徳島逓信病院(徳島市)の2医療法人への売却を正式発表した。経営合理化の一環。4月1日から、札幌は晴生会(茨城県鹿嶋市)が「晴生会さっぽろ南病院」として、徳島は平成博愛会(徳島市)が「徳島平成病院」として運営する。

 希望する医師や職員の雇用は継続する。売却額は非公表だが「しっかりと経営判断し問題がない水準だ」(日本郵政担当者)としている。

 日本郵政はこのほか、横浜逓信病院(横浜市)を、社会福祉法人恩賜財団済生会(東京)に売却する方向で調整しており、近く発表する。



http://www.sanyonews.jp/article/502287/1/?rct=tamano
笠岡、玉野市が岡山大に寄付講座 4月開設、地域担う医師確保
(2017年03月15日 21時56分 更新) 山陽新聞

 笠岡、玉野市は2017年度から、岡山大大学院医歯薬学総合研究科にそれぞれ寄付講座を設ける方針を決めた。各地域の医療を担う人材を確保する狙いで、笠岡は5年間、玉野は3年間の予定。ともに4月1日の開設を目指し、初年度分の寄付金を当初予算案に計上している。

 笠岡市は「県南西部(笠岡)総合診療医学講座」。スタッフは内科医の准教授と助教各1人、研修医2人で、実習の場として市民病院(同市笠岡)で週4日診療するほか、当直勤務(週2回)にも就き夜間救急に対応する。島しょ部への往診、医療環境向上に向けた研究にも取り組む。

 市民病院には12診療科があるが、常勤医は9人のみで耳鼻咽喉科は医師が確保できず休診している。診療体制充実に向け、市が大学に寄付講座を打診していた。

 市は5年間で総額1億1千万円を寄付する予定で、当初予算案には2200万円を盛り込んでいる。15日、市議会の関係委員会で計画を説明した。

 玉野市は「県南東部(玉野)総合診療医学講座」を設置。医学部の学生や研修医、薬剤師らが市民病院(同市宇野)を週1回訪れ、臨床診療技術などの指導を受ける。総合診療を担う若手医師を育てるためのプログラム開発、医師不足など地域医療が抱える課題に関する研究も進める。初年度の寄付額は2200万円。

 岡山大に開設されている自治体の寄付講座は、岡山市の「地域医療学講座」、岡山県の「地域医療人材育成講座」、広島県と福山市による「小児急性疾患学講座」がある。



http://www.medwatch.jp/?p=12785
7対1・10対1入院基本料、看護配置だけでなくパフォーマンスも評価する報酬体系に―中医協総会(1)
2017年3月15日 | 2018同時改定 MedWatch

 7対1入院基本料を届け出た病棟と10対1入院基本料を届け出た病棟を比較すると、重症患者割合(重症度、医療・介護必要度の基準を満たす患者の割合)や平均在院日数などの分布に重複が見られるものの、1日当たり請求点数(つまり単価)には大きな乖離がある―。

 15日に開催された中央社会保険医療協議会の総会で、厚生労働省はこういったデータを提示しました。ここからは「看護配置を中心にした報酬体系」から「病棟のパフォーマンスも重視する報酬体系」へと移行していく可能性も見出され、2018年度の次期診療報酬改定に向けた議論がますます注目を集めそうです。

ここがポイント!
1  7対1のニーズは、少子化によって減少傾向に
2  支払側委員、医療・看護必要度のさらなる見直しが必要と強調
3  看護配置の枠組みを廃止し、重症度・医療内容に応じた報酬体系への移行は
4  地域連携に費やす労力、診療報酬で評価を

7対1のニーズは、少子化によって減少傾向に

 15日の中医協総会では、2018年度改定に向けて「入院医療(その2)」を議題としました。具体的には▼一般病棟入院基本料をどう考えるか▼地域における医療提供体制の再構築をどう進めるか―の2点です。

 前者については、厚労省から非常に興味深いデータが提示されています。

(1)7対1病棟の入院患者の6割弱は74歳未満で、がん患者が多い(24.6%)が、我が国では若人の人口は減少傾向にあり、高齢者に対してがんの標準治療を行う割合は低い

7対1ではがん患者、10対1以下では損傷、中毒その他の外因の影響による入院患者がもっとも多い (図 略)
(2)7対1入院基本料を届け出た病棟と10対1入院基本料を届け出た病棟を比較すると、重症患者割合(重症度、医療・介護必要度の基準を満たす患者の割合)や平均在院日数などの分布に重複が見られるものの、1日当たり請求点数(つまり単価)には大きな乖離がある


 このうち(1)からは、現在の「7対1の患者増」該当者、つまり7対1病床のニーズが減少していくことが読み取れます。この点について支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「7対1のベッド数を維持するとすれば、より軽症の患者を7対1で受け入れ、稼働を保つことになる。7対1病床数がどれだけ必要なのか、改めて議論する必要があると強く指摘しました。

支払側委員、医療・看護必要度のさらなる見直しが必要と強調

 (2)については、データを少し詳しく見てみましょう。まず入院患者について、厚労省は「2016年度改定前の旧『重症度、医療・看護必要度』基準を満たす患者割合」と、「平均在院日数」あるいは「看護職員1人当たり病床数」との関係を見ています。その結果、7対1・10対1ともにバラつきが大きく、両者の分布に明確な違いはないことが伺えます。つまり、入院患者の医療・看護必要度に一定程度の重複があると考えられます。

7対1と10対1で、重症患者割合と平均在院日数との間に大きな分布の差はない(図 略)

7対1と10対1で、重症患者割合と看護職員当たりベッド数との間に大きな分布の差はない(図 略)

 一方、入院1日当たりの請求点数(つまり単価)を見ると、7対1と10対1には大きな乖離があります。同じような状態の患者を診ているのに、報酬水準が異なるのは好ましいとは言えないと考えられます。

7対1と10対1では、収益に大きな乖離がある(1)(図 略)

7対1と10対1では、収益に大きな乖離がある(2)(図 略)

 厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、こうした点に鑑みて「患者の状態や診療の効率性などの要素も考慮する必要があるのではないか」との論点を提示しました。現在の入院基本料は、主に看護配置によって報酬を設定する体系になっていますが、さらに▼患者の状態▼診療の効率性―などを加味した報酬体系へと移行する検討が始まる模様です。なお、後者の「診療の効率性」という文言は「低コストの医療」をダイレクトに意味するものではなく、「少子化でマンパワーが不足する中で、ニーズと機能とのミスマッチが生じないような診療提供」といった幅広い概念を意味するようです。


 このデータを見た支払側の幸野委員は、「本来、10対1に入院すべき患者が7対1に入院し、高い報酬が支払われているのではないか。また重症患者割合に大きなバラつきがあることから、重症度、医療・看護必要度の評価指標が適切かという疑問も感じる。2018年度の次期改定に向けてABC各項目の妥当性、25%以上という基準値の妥当性を検討してく必要がある」と強調。しかし、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「重症度、医療・看護必要度が2回連続で見直され(2014年度改定・2016年度改定)、医療現場は大混乱した。最近、ようやくその混乱が落ち着いてきたところであり、2018年度の3回連続見直しは極めて慎重にすべき」とけん制しています。

 2016年度の前回改定で重症度、医療・看護必要度が大幅に見直されたため、上記のデータのアップデート(2018年度改定版)を行う必要があり、また、さらなる分析(7対1と10対1の患者像や医療提供内容など)も待たれますが、厚労省は「7対1から10対1への移行を促すために、10対1で『より重症患者を受け入れている』病棟の評価を引き上げる」ことなどを念頭に置いているのではないかと推測されます。前述のとおり、1日当たり単価に大きな乖離があるため、「7対1の維持が難しくなってきたが、10対1に移行すれば収益が大幅に落ち込んでしまう」と考え、移行を躊躇する病院も少なくないからです。なお、この点に関連して診療側の猪口雄二委員(全日本病院協会副会長)は「(10対1への移行のワンクッションとして2016年度改定で創設された)病棟群単位の入院基本料届け出の継続を検討すべき」と提案しています。

 なお13対1・15対1入院基本料については、複数の委員から「現行体系の維持」を求める声が出されました。

看護配置の枠組みを廃止し、重症度・医療内容に応じた報酬体系への移行は

 ところで、入院患者像や医療内容が同じなのであれば、「報酬も同一で良いのではないか」とも考えられます。現に米国では、患者の重症度や医療提供内容によって報酬が決まっており、「看護配置に基づく報酬設定」という概念をグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの米国アドバイザーに説明する際には難渋します。

 このため将来的には、7対1・10対1という看護配置の枠組みが廃止され、「入院患者の重症度や医療提供内容に応じた支払い方式」が検討される可能性も否定できません。もっとも、現行の報酬体系からは大きく変わり、病院経営への影響も甚大なため、2018年度や20年度の診療報酬改定でこうした体系に移行することはないでしょう。

地域連携に費やす労力、診療報酬で評価を

 後者の「医療提供体制の再構築」については、機能分化が注目されますが、その前提となる「連携」が最重要キーワードとなります。

 これまでに▼退院支援加算の地域連携診療計画加算▼在宅復帰率(7対1などの施設基準の1項目)▼感染防止対策地域連携加算―など、地域での医療・介護連携を評価する診療報酬が創設・改善されてきていますが、課題もあります。

 たとえば退院支援加算では、連携先の医療・介護資源が地域に存在しない(あるいは少ない)などの場合には、自院の努力だけでは届け出・算定ができません。さらに「基幹病院が退院支援加算の要件を満たせず、届け出がなされていなければ、地域連携を進めても、連携先医療機関が地域連携診療計画加算を算定できない」(猪口委員)といった課題もあります。

 また在宅復帰率などに関連して松本純一委員(日本医師会常任理事)は、「急性期後の患者を受け入れる病院側も評価してほしい」と要望しています。

 急性期病棟の基準を厳しくすれば必然的に連携が進みますが、厚労省保険局医療課の担当者は「継続的な連携のためにはマンパワーを確保し、時間も割いている。そこは報酬上、評価していく必要がある」とメディ・ウォッチにコメント。2018年度改定でも「医療・介護連携の評価」が重要論点の1つとなります。


 なお、2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定となるため、中医協と社会保障審議会・介護給付費分科会との意見交換が予定されていました。迫井医療課長は、▼看取り▼訪問看護▼リハビリテーション▼関係者・関係機関の調整・連携―の4項目をテーマに2回の意見交換会(3月22日、4月19日)を開催する方針を示しています(関連記事はこちらとこちら)。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201703/CK2017031502000163.html
【茨城】
医師養成、地域医療充実に 自治医大「地域臨床教育センター」開設

2017年3月15日 東京新聞

 古河市の古河赤十字病院に、臨床研修医や医学生を教育する自治医科大(栃木県下野市)の「地域臨床教育センター」が開設された。医師の養成に加え、医師の確保や地域医療の充実につなげようという狙いだ。県内の病院に同大がセンターを開設するのは初めて。
 医局から医師を派遣している同大の地域の拠点病院は栃木、茨城、埼玉県内に八カ所あり、同院も指定されている。このうち、臨床教育センターは栃木県内に四カ所あるが、これまで茨城県内にはなかった。
 同大から派遣される医師や、同院の常勤医師が臨床研修医と医学生の指導に当たる。専門的な大学病院とは違い、臨床研修医や医学生にとって、さまざまな症例に立ち会える利点がある。
 大学と比較的、近い場所にある同院は、これまでも重篤な患者を同大に搬送するほか、医師の八割以上を同大出身者が占めるなど、関わりが深い。
 同院の篠田宗次院長は「若い医師のレベル向上で病院の質も上がる。難しい治療も可能になり、地域医療にも貢献できるはず」と期待を寄せた。
 古河市の針谷力市長は「救急医療体制の充実は自治体の大きな課題の一つ。センターは地域医療の要になる」と開設を喜んだ。
 同院は一般、地域包括ケアなど病床数二百床、二次救急医療機関などに指定されている。 
  (原田拓哉)



http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/15/trumpcare_n_15378066.html
オバマケアの代替案「トランプケア」では、2400万人が無保険者になる試算
The Huffington Post | 執筆者: Amanda Terkel
2017年03月15日 16時16分 JST 更新: 2017年03月15日 16時23分 JST  ハフィントンポスト

1月に、ドナルド・トランプ大統領は素晴らしい公約をした。彼の政権の下では 「誰もが」ヘルスケアを受けられると。

「我々は、すべての人に保険を提供する」と、トランプ氏は言った。「ある特定の人々の間では、『支払いができないものは、手には入らない』という哲学があったが、私たちはそれを許さない」

トランプ大統領は2015年にもCBSの番組「60ミニッツ」でも「すべての人が保険の対象だ」と、同様の発言をしている。

ところが、共和党が発表した医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案では、すべての人が保険を持つことができないのは明らかだ。

アメリカ議会で予算分析をする超党派の議会予算局(CBO)は3月13日、共和党のヘルスケア法案(トランプケア)が成立したら、2018年の保険加入者はオバマケア継続の場合より1400万人減少するという試算を発表した。また、今後10年間で2400万人が無保険者になると予測している。

ホワイトハウスはCBOの結論に異議を唱えたが、ショーン・スパイサー報道官は14日の会見で、大統領の1月の公約に対し、「ただし書き」を追加しようとしていた。

スパイサー報道官は、「オバマケアによるプランが高額すぎて支払えない人々が保険に入らない決断をした」と主張した。スパイサー報道官は、トランプケアになると保険プランのコストを下がるため「より多くの人々がヘルスケアを持つ選択肢ができる」と強調した。

スパイサー報道官は、「誰でも保険を手に入れる選択肢があります」と付け加え、「私たちがやりたいことは、医療費を得る財政的能力のあるすべての人に保険を提供することです」と語った。

スパイサー報道官は、「すべての人のための保険」は、「約束」と言うよりは「目標」だと付け加えた。

「大統領の目標は、誰もが保険を利用できるようにすることだ」とスパイサー報道官は語った。 「それが大統領の意図だ。私は、すべてのアメリカ人が購入できる選択肢とプランを持つことが目標だ。オバマケアでは実現していないことだ」

言い換えれば、トランプ大統領が約束したように「誰もが保険を持つ」のではなく、ホワイトハウスの目標は「誰もが保険を持つ選択肢を持つ」ことだ。

CBOが13日に発表した分析によると、医療保険が突然手頃な価格になるというホワイトハウスの主張に疑問を投げかけた。例えば、2万6500ドル(約300万円)の収入がある64歳の女性の場合、保険料は現在の1700ドル(約19万5000円)からトランプケアでは1万4600ドル(約167万円)に跳ね上がる。

また共和党のプランは、オバマケアの「最低60パーセントの医療費を保険が負担する」という規制を撤廃するため、控除額(保険給付が始まるまでの間の自己負担額)も上がるとみている。したがって、保険料自体は下がるかもしれないが、それは保険会社が保険金を抑えるかわりに患者の自己負担分を増やすようなプランを提供できるようになる。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。



https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-15/OMTXZB6K50XS01
ホワイトハウスはオバマケア撤廃・代替法案の修正で協議-報道官
Anna Edney、Zachary Tracer、Anna Edgerton
2017年3月15日 09:33 JST ブルームバーグ

  米共和党の関係者によると、ライアン米下院議長は同党がまとめた医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃・代替法案に大きな修正は加えない方針だが、ホワイトハウスは修正を求める議会メンバーと協議していることを明らかにした。
  スパイサー米大統領報道官は14日記者団に対し、「われわれがこうした人々に関わっている理由の一部は、彼らの意見を聞くことだ」と説明した。
  ライアン議長の案に反対するメドース下院議員は、ホワイトハウスや共和党指導部との協議で「われわれはかなり前進していると思う。1週間弱で良い結果が出てくると私は楽観している」と語った。
  ライアン議長とマッカーシー下院院内総務は14日午後、トランプ米大統領と次のステップについて電話協議している。
  オバマケア撤廃・代替法案で無保険者が2018年に1400万人増加するとの議会予算局(CBO)の試算を受け、下院共和党は同年に中間選挙を控えて苦しい立場に置かれている。
原題:White House Discusses Changes to Ryan Obamacare Replacement Plan(抜粋)



https://www.m3.com/news/general/511748?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170315&mc.l=211454667&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
バルサルタン:研究不正 改ざんの認定、焦点 あす判決
2017年3月15日 (水) 毎日新聞社

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件の判決が16日、東京地裁で言い渡される。医薬品医療機器法(旧薬事法)違反に問われた元社員、白橋伸雄被告(66)は改ざんを否定して無罪を主張し、「前代未聞の悪質な事案」として懲役2年6月を求刑した検察側と全面的に対立している。公判で明らかになった医師のずさんな対応を地裁がどう評価するかも注目される。

 白橋被告は、京都府立医大の臨床研究に参加してデータ解析を担当。別の降圧剤を服用した患者グループの脳卒中発症例を水増しするなどし、2011~12年に虚偽に基づく論文を医師に発表させたとして同法違反(虚偽記述・広告)に問われた。

 約40回の公判では、被告がバルサルタンに有利になるように虚偽のデータや図表を意図的に作成したかが最大の争点になった。

 検察側は、被告が約3000人分の患者情報を独占管理し、最終的なデータを1人でまとめたと指摘。「全てを把握して改ざんできたのは被告だけだ」と強調した。被告が使っていた記録媒体から、バルサルタンに有利な結果が出るよう発症数が水増しされた複数の電子データが見つかったとし、これを「改ざんの途中経過を示す証拠だ」と位置付けた。

 これに対して弁護側は「被告は研究を補助する立場に過ぎず、研究事務局の医師もデータを一部管理していた可能性が高い」と反論。医師から渡された発症状況の集計表をそのまま最終データに反映させたとし、「医師が改ざんしていた可能性がある。被告が入力をミスした可能性はあるが意図的ではない」と主張している。

 事件では白橋被告だけが起訴されたが、公判では実験に関わった医師の不適切な行為も明らかになった。ある医師はバルサルタンに有利になるように加工した患者情報を大学側に10件以上提出したと証言。別の医師も、患者情報の記入漏れを補うとの理由でデータに加筆したと認めた。

 論文は販売戦略に活用され、バルサルタンは累計1兆円超を売り上げた。

 京都府立医大など4大学の調査委員会が研究データの不正操作の可能性を指摘、白橋被告は全てに関わっていたが、多くは公訴時効が成立していた。【近松仁太郎】



https://www.m3.com/news/general/511825
【山形】小国町立病院:人工透析中止問題 特別委設置、不採択 議会常任委
2017年3月16日 (木) 毎日新聞社

 小国町立病院で予定されていた人工透析治療が中止になった問題で、3月定例会に町民から提出された透析中止の真相を解明する調査特別委員会の設置を求める請願が14日、町議会総務厚生常任委員会で採決の結果、不採択となった。17日の本会議で請願審査の委員会報告後、全体での採決となる。傍聴していた透析患者や町民らは「疑問が残ったままだ」と怒りをあらわにしていた。

 議論では米野貞雄町議は新聞報道などを挙げて「本当はどうだったのかを明らかにするのが議会の使命だ」と発言。小関和好町議は「昨年10月の臨時会前日に透析に関する『検証報告書』を示され、精査する時間のないまま中止した結果が現状を招いている」とした。

 一方、安部春美町議は「特別委員会設置は本会議で発議されるのがルールだ」と意見を述べた。また、間宮尚江町議は「現在の通院送迎に力を入れるべきだ」と主張した。

 これらの意見を受け、伊藤重広委員長は「まずは常任委員会で調査して、その範囲を超える結論になったら特別委員会を考えるべきだと思う」と述べた。最後に採決をとり、3対2で不採択となった。【佐藤良一】



https://www.m3.com/news/general/511841
生活保護者への後発品使用目標が達成目前に
2017年3月16日 (木) 薬局新聞

 生活保護受給者における後発医薬品の使用割合が約7割に到達したことがわかった。これは先ほど開催された「社会・援護局関係主管課長会議」において公表されたもので、2017年度中に75%となることを掲げているなか、目標達成が視野に入りつつあるようだ。

 生活保護受給者における後発医薬品の使用促進については平成25年、26年の法改正により、後発品の使用を促すことが明確化。医療を担当する医師が医学的知見に基づき、後発品を使用することが可能であると判断した場合は、原則として後発品を使用することが求められている。

 平成28年6月における審査分で69.3%(入院・入院外・歯科・調剤)となり、前年同期63.8%との比較で5.5ポイント増加した。後発品の使用を原則化した平成25年からの動向では48.2%、58.7%、63.8%と毎年一定の割合で伸長傾向を示しており、28年度からは地域の薬局等と連携した服薬指導モデルを実施するなど、対象者への積極的な関与で使用割合を高めてきた。

 今年度も引き続き使用促進に向けた施策を継続することを堅持する一方、医師が後発品の使用を認めているにも関わらず、先発品を調剤した事例は「仔細を把握する」予定にあり、薬局においても自治体等へ情報提供することが想定されている。

 なお、後発品使用状況の地域差を見ると、最も使用されているのは沖縄81%で、鹿児島78%、長野・宮崎76%などが高い傾向を示しているが、最も停滞しているのは徳島59%で、奈良61%、京都62%となっており、最も高い県と低い県の間には約22ポイントの開きが生じている。こうした状況を踏まえ厚労省は各自治体に対して後発品使用促進計画の策定・公表を来年度から求める方針としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/511871
シリーズ 中央社会保険医療協議会
7対1の要件厳格化、診療側と支払側で意見対立
厚労省、「患者の状態や診療の効率性」考慮を検討

2017年3月15日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、3月15日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、2018年度診療報酬改定に向けた入院医療の課題について、(1)一般病棟の入院基本料は、主に看護配置等の要件で段階的に設定されているが、「患者の状態や診療の効率性等」の要素も考慮、(2)異なる機能を担う複数の医療機関がそれぞれの役割を維持しつつ、医療機関間の機能分化・連携を進めるような評価を検討――を提示した。

 しかし、いずれも診療側と支払側で意見が対立。厚労省の提案は2016年度改定前のデータが基になっているため、7対1入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」の要件を厳格化した同改定の影響を反映したデータなどを踏まえ、引き続き検討していく(資料は、厚労省のホームページ)。

 全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、(1)について「看護職員ではなく、患者の状態や診療の効率性等で評価していく方向は賛成」と支持。(2)についても、医療機関が地域医療構想に基づき機能分化を進めていくに当たって、「診療報酬でどのようなサポートが必要かを、知恵を絞り、何らかの対応策を検討していくことが必要」と求めた。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、7対1入院基本料の届出病床数の多さを挙げ、2016年度改定で見直した「重症度、医療・看護必要度」について、「評価項目が正しかったのか」などと指摘。「7対1入院基本料病棟の入院患者は減少していく。7対1をこのまま続けていくことによる収益の悪化を懸念している。本当に7対1が、どの程度必要なのかを議論していきたい」と提起した。地域医療構想についても、吉森氏と同様に、機能への分化が進むよう、診療報酬上での対応が必要だとした。

 これらの支払側の主張に反論したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。7対1入院基本料の病棟を維持するかどうかは、各医療機関の自主的な判断であると指摘。その上で、「重症度、医療・看護必要度」は、2014年度と2016年度の改定で見直されたことを踏まえ、「過去2回の改定で医療現場は大混乱したが、ようやく今、落ち着いてきたところだ。次回改定でまた見直すことは、あまりに拙速ではないか。地域医療に再び混乱を招きかねず、慎重になるべき」とけん制した。地域医療構想と診療報酬との関係についても、各医療機関が「高度急性期、急性期、回復期、慢性期」のいずれかを自主的に選択するのを妨げることなく、かつどの医療機能でも、経営が成り立つようにすることが、「診療報酬が、地域医療構想に寄り添うこと」であると主張した。

 さらに中川氏は、「診療の効率性等」の意味について、厚労省に質問。同省保険局医療課長の迫井正深氏は、「患者の状態と、投入する医療資源との間で、ミスマッチが生じないことが、一番効率的。現状では、かなりバラツキがあり、場合によってはかみ合っていない。必要とされる医療と提供されるサービスがうまくかみ合うような報酬をいかに設定するかという意味」と説明。

 中川氏は、「一つの医療機関に、一律のニーズの患者が集まることは想定されない。さまざまな患者を受け入れることが、医療の包容力ではないか」と再度、質した。迫井課長は、例えば、一人の患者でも入院初期と退院時では医療ニーズは違うことなどは認め、「その時々に応じた医療を弾力的に提供していくことが最も望ましい。そのために最適な診療報酬は何か、ミスマッチはないのか。人員配置を硬直的に運用することによって、かえって人員不足を招いているのではないか、との声もある」などと答え、「診療の効率性等」とは、医療ニーズに合ったサービスが提供できる報酬体系の意味であるとした。

7対1と10対1、比較データ提示

 厚労省は、(1)の提案に当たって、7対1入院基本料の病棟に多い悪性新生物の患者は2025年辺りから減少するなど、7対1入院基本料の病棟で対応すべき患者の今後の減少を示唆するデータを提示。その上で、7対1や10対1の入院基本料病棟についての比較データを示した。受け入れる患者層には、重なる部分があるものの、両者の1日当たりのレセプト点数には開きがあることが見て取れるデータだ。

 日医常任理事の松本純一氏は、データは7対1入院基本料の算定要件が厳しくなった2016年度改定以前のものであることから、同改定後のデータなどの提示を要望。

◆一般病棟の7対1入院基本料と10対1入院基本料の届出医療機関別の状況(3月15日中医協資料)
・7対1と10対1で、入院基本料の届出医療機関別に、平均在院日数および病床利用率の分布をみると、10対1届出医療機関の中でも、7対1届出医療機関相当の医療機関も存在する。
・7対1と10対1で、入院基本料の届出医療機関別に、1日当たりレセプト請求点数(入院)をみると、7対1届出医療機関の方が高い傾向。10対1届出医療機関では中央値を超える点数の医療機関のばらつきは小さい(平均は、7対1が5215点、10対1が3748点)。
・重症度、医療・看護必要度の該当患者割合と平均在院日数とを比較すると、10対1より7対1の方が該当患者割合が高い傾向があるが、平均在院日数の分布はばらついている。
・重症度、医療・看護必要度の該当患者割合と看護職員実配置数当たりの病床数をみると、10対1でも7対1相当の医療機関がある。
・DPC対象病院のうち、7対1と10対1の届出医療機関別に、1日あたり包括範囲出来高点数等をみると、重複する部分が多いが、効率性指数は7対1届出医療機関の方がやや高い傾向。

国公立と民間、診療報酬でどう評価?

 厚労省は、(2)の医療機関間の機能分化・連携の関連では、退院支援をはじめ、診療報酬上での評価の現状についての資料を提示。加えて、注目されるのは開設者主体別のデータを提示した点だ。

 一般病棟入院基本料の届出医療機関数のうち、73.1%は民間の病院。7対1入院基本料について、届出病床数で見ると、民間病院が占めるのは42.0%に減少、国公立と公的・組合が58.0%を占める。7対1入院基本料の1床当たりの医業収益を見ると、国公立とそれ以外では、「入院診療収益」と「入院診療収益以外」の割合は、大きな差はない。

 松本氏は、「国公立の病院には、一般会計からの繰り入れがあるが、民間の病院ではそれがなくても経営が成り立っているのは、人件費などの経費を抑制しているため。国公立病院でも一般会計からの繰り入れがなくても成り立つような診療報酬にすればいい」とコメント。

 中川氏も、国公立と民間の病院では、税制も異なるなどと指摘、「こうした状況の中で、同じ診療報酬体系で医療を担っている」と提起した。さらに、総務省が策定した「新公立病院改革ガイドライン」に言及、「公立病院は、一般会計からの繰り入れがなく運営できるよう、将来を決める時が来た。この点も含めて、民間と国公立の在り方について、次の改定で考えるべきではないか」と提案した。



http://diamond.jp/articles/-/121429
「医療世界一」は国際比較してみたら日本だった
真野俊樹:多摩大学大学院教授、医師
2017.3.16 Diamond Online

日本では、悲惨な医療事故が起こる度に、医療バッシングが起こり、医療不信に拍車がかかる。その度に「日本の医療はひどい」「欧米に比べて遅れている」等の声が聞かれる。先進主要国に比べ、本当に日本の医療はひどいのか、調べてみた。(多摩大学大学院教授、医師 真野俊樹)

日本人は自国の医療に
不信感を持ちすぎている?


 日本人ほど自国の医療に不信感を持っている国民はいない。2010年にロイター通信が報じた「医療制度に関する満足度調査」によると、日本人の医療満足度は15%で、これは世界の先進・新興22ヵ国中、最下位である。ちなみにトップは、スウェーデンの75%だ。

 また、カナダの調査(下表)においても、客観的データはほぼA評価であるのにもかかわらず、日本人の健康への自己評価は低い。

03151_20170316054329230.jpg
http://www.conferenceboard.ca/hcp/details/health.aspx
拡大画像表示

 その一方で、安倍政権では日本の「医療の良さ」を海外に輸出するとしているし、中国人を中心に日本に医療ツーリズムで訪れる患者も増えてきているようだ。果たして日本の医療レベルは高いのであろうか。そこを簡単に検証してみたい。

 あえて結果を先に言えば、筆者の分析では、日本の医療は世界の医療と比べても「10勝5敗3分け」(表)で「世界一」と言えるものであった。

03152_20170316054331ef4.jpg
拡大画像表示

 なぜ、そうと言えるのか。その要点を説明しよう。

かなり際立っている
がんの5年生存率


 まず、日本国民の2人に1人が罹患するという"国民病"になった「がん」であるが、日本において、がんの5年生存率は高い。OECDのデータでも、大腸がんの5年生存率(2004~09年)を調べたものでは、日本は68%と1位である。

 ちなみに主要国を見ると、アメリカ5位(64.5%)、カナダ6位(63.4%)、ドイツ13位(60.4%)、イギリス18位(53.3%)となっており、加盟国の平均は59.9%である。

 また、世界67ヵ国、2500万人以上のがん患者の5年生存率を調査した国際共同研究「CONCORD-2」(1995~2009年)によると、日本は肺がんでも5年生存率30.1%とトップで、アメリカ18.7%、イギリスは9.6%なので、日本の成績はかなり際立っているといえよう。

外国人が感動する
日本の看護師の接遇


 この調査を見ると、肝がんも日本の成績は良好である。そもそも肝がんは肺がんと同様、相対的に5年生存率は低く、日本は27.0%。ただし、これは他国と比べると、相当に優れた水準だ。アメリカは15.2%で、欧州各国も20%に達していないからだ。一方、胃がんは韓国がトップであり57.9%で、日本は54.0%である。ちなみに欧米は、30%前後と軒並み低い。やはり、日本はかなりの高水準であることがわかる。

 さらに、再びOECDの調査に戻って、乳がんの5年生存率を見ると、日本はアメリカに次いで2位の87.3% 、子宮頸がんも4位の70.2%と、これらも健闘している。

 その他、よく聞くのは、外国人旅行者が訪日中に病気やケガで入院し、そのとき「日本の看護師は、こんなことまでしてくれるのか」と驚き、感動したという話である。例えば、日本の看護師は入院患者のベッドメイキングもすれば、食事の配膳、風呂上がりには患者の体を拭いたりもする。こういうことは欧米の看護師はしない。欧米ばかりではなく、中国や韓国などアジアでも見られない。

 さらに、医師受診の回数も日本は突出して多い。OECDの統計によると、国民1人あたりの医師にかかる回数は加盟国の平均が6.6回。これに対して日本は12.9回。意外にも低いのが、スウェーデンであり、年間2.9回。このスウェーデンの約3回に対して、日本は約13回という、この数字の開きは、つまり「医師との距離」の違いでもある。

 1回1回の受診で「医療費が過剰に使われる恐れがある」という医療経済的な視点から見れば問題ではあるが、「医療が身近である」という国民側の安心という視点から見れば、これはかなり素晴らしいことと言えるだろう。要するに、「困ったらすぐに医者に行ける」という環境が整っていることになるからだ。

 英国やスウェーデンなど、家庭医制度が行き渡った国では、確かに制度上は素晴らしいと言えるが、身近とは言い難い。家庭医が「ゲートキーパー」とか「ゲートオープナー」といわれるように、家庭医を通さなければ、大病院など高度で専門的な医療機関を受診できないからだ。一方、日本の医療では、患者が行こうと思えば、直接、大病院の受診が可能なのである(最近は紹介状の持参を原則とするケースが増えているが…)。

薬の値段は
「ブラックボックス」


 一方、薬剤に関しては必ずしも「日本が良い」とは判断し難い。日本での薬剤の投与数は多く、厚生労働用の試算では500億円分あるという。確かに、高齢者が多量の薬を持って薬局から出ていく姿をよく見かける。

 値段についても、例えば、肺がん治療薬「オプジーボ」は、当初、100gあたり約73万円(現在は引き下げとなって32万5000円)という非常に高額の医薬品であった。これは、がん免疫療法薬というイノベーティブな薬であるから、こういう値がつけられた。

 薬価では、どのタイプの薬かによって計算方式が決まっている、オプジーボは原価を積み上げての値段であるというが、個々の医薬品について、どこがどう加算されてその値がついたかといった詳しいことはわからないし、なにより、原価にしては(処方量が増えるとしても)、2017年2月に薬価が半分になったことも不思議である。そういう意味では、薬価というのは「ブラックボックス」といえる。

 このように、薬価も含めて医療の値段は国が決めているが、「透明性」が低い。さらに国民医療費は年々増加しているので、ここは「日本の負け」とせざるを得ないであろう。

海外視察の後は
やはり「日本がいい」と感じる


 私が1995年に米国に留学した時に、日本と米国の「医療の差」に愕然としてから15年以上たった。現地の日本人医師に「20年後には日本の医療も米国のようになるよ」と言われたのを、今でも鮮明に覚えている。

 確かに、日本でも米国のように、徐々に「お金のあるなし」が治療を決めるようになっているようだ。しかし、国際政治学者のサミュエル・ハンチントンが世界的なベストセラーである「文明の衝突」で指摘したように、文化にも多様性があり日本文化もその一つの類型だという。私は医療も文化と同じように、国や地域によって多様性があると考える。つまり、日本の医療も、高齢化対応や最先端技術のおかげで向かっていく方向性は米国に似ているが、必ずしも一つの方向に収斂するわけではないのだ

 そういった視点で見てみると、米国医療にも優れたところもあり、劣ったところもある。ヨーロッパや北欧についても同じである。

 そんな折に、昨年は医療不信による日本医療へのバッシングが相次いで起きた。冷静な視点で見た場合、日本の医療はそれほど悪いのだろうか。

 私は仕事柄、海外の病院や医療事情を視察する機会が多い。そこでは多くの方々(医療関係者や企業関連、弁護士、会計士等の方々)と同行する。すると、必ず、最終日のラップアップでは、「やはり日本の医療がいいね」という結論になる。もちろん我々が日本人であるというバイアスは考慮に入れなければならないが、データを用いて比較しても、やはり、そのような結論になる。スバリ、日本ほど医療すべてにおいて、完璧に近い国はない。あまりにも、その事実が知られていないのではないか。

 もちろん、日本の医療にも問題点はあるだろう。このままだとマズいという問題もあるかもしれない。しかし現時点で「日本の医療は世界一」である。私は、そう実感している。

「日本の医療が劣っている」と感じるのは、多くの場合、医師や医療機関に対する患者の医療不信によるものだ。亀裂が生じつつある日本の患者と医師の信頼関係を改善することができるならば、すでに世界で最も優れている日本の医療を、さらにより良きモノへと引き上げることができるのではないか。

 それが日本国民にとってプラスになると信じている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201703/550486.html
REPORT
医療行政の舞台裏◎一歩先行く青森県と岐阜県
都道府県の手腕が問われる「地域医療構想」

2017/3/16 庄子 育子=編集委員 日経メディカル

 2014年6月に成立した医療介護総合確保推進法により、各都道府県に2016年度末までの策定が義務付けられた「地域医療構想」。昨年末時点で39都道府県が策定済みで、間もなく全てが出そろう予定だ。

 地域医療構想とは、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向け、各地域の実情に応じた医療提供体制を再構築するプラン。原則として二次医療圏を単位とする「構想区域」ごとに診療機能別の病床数を明らかにして、病床配置の「適正化」を図るとともに、在宅医療・介護など受け皿の整備を目指す。

 この地域医療構想の実現に当たっては、医療機関など「関係者の話し合い」が基本になる。だが、関係者による協議だけでは調整が難航することも予想されるため、医療法は都道府県に一定の強制力も持たせている。(1)調整会議で話し合いが成立しない、(2)過剰な機能に転換しようとする医療機関が現れた、(3)病床が稼働していない─といった場合、都道府県知事は医療審議会の意見を聞いた上で、過剰な病床機能への転換の中止や非稼働病床の削減を指示・命令したり要請できる。

 地域医療構想という新たな政策に厚生労働省が寄せる期待は大きい。病床を再編するために従来のような規制をかけるのではなく、医療機関の自主的な取り組みに委ねるのは、政策的な大転換でもある。それだけに、取り組みが進まなかったり、結果が付いてこなければ、「その都道府県には厳しい姿勢で臨まざるを得ない」というのが医政局幹部の言い分だ。

 関係者による協議は、構想区域ごとに設ける「地域医療構想調整会議」で行う。厚労省は今年2月、調整会議について「おおむね3カ月に1回」の頻度で開催し、その開催状況や検討内容を都道府県に報告するよう求める方針を示した。つまり、地域医療構想の達成度合いは、厚労省によって必ずチェックされることになる。さらに厚労省内部では現在、地域医療構想の達成度合いに応じて、都道府県への財政支援に差を付けることが検討されているようだ。経済的インセンティブによって、都道府県のやる気を引き出そうというわけだ。

 このように都道府県の手腕が問われる地域医療構想だが、その内容にはバラツキが大きい。既存病床数と2025年の必要病床数のギャップを埋めるために、個別の病院名を挙げ今後の方向性を詳細に記している県がある一方で、抽象的な記述に終始している県もあるのが実情だ。中でも、青森県や岐阜県の地域医療構想は具体的であり、他の都道府県との違いが際立っている。

 特に青森県は、昨年3月に早々に策定を済ませ、既に実現に向けた各種の取り組みを精力的に実践している。例えば弘前市が属する津軽地域では、国立病院と市立病院を統合して新たな中核病院を整備するとともに、3つの市町村立病院を回復期リハビリテーション病棟などに機能転換し、病床を削減するための協議を開始した。

 また、青森県の人口当たり有床診療所病床数が全国平均を大きく上回ることから、県は昨年8月、非稼動病床の削減を促す通知も出している。さらに在宅医療・介護連携の推進に向けて、構想区域ごとに入退院調整のためのルールを策定したほか、介護の受け皿の強化策として昨年10月、介護サービス事業所の認証評価制度も独自にスタートさせた。

 地域医療構想をようやく策定した段階にある都道府県は、青森県と比べれば、既に周回遅れとなっている格好だ。もっとも、青森県と岐阜県で地域医療構想を担当するのは厚労省からの出向者であり、両県の構想は純粋に県の手腕を反映したものとは言い難い。各都道府県の医療行政担当者は、今こそその力量を発揮してほしい。


  1. 2017/03/16(木) 05:49:31|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<3月16日  | ホーム | 3月14日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する