Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月14日 

https://www.m3.com/news/general/511417?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170314&dcf_doctor=true&mc.l=211322060&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
千葉大研修医を懲戒解雇 わいせつの罪で公判中
2017年3月14日 (火) 共同通信社

 千葉大医学部生が飲み会に参加した女性を集団で乱暴したとされる事件で、千葉大は14日、飲み会中に女性にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつ罪に問われ公判中の千葉大病院研修医藤***(30)を懲戒解雇にしたと発表した。

 起訴状によると、千葉大医学部5年の***被告(23)=集団強姦(ごうかん)罪で公判中=らと共謀し、昨年9月20日夜、千葉市の飲食店で酒に酔った女性の体に触るなどしたとしている。2月20日の初公判では「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 事件を巡っては藤坂、吉元両被告の他、集団強姦罪で***被告(23)、準強姦罪で***被告(23)=いずれも千葉大医学部5年=が公判中。千葉大は医学部生3人についても処分を検討している。

G3註:原文は実名報道



https://www.m3.com/news/general/511449
収監逃れ、疑惑解明遠く 京都府立医大強制捜査1ヵ月
2017年3月14日 (火) 京都新聞

 京都府立医科大付属病院(京都市上京区)などが暴力団組長の病状について、虚偽の文書を作成するなどしたとされる事件は14日、府警の強制捜査から1カ月となる。吉村了勇(のりお)院長(64)は記者会見で、虚偽性を否定したが、疑問は消えない。府警による院長や主治医の講師(44)らへの任意聴取は今も続いており、捜査は長期化の様相を見せている。

 指定暴力団山口組系淡海一家(大津市)の高山義友希受刑者(60)は2014年7月当時は公判中で、腎臓疾患で人工透析を受け、保釈されていた。府立医大付属病院によると、同月に生体腎移植を受けた。吉村院長や講師は高山受刑者の病状について、判決確定後の15年8月、検察庁からの照会に対し、腎疾患で「拘禁に耐えられない」と病院長名で回答書を作成し、提出した。

 京都新聞社が入手したこの回答書によると、検察側は、病名や治療状況、入院の必要性など13項目について質問している。病院側は病名を「移植腎拒絶反応」とし、拘禁に耐えられない理由に「BKウイルス腎炎の併発で、免疫抑制療法の厳重な調整を継続する必要があり、改善に2年を要する」などと記載。治療に必要なものとして、免疫抑制剤の血中濃度の測定装置や、血中・尿中ウイルスの定量検査などを挙げている。

 法務省は、高山受刑者が収監された大阪刑務所など、全国の刑務所など矯正施設のうち約10カ所で人工透析治療装置を設置。腎疾患患者も収監しており、「病態によるが、移植患者だから収監できない、ということはない」としている。

 吉村院長は会見で、高山受刑者が移植後約1年で入院した際、血中クレアチニン(アミノ酸の一種)の値が100ミリリットル当たり1・06ミリグラムから1・17ミリグラムに上昇したとのデータを示し、感染症の危険性を指摘。「テレビなどで想像し、衛生状態の不確かな刑事施設では感染症にかかる可能性が高いと考えた」と説明した。院長の代理人弁護士によると、収容施設の設備環境や診察態勢の詳細な説明は検察側からはなかったという。

 ある検察OBの弁護士は「人的、物的に刑務所の医療環境がどうなっているのか。その説明がなければ評価の土台がなく、拘禁に耐えられるのか医師は判断しようがない」と話す。

 捜査関係者によると、収監を巡り、大阪高検が病院などから取り寄せた診療データなどを基に府警が昨年、捜査を開始。複数の医師に分析を依頼し、高山受刑者が当時、収監に問題ない健康状態だったとの見解を得たという。

 また、講師は府警の任意聴取に対し、吉村院長に相談の上、「拘禁場所付属の医療機関により治療を継続することで拘禁が可能」「医療刑務所での拘禁なら可能」など四つの選択肢の中から「拘禁に耐えられない」にチェックし、理由を書き添えたことは認めているという。

 一方、吉村院長は回答書の内容に「虚偽は一切ない」と否定している。院長の代理人弁護士は、複数の専門医に独自に見解を求め、拘禁に耐えられないとの判断が妥当だったとの意見を得たといい、「院長に相談した結果、講師が意見を変えたとしても結果が正しければ『虚偽』には当たらない」と主張している。



https://www.m3.com/news/general/511364
偽造C肝炎薬で改善命令 東京と大阪の卸売業者6社
2017年3月14日 (火) 共同通信社

 C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が見つかった問題で、東京都と大阪府は13日、偽造品を扱っていた「現金問屋」と呼ばれる卸売業者計6社に、医薬品医療機器法に基づき業務内容の改善措置命令を出した。

 6社は、エール薬品(千代田区)、大興薬品(同)、高洋薬品(同)、フジ薬品(大田区)、野川薬品(台東区)の都内の5社と大阪市のグローバルネットエルズ。

 都によると、偽造品はエール薬品が個人から仕入れ、他の5社に譲り渡された後、奈良県内の薬局チェーンに納入された。1月以降、東京と奈良で計15本見つかった。健康被害は確認されていない。

 医薬品取引では仕入れ先の記録が義務付けられているが、エール薬品は伝票に架空の会社を記載していた。このため、都や大阪府は6社に、仕入れ先の情報を正確に記録することや、外装に異常があるものは仕入れの経緯を確認するなど管理体制の改善を命じた。

 エール薬品はこれまでの取材に「複数の個人から、相手の身元確認をせずに購入した。仕入れ伝票には全て架空の会社名を書いた」と虚偽記載を認めていた。

 奈良県と奈良市も7日に、偽造品が見つかった薬局の運営会社「関西メディコ」(奈良県平群町)などに医薬品医療機器法に基づく改善措置命令を出している。



https://www.m3.com/news/general/511362
特養8割がみとりに対応 厚労省調査
2017年3月14日 (火) 共同通信社

 全国の特別養護老人ホーム(特養)の約8割が、希望があれば入所者を施設内でみとることが13日、厚生労働省の調査で分かった。特養では医師が常駐していないことが多く、終末期の入所者への対応は難しかったが、態勢を整える例が広がっている。

 一方、昨年10月に死亡した入所者のうち施設内で亡くなった人は59%、病院・診療所が41%だった。

 調査は昨年秋に郵送で実施し、1502施設から有効回答を得た。

 みとりの方針については、78%が「希望があれば施設内でみとる」と回答。「原則、病院などに移す」が16%と続いた。

 終末期ケアの課題(複数回答)では、「介護職員の知識・技術の向上」が45%で最多。「配置医との関係強化」や「夜間・休日の職員態勢の充実」を挙げる意見も多かった。

 常勤の医師がいる施設は1%にとどまり、非常勤医師がいるのは95%だった。



https://www.m3.com/news/general/511414
死亡事例の報告義務違反 製薬企業に改善命令
2017年3月14日 (火) 共同通信社

 厚生労働省は14日、製造販売する医薬品に関する患者の死亡事例について、法令上必要な報告を怠ったとして、東京都千代田区の外資系製薬企業「セルジーン」に対し、業務改善命令を出した。

 厚労省によると、医薬品医療機器法(旧薬事法)は、海外で起きた患者の死亡事例について、薬の副作用が原因かどうか不明でも国への報告義務があるとしている。同社は2010年以降、血液がん治療薬「レブラミド」など3製品を服用した患者のうち、死亡原因が不明なケース計4573件の報告を怠った。

 同社の社員が報告義務違反に気付き、自主申告した。報告の必要がないと誤解していたという。厚労省は、今回の死亡事例を「基本的に病気の進行により亡くなった」とみており、製品回収などの安全対策は必要ないとしている。

 セルジーン社は「再発防止に全力で努める」とのコメントを出した。



https://www.m3.com/news/general/511445
【栃木】うつのみや病院のJCHO体制存続へ、厚労相が意見書「引き続き運営を」 中山会への譲渡、事実上不可能に
2017年3月14日 (火) 下野新聞

 宇都宮記念病院を運営する社会医療法人「中山会」が、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)うつのみや病院の譲渡を国に要望していることを巡り、塩崎恭久(しおざきやすひさ)厚生労働相は13日、JCHOの尾身茂(おみしげる)理事長に対し、引き続き同病院の運営を求める意見書を通知した。

 JCHO側は既に、同病院の運営を続ける意向を示しており、今後、正式決定するとみられる。中山会への譲渡は事実上、実現不可能となった。

 厚労相の意見書では、県と宇都宮市から、JCHO体制の存続を求める意見書が国に提出されたことを踏まえ、「引き続き、機構で適切に運営されたい」と要請。また宇都宮南部地区住民の要望でもあった救急医療や災害医療、リハビリテーション、在宅医療、産科医療などの役割を適切に果たしていくことも求めた。



https://www.m3.com/news/general/511408
10人死亡の整形外科火災、院長を不起訴 福岡
2017年3月14日 (火) 朝日新聞

 福岡市博多区の安部整形外科で2013年10月、入院患者ら10人が死亡した火災で、福岡地検は14日、業務上過失致死傷容疑で書類送検された男性院長(49)を不起訴(嫌疑不十分)にした。福岡県警は送検時、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けていたが、地検は「起訴に足りる証拠がなかった」と判断した。

 福岡県警によると、13年10月11日未明、鉄筋コンクリート4階建ての1階から出火。1、2階にいた入院患者8人と、3階に住んでいた元院長夫妻の計10人が死亡し、入院患者ら5人が負傷した。

 県警は、防火扉の一部が作動しないようになっていたために、煙が一気に充満して被害を拡大させたと判断。扉の不備を放置し、避難訓練などもしていなかったとして、院長を15年2月に書類送検した。

 だが地検は、実験の結果などから「それぞれの扉が仮に機能していたとしても、煙の回りが早く、患者を避難させることはできなかった」と結論づけた。

 火災原因は、電源プラグにほこりなどがたまって発火する「トラッキング現象」による失火という。

 不起訴処分を受け、院長は14日、「(火災は)今も私の中に深く大きな悔恨と悲しみを刻みつけています。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」などとするコメントを出した。

     ◇

 「不起訴は良かったと思う。兄貴もそう感じているでしょう」。死亡した入院患者の小舘(こだて)善輔さん(当時86)の弟泰造さん(85)はこう話した。

 葬儀の際、院長は「あと約1週間で退院だったのに申し訳なかった」と親族に頭を下げたといい、「院長を責める気はない。頑張って仕事を続けてほしい」。

 亡くなった入院患者の女性(当時83)の親族の男性(71)も、不起訴をニュースで知り、「おばは院長のことを信じていたと思うので、責めてはいないと思う」と話した。その上で「火災は設備の不備が原因だと思う。二度と同じ被害を出さないために、関係機関は再発防止策に取り組んでほしい」と望んだ。(緒方雄大、張守男、大野択生)



http://www.asahi.com/articles/ASK3G5TYSK3GTIPE01Z.html
不起訴の院長「今も大きな悔恨」 10人死亡病院火災
2017年3月15日00時44分 朝日新聞

 福岡市博多区の安部整形外科で2013年に10人が死亡した火災で、業務上過失致死傷容疑で書類送検され不起訴処分となった男性院長(49)が14日、弁護士を通じてコメントを公表した。全文は次の通り。

 検察庁が不起訴の処分をされたということを弁護人からの連絡で知りました。

 火事から約3年5カ月が経ちましたが、私が院長を務めていた医院から出火し、8人の患者様と両親の尊い命を失わせ、5人の方々におけがをさせてしまったという事実は、今も私の中に深く、大きな悔恨と悲しみを刻みつけています。

 お亡くなりになった患者様とご遺族の方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 父の代から有床診療所を開設し、地域の皆さま、入院が必要な患者様を受け入れ、父も、そして医院を受け継いだ私も、日々懸命に地域医療に努力してきたつもりでしたが、今回の火事により人命に対する甚大な被害を出してしまい、皆さまからの信頼も失ってしまいました。

 火事が起きて以来、有床診療所を経営する者として、どうすべきであったのか、どうすれぱ今回の火事を防ぐことが出来たのか、ずっと自分に問いかけている毎日です。

 現在は、地域の方々からご要望をいただき、小さいながら医院を再開して患者様の治療に務めておりますが、今後私ができることは、被害に遭われた方々のことを思い続け、死ぬまでこの場所で地域医療にこの身を捧げるとともに、このような悲惨な事故が二度と起きないようにするためにはどうしたらよいかということを一生懸命考え続け、再発防止のための活動に微力を注ぐことよりほかにないと考えています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/509323
シリーズ AIが切り拓く医療の新時代
「エビデンスと診療のギャップ」、NDB等で解明
京大・中山氏、ビックデータによる観察研究、RCTを補完

2017年3月14日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「経口ステロイド薬を3カ月使用中または使用予定の患者が、『ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン』に準拠して、骨粗鬆症についての治療や一般的指導、経過観察を受けているのは23.3%」

 「抗精神病薬を処方されている患者のうち、1医療機関のみから処方されているのは全体の97%に上るが、一方で残る3%は、2カ所以上の医療機関、中には11もしくは12の医療機関から処方されている患者もいる」

 医療分野におけるビックデータの代表例が、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)。京都大学院医研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授の中山健夫氏らによる、NDBなどを利用した研究から、さまざまな診療の質に関わる実態が明らかになってきている。

 医師でもある中山氏が力を入れる研究テーマは、「エビデンスと診療のギャップ」。中山氏は、「エビデンスやガイドラインは作成しても、それが遵守されないことには、診療の質は上がらない。医薬品についても、創薬すれば、『患者さんは正しく服用するもの』と期待されるが、実際にはそうとは限らない。もちろん、全症例にガイドライン等が当てはまるわけではないが、実臨床とはどんなギャップが生じているのか、何に困っているのかなどを明らかにし、改善につなげていきたい」と研究の狙いを語る。

 前述の経口ステロイド薬の研究は、同薬に伴う骨粗鬆症発症予防のため、投与量に応じて「治療」「経過観察(定期的な薬物治療)」などの対応を行っているか否かを検討したもの。中山氏らが2011年に発表した研究では、『ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン』(2004年版)の遵守率は、プレドニゾロン5mg/日未満では治療7.3%、経過観察1.0%、5mg/日以上でも30.5%、全体では23.3%にとどまっていた(ガイドラインの最新版は2014年版)。

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『ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン』の遵守状況(提供:中山氏)
 2014年度から2016年度の「厚生労働科学研究 健康医療分野のデータベースを用いた戦略研究」で取り組んでいるのが、NDBなどを活用した、「高齢者医療の適正化推進に向けたエビデンス診療ギャップの解明」。「超高齢社会に向けた日本における高齢者医療の在り方、方向性の提示は重要課題と言える。しかし、高齢者医療、特に終末期医療については、そもそもエビデンスに乏しく、どんな医療を実践すれば望ましいのかが分からない。その現状をまず明らかにするのが目的」(中山氏)。

 研究対象は、「不適切処方」「がん治療」「慢性腎臓病(CKD)診療」「高齢者の終末期・緩和ケア」の4分野。「NDBの蓄積データは100億件を超す。国民皆保険制度下で、どのような医療が行われているのかを、1億人規模の人口を擁する国レベルで解明できる、現時点での世界最大のデータベース」(中山氏)だが、悉皆性が高い一方、「レセプト病名」が存在したり、データクリーニングが行われていないなどの問題がある。このため、NDBに加えて、各種民間データベース、京大の「P-retriever」(レセプト情報に加えて、検査情報も含まれているデータベース)や院内がん登録などを用いて研究を進めている。

 2016年度までの研究だが、「慢性腎臓病(CKD)診療」については、eGFR(推算糸球体濾過量)で見た重症度と病名を突合した結果、CKDまたはその疑い患者のうち、実際に治療を受けているのは少なく、多数の未受診者が存在することが分かってきている。今後、CKDの「診療の質」の4指標(レニンアンギオテンシン系阻害薬、尿検査、栄養指導、非ステロイド性抗炎症薬の常用回避)の実施状況と、末期腎不全発生との関連なども調べる方針だ。

 がんについては、医療の均てん化に向け、がん診療連携拠点病院の整備が進められているが、拠点病院以外の診療の質向上、もしくは患者の集約化が必要なことが明らかになっている。胃癌の患者のうち、がん診療連携拠点病院を受けているのは、約4分の1にとどまっていたからだ。

 「高齢者の終末期・緩和ケア」については、死亡直前のICU入室や化学療法など、医療提供の在り方と医療費の関係などについて研究中だ。

 「仮説が事前に明確ではない観察研究の宝庫」
 中山氏が、PubMedで検索した結果、医療分野で「ビックデータ」との言葉が使用されたのは、2008年のNature誌が最初だったという。特にここ数年、医療分野でのビックデータの利活用が進んでいるのは周知の通りだ。

 中山氏は、「ビックデータがあれば全てが解決するわけではない。目的に応じて、適切なデータを活用し、研究デザインをいかに組むかがカギ」と指摘する。NDBは、1.5T(テラ)を超える巨大なデータであり、そもそもハンドリングは容易ではない故に、「レセプト病名」の問題、検査実施の有無は分かっても、その結果が記載されていないなどの欠点はある。

 一方で、中山氏は、「仮説が必ずしも事前に明確ではない観察研究の宝庫であり、これまで見えてこなかったことが分かり、結果を対策に生かすことができる」と、ビックデータの利活用に期待を込める。「昔は、“研究”と言えば、基礎研究。その後、1990年代にEBMの重要性が指摘され、RCTなどの介入研究が行われるようになった。しかし、RCTは特定の施設で、限定された患者を対象にした研究であり、その限界もある」(中山氏)。

 医療分野のビックデータは、「予防、診断、治療・ケア」の分野での利活用が想定されるが、その中で中山氏が先行するとみるのが、「診断」の部分だ。実際、画像診断やがん関連遺伝子の検索などでの研究、実臨床での活用が進んでいる(『AIで画像診断支援、医師不足対策の一助にも』、『「そうだ!Watson君に聞いてみよう!」』を参照)。

 「小ビックデータ」問題、解決を
 中山氏は今後、医療分野のビックデータの利活用を進めるに当たって、データの整備とその取り扱いの両面から課題を挙げる。

 データの整備の面では、死亡統計、DPC、レセプトデータ、がん統計など、医療分野にはさまざまなデータがあるが、相互の連結はない。個人情報保護等に配慮しつつ、「小ビックデータ」(中山氏)をつなぐためには、医療等IDが必要になる。

 一方で、中山氏は、データの取り扱いにも注意を促す。例えば、想定していなかったさまざまな事象が見えてくるため、「都合のいい結果のみを報告する」といったバイアスがかかる可能性がある。またデータ量が多ければ、「弱い関連」として抽出されることがあり、その結果の解釈も注意が必要だ。「データには、知識が加わって、初めて意味のある『情報』になる。その情報をどのように意思決定に活用するかは医師にかかっている」(中山氏)。

 さらに、中山氏は今後の課題として、医学教育の問題を挙げる。「エビデンスと診療のギャップを埋め、医療の質を向上させるためには、まずエビデンスを構築し、各医師が自らの診療の適切性をエビデンスと比較することが求められる。エビデンス構築のため、また比較のため、つまりは他者のためだけでなく、自分自身のために正確なデータが必要になる。この思いを持って診療に当たれるよう、医学部で教えてもらいたい」。



https://www.minpo.jp/news/detail/2017031439789
医師県内定着へ新実習 新年度から福島医大 32病院と連携、教育充実
( 2017/03/14 08:52  福島民報 )

 福島医大は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後に県内で不足や偏在が課題となっている医師の確保と定着に向けて平成29年度から県内32病院と連携して医学部生を教育する仕組みを導入する。福島医大付属病院が中核を担っていた病院実習を他医療機関と協力して実践し、地域事情に通じた医師を養成。定着の契機となる卒後臨床研修医の増加につなげる。

■卒後臨床医増加目指す

 新たな病院実習のイメージは【図】の通り。福島医大は県内の卒後臨床研修指定病院や学生受け入れが可能な一定規模以上の病院などに協力を要請した。福島医大は同様の取り組みとしては全国有数の規模になるとみている。
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 学生は50のプログラムから選択して学ぶ。例えば内科や外科など幅広い診療科を回ったり、心臓や脳の疾患など各病院が強みとしている診療に特化したりするプログラムなどを想定している。被災地で増加傾向の疾患や診療態勢に理解を深めるほか、中山間地での訪問診療などに同行し医療過疎の現状を体験する実習も組み込む。実習先が偏らないよう、複数のプログラムを組み合わせたコースの構築も検討する。
 29年度は6年生約100人を対象に4月から7月にかけて計14週実施する。30年度以降、対象学年や実習期間を増やす方針だ。
 学生は実習を通じて県内各病院の医師や研修医の話を直接聞き、卒業後の研修先選択の参考とする。病院側は指導に加え、研修医定着に結び付ける機会とする。
 福島医大によると昨年、県内病院での卒後臨床研修が決まった新人医師数は97人で過去最多だった。だが、人口10万人当たりで見ると約5人で、全国順位は44位と低迷している。福島医大の医学部卒業生の県内研修の定着率も半数程度にとどまっている。福島医大は学生を対象とした調査で「研修内容」「職場の雰囲気」を優先して研修先を選択しているとの結果を得た。学生時に県内医療の現状を幅広く学ぶことで県内定着につながる可能性が高まると判断した。
 同大医療人育成・支援センターは「県全体で医師を育てる環境を醸成し、県内の医療環境向上につなげたい」としている。



http://blogos.com/article/213969/
どの医師に診てもらうかで、かかる医療費が大きく異なることが最新の研究で明らかに
津川 友介
2017年03月14日 00:00  BLOGOS

2016年8月、「日本の医療費は高額 新基準で世界3位」という記事が日経新聞をはじめとする大手新聞の紙面を飾りました。日本の医療費は約56兆円でGDP比で11.2%であり、OECD加盟国で米国、スイスに次ぐ第3位の高水準となりました。医療費は多くの先進国が頭を悩ませている問題です。強引に医療費を引き下げれば必要な治療を受けるまでの待ち時間が長くなったり、必要な治療を受けることができなくなり(重症患者の「たらい回し」など)、それらが社会問題化すると政権を脅かすことになります。一方で、医療費の問題を先延ばしにすれば、国の財源を圧迫し、教育などの他の用途に使える財源が少なくなってしまいます。しかし、実は医療の質やアクセスに悪影響を与えることなく、医療費抑制に成功する方法を確立することができた国はまだ存在していないのです。

実は、医療における「ばらつき」は1970年代から研究されています。1973年には、権威ある科学雑誌であるサイエンスに、バーモント州の小さな町を比較すると、医療サービスの利用件数が大きく異なるという研究結果が発表されました。例えば、扁桃摘出術の件数は、一番多い地域で人口10,000人あたり一年間に151件なのに対して、一番少ない地域では13件しか施行されていませんでした。扁桃摘出術は扁桃腺炎を繰り返す患者に施行される手術ですが、同じ州内で扁桃腺炎の罹患率が10倍以上異なるとは考えられないため、このばらつきは医療提供側の問題であると考えられました。

アメリカでは、メディケア(65歳以上のアメリカ人はほぼ全員加入する公的保険のこと)に加入している人の一人当たりの年間医療費の平均値が、(年齢や性別などで補正した後)住んでいる地域によって70%も異なることも知られています。その後、多くの研究において地域間の医療費のばらつきに関しては認められています。医療現場においては医師が意思決定に大きな影響をおよぼすため、医療費の規定因子として地域よりも医師の方が重要であるにも関わらず、同じ病院の医師間でどれくらい医療費が異なるかは知られていませんでした。

そこで今回、私達ハーバード大学の研究チームは、アメリカの65歳以上の高齢者が全員加入する公的医療保険であるメディケアのレセプトデータを用いて研究を行い、その研究結果がJAMA Internal Medicine誌(2017年3月13日オンライン版)に掲載されました。研究の結果、2つのことが明らかになりました。

同じ疾患の治療でも、かかる医療費は医師の間で大きく異なり、医師間の違いは、病院間の違いよりも大きい(医療費を安く抑えようと思ったら、正しい医師を選ぶことの方が、正しい病院を選ぶことよりも重要である)。
同じ病院で勤務している医療費の高い医師と、医療費の低い医師を比較すると、患者の死亡率・再入院率ともに差が無かった。
2011~2014年に内科疾患で入院し、一般内科医によって治療された患者のデータを解析しました。約3,000の病院に勤務する、約50,000人の内科医によって治療された、約800,000入院のデータが解析に用いられました。

まずは、入院医療費のばらつきのうち、患者要因、医師要因、病院要因のそれぞれで説明できる割合を計算しました。その結果、表1のように(同じ病院内の)医師間の医療費のばらつき(10.5%)の方が、病院間の医療費のばらつき(6.2%)よりも大きいことが明らかになりました。

表1.病院、医師、患者要因によって説明できる入院医療費のばらつき

  病院によって説明できる医療費のばらつき   6.2%
  医師によって説明できる医療費のばらつき   10.5%
  患者によって説明できる医療費のばらつき   83.3%
(注)一般内科医によって治療された患者のデータを用いた。

次に、医師レベルの医療費と患者のアウトカム(30日死亡率および再入院率)との関係を解析しました。患者要因(年齢、性別、人種、主病名、27個の併存疾患、家庭収入、貧困層向けの医療保険であるメディケイド加入の有無)、医師要因(年齢、性別、卒業した医学部)、病院(病院固定効果を用いたため、同じ病院で医師間の比較をしたことになる)で補正しました。それでも補正できない(観察されない)患者の重症度の違いがありうるため、下記の2つの方法を用いました。

主解析はホスピタリストの解析を行いました。ホスピタリストは入院患者のみを治療する医師であり、現在では全米で50,000人以上のホスピタリストが診療しており、75%の病院はホスピタリストを有しています。ホスピタリストはシフト勤務をしているため、患者が入院を要する疾患が発症したときにたまたま勤務している医師が担当医となるため、医療費の高い医師と低い医師で患者の重症度はあまり変わらないと考えられます。さらに、たまたま重症患者を診療しているために、その医師は医療費が高くなり、患者のアウトカムも悪くなることを防ぐため、2011-2012年のデータを用いて医師の医療費のレベルを計算し、次に2013-2014年のデータを用いて患者のアウトカムを評価しました。

解析の結果、医師の医療費レベルと患者の死亡率および再入院率の間には関係が無いことが明らかになりました(図1)。

図1. 医師の医療費レベルと患者のアウトカムの関係
(A)30日死亡率
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(B)30日再入院率
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(注)縦軸はリスク補正後の死亡率(A)および再入院率(B)、横軸はリスク補正後の医師の医療費を表す。患者要因および病院でリスク補正を行った。

医師の医療費が100ドル増加すると、死亡に関するリスク補正後のオッズ比は1.00(95%信頼区間 0.98~1.01、P=0.47)、再入院に関するリスク補正後のオッズ比は1.00(95%信頼区間 0.99~1.01、P=0.54)でした。

医師間の医療費のばらつきが大きいことより、医療費を適切に抑制したい場合には、病院だけでなく医師の診療パターンに直接影響を与える政策がより有効であると考えられました。また、医師の医療費のレベルと患者の予後との間には関係が無かったことより、医師レベルの医療費は医療の質を犠牲にすることなく抑制できる可能性があることが示唆されました。

増加する医療費はアメリカだけでなく、日本でも大きな問題です。日本でも同様の結果が得られるかどうかは現時点では分からないものの(日本でも同様の研究が行われることが望まれます)、医療の質を落とすことなく医療費抑制するためには、医師の診療パターンのばらつきを理解し、それが医療費や患者の健康にどのような影響を与えるかを評価することが重要であると考えられます。

今回の研究結果は、ウォールストリートジャーナル、NPR(アメリカの公共のラジオ)、ハーバードビジネスレビューなどに取り上げられました。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170301-OYTET50009/
わたしの医見
診察の待ち時間、楽しむ工夫も

茨城県龍ヶ崎市 主婦 65
2017年3月14日 読売新聞

 関節リウマチで25年も通院している。最近は予約制の病院が多く、以前ほど待たずに済むが、初診や、症状に変化が生じた人の診察では時間が長引き、予約時間がずれる日もある。

 医師も意図的に患者を待たせているわけではない。待ち時間を無駄にしないように、私は肩の凝らない小冊子を持参する。また、同じ患者同士で情報交換もする。教えられたり、教えたりで、互いにためになる。

 そんなふうに時間を過ごしていると、「あら、あなたの番号が表示されていますよ。いよいよ次ですね」。待ち時間を楽しむ工夫はいろいろある。

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東日本大震災 「福島第一原発事故」アーカイブ
被災地医療支援探る 福島医大の寄付講座・成果報告

(2017/03/14 11:33 福島民報)

 福島医大の寄付講座研究活動・成果報告会は13日、福島市の同大で開かれ、関係者が東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の被災地での医療支援活動や多彩な研究の成果を発表した。
 企業や団体からの支援を受けて研究・活動している11講座がそれぞれ今年度の活動の成果を紹介した。
 福島民報社と福島民報教育福祉事業団が寄付している災害医療支援講座は被災地の医療機関への支援や課題解決に向けた研究などを報告した。紺野慎一同講座主任教授が、医師らが不足する相双地区では透析治療を県外で受ける患者が昨年7月現在で11人となり、1年半で10人増えた状況を説明した。「災害などで通院できなくなった場合の対応や新たな疾患の予防が課題だ」と述べた。今後は認知症患者と震災との関連などを調べる考えを示した。
 救急医療支援講座による心肺蘇生教育の活動、腫瘍生体エレクトロニクス講座による医療機器の研究・開発についての発表も行われた。



http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/14/obamacare_n_15351062.html
オバマケアを批判する人たちが絶対に認めようとしないか、全く理解できないこと
The Huffington Post | 執筆者: Jonathan Cohn
投稿日: 2017年03月14日 15時45分 JST   ハフィントンポスト

カリフォルニア州、サウザンド・オークス -- メアリーアン・ハンマーズさん(61)は、いつの日か卵巣がんで命を落とす可能性がある。しかし、その日がしばらくは来ないでほしいと願っている。

ハンマーズさんは2013年後半にがんと診断され、医師からステージ3Cと告げられた。適切な治療を受け、少々運が良ければ何年も生きられるレベルだ。これまで、ハンマーズさんはその両方を持ち合わせていた。2回目の寛解期を迎え、化学療法の最終クールを1年半前に終えた。しかし最近受けた血液検査で、腫瘍発生との関連が疑われるタンパク質レベルの上昇が見つかったと、数週間前の取材で語った。「おそらくタンパク質レベルの上昇は偶然でしょう」と語った。「そうだといいなと思っています。何か時計の針が音を立てているような気分です」

ハンマーズさんによると、がんが再発した場合、前に受けた2度の手術と同じように「大手術になり、魚のように体を切り開かれ、何日も入院する」ことになるという。それから化学療法、薬物療法、入院治療、そして在宅療養へと移る。しかしハンマーズさん自身は運がいいと考えている。なぜなら南カリフォルニアにある有名ながん研究・治療センター「シティ・オブ・ホープ」で治療を受け、保険で治療費を払うことができるからだ。

さらに運が良いのは、保険で治療費の支払いができている。「カバード・カリフォルニア」(オバマケアに基づきカリフォルニア州政府が設立した医療保険取引所)で購入したアンセム・ブルー・クロス社の保険契約があるからだ。

ドナルド・トランプ大統領や、ポール・ライアン下院議長をはじめとする共和党議員は、医療保険制度改革(オバマケア)のおかげで保険に加入できた人たちにも、この法律は大失敗だったと言っている。しかしハンマーズさんの見方はまったく違う。ハンマーズさんはフリーランスのライター兼編集者なので、雇用主提供の保険には入っていない。昔ならがんの診断書を持って保険を契約しようとしても、契約に前向きな保険会社を見つけるのはとても大変だっただろう。


私は怖いんです。… がんの治療を受けると、あっという間に100万ドル(約1億1千万円)の請求が来るってご存知ですか?
――メリーアン・ハンマーズさん、カリフォルニア州サウザンド・オークス


ハンマーズさんが非常にありがたいと思っているのは、トランプ大統領などオバマケアに批判的な人たちですら支持している、「既往症に対する保障」だけではない。オバマケアでは保険会社に保険の適用範囲で幅広いサービスと治療法を提供するよう規定されている。ハンマーズさんの場合、白血球を増やすための薬「ニューラスタ」の注射を何度も受ける必要がある。ニューラスタは、血液中の白血球の量を増やす薬で1回投与するごとに、通常数千ドルの費用がかかる。またオバマケアでは、年間または生涯で治療給付金の上限を設けることを禁止している。長期間がん治療を受けるハンマーズさんは、オバマケアが廃止となれば、すぐに上限に達してしまうだろう。

これほど保障の手厚い保険に加入するためには、必然的に年間何千ドルもの費用がかかってしまう。ハンマーズさんは、特に病気の治療で働ける時間が減ったこともあって、自力では支払えない。しかし、オバマケアによる大幅な税額控除のおかげで保険料支払い額が減り、自己負担も軽くなっている。ハンマーズさんは「オバマケアがなかったら、自分がどうなっていたか正直分かりません」と語った。

それでもハンマーズさんが現在受けている保険の適用範囲は、以前会社勤めをしていたときに雇用主経由で受けていたものには及ばない。しかし、がんの診断を受ける直前の数年間に自分で契約していた保険よりは良い。後者の契約では保険適用範囲が狭く、検診を受けるのをためらうほどに自己負担額が高かった。しかしオバマケアで予防検診が無料になり、ずっと先延ばしにしてきた大腸内視鏡検査を受けることができた。大腸内視鏡検査にあたって通常行う予備検査の段階で、医師はハンマーズさんの腹部にしこりがあるのを見つけた。

ハンマーズさんは、もっと定期的に医者に診てもらっていれば、もう少し早くがんが見つかったのではないかと考えることもある。「でも私には多額の医療費を払う余裕はありませんでした。それに自分は健康面で全く問題ないと思っていたんです」

最近、ハンマーズさんが自分の病気のことよりはるかに心配しているのは、トランプ大統領や共和党が多数を占める議会が、十分な代替案を作らないままオバマケアを廃止する可能性があるということだ。

「私は怖いんです。その理由がおかしくないですか?」とハンマーズさんは語った。「今抱えているストレスの一番の原因は、治療の困難ながんではないんです。私の保険がなくなってしまう可能性が高いということなのです」


アメリカの医療、かつての姿

ハンマーズさんのような人々の話の意味を理解し、オバマケアに対する彼らの意見を理解するには、オバマケアが発効する前ハンマーズさんのような人たちが、どういった状況に置かれていたかを思い起こしてみるとよい。バラク・オバマ氏が大統領に就任した2009年までに、アメリカ人の約6人に1人は健康保険に未加入となり、被保険者でも莫大な医療費を払わされる可能性もあった。あの時代、私は健康保険について報じた記者として、こういった人たちに取材していた。現在でもこういった話はよく耳にする。というのは冷淡で、気まぐれで、最悪だった過去の制度のせいで今でも苦しんでいる人がいるからだ。

アップステート・ニューヨーク(ニューヨーク北部)の防衛関連企業で品質検査技師として働くゲイリー・ロツラーさんは、1990年代初めに失業し、家族の健康保険も失った。それから2年間ロツラーさんは無保険だったが、独立業者として何とか職にありつけていた。妻のベッツィさんは奇妙な痛みを感じ始めていたが、医者にかからずにいた。検診を受けた時には既に、進行性の乳がんにかかっていた。必死の治療の甲斐もなく、ベッツィさんは亡くなった。3人の子供の父親であるゲイリーさんは未払い医療費のために、自己破産を余儀なくされた。

南フロリダに暮らす未亡人のジャクリーン・ルエスさんは、保険に加入しているから大丈夫と思っていた。しかし、医師からがんの疑いがあると聞き、高額な検査を受ける必要に迫られた。結果は陰性だったが、以前短期間ちょっとした婦人科系の症状で治療を受けていたため、保険会社から既往症とみなされ医療費の支払いを拒否された。

エルサルバドルからの移民でロサンゼルスに暮らすトニー・モンテネグロさんは、保険に入らず、警備員として働いていた。しかし糖尿病の治療をできずにいた結果、弱視になってしまった。

シカゴに暮らす貧しい元修道士マリジョン・バインダーさんは医療費が払えず、カトリック系の病院から訴訟を起こされた。

デンバー近郊に暮らす学校教師のラス・ドレンさんは、しっかりした保険に入っているから大丈夫と信じていた。ところが妻が精神科に入院すると治療費が保障給付金の上限に達してしまい、まだ退院できる状態ではなかったが病院から退院させられた。数日後、妻は自殺した。

2010年に成立したオバマケアは、このような問題に対処するための取り組みとして、ハリー・トルーマン元大統領が約60年前に提唱した国民皆保険制度の実現を目指したものだった。しかしトルーマン元大統領などの先人たちが失敗したのと同じ政策で成功を収めようというオバマ政権の決意が固かったからこそ、次々と妥協を余儀なくされ、必然的に法律が当初目指していた内容からすると不十分なものとなった。

まったく新しい政府主導のプログラムを開始するのではなく、オバマ政権はメディケイド(低所得者向けの公的な医療保険制度)の枠を拡大したり民間の保険会社に規制をかけることしかできなかった。また製薬会社、病院など医療業界からの圧力により、医療費の引き下げ要求を取り下げることとなった。そして、保守色の強い民主党員からの反発を恐れて、プログラム全体に厳しい予算制限をかけることに合意した。こうした決定により、最終的に健康保険は前よりも高額になり、新しい補助制度はあまり手厚い支援となることはなかった。

それでも計画案では、この制度が何百万人に適用され、議会が徐々に医療費を削減することができる手段を講じることができるようになっていた。2009年12月に上院で関連法案が通過した時、当時のトム・ハーキン上院議員(民主党、アイオワ州選出)はこのプログラムが強固な基盤を持ち、スペースを拡張するゆとりのある「スターター・ホーム(初めて購入するマイホーム)」だと述べた。

オバマケアの失敗と成功

7年後、トランプ大統領とオバマケアを批判する人たちは、オバマケアの「スターター・ホーム」は効率が悪く、取り壊しが必要な制度だと主張している。反対の声のなかには冷静な意見もあれば、この制度によって「死の判定団」(終末医療患者の延命措置中止を判断する機関)が設置されるといった、根深い偏見に基づく根拠のない意見もある。しかしこの制度が実際にもたらした結果に焦点を当てている批判の声もある。

中でも、以前より保険料と自己負担費用が高額になった人がいることが問題となっている。既往症の保障などが追加された新しいルールによって保険契約は以前よりも高額になり、オバマケアによる補助金ではその増加分を相殺できないことが多い。2013年秋に突然「為替レート・ショック」が襲ったとき、保険会社は新たなプランを発表し、古いプランの多くは廃止された。これにより、「契約中のプランに満足していれば、そのプランを継続できる」というオバマ大統領の言葉を覚えていた顧客たちは怒り、オバマ大統領や民主党の取り組みに共感していた国民からもそっぽを向かれることとなった。

私はそういった人々もたくさん取材した。数週間前、私はノースカロライナ州ブローイング・ロックに住む不動産業者フェスリー・シューラーさんに話を聞いた。フェスリーさんと飲食企業で働く夫は、まずまずな内容で手ごろな保険を見つけるのに苦労していたので、オバマケアに期待していた。フェスリーさんによると、夫婦は税込で年間約6万ドル(約660万円)の収入があり、2人の子供がいて、近い将来大学の学費を払うことになるという。

2013年後半、夫婦は医療保険に加入しようと詳しく調べてみたところ、税額控除後の保険料が月に360ドル(約4万円)かかることが分かった。シューラーさんはこう考えた。「本当にきついけど、保障内容がいいなら他で節約して何とかしましょう」。しかしその後、家族の医療ニーズによっては、自己負担額が年間1万3000ドル(約143万円)まで達する可能性があると知った。「言葉を失うくらい失望しました」

シューラーさん一家は結局保険に加入しないことに決めた。この一家が特別なわけではなく、そのためオバマケアのシステム全体が弱体化することとなった。 保険に加入しないのは比較的健康な人が多い。健康な人ほど無保険のリスクをいとわないからだ。これは、健康な人々から徴収する保険料で、深刻な病気を抱える人々の医療費をまかなう役割を担う保険会社にとっては、大問題となった。

多くの保険会社は、保険料を上げたり、いくつかの地域からは完全に撤退した。ノースカロライナ州などの一部の州では採算が合わなかったからだ。すでに提供サービスを縮小していたアメリカの医療保険大手「ヒューマナ」は2月14日、オバマケアによる保険取引市場からの全面撤退を発表した。少なくとも現時点では、2018年にはテネシー州の16の郡で、健康保険を扱う会社が全く存在しなくなる状況だ。

トランプ大統領、ライアン下院議長ら共和党員はヒューマナのニュースに飛びつき、「制度的欠陥」の証拠だとしてオバアケア撤廃の必要を訴えた。オバマケアに関する政治家の議論はここ7年間この調子だ。失敗ばかりが注目され、うまくいった部分に注目が行くことはほとんどない。

それでもうまくいったことはたくさんある。

・カリフォルニアやミシガンなどの州では、保険会社が十分にサービスを提供していない過疎地を除き、新たに規制がかかった保険取引市場が制度の立案者側が意図したとおりに機能しているとみられる。これらの州に住む中流階級の人々には、比較的しっかりした保障内容で、手ごろな価格のプランが利用できる。

・自社の商品がどう機能するか、どうすれば上手く競争に勝てるかを理解する保険会社は増えてきているようだ。保険会社が当初予想していたよりも、顧客は価格に敏感なことが分かった。苦戦しているのはたいてい、雇用主を通さずに直接消費者に販売する経験が乏しい、全国規模の大手企業だ。

・2016年の大幅な保険料の値上げは、2年間平均保険料収入が予想をはるかに下回ったことを受けたもので、保険会社が設定した最初の価格が低すぎただけだ。今でも保険料は平均して、同等の雇用主保険と同じか若干安いこともある。しかもそれは税額控除を受ける前の額だ。

・「コモンウェルス・ファンド」と「ヘンリー・J・カイザー・ファミリー財団」が個別に実施した調査によると、自分で保険を購入する人やメディケイドを通じて医療保障を受ける人の大半は、現状に満足しているという。新しい保障内容に対する満足度は、未だに勤務先経由で保険に加入している人に比べて低い。さらに満足度は徐々に下がってきている。しかし、明らかに好意的な反応と言える範囲内だ。
また政府や民間の調査によると、保険の未加入者数がこれまでの記録上最も少なくなったという結果が出ている。 オバマケアにより保険に加入できるようになった人たちのことについて尋ねられると、共和党員がよく返すセリフは、「こういった人たちを混乱から救い出さねばならない」といったものだ。さらに「オバマケアによって保険に加入した人ですら生活が苦しくなり、暮らし向きは全く向上していない」と主張する。この主張はメリーアン・ハンマーズさんたちの体験したことと完全に食い違っている。さらに重要なのは、最も信頼性の高い調査結果とまったく一致していないことだ。

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ハフィントンポスト・ インフォグラフィック: アリッサ・シェラー

2015年に医学雑誌「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」(JAMA)に掲載された調査結果によると、医療費に苦しむ人々は減り、初期診療を受けたり薬を買うハードルが下がり、健康状態が向上したと報告されている。また医療や保険関連の調査機関「カイザーファミリー財団」が、2016年カリフォルニア州の住民に限定して調査したところ、オバマケアにより新規に保険に加入した人の間では、医療費が原因で治療をあきらめたり、天文学的な医療費の支払いを「深く心配」する人の数は大幅に減ったことが分かった。

その他多くの研究でも同様の結果が出ている。そういった研究すべてが、2006年にマサチューセッツ州で実施された保険拡大政策の影響に関する報告書の内容と一致するもので、これが連邦レベルでの法制定の原型となった。医学学術雑誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に掲載された研究によると、マサチューセッツ州の住民の健康状態はよく、経済的なストレスも少ないとの結果がでた。

カイザー財団のラリー・レヴィット副会長は「議論が尽きず、つまずきもありますが、オバマケアが保険の保障問題で歴史的な成果を上げているのは紛れもない事実です。抜け穴が少ない、より良質な保険に加入できるようになったので、治療を受けやすくなり、多くの人が天文学的な額の医療費を払わずに済むようになりました」と述べた。

オバマケア廃止が本当に意味すること

理性的な人々の間でも、上記のような実績があるからといってオバマケアに伴うコストを正当化できるのかどうか、意見が分かれることはあり得る。若くて健康的な人の保険料が高くなり、アメリカの最富裕層には重い税が新たに課されるなどの弊害が出てきた。事実関係だけでなく、価値観と優先順位に関して議論が分かれるところだ。
争点となっていない、または争点にすべきでないのは、現在の政治問題に絡めて冷淡な決定を出すことだ。

民主党議員らはいまだに、1948年にトルーマン元大統領が唱えた「居住地、地位、人種に関わらず国民全員が受けられる医療保障」の原則を支持している。彼らはオバマケアにより、アメリカはトルーマンの掲げた理想に近づいており、次のステップは法律を強化することだと考えている。政府の権力を利用して、 薬、病院医療サービス、その他の医療費用を下げさせる。一方まだ保険料や自己負担額が多すぎると考える人々に対しては、より手厚い政府の援助を受けられるようにする。彼らはフェスリー・シューラーさんのような人たちが、最終的にメアリーアン・ハンマーズさんがすでに受けているのと同じ補償を受けられるようにしたいと思っているのだ。

共和党員の中には、同じ目標を共有しているかのように語る人もいる。トランプ大統領はこの点について、おそらく一番はっきりと発言している。「もっと安い費用で素晴らしい医療を」提供すると約束し、「全員が補償を受けられる」と固く誓った。しかし共和党員には医療を受ける権利という概念そのものを認めない人もいる。 理論的には、手ごろで利用しやすい簡素な医療制度を作ることは可能だが、それは共和党員らが考えているようなプランとは異なる。


この法律が生まれたのには訳があり、この法律に影響を受ける人々にもこの世に生まれた意味があるのです。
――アンジェラ・エイラーズさん、カリフォルニア州ヨーバリンダ

共和党の基本政策は、医療に対する政府の支出を大幅に減らすことだ。つまり富裕層の税金は下がるが、富裕層でない人に対する扶助額は減らされる。共和党政権の下では保険料は安くなるだろうが、そのためには保険適用範囲を減らして、被保険者の自己負担額を今よりもさらに引き上げるしかない。結果としては医療費が増大し、無保険者も増加することになるだろう。もし共和党政権が代替案なしでオバマケアを廃止することになれば、そうなる可能性は非常に高い。なにしろ共和党内では法案作成をめぐって深い意見の隔たりがある。その結果、3200万人が無保険者になると議会予算局は試算している。

そうなると本当に苦しい状況に追い込まれるだろう。特に現在オバアケアの恩恵を受けている人々の一部はそうだ。重い病気にかかっていたり、自分で保険料を払うには収入が少なすぎたりする人たち、ないしその両者だ。

ノースカロライナ州ウィルミントンに住むジェイ・スタウトさん(20)はその一人だ。健康体だったのが自動車正面衝突事故で腕を失いかけ、1月以上も入院することとなった。手術やリハビリを何度も重ねたので何十万ドル(何千万円)もの出費を余儀なくされていただろう。スタウトさんはコミュニティーカレッジの学生でウェイター見習いのアルバイトで暮らしていたので、とても払える額ではなかった。ところが、母親がオバマケアを利用してブルークロス保険を購入していたので無事に治療を受けることができた。数週間前に話をしたとき、スタウトさんは私に、医療保険は「かけがえのないもの」だと言い、保険を失うと「僕の人生は完全に終わりでしょうね」と語った。

メナクシ・バウトラさんは病気らしい病気をしたことがなかったのが、ペンシルバニア大学医学部1年生のとき、重い内蔵疾患を患うこととなった。そのため2か月入院し大学を中退せざるを得なくなった。彼女の保険は失効していたので、そのため胃腸の疾患は既存症という扱いになった。どうにか保険を探し出し、現在はペンシルバニア大学の医学部教授を務めている。その傍ら国民皆保険制度を提唱する活動をしている。

「生まれて初めて、総合健康保険とはどういうことなのか身に染みて分かりました」と、バウトラさんは語った。保障で全てがカバーされるとはどういうことだったか思い出していた。「医者の診察を何回受けたとか、検査室検査を何回受けなければならないとか、薬を節約して使わなきゃとか、といった心配をしないで済みました」

カリフォルニア州ヨーバリンダに住むアンジェラ・エイラーズさんは自分の健康が心配なのではない。娘のマイカさんが肺動脈弁狭窄症という先天的な心臓疾患を患っている。この病気は心臓が血液を肺まで循環させるのが困難になるものだ。幼い女の子は何度も手術を受ける必要があり、小児期の間はずっと集中治療が必要になるとみられる。

2012年にアンジェラさんの夫、トッドさんが投資会社に勤めていたのを解雇された。無保険という選択肢は論外だったため、夫婦はコブラ(COBRA、解雇後も一定期間保険を継続できる法律)を利用し元の勤め先の健康保険に加入し続けた。保険料は高額で、アンジェラは自分たちが保険料を払えなくなった時のことを考えて、パニックになったことを思い出した。「テーブルに座って先のことを考えていたことが思い出されます。私たちの計画がどんなものだったですって?その1つは ... 親権を自分の母親に譲ることでした。母はすごく良い保険に加入していたものですから」

やがてアンジェラさんの夫が自分でコンサルタント業を始めたので、2014年まで保険料を払い続けるだけの収入が入ってくるようになった。その年オバマケアを利用して健康保険に加入することが出来た。今ではゴールドプランに加入している。市場で最も保障金額が高いものの1つで、料金は1年で約2万ドル(約220万円)だ。税金の控除を受けるには収入が大きすぎるが、保険の適用範囲が広いことに感謝している。7歳になるマイカさんには、医療費がすでに50万ドル(約5500万円)かかっている。かつて、オバマケアが始まる前だったら、この夫婦は自分たちの保険プランの生涯限度給付額を超えてしまわないか、頭を悩ませていただろう。

この一家が払う保険金額は年を追うごとに増えている。2人は価格がもっと下がればいいなとは思うが、値上げに対して文句があるわけでもない。「保険会社から来る手紙の内容が、保険料引き上げなのでありがたいですよ。『申し訳ございませんが、弊社としては娘さんに対する保険は今後お取り扱い出来かねます』という内容じゃないですから」と、アンジェラさんは語った。

オバマケアが廃止される可能性について考えると、アンジェラさんはトランプ大統領と共和党が、廃止したら何が起こるのか本当に理解しているのかという疑問を覚える。「この法律が制定されたのには訳があるんです。法律で影響を受ける人たちもこの世に生まれてきた意味があるんです」と、アンジェラさんは語った。「私でもなく、夫でもなく、娘なんです。まだ7歳ですよ。本人の責任では全くないのに、どうして娘が苦しむ必要があるのでしょう? それに娘1人だけの問題ではないんです」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。



http://toyokeizai.net/articles/-/162815
米共和党のオバマケア廃止案、富裕層に恩恵
最上位の所得階層では約21万ドルの減税に

ロイター 2017年03月14日  ロイター - 東洋経済オンライン

[13日 ロイター] - 無党派の米シンクタンク、タックス・ポリシー・センターは、共和党の医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案を実行した場合、最富裕層に中間所得層の5倍以上の恩恵があるとする試算をまとめた。

同センターのシニアフェロー、ハワード・グレックマン氏は「実に劇的な影響だ。典型的な中間所得世帯への減税効果が平均約300ドルなのに対し、所得階層最上位の0.1%では約20万7000ドルに上ることが分かった」と述べた。

負担軽減効果は富裕世帯の場合、税引き後収入の2.6%に上ると見込まれる。一方、企業の支払う保険費用といった福利も含め年間所得が5万1600─8万9400ドルの中間所得層では、軽減できる負担はわずか0.5%にとどまった。上位0.1%の最富裕層の所得は390万ドル以上だ。

共和党の提案は、オバマケアを廃止し代替策と置き換える、トランプ大統領が支持する計画の一環。税金面では10年間で6000億ドル相当の税負担の軽減になる。

米議会予算局(CBO)は13日、下院共和党のまとめた改廃法案が採用された場合、無保険者が2018年に1400万人増え、26年には2400万人増加するとの試算を公表。ただ、17年から26年の間に連邦政府の財政赤字は3370億ドル減少するとも予想した。

トランプ氏は13日、共和党案を擁護する発言をしており、オバマケア反対派に対し、この見直しによって、より多くの保険の選択肢がより低コストで提供されると述べた。

オバマケアでは、富裕層に対する課税を強化することで、低・中間所得層の医療保険費用をまかなう仕組みを導入。民間保険への補助や低所得者向けの公的保険を通じて、以前は無保険だった2000万人が新たに保険でカバーされた。

野党・民主党は共和党に対し、オバマケアの補助金を頼りにする家族を犠牲にして金持ちを助けようとしていると批判している。



http://www.afpbb.com/articles/-/3121214
オバマケア代替法で「2018年の被保険者1400万人減」 米予算局
2017年03月14日 07:18 発信地:ワシントンD.C./米国 AFP

【3月14日 AFP】(更新)米議会予算局(CBO)は13日、共和党による医療保険制度改革(通称オバマケア、Obamacare)代替法が成立した場合、来年に保険加入者が約1400万人減少するという見通しを示した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が支持を表明しているオバマケア代替法案は現在、議会での審議が行われている。

 予算分析を行う超党派機関であるCBOは、大きな注目を集めていた報告書を発表。その中で「2018年、新法下での保険加入者数は、現行法に比べて1400万人減少する」と推算した。

 CBOによると、保険未加入者の数はその後も急増し、民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領による医療改革下での被保険者人口からの減少幅は「2020年に2100万人、2026年には2400万人」となる見込み。

 また「主に医療保険加入義務が廃止されることで、比較的健康な人々の加入が減ることが見込まれるため」、個人加入者が納める保険料の平均額は来年と再来年中に15~20%増えるという。

 保険料は2020年までに減少に転じる見込みで、これは貧困層や労働者階級への税控除額増につながる助成のためと、若者の加入が見込めるためだという。しかし55~64歳の保険料は、2026年まで約20~25%高いままになると、CBOは推算している。

 CBOはまた、同法が成立すれば今後10年間で連邦政府の財政赤字を3370億ドル(約38兆6800億円)削減できるという推算も示した。ただこの数字は、米経済の膨大な規模に鑑みれば比較的小さな削減幅だ。(c)AFP



http://www.sankei.com/west/news/170314/wst1703140083-n1.html
「治療怠る」患者死亡で病院に賠償命令 鹿児島地裁
2017.3.14 20:43 産経ニュース

 医療法人健康会が開設する霧島記念病院(鹿児島県霧島市)が、肺に血栓が詰まる肺塞栓の検査や治療を怠ったとして、死亡した男性患者=当時(76)=の遺族が計約4270万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁(鎌野真敬裁判長)は14日、病院側に計約2470万円の支払いを命じた。平成24年11月13日、脳内出血で同病院に搬送されて入院、翌月に急性肺血栓塞栓症で死亡した。

 鎌野裁判長は判決で「遅くとも死亡の数日前までには症状が認められたのに、必要な検査と治療を怠る過失があった」と指摘した。

 男性の妻(79)は「病院と担当医師は判決を真摯に受け止め、同じ事例を二度と起こさないようにしてほしい」とのコメントを出した。霧島記念病院は「落ち度はなかったと考えている。弁護士と対応を相談したい」としている。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0378644-s.html
救命医7人退職の市立札幌病院 「3次救急」は継続
03/14 17:00、03/14 17:15 更新 北海道新聞

 市立札幌病院救命救急センター(札幌市中央区)の常勤医師12人のうち、7人が3月末までに退職する意向を示していた問題で、同病院は14日、記者会見を開き、4月1日までに新たな医師確保ができず、医師数が5人となる見通しを明らかにした。ただ、院内の他科や北大からの応援などを受け、重篤な3次救急患者の受け入れは継続する。

 会見した蓮実一郎・経営管理部長は、7人の医師に対し慰留を続けていたが、退職意向は変わらなかったと説明。理由については「家族の事情やキャリアアップなど個々の事情によるもの」と述べた。



http://mainichi.jp/articles/20170315/ddm/012/040/096000c
バルサルタン
研究不正 改ざんの認定、焦点 あす判決

毎日新聞2017年3月15日 東京朝刊

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件の判決が16日、東京地裁で言い渡される。医薬品医療機器法(旧薬事法)違反に問われた元社員、白橋伸雄被告(66)は改ざんを否定して無罪を主張し、「前代未聞の悪質な事案」として懲役2年6月を求刑した検察側と全面的に対立している。公判で明らかになった医師のずさんな対応を地裁がどう評価するかも注目される。

 白橋被告は、京都府立医大の臨床研究に参加してデータ解析を担当。別の降圧剤を服用した患者グループの脳卒中発症例を水増しするなどし、2011~12年に虚偽に基づく論文を医師に発表させたとして同法違反(虚偽記述・広告)に問われた。
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 約40回の公判では、被告がバルサルタンに有利になるように虚偽のデータや図表を意図的に作成したかが最大の争点になった。

 検察側は、被告が約3000人分の患者情報を独占管理し、最終的なデータを1人でまとめたと指摘。「全てを把握して改ざんできたのは被告だけだ」と強調した。被告が使っていた記録媒体から、バルサルタンに有利な結果が出るよう発症数が水増しされた複数の電子データが見つかったとし、これを「改ざんの途中経過を示す証拠だ」と位置付けた。

 これに対して弁護側は「被告は研究を補助する立場に過ぎず、研究事務局の医師もデータを一部管理していた可能性が高い」と反論。医師から渡された発症状況の集計表をそのまま最終データに反映させたとし、「医師が改ざんしていた可能性がある。被告が入力をミスした可能性はあるが意図的ではない」と主張している。

 事件では白橋被告だけが起訴されたが、公判では実験に関わった医師の不適切な行為も明らかになった。ある医師はバルサルタンに有利になるように加工した患者情報を大学側に10件以上提出したと証言。別の医師も、患者情報の記入漏れを補うとの理由でデータに加筆したと認めた。

 論文は販売戦略に活用され、バルサルタンは累計1兆円超を売り上げた。

 京都府立医大など4大学の調査委員会が研究データの不正操作の可能性を指摘、白橋被告は全てに関わっていたが、多くは公訴時効が成立していた。【近松仁太郎】


  1. 2017/03/15(水) 07:13:28|
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