Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月9日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/509822?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170309&dcf_doctor=true&mc.l=210451976&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ 真価問われる専門医改革
「新専門医制度、2018年度からの開始反対」、署名活動
医師13人が呼びかけ開始、塩崎厚労相に要望書提出予定

2017年3月9日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 臨床現場で働く有志医師13人が呼びかけ人になり、『専門医制度の「質」を守る会』を組織し、2018年度からの新専門医制度開始に反対する署名活動を3月9日から開始した。署名はWeb上で集め、まず3月16日に締め切る。目標数は約3000人で、塩崎恭久厚労相に、署名とともに要望書を提出予定(署名活動のサイトはこちら)。その後も署名活動は継続する。16日を第1回目の締め切りとしたのは、翌3月17日に、日本専門医機構の理事会で、「専門医制度新整備指針」の運用細則が決定する見通しのため(『専攻医数の上限設定は5都府県、京都は除外へ』などを参照)。

 要望の趣旨として、「新専門医制度の開始で、地域医療は弱体化、よい専門医は育たず、社会のニーズに応えることができなくなり、日本の医療状況は現在よりも悪化すると懸念する」ことを挙げている。新専門医制度は2016年7月にいったんは延期になったものの、いまだ問題が解決していないとし、厚生労働省が、現場の若手医師、指導医、女性医師などからの幅広い意見を含めて議論し、問題が解決するまでは、新制度開始を凍結するよう求めるのが、署名活動の狙い。

 「呼びかけ人」の代表は、安藤哲朗・安城更生病院(愛知県安城市)副院長、共同代表は、坂根みち子・坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長。その他、11人の医師を含め、計13人。

 新専門医制度の問題点として、(1)必要専門医数と質確保の方法が十分に検討されていない、(2)なぜ基本領域が19なのか、またサブスペシャルティとの関係が整理されておらず、医療界の合意もない、(3)研修プログラム制が基本であり、働き方に柔軟性がなく、女性医師のキャリア形成への配慮がない、(4)専攻医の短期間ローテートは医師偏在対策としてほとんど実効性がなく、むしろ研修の妨げとなる、(5)多くの大学医局が復権のチャンスと考えており、医局との関連が薄い病院では、危機的状況に陥る危険性がある、(6)短期のローテートの繰り返しは「お客様状態」での研修であり、専門医としてのトレーニング部族、医療安全の観点からもリスクが増加、(7)専攻医の身分保障や経済面への配慮がないため、研修に専念できない、(8)各医学会からの学術面の協力を得ながら利益相反を回避し、専門医の質を担保するための議論が不十分、日本専門医機構の在り方についても広く医療界、国民の合意を得る必要がある――の8項目を挙げている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/510145
シリーズ 真価問われる専門医改革
塩崎厚労相、新専門医制度「必要なら抜本的対応求める」
参院厚生労働委員会、自見議員の質問に回答

レポート 2017年3月9日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 3月9日の参議院の厚生労働委員会で、塩崎恭久厚労相は、地域医療への影響が懸念されている新専門医制度について、地域医療に責任を負う立場から、「必要に応じて、地域医療に従事する医師、地方自治体の首長などを含めた場で、日本専門医機構に対して、抜本的な対応を求めていきたい」と答弁した。自民党議員で、日本医師連盟参与の自見はなこ氏の質問への回答だ。

 塩崎厚労相は、2月に全国医系市長会から要望があったことに触れ、「新たな専門医の仕組みが開始されることにより、依然として地域医療に悪影響が及ぶことを懸念する向きが、まだあることが分かってきた」と説明。同市長会の会長を務める福島県相馬市長の立谷秀清氏は、塩崎厚労相や菅義偉官房長官らに、「中・小規模病院が危機に陥る懸念」「地方創生に逆行する危険と医師偏在の助長」などと懸念し、新専門医制度の見直しを求める要望書を提出していた(『「新専門医制度を危惧、拙速は反対」、全国医系市長会』を参照)。

 塩崎厚労相は、新専門医制度は、2013年の厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書を基に、プロフェッショナルオートノミーの考えの下、民間の機関による自律的な組織として、日本専門医機構が発足したと説明。しかし、地方自治体の首長などの地域医療に対する懸念が強く、「大学病院の復権なのではないか」などと心配する声も上がり、厚労省として同機構や関係学会に慎重な対応を求めたとした(『塩崎厚労相、新専門医制度への「懸念」理解』を参照)。その後、同機構でさまざまな取り組みがなされているが、依然として地域医療への懸念が払拭されないことから、地域医療に責任を負う立場として、「新たな仕組みが地域医療に配慮されたものになる必要がある」とし、必要な場合には対応を検討するとと回答した。

 答弁の最後に、塩崎厚労相は、「若い医師にとっては、ストレートに行っても、(専門医研修が)終わるのは29歳。女性の場合には、結婚をしたり、子どもを持つなど、いろいろなことがある時期であり、そのことが難しい問題にもつながっている。また『専門医を取得しないと、一人前に見られない』と何となく思われているが、医師国家試験を通って始めて医師であり、それ以上でも、以下でもない。その辺りをどう考えるのか。(専門医を)取らない場合に、どのように評価されるのか、ということもある。その辺りも含めて、しっかりと専門医機構に考えてもらいたいと思う。我々も地域医療に責任を負う立場から、専門医の養成はどうあるべきかを考えていきたい」

 自見議員は質問に当たってまず、新専門医制度は、専門医の質の担保だけでなく、地域医療や医師の働き方にも影響してくるため、その制度設計が与える影響は大きいと指摘。この3月中旬に、日本専門医機構は、基本方針(「専門医制度新整備指針」の運用細則)をまとめる予定であり、このタイミングで、地域医療に責任を持つ全国医系市長会から要望が出たことは、「重く受け止めなければいけない」とした。

 プロフェッショナルオートノミーとは、専門家集団が社会に対して責任を持つことであり、日本専門医機構は社会に対する説明責任、つまり国民などに分かりやすい言葉で説明し、理解してもらうことが必要と指摘。また医師である自見氏自身が2004年度の臨床研修必修化の初年度に研修を受け、「先行きが見えないストレスが多い時期」を当事者として経験したことに触れ、「今の1、2年目の研修医も同じ思いをしているだろう」と述べた。

 その上で、(1)新専門医制度は、法律ではない分、日本専門医機構が能動的に関係者に説明したり、意見交換の場を設けるほか、パブリックコメントを求めるなど、制度を決定する前に丁寧なプロセスを踏むことが求められる、(2)そもそも専門医の質を高めることが目的であり、その手段としてプロフェッショナルオートノミーの仕組みとして検討されてきたが、「行き過ぎた研修プログラム制」は、「医師の時間と場所」に対して、大きな制約を与え、医師の配置にまで踏み込んでいる現状があり、「(研修プログラム制を導入するという)手段が目的化しているのではないか」――との考えを示し、塩崎厚労相の考えを質した(『医師の「時間」と「場所」を拘束 - 自見はなこ・参院議員に聞く』を参照)。



https://www.m3.com/news/general/510021
病院ベッド15・6万床削減 25年までに41道府県で縮小 地域医療構想、全国集計 「在宅」重視、鮮明に
2017年3月9日 (木) 共同通信社

 各都道府県が医療提供体制の将来像を示す「地域医療構想」で、2025年に必要な病院のベッド(病床)数は、13年時点の134万床余りから約15万6千床、11・6%減少する見通しとなることが分かった。構想の策定に伴い47都道府県が8日までに推計した結果を、共同通信が集計した。41道府県で病床が過剰とされ、鹿児島など8県は削減率が30%を超す。

 地域医療構想は、25年に団塊の世代が全員75歳以上になるのを控え、効率的な提供体制をつくるのが目的。政府は手術や救急など高度医療に偏った病床の機能を再編すると同時に、慢性疾患を抱える高齢患者は家や施設で療養する方が望ましいとして在宅医療を推進する考えだ。医療費抑制につなげることも狙う。

 25年に向け都道府県は今後、推計を基に地元の病院や医師会と協議に入る。病床の機能転換や削減を促していくが、病院経営者や高齢者から反発や不安の声も出ており、入院に代わる在宅医療の環境整備が課題となる。

 構想策定に先立ち、国は15年に病床推計を公表。13年時点の134万6917床を3パターンの計算で約15万~20万床削減すると想定していた。

 その後、各都道府県は医療機関や市町村などが参加する会議で構想を検討。地元の病院に配慮し、削減幅が小さいパターンで計算する例が多く、25年の必要病床は全国で計119万799床となった。削減数は計15万6118床で、国推計の最小値に近い。

 削減率が最も大きいのは鹿児島県で34・9%。熊本、富山など計8県が30%を超え、20%台も19県ある。一方、増床が必要なのは首都圏の1都3県と大阪府、沖縄県。

 病床は機能別に(1)救急や集中治療などを担う「高度急性期」と「急性期」(2)リハビリなどに取り組む「回復期」(3)長期療養の「慢性期」―に分かれるが、急性期と慢性期を減らし、回復期を増やすとする地域が多い。

 入院が減る分、在宅医療を受ける患者は大幅に増え、約177万人に。13年より60万人ほど多くなる。

 ※集計の方法
 各都道府県が公表した地域医療構想に基づき、2025年の必要病床数を集計した。現状との比較は、都道府県によって使用データが異なるため、13年の医療施設調査(厚生労働省)の数値にそろえた。独自手法による推計も併せて示した県もあるが、国準拠の推計を使用した。宮城、広島、高知の3県は必要病床数に「以上」と付記し、削減目標ではないことを明確にしている。新潟、富山、長野、三重、京都、熊本、沖縄の7府県は構想が案の段階だが、推計自体は変わらない見通し。

 ※地域医療構想
 2014年成立の地域医療・介護確保法に基づき、都道府県が策定する地域医療の将来像。都道府県内をいくつかの区域に分け、団塊の世代が全員75歳以上となる25年に各区域で必要なベッド(病床)数などを定める。余っている病床を他の機能に転換させたり、患者の在宅移行を進めたりして、効率的な医療提供体制の構築を目指す。法令上は18年3月までにまとめればよいが、厚生労働省が早期の策定を求めており、全都道府県が今年3月末までに定める予定。



https://www.m3.com/news/iryoishin/504855
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
「複数主治医制と交替勤務制」のニーズ高く - 大阪赤十字病院・坂本晴子氏◆Vol.3
【提言編】多様な働き方を認める制度と環境が必要

スペシャル企画 2017年3月9日 (木)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――坂本先生は、1月16日の厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」において、大阪赤十字病院の職員を対象に調査した結果を発表されています。

 「当直明けの午後半休の推進」を要望するために、2016年8月に実施した調査です。幹部を除く常勤医師253人を対象に実施、回答者数は147人(回答率58.1%)で、うち当直をしていないのは、11人(7.5%)でした。「当直明けの午後半休を取得できているか」の質問に対する回答は、「ほぼ毎回」4人(2.9%)、「半分より上回る」9人(6.6%)、「半分くらい」10人(7.4%)、「半分より下回る」22人(16.2%)、「全くからほとんどなし」91人(66.9%)。当直明けが休みではなく、午後半休も取得できない医師が多いことが分かります。

 日本周産期・新生児学会が2014年6月に調査した結果でも、「当直明け業務緩和」はないとの回答が大半でした。つまり、働き方改革は、女性医師だけではなく、男性医師にとっても重要な問題です。

――大阪赤十字病院の新生児・未熟児科/小児科では、月何回くらい日当直とオンコールがあるのでしょうか。

 常勤医15人、非常勤医1人の計16人体制で、1カ月当たりの平均は、日直1.5回、当直5回だと思います。当直は、NICU当直と小児救急当直の2人体制で、当直明けの午後は原則休みです。また2人体制なので、オンコール体制には基本的にはなっていませんが、重症の新生児が生まれる場合には、新生児科Drが呼ばれることがあります。

――16人のうち女性は5人、先生も含め、3人が子育て中とのことです。仕事と子育ての両立が可能なのは、医師数が多くシフトが組みやすい上に、トップの理解があるからでしょうか。

 それは大きいと思います。女性医師の場合、出産・育児を機に辞めたり、非常勤になる方が少なくありません。例えば他の科では、育児休暇や育児時短の制度があっても、トップが制度そのものを知らず、取得する側が一から説明しなければならないケースもあると聞きます。管理者研修などの機会で理解を深めてもらうことが必要でしょう。

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医師の働き方改革への提案(提供:坂本氏)

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医師の働き方改革への提案(提供:坂本氏)

――先生の資料では、「女性医師が活躍するために今後必要な制度・取り組み」をまとめています。

 私自身が利用できた制度だけでなく、考えられるさまざまな取り組みをまとめたものです。

 最初に「制度をきちんと利用できる雰囲気づくり・管理者研修の強化」を挙げているのは、今お話したような事情があるからです。出産までに積んだ経験を評価し、「妊娠、出産、育児しながらでも、働き続けてもらいたい」「自分たちの仲間として、今後も迎えたい」という気持ちを周囲には持っていただきたい。「子育て中の女性医師は、使いにくい」と考え、何でも言うことを聞いてくれる若手を重用するような上司だと、厳しいですね。

 もちろん、この雰囲気づくりには、制度を利用する側の姿勢も重要で、まずは「勤務時間は短くても、知識も経験もあって役に立つ」と思われる医師にならなければいけません。

 次に「長時間労働の是正」として、「不公平感の払拭」を挙げています。女性医師だけでなく、男性医師も育児のほか、介護などの際に、各種制度を利用できるようにすることが必要という趣旨です。長時間労働が是正され、当直明けの医師が休めるようになれば、医療の質の向上につながる上、職場以外で活動する時間が増えると思うのです。医師としての知識も生かしながら、子どもの学校、あるいは地域社会で可能な活動は多々あります。

――資料の中で「赤字」で記載したのは、大阪赤十字病院の常勤小児科医へのアンケートで、3分の1以上が「重要」と回答した項目とのことです。

 その中でも一番要望が多かったのは、「複数主治医制と交替勤務制の導入」です。当科では、今でも一応複数主治医制なのですが、さらに徹底したいと考えています。

 1チームは、スタッフ医師と後期研修医、初期研修医で組むのが基本です。しかし、下の2人が対応しきれないような場合には、スタッフ医師が当直明けも残らざるを得ない状況です。そのため、15人で3チームとし、1チーム当たりの人数を増やし、かつチーム同士も情報共有することで、皆が当直明けには休める体制を目指しています。

 このような体制を組む際には、「カンファレンスを勤務時間内に実施」することも重要。今は、カンファレンスを時間外にやることが、常態化している病院が少なくないのではないでしょうか。それでは、保育所のお迎えで定時で帰宅する医師は出席できず、どんどん置いていかれてしまう感じがして、結局は辞めてしまうことにつながりかねません。

 「時間外の受診や病状説明を抑制するための患者教育」を重要視する回答が多いのも、興味深い点です。病状説明でも、「夜間や土日曜日でないと、病院に行けない」という患者さんやご家族は少なくありません。医師の働き方改革を進めるためには、患者さんに協力してもらうための患者教育も必要でしょう。個々の医師や病院レベルでの取り組みも必要ですが、都道府県や国レベルでも広報していただきたいと思います。

――「副業(兼業)を認める」とあるのは。

 病院以外の活動も可能になるように、ということです。当院の就業規則上、自治体が行う健診などに従事することはできるのですが、それ以外の業務は認められていません。医療に限らず、社会的な取り組みも含め、さまざまな活動をしたいと考えるニーズはあるようです。

 さらに重要なのは、「医師自身や家族の健康問題への対処」です。健康への不安を抱える同僚は少なくありません。医師はストレスが多い職業なので、心血管系などの疾患を抱え、薬を服用しながら仕事を続けている方もいます。何らかの障害を持つお子さんを育てていたり、親の介護の問題を抱えていたり……。まず医師自身や家族の健康があっての仕事ですから、健康に不安をもつ医師には、完全に当直ゼロにはできなくても、回数を減らすなどの対応が必要でしょう。

 もっとも、皆が自身のキャリアや働き方に不安などを持っていても、なかなか考える機会がないのも、また事実です。



http://www.medwatch.jp/?p=12717
医療と介護の整合性確保、従来の「連携とは異なる感覚」で取り組んでほしい―厚労省・医政局
2017年3月9日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 2018年度から第7次医療計画と第7期介護保険事業(支援)計画が同時にスタートし、両計画(とくに在宅医療と介護の整備目標)に整合性をとる必要がある。従来は「医療・介護連携」がキーワードであったが、今後は、より具体的に、従前とは違う感覚で取り組んでほしい―。

 9日に開かれた2016年度の「全国医政関係主管課長会議」で、厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長は、都道府県の担当者に宛てて、このように強調しました(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 地域医療介護総合確保基金、「機能分化・連携」に資する事業に重点配分
2 地域医療構想調整会議、進捗確認の折には「現場の課題」などを教えてほしい

地域医療介護総合確保基金、「機能分化・連携」に資する事業に重点配分

 全国医政関係主管課長会議は、厚労省医政局の幹部が都道府県に対し、次年度の重要施策について詳細に説明する会議です。冒頭、厚労省大臣官房の椎葉茂樹審議官(医政、精神保健医療、災害対策、医薬品等産業振興担当)(老健局、保険局併任)は、2017年度の重点事項の中から、(1)医療事故調査制度の普及啓発(2)医療計画・地域医療構想の策定(3)地域医療介護総合確保基金(4)地域医療連携推進法人(5)新専門医制度(6)特定行為研修(研修を受けた看護師が医師の包括的指示の下で一定の医療行為を可能とする仕組み)―など10のポイントをピックアップ。

 椎葉審議官は、(2)の医療計画においては「介護保険事業(支援)計画との整合性確保を図ってほしい」、(5)の新専門医制度においては「研修プログラムを日本専門医機構が認定する前に、都道府県の協議会で医師偏在が助長されないかを確認する仕組みとなる。事前の準備を進めてほしい」などと要望。また(3)の地域医療介護総合確保基金について、「病院・病棟の機能分化・連携」に資する事業に重点的に配分する考えを述べています。

地域医療構想調整会議、進捗確認の折には「現場の課題」などを教えてほしい

 地域医療計画課の佐々木健課長からは、医療計画や地域医療構想、在宅医療の推進などについて説明が行われました。

 2018年度から第7次医療計画がスタートするため、厚労省は「医療計画の見直し等に関する検討会」を開催して意見を取りまとめ、本年度(2016年度)内に計画作成に当たっての指針などが発出されます。また2018年度からは、第7期の介護保険事業(支援)計画も同時にスタートするため、両計画の整合性確保が極めて重要となります。厚労省は両計画の上位指針に当たる「総合確保方針」を昨年(2016年)12月に改訂し、とくに在宅医療と介護のサービス量整備目標について整合性を図るために「都道府県、市町村、医療・介護関係者による協議の場」を設置することを求めています。

 この点について佐々木地域医療計画課長は、「従来は『医療・介護連携』がキーワードであったが、今後は、より具体的に、従前とは違う感覚で取り組んでほしい」と強調しました。

2018年度から新たな医療計画と新たな介護保険事業(支援)計画がスタートするため、両計画の整合を図る「協議の場」の設置と運用が極めて重要となる (図 略)

 また地域医療構想については本年度(2016年度)中に全都道府県で作成が完了する見込みで、今後「構想を実現するための、地域医療構想調整介護の議論をいかに充実させるか」というフェーズに入ります。佐々木地域医療計画課長は、調整会議の進め方について例示した上で、「調整会議は少なくとも3か月に1回程度は開催していただき、厚労省から都道府県に対し進捗状況の確認などを行う。その際に、都道府県からは現場の課題などをざっくばらんに伝えてもらいたい。都道府県と国が一体となって病院・病棟の機能分化・連携を進めていく必要がある」と要望しています(関連記事はこちらとこちら)。

地域医療構想調整会議の進め方(案)、これを2017年度以降、毎年度繰り返し、構想実現を目指すことになる(図 略)

 地域医療構想を実現するための1つのツールとして「地域医療介護総合確保基金」があげられます。佐々木地域医療計画課長は、▼4月に各都道府県(関係団体を含む)とのヒアリング▼5月以降に内示▼7月以降に都道府県から計画の提出を受け、交付決定―というスケジュールを説明。さらに、「一般財源(地方交付税)で賄っていた事業と類似するものは、基金を使わなければならない明確な理由が求められる」行っていた事業「具体的な整備計画が定なっている事業を優先して、配分額を調整する」「交付を決定したが未執行のものが一定程度ある(2015年度には60億円程度)。ここに配慮しながら都道府県への配分を考えていくことになる」旨の考えも示しており、今後、都道府県は管内の医療機関などと綿密な打ち合わせを行い、より実効性のある事業計画策定が求められます。



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0309506672/
認知症の人の事故「診断の責任は問われず」 〔CBnews〕
日医・鈴木常任理事、「警察庁に確認」

CBnews | 2017.03.09 13:10

 日本医師会(日医)の鈴木邦彦常任理事は8日の記者会見で、認知症でないと診断された75歳以上の運転者が、事故を起こした後に実際は認知症を患っていたことが判明した場合の診断した医師の責任について言及した。鈴木氏は、医師が良心と医学的な見識に基づいて診断したのであれば、「刑事責任は問われない」との認識を示した。

 12日に施行される改正道路交通法では、認知症対策が強化される。改正前は、75歳以上の運転者は免許証の更新の時だけに、認知機能検査を受けることになっているが、改正後には信号無視などの一定の違反行為をすれば、更新時以外でも臨時認知機能検査を受けなくてはならなくなる。

 また、この臨時の検査によって、「認知症のおそれがある」と判定された人は、臨時適性検査(医師の診断)を受けるか、主治医らによる診断書を提出する必要があり、医師の診断で認知症と判断された場合は免許取り消しなどの対象となる。こうした法改正について医療現場からは、事故を起こした人が認知症を患っていた場合、その人を診断した医師が事故の責任を負わされるのではないかといった懸念の声が上がっている。

 8日の会見で鈴木氏は、認知症でないと診断された運転者が、事故を起こした後に認知症を患っていたことが分かった場合について、「良心と見識に基づき、医学的見地から行った診断によって作成した診断書について、それとは異なる結果が生じたからといって、(診断した医師の)刑事責任が問われることはないことを警察庁に確認している」と述べた。

 鈴木氏はまた、臨時認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判定された人への認知症の診察や検査にかかる費用について、「厚生労働省に確認したところ、保険請求が可能ということだ」とした。

 日医では、改正道交法施行に向けて、▽かかりつけ医の対応▽警察庁による解説▽診断書の記載例―などを盛り込んだ、かかりつけ医向けの「認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き」をホームページに掲載している。

(2017年3月9日 松村秀士・CBnews)



http://mainichi.jp/articles/20170309/ddl/k12/010/165000c
銚子・市立病院念書問題で百条委が報告書案可決 /千葉
毎日新聞2017年3月9日 地方版 千葉県

 銚子市立病院の医師宿舎を巡り不正な念書が作成された問題で、市議会調査特別委員会(百条委)は8日、調査結果をまとめた報告書案を賛成多数で可決した。17日の本会議に提出する。野平匡邦前市長(69)の関与について「明確な証拠はない」とした。念書は、運営者の市立病院再生機構(清算手続き中)が医師宿舎のマンション6室を賃貸借期間満了後、1億2690万円で買い取るとの内容で2010年に作成された。機構の元理事(70)が2月の百条委で独断での作成を認めていた。



http://ryukyushimpo.jp/news/entry-457750.html
医師の残業未払い9億超 沖縄6県立病院、16年度
2017年3月9日 10:01 琉球新報

 2016年11月に県立病院2病院が時間外勤務の当直医に賃金未払いがあるとして労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、6県立病院の医師・歯科医師の未払い金額が16年度だけで9億円を超える見込みとなった。8日までに県病院事業局がまとめた。
 同局は6県立病院全てに16年度の当直医師数や未払い金額の調査をした。その結果、在籍する約400人の医師・歯科医師のうち、298人が対象となった。報告金額では中部病院の約2億5千万円が最も多く、南部医療センター・子ども医療センターが約2億3千万円、宮古病院が約1億8千万円、八重山病院が約1億1千万円、北部病院が約1億円、精和病院が約2800万円となった。15日に県公務員医師労働組合と団体交渉する予定で、16年度人事院勧告などに基づく給与引き上げに合意すると、未払いの金額はさらに増えるとみられる。

 是正勧告では時効前の過去2年分の支給を求められている。また、看護師や検査技師、事務職などの医療従事者の時間外労働の賃金未払いについても指導を受けている。
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http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170309/Postseven_498977.html
がん検診 スイスでは医療委員会が乳がん検診の廃止を勧告
NEWSポストセブン 2017年3月9日 07時00分 (2017年3月9日 07時33分 更新)

がん検診は本当に有効なのか

 昨年1月、世界的に権威のある『BMJ(英国医師会雑誌)』という医学雑誌に、「なぜ、がん検診は『命を救う』ことを証明できなかったのか」という論文が掲載された。その中で、「命が延びることを証明できたがん検診は一つもない」という事実が指摘されたのだ。
 たとえば、最も効果が確実とされている大腸がん検診(便潜血検査)では、4つの臨床試験を統合した研究で、大腸がんの死亡率が16%低下することが示されている。その一方で、がんだけでなく、あらゆる要因による死亡を含めた「総死亡率」が低下することは証明できていない。
 なぜ大腸がん死亡率が減っても、総死亡率は減らないのか。論文の著者らによると、過剰診断によって「ニセがん」(命を奪わない病変)が見つかり、無用な検査や治療を受け、命を縮めてしまう人がいるからだという。
 放射線や抗がん剤による治療は強烈な副作用など、体への負担が大きい。つまり、がん検診のメリットを、過剰診断にともなうデメリット(害)が、打ち消してしまうのだ。
 欧米では、死亡率低下効果が明らかと思われてきた乳がんのマンモグラフィー検診(乳房のX線検査)でさえ、近年、死亡率低下効果が見られないという報告が相次いでいる。
 さらに2012年に米国オレゴン健康科学大学の研究者らが発表した論文では、過去30年のデータを検証した結果、検診で発見された乳がんの3分の1が過剰診断だったことが報告された。
 驚くことにこの論文によると、米国ではこれまでに130万人が「無用な治療を受けた」と推計されているのだ。こうした結果を受けて、スイスでは医療委員会が乳がん検診の廃止を勧告している。
 前立腺がん検診についても、死亡率低下効果よりも過剰診断によるデメリットが大きいことから、米国や英国など欧米各国は推奨していない。このように、いまや海外では、がん検診の有効性自体が疑問視され始めている。
●鳥集徹(ジャーナリスト)と本誌取材班
※週刊ポスト2017年3月17日号



https://www.m3.com/news/general/510078
薬誤投与で入所者死亡か 北九州市の障害者施設
2017年3月9日 (木) 共同通信社

 北九州市小倉南区の障害者施設「やまびこ学園」で2014年、入所者の40代男性が必要のない薬を投与され、約1年後に死亡したことが9日、市関係者らへの取材で分かった。福岡県警は、薬の誤投与が原因で死亡した可能性もあるとみて、業務上過失致死容疑を視野に死亡の経緯を調べている。

 市関係者らによると、入所者の男性は14年4月、薬を誤って投与され、直後に容体が急変した。北九州市内の病院に搬送され、15年4月に死亡した。死因は多臓器不全だった。

 北九州市は今年1月、施設を立ち入り調査し、再発防止などを指示した。

 やまびこ学園は「誤投与したのは間違いない。ただ死亡との因果関係は分からないので、コメントは控えたい」としている。



http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170309000159
京都府立医大疑惑、真相解明へ 府外部調査委が初会合印刷用画面を開く
【 2017年03月09日 23時10分 】京都新聞

 京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が生体腎移植手術を受けた暴力団組長の収監見送りを巡り、検察庁に虚偽の病状を記した文書を提出したとされる事件で、府は9日、第1回の外部調査委員会を京都市上京区の府庁で開いた。府側が委員に事件の経過を説明し、どのように調査を進めていくかを協議した。

 委員は、移植の専門医で大阪大教授の高原史郎氏、医療過誤に詳しい弁護士の三重利典氏、府医師会長の森洋一氏の3人。最初に山内修一副知事が「府立医大付属病院が捜査を受けるという大変な事態になり、遺憾に思う。府民の信頼を回復する観点から真相を究明したい」と述べた。

 会議は冒頭を除いて非公開で行われた。調査の進め方や今後の日程を議論したとしている。

 府は先月の立ち入り検査で、吉村了勇院長や主治医が検察庁に出した回答書の写し、組長の病状について作成した電子カルテを入手した。3月中にも2回目の会議を開き、回答書やカルテ内容と組長の病態との間に整合性があるかを、委員が専門的見地から調べる。病院の運営や意思決定に問題がなかったかも点検する。

 府の調査は、医療法に基づき適切な医療が提供されたかどうかを調べるのが目的。吉川敏一学長と組長の交際を巡る問題は、大学を運営する府公立大学法人の調査委員会が検証する。10日に初会合を開く。




http://diamond.jp/articles/-/120724
有名大学生による集団強姦事件はなぜ連続して起きたのか
福井裕輝氏/性障害専門医療センター代表理事。平成11年に京都大学医学部卒業後、京都大学医学部附属病院精神科、法務省京都医療少年院、厚生労働省国立精神・神経センターなどを経て現職
2017.3.10 Business Journal

昨年、東京大学、千葉大学、慶應義塾大学の学生による集団強姦事件が相次いで発覚し、世間に大きな衝撃を与えた。公判で東京大学の加害者学生が「偏差値が低いため、性的な対象としか見ることができなかった」という主旨の発言をしたこともクローズアップされ、その認識の特異性が浮き彫りとなった。有名大学の学生による集団強姦事件が多発する背景には何があるのか。被害を防ぐために、どのような対策をとるべきなのか。専門家に話を伺った。(取材・文/岡本実希、編集協力/プレスラボ)

昨年立て続けに発覚した
有名大学による集団強姦事件


 昨年、有名大学の学生による集団強姦事件が立て続けに発覚し、大きなニュースとなった。多くのメディアが事件を取り上げたが、加害者の学歴や恵まれた家庭環境にのみ焦点を当てた報道も多かったことは否めない。こういった報道が読者の好奇心を煽ることは確かだが、果たして再発防止につながるのだろうか。

 加害者たちはなぜ集団強姦事件を起こしたのか。有名大学出身であるということと事件の間に関連性はあるのか。本稿では、性加害者への治療や研究を行う福井裕輝氏、斉藤章佳氏のお二人に専門家の観点から事件について聞いた。

 まず、昨年起きた有名大学学生による集団強姦事件だが、下記のようなものがある。

 ◎東京大学・集団強姦事件
 2016年5月、大学生同士の交流を図るという名目のサークルに所属する東大生らが、東京都内のマンションで女性に性的暴行を行い、集団強姦罪に問われている事件。アルコールで意識が朦朧としている女性に対して、陰部にドライヤーをあてたり、カップラーメンをかけたりするなどの行為もあったとされる。逮捕された5人の学生のうち、3人が退学、2人が停学になったと報じられている。

 ◎千葉大学医学部・集団強姦事件
 2016年9月、千葉大学の医学部生、研修医らが、実習の打ち上げで泥酔した女子学生をトイレに連れ込み、集団で性的暴行におよんだとされる事件。その後、酒に酔った彼女を送るという名目で加害者宅に連れ込み再度暴行を行った。指導医1人と学生3人が逮捕されたが、全員が不起訴処分。警察は不起訴の理由を明らかにしていない。

 ◎慶應義塾大学・集団強姦事件
 2016年9月、慶應義塾大学の広告学研究会の学生らが女子学生に酒を強要。性的暴行を加えただけでなく、その様子をスマートフォンで撮影するなどした事件。慶大は3人を無期停学処分、1人を譴責処分。

「皆がやっているから大丈夫」
集団強姦に見られる特有の心理とは

 なぜ集団強姦事件は起こってしまうのか――。その疑問を解く前に、集団強姦が他の性犯罪に比べどのような特徴を持つのかについて見ておきたい。平成27年度の犯罪白書に目を通すと、集団強姦は(1)再犯率が低い、(2)加害者の年齢層が低い、という特徴が見られることが分かる。

 以下は、平成27年度犯罪白書の性犯罪者類型別再犯率のグラフである。これを見ると、他の類型では再犯率が高くなっているのに対して、集団強姦犯の再犯率はほぼ0%と、かなり低くなっている。

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平成27年度犯罪白書より引用 拡大画像表示

 なぜこのような特徴が現れるのか。斉藤氏によれば、集団強姦とその他の性犯罪では犯罪に至るまでのプロセスに大きな違いがあるからだという

斉藤 「痴漢や盗撮の単独犯の場合は、ストレスへの対処行動やスリルや達成感を味わうために性的逸脱行動を反復しているうちに、徐々にその報酬の回路を脳が学習し、やめられなくなっていく――。

 いわゆる『依存症』の状態になっていることがあります。このため繰り返している場合、比較的再犯率も高くなる傾向にあります。一方で、集団強姦の場合は、嗜癖的傾向が原因というよりは『周囲がやっているならば自分も大丈夫だろう』『自分もやらないと仲間から外される』という同調圧力にも似た集団心理がきっかけで罪を犯すケースが多いと考えられます。

 千葉大学の集団強姦事件で罪に問われている学生らが『周囲の雰囲気に流されて自分もいいだろうと思った』などと供述していることが典型的だと言えるでしょう」

「みんながやっている」という安心感から極端な行動に走りやすくなる上記のような心理は、社会心理学で「リスキーシフト」と呼ばれ、集団犯罪が起こりやすくなる原因だと考えられている。

 また、福井氏は「同じことをやらなければ、コミュニティから排除されるのではないか」といういじめに似た心理も発生している可能性があると分析する。

福井 「参加しないことで、仲間内でのポジションが脅かされることを恐れて行為に及んだ人もいるのではないでしょうか。また、先輩後輩という上下関係のなかで断り切れずに行為におよんだというケースもあると考えられます」

 しかし、たとえ加害者同士で「いじめに似た心理が発生していた」とはいえ、より弱い存在である人に加害を加えることが許されるわけではもちろんない。

偏差値が低い女性は性的対象でしかない
加害者の歪んだ認識とは


 再犯率の低さに加え、集団強姦の特徴として挙げられるのが、加害者年齢の低さである。以下は、性加害者の年齢を犯罪類型別に示したグラフだ。これを見ると、集団強姦は他の性犯罪に比べ、29歳以下の加害者の割合が突出して高いことが分かる。

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平成27年度犯罪白書より引用 拡大画像表示

 こうした年齢の偏りは、なぜ起こるのだろうか。斉藤氏と福井氏によれば、大学生などの若い年齢に特有のモラトリアムや体育会系のノリが、犯罪が起こりやすくなる要因としてあげられるという※。

斉藤 「比較的自由な時間が多く、社会的地位も確立されていない大学生活という環境が犯罪発生の背景にあると考えられます。社会人になっても合同コンパはありますが、時間的制約により開かれる回数にも限りがありますし、社会的地位や家族もあるので、それを失ってまで犯罪に踏み出すことは少ないのではないかと考えられます」

福井 「特に大学の体育会系のサークルなどでは、その性質上『強い男性性』という単一の価値観が重視される傾向が強くあります。性犯罪の単独犯では女性、つまり弱い立場の者への支配欲、征服欲が動機となることが多くなっています。同様に体育会系のサークルでも、『強い男性性』により女性を支配・征服することがステータスのひとつとなると考えられるため、それを仲間に誇示することも犯罪動機となる可能性があります」

 また、昨年相次いだ事件で注目すべきなのは加害者の年齢が低いことだけではなく、東京大学や慶應義塾大学、そして医学部など偏差値の高い有名大学の学生たちが加害者であった点である。有名大学出身であることと性加害が頻発したことには何らかの関連性があるのだろうか。これについて福井氏は、高学歴であることによる「認知の歪み」が性犯罪の裏にあった可能性が高いと話す。

福井 「単独犯による性犯罪でよく見られるのが、性暴力を続けるために加害者が都合の良いように現実を解釈する『認知の歪み』です。例えば、ミニスカートをはいている女性を見て『誘われている』と考えたり、女性が恐怖から抵抗できずにいると『同意の上だと思った』と考えたりすることなどが典型的な例です。

 今回の集団強姦事件でも現実を都合の良いように解釈する『認知の歪み』が発生していたのではないでしょうか。有名大学に通っていると、女性から合コンに誘われる機会も多くなります。『自分から近づいてくるということは、女性は性交渉に誘われるのを待っているのではないか』という勘違いに結びつくことは大いに考えられます。

 また、公判で東京大学の加害者学生が『偏差値が低いため、性的な対象としか見ることができなかった』という主旨の発言をしたことにも注目すべきです。大学受験という「偏差値」が過度に重視される環境にいたことで、他者への見方が一面的になり、偏差値が低い女性ならば何をしてもよいという『認知の歪み』が発生しやすくなったとも考えられます」

 一方で斉藤氏は、メディアで有名大学出身者の犯罪が大きく取り上げられることで、集団強姦事件の加害者像がステレオタイプ化されることには危険性もあると話す。

斉藤 「今回、有名大学の学生による事件が相次いだことでメディアが大きく取り上げられましたが、高学歴の学生だけが集団強姦事件を起こすわけではありません。性加害者の属性は多様です。しっかりと事実を見据えた対策が必要だと考えられます。薬物と同様、性犯罪事件の報道のあり方もガイドラインが必要です」

 昨年11月、近畿大学学生が性的暴行事件の容疑で逮捕されたが、この事件については慶応大などの3事件と比べると話題にならなかったと感じる。斉藤氏の言う通りメディアの報道方法によって世間における「性的暴行犯」の加害者像に偏りがでてしまう危険性はありそうだ。

※「集団強姦」に特に多くみられる加害者年齢層の「29歳以下」には大学生以外も含まれるが、今回取り上げる事件が大学生による集団強姦であるため、大学生という属性に焦点を当ててお話いただいた。

飲酒による性加害リスクを徹底周知すべき
集団強姦事件を防ぐ方法とは


 ここまで、集団強姦事件が起きる原因となる集団心理や加害者の認知の歪みについて見てきた。では、性犯罪を防ぎ、今後事件を起こさないために我々ができることは何だろうか。斉藤氏に対策についてお話しいただいた。

斉藤 「集団での性暴力は、アルコールなどの薬物影響下で発生リスクが高まる傾向にあります。アルコールの摂取は加害者の判断力や自制心の低下をもたらし、さらには被害者女性の抵抗力を奪うことにつながるからです。

 しかし、現在大学生のアルコール問題に関する啓発活動では、一気飲みによる急性アルコール中毒等の被害については触れられているものの、アルコール摂取下で性暴力の危険性が増すことについては、周知活動が行われていません。

 適切な知識やリスクを学習していなければ、集団心理に飲み込まれ、犯罪であるという認識がないまま加担してしまう可能性があります。今後、大学で新入生には研修会などの機会をもうけ『飲酒と性暴力』に関する適切な教育が必要だと考えています」

 また、斉藤氏は啓発活動だけでなく、加害者への更生プログラムも大きな意味を持つと話す。

斉藤 「いかなる集団内での同調圧力があったにせよ『みんなもやっているならば、自分もやっていいと思った』『バレなければ大丈夫だ』といった性暴力に関する歪んだ捉え方は、今後社会生活を送るうえで修正すべき認知の歪みであることは間違いありません。

 適切な女性観を学ぶうえでも、受刑中には全員が性犯罪者処遇プログラムを受講できる制度を整えるべきだと考えています。現在も矯正施設内で性犯罪者に対する更生プログラムは行われていますが、軽度知的障害や発達障害、精神疾患を持つ人々などは治療反応性が低くその効果が上がりづらいことなどから、対象から外される傾向があります。本来ならば、それぞれの人にフィットしたプログラムを、特にハイリスク群に行う必要があることを考えると、現状のプログラムの実施方法や体制も見直していく必要があるでしょう」

 日本では「性被害に遭うほうにも原因があった」という偏見が根強く、バッシングを恐れて被害を公にできない人も多い。

 しかし、今回の取材で明らかになったのは、集団心理によって倫理観が失われたり、「認知の歪み」によって加害者が"自分の都合の良いように解釈をしたりする様"であった。罪の責任を被害者に負わせようとする考え方は、加害者の「認知の歪み」を追認することになりかねない。

 性犯罪の理由は「性欲があったから」で片づけられることが多く、加害者がなぜ人を傷つけたのかを掘り下げられることが少ない。この加害者の心理を明らかにすることで、性犯罪に特有ともいえる被害者へのバッシングを減らし、性被害で苦しむ人が1人でも減るように願っている。



http://www.sankei.com/west/news/170309/wst1703090099-n1.html
名大准教授が不正経理 1300万円、処分検討
2017.3.9 21:38 産経ニュース

 名古屋大は9日、大学院医学系研究科の津坂昌利准教授が、情報関連機器の購入に必要な書類を偽造し、特定の業者から納品させて代金約1300万円分を大学に支払わせる不正な経理処理があったと明らかにした。

 名古屋大によると、このうち約180万円分は水増ししたものだった。一部を私的流用したとみて処分を検討している。同種機器が大学に大量に納品されているとの指摘が内部からあり、不正が判明した。

 津坂准教授は医学系研究科の医療技術学専攻で情報機器管理を担当。平成23年11月~28年2月、機器を仕入れる際、代金を水増しした見積書などを偽造し物品を購入、差額分を流用していた。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0376976.html
医療用麻薬ずさん管理 札幌の病院 帳簿なし、道厚生局捜査
03/09 17:00 北海道新聞

 札幌市厚別区の医療法人潤和会札幌ひばりが丘病院(高橋大賀(たいが)院長)で、医療用麻薬の在庫が納入記録と数百個合わなくなっていることが9日、北海道厚生局麻薬取締部などへの取材で分かった。同取締部は必要な帳簿を保管していなかったとして、麻薬取締法違反の疑いがあるとみて調べている。

 麻薬取締部によると、納入記録と合わないのは鎮痛用麻薬フェンタニルなど約30種類の錠剤やアンプル計数百個。同病院の内部調査で昨年8月に発覚し、麻薬取締部と道が2回にわたり立ち入り調査したところ、2014、15年度の2年分の使用・廃棄歴の帳簿がなかったことが判明。納入記録やカルテから在庫と合わない数量を割り出した。現時点で転売などは確認されておらず、誤って廃棄した可能性があるという。


  1. 2017/03/10(金) 05:52:42|
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