Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月7日 

http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20170307000014
京都府立医大、吉川学長の辞退届承認 25日に次期内定印刷用画面を開く
【 2017年03月07日 08時54分 】京都新聞

 京都府立医科大(京都市上京区)は6日、吉川敏一学長から、4月からの次期学長の辞退届が提出されたことを受けた学長選考会議を開き、全会一致で辞退届を承認した。次期学長は25日に内定することも併せて確認した。

 吉川学長は暴力団組長の収監見送りを巡り、付属病院などが検察庁に虚偽の病状を記した文書を提出したとされる事件に関連し、組長との関係が問題視され、内定していた3期目の辞退届を2日に府公立大学法人に提出した。

 大学によると、辞退届は出席した5人の委員全員が承認した。次期学長の選考については、7日に学内に公示し、教職員らの推薦を受けた候補者を対象に、面接や教職員の意向投票を行った上で25日に内定することを決めた。同法人の長尾真理事長が4月1日に任命する。

 6人の委員のうちの1人で、同事件で京都府警の事情聴取を受けていた吉村了勇・付属病院長に代わって、新たに中川正法副学長が委員となった。



http://www.iwanichi.co.jp/hanamaki/22384.html
移転整備を支援 総合花巻病院と協定 花巻市 地域医療の充実期
(3/7)岩手日日新聞

 花巻市と同市花城町の総合花巻病院(大島俊克理事長)は6日、市役所で同病院の移転整備に関する協定を締結した。同市御田屋町の旧県立花巻厚生病院跡地への移転整備基本構想に対し、市が実現へ必要な支援を行う内容。市の地域医療の充実に向け、両者が構想の着実な推進に決意を新たにした。

 締結式には、上田東一市長と佐々木忍副市長、大島理事長、後藤勝也院長、堀江淳県南広域振興局長、柳原博樹県中部保健所長らが出席。上田市長と大島理事長が協定書に署名し、固く握手を交わした。

 上田市長はあいさつで「市民の医療を守るためには、総合花巻病院に移転新築してもらい医療を続けていただくことが重要と考えている。基本構想、協定に基づき、スケジュール通り素晴らしい病院を建築していただくことを改めてお願いする。市も全力で支援する」と期待を込めた。

 大島理事長は「市の都市機能立地支援事業の一事業主体として、跡地への移転事業を進めることとした。地域包括ケア支援病院を目指す。新たな特定施設も整備することで、より一層市民の医療と介護に貢献できると考えている」と決意を示した。

 協定は、構想の計画的な推進へ ▽市が跡地を県医療局から取得し、同病院に譲渡 ▽同病院は新施設開業後、現施設を解体撤去して市に土地を譲渡 ▽市は都市機能立地支援事業に係る補助金を、7億7500万円を上限に交付▽病院、看護学校移転の経費に対し、市が2019年度までに総額12億円を上限に補助金を交付-などが内容。

 同構想によると、入院、外来機能を備えた病院施設と特定入居者生活介護施設、高等看護専門学校、事業所内保育所を整備する。病院施設の病床数は188床。総事業費約86億9000万円を見込む。

 新施設は19年秋の開業予定で、同病院は年内の着工に向け実施設計を急いでいる。



http://www.medwatch.jp/?p=12669
2016年、病院全体では「在院日数短縮と病床利用率向上」を実現―日病、公私病連
2017年3月7日|2016診療報酬改定ウォッチ MedWatch

 2016年6月における病院の平均在院日数は14.93日で、前年同月よりも0.19日短縮。病床利用率は73.07%で、同じく0.18ポイント向上しており、「平均在院日数の短縮と病床利用率向上」を両立できている。一方、100床あたりの総収支差(総収益-総費用)はマイナス1236万2000円で、前年よりも好転してはいるものの赤字が続いており、赤字病院の割合は72.9%で、前年より1.4ポイント増加した―。

 こういった状況が、日本病院会と全国公私病院連盟が6日に公表した2016年の「病院運営実態分析調査の概要」から明らかになりました(日病のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 大規模病院で平均在院日数の短縮進むが、中小規模では逆に延伸
2 在院日数短縮と同時に、病床利用率の向上を実現
3 2016年の患者数、入院では増加、外来ではわずかに減少
4 700床以上の病院では、医業収益に占める材料費の割合が32.5%に
5 入院患者の1日当たり単価、心臓血管外科13万9900円、小児外科11万4800円

大規模病院で平均在院日数の短縮進むが、中小規模では逆に延伸

 この調査は、両病院団体に加盟している病院について、毎年6月分(項目によっては6月末日)を対象に行われており、2016年調査では919病院から回答を得ています。設立母体別の内訳は、▽自治体465▽その他公的217▽私的199▽国立・大学など38―となっています。

 まず平均在院日数を見ると、病院全体では14.93日で、前年から0.19日短縮しました。

 一般病院について病床規模別に見ると、▼全体:14.22日(前年から0.26日短縮)▼700床以上:12.59日(同0.63日短縮)▼600-699床:12.07日(同0.31日短縮)▼500-599床:12.15日(同0.19日短縮)▼400-499床:12.78日(同0.14日短縮)▼300-399床:14.00日(同0.44日短縮)▼200-299床:17.80日(同0.17日延伸)▼100-199床:22.16日(同0.11日延伸)▼99床以下:23.29日(同1.0日短縮)―となっています。100-299床の中小規模病院で平均在院日数が延伸している点が気になります。

図 病床規模別に見た平均在院日数の推移 略

 2016年度の診療報酬改定では、7対1入院基本料の施設基準が厳しくなりました(重症度、医療・看護必要度を満たす患者割合の基準値が25%以上に引き上げられるなど)。傷病の種類にもよりますが、一般に在院日数が長くなれば医療・看護必要度を満たす患者が減少してくるため、大規模で多い7対1病院では在院日数短縮を一層進めていると考えられます。一方、中小規模病院の中には、7対1病院の後方病床として機能しているところも少なくなく、これが在院日数延伸に影響している可能性も考えられます。今後、届け出入院基本料別の分析なども待たれます(関連記事はこちらとこちら)。

在院日数短縮と同時に、病床利用率の向上を実現

 次に病床利用率を見ると73.07%で、前年同月に比べて0.18ポイント向上しました。

 一般病院について病床規模別に見ると、▼全体:72.99%(同0.17ポイント向上)▼700床以上:77.19%(同0.42ポイント低下)▼600-699床:76.82%(同1.48ポイント向上)▼500-599床:74.97%(同0.59ポイント低下)▼400-499床:73.36%(同1.01ポイント向上)▼300-399床:70.82%(同0.11ポイント低下)▼200-299床:71.24%(同0.20ポイント向上)▼100-199床:71.06%(同0.04ポイント低下)▼99床以下:66.53%(同1.57ポイント低下)―となっています。

図 病床規模別に見た病床利用率の推移 略

 メディ・ウォッチでもたびたびお伝えしていますが、病院の収益性を高めるためには平均在院日数を短縮するとともに病床利用率を向上させることが不可欠です。今般の結果からは、病院全体として重要な2点の両立が実現されており、各病院における取り組みが功を奏している状況が伺えます。

2016年の患者数、入院では増加、外来ではわずかに減少

 次に患者数の推移を見てみましょう。2016年6月における1病院当たりの入院患者は前年同月に比べて182人増の7378人、外来患者は12人減の1万2128人となっています。2007年以降の推移を見ると、若干の増加傾向にはあるものの「頭打ち」に近い状況になっていることが分かります。この点からも「地域の状況を的確に把握した上で、適正なベッド数を再検討する」ことも重要性が伺えます。

図 病床規模別に見た入院・外来患者数の推移 略

 一般病院の入院患者数を病床規模別に見ると、▼700床以上:2万149人(同121人増)▼600-699床:1万6111人(同257人増)▼500-599床:1万3118人(同135人減)▼400-499床:1万484人(同194人増)▼300-399床:7625人(同130人減)▼200-299床:5538人(同142人増)▼100-199床:3430人(同35人減)▼99床以下:1391人(同59人減)―となっています。病床利用率と同様の動きをしており、患者数減・利用率減となっている病院では、将来的に「ベッド数削減」も視野に入れた対策を練る必要があります。

 また外来患者数は、▼700床以上:3万6942人(同556人増)▼600-699床:2万6325人(同1018人減)▼500-599床:2万2402人(同46人減)▼400-499床:1万7507人(同439人減)▼300-399床:1万3093人(同39人減)▼200-299床:8766人(同236人減)▼100-199床:5768人(同173人減)▼99床以下:2801人(同143人減)―となっています。厚生労働省は「大病院は専門・紹介外来に特化し、一般外来は中小病院やクリニックが担当する」という機能分化を進めています。またスタッフの負担や収益などを考慮しても、大病院で軽症の外来患者を多く受け入れることは、好ましいこととは言えません。外来の機能分化をより進め、大病院での高度治療が必ずしも必要ではなくなった患者は、地域の中小病院・クリニックへの逆紹介を進めていく必要があります(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

700床以上の病院では、医業収益に占める材料費の割合が32.5%に

 さらに2016年6月における100床当たりの収支に目を移すと、総収益は1億9413万9000円で、前年同月に比べて2.4%増加しています。一方、総費用は2億650万1000円で0.9%減少しましたが、依然として1236万2000円の赤字となっています。

 収益の内訳を見ると、▼入院収入:1億2583万8000円(同3.0%増)▼外来収入:5708万9000円(同3.1%増)―などです。

 一方、費用の内訳は、▼給与費:1億415万6000円(同3.8%増)▼材料費(医薬品・医療材料):5201万9000円(同6.1%増)▼委託費:2949万6000円(同0.4%減)▼減価償却費1364万6000円(同5.0%増)―などとなっています。材料費のうち医薬品費をみると、3059万5000円で、前年同月に比べて5.8%増加しています。また、病床規模別に「材料費の医業収益に対する割合」を見ると、700床以上では32.5%(同1.5ポイント増)となっています。日病・公私病連に加盟する病院は急性期病院が多く、スタッフ確保や高額な医薬品・医療機器購入に苦労している状況が伺えます。

図 100床当たりの収支状況の経年変化 略

 また黒字病院と赤字病院の比率を見ると、2016年は黒字27.1%、赤字72.9%となりました。赤字病院の比率は、前年に比べて1.4ポイント増加しています。

入院患者の1日当たり単価、心臓血管外科13万9900円、小児外科11万4800円

 最後に、主な診療科別の入院患者1人1日当たり診療収入を見ると、DPC病院では▼総数:5万8700円(同2400円増)▼内科:4万7900円(同2300円増)▼呼吸器内科:4万3500円(同1500円増)▼循環器内科:8万9000円(同3800円増)▼消化器内科:4万8700円(同900円増)▼皮膚科:3万8700円(同900円増)▼小児科:6万4100円(同1500円増)▼外科:6万5200円(同1000円増)▼呼吸器外科:9万1800円(同2400円増)▼心臓血管外科:13万9900円(同4200円増)▼消化器外科:7万4500円(同4700円増)▼整形外科:5万7900円(同2700円増)▼小児外科:11万4800円(同8800円増)▼リハビリ科:3万7100円(同2000円増)▼麻酔科:7万6700円(同1万8500円増)―などとなっています。診療報酬改定の効果や、在院日数の短縮により単価が上昇している状況が伺えます。

図 診療科別に見た、入院患者1人1日当たりの診療収入(その1) 略

図 診療科別に見た、入院患者1人1日当たりの診療収入(その2) 略



https://this.kiji.is/211613909840709116?c=110564226228225532
公立病院「収益上がるほど赤字」 消費税増税の影響重く
2017/3/7 07:303/7 10:28神戸新聞

 兵庫県の阪神間の公立病院が苦境に陥っている。各自治体は2017年度当初予算案や16年度補正予算案で軒並み、一般会計から病院の運営資金を投入。もともと民間が手を出しにくい不採算医療を抱えていることに加え、消費税増税の影響などが重くのし掛かっている。

 兵庫県立西宮病院との統合協議が進められている西宮市立中央病院。「これ以上、赤字が膨らむと、動き始めた統合の話に支障が出かねない」。宮島茂敏・経営企画課長は帳簿を何度も見返しながら頭を抱える。

 同病院では、15年度決算で6億3400万円の赤字。16年度は収益自体は上がるものの、全体の赤字額が膨らむ見通しで、16年度補正予算案で急きょ5億円の運転資金借り入れを求めた。

 同病院では病室のプレートなどを職員が手作りで製作。事務机や書類棚は、市役所の使い回しだ。宮島課長は「現場で切り詰められるものはすべて切り尽くしていく」と経費削減に力を注ぐ。

 同病院が経営悪化の理由として挙げるのが、14年の消費税8%増税の影響だ。

 患者が病院で支払う医療費は非課税だが、病院が医薬品などを購入する際は消費税がかかる。病院はこの差額分の年間1億7千万円程度を支払っており、「収益が上がれば上がるほど、負担額が膨らんでいく状態」とこぼす。

 状況はほかの病院も同様だ。阪神間五つの市立病院で唯一、黒字運営を続けてきた市立伊丹病院も増税した14年度、5年ぶりに赤字に転落。芦屋や川西などでも補正予算案などで一般会計からの借入金を計上している。

 19年10月には消費税10%が導入され、さらに経営の圧迫が予想される。関西学院大学の明石純教授(医療経営学)は「現在の医療費を巡る消費税制度には矛盾が多い。非課税をやめるなど根本から見直す必要がある」と指摘する。

 一方で、「公立病院では担当職員が3~5年で異動し、経営のノウハウが蓄積されにくい」とも話し、「安易な補助金の投入は各病院の努力不足を補うことにもなる。厳しい目で見ていくべきだ」としている。(前川茂之)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201703/CK2017030702000158.html
<東日本大震災6年>被災者と歩みともに 県の49歳医師、南相馬に移住
2017年3月7日 東京新聞【栃木】

 未曽有の災害からの復興を間近で見つめたい。その思いに背中を押され、医師小鷹昌明さん(49)は、栃木県下野市から東京電力福島第一原発事故の影響が残る福島県南相馬市に移住した。被災した住民の居場所づくりを進め、伝統行事の相馬野馬追にも参加。「地域に溶け込み、住民と共に楽しむことが復興につながる」
 震災発生時は、二十年近く働いた栃木県内の大学病院で准教授をしていた。二〇一一年八月、南相馬市を訪れ、倒壊した家屋やがれきを目の当たりにした。自分の人生を見つめ直し「もう一度医療の原点である現場に戻ろう」と決意。南相馬市立総合病院に移った。
 専門は神経内科。診療でたくさんの患者の話を聞いた。「一家が離散した」「津波で子どもが流された」。地元の福祉団体にも、避難先で孤立する住民の現状を教えてもらった。患者の問題を解決するため、診療室の外でできることを考えた。
 自宅にこもりがちな住民に働く意欲を感じてもらおうと、木工教室を市内でほぼ毎週開催。延べ約百人が参加し、作ったテーブルや本棚など木工品約百三十点を小学校などに寄贈した。ため込んだ思いを吐き出すきっかけにと、趣味とするエッセーの書き方を教える講座も開いている。
 甲冑(かっちゅう)姿で馬に乗る野馬追にも「かっこいい」と思って挑戦した。連日午前五時ごろから出勤前まで乗馬を猛特訓し、一四年から毎年参加している。練習に励むうち住民との距離はぐっと縮まった。
 「気が付いたら、調子に乗っていろいろやっていた」と笑う小鷹さん。とにかく楽しむことが大切だ。「何かをしてあげるのではなく、移住した人間が土地の文化を好きになる。それが地元の人の誇りになる」と話す。
 南相馬市は昨年七月、大部分の避難指示が解除された。今月十九日には、同市を縦断する駅伝イベントを地元のランニング仲間らと開催する。七月には四回目となる野馬追参加も。「医者っぽくないと、よく言われます」。地元の住民と繰り出すアイデアで被災地と向き合っている。



http://medg.jp/mt/?p=7397
Vol.050 震災から6年 復興事業をめぐる現場と行政の温度差 -福島県精神科病院入院患者地域移行マッチング事業への福島県の冷徹な対応
医療ガバナンス学会 (2017年3月6日 18:30)

佐々木 瞳 東日本大震災転退院調整コーディネーター

2017年3月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 震災から6年が経とうとしている。福島県では震災の「あの日」を境に、県内の原発事故がきっかけで翌日の平成23年3月12日から17日にかけて、原発から半径30キロ圏内に精神科病床を持つ病院が入院患者の移送を命じられ、合計840床もの精神科病床が無くなってしまう未曽有の事態となった。患者さんたちは「また荷物は取りに行けるから」とその時は言われ、着の身着のまま、自分のカルテをもたされ次々に手配されたマイクロバスに乗りこんだのだが、これが800名余りの行先の定まらない逃避行のはじまりだった。
 バスに乗り込んだ患者の中には、座位が保てない寝たきりの患者や、点滴等の医療器材のストックが十分でないままの人もおり、途中雪も降り、寒さで凍える天気のなか、移動中に命を落としてしまったケースも数多くある。このような地獄をみた逃避行の先に生存患者たちは一同に県内の一時避難の病院数か所に集められ、トリアージュの後、肌身離さずもっていたカルテと一緒に、全国各地の避難先病院へ散らばっていった。
 震災から2年が経過しても、なおも10都道府県にわたる県外避難は続き、平成25年7月、福島県 保健福祉部障がい福祉課が「福島県精神科病院入院患者地域移行マッチング事業(以下、マッチング事業)」を設置した。この事業は、復興庁の補助金を財源とし、特に「県外避難者をまず福島県内(の病院)に帰還させる」こと、そして「そこから地域の居宅、施設への退院を目指す」という事業であった。
 マッチング事業の拠点は、福島県立矢吹病院(以下、矢吹病院)に設置され、転退院調整コーディネーターが、帰還対象者の把握や直接県外の避難先病院へ赴き、患者本人と丁寧な面会を重ね、そこで福島帰還希望の意向が明確なケースについて、福島県に帰還するための転退院調整を日々遂行していった。
 平成29年3月現在において転退院調整コーディネーター(以下、コーディネーター)3名が配置されている。コーディネーターのうち、2名は平成26年5月より着任した看護師2名で、ほか1名は平成28年7月から着任の精神保健福祉士 である。(私は、このうちの1名として主に矢吹病院に常駐し、県外を訪問して福島帰還の意思の聞きとりをしていた看護師2名の後方支援や彼女たちが福島帰還に繋げた患者さんたちの退院支援に尽力していた矢吹病院相談室のお手伝いをさせていただく業務にあたった。)
 特に私の同僚である看護師2名の「県外訪問部隊」の並々ならぬ熱意と尽力で、平成29年1月末には全体で789人の対象者のうち、県外避難継続が確認されたのが98人(全体の12.4%)にまでになっていたのだ。この実績は「原発事故からの復興」に加え、「障がいのある方々の地域移行」という日本および世界で誰も経験したことがないミッションにおいてめざましい成果であることは言うまでもない。

 しかしながら、3人は平成28年12月上旬に県庁障がい福祉課に召集され、なんの前触れもなく「来年度から事業を縮小する、県の意向であなたたちの単価も減らす、これは決定事項だから。」と伝えられた。
 事業が縮小することについて、具体的には
 今まで転退院チームの人件費に充てていた国の基金(復興庁の補助;補助率10割)を運用せずに
 (1)平成28年7月から着任した コーディネーターは平成29年3月いっぱいで契約終了。
 (2)コーディネーターのうち看護師2名は、福島県の給与体系で個別に報酬を計上するので、今より10万円は確実に下がる月給となる
といった内容であった。
 これまでに現場のコーディネーターらになんの相談の経過もなく(こうなるまでに現場サイドで事業を統括する立場からの交渉はあったようだが)、現場のコーディネーターたちは、一方的な障がい福祉課の姿勢に唖然とし、突如として今後の生活に不安を抱かざるを得ない日常を余儀なくされることになった。

 この決定をめぐって年明けにも、障がい福祉課からの調整は入ったものの、内容としてほとんど変わらず、議会の決議や財政ヒアリングを通しての「人件費の調整」として2人の給与単価を日額5000円以上下げる内容であった。
 私は、実名をもって2月上旬に県の人事行政相談、人事委員会審査課へ措置改善の相談をしていたが、(表向きの理由として)「地方公務員法の解釈上、特別職(我々の身分)は相談を受けられる対象ではない。」という非常に曖昧な判断による対応に収束されるにとどまっていた。
 彼女たちも「普通だったら、続けていないと思う。でも今までに県外で帰りたがっている患者さんたちの顔を見ちゃったから…」、「今まで私たちが無我夢中でやってきたことを、評価されないのがものすごく悔しい。」 とそれぞれに胸の内を語ってくれたが、来年度を打診されているうえでこの契約条件を返答するのに、今まさに苦渋の思いを味わっている。

 国が先渡しで地方へ拠出した財源の運用について、行政と現場の温度差で、現場の状況に沿わない事態が起こっている。そして現場の人材も確保するのが不透明にもなっているわけだが、このことは県外で避難継続中のマッチング事業の対象患者さんたちに不利益をもたらすことにも波及している。
 昨今のメディアにて、県知事も前面に出る復興PR活動が頻回になっている背後で、本当に必要な復興の財源を減らすこと自体が、現場で従事する人たちのパフォーマンスを減らし、余計「捨て金」にしてしまうのではないだろうか。
 いま明確に県外で帰還を望む患者さん98名がまだ残るなかで、マッチング事業が縮小されることになんの意義があるのか。福島の外からやってきた私自身が、マッチング事業を通して震災後の福島の現状を知ることになり、思い半ばで離れざるを得ない状況に無念や悔しさを抱いている。そのうえで今まで毎年の3・11の時期に関係なく、福島の現場で長期間にわたり地道に目下のケースワークを丁寧に積み重ねてきた2人が、「いつもどおり」の仕事を継続できるように、懇願するばかりである。



http://medg.jp/mt/?p=7393
Vol.049 医療事故における業務上過失致死傷害罪を理由とした医療従事者個人への行政処分の廃止を、医道審議会および厚生労働省に求めます。
医療ガバナンス学会 (2017年3月6日 06:00)

一般社団法人 全国医師連盟 代表理事
中島恒夫

2017年3月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

はじめに

 全国医師連盟は、「システム・エラーを起因とする医療事故に立ち会った『医療従事者個人』に対する刑事処分・行政処分は、医療安全には全く寄与しない」と考えます。行政処分は医療事故の最終的な現場責任者である『医療従事者個人』よりも、医療安全への取り組みを怠った医療機関、もしくはその設置者および管理者に行うべきであると考えます。
また、現在の医道審議会の答申による厚生労働省の行政処分は、第6次改正医療法で定められた医療事故調査制度とも相反します。医道審議会を管轄する厚生労働省医政局は、その矛盾を自ら早急に改めるべきです。

1.医道審議会の審議事案の抽出について

 厚生労働省(以下、厚労省)は「罰金以上の刑に処せられた医師又は歯科医師」に係る情報提供を、下記に示した概要により、法務省に協力依頼を行っています。

  http://expres.umin.jp/mric/nakajima.pdf

 法務省から得られたこれらの情報のみを根拠として、厚労省は行政処分の可否を医道審議会に諮問しています。事件の詳細や、示談の成立の有無などの事情は、法務省から厚労省には伝えられません。医道審議会での審議前に、都道府県の担当課から事案の報告が本人に依頼されることはあります。また、医道審議会での第1回審議(処分の区分決定:取消、停止、戒告)後に、都道府県の担当課による本人からの意見聴取手続や弁明聴取手続はあります。しかし、これまでの医療事故事案関係者の行政処分では、医道に反するか否かの検証・議論が十分にされることはありませんでした。

2.医療事故事案の刑事処分と行政処分について

 平成14年12月13日に医道審議会医道分科会は「医師および歯科医師に対する行政処分の考え方について」(平成27年9月30日改正)という指針を示し、業務上過失致死(致傷)に関して以下のように記しています。

「(2)医療過誤(業務上過失致死、業務上過失傷害等)
 人の生命および健康を管理すべき業務に従事する医師、歯科医師は、その業務の性質に照し、危険防止の為に医師、歯科医師として要求される最善の注意義務を尽くすべきものであり、その義務を怠った時は医療過誤となる。
 司法処分においては、当然、医師としての過失の度合いおよび結果の大小を中心として処分が判断されることとなる。
行政処分の程度は、基本的には司法処分の量刑などを参考に決定するが、明らかな過失による医療過誤や繰り返し行われた過失など、医師、歯科医師として通常求められる注意義務が欠けているという事案については、重めの処分とする。
 なお、病院の管理体制、医療体制、他の医療従事者における注意義務の程度や生涯学習に努めていたかなどの事項も考慮して、処分の程度を判断する。」

 上記の指針に従う形で、医療従事者の行政処分を医道審議会は答申しています。「医道」との関連性が極めて希薄な刑事処分を踏襲した行政処分を、厚労省は現在も行っています。

3.医療事故事案の当事者たる医療従事者個人の行政処分の妥当性

 医療は複雑系のシステムであり、同じエラーでも、結果として何も生じないこともあれば、インシデントやアクシデントに至ってしまうこともあります。この様に不確実なシステムの中で生じる医療事故において、最終立会者である医療従事者にのみ処分を下し幕引きを図る手法は、医療安全の向上に関する最大の阻害要因であると考えます。
 医療従事者は医療機関に於いて、能力を発揮できるようにトレーニングをされている以上、医療事故の事案の発生には、少なからず、その組織にも責任が生じると考えます。しかしながら、病院管理者、医療機関、行政・立法の責任にまで言及される事はまれであり、医道審議会では当事者である医療従事者個人のみが行政処分となっています。
 医療機関の長時間労働の常態化、スタッフ不足については、すでに一般の方でも知るところであり、そのような労働環境の中で、必然として生じるミスを個人にのみ帰する行政処分が妥当かどうか、広く意見を聞いて考えて頂きたいと考えます。

4.医道審議会で諮られている業過罪に関連した医療事故の取り扱いの問題点

 近年の医道審議会で諮られている業過罪に関連した医療事故では、以下のように、共通したシステム・エラーの存在が推認できます。

  http://expres.umin.jp/mric/nakajima1.pdf

 これまでの刑事処分や行政処分では、当事者の医療従事者個人の責任追及に固執するために、ヒューマン・エラーを事故の原因と結論づけ、上記の1~3に示したシステム・エラーの存在を見落とし、改善出来なかった事例がほとんどでした。
 所管官庁である厚生労働省はもとより、国民もそうしたことを理解し、より安全な医療を構築していかなければなりません。上記のシステム・エラーを俎上に挙げて、再発防止に取り組む必要があると考えます。

5.医療事故の当事者たる医療従事者は処分される対象か? 本当に処分されるべき対象は何か?

 現在の医道審議会のヒューマン・エラーを処分するやり方は、大衆の応報感情に迎合するものではありますが、「医療事故再発」の可能性を上昇させ、大多数の良識的な国民に大きな不利益をもたらします。大衆迎合的な医道審議会は医療安全に繋がりません。行政処分の在り方として、当該医療機関に対して再発防止のためのシステムを構築させ、その制度設計が不十分であれば修正指導をし、一定期間後の視察で実施状況を確認し、改善できない・やらない医療機関の認可を取り消す、などの施策が必要と考えます。

6.露呈した医道審議会と第6次改正医療法との矛盾

 第6次改正医療法によって、医療事故調査制度の「目的」そのものが完全に変わりました。今までの医療事故調査制度の目的は「責任追及」でした。現在の、そしてこれからの医療事故調査制度の目的は「医療安全」と「再発の防止」です。医療安全に目的が変わったことで、各医療機関は医療安全のための「学習」を課せられることになりました。
 しかしながら、人の行為にエラーは付きものです。それゆえ、他者のエラーを対岸の火事と傍観することなく、自らに置き換えて学習することが重要になりました。すなわち、現在の医療事故調査制度の趣旨は、「学習」を通じた「人材育成」です。
 現在の医療事故調査制度の基本は、WHOドラフトガイドラインです。WHOドラフトガイドラインの中には、重要な基本方針が6つ記されています。それらの中で真っ先に記されている基本方針が「非懲罰性」です。人を責めれば、人は萎縮します。はからずも医療事故の現場に立ち会った医療従事者個人を責めれば、再発防止のヒントを語ってもらえません。失敗を繰り返さないための学習の機会を奪ってはいけないのです。
 「懲罰」を目的とした医道審議会の答申は、第6次改正医療法と完全に矛盾します。医道審議会は、現在の医療事故調査制度の趣旨から外れた「指針」を完全に棄捨しなければなりません。

7.最後に

 医療者個人の処分が医療安全に寄与しないことは、歴史が明らかにしています。国民が医療安全の向上を願うのであれば、そして、平成27年10月1日から運用が開始された医療事故調査制度を第6次改正医療法に記されている『医療安全』を考えるのであれば、医道審議会の在り方も、ヒューマン・エラーからシステム・エラーに転換し、問題の本質を明らかにし、国民の健康に寄与する医療制度としての質の向上を考えていかねばならないと考えます。我々、臨床現場の最前線で働く医療者として、全国医師連盟は、上記の課題を早急に改善すべく、繰り返し主張し続けます。

【参考文献】
・2014.04.30:【緊急声明】 医療事故調査に欠けている視点「フールプルーフ」
  -国立国際医療研究センター病院医療事故報道に関連して-
  zennirenn.com/opinion/2014/04/post-25.html
・2015.7.16「ウログラフィン」誤投与事故の一審判決に対する緊急声明
  http://zennirenn.com/news/2015/07/post-71.html



https://www.m3.com/news/general/509419
ハラスメント訴訟 宮大の敗訴確定 元准教授へ退職金
2017年3月7日 (火) 宮崎日日新聞

 在職中のハラスメントは事実無根で、退職金が支給されなかったのは不当として、宮崎大の元准教授の男性が退職金や慰謝料など約1045万円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は6日までに、大学側の上告を棄却する決定を出した。大学側に約313万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 同大学は、元准教授が在職中に女子学生の半裸の写真を撮影し、卒論に掲載させたなどとして、懲戒解雇処分に相当すると判断。2012年6月、すでに退職していた元准教授に退職金を支給しない決定をした。元准教授は同年12月、「事実無根」と提訴した。

 一審の宮崎地裁判決は元准教授側の請求を棄却。二審・福岡高裁宮崎支部の判決では「元准教授が撮影し、画像を卒論に掲載させたと認めるべき証拠はない。(そもそも)卒論の指導教員は別の教員。退職手当不支給の決定は法的に無効で、原告に精神的苦痛を与えた」などと指摘。一審判決を変更し、大学側に退職金203万円と慰謝料など110万円の支払いを命じた。

 元准教授は「大学は自分たちの意向に沿う発言を学生たちにさせ、学生を利用してハラスメントを捏造(ねつぞう)した。私自身と学生の両方を陥れた」と話している。

 同大学は「残念ながら主張は認められなかった。これからも教育研究にまい進する」とコメントした。上告棄却は昨年10月18日付。



https://www.m3.com/news/general/509333
風邪で抗菌薬、慎重に 厚労省部会が手引き
2017年3月7日 (火) 共同通信社

 厚生労働省の小委員会は6日、抗菌薬が効かない薬剤耐性菌の拡大を防ぐ対策として、軽い風邪では抗菌薬の使用を控えるとした診療の手引を大筋でまとめた。今月中にも公開する。

 手引は主に外来診療を行う医師向け。風邪の症状であり、抗菌薬の過剰投与が指摘されている急性気道感染症と急性下痢症について、いずれも軽度の場合は抗菌薬を投与しないことを推奨している。ただ、乳幼児は特殊な配慮が必要として対象外とした。

 一方、急性咽頭炎でA群溶血性レンサ球菌が検出された場合や、百日ぜきが疑われる場合は投与を検討する。

 患者への説明用文書では、風邪や下痢の大部分は抗菌薬が効かないウイルス性の感染症で、適正に使わないと副作用が大きいことを紹介する。

 抗菌薬の過剰投与などが続けば耐性菌が広がり、その結果、2050年には世界で年間1千万人が死亡すると推定されている。政府は20年までに抗菌薬の使用量を13年比で3分の2に減らすことを目標にしている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/509383
シリーズ 京都府立医大虚偽診断書疑惑
京都府立医大、次期学長は3月25日に決定
吉川学長の辞任願「やむを得ない」と承認

2017年3月7日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 京都府立医科大学は3月6日の学長選考会議で、次期学長を3月25日に決定することを確認した。4月から3期目となることが決まっていた吉川敏一学長の辞退願を受理し、3月7日に次期学長選考を公示する。

 学長選考会議は学内3人、学外3人で構成し、学内委員には吉村了勇病院長も入っていたが、辞退の申し出により、中川正法副学長兼附属北部医療センター病院長に交代した。京都府立医大の規定では、学長選考会議の学長候補になるには講師以上の教員、および課長以上の職員による10人以上の推薦が必要。

 その後、教授以上の教員と次長以上の職員による意向調査(信任投票)や学長選考会議による面接などを経て、3月25日に開催する同会議で次期学長を決定する。

 4月から3期目となることが決まっていた吉川敏一学長は「体調不良」を理由として、辞退願を提出しており、3月6日の会議で「やむを得ないもの」として全会一致で承認された(『「京都府立医大、創設以来の危機」、中川副学長』を参照)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/509327
「安全、簡単、安価」、ネットで画像情報提供
浜松医大・木村氏ら開発、診療報酬の加算可能

2017年3月7日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 浜松医科大学医学部附属病院医療情報部教授の木村通男氏らは、日本IHE協会とともに、患者紹介時にCT画像などの画像情報や検査結果をインターネットで安全で簡便、かつ安価にやり取りできるシステム「netPDI」を開発、同病院で2016年10月から試験的に運用、この1月から本格稼働させた。

 検査・画像情報は、CDやDVDに保存し、患者が紹介先に持参するやり方が一般的だが、2016年度診療報酬改定では、インターネットを介した電子的な情報提供を評価するため、診療情報提供料の「検査・画像情報提供加算」(退院患者200点、その他患者30点)と、情報を受け取る側の「電子的診療情報評価料」(30点)が新設された。「netPDI」はこれらの算定要件を満たす。

 木村氏は、新設点数について、「紹介する側、紹介を受ける側の双方で算定できることが特徴」と評価。その上で、「netPDIは、診療情報提供書に付随した情報のやり取り。患者が紹介先に、紙の診療情報提供書を提出した時点で検査・画像情報の提供にも同意をしたと見なすことができ、患者の同意を別途取ることは不要。CDやDVDに検査・画像情報を保存する技師の負担を軽減できるなどのメリットも大きい」と説明する。診療情報を複数の医療機関で共有する地域連携ネットワーク網は、電子カルテをはじめ大量の情報共有が可能だが、患者の同意取得のハードルは低くはない。「地域連携ネットワーク網では、初診以来の各種情報を見ることができるが、相当の時間を要する。必要な情報だけを簡便にやり取りするのが、netPDIの基本的な考えだ」(木村氏)。

 「netPDI」の試行は、2016年10月から患者紹介が多い磐田市立総合病院(磐田市)との間で開始した。浜松医大病院医療福祉支援センター長の小林利彦氏は、「当初はCDによる情報提供と併用していたが、netPDIの活用でも問題がないと分かったため、今年1月からnetPDIのみの運用にした」と説明。磐田市立総合病院からの紹介患者は、専門的治療を必要とする入院目的の患者がメーン。一方で、浜松医大病院からリハビリテーション目的で転院することが多い十全記念病院との間でも、この4月から「netPDI」の運用を開始する。今後も地域の医療機関に順次広げたい意向で、浜松医大病院以外でも、「netPDI」を導入している病院同士であれば、検査・画像情報のやり取りができる。

「送受信」、初期の導入コストは200万~300万

 「netPDI」は、「net Protable Data for images」の略。端末認証を受けたインターネット環境にあるパソコンと、汎用のバーコードスキャナーがあれば使用可能で、検査・画像情報を送受信する双方の医療機関のパソコンに専用のソフトウエアをインストールする。個別医師の電子署名(HPKI;Healthcare Public Key Infrastructure)などは不要だ。

 患者紹介に当たって、検査・画像情報を送る場合、日本IHE協会のサーバーにアップロード、紹介先医療機関名などのほか、データ番号やパスワードのバーコードを印刷した「医療データお預かり票」を渡す。患者は、診療情報提供書とともに、紹介先の医療機関に渡す(いずれも紙媒体)。紹介先ではバーコードスキャナーで「医療データお預かり票」を読み取れば、検査・画像情報をダウンロードできる。データ番号やパスワードを、紹介先以外の医療機関が入力しても、検査・画像情報の閲覧はできない仕組みで、安全性が担保されている。

 「netPDI」は、検査技師の負担軽減にもつながる。同じデータ量で比較した場合、「netPDI」のアップロードは1分30秒(20Mbps)、CD作成は計4分47秒(CD書き込み3分35秒、ラベル印刷1分12秒)だった。ダウンロードは1分39秒(20Mbps)、CD読み込み1分20秒。

 「netPDI」の初期投資は、検査・画像情報を送受信する場合には、SS-MIX標準ストレージ(厚生労働省電子的診療情報交換推進事業;医療情報を相互にやり取りするための標準規格)などが既にある場合、150万~200万円程度。受信のみであれば、パソコンと20Mbps程度のインターネット環境があれば、5万~10万円程度で済む。運用経費は今のところ無料で、今後、日本IHE協会のサーバー利用で、画像送信に150円、受信は無料とする方向で検討中だ。

 「検査・画像情報提供加算」の点数は、退院時は30点。浜松医大病院で逆紹介患者に算定した場合でも、年200万~300万円程度であり、「数千万円単位かかるようなシステムでは、償却できない」(木村氏)。「netPDI」の運用が低コストなのは、必要十分な情報のみをやり取りする発想である上、「診療情報提供書の本体は、紙媒体での運用なので、個別の医師の電子署名も必須ではない」(木村氏)からだ。

 なお、退院時に「検査・画像情報提供加算」を算定する際、2018年度診療報酬改定では、「退院時サマリ」も必須になる。木村氏は現在、日本医療情報学会と保健医療福祉情報システム工業会で、その標準化も検討している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/509482
シリーズ AIが切り拓く医療の新時代
AIによる診療支援、「医師が最終決定、責任負う」
厚労省「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」

2017年3月7日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は3月7日の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」(座長:間野博行・国立がん研究センター研究所長)で、AI(人工知能)による診療支援と医師の判断との関係性について、現状ではAIが単独で診断確定や治療方針の決定を行うことはできず、AIの推測結果には誤りがあり得ることから、「最終的な意思決定は医師が行い、その責任は医師が負う」という整理案を提示。その前提として、医師へのAIについての教育を行い、安全性を確保することが必要だとした。同懇談会の構成員からは、厚労省の案を支持する意見があった一方、反対意見は出なかったという。

 さらに厚労省は、AIを用いた製品のうち、使用目的から提供形態等から「医療機器に該当するもの」については、医薬品医療機器法に基づき、承認審査などを行い、安全性、有効性を確保する案も提示。医療機器に該当するか否かは、「治療方針等の決定への関与」と「リスクの大きさ」の2軸から判断、いずれも大きいものを対象とする方針。例として、「放射線治療のシミュレーション等を行い、治療計画を提案するプログラム」「凝固因子製剤など、投与に注意を要する薬剤の動態解析を行い、投与方針の決定を支援するプログラム」などを挙げた。

 非公開で実施された同会議後のブリーフィングで、厚労省大臣官房厚生科学課長の佐原康之氏は、AIによる診療支援について、「将来は分からないが、当面は基本的には医師の責任の下で、最終的な意思決定を行うべきではないか、という意見があった」と説明。

 AI製品の安全性、有効性を確保するためには、データの蓄積に伴い、AIの性能が変化していく特性などを踏まえた評価手法が必要になる。「まずは早期の実用化が期待される画像を用いた診断分野に着目し、AI技術を活用する画像を用いた診断機器」についての評価指標等について検討を行う予定。

 AI活用推進懇談会は、今春に報告書を取りまとめ、政府全体のAI関連の計画に反映させる予定。報告書の柱は、(1)AIの活用領域の特定、(2)開発基盤等の推進方策、(3)質・安全性確保策――の3つ。7日の会議では、今後のAI推進のロードマップなども盛り込むべきとの意見が出たが、報告書の取りまとめに向けた議論には至らなかった。次回は3月末に開催予定。

 (1)の「AIの活用領域の特定」については、第2回会議に続いて、第3回会議でも事例が紹介された。「人工知能の難病医療への実装」「慢性期・在宅医療でのAI活用について」「創薬における人工知能応用」「がん医療におけるAI活用」の4分野の事例。がんや難病の治療、創薬では、ゲノム解析をベースにしたAI活用がメーン。在宅医療では、バイタルサイン等の分析で、異常を早期に発見し、重症化予防につなげる試みが進んでいる。


  1. 2017/03/08(水) 05:45:22|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<3月8日  | ホーム | 3月6日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する