Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月5日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/508610
医療維新
東大の論文不正、元分生研教授ら4人「懲戒解雇相当」
2014年12月に33報の不正認定の最終報告、既に退職

2017年3月4日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京大学は3月3日、同大分子細胞生物学研究所の元教授、加藤茂明氏の研究室の論文不正問題で、加藤氏ら計4人を懲戒解雇相当、1人を諭旨解雇相当とすると発表した。2月17日付けで決定し通知した。5人はいずれも既に同大を退職しているため、「相当」扱いとなった(資料は、東大のホームページ)。

 東大は、2014年12月26日に、加藤氏の研究室で33論文で捏造や改ざんなどの不正行為があり、計11人の不正行為を認定したとする最終調査報告を公表(『33の論文不正、元教授ら11人関与、東大分生研』を参照)。うち4人が「不正行為と認定した主たる教員」と認定され、加藤氏のほか、柳沢純氏(元助教授)、武山健一氏(元准教授)、北川浩史氏(元特任講師)が今回、懲戒解雇相当となった。最終調査報告で「筆頭著者で図の捏造・改ざんに関与した者」と認定、諭旨解雇相当とされたのは、高田伊知郎氏(元助教)。

 今回の論文不正問題は、2014年1月に外部者からの論文不正疑いに関する申立書を受理したのが発端。東大は、1996年から2012年までの間に、加藤氏が責任著者となった論文、あるいは加藤氏の研究室のメンバーによる論文、計165本を調査、「科学的に不適切な図を含む」と判断した論文は51報に上り、うち33報で「不正行為を認定し、不正行為(捏造・改ざん)が存在するとした。

 不正認定から、処分相当の決定まで時間を要したのは、対象者が全て退職しており、手続き等に時間がかかったためと見られる。



http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2017030602000099.html
社説
まず地域の“処方”から 見過ごせぬ「健康格差」

2017年3月6日 中日新聞

 貧富の格差が広がっている。私たちの国も例外ではない。しかも命や病気の不平等ともいえる「健康格差」も生んでいる。見過ごすことはできない。

 世界でもっとも裕福な富豪八人の資産と、世界人口の半分に近い所得が低い層の人々36億人分の総資産とが、ほぼ同じ-。

 格差社会をまざまざと見せつけるような報告書が、国際非政府組織(NGO)によって公表されたのは、今年一月のことだ。

 報告は貧富の拡大が社会の分断を招き、貧困の撲滅を後退させると、警鐘も鳴らしている。

 日本でも「富の集中」が加速化している現実が、野村総合研究所の調査で先月、明らかになった。

避けられる病気なのに

 2015年に一億円以上の金融資産を持っていた富裕層の世帯数が、「アベノミクス」が始まる前の一一年に比べ、約四十万世帯(約50%)増えたという。

 その結果、全体の二割の資産をわずか2%ほどが持つ実態が浮かび上がったのだ。

 問題は、こうした経済的な不平等などが、本来避けられるはずの病気や死-自己責任論では片付けられぬ「健康格差」という事態を生み出していることである。

 富の偏りや貧困はもとより、学歴、家庭や職場、地域の環境、ストレス、社会保障政策など、一見バラバラの要因が、健康にとって大きな決定要因としてつながっているのだ。

 そのような「健康格差」のことを少し堅苦しく表現すれば「地域や社会・経済状況の違いによる集団間の健康状態の差」となる。

 社会疫学が専門で、この問題と長く向き合っている近藤克則教授=国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長=が、そう説明してくれた。

データの裏付け不可欠

 国内の高齢者約1万5千人を追跡した調査では、年収200万円未満の人ががんで亡くなるリスクは400万円以上の人の約2倍というデータがある。さらに別の調査では、認知症の発症リスクに約3倍になる地域差があることもわかってきたという。

 体をこわしても通院もままならぬほどの貧困に苦しむ階層が病気にかかりやすいだろうことは容易に推察できよう。

 そんな状況を少しでも変えようと施策や政策に反映させていくには、健康格差に関する国内のデータの収集が重要になる。だが残念なことに欧州などと比べ、質、量ともにまだ不足している。

 愛知県武豊町で、近藤教授(当時・日本福祉大)ら大学の研究者が地元の自治体とプロジェクトを組み、地域レベルでの実践と調査・データ収集(AGES)に入ったのは十年ほど前のことだ。

 具体的には65歳以上の高齢者を対象にした介護予防の取り組み「憩いのサロン」である。お年寄りの外出機会や地域でのつながりをつくる場として、交流サロンは全国で行われているが、研究者チームが検証作業もしているケースはまれだ。

 武豊町の場合、高齢者約1万人のうちの1割ほどが参加。月一、二回とはいえ、ゲームなど多彩なプログラムを楽しんでいる。

 今の段階でも、サロン参加者で要介護認定が出る割合が、非参加者群のおよそ三分の二にとどまることや、うつ病予防に有効な場となり得る可能性があることなどが検証されている。

 研究グループはさらに対象を広げ、全国約30市町村、14万人の高齢者調査などを実施。幼いころ虐待を受けた人は老いてから歯を失う確率がなぜか14%高いなどのデータを得ている。

 さまざまな社会格差が広がれば健康格差も広がる。

 その格差が広がらぬよう、すぐにでも手を打たねばならない。高齢者向けの交流サロン、子どもの貧困を救う子ども食堂など、地域でできることはいくらでもある。給付型奨学金の支給などももっと増やしたい。

 ただ既に1990年代から世界保健機関(WHO)は、より総合的な対応を求めている。医療、介護政策だけでは不十分なのだ。

総合的な公共政策こそ

 その意味でも政府が進めている健康長寿の数字を追うだけに見える「健康日本21」の取り組みは心もとない。

 欧州では健康格差が公認され、政府文書に明文化されている国々がいくつもある。

 英国では医療・健康政策担当の保健省だけでなく、縦割りを排し住宅、社会ネットワーク、ボランティアの強化、社会保障、教育、交通網など、地方も巻き込み幅広い政策連携に取り組んでいる。

 こうした対策は、効果に時間もかかろう。だが結局は、総合的な公共政策こそが健康格差解消への“近道”なのではないか。



http://biz-journal.jp/2017/03/post_18229.html
暴力団に虚偽診断疑惑の名門・京府医大の「闇」…過去にもトンデモ不祥事連発
文=編集部
2017.03.04 Business Journal

 名門として知られる京都府立医科大学が揺れている。

 京都府警は2月14日、暴力団幹部の刑の執行停止をめぐり、同大学病院の医師が虚偽の診断書を作成した疑いがあるとして、虚偽有印公文書作成容疑などで同病院を家宅捜索した。捜索場所は院内だけでなく、学長室や病院長室、さらにはそれぞれの自宅と広範囲に及んだ。
 暴力団幹部との交際が噂される吉川敏一学長は当初、疑惑を完全否定し、大学側の辞職勧告にも徹底抗戦の構えを見せていた。しかし、「私には大学の名誉を守る責務がある」と訴えた記者会見からわずか2日後の3月2日に退職を発表した。名門医大で、いったい何が起きているのか。

不祥事連発の京府医大、組織ぐるみの虚偽記載か

 問題の発端は、2014年7月に同病院で腎臓移植の手術を受けた指定暴力団山口組淡海一家の総長・高山義友希(たかやま・よしゆき)受刑者が収監されるにあたり、医師が「収監に耐えられない健康状態にある」との診断書を作成、検察側に提出したことにある。
 担当医は昨年、京都府警の任意の事情聴取に「院長からの指示で虚偽の書類を書いた」と供述したとされ、組織ぐるみの虚偽記載があったのでは、という疑惑が生じている。
 会見で吉村了勇病院長は「虚偽記載は一切ない」と否定したが、吉川学長と高山受刑者が大学の外で飲食する姿が複数回目撃され、腎移植手術の際には専門外にもかかわらず吉川学長が立ち会ったといわれており、きわめて異例の対応を取っていたことが明らかになっている。吉川学長と高山受刑者を取り次いだのは、京都府警の元警察官だったことも判明した。
 京府医大は京都大学や大阪大学の医学部よりも古い歴史を持ち、医師を派遣する関連病院は120以上あるなど関西医療界の重鎮だ。しかし、近年は不祥事が相次いでいる。
 16年には、全国的に発覚した精神保健指定医の不正取得で89人が指定取り消しとなった問題で、同医大では全国最多の8人が対象となった。全国で唯一、精神科のトップである主任教授も対象となるなど、科ぐるみの不正だったことが明らかになっている。指定医は患者の身体拘束を判断するなど強い権限を持つ国家資格で、近く不正にかかわった医師らの医師資格の停止処分も決まる。大学病院のみならず、関連病院も含めて、地域医療にとって大きなダメージとなる。
 製薬会社のノバルティスファーマ元社員が関与したとされる降圧剤論文不正事件では同医大の臨床試験が捜査対象になり、東京地方裁判所での公判では関係者が証人として出廷する事態になっている。検察側は、法律違反を犯した被告は元社員のみで研究者はだまされだけの被害者、との構図を描く。
 だが、松原弘明元教授(13年に退職)は「専門分野ではないので、元社員に言われるままに論文をつくった」、元講師は「教授が怖くて逆らえなかった」、医局員は「教授の歓心を買うために自発的に虚偽報告をした」と証言するなど、無責任な言動が多数飛び出し、医療界をあきれさせた。

京府医大の問題体質は学長のワンマンが原因か

「問題が連続する背景には、吉川学長のワンマンぶりがある」というのが、もっぱらの関係者の見方だ。教授選考に当たっては選考会議の審査を経るとしているが、「実質的には学長の意向に沿う人物しか選ばれない」(同医大関係者)。
 その吉川学長は消化器内科分野の教授などを歴任したが、もともとはアンチエイリアシングの分野でよく取り上げられる「フリーラジカル」(活性酸素の一種)を研究対象としてきた。健康機器関連メーカーとの関係も深く、アクアメタル研究会の代表を務めるなどし、広告活動にも一役買ってきた。また、花街として知られる先斗町や祇園によく出入りし、政財界の有力者とも関係が深いことから、大型の寄附講座をいくつも設置したことも実績としてきた。
 ただ、ここにきて、学内の幹部で構成される教育研究評議会は出席議員の全会一致で辞職を勧告しており、「道義的責任は重く、この緊急事態に対処できない」として解任も辞さない考えを示していた。
「抑うつ状態にある」として、一連の疑惑が表面化した以降は休職していた吉川学長は徹底抗戦の構えを見せ、2月28日には弁護士とともに会見を開いた。「一切、指示や関与はしていない。高山氏とも特別な関係ではない」と完全否定したが、同日の会見も学内で開くことを断られるなど、大学側が一切擁護しない姿勢を強く見せた。
 会見から2日後、吉川学長は急きょ「体調不良」を原因に4月からの3期目を辞退すると発表した。3月いっぱいは続投するということになり、京都府議会からも任期満了扱いになる可能性もある。大学側は「創立以来の最大の危機」として内部調査に乗り出したが、京都府警の捜査も進展している。
 一連のゴタゴタで、すでに大学の権威は地に落ちたといえる。
(文=編集部)


  1. 2017/03/06(月) 05:38:20|
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