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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月22日 

https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0222/jj_170222_5031223031.html
「指示や関与、一切ない」=文書で京都府立医大学長—虚偽診断書事件
時事通信2月22日(水)19時33分

 京都府立医科大付属病院(京都市)が、病気を理由に刑の執行を停止された暴力団組長の虚偽診断書を作成したとされる事件で、同大の吉川敏一学長(69)が22日、「病状についての診断や照会への回答につき、指示や関与をしたことは一切ない」とする文書を、代理人弁護士を通じて発表した。
 文書で吉川学長は、実刑が確定した指定暴力団山口組淡海一家総長の高山義友希受刑者(60)と会食したという報道について、「知人と飲食店に行った際に偶然2回ほど会い、医師として体調のアドバイスをした。飲食するために出掛けたということは一切ない」と説明した。
 その上で、診断などへの自身の関与を否定し、主治医や病院長についても「誠実に意見を述べたにすぎず、虚偽の診断書などを作成したことはないと信じている」と述べた。
 代理人弁護士によると、吉川学長は体調を崩して療養が必要な状況で、回復を待って記者会見する意向という。 

[時事通信社]



https://www.m3.com/news/general/505386?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170222&mc.l=207714328&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
組長と会食認める 法人理事会で学長 京都府医大事件
2017年2月22日 (水) 朝日新聞

 暴力団組長をめぐる虚偽診断書の作成容疑事件で、京都府警の家宅捜索を受けた京都府立医科大の吉川敏一学長が、同大学を運営する京都府公立大学法人の理事会に出席した際、組長と飲食店で少なくとも2回会食をし、警察官から組長を紹介されたなどと説明していたことが大学関係者への取材でわかった。

 この関係者によると、府公立大学法人の理事らは16日の理事会で、14日に家宅捜索された今回の事件について吉川学長に説明を求めた。これに対し学長は、大学付属病院で2014年7月に腎移植手術を受けた山口組系暴力団組長の高山義友希(よしゆき)受刑者=刑務所収容=との関係について、少なくとも2回にわたり飲食店で会食したことがあると説明。いずれの場合も「行きつけの店でたまたま会った」とし、「警察官から紹介されたと思う」などと経緯を語ったという。

 捜査関係者によると、高山受刑者は手術2カ月前の14年5月、京都市の繁華街・先斗(ぽんと)町のお茶屋で吉川学長と会食。50代の京都府警の元警部補が仲介役として同席したとの情報もある。吉川学長と高山受刑者は、ほかにも京都市の祇園や先斗町の店で繰り返し会食していたとみられている。受刑者の刑務所収容は困難とする意見書は、翌15年に付属病院から大阪高検に提出されていた。

 吉川学長は今月上旬、朝日新聞記者が組長と会食をしたか質問したところ、否定していた。京都府警は、組長が会食などを通じて大学側との関係を深めた可能性があるとみて慎重に調べている。



http://www.medwatch.jp/?p=12477
主治医機能に加え、日常生活から在宅までを診る「かかりつけ医機能」を評価へ―中医協総会(1)
2017年2月22日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 現在の「主治医機能」よりも広い、(1)日常的な医学管理・重症化予防(2)必要に応じた専門医療機関などとの連携(3)在宅療養支援・介護との連携―などといった「かかりつけ医機能」を2018年度の診療報酬改定で評価してはどうか―。

 22日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、こういった議論が行われました。新点数を創設するのか、あるいは主治医機能を評価する地域包括診療料などを見直していくのかといった具体的な評価方法は、今後、さらに議論していきます。

ここがポイント!
1 日医・四病協提言をベースに、厚労省が「かかりつけ医機能」のイメージを具体化
2 患者・国民の「かかりつけ医」への期待と、現実には若干のギャップ
3 英国のような「1人患者・1人GP」でなく、チームでかかりつけ医機能を発揮
4 医療情報ネットワークのリーダー役、かかりつけ医に期待
5 診療・支払両側から「地域包括診療料」の見直し要望
6 在宅医療、診療報酬だけでなく提供方法含めた総合的な検討が必要か


日医・四病協提言をベースに、厚労省が「かかりつけ医機能」のイメージを具体化

 2014年度の診療報酬改定で、▽高血圧症▽糖尿病▽高脂血症▽認知症―のうちいずれか2つ以上の疾患を有する患者に対して、服薬管理や健康相談、介護保険に係る相談、在宅医療の提供や24時間対応などを行うことを包括的に評価する地域包括診療料・地域包括診療加算が創設されました。厚生労働省は、これらを「主治医機能」を評価するものと説明。2016年度の前回改定では、さらに認知症地域包括診療料・認知症地域包括診療加算を新設しています(関連記事はこちらとこちら)。

 22日の中医協総会では厚労省保険局医療課の迫井正深課長から、2018年度改定に向けて、こうした主治医機能に加えて「日常診療から在宅における療養まで」横断的に、より広い視点で患者を診る「かかりつけ医機能」を診療報酬で評価してはどうかとの考えが示されました。

 「かかりつけ医機能」のイメージとして迫井医療課長は、日本医師会・四病院団体協議会の合同提言における定義をベースに、生活習慣病患者を例にとって次の3つの具体的な機能を示しています。

(1)日常的な医学管理と重症化予防:▽疾病教育▽生活指導▽治療方針の決定▽服薬管理▽服薬指導(薬剤師と連携)▽治療効果の評価▽重症化の予防・早期介入―など

(2)必要に応じた専門医療機関などとの連携:▽専門医療機関への紹介、助言▽合併症に応じた療養指導▽急性増悪への対応―など

(3)在宅療養支援・介護との連携:▽在宅医療を行う場合の管理・療養指導▽服薬管理▽服薬指導(薬剤師との連携)▽要介護状態などに応じた療養指導▽介護との連携▽急性増悪への対応▽看取り支援―など

患者・国民の「かかりつけ医」への期待と、現実には若干のギャップ

 厚労省のイメージは、いわば「個々の患者の状況を熟知し、全人的な医療を提供してくれる身近な医療機関・医師」を、具体的な機能に落とし込んだものと言えるでしょう。このような「かかりつけ医機能」を患者・国民の多くも期待しており、健康保険組合連合会が2011年に実施した調査では、「日頃から相談・受診している医師・医療機関に対して、『全人的かつ継続的な診療』(病気や治療についての詳しい説明、病歴・健康状態の把握、必要なときに適切な医療機関などの紹介など)と、『アクセスの良さ』(自宅から近い、必要なときにいつでも連絡がとれるなど)を期待している」ことが分かっています。

 しかし、日本医師会が今年(2017年)に発表した調査結果によれば、「在宅患者への24時間対応や、個々の患者の受診状況・処方されている医薬品の把握などに、多くのクリニックが負担を感じている」ことや、「患者に処方されている全医薬品を管理しているクリニックは19.7%、患者が受診している全医療機関を把握しているクリニックは19.8%にとどまっている」ことなどが明らかになりました。迫医課長は、「国民・患者の期待と、医療現場の実態との間には少しギャップがあるようだ。今後どのようにしていくべきかを議論してほしい」と要請しました。

 割合だけでなく、実数ベースで「少子化」が進む中では、医療の支え手(医師・看護師も含めて)が減少していきます。そこでは、より「効率的な医療提供体制」の構築が求められており、迫井医療課長は▼より多くの患者が、かかりつけ医機能の下で安心して療養できる▼かかりつけ医の負担を軽減する―医療提供体制を構築できるような評価体系を2018年度の次期改定に向けた論点として提示しています。

英国のような「1人患者・1人GP」でなく、チームでかかりつけ医機能を発揮

 「かかりつけ医機能」のイメージは、前述のように日医と四病協の合同提言に基づいたものです。しかし、厚労省から「かかりつけ医機能」の実践例として▼英国のGP制度(GP:General Practitionerから専門医への紹介を受ける)▼フランスのかかりつけ医制度(かかりつけ医の紹介状なく専門医などを受診した場合、通常の3割負担から7割負担となる)▼ドイツの家庭医中心診療契約(9割の国民が契約しており、登録家庭医の紹介を経て専門診療を受ける)―といった報告がなされたことから、診療側の委員からは「外国の事例(フリーアクセスの緩やかな制限)を推奨しているのか。恣意的な資料である」との批判が出されました。松本純一委員(日本医師会常任理事)らは、「日本では専門医が多く、極論すれば『かかっている病気の数だけかかりつけ医がいる』状態である」との状況を説明し、フリーアクセスへの制限を強く警戒しています。この点、迫井医療課長は我が国の医療保険制度ではフリーアクセスが制限されていない点を強調した上で、「1人の患者にかかりつけ医が何人もいる状況が、国民・患者の期待(前述の健保連調査)に沿っているだろうか」との疑問を提示しています。

 なお、迫井医療課長は「単一の医療機関、単一の医師」という英国のような仕組みを推進するつもりもないことを明言。支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)も「『患者1人につき、かかりつけ医師は1人』といった狭い解釈ではなく、場合によっては複数の医師・チームで対応する体制が求められると思う」との見解を示しています。

医療情報ネットワークのリーダー役、かかりつけ医に期待

 ところで、複数の医師やチームを構築して患者の診療に当たる場合、情報の連携が極めて重要になります。この点について迫井医療課長は、「岡山県・島根県・埼玉県ではそれぞれ医療情報連携ネットワークを構築している」ことを紹介、ネットワークに参加している医療機関の間で患者情報などを共有し、「切れ目のない」「質の高い」医療を提供すると同時に、専門医療機関での改めての検査などを効率化しています。

 こうしたネットワークにおいては、患者ごとに「データを統括するリーダー役」が必要と考えられます。さもなければ単なるデータ投稿システムにとどまってしまい、医療の質の確保や効率化が実現できないからです。厚労省はこのリーダー役として「かかりつけ医・かかりつけ医療機関」に期待を寄せていると考えられます。

診療・支払両側から「地域包括診療料」の見直し要望

 では、こうした「かかりつけ医機能」を診療報酬でどう評価していくのでしょう。大きく、新点数を創設する方法と、既存の地域包括診療料などを見直していく方法が考えられ、今後、具体的に議論していくことになります。

 もっとも後者の「地域包括診療などの見直し」手法について、22日の総会では、診療側の松本委員が▼24時間対応を行っている救急医療機関と連携していれば「24時間対応要件」は満たす▼近隣の医療機関と連携していれば「常勤医師2人以上要件」は満たす―といった緩和を要望。また同じく診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は「大病院がかかりつけ医機能を担っているような地域では、200床以上でも算定可能とすべき」と弾力的な見直しを求めています。また支払側の吉森委員は「認知症地域包括診療料などの効果について、地域による特性なども含めて検証すべき」と提案しています(関連記事はこちら)。

在宅医療、診療報酬だけでなく提供方法含めた総合的な検討が必要か


 なお、かかりつけ医機能に関連して診療側の松原謙二委員(日本医師会副会長)は、「医療機関に専門の異なる複数医師がいる場合、それぞれの医師が訪問診療を実施しても毎回、訪問診療料を算定できるが、診療科の異なる複数のクリニックがそれぞれ訪問診療を行った場合には、1人しか訪問診療料を算定できない。早急に通知などを見直すべき」と改めて要望しました(関連記事はこちら)。この点、迫井医療課長は「在宅医療全体に影響が出るテーマであり、慎重に検討したい」と答えるにとどめています。

 松原委員の要望は「1人の医師で24時間の在宅医療対応はできない。複数の医師で連携して対応する必要があり、個々に訪問診療料の算定を認めてほしい」というものです。しかし、16日に開かれた全国在宅医療会議ワーキンググループでは、日本医師会常任理事の鈴木邦彦構成員が「日本では、医師が積極的に24時間の在宅医療対応を行っているが、諸外国では24時間対応は訪問看護に委ねている」と訴えており、訪問診療を含めた在宅医療については、診療報酬だけでなく、提供方法も含めた総合的な検討が必要かもしれません。

G3註:図表は省略



http://www.medwatch.jp/?p=12486
後発品割合80%の目標達成に向け、処方箋の「変更不可」欄は廃止すべきか―中医協総会(2)
2017年2月22日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 後発医薬品の使用割合について、「2017年央に後発品割合を70%以上にする」との短期目標達成は見えてきたが、「2018から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」との大目標に向けたハードルはまだ高い。診療報酬上でどのような対策がとれるか、さらに検討する必要がある―。

 22日に開催された中央社会保険医療協議会の総会では、こういった議論も行われました(関連記事はこちら)。支払側委員からは「処方箋の『変更不可』欄を廃止すべき」との意見も出ていますが、「いくら安くなっても後発品使用したくない」と考える患者も1割以上おり、どう考えるかで診療側・支払側の意見は異なっています。

ここがポイント!
1 後発品割合、病院では2016年9月時点で67.2%、DPC病院に限定すれば74.8%
2 処方箋の「変更不可」欄、支払側委員は廃止を提案、診療側は真っ向から反対
3 東日本大震災・熊本地震に伴う診療報酬特例を9月まで継続


後発品割合、病院では2016年9月時点で67.2%、DPC病院に限定すれば74.8%

 22日の中医協総会、それに先立って開催された診療報酬改定結果検証部会には、2016年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(2016年度調査)のうち、「後発医薬品の使用促進策の影響及び状況調査」結果が報告されました(関連記事はこちら)。そこからは、次のように後発品の使用が進んでいる状況が明らかになっています。

▼2016年10月1日時点で、後発医薬品使用体制加算1(後発品割合70%以上)を算定している病院は16.3%、加算2(同60%以上)を算定している病院は3.9%、加算3(同50%以上)を算定している病院は2.9%で、合計23.1%が加算を算定している(改定前の15年10月1日時点の23.2%から0.1ポイント減)

 
▼入院患者に「積極的に後発品を処方する」方針の病院が41.8%、有床診療所が15.9%

▼後発品使用促進が期待される「一般名処方」による処方箋を発行している医師は、病院で58.2%(前回調査よりも9.4ポイント増)、診療所で74.8%(同6.4ポイント増)

 
▼2016年19月時点で、後発医薬品調剤体制加算2(後発品割合75%以上)を算定している保険薬局は30.3%、加算1(同65%以上)を算定している保険薬局は34.2%

▼改定前に旧加算2(同65%以上)を算定し、改定後に新加算2(同75%以上)を算定している病院は65.3%、改定前に旧加算1(同55%以上)を算定し、改定後に新加算1(同65%以上)を算定している病院は71.3%


▼薬局に来た処方箋のうち「一般名処方」となっていたものの割合は31.1%で、前回調査よりも6.3ポイント増加し、後発品名で処方され「変更不可」となっていたものの割合は1.0%で、前回調査より1.2ポイント減少(2016年10月の1週間分の処方箋が対象)

▼一般名で処方された医薬品について、薬局で後発品を調剤したものの割合は年々増加し、2016年度調査では77.4%になった(前回調査よりも4.4ポイント増)

▼「安くなるかどうかに関わらず後発品を使用したい」「少しでも安くなるなら後発品を使用したい」と考える患者の割合は年々増加し、2016年度調査では62.6%になった(前回調査よりも5.9ポイント増)

 
▼病院における後発品使用割合(数量ベース)は2016年9月時点で平均67.2%(DPC対象病院では78.4%)、診療所における後発品使用割合は2016年7-9月分で平均47.8%

 このように全体的に見て後発品の使用割合は増加しています。支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「全国健康保険協会(協会けんぽ)では7割近い(2016年9月時点で68.3%)」ことを紹介し、「「2017年央に後発品割合を70%以上にする」との短期目標達成が射程圏内に入ったとの見解を明確にしました。

処方箋の「変更不可」欄、支払側委員は廃止を提案、診療側は真っ向から反対

 ところで、政府は後発品の使用割合について「2018から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」との大目標も掲げています。これについては吉森委員や、同じく支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)、さらに診療側の安倍好弘委員(日本薬剤師会常務理事)ら多くの委員が「相当、ハードルが高い。さらなる対策を検討する必要がある」旨を強調しています。

 吉森委員は、「全国健康保険協会では支部によって後発品使用割合に大きなバラつきがある(最高の沖縄では79.7%、最低の徳島では56.6%)。他の保険者でも同様ではないか。80%達成に向けて全体的な底上げはもちろん、『地域差』を分析し、診療報酬での対応を検討すべき」と提案。

 また幸野委員は、「国民の意識を『後発品使用が当然』という方向に変えていかなければ目標達成はできない」と指摘。例として▼2018年度改定では『変更不可』欄を廃止する▼患者が「後発品を使いたくない」と言った場合には医師・薬剤が説得する▼分割調剤により「後発品のお試し」を可能とする―ことを提案しています。

 幸野委員の指摘の背景には、今般の特別調査において「患者の12%が『いくら安くなっても後発品を使いたくない』と考えている」との結果が出た点があります。いかに診療報酬や調剤報酬で誘導しても、患者が「使いたくない」と考えていたのでは、確かに後発品割合は一定以上には増加しないでしょう。

 しかしこの提案に対して、診療側の松原謙二委員(日本医師会副会長)は、▼患者が後発品を使いたくない理由として「後発品の効き目・副作用に不安がある」との回答が72.6%ある▼「後発品の効き目・副作用に不安がある」と回答した人のうち、29.3%は「効き目が悪くなった」と答え、12.2%は「副作用が出たことがある」と答えている―との特別調査結果をあげ、「プラセボではなく、実際に後発品の中には『完璧とは思えない』ものもあるとの現場医師の指摘もある。患者の希望には沿うべきである」と、幸野委員の「処方箋の『変更不可』欄廃止」提案に真っ向から反対しています。

東日本大震災・熊本地震に伴う診療報酬特例を9月まで継続

 22日の総会では、このほか次のような点も了承されました。

▼東日本大震災・熊本地震に伴う診療報酬上の被災地特例(定数超過入院であっても入院料を減額しないなど)について、「現に利用している特例措置」について地方厚生局に届け出た上で、今年(2017年)9月まで継続利用を可能とする

▼2018年度診療報酬改定に向けて、「選定療養」(個室や予約などで、実費を徴収しても混合診療とならない)の拡大に関する意見募集を行う(関連記事はこちらとこちらとこちら)

 前者については、被災によって医療機関に患者が一時的に集中したり、入院医療が必要でなくなっても患者の退院が困難(仮設住宅などで受け入れられない)となったりした事態に対応するものです。現在、半年を目途に状況確認が行われ、必要な延長措置が行われています(関連記事はこちら)。

 

 また、先進医療とDPCに関して、下部組織(先進医療会議など)からの報告も受けています。

▼新たな先進医療:進行期乳房外パジェット病に対するトラスツズマブ、ドセタキセル併用療法(HER2陽性の切除不能な進行期パジェット病患者に対し、抗がん剤であるトラスツズマブとドセタキセルを21-35日間隔で3サイクル併用投与し、安全性・有効性を確認する)

▼DPC対象病院の合併:旧「淀川キリスト教病院」(大阪府大阪市)と旧「淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院」(同)が合併し、新「淀川キリスト教病院」(同)となる

▼DPC準備病院の合併:旧「新札幌豊和会病院」(北海道札幌市)と旧「豊和会札幌病院」(同)が合併し、新「新札幌豊和会病院」(同)となる

▼DPCからの退出:明芳会新葛飾病院(東京都葛飾区)【回復期リハビリ病院に機能変更するため】

G3註:図表は省略



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50628.html
「かかりつけ医」、数の限定に懸念も- 中医協で議論
2017年02月22日 16時00分 CB news

 中央社会保険医療協議会(中医協)は22日に総会を開き、2018年度の診療報酬改定に向け、「かかりつけ医」の在り方について意見を交わした。医療者側の委員からは、今後、かかりつけ医の数を限定することに対する懸念の声も上がった。【敦賀陽平】

 近年の診療報酬改定では、診療所や200床未満の中小病院を対象に、認知症や高血圧といった複数の疾患を持つ高齢の外来患者を想定した報酬が新設されている。大病院との役割分担を図ることが狙いで、担当医が患者の健康管理や在宅医療の提供などを行う。

 日本医師会(日医)と四病院団体協議会が13年夏にまとめた合同提言では、かかりつけ医について、「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要なときに専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義している。

 また、翌年末に日医総研が実施した意識調査では、有効回答を得た1122人のうち、かかりつけ医が「いる」と答えた人の割合が過半数を占め、「いないがいるとよいと思う」を合わせて、肯定的な意見が全体の7割を超え、70歳以上では8割以上に達した。

 さらに、医療機関の受診の在り方について尋ねたところ、「最初にかかりつけ医など決まった医師を受診し、その医師の判断で必要に応じて専門医療機関を紹介してもらい受診する」に賛成する意見が全体の7割近くを占めた。

 一方、日医がこのほど行った調査では、かかりつけ医の業務負担の実態が明らかになっている。回答した診療所の医師1603人のうち、業務負担が大きい項目として、「在宅患者に対する24時間対応」を挙げた人が49.8%と、全体の半数近くを占めた。以下は「患者に処方されているすべての医薬品の管理」(27.9%)、「患者が受診しているすべての医療機関の把握」(18.6%)などと続いた(複数回答)。

 22日の総会で厚生労働省は、電子カルテを使った患者情報の共有など、ICT(情報通信技術)を活用した先進事例や、家庭医の登録制を導入している海外の事例などを紹介し、かかりつけ医側の負担軽減も含めた、医療提供体制の構築につながる取り組みへの評価を論点として挙げた。

 医療者側の委員からは、「極端な話をすれば、病気の数だけかかりつけ医がいる」「地域によって事情が異なるので、病院は200床未満に限定しない方がいい」など、かかりつけ医の数を絞ることへの懸念の声が上がった。一方、保険者側の委員からは、医師以外の多職種との連携による「かかりつけ医機能」の評価を求める意見もあった。



http://www.chibanippo.co.jp/news/national/388540
医師ら4人を不起訴 千葉大集団強姦事件で地検
2017年2月22日 10:34 | 千葉日報

 千葉大医学部の男子学生らによる集団強姦(ごうかん)事件で、女性にわいせつな行為をしたとして、千葉県警が準強制わいせつ容疑で書類送検した医師の男(29)=千葉市中央区=と、集団強姦罪などで公判中の3人の医学部生らについて、千葉地検は21日、同容疑については不起訴処分とした。地検は詳しい理由を明らかにしていない。

 不起訴処分となったのは医師の男と、同大医学部付属病院の研修医、***被告(30)=同区、別の準強制わいせつ罪で公判中=と、ともに同大医学部5年の***被告(23)=同区、集団強姦罪で公判中=、***被告(23)=同=の計4人。

 4人は共謀して昨年9月20日午後7時40分~翌21日午前0時半ごろまでの間、千葉市内の飲食店で女性にわいせつな行為をしたとして、県警が2日、捜査書類を千葉地検に送付していた。

G3註:原文は実名報道



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12136-376040/
少女集団暴行 逮捕の研修医らは親が全員開業医のボンボン
2017年02月22日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL

少女集団暴行 逮捕の研修医らは親が全員開業医のボンボン
主犯格の***容疑者は東邦大医学部OB(本人ツイッターから)

 千葉大医学部生らによる20代女性集団レイプ事件で、20日、千葉地裁で初公判が開かれた同大付属病院の研修医・***被告(30)と、10代少女集団レイプ事件で逮捕された研修医ら3人には共通点がある。全員、開業医のボンボンだ。

 泥酔した女性のカラダに触るなどした準強制わいせつの罪に問われた***被告は、初公判で起訴内容を認めたが、「(医学部生に)そそのかされた」などと言い訳。軽薄すぎる***被告だが、父親は広島県内の開業医だという。

 10代少女事件で埼玉県警に逮捕された、船橋中央病院の研修医・***(31)、東京慈恵会医科大付属病院の研修医・***(31)、東邦大医学部生・***(25)の3容疑者もそうだ。

 悪辣な暴行犯3人は、どんな環境で育ったのか。

 少なくとも7人の女性を陵辱した主犯格の***容疑者の父親は二十数年前、千葉県内の約300平方メートルの土地に内科医院を開業。最寄り駅から徒歩5分と好立地だ。犯行現場になった東京・大田区のヤリ部屋の家賃17万円は、父親の口座から引き落とされていたという。

 本紙記者は先週末の夕方、***容疑者の実家を2度訪ねた。自宅の雨戸は固く閉められていたが、裏手に回ると2階の部屋の一部に明かりがついていたので、インターホンを鳴らしたが、応答なし。改めて20日、自宅に併設する病院を訪れ、受付の女性に「父親に話を聞かせて欲しい」と頼んだが、「お帰りください。(父親からは)『お断りしてください』ということです」とけんもほろろだった。

「(***容疑者は)小さい頃はおとなしく、目立たない子どもでした。研修医になってからは、外車に乗ってたまに帰ってきていたようです。あまりに派手になっていて驚きました」(近隣住民)

 ***容疑者の父親も二十数年前、都内に4階建てのビルを建て、皮膚科専門医院を開業している。

 同じビルの自宅インターホンを鳴らしたところ、こちらも応答なし。病院の受付で取材したい旨を伝えたところ、「お断りするよう仰せ付かっています。取り次ぎしないように言われています」と相手にもされなかった。

「(***容疑者の)父親は埼玉医大卒で、都内の大学病院の医局長を経て独立。現在は医局に当たる『同門会』の会長で、所属医師の“人事権”を握っている。会長は教授と違って定年がないため、権力が集中します。当然、息子の面倒を見られる立場にもあった。大学病院も大激震でしょう」(病院関係者)

 そして***容疑者の父親は都内の皮膚科、内科の開業医で、地元で2代続く医者の家系だ。

「(***容疑者は)子どもの頃はおとなしく、あまりしゃべらなかったという印象です。ただ高校進学後は相当遊んでいたようです」(近隣住民)

 病院に併設する祖母が住む自宅のインターホンを鳴らすと、「留守番」と名乗る女性が出て「今回の件については一切、お話ししないよう弁護士から言われています」ということだった。

 被害者とその家族は、一生心に傷を負って生きていかなければならない。医療に携わる者として、自分たちの子どもが他人の人生を虫けらのごとく踏みにじったことをどう捉えているのだろうか。

G3註:原文は実名報道



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0371136.html
市立根室病院4月に分娩再開 「出産できる」市民歓迎 初産対応の態勢求める声も
02/22 07:00 北海道新聞

 【根室】市立根室病院(東浦勝浩院長)が4月から10年7カ月ぶりに分娩(ぶんべん)を再開することになり、根室での出産を待ちわびた市民から歓迎する声が上がった。病院の医療環境などから帝王切開が必要な事態になりにくい第2子以降の出産の受け入れに限られるため、子育て中の母親からは初産に対応できるよう態勢構築を求める声が根強い。

 根室病院は大学病院から産婦人科医の派遣が途切れた2006年9月に出産受け入れを休止。市内の妊婦は釧路や中標津などで出産していた。新生児に対応できる小児科の常勤医を13年に採用し、昨年12月には宮崎県で産婦人科の開業医をしていた宮内宗徳医師(59)が常勤の産婦人科医として着任するなど医療環境を整備し、宮内医師の休む週末などに釧路赤十字病院の派遣医師の応援を受ける形で分娩再開にこぎ着けた。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170220-OYTET50024/
ニュース・解説
主な精神疾患の治療指針を作成…薬の処方などに統一性

2017年2月22日 読売新聞

患者側も疑問払拭に

 精神科ではこれまで、医師が代わると治療方針や処方内容が大きく変わる例が珍しくなかった。患者に不信感や不利益を与えかねないため、近年、主要な精神疾患の治療指針が相次いで作成された。

 現時点で適切と考えられる治療や、推奨されない治療などが分かるので患者や家族にも一読と活用をお勧めしたい。

 治療指針は、治療ガイドラインとも呼ばれる。精神科では作成が遅れていたが、2011年に日本うつ病学会が双極性障害の治療指針を、12年にはうつ病の治療指針をそれぞれホームページで公開。15年には日本神経精神薬理学会が統合失調症の薬物治療指針をホームページで公開した。

 16年秋には治療指針を有効に活用してもらおうと、精神科医を対象とした「EGUIDEプロジェクト講習会」が始まった。全国の主要な大学が手を組んだ長期的な取り組み。受講者は、うつ病の治療指針と統合失調症の薬物治療指針のポイントや生かし方を1日ずつ学ぶ。今年度は北海道大学や東京大学、慶応大学などで計18回行われる。

 九州大学で昨年10月に行われたうつ病の治療指針講習会では、約30人の受講者を前に講師が「精神科は各大学で独自の薬の使い方が伝承され、出身校ごとに処方が異なることもあった。統一的な治療指針の普及が大事だ」と強調した。

 プロジェクトを率いる大阪大学病院神経科・精神科准教授の橋本亮太さんは「受講者が全国の医療機関に広がれば、精神科医療の質は飛躍的に上がる。指針を学ぶことで受講者の処方内容がどう変わったかを調査し、公開したい」と話す。

 統合失調症の薬物治療指針が強調するのは、幻聴や妄想を抑える抗精神病薬の使用を原則1種類にする単剤化だ。日本では、複数の抗精神病薬を併用する多剤大量処方が科学的根拠もなく習慣的に行われ、患者は重い副作用に苦しむ例が多く指摘されている。指針は、症状が再度悪化した患者にも「抗精神病薬の併用治療を行わないことが望ましい」と明記した。

 うつ病の治療指針は、軽症患者に対して「まず薬ありき」でなく、患者の背景を理解し支える「支持的精神療法」を最優先の治療として挙げた。うつ病患者にも処方されやすいベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬は、適正量でも長期使用で薬物依存に陥る恐れがあることなどから、安易な処方を戒めた。

 これらの指針は医師向けだが、患者や家族が目を通しておくと不適切な治療から身を守ることができる。

 うつ病の治療指針の作成にあたった九州大学病院精神科神経科教授の神庭重信さんは「治療に疑問を感じたら、指針を主治医に見せて質問してほしい。治療は納得して受けることが大切で、患者と医師の信頼関係が深まり、より良い効果につながる」と話す。

 分かりやすい治療指針も求められている。神庭さんは「精神科以外の医師や一般の人向けに、患者や福祉関係者らの意見を盛り込んだ治療指針づくりを検討したい」と語る。治療指針を核に、精神科医療は変わろうとしている。

  治療指針  世界中の研究論文などを基に推奨される治療法などを明示した文書。最新情報を盛り込み、数年で改訂されることが多い。日本では各種のがんで作成が進んだ。がんの治療指針は患者向けも出版されている。(佐藤光展)



http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00350506.html
「最後のオペ」記念撮影を院長謝罪
02/22 01:27 fnn-news

SNS上にアップされた、1枚の写真。真剣に手術をしているとみられる医師と対照的に、ピースサインをしてみせる看護師。さらに、カメラ目線でポーズをとる医師たちの姿もあった。しかし、その下には、手術台に横たわる患者の手。この写真は、1月31日に、福岡県の村上外科病院で、腕の手術中に撮影されたもの。手術に立ち会った看護師の1人が、SNS上に公開したことで発覚した。
なぜ、このような写真を撮影したのか。
撮影を指示したという村上直秀院長(85)は、FNNの取材に対し、「僕が手術につくのが、これが最後だろうから、1枚撮っておこうということで撮った」と話した。
最後のオペの記念とはいえ、全身麻酔で眠らせ、何が起こるかわからない状態の患者と写真を撮るという、非常識な行動。
これまでも、手術室内で記念写真を撮影したという院長は、「患者に申し訳ないことをした。軽率だった」と謝罪している。 (テレビ西日本)



http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170222/asahi_2017022100045.html
上昌広医師「医療で進むグローバル化。リスクをとって新しい領域に」
dot. 2017年2月22日 16時00分 (2017年2月23日 04時52分 更新)

上昌広/1968年生まれ。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がんセンター中央病院で臨床研究に従事。2005年東京大学医科学研究所で探索医療ヒューマンネットワークシステムを主宰。16年から特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長に。17年3月に著書『病院は東京から破綻する』(朝日新聞出版)が発売予定

 少子高齢化が進む日本で、今後、医療の現場はどう変わっていくのか。アエラムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる』では、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師に、医学部を志望する学生に向けて「これから求められる医師像」を示してもらった。

*  *  *
「チャンスがあれば、シンガポールかインドネシアで働きたいです。話があれば紹介してください」

 大学時代から指導している医師夫妻に、こう言われた。本稿では、この夫婦を例に、これからの医師像を論じたい。

 二人は1987年生まれの29歳。それぞれ灘(兵庫)、桜蔭(東京)を卒業し、東大理IIIに現役で合格した。

 私は、2016年3月まで、東京大学医科学研究所で研究室を主宰していた。夫は大学1年から、妻は大学3年から指導した。

 大学生のころから、二人は何事にも積極的だった。「医師のキャリアパスを考える医学生の会」というコミュニティーを立ち上げたり、朝日新聞やイギリスの医学誌「ランセット」などに文章を発表したりした。

 二人が大学5年生だったとき、東日本大震災が起こった。自ら希望し、福島・浜通りの医療支援を行っていた我々のチームに合流した。従事したのは、福島県相馬市、飯舘村、川内村などの住民の健康診断から、南相馬市立総合病院の医療記録の整理まで、多岐にわたった。このような活動を通じて二人は親しくなり、いつの間にか付き合い始め、卒業と同時に結婚した。…

 初期臨床研修は、亀田総合病院(千葉)で終えた。その後、二人は「被災地で診療したい」と希望し、夫は相馬市内の民間病院、妻は仙台市内の民間病院に就職した。夫の専門は内科、妻は麻酔科。症例数は多いが医師が少ないため、いち早く経験を積めるからだ。しばらく週末だけ同居する“2カ所居住”を続けていたが、その後、妻は南相馬市立総合病院に移った。現在は相馬市内の自宅で同居している。

 彼らは、ここでも積極的に活動している。仮設住宅、復興住宅の住民のケアから、上海、ネパール、フィリピン、バングラデシュといった国々との共同研究も行っている。主著、共著を含め、夫妻で既に20報以上の英文論文を発表している。今後は日本を離れ、アジアで診療することを希望している。

 なぜ、アジアなのか。

 経済成長が著しいアジアでは、医療ニーズが高まるだけでなく、子どもに高いレベルの教育を受けさせられるからだ。

 例えば、シンガポール国立大学は、いまや彼らの母校である東京大学とレベルは変わらない。英語で教育を受けることができるため、アジア全域から優秀な若者が集う。また、高校のレベルも急上昇していて、英国のケンブリッジ大や米国のハーバード大など、世界中の一流大学に進学するようになった。グローバル化する世界に対応する子どもを育てたいと考えれば、彼らの判断は合理的といえる。

 彼らが日本を出たいと思った理由は、これだけではない。きっかけは「新専門医制度」をめぐる議論だ。…
 新専門医制度とは、大学教授たちが中心となって、初期研修を終えた医師たちの教育カリキュラムの見直しを図ったもので、厚生労働省も、これを支援した。お題目こそ立派な改革だったが、実態は、専門医育成と医師偏在問題を絡めて、大学病院で働かなければ、専門医資格を取れなくしようとする、いわば大学医局の復活を目指したものだった。

 大学教授と厚労省が当初提示した枠組みで新専門医制度が実施されれば、夫妻らは自分で勤務地を選択できなくなる。教授の意向次第では、福島県の被災地で働くことができなくなるかもしれない──。

■医師は肉体労働。活動寿命は短い

 これに立ち向かうべく、彼らは新聞の読者寄稿欄やウェブメディアなど、さまざまな媒体で、自らの意見を発表し続けた。さらに、二人の共著で米国の医学誌に論文を投稿し、受理された。塩崎恭久厚労大臣が、彼らに意見を求めたこともあるほどだ。

 ただ、医学界を仕切る教授たちには、まったく通じなかった。「批判ばかりしていると、君たちの将来にとってよくないよ」とわざわざ“忠告”する人もいたらしい。夫妻には「専門医資格を盾にとり、徒党を組んで、若手医師の稼ぎの上前をはねようとしている」ようにも映った。

 読者の皆さんは、「医師免許さえとれば、将来は安泰だ」と考える人も多いだろう。だが、実態はそんなに甘くない。これまでは医師免許さえあれば、食いっぱぐれることはなかった。だが今後は、そんな保証はない。…

 私は平素から、「医師は肉体労働だ」「寿命は短い」「若いうちからセカンドキャリアを考えるように」と指導している。

 20~30代の医師の週の労働時間は、平均で80時間を超える。これは労働安全の観点からは由々しき問題だが、職業柄、やむを得ない面もある。

 そこまでするのは理由がある。多くの患者を診なければ、実力がつかないからだ。患者は、こちらの都合に合わせて、病院を受診してくれるわけではない。医師が患者に合わせて、待機しなければならないのだ。ゆえに長時間勤務は避けられない。

 医師は体力勝負だ。一人前になるには、診療だけでは不十分。勤務時間外に勉強し、学会発表や論文作成をしなければならない。若くなければやっていられないことが多いのだ。

 医療現場で、この問題が俎上に上ることはなかった。それは、我が国の診療報酬(患者および保険組合が支払う医療費)が高かったからだ。診療報酬は厚労省などが全国一律に決める公定価格だ。物価が高い東京でも医療機関を経営できるくらいだから、地方ではさぞかしもうかっただろう。ゆえに病院は中年を過ぎて働きが悪くなった医師を高給で抱えることができた。学会や講演会という名目で休診する医師も、雇い続けられた。

■駅ナカ診療で桁違いの患者数に

 少子高齢化が進む日本では、社会保障費の抑制が喫緊の課題でもあり、厚労省は診療報酬を抑制している。医療費の総額こそ増えるが、患者が増えるため、「利幅」は薄くなると考えられる。すると、病院の経営は急速に悪化する。首都圏の総合病院で、賞与の支払い遅延などが起こっているのは、このためだ。従来型の勤務医の年功序列賃金体系は崩壊せざるを得ない。

 医学部を目指す若者たちは、必ず、このような試練に遭遇する。生き残りたければ、自らの付加価値を高め、新しい成長領域に進出しなければならない。

 前述の夫妻にとってロールモデルになったのは、彼らの先輩医師たちだった。例えば、東大医学部の先輩である坪倉正治医師(35)は、東日本大震災以降、東京と福島を往復して被曝(ひばく)対策に専従している。これまで10万人以上の住民の内部被曝検査、および相談に従事した。彼のもとには、米国の陸軍など世界各地から専門家が訪れている。イギリスのある大学からは、日本と兼業で雇用したいとオファーしてきた。従来の専門医とは異なる存在だ。

 JRの駅ナカに、いわゆる「コンビニクリニック」を立ち上げた久住英二医師(43)は、新宿駅、立川駅、川崎駅の3駅でクリニックを経営しているが、平日は夜9時まで、土日も診療しているところもある。1日の患者数が千人を超えることも珍しくない。通常のクリニックの患者は30~50人程度だから、桁違いだ。受診者の多くは若年層、特に女性だ。裏返せば、従来の医療提供モデルが、若い人たちに対応していなかったともいえる。この医師のもとには、上海からも医師が訪れている。中国に「コンビニクリニック」を導入するためだ。…

 彼らはいずれもリスクをとって、新しい成長分野に飛び込んだ。冒頭の若き医師夫妻には、まぶしく映ったそうだ。彼らは「自分のやりたいことをするのではなく、患者のニーズを追求しなければならない」という。

■従来の「お医者様」は、もう通用しない

 前述のとおり、アジアでは医療の熱が高まっている。

 例えば、知人の上海在住の女性からは「上海で働きたい医師を紹介してください。最近、共産党は規制を緩和し、一部の民間病院で外国人医師が診療できるようになりました」と言われた。韓国やフィリピンから、医師・看護師が流入し始めているらしい。彼らはハングリーだ。もたもたしていると、日本の医療レベルのリードなど、あっという間に追いつかれてしまう。

 臨床研究でも、アジアが主戦場になりつつある。ある東大医学部の教授は、個人的見解として「アジアからの論文は掲載されやすい」という。

 医学専門誌の発行でも、アジアは市場を拡大している。部数がほとんど伸びない先進国とは対照的に、販売増が期待できる。

 私たちの研究室も、中国や東南アジア諸国との共同研究を始めた。その成果を「ランセット」などに投稿し、これまでに四つの短報が掲載された。これは、通常の採択率をはるかに上回っている。研究室では毎晩のように、スカイプでアジアの若き医師や看護師と共同研究の打ち合わせが行われている。

 多くのアジアの都市は、東京から3~6時間で移動できる。「毎週、通うのも可能です」と意気込む若手スタッフもいる。

 かくのごとく、日本の医療は急速に変化しつつある。その本態は、グローバル化だ。激しい競争が待ち受けるなか、従来のような「お医者様」は通用しない。これから医師を目指す若者たちには、ぜひ、このことを念頭に置いてほしい。

(アエラムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる』に寄稿)


  1. 2017/02/23(木) 05:31:57|
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