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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月21日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/505064?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170221&dcf_doctor=true&mc.l=207619463&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
「医師不足地域勤務が管理者要件」、反対多々
NPO法人全世代の第二弾、「徴兵制か」との意見も

2017年2月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)の2月20日の第11回会議で、構成員の地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏は、代表理事を務める「NPO法人全世代」の「医師の地理的偏在の解消に向けて(第二弾)」(案)を提案した。

 しかし、委員からは「徴兵制ではないのか」といった意見が出るなど、同案に対する支持は得られず、本ビジョン検討会では、保険医療機関の管理者要件と関連付けるなど、強制力を伴う医師の地域偏在対策への抵抗感は根強いことが示唆された(資料は、 厚労省のホームページ)。

 尾身氏は昨年、NPO法人全世代の「医師の地理的偏在、診療科偏在についての提案」を公表。保険医療機関の管理者と関連付けた医師不足対策案に対し、「強制配置という印象を与えかねない」などの批判があり、今回の再提案に至った(『医師不足地域での勤務」、保険医療機関の責任者の条件』、『「中間的な議論の整理」、12月22日に予定』などを参照)。

 第二弾(案)では、医師不足地域での勤務を保険医療機関の管理者の条件とする案は、「議論のたたき台として例示」の位置付けに変えたものの、非公開で行われたビジョン検討会後、ブリーフィングした厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「尾身氏は、強制ではなく、地域偏在解消のために、(医師不足地域等に)自主的に行ってもらう話し合いの場やルール作りがまず必要と説明していたが、他の構成員は、“強制”という受け止め方をしていた」と議論の内容を紹介した。

 20日の会議ではそのほか、国立保健医療科学院研究情報支援研究センターの奥村貴史氏へのヒアリングも実施。奥村氏のテーマは、「医療現場の診療負担と診断支援用人工知能」で、AI(人工知能)を活用した診断支援ツールの開発は、医療現場の診療負担軽減につながる技術であるという骨子だ。

 尾身氏以外に、3人の構成員がプレゼンテーションした。(1)庄子育子・日経BP社医療局編集委員・日経ビジネス編集委員:医療職と介護職の業務分担の在り方、(2)鈴木英敬・三重県知事:公衆衛生医師の人材確保・育成、(3)裴英洙・ハイズ株式会社:マネジメント視点からの新たな医療の在り方――という内容だ。

 もっとも、ビジョン検討会は今年度内の最終報告の取りまとめを予定しているが、その具体的な議論には至らず、約10万人の医師を対象に実施した「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果も公表されなかった。次回会議は2月28日の予定であり、最終報告は3月になる見通し。

 「医師不足地域への勤務義務」は例示
 「医師の地理的偏在の解消に向けて(第二弾)」(案)は、まず「基本的な考え方」(案)として、医師の地域偏在解消に向け、「オールジャパンでの連携、協力」が求められるとし、若い医師なども参加する対話の場を作り、都道府県の枠を超えた仕組みを構築する必要性を指摘しているのが特徴。

 その上で、「新たな仕組み」(案)として、「さまざまな批判、意見もあると思われるが、議論の深化のため、あえてタブーを恐れず、議論のたたき台として一案を例示する」として、「医師のキャリアデベロップメントを支援する形で、長い人生の一時期に短期間、医師不足地域に勤務してもらう医師を募る方法」として、以下を提示している。ただし、「あくまで医師の自律的な参加を募る」としている。

 保険医登録証を一種と二種の2区分とし、一種は医師免許取得者に無条件で交付。二種は保険医療機関の管理者になるために取得が必要とし、医師不足地域等への一定期間の勤務が条件とした(2次医療圏をA、B、C、Sの4段階に区分。うち医師不足地域はB、C、Sで、それぞれ2年、1年、6カ月の勤務が条件)。後期研修の期間も医師不足地域等への必要勤務時間に加えるなど、昨年の案からの変更点も幾つかある。

 「具体的なプロセスのイメージ」(案)として、「全国連絡協議会」(仮)や「地域医療対策協議会」(仮)を設置して、医師不足地域等を確定したり、マッチングなどを通じ、医師の勤務地域や人数などを決めていく方法を提示した。

 しかし、会議後のブリーフィングで、事務局(厚労省)は、医師不足問題について、全国的な協議を行うことには支持が得られたものの、(1)医療提供側の意見であり、嫌々ながら医師が医師不足地域に来て、患者が納得するのか、(2)医師不足と言っても、(医療機関同士の競争などが想定され)本当に医師不足かどうかを見極めることが必要、(3)地域のリソース(子どもの教育環境など、生活のための基盤)に差があることが、医師不足の一因であり、医師を集めるためには、地域の魅力作りが必要、(4)強制力を伴う医師の偏在対策は、混乱を招くため、さまざまな手を尽くした上で、それでもダメな場合の最終手段であるべき――などの意見が出たと説明。なお、第5次医療法改正(2007年4月施行)の議論の際にも、何らかの政策的な医療への従事を管理者の要件とする案が出ていたが、管理者が有するべき要件と、政策的な医療への従事との関連性が見い出しにくいことから、見送られた経緯があるという。



https://www.m3.com/news/general/505069
「老化防止」で幹細胞投与 埼玉の医院に停止命令
2017年2月21日 (火) 共同通信社

 老化防止をうたい、へその緒に含まれる臍帯血(さいたいけつ)の幹細胞を無届けで投与したとして、厚生労働省は20日、再生医療安全性確保法に基づき埼玉県所沢市の「埼玉メディカルクリニック」に投与の一時停止を命じた。2014年の法施行後、停止命令は2回目。

 厚労省によると、外部からの情報提供を元に17日に立ち入り検査し、違反を確認した。クリニックは美容や健康増進などに効果があると宣伝し、他人の臍帯血に含まれる幹細胞を投与していた。

 複数の男女が治療を受けたとみられ、厚労省は、治療の実施件数や健康被害の訴え、使用した細胞の入手経路などを報告するよう求めた。

 クリニックの行為は、他人の細胞を加工して使う「第1種」の再生医療に該当するが、無届けだった。第1種の実施には、治療計画について厚労省の審議会などで審査を受ける必要がある。



https://www.m3.com/news/general/505200
医療ビッグデータで法整備 - 創薬等への利用促進狙う
2017年2月21日 (火) 薬事日報

今国会に関連法案提出へ

 病院や診療所、薬局が保有する医療情報の二次利用の推進を目的とした法案が、今国会に提出される見通しだ。新たな法律で、高い情報セキュリティを有する組織を「医療情報匿名加工・提供機関」(仮称)に認定。医療機関は患者本人の同意を得なくても、匿名加工していない治療や検査などの医療情報を同機関に提供できるようにする。同機関は収集した情報を匿名加工し、医療ビッグデータとして製薬会社や研究機関、行政などに提供する。この法整備によって創薬や治療の研究開発を促進したい考えだ。

 患者の権利や利益の保護に配慮しつつ、患者や医療機関が安心して医療情報を提供できる仕組みを設ける。法律の新設によって一連の行為は個人情報保護法の対象から外れ、柔軟な運用が可能になる。3月にこの関連法案が閣議決定された場合、国会での審議を経て5、6月頃に成立する見込みだ。大阪市内で開かれたメディカルジャパンで難波雅善氏(内閣官房健康・医療戦略室参事官補佐)が概要を説明した。

 病院や診療所、薬局が保有する医療情報を集約した医療ビッグデータは、様々な目的で活用できる有用なデータベースになり得る。新薬開発、医薬品製造販売後調査の高度化や効率化、費用対効果分析、人工知能による診療支援システムの構築、革新的な疫学研究などでの活用が期待されている。しかし、現行法だけでは患者の同意取得や、個人を特定できないようにする匿名加工作業がネックになって、医療情報の収集が十分に進まない可能性があった。

 円滑に構築できるようにするため、高い情報セキュリティを確保し、十分な匿名加工技術を有するなどの一定の基準を満たし、医療情報の管理や利活用のための匿名化を安心、確実に行える民間の組織を「医療情報匿名加工・提供機関」として認定する仕組みを法律で新設する。
データ漏洩を防ぐために同機関には、教育・運用・管理体制の整備、警備員や監視カメラの配置、オープンネットワークから分離した基幹システムの構築、多層防御・安全策の導入などの要件を満たすことを求める。

 同機関に対して医療機関は、患者本人が提供を拒否しない場合に、本人の同意を得なくても匿名加工していない医療情報を提供できるようにする。その代わりに同機関は、提供された医療情報の匿名加工を不備なく行う。その上で情報を集約し、医療ビッグデータとして製薬会社や研究機関、行政などに提供。様々な目的での利用を促進する。

 国は2020年度から医療・介護分野の情報通信技術の活用を本格的に稼働させたい考え。それに向けて必要な体制整備を進めており、医療情報匿名加工・提供機関の実現もその一環だ。18年度以降の運用開始を見込んでいる。

 このほか医療等IDは18年度から段階的運用を開始し、地域単位での構築が進んできた医療連携ネットワークは18年度以降全国規模に拡大する計画だ。レセプトデータを集約したナショナルデータベース(NDB)や介護保険総合データベースの整備や統合は20年度までに終えたい考え。人工知能を用いた診療支援技術は、18年度以降の開発や実装化を予定している。



https://www.m3.com/news/general/505065
海外患者に推奨28病院 医療ツーリズムで選定
2017年2月21日 (火) 共同通信社

 政府と協力して日本の医療の国際展開を進める一般社団法人「メディカル・エクセレンス・ジャパン」は、日本への渡航受診を希望する海外の患者に推奨する「ジャパン・インターナショナル・ホスピタルズ」(日本国際病院)として28病院を選んだと発表した。

 外国人が28病院のリストから診療科など希望の条件に応じて検索できる英語のウェブサイトも開設。政府は、富裕層を中心に「医療ツーリズム」の訪日客を中国やロシアなどから呼び込み、日本の医療の国際的な評価を高めて経済成長につなげたい考えだ。

 東大医学部付属病院など東京都内が最多で13カ所。地方からは北斗病院(北海道)、仙台厚生病院(宮城県)、福岡記念病院(福岡県)、米盛病院(鹿児島県)などが選ばれた。

 ウェブサイトでは、ビザの取得や通訳の手配をする渡航支援企業も案内。スムーズな受け入れを図る。

 メディカル・エクセレンス・ジャパンは、推奨を希望する医療機関を昨年7月から公募。渡航患者の受け入れ実績や担当部署の設置などを基準に選定した。公募は現在も続けており、推奨病院は追加していく。



https://www.m3.com/news/general/505070
同意書代筆、妻が無断出産 「親子関係ない」と提訴
2017年2月21日 (火) 共同通信社

 凍結保存中だった受精卵の移植に同意していないのに、別居中の妻=大阪市=が同意書の署名を代筆し出産したとして、東京に住む40代の夫が20日までに、生まれた長女との間に親子関係がないことの確認を求め、大阪家裁に提訴した。提訴は昨年12月20日付。

 今年2月16日の第1回口頭弁論で妻側は「急きょ必要だったので代筆した。夫から不妊治療を止めるよう言われたことはない」と反論した。

 夫側代理人の若松陽子(わかまつ・ようこ)弁護士によると、夫婦は2013年に不妊治療を始め、体外受精に同意。14年4月、精子提供を条件に別居した。15年6月に妊娠が告げられ、16年1月、長女が生まれた。夫が申し立てた離婚調停は不成立となった。夫は「受胎まで承諾するつもりはなかった」と訴えている。

 若松弁護士は「クリニック側は本人確認を怠った」とも指摘。不妊治療先のクリニック(東京都渋谷区)に対する賠償請求も検討する。クリニックは「裁判が始まっておりコメントできない」としている。



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14875948180762
医師確保の体制強化 県、保健福祉部に「人材課」
2017年2月21日(火) 茨城新聞

茨城県は20日、2017年度の組織改正を発表した。医療・福祉分野の人材確保体制強化に向け、保健福祉部の医療対策課医師確保対策室を「医療人材課」に改組するとともに、福祉指導課に「福祉人材確保室」を新設。19年に本県開催する全国障害者スポーツ大会開催に向け、国体・障害者スポーツ大会局の総務企画課障害者スポーツ大会室を課に格上げするほか、茨城国体を管轄する他の3課も人員体制を拡充する。

医療人材課は、茨城県が課題とする医師不足の解消に重点的に取り組むのが狙い。職員は現行の医師確保対策室の7人から計13人に拡充する。福祉人材確保室は、介護、障害、児童、保育の各分野の人材確保が狙いで、室長と担当職員の2人体制とする。

同部ではほかに、厚生総務課が所管する医療に関する計画の策定・管理業務を医療対策課に移管し、同課を「医療政策課」に改組する。

同局では「障害者スポーツ大会課」の新設により、総務企画課、施設調整課、競技式典課と合わせて4課体制となる。来年度は局全体で職員が23人増員され、計62人体制となる。

企画部では、地域交通政策の充実強化を図るため、企画課交通対策室を「交通政策課」に格上げ。生活環境部では、来年秋に本県開催する世界湖沼会議の準備を円滑に進めるため、環境対策課に「世界湖沼会議準備室」を新設する。

ほかに、企業誘致の推進に向け、知事直轄に次長級の「立地統括監」を置き、企業トップとの交渉などに当たる。17年度からの第7次県行財政改革大綱で柱の一つとする市町村や民間との連携推進に向け、企画課に「公民連携デスク」の機能を設け、民間企業や大学、NPOなどとの相互交流の総合窓口としていく。



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0221/jj_170221_8129731018.html
男性医師を不起訴=千葉大集団暴行事件—地検
時事通信2月21日(火)17時25分

 千葉大医学部の男子学生らが集団で女性に性的暴行を加えたとされる事件で、千葉地検は21日、準強制わいせつ容疑で書類送検された男性医師(29)を不起訴処分にしたと発表した。地検は理由を明らかにしていない。
 男性医師は昨年9月20日夜〜21日未明、同学部の男子学生ら3人と共謀し、千葉市内の飲食店で泥酔した20代女性にわいせつな行為をしたとして、今月2日に書類送検されていた。 

[時事通信社]



http://www.medwatch.jp/?p=12463
地域医療連携推進法人、参加病院の重要事項決定に意見具申できるが、法的拘束力はない―厚労省
2017年2月21日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 地域医療連携推進法人(以下、推進法人)を設立する「医療連携推進区域」は、原則として「地域医療構想区域」と整合的なものとするが、地域医療構想達成に資する場合には「2以上の構想区域にわたる医療連携推進区域」の設定も可能とする。また、参加病院が合併などの重要な事項を決定する場合には、推進法人の意見を聴かなければいけないが、推進法人の意見に法的拘束力はない―。

 厚生労働省は17日に、通知「地域医療連携推進法人制度について」を発出。このような推進法人の詳細についての定めを明らかにしました(厚労省のサイトはこちら(局長通知)とこちら(定款例)とこちら(事業報告書様式))。推進法人に関する法令は本年(2017年)4月月2日から施行されますが、その前から都道府県知事への認定申請などが可能です。

ここがポイント!
1 地域医療連携推進法人の連携区域、「地域医療構想区域」と整合させることが原則
2 医薬品や医療機器、推進法人が「一括購入の調整」を行い、契約は個別病院で
3 医療連携推進業務5割超などが、推進法人認定の基準

地域医療連携推進法人の連携区域、「地域医療構想区域」と整合させることが原則

 地域医療連携推進法人は、一昨年(2015年)の医療法改正で創設された仕組みです。病院・診療所・介護老人保健施設などを開設する複数の非営利法人・個人が参加して推進法人を設立。推進法人で「地域医療の再編に向けた統一的な連携推進に向けた方針」(以下、連携推進方針)を策定し、参加法人はこの方針に基づき、地域医療構想の実現に向けて医療・介護事業を推進していくことが求められます(関連記事はこちらとこちら)。

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地域医療連携推進法人制度の概要

 厚労省は8日に関係省令(医療法施行規則)の改正を行い(厚労省のサイトはこちらとこちら)、今般、具体的な設立手続きなどを定めた詳細について通知を行ったものです。

 まず推進法人は「地域医療構想」「地域包括ケアシステム構築」の実現に向けた「選択肢の1つ」で、必ず設立・参加しなければならないものではない点に留意が必要です。参加が認められるのは、▼病院などを開設する法人(医療法人、社会福祉法人、公益法人、NPO法人、学校法人、国立大学法人、独立行政法人、地方独立行政法人、地方自治体など)▼介護事業者(薬局や生活支援事業なども含む)▼地域で良質・適切な医療を効率的に提供するために必要な者(開業医や医師会、歯科医師会など)―です。株式会社立病院の開設者(つまり株式会社)も参加が可能ですが、その場合について厚労省は「推進法人の理事・監事を当該株式会社の役員が務めることは適当でない」「病院と株式会社本体が経理上切り離されているかなどを、実態に基づいて慎重に判断する」ことを特筆しています。

 前述のとおり、推進法人は連携推進方針を定め、参加法人はこの方針に沿って地域医療構想の実現・地域包括ケアシステムの構築などを進めます。このため、医療連携を行う区域(医療連携推進区域)は「原則として、地域医療構想区域と整合的になる」よう定めるほか、「参加法人の機能分担や業務、さらにその目標」を明確にする必要があります。

 もっとも、地域医療構想の実現に資すると認められる場合には、「2以上の構想区域にわたる連携推進区域」を定めることが可能ですが、都道府県はその理由や必要性を十分に精査しなければなりません。

医薬品や医療機器、推進法人が「一括購入の調整」を行い、契約は個別病院で

 推進法人は、連携推進方針策定のほかに、▼医療従事者の資質向上のための研修▼医薬品・医療機器などの供給▼参加法人への資金貸付・債務保証・基金の引き受け▼医療機関の開設(都道府県知事の確認が必要)―などといった医療連携推進業務を行うことが可能です。

 このうち医薬品・医療機器については、「推進法人が『一括購入を調整』し、個別購入計画は参加法人がそれぞれ締結する」こととされました。医薬品・医療機器以外の物品においては、▽一括購入を実施する▽一括購入を調整する▽一括購入を実施しない―のいずれとしても構いません。

 また推進法人が、医療連携推進業務と関連する業務に「出資」することも可能ですが、その場合には▽出資に係る収益をすべて医療連携推進業務に充てる▽出資先事業者のすべての議決権を推進法人が保有する―などの条件を満たさなければいけません。

 一方、参加法人間では▼人事交流▼病床の融通―を行うことが可能です。人事交流について厚労省は、「▽経営指導・技術指導の実施▽職業能力開発の一環である▽グループ内の人事交流の一環である―場合には、在籍出向型が繰り返されても、人材派遣業と判断されにくい」ことを注意書きしています。

 また、後者の病床融通は、都道府県によっては推進法人を設立しなくとも可能なもので、「既存病床数(実際の病床数)が基準病床数を上回っていても(つまり病床過剰)、A病院を50床減少し、B病院で50床新設する(総病床数の増加はない)ことを認める」という仕組みです。その必要性などを都道府県の医療審議会で確認することになります。

 なお、機能分担・業務連携のために、参加法人Aから参加法人Bに患者を転院させるケースが生じると思われますが、厚労省は「AやBが参加法人であることをもって、診療報酬上の『特別の関係』に該当することにはならない」点を明確にしています。したがって、AからBへ診療状況を示す文書を添えて患者の紹介(転院)を行った場合でも、診療情報提供が算定可能です。

 一方、ある医療法人が複数の病院を保有する場合(A法人がa1病院・a2病院・a3病院を保有)に、a1病院はX推進法人に参加し、a2病院・a3病院はY推進法人に参加することも可能です。この場合、a1病院からa3病院に患者が転院した場合、参加する推進法人はXとYで異なっていますが、両者は開設者が同一のため「特別の関係」にあり診療報酬の算定制限を受ける点には留意が必要です。

医療連携推進業務5割超などが、推進法人認定の基準

 ところで、推進法人の設立に当たっては「都道府県知事の認定」が必要となります。厚労省は、▼前述の医療連携推進業務が事業比率の5割超▼医療連携推進業務によって社員・理事・監事などに特別の利益を与えない▼社員が各1個の議決権を有する(不当な差別的取り扱いをしなければ、定款で別の定めも可能)▼参加法人の議決権合計が、総社員の議決権の過半を占める▼参加法人が予算・事業計画・定款変更などの重要事項を決定する場合に、推進法人に意見を求めなければならない旨を定款に定める―などの基準を明らかにしました。

 ところで、参加法人である病院が近隣病院と合併を行ったりする場合、「当該法人や主務大臣などの意思」と「推進法人の意見」とどちらが優先するのか、といった疑問が生じます。この点、厚労省は「推進法人の意見に法的拘束力まではない」ことを付言しており、病院の意思決定の独自性は一定程度担保されます。もっとも、参加法人が連携推進方針に明らかに反するような動きをすることは地域医療構想実現などへの妨げになるので、関係者間での緊密な話し合いが重要になります。
 
 こうした規定は本年(2017年)4月2日から適用されますが、厚労省は、施行前でも「都道府県知事への認定申請」を行ったり、都道府県知事が医療審議会からの意見聴取を行ったりすることを認めています。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HGE_R20C17A2CC0000/
東京女子医大の男児死亡3年、遺族「真相明らかに」
2017/2/21 12:22日本経済新聞 電子版

 東京女子医大病院(東京・新宿)で手術を受けた男児(当時2)が鎮静剤「プロポフォール」の投与後に死亡した事故から21日で3年がたつ。遺族はプロポフォールを使った経緯について「病院側から納得できる説明がいまだにない」と主張。昨年末に医師らを提訴し「法廷で真相を明らかにしたい」と話している。

 「甘えん坊だが素直で行儀の良い子だった。生きていれば今春には小学生だったのに」。男児の父親の目に涙がにじむ。埼玉県の自宅にはおもちゃや絵本が生前の状態で置かれたままだ。

 男児の首に腫瘍が見つかったのは2013年夏。両親が高い実績をうたっていた同病院に相談すると「簡単な手術ですぐ治る」と説明され、翌年2月に手術を受けた。

 男児は手術後、集中治療室で鎮静剤を投与された。徐々に顔がむくんでいく様子に両親は不安を訴えたが、医師は「問題ない」と取り合わなかった。その3日後、男児は死亡した。

 両親が説明を求めても病院側は「分からない」。子供には慎重に使うべきだとされていたプロポフォールが大量に投与されていたことが分かったのは10日後だった。

 病院側が設けた外部の調査委員会は15年2月、プロポフォールの大量・長時間の投与が死亡につながったとする報告書をまとめた。しかし父親は「大量投与を誰が指示したのかなど、具体的な経緯は分からないままだ」と憤る。

 「真相が明らかにならなければ息子が浮かばれない」。両親は昨年12月以降、執刀医や看護師ら7人に損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。納得できる結論が得られるまで息子の遺骨は墓に納めず、一緒に真相を追究していくという。

 東京女子医大病院は取材に「提訴はご遺族の判断。警視庁の捜査も進められており、コメントを差し控えさせていただきたい」としている。

 ▼東京女子医大病院での男児死亡事故 2014年2月18日、2歳男児が首の腫瘍の除去手術を受け、集中治療室で人工呼吸器をつけた状態だった同21日に死亡した。男児には鎮静剤のプロポフォールが成人許容量の2.7倍投与されていた。プロポフォールは人工呼吸器をつけた子供への使用が原則的に禁じられている。

 事故を受け、厚生労働省は高度な医療を提供する「特定機能病院」としての承認を取り消した。警視庁は手術後の安全管理を怠ったことが死亡につながった可能性があるとして、業務上過失致死容疑で捜査している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50622.html?src=catelink
精神保健指定医、更新要件に実務経験追加を- 厚労省検討会が報告書
2017年02月21日 15時00分 CB news

 厚生労働省は、精神保健指定医の資格認定制度の見直しなどを議論してきた「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」がまとめた報告書を公表した。不正取得が相次いだことを踏まえ、指定医の更新要件に精神医療審査会などでの実務経験を追加することを提案している。【新井哉】

 指定医資格の不正取得問題をめぐっては、厚生労働省が2015年から16年にかけて、指定医の申請に必要な患者の診断や治療などを含めた医学的な知識を証明する「ケースレポート」の不正作成などにかかわったとして、指定医112人の資格を取り消した。

 報告書は、申請者が深くかかわったと装った「ケースレポート」に基づいて指定が行われたケースが多数あったことに触れ、「必要な実務経験の有無を確実に審査できる手法を導入するなど、適切な見直しを行う必要がある」と指摘。指定医になった後も、その資質や能力を保つため、精神医療審査会や精神科救急などの実務経験を更新要件に加えるよう求めている。

 また、不正申請が疑われる指定医に対する調査を厚労省が行っている間に、複数の医師が指定医を辞退し、資格取消処分の対象とならなかったことを問題視し、「指定医の取消処分を受けた医師と、取消処分を受ける前に指定医の辞退を申し出た者との均衡を考慮して、辞退の申し出の日から一定の期間、再指定しないことを検討することが適当」としている。

 このほか、指定医を目指す医師を指導する「指導医」が多数処分されたことを踏まえ、法令で「指導医」の役割や要件を位置付けるよう要望。指導の具体的な内容についても検討するよう促している。



https://www.m3.com/clinical/news/502591
抗うつ薬3剤の添付文書改訂に込められた「目標」
武田雅俊・日本精神神経学会理事長に聞く◆Vol. 4

2017年 年末年始学会理事長インタビューシリーズ2017年2月21日 (火)

◇Vol.3「認知診断激増!? 道交法施行へ学会準備着々」はこちら◇

副作用の羅列では実臨床の役に立たない

――同じ自動車運転に関するトピックになりますが、2016年11月末に、抗うつ薬3剤の添付文書で「自動車の運転等危険を伴う機械の操作に関わる使用上の注意」が改訂されました。

 これはとても大きな動きであり、今後に向けて、非常に大切な意味を持つ動きだと捉えています。

 抗うつ薬3剤というのは、セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラファキシンです。これらの添付文書には従来、「眠気、めまい等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること」との記載がありました。これが「自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること」と改められたのです。

 精神科に限らず全科的に言えることですが、今までの添付文書はあまり役に立つとは言いがたい添付文書でした。臨床試験の際に1%以上の頻度で確認された副作用が全部羅列しているだけで、実際の発現率とは無関係の情報がズラズラと並んでいるだけです。

 実際に臨床家が参照したい、役立てたい情報というのはそのような稀な副作用についての情報ではありません。「通常の処方、実際の用量で高率に出る副作用とはどんなものか」「実際に患者の生活の質を大きく損なうものは何なのか」という情報です。薬剤の添付文書とはそのようなことが分かるものになるべきだと思うのですが、精神科で使用する薬剤については、精神科医が客観的に確認できる副作用だけでなく、今まで以上に患者の主観的体験を重視した添付文書になるべきだろうと思っています。

「患者の生活を無闇に制限しない」「役立つ添付文書に」

 自動車運転にしても、全ての向精神薬、全ての抗うつ薬に一律の文言で、「自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意する」という項目が入っていました。それでは実臨床は非常に困るわけです。「運転させるな」と書いてあるから一応ちゃんと伝えるけれど、多くの患者さんは、運転をせざるを得ない状況があるわけです。

 厚生労働省は、確たるデータなしに添付文書を改訂するのは難しいという立場でしたが、我々は「むやみに患者の生活に制限を与えることは辞めよう」「実臨床の役に立つ添付文書を目指そう」という方向性で働きかけを続けてきて、今回ようやく、SNRIの3剤について、禁忌を少し緩めることに同意してもらえました。そういった目標に沿った働きかけの最初の成果ですから、とても良かったと思っています。

 他の向精神薬、抗うつ薬についていつごろ同じような働きかけができるかは全くのクエスチョンですが、「一律に縛りすぎ」という印象のある薬剤は他にもあります。同じ向精神薬でも、第一世代と第二世代とでは副作用は違う部分があると考えられます。今挙げたような目標に向かって、個々の薬剤について一つ一つ、無闇な制限は緩めるよう働きかけていくという方向性が正しいだろうと思っています。

ベゲタミンの販売中止、企業と学会の正しい方向性
――2016年には、古くから用いられてきた「ベゲタミン-A・B配合錠」の販売中止決定というニュースもありました。

 ベゲタミン-A・B配合錠は、クロルプロマジン塩酸塩・プロメタジン塩酸塩・フェノバルビタールの配合で、睡眠薬として古くから良く利用されてきた薬です。この薬の問題は有効血中濃度と致死濃度が近いことで、「大量に服用すると死んでしまう」という性質を持っているのです。

 このため、ベゲタミンを何十錠も服用して運ばれてくるといったケースが国内でもそれなりにありました。実際に対応されていた救急の先生方から、4-5年前に「何とかならないか」と意見がありまして、3年前からメーカーとの相談を開始し、ようやく2016年6月にその製造販売中止が決定されたという経緯があります。製造販売中止を決定したメーカーでは1年半かけてすべての医療機関に説明に行き、新規販売はしないことについて了解を得たと聞いています。薬の販売停止は大変なことです。

 売れているお薬の製造販売を、社会的責任で中止するということになりますが、そうしなければ、古い薬の大量服薬で死亡するという不幸を防げない。その意味で、製薬企業は正しい方向で仕事をされていると思っていますし、僕らも正しいメッセージを発し、正しい方向に向かっていると考えています。

――最後に、学会会員、ないし広く他科の先生方にお伝えしたいメッセージなどありましたらお願いします。

 一番お伝えしたいのは、ひと頃、10年、20年前の精神科医療と今は違うということでしょうか。ひと昔前の精神科というのは、他科とは随分違う面がありました。理念的で、理想的で、理屈っぽく、格好良い建前論だけを言っている、国の動きに対しては批判しただけで、実態が伴っていなかった、というきらいがあったのかもしれません。

 しかしそういう傾向は、我々の学会ではもう姿を消しています。理想を言って反対するだけでは、学会としての役目は果たせないからです。ある程度、現実と妥協することがあったとしても、それがトータルとして社会に役立つのであれば、進んで協力し、活動していこうという方向に変われば良いなと思っているし、そういう方向に進んでいる、と私自身は思っています。大変ですが、これからも進み続けていきます(了)。



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0221506486/
米の入国制限、世界の健康問題にも
編集こぼれ話 | 2017.02.21 Medical Tribune

 先日、「米国人医師よりも米国外の医学部を卒業した外国人医師の方が、治療した患者のアウトカムが優れていた」とする米国人の入院患者データを用いた観察研究の結果を記事でご紹介しました。この研究論文の筆頭著者は、医師で医療政策学者の津川友介氏。同氏による解説記事には、読者から大きな反響がありました。

 この研究論文は、トランプ大統領が中東やアフリカの7カ国からの入国を禁止するとした大統領令が出されてから1週間後の2月3日にBMJに掲載されました。このようなタイミングで掲載されたことについて、津川氏は「偶然だった」としていますが、同氏は自身のブログで大統領令によってクリーブランドクリニックに勤務するスーダン人医師が米国に戻れなくなったり、マッチングに応募した7カ国の研修医260人が入国できない事態に陥ったりしているといった報道を紹介。今回の研究結果も踏まえ、入国制限に関する大統領令が米国の医師の数と質の両面に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らしています。

 今回の大統領令には、米国内のさまざまな学会からも批判的な声明が次々と発表されました。中でも印象的だったのは、Medical Tribuneでも今年次集会の取材を予定している米国心臓病学会(ACC)の会長Richard A. Chazal氏のコメントです。ACCの会員は約5万2,000人で、その国籍は多岐にわたります。同氏は声明で「われわれは全世界に蔓延する心血管疾患の抑制というゴールに向かって、循環器医療を変革し、人々の健康状態を向上させるという共通のミッションを胸に団結している集団だ」とした上で、「アイデアと知識の共有は、心血管疾患の蔓延を阻止する取り組みに不可欠。それを妨げる政策は、科学における発見とともに全世界の人々の生命にも悪影響を及ぼす」と強調しています。

 大統領令はその後、米連邦地裁による差し止めを命じられましたが、これに対してトランプ氏がどう出るか、さまざまな憶測が飛び交っています。米国医療のみならず、私たちの健康にも影響するかもしれないと思うと、今後のトランプ政権の動きから目が離せません。

(岬りり子)



http://digital.asahi.com/articles/ASK2P2CZXK2PUBQU003.html?rm=295
甲府の病院で医療ミス、2人と和解
2017年2月21日07時15分 朝日新聞

 甲府市立甲府病院で副作用の恐れがある消毒液「ヒビテン」を耳の手術に使い、難聴が悪化する医療ミスが2件あったことが20日、分かった。市は県内の70代男性と50代女性の患者と和解し、今月10日に和解金計850万円を支払った。

 厚生労働省によると、ヒビテンは1985年までに有効性より副作用の危険性が高いと指摘され、薬の添付文書で聴神経などへの直接使用について「難聴や神経障害を来すことがある」として「禁忌」と明示している。

 甲府病院によると、男性は2015年6月、女性は16年2月に鼓膜の穴をふさぐ手術でヒビテンが使われ、その後、2人とも担当医師に「経過が良くない」と相談していたという。

 ログイン前の続き病院側は当初、男性に「感染性の難聴ではないか」と説明していたが、女性からの相談を受けて手術過程を検証した結果、16年3月にヒビテンの使用が原因である可能性が高いと結論づけた。11~16年、当時10~70代の計5人の耳の手術でヒビテンを使ったが、カルテなどを確認したところ、2人のほかに悪化した患者はいないという。

 病院はミス発覚後、ヒビテンの使用をやめ、手術に使う薬品類の容器に禁忌の表示をするなど対策を講じたという。


  1. 2017/02/22(水) 05:49:38|
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