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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月14日 

https://www.m3.com/news/general/502967
診断書の担当医「院長から指示された」 京都府立医科大
2017年2月14日 (火) 朝日新聞

 恐喝罪で実刑確定後も持病を理由に刑の執行が停止されていた暴力団組長をめぐり、京都府警は14日、大阪高検が服役の可否を判断する際に京都府立医科大付属病院の吉村了勇(のりお)院長(64)らが虚偽の診断書や意見書を作った疑いがあるとして、同病院と同医科大を虚偽公文書作成などの容疑で家宅捜索を始めた。同大学の吉川敏一学長の学長室や自宅なども捜索する方針で、組織的な関与がないか調べる。

 刑の執行が停止されていた山口組系暴力団組長の高山義友希(よしゆき)元被告(60)=京都市左京区=は14日朝、大阪高検の出頭要請に応じ、大阪刑務所に収容された。山口組ナンバー2の高山清司受刑者(69)=服役中=らと共謀し、京都市の土木建築業者から金銭を脅し取った恐喝事件などで、2010年に逮捕され、15年6月に実刑が確定していた。

 捜査関係者によると、高山元被告は刑事裁判の係争中に持病の腎臓病を悪化させ、同病院で14年に生体腎移植の手術を受けた。その後、この手術を執刀した吉村院長や担当医が、元被告の容体について重症化の恐れや経過観察の必要性を指摘し、「拘禁に耐えられない」とする診断書や意見書を作成。15年8月に大阪高検に提出されたという。

 意見書などには、手術後に免疫抑制剤を服用していたため、ウイルスによる腎炎を発症したと説明されていたという。このため、大阪高検は昨年2月、刑事訴訟法などを踏まえて健康上の理由から高山元被告の刑の執行停止を決め、刑務所への収容を見送っていた。

 しかし、その後の京都府警の捜査で、当時の診断記録や他の複数の医師の意見などを踏まえ、元被告は15年夏以降、収容に耐えられる健康状態だった疑いが強まった。府警は元被告の診療歴や診断書作成の経緯を調べる必要があるとして、病院や大学などの捜索に入った。吉川学長や吉村院長の自宅なども捜索する方針だ。

 診断書を作成した担当医は昨年10月、府警の任意聴取に対し、高山元被告の容体について「自分は服役は可能だと思った」と述べ、「院長から『拘禁に耐えられない』と書くよう指示された」とも説明。ただ、その後の聴取には「うそは書いていない」などと否定しているという。

 一方、吉村院長は14日朝、報道陣から「担当医に指示して虚偽の報告書を書かせたのか」と問われると、「そんなことはない」と否定した。



https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=319054&comment_sub_id=0&category_id=256
京都府立医大・院長宅を家宅捜索 組員虚偽診断疑い
2017/2/14 中国新聞

 暴力団組員の刑の執行停止を巡り、京都府立医大病院(京都市)の医師が虚偽の診断書や意見書を作った疑いが強まったとして、府警は14日、虚偽公文書作成容疑などで同病院や奈良市の吉村了勇病院長宅を家宅捜索した。書類が刑務所への収監を免れるために悪用されたとみて、暴力団との関係などを調べる。
 捜査関係者などによると、組員は指定暴力団山口組淡海一家の総長高山義友希受刑者(60)。14日午前、京都地検へ出頭し、大阪高検が大阪刑務所に収監した。
 病院側は、高山受刑者の健康状態に関する書面で「薬の投与などが理由で収監に耐えられない」と結論づけたという。担当医だけでなく吉村病院長も作成に当たった。この担当医は昨年、府警の任意聴取に「院長からの指示で虚偽の書類を書いた」と供述。一方、聴取後には医大側に「院長の指示があったとは言っていない」と説明した。
 吉村病院長は昨年12月、共同通信の取材に「(虚偽書類作成は)全くない」と否定している。
 高山受刑者は2013年6月、京都地裁で恐喝罪などにより懲役8年の判決を言い渡された。14年7月に同病院で腎臓移植を受けた高山受刑者は控訴、上告したが15年に最高裁が退けて判決が確定した。その後、腎臓病を理由に収監されていなかった。
 大阪高検は、高山受刑者の最近の診療データを収集。刑務所や拘置所の医師などと検討を重ね、収監に耐え得る程度の症状だと判断、今月に入り収容を決めた。
 刑事訴訟法は懲役刑が確定した被告が、刑務所に入ることで著しく健康を害したり、生命に危険が及んだりする場合は、検察官が刑の執行停止をできると定めている。



http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170215000010
手心は加えない」 府立医大病院、虚偽診断を否定
【 2017年02月15日 00時58分 】京都新聞

 家宅捜索を受けた府立医大付属病院は14日夜、荒田均事務部長が報道陣の取材に応じ、計7回の捜査機関からの高山義友希受刑者の病状照会は吉村了勇(のりお)院長(64)の名義で回答していたと明らかにし、「医師として手心を加えることはない」と、虚偽記載ではないと反論した。

 捜査機関への回答書作成は「診療部長でもある院長が、主治医と表現などを相談して決める」と説明。しかし内容に関する院長の意向が不適切に反映された疑惑については「本来の姿でない内容を書くことはありえない」と否定した。

 高山受刑者は2013年1月に他の病院からの紹介で受け入れたという。早い段階で暴力団関係者であることは「分かっていた」とし、度々入院していた高山受刑者の腎臓移植の状況を「移植の判断から手術まで5カ月かかったのは標準的だ。移植後は内科医の目には普通でも、移植医からすると大変な病状というケースもたくさんある」と説明した。

 また、「家宅捜索という事態を招いたこと自体、誠に遺憾。患者と府民におわびします」とする吉川敏一学長(69)のコメントも読み上げた。

 病院の家宅捜索は夜まで続き、捜査員が「旅費」や「出張簿」と書かれた段ボール箱を台車に載せて運び出す姿などが見られた。

 また、大津市の淡海一家事務所には14日午後0時40分ごろ、京都府警の捜査員約30人が入った。機動隊員10人が警備する中、約1時間に渡って捜索を続けた。

■学長や院長宅も捜索

 京都府立医大の吉川学長宅(宇治市)には、14日午後2時20分ごろ、段ボール箱を抱えた京都府警の捜査員5人が家宅捜索した。敷地内のガレージに駐車中の乗用車も調べるなど捜索は6時間超にわたった。また、同日午後6時半過ぎ、府立医大付属病院の吉村院長宅(奈良市)にも捜査員が捜索に入った。



http://blogos.com/article/210121/
犯罪者の診断書:基本嘘は書けない。しかしどこに安全域をおくかで結論は異なる
中村ゆきつぐ
2017年02月14日 09:48 BLOGOS

毎日新聞記事です。京都府立医大病院 組長収監逃れ、虚偽診断書…強制捜査へ

このような特殊な診断書について書いてみます。

結論を先に書くと、「犯罪者の診断書でも基本嘘やいい加減なことは書けない。しかしどこに安全域をおくかでどうしても診断書の結論は異なる」となります。

今回の事例、腎移植後の患者の収監が可能かどうかについて医師の判断が書かれた診断書だと思います。骨髄移植と異なり基本腎移植後免疫抑制薬は一生内服です。 そして薬、生活管理はしっかり行わなければなりません。そうしないと移植した腎臓がダメになってしまいます。

医師は日常生活が行える場所においてはある程度の生活予測ができますが、当然のことですが収監生活においてどのような生活ができるのか医師は詳しく知りません。また薬を含めた医療管理もどこまでできるか不明です。つまり医学的な補償が弱ければこのように収監できないという診断書を書くのは仕方ないかなと個人的には思います。(ただ患者を診ていませんし専門ではないので少し根拠が弱いですが)

まあはっきりいうと、この収監される場所の担当医(産業医のようなもの?)がこの大学の医師と連携をとって患者管理が大丈夫という確信を大学の医師に与えないと、いや責任の委譲が行われないと収監してもいいという診断書を書くことは困難です。悪くなったら収監可能と書いた大学の医師の責任ですから。

ここまでの大物ではなかったですが、収監される予定の患者さんについて留置所生活が可能かどうかの意見書を書くことを警察から要求されたことがあります。こちらが行ったことは一般的な医学的治療スケジュールを提示するだけにとどめました。

そうすると、「この日は病院に行くのは難しい」、「この期間は取り調べ/裁判で入院を含む治療は行わないでほしい」という要望が来たことがあります。この患者さんは正直生活態度含めてとてもいい加減な人でしたけど、医療者としてこのように回答しました。

「基本治療のスケジュール変更は受け付けません。変更が必要とか治療を継続するかどうかはそちらで決定してください。収監等を優先するのならそちらの施設で治療をすることをおすすめします」

だって半年に6回やらなきゃいけない治療を4回にしてくれとかいい加減な治療要求されても責任取れないし。留置している時に再発したとしたら、ちゃんとやっておかなかったからと訴えられたら負けますよと正直脅しもかけました。

また留置期間にいい加減な診断をしていい加減な抗がん剤治療をした患者さんも経験しました。正直協力している医師たちもレベルが低い時があるんですよね。まあ血液疾患だからかもしれませんが。

犯罪者に対してどのような医療をするのか。正直留置されている収監者の医療はまあまあなものが行われています。ただほとんどが慢性疾患。このような腎移植後管理とか、化学療法とか経験が少ないものに対してはお手上げみたいです。基本個別対応ですから前例がないと難しいようでした。

この毎日新聞の記事、組長と大学が結託したような書き方ですが本当に起訴できる?警察のいい加減さがわかるだけに少し疑問でした。

追加です。
昼のNHKニュースで主治医が院長の指示で嘘を書いたと流れていました。であれば主治医が変な人間でない限り院長指示での犯罪です。

根拠のない免疫治療を行っている病院のCMがどうしてもブログ画面に出てしまっているようです。全く関与していませんし、彼らの治療を基本否定していることを念のため書かせていただきます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/501682
シリーズ: 総合診療専門医はなぜ必要か?2学会幹部スペシャル座談会
「ブロック研修で養成可能」は誤解◆Vol.6
養成は総合診療のキャリア持つ医師の手で

2017年2月14日 (火) 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

司会 ではシーズを医学教育で蒔いた後、専門医としての総合診療医を養成していくには、どんな場がふさわしいとお考えですか。

【丸山】 そこで言っておきたいのですが、この期に及んでも、複数の既存の診療科を回る「ブロック研修」で総合診療専門医を養成できると思っている人がいます。それは根本的な認識不足。「何でもできる」のが総合診療専門医ではなく、求められるのは、根幹としてのジェネラリズムです。この辺りを説明するのは簡単ではないのですが、地域の医療ニーズを自ら見いだし、それに対応できるように自己研鑽を続けるのが、総合診療専門医のコアコンピテンシー。そのことを知っている人、その確立で苦労した人が教育に従事するのが、やはり一番いい。背中を見て学んだ昔の医師は、ある意味、そうしていたのですが。ここまで医療が細分化すると、言語化してプログラムに落とし込む必要があるのです。

【林】 特定の専門診療科(専門内科を含む)をローテーションする研修では、例えば「胃潰瘍」などと診断が付いている患者を診れば済むことが多く、診断が付いていない患者を診ることはまずありません。そうではなく、診断が付いていない患者、いろいろな病気を持つ患者が来る場所で、まずトレーニングして、総合診療マインドをまず作ることが大切です。自分自身が歳を取って理解したことは、昔から言われているように「鉄は熱いうちに打て」です。そうした研修の中で、「自分はこの部分の知識や経験が足りない」「この疾患の患者が多いから、この分野を勉強したい」と思うようになったら、特定の診療科をローテーションしてもいい。そうではなく、総合診療専門医を目指す研修において、最初から他の診療科へのローテーションを行うのはナンセンス。

 また患者の悩みも共有しながら、一人の患者を継続的に診ていくことは、非常に勉強になりますが、ローテーション研修では、主治医機能を持てず、例えば、ある病気が見つかったとしても、その患者を最後まで診ることは基本的にはありません。今の初期研修医を見ていて、主治医機能を持てないのは、かわいそうだと思いますね。

【丸山】 コアはジェネラリズムであっても、林先生が言われたように、「この地域、なぜか喘息が多い」などとなった時に、「喘息を勉強しよう」、あるいは小児が多い地域だったら、「小児科を勉強し直そう」と考える。消化器が強い、反対に循環器が弱かったり……。自身の診療に問題点があれば、それを克服していくのは重要。

【田妻】 初期臨床研修の2年間、その次に、例えば日本プライマリ・ケア連合学会が示されている3年間の研修を行うとします。総合診療のほか、専門科研修として、内科を、次には小児科を教えてくれる医師がいる。その場、その場でそれぞれ鍛えてくれる医師が変わってくることになります。その際に、継続して個々の研修医の成長度合いを見ていてくれる医師が必要ではないでしょうか。

【丸山】 その視点も大事ですね。私もそうと思います。

【田妻】 恐らく私たちの世代は、そういうことができるタイプの人の集まりだと思うのです。だから我々の中、つまり総合診療の領域に精通した人の中から、総合診療専門医の指導医を出さなければならない。この点はやはり外せないでしょう。林先生や丸山先生が言われたように、「ブロック研修」で、「この科を1年間研修する際には、そこに任せる」といったやり方では、やはり立ち行きません。

【林】 一人の医師を継続的に見ていくことで、成長の度合いなどが分かります。実は医局は、その役割を果たしていたと思います。

司会 今はその役割は、誰がどのように果たしていくのでしょうか。

【丸山】 新しい領域だけに、個人では容易には太刀打ちできないくらい、総合診療専門医の育成は難しい。だからこそ、学会があるわけです。「教える立場」という同じ仲間がいて、自身も自己研鑽をしながら、「教えるとは、どういうことなのか」を常に反芻しながらやっている。その取り組みを行うのは、やはり学会でしょう。研究と教育をつなぐ役目も学会にしかできません。

司会 指導医同士のネットワークを構築でき、指導法などの情報交換が可能になる。

【丸山】 大学は、学会の集合体みたいなもの。だからアカデミアなしにやるのは無理だと思っています。

【田妻】 この領域で人を育て始めて10年ほどが経過し、私自身が学んだことですが、総合診療に関する研修では、カリキュラムの中に「One day back」と称して、我々大学から離れた場所で研修していても、週1回は戻ってきて時間を共有、研修することを繰り返しています。「専攻医day」もあり、月に一度、あるいは2カ月に一度などと決めて集まり、各自の進行状況をプレゼンする機会も設けています。

 こうしたスタイルは総合診療に独特で、他の18の領域では既に何十年という育成の歴史があり、人を育てるシステムができ上がっているので、そこまで綿密な付き合いはしていません。基本的に、研修先の指導経験豊富な先生に「お任せします」というスタイル。

司会 広島大学で総合診療の研修を始めたのは、いつなのでしょうか。

【田妻】 2005年です。私は医学部のゴルフ部の顧問をしており、その卒業生が、「広島大には、家庭医療専門医養成プログラムがないのか」と言ってきたのがきっかけです。最初はマンツーマンに近い形でやっていましたが、徐々に人が増えてきており、多くの専攻医を同時に養成する難しさをどう克服していくかが今の課題です。

【丸山】 私は少し違うことを考えていて、その難しさを知らないで安直に引き受けたところは大変だろうな、と。この領域には相当優秀な人も入ってきていて、その中で総合診療専門医を指導養成していくのは容易ではありません。



https://www.m3.com/news/iryoishin/502919
シリーズ: AIが切り拓く医療の新時代
AIで画像診断支援、医師不足対策の一助にも
3学会、病理・内視鏡・放射線画像でAMED研究

2017年2月14日 (火) 信橋本佳子(m3.com編集長)

 「1人病理医の診断をダブルチェック」
 「病理画像から、胃癌か良性腫瘍かを瞬時に識別」
 「膨大な枚数の内視鏡画像が放射線画像から、異常所見を発見」

 これらの実現に向け、AI(人工知能)を活用する研究がスタートした。目指すのは、病理医や放射線科医などの医師不足を補いつつ、病理検査や内視鏡・放射線検査における診断精度の向上だ。病理画像を用いたパイロットスタディでは、胃癌画像と正常画像のAIによる識別率は、70%に達した。より多くの症例を用いて、AIが「学習」すれば、識別率の向上が期待できる。

 日本病理学会理事長の深山正久氏は、2月13日に開催した「AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発」のキックオフミーティングで、「AIの活用は、病理学の分野にとって、非常にチャレンジングな課題。本研究によって形成される基盤が、病理学会の新たな飛躍台となる」とあいさつした。

 本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の2016年度「医療のデジタル革命実現プロジェクト【臨床研究等ICT 基盤構築研究事業(2次公募)】」における「人工知能(AI)等利活用基盤構築関連」に採択された。同じく2次公募では、日本消化器内視鏡学会の「全国消化器内視鏡診療データベースと内視鏡画像融合による新たな統合型データベース構築に関する研究」、日本医学放射線学会の「画像診断ナショナルデータベース実現のための開発研究」も採択され、13日のミーティングで概要を説明。

 3学会の研究はいずれも、AIを用いて「デジタル化した医療画像」の利活用を目指す点で共通しており、AI関連の開発部分は、国立情報学研究所が担う。1年間の研究で、最大の目的は、利活用できる画像データベースの構築にある。加えてAIによる診断支援システム等の開発がどの程度進むかが注目点になる。各学会が個別に研究を進めるが、将来的には、各種画像が連携すれば、より精度の高い診断支援が可能になると期待される。

 AMED理事長の末松誠氏は、「3学会が協力して取り組むことにより、限られた資源の効果的な活用につながる。それにより、世界に類を見ないデータを作ることができるのではないか」と述べ、3学会が協同した医療画像データベース構築とその利活用に期待を込めた。AMEDはこの4月から、中長期的な産学官連携による研究開発・環境整備の支援となる「医療研究開発革新基盤創成事業」(CiCLE)をスタート。これは、原則10年間研究資金を支援(無利子)、その後15年以内の返済を求めるスキームだ。

胃癌のAIによる識別率、トライアルでも70%

 日本病理学会の「AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発」の研究開発代表者は、深山氏(東京大学人体病理学・病理診断学教授)が務める。

 深山氏は、本研究の必要性の一因として、慢性的な病理専門医不足を挙げる。病床数400床以上の病院(705施設)でも、34.5%で常勤病理医が不在であり、常勤病理医がいる施設でも45.8%は1人体制だった(2013年厚生労働省医療動態調査、2013年と2014年の日本病理学会年報による)。1人体制では、ダブルチェックができないなど、精度管理体制が必ずしも十分ではない。

 本研究の参加施設は、日本病理学会認定施設23施設のほか、ICTを使った病理診断の相互支援に取り組む、滋賀県さざなみ病理ネットワーク、長野県信州遠隔病理懇話会などが参加。(1)P-WSI(Pathology-Whole Slide Imaging)の収集事業(23施設が保有する、計69万2961症例の病理画像を収集)、(2)地域実証実験モデルの構築(ネットワークの2拠点で、ダブルチェックなど、相互支援体制について検討)、(3)アーカイブ化事業(患者情報や正確な病理診断などから「信頼できる正解データ」を作製、ダブルチェックなどに用いる診断支援ツールや、e-ラーニングツールなどを開発)、(4)AIによる病理(自動)診断支援ツールの開発――など、さまざまなテーマに同時並行的に取り組む。

 AIを用いた病理診断については、トライアル研究がある。正常11画像、胃癌10画像、判断の困難な癌2画像、境界病変(胃癌ではない)11画像を用いた研究では、最も容易な「正常画像 vs.胃癌画像」の識別率は70%だった。最も困難な「胃癌+判断困難な癌 vs.正常+境界病変」でも、61%だった。

 深山氏は、「本研究により、病理医の診断支援、人材育成のみならず、病理診断精度の向上が期待でき、個々の患者の医療に大きく貢献し得る。また病理画像は、他の画像診断の基礎であり、他の採択課題によるデータベース間との連携により、深化した医療画像診断システム構築に貢献できる」と語った。

消化器系疾患の「診療情報+画像情報」データベース

 日本消化器内視鏡学会の「全国消化器内視鏡診療データベースと内視鏡画像融合による新たな統合型データベース構築に関する研究」は、同学会の理事長補佐で、京都第二赤十字病院消化器内科副部長の田中聖人氏が研究開発代表者。東京大学医学部附属病院光学医療診療部部長の藤城光弘氏が、概要を説明した。

 同学会は、内視鏡診療のデータベース「JED(Japan Endoscopy Database)」を構築、2015年1月から全国8施設で第1期のトライアルを実施した。1.5年間で、上部消化管10万4295検査、下部消化管5万1976検査、小腸572検査、ERCP2783検査、計15万9626検査を登録。第2期では計20施設に対象施設を広げるほか、悉皆性のあるデータにするため、登録のためのアプリなどの開発も進める。

 JEDは、治療情報だけでなく、診断情報も収集するデータベース。「患者名ID、検査種別、施行医/指導医、質的診断、治療手技名、早期合併症の有無、抗血栓薬、手技後偶発症、ピロリ菌感染状態」などの項目を登録。このJEDに加えて、内視鏡画像も収集し、新たなデータベース構築を目指す。

 情報集積協力施設は、全国の大学や基幹病院、計48施設。2018年3月までに、協力施設の過去の内視鏡画像のほか、前向きの画像収集も行う。(1)AI自動解析へのソース提供、(2)閲覧アプリケーションの実装――などを行う予定。(1)では「早期胃癌と良性びらん」の検討について、画像供与、解析、検討まで終える予定。トライアルの研究で、内視鏡画像をAI解析を行ったところ、胃癌の識別率は約93%だった。(2)では、症例数の多い施設における高画質かつ良質の内視鏡画像とその所見を閲覧できるアプリケーションを開発、学習用教材としての活用を目指す。

放射線診断をめぐる諸問題の解決目指す

 日本医学放射線学会の「画像診断ナショナルデータベース実現のための開発研究」は、同学会理事長で、九州大学臨床放射線科学分野教授の本田浩氏が研究開発代表者を務める。国立国際医療研究センター国府台病院放射線科診療科長の待鳥詔洋氏が説明した。

 待鳥氏は、日本の画像診断をめぐる課題として、(1)医療費は増大、画像診断に関する医療費も増加し、問題になっている、(2)放射線画像数は増大しているが、放射線科専門医は不足、(3)日本のCTやMRI等の大型医療機器は他の先進国と比較して多く、その適正配置は長年の課題、(4)国民が受ける被曝量のうち、CT撮影における医療被曝が最も多く、同じCT撮影でも施設や撮影装置等による被曝量に差がある――を挙げた。

 本研究には、九大を含む5大学と国立国際医療研究センターが参加。諸問題の解決を目指し、既に構築を始めているJ-MID(レポートレジストリ)、J-DIR(被曝管理システム)、CDS(適正使用)、J-QIBA(標準化の手法開発)の各データベースを連携させ、複数の医療機関から画像データ、レポートデータ等を悉皆的に収集するシステムを構築、さまざまなアプリケーションを開発できる環境を構築する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/503063
シリーズ: 東京女子医大事件
術後管理を問題視、麻酔科医ら4人を提訴
1億8000万円請求、耳鼻咽喉科2人への裁判とは別途

2017年2月14日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 小児の人工呼吸器管理時の鎮静には禁忌のプロポフォール投与後、2014年2月に2歳10カ月の男児が死亡した「東京女子医大事件」で、男児の両親は2月14日、女子医大病院の中央集中治療部に当時所属していた麻酔科医3人と看護師1人の計4人に、合計1億8000万円の損害賠償を求めて、東京地裁に提訴した。同事件では、主治医の耳鼻咽喉科医2人に対しても、2016年12月28日に同地裁に提訴していた(『元女子医大医師2人を提訴、1億5000万円請求 – 貞友義典・遺族代理人弁護士に聞く』を参照)。

 代理人を務める弁護士、貞友義典氏は、提訴を分けた理由について、問題視する行為の違いを挙げる。「耳鼻咽喉科医には、主治医としての責任がある。一方、中央集中治療部の医師らは、プロポフォール投与および術後管理についての責任を有する。争点を明確に分けて、審理を進めていくのが目的」(貞友弁護士)。また被告となる医師らの人数が多いと、日程調整が難しくなり、裁判が長期化する懸念もあり、提訴を分けた理由だという。裁判は別々に進める予定だが、同じ事件だけに審理は相互に影響し合う可能性はある。

 訴状では、(1)術後管理のプロポフォール初期投与において大量投与(添付文書上は、0.3~3mg/kg/hrだが、約6mg/kg/hrで流量設定)した(A医師)、(2)投与から24時間経過後、プロポフォールを他の薬剤に変更する義務を怠った(A医師とB医師)、(3)投与から24時間経過後、プロポフォールを増量し、薬剤師から疑義照会を受けたにもかかわらず、A医師ら上級医に伝えず、大量投与した(B医師)、(4)医師の判断を仰がず、プロポフォール増量を判断、実施した(C看護師)――などの注意義務違反があったと指摘。大量投与がなく、24時間で減量あるいは他の薬剤への変更などをしていれば、男児はプロポフォール症候群にならず、死に至らなかったとしている。

 さらに「大学病院において、専門的にICUで患者の鎮静を行っている医師や看護師で能力があるとされている者が、たまたま投与に関し、偶発的にミスを重ねるとは考え難い」とし、複数の事実関係を挙げ、「本件は、鎮静剤プロポフォールの適用を拡大するための試験的投与と理解される」と指摘。中央集中治療部の責任者であるD医師も含め、計4人の共同加害行為があったと問題視している。

 男児は、頸部嚢胞性リンパ管腫で、2014年2月18日に女子医大病院の耳鼻咽喉科医が硬化療法を行った後、麻酔科医が中心となり術後管理を行い、その際にプロポフォールを投与、術後3日目の2月21日に死亡した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14HAX_U7A210C1CC1000/
死亡男児遺族、新たに医師ら提訴 東京女子医大の鎮静剤過剰投与
2017/2/15 0:39 日本経済新聞

 東京女子医大病院(東京・新宿)で2014年2月、男児(当時2)が鎮静剤「プロポフォール」を大量に投与された後に死亡した事故で、男児の両親が14日、新たに麻酔科の医師や看護師ら4人に計1億8千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。両親は昨年12月にも主治医と執刀医の2人に計1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。

 両親は訴状で「プロポフォールの異常投与を続けるという過失がなければ、プロポフォール注入症候群にならず、死亡しなかった」と主張した。事故については警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50576.html
オプジーボなどの医療保険上の使用を厳格化- 厚労省が通達
2017年02月14日 21時00分 CB news

 厚生労働省は14日、がん治療薬「オプジーボ」(小野薬品工業)と類似薬の「キイトルーダ」(MSD)について、公的医療保険上の使用を厳格化するよう、地方厚生局などに通達した。投薬できる施設の基準や、治療の責任者となる医師の経験年数などを定めたガイドライン(指針)に従うことを基本とし、薬を使用する医療機関に対して、該当する要件などを診療報酬明細書(レセプト)の摘要欄に記載することを求めている。【敦賀陽平】

 オプジーボとキイトルーダは、患者の免疫機能のブレーキを解除することで、がん細胞を攻撃する新タイプの薬。高い治療効果が期待されている半面、高額な薬価による医療保険財政への影響が懸念されている。

 今回、対象となるのは根治・切除不能な悪性黒色腫(皮膚がんの一種)と、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん。厚労省では、施設の基準や投薬の要件などを指針で明示し、投与の対象となる患者を絞ることで、医療費の抑制につなげたい考えだ。

 指針では、非扁平上皮がん(非小細胞肺がんの一種)の患者にオプジーボを使用する場合、事前の検査で投与の可否を判断することが「望ましい」とされ、検査の値が一定の基準に達した患者への投与を推奨している。

 通達では、その基準を下回った患者にオプジーボを使用する場合、レセプトの摘要欄で理由を明らかにするよう求めている。キイトルーダに関しては、非小細胞肺がんの患者に行う事前検査で「陽性」であることが投与の要件となっており、陽性を確認した年月日と検査結果を記載する。

 既に保険が適用されているオプジーボについては、通達前の13日までの使用実績を考慮し、指針の要件を満たしていなくても、一定期間の投薬を認める経過措置が設けられた。

 具体的には、同日までに投与を受けている患者への継続使用を認めるほか、初めて使用する患者に対しても、4月末までの投与開始を容認する。期間は「医学薬学的に投与が不要となるまで」とし、いずれもレセプトの摘要欄に必要事項の記入を求める。一方、キイトルーダは15日に保険が適用される。



http://www.huffingtonpost.jp/yoshihiro-takayama/hospital-long-hours-labor_b_14718772.html
医療現場から変える 長時間労働をしなくてすむ社会へ
高山義浩
沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科医長 日本医師会総合政策研究機構非常勤研究員
投稿日: 2017年02月14日 12時59分 JST 更新: 2017年02月14日 15時09分 JST ハフィントンポスト

沖縄県で発行される地方紙が次のような記事を載せていました。まさに私の職場についてのトピックスなので、現場からコメントさせてください。

県立病院残業代 未払い額 億単位か 救急医療へ影響懸念(琉球新報)

記事では、昨年11月に沖縄県内の県立病院に勤務する医師ら職員の残業代未払いが労働基準監督署に指摘され、その額が億単位に上るかもしれないと伝えています。そして、「業務量が多くて毎日のように4~5時間は残業をしないと仕事が終わらず、休憩時間は15分しかなかった」との看護師の証言を紹介していました。

締めくくりは、「病院事業局は職員を大切にし、労働の対価はしっかり払うべきだ」との論調。まあ、その通りなんですが・・・、ほんとの意味で職員を大切にするってのは、できるだけ残業しないですむ職場づくりのはず。救急医療への影響を懸念するなら、それは住民にも責任の一端があることを伝えていただきたかった・・・。

グラフは、都道府県別にみる時間外で受診される患者さんの割合です。沖縄県では、とりわけ健診異常が放置され、定期受診は怠りがちとなり、ついに体調が悪くなって救急病院を時間外に受診しています。あるいは、風邪を引いていても日中は仕事をしていて、夜になってから救急外来を受診する人も少なくありません。医療がコンビニ化している沖縄では、さらに多くの医療従事者が残業するしかないのです。

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実際、沖縄県に限らず、医療従事者の多くが慢性的な睡眠不足の状態にあります。眠気を抱えた私たちは、どうしても対話や配慮を後回しにして、ミスをしないことに集中しがちになります。医療現場の長時間労働は、医療の効率性を低下させているだけでなく、患者さんの満足度を低下させる主たる要因になっています。

まず、病院管理者は、職員の業務行程を徹底してチェックして、労働集約型の業務形態からの脱却を目指すべきです。また、他の医療機関や介護事業者などと効率的に連携するべく、その議論を地域全体に広げてゆくことも必要でしょう。これは、医療従事者のプロフェッショナリズムを尊重することでもあります。

もちろん、緊急事態への24時間の瞬発力は温存しつつ、という意味ではあります。土日であっても患者さんは病気ですから、休日に回診することは必要ですし、帰宅する直前に患者さんの状態変化に気づくことはあるものです。私たちに残業ゼロはありえません。でも、ダラダラ仕事をする(させる)こととは話が別です。

とくに、女性の医療従事者が、安心して働ける環境を作ること。それを男性へと横展開してゆくこと。高齢化の進む地方では、医療と介護が主力産業となりつつあります。どんな公共事業を突っ込むことより、ここで働く人たちのワークスタイルを見直すことこそが、地方に労働力を定着させ、かつ出生率を上昇させることにもなるはずです。

病院管理者だけの問題ではありません。遅くまで働くのが当然という中堅職員の意識が、新人を極限まで働かせながら負の連鎖を引き起こしています。「自分(あるいは患者さん)が納得できるまで仕事をする」のではなく、「有限な時間をいかにマネージメントするかが仕事だ」と率先して若手に示さなければなりません。有限の生命のマネージメントを支援する医療従事者だからこそ、これを自らも実践すべきはずなんです。

とはいえ、そもそも仕事がたくさんある限り、やっぱり私たちは遅くまで仕事せざるをえないのです。私たちが「断らない救急医療」を堅持しつつも、「無制限のサービス医療」とならないためには、住民の地域医療への理解が不可欠です。

体調が悪くても、あえて休日や時間外になってから受診する方が少なくありません。入院している親の病状説明について、自分の仕事が終わってからの「夜7時以降で」と平然と指定する方もいます。

その背景には、「自分や自分の家族が病気になっても、仕事を休むことができない」という日本社会の悪循環があります。親の介護と子育て、そして仕事の両立が困難となり、病気がちな年寄りは病院にあずけっぱなしになり、さらに医療への負荷が増してゆくのです。

地域全体で長時間労働をしなくてすむ社会を作ってゆかなれば、働く人だけでなく、支えが必要な人たちも辛いばかりです。

その打開に向けて仕掛けるのが、医療現場であっても良いのではないかと私は思ってます。そもそも長時間労働は健康に悪いのです。医療現場では従事者の健康を守る。それは患者さんを守ることであり、医療の質を向上させることでもあると、率直に住民へ説明できるリーダーが求められているように思います。



http://www.medwatch.jp/?p=12362
2017年1月までに517件の医療事故が報告、半数で院内調査が完了―日本医療安全調査機構
2017年2月14日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 今年(2017年)1月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は30件。一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしてから、累計で517件の医療事故が報告され、このうち50.0%(258件)で院内調査が完了。また遺族や医療機関からのセンターへの調査依頼は累計で21件となっている―。

 こうした状況を、日本で唯一のセンターである医療安全調査機構が9日に公表しました(前月の状況はこちら)(機構のサイトはこちら)。

院内調査のスピードはさらに上がり、事故の半数で調査完了

 一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしました。これは医療事故の再発防止を目指すことが目的で、管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」のすべてをセンターに報告することが医療機関の管理者(院長など)に義務付けられます。事故が発生した医療機関ではその原因を調査し、調査結果をセンターに報告、遺族に説明するとともに、センターでは事故事例を集積する中で再発防止策などを練っていきます。

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医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける

 我が国唯一のセンターである機構では、毎月、医療事故の報告状況を公表しており、今年(2017年)1月には、医療事故が新たに30件報告され、制度発足からの累計報告件数は517件となっています。

 1月の報告は、病院からが29件、診療所からが1件で、診療科別に見ると▼外科5件▼内科4件▼循環器内科3件▼心臓血管外科3件▼産婦人科3件―などで多くなっています。

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2017年1月に、新たに30件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で517件の医療事故が報告されている

 ところで医療事故が発生した場合、医療現場には「死亡事例が発生してしまったが、これは報告すべき医療事故なのか?」「医療事故が生じたが、どのようにセンターに報告を行うのか?」といった疑問、また遺族には「家族が病院で死亡したが、医療事故として報告されない。なぜなのか?」といった疑問が生じると考えられます。そのためセンターでは、医療機関や遺族からの相談に対応していますが、今年1月に新たにセンターに寄せられた相談は144件で、制度発足からの累計は2472件となりました。内訳を見ると、医療機関からが88件、遺族などからが48件、その他8件となっています。

 医療機関からの相談内容としては、「院内調査について」がもっとも多く34件、次いで「医療事故報告の手続き」32件、「医療事故に該当するか否かの判断」13件などとなっています(関連記事はこちらとこちら)。一方、遺族などからの相談の中身を見ると、「医療事故に該当するか否かの判断」が25件と半数超を占めていますが、この中には「制度開始前の事例」「生存事例」など報告対象外のものも少なくありません。国民に対する制度の浸透はまだ十分とは言えないようです。

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センターへの相談は2017年1月に144件あり、うち88件が医療機関から、48件が遺族などからのものとなっている 

 冒頭に述べたように、医療事故が発生した医療機関では、まず院内で原因究明に向けた調査を行います。今年1月に新たに院内調査が完了した事例は32件で、制度発足からの累計で258件となりました。報告された全517件のうち50.0%とちょうど半数で院内調査が完了しており、調査のスピードは制度発足から右肩上がりで向上しています。

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医療事故を報告した医療機関で院内調査が済んだものは2017年1月に32件、制度発足からの累計で258件で、事故全体の50.0%となった
 

 なお、遺族の中には院内調査結果に満足がいかない、あるいは院内調査が遅すぎる(何かを隠すために時間稼ぎをしているのではないか)と考える人も出てくるでしょう。また診療所など小規模の医療機関では、院内調査にスタッフを避けないところもあります(医師会や病院団体などの支援団体がサポートを行う仕組みもある)。こうしたケースに備え、遺族や医療機関がセンターに調査を依頼できる仕組みも用意されており、今年1月にセンターへなされた調査依頼は2件で、これは遺族からの依頼でした。制度発足からの累計では21件(遺族から15件、医療機関から6件)で、このうち18件では「院内調査結果報告書の検証中」(適切に院内調査が行われたかのチェック)、3件では「院内調査の結果待ち」という状況です。



http://www.yomiuri.co.jp/local/ehime/news/20170214-OYTNT50315.html
今治の産婦人科 閉院へ
2017年02月15日 読売新聞

 ◇妊産婦死亡 「セミオープン」見送り

 妊産婦の死亡などが相次ぎ、日本産婦人科医会が指導した今治市の診療所「丹産婦人科」が、今月末で閉院することがわかった。愛媛大は、同診療所がお産を中止して産前産後の健診のみを行い、お産は県立今治病院で担う「セミオープンシステム」の実施を提案していたが、見送る。閉院に伴って、地域医療体制の再構築が必要となる。

 同診療所の丹英人院長は、読売新聞の取材に「(問題の)報道後も来てくれる人はいるが、最後まで(妊婦を)みられないなら、やる意味がない」と話した。同診療所のインターネット掲示板には「2月いっぱいで思い出が詰まった病院を後にしますが、後ろ髪を引かれる思いです」と記した。

 今治市内ではこれまで、4診療所と県立今治病院がお産を担ってきた。年間約1100人が出生し、このうち計約400人が診療所で生まれた。丹産婦人科では毎年100~130人が生まれており、この分を補う体制構築が急務となる。

 愛媛大は1月、県立今治病院に医師1人を追加派遣し、常勤を3人にした。杉山隆教授(産科婦人科学)は「今後は大学とそれぞれの診療所、病院が連携を強め、地域の産科医療を守る。場合によっては医師の追加派遣を検討する」としている。



http://digital.asahi.com/articles/ASK2G342TK2GUJUB001.html?rm=319
岩手)分娩取扱件数、6年間で1割減
角津栄一
2017年2月15日03時00分 朝日新聞

 県内の医療機関での分娩(ぶんべん)取扱件数がこの6年間で約1割減っている。10日にあった周産期医療協議会の部会で、県が分娩状況についての実態調査の速報値として報告した。

 県によると、2015年の県内の医療機関が扱った分娩件数は9745件で、09年の1万857件から約1割減った。分娩を扱う医療機関も、10年には40施設あったが、16年には32施設に減り、沿岸や県北地域では診療所がゼロになった。

 産婦の居住地は、県立磐井病院(一関市)では約4割が県外居住者で、その約半数が宮城県から出産に訪れていた。県立二戸病院(二戸市)では約3割が県外居住者で、その約半数が青森県からだった。久慈や宮古、釜石の県立病院でも1割程度が県外居住者だ。

 周産期医療の体制について、医師や助産師の数は県全体では増加傾向だが、そのほとんどが盛岡圏域だという。委員からは「女性医師が増えているが、産休や育休などで勤務から外れるため、実働人数は少ない」「助産師が他の診療科に配置されてしまうため、産科の人繰りが厳しい」など人手不足の実情を訴える声が相次いだ。(角津栄一)


  1. 2017/02/15(水) 05:45:54|
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