Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月10日 

http://news.livedoor.com/article/detail/12657262/
日本に2つ「タダで医者になれる大学」どちらも男ばかり
2017年2月10日 17時0分 女性自身

日本国内で医者になるためには、基本的には大学の医学部もしくは医科大学(以下、医大)を卒業しなければならない。学費的には、日本の医大は「国公立」と「私立」に大別され、ザックリ言って前者は6年間で合計350万円、後者は2000万~4500万円が必要である。

だが、実は日本には、タダで医者になれる大学が2つあるのだ。
1つは「防衛医官になるなら、学費タダで衣食住も保証」の防衛医科大学校、もうひとつは「僻地医療やるなら学費タダ」の自治医科大学である。

防衛医科大学校は、防衛省が管轄する医大であり、入学した時点で、防衛省所属の国家公務員となる。定員は80人。学費は無料であり、宿舎や制服や給食が支給され、さらに給料(月額約11万円)やボーナスも支給される。

ただし、戦前の陸軍軍医学校をルーツに持つ「軍医養成所」的な性格を今なお色濃く持っており、その学生生活は独特である。

防衛医大は全寮制であり、さらに2~4人部屋での相部屋生活が必須であり、平日は早朝から大音響で流れる「君が代」で叩き起こされる。宿舎と学校は徒歩数分で、外出や外泊も制限があり、繁華街からも離れている(埼玉県所沢市)ため、一般的な大学生のように「授業をサボって自由な青春生活を謳歌」とはいかない。

医大生としてのカリキュラムに加えて、長期休暇中にはパラシュート降下訓練やら硫黄島訪問やら戦車同乗というような、自衛官としての訓練も必須である。

というわけで、この軍隊的生活というか自衛隊生活についていけなくて毎年のように早期に辞める者が出現する一方で、順応してしまえばそれなりに楽しい世界らしい。

開校当初は男子校だったが、1985年から女子学生も受け入れている。卒業後は、「自衛隊病院での勤務」のような一般的な勤務もあるが、「潜水艦での軍医」「南極観測船同乗」「ジブチや南スーダンなど、海外派遣される自衛隊部隊に同行」「レスリングや射撃など自衛官アスリートを、スポーツドクターとしてサポート」などのユニークな業務もある。

防衛医官として9年間の勤務が義務付けられており、それより早期に退職することは可能だが、期間に応じて最大約5000万円を返還しなければならない。

自治医科大学とは、僻地の医師不足解消を目的に、都道府県の合同出資で設置された私立医大であり、総務省(旧自治省)の影響が大きい。定員は120人。各都道府県は2~3人の合格枠を持ち、県の判断で合格者を決定する。

よって、合格者の偏差値レベルは都道府県によってかなり違いがある。実際、「大阪府や神奈川県には、もはや大した僻地はないから、自治医大枠は他県に譲るべきではないか?」との意見は根強い。また、「統計学的にあり得ないぐらい、男子学生ばかり合格」という都道府県も実在する。

入学時には約40万円の支度金が支給され、学費はタダ(正確には貸与)、生活費は貸与型奨学金で賄うことが可能である。防衛医大と同様に、地方都市(栃木県下野市)での全寮制の生活(こちらは個室)となるので、生活費もさほど必要ではないだろう。

カリキュラムも他の医大と大差はなく、卒業後は出身県での9年間(留年すると1年半追加)の勤務(うち、半分は僻地)が義務付けられている。勤務拒否の場合、最大約2200万円の返還金が必要である。

しばしば問題になるのが、出身県の違う医師同士の結婚である。6年間、キャンパスライフのみならず寝食を共にするので、それなりの数のカップルが誕生するが、「北海道出身のA君と長崎県出身のB子さん」が結婚した場合、最悪9年間の別居生活になってしまう。

この卒後9年間は女性の出産適齢期でもある。妊娠した女医を離島などの僻地に派遣することは非常に困難であり、「女医の権利保護」と「僻地医師派遣事業」の兼ね合いにはどの県も悩んでいる。よって、「じゃあ、ウチは男子学生しか採用しない」となる県も出現するのだ。

財布にはおいしいが、タダだけに、さまざまな制限があるのも仕方あるまい。そして、どちらも男子学生の数が異常に多いのも、やむを得ない話なのだ。

――以上、筒井冨美氏の近刊『フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方』(光文社新書)より引用しました。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170210_8
奨学金養成医師、現場希望少なく 17年度8人
(2017/02/10) 岩手日報

 県関係の奨学金養成医師33人が2016年度に初期研修を終え、現時点で8人が17年度から県立病院に配置される見通しとなった。17人は大学院進学などで配置猶予を希望し、4人は「未定」と進路を検討中。奨学金の定数拡大に伴う本格配置は2年目となるが現場希望はまだ少なく、県民が医師不足改善を実感できるまで数年かかりそうだ。

 県が9日、盛岡市内で開いた県地域医療対策協議会(会長・小川彰岩手医大理事長)で説明した。17年度に病院配置を希望する8人の配置先は盛岡、岩手中部、胆江、宮古医療圏が各2人。このほか4人が返還の予定。

 一方、16年度に配置対象となり、2年目を迎えるのは31人で、17年度に県立病院配置を予定するのは13人。猶予希望は16人、未定が2人となっている。

 1期生と2期生の猶予希望者計33人のうち、後期研修や大学院進学などで県外の医療機関を想定するのは6人。残る27人は岩手医大が見込まれ、公的病院を外部から支援する役割が期待される。



https://www.m3.com/news/iryoishin/501742
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「新専門医制度を危惧、拙速は反対」、全国医系市長会
菅官房長官、塩崎厚労相に要望、「新たな巨大権力構造」も懸念

2017年2月10日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医系市長会は2月9日、菅義偉官房長官と塩崎恭久厚労相に対し、「新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する要望」を提出した。現在検討されている新専門医制度の開始に伴い、「中・小規模病院が危機に陥る懸念」「地方創生に逆行する危険と医師偏在の助長」など地域医療への影響が生じるほか、日本専門医機構と大学病院をはじめ基幹病院への新たな権限が誕生することを問題視する内容だ。さらに、医師のキャリア形成の長期化や、総合診療専門医の養成も疑問視している。

 全国医系市長会は、医師免許を持つ市長らで構成。菅官房長官と塩崎厚労相と面談した、同会会長の福島県相馬市長の立谷秀清氏は、「一番の問題は、専門医制度は、国民全体の医療に関わる国家的課題であるにもかかわらず、一部の専門家だけしか、この議論に参加していないこと」と指摘。

 同会は2016年6月にも、2017年度から開始予定だった新専門医制度に反対(『医系市長会、菅官房長官らに新専門医制度で要望』を参照)。その後、日本専門医機構の執行部は刷新、新専門医制度は延期され、専門医制度の新整備指針の見直しも行われた(『新専門医制度、2018年度開始に向け前進』を参照)。しかし、地域医療への影響はいまだ払拭できないことなどから、今回の要望提出に至った。

 立谷市長によると、菅官房長官、塩崎厚労相ともに、要望への理解を示したという。塩崎厚労相との面談には、同省の医政局長の神田裕二氏、保険局長の鈴木康裕氏らが同席した。

 要望は、まず議論の進め方を問題視。新専門医制度は、国家的課題であることから、一度立ち止まって根本的な議論から、やり直すよう強く要望している。「2017年度からの開始は延期になったが、2018年度からの開始と、期限を切って議論されていること自体が問題。時間をかけても、国民医療が良くなるように議論すべき」(立谷市長)。

 その上で、(1)中・小規模病院が危機に陥る懸念、(2)地方創生に逆行する危険と医師偏在の助長、(3)医師の診療活動開始年齢の遅延と医療コスト増大、(4)総合診療医という専門医の矛盾。強引に専門医にあてはめるのは問題、(5)新たな巨大権力構造、(6)専門職自律という国民不在の議論――の6項目の問題点を指摘している。

 専門医取得は義務ではないが、新専門医制度が始まると、「専門医を取得しないと、まともな医療ができる医師であると見なされない風潮になる。事実上の義務化になる」と立谷市長は懸念する。要望では、「初期の臨床研修2年、専門医研修3年、少なくとも医学部卒後5年の研修を経ないと臨床の第一線に立てないことになり、結果的に地域の医師不足に拍車がかかる」と指摘。その上で、「例えば、3年間の専門医研修のうち、3カ月や半年などの短期間、基幹病院から地域の病院に専攻医を派遣しても、地域医療の問題は解決せず、専攻医にとっても研修にはならない」と付け加える。

 医学教育6年間を経て、医師国家試験に合格、臨床研修修了後は、「制度的に総合診療医」であるとし、「総合診療医という専門科を作り、3年間の研修を課する方針」にも反対している。

 従来の各学会の専門医制度は、研修カリキュラム制が基本とするケースが多い。これに対し、新専門医制度では、研修のアウトカムだけでなく、プロセスも管理する、研修プログラム制を原則とする。立谷市長は、研修プログラム制の基幹病院を“研修カリキュラム学校”にたとえ、「煎じ詰めると“研修カリキュラム学校”がよくない」と指摘し、キャリア形成に多様な選択肢を用意する必要性を説く。



http://news.nicovideo.jp/watch/nw2636683
病院で行なわれている過剰な延命治療の大半は家族の希望
2017/2/10(金)16:00 NEWSポストセブン

延命治療についての理解はまだまだ浅い

 91歳になる脚本家の橋田壽賀子氏が、月刊誌『文藝春秋』(2016年12月号)に「私は安楽死で逝きたい」と寄稿したことが大きな反響を呼んでいる。日本ではいまだ安楽死も、尊厳死も法的に認められていないが、患者の望む最期を助けるべく、医師たちは戦っている。

 安楽死は、「積極的安楽死」と「消極的安楽死」があり、前者は「医師が薬物を投与し、患者を死に至らす行為」。後者は「医師が治療を開始しない、または治療を終了させ、最終的に死に至らす行為」と定義される。

 そして、「安楽死」とは別に「自殺幇助」という死に方もある。こちらも、安楽死同様、「積極的自殺幇助」と「消極的自殺幇助」のふたつに分けて考えられる。前者は、「医師が薬物を投与するのではなく、患者自身が投与して自殺する行為」。後者は「回復の見込みのない患者に対し、延命措置を打ち切ること」で、一般的に日本語で表現される「尊厳死」がこれに当たる。

「尊厳」とは言いつつも、家族の存在が患者の「穏やかな最期」の妨げになりかねないと話すのが、これまで2000人以上を看取ってきた長尾クリニック院長の長尾和宏氏だ。

「チューブだらけになっての死は人間の尊厳を損ねているので、私は過剰な延命治療を問題にしてきました。

 しかし、仮に患者自身が拒否しても、家族が延命治療を求めた場合、医師が拒めば殺人罪で訴えられる可能性がある。一般の病院で行なわれている過剰な延命治療の大半は家族の希望によるものなのです」

 長尾氏は、家族が安楽死と尊厳死の違い、それぞれの正確な意味や内容を知らず、誤解をしていることも混乱の原因になっていると話す。

「ただ、何が過剰で、無駄な延命治療かの判断は非常に難しい。脳死でも生きていることに意味があるという家族は沢山いる。だから、私も毎日、『自分がやっている医療が患者の利益になっているのか』と葛藤しているのです」(長尾氏)

 長尾氏のように、家族の意思を尊重するという医師は少なくない。『看取りの医者』の著者で、ホームオン・クリニックつくば院長の平野国美氏もその一人だ。

「私は自分から患者さんに対し、終末期の延命治療を拒否するという意思を文書で示す『リビング・ウィル』を求めたことはない。なぜなら、治療が必要になった時、実際に延命治療を行なうかどうかの判断をするのは家族だからです。

 亡くなるのは患者さん自身ですが、死ぬ時になって家族も“これで良かったんだ”と納得できるようでなければ、私は『穏やかな死』というものは成立しないと思っているからです」

 誰もが安らかに死にたいという思いを持っている。だが、理想通りにいかないのが現実である。だからこそ、死に携わる医者たちは、日夜、苦しみ、葛藤し、患者と向き合うのだ。

※週刊ポスト2017年2月17日号



http://www.sakigake.jp/news/article/20170210AK0006/
里帰り出産、受け入れ中止 かづの厚生病院、医師不足で
2017年2月10日 9時28分 秋田魁新聞

 秋田県鹿角地域で唯一お産を取り扱っている、かづの厚生病院(鹿角市花輪、吉田雄樹院長)は今月から、地域外に住んでいる妊婦の「里帰り出産」の受け入れを中止した。産婦人科に医師を派遣している大学側からの通知に基づく対応。里帰り出産の問い合わせがあった場合は、近隣の大館市立総合病院を紹介している。地元関係者や県は大学側に再開を要望しているが、先行きは不透明だ。JA秋田厚生連によると、運営する県内9病院で里帰り出産を制限しているのは、かづの厚生のみ。

 かづの厚生病院などによると、昨年12月末、常勤医師を同病院へ派遣している秋田大と岩手医科大、大館市立病院へ派遣している弘前大の3大学の教授の連名で「かづの厚生で里帰り出産を希望する人を大館市立へ紹介する」との通知があった。

 通知では▽人口減少や少子化による分娩(ぶんべん)数減少▽産婦人科医の不足▽妊娠途中から診察するリスク―などを理由に挙げ「施設を集約化する方向性が必要」とした。

 昨年度のかづの厚生病院の分娩件数は210件。このうち里帰りが64件で3割を占めた。



http://www.qlifepro.com/news/20170210/problem-consciousness-on-dispensing-fee-technical-fee.html
【中医協総会】調剤料、技術料に問題意識-18年度改定へ早くも先制
2017年02月10日 AM10:15  薬事日報/QLifePro

■外来医療めぐる議論開始

中央社会保険医療協議会は8日に総会を開き、2018年度診療報酬改定に向けて外来医療の議論を開始した。厚生労働省の医療費の動向によると、外来医療費が増加傾向にある中、入院外に比べて調剤の伸び率が大きいことが示されている。これに対し、診療側の医師委員から「院内と院外の調剤料に大きな差がある」「調剤技術料が伸び続けていることが一つの要因」などと薬剤師に厳しい意見が飛び出した。調剤費の伸びは医薬分業の進展や高額薬剤の登場による薬剤費の増加などが影響しているものの、早くも調剤報酬に対する問題提起がなされた格好だ。

この日の総会では、外来医療に関する医療提供体制や医療費をめぐって議論した。厚労省は、医療費の動向から外来医療費は増加傾向にある中で、入院外に比べて調剤の伸びが大きいことを提示。医薬分業の進展によって入院外から調剤にシフトしていることや薬剤費の増加の影響にも考慮する必要性があるとしたものの、医療費の伸びについて要因分解した結果、入院・入院外は伸び要因の多くが高齢化の影響だったものの、調剤は人口構造の変化による影響はほとんどなく、その他の要因が多くを占めていることを示した。

調剤の伸び率が大きいことについて、薬剤師代表の安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、高額薬剤の登場による薬剤費の増加や後発品の使用促進など、「様々な要素がある」と強調。医療費の伸びに関しては、多角的なデータに基づく議論を求めた。

ただ、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「調剤の伸び率が大きいが、医薬分業の進展や薬剤費の増加が影響しているというのはその通り」と理解を示しつつ、調剤の伸びの要因分解でその他の要因が大きかったことを指摘。「調剤技術料がしっかり伸び続けていることが一つの要因」と調剤技術料を問題視する見方を示し、「調剤報酬改定財源のあるべき姿を議論すべき」と迫った。

さらに猪口雄二委員(全日本病院協会副会長)も、調剤の伸び率が高いことに言及。「院内と院外の調剤料に大きな差がついている」と調剤料を問題視。「院内処方のあり方をもう一度議論して評価することも一つの方向」との考えを示し、院内処方への逆行を求める意見まで出た。次期調剤報酬改定をめぐって、早くも調剤料、技術料への問題意識が示された格好となった。



http://blogos.com/article/209594/
これから求められる医師像とは―最適な医療サービスを提供する 健全なコスト意識が必要に
津川 友介
2017年02月10日 08:07 BLOGOS

私は医療政策学者であるが、原点は「臨床医」にある。現在、医療政策・医療経済学の研究をしているのは、あくまで現場で働く医師、看護師、その他の医療関係者がスムーズに働くことができ、ひいては患者さんに最良の医療行為が施されることを望んでいるからである。医師や看護師が十分に機能していなければ患者さんに最良の医療を届けられないが、そのためには綿密にデザインされた「医療政策」が必要になってくる。

私の考える「これから求められる医師像」は、以下の三つを兼ね備えた医師である。

①医師の仕事に意義、やりがいを感じられること
②生涯にわたり勉強を続け、医学だけでなく社会に関する幅広い知識を持つこと
③医療経済学を理解し、ムダのない医療行為を行うことができること

一つずつ説明していこう。

医師の仕事に意義、やりがいを感じられること
これから医師になろうとしている人たちに一番重要な資質は、こつこつと毎日、目の前の患者さんに医療ケアを施し続けることに意義ややりがいを感じられるかどうかであると私は考える。

医学部に進学し医師免許を取得することの第一の目的は「臨床医」になること。将来、基礎研究がしたいのであれば、博士号を取得して最先端の一流の研究に接したほうが、早く一人前の研究者になれるかもしれない。一方で、医療ビジネスがしたいのであれば、MBAやMHA(Master of Healthcare Administration)のように医療に特化したビジネススキルを身に着けたほうが有用だと思う。

もちろん医師免許を持つことで、上記のような分野でも有利になるとも言えるが、本記事では、読者の医学部に入る目的が臨床医になることと想定し進めていく。

私は医療政策の世界に入る前に6年間、内科医として働いていたし、今でも日本に帰った時には、できるだけ臨床医として働くようにしている。臨床現場での経験が、今でも私の原点である。医師は毎日新しい患者さんに接し、患者さんの健康に関する問題を解決していくのが仕事だ。決して派手な仕事ではなく、むしろ地味な仕事である。

しかし、意義が感じられ、やりがいもある仕事である。医療行為を通じて病気で困っている人たちを助けることができ、それによって給料がもらえるだけでなく、しばしば患者さんから感謝されることもある、すばらしい仕事であろう。しかし、派手な仕事ではない。毎日こつこつと人のためになる仕事を続ける忍耐強さがないと医師という仕事は務まらない。

残念ながら、今後、医師を取り巻く条件は少しずつ悪くなってくることが予想される。これは勤務医、開業医にかかわらず、全ての医師に対して起こりうる変化である。

日本の医療費は40兆円を超え、2016年にはOECD(経済協力開発機構)諸国の中でもアメリカ、スイスに次いで世界第3位の医療費の高い国になった。日本の債務残高は対GDP比で230%であり、日本は世界で最も借金の多い国である。

これは医療費そのものの問題ではなく、経済成長が不十分であることが主な原因であると考えられているが、いずれにしても国の歳入が少ないため医療費に使えるお金は年々減ってくる。

日本の医療費の総額は国によって決められているため、医療費を引き下げれば、医療にかかわる業界は全て影響を受ける。医療費総額の絶対値が下がっていなくても、物価上昇率と比べて医療費の伸びが少なければ、実質的には、医療費は引き下げられているのと同じことである。

さらに、日本は医師数を増やし続けている。医療全体に使うことのできるお金が減って、医師の数が増えているので、医師一人ひとりの給与はおそらく下がってくるだろう。つまり、今後大きな経済成長が起こるか、もしくは医師数をあまり増やさない方向に舵が切られない限り、医師の所得は今後下がっていくと考えられる。医師は、住む場所や条件を選ばなければ仕事がなくなるということはないので、その点では他の職業よりは安定しているものの、医師の所得は少しずつ下がっていく可能性があるということを覚悟しておいたほうがよいだろう。

そんな時代だからこそ、医師の仕事に本当にやりがいを感じられることが、より一層重要になってくる。条件が悪くなってきても、そこに意義を見いだし、やりがいを感じることができれば、とても夢のある職業である。しかし、条件が良いという理由だけで医師という職業を選択した場合、条件が悪くなってくるとモチベーションを保つことは難しくなってくる。

生涯にわたり勉強を続け、医学だけでなく社会に関する幅広い知識を持つこと
医学部を目指している皆さんは、おそらくすごく勉強していることと思われる。私は、大学受験の時に人生で最も勉強していると思っていたが、それは間違いだった。医師国家試験のときに、再び人生で最も勉強したと思ったが、これも間違いであった。研修医の時も非常に勉強したし、ハーバード大学の博士課程の進級試験の時もこれ以上勉強できないというくらい勉強した。今後もおそらく「人生で最も勉強した」という時期がたくさんあることだろう。

人生はマラソンのようなものであり、勉強をしなくてもよくなることはない。だからこそ、短距離走のような勉強ではなく、一生涯ずっと続けられるような長距離走型の勉強法を身に着けてほしい。

逆に言うと、大学受験で失敗しようとそこであきらめてしまわず、目標を持ち学び続けていけば、後からいくらでも取り戻すことができる。

人生の中で困難は必ず訪れる。残念ながらそれは一度や二度ではない。ただ、そこで諦めてしまわず、その壁や失敗からいかに学び、努力を続けていくかによってその後大きな違いが生まれる。

そして、そのように最大限の努力を続けていけば、必ずその学んできたことを生かし人や世の中のために何かを生み出すことができる時がくるであろう。そういったことからも「勉強」の本質的な意義を理解することを願っている。

昔は、医学のことしか知らない医師もいただろうし、それでも問題はなかったのかもしれない。しかし、現在の医師は、社会に関するより幅広い知識を求められるようになってきている。

例えば、米国では2013年から退院後30日以内に再入院する患者さんの割合の高い病院には、経済的なペナルティーが科されるようになった。つまり、入院中に患者さんを診ていた医師が、退院後に患者さんがきちんと元気でいることに対しても責任を持つようになったのである。

そうなると、患者さんの病気のことだけでなく、どこに住んでいて、どのような家族がいて、どのようなサポートがあるかなど、患者さんの社会的背景も理解することが求められるようになってくる。日本も近い将来、このような医療の質に対して経済的なインセンティブが付されるようになるかもしれない。そうなると、医師には、患者さんの社会的背景や社会全般に関する幅広い知識が求められるようになる。

また、患者さんの病気の原因は社会要因にあるという考え方が一般的になりつつある。このような考え方は、「健康の社会的決定要因」と呼ばれる。

患者さんの糖尿病がコントロール不良なのは、患者さんの意志が弱くて食べすぎで運動不足だからなのではなく、患者さんの職業によって食事の選択肢が少なかったり、運動する時間や経済的余裕がなかったり、受けてきた教育や周りの人の影響でそのようになっているという考え方である。そのため、患者さんの治療をきちんとしようとしたら、医学的知識だけでは不十分となる。

健康の社会的決定要因まで掘り下げ、そこに介入していくことがこれからの医師には求められる能力である。医師は医学だけ理解していればよいという時代は、もはや過去のものとなりつつある。

今の日本では、病院やクリニックは、医療サービスを提供すればするほど、検査をすればするほど利益が上がるようにできている。

これは、いわゆる「出来高払い」であり、このシステムの下では、医療サービスは最適な量よりも多く提供されてしまうという問題がある。日本の医師が忙しく感じているのは医師の絶対数が少ないからではなく、提供されている医療サービスの量が多すぎるからであると、私は考えている。

OECDの13年のデータによると、日本の医師数は人口千人あたり2.3人であり、OECD平均の3.3人と比べれば、確かに少ない。一方、米国の医師数は2.6人と日本と大差ないものの、米国では医師不足は日本ほど問題になっていない。

OECDの中で最も医師数の多いのはギリシャの6.3人であり、こういった国に引っ張られて高めにOECD平均が算出されている可能性もあるが、いずれにせよOECDの平均値は、目標とすべき「最適値」ではない。

日本と米国で医師数がほとんど変わらないのに、現場での“医師不足感”が大きく違うのは、提供されるサービスの量が日本のほうが圧倒的に多いからである。外来受診回数や入院日数は、日本が米国より3倍ほど多い。つまり、同じだけの人的資源がありながら、3倍の業務量が発生しているともいえる。

なぜ、これほど医療サービスの提供量が多いのか。それは、日本が出来高払いを使っており、その単価が安く、薄利多売になっているためである(ちなみに、出来高払いでも単価が高ければ医療サービスの提供量をそれほど多くしなくても病院やクリニックは倒産せずに維持することができるが、そうすると莫大な医療費がかかるようになってしまう)。

出来高払いは医療経済学的に大きな問題があるシステムであることが判明しているため、多くの先進国は他の支払制度に変更しつつある。

日本も近い将来、新しい支払制度を導入することになるかもしれない。そうなった時に、医師には医療費の問題を意識しながら、目の前の患者さんにとって最適な医療サービスを提供するという健全なコスト意識が求められるようになる。

米国では2019年度から、医師個人に対しても業績を評価し、それに伴った医療費が支払われる仕組みが導入される。医師の業績は、①医療の質、②コスト、③診療行為の改善、④電子カルテの有効活用などによって評価されるようになる。つまり、高い医療の質を、より低いコストで提供する医師に対してより多くの報酬が支払われる仕組みになる。

全ての医療行為に伴う費用は、保険料や税金を通じて巡り巡って国民が負担することになる。そのため、医師には医療の質だけでなく、医療費に関しても説明責任が生じる時代が、すぐそこまで来ている。

なお、医療費が高くなりすぎているため、高齢者に対する医療サービスは保険から外すべきであるという考えには私は賛成できない。

医療の20~30%は無駄であるという研究結果がある。医師のなかには、風邪に対して抗生剤やイソジンのうがい薬を処方したり、残念ながら科学的根拠のない医療行為を行う人もいる。まずは、医師が患者さんにとって本当に必要で、科学的根拠に裏付けされた医療行為を行うようになれば、誰も不幸にすることなく、世代間の衝突も生むことなく、医療費を抑制することができる。

財源に限りがあるため、いかに医療の質を保ちながら医療費を抑制するかが日本にとってカギとなってくる。そして、これからの医師は、このような医療経済学的な知識をきちんと持ち、日々の診療において患者さんに本当に意味のある医療サービスのみを選択し、提供することができる能力が必要となってくる。

※発売中のアエラムック「AERA Premium 医者・医学部がわかる」(朝日新聞出版)に掲載



http://inamai.com/www/ictnews/detail.jsp?id=46940
新しい西箕輪診療所施設整備 伊那市と厚生連が基本合意
放送日:2017年2月10日(金曜日) 伊奈谷ネット

伊那市西箕輪の新しい診療所の施設整備について、伊那市とJA長野厚生連は10日、合意書を取り交わしました。

この日は伊那市役所で調印式が行われ、白鳥孝市長とJA長野厚生連の社浦康三(しゃうらこうぞう)理事長が、診療所の施設整備に関する基本合意書を取り交わしました。
合意書では、地域の医療・介護福祉の充実を目指す整備をすること、市が整備に対し補助をすることなどがうたわれています。

白鳥市長は「新しい診療所に対する地域からの期待は高い。地域のニーズに合った診療所にしていってほしい」とあいさつしました。
社浦理事長は「地域の健康と福祉について地区の要望を聞き、ニーズに合った医療施設にしていきたい」とあいさつしました。

診療内容も拡充

 伊那市が運営する西箕輪診療所は、赤字運営が続いていることや、医師確保が難しいことから、JA長野厚生連が運営する「富士見高原医療福祉センター」の診療所を誘致しました。
新しい診療所は、現在の診療所の向かいにある西箕輪公民館の駐車場に建設される予定です。
これまでは、一般内科の診療や問診を行っていましたが、新しい診療所では、内科に加えて小児科、神経内科、泌尿器科などの診療も行うということです。

新しい診療所を運営する富士見高原医療福祉センターの井上憲昭(いのうえかずあき)センター長は「自分たちがやりたい医療をやるのではなく、動き出してから地域の声を聞きながら、地域が必要としている医療をやっていきたい」と話していました。

富士見高原医療福祉センターによりますと、新しい診療所は5月頃に着工し、年内の完成を目指すということです。
開業は来年1月頃を見込んでいて、それに伴い現在の診療所が廃止されることになっています。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50548.html
必要病床数と現状の差、分かりやすく紹介- DBJなどが小冊子発行
2017年02月10日 16時00分 CB news

 日本政策投資銀行(DBJ、東京都千代田区)と日本経済研究所(同)は10日、医療と介護の事業環境に関するデータをまとめた小冊子を発行した。2025年時点の医療ニーズに応じた「必要病床数」を都道府県が推計した結果と、現状との差などを分かりやすく紹介している。【佐藤貴彦】

 25年には団塊世代が75歳以上になり、医療のニーズが膨れ上がると想定される。このため都道府県は、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の各機能の病床が、同年時点でどのくらい必要になるのか地域ごとに推計するなどして、将来の医療提供体制の構想「地域医療構想」を定めることになっている。来月末までに、すべての都道府県が策定作業を終える見込みだ。

 必要病床数を推計する際、入院する必要性が低い患者を在宅療養に切り替えさせることなどを前提にするため、政府の社会保障制度改革推進本部の下部組織は15年6月、全国の将来の必要病床数の合計は、現状と比べて最大20万床ほど少ないとの試算結果を公表している。

 DBJなどは、昨年12月1日までに32都府県が公表した地域医療構想について調査。必要病床数と現状との差をグラフにして小冊子に盛り込んだ。

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 これを見ると、東京や大阪など6都府県で、必要病床数の合計が今の病床数を上回ることが分かる。また、いずれも「回復期」の病床が足りず、「急性期」の病床が過剰な状態にあることも見て取れる。さらに、病床の機能転換などの費用を助成する「地域医療介護総合確保基金」(今年度)の規模も比較できる。

 そのほか、医療費の地域差なども取り上げている。この中で、厚生労働省が昨年公表した「NDBオープンデータ」を分析した結果、人口当たりの医薬品の使用額が最も高い都道府県は秋田で、平均の1.3倍近いことなどを紹介している。小冊子はDBJのホームページからダウンロードできる。
http://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1702_01.pdf



http://diamond.jp/articles/-/117485
年収1600万円以上が46%!現役医師534人大調査
dot. 2017年2月11日

 医師に対する目が厳しさを増す昨今、もはや世間一般が抱くイメージほど、医師は割に合う仕事ではない? アエラムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる』では、医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」の協力を得て、現役医師534人に一斉アンケートを実施。「1日の平均勤務時間」や「平均年収」など、「リアル」な数字がわかった。

*  *  *

 医師の働き方は、病院などに雇用されて働く「勤務医」と、自ら病院を経営する「開業医」に大きく分かれる。勤務医は規模の大きい病院で最新の医療技術を学んだり専門性の高い症例を数多く経験できたりするなどのメリットがあるが、当直や院内の人間関係などわずらわしいことも多い。一方、開業医は、患者の診療に加え自分で病院を経営しなければならない。しかし、当直は地方自治体の当番程度で、勤務時間は自由に調整できる。

 大学病院を辞めて地元で開業した40代男性A医師によれば、「仕事の面白さから言ったら大学病院だったが、当直がきつく、給料も安かった。勤務医は都心より地方のほうが人手不足で忙しいが、給料はアップする傾向がある。どの診療科でも、開業に踏み切る理由は生活の質と収入を求めた結果が多い」という。

 とはいえ、半数の医師が6~8時間の睡眠時間を確保し、45%は月4~6日の休日を取得している。「以前は当たり前だった当直明けの連続勤務をなくすなどの改善も始まっている」(同)。

若手医師の生活を支えるアルバイト

 医師免許を取得し晴れて医師となると、いよいよ研修医生活がスタートする。しかし、研修医期間はいわば見習い期間。薄給は覚悟しなくてはならない。若手医師たちの生活を支えるためになくてはならないのが外来や当直、健診などのアルバイトだ。

 アルバイトの解禁は、初期研修期間(2年)は研修に専念することが法律で義務づけられているため、後期研修期間からとなる。この時期の給与は研修する病院にもよるが、額面で月15万~20万円程度が相場。実質使える金額は十数万円で、親からの仕送りでしのいでいる医師たちも多い。また、大学病院の勤務医の給与は役職がついてもそれほど高額にはならないため、中堅でも関連病院(いわゆる外病院)にアルバイトに行くのが慣例になっている。

 当然だが、アルバイトは本来勤務している病院の休日や勤務明けの夜に入れることになる。若い研修医にとっては、見学ではなく実際に患者を担当し、生の臨床を経験できる貴重な学びの場でもある。

開業医は3人に1人が「8時間勤務」

グラフ1:1日の平均勤務時間
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回答総数534人/有効回答が30人以上の診療科に絞り、それ以外は「その他」にカウントした/「外科」「整形外科」「内科」の数値は、複数の診療科で申告されていても、同系統の診療科と認められた場合は統合した
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 グラフを見てほしい。データから医師を取り巻く厳しい現状がわかる。30代の45%が10時間以上、外科医の19%が12時間以上も働いている。その一方、開業医はおよそ3人に1人が8時間未満で仕事を終える。眼科や整形外科では、それぞれ半数以上の医師が8時間以上10時間未満の勤務だった。また産婦人科では、46%もの医師が10時間以上働いていることがわかる。

 次に、現役医師に「平均年収」を尋ねた。800万円未満が全体の7%しかいない一方、1600万円以上が半数近くの46%もいる。2000万円以上に絞っても23%を占めており、やはり医師は「高給取り」の仕事のようだ。

患者の笑顔が最高の喜び

グラフ2:平均年収
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回答総数534人/有効回答が30人以上の診療科に絞り、それ以外は「その他」にカウントした/「外科」「整形外科」「内科」の数値は、複数の診療科で申告されていても、同系統の診療科と認められた場合は統合した
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 医師は何に仕事のやりがいを見いだしているのか。調査の結果、1位は何といっても、「患者さんに感謝されること」だった。

 医師は、患者一人ひとりの人生の重要な局面に立ち会い、目の前の患者の人生を背負ってベストと思われる治療を決めていかなくてはならない。その結果患者の期待に応えられ、笑顔で感謝されることは、医師にとって無上の喜びなのだ。調査でも、貯金や収入をやりがいに挙げる医師は皆無だった。

「収入や仕事を求めて志望しても続きません。医師をやりたい人であればとてもやりがいのある職業です」(50代男性、麻酔科・漢方医学)

「どんな仕事でも苦しいことやつらいことはありますが、命に関わる仕事なので責任は重大です。周囲の声で何となく、という気持ちでは長続きしません。本当になりたいのか、自分としっかり向き合って進路を決めてください」(50代女性、精神科)

 一方、日々進歩する医療の世界では、昨日の常識が今日は通用しないことも多い。

「医師という仕事は生涯勉強で自己を精進させ続ける必要がある。患者さんのため、世のため人のためという精神が大前提」(50代女性、乳腺・内分泌外科)

 医学部を卒業すると他業種に就くことは難しくなり、後で転職もしづらい。受験前に一度自分と向き合い、医師という「聖職」に身をささげる覚悟のほどを確かめておきたい。

(文/山口茜、調査/メドピア株式会社)

※アエラムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる』より

※dot.より転載



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t280/201702/550145.html
シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定
DPC制度改定に向け医療機関群の分け方議題に
都市部と地方で分ける意見、群の名称変更を求める声も

2017/2/10 土田絢子=日経ヘルスケア

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会・DPC評価分科会は2月9日の会合で、(1)医療機関群の変更、(2)調整係数の廃止に向けた重症度係数の見直し、(3)後発医薬品係数の見直し――などについて議論した。今回は各テーマについて委員から意見を募り、今後、より具体的な論点を厚労省が示す見込みだ。

 まず(1)医療機関群の変更について。現行では病院のタイプをI群(大学病院本院)、II群(大学病院本院に相当するような一定以上の診療密度を有する医療機関)、III群(それ以外の病院)に分け、それぞれで異なる「基礎係数」を設定して基本的な診療コストを反映させている。

 しかし、特にIII群には様々な病院が含まれており多様な病院群となっている。またI~III群という名称はどのような医療機能を担っているのかが分かりにくく、序列のような印象を与えるとの指摘も少なくない。そこで今回の会合で厚労省は、「III群をさらにグループ分けができるのではないか」「I~III群という医療機関群の名称を変更してはどうか」「DPC病院が複数の医療機関群の参加要件を満たせる場合、病院がどの群に属するかを選べるようにしてはどうか」――といった案を示した。

 これに対して委員の福岡敏雄氏(倉敷中央医療機構倉敷中央病院総合診療科主任部長)は、「都市部で効率化を積極的に進められる病院と、地方で多様な医療ニーズに応じなくてはならない病院でグループを分けることも考えられる。I~III群のように序列があるかのような名前も変えるべきではないか」と前向きな姿勢を示した。また、山本修一氏(千葉大学医学部附属病院長)は病院の機能に応じたよりきめ細かな評価について、「機能評価係数の重みづけで、ある程度整理できるのではないか」と発言。井原裕宣氏(社会保険診療報酬支払基金医科専門役)は、「I~III群の3つに分けるというのは、データから見る限りある程度合理性があるのではないか」と意見を述べた。

 なお各病院が、属する医療機関群を選べるようにするというテーマについて厚労省は、事前に経営シミュレーションを行って収益性が高い医療機関群を選ぶのではなく、病院が担う機能に合わせて医療機関群を選ぶ形を想定していると補足説明した。

2016改定で新設された重症度係数は早くも見直しか
 (2)調整係数の廃止に向けた重症度係数の見直しについては、賛同する意見が相次いだ。重症度係数は、2018年度改定での廃止が決まっている調整係数の機能の一部を担うべく、医療資源の大量投入が必要な重症患者の診療を評価する係数として2016年度改定で新設された。

しかし、重症度係数については、「無駄に濃厚な医療を提供している医療機関を評価している」「重症度係数がゼロの病院であっても実際には重症患者を相当数扱っている病院もある」などの検討課題が指摘されている。

委員からは、「重症度係数の影響を調査して見直す方向性は賛成」「提供した診療を評価しつつ、効率性を高めて無駄を省く取り組みも評価できればよい」などの意見があった。池田俊也氏(国際医療福祉大薬学部教授)は、「将来的にはCCPマトリックスの対象疾患を増やして重症患者の診療を評価することが大切だ」と話した。

 また、調整係数は廃止に向けて基礎係数と機能評価係数IIへの置き換えが進んでいるが、その置き換えに際して、激変緩和措置の対象病院の要因を分析して対応することが厚労省から提案された。

 激変緩和措置は、診療報酬が前年のプラスマイナス2%の範囲を超えて変動しないよう暫定調整係数を調整するというもの。2016年に激変緩和措置の対象になった病院は、マイナス緩和措置(推計報酬変動率がマイナス2%より低くなる場合にマイナス2%となるよう暫定調整係数を引き上げた病院)の対象が53病院、プラス緩和措置(推計報酬変動率プラス2%より高くなる場合にプラス2%となるよう暫定調整係数を引き下げた病院)が73病院だった。

 (3)後発医薬品係数については、多くの施設で上限値となっているため、今後は機能評価係数Iで評価すべきではないかと厚労省が提案。賛同する意見が少なくなかったものの、「まだ国の後発医薬品の数量シェア8割に達していないため、現行通りとすべき」という意見もあった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/501986
指導医療官の態度、改善傾向、保団連調査
やりがいを持って働く医師が増加

2017年2月10日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

 全国保険医団体連合会は2月9日に開催したマスコミ懇談会で、全国の開業医を対象に実施した「診療所からみえる開業医の姿―保団連『基礎調査』より」を公表。個別指導の内容について「納得できない」とする回答は5割程度で2008年時点からほぼ変化がない一方、指導医療官の態度については「官僚的、威圧的であった」が37.1%から26.0%に改善している傾向があったと発表した。指導時の録音や弁護士の帯同も増えており、「保険医協会、保険医会の取組の現れと捉えたい」としている。

 調査は2016年9月1日から9月30日までの間、全国の保団連会員の10%に当たる無作為抽出された8634人の開業医(医科5032人、歯科3602人)を対象に実施、医科1517人、歯科1264人の計2781人(回収率35.2%)から回答を得た。医科では年齢分布は60代が最多の533人、50代が482人、40代が217人と続き、70歳以上も256人いた。回答者の内訳は男性が9割、また無床診療所が9割だった(※以下、注記のない限り、医科の回答内容を紹介)。

 レセプト審査、個別指導に関連しては、基金の審査内容については「問題がある」とする回答は2008年の49.3%から2016年は44.9%に減少。「妥当である」は18.6%から27.1%に増加していた。「問題がある」と回答した医師に、審査の問題点を最大3つまで尋ねたところ、上位は「審査基準が不明」(66.7%)、「査定・減点の増加」(51.6%)、「医学的判断による見解の相違」(49.6%)――という結果だった。

 再審査請求については「必ずする」が31.1%、「時々する」が39.6%、「しない」が27.5%。再審査請求をした結果では、「多くが復活」が17.6%、「半分復活程度」が37.6%、「多くが原審通り(復活しない)」が37.8%で、一定程度復活するケースがあることが分かった。

 過去5年以内に個別指導を受けたのは回答者の16.0%で、指導内容については「概ね納得できた」が46.7%、「納得できない点もあった」が45.0%、「全く納得できなかった」が5.0%で、2008年の調査とほぼ傾向は同じだった。

 一方で、指導に当たる技官(指導医療官)などの態度については、「官僚的、威圧的であった」が37.1%から26.0%、「概ね紳士的であった」が53.9%から71.9%に改善傾向にあった。また、指導時の録音は、「要望し行使した」が1.4%から10.4%に大幅増、「要望したが断られた」は1.4%から0.4%に減少した。弁護士の帯同も「要望し実施した」が1.4%から5.2%に増加していた。

歯科で患者数の減少顕著
 医療経営に関する調査では、1日当たりの外来患者数は、最多が「40-100人」の55.7%、「21-40人」が26.1%、「20人以内」が9.4%、「101人以上」が7.9%だった。2000年からの5回の調査では概ね傾向に変化はなかった。ただ、直近2年の外来患者数については「増えた」が21.4%、「減った」が43.4%で、2倍以上の差がついた。「ほぼ変わらない」が34.3%だった。集計を担当した事務局は「地域差が大きいと見られ、次回はその視点でも分析したい」とコメントした。

 歯科の外来患者数は、30人以上が2000年の38.2%から2016年は22.7%に減少、反対に15人以下が15.4%から30.2%に増加するなど、減少が顕著だった。

 医院経営の見通しでは、「不安はない」が19.8%、「不安はあるが見通しは立つ」が52.3%、「不安で見通しが立たない」が12.7%、「分からない」が11.5%だった。

 「医師としての使命感ややりがいで」は「医師への道を選んだ時と変わらない」が2008年の38.0%から2016年は49.6%に、「道を選んだ時以上に使命感、やりがいを感じている」が13.2%から20.0%に増加していた。改善傾向の背景を「2014年と2016年の診療報酬改定では不十分ながらプラスとなり、地域包括ケアで地域に根ざした全人的医療がクローズアップされている」ことなどを指摘した。

住民税決定通知書(事業者用)へのマイナンバー記載反対
 同日の記者懇談会では、マイナンバーを巡る運用についてもトピックに挙がった。事業者に送付される住民税決定通知書には、従業員のマイナンバーを記載する欄があり、多くの自治体で実際に記載される見通しであることについて、知念哲・神奈川県保険医協会事務局主幹が「個人のプライバシー侵害のみならず、実務上不要なマイナンバーがあることで、自治体、事業者に情報漏洩対策などの負担が増える」として反対の意見を説明した。同県保険医協会では自治体や政府に対して、マインバー記載撤回を要望しているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/501985
シリーズ: 乳腺外科医準強制わいせつ逮捕・起訴事件
「証拠開示巡る攻防続く」、乳腺外科医裁判
第1回の期日間整理手続が行われる

2017年2月10日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

 東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する東京地裁での公判で、2月6日、第1回の期日間整理手続が行われた。検察側は約500点の証拠一覧を提出したが、そのうち証拠開示されたのは半数程度にとどまり、弁護側は「依然として出し渋っており、十分ではない」として、さらなる開示を求めた。

 期日間整理手続は、初公判後に事件の争点および証拠の整理を行う必要があると判断された時に実施される。今回の事案では検察側の証拠開示が不十分などの理由で決まった(『乳腺外科医裁判、「期日間整理手続」に移行』を参照)。弁護団は依然として検察側の証拠開示は十分でないとし、被害者の胸に付着したとされる男性外科医の唾液をDNA鑑定する様子や反応を写した写真などを開示するよう要求したという。

 並行して弁護側による検証も進んでいる。弁護人の上野格氏は「証拠開示を巡る攻防が続いている」として、公判再開の見通しは立っていないという。



https://www.m3.com/news/general/501933
医師の女性を不起訴 大阪地検
2017年2月10日 (金) 共同通信社

 大阪地検は9日までに、診察せずに高価な薬の処方箋を渡したとして、医師法違反容疑で書類送検された大阪市住吉区の医師の女性(55)を嫌疑不十分で不起訴処分とした。「犯罪を認定する証拠が十分ではなかった」としている。8日付。

 2015年9月~昨年1月、診察していない患者2人に対する処方箋を交付したとして、大阪府警が昨年9月に逮捕。その後、釈放して任意で捜査し、書類送検していた。府警の調べに「診察したと思う」と供述していた。



https://www.m3.com/news/general/501930
人工呼吸器電源切れ死亡 水戸市の病院、82歳男性
2017年2月10日 (金) 共同通信社

 茨城県警は9日、水戸市酒門町の総合病院「丹野病院」に入院していた男性(82)=同県城里町=が、人工呼吸器の電源が切れた状態で7日に死亡しているのが見つかったと明らかにした。司法解剖の結果、死因は不詳。事故や事件の可能性があるとみて経緯を調べている。

 水戸署によると、7日午後9時10分ごろ、巡回していた看護師(30)が発見した。人工呼吸器のコンセントは外れていなかったが、電源がオフの状態になっていた。

 男性は約2年前に入院し、寝たきり状態で常時、人工呼吸器を装着していた。死亡時は4人部屋でほかに3人の入院患者がいた。病院では2時間に1回程度巡回。約100人が入院しており、男性の階では死亡時、看護師1人とヘルパー2人がいた。

 時間外窓口で勤務していた女性によると、80歳以上の終末期の患者や別の施設からの受け入れが多いという。「(男性患者が亡くなったことは)聞いたが、詳しいことは何も知らない」と戸惑った様子だった。

 病院のホームページによると、病院は1977年に開設。建物延べ床面積は約9600平方メートルで、138床ある。



https://www.m3.com/news/general/501931
腎結石治療、病院側に過失 名古屋市が賠償へ
2017年2月10日 (金) 共同通信社

 名古屋市立東部医療センターで2009年に腎結石の治療を受け、後遺症を負った当時60代の女性について、市は9日、病院側に過失があったとして女性の家族に約1960万円の賠償金を支払うと明らかにした。東京地裁で係争中の訴訟は、和解が成立する見込み。

 市によると院内での情報共有が不十分だったと認め、和解案に注意義務違反があったと疑われると盛り込む。女性は10年6月に粟粒(ぞくりゅう)結核で死亡したが、過失と死亡との因果関係は認めなかった。

 女性は09年6月、腎結石治療で同センターの泌尿器科を受診。その後、整形外科で脊椎の一部がうむ別の病気が分かり、コルセットを着用。同10月、1時間ほどコルセットを外した状態で、体内の結石を破砕する治療を受けた後、下半身にまひが残ったという。



https://www.m3.com/news/general/502094
[医療改革] 医療機関群の名称変更で概ね一致 DPC評価分科会
行政・政治 2017年2月11日 (土)配信厚生政策情報センター

診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(平成28年度第4回 2/9)《厚生労働省》

今回のポイント
●診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会は2月9日、医療機関別係数の見直し議論に入った
○格付けと誤解を受けがちな「医療機関群I・II・III」の名称変更で委員の意見は概ね一致
○複数の参加要件を満たす病院が自ら医療機関群を選択する仕組みの導入も検討課題に

 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会は2月9日、DPC制度(包括医療費支払制度)で1入院当たりの包括報酬の計算に使う、「医療機関別係数」の見直しについて議論した。現在は「I群・II群・III群」となっているDPC導入病院のカテゴリ(医療機関群)の名称を改めることや、病院が自らの意思で医療機関群を選択できる仕組みを導入する方向で、委員の意見は概ね一致した。

 厚生労働省は分科会に医療機関別係数見直しにあたっての考え方を示した(p13~p15参照)。DPC制度の包括報酬(1入院当たり)は、「DPC分類ごとの1日当たり点数」×「医療機関別係数」×「入院日数」で算出される。「医療機関別係数」は、さらに「基礎係数」、「調整係数」、「機能評価係数I」、「機能評価係数II」―の大きく4つに分解することができる。

 基礎係数は包括範囲に含まれる入院基本料、投薬、検査などの出来高点数を係数化したもので、病院の施設特性を評価に反映させるため、病院I群(大学病院本院)、病院II群(大学病院本院に相当する高機能病院)、病院III群(I・II群以外)―の3つの医療機関群ごとに設定されている。考え方は、この医療機関群の名称について、格付けのように受け止められているなどとして変更を提案。複数の群の参加要件を満たせる病院には、自ら選択できる仕組みを導入することについても検討を求めた(p14参照)。

 一方、病院が担う役割と機能を指数化した「機能評価係数II」については、係数の算出に使われる項目の見直しや重みづけをして、より病院の実態に沿った内容に見直すことを課題に位置づけた(p14~p15参照)。

 この日の議論で、医療機関群の名称変更や病院側に医療機関群の選択権を与えることに関しては概ね意見の一致をみたが、III群については、急性期病院から慢性期病院までバラエティに富んだ病院が含まれることから、1つの名称で括るのは難しいとの慎重論もあった。また機能評価係数IIについては、地域医療を連携して支えている病院を1かたまりとして評価できる仕組みを取り入れてはどうか、といった意見があった。



https://www.m3.com/news/general/502026
札幌医大臨床研究で不正か 「委員会承認ない」指摘
2017年2月10日 (金) 共同通信社

 札幌医大病院(札幌市中央区)は10日、腫瘍・血液内科で実施した臨床研究について、安全性を審査する臨床研究審査委員会(IRB)の承認を受けていないとする不正の疑いを厚生労働省から指摘され、調査していると明らかにした。

 病院によると、同科の男性准教授らが2012年に論文を発表した白血病などに関する臨床研究で、昨年8月に厚労省から指摘があった。

 札幌医大にも昨年6月に同様の不正を指摘する匿名の告発文が届いており、厚労省の指摘を受け、詳細な調査を決めた。調査の中で(1)研究で血液の提供を受けた患者の同意書を受け取っていない、(2)研究計画書に沿っていない、との疑いも浮上したという。

 病院はこの研究の調査を続ける一方、今月からは同科に記録が残る2010年以降の臨床研究約150件についても調査を始めた。小野寺誠司(おのでら・せいじ)病院課長は「厚労省に指摘された研究はIRBの承認を受けたと認識しているが、詳細を確認している」と語った。

 厚労省の担当者は「情報提供があり、調査を要請した。具体的な内容を言える段階ではない」と話した。



https://www.m3.com/news/general/501614
金沢医大、請求棄却求める がん手術後死亡で初弁論
2017年2月9日 (木) 共同通信社

 石川県内灘町の金沢医大病院で同県の70代男性が肝細胞がんの手術後に死亡したのは病院側のミスが原因として、遺族が金沢医大に計約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、金沢地裁(藤田昌宏(ふじた・まさひろ)裁判長)で開かれ、大学側は請求棄却を求めた。

 原告側代理人によると、大学側は答弁書で医師間の情報共有が遅れたことが認めたが「手術後に適切な対処をしており、容体急変は予見できなかった」と主張したという。

 訴状によると男性は2015年11月10日、肝細胞がんを針で死滅させる「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)術」の手術を受けた。この際、横隔膜が損傷し出血が続き、11日に死亡したとしている。原告側は「医師間で出血の情報が共有されず、処置が遅れたことが原因」と訴えている。

 原告の代理人弁護士によると、患者の予期せぬ死亡を調査する医療事故調査制度に基づく報告書でも、医師間の連携遅れが指摘されたという。



https://www.m3.com/news/general/501929
予期せぬ死亡30件届け出 医療事故調査制度、1月分
2017年2月10日 (金) 共同通信社

 患者の予期せぬ死亡を対象とした医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)は9日、1月に医療機関から「院内調査」が必要として届け出があった事案は前月比4件減の30件だったと発表した。2015年10月の制度開始以来の累計は計517件。

 内訳は病院(20床以上)29件、診療所(20床未満)1件。関東信越が最多の12件、九州6件、東海北陸と近畿が4件ずつ、中国四国3件、東北1件だった。診療科別では外科5件、内科4件など。

 1月に院内調査の結果報告書が提出されたのは32件で、累計は258件となった。


  1. 2017/02/11(土) 08:41:39|
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