Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月9日 

http://mainichi.jp/articles/20170209/k00/00e/040/257000c
矯正医官
常勤医師、15%の23施設で不在

毎日新聞2017年2月9日 15時00分(最終更新 2月9日 15時00分)

矯正医官の人数と刑務所入所者の高齢者推移

刑務所や少年院など配置定められている全国156施設で
 刑務所や少年院などの矯正施設で働く医師「矯正医官」の配置が定められている全国156施設のうち、約15%にあたる23施設で常勤医師のいないことが、毎日新聞の全国8矯正管区に対する聞き取り調査で分かった。受刑者の高齢化に伴って医療の需要が増す中、法務省は2015年12月から矯正医官の兼業を可能にするなどてこ入れを図るが、医師不足は解消されていない。【岩崎邦宏】

 昨年12月1日の現状を8矯正管区に聞いた。常勤医師の不在施設は、刑務所・少年刑務所・拘置所が計15▽少年院6▽少年鑑別所2--に上った。管区別では「東京」(関東・甲信越と静岡)の10施設が最多。以下、「福岡」4▽「仙台」「札幌」各3▽「大阪」2▽「高松」1と続いた。「名古屋」「広島」で不在施設はなかった。また、定員割れの施設は全体の約31%にあたる49に上った。

 法務省によると、常勤医師が不在の施設では非常勤医師が診療するが、継続的な治療や施設全体の管理、夜間・休日の対応が難しいという。15年末で全国に約5万1000人いる受刑者の6割以上に疾患があるとされ、14年以降の刑務所への新たな入所者で65歳以上の割合が1割を超えるなど高齢化も進んでいる。

 高齢化も影響して疾患は多様化し、外部の医療機関への搬送が増えている。受刑者の入院延べ日数も約1万3000日(15年)と10年前より3割以上増えた。移送や入院の際、逃走を防ぐために原則3人の職員を付ける必要があり、施設側の負担も増している。

 矯正医官が不足している理由について、法務省は民間の医師に比べて給与が4割弱低いことや、最新の医療設備がないためキャリアアップにつながりにくいことを挙げる。現場を知る一人は「患者との信頼関係も築きにくく、医師が好んで来る場所ではない」と漏らす。

 法務省は15年12月、矯正医官にフレックスタイム制を導入し、兼業や外部の医療機関などでの研究も可能とした。矯正局は「医療の危機的な状況が続いている。矯正医官の認知度を高め、医師の確保に努めたい」としている。

矯正医官
 刑務所や拘置所、少年院などの矯正施設で入所者の診察や健康管理をする国家公務員の医師。全国293の矯正施設のうち▽刑務所・少年刑務所・拘置所90施設▽少年院47施設▽少年鑑別所19施設--に配置が定められている。近年は2003年の316人をピークに減少傾向にあり、昨年12月1日現在で定員328人に対し263人にとどまる。定年は65歳。



http://mainichi.jp/articles/20170209/ddf/041/040/028000c
医の原点ここに 「受刑者を診ているという感覚はない」 高松刑務所医官・池田さん
毎日新聞2017年2月9日 大阪夕刊

 罪を犯した人たちを診る矯正医官が全国の矯正施設で不足している。そんな中、高松刑務所(高松市)の総合診療医、池田正行さん(60)は、大学教授から矯正医官に転じて間もなく4年。「最新の医療機器はないが、患者の話を聞き体に触って診察する。ここには医療の原点がある」と、診察を続ける。

 「おはようございます。具合はどうですか」。高松刑務所の診察室で昨年12月下旬、詐欺罪で服役中の男性(75)に池田さんが語りかけた。「物忘れが最近ひどくて」と訴える男性の胸に聴診器を当て、血圧を測り、10分ほどの診察を終えた。「刑務所には高齢者が多い。医師がいると安心できる」と男性は言う。

 池田さんが矯正医官になったのは2013年4月。長崎大医学部教授の任期を終え、「自分を必要としてくれる場所で働きたい」と引き受けた。障害者施設などで長く勤めた経験があり、矯正施設での勤務にためらいはなかった。

 高松少年鑑別所と合わせて週に3回、1日3人程度を診察する。糖尿病や脳卒中、認知症など疾患はさまざまだ。初めて医者に掛かる受刑者もおり、がんが見つかったが手遅れだったこともある。「受刑者だから我慢しろとは言えない。必要な医療を提供すべきだ」と話す。

 男性受刑者が病気を訴えたが、検査でうそだと分かったこともある。人間関係がこじれ、大部屋に居づらくなったためという。「仮病を見抜く技術はあると思っていたが、だまされた」と苦笑する。高度な機器はないものの、五感を使って患者と向き合う医療の原点を、矯正施設で改めて実感する。

 一方、矯正医官には一定の守秘義務があるため、外部の医師と情報交換できないという孤独感もある。高松少年鑑別所も含め、全国156の矯正施設の7割弱は常勤医師の定員は1人だ。「迷った時や悩んだ時にすぐに相談できる仲間がいない。定員割れが解消されても矯正医官の孤独と孤立という問題はなくならない」と指摘する。

 それでも続けるのは患者の笑顔を見たいからだ。診察する場が塀の内側であっても変わらない。「受刑者を診ているという感覚はない。僕と患者との勝負」。そんな思いで聴診器に耳を澄ます。【岩崎邦宏】



http://mainichi.jp/articles/20170210/k00/00m/040/116000c
赤ちゃんポスト
医師確保、資金に課題 関西設置へ

毎日新聞2017年2月9日 22時43分(最終更新 2月9日 22時46分)

 「慈恵病院には関西から年間2000件もの相談があるが、その人たちが熊本まで行けるのか。ならば関西で引き受けたいと考えた」。国内で2番目、関西初となる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」は神戸市北部の山あいにある、住宅街の助産院に設置される方針が決まった。医師や教育関係者で作る団体「こうのとりのゆりかごin関西」の人見滋樹理事長は記者会見で熱意を見せたが、医師や資金の確保、行政との連携などの課題も判明した。

 会見には人見理事長のほか、同団体顧問の蓮田太二・慈恵病院理事長、マナ助産院(神戸市北区)の永原郁子院長も出席。永原院長は「ゆりかごへの預け入れを、最少限にできるよう、工夫したい。宿った命を、社会全体で育てるような社会にしたい」と抱負を述べた。蓮田理事長は「ドイツで最初にゆりかごができたのは保育園で、専門の小児科医の診察を受けさせている」と話し、助産院でも運営は可能との認識を示した。

 しかし会見では、多くの課題が明らかになった。ゆりかご運営には児童相談所を含む行政との連携が不可欠で、昨年9月の設立総会でも確認されていた。しかし、同団体が神戸市に相談に出向いたのは今月に入ってから。費用も基金で賄うなど、実現までには不確定な部分も残る。

 中でも、明確な課題として浮上したのが、医師の確保。例えば、匿名出産や赤ちゃんがゆりかごに置かれた時、診断や治療などの医療行為が必要になるが、医師不在の助産院で同様の処置をすれば医師法に触れることになる。

 厚生労働省医政局は「助産師の業務は分娩(ぶんべん)の介助なので、緊急対応を除き、単独で医療行為をすると助産師の業務の範囲を超える」と説明。「助産院にそうした施設を置くことは想定されていないので根拠法がなく、許可・不許可の判断自体ができない」としている。【井川加菜美、椋田佳代、神足俊輔】

閑静な住宅街に設置
 マナ助産院は神戸市北区の閑静な住宅街にある。ゆりかごが設置される見通しになったことへの住民の反応はさまざま。元会社員の男性(73)は「マナ助産院は皆が頼りにし、地域にも受け入れられている。うまくいったらいいなと思う」と語った。一方、70代の女性は「身元の分からない子供が来るのか。仕組みがしっかりしていないと不安だ」と驚いた様子。「必要な制度だが、本来は行政が担うべきでは。地域住民への説明が必要だ」と話す男性(71)も。

 神戸市は市保健福祉局とこども家庭局の担当者が記者会見した。ゆりかごについて、「必要性は十分に理解できる。医師法をクリアできれば、開設後の児童相談所など関係機関との連携も含め相談に応じたい」とした。【神足俊輔、栗田亨】

07年設置の熊本、相談態勢に力
 ドイツの事例を参考に、2007年5月、日本で初めて「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を開設した慈恵病院(熊本市)。15年度末までに計125人の預け入れがあった。熊本県外からが大半を占めるほか、海外からも確認されている。

 子どもの受け入れが注目される一方で、同病院が力を入れているのが相談業務だ。受付数は年間5000件を超える。妊娠や出産に関する24時間態勢の相談窓口と一体運営し、ゆりかごを利用する前に、特別養子縁組の活用などのさまざまな支援につなげる狙いがある。

 運営面では、熊本市が学識者や医療関係者による専門部会を設置している。定期的に状況を検証し、情報公開しているが、運営停止命令などの権限はなく、一部の運営方針については、市と病院の見解が分かれたままになっている。

 課題としては、匿名で利用できることで、結果的に子どもの出自を知る権利を阻害するとの指摘があるほか、安易な預け入れの助長、自宅・車中出産の危険性などが挙げられている。【井川加菜美】

国の方向性議論を
 こうのとりのゆりかごのモデルとされる「ベビークラッペ」が設置されたドイツでは2014年、「内密出産法」という新たな法律がつくられた。母親の匿名性を担保しながら、医療機関で安全に出産できる仕組みで、子供は16歳になれば情報を受け取る権利を与えられる。同制度と合わせて24時間態勢の無料相談窓口なども導入され、さまざまな事情を抱えて妊娠を誰にも言えない女性を支援するシステムが構築された。

 一方、日本では、慈恵病院のゆりかご開設当時、厚労省が「ただちに違法とはいえない」との見解を示して以降、国としての方向性は示されておらず、法的位置付けも不明確なままだ。子どもの「出自を知る権利」や安易な預け入れの助長など、ゆりかごを取り巻く課題は開設当初から変わっていない。国全体を巻き込んだ議論を進めることができないまま、新たなゆりかごが開設されようとしている。【井川加菜美】



http://www.asahi.com/articles/ASK296S64K29UBQU00S.html
手術後の麻酔で男児死亡 父親が法廷で意見陳述
2017年2月9日20時23分 朝日新聞

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で手術後に麻酔薬を投与され、死亡した男児(当時2)の両親が、担当医師2人に計1億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、東京地裁であった。父親が意見陳述し、「元気だった息子が亡くなったのに、医師たちは説明を拒んでいる。裁判を通じて真相を明らかにし、息子に報告したい」と訴えた。医師側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状によると、男児は2014年にリンパ管腫の手術を受けた後、人工呼吸器を付けた子どもへの使用が原則禁じられている麻酔薬「プロポフォール」を投与され、3日後に死亡した。

 弁論終了後、父親は「手術後の容体管理が難しいことを、なぜ医師は事前に私たちに伝えなかったのか」と、医師の対応を批判した。両親の代理人弁護士によると、麻酔科の医師や看護師に対しても損害賠償を求めて今後提訴するという。



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170209_7
本設診療所、復興への光 陸前高田・気仙町15日開所
(2017/02/09) 岩手日報

 恩賜財団済生会(本部東京都)の陸前高田診療所(伊東紘一所長)は15日、陸前高田市気仙町今泉地区に建設した無床の本設診療所を開所する。同地区は東日本大震災で壊滅し住民の大半が避難していたが、4月に災害公営住宅の入居が始まり、少しずつ住民が戻る。同診療所は地域住民の健康を守るプライマリーケア(基本的な保健医療)のほか、地域で暮らす高齢者や家族を支える訪問診療、豊かでない人への無料低額診療(無低診)などを繰り広げ、新たな一歩を踏み出す地域の復興を支える。

 同診療所は、内科常勤医1人と整形外科の非常勤医師1人、非常勤を含む看護師3人体制で、診察室3室やエックス線撮影室を備える。新たに無低診の相談室も設けた。

 診療は午前9時~午後5時。水、土曜は午後0時半まで。整形外科は金曜のみで、4月からは毎月第4土曜日とする予定。本設診療所の住所は同市気仙町字中井194、電話番号は0192・22・7515。



http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170209/Postseven_491007.html
欧米の安楽死と違う「尊厳死」広まるが法案は国会提出されず
NEWSポストセブン 2017年2月9日 07時00分 (2017年2月9日 07時33分 更新)

安楽死を巡る議論が進まぬ理由は

 世界では安楽死容認の動きが広がりつつあるが、40年以上前に問題提起されながら具体的な議論が遅々として進まない“安楽死後進国”の現状と課題とは──。安楽死は、「積極的安楽死」と「消極的安楽死」のふたつに分類される。前者は「医師が薬物を投与し、患者を死に至らす行為」。後者は「医師が治療を開始しない、または治療を終了させ、最終的に死に至らす行為」と定義される。
 そして、「安楽死」とは別に「自殺幇助」という方法による死に方もある。こちらも、安楽死同様、「積極的自殺幇助」と「消極的自殺幇助」のふたつに分けて考えられる。前者は、「医師が薬物を投与するのではなく、患者自身が投与して自殺する行為」。後者は「回復の見込みのない患者に対し、延命措置を打ち切ること」で、一般的に日本語で表現される「尊厳死」がこれに当たる。
 前提として、日本では「安楽死」は認められていない。1991年に起きた東海大学付属病院事件では、末期状態の患者に対し、医師が家族の依頼を受けて患者に薬物を注射し死亡させたが、医師は殺人罪で有罪判決を受けた。たとえ患者本人が望んだとしても、安楽死を認める法律がないため、医師が罪に問われる可能性がある。
 日本の安楽死をめぐる議論は1976年、医師や学者らが安楽死協会を設立したことに始まる。同会は1978年、「末期医療の特別措置法案」を策定した。第1条にはこうある。
〈この法律は、不治かつ末期の状態にあって過剰な延命措置を望まない者の意思に基づき、その延命措置を停止する手続きなどを定めることを目的とする〉
 ところが、反対派が文化人らを中心とする「安楽死法制化を阻止する会」を立ち上げ、「治療や看護の意欲を阻害し、患者やその家族の闘病の気力を失わせるものだ」、「命ある限り精一杯生きぬくことが人間の本質である」と主張。そうした倫理的観点からの反対論が強く、法制化は立ち消えになった。
 入院患者の9割以上を高齢者が占める木村病院・院長の木村厚氏が解説する。
「安楽死協会の求めた法律は延命措置の停止であり、欧米で行なわれている積極的安楽死とは全く別物でしたが、日本では安楽死という言葉自体に“殺人”のイメージが付きまとい、議論が深まらなかった。そこで日本では、欧米の安楽死とは違う、終末期における『尊厳死』という考え方が広まっていきました」
 尊厳死とは、治療の見込みのない不治や末期の患者が死期を延ばすためだけの延命措置を拒否し、緩和ケアなどで苦しまずに自然な死を目指すというもので、安楽死協会も1983年に日本尊厳死協会と改称した。
 2003年には、尊厳死協会が「尊厳死の立法化を求める請願書」を厚労大臣に提出。そして2005年、超党派の衆参両院議員60人からなる「尊厳死法制化を考える議員連盟」が発足した。現在は「終末期における本人意思の尊重を考える議員連盟」と改称し、参加議員数も約200人を数える。
 しかし、いまだ法案は国会に提出されていない。同連盟会長の増子輝彦・参院議員(民進党)が言う。
「法案(『終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案』)はすでに作成済みです。法案上程の最終段階にありますが、慎重派の声にも耳を傾ける必要があるため、拙速は避けています。個人的な希望としては、今国会中に上程したいと思っています」
※週刊ポスト2017年2月17日号



https://www.minpo.jp/news/detail/2017020938828
県立病院で被災者ケアを強化 中山間地の訪問診療も
2017/02/09 09:04 福島民報

 県は平成29年度から4つの県立病院で、東日本大震災や東京電力福島第一原発事故による精神的ストレスのケア、被災地や中山間地での訪問診療など地域の課題に対応する機能を強化する。矢吹病院(矢吹町)は避難生活の長期化で心身の健康を損ねた被災者らを長期的にケアする体制を整える。宮下病院(三島町)と南会津病院(南会津町)は健康面から地域づくりに積極的に関わり、地元により必要とされる病院を目指す。

 8日に福島市で開かれた県立病院事業経営評価委員会で、県が新たな県立病院改革プランの素案を示した。矢吹、宮下、南会津と30年4月の開所を目指すふたば医療センター(仮称・富岡町)の4病院の取り組みは【表】の通り。
 矢吹病院では施設を全面改修し、被災者への精神的ケアのほか、児童や思春期の患者のための専門病棟を整備する。医師らが引きこもりの児童・生徒らを指導する教員や保健師にアドバイスする。また、常勤医を現在の8人から10人に増やすことも計画している。
 宮下病院は健康食品などの研究拠点機能を持たせる。医師と地元住民が協力し、地場産の野菜などを活用した商品化を視野に入れている。病院は建設から47年が経過して老朽化が進んでいるため、建て替えを含め今後の対応を検討する。
 南会津病院では新たに訪問看護ステーションを開設する。中山間地で通院が難しい高齢者らの自宅を看護師が訪れ、健康状態の確認や家族への介護予防の指導などに取り組む。地域内で実施される観光と健康増進を組み合わせたツアーの内容についても助言する。
 ふたば医療センターは双葉地域の多くの医療施設が再開していない実情を踏まえ、訪問診療を行う。医師、看護師、作業療法士らの専門チームを設け、病気の治療と在宅リハビリなどに応じる。
 県は28年度内に改革プランを策定する。29年度から各病院の施設整備の基本計画づくりなどを本格化させ、32年度までの4年間で順次事業化する。ふたば医療センターでは全国的に不足する看護師らの確保の協力を首都圏の自治体に呼び掛けている状況だ。新たな事業を実施するために必要な人員体制を整えられるかが課題となる。
 改革プランの素案では県立病院事業会計の改善目標も設定した。これまでの赤字の合計に当たる累積欠損金を28年度現在の68億4千万円から32年度までに8億円減らす。
 旧会津総合(会津若松市)、旧喜多方(喜多方市)両病院の跡地を30年度、旧リハビリテーション飯坂温泉病院の跡地を31年度にそれぞれ売却して充当する。訪問看護など新たな診療の実施で収益力の向上を図るほか、治療費の未収金対策を強化する計画だ。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170209_2
広田診療所再建の寄付金全額返還へ 復興委に陸前高田市
(2017/02/09) 岩手日報

 東日本大震災で全壊した陸前高田市広田町の国保広田診療所の再建のため、市に2600万円を寄付していた同診療所復興委員会の幹事で、同診療所の近江三喜男・前所長の妻八千代さん(66)は8日、市と協議し、議会の議決を経て市が全額返還することが決まった。「広田のためにつながる支援がしたい」と今後も市と協議し用途を決める。

 同復興委は市に対し、事前に①寄付金の返還時期②広田町在住の医療、介護を目指す子どもへの奨学金制度設立の可否-を文書で質問。市は①寄付金は議会の議決後に速やかに返還手続きを行う②特定地域の子どもへの制度設立は市ではそぐわない-と回答した。

 同日は同診療所への支援や市の医師養成奨学金への寄付など多彩な活用を検討。今後も協議を継続する。

 八千代さんは「夫も、支援してくれた方も、広田町への思いは強い。皆さんの思いに応えられる使い方を考えたい」と模索する。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/306880
中津市民病院から福大医師引き揚げ 24時間小児診療中止へ 4月から、平日夜間や休日対応特化 [大分県]
2017年02月09日 06時00分 西日本新聞

 24時間態勢など手厚い医療サービスで子育て世帯から高い支持を受けていた中津市民病院小児救急センターが、4月から24時間診療対応を中止することになった。小児科医7人の派遣元の福岡大医学部が全員引き揚げるのが理由。市は、センターを病院から分離して平日夜間や休日の対応に特化。市医師会などに要請し、開業医を交代で派遣してもらうことにした。

 同病院の小児科医8人は、副院長を含め全員が福大出身者あるいは派遣された医師だった。2015年9月、病院開業や女性医師の出産などの理由から副院長を除く7人を引き揚げたいとの要請を福大側から受けた市は、対応策を検討。大分大からの支援などを受け常勤医5人は確保したものの、従来通りの24時間対応は困難と判断した。

 17年度からは、市民病院からセンターを分離。常勤5人は市民病院所属とし、入院や重篤な小児患者の治療や平日日中の外来の対応に当たる。センターは、平日午後7時~午後10時と土日休日の午前9時~午後10時(いずれも最終受付は午後9時半)まで診療。市医師会の小児科医を中心に交代で勤務する。午後9時半以降は、電話相談のみとなるが、ベテラン看護師が診察の必要性を判断するという。同病院によれば、午後10時から翌日午前8時半までの利用者は1日平均5人。適切な利用を促す啓発を行っていけば、ほぼ1日1人程度にできるとみている。「緊急性があれば市民病院で診療するので影響はほぼないと思う」と話す。

 同病院は、中津、宇佐、豊後高田の県北3市と福岡県の豊前、上毛、築上の1市2町の県境を越えた国の「九州周防灘地域定住自立圏」の拠点病院。福岡県側からの夜間・休日小児救急外来患者も全体の1割強を占める。今回、センター分離により、人件費など構成自治体の負担は新たに2500万円増える見通しだが、各自治体の了解は得ているという。

 7日会見した奥塚正典市長は「24時間小児科診療の維持は大変厳しく、市民への影響を最大限緩和できるよう工夫した。医師増員に向け全力を傾注したい」と話した。



http://www.medwatch.jp/?p=12317
DPC、病院が自主的に医療機関群を選択できる仕組みを導入できないか―DPC評価分科会
2017年2月9日|医療・介護行政をウォッチ  MedWatch

 DPCのIII群を、例えば「地域医療に貢献するグループ」「専門特化したグループ」などに分けて機能評価係数IIの重みづけを変え、病院が自主的にグループを選択する仕組みを導入できないか。その際、要件を満たすことを条件にII群とIII群と医療機関群の選択も可能な仕組みにできないか―。

 9日に開かれた診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会で、こういった検討が始まりました(関連記事はこちら)。

 また厚生労働省からは「後発医薬品係数は機能評価係数I(出来高の加算として評価)として評価する」「重症度係数は他の係数との整理を行う」という提案も行われています。

ここがポイント!
1 III群を機能に応じてグループ分けし、機能評価係数の重みづけを変えられないか
2 後発医薬品係数、役割を終えており、機能評価係数Iで評価してはどうか
3 調整係数の2018年度改定での廃止、分科会委員から異論は出ず

III群を機能に応じてグループ分けし、機能評価係数の重みづけを変えられないか

 2018年度診療報酬改定に向けてDPC改革論議がにわかに動き始めました。9日の分科会では、(1)基礎係数・医療機関群(2)機能評価係数II(3)調整係数―の3点について見直しの方向を検討しています。

 (1)の基礎係数・医療機関群については、過去の改定論議でも「III群の細分化を行うべきではないか」「I・II・III群が格付けのようになってしまっている。病院が役割・機能を選択できるようにすべきではないか」との指摘が出されていました。これを受け、厚労省は次のような方向で検討してはどうかとの提案を行いました。

▼I群・II群の要件は、原則として現状を維持する

▼医療機関群の設定に関し、「合理性のある視点」があるか、さらに分析する

▼複数の群の要件を満たせる場合には、病院が自ら選択できるような方式の可能性を検討する

▼群の名称を変更する

 具体的な姿としては、現在のI群・II群・III群という3つの大きな区分けを維持(つまり基礎係数は3区分)したうえで、「III群の中で『地域医療に力を入れるグループ』『特定の診療科に専門特化したグループ』などに分類し、グループに求められる機能と自院の機能を見て、病院が自らグループを選択する」といったイメージが考えられます。その際、例えば機能評価係数IIの重みづけをグループごとに変える(例えば地域医療貢献グループでは地域医療係数の重み増し、効率性係数の重みを減らすなど)ことなども考えられます。仮にこれが実現すると、「II群の要件を満たしそうだが、III群のほうが医療機関別係数が高くなり、自院の機能もこのグループにマッチする」といった病院が出てくると考えられ、この場合には「II群とIII群との選択権」を付与するという仕組みもイメージできます。この点、厚労省保険局医療課の担当者は「係数が告示されてからシミュレーションをし、II群よりもIII群のほうが経営的に良いのでIII群を選択する、という仕組みではなく、事前に機能と要件を示し、これを病院に選択してもらう仕組みを考えている」と説明しています。

 もっとも「どういったグループ分けができるのか」「要件をどう設定するのか」という大きな前提問題の解をこれから探らなければいけません。また機能評価係数IIの重みづけを変えるといっても、財源には限界があることから「すべてのグループで機能評価係数IIが高くなる」といった事態はありえません。このため委員の多くは見直し方向に賛意を示しています(例えば山本修一委員・千葉大学医学部附属病院長は「機能評価係数IIの重みづけを変えることでII群・III群の境界問題は相当程度解決する」とコメント)が、導入に向けて検討・解決すべき課題は少なくありません。

 また、現在の「I・II・III群の名称から格付けを想定してしまう」との指摘があることを踏まえ、委員間では名称を見直す方向が了承されています。冗談めかして「花組、月組といった宝塚歌劇団方式を採用すれば格付けの問題は生じない」と述べる識者もおられますが、このテーマに関連して井原裕宣委員(社会保険診療報酬支払基金医科専門役)は「II群の中にも、2012年度改定当初から継続してII群の病院と、II群とIII群を行ったり来たりする病院とある。両者の特徴を分析することで、名称を考えるヒントを得られるのではないか」という旨をコメントしています。この点、委員から具体案は出ていませんが、機能を表す名称が検討されることになりそうです。

後発医薬品係数、役割を終えており、機能評価係数Iで評価してはどうか

 (2)の機能評価係数IIについては、導入時の6係数(保険診療(旧データ提出)、効率性、地域医療、複雑性、救急医療、地域医療)の枠組みは生かしたまま、▼地域医療係数について医療計画の見直しなどを踏まえた対応▼重症度係数について、目的と内容を検証したうえでの名称変更や他係数との整理▼後発医薬品係数について、機能評価係数Iと合わせた整理―を検討していくことになります。

 厚労省は「後発医薬品指数・係数の分布を見ると、多くの病院が上限に張り付いており、機能評価係数IIとしての役割を終えたのではないか」と判断。出来高の「後発医薬品使用体制加算」(使用率に応じて28-42点)をもとに、他の入院基本料等加算などと同様に機能評価係数Iとして評価したい考えです。これについて委員の多くは賛意を示しましたが、石川広己委員(日本医師会常任理事)は「梯子を外すような見直しは好ましくない」と明確な反対姿勢を示しました。

 また重症度係数は、先の2016年度改定で「調整係数から機能評価係数IIへの置き換えの中で評価されない部分」を評価する係数として導入されたものですが、資源投入量に着目した計算式となっていることから、効率化を進めた病院では極めて低い値(ゼロのところも少ないない)となっており、一部には「非効率係数である」との批判まであります。この点、福岡敏雄(倉敷中央病院総合診療科主任部長)が「導入の影響を詳しく分析する」ことを求めたほか、井原委員からは「必要な医療提供を行った点を評価する視点と、効率化・標準化を評価する視点のバランスをとることが重要である」との意見が出されています。

 なお井原委員は「改定の都度に係数が変わることは好ましくない。固定せよとは言わないが、頻回な見直しは避けるべき」と述べ、安定的な制度構築・運用を要望しました。

調整係数の2018年度改定での廃止、分科会委員から異論は出ず

 (3)の調整係数は、2018年度改定で完全に置き換え(廃止)られる予定となっています。これまでの改定で25%(2012年度)・50%(2014年度)・75%(2016年度)と段階的に置き換えられていますが、その際に病院経営に大きな影響が出ることを避けるために激変緩和措置(調整係数の財源の中での措置)が行われていますが、調整係数が廃止されるに伴い激変緩和措置をどうするのか、という検討課題もあります。

 この点について委員の多くは「2018年度改定での廃止」を是としています。また激変緩和措置については「医療機関群別に見るとI・II群は少なく、ほとんどがIII群である。激変緩和措置を行うにしてもIII群だけでよい」(小林弘祐委員:北里研究所理事長)、「小規模な病院で激変緩和対象が多く、激変緩和が必要な要因を分析する必要がある」(川瀬弘一委員:聖マリアンナ医科大学小児科教授)といった指摘が出されました。また池田俊也委員(国際医療福祉大学薬学部教授)は「患者の重症度を評価するCCPマトリックスを拡大することで、重症患者への対応(調整係数や重症度係数を導入した目的の一つ)が可能になるのではないか」と見通しています。調整係数の完全廃止によって大きな打撃を受ける病院があった場合、どのような支援・救済を行うのか、今後も検討が続けられます。


 DPC改革案は、遅くとも年内にDPC分科会で固め、中央社会保険医療協議会の診療報酬基本問題小委員会に報告することになります。にわかにDPC改革論議が本格化しており、今後の動きに要注目です。

   

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201702/20170209_63021.html
<病院贈収賄>医師を懲戒免職
2017年02月09日木曜日 河北新報

 福島県いわき市は8日、市立総合磐城共立病院の心臓血管外科部長で、収賄罪に問われ公判中の近藤俊一医師(51)を懲戒免職にした。
 判決は福島地裁で3月9日に言い渡される予定。市は近藤医師が昨年12月の初公判で起訴内容を認め、今年1月には市に対しても文書で認めたため処分した。
 起訴状によると、2013年11月~16年8月、使用する器具の選定で便宜を図った謝礼として、医療器具販売会社の社長から、いわき市内のマンション賃料や北海道への旅費など計535万円の賄賂を受け取ったとされる。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/55135/Default.aspx
薬価毎年改定 “価格乖離の大きな品目”は金額ベースも視野に議論
公開日時 2017/02/09 03:52 ミクスオンライン

中医協薬価専門部会は2月8日、“価格乖離の大きな品目”を薬価改定するための、中間年の薬価調査のあり方について検討を開始した。現在の薬価本調査は、薬価と市場実勢価格の乖離幅(率)を把握する目的で2年に1回実施されている。これに対し、中間年の薬価調査は、通常改定と異なる目的で実施される。中間年の対象品目は、新薬創出加算品目、長期収載品、後発医薬品など全品を調査する。調査の概要は今後詰めることになるが、現行の薬価本調査の枠組みについては踏襲する考えもある。一方、後発医薬品の数量シェアが80%に近づくに連れ、単品総価取引が実質的に増える懸念もあることから、製薬業界と厚労省は、単品単価の定義や未妥結減算についての議論に今後着手することになる見通しだ。

昨年12月に4大臣合意した「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」では、「現在2年に1回行われている薬価調査に加え、その間の年においても、大手事業者等を対象に調査を行い、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」ことが盛り込まれた。

通常、薬価改定の前年の秋に行われる薬価本調査では、薬価基準に収載された全医薬品について、規格ごとの市場実勢価格と薬価との乖離幅(率)、薬効群別の乖離率や後発医薬品の数量シェアを明らかにし、これに基づいた改定が行われている。これに対し、中間年に行う薬価改定は、乖離率に限らず、金額を含めた「価格乖離の大きな品目」に焦点をあてる方針だ。

価格乖離の大きな品目として、生活習慣病薬など類似品が市場に多数存在し、品目間で競争環境にある長期収載品や後発医薬品などがあがるが、仮に金額ベースであれば、乖離率が小さくても高額薬剤が該当する可能性がある。現行の新薬創出加算品目については薬価の引き下げが猶予されるため、このルールから除外されるが、4大臣合意した「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」では、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度についてもゼロベースで抜本的に見直すと明示されており、今年5月以降の中医協での議論如何によっては、新ルールの対象品目に影響が出る可能性もあるところだ。

◎大西経済課長「国民負担軽減図る薬価改定、薬価調査を」

この日の中医協でも、診療側の松原謙二委員(日本医師会副会長)は、「高額な薬剤に絞ってみて乖離が大きければ修正していくのがあるべき姿ではないか。安い品目で努力するよりも下がる可能性があるものを下げるのが、財政上一番大きい」と指摘。これに対し、厚労省医政局の大西友弘経済課長は、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針について、「国民負担の軽減を図る観点からというのが基本的な考え方」と説明。この理念に合致した薬価改定、薬価調査を制度設計する考えを示した。

調査対象については、2015年度の本調査の客体をみると、①日本医薬品卸売業連合会83社(1301客体)、②日本ジェネリック医薬品販社協会87社(144客体)、③直接販売しているメーカー営業所7社(76客体)、④それ以外の営業所4759客体――を対象にしている。これまでは医薬品卸側への負担が大きいことも指摘されていたが、ICTを活用した体制の整備の進んでおり、調査の負担軽減は進んでいるとの見方もある。

診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、塩崎厚労相が昨年12月7日の経済財政諮問会議に、四大卸で売上高の75%をカバーしているとのデータを提出したことを引き合いに、「中間年の調査は、四大卸を中心ということだろう。すべてを対象とすることには、正確性の観点から違和感がある。中間年の調査は、卸売業者も医療機関も薬局も極力負担が少ない簡便な方法でやるべきではないか。正確性にずれがあるのであれば、本改定で修正すればいい」と指摘。これに対し、大西経済課長は、調査客体や事前に公表することで、公正な取引に影響を及ぼす可能性があることや、価格を把握できない品目があると説明。「調査対象に漏れがあることも加味する必要がある。全体として簡素な調査にしたい」と述べた。一方で、病院や診療所、保険薬局などの購入サイドについては効率性の観点から見直す方針だ。

そのほか、調査の実施開始時期については、2019年10月に消費税増税が見込まれることから、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、中間年の調査が実質的にスタートするのは2021年であると想定した上で、「あまり拙速に議論する必要がない」と指摘した。ただ、厚労省内には2019年10月実施予定の消費税増税が再度先送りされるとの懸念もすでにあがっている。4大臣合意でも調査自体の見直しは今年中に結論を得るとされており、議論は早急に進める必要があるとの声もある。

◎費用対効果評価  制度化へ向け検討開始 今夏めどに中間とりまとめ

同日開かれた中医協費用対効果評価専門部会は、費用対効果評価の本格導入、制度化に向けて議論を開始することを了承した。昨年12月に4大臣で合意された薬価制度の抜本改革に向けた基本方針を踏まえたもの。対象品目や医療技術の選定のあり方、総合的評価(アプレイザル)等のあり方、費用対効果評価の反映方法などについて具体化に向けた議論を進め、今夏頃を目途に中間取りまとめを行う。

費用対効果評価は、2016年度診療報酬改定で試行的導入され、現在医薬品7品目、医療機器6品目を対象として分析が進められている。



https://www.m3.com/news/general/501591
【東大】水準が高すぎ?東大推薦合格、今年も枠満たさず
2017年2月9日 (木) 読売新聞

 東京大学は8日、2年目となる推薦入試で71人(前回比6人減)が合格したと発表した。 募集枠は新入生の約3%にあたる計100人程度だったが、法、教育、理をのぞく7学部で募集人数を下回った。全体の募集枠を満たさなかったのは2年連続。

 受験者173人に対し、合格者は男子44人、女子27人。現役生は70人で浪人生は1人だった。

 今年は高校159校が受験生を推薦したが、2年連続で推薦したのは54校にとどまった。高校からは、科学コンテストの入賞実績など求められる水準が高すぎるとの声が上がっている。

 南風原朝和副学長は「高校側との連携が十分でなかった。生徒を推薦してもらえるように説明していきたい」と話した。



https://www.m3.com/news/general/501614
金沢医大、請求棄却求める がん手術後死亡で初弁論
2017年2月9日 (木) 共同通信社

 石川県内灘町の金沢医大病院で同県の70代男性が肝細胞がんの手術後に死亡したのは病院側のミスが原因として、遺族が金沢医大に計約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、金沢地裁(藤田昌宏(ふじた・まさひろ)裁判長)で開かれ、大学側は請求棄却を求めた。

 原告側代理人によると、大学側は答弁書で医師間の情報共有が遅れたことが認めたが「手術後に適切な対処をしており、容体急変は予見できなかった」と主張したという。

 訴状によると男性は2015年11月10日、肝細胞がんを針で死滅させる「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)術」の手術を受けた。この際、横隔膜が損傷し出血が続き、11日に死亡したとしている。原告側は「医師間で出血の情報が共有されず、処置が遅れたことが原因」と訴えている。

 原告の代理人弁護士によると、患者の予期せぬ死亡を調査する医療事故調査制度に基づく報告書でも、医師間の連携遅れが指摘されたという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/501535
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
薬価の「中間年」の調査、本調査とは別
厚労省案、診療側は支持、支払側は異議呈する

2017年2月9日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)は2月8日、薬価制度の抜本改革のうち、「薬価調査」の在り方について議論、2年に一度の薬価改定の「中間年」に当たる調査を、本調査と同様に行うか、簡易な方法で実施するかについて、支払側と診療側の意見は分かれた(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 厚労省は、塩崎恭久厚労相ら4大臣会合で合意した「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」(2016年12月20日)を基に、薬価調査改革の論点として、(1)中間年の薬価調査の在り方(可能な限り簡易な調査にして負担軽減を図るべきではないか、その場合の調査手法や調査対象はどうするか、など)、(2)薬価調査結果の正確性や調査手法の検証(正確性担保の観点から公表事項の拡大、流通改善を同時に進めるなど)――の二つに分けて提示。(2)は、2年に一度の薬価改定に先立ち行う本調査を念頭に置いた課題だ。

 全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、この議論の進め方に対し、「まず現行の薬価調査の課題を明らかにし、その解決方法を見いだし、その上で中間年の調査として特別な配慮が必要かどうかを議論するのが順序ではないか。今の本調査を毎年実施した場合に、何が問題かなどを提示してもらわないと、判断できない」と異議を唱えた。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏も、「本調査と中間年の調査は、スケールの差はあっていいが、バランスを欠くことになるため、あまり考え方に違いがあってはならない」とコメント。2019年10月の消費増税対応のために薬価調査が想定され、2年に一度の本調査もあるため、「中間年の調査は、2021年(の改定用)になるのではないか。あまり拙速に議論することもないと思う」との意見も述べた。

 これに対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「基本方針には必ずしも賛成ではない」と前置きしつつ、厚労省の提案を支持。塩崎恭久厚労相が2016年12月7日の経済財政諮問会議で、四大卸で売上高の約75%を占めるデータなどを提示している事実を踏まえ、「基本方針通りにやるのがいいのではないか。中間年の調査は、極力負担の少ない方法で実施し、何らかのかい離があるなら本調査で修正すべき」と求めた。

 厚労省医政局経済課長の大西友弘氏は、「中間年は、本調査と同じではなく、違う調査の実施を前提としている。簡単にできるものは簡単に、という考え方で論点を整理した」と説明、その理由として、中間年の調査の目的は、薬価と実勢価格のかい離が大きい薬について改定するのが目的であることを挙げた。ただし、基本方針で「全品対象に、毎年薬価調査を行う」とされており、直販メーカーもあることから、四大卸で全品をカバーできない可能性もあるとした。ただし、「全体としてなるべく簡素な調査にしたい」(大西課長)。

 今後、「中間年」の薬価調査の在り方は、四大卸の品目数ベースのカバー率などのデータを基に、議論が進むとみられる。

 そのほか、医療機関等への薬価調査は、都道府県を通して行われることから、業務委託やオンラインでの対応など、業務の簡素化・効率化を求める意見のほか、「総価山買い」という流通慣行を改め、個々の薬の取引価格が分かる単品単価の取引を進めるべきとの意見が出た。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/201702/549973.html
私の視点
奈良県警を刑事告発した岩手医科大学の出羽厚二氏に聞く
勾留中の医師死亡、ずさんな鑑定書に疑義
鑑定書を書いた法医B氏もコメント

2017/2/10 聞き手は満武 里奈=日経メディカル

 2010年2月に奈良県警に業務上過失致死の容疑で逮捕された男性医師(当時54歳)がその19日後に留置場内で倒れ、死亡したのは、取り調べ中に警察から暴行を受けたことが原因だったとして、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏が奈良県警察本部に刑事告発した。出羽氏に刑事告発するに至った経緯と思いを聞いた。

※記事の最後に、当時の解剖を担当した医師による出羽氏への反論コメントを掲載しています。


1985年新潟大学卒。同年から新潟大学医学部麻酔科で研修を開始し、1987年5月からは同大学助手(法医学)、1996年10月からは助教授を務める。2009年6月に岩手医科大学教授に就任。2007年に時津風部屋で発生した力士暴行事件でその事実を明らかにした法医学者として知られる。

――出羽先生が当時の資料を目にしたのは、2014年夏に遺族側から意見書を書いてほしいという打診があったのがきっかけだったそうですね(参考記事)。
出羽 はい。当時、手に入っていた解剖記録(鑑定書とは違うもの)のほかに複数の写真を見たのですが、全身のいたるところに皮下出血があり、特に右下肢の皮下出血は黒色を呈していました。これらの皮下出血は、骨格筋の崩壊、横紋筋融解症を十分に起こし得るもので、死亡原因になってもおかしくないと感じたのを覚えています(写真1)。

――しかし、司法解剖では急性心筋梗塞と診断されていたと。
出羽 はい。死亡した男性医師は、逮捕当日にある病院で診察を受けていますが、この際の血圧は159/94で、「やや高めであるものの、その他特に大きな異常を認めず」と診断されていました。しかし、死亡前日に別の病院を受診した際は、医師の質問に答えることができないほど衰弱しており、CK(クレアチンキナーゼ)値が14280 IU/Lと異常値になっていました。逮捕時のCK値が144 IU/Lと正常値だったことを踏まえると、勾留期間中に男性医師に何かが生じたことを意味しています。さらに、死亡前日に病院で輸液2000mLをしたにもかかわらず排尿を確認できないまま留置所に戻されています。医師なら誰しも「急性心筋梗塞」の診断は変だと思うことでしょう。私の他に3人の医師が意見書を出していますが、いずれも心筋梗塞を否定しています。

 さらに鑑定書には非常に矛盾したことが書かれていました。「外表には頭部、胸部および上下肢に損傷が認められるが、これらの損傷はこれらの部位に鈍体による外力が軽度から中等度に作用して生じたものと判断される」と記載され、「これらの所見から考察されることは,急性腎不全の原因として横紋筋融解症が考えられる」と指摘しています。しかしながら最終的には死因は「急性心筋梗塞の発症が原因」と結論しているのです。鑑定書において分析と、結論としての死因に、齟齬があると言わざるを得ないでしょう。

 A氏には狭心症の既往歴がありました。当初、A氏の遺族は奈良県警を相手取り、民事訴訟を起こしていました。この訴訟は、当初はなぜA氏の心筋梗塞を防げなかったのかという、奈良県警の留置業務の管理責任を問うものでした。しかしながら、心筋梗塞は否定的でしたし、あのような皮下出血でしたから、途中から「これは暴力があったのではないか」という訴状に変更されたのです。

 この事件の不幸中の幸いのことは、死亡前日の検査データがあることです。通常、司法解剖の事例では死亡前日のデータがあることはほとんどありません。前日の診療録を見ると、診察医が「歩行可」と書いてあるわけです。よく考えて下さい。通常に生活している人を診療しても、「歩行可」とは書きませんよね。つまり、何か歩行できないような外観や状態になっていた可能性が推測されます。さらに診療録には「失禁あり」と書かれています。そんな患者を入院させずに留置所に返してしまっているのです。多くの医師がこの判断に驚くわけです。

――鑑定書を見たときの感想を改めてお聞かせください。
出羽 そうですね。まあ厳しい言い方をすればお粗末と言っていいでしょう。「もっと慎重に解剖するべきだった」と一言言いたいです。

 留置中の被疑者が死亡して、下肢に広範な出血が認められたわけですから、法医たるもの、その傷と死亡の因果関係を知りたいと思うわけですが、そうした観点から丁寧に調べたようには私には見えませんでした。鑑定書には下腿の皮膚を切っている写真もあり、「筋膜下に出血している」と記録されています。しかし本来であれば、この筋肉部分にさらにメスを入れ。筋挫滅を起こしていないか確認するべきです。鑑定書に筋挫滅に関する記述と写真がないことを意見書で指摘したところ、解剖医は筋挫滅の有無は確認したがその形跡はなかったことを後日法廷で主張しています。もし、私が司法解剖するのであれば、下腿の皮下出血面が一緒に映り込むかたちで、筋挫滅の有無を写真に残します。そうでなければ筋挫滅がなかったと言われても信憑性は低いのです。



 2010年4月27日付けで作成された鑑定書によると、A氏の死因は「急性心筋梗塞と考えるのが妥当である」と記載されています。そして、急性心筋梗塞の診断根拠として解剖医は、「組織学的所見で心臓において、脂肪組織が心筋内に浸潤し、間質の浮腫、横紋筋の消失、巣状の線維化を認める」ことを挙げています。この鑑定書には心臓の組織切片のヘマトキシリン・エオジン染色の写真が数枚ほど添付されているわけですが、何カ所か疑問点があります。まず、「脂肪組織の心筋内への浸潤」だと記載された所見ですが、他の死因であっても認められる所見で,心筋梗塞の根拠となる所見ではありません。さらに「巣状の線維化」についてですが、これは急性期の心筋梗塞の所見ではなく、数カ月ないし数年前に起こった心筋壊死部が瘢痕化した所見です。慢性的な心筋虚血があったことは示唆されますが、このような所見は中年以上の成人にはしばしば見られるもので、これをもって急性心筋梗塞で死亡したと考えるのは少し強引といえるでしょう。

 さらに鑑定書には「前下行枝起始部2.0cmの部位に長さ1.0 cmにわたって狭窄を認める。左回旋枝および右冠状動脈はいずれも硬化、狭窄軽度~中等度に認める」との記載がありますが、冠動脈がどの程度狭窄していたかを示す非常に重要な肉眼所見の写真も組織像も一切ありません。

 最も問題なのが、急性心筋梗塞の根拠としているこれらの写真の信憑性です。

 写真2と3それぞれ「心筋間質の浮腫」と「横紋の消失」の2つの所見を示すために鑑定書で示しているわけですが、この2つの写真をよく見ると、ほとんど同じ部位を撮影した組織像であることが分かります。2つを重ね合わせたものが写真4になりますが、しっかりと像が重なっています。写真の明るさを変えて、あたかも別の写真のように掲載していますが、同じ部位の写真です。これを基に、それぞれ「心筋間質の浮腫」と「横紋の消失」の所見に言及しています。また、心筋の横紋を見たいのであれば、写真3のこの切片では見えません。切断方向を誤っています。


写真2(左)と写真3(右) 鑑定書に掲載されている写真(提供:出羽氏)
それぞれ「心筋間質の浮腫」と「横紋の消失」の所見があると鑑定書では言及している。


写真4 写真2と写真3を重ね合わせたもの(提供:出羽氏)
2枚の写真は重なり、同じ像であることが推測されると出羽氏は指摘している。

――司法解剖の鑑定でそんなことってあるのでしょうか。
出羽 もちろん、あり得ません。もし何らかの理由で隠蔽工作する必要があったのなら、もっとうまくやれよという話ですよ(笑)。

 遺族が訴訟提起前に司法解剖担当医から受け取った解剖記録からは、横紋筋融解症の可能性を指摘する文章だけが削除されていました。また、打撲による筋膜表面の出血を示す写真が添付されていなかったのです。鑑定書の内容を簡易にしたものを渡すのであればまだしも、横紋筋融解症の可能性を指摘する部分の文章と重要な写真がないとなると、疑ってくれと言っているようなものです。

 この事件に関わる中で感じたのは、世の中の人たちは「死亡したA氏」イコール「山本病院事件」と見なしているという事実です。これは、慎重に考え直す必要があると感じます。山本病院事件は、多くの生活保護受給者を入院させ、過剰診療や診療報酬の不正請求を繰り返したもので、開院から10年後の2009年7月1日に院長と事務長が逮捕されました(参考記事)。一方のA氏は2006年4月1日から勤務開始し、6月11日に逮捕理由となってしまった肝臓手術に助手として参加、同病院を退職したのは8月16日と、4カ月しか勤務していません。A氏が死んだ今、A氏がどれくらい関与したのかという点については全容を解明しようがありませんが、マスコミがこの事件の報道に腰が引けているのはこういった事件の複雑さがあるからだと思います。

――山本病院事件の特殊さがA氏の勾留に影響を与えた可能性はありますか。
出羽 その可能性はあると思います。

 奈良県警は当初、山本病院での一連の事件を詐欺事件として起訴するため、捜査を続けていたはずです。慣れない医学用語と格闘したはずです。その過程で肝臓手術死亡事案傷害事件として起訴できると警察側は考えたのでしょう。しかし、地検がそれを取り下げさせたため、当初の障害致死よりも刑が軽い業務上過失致死での起訴となったのです。ですから、奈良県警には相当なフラストレーションが溜まったであろうことは容易に推測されます。「こいつが口を割れば」と思い、勢い余ってA氏に暴力をふるったとしたら、話のつじつまが合うのではないかと思っています。

――出羽先生は11月15日に、容疑者不詳のまま、特別公務員暴行陵虐致死罪で奈良県警察本部に刑事告発し、これが受理されました。
出羽 正直、びっくりしましたね。ずっと「預かり」のまま、忘れたころに「容疑はない」と言われるのかと思っていましたから。担当する弁護士によると、随分と早いスピードで受理されたということです。

――この先、どのように進んでいくのでしょうか。また、どのような影響を期待していますか。
出羽 1つは、警察という組織のあり方を見直してほしいです。例えば、警察は客観性を担保するため、取り調べ管理官や留置管理官など担当を分けています。しかし、所詮は同じ組織であって、自律には限界があるということです。今回は、医学的知識がない人が見ても一目で分かるくらいに下肢の皮下出血がひどかったのに相互チェック機能は働かなかったのですから。

 そして、何よりも全容を解明する必要があります。その先には残念ながら法医学への批判が起こることでしょう。

 この事件に関連して、遺族側が奈良県を相手取り、2013年に民事訴訟を提起していますが、2016年12月27日に奈良地裁は遺族側の請求を棄却しました。勾留中にA氏が死亡したことに関してその管理責任を問う裁判でしたが、結局、皮下出血の事実には一切触れない形で、勾留中の管理方法に問題なかったといった判決となってしまいました。遺族側は控訴する方針のようです。

 12月26、27日には私が刑事告発した件に関して、告発先である奈良県警で意見聴取が行われました。合計7時間30分ほどの時間を掛け、告発状の内容を一つ一つ確認されました。しかし、こちらの知りたい留置管理記録など捜査状況について質問しても、一切回答してもらえませんでした。1日も早く全容を明らかにすべく、今後も全力を尽くしたいと思います。

【解剖を担当した法医のB氏からのコメント】

 あくまで仮定の話になるが、暴行の事実を把握しながらその事実を鑑定書で伏せるようなことは当然ながら一切していない。あたかも私が警察の味方をしていると決め付けているようだが、警察の指示通りに鑑定書を書くなどということはあり得ず、非常に心外だ。

 記事中で言及されている医学的所見に対し、言いたいことは多くあるが、具体的な発言はこの場では控えたい。遺族が上告したと聞いているので、今後、司法の場で機会があればその場で意見を述べるつもりである。

 下肢に広範囲に皮下出血が見られることは、転落や転倒など他の要因でも生じ得る。それを、出羽氏は「暴行」と決めつけて、全ての所見から都合のよいデータだけを取り出して語っている。

 この件にかかわらず、私は常に中立であることを心掛けている。今回の結論は、その結果である。他の可能性を議論せず、なぜ出羽氏はこの事案を一方的に「暴行」と決めつけるのか私には理解しがたい。




  1. 2017/02/10(金) 05:19:33|
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