Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月1日 

https://www.m3.com/news/general/499054
東大病院、男児に薬誤投与 翌日死亡「何らかの影響」 看護師が取り違え
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 東大病院は31日、看護師が入院中の患者に薬剤を誤投与する医療事故が2015年にあったと発表した。患者側の谷直樹(たに・なおき)弁護士によると、当時、東京都内の男児で、翌日に死亡した。病院は、薬剤の誤投与が「死亡に何らかの影響を与えた可能性がある」としている。

 病院によると、多臓器の障害があり重篤となっていた男児に対し、胃に内服薬を注入する処置をした際に発生。看護師は内服薬を準備後、電話対応などのため作業をいったん中断、再開する際、近くにあった別の患者の内服薬と取り違えた。

 看護師は準備した薬の注入器具に患者の氏名を記していた。取り違えたものには氏名の記載がなかったが、投与時に最終確認をせず、誤りに気付かなかった。谷弁護士によると、抗てんかん薬など13種類の薬剤が多量投与された。投与の十数分後に容体が悪化し、ミスが発覚した。遺族側は刑事告訴しない方針。

 病院は外部委員を含む事故調査委員会を設置。死亡に影響を与えた可能性があるとする一方で「どの程度影響したかは判断できない」とした。

 東大病院は対策として、内服薬をバーコードで管理し、投与前にチェックすることで誤投与を防ぐシステムの導入を進めるという。「患者と家族に深くおわびする。改善に取り組む」としている。公表が遅れた理由については「遺族側と公表内容を相談した結果、この時期になった」と説明している。

 男児の母親は弁護士を通じて「病院は薬剤の管理がずさんで、(薬が)調剤されてから誰のチェックも受けずに投与されていた」と批判するとともに「実効的な再発防止策がとられ、事故が繰り返されないことを願います」とのコメントを出した。谷弁護士は「重篤だったが亡くなるような状態ではなかった。誤投与が影響したことは間違いない」と話した。



https://www.m3.com/news/general/499056
男児の母親のコメント
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 東大病院で薬を誤投与された後、死亡した男児の母親のコメントは次の通り。

 2015年の薬剤取り違え事故による小児死亡事故について、調査報告書をマスコミに公表し、個人情報の部分を匿名化した全文を病院のサイトにアップすることを遺族(母親)から要望し、ようやく公表されました。

 同病院では薬剤の管理がずさんで、病棟内の内服ルールが看護師個人の裁量に任されていて、調剤されてから一度も誰のチェックも受けずに投与されていました。

 また、投薬ミスが起きた時、夜勤看護師のうち少なくとも2人がルールを順守していなかったことがわかり、これが特別なことではないこともわかりました。

 同病院にはインシデントが度々あり、本件被害小児についても比較的大きなインシデントがありました。しかし、病棟には結果的に患者への大きな影響がなければ問題としない雰囲気があり、具体的な対応はなされていませんでした。

 そのような背景事情が今回の投薬ミスにつながったと考えます。

 誰もが被害者となり得る状況にあったことから、これは被害小児と遺族の問題にとどまらない公の問題と考えます。

 もちろん医療従事者個人への感謝の心が薄れることはありませんし、投与ミスを犯した医療従事者を責めるつもりもありません。ただ、実効的な再発防止策がとられ、今後同様の事故が繰り返されないことを願います。

 調査報告書には再発防止に着手したと書かれていますが、具体的に実行したこと、検討したことをサイトで公表していただきたく要望します。



https://www.m3.com/news/general/499089
偽造肝炎薬 ハーボニー「裏ルート」 偽薬「ぬれ手であわ」 超高額、需要も高く
2017年2月1日 (水) 毎日新聞社

 正規とは異なる「裏」の医療用医薬品流通ルートで出回ったことが明らかになったC型肝炎治療薬ハーボニーの偽造品。横流し品など素性のはっきりしない製品の流通を放置することは、健康を脅かす偽造品が紛れ込む余地を広め、医薬品の高額化が進む先進国が偽造グループに狙われる恐れを高めている。

 「医薬品 高価買取」。古い店舗や住宅が密集する東京都千代田区のJR神田駅前に、こうした看板を掲げる「現金問屋」が十数軒並ぶ一角がある。厚生労働省によると、ハーボニーの偽造品が最初に持ち込まれたのが、この問屋街だった。

 神田生まれという地元の不動産業者によると、第二次大戦後、進駐軍から横流しされたペニシリンや日本軍が使っていたヒロポン(覚醒剤)を売り買いする業者が集まったのが由来という。メーカーや卸業者の規模が小さかった時代は、在庫の調整やすぐ現金化して資金繰りを助ける役割を果たしていた。しかし、今は余った薬や横流し品など「訳あり」の製品も多く扱い、正規ルートより安値で医療機関や薬局に販売するルートになっている。18社が組合を作るものの、未加入業者もいる。

 ある現金問屋に聞くと、昨夏ごろから「ハーボニーを買ってほしい」という電話が相次いで問屋街にかかってきた。「怪しい男が来たが、断った」と話す問屋もいる。今は消えているが、偽造品が見つかるまでネット上にはハーボニーの買い取り広告が多数あり、買う側のニーズも高かったことがうかがえる。

 偽造品は都内の問屋3社に、販売許可を持たない個人が持ち込んだとされる。問屋は本人確認をせず、添付文書や外箱がないボトルを買っていた。以前から素性の定かでない製品を扱っていたとみられる。

 偽造品が出回った理由を探ると、業界関係者が指摘するのがハーボニーの特殊さだ。ハーボニーは超高額の新薬で、28錠入りボトル1本が153万4316円だ。患者にとって副作用が少なく効果の高い治療薬として登場したため需要が高く、偽造品は「ぬれ手であわ」になったとみられる。

 また、国内の医薬品では珍しく、シート状の個別包装ではなくボトルに密閉する包装だったため、外から錠剤が見えない。偽造したラベルは正規品とほとんど見分けがつかず、重さも正規品とほぼ同じ。奈良県内の薬局の薬剤師は、ふたの内側のアルミシールをはがして中を確かめず、患者に偽造品を売っていた。

 製造販売元のギリアド・サイエンシズによると、2015年の発売時、国内で品薄になった場合の融通しやすさを考え、海外で主流のボトルを採用したという。同社は31日、個別の包装への切り替えを3月上旬に始めると発表した。

 確認されている偽造品は14本だが、出所が分からず、今後も出回る恐れはある。薬事監視を担当する自治体職員は「ハーボニーが承認されていない中国では、日本の10倍もの価格で取引されているとも聞く。大がかりな偽造グループが関与していてもおかしくない」と神経をとがらせる。【熊谷豪】

 ◇世界流通、8兆円規模

 偽造医薬品は世界で大きな問題になっており、流通規模は日本の薬剤費に匹敵する750億ドル(約8兆円)との試算もある。

 少額の投資で製造でき、種類も多いため発覚しにくく、途上国で流通する医薬品の10~30%は偽造と言われる。

 健康被害も多数報告され、ニジェールでは1995年、有効成分を含まない偽の髄膜炎ワクチンで2500人が死亡。パナマでは2007年、安価な工業用原料で造られたせき止め薬などを飲んだ子どもら100人以上が犠牲になった。

 日本で表面化した偽造医薬品の多くは個人輸入だった。勃起不全(ED)薬を販売する製薬会社4社による昨年の調査では、ネットで売られているED薬の4割が偽物で、有効成分を全く含まないものや不純物を含むものもあった。11年には意識低下で東京都内の病院に入院した男性(48)が、血糖降下薬の成分を高濃度に含むとみられる偽造ED薬を服用していたことが判明した。

 一方、日本では偽造品の大規模な流通は少なかった。大手卸グループ4社が製薬企業から医薬品の8割以上を買い取り、製品の高度な追跡システムを備えているためとみられる。しかし、昨年の主要7カ国(G7)伊勢志摩サミットでまとめられた国際保健対策には「医薬品の偽造は患者の安全や研究開発への投資に悪影響を与えることを認識すべきだ」との文言が盛り込まれ、医薬品の高額化が進む先進国でも関心が高まっている。

 日本製薬工業協会が5年前に会員企業に実施した調査では、偽造品が確認された製品は抗生物質と抗がん剤が最も多かった。高額化が進む抗がん剤などは、不当に得られる利益も大きく狙われやすいと言える。偽造医薬品に詳しい木村和子・金沢大教授は「以前は抗生物質やマラリア治療薬などの偽造が多かったが、最近は先進国で需要の高い生活習慣病関連薬にも広がっている」と指摘する。【下桐実雅子】

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 ■ことば

 ◇ハーボニー
 外資系のギリアド・サイエンシズ(東京都)が2015年9月に発売したC型肝炎治療薬。従来の治療薬の柱だったインターフェロンと比べて、副作用が少なく注射を打ち続ける必要がないほか、治療効果も高いため大ヒットした。昨年末時点の使用者は約7万6000人。1錠約5万5000円と高額で、通常は12週間、毎日1錠ずつ服用する。日本で現在流通しているのは28錠入りボトル。偽造品の成分はギリアド社などが分析中。



https://www.m3.com/news/general/499059
画像診断放置5年で30件 医療機関、相次ぐミス 情報量増加、共有に課題
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 医療事故の情報を収集している「日本医療機能評価機構」(東京)が、がんの疑いなどが記された画像診断報告書の放置や確認不足に関する事案を調べた結果、2011~15年の5年間に全国の医療機関から30件の報告があったことが31日、分かった。

 同日には東京慈恵会医大病院で、肺がん疑いの検査結果が約1年間放置された事案が共同通信の取材で判明。相次ぐ背景には、検査技術の発達に伴う情報量増加や電子カルテの導入、医師の専門分野の細分化が影響しているとの指摘もある。

 機構によると、画像診断報告書の放置や確認不足は11年に2件、12年と13年は4件ずつだったが、その後急増。14年は9件、15年は11件に上った。このうち12~14年の17件では、死亡事例が2件。12件は肺や大腸などのがん(疑い含む)や腫瘍が見逃された事案だった。機構は医療機関に「画像診断報告書では主治医が予測していなかった領域の異常を指摘される場合がある」と、繰り返し注意を呼び掛けていた。

 医療安全が専門の名古屋大病院の長尾能雅(ながお・よしまさ)副院長は「短時間で膨大なデータが得られるようになり、主治医が患者の異常情報に追い付けない状況になっている可能性がある」と指摘。「電子カルテ上で扱われるため医療者間のすれ違いも生じやすい」との見方を示す。

 名古屋大病院では15年6月、画像診断結果を主治医らが一定期間確認しなかった場合、医局長や医療安全管理部門に通知される電子カルテ上のシステムを導入した。だがその後にも複数の見落とし事例が判明。症例を検討する会議で複数でチェックする体制や、電子カルテの一つの画面に患者の全ての検査画像が表示される仕組みの導入を予定している。

 長尾副院長は「患者に画像診断結果を渡して内容を共有するといった対策も今後必要になるかもしれない」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/493138
シリーズ: 2016年の医療界:1000人アンケート
「すみません どうしましょうかと 医師が言う」◆Vol.10-1
医師ならではの川柳

2017年1月31日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 医師によくあることを表現した医師ならではの川柳が思いつきましたら教えてください。

【診療の現場1】


老いてなお 美女子を診れば ときめきぬ

帰宅した 呼び出しされて 逆戻り

コンピュータが 患者でないの 私診て

  ※「最近はコンピュータの方ばかり見ていて、私の顔も見ないし、診察もくれない若い医師がいる」とのある患者の訴えがありました。

親切で 行う医療 仇になり

真夜中に 起こされ星座 きれいだな

すみません どうしましょうかと 医師が言う

まだなにか できることはと 天仰ぐ

この行為 やってもいいか 死なないか

おじいちゃん 今日は来ないね 病気かな

カップめん 湯入れたとたん ピッチ鳴る

ゾロ薬品 患者の前では ジェネリック

昨晩は 完封達成 清々し 

医療界 昔口こみ 今肩書き

鳴らないで 院内携帯 これ以上

100歳の 患者が死んでも 医師のせい

【医師の生き様1】

気が付けば いいふりしてる 自分かな

休日も 家族で最初に 食べ終わる

健診後 患者(ヒト)に勧めぬ サプリ飲む

家族には 俺の辛さは 解らない

できる医師 目指した頃も あったっけ

医師の苦労 患者になって 再認識

有資格 過ぎし日々を 振り返り

井の中の 研修医 大海を知らず

世の中を なにも知らない 技術バカ

家族との 一緒の年越し いつの日か



https://www.m3.com/news/general/499140
薬価「天文学的」 トランプ氏、値下げ要請
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 【ニューヨーク共同】トランプ米大統領は1月31日、ホワイトハウスで大手製薬会社の経営トップらと会談し、薬価は「天文学的だ」と述べ、値下げを要請した。

 米国での生産拡大も求めた一方、「大胆に減税し、不要な規制を取り除く」と約束。新薬承認の迅速化も進め、企業にも利点があると説明した。

 出席した製薬会社は米国のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、メルク、アムジェン、スイスのノバルティスなど。アムジェンの首脳は席上、年内に米国で1600人を追加雇用すると表明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/499221
シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”、係争例もセンター調査の対象に
日本医療安全調査機構、運営委員会で確認

2017年2月1日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医療安全調査機構は1月31日、2016年度の第2回医療事故調査・支援事業運営委員会を開催、係争中の事例であっても、医療事故調査制度におけるセンター調査を実施することを確認した。センター調査は、再発防止策策定のために行うものであり、「そもそもそうしたこと(紛争等)と関係しない制度としてスタートしたのだから、係争中だからと言って、手を引くのはどうか」(運営委員会委員長を務める、東京大学大学院法学政治学研究科教授の樋口範雄氏)という考え方からだ。

 この点は既に同機構の理事会で承認済みで、センター調査報告書の冒頭に、「裁判等の資料として使用されるために作成したものではなく、医学的観点から行った調査の結果を報告としてまとめたものである」などと明記するほか、(1)医療事故が発生した構造的な原因、システムにおける要因に着目した報告書となるよう十分留意し作成、(2)民事裁判等で、センター調査に関わる委員に証人尋問や意見提出等が求められた場合、調査に当たった委員やセンター等は基本的に対応しない――などの方針で対応する。

 全国医学部長病院長会議が2016年9月に、日本医療安全調査機構に対し、「係争の手段として行われる事象は全て、今回の法の埒外にて処理すべき」と申し入れるなど、民事裁判などで、医療事故調査制度で作成された報告書が活用される懸念が現場から挙がっていた。


医療事故調査・支援事業運営委員会は、原則年2回開催。

 31日の運営委員会では、「優良事例」として、事故調査の考え方や報告書のまとめ方などに資する参考事例をまとめる方針も決まった。「医療事故調査に関わる優良事例の共有」は、2016年6月の制度改正で求められていた(『“事故調”、報告や院内調査のバラツキ問題視』を参照)。日本医療安全機構常務理事の木村壮介氏は、「事故事例の評価を行うものではなく、原因究明や再発防止を目的とした報告書作成のための記載方法の共有が目的」と説明。個人情報保護等との兼ね合いから、医療機関から提出された報告書そのものではなく、それをモディファイして、「参考事例」として提示する予定。今年5、6月頃に、数例をまとめる方針。

 2015年10月の制度開始から1年間の現況も報告された。既に2016年11月の時点で公表された内容だ(『センターへの事故報告が長期化、平均41.2日、判断に苦慮か』を参照)。運営委員会の委員からは、事故発生から報告までの期間が、前半(2015年10月から2016年3月)は平均21.9日(中央値16日)だったのに対し、後半(2016年4月から2016年9月)は平均41.2日(中央値23日)と延長したことを問題視する声が上がった。

 2017年1月までの実績の一部も公表された。2016年6月の制度改正で可能になった、遺族等の求めに応じた相談内容の医療機関への報告の件数は、2016年12月までは累計14件だったが、1月に2件あり、累計21件。「制度発足前の事故、あるいは生存事例などを除いて、希望があれば、医療機関に伝達している。その際、(医療事故調査制度の対象であるか否かの)判断はしていない」(日本医療安全調査機構専務理事の田中慶司氏)。センター調査は、1月に2件あり、累計は21件。センター調査結果はまだ出ていないが、近く2、3事例でまとめる予定だという。

 そのほか31日の運営委員会では、毎月公表している「現況報告」の事故報告件数は、ブロック別ではなく都道府県別のデータに変更することも決定。再発防止策に関しては、「中心静脈穿刺」と「肺血栓塞栓症」については分析中で、加えて「アナフィラキシ-」「気管カニューレ」「腹腔鏡下胆嚢摘出術」に関する医療事故も今度取り上げる。

 全国医学部長病院長会議、「紛争事例は埒外」を申し入れ

 日本医療安全調査機構は、2015年10月からスタートした医療事故調査制度の第三者機関である、医療事故調査・支援センターとして、厚労大臣に指定された機関。センター調査は、院内調査で遺族等の納得が得られない場合などに実施する。

 全国医学部長病院長会議の申し入れ書では、「現に事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には、医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構(日本医療安全調査機構)において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外にて処理されるべきである」と求めている。

 参考人として出席した同会議相談役の嘉山孝正氏は、「予期しない死亡事例について、紛争になって初めて医療事故として報告し、センター調査を申し込んできた例がある。こうした例が出てくると、医療界に不信感が出てくる」と述べ、医療機関の管理者責務の視点からも問題があるとした。医療事故調査制度は、「医療に起因する予期しない死亡等」について、医療機関の管理者が医療事故調査・支援センターに報告等を行う仕組み。「医療界の自浄作業のため、また病院長の職務を健全に果たしてもらうために、会員に対しても、申し入れの内容を伝達する」(嘉山氏)。

 全日本病院協会常任理事の飯田修平氏は、「係争中の事案については、関与してはいけないと思う。係争事例の証拠集めなどに、報告書が使われてはいけない」と述べたほか、管理者の姿勢を問題視する嘉山氏の発言も支持した。

 これに対し、「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之氏は、「理解をもっと深めたいと考え、センターに調査を依頼するのを止めていいのか。原因究明と再発防止の検討が必要であり、遺族としては、第三者機関として、この制度に基づく調査をしてもらいたい、という思いが出てくるのは、当然」と述べ、係争中の事例を調査対象から外すべきではないとした。

 樋口委員長は、「係争事例のセンター調査がどうあるべきかは、なかなか難しく、制度の根幹にかかわるもの」と認めつつ、「センター調査は、日本の医療のために、ということで学会の先生方などに依頼しているのに、係争事例に使われるのは、“フリーライド”であり、手を引け、というのも一つの考え方。しかし、そもそも医療事故調査制度は、そうしたこと(紛争等)と関係しない制度としてスタートしたのだから、係争中だからと言って、手を引くのはどうか。粛々と、そうしたことに利用されない調査をやっていくことが、第三者機関による調査の意義ではないか」と述べた。

 木村氏は、係争中の事例の判断かどうか、という判断一つとっても、難しさがあると説明。センター調査実施中に紛争に発展したり、紛争になってからセンター調査の依頼が来るなど、いろいろなパターンが想定されるからだ。

 なお、センター調査実施には、「司法解剖事例」の調査実施という課題もある。「院内調査、センター調査において、司法解剖の結果が活用できないことは、死因並びに原因究明、再発防止を阻害することになっている」という理由から、司法解剖の結果を活用できるよう、関係各者に働きかけていく方針。

 「なるべく早く報告を」との意見

 医療事故発生から報告までの期間長期化の理由を質問したのは、NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏。「センターに相談する医療機関はいいが、相談せずに迷っているケースが、結構多いのではないか。今後の医療機関の啓発に役立てるためにも、どんな理由で迷ったのかをぜひ聞いてもらいたい」と要望。

 福岡県医師会副会長の上野道雄氏は、「事故発生から、報告までの期間が短い方が、遺族の納得を得られやすい。医療機関にとっても、早い方が、いい結果が出やすいので、何らかの形で周知をお願いしたい」とコメント。

 木村氏は、報告までに時間を要するのは、「検討に時間がかかる」「制度が十分に理解されていない」などの理由のほか、「医療過誤の有無の有無を検討してから報告しようと思った」「遺族が3カ月くらい経って、疑義を申し立ててきた」といったケースもあると説明。講演などでは「結果が出てからではなく、最初の段階で、記憶等も新しい段階で検討した方がいい、と説明している」という。

 樋口委員長は、「『医療事故は医療過誤』という誤解があるかもしれないので、誤解を解き、『まず報告を』とう風土を作って行くことが必要。“氷山の一角”を分析するのも意味があるが、隠れているものを何とかし、報告件数を増やすことはできないのか」と述べ、次のように続けた。「『生存事例は、制度の対象外』として終わっている相談もある。こうした相談が相変わらず来ているのは、大切な情報であり、今後制度を改善していく際のデータ、エビデンスとなる」。



https://www.m3.com/news/general/499058?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170201&mc.l=204185635&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
妻も治療後に死亡 チーム医療の重要性強調
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 東京慈恵会医大病院で肺がん疑いを放置され、重篤な状態となっている男性(72)は2005年、別の病院で点滴用カテーテルの誤挿入後に妻=当時(51)=を亡くしている。医療事故被害者らでつくる「医療過誤原告の会」の中心メンバーとして、安全実現に向けチーム医療の重要性などを訴えていた。

 裁判記録によると、男性の妻は03年8月に直腸がんの手術を受けた際、首の静脈から心臓近くの中心静脈まで挿入するカテーテルが血管外に入り、胸腔(きょうくう)内に点滴液が貯留。意識不明となり05年4月に死亡した。

 病院側とは医師の過失の有無を巡って争いになり、一審東京地裁では男性側が敗訴したが、11年7月に二審東京高裁で和解が成立。14年12月には、病院の医療安全担当者と男性が同席してシンポジウムが開かれた。

 この中で病院側は再発防止策として、問題となった中心静脈カテーテルの挿入を専門とするセンターを設置したことなどを紹介。男性は「大半の医療事故はケアレスミス。チーム医療をどうやっていくのかも大きな課題だ」と指摘する一方、「遺族は生涯気持ちを引きずる」とも語っていた。

 男性の長男(30)は「母と父のケースは全く性質が違うが、なぜこんなところでミスするの、と思ったのは同じだ」。原告の会会長で男性と面会を続けている宮脇正和(みやわき・まさかず)さん(67)は「『まさか自分も』との無念さが伝わってくる」とし、今回の事案に関し「医師個人に任せていれば、どの病院でも起こる可能性がある。医療チームの連絡体制や患者との情報共有の在り方など再発防止策を検討し、全国の病院で教訓にすべきだ」と訴える。



https://www.m3.com/news/general/499126
患者の尊厳とは 日米の違いに戸惑い 「私たちの最期は」「救命のジレンマ」
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 どんなに高齢で回復が見通せない患者でも、救急医は全力で救命に当たる。それが日本の"常識"だが、海外では生命維持だけをやみくもに追求することはないという。

 「米国であれば、治療によって元の生活レベルに戻れるかどうかが焦点になる」と、帝京大病院・高度救命救急センター(東京都板橋区)の医師、伊藤香(いとう・かおり)(41)。米国で約10年間、臨床現場に身を置き、昨年帰国した。

 複数の重症疾患を抱えた高齢者が心肺停止で救急搬送された場合、米国では「蘇生の対象にならなかった」と伊藤。そうしたケースでは、気管に入れたチューブは抜く。そして患者や家族と話し合う。痛みを取り除く治療の選択肢を説明し、緩和ケアの専門チームに引き継いでいくという。

 集中治療室(ICU)に来る高齢者の多くは重症で、いつ亡くなってもおかしくないような状態だ。日米の死生観や医療制度の違いがあるのは分かっている。だが「蘇生や延命ばかりに力を注ぐことが、本当に患者本人の尊厳を守ることになるのか」。高齢者自身が望まない措置で、苦痛につながることもあるからだ。蘇生のため心臓マッサージした結果、あばら骨が折れることさえある。

 伊藤が最近担当した高齢女性のケースを話してくれた。呼吸困難を訴え、搬送されてきた。体はやせ細り、すぐに末期がんだと分かった。

 女性は1年前に胃がんと判明し腫瘍を摘出したが、他の部位にも転移していて切除しきれなかった。抗がん剤治療は副作用が強く半年で中断。そんな状況下での急変だった。救急隊員は家族に救命救急センターに運ぶのか確認した。家族は蘇生を望み、伊藤たちの元に運ばれてきた。

 搬送後、症状が少し落ち着いてから伊藤は長男に説明した。「たぶん、いま(口からチューブを入れる)気管挿管をして人工呼吸器につなげる延命措置をしても、苦しむ時間が長くなるだけだと思います」。長男がそのままを伝えると、女性は挿管を拒んだ。

 「末期がんと宣告されてからずいぶんと時間があった。その間に終末期にどう対応するか家族でもっと話し合えたはずなのに」と伊藤。しばらくして女性は別の病院に転院していった。いったん命を救った伊藤だが、女性のその後は知らされていない。(敬称略)



https://www.m3.com/news/general/499129
外科医に大麻売った疑い 看護師の男逮捕、福岡
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 福岡県警久留米署は1日、久留米市の外科医●●●被告(30)=大麻取締法違反罪で起訴=に大麻を売り渡したとして、同法違反(営利目的譲渡)の疑いで、久留米市、看護師●●●容疑者(32)を逮捕した。同署は認否を明らかにしていない。

 同署によると、●●●被告は久留米大病院(久留米市)に、●●●容疑者は済生会二日市病院(同県筑紫野市)に勤務。●●●被告は「●●●容疑者とは知人を介して知り合った」と供述しているという。

 逮捕容疑は昨年10月23日夜、自宅の駐車場で津留被告に大麻1包を2万4千円で譲渡した疑い。

 二日市病院の担当者は「(●●●容疑者は)一般的な勤務態度だった。事実であれば申し訳ない」と話している。

G3註:原文は実名報道



https://www.m3.com/news/general/499055
誤投与で死亡、過去にも 処方量や名前間違え
2017年2月1日 (水) 共同通信社

 薬剤の誤投与による事故はこれまでも相次いで起きている。処方量が間違っていたり、名前が似た別の薬剤と取り違えたりするケースが目立つ。

 鹿児島県立大島病院(奄美市)では2008年、医師が指示した量の10倍の睡眠剤を投与された70代の入院患者が死亡した。主治医が0・5ミリグラムを処方するよう指示したが、病院の薬剤部が5ミリグラムを処方したという。

 徳島県鳴門市の病院では08年、似た名前の薬剤の誤投与で70代の男性患者が死亡した。副腎皮質ホルモン剤「サクシゾン」の処方を決めた医師が、パソコンのシステムで間違えて筋弛緩(しかん)剤「サクシン」を選択。筋弛緩剤と気づいた看護師が「本当にサクシンでいいのか」と確認したが、医師はサクシゾンと思い込み、投与を指示した。

 愛媛県立新居浜病院(新居浜市)では10年、80代の男性患者に別の患者の薬を投与。患者が死亡した。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170201-145687.php
広野・高野病院、2日にも「外来診療」再開 中山医師が着任
2017年02月01日 08時53分 (福島民友新聞)

 昨年12月30日に高野英男院長=当時(81)=が火災で亡くなった高野病院(広野町)は2日にも、休止していた新患の外来診療を1カ月ぶりに再開する。3月までの2カ月限定で院長・常勤医を務める外科医中山祐次郎氏(36)が31日に着任し、当面の診療体制が安定したため。しかし、4月以降に勤務する院長の確保には至っておらず、病院の存続は綱渡りの状態が続く。

 広野町と南相馬市立総合病院の若手医師らでつくる支援する会によると、中山医師や福島医大、杏林大からの非常勤医で3月までは人員確保のめどが立った。ただ、精神科の専門医については引き続き、ボランティアに協力を呼び掛ける。

 高野病院は高野院長の死去で常勤医不在となり、年明けから新患の外来診療を一時休止。約100人の入院患者や「かかりつけ医」とする通院患者の診察、急患への対応は続けてきた。

 中山医師は31日、町役場で支援する会会長の遠藤智町長と会談し「地域医療を支えてきた高野病院の存続に向け、少しでも力になりたい。2カ月だけの勤務になるが、入院患者や地域住民の命と健康をしっかりと守っていく」と抱負を述べた。遠藤町長は謝意を伝えた上で「被災地の人命と地域医療を守るため、尽力をお願いしたい」と求めた。

 病院を経営する医療法人社団養高会の高野己保(みお)理事長が同席した。会談後、4月以降の院長・常勤医の確保について「手を尽くしているが、不透明な状況」と報道陣に説明した。



http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20170201305135.html
燕労災病院を18年4月から運営
県地域医療推進機構

2017/02/01 15:02 新潟日報

 県地域医療推進機構は31日、燕労災病院(燕市)の指定管理を引き受ける方針を決めた。期間は2018年4月から5年間。燕労災病院は県が建設を目指す県央基幹病院に統合される予定となっており、基幹病院の開院まで運営を担う予定。

 同機構は15年に県が設置した魚沼基幹病院(南魚沼市)を運営している。県が出資する一般財団法人で、県福祉保健部参与で元新潟大学長の荒川正昭氏が理事長を務める。

 県は燕労災病院を18年4月をめどに厚生労働省の独立行政法人から譲り受け、県央基幹病院の開院まで公設民営方式で運営する方針を決めていた。「県が関与し、連携できる民間財団」であることを理由に県地域医療推進機構に6日、運営を依頼。同機構が31日に県庁で理事会を開き、受諾することを決めた。

 理事会では燕労災病院で赤字が生じた場合、県が補填(ほてん)する方針も説明された。県は県議会2月定例会に関連議案を提出する予定。

 荒川理事長は理事会後、「財団としては負担だが、県民の役に立ちたい。燕労災病院は今の医療を維持しながら、新しい出発にスムーズに入れるような素地もつくっていく」と話した。

 県は県央地域の新たな拠点病院として県央基幹病院を23年度、三条市に開院させることを目指している。燕労災病院と三条総合病院(三条市)を統合再編する計画だ。



http://ryukyushimpo.jp/mainichi/entry-436899.html
裏ルート 「現金問屋」通じ売買
2017年2月1日 13:30(毎日新聞)


ハーボニーの流通経路
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 高額なC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が見つかった問題で、医薬品流通の正規とは異なる「裏ルート」の存在が背景にあることが、厚生労働省などへの取材で分かった。裏ルートは「現金問屋」と呼ばれる中小卸売業者が担い、由来が不確かな医薬品の売買が横行しており、そこにボトルの中身をすり替えた偽造品が入り込んだとみられる。医薬品医療機器法(薬機法)に無許可業者からの買い取りを禁じる規定がないことが、こうした流通の温床になっているとの指摘もある。

 医療用医薬品は通常、製薬会社から卸業者を介して医療機関や薬局に納入される。このルート以外で持ち込まれた薬を即金で買い取るのが現金問屋で、公定の薬価と比べ数%程度低い正規ルートより安く売買する。関係者によると、本来は薬の転売ができない医療機関や薬局、患者らから買う場合もあり、業界関係者は「病院や薬局は余った薬を現金化できるうえ、必要な薬を安く買え、必要悪のような存在」と言う。

 厚労省幹部は、今回の偽造品の流通に複数の現金問屋が関わっていたと明かす。現金問屋が集積する東京・神田にある業者は昨秋以降、複数の個人からハーボニーのボトルを1本90万〜100万円程度(薬価は約153万円)で10本前後購入したと証言。納入品に偽造品5本があった奈良県内の薬局チェーン「関西メディコ」は、県の聞き取りに「安く仕入れられるので(正規の卸以外からも)買っていた」と説明している。

 同社は比較的規模の大きい薬局チェーンのため、製薬会社の元役員は「大きな薬局もこんな仕入れをしていたのか」と驚きを隠さない。

 薬機法は無許可での医薬品販売や偽造品の販売を禁じる一方、無許可業者からの買い取りを禁止する規定がない。また、買い手は相手の氏名を記録する義務があるが、連絡先の確認は求めていないため、今回偽造品を持ち込んだ人物も特定できていない。厚労省は実態調査をした上で、規制強化を検討する。【熊谷豪】

 【ことば】ハーボニー

 外資系のギリアド・サイエンシズ(東京都)が2015年9月に発売したC型肝炎治療薬。従来の治療薬の柱だったインターフェロンと比べて、副作用が少なく注射を打ち続ける必要がないほか、治療効果も高いため大ヒットした。昨年末時点の使用者は約7万6000人。1錠約5万5000円と高額で、通常は12週間、毎日1錠ずつ服用する。日本で現在流通しているのは28錠入りボトル。偽造品の成分はギリアド社などが分析中。



http://mainichi.jp/articles/20170201/ddm/016/070/003000c
くらしの明日
私の社会保障論 利用者不在の難解語=日本リハビリテーション振興会理事長・宮武剛

毎日新聞2017年2月1日 東京朝刊

 だれもが頼りにする社会保障制度だが、どうにも用語が難しすぎる。聞いただけで頭が痛くなる名称をなぜ使うのか。

 介護の分野で「地域包括支援センター」が登場した時はびっくりした。

 保健師、社会福祉士、介護支援専門員らが介護相談に応じ、介護予防に取り組む地域の拠点だ。「介護なんでも相談所」とでも名付ければ訪ねたくなるのに、この看板では仕事内容さえ分からない。

 案の定、職員が「地域包括支援センターですが」と電話し、新手の詐欺に間違われる例さえあった。

 そこで愛称を公募する自治体が増え、「高齢者支援センター」「高齢者よろず相談所」「熟年相談室」などと名付けてやっと定着し始めた。

 厚生労働省は「地域包括」が好きらしい。“地域まるごと”“地域ぐるみ”と翻訳した方がよい。

 いまは「地域包括ケアシステム」を全国に普及させようとやっきだ。小中学校区を単位に医療と介護の連携を強め、病気や介護の予防に励み、住民も参加してお年寄りらの暮らしを支援する。つまり地域の絆を取り戻す大事業になる。それなのに、このネーミングで理解してもらえるのか。筆者は勝手に「地域ぐるみの支え合い」と読み替えている。

 この運動で医療面の中心になるのが「在宅療養支援診療所」である。在宅の療養者や要介護者を日ごろから訪ね、いざという時は往診する現代版の「かかりつけ医」だ。「訪問・往診医」と看板に書き添えたら分かりやすい。

 かかりつけ医はさまざまな介護サービスと連携する。その一つが「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」である。介護職や看護師がパトロール体制で1日何回も定期的に訪ね、呼べば早朝も深夜も駆けつけてくれる。

 新たな“目玉商品”なのに名称は長すぎて、サービス内容も分からない。そのため「在宅老人ホーム」と名乗る事業所もある。老人ホーム入居と実質的に同じサービスを提供します、という意味を込める。

 看護師や介護職による「看護小規模多機能型居宅介護」も、まるでクイズ問題だ。退院直後の人、末期がん患者など医療ニーズが高い要介護者が、必要に応じ通える・泊まれる・スタッフが逆に訪ねる便利な拠点である。現場では苦肉の策で「看多機」(かんたき)と呼ぶが、利用者不在の名称と言うほかない。

 「法律に書くには正確さが必要で」と厚労省は言う。だが、それだけか。

 年金制度では「マクロ経済スライド」がしばしば論点にされる。経済全体の動向に合わせ、年金額をスライドさせる仕組みだ。

 しかし、実態は年金制度の支え手が減る少子化と年金受給が長くなる長命化に応じ、たとえば物価が2%上がっても年金額は1%しか上積みしない。

 「少子長命化に伴う減額率」と名付けるべきだが、「減額」は反発されるから使わないのだろう。正確にはスライドは上下するはずなのに「マクロ経済スライド」は上がることはなく下がるだけだ。(次回8日は山田昌弘さん)



https://this.kiji.is/199471374551908356?c=110564226228225532
点滴袋に穴、2度見つかる
長野・上田の医療センター

2017/2/1 19:27 共同通信

 国立病院機構信州上田医療センター(長野県上田市)は1日、病棟で穴の開いた点滴袋1個が昨年11月と今年1月下旬にそれぞれ見つかったと発表した。いずれも投与前に気付いたため、患者への影響はないとしている。届けを受けた上田署は、故意に破損された可能性もあるとみて原因を調べている。

 センターによると、いずれも投与の当日、看護師が準備のためカートから点滴袋を取り出して安全点検中、輸液が漏れていることに気付き、袋にペン先で開けたような小さな穴を見つけた。中の輸液に変色や泡立ちなどの異常はなかった。



https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=358042
都市部でも病院倒産の時代 目立つ過剰投資
2017/2/1 6:30日本経済新聞 電子版

 病院が倒産するのは、人口減少が進む地方だけではない。設備投資額の拡大などによって、比較的条件の恵まれた都市部でも経営判断のミスが倒産につながりやすくなっている。2016年12月に経営破綻した医療法人武蔵野総合病院(埼玉県川越市)の事例から考察する。

■約50年間、地元で親しまれたが

 病院経営が厳しさを増している。16年の医療法人・病院の倒産件数は34件となり、前年比36%の増加。景気の影響を受けにくい業種と思われてきたが、特に地方では人口減少による患者数の落ち込みが目立つ。また都市部でも医師や看護師の不足のほか、医療機器の高額化などの課題が浮上しており、今後は医療・介護報酬の引き下げも見込まれる。一昔前のような安定した業種とはいえなくなってきた。

 経営破綻した武蔵野総合病院は埼玉県川越市に本拠を置き、近くの別の医療法人も傘下に収めていた。同名の病院はベッド数185と中規模ながら、地域の中核的な医療施設として知られていた。救急、内科、外科、脳神経外科など多数の外来診療部門を開設するほか、人間ドック、健康診断、リハビリテーションなど幅広い医療サービスを実施。約50年間にわたり地元で親しまれ、創業ファミリー出身者が理事長を務めていた。

 運営エリアは昔ながらの風情を残しながら、東京都心への通勤圏として宅地化も進んでいる。このため、人口減少が著しい地方病院とは事情が異なる。患者数は1日当たり約300人。診療報酬のほか、企業の健康診断などの検診収入も加わり、16年3月期の年収入は前期比12%増の約27億円に拡大。病院経営は表面上、好調に推移しているように見えたが、内情は違った。 

 その原因は2つの無謀な投資戦略にあった。

 1つは新たな医療施設の開設だった。サービス拡大の一環として15年3月、川越予防医療センター・クリニックを川越市に新たにオープン。人間ドック、脳ドックの検査機器など最新の設備がセールスポイントだった。しかし、事業計画には最初から甘さがあったようだ。総額7億円の投資に伴い借入金の負担が増えたうえ、高額な不動産賃料や医療機器のリース代も負担になったが、年収入は見込んでいたほど伸びなかった。初年度から大幅な赤字となり、既存施設の利益を食いつぶした結果、16年3月期決算は3億円近い営業赤字だった。

 もう1つは傘下に収めた別の医療法人の経営がうまくいかなかったこと。07年5月に旧・広瀬病院(現・本川越病院)が経営破綻すると、スポンサーとなりグループ化。12年に病棟の建て替えを決定したが、ここでも身の丈を超えた過大な投資計画が赤字を招いた。肩代わりを繰り返した結果、武蔵野総合病院は約5億円の不良債権を抱えた。


https://this.kiji.is/199471374551908356?c=110564226228225532
点滴袋に穴、2度見つかる
長野・上田の医療センター

2017/2/1 19:27日本経済新聞

 国立病院機構信州上田医療センター(長野県上田市)は1日、病棟で穴の開いた点滴袋1個が昨年11月と今年1月下旬にそれぞれ見つかったと発表した。いずれも投与前に気付いたため、患者への影響はないとしている。届けを受けた上田署は、故意に破損された可能性もあるとみて原因を調べている。

 センターによると、いずれも投与の当日、看護師が準備のためカートから点滴袋を取り出して安全点検中、輸液が漏れていることに気付き、袋にペン先で開けたような小さな穴を見つけた。中の輸液に変色や泡立ちなどの異常はなかった。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0364124.html
慈恵医大、複数チェック体制へ 肺がん疑い報告書を1年放置
02/01 20:54 北海道新聞

 東京慈恵会医大病院で肺がんの疑いがあると指摘された画像診断報告書が約1年間放置された問題で、病院は1日、医師らの間で確実に情報を共有するため、画像診断部から担当医に直接口頭で連絡することや、検査結果を複数でチェックする体制の構築などの再発防止策を明らかにした。

 件数や詳細は不明だが、慈恵医大病院は過去にも同様の見落とし事例があったと説明。2013~15年に画像診断部の医師が「早急な対応が必要」と判断した場合、担当医らに直接口頭で結果を伝える仕組みを導入し、画像診断を依頼した医師が報告書を確認したかどうかチェックする電子システムも取り入れていた。



http://biz-journal.jp/2017/02/post_17905.html
連載 富家孝「危ない医療」
なぜ日本は「寝たきり老人」大国?安らかな自然死を許さない、過剰な延命治療が蔓延

文=富家孝/医師、ラ・クイリマ代表取締役
2017.02.02 Business Journal

 あまり知られていないが、日本の医療が世界一な点が2つある。ひとつは薬剤消費量が人口数に比べて多いこと。日本の薬剤消費量は人口が約3億2000万人のアメリカの約2倍もある。もうひとつは、寝たきり老人の比率が世界各国と比べてダントツに高いこと。この2つとも褒められたことではないのに、いっこうに改善されていない。
 とくに後者は、欧米各国と比較すると日本だけの現象といってよい。実際、寝たきり老人の数は、社会の高齢化とともに増え続け、現在約200万人。このままいくと2025年には300万人に達すかもしれないといわれている。 
 なぜ、こんなことになっているのだろうか。
 その最大の原因は、医者が死期を迎えている患者さんを死なせないからである。つまり、過剰ともいえる延命治療が行われているからだ。
 欧米各国では、医療施設、老人ホームなどに寝たきり老人はほとんどいない。たとえば、北欧のスウェーデンでは、高齢者が自分で物を食べることができなくなった場合、点滴や胃ろうなどの処置は行わない。このような人工的な処置によって高齢者を生かし続けることは、生命への冒涜と考えるからだ。つまり、人間は自力で生きることができなくなったら、自然に死んでいくべきだという死生観がある。
 ところが、日本はこの逆で、どんなことをしてでも生かそうとする。たとえ植物状態になって呼吸しているだけでも、生きているほうがいいと考える。

欧米と日本の死生観の違い

 私は最近、介護医療の現場にかかわることが多い。その現場でつくづく思うのは、遺体の様子が昔と比べて大きく違っているということだ。特に寝たきり状態になってから死を迎えた方の遺体は、皮膚が黒ずみ、全体が水ぶくれを起こしたように膨らんでいる。これは、点滴や胃ろうで無理やり生かされた結果だ。
 さまざまな延命治療を行う日本と、自然な死を受け入れる欧米。どちらがいいとは一概にはいえないが、遺体を見た限りでは欧米の死生観のほうが自然の摂理にかなっていると思う。
 過剰な延命治療をやりすぎた結果、私たちは「自然死」というものを知らなくなった。これは、一般の方ばかりか医者もそうだ。医者は自分の仕事を医療技術によって人間を助ける、つまり「生かす」ということとしかとらえていなかったため、自然死がなんだかわからなくなってしまった。
 医者は病院で末期がんや脳疾患などで死んでいく人、延命治療の果てに死んでいく人しか見ていない。口から食べる力がなくなっているにもかかわらず、胃ろうをつけて栄養剤を投与し続ける。呼吸する力がなくなっているにもかかわらず、人工呼吸器で息をさせる。こんなことばかりしていては、人間が衰弱して自然に死んでいくことがどういうものなのか、わからなくなる。

いちばんいい死に方

「自然死とは、実態は“餓死”なんです。餓死という響きは悲惨に聞こえますが、死に際の餓死は一つも恐ろしくない」と、『大往生したけりゃ医療とかかわるな』(中村仁一/幻冬舎新書)にある。私は、この記述に同書執筆者と同じ医師として大いに共感した。
 中村氏は、医師としてのキャリアの最後に特別養護老人ホームの常勤医となり、高齢者を大勢看取ってきた。その体験があるので、自然死への見方は確かである。
 中村氏は、「自然死は病気ではありません。過度の延命治療は死に行く人のためにはなりません」と言い、「大往生するためのいちばんいい死に方は自然死です」と結論している。
 では、「自然死(老衰死)=餓死」とは、どのようなことを指すのだろうか。
 人間は誰しも死ぬ間際になると物を食べなくなり、水もほとんど飲まなくなる。そして、飲まず食わずの状態になってから1週間から10日で死んでいく。これは飲食しないから死ぬのではなく、死ぬから飲食しなくなるのであり、死ぬ前にはお腹も減らず、のども渇かないという。こうして飲まず食わずになると、人間はそれまで蓄えてきた体の中の栄養分や水分を使い果たして死んでいく。つまり、自然死は餓死である。

餓死

 餓死というと、言葉の響きからいって惨めに感じる。しかし、中村氏によれば、実際は本当に安らかな死に方であるという。その理由は次の3つだ。
(1)飢餓状態になると脳内にモルヒネのような物質が分泌されて幸せな気分になる。
(2)脱水状態になると意識レベルが下がりボンヤリとした状態になる。
(3)呼吸が十分にできなくなると体内が酸素不足し、その一方で体内に炭酸ガスが増える。酸素不足は脳内にモルヒネのような物質の分泌を引き起こし、炭酸ガスには麻酔作用がある。

 つまり、この3つの作用により、人間は意識朦朧としたまどろみのうちに死んでいく。がん患者でさえも自然死の場合には痛みを感じず、朦朧としたなかで死んでいくという。
 こうして自然死を迎えた遺体は、やせ細り、枯れ木のような状態になるが、延命治療後の遺体に比べれば、遺体らしい遺体である。
 人の自然死は餓死である。それは決して惨めなことではない。
(文=富家孝/医師、ラ・クイリマ代表取締役)


  1. 2017/02/02(木) 06:29:03|
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