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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月19日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/495168?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170119&mc.l=202026563&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
2017年度医学部入試、センター試験速報!
第一志望1.5倍の大学も、偏差値・志望者最新動向

2017年1月19日 (木) m3.com編集部

 駿台予備校とベネッセコーポレーションは1月18日、1月14日と15日の両日に行われた大学入試センター試験の自己採点集計「データネット2017」を公表、判定基準や志望者数を公表した。

  計50の国公立大学の医学部医学科(前期入試)を第一志望としたセンター試験の受験者数は1万5585人で、2017年度前期入試の定員3662人の4.25倍。2016年度に医学科を第一志望とした受験者数(医学科を第一志望と申告した人数)は1万6001人だった。

  2016年度よりも定員に対する第一志望倍率が増加した大学は、岐阜大学の152%、奈良県立医科大学の151%、新潟大学の130%など。一方、第一志望倍率が下がった大学は、地域枠や診療枠等を除くと、愛媛大学51%、弘前大学56%、島根大学60%などとなっている。この志望者数の結果などを参考に、受験生は最終的な出願大学を決定、2月1日までに出願する。

 国公立大入試はこの後、2月25日から二次試験が始まり、3月中旬までに中期試験、後期試験が行われる。
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表1 2017年度大学入試センター試験後の国公立大学(医学部医学科)第一志望者の状況
  ※すべて前期日程

※山梨大学(医)は、入試日程が後期のみのため、本表には掲載していない。

 今年度定員数は90人に対し、志望者倍率10.9倍で、昨年度は11.3倍だった。B判定の基準となる偏差値は73。
【掲載データについて】
1)表1と表2のデータは、駿台予備校とベネッセコーポレーションが運営する大学入試センター試験自己採点集計「データネット」の公表数値より抜粋。「B判定基準」が高い順に掲載。
2)各大学の学部は、医学科を持つ学部の前期入試を対象に集計。東京大学については、理科三類を集計。
3)定員数については、一部の募集単位については「約」の数値のため、上下する可能性がある。
4)第一志望者数、「B判定基準」(合格可能性60%以上)は、ベネッセがセンター試験後に実施する自己採点結果と志望大学調査(参加者数46万2247人、参加校数4890校)を集計した数値。私立大は、第一志望以外の登録数も合算して掲載。
5)「B判定基準」は、各募集単位の個別学力検査の教科・配点で集計した判定値を掲載。
 また、併せて大学入試センター試験を利用する私立大学入試の判定基準と志望者数についても公開しており、埼玉医科大学、順天堂大学、東京医科大学などが志望者数を増やしている。一方、志望者数が減少したのは、愛知医科大学、藤田保健衛生大学、福岡大学など。

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表2 2017年度大学入試センター試験後の私立大学(医学部医学科)の志望者(合算)の状況

1)「B判定目標点数」が高い順に掲載。国際医療福祉大学医学部は、2017年度に新設。「-」は、2016年度の実績がないケース。
 私立大学の一般入試についても、「データネット」上で今後最新の出願状況などが順次公開されていく予定となっている。私立大学の2017年度の最新偏差値一覧は以下に掲載。

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表3 私立大学(医学部医学科)の2017年度入試の偏差値一覧

【掲載データについて】
1)データは、ベネッセコーポレーションが運営する「ベネッセマナビジョン」に掲載されている数値を抜粋。地域順に掲載。国際医療福祉大学医学部は、2017年度に新設。
2)2016年、2015年12月に実施された進研模試の結果より、合格可能性がB判定(60%以上)の目安となる偏差値を掲載。



https://www.m3.com/news/general/495117
マッサージ不正9・5億円 36府県で療養費水増し 75歳以上、はり・きゅうも 厚労省調査、対策強化へ
2017年1月19日 (木) 共同通信社

 厚生労働省は18日、健康保険を使ったマッサージやはり・きゅうで、事業者が75歳以上の患者への療養費(治療費)を水増しするなどして不正に受け取ったケースが2008年度以降、36府県で約5万5千件、約9億5千万円に上ると明らかにした。同日開かれた社会保障審議会の検討委員会で報告した。対策を強化する方針。

 マッサージなどの療養費を巡っては昨年、共同通信の全国調査で不正が表面化。これを受け、厚労省が後期高齢者医療制度(75歳以上対象)の発足時にまでさかのぼって調べた。

 高齢化で患者が増え、出張料を稼ぎやすい訪問施術を狙って参入する事業者が相次いだことが背景にある。厚労省は「不正は(金額、件数とも)請求全体の0・3%」としているが、施術師の全国団体幹部は「発覚しているのは氷山の一角」と指摘している。

 事業者が患者の代わりに療養費を請求することが多く、不正が発覚しにくい構造やチェック態勢の不備も大きな原因で、厚労省は患者が請求内容を確認する仕組みづくりなどを検討している。

 厚労省の調査は、後期高齢者医療制度を運営する47都道府県の広域連合を対象に実施。08年度から昨年11月までの不正請求などをまとめた。

 延べ271事業者が5万4561件で療養費約9億4900万円を不正に受け取り、広域連合は全額返還を求めたが、実際に返されたのは半分程度とみられる。都道府県別の不正受給は、和歌山が約1億6千万円と最多で、大阪が約1億3800万円、神奈川が約1億200万円と続いた。

 北海道、千葉、東京など11都道県は「該当なし」と回答したが、不正への調査が不十分な可能性もある。

 主な手口は(1)高めに設定された訪問施術の出張料(往療料)を狙い、距離を水増し(2)施術回数を実際より多くして請求(3)保険適用に必要な医師の同意書の偽造・改ざん―などで、件数ははり・きゅうよりもマッサージの方が多かった。

 ※療養費

 国家資格のあん摩マッサージ指圧師、はり師やきゅう師の施術については、脳出血後のまひ、神経痛など一定の疾患を対象に健康保険から療養費が支給される。ただし、医師の同意が必要。患者負担は医療費と同じで1~3割だが、本来は患者がいったん全額を施術者に支払った後、自己負担を除いた分を健康保険から受け取る「償還払い」が原則。事業者が患者負担分を受け取り、代わりに療養費を請求する「代理受領」のケースが多い。



https://www.m3.com/news/iryoishin/494941
シリーズ: 社会保障審議会
医師確保対策は“未定”、医療計画の「作成指針」
医療部会が了承、ビジョン検討会の報告書待ち

2017年1月18日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)は1月18日の会議で、2018年度から開始する第7次医療計画の「作成指針」案を、異論が出たものの、了承した。厚生労働省は、1月下旬から2月にかけてパブリックコメントを求め、今年3月末までには「作成指針」を都道府県に対して提示する予定。「作成指針」案は2016年12月に厚労省の検討会がまとめた(『第7次医療計画の基本方針、「意見とりまとめ」』を参照)。

 異論が出たのは、医師をはじめとする「医療従事者の確保等」についての見直し方針が未定である点だ。厚労省は、今年度内に予定されている「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の最終報告を踏まえ、「医療従事者の需給に関する検討会」「医師需給分科会」で議論する方針。厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、「医療従事者の確保等については、状況によっては間に合うものは記載するが、場合によっては(作成指針の提示が)二段階になることもあり得る」と説明した。現実的には、医師需給分科会等の本格的議論は、4月以降のずれ込むことが想定される。

 厚労省は、18日の医療部会で、ビジョン検討会の2016年12月の「中間的な議論の整理」を説明した(『医師偏在、「プライマリ・ケア」と「地域」で解消』を参照)。前回の医療部会では、ビジョン検討会の位置づけや医師需給推計をめぐる議論で異論が続出したが(『「異例かつ非礼」「異常事態」、医師需給推計の進め方に疑義』を参照)、今回も検討スケジュールが医療計画の「作成指針」に間に合わずに遅いこと、「中間的な議論の整理」は総論的で具体性に欠ける上、医師の需給・偏在対策については、医師需給分科会等の「中間取りまとめ」と大差ないとの批判が相次ぎ、早急に医師需給分科会等の議論を再開すべきとの意見が出た。

 全日本病院協会会長の西沢寛俊氏は、「都道府県が一番困っているのは人の問題。医療計画を立てるに当たっては、この点を書き込むことが必要」と指摘し、ビジョン検討会を待たずに、医師需給分科会等で議論をまとめて、作成指針に盛り込むべきと主張した。

 日本医師会副会長の中川俊男氏も、「この中間的な議論の整理を出すために、医師需給分科会等の議論を“塩漬”にしたのだったら、本当に異常事態だ」と前回会議と同様に問題視。さらに、「医師需給分科会等の議論を、総論的にぼかした内容であると受け取れるが、それは危険。“屋上屋”を重ねた議論している状況を踏まえると、アンケート結果の分析スタンスが非常に不安だ。逆の方向に結論を持っていく可能性もある」との懸念も呈した。中川氏が言及した「アンケート」とは、ビジョン検討会の議論の関係で実施した約10万人の医師対象の「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(『医師10万人調査がスタート!厚労省』を参照)。「逆の方向」とは、2年続けて医学部新設が実現した現状を踏まえ、「医師不足」の問題が、「医師の偏在」ではなく、「医師の絶対数の不足」の議論になるという意味だ。

 厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、10万人調査の投函締め切りは2016年12月21日だったが、「まだ少しずつ戻ってきている状況。なるべく早く集計して、ビジョン検討会で議論してもらう。なるべく早くビジョン検討会の報告書をまとめ、次の議論につながるよう準備を進めている」と説明。調査の集計についても、「当然、科学的な分析を行い、決して恣意的にはしない」と理解を求めた。


1月18日は、医療法改正案についても議論(『医師確保対策は“未定”、医療計画の「作成指針」』を参照)。

 ビジョン検討会、荒井奈良県知事は支持したが……
 厚労省がビジョン検討会の「中間的な議論の整理」を説明したのに対し、「このドキュメントは、大変優れている」と、唯一評価したのが、奈良県知事の荒井正吾氏。「今の問題意識はがんばっている人にしわ寄せがいく状況」とも指摘し、その改善が必要だとした。「中間的な議論の整理」に欠けている点としては、「学職接続」という視点から、「(卒後の)働き方にも影響する医学教育にももっと踏み込んでもいいのではないか」と提案した。

 これに対し、その他の委員からは批判的な意見が相次いだ。

 口火を切ったのは、全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏。医師需給分科会等の「中間取りまとめ」と内容がほとんど変わっていないと指摘(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)、医師需給分科会等で、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の担当者を呼んで、並行的に議論していくことを求めた。

 続いて、日本精神科病院協会会長の山崎学氏も、「これを読んでも、何を言っているのかが分からない」「現場の人なら、今さら言われなくても当然と思っていること(が記載されている)」などと述べ、「ここに欠けているのは、財源論。次の診療報酬改定などで、国としてどう財源を確保するか、どう政策を展開していくかが書かれているなら分かるが、『こうあるべきだ』などと、総論的なことばかりが書かれていて、何も問題は解決しない」と指摘した。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏も、「耳障りはいいかもしれないが、総論的であり、医師需給分科会等で議論してきた内容を、少し総論的に書いただけ。これまで待っていた意味があるのか。非常に心細く、なぜ待っているかが分からない状況になっている」と問題視し、早期に議論を深めることが必要だとした。

 「根本的な危機感、共有を」、中川日医副会長
 「邊見委員、山崎委員、山口委員に全面的に賛成」と続いたのが、中川氏。前述のように、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の分析方法への懸念を呈した上で、厚労省自身の「中間的な議論の整理」への評価を質した。「ビジョン検討会の議論をそのまま書いたのか、まとめに手伝ったのか、すばらしい内容だと思っているのか」(中川氏)。

 武井医事課長は、「事務局としては、いろいろな面でサポートしている」と述べたものの、その善し悪しについての直接的な判断は、「事務局としては難しい」と回答、「ビジョン検討会の報告書をなるべく早くまとめ、次の検討につなげていきたい」と述べた。

 中川氏が改めて医師需給問題に関する全体のスケジュールを質すと、武井医事課長は、「直面している課題については、今から来年度にかけて議論を進めていく。中長期的な議論の節目は、2020年度に来るので、それに間に合うよう検討する」と回答。「直面している課題」とは、医師の偏在対策。医師需給分科会等の「中間取りまとめ」では、臨時定員増について2017年度に切れるものは当面延長する方針を決定した。2020年度以降の医学部定員の在り方は今後の検討課題だ。

 中川氏は、長年日医として働きかけ、ようやく開催されたのが医師需給分科会等であるとし、「早急に医師偏在対策をまとめる予定だった」と指摘、議論の開始や進行が遅れている間に医学部新設が決まった現実を踏まえ、「根本的な危機感をここで共有しなければいけない」と求めた。

 大病院の「在宅医療」への参入、けん制すべきとの意見も
 医療計画の「作成指針」案は、「医療計画の見直し等に関する検討会」で議論してきたもの。計画期間は現行の5年から6年に変更。「5疾病5事業、並びに在宅医療」という基本は変わらず、都道府県はこれらについて医療計画への記載が求められる。そのほか、高齢人口の増加を踏まえ、ロコモティブシンドローム、フレイル、肺炎、大腿骨頚部骨折などについても、対策を講じる。そのほか、地域医療構想をはじめ、関係する他の諸計画との関係性の整理、医療計画の実効性を担保するための評価指標の見直しなど、さまざまな事項が「作成指針」案に盛り込まれている。

 「作成指針」案に対しても、幾つか提案や意見が出た。

 中川氏は、「医療機能の役割分担」「在宅医療」の関連で発言。「大学病院あるいはその分院、地域の基幹となる公立病院等が、在宅医療をやる動きが出てきている。医療の機能分化と連携を考えると、役割が違う。“草刈り場”のように、在宅医療に取り組むことは、地域包括ケアシステムの構築と逆行する」と指摘。医療計画上では「在宅医療」の整備目標などを定めることになっている点を踏まえ、「地域医療構想会議で議論し、公立病院等が関わらないと在宅医療はうまく行かないとの結論になった地域を除いては、公立病院等は在宅医療には慎重になるべき」との趣旨を「作成指針」に記載するよう求めた。ただし、この点については、荒井氏と邊見氏は、地域によって実情が異なることから、各地域の対応に任せるべきとし、記載には反対。

 そのほか、邊見氏は今後、取り組むべき課題として、「5疾病5事業」だけでなく、肺癌や誤嚥性肺炎の増加などを踏まえ、呼吸器疾患を挙げたほか、在宅医療を加え、「6事業」にすることが次回の見直しで必要だとした。

 連合総合政策局長の平川則男氏は、CTやMRIの配置の在り方について質問。検討会では、日本では設置台数が多いことを問題視する声が出ていた。本件については今後、研究を行い、あるべき姿を議論するとされている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/495153
シリーズ: 社会保障審議会
第8次医療法改正案、医療部会が了承
大学病院のガバナンス改革など計7項目

2017年1月19日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)は1月18日の会議で、病院長の権限の明確化や強化をはじめ、特定機能病院のガバナンス改革などを盛り込んだ第8次医療法改正等の案を了承した。厚生労働省は今通常国会に改正法案を提出、早期成立を目指す。2017年9月末で期限が切れる「持ち分なし医療法人への移行促進策」の延長、医療機関の開設者に対する監督規定の整備――など、改正の柱は計7項目で、医療法のほか、臨床検査法、看護師助産師保健師法を改正する。

 大学病院が大半を占める特定機能病院のガバナンス改革は、群馬大学医学部付属病院と東京女子医大病院が、医療事故に伴い、2015年6月に特定機能病院の承認を取り消されたのがきっかけ。(1)より一層の高度な医療安全管理体制の確保、(2)特定機能病院の開設者に対し、管理者が管理運営業務を遂行するために必要な権限の明確化の義務付け、(3)特定機能病院の開設者に対し、管理者が医療安全を確保できるよう、適切な管理者の選任、監査委員会の設置などの措置を講じる――を法律上で規定。管理者は基本的には病院長だが、大学病院の場合、各診療部門の独立性が強い。病院長がガバナンスを発揮し、病院全体としての運営や改革に取り組みにくい現状を改善するのが狙い。

 なお、(2)の規定について、厚労省は、前回の社保審医療部会で、全医療機関を対象にする案を提示。しかし、一般の病院では事実上実践している事柄であり、特定機能病院について議論してきた改正案であることから、特定機能病院に限定した(『大学病院長の「管理運営権限」、医療法で明文化』を参照)。

 そのほかの改正案は、以下の通り。

◆持ち分なし医療法人への移行計画の認定制度の延長
・「持ち分あり医療法人」は、2006年医療法改正以降、新設を認めず。「持ち分あり」から「持ち分なし」の移行促進策(相続税猶予・免税など)が2017年9月末で期限が切れることから、3年間延長するほか、移行促進策の対象要件を緩和。
・「持ち分あり医療法人」は、出資者の相続が発生すると相続税支払いのために払戻請求が起きるなど、経営の安定性に課題がある。2006年改正以降、移行したのは計513法人(2016年3月末現在)。現状でも約5万の医療法人のうち、約8割は「持ち分あり」であり、「持ち分なし」への移行を促すのが狙い。

◆医療機関を開設する者に対する監督規定の整備
・現行の医療法では、病院等に何らかの問題があった場合、都道府県知事等による医療機関への立入検査のみが可能だが、医療機関の開設者の事務所その他病院等の運営に関する場所への立入も可能とする。
・医療機関の運営が著しく不適切である場合の対応として、「改善措置命令」と「病院等の業務の全部または一部停止命令」を新設。業務停止命令に違反した場合に、「病院等の開設許可の取消、閉鎖命令」に至る流れにして、段階的な対応を可能にするのが狙い。

◆妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化
・妊産婦の安全確保のため、助産所の管理者に対して、妊産婦の異常に対応する医療機関名などについて、担当助産師が妊産婦へ書面で説明することを義務付け。
・分娩の急変時に助産所から医師・医療機関への連絡がなかったために、母児が死亡」するケースを防いだり、妊婦に対して妊娠中に起こり得る異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)などの出産リスクに関する説明文書の作成が十分に行われていない現状を改善するのが狙い。

◆看護師等に対する行政処分に関する調査規定の創設
・医師・歯科医師と同様に、看護師等についても行政処分をすべきか否かを調査する必要がある時に関係者から当該事案の報告を求め、病院等に立入検査ができるよう、厚労大臣の調査権限規定を創設。
・現状では、刑事罰が科せられた場合は判決入手、科せられない場合は任意協力や都道府県の報告で、行政庁自らが入手し、確認しているが、現行法では調査権限規定が設けられておらず、任意協力が拒まれた場合に調査が困難になる。この状況を改善するのが狙い。

◆遺伝子関連検査等の品質・精度確保
・検体検査は、(1)医療機関が自ら院内で実施、(2)委託業者が医療機関内で実施、(3)委託業者が衛生検査所で実施――の3種類がある。(1)について、品質・精度管理基準を定めるための根拠規定を医療法に新設、(2)と(3)については、品質・精度管理基準を省令で定める旨を明確化する。
・検体検査の分類は、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査の6分類だが、この分類を省令委任とし、遺伝子関連検査を追加するなどの見直しを行う。
・遺伝子関連検査など、新しい検査が出てきた場合に、迅速かつ柔軟に品質・精度管理ができるような体制にするのが狙い。

◆医療機関のウェブサイト等における虚偽・誇大等の表示規制の創設
・医療機関のウェブサイト等を、広告可能事項が限定される医療法上の広告とすると、患者が知りたい情報(詳細な診療内容等)が得られなくなる懸念を踏まえ、引き続き医療法上の広告規制の適用対象とはしないが、虚偽・誇大な内容等の不適切な表示を禁止し、広告と同様の命令・罰則を科すことができるように措置。
・医療法上の広告規制の対象外であるウェブサイト等は、原則として広告に含まれないため、問題がある場合に適切に対応できるようにするのが狙い。



https://www.m3.com/news/general/495149
経済財政諮問会議による中医協への“口出し”に警戒感露わ
2017年1月19日 (木) 薬局新聞

経済財政諮問会議による中医協への“口出し”に警戒感露わ 日本薬剤師会・山本会長

 診療(調剤)報酬の中身の議論まで政府が口出ししてくるのは承服しかねる。日本薬剤師会の山本信夫会長は、経済財政諮問会議で一部の関係者が中医協における審議方法に注視する姿勢を示したことに対して不快感を表明した。これは定例記者会見で述べたもので、議論の過程にまで規制改革会議の民間議員が意見するような情勢が生み出されかねない状況に関して、強い警戒感を打ち出した格好だ。

 山本会長は「少なくとも、医療に関しては専門家と言えない方たちが、医療の専門家が集まっている会合であり、かつ財源についても踏まえている議論に対して、口出しするのは承服しかねる。お金がないのに欲しいばかりでは無体であるが、きちんと割り当てが必要なところにはしっかり財源を充てていただきたい。これまでは国民が医療を受けられないことや、医療過疎にならないように十分取り組んできた」とコメントした。さらに薬価に関しては「値段だけで議論するのではなく、その効果や患者の向上価値も含めた評価を行うべきだと思う。最近の医薬品のなかには『医療技術』と言っても差支えないレベルのものも登場しており、これまでは半解・寛解だったものが、完治まで到達するようになった。その効果をきちんと評価したうえで価格を決めるべきで、ただ単に『高い』では納得できるものではない」と言及し、昨年末に行われた薬価制度改革への懸念を、改めて打ち出した。

 本年には本格的な議論を迎える次回の診療報酬改定に関しては「全ての医療関係者の割り当てを公平にしろとは言わないが、あまりにも偏るようなことがないように取り組んでいきたい」と展望するとともに、こうした主張を打ち出すためにも、「現場の薬局・薬剤師が地域に医薬品を適切に供給する体制を構築することが求められるし、日薬としても後押ししたい」と語った。

 なお、28年度の日薬会員数は103,850人で、前年の100,260人から3,590人増加している。



https://www.m3.com/news/general/495194
福島・広野の高野病院、無償提供の用意 病院側、診療継続が条件
2017年1月19日 (木) 福島民友新聞

 高野病院(福島県広野町)の高野英男院長(81)が火災で亡くなり常勤医不在となっている問題で、病院を経営する医療法人社団養高会の高野己保(みお)理事長は18日、福島民友新聞社の取材に応じ「患者やスタッフ、地域医療を守るためなら病院を無償提供したい」と語り、診療の継続を条件に病院を譲渡する用意があることを明らかにした。

 譲渡先には公的機関を念頭に置いているが、関係者間の調整は難航が予想され、今後の経営主体の在り方が焦点となる。

 高野理事長は故高野院長の次女。病院の存続には管理者(院長)が必須だが、4月以降は院長と常勤医が見つかっていない現状に触れ「民間病院だから不平等になるとの理由で(行政の)支援を受けられないのであれば、自分は(病院経営から)出ていく」と述べた。

 高野理事長は原発事故後、高野院長が入院患者の命を守るために避難せず、孤軍奮闘した経緯を振り返り「院長の思いは6年間守ってきた地域医療の灯を消さないことだ」と話した。

 県は18日、福島医大と連携して4月以降、必要に応じて常勤医を派遣する方針を明らかにした。ただ、管理者は派遣せず、養高会が確保すべきだとした。県の見解について高野理事長は「常勤医が1人来たから済む問題ではない。地域医療を守るシステムをつくってほしい」と指摘した。

 高野病院の診療体制を巡っては、都立駒込病院の中山祐次郎外科医(36)が2~3月に管理者・常勤医として赴任するが、4月以降の体制は固まっていない。



https://www.m3.com/news/general/495114
[医療改革] 医師会、医師需給分科会の再開を要求 働き方ビジョン検討会
行政・政治 2017年1月19日 (木) 厚生政策情報センター

新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会(第8回 1/16)《厚生労働省》

今回のポイント
● 厚労省は「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」を開催
○ 今村聡参考人(日本医師会副会長)は医師偏在対策の早期実施のため、医師需給分科会の再開を要求
○ 一戸和成参考人(青森県健康福祉部長)は医師不足地域からの提案として、医学部定員を医師不足の都道府県に多く割り振るなどの措置を要望


 厚生労働省は1月16日、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」を開催し、関係団体からのヒアリングを実施した。この中で、日本医師会副会長の今村聡参考人は医師偏在対策の早期実施のため、医師需給分科会の再開を求めた。

 検討会では、医療従事者の働き方に関するビジョンや需給推計の考え方、医療従事者の確保に関する具体的施策について議論している。

 今村参考人は、「急ぐべき課題は医師の偏在対策」と指摘し、医師の地域定着が見込まれる医学部入学の地域枠や出身地と同じ都道府県での臨床研修など、エビデンスに基づいた偏在対策の速やかな実施を要求した。また、医師需給分科会で示された医師偏在対策のための14項目について、早急な議論の再開を要求。さらに、ICTやAIなどによる医療提供体制の変化に伴い、定期的に医師需給の検証を行うための法整備などが今後課題となるとした(p21~p23参照)。

 このほか、今村参考人は、医師偏在の解決などに向けた医師の団体のあり方を検討している、日本医師会の「医師の団体の在り方検討委員会」について報告した。今後、委員会では診療科や診療場所を医師が自由に選択することは尊重しながら、医師の団体が都道府県を単位に大学・行政と連携して実施する医師偏在対策について検討すると説明。このなかで、保険医・保険医療機関のあり方も議論し、2017年春に最終報告を行うとした(p19~p21参照)。

 一方、厚労省は一戸和成参考人(青森県健康福祉部長)(p29~p41参照)や坂本晴子参考人(大阪赤十字病院 新生児・未熟児科副部長)(p42~p62参照)などからも意見聴取を実施した。一戸参考人は医師不足地域の観点から、医学部の暫定的な定員増加を全国一律で廃止するのではなく、医師が不足する都道府県に定員を多く割り振るなどの措置を講じるよう求めた(p37参照)。

資料1 P1~P27(1.4M) https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201701_3/2939_1_1_1484789384.pdf
資料2 P28~P41(1.2M)https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201701_3/2939_1_2_1484789393.pdf
資料3 P42~P62(2.7M) https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201701_3/2939_1_3_1484789395.pdf
資料4 P63~P103(2.9M)https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201701_3/2939_1_4_1484789398.pdf
資料5 P104~P110(1.2M)https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201701_3/2939_1_5_1484789401.pdf



https://www.m3.com/news/iryoishin/495263
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
新専門医制、各県「協議会」が影響チェック
厚労省部局長会議、神田医政局長

2017年1月19日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省医政局長の神田裕二氏は、1月19日の2016年度全国厚生労働関係部局長会議で、2018年度から開始予定の新専門医制度について、地域医療への影響を防ぐため、各都道府県に設置する行政、医師会、大学、病院団体から成る「協議会」が、各研修プログラムを承認する重要性を強調。日本専門医機構が2016年12月にまとめた「専門医制度新整備指針」を踏まえ、改めて都道府県に対し、協議会に関する通知を発出する方針を説明した(資料は、厚労省のホームページ)。新専門医制度は当初、2017年度から開始予定だったため、2016年3月に厚労省は、協議会に関する通知を出していた。

 神田局長は、12月の「専門医制度新整備指針」には、「地域医療への配慮が含まれている」とし、具体的には「基幹施設の基準は、大学病院以外の医療機関も認定される水準とする」「都市部の研修プログラムの定員等については、都市部への集中を防ぐため、運用細則で別途定める」などとされている点を挙げた。「研修プログラムは、日本専門医機構が認定することになっているが、最も重要なのは、その前に各都道府県において、地域医療への影響がないか、地域で必要な医療機関が(研修施設群から)もれていないかなどを、しっかりチェックをする協議会」と述べ、部局長会議に出席した各都道府県担当者に対応を求めた。

 医師需給推計や医師の偏在対策も、現場の関心が高いテーマ。神田局長は、2016年10月に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が発足、同検討会は今年度内に取りまとめを行い、それを踏まえて、医師需給に関する新たな推計、偏在対策、確保の在り方について検討を進めていくという、厚労省の従来通りの説明を繰り返すにとどまった(『医師確保対策は“未定”、医療計画の「作成指針」』を参照)。

 「基金」交付はメリハリ、施設整備に重点
 神田局長は、多岐にわたる厚労省医政局管轄の施策を説明。

 病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計・規定する、地域医療構想については、2016年12月末までに39都道府県で策定を終え、残る8府県も、2016年度中に策定を終える予定。

 地域医療介護総合確保基金(医療分)の交付対象は、(1)地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に関する事業、(2)居宅等における医療の提供に関する事業、(3)医療従事者の確保に関する事業――の3分野に分かれる。2015年度と2016年度の交付額は、(1)と、(2)と(3)の合計がほぼ半々だが、地域医療構想の策定が進んだことから、2017年度の交付ではメリハリを付け、(1)に重点を置く。(2)と(3)は、継続実施が必要なものに限定、「限られた財源であり、(2)と(3)のうち、他の財源が使えるものは、使ってもらいたい」(神田局長)。

 地域医療連携推進法人、「40近くの相談」
 地域医療連携推進法人制度についても説明。この2月上旬に、政令を閣議決定し、その後に政省令を公布、モデル定款なども出す予定だ。

 同法人は、医療機関相互間の機能分担と業務の連携を推進するため、複数の医療法人等が参画して設立する。診療科(病床再編)、医師等の共同研修、医薬品等の共同購入などが事業として想定される。

 神田局長は、「地域の医療機能について、どのように役割分担をしていくかなど、腹を割った話し合いができるという意味で、連携推進の一つの有力なツールになると思っている」と期待を込めた。

 現時点で地域医療連携推進法人制度の活用による連携を検討している事例として、岡山大学を中心とした計6事例を紹介。「40近いところから、相談が来ている」と述べ、都道府県に対し、「積極的に相談に乗ってもらいたい」と求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/495256
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
かかりつけ薬剤師、地域包括ケアでの活躍期待
厚労省部局長会議、武田医薬・生活衛生局長

2017年1月19日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省医薬・生活衛生局長の武田俊彦氏は、1月19日の2016年度全国厚生労働関係部局長会議で、地域包括ケア推進に向け、かかりつけ薬剤師・薬局の役割の重要性を強調、「患者に適正な医薬品の提供や服薬指導を行うことで、地域医療の向上に非常に大切なことだと考えている」と述べ、診療報酬上と薬事行政が一体となって、「患者のための薬局ビジョン」を推進していく方針を説明した(資料は、厚労省のホームページ)。

 「患者のための薬局ビジョン」は2015年10月に策定された。その推進に向け、2016年度は、30道府県で、32のモデル事業を実施。事業は、(1)地域全体のかかりつけ薬剤師・薬局機能強化のための連携推進事業、(2)多職種連携による薬局の在宅医療サービスの推進事業、(3)電子版お薬手帳を活用した先進的な地域の健康サポート推進事業、(4)薬局・薬剤師によるアウトリーチ型健康作り推進事業――の4パターンに分けられる。2017年度もモデル事業を継続、かつ実施を早めるために、今年3月までには事業の募集を開始する予定。

 武田局長は、「地域の独自性を生かして、さまざまな事業に取り組んでもらっている。かかりつけ薬剤師・薬局の先駆的な事例の積み重ねを行っていきたい」と述べ、2017年度のモデル事業への積極参加を期待した。

 かかりつけ薬剤師・薬局をめぐっては、2016年10月から「健康サポート薬局」もスタート。その届出数は、2016年12月末までに、31都道府県で113件だ。都道府県等に対しては、届出があった場合には、速やかに対応するとともに、地域住民が健康サポート薬局の情報を検索できるよう、「薬局機能情報提供制度等」の迅速な更新、情報発信などを求めた。

 2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定を控えていることを踏まえ、武田局長は、「この大切な時期においては、地域包括ケアの中で、薬局、薬剤師が積極的に職能を果たし、実績を重ねていくことが何より必要」と、期待を込めた。

 武田局長は、2018年度の医薬・生活衛生局関連の予算案を説明。オプジーボ(一般名ニボルマブ)をはじめ、昨今の革新的かつ高額薬剤については、「最適使用推進ガイドライン」の策定が求められるようになった。2018年度予算では、ガイドライン策定の体制整備を行うため、新規予算(2億3000万円)を計上した。

 C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が、奈良県の薬局チェーンで発覚したことにも言及。1月17日に厚労省が通知を出して対応したことを説明(資料は、厚労省のホームページ)。同様の事例を防止するため、注意を喚起した。また昨今社会問題化している危険ドラッグ対策についても、ネット販売などで「潜在化」しているとし、引き続き監視をしていくとした。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201701/20170119_63002.html
<高野病院>常勤医派遣 仕組み構築へ
2017年01月19日木曜日 河北新報

 東京電力福島第1原発が立地する福島県双葉郡で唯一、入院医療を続ける高野病院(広野町)の管理者と常勤医が不在となっている問題で、県は18日、4月以降に常勤医が不在の場合、県立医大と連携し、常勤医派遣の仕組みを構築する方針を示した。
 広野町で開いた対策会議で説明した。県立医大と県精神科病院協会が13日に、週3日の精神科医派遣を始めたことも報告した。
 管理者については「医療法人の理事に就き、経営に参画する立場になる。行政は経営には関与できず、派遣する常勤医が管理者になることは想定していない」(地域医療課)として、病院側が確保すべきだとの考えを鮮明にした。
 県は現在、原発事故で避難した地域の医療機関に対し、人件費や設備費、赤字補填(ほてん)など運営費の補助を実施。高野病院も対象となっている。新たな財政的支援については、次回以降の会議で検討する。
 高野病院はただ一人の常勤医で管理者だった院長が昨年末、火災で死亡。現在は非常勤医師9人と、「支援する会」の呼び掛けに応じたボランティアの医師が診療している。2、3月は東京都立駒込病院の外科医中山祐次郎氏(36)が院長として常勤する。




http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50410.html?src=topnewslink
次の医療計画、「地域包括ケア計画に」- 厚労省医政局長
2017年01月19日 18時00分 CB news

 厚生労働省の神田裕二医政局長は19日、各自治体の厚生労働行政の担当者を集めた「全国厚生労働関係部局長会議」で、2018年度から6か年の次期医療計画について、「実質的に地域包括ケア計画といえるもの」にするよう呼び掛けた。【佐藤貴彦】

 25年には団塊世代が75歳以上となる。国は、重度な要介護状態になった人でも住み慣れた地域で暮らし続けられるように、必要な医療・介護サービスなどを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を、同年を目途に推進している。

 19日の同会議で神田局長は、必要な医療提供体制を確保するために都道府県が定める医療計画と、必要な介護サービスを確保するために市町村が定める介護保険事業計画などが、いずれも18年度から次期計画に移る予定だと指摘。2つの計画の整合性を取る必要性を強調した。

■基金、医療構想実現に向けた計画踏まえ配分

 また神田局長は、17年度の「地域医療介護総合確保基金」の交付について、「地域医療構想」に盛り込まれた将来の必要病床数の実現に向け、具体的な整備計画が策定されているかどうかなどを踏まえて配分する方針を示した。

 同基金は、地域包括ケアシステムの構築などを進めるため、各都道府県に設置されたもので、医療分と介護分がある。医療分は、▽地域医療構想の実現に向けた整備▽在宅医療の提供▽医療従事者の確保―のいずれかに関する事業が交付対象。16年度は904億円のうち、同構想の実現に向けた整備に関する事業に458億円(50.7%)が配分された。

 17年度の医療分の交付額は、16年度と同額の見込みだが、神田局長は、39都道府県が昨年末までに同構想を策定済みで、残る8府県も年度内に策定する予定だと指摘。同構想に向けた整備事業への配分を、より重点化させる考えを示した。

 一方、在宅医療の提供や医療従事者の確保に関する事業への配分については、「継続実施が不可欠な事業に配慮しながら調整を行っていきたい」と述べ、例えば院内保育所の新設などには別の政府予算の活用を検討するよう促した。

■医療構想実現へ、権限の行使検討して

 神田局長は、地域医療構想の実現に向けた調整についても言及し、地域の医療機関の関係者同士が話し合って進めるのが基本だと強調した。その上で、例えば話し合いが前に進まない場合には、都道府県知事が権限を行使し、公的医療機関に指示を出すことなどを検討してほしいと呼び掛けた。

 現行のルールでは、関係者同士の話し合いが進まない場合に、都道府県知事が医療審議会の意見を聴いた上で、地域で不足している医療機能を担うよう公的医療機関に指示することなどが認められている。一方、民間医療機関に対する指示は認められていない。

 神田局長は、「権限の施行状況を踏まえて、(権限などについて)また検討することになっている」とも述べた。

■かかりつけ薬剤師の実績積み重ねて

 19日の同会議で同省の医薬・生活衛生局の武田俊彦局長は、地域包括ケアシステムの中で、薬剤師・薬局が積極的に職能を果たし、患者の「かかりつけ」となることが必要だと強調した。特に、18年度に診療報酬・介護報酬の同時改定が予定されていることも踏まえて「実績を積み重ねることが大事」だと訴えた。

 武田局長は、「かかりつけ」の薬剤師・薬局に求められる機能などは15年10月に同省が示しており、16年度はその機能のモデル事業を実施していると紹介。17年度も、予算を増額してモデル事業を実施する予定で、3月までに募集を開始したいとした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/495115
柔整側と保険者側で激しく対立、厚労検討会
柔整療養費、2011年度から減少傾向

2017年1月19日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会は、1月18日の第9回会合で、柔道整復師に対する審査を強化するための方法などについて議論した(資料は厚労省のホームページ)。不正請求の温床になっているとされる療養費支給申請書の白紙委任制度や、負傷原因の記載の仕組みについて、柔整側と保険者側で対立。有識者として議論に参加する相原忠彦氏(愛知県医師会理事、相原整形外科院長)が問題視する「亜急性の外傷」という概念についても、相原氏と柔整側で激しく対立した。


15年度監査26件、「少なすぎる」との声も
 この日の会合では、2015年度の柔道整復師に対する指導監査の実施状況が報告された。735件の情報提供に対し、89件の個別指導、26件の監査、25件の受療委任の取り扱い中止となった。委員からは監査件数が少なすぎるという意見が出され、事務局は「問題意識は同じで、優先的に処理する仕組みを構築する」と答えた。

 療養費の推移では、2014年度は3825億円で、2011年度の4085億円から年々減少傾向にあることも報告された。

「次回こそ実例を」、亜急性の外傷
 これまでの議論を基に、昨年11月の第8回会合で柔道整復療養費のあり方について検討すべき課題が17項目挙げられており(資料は厚労省のホームページ)、この日は(1)審査・指導監督関係、(2)施術管理者の新規登録時の研修・実務経験、(3)「亜急性」の文言の見直し、(4)その他(広告規制や負傷部位記載について)――の4つのテーマで、厚労省が作成した検討事項について議論した。

 柔整療養費の対象となる負傷である「亜急性の外傷」については、相原氏が医学的な概念ではなく、不正請求の原因になっているとして見直しを求めている(『柔整問題「帰り道、何度も後ろ振り返った」、厚労省検討会委員』を参照)。相原氏はこの日も事務局に対して「実例を出してくれと何度も言っているが、出てこない。次回は必ず出してほしい」と要望。それに対して、全国柔道整復師連合会会長の田中威勢夫氏は「(「亜急性の外傷」がないというのは)あくまで医学の論であって、柔道整復学では定例になっている」、日本柔道整復師会理事・保険部長の三橋裕之氏は「これが解明されたから何になるのか」などと反発した。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「保険者としては、保険者、施術者が判断に迷う、「準ずる」「亜」などの曖昧な表現は削除してほしい」と指摘。事務局は「事務局で検討したい」と答えた。

白紙委任や負傷原因記載、「必ず結論を」
 療養費支給申請書の白紙委任制度(月初に署名を求めることで、その月の施術内容についてあらかじめ包括的に確認を得る仕組み)についても、相原氏や保険者側は、施術ごとに署名をもらうべきだという意見を出している。三橋氏は「一番の問題は反社会勢力。(白紙委任をやめても)施術者と患者が“ぐる”になっていたら防げない。受療委任は患者ファーストの制度。手が悪い人に毎回署名をさせるなどこれ以上、負担をかけていいのか」と反発。

 柔整療養費を保険申請する際には、3部位以上では負傷原因が必要となる。これを1部位目から記載させるべきでは、という論点については、相原氏は健康保険法施行規則で、申請には「傷病名及びその原因、発病または負傷の年月日並びに負傷の経過」を記載しなくてはならない」と定められていることを確認した上で、「原則通り全て負傷原因を記載させるべきだ」と指摘。一方で、日本柔道整復師会理事の伊藤宣人氏は「法律が決まった大正15年と現在は書類が増えるなど大きく違っている。今回の見直しは(暴力団が関連した一連の)不正請求の問題から起きているので、わざわざ一部の請求者のために1部位目から記載する必要はない」と述べた。

 幸野氏はこの2点について、「必ず結論を出すべき。不正の温床になっており、原理原則に戻すのは当然の考え方」と強く主張した。



http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20170119-OYTNT50101.html
勤務医不足 厳しさ続く
2017年01月20日 読売新聞 島根

 ◇県調査 充足率 最低の75.5%

  2016年、県内の病院や公立診療所に勤務する医師が、必要とされる医師数1245・9人(前年比23・6人増)に対して、940・2人(同4・8人増)にとどまっていることが、県のまとめでわかった。充足率は75・5%で前年より1ポイント下がり、調査を始めた2006年以降で最も低かった。(中筋夏樹)

 医師の偏在などの実態を把握するため、県が県内の民間を含めた51の病院と40の公立診療所を対象に、昨年10月1日現在の必要数や実際の人数を調査した。教育・研究機関でもある島根大医学部付属病院は例年対象外にし、非常勤の医師は勤務時間の長さを常勤に換算して勤務医数を算出した。

 県内を7地域に分けた2次医療圏別で充足率をみると、雲南67・6%(前年比5・1ポイント増)、大田69・7%(同1ポイント増)、浜田66・9%(同3・1ポイント増)の3地域が70%未満だった。
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 16診療科別では、泌尿器科68・2%(同0・4ポイント増)、眼科57・6%(同9・8ポイント減)、耳鼻咽喉科59%(同2・5ポイント減)、リハビリテーション科62・7%(同4・2ポイント増)、救急51・3%(同1・9ポイント減)が70%に達していなかった。

 診療科を地域ごとにみると、救急で松江が12・5%(同1・8ポイント減)、耳鼻咽喉科で大田が前年と同じ10%、益田が14・3%(同14・3ポイント減)と、いずれも20%未満で著しく低かった。

 医師数自体は過去2番目に多かったが、医療の高度化に伴う専門化や病院機能の強化、当直態勢の充実などで必要数も増えており、人材供給が追いついていない。充足率は07年に80・2%と初めて8割に達したが、ほかは70%台となっている。

 県は19年に県全体の医師充足率を80%に引き上げる目標を立てている。これまで、県内の医療機関で一定期間働けば奨学金の返済を免除する制度や、県内の地域医療に関心を持つ医師らを登録する「赤ひげバンク」の設置で医師確保に努めている。赤ひげバンクでは、15年度までの14年間で140人を招いた。

 県医師確保対策室の児玉信広室長は「調査結果は依然として厳しいが、医師を育成・輩出する島根大医学部などの各大学や県内の医療機関、医師会、市町村と情報を共有し、引き続き医師確保に取り組みたい」と話している。



http://www.medwatch.jp/?p=12038
2018年度からの医療計画・介護保険計画、実質的な「地域包括ケア計画」とせよ―厚労省・神田医政局長
2017年1月19日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 厚生労働省が19日に、全国厚生労働関係部局長会議を開催しました。これは次年度(今回は2017年度)における厚生労働行政の重要事項を、都道府県の保健福祉担当者に2日間にわたって詳しく説明する会議です(厚労省のサイトはこちら)。

 医政局の重要事項について、厚生労働省医政局の神田裕二局長は(1)医療提供体制改革(2)医療安全対策(3)医療法などの改正―を中心に説明しました。

ここがポイント!
1 地域医療構想の実現、知事の権限行使状況を踏まえ「次の検討」も
2 地域医療連携推進法人は機能分化に向けた1つのツール
3 特定機能病院、今年(2017年)4月から外部監査委員会設置などが義務化

地域医療構想の実現、知事の権限行使状況を踏まえ「次の検討」も

 (1)の医療提供体制改革には、非常に広範な内容が含まれますが、▼医療計画▼地域医療連携推進法人―の2点を紹介しましょう。

 前者の医療計画については、2018年度の第7次計画から計画期間が6年に変更され、3年を単位とする介護保険事業(支援)計画とサイクルが揃うことになります。この点について神田局長は、「実質的に『地域包括ケア計画』と言えるものにすることが重要」と強調しました(関連記事はこちらとこちら)。
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2018年度(平成30年度)から第7次医療計画と第7期介護保険事業(支援)計画がスタートする。あわせて2018年度には診療報酬と介護報酬の同時改定も行われる。

 医療計画の一部となる「地域医療構想」がすでに39都道府県で策定されており、今後は構想の実現に向けた「地域医療構想調整会議」の議論が重視されます。神田医政局長は、「まず政策医療を担う医療機関の機能を明確化する。次いで、その他の医療機関が政策医療を担う医療機関とどのような関係を持つのかを踏まえて、その他の医療機関の機能を明確化する」という手順を説明。その際、「新しい機能に転換する場合には、構想と整合性がとれているかを確認することが重要」と指摘しています。

 また構想の実現は、調整会議における「関係者の話し合い」が基本となりますが、話し合いが成立しない、あるいは過剰な機能にあえて転換するような医療機関の発生も懸念されます。こうした場合には、都道府県知事が「公的医療機関に対して、不足する機能の医療を提供するよう指示」するなど一定の権限を行使することが可能となっています。神田医政局長は「都道府県知事の権限行使状況を見て、次の検討もする」との考えを明らかにしています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
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地域医療構想の実現に向けた、都道府県知事の権限一覧

 なお、構想実現に向けたインセンティブとして「地域医療介護総合確保基金」がありますが、神田医政局長は2017年度の配分について▼構想の策定状況を踏まえて必要なところに重点的に配分する▼在宅医療や医療従事者の確保については「不可欠なところ」に配慮した上で配分額を調整する▼国庫補助から基金に切り替えた項目について、国庫補助基準額を参考に標準事業例や標準単価などを作成し、これに基づいて配分する―との考えを示しています。

 

 また医療計画における5疾病5事業の1つにも位置づけられている災害医療に関連して、神田医政局長は「災害時の業務継続計画について、災害拠点病院の14.4%しか策定されていない。これは問題である。2017年度には業務継続計画策定促進の研修会を開くので、災害拠点病院や2次救急医療機関は積極的に参加してほしい」と要請しました。

地域医療連携推進法人は機能分化に向けた1つのツール

 地域医療連携推進法人は、かつて「いわゆる非営利ホールディングカンパニー型法人」と呼ばれていたもので、機能分化を進めるための1ツールという位置づけです。
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地域医療連携推進法人制度の概要

 神田医政局長は、法人設立には▼患者紹介・逆紹介の円滑化▼医薬品・医療機器などの共同購入▼医師・医療機器の再配置―といったメリットがあることを紹介した上で、「こうしたメリットを手始めに、地域で各施設がどのような役割分担をしていくのかを『腹を割って話す』ための有力ツールになると思う」と述べ、2月上旬に政令を公布するほか、モデル定款やガイドラインに関する通知を発出する予定を示しました(関連記事はこちらとこちら)。
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厚労省の考える、地域医療連携推進法人を創設するメリット
 

 ところで新たな専門医制度の施行が1年間延期され(関連記事はこちらとこちら)、昨年(2016年)暮れには日本専門医機構で新整備指針が策定されました。神田医政局長は「研修プログラムは機構が最終的に認定を行うが、事前に都道府県が地域医療に問題が生じないかをチェックすることになった。新整備指針を踏まえて『都道府県協議会』の運営などに関する通知を改めて行う。研修プログラムについて『重要な医療機関が漏れていないか』『定数に問題がないか』などを都道府県でチェックし、機構に返答することになるので準備を進めてほしい」と要請しています。

特定機能病院、今年(2017年)4月から外部監査委員会設置などが義務化

 (2)の医療安全については、特定機能病院のガバナンス確保が重要項目の1つにあげられます。東京女子医科大学病院や群馬大学医学部附属病院で重大な医療事故が生じたことを踏まえ、特定機能病院においては医療安全対策強化のための「承認要件見直し」が昨年(2016年)6月に行われています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。
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特定機能病院において医療安全管理体制を強化(内部統制の強化、外部監査の強化)するとともに、医療法に「特定機能病院には高度な医療安全管理体制が求められる」旨の理念規定を置くことになった

 この点について神田医政局長は「すでに施行(2016年10月)されているものや、医療安全管理部門への専従医師配置など2018年4月まで経過措置がある項目もあるが、▼外部監査委員会の設置▼特定機能病院同士のピアレビュー実施▼高難度新規医療技術の導入プロセス明確化―などは2017年4月(この4月)施行となっている。しっかり確認してほしい」と都道府県担当者らに強く求めています。
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特定機能病院の承認要件見直しについて、一定の経過措置が設けられている
 

 なお(3)の医療法などの改正については、18日に開かれた社会保障審議会・医療部会で内容が了承されており、別途、詳しくお伝えしているのでそちらをご参照ください。

  
  1. 2017/01/20(金) 06:18:34|
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