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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月12日 

https://www.m3.com/news/general/493087
介護事業の倒産1・4倍増 昨年、最多を更新
2017年1月12日 (木) 共同通信社

 昨年1年間の介護サービス事業者の倒産件数(負債額1千万円以上)が前年比1・4倍の108件に増え、2年連続で過去最多を更新したことが11日、信用調査会社の東京商工リサーチのまとめで分かった。

 介護分野への相次ぐ参入による競争激化のほか、事業者に支払われる介護報酬が2015年に引き下げられたことや、慢性的な人手不足が主な要因とみられる。全産業の倒産件数はバブル期以来の低水準で推移しており、介護事業の厳しさが目立っている。

 同社によると、介護事業者の倒産件数は12年から増加傾向にある。15年には76件と、介護保険制度が始まった00年以来、過去最多を記録していた。同社は業界内の淘汰(とうた)が強まっているとみている。

 負債総額も94億600万円と、15年に比べ47%増。企業規模では従業員5人未満が全体の73%を占め、小規模で新規の事業者が多かった。業種別では訪問介護が48件で最も多かったが、有料老人ホームも11件と15年(5件)から大幅に増えた。

 都道府県別の内訳を見ると、大阪が12件で最多。東京11件、福岡10件と続いた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/493126
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
在宅医療、ICTで“代用”は可能か?
診療側と支払側で意見対立、在宅の患者像にも相違

2017年1月12日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月11日、2018年度診療報酬改定に向けて、「在宅医療」に関する議論に着手、フリーディスカッションを行ったが、診療側と支払側で、在宅医療におけるICT活用の在り方や、在宅で診る患者像について意見の相違が見られた。2016年度診療報酬改定で制度化された「在宅専門診療所」についても議論があり、2018年度改定では、これらが論点に加わるのは必至だ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 ICTの活用で在宅医療の効率化が可能であると主張したのは、支払側の健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏。これに対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は、ICTはあくまで補完にすぎず、対面診療を原則とする医療の本質は変わらないと反論した。

 在宅医療で診る患者像についても、幸野氏は、訪問診療の内容が「健康相談・血圧・脈拍測定・服薬援助・管理のみ」という患者が46%を占める点を指摘し、「医療資源が限られている中で、これらの患者をどう管理するかが課題。訪問診療は、本当に医師が診るべき患者に限るべき」と主張。対して、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏は、「在宅医療の対象は、重症患者のみなのか。医療必要度が低くても、在宅医療が必要な患者はいる」と指摘。日医常任理事の松本純一氏も、中には医師が訪問診療しなくても済むケースはあるかもしれないが、(46%の)全てが在宅医療の対象外というわけではない」と述べ、在宅医療を必要とする患者の精査が必要だとした。

 そのほか、中川氏からは、訪問診療を行う医療機関数が頭打ちになっている現状を注視すべきとの指摘が挙がった。懸念点として、2016年度診療報酬改定で認められた在宅専門診療所を挙げ、「地域包括ケアシステムを構築していく中で、在宅医療は重要だが、最初から間違った方向に行くと問題。在宅専門診療所については、神経質なくらい慎重な議論をすべき」と指摘した。

 日医副会長の松原謙二氏は、在宅療養支援診療所(在支診)が診ている患者について、褥瘡や尿道バルーンへの対応のため、皮膚科や泌尿器科などに訪問診療を依頼する場合、審査で査定されたりするケースがある現状を問題視。多くの医師を抱える在支診はいいが、一人医師では対応が難しい場合もあるとし、「必要に応じて、在支診から依頼があった時に、訪問診療ができるようにしてもらいたい」と速やかな対応を求めた。厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、現状の問題点を整理、確認した上で「次回改定を待たずにできることは対応し、(財政などへの)影響が大きい場合には次回改定で対応する」と回答した。

 専門委員の日本看護協会副会長の菊池令子氏は、2018年度は診療報酬と介護報酬の同時改定であること、また訪問看護は医療保険と介護保険の両方から提供することを踏まえ、訪問看護の体系を整える必要性を指摘。現状では、特別養護老人ホームの場合、末期癌の入所者には、医療保険からの訪問看護は可能だが、それ以外の疾患ではできないなどの「谷間」があるという。「医療と介護、両方のニーズを持つ人に対する訪問看護の評価を検討してもらいたい」(菊池氏)。また、訪問看護ステーションの地域格差は大きく、人口が少ない地域ではステーションの開設が容易ではないことから、病院からの訪問看護も評価するなどして、結果的に「訪問看護の地域差」をなくすことを求めた。


 「メールと画像」で在宅医療は可能か
 在宅医療におけるICT活用について、幸野氏は、スマートフォンも使いこなす今の65歳前後の世代が後期高齢者になる2025年頃には、在宅医療でICTを活用できる時代になると指摘。「医師がいちいち訪問しなくても、メールでやり取りでき、写真も撮れ、送ることができる。対面ではなく、ICTを活用したサービス体系の在り方を検討すべき」と提案。

 これに対し、中川氏は、「在宅医療を補完する意味ではICTを活用することはあり得るが、いくらICTが発達しても、医療は対面診療が原則であり、これは変わってはいけない」と反論した。

 幸野氏は納得せず、「血圧は自宅で測定可能で、血糖も自己採血でできる。医師が『今日はどうか?』などと聞くのは、メールでも可能ではないか。生活習慣病で比較的病状が安定している場合には、コメディカルなどが服薬管理をするので十分」「ICT化されても、医療は変わらないという理屈は納得できない」と主張。

 対して中川氏も、「重症か否か、生活習慣病で病状が安定しているか否かは、患者ではなく、医師が判断するもの」「診察は、コミュニケーションだけでできるわけではない。患者の息づかい、表情などを総合的に判断して行うもの」「最初にかかりつけ医に1回受診すれば、あとは遠隔医療でいいのか。包容力がある医療が必要であり、それをICTで済ますことはあり得ない」などと述べ、譲らなかった。

 「在宅専門診療所、慎重に対応を」
 厚労省が提示したデータによると、訪問診療を行う医療機関数は近年、頭打ちになっている。診療所全体に占める訪問診療を行う診療所の割合は、2005年18.9%、2008年21.4%、2011年22.1%、2014年22.4%、病院の割合は、2005年31.6%、2008年29.4%、2011年28.0%、2014年31.7%とそれぞれ推移。

 厚労省が「在宅医療に対応可能な医療機関はおおむね増加傾向」と現状を総括したのに対し、中川氏は「診療所は微増、見方を変えるとほぼ頭打ちではないか」と問題視。(1)在支診の届出数は、2014年の1万4662施設から、2015年は1万4562施設と減少、(2)在支診が訪問診療を行う患者数は「1~9人」が約3割を占め最多だが、「100人以上」も1割弱ある――などの点を指摘し、「心配していることが起きているのではないか」と提起した。

 「心配」とは、在宅専門診療所の台頭だ。ここ数年増えつつあることから、2016年度診療報酬改定で制度化された(『在宅患者95%以上」が在宅専門診療所』を参照)。開設要件の一つとして、外来診療が必要な患者が訪れた場合に対応できるよう、‘(1)地域医師会から協力の同意を得ている、(2)協力医療機関を2カ所以上確保――のいずれかを満たすことが必要。中川氏は、(2)の要件での開設があると見ており、地域との連携がなく、在宅専門診療所が展開されることを懸念し、「地域包括ケアシステムを構築する中で、在宅医療は重要だが、最初から間違った方向に行くと問題。在宅専門診療所については、神経質なくらい慎重な議論をすべき」と提案した。

 中川氏は、各都道府県で策定が進む地域医療構想についても言及。同構想では、「在宅医療等の需要推計」を行っている。「これは、在宅医療をしなければいけない患者のデータではなく、『在宅医療が可能な』患者数という意味」と述べ、正しい理解を普及させることが必要だとした。

 迫井課長は、訪問診療の算定件数は漸増していることも指摘しつつ、「どんな医療機関が在宅医療に対応しているかについては、掘り下げて議論することが必要」と述べ、在宅専門診療所についても、その医療の内容を精査し、対応を検討していくと答えた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/493127
医療研究の内閣総理大臣賞創設を要望、横倉会長
道交法改正に向け、高齢者向け診断書作成手引きを作成

2017年1月12日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は1月11日の定例記者会見で、2016年11月に安倍晋三首相と会談した際に、医学研究で優れた功績を挙げた研究者を顕彰する内閣総理大臣賞の創設を要望したことを明らかにした。横倉会長は、政府方針である「健康・医療戦略」の改訂案が月内にも閣議決定される見通しであることを挙げながら、「本賞が実現して医学研究に携わる先生の励みになることを願っている」と述べた。併せて、「11月1日」を「いい医療の日」とすることも働きかけていると説明。国民が健康・医療について考える日にしたいとの考えを示した。

 また、2017年3月から改正道路交通法が施行され、高齢者が免許更新をする際などの認知機能検査の結果によっては医師の診断書の提出が求められるようになることを受けて、日医として「診断書作成の手引き」を3月までに作成し、会員に配布することを説明した。横倉会長は「医療資源の少ない地域もあり、地域の特性に応じた体制作りが求められる。かかりつけ医として長年診ている患者向けの診断書を作成するための手引きを警察庁と協議している」と説明した。

 2017年最初の定例会見ということもあり、冒頭には年頭の所感を述べた。2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて議論が本格化することから「大変な年がスタートした。国民が安心して医療介護を受けられるように必要な財源を確保しなくてはならない」と決意を新たにした

 2017年は干支(かんし)の「丁酉(ひのととり)」に当たることから、「前回(60年前)は東海村に我が国初の原子の火がともった。技術革新、新しいことが始まる年である。昨年は日医IT化宣言2016を公表したが、今年は患者情報を守りつつ、IT化に取り組んでいく」との意気込みを語った。



https://www.m3.com/news/general/493186
地域医療向上 奨学生が一役 50人へ貸与 定着課題に 嶺南振興財団10年
2017年1月12日 (木) 福井新聞

 地域医療向上を目指し奨学金で医学生を支援してきた嶺南医療振興財団(美浜町)は、2007年の設立から10年の節目を超えた。これまで50人に奨学金を貸与しており、嶺南の医療現場で現在、6人の医師が奮闘。嶺南の医療水準向上に一役買っている。ただ新規の奨学生受け付けは15年度で終了しており、今後はいかに地域に定着してもらうかが課題になっている。

 財団は県のエネルギー研究拠点化計画の一環として、嶺南の医師確保を目的に関西電力が設立。福井大医学部医学科と、県内高校卒業生で全国の大学の医学部医学科に進学する若者を対象に奨学金を貸与してきた。入学金や授業料、生活資金など、卒業までの6年間で1人当たり支給額は1080万円ほどだ。

 卒業後の臨床研修(2年間)を経て、嶺南の指定医療機関に4年間勤務すれば、奨学金の返済を免除する仕組み。奨学金を利用し、現在嶺南で勤務している医師は6人おり、今後勤務を予定している大学院進学者や専門医研修生もいる。

 小浜市の杉田玄白記念公立小浜病院では現在、同市出身の外科医岸和樹さんと美浜町出身の内科医井上元気さんが勤務している。ともに高校2年生の時に医師の道を志し、「地元で仕事をしたいと思っていたので、奨学金はありがたかった」と振り返る。

 人口当たりの医師数が全国平均より少ない嶺南での勤務について、岸さんは「多くの種類の手術機会があり、一例一例を大切にできる」とし、井上さんも「さまざまな疾患に対応する必要がある」とやりがいを語る。若手扱いが許されない環境だけに、都会で勤務する同年代より経験が積めるという。今後は専門性を高めるため、一時的に都会へ出る可能性はあるというが、2人とも最終的には嶺南の医療向上に貢献するつもりだ。

 財団の新規奨学生受け付けは15年度で終了しているため、2人のように嶺南での定住を希望する医師がいなければ、奨学金の効果がなくなる可能性がある。今後は医師に嶺南にとどまってもらうための取り組みが欠かせない。

 財団側は、嶺南で働く不安を取り除いてもらおうと、定期的に奨学生とOBの交流会を開催。しかし抜本的な定着対策は、待遇面も含め病院側による部分が多い。

 小浜病院の小西孝院長は、18年度に始まる「新専門医制度」が解決策の一つになるとみている。「医師にはスペシャリスト(専門型)とゼネラリスト(総合型)両方の需要がある。地方の病院は後者の受け皿になれる」と語り、総合診療医の養成に活路を見いだしている。

 嶺南の医療機関は連携して総合診療医の研修プログラムを組み、本年度から実際に研修をスタートさせている。小西院長は「新専門医制度では、医師がより自分の進路を主体的に選ぶようになる。医師の獲得競争が激しくなるだろうが、嶺南の病院で連携し、確保に努めていきたい」と話している。

 新専門医制度 学会によって違う専門医の認定基準を第三者機関「日本専門医機構」に一元化し、医療の質を高める目的で導入される。専門医を養成する医療機関が症例の多い都市部に集中し、医師の偏在が加速するとの懸念から、2017年度の導入予定を1年間先送りすることが決まっている。

 県内の医師数 微増傾向にあり、2014年で1896人。人口10万人当たりの医師数は240・0人で、全国平均の233・6人を上回っている。ただ、県内地域別に見ると、福井・坂井圏が338・9人であるのに対し、奥越圏は113・3人、丹南圏は122・6人、嶺南圏は163・9人で、県内では比較的人口の少ない地域の医療に課題がある。



https://www.m3.com/news/general/493163
不安解消、高まる信頼 山形大病院、入院時の総合窓口が好評
2017年1月12日 (木) 山形新聞

 山形大医学部付属病院(山形市、根本建二病院長)が院内に設置し、患者らが入院手続きを行う際に一元的に対応する総合窓口「医療コンシェルジュステーション」が開設から3年目を迎え、過去2年間で2万5千人以上が利用するなど活動が浸透している。手術や入院後の生活に関する悩みの解消も図られており、患者と医療スタッフとの信頼関係の構築に結び付いている。

 ステーションは2015年1月、正面玄関から入った外来待合ホール付近に開設。専任の看護師6人と事務担当者2人を常時配置し、患者に安心感を持ってもらうため、個室で個別に対応している。同病院によると、国立大学病院でこうした窓口の設置は初めてだという。

 面談や入院に必要な書類の作成、薬の服用状況などを確認するとともに、患者の手術や入院後の生活に関する不安を取り除く。また、患者や家族への入院手続きなどの説明を一本化するなどし、簡素化を図っている。専任の看護師は、複数の診療科に従事した経験豊かな職員が担当。患者が医師から「がん」などと告知された際は冷静さを失うケースがあり、看護師は患者に寄り添って症状などを再確認する。患者が介護や育児に携わっている場合は、入院後の家族の生活に関する相談にも応じている。

 利用実績は15年が1万1096人、16年は1万4469人。累計では2万5565人を数え、月に約1200人が利用している。

 斉藤律子看護部長によると、昨年の患者へのアンケート(有効回答83人)で「満足」「やや満足」が計83%に上った。入院患者を扱う看護師への聞き取り(同373人)では、病棟業務の負担軽減が図られたかとの問いに「とても思う」「まあまあ思う」が計43・1%だった。斉藤部長は「実際に業務時間の短縮化は進んだが、これからは診療科の特性に応じた病歴聴取など、より柔軟な対応が必要になる」と話す。

 山形大医学部の嘉山孝正参与は「患者さんと医療側とが情報共有を図り、双方向性の信頼関係を築くことができている。それが患者の安心感につながっている」と成果を挙げ、「患者の負担を軽くするため相談時間の短縮化や、相手側の要求だけを受ける仕組みも検討したい」などと語る。

 同病院は、ステーションの活動を広く周知するため新たに動画を作成し、ホームページで紹介している。



http://news.livedoor.com/article/detail/12530441/
注射や点滴すら経験不足…自衛隊病院で起きた様々な悲劇
2017年1月12日 8時53分 日刊SPA!

◆「何もかもが足らない! ボンビー自衛隊の実態! 04」

 これまでの連載で「衣食住がタダでうらやましい!」と思われていた自衛官のレジェンドが崩れ落ちたところで、もう一つの牙城を紹介しましょう。「自衛隊は医療がタダ! うらやましい!!」という伝説もボロボロに崩れ落ちるターンに参ります。

 偏差値の高い防衛医大という大学があることは皆さんご存じかと思います。医大に入るのは頭もよくないとダメですが、授業料もお高い。だから庶民のわたくしどもにはなかなか敷居が高いところですが、防衛医大など数校は「授業料はタダ!」です。しかも、防衛医大はお給料もでるという太っ腹体制で、卒業後一定の期間を自衛隊で勤務さえすれば、授業料の返納義務もなくなります。だから、賢い庶民のご子弟のなかには防衛医大を目指す方もいらっしゃるわけです。

 防衛医大卒業の医師はほとんどが任官し、自衛隊に配属され一定期間は防衛省の医師として勤務するのですが、自衛隊の医官は薄給ですし、授業料返納期限の1尉になるあたりで自衛隊をやめ、民間医になってしまいます。民間医になると経験を積み、いい医師になる人が多いので医師の登竜門として防衛医大は優秀ですが自衛隊病院の医官は減る一方なのです。医官としてあまり残らない。

 その理由は二つ。「自衛隊病院には患者が来ないから、医療技術を向上させることができない」ことと、「予算がなく使う予定のない医療器具、薬などを在庫、備蓄して持っていることができない」という大きな理由があります。

 どういうことかというと、自衛隊の病院も民間人を見ることができればいいのですが、近隣の医療機関との協定で民間人の診療をしないことになっている場合が多いのです。たとえば10万人都市にある医療機関なら、10万人の受診する可能性があるわけですが、自衛隊病院はそこの土地の駐屯地や基地にいる自衛隊員のみが潜在的な顧客となります。圧倒的に守備範囲が狭い。さらに自衛隊員って超健康で体を鍛えている人が多いのでなかなか病気にならない。臨床件数が本当に少ない病院なのです。

 また、一般医大を卒業した多くのお医者さんたちは若いうちは病院に勤務しながら、いろいろな医療機関の当直などのアルバイトをします。研修するにしても多くの症例を見ることができますし、技術をもった先輩医師も多い。あちこちの医療機関で修業を積むこともできるのでさまざまな経験を積み医者として自信がもてるように成長するわけです。

「民間医はアルバイトができる!」ここが防衛医大の医師との違いです。

 一方、自衛隊の医師は公務員です。だから、兼業などのアルバイトは許されません。自分の所属する自衛隊病院に患者さんがいなければ、アルバイトをしてほかの医療機関で経験を積むことができれば医療技術の向上チャンスもあるのですが、その道も閉ざされています。

 だから経験を積んでない医師や看護婦ばかりいる自衛隊病院は怖いと現役隊員もしり込みしてしまう悪循環が起こります。タダほど怖いものはない……。

 看護婦も注射や点滴ですら経験不足なので、さまざまな悲劇が起こるわけです。

 某所の自衛隊病院で健康診断の採血で、指揮官クラスの自衛官Dさんは看護師の3曹(かなり新人)が「血管がでない」とつぶやくのを聞きました。腕をぎゅうぎゅうに縛られてバンバンとたたかれた直後、最初の針がぶすっと無慈悲に突き刺さりました。「ギャッ」と心の奥で叫ぶほど痛く、この看護師の技量の低さを確信しました。刺すだけ刺して抜いたあと、「採血できませんでした。もう一度します」との言葉。

 「え? それはどういうこと?」と脳内で聞き返しましたが、すぐに2撃目が予告もなくぶすっと刺さりました。これは涙がでるほど痛かったのですが、歯を食いしばって耐えたあと針がおれてしまいました。採血の注射針が折れたのをみたのはその時が初めてだったようです。

 さらにもう一回刺して計3回の攻撃を受けてもやはり採血できず、時間がかかりすぎるのに気づいた検査係長がやって来て、「すんませんね~」とカルテを確認、そのときに司令官クラスの階級と職名を見て、顔が青ざめ、大慌てで医師が採血をすることになり、やっと健康診断完了となりました。平静を装って自衛官Dさんはその場を去りました。

 腫れあがった腕をさすりながら何でもないことのようにふるまっていましたが、ほ~~んとに痛かったそうです。その後、退役後に一般医療機で健康診断を受けた時に、「一般病院の看護婦の注射は魔法だ! 神業だ! すごい! すごい!」と本気で絶賛する自衛官Dさんには自衛隊病院で受けた数多くの逸話がまだあるようでした。

 さらに、もう一つの問題点です。自衛隊病院には会計検査院の監査が定期的にきます。会計検査院は無駄な予算を削減するために存在します。「病気はいつ起こるかわからないので医薬品や医療器具がないと診療も治療もできないので在庫を認めてください」と訴えても、「国の予算ですから、無駄はゆるされません。今使う予定がないものの購入は認められません」と指導をうけます。結果、多くの分野で、とくに年度替わりのシーズンになると薬と医薬品が不足し、患者を受け入れることができなくなります。

 こんな状況ですから、「駆けつけ警護が実施され、自衛隊病院の医師や看護婦が『銃創』の患者を診ることになったらどうなるのか?」と想像するだけで恐ろしいのです。

【梨恵華】
ミリオタ腐女子。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰



http://www.asahi.com/articles/ASJDD5V2PJDDPTIL02G.html
未来の「Drコトー」育てたい 収入・スキルアップ支援
神元敦司2017年1月12日07時11分 朝日新聞デジタル>

 離島やへき地で働く医師を育て、医師不足の解消を目指す試みが始まっている。都会から離れても知識や技量を高める機会を確保し、安定した収入を約束。赴任期間も区切る。福岡の救急医が豪州の仕組みを参考に研修プログラムをつくり、4月に1期生の6人が離島へ赴任する。

 離島やへき地には一般的に、大学の医局や特定病院が若手を中心に「派遣」しているが、敬遠されがち。幅広い知識や経験が必要なうえ、交代が少ないので研修参加が制限されやすいことなどが背景にある。ただ、条件が整えば赴任をいとわない医師もいる。

 新たなプログラムを作ったのは齋藤学医師(42)。順天堂大を卒業後、救急医や総合診療医として鹿児島県の徳之島などで働いた経験がある。3年前に合同会社「ゲネプロ」を福岡県宗像市で設立。離島やへき地でも各科で診察できる医師が多い豪州の教育プログラムなどを参考にした。

 参加医師は1年間、ゲネプロと契約を結んだ離島やへき地の総合病院など「研修病院」で働き、原則的に産科や救急科、内科、外科などを経験。インターネット電話を使って豪州の医師に診療指導も受けられる。

 「研修病院」は医師に給与を支給し、教育プログラムを提供するゲネプロにも医師の年収の2~3割を払う。派遣医師はゲネプロが面談を重ねて決めるので、病院は時間と労力をかけずに医師を確保できる。医師にとっては、期限付きで離島・へき地医療を経験でき、そこで自己研鑽(けんさん)できる。

 齋藤さんは「日本では離島やへき地に飛び込みたいと思う医師の道しるべがなく、このままでは、なり手が少なくなる」と話す。

 4月に赴任する1期生は29歳から41歳の6人。赴任先は長崎県の中通島(なかどおりじま、五島列島)と鹿児島県の徳之島の病院だ。島根県立中央病院(同県出雲市)救命救急医の石飛奈津子さん(37)もその一人。夫と2人の子どもと離れ、徳之島で勤務する。離島やへき地医療を維持するには、1年や数カ月単位で交代できる仕組みが必要だと石飛さんは考えている。「離島やへき地でも患者一人ひとりの生活に関わっていきたい」

■お産ができない 悩み深刻

 離島やへき地で深刻なのが、産婦人科医の確保だ。離島がある各自治体などへの取材では、昨年11月時点で島内でお産ができるのは16島。できなければ、本土のホテルで暮らすなどの対応を妊婦が迫られる。

 16島のうち7島では産婦人科の常勤医が1人だけだ。昨年4月以降でも種子島(鹿児島県)と中通島(長崎県)で常勤医が2人から1人に減った。種子島の3市町で運営する種子島産婦人科医院では、体力面を理由に68歳の医師が昨年7月で退職して30代の医師1人になり、病院が同10月にホームページで募集を始めた。

 病院側は救急搬送時を懸念する。医師が妊婦とヘリに乗るなどして島から出た際、島内の別の妊婦に不測の事態が起こる場合だ。通院する妊婦(33)は「医師1人だと万が一、急変した時に不安がある」と語る。

 長崎医療センター(長崎県大村市)客員研究員で産婦人科の山口純子医師(37)の試算では、2015年からの20年間で人口が半減すると見込まれる長崎・対馬で、お産の件数は234から78と3分の1に減るとみられ「病院の経営面からもお産態勢が維持できなくなる」と危機感を抱く。(神元敦司)



http://mainichi.jp/articles/20170112/ddl/k19/040/037000c
富士吉田市立病院
後任院長に松田氏 山梨大医学部在職 /山梨

毎日新聞2017年1月12日 地方版

 富士吉田市の堀内茂市長は11日の定例記者会見で、空席となっていた同市立病院の病院長に、山梨大学医学部の松田政徳准教授(56)が2月に就任すると明らかにした。

 前病院長の樫本温(さとし)氏(61)=同市立看護専門学校校長=は、歯科口腔(こうくう)外科で大月佳代子歯科医師(59)による診療拒否があったなどとして昨年、管理責任を問われて解職された。新たに就任する松田氏は消化器外科が専門で、病院長への就任は2月1日付の予定。

 同院の口腔外科では大月医師が懲戒免職されたことで常勤医師が不在となり、現在診療が週1回のみ。これについて堀内市長は「週2回で十分」との立場を示したが、常勤体制に戻す可能性にも言及。堀内市長は「一般的な治療は地元の歯科医会で、そこで対応不可能なら市立病院で対応する」とも述べた。

 また、大月医師は、診療拒否とパワーハラスメントはなかったとして処分の取り消しをなどを求めた訴訟を甲府地裁に起こしている。堀内市長は「調査した結果、不適切な部分が多々あった。決定を覆すつもりはないし、法的な場でしっかり確認していきたい」などと話した。同時に大月医師の同病院への復帰は「まったくない」とも述べた。【小田切敏雄】



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170112-140857.php
2~3月の「常勤医」決定 高野病院に中山氏、臨時の院長も
2017年01月12日 08時47分  福島民友新聞

 高野病院(広野町)の高野英男院長(81)が火災で亡くなり常勤医不在となっている問題で、広野町や医師有志による支援する会は11日、都立駒込病院の外科医中山祐次郎氏(36)が2~3月に常勤医として高野病院に勤務すると発表した。中山医師は臨時の院長にも就く見通し。3月までの常勤医は見つかったが、4月以降の常勤医や医療体制のめどは立っていない。

 支援する会によると、中山医師は高野病院を運営する医療法人社団養高会に2カ月間に限って常勤医として勤務する意向を伝え、高野己保(みお)理事長と合意した。

 中山医師は横浜市出身。4月から郡山市の総合南東北病院で働くことが決まっており、駒込病院を早期退職して高野病院に勤務する。専門は外科だが、精神科などについて非常勤医師の協力を得て診療に当たる。

 高野病院の医師確保を巡っては、国や県、町、病院関係者らが6日に対応を協議。県は福島医大と連携し医師確保や財政支援を検討する方針を示していた。



https://www.niigata-nippo.co.jp/member/login/?mode=check
内科外来と訪問診療4月以降も継続
堀之内病院 魚沼市が説明

2017/01/12 15:16 新潟日報

 3月末で療養病床を廃止する魚沼市立堀之内病院が、4月以降も内科外来と週2回程度の訪問診療を継続することを10日、同市が市民説明会で示した。

 魚沼地域の医療再編に伴い、同病院の一般病床は2015年4月に廃止。療養病床50床も看護師不足などから廃止となるため、今後の方針について説明した。

 市によると、4月から堀之内ICC医療センター(仮称)と名称を変え、内科外来と週2回程度の訪問診療を続ける。

 その後は医療介護の拠点とするため、療養病床だった入院棟に、小規模多機能型居宅介護や認知症対応型グループホームを民間公募で誘致。老朽化している診療棟は取り壊し、跡地に居住系の高齢者施設誘致を検討している。

 同市堀之内公民館での説明会で佐藤雅一市長は「医療センターという形で、しっかりと地域の皆さんの心と体を守るというスタンスで進めさせていただく」と述べた。市民からは「医療介護の拠点として何ができるかを示さないと納得できない」などの意見が出た。



http://blogos.com/article/205342/
福島の高野病院の件 今の地域医療は個人の努力で維持 本当綱渡り
中村ゆきつぐ
2017年01月12日 07:00 BLOGOS

上先生の記事(福島県双葉郡、医療崩壊の危機)から、今の地方の医療の問題を考えてみたいと思います。

> 高野病院は双葉郡で操業する唯一の病院となり、高野院長は双葉郡で唯一人の常勤医師となった

> 2017年元旦には、広野町の遠藤智町長に対して「患者・職員を助けて下さい。私はどうなっても構いません。病院と敷地を寄附するつもりです」と伝えた。

まず火事でお亡くなりになった高野病院の院長である高野英男氏(81歳)のニュースを見たとき、その頑張りに本当頭が下がりました。そして地域に一つしかない病院を、高齢の一人の医師に任せて放置していた自治体に今更という憤りも感じていました。

> 行政も動いた。6日には、福島県・広野町・高野病院などで会議を開いた。翌日の福島民友は一面トップで「医師派遣や財政支援 高野病院診療体制維持へ県 福医大と連携」と報じた。

上先生は高野病院支援活動について述べています。そして細かい部分は省きますが、同時に県や県立医大の無慈悲と思われる行為や予算の無駄遣いについても書かれています。箱物建設や天下りの件は多分そうなんでしょうが、どうも納得がいかない部分がありました。

そのときフォロワーからのあるRTではっきりしました。

林 智裕 (忘新年会Ver.) @NonbeeKumasan

高野病院の件、「活動する個人」が報われない流れは医療のみならず風評対策や復興政策でもあったり、問題は根深いと思います。私も不満は大いにあります。

その上でも、その批判の矛先を県や医大に外圧のように鋭く向けすぎることが良い結果をもたらすものだろうかと考えると、考え込んでしまいます。

2017年1月8日 06:46



この後の連続ツイートを見ていただきたいのですが、もう片手間で解決できる状態ではないということがよくわかります。一つ助ければ一つが手薄。それこそ戦争末期に大本営にいくら人・物資をおくれと言っても、ない袖は振れないという状況のようです。地域の医療の問題が本当集約されています。

いやそれでも本気出せば大丈夫なはずと上先生の文章は批判されています。確かに南相馬市立総合病院のように東京から医師が自律的に来福し、理路整然と支援が行われれば予算の無駄遣いも減りうまくいく可能性は高いと思います。ただそううまくいかないのが現実。実際それこそ箱物の予算とこのような医療の支援の予算は全く異なりますし、行政組織はその予算を右から左に変更はできません。そんなこと予算を執行されていた上先生ならわかっているだろうに。

> どのような救済スキームを準備すればいいのだろう。医療機関が国公立だろうが、民間だろうが、関係ない。住民視点にたち、ソフトランディングの仕方を議論すべきだ。

このまとめは同意です。ただ福島県を批判するだけではダメな気がします。今回嫌々ながら?も県も県立医大も支援に同意したのですから、これから福島の医療を協力しながら改善することは上先生たちならできるはずではと思うのですが。それともこの煽りはマスコミを使うことで主導権をとるための手段なんでしょうか。

記事を書いた後、ヤフー個人で発信されている中山先生が2ヶ月間常勤医として就任されることがわかりました。本当慈悲の心を持つ赤ひげのような先生です。ただ個人だけの頑張りには限界があります。無理はなさらないように期待します。



http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/318325.html
機構「清水庁舎移転が適切」 静岡・桜ケ丘病院
(2017/1/12 07:40)静岡新聞NEWS

 静岡市清水区の桜ケ丘病院移転問題を巡り、病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO、東京都港区)は11日、移転先として市役所清水庁舎所在地が適しているとの見解を明らかにした。市が清水庁舎と清水桜が丘公園を移転候補地として情報提供して以降、JCHOが移転先を明言するのは初めて。同日午前、JCHO本部で尾身茂理事長が川勝平太知事と会談して伝えた。近日中に正式決定する見込み。
 築57年の桜ケ丘病院は施設の老朽化が深刻で、JCHOが移転を急いでいる。清水区の基幹病院の一つと位置付ける市は2016年9月、JCHOの求めに応じ、清水庁舎と病院現在地に近い清水桜が丘公園を移転候補地として提示。清水庁舎は津波浸水想定区域内にあるとして、病院現在地の地元住民や川勝知事が反対の姿勢を示す中、田辺信宏市長は16年12月、JCHOに清水庁舎を優先候補地と回答していた。
 JCHOは、建物の1階部分を大きな圧力を受けない構造にしたり、電力源を上層階に設置したりといった津波対策を講じた先行事例の実績を踏まえて、津波浸水想定区域内への移転は可能と判断。その上で、交通アクセスを比較した時の市民の利便性や早期移転の可能性、安定的な病院経営、周辺道路環境などを総合して清水庁舎への移転が適切と結論づけた。
 川勝知事はJCHO側から「移転先を決めるには地元のコンセンサスを得るのが最大の条件」との説明を受けたと、会談後の取材に答えていた。これに対し、JCHOの担当者は静岡新聞社の取材に「コンセンサスは利便性や周辺環境などいくつかの条件の中の一つ。静岡市はこれまで、コンセンサスづくりに努めてきたし、今後も取り組んでいくと聞いている」と応じた。
 田辺信宏市長は報道陣の取材に「安心な病院をJCHOと一緒に整備していくと市民に丁寧に説明したい」とJCHOの見解を歓迎した。
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桜ケ丘病院移転を巡る経緯



http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170112/CK2017011202000063.html?ref=rank
静岡
「桜ケ丘病院、清水庁舎に」 運営法人が意向

2017年1月12日 中日新聞

 静岡市清水区の桜ケ丘病院の移転地選定を巡る問題で、病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(東京都港区)は十一日、市が移転先の候補地として示していた市清水庁舎と清水桜が丘公園のうち、「庁舎の方が適している」との考えを文書で明らかにした。近く庁舎に正式決定する見通し。市は津波浸水想定区域にある庁舎を優先候補地としてきたが、地元住民や静岡県の川勝平太知事が反対していた。

 同日、川勝知事は機構本部を訪れ、尾身茂理事長らと面談。終了後、機構が報道機関向けに文書で意向を表明した。

 機構は、庁舎が適している理由について、交通結節点にあることと患者数増加が見込めることを挙げ、移転新築時期の見通しがたち、周辺道路が広くて救急車両の通行が可能などと説明。利便性、早期移転可能、安定経営、周辺環境などいずれの点でも、病院現在地近くの高台にある公園より、庁舎の方が優れていると判断した。

 津波に関しては、波の圧力を受けにくい建物構造にし、電気設備を上層階に置くなど「先行事例の実績も踏まえて対応が可能と考え、対策には全力を挙げる」とした。

 市は、病院移転に伴い引っ越すことになる現清水庁舎の移転先について、JR清水駅東口公園を最有力地としている。

 桜ケ丘病院は市指定の救護病院。清水庁舎の現在地は最悪の想定で平均一・五メートル、東口公園はさらに深い平均二・三メートルの津波浸水が想定される。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50358.html
オプジーボ投与、DPC病院も出来高算定に- 中医協が了承、2月から
2017年01月12日 15時00分 CB news

 中央社会保険医療協議会(中医協)は11日の総会で、がん治療薬「オプジーボ」の投与を急性期のDPC対象病院で受けた患者の入院費用を計算する方法について、包括算定から出来高算定に切り替えることを了承した。同剤の公定価格(薬価)が2月1日から半額になるのを受けたもので、計算方法は同日から切り替わる。【佐藤貴彦】

 急性期病院に入院した際の費用は通常、病棟の人員体制や実施した手術、投与した薬剤ごとの診療報酬を足し合わせて算出するが、入院先がDPC対象病院の場合は原則、薬剤などの費用を包括した一日当たりの定額報酬に、手術の費用などを足し合わせて計算する。

 DPC対象病院は、昨年4月時点で1667施設あり、全国の病院が持つ一般病床の半数以上で、包括算定の方法が適用されている。

 一日当たりの定額報酬は、患者の主な傷病などに合わせて細かく設定されており、現在、黒色腫の患者が入院中にオプジーボの投与を受けた場合などの費用は一部を除き、定額報酬を使って計算するルールになっている。ただ、入院先がDPC対象病院でも、費用を出来高算定で計算する例外があり、オプジーボの投与を受けた肺がんの患者らが該当する。

 オプジーボの現行の薬価は20mg1瓶15万200円で、2月から半額になる。引き下げは、黒色腫の患者だけが対象だった同剤を、肺がんの患者らにも投与できるルールになり、その市場が大幅に広がったことなどを受けたもの。現行の制度だと、同剤の薬価は来年3月末まで維持されるが、医療保険財政に悪影響を及ぼすとして、前倒しで実施することになった。

 11日の総会で厚生労働省は、引き下げが特例的で、定額報酬の額を見直す時期と合わないことなどを理由に、同剤を投与する患者をすべて出来高算定とすることを提案、了承された。

 委員からは、「2月1日をはさんで(オプジーボを)投与される患者が一定程度おられると考えている。現場が混乱しないように対応をお願いしたい」との要望があり、厚労省の担当者は、「必要な情報提供はしっかりやっていきたい」と応じた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0112506180/
柔整療養費、3年連続で減少
厚労省・直近7年間の推移を公表

2017.01.12 12:00 Medical Tribune

 厚生労働省は、2014年度国民医療費のうち、柔道整復(以下、柔整)、鍼・灸などに関する療養費の推移を、今年1月6日に公式サイトで発表した。接骨院・整骨院による療養費請求の適正化が求められるなか(関連記事)、前年対比の伸び率は2012年から3年連続で減少している。

直近では前年に比べて130億円減少

 健康保険の対象には医療機関における医療行為だけではなく、限定的ではあるが柔整師による施術、鍼・灸、マッサージといった療養費も含まれる。

 今回、公表されたのは、それら療養費の2008~14年度における推移である。そのうち柔整療養費は、2011年度までは前年度に比べて増加していた。しかし、2012年度の柔整療養費は3,985億円と、前年度の4,085億円に比べて100億円減少(-2.5%)。さらに、2014年度の柔整療養費は2013年度の3,855億円から30億円減少し(-0.8%)、3,825億円と推計された。

骨折、脱臼の療養費は医師の同意が必要

 柔整で医療保険の対象となるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫に対する療法費で、骨折、脱臼については医師の同意が必要だ。

 保険請求の方法については、医療機関と同じ様に患者が自己負担分のみを整骨院・接骨院に支払い、整骨院・接骨院が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」が認められている。

 しかし、対象以外の施術例についても療養費として請求されるケースがあり(関連記事1、関連記事2)、保険請求の適正化が求められている。今回、厚労省は柔整の療養費の推移を公表するとともに、保険の対象となる事例を示している。

(田上玲子)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/55025/Default.aspx
中医協・薬価専門部会 市場拡大再算定の抜本的見直しに着手 “市場獲得率”拡大品目は除外へ
公開日時 2017/01/12 03:52 ミクスオンライン

中医協薬価専門部会は1月11日開かれ、現行の市場拡大再算定ルールの抜本的見直しに着手した。現行ルールでは、再算定の対象は当該製品の予想販売額と年間販売額で決まる。厚労省が想定する新たな見直し案では、効能追加等で年間販売額が伸長しても競合品を含め、該当領域の市場全体を拡大させない場合は再算定のルールを適応しない考え。つまり、競合品のシェアを奪い“市場獲得率”を拡大させただけで、市場全体の売上高に変化がない場合は薬価引下げの対象とならないことになる。現行制度はいわば、市場競争に打ち勝ってシェアを獲得した製品に再算定を行う“市場獲得率拡大再算定”とも言える側面がある。これを抜本的に見直すことで、現行ルールで再算定に該当する品目が引下げの対象から外れる可能性も出てきた。一方で、競合品を含めた領域別の市場売上の合計が大きく伸長した場合には、新薬収載の機会を最大限活用して年4回の迅速に再算定を行う考え。個々の疾患領域別に市場をみれば、今後その伸びは一定程度抑制されることも想定される。

薬価制度の抜本改革の議論がスタートした。抗がん剤・オプジーボに端を発した高額薬剤問題は、国民皆保険の持続性とイノベーション推進との両立のテーマに発展。昨年末、塩崎厚労相、麻生財務相、菅官房長官、石原経済・財政相の4大臣が昨年末に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」を取りまとめるに至った。基本方針には、「効能追加等に伴う一定規模以上の市場拡大に速やかに対応するため、新薬収載の機会を最大限活用して年4回薬価を見直す」ことが盛り込まれた。オプジーボが効能追加を機に売上高が大きく伸長したことなどから、厚労省側は早急に議論に着手することが必要と判断。年明け早々“効能追加等に伴う市場拡大への対応”を議論の俎上にあげた。

効能追加に伴う市場拡大への対応としては、すでに現行ルールとして市場拡大再算定などがある。市場拡大再算定は、年間販売額が予想販売額の一定倍数・一定額を超えた場合、2年に1度の薬価改定で薬価を引き下げる。いわゆる競合薬がすでに市場にあり、類似薬効比較方式で算定された製品は、効能追加等で使用実態が著しく変化したことが前提条件となる。また、年間販売額が1000億円超など巨額の売上をあげた製品については、効能追加などがなくても、2016年度改定で新設された特例拡大再算定により薬価が引き下げられることとなっている。

◎加茂谷専門委員 市場獲得率を変化させただけの製品「再算定の対象から除外を」

厚労省は、この日の中医協に対象品目の範囲についての論点として、▽ 薬理作用類似薬がなく新たな医薬品市場が拡大するケース、▽ 競合品との市場獲得率を変化させているだけで医療保険財政への影響がほとんどないケース――をあげた。国民皆保険の持続性の観点から、医療保険財政への影響が議論の重要なポイントとなる中で、厚労省側は、1剤の製品の売上高だけではなく、マーケット全体に着目することが必要と判断。市場内で競争に打ち勝ち、市場獲得率を拡大させたものの、競合薬を含めて市場が拡大していない製品は再算定の対象から外す考え。市場拡大再算定という本来の名称通り、市場を大幅に拡大させた製品について迅速に再算定を行う考えだ。

支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「現行の市場拡大再算定、特例拡大再算定に該当する品目は、最低限対象とすべき」と主張。その上で、市場獲得率を変化させているだけの製品についても言及し、「留意事項通知などで使用方法が違う場合、完全に同一視できるか丁寧に検討することが必要だ」と述べた。

これに対し、専門委員の加茂谷佳明委員(塩野義製薬・常務執行役員)は、議論の発端が皆保険の維持・持続性だとした上で、「マーケット全体で見ると影響がないときには、(再算定の)対象から外していただきたい」と要望した。また、施行時期については国民皆保険の持続性の観点から一定の理解を示した上で、企業経営の観点から予見性の重要性を強調。各社とも2017年度の事業計画の策定にすでに着手していることなどから、2017年度施行についてけん制した。

◎NDBデータ活用で販売数量把握

再算定に当たり、販売数量の把握も一つの大きな論点となる。通常の薬価改定時には薬価調査を行うが、厚労省側は、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用し、薬剤の総量を把握。薬価と掛け合わせることで、医療保険財政に影響を与える製品を洗い出すことが可能になるとしている。迅速かつ柔軟な対応が求められる中で、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、NDBを活用する課題も指摘。IMSなどの民間データ活用の検討を求める一幕もあった。

そのほか、薬価の見直しが医療機関、薬局、医薬品卸における医薬品の在庫価値減少につながる可能性も指摘。施行時期や経過措置の必要性も指摘された。

◎年内に骨子取りまとめ 外国平均価格調整、新薬創出加算も議題に

薬価制度の抜本改革は今後、8項目のテーマについて集中的に議論を行い、12月に骨子をとりまとめる方針。1~4月には、① 効能追加等に伴う市場拡大への対応、② 薬価算定方式の正確性・透明性、③ 外国平均価格調整の在り方、④ 中間年の毎年薬価調査・薬価改定、⑤ 後発品の薬価の在り方について――議論を行う。議論を踏まえて5月に関係団体ヒアリングを行った後、6~9月は、薬価算定方式や毎年薬価調査・薬価改定の議論を継続するほか、新薬創出加算の在り方、長期収載品の薬価の在り方、イノベーションの評価を議論の俎上にあげる。10月にも業界団体ヒアリングを行い、骨子をとりまとめる方針だ。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/massie/201701/549732.html
コラム: 池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」
ディオバン事件告発の「成果」──結審を迎えて

池田 正行 
2017/1/13日経メディカル

 警察・検察への通報を受けての起訴・裁判が、事故原因の氷山の一角に過ぎないヒューマンエラーだけを取り上げ、システムの末端で働く個人を処罰することによって海面下にある氷山の本体、つまり肝心のシステムエラーの数々を隠蔽・放置する。そんな構図は、医療事故に限りません。昨年12月15日に結審した、いわゆるディオバン事件裁判でも、ウログラフィン誤投与事故裁判と同様の構図が再現されました。

中身のない丸投げ告発
 「中身のない告発状」 「事実解明を『丸投げ』する内容で、凡そ本来の『官公庁の告発』のレベルではない」「厚労省側に『告発のアドバルーン』だけ上げられ、ほとんど白紙の状態から捜査を行わなければならない特捜部には、同情を禁じ得ない」(郷原信郎が斬る 2014年1月11日、同 1月14日)

 いつもは厚労省を厳しく批判する人々の代表である桑島巌氏(臨床研究適正評価教育機構理事長)や薬害オンブズパーソン会議は、厚労省によるディオバン事件の告発を高く評価しました。それに対し、郷原信郎氏の評価は上記のように散々なものでした。常に検察に対して批判的な郷原氏をして「同情を禁じ得ない」とまで言わせしめた、「中身のない丸投げ告発」とは一体どんなものだったのでしょうか。

 厚労省の告発が適用を求めていたのは、「何人も(中略)虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」とする薬事法(現薬機法)66条1項でした。この規定における「何人も」とは、個人であって法人ではありません。ですから、告発する場合には誇大広告を作成、流布した行為者を特定する必要があります。

 確かにディオバン事件裁判では、両罰規定(薬事法(現薬機法)90条本文)によりノバルティスも被告になってはいます。しかし両罰規定による法人の処罰は、行為者個人についての犯罪成立が大前提です。行為者について犯罪が成立するか否かが不明確なまま、法人だけを処罰することはできません。

 郷原氏が「中身のない丸投げ告発」と非難したのは、厚労省が被告発者を「氏名不詳者」として特定していなかったからです。それでも、一部のジャーナリストに煽られた官邸の強硬な態度を受けての官公庁による告発だったため、東京地検特捜部は告発を受理し、独自に捜査せざるを得ませんでした。

 上記の経緯を踏まえれば、厚労省による告発に先立つこと2カ月前に提出された薬害オンブズパースン会議(YOP)による告発が不受理になってしまったのも納得できます。YOPの告発状では、告発対象が「被告発会社 ノバルティスファーマ株式会社」とあるだけで、被告発者については一言も触れていなかったのです。

告発の生まれた背景
 バルサルタン問題は、特定の個人の犯罪で到底説明できるものではなく、製薬企業と医師の間にある利益相反を始めとした数々のシステムエラーが表出した結果です。YOPもそれを百も承知だったからこそ、肝心のシステムエラーを白橋氏一人の薬事法違反にすり替えるような、姑息な告発を潔しとはしなかったのでしょう。

 厚労省による「中身のない丸投げ告発」は、YOP同様に厚労省も告発に対して懐疑的だったことを示しています。処方箋の書き方一つ知らない検察官に「ディオバン事件の真相究明」ができるとは誰も思いません。ましてや薬の専門家集団である厚労省が、一個人を刑務所に入れただけでバルサルタン問題が解決するなんて能天気なことを考えるわけがありません。

 そんな告発が生まれた原因は、またしても「裁判真理教祭り」でした。処方箋の書き方一つ知らずに「つべこべ言わずに白橋を吊せ、ノバルティスを吊せ!」と叫ぶ国民の皆様からの熱い声援を受け、ARBが何の略号かも知らない敏腕記者が、やはり処方箋の書き方一つ知らない政治家を焚き付けた。「中身のない丸投げ告発」は、そんな彼らの怒号を鎮めるために生まれたのでした。

スケープゴートによるシステムエラーの隠蔽
 全ては凶悪知能犯・白橋伸雄の仕業である。松原弘明氏(元京都府立医科大学教授)や、「降圧を超えた効果」の世界的権威であり、KHS(Kyoto Heart Study)の前代未聞の「査読スルー」に多大な貢献をしたであろうBjorn Dahlof氏を含めた偉いお医者様達は、絶対に犯人などではなく、むしろ白橋の犯行の哀れな被害者である──。

 この検察官シナリオには誰が見ても無理があります。しかし、他にどんな選択肢があったというのでしょう。何せ「中身のない丸投げ告発」が元ネタです。処方箋の書き方一つ知らないのに、何が何でも有罪を勝ち取らなくてはならない。現地の地図も持たずにガダルカナル島に投入された帝国陸軍兵士もかくやと思われるような状況に陥った検察官には、郷原氏ならずとも同情したくなるというものです。

 桑島氏にとって不倶戴天の敵であったはずの松原氏を含むお医者様達は、検察側証人として、自分たちは潔白である旨、証言をしました。松原氏が獲得した奨学寄付金の額とか、KHSの輝かしい発表が行われたバルセロナでの欧州心臓病学会への大名旅行の費用がいくらで、それを誰が負担したとか、そんな下世話な話は一切ありませんでした。

 いつ、どこで、誰が、どのデータを操作したか。いい大人達がそんな重箱の隅のつつき合いに血道を上げ、医師と製薬企業の関係におけるシステムエラーの議論を徹底して回避したディオバン事件裁判。それは、真の事故原因に関する考察を一人の医師の業務上過失致死罪にすり替えたウログラフィン誤投与事故裁判を彷彿とさせました。それが「喜ばしい」とまで高く評価された刑事告発と、その告発を受けて行われた裁判が生んだ「成果」なのです。


  1. 2017/01/13(金) 05:41:55|
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