Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月9日 

http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/09/takano-hospital_n_14046514.html
「福島の医療崩壊は、どこでも起こりうる」原発22キロ、常勤医ゼロの高野病院の危機を救え
The Huffington Post | 執筆者:泉谷由梨子
投稿日: 2017年01月09日 16時25分 JST 更新: 4時間前

 東京電力福島第一原発事故後、原発がある福島県双葉郡内で唯一、入院できる施設として診療を続けてきた高野病院の高野英男院長(81)が死亡し、常勤医が不在になっている。病院のある広野町は1月9日、ふるさと納税を利用したクラウドファンディングによる支援金の募集を始めた。

 高野病院をめぐっては、南相馬市立総合病院の医師らによるボランティア「高野病院を支援する会」が発足し、ボランティア医師の緊急派遣などを行っている。

 初代の代表を務めた同病院の尾崎章彦医師は、ハフィントンポストの取材に対して「万一病院がなくなれば、地域に与える負の影響が非常に大きい。どこにでも起こりうることとして、皆さんにぜひ考えて欲しい」と訴えている。支援金は遠方から駆けつける医師らの交通費と宿泊費として使用されるという。

尾崎章彦医師は以下のように訴える。

 高野先生は亡くなるまで「地域の人々のために」と高い志を持ち、献身的な姿勢で、どうにか、福島の原発周辺での医療を成立させてきました。被災地のために働く医師にとっては、「高野先生があんなに頑張っているから、自分も」と思うような、被災地のシンボル、象徴的な存在でした。
 高野病院には精神科もあり、長期療養の方が多い。中には10年間入院しているという患者さんもおられました。地元の人にとって大きな役割を果たしている。万一、なくなってしまえば、地域に与える負の影響は非常に大きい。

 会は高野院長の死亡後、ボランティアの医師を募って、病院が診療を続けるための支援を続けている。尾崎医師によると、呼びかけに集まった30人以上の医師によって、1月中は交代で診療を続ける見通しがたったという。一方で、常勤医不在のまま病院を継続していくことは難しいという。

■県が支援を表明、しかし...

 こうした高野病院の状況を受けて、福島県の内堀雅雄知事は、1月4日の年頭記者会見で県として支援する考えを表明した。

 しかし、尾崎医師らによると、6日に開かれた町や病院などとの緊急会議で、県は非常勤医師の派遣を県立福島医大に要請するなどの支援策は表明したものの、その他は、既存の避難地域に対するものだけで、「目新しい具体的な支援案はなかった」という。

 「非常勤で来てくれる医者、あるいは常勤医が見つかりました、じゃ、後はがんばって」。それで高野先生のような献身的な働きを今後も求めていく、そんなやり方でいいのでしょうか?
民間病院への公的支援というのが難しいことは理解できます。ただ、被災地のために、高野先生は全てを投げ打って、地域を支えてきた。他にも、緊急時だからと民間病院でがんばっておられる先生方もいます。もしも高野病院がこのまま十分な支援を受けられないようであれば、そうした踏ん張っている人々に与える影響も大きい。
 もう一度、県にはよく考えてもらって高野病院のサポート、そして、きちんとした地域医療の体制を整備して欲しいと思います。

■医療は住民帰還にとって最重要の項目

 高野病院がある広野町は、双葉郡内では最も南に位置する。放射能による汚染の影響が比較的少なく、双葉郡では2012年3月に最も早く住民の帰還が始まった。

 高野病院のある広野町の隣に位置している楢葉町は、2015年9月に避難指示が解除された。また、2017年春には浪江町と富岡町が、町の一部で避難指示を解除する見通しとなっている。

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 しかし、楢葉町では全人口約7300人(住民基本台帳登録者数)のうち、1月4日時点で帰ってきたのは386人のみだ。楢葉町には病院はなく、診療所のみ。

 住民に対するアンケート調査(2016年3月公表)では、帰還の判断のために最も重視されているのは「医療・介護・福祉施設の充実度」だった。

 「避難指示さえ解除すれば住民が元に戻る」というのが幻想であることは、楢葉町の事例からも明らかです。医療などのインフラが整っていない中では、元の土地にいくら戻りたくても戻れません。国や行政の責任で住環境を整える必要があり、中でも医療に対する住民の不安を解消すべきではないでしょうか。
 福島のこの地域は以前から少子高齢化・過疎化に悩まされる地域で、原発事故でそれが加速しました。しかしこれは特殊な事情ではなくどの地域にも起こりうること。こうした地域医療の崩壊について、みなさんにぜひ他人事ではないと考えて欲しいと思います。

■高野病院とは

 高野病院は、原発から約22キロの広野町に位置する精神科・内科の私立病院。町は2011年3月13日、全町に対して避難指示を発令したが、高野病院はほとんどが高齢の入院患者約100人を抱えており、移動させることには重大なリスクがあると判断し、避難せずに現在でも診療を続けている。

 しかし、それを支えてきた常勤医は高齢の高野院長たった一人。非常勤医師の派遣も受けて、救急も含む診療を継続してきた。震災後の町には、帰還した住民だけなく、除染や廃炉の拠点として多くの作業員が在住しており、そうした復興を支える人々の医療も担っている。

 一人で奮闘を続けていた高野院長が命を落としたのは、2016年12月30日夜だった。診療を終えた高野院長が、病院敷地内の自宅に戻ったところで火災に見舞われた。以降、病院は唯一の常勤医を失って、存続の危機に立たされている。



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20170109-OYTNT50155.html
高野病院支援へ募金サイト開設
2017年01月10日 読売新聞

 東京電力福島第一原発事故後、双葉郡で唯一避難せず診療を続けている高野病院(広野町下北迫)の常勤医が不在となっている問題で、広野町と医師有志でつくる「高野病院を支援する会」は9日、病院を支援する寄付を募るインターネットサイトを設けた。

 昨年末の火災で高野英男院長(81)が亡くなったことを受け、同町は支援を行うボランティア医師の宿泊費などの補助を表明。町の予算のほか、寄付で賄うことを検討している。

 目標額は250万円。クラウドファンディング形式で目標額に達しない場合は寄付者に返還される。達成した場合も期限の2月末まで受け付ける予定。同会事務局長の尾崎章彦医師(31)は「高野病院と双葉郡の地域医療を守るため、できる限り支援を集めたい」と話した。

 寄付額は3000円から選べる。ふるさと納税の対象になり、遠藤智町長から礼状が送られるほか、所得税や住民税が寄付額に応じて控除(減額)される。サイトは https://readyfor.jp/projects/hirono-med



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017010902000124.html
原発事故当時の病院 移送の難しい患者抱え「美談なんかじゃない」
2017年1月9日 朝刊 東京新聞

 高野英男院長を初めて取材したのは、福島特別支局在任時の二〇一三年十一月。原発事故後、避難せずに診療を続けた行為を「美談なんかじゃない」と言ったのが忘れられない。
 やむにやまれぬ判断だった。一一年三月十一日の震災当時、精神科と内科に約百人の入院患者がいた。寝たきりで、移送に耐えられそうにない高齢者もいた。
 病院は海岸に近い丘の上にある。震災の日、津波で停電、断水も起きた。その夜、がれきで埋まった真っ暗な道を夜勤の看護師四人が出勤した。
 広野町は十三日に全町避難を決めた。給食の作り手がいなくなると、入院患者の家族らが手伝った。隣町のスーパーの経営者は、店の裏口の鍵を渡してくれた。非常勤医師を派遣していた杏林大は、跡見裕学長が先頭に立って支援した。消防団、自衛隊、東北電力の社員…。多くの人が支えた。 

◆死去の院長患者第一 3・11後、夜も病院に

 高野英男院長は東北大理学部に進学したが、在学中、人間への関心が強くなり、精神科医に転身した。若いとき、内科も学び、外科手術も経験した。「患者と長く接するために」一九八〇年、高野病院を開院。「地域の無名の臨床医としてやっていく」つもりだった。
 原発事故後もとどまるのは、いばらの道だった。地域は崩壊し、子どものいる職員も避難した。
 普段は仕事が終わると病院の敷地内にある自宅に戻っていたが、3・11後は夜も病院にいた。
 「ロビーにスタッフが集まった。昔話をしながら様子をみた。それほど不安が強い人はいなかった」
 双葉郡の北にある南相馬市で生まれた院長は、放射性物質はこの地域でよく吹く南風に乗り、病院への影響は小さいと考えた。町役場から借りた線量計で繰り返し放射線量を計測した。医学的、科学的にリスクを考えた。
 震災で病院を取り巻く環境は大きく変わったが、患者第一の院長の姿勢は揺るがなかった。
 「朝六時には病院に入る。夜勤者の申し送りを聞き、必要があれば患者を診る。昔から朝食は食べない。コーヒーを一杯と半熟のゆで卵を一個。コーヒーをいれるのが楽しみ」
 「病棟をまわるとき、私を見ても患者の表情が変わらなかったり、声を掛けても返事がなかったりすると、少し具合が悪いかなと。そんな見方をする」
 楽しみは仕事の後、自宅に戻って飲むビール。「ピッチ(PHS、簡易型携帯電話)は手の届く所に置く。風呂に入るときも、シャワーを浴びるときも。哀れだなあ、と思います」。「酔うことはない」とも言っていた。
 悲報を聞き、一月に入って病院を訪ねると、事務長室に遺影が飾られていた。缶ビールの六本パックを置いて合掌した。
 「病院を守ろうとたくさんの人が力を合わせています。もう、酔っても大丈夫ですよ」
 (論説委員・井上能行)



http://blogos.com/article/204996/
現状の分析ができない偉い方は引退を
中村ゆきつぐ
2017年01月09日 11:38 BLOGOS

青山学園大学陸上部原監督のインタビューがあの江川さんの記事として出ていました。これをみて今の日本における問題点を考えて見たいと思います。

 >「私がやっているのは、今までの陸上界の常識と真逆のこと。なにしろ陸上界と言えば、辛抱、忍耐、根性、謙虚……。私も、そういうことは伝えますよ。でもそれより上位にあるのは、チャレンジとか、明るくハッピーに行こうとか、わくわくしようぜとか……」

 >――偉い人たちは、それを認めちゃうと、自分たちを否定されたように思うんでしょうか。

様々な分野において伝統は大切です。しかしコンピューター含め物が変化したこの時代、効率化の追求、新しい機械の活用、作業の見直しなど絶対に変化させないと競争には勝てません。その中で今までの指導者は新しいものを取り込まなければいけないのですが、大部分の方は失敗を恐れて今の安定している時代の変化を望みません。一時代を築き上げたのですからある程度仕方ありません。

医療の世界でも同じです。ついこの間もこんな提案がなされています。(医師の地理的偏在の解消に向けて)まあ丁寧な文言で書かれているのですが要約すると

「新しく医師になったものは保険医療(患者を保険診療で診る)をずっと続けていくためには一定期間の僻地勤務を義務付ける。でも今登録されている人は僻地勤務なしでそのまま診療できる」

まあ私は自衛隊での勤務を義務づけられた防衛医大でしたのでこのような規制は経験していますが、入学の時に説明を受け納得して入学しています。(まあ当時はあまりわかっていませんでしたが)しかし防衛医大や自治医大と違って最初に学生たちに条件が提示されていない今の若い医師たちに居住、勤務の自由を剥奪するこの施策については納得ができません。まさに事後法じゃないですか。

まして今の既得者にはその勤務の強制なし?で継続診療許可。そしてその施策を決めるのは既得者たちが委員をされている厚労省の会議。まさに若者だけに働けというただのブラックじゃん。

新しく出ている専門医制度でも実はこの僻地勤務の問題は言われています。(絶望の専門医制度)これも専門医という証明書のための若者の人身御供施策にすぎません。もちろん医局制度はある程度必要なことはあるのですが、であればこそちゃんとそれなりのお金、昇進などのインセンティブを与えてあげなきゃ。しんどい医療をやる人に何かしら与えなければそこはただの強制でしかありません。ひいては仕事をやらされるだけになり、結果生産性は上がりません。

どの世界でも行わなければいけない変革。グローバル化という名のもとに行われた改革が中途半端であったからこそ今のブラック企業や格差拡大が日本に出てきています。結局未来を育てるのか、現状を維持するのかのバランスがとても大切なのではないでしょうか。

原監督が言うこの20年の分析ができない様々なお偉い方は引退すべきなんでしょう。結果を出した現場の意見が大切です。



https://www.m3.com/news/iryoishin/487548
シリーズ: 『「50歳以上ドクター」の悩みと未来』
医師配置への「一定の強制力」、若手と50歳以上で認識に差◆Vol.17
へき地勤務、4割弱が「待遇が良ければ赴任」

2017年1月9日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

Q  診療科や地域による医師偏在を解消するため、行政や公的機関が「一定の強制力」を発揮する必要性について、どうお考えですか。
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 地域や診療科の偏在を解消するために、医師の配置に一定の強制力を行使することが必要か――。厚生労働省の「医師需給分科会」や「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」などでも、議論の俎上に上がるようになった。
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 50歳以上の医師では「必要」は80、「ある程度必要」は430で、計510が必要性を感じていた。一方で、35歳以下の若手医師では「必要」が140、「ある程度必要」が520で、計660に上り、より強く必要性を認識している。


 50歳以上の開業医では必要は計440、勤務医では570だった。また、「分からない」という回答は35歳以下で40、勤務医で50だったのに対し、開業医は120となった。

Q 60歳をすぎたら、半年~1年間、へき地・離島など、医師不足の地域に勤務と言われたら、赴任しますか。
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 60歳を過ぎたときに、「半年~1年間」と限定した場合の、へき地・離島などの医師不足地域での勤務の可能性について尋ねたところ、「給与など待遇によらず赴任」が40、「給与など待遇が良ければ赴任」が340だった。「給与など待遇にかかわらず赴任しない」は460だった。
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 「給与など待遇によらず赴任」は開業医4%、勤務医5%でほぼ違いはなかったが、「給与など待遇が良ければ赴任」は開業医が23%だったのに対し、勤務医は41%に達した。



https://www.m3.com/news/general/492068
高齢者と薬の上手なつきあい方は 一般向けに冊子作成
2017年1月9日 (月) 朝日新聞

 年をとると副作用が増えることを理解して薬と上手につきあってほしいと、日本老年医学会などが一般向けの冊子「高齢者が気を付けたい 多すぎる薬と副作用」をつくった。1万冊ほど印刷し、自治体や医師会などに配る予定だ。

 高齢になると、複数の持病を抱え、薬の種類や量が増えがちだ。冊子によると、高齢者は肝臓や腎臓の機能が低下し、薬が効きすぎることがあり、薬が6種類以上になると、副作用が出る人が増えるという。

 薬とのつきあい方として、薬の飲み忘れや勝手な中断でのトラブルも多いことから「自分の判断で薬をやめないこと」が大切だと指摘。その上で、「お薬手帳」を使うなどして、市販薬やサプリメントも含めて医師や薬剤師に使っている薬を正確に伝え、種類や量が心配な場合はかかりつけ医と相談し、優先順位をつけて最小限にしてもらうことなどをすすめている。

 「高齢者で特に慎重な投与が必要な薬」として17タイプの薬のリストも掲載。冊子は学会のウェブサイト(https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/20161117_01.html)からダウンロードできる。(寺崎省子)



http://mainichi.jp/articles/20170110/k00/00m/040/096000c
精神科
長期入院3.9万人削減へ 20年度末までに

毎日新聞2017年1月9日 21時56分(最終更新 1月9日 21時56分)

 厚生労働省は、統合失調症などで精神科に長期入院する患者を2020年度末までに全国で最大3万9000人減らす目標を決めた。日本の精神科入院患者数は国際的にも高水準で、1年以上の長期入院は14年現在、18万5000人に上る。少人数で生活するグループホームなどを整備し地域社会で暮らせる人を増やす方針だ。

 長期入院は過去の隔離収容政策の影響が一因で、人権上の問題が指摘されている。以前にも減らす目標を掲げたが達成できておらず、実現には財源の確保のほか、医療関係者の協力や住民の偏見の解消が必要になる。

 厚労省の調査では、全国の医療機関で精神科に入院している患者は全体で28万9000人。このうち64%を占める長期入院患者を20年度末までに2万8000~3万9000人減らす。目標値は、自治体がつくる18年度以降の障害福祉計画に反映させる。

 厚労省は患者が社会で安心して暮らせる「地域包括ケアシステム」の構築を目指す。高齢者の介護分野で導入が進む仕組みにならって、医療や福祉関係者らが連携できる協議の場を設け、患者が自宅やグループホームなどで幅広い支援を受けられるようにする。効果的な治療薬の普及も進める。

 現在いる長期入院患者の退院を促すほか、新規の患者の入院が長引かないようにして削減目標を実現させたい考え。新たに入院する患者のうち、3カ月後の退院者数を69%以上、6カ月後で84%以上、1年後では90%以上とする目標も定めた。

 厚労省は04年に示した精神医療の改革ビジョンで、10年間で約7万床を減らす目標を掲げたが、調査した02~14年に減少したのは1万8000床にとどまった。

日本の精神科医療
 厚生労働省によると、2014年現在、精神疾患を持つ患者は全国で約392万人。このうち精神科に入院している患者は28万9000人で、減少傾向にはあるが小幅にとどまっている。入院患者の約6割は幻聴や妄想などの症状がある統合失調症だが、認知症も約5万3000人いる。高齢化が進んでおり、入院患者の過半数は65歳以上。日本の人口当たりの精神科病床数は先進国最多で、平均入院日数も約280日と長い。


  1. 2017/01/10(火) 05:40:54|
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