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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月6日 

http://www.huffingtonpost.jp/michiko-sakane/the-despair-of-specialist-system_b_13985802.html
絶望の専門医制度
坂根みち子 医療法人 櫻坂 坂根Mクリニック 院長
投稿日: 2017年01月06日 12時31分 JST ハフィントンポスト

2016年12月16日に、日本専門医機構から専門医制度新整備指針が発表された。前回、各方面から批判の嵐にさらされた制度の仕切り直しである。

ざっと目を通してみて驚いた。とてつもない管理体制が始まろうとしている。

ここまで来ると人権侵害に近いのではないか。これから専門医を取ろうとする人達はこの制度で人生が大きく左右されるが、多くの人はわかっていない。

強力な管理統制医療になってしまうこの制度の問題点を指摘する。

専門医制度の根幹は、専門医の質の担保であるはずだ。

どんなところで研修しようと、結局のところ、専門医としてのレベルに達しているか否か、それだけが必要条件ある。

ところが、この指針を読んでも、どうやってその質を確保するのか全くわからない。神は細部に宿ると言われているが、細部は全く明らかにされていない。研修プログラムは別途定める、で終わりである。これでは制度の「管理者」次第でどうにでもなってしまう。

さらに驚くべきことに、

1. この先、医師は必ず何らかの専門医になる、そしてそのために卒後5年以上指定されたところで研修しなくてはいけない、のだそうだ。

6年かけてやっと卒業したと思ったら、いきなりあと5年の研修が全員に課せられてしまったのである。卒業した医師全員が専門医になる必要がどこにあるのか。何でも診れるジェネラリストを増やしたいのではなかったのか?

2. 専門医の経験目標の中に、地域医療の経験という項目がある。

何のために、こんな馬鹿げた項目をいれたのか。例えば、高度医療を担う心臓血管外科のスペシャリストに地域医療を必須化する必要がなぜあるのか、全く理解できない。

仕切り直しで機構がもっとも気を配ったのは、研修施設が大病院や大学病院に限定されて、専門医を目指す医師達が偏在し、地域医療が崩壊しないようにという一点に尽きるようだ。

そう言えば、専門医に僻地医療を義務付けよ、と言う外野の声も聞こえていた。その結果がこれか。
ビジョンも何もあったものではない。医師不足対策が専門医制度に紛れ込んでいる。各専門学会の委員はいったい何をしていたのか。

私は循環器内科の専門医である。夫は典型的な、過重労働の、病院から帰って来ない勤務医だった。親は遠く(それでも何度も助けてもらったが)、3人の子育ての負担はほぼ私が担ってきた。

子育てしながら専門医を取るのに一番の問題は、研修指定病院での常勤歴だった。研修先は医局が決めるから、都合良く研修指定病院へ配属されるとは限らない。

また循環器内科は救急も多い過酷な科であり、子持ちの女医がハードな研修病院に配属されないように「配慮」してくれるために、研修指定病院で勤務出来ない面もある。

日々分刻みで走り続けてきたが、親と同居でもなければ、実際 いけと言われても、帰って来ない夫と子供を抱えて循環器の常勤は無理だったと思う。

私は卒後4年間の研修の後、大学院へ進学し、夫の留学に付いて渡米した2年間を含め、6年間の大学院生活中に3人の子供を授かり非常勤勤務を続けた。博士号取得後も子育てと常勤の両立は難しく、しばらく非常勤勤務を続けた。

だが、非常勤であっても(今でも珍しいことだと思われるが)自分で入院させた患者の心臓カテーテル検査はやらしてもらい、外来だけではない臨床経験を亀の歩みのように積み重ねていった。

その当時は、時短勤務や産後復帰支援などというものはなく、がんじがらめに制度ではなかったために逆にこちらの熱意で何とでもなったのである。

数年後、常勤に戻るために専門医試験を受けることにした。循環器専門医は、6年の臨床経験と学会所属、そして、3年間の指定病院での研修が必要である。

この指定病院での研修歴が少し足りなかった。だが、非常勤で外来診療と検査を続けてきた私にとって、たとえ書類が整ってペーパーテストが通ったとしても、専門医として入院患者の治療経験が足りなかった。循環器内科専門医になるには、質の問題を抱えていたのである。

私は、非常勤でもカテーテル検査をやらせてくれていた病院の上司と掛け合い、金銭面は今までの非常勤のままで、勤務日数を増やし常勤扱いにしてもらった。今だから言うが、先方の病院にとっても常勤医が足りなかったので、win-winであったのだ。

そして救命救急センターもあるその病院で、週に1度は朝のICU回診から参加して(週1日でも小学生の子供が3人いて、7時前に家を出るのは至難の業)、病棟フリーの日を設定し、入院患者のカルテから、他のドクターの判断、その根拠、オーダー、患者の治療経過をつぶさに見て学習する時間を設定した。

その間救急搬送があれば、救急外来へ飛んでいき、循環器病棟で急変があれば真っ先に駆けつけ、手技や判断の再トレーニングを自らに課した。そのかわりといってはなんだが、心エコーやトレッドミル検査、経食道エコーなど得意分野では労力を無償提供し、時に若い研修医を教える側に回った。

この日々がなかったら、私が循環器の専門医を取ることも、常勤として戻る選択肢もなかったであろう。

常勤復帰後も両立のためにありとあらゆる勤務パターンの試行錯誤を繰り返した。その間、専門医としては、PCI(心臓カテーテル治療)まで出来るようにならないと半人前と感じるようになっていった。

だが、子育てしながらPCIするには、交代制勤務が必要条件で(そうでないと、頭を下げ続けながら、同僚に負担をかけながら仕事を続けるしかない)医局の人事内でそういった働き方は出来なかった。

最終的には医局を離れて、有志の仲間達6人と循環器に特化した小さな救急病院で、交代制勤務で24時間PCI体制を構築することにつながっていった。

話を戻す。今回の指針では、こういった、院に行きながら、子育てしながら、という「ながら族」的な研修法を認めていない。

指針には「特定の理由(海外への留学や勤務、妊娠・出産・育児、病気療養、介護、管理職、災害被災など)のために専門研修が困難な場合は、申請により、専門研修を中断することができる」とあるが、必要なのは、all or nothingの制度ではなく、様々な理由で週1日や2日しか研修できずとも、研修を積み重ねていける制度である。

医師の交代制勤務が出来ていない現状が放置されたままで、研修病院での常勤歴を専門医の条件に入れるということは、事実上多くの女性医師を出産から遠ざけるか、専門医取得から遠ざけることを意味する。「質」が最終目的であるなら、途中経過には多様性を認めて欲しいのだ。

アンタッチャブルな話であるが、私の出身の筑波大学循環器内科でも、最近まで子供がいてPCIまで手がけた女医は私ただ一人だった。つまり、結婚をしないでPCIに邁進するか、子供を持てば循環器の王道であるPCIには手が出せないか、実質二者択一になっているのである。

専門医機構のメンバーを見るとほぼ男性医師で占められているようだが、子育てをしながらキャリアを積むことがどういうものか、想像することさえ出来ない多様性のない人選なのだろう。

現実には女医のパートナーの7割は医師である。男性医師が帰って来なければ、パートナーの女性医師の活躍は期待出来ない。

他にもメンバーが現場を知らないと思われる机上の空論がたくさん盛り込まれている。

研修施設群の形成について
「専門研修基幹施設が中核となり複数の専門研修連携施設とともに専門研修施設群を構成する。専門研修専攻医は、施設群内の複数施設を年次で定められたプログラムに則って計画的に異動する 」のだそうだ。これは質の担保というより、研修医確保の視点しか感じられない。

さらに、一見研修施設に認定されれば研修医が確保できるように思われるが、研修施設には必ず基準をクリアーした指導医がいなければいけないのである。そもそも地方には指導医の確保さえ困難な医療施設がたくさんある。結局大学病院しか基幹施設に認定されないところが続出するだろう。

さらに、以下の項目
「基幹施設での研修は 6カ月以上とし、連携施設での研修は 3ヵ月未満とならないように努める」
質の担保をどうするか決めずに、どうでもいいような形式ばかりにこだわる。これもやはり、研修医確保の駆け引きの産物であろう。

「専攻医に対する評価は、専門研修指導医によるものだけでなく、メディカルスタッフおよび施設責任者等による多職種評価を考慮する」
この項目もよくわからない。極端なことを言えば、人間性がどうでも、ものすごい技術を持った人が専門医にいることも大事である。

「各基本領域学会が指定する学術集会・研究会・講習会に参加し、専門医として総合的かつ最新の知識と技能を修得する」
学会参加義務は本当に必要なのだろうか。多くの医師にとって、学会参加は専門医のポイント獲得のためだけで、実態はポイントをお金で買っているようなものではないだろうか。

学会に行かなければ専門医としての最新知識を習得できないという前提は、ネットが発達した現在において、現実と乖離していると言わざるを得ない。また実際には、大きな学会が開かれるたびに、その期間、地域医療を担う医師が不足し、現場の医療に悪影響を与えていることをご存知ないのだろうか。

指摘すれば切りがないのでこのくらいにしておく。

今までの制度では専門医の「質」の担保が不十分だったところから始まった議論だったはずである。それがいつのまにか学会と機構の主導権争いや医師確保の問題に変質していった。

最終的に、専門医としての最重要事項「質の担保」は担保せず、多様性を認めず、画一的な管理体制を強いる絶望的な制度が出来上がった。
この制度は、医師の人生設計、キャリア、さらに家庭生活、子育てに多大な悪影響を与える。

現場から声を上げなくてはいけない。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170106-139473.php
「医療連携講座」拡充へ 磐城共立病院、東北大大学院と新協定
2017年01月06日 08時45分 福島民友新聞
  
 医師不足解消と高度医療提供を目指し、いわき市立総合磐城共立病院は、東北大大学院医学系研究科(仙台市)との連携講座について、現在の「消化器のみ」から「疾患全般」に拡充させる。早ければ年度内にも新たに協定を締結する。

 連携講座は、病院内に客員教授などを配置し、同大学院の教員が医師として勤務しながら同大学院の学生の研究指導を行う。学生は医師免許を持ち初期臨床研修を終えていることなどを条件に、同病院で医師として勤務しながら学ぶことができる。病院側のメリットとして教授クラスの医師定着と若手医師の増員が期待される。

 新たな連携講座は「(仮称)地域先進医療学講座」。対象分野が疾患全般に拡充されれば、診療科ごとに協定を結ばなくても必要に応じ客員教授の配置が可能になる。同大学院の医科学専攻は約50分野。同病院と同大学院は現在、設置分野や客員教授を協議している。

 同病院は2012(平成24)年12月、同大学院と連携講座の協定を締結し、「消化器地域医療医学講座」を設置。内科学、外科学の客員教授が各1人配置されている。市立病院で同大学院の連携講座が設置されているのは東北で2カ所のみ。



https://www.minpo.jp/news/detail/2017010637871
【高野病院】被災地医療、どう支える(1月6日)
2017/01/06 08:59 福島民報 社説

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、避難せずに広野町で診療を続けてきた高野病院が院長の急死で非常事態にある。内堀雅雄知事は4日の年頭会見で、院長のこれまでの地域医療に対する貢献に言及しながら医師確保に向け支援する考えを示した。被災地の医療は多くの善意と志によって支えられてきたが、次の段階へ進むべき時期ではないか。高野病院への対応はその試金石となる。常勤医確保はもちろん、今後、被災地で安定した医療を提供するための方策を国、県、関係機関が構築してほしい。
 高野病院には震災時、100人を超す入院患者がいた。原発事故で住民は避難したが、患者の病状悪化を考慮して避難しないと決断。その後も双葉郡唯一の病院として診療を続けてきた。これを可能にしていた柱が、昨年末の火災で亡くなった高野英男院長だ。
 ただ一人の常勤医師だった院長は81歳。精神科医だが内科も、コンピューター断層撮影装置(CT)検査もこなした。非常勤医師はいたが自身は病院敷地内に居住し、100人超の入院患者に目を配りながら週数回の当直も務めた。院長の働きぶりを「超人的」と表現する医師もいる。
 緊急事態に対応し、南相馬市立総合病院の医師有志らによる「高野病院を支援する会」の呼び掛けによって、応援の医師が集まりつつある。町が交通費と宿泊費を負担する方向という。
 県は常勤医確保を支援する考えだが、単に後任院長となる常勤医1人を充てただけでは、高野院長の「超人的」努力でようやく保たれてきた医療や経営のレベルを維持できないという声も聞く。善意に頼らなくても成り立つ地域医療が被災地に求められる。
 高野病院には看護師の雇用助成など国、県の支援策はあるが、地域の医療計画や診療報酬制度の原則は「平等」を優先し、特殊な災害の中で医療を支えてきた病院の「特別扱い」を許していない。国は厚生労働省に特別チームを作り被災地での医療福祉の在り方を検討している。実のある方向性を示してほしい。
 高野病院を運営する医療法人、福島医大、国、県、町、双葉郡医師会は6日、今後の医療体制の確保に向け緊急対策会議を開く。会議が当面の対処にとどまらず、中長期的な地域医療の在り方まで協議する場となるべきだ。
 「民間」であることを理由に支援が中途半端に終われば、被災地医療を支えてきた他の民間病院や診療所は落胆するだろう。迅速かつ建設的な対応を望む。(佐久間順)



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170106-139454.php
診療体制確保へ対策 広野・高野病院問題、6日に緊急会議
2017年01月06日 08時10分 福島民友新聞

 広野町の高野病院院長の高野英男さん(81)が昨年12月30日の火災で亡くなり常勤医が不在となっている問題で、県と広野町、復興庁、高野病院を運営する医療法人社団養高会などは6日、広野町で高野病院の診療体制の確保に関する緊急対策会議を開く。医療法人に今後の運営方針を確認した上で、行政が必要な支援策を検討する。

 高野病院について県は、双葉郡の地域医療を再構築する上で重要な拠点と位置付けている。会議には福島医大、双葉郡医師会の代表も参加し高野病院の現在の診療体制などについて情報共有する。

 高野病院の診療科目は精神科、神経内科、内科、消化器内科の4科目。118の病床数に対し昨年末現在で102人が入院している。昨年10月時点で高野院長のほか9人の非常勤医師が在籍し、看護職員は47人が業務に当たっていた。

 高野院長の死去後は支援する会が応援の医師を募っており、全国から延べ20~30人の医師が協力する意向を示している。ただ病院存続には、管理者となる院長を含めた常勤医の確保が不可欠となっている。



https://www.m3.com/news/general/491686
国も医師確保を支援 福島・広野の病院継続問題
2017年1月6日 (金) 共同通信社

 東京電力福島第1原発事故後に避難せず診療を続けてきた福島県広野町の高野病院院長高野英男(たかの・ひでお)さん(81)が亡くなったことを受け、関係閣僚からは6日、国としても医師確保などを支援していく方針が示された。福島県は同日、病院の診療継続に向けた緊急対策会議を開いた。

 今村雅弘復興相は記者会見で「地域医療体制の構築に全力を尽くす」と述べ、復興庁として医師確保を支援する考えを表明。塩崎恭久厚生労働相は「国としてできることがあるかどうかは絶えず見ていきたい」と語り、状況に応じて必要な施策を検討する意向を示した。

 福島県の緊急対策会議では、高野病院、県、広野町、復興庁の担当者らが出席し、病院の状況を確認した上で、意見を交換。終了後に取材に応じた県の担当者によると、県が主体となって今後の医師の確保や財政面での支援を検討することを確認した。病院関係者からは「患者の転院は考えていない。患者とスタッフを守るために支援をお願いしたい」との要望があったという。

 病院には約100人の患者が入院しているが、常勤医は高野さんだけだったため、県内の病院の医師らが協力し、当面の診療を支える見通しとなっている。

 高野さんは先月30日、自宅の火災で亡くなった。広野町は、福島第1原発の20~30キロ圏内にあり、原発事故で緊急時避難準備区域に指定されたが、高野病院は寝たきりで動けない患者のために診療を続けてきた。



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0106/jbp_170106_0919294219.html
地域医療より箱物行政の福島県、高野病院を見殺し
筆者:尾崎 章彦
JBpress1月6日(金)6時10分

 東日本大震災と津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故で甚大な被害を受けた福島県広野町の医療が危機に瀕している。
 広野町周辺地域で唯一入院診療が可能な医療機関だった高野病院の院長、高野英男氏が2016年12月30日自宅での火事でお亡くなりになったのだ。現在、高野病院は、院長・常勤医不在で、診療を続けている。
 高野病院は昭和55(1980)年に広野町に開設、内科療養病棟65床、精神科病棟53床を抱え、広野町周辺地域の地域医療を支えてきた。特筆すべきは2011年の東日本大震災後の対応だ。
 福島第一原子力発電所から南にわずか22キロ、緊急時避難準備区域に位置していたにも関わらず、震災後も1日も休むことなく診療を続けてきた。その中心になったのが高野院長だ。

私財もなげうって続けた診療

 震災当時、既に齢75歳だったが、唯一の常勤医として診療に当たってきた。被災地で診療を続けるために私財も投げ打ったという。
 寝たきりの患者が多くそもそも避難が困難だったと高野院長は謙遜されていたが、地域医療を守るというその思いには並々ならぬものがあった。一連の取り組みは2016年10月のETVでも放送され、大きな反響を得た。(2017年1月21日に再放送予定)
 しかし、震災後の高野病院の歩みは困難の連続だった。最大の理由は人口減少である。
 震災後、広野町の人口は、震災前の5400人から約3000人まで減少した。2015年9月に警戒区域が解除された隣の楢葉町においても約8000人の人口のうち楢葉町に戻ったのは約400人にとどまっている。富岡町は現時点で帰還が始まっていない。
 人口減少が著しい「限界集落」において医療を民間病院だけで維持するのは大変困難である。実際、震災後の高野病院においても、従来の雇用を維持しながら診療を継続することが非常に難しい状況となっていた。
 しかし、高野院長の次女である高野事務長が福島県に、「地域医療を安定的に提供するために力を貸してほしい」と支援を依頼しても、民間病院であることを理由に「高野病院を利するための支援は不公平である」と告げられ、全く取り合ってもらえなかったと言う。
 その一方で、広野町を含む双葉郡の救急医療を充実させる目的で「ふたば医療センター(仮)」30床の建設準備が24億円という予算を使い双葉郡富岡町で進んでいる。初期投資は一床あたり8000万円という多額の税金を投入する。
 それ以上に衝撃的なのが、現在避難区域で休止している県立病院を再開した際には、この医療機関を潰すことが最初から決まっていることだ。現在の見通しでは5年以内に避難指示が解除される予定である。
 これは果たして多くの国民が納得できる税金の使い方なのだろうか。少なくとも私には、主要な病院機能が存在している高野病院を拡充して2次救急の体制を整えた方がよほど効率的な投資に映る。重症患者に関しても、南相馬市やいわき市に搬送することで対応可能である。
 もう1つ首を傾げてしまうのが、今回のふたば医療センターの構想に、この地域の地域医療に対する長期的なビジョンが全く見えないことである。
 広野町のある双葉郡は、どの地域よりも原発事故の影響を強く受けて人口減少と高齢化が進んでいる。救急医療が必要なのは確かだろうが、住民が最も必要としているのは高齢者のケアである。
 また、救急医療だけで地域医療は完結しない。急性期を脱した患者さんを支える後方ベッド、さらには自宅退院に至るまでの医療者やその関連職種における有機的なネットワークが不可欠である。

「地域医療のことは考えていません」

 つまり、ふたば医療センターができた後も高野病院は絶対的に地域に必要な存在なのである。しかし、残念ながら福島県にはその意識が欠落しているようだ。
 現に、高野事務長が、地域連携についてふたば医療センターの担当者に問い合わせたところ、「私たちは、この病院の経営を考えており、地域医療のことは考えていません。それを考えるのは県の地域医療課です」と回答があったという。
 では地域医療課はどう考えているのかと問い合わせても、あくまでも「この2次救急医療機関は、双葉郡の首長やみなさんが望んだものであり、自分たちはその要望に応えただけである」との回答だったという。
 このままでは、住民が望む医療を提供することは難しいのではないかと思ってしまう。
 今さらだが、高野院長を始めとする高野病院のスタッフにとって最も重要なことは「地域住民にできる限りの持続的で最高の医療を提供する」ことであり、「私腹を肥やすこと」ではない。
 高野家は私利私欲とは無縁な方々であり、患者、スタッフのことを常に第一に考えてきた。実際、震災後、スタッフの雇用を維持してくれるという条件で高野病院の運営を行政にお願いしたいという申し出も何度も行なっていた。
 しかし、曖昧な返事を繰り返されるばかりで芳しい返事はなかったという。このような話を聞くにつれ、今回の状況は以前から十分に予見されていたものであり、福島県にその責任の一翼があることがよく分かる。
 高野病院を存続させるには一刻も早い行政のサポートが必要である。しかし、1月5日朝の時点では、福島県の中で今回の事態を積極的に収集しようとする動きはない。
 1月4日の夜に福島県の内堀雅雄知事が高野病院支援を表明したが、具体的な対策やタイムスケジュールは提示されなかった。自体の深刻さに比べ、現時点での福島県の対応は遅きに失している感が否めない。
 高野事務長は、「住民を守って下さい。従業員を守って下さい。私はどうなってもいいです」と困窮を伝えたという。その訴えに対して、福島県の職員は「事務長さん、正月休みがあけて関係者がでてきたら検討しましょう」というものだった。いったい誰が広野町の医療を守るのだろうか?
 私は福島県南相馬市にある南相馬市立総合病院の一勤務医である。福島第一原子力発電所から10〜30キロに位置する南相馬市において、この2年あまり被災地の医療に携わってきた。
 あいにく高野院長には直接お目にかかったことはなかったが、高野院長の超人的な活躍、そして高野病院の震災後の窮状は耳に入っていた。悔やまれるのは、「何か自分にできることはないだろうか」と悠長に考えている間に今回の惨事が起きてしまったことだ。
 12月30日火事が発生した直後にその知らせを聞いたが、高野病院の再三のSOSにもかかわらず危機感なく過ごしていた自分を本当に情けなく思った。
 火事翌日の12月31日、縁あって高野医師の最期に立ち会うこととなった。その体験は、「高野病院の窮状をなんとかしたい」と私に思わせるには十分だった。

支援要請に乗り出した広野町の遠藤町長

 幸いだったのは、同日広野町町長遠藤智氏がいち早く浜通り地区の自治体と医療機関に医療支援の要請を行ってくれたことだ。
 これまでに、大町病院、常磐病院、相馬中央病院、南相馬市立総合病院が病院として支持を表明している。全国の医師に支援の輪が広がっている。
 その中で、私と浜通りの有志の医師は「高野病院を支援する会」を立ち上げることになった。現在も、会のフェイスブック(https://www.facebook.com/savepatientakano/)、会のホームページ(http://savepatientakano.sakura.ne.jp/)を介して情報発信に努めている。
 この会の最も大きな目的は短期的に高野病院の診療を継続させることである。2016年12月31日現在102人の患者が高野病院には入院している。また、病院を受診する外来患者や緊急搬送される患者も少なくない。
 ある程度の見通しがつくまでの間、浜通り地区の有志医師、また、全国からのボランティア医師を高野病院につなぎ、その医療をサポートしたいと考えている。
 また少しずつだが全国の医師や仲間にも支援の輪が広がっている。私自身の力は微々たるものだが、皆の力を借りることでなんとかこの窮状をしのぐ手助けをできればと考えている。
 1月3日には広野町遠藤智町長が記者会見を開き、町として全面的な支援を表明した。また、同時に町長が高野病院を支援する会の会長を引き継いでくださることとなった。今後は町長や広野町のスタッフをサポートしながら県や国に支援をお願いしていくこととなる。
 私たちは、今一度高野病院の窮状を顧みて一刻も早い支援をお願いしたいと考えている。広野町、また、双葉郡にとって、震災後も被災地の地域医療を守り続けてきた高野病院は地域の財産なのだ。



http://mainichi.jp/articles/20170107/ddm/041/040/143000c
福島・広野町の住宅火災
唯一の常勤医、高野院長犠牲 被災地医療の拠点危機 県主体で対策検討

毎日新聞2017年1月7日 東京朝刊

 高野さんが亡くなったことを受け、福島県は6日、診療継続に向けた緊急対策会議を開いた。高野病院、県、広野町、復興庁の担当者らが出席し、意見を交換。終了後に取材に応じた県の担当者によると、県が主体となって今後の医師の確保や財政面での支援を検討することを確認した。病院関係者からは「患者の転院は考えていない。患者とスタッフを守るために支援をお願いしたい」との要望があったという。

 関係閣僚からは6日、国としても支援する方針が示された。今村雅弘復興相は記者会見で「地域医療体制の構築に全力を尽くす」と述べ、医師確保を支援する考えを表明。塩崎恭久厚生労働相は「国としてできることがあるかどうかは絶えず見ていきたい」と状況に応じて必要な施策を検討する意向を示した。



https://www.m3.com/clinical/news/491458?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170106&dcf_doctor=true&mc.l=199593028&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
高齢者の新定義「75歳以上」
日本老年学会、日本老年医学会が提言

m3.com編集部2017年1月6日 (金) 

 日本老年学会と日本老年医学会が1月5日、都内で会見し、新たな高齢者の定義を提言。現在「前期高齢者」「後期高齢者」と定義されている65-74歳、75-89歳をそれぞれ「准高齢者」「高齢者」とすることなどを示した。

各種調査で5-10歳の「若返り現象」を確認

 提言の取りまとめに当たり、両学会は2013年に合同ワーキンググループを設立。国の各種統計調査データベースなどを用いて(1)疾病受療率、死亡率、要介護認定の変化、(2)体力・生活機能の変化、(3)知的機能の変化、(4)歯数の変化、(5)国民の意識、(6)社会学的見地―の項目を中心に検討を実施した。それによると、10-20年前と比較して現在の高齢者においては加齢に伴う身体機能変化の出現が5-10年遅れる「若返り現象」が見られていること、従来、高齢者とされてきた65歳以上においても特に65-74歳の前期高齢者では心身の健康が保たれ、活発な社会活動が可能な人がほとんどであるとの知見が得られた。

 会見では、内閣府が2014年度に行った高齢者の日常生活に関する意識調査も紹介。「高齢者とは何歳以上か」との問いに対し、「65歳以上」との回答したのは男女とも50程度にすぎず、男性では「70歳以上」、女性は「75歳以上」との回答が300と最多を占め、一般の人の意識も変わりつつあるとの見方を示した。

65-74歳は「准高齢者」

 新たな提言で、両学会は65-74歳(従来の前期高齢者)を「准高齢者」、75-89歳(後期高齢者)を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と定義するのが妥当との見解を示した。

 提言の背景を説明したWG座長の大内尉義氏(国家公務員共済組合連合会虎の門病院院長)は「“高齢者”の定義の年齢層を引き上げることは、健康長寿延伸の成果と捉えることができる」と指摘。65歳以上を新たに「准高齢者」と定義することが最長寿国日本において元気で活動性の高い年齢層の幅が広がったことへの認知を深める契機となると話した。また、「准高齢者の多くは社会の支え手、モチベーションを持った存在であり、自主的な社会参加をさらに促す契機となれば、社会の支え手を増やすことができる」とも述べ、今後、日本において生産人口減少が加速する実情を踏まえ、国民的な議論が高まることへの期待も示した。

実地臨床への影響は?

 新しい高齢者の定義の実地臨床での捉え方について、日本老年医学会副理事長の秋下雅弘氏(東京大学加齢医学講座教授)は「高齢患者を診療していて感じる問題、行うべき介入が従来の65歳以上を“高齢者”とひとくくりにしていることで色々な矛盾があると感じていた。65-74歳を“准高齢者”とすることで、中年期の延長として生活習慣病を抱えているけれども、まだ脳血管疾患を発症していない、高血圧や糖尿病の治療といった予防介入をしっかり行うべき対象となり得る。そして75歳以上になると、それまでとは少し違った配慮が必要になる。今までの高齢者の分け方を変えることで医療提供の考え方が割とシンプルになるのではないか。例えば、栄養指導の面でもそれまでの制限を中心としたものではなく、75歳以上の方はしっかり栄養を取ってむしろ筋肉が落ちないようにする視点が重要になるというようなことと私は捉えている」と説明した。

 日本老年医学会理事長の楽木宏実氏(大阪大学老年・総合内科学教授)は「医療現場では、現状の65歳という高齢者のカテゴリーを全く無くして診療していいかというと、少なくとも病院に来るような方では難しいと思う。まずは、今回の提言を社会がどう捉えるのか、議論を期待したい」との見方を示した。

 今回の提言を含む報告書は2016年度末までに日本老年医学会の公式英文誌(Geriatrics & Gerontology International)で公表される見通し。
http://geront.jp/news/pdf/topic_170106_01_01.pdf



https://www.m3.com/news/iryoishin/491442
シリーズ: 2016年の医療界:1000人アンケート
2017年の医療界の見通し、3年連続で「暗」◆Vol.3
2016年を表す漢字は「変」

医師調査 2017年1月6日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 2016年の医療界を漢字1文字で表すと何ですか?

Q 2017年の医療界の見通しについて、漢字1文字で表すと何ですか?

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 2016年の「今年の漢字」では、「変」が1位となった。2014、2015年は2位で、両年で1位だった「忍」は、2016年は2位となった。毎年のように医療を巡る制度変更は行われているが、2016年は新専門医制度や高額医薬品の薬価の引き下げなど、医療界の根本から変えるような制度変更が議論されたことを受けた結果と見られる。

 3位に入った「金」は、日本漢字能力検定協会が主催する「今年の漢字」で1位となったもの。リオデジャネイロ五輪での日本選手の金メダルラッシュは医療界の気分にも影響を与えたようだ。

 2017年の見通しを示す漢字では、「暗」が1位に、「変」が2位で、どちらも3年連続となった。2017年は2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて議論が本格化するが、見通しは引き続き「暗い」と感じる医師が多かった。

 10票以上集まった漢字は以下の通り。

【2016今年の漢字】
悪、貧、厳、無、疲、老、改、進、滞、不、激、忙

【2017年の見通し】
望、迷、希、不、忍、苦、乱、悪、霧、未、厳、耐、動



https://www.m3.com/news/general/491641
老人ホーム死亡で書類送検 呼吸器電源入れ忘れ容疑
2017年1月6日 (金) 共同通信社

 大阪府吹田市の介護付き有料老人ホーム「メディカル・リハビリホームくらら吹田」で昨年8月、入所者の女性(68)が死亡した事件で、府警捜査1課は5日、人工呼吸器の電源スイッチを入れ忘れたなどとして業務上過失致死の疑いで、准看護師の女性職員(53)=兵庫県伊丹市=と、女性施設長(36)=大阪府茨木市=を書類送検した。

 職員の送検容疑は昨年8月20日午後7時20分ごろ、女性のたんを吸引するために呼吸器のスイッチを切った後、再び入れるのを忘れて放置し、女性を窒息死させた疑い。

 施設長は昨年6月、別の職員が同じ女性の呼吸器のスイッチを切ったままにするトラブルがあったのに、家族や運営会社に報告せず、再発防止の取り組みを怠った疑い。

 捜査1課によると、呼吸器は常に電源を入れた状態で使うことが想定されていたが、施設では、たんの吸引時などにスイッチを切って作業することが常態化していた。

 約1時間後に巡回中の看護師が異常に気付き、駆け付けた主治医が死亡を確認した。女性は筋肉が萎縮する病気で呼吸機能が低下し、2014年2月から入所していた。

 女性の遺族は「信頼して入所したのに職員のほとんどが呼吸器の適切な扱い方を知らず、同じ事故が繰り返された。入所者の安全が軽視され、企業の都合や利益ばかりが優先されていたことが残念でならない」とのコメントを出した。

 施設を運営するベネッセスタイルケア(東京)は「極めて重く受け止めており、再発防止を徹底したい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/485389
シリーズ: 2016年度マッチングに対する全国医学部生アンケート
「地元に残って貢献するべき」「細々とでも働き続ける」◆Vol.8
マッチング参加、医学部生の声3

レポート 2017年1月6日 (金) 高橋直純、玉嶋謙一(m3.com編集部)

Q 現在、日本の医療に関してどのような課題意識を持っていますか?また、その課題意識に、自分なりにどのように取り組んでいこうとお考えですか?

【医療財政、少子高齢化】

・医療費の増大が問題でこのままの医療体制は続かないと思っている。個人の力では無駄な医療費を削減することぐらいしかできないと思う。【大学:地方⇒市中病院:地方、女性】

・都会に比べるとやはり地方には医師が少なく、かつ広い範囲を担当している病院もあり、医師の負担に格差がある。そのためにも私たちの世代が地方に貢献し力となることで、人々のためだけでなく、自分たちの負担を減らしより健康的に医療を回していけるという流れを作りたいと思う。【大学:地方⇒市中病院:地方、男性】

・日本人は医療費を使いすぎだと感じる。最近では高価な分子標的薬なども増え、国の医療費は膨らんでいく一方である。国民皆保険制度が崩壊する前に、「国民皆保険制度を使えて当然。CTいっぱい撮って。薬はいっぱいちょうだい」といった患者さんの意識改革が必要だと思う。自分個人でできることといえば、これから出会う患者さん一人一人を諭すことくらいしかないが。【大学:地方⇒市中病院:地方、男性】

・高齢者がますます増えていることが問題だと思う。地域医療を充実していくために、やはり大学病院と地域連携も大事かもしれないが、それ以上に往診や訪問診療といったものを充実させるよう国が政策を具体的に打ち出していくのも良いと思う。自分は、研修中もこうした分野に耳を傾けつつ、いずれ将来開業したりしたときはそういった訪問診療も重視した診療所を経営したい。【大学:大都市部⇒大学病院:大都市部、男性】

・やはり高齢化に伴う医療費の増加は大きな問題になると思います。地域医療におけるプライマリ・ケアの充実が叫ばれていますが、私もそこに貢献できる医師になりたいと思っています。【大学:地方⇒大学病院:大都市部、男性】

・医療費がかかりすぎており、このままだと破綻すると思っている。無駄な検査を減らしたり、イギリスのようにgeneral practitioner制度を取り入れるのがいいと思っている。私自身は、必要な検査を絞って行ったり、自分の専門だけにとどまらず幅広い知識を持った医師になれるよう努力しようと思っている。【大学:大都市部⇒市中病院:大都市部、女性】

・近いうちに破たんすると思うので、それまでにキャリアを形成する。【大学:大都市部⇒市中病院:地方、男性】

・少子高齢化がますます進むと考えられるので、高齢者の医療はこれからも大変重要になっていくと思います。なかなか高齢者の医療について学ぶ機会がなかったので、隙間の時間にそういったことを学べたらいいなと思っています。【大学:地方⇒大学病院:地方、女性】

【地域医療、偏在について】

・都会部への医師の偏在化。自分は地元の医療に貢献したい。【大学:地方⇒大学病院:地方、男性】

・医師の偏在がまだまだあること(数・質ともに)は強く感じる。また、実際の医療において医学的知識だけでなく、介護や福祉のことも深い理解が求められている上、チーム医療がますます重視され高いコミュニケーション能力も必要とされている。自分としては、医師になってから、あるいはなる前にある程度の医療関連職について知識を深め(資格取得など)、多職種とも同じ目線で話しができ、なおかつリーダーシップもとれるような医師になりたいと考えている。【大学:地方⇒市中病院:地方、男性】

・東北の医療が非常に弱いということを実感している。また、東北が比較的閉鎖的で、それがより東北の医療を悪化させる原因になっている気がする。まずは自分が懸命に外との交流を持ちつつ、まず秋田が少しでも交流的になれるように努めていきたい。【大学:地方⇒市中病院:地方、男性】

・医師の偏在が問題であると考えています。地元を一度は離れて都市圏で生活してみたいという思いもありますが、医師が不足している地域で地元の医学部に行った以上は、地元に残って貢献するべきだと考えています。【大学:地方⇒大学病院:地方、女性】

・ポリクリで2週間毎に様々な病院で実習したが、都心と地方で医療の質の格差が生じていると感じる。国民皆保険制度にあっては、全ての被保険者が保険医療機関にて標準的な治療を日本全国で受けられることになっているが、地方に専門医は少ない。一昔前では医局制度によって、大学・都会の大病院でトレーニングを受けた医師が地方に派遣されることで格差は是正されたのかもしれないが、医局制度は崩壊しかけていると言われる。将来は、大学病院等で受けたトレーニングの成果を地方にも行き届かせることができるように、都会の病院・地方の病院交互に勤務できるよう、医局人事の希望を出そうか、と思う。【大学:大都市部⇒市中病院:地方、男性】

【女性のキャリア形成】

・女性医師のキャリア形成がしにくいところ。周りの子達も、「結婚するなら両立しやすい科にしないと」「将来はバイト医師でもいい」といったように、自分の本当にしたいキャリア形成をできていないように思います。私は、結婚・子育てもしながら、医師としてもできる限り頑張って後輩のキャリアプランの参考になれる存在になりたいです。【大学:地方⇒市中病院:地方、女性】

・女性医師の割合が増加する中で、今後の働き方が問われてくると思います。細々とでも仕事から完全に離れることのないよう働き続けていきたいです。【大学:大都市部⇒大学病院:大都市部、女性】

・外科医の女医を増やしたい。様々な理由から諦めるケースが多いのでもったいないと感じている。まずは自分が成し遂げることで後に続く道を作りたい。【大学:地方⇒市中病院:大都市部、女性】

・女性医師の働く環境。女性でも遠慮せずに自分の行きたい科に進めるようにしたい。まずは、自分が外科でしっかりと仕事をこなし、後輩への道を示したい。【大学:地方⇒市中病院:地方、女性】

・短期的には仕事をバリバリしたいと考えています。10年までには専門医を取り、仕事も恋愛もバランスよくして家庭を築きたいです。【大学病院・女性】

・自分の大学に入局、ある程度自由のある科に行き、女性として子育てなどもしっかりしていきたい。【大学病院・女性】

・短期…産休を取りながら、3年目半ばまでに初期研修を終える。中期…専門医の資格をとってから大学院へ。長期…救急や当直のない病院で外来勤務。【大学病院・女性】

・2年の研修後は、すぐに基礎研究の大学院に進学する。学費を稼ぐために、土日に何かアルバイトができたらと考えている。大学院は、博士論文を書いできるだけ早く卒業する。 10年後には35歳と、出産のリミットが近づくが、10年の間には出産、子育てをしたいができるか不安。将来が見えないけれど、ポストが得られる研究者として自律できるようにとにかく、上を目指してがんばるしかないかな、と思っている。【大学病院・女性】

・研修は大学病院と、いくつかたすき掛けで外病院も経験し、研修終了後はまず県立病院で働いてゆくゆくはへき地・離島の診療所に勤務する。何かしらの専門医はできれば取りたいと思っている。【大学病院・女性】



https://www.m3.com/news/general/491713?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170106&dcf_doctor=true&mc.l=199593198&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
【山形】八幡病院無床化 市長「理解得られた」
2017年1月6日 (金) 河北新報

 山形県酒田市の丸山至市長は5日の定例記者会見で、市立八幡病院(46床)の無床化を正式決定したことを明らかにした。地元住民の合意を得たと判断し、2018年4月をめどに飛島や松山など他の市営診療所とともに地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」(酒田市)に移管・統合させる。

 丸山市長は「八幡地区だけでなく、北庄内地域全体の医療環境の(在り方を守る)問題として、理解を頂いたと考える」と語った。

 市は15年の市議会12月定例会で病院の無床化と移管の方針を表明。地元住民の反発が大きかったため、1年がかりで説明を続け、16年12月に住民などでつくる「八幡病院等のあり方を考える協議会」の合意を取り付けた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50327.html
800床超が10対1から7対1に切り替え- 全日病調査
2017年01月06日 18時00分 CB news

 全日本病院協会(全日病)は、病院が「一般病棟7対1入院基本料」(7対1)を算定するための要件が、昨年10月から厳しくなった影響などの調査結果を公表した。回答病院が稼働させている計15万6808床のうち、同月時点で7対1を算定していたのは4万6433床で、同年3月時点と比べ875床少なかった。減少は、1000床弱が「一般病棟10対1入院基本料」(10対1)に切り替えたことなどによるが、一方で10対1から7対1に切り替えた病床も800床超あった。【佐藤貴彦】

 7対1は、手厚い看護が必要な急性期患者の入院医療を評価するもの。診療報酬が高く設定されており、算定するために幾つかの要件を満たす必要がある。具体的には、看護職員を患者7人ごとに1人以上配置することなどに加え、重症者に該当する入院患者の割合が一定以上であることなどが要件。このうち重症者の割合の基準は、昨年春の診療報酬改定で大幅に引き上げられ、10月から全病院に適用されている。

 全日病は同年9月から10月にかけ、会員の2489病院を対象に、算定する入院料に関する調査を実施。963病院(38.70)から有効回答を得た。

 それによると、7対1の算定病床は3月時点で4万7308床あったが、このうち1755床が10月時点までに別の入院料に切り替えていた。最も多いのは10対1への切り替え(976床)で、以下は「地域包括ケア病棟入院料」(544床)、「地域包括ケア入院医療管理料」(152床)、「回復期リハビリテーション病棟入院料」(46床)などと続いた。

 10対1に切り替えた976床の中には、病院が7対1と10対1を病棟群単位で算定することを認める特例を活用した病床が95床あった。この特例は、昨年春の報酬改定で設けられたもの。一般病棟の入院患者に占める重症者の割合などが、7対1を算定するための基準に満たない病院のための激変緩和措置で、来年3月末まで利用できることになっている。

 7対1からの切り替えが進む一方で、別の入院料から7対1に切り替えた病床が880床あり、このうち858床は3月時点で10対1を算定していた。そのほか、「特定集中治療室管理料」から14床、「ハイケアユニット入院医療管理料」から8床が、それぞれ7対1に切り替えていた。

■重症者基準満たすのに対策講じた病院が3割

 7対1を算定する病院の数は、3月時点の256病院から250病院に減っていた。250病院のうち、重症者の割合に関する新基準を「問題なく満たせた」のは172病院(68.80)で、75病院(300)は「対策を講じて基準を満たした」と答えた。

 対策の具体的な内容について自由に記載してもらったところ、「救急患者の受入体制を強化した」「看護師の能力・練度UPのための研修会を実施した」といった回答があった。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H65_W7A100C1EE8000/
日本郵政、札幌など3病院売却へ
2017/1/7 1:10 日本経済新聞

 日本郵政は全国で展開している逓信病院のうち、札幌市、横浜市、徳島市の3病院を売却する方針だ。4月1日から地域の医療法人や社会福祉法人に経営を引き継いでもらい、患者には引き続き医療サービスを提供する。日本郵政は2015年11月の上場を機に収益力を底上げするために赤字の病院事業の縮小を迫られている。既に仙台市などにある病院も売却している。



http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-06/2017010602_01_1.html
厚労省 療養14万床廃止・転換
2017年1月6日(金) しんぶん赤旗

 厚生労働省は医療費削減を狙って、高齢者らが長期入院する「療養病床」のうち約14万床を廃止し、患者を安上がりの新たな介護施設か在宅などに追いやろうとしています。入院している高齢者らはどうなるのか―。

 廃止対象は「介護型」約6・1万床と、軽症患者向けの「医療型」約7・6万床です。

 厚労省は、患者の受け入れ施設として、(1)医師・看護師が常駐する「医療内包型」(2)居住スペースと医療機関が併設する「医療外付け型」―の2種類を提示。医療内包型施設について、重症者向け(患者48人に医師1人)と、より軽症者向け(患者100人に医師1人)を示していますが、人員・施設基準や介護報酬、転換支援策については、介護給付費分科会でこれから議論する予定です。「医療型」療養病床についても、中央社会保険医療協議会でこれから詳細を検討します。

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 廃止時期は2018年3月末の予定を見直すものの、3年ないし6年先にするとして決まっていません。医療関係者からは「人員基準や報酬も決まらないと、転換できるのか決められない。3年では短い。6年は必要だ」との声が社会保障審議会で出されています。

 厚労省の方針では、「利用者を引き続き受け止めることができるようにする」とした一方、「効率的なサービス提供」を明記。医療内包型では人員配置基準の緩和も示しています。しかし、現在、「介護型」利用者の約6割は脳卒中を患い、全体の650が「入院・入所による医療が必要」です(15年度厚労省調査)。中重度の患者が在宅に追いやられる危険性を抱えています。

 しかも、新施設は「生活施設」の機能を備えるといいながら、利用者1人あたりの床面積は老人保健施設と同じ8平方メートル。大都市部での大規模改修までの間は同6・4平方メートルを可能としています。

 医療内包型では、介護施設と同様に低所得者への食費・居住費補助(補足給付)を行うとしていますが、一定の預貯金などがある人には15年から支給されなくなっています。医療外付け型は既存の介護付き有料老人ホームを想定しており、補足給付の対象外です。

 医療関係者からは、「新施設での医療サービスの縮小や負担増を許さない」との声があがっています。

 療養病床が多いとして厚労省がやり玉にあげる高知県を見ても、中山間地が多く通院・通所が困難だと指摘されています。療養病床が、医療的ケアが必要な高齢者の重要な受け皿になっているのが実態です。

 ところが厚労省は、日本医師会などが求めてきた「現行制度の再延長を第一選択肢」にすることには背を向け続けており、廃止に固執する姿勢が問われています。



http://dd.hokkaido-np.co.jp//news/opinion/editorial/2-0105364.html
社説 あすへの指針 社会保障全体の見直しを
01/06 08:50 北海道新聞

 社会保障制度が揺らいでいる。新年度予算案では医療保険料の軽減措置が縮小され、介護保険の利用者自己負担が引き上げられた。

 逼迫(ひっぱく)する財政を考えれば、今後、こうした傾向は強まろう。

 根本的な原因は予想を超えるスピードで進む少子高齢化にある。

 費用の支え手である現役世代が減っているからだ。国も少子化に歯止めをかけるため、さまざまな子育て支援策を始めた。

 しかし効果が出るには、20年から30年かかる。社会保障の持続性を維持するため、制度全体を見直す時期に来ている。

■強まる受益者負担論

 近年、政府・与党内で社会保障を巡って語られるキーワードは「自助・自立」だ。この受益者負担論の背景には、国による福祉サービスを極力抑える新自由主義の思想がうかがえる。

 発端は1995年、社会保障制度審議会が勧告で「社会保障は自助・自立が基本」と打ち出したことだ。その流れで2000年に創設されたのが、40歳以上の国民が負担し合う介護保険制度である。

 一方で、小泉純一郎政権下の医療費抑制策により、患者の自己負担が増えたばかりか、診療報酬の大幅引き下げで地方病院の経営が悪化。それが、医師の都市偏在と過疎地の医師不足を招いた。

 介護保険料の全国平均も上昇の一途だ。利用者の自己負担割合も、一昨年の改定で1割から2割に引き上げたばかりなのに、18年には一部が2割から3割になる。

 この結果、年金など限られた収入源しかない高齢者を中心に、医療や介護のサービスを受けることがままならない人が少なくない。

 いわゆる「医療難民」「介護難民」である。健康や老後の安全、安心が脅かされている。放置すれば、現役世代とリタイア世代の亀裂を深める。

 時計の針を5年前に戻したい。

 当時の民主党政権と野党だった自民、公明両党は「社会保障と税の一体改革」で合意した。

 膨らみ続ける社会保障費を、消費税を引き上げてまかなう。それが肝だった。

 財源をすぐに増税に結びつける発想には問題があるが、少なくとも社会保障の立て直しに向けた工程表や設計図はあった。そこに期待を抱いた国民もいただろう。

 ところが、どうだ。政権交代すると「一体改革」はお蔵入り。代わって講じられ始めたのは、いつもながらの場当たり的な対応だ。

 かつて、わが国の社会保障はそれなりに効果を上げてきた。

 だが、それは高度成長の下、企業にも家庭にも実現できるゆとりがあったからだともいえる。

 低成長時代で、しかも核家族化が進んだ今、過去の成功体験に縛られた発想でいいわけがない。

 社会保障のあり方は国の将来像に直結する。

 こうした議論に、与党も野党もない。長期的視野に立って制度の改革を目指す。それが政治の役割である。

■補い合う発想が大切

 国の遅い対応とは別に、地方では少ない人材や資源を活用した創意工夫が進んでいる。

 たとえば日高管内新ひだか町である。

 情報通信技術(ICT)を活用し、エックス線画像やカルテなどを電子化。二つの町立病院と民間の2病院、9診療所で共有する。

 全体で一つの総合病院と見立てる工夫だ。道路が「病院の廊下」というわけだ。

 医師の都市偏在が際立つ道内にあって、新たな地域医療の手法として、参考になるのでないか。

 一方、介護では人材不足を背景にサービスや保険料などの地域格差が問題となっている。克服のヒントを広域連携に見いだしたい。

 全国的にも先例となったのが1998年、空知管内奈井江町など6市町が立ち上げた「空知中部広域連合」だ。支え手の人材を集約し、事務経費の節減などで効率的な運営を実現した。

 同様の試みは、道内4地域を含め、全国で39地域に増えた。それだけ効果があったということだ。

 医療にしても介護にしても、一つの病院や自治体だけでは限界がある。足りないところを補い合う発想が欠かせない。

■「日本モデル」世界に

 日本は、超高齢社会の世界最先端を突き進んでいる。

 内閣府の2016年版高齢社会白書によれば、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は26・7%にも上り、イタリアの22・4%、ドイツの21・2%などを大きく引き離している。

 超高齢社会をどう乗り越えていくか。世界が注目している。

 団塊世代が75歳を迎える2025年問題を考えれば、医療・介護は成長産業になり得る。「日本モデル」を世界に発信したい。


  1. 2017/01/07(土) 06:20:19|
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